(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-26
(45)【発行日】2024-07-04
(54)【発明の名称】サーバシステム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/65 20140101AFI20240627BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20240627BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20240627BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20240627BHJP
A63F 13/428 20140101ALI20240627BHJP
A63F 13/216 20140101ALI20240627BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240627BHJP
【FI】
A63F13/65
A63F13/35
A63F13/53
A63F13/69
A63F13/428
A63F13/216
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2020060592
(22)【出願日】2020-03-30
【審査請求日】2022-09-27
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(72)【発明者】
【氏名】堤 康一郎
【審査官】嶋田 行志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/190099(WO,A1)
【文献】特開2012-213522(JP,A)
【文献】特開2019-080747(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0385379(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-A63F 13/98
G06Q 10/00-G06Q 99/00
G08G 1/00-G08G 99/00
G01C 21/00-G01C 21/36
JSTPlus/JST7580/JSTChina(JDreamIII)
KAKEN
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
実空間内の特定エリアにおいて、当該特定エリアに対応付けられた仮想空間に関する情報をユーザの端末装置に提供するサーバシステムであって、
前記端末装置から送信された前記ユーザの実空間内の現在位置を示す現在位置情報を受信する受信手段と、
前記ユーザが第1条件を具備するか否かを判定する第1判定処理として、前記受信されたユーザの現在位置情報によって示される当該ユーザの現在位置が前記特定エリア内にあるか否かを判定する第1判定処理手段と、
前記第1判定処理によって特定エリア内に存在すると判定された第1判定処理の対象のユーザの
実空間内の向きが当該ユーザの安全性が確保されている向きであることを第2条件とし、当該第2条件を具備しているか否かを判定する第2判定処理を実行する第2判定処理手段と、
前記第2判定処理によって前記第2条件を具備していないと判定された第2判定対象のユーザに対して
、当該ユーザの安全性が確保された方向に向けさせる行動を促す誘導情報を生成する誘導情報生成処理を実行する生成手段と、
前記仮想空間に関する情報を各ユーザの端末装置に提供するとともに、前記生成された誘導情報を該当する前記第2判定対象のユーザの端末装置に提供する提供手段と、
を備えることを特徴とするサーバシステム。
【請求項2】
実空間内の特定エリアにおいて、当該特定エリアに対応付けられた仮想空間に関する情報をユーザの端末装置に提供するサーバシステムであって、
前記端末装置から送信された前記ユーザの実空間内の現在位置を示す現在位置情報を受信する受信手段と、
前記ユーザが第1条件を具備するか否かを判定する第1判定処理として、前記受信されたユーザの現在位置情報によって示される当該ユーザの現在位置が前記特定エリア内にあるか否かを判定する第1判定処理手段と、
前記第1判定処理によって特定エリア内に存在すると判定された第1判定処理の対象の
ユーザの
当該特定エリア内の状態が、安全が確保された状態であることを第2条件とし、当該第2条件を具備しているか否かを判定する第2判定処理を実行する第2判定処理手段と、
前記第2判定処理によって前記第2条件を具備していないと判定された第2判定対象の
ユーザに対して、当該ユーザの状態を安全な状態に変更させる行動を促す誘導情報を生成する誘導情報生成処理を実行する生成手段と、
前記仮想空間に関する情報を各ユーザの端末装置に提供するとともに、前記生成された誘導情報を該当する前記第2判定対象のユーザの端末装置に提供する提供手段と、
を備えることを特徴とするサーバシステム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のサーバシステムにおいて、
前記仮想空間に関する演出を制御する演出制御手段を更に備え、
前記生成手段が、
前記演出を前記端末装置に表示するための表示制御情報を、前記仮想空間に関する情報として、生成する、サーバシステム。
【請求項4】
請求項3に記載のサーバシステムにおいて、
前記演出制御手段が、
前記演出として、前記仮想空間内に配置される仮想オブジェクトの行動を制御する、サーバシステム。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のサーバシステムにおいて、
所与の第1タイミングに、前記第1条件、又は、当該第1条件及び前記第2条件の双方を具備するユーザのユーザ数を検出する検出手段を更に備え、
前記演出制御手段が、
前記検出されたユーザ数に応じて、前記仮想空間に関する演出を制御し、
前記生成手段が、
前記演出を前記端末装置に表示するための表示制御情報を、前記仮想空間に関する情報として、生成する、サーバシステム。
【請求項6】
請求項3~5のいずれか1項に記載のサーバシステムにおいて、
前記提供手段が、
予め定められた所与の第2タイミングが到来したと判定された場合に、前記仮想空間に関する情報として、生成された前記表示制御情報の提供を開始する、サーバシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のサーバシステムにおいて、
前記提供手段が、
前記第2タイミングが到来したと判定された場合に、前記第2判定処理によって前記第2条件を具備しない端末装置に対しては、生成された前記表示制御情報の提供を中止する、サーバシステム。
【請求項8】
請求項3~7のいずれか1項に記載のサーバシステムにおいて、
前記生成手段が、
前記ユーザに促す行動に基づいて、前記仮想空間内における仮想オブジェクトの状態を制御し、当該制御した仮想オブジェクトの状態を画像化することによって、前記仮想空間に関する演出を前記端末装置に表示するための前記誘導情報としての表示制御情報を生成する、サーバシステム。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載のサーバシステムにおいて、
前記第2判定処理手段が、
前記誘導情報を該当する端末装置に提供した後の所与の第3タイミングに、当該端末装置のユーザに対して前記第2判定処理を再度実行する、サーバシステム。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載のサーバシステムにおいて、
前記特定エリアに存在するユーザを記憶手段に登録する登録手段と、
前記記憶手段に登録されたユーザに対して所与のゲーム又は所与のネットワークサービスにおける所与の特典を付与する特典付与制御手段と、
を更に備える、サーバシステム。
【請求項11】
実空間内の特定エリアにおいて、当該特定エリアに対応付けられた仮想空間に関する情報をユーザの端末装置に提供するプログラムであって、
前記端末装置から送信された前記ユーザの実空間内の現在位置を示す現在位置情報を受信する受信手段、
前記ユーザが第1条件を具備するか否かを判定する第1判定処理として、前記受信されたユーザの現在位置情報によって示される当該ユーザの現在位置が前記特定エリア内にあるか否かを判定する第1判定処理手段、
前記第1判定処理によって特定エリア内に存在すると判定された第1判定処理の対象のユーザの
実空間内の向きが当該ユーザの安全性が確保されている向きであることを第2条件とし、当該第2条件を具備しているか否かを判定する第2判定処理を実行する第2判定処理手段、
前記第2判定処理によって前記第2条件を具備していないと判定された第2判定対象のユーザに対して
、当該ユーザの安全性が確保された方向に向けさせる行動を促す誘導情報を生成する誘導情報生成処理を実行する生成手段、及び、
前記仮想空間に関する情報を各ユーザの端末装置に提供するとともに、前記生成された誘導情報を該当する前記第2判定対象のユーザの端末装置に提供する提供手段、
としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項12】
実空間内の特定エリアにおいて、当該特定エリアに対応付けられた仮想空間に関する情報をユーザの端末装置に提供するプログラムであって、
前記端末装置から送信された前記ユーザの実空間内の現在位置を示す現在位置情報を受信する受信手段、
前記ユーザが第1条件を具備するか否かを判定する第1判定処理として、前記受信されたユーザの現在位置情報によって示される当該ユーザの現在位置が前記特定エリア内にあるか否かを判定する第1判定処理手段、
前記第1判定処理によって特定エリア内に存在すると判定された第1判定処理の対象のユーザの
当該特定エリア内の状態が、安全が確保された状態であることを第2条件とし、当該第2条件を具備しているか否かを判定する第2判定処理を実行する第2判定処理手段、
前記第2判定処理によって前記第2条件を具備していないと判定された第2判定対象の
ユーザに対して、当該ユーザの状態を安全な状態に変更させる行動を促す誘導情報を生成する誘導情報生成処理を実行する生成手段、及び、
前記仮想空間に関する情報を各ユーザの端末装置に提供するとともに、前記生成された誘導情報を該当する前記第2判定対象のユーザの端末装置に提供する提供手段、
としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバシステム及びプログラムなどに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯型のコンピュータの一種である携帯型ゲーム装置、又は、携帯電話やスマートフォンなどの携帯通信端末装置には、GPS(Global Positioning
System)などの測位システムを利用して位置情報を取得できる機能を有していることが多く、このような機能を有することによって、さまざまな有益なサービスを利用できるようになっている。
【0003】
最近では、位置情報の利用形態の一つとして、実空間とは異なる別の仮想空間を画像化するVR(Virtual Reality)技術、実空間上に仮想空間の情報を画像化して反映させるAR(Augmented Reality)技術、及び、実空間の情報を画像化して仮想空間に反映させるMR(Mixed Reality)技術なども知られている。
【0004】
また、最近では、AR技術をゲームなどに用いるものも登場しており、例えば、実空間の特定のエリアに対応付けられた仮想的な設置場所に、ゲーム内で使用する仮想オブジェクトを仮想的に設置し、ユーザが有する通信端末装置の実空間に対する位置及び撮影方向に基づいて、仮想オブジェクトを通信端末装置によって画像化して進行させるゲームも知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の位置ゲームを実現するシステムでは、特定のエリアにユーザを来訪させることができるものの、当該来訪したユーザの行動を誘導すること、及び、特定のエリアで開催するイベントの活性化やユーザの安全性を確保するためには更なる工夫が必要である。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、イベント会場等の実空間内の所定のエリアに存在するユーザの行動を制御し、かつ、当該制御することによって当該イベントを活気づかせ、また、当該イベントに参加する各ユーザの安全性の確保することが可能なサーバシステムなどを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記課題を解決するため、本発明は、
実空間内の特定エリアにおいて、当該特定エリアに対応付けられた仮想空間に関する情報をユーザの端末装置に提供するサーバシステムであって、
前記端末装置から送信された前記ユーザの実空間内の現在位置を示す現在位置情報を受信する受信手段と、
前記ユーザが第1条件を具備するか否かを判定する第1判定処理として、前記受信されたユーザの現在位置情報によって示される当該ユーザの現在位置が前記特定エリア内にあるか否かを判定する第1判定処理手段と、
前記第1判定処理によって特定エリア内に存在すると判定された第1判定処理の対象のユーザの実空間内の現在位置、当該ユーザの実空間内の向き、及び、当該特定エリア内に存在する人数のうち、少なくともいずれか1の要素が所与の第2条件を具備しているか否かを判定する第2判定処理を実行する第2判定処理手段と、
前記第2判定処理によって前記第2条件を具備していないと判定された第2判定対象のユーザに対して所与の行動を促す誘導情報を生成する誘導情報生成処理を実行する生成手段と、
前記仮想空間に関する情報を各ユーザの端末装置に提供するとともに、前記生成された誘導情報を該当する前記第2判定対象のユーザの端末装置に提供する提供手段と、
を備える、構成を有している。
【0009】
この構成により、本発明は、実空間内の所定のエリアに存在するユーザに対して、例えば、移動、向き、又は、状態などのユーザの行動がイベントの管理者の意図に沿っていない場合には、当該イベント管理者の意図に沿うようにユーザの行動を誘導することができる。
【0010】
したがって、本発明は、例えば、所定のエリアで開催されるイベントに、多くのユーザが集まった場合に、当該イベントの内容に仮想空間の画像を取り込むことによって(すなわち、実空間で実行されるイベントを仮想空間に拡張することによって)当該イベントを活性化すること、及び、エリア内の混在を緩和させることなど当該イベントに参加する各ユーザの安全性を確保することができる。
【0011】
なお、「仮想空間に関する情報」とは、例えば、2次元又は3次元の仮想空間が画像化された画像情報、当該仮想空間を画像化するための情報、当該仮想空間に形成される仮想オブジェクトが画像化された画像情報、当該仮想オブジェクトを画像化するための情報、及び、当該仮想空間又は仮想オブジェクトを実空間とともに画像化するための情報が含まれる。
【0012】
例えば、「仮想空間に関する情報」には、
(A1)特定エリア内に対応付けられた実空間とは異なる別の仮想空間又は仮想オブジェクトを含めた当該仮想空間を画像化してVR(Virtual Reality)を実現するための表示制御情報、
(A2)特定エリアに、画像化された仮想空間又は仮想オブジェクトを反映させて実空間を拡張するAR(Augmented Reality)を実現するための表示制御情報、
(A3)画像化された仮想空間に、画像化された特定エリアを、反映させてMR(Mixed Reality)を実現するための表示制御情報、及び、
(A4)画像化された現在の特定エリアに、現在とは異なる時間軸の特定エリアの状態を画像化して反映させてSR(Substitutional Reality)を実現するための表示制御情報、
などが含まれる。
【0013】
また、「特定エリア」は、例えば、屋外のエリアであってもよいし、屋内のエリアであってもよい。
【0014】
そして、「所与の第2条件」としては、例えば、
(B1)該当するユーザが存在する位置が特定エリアの密集エリア内でないこと、
(B2)特定エリアに存在しているユーザ数が一定数以内であること、
(B3)該当するユーザの状態(向き、又は、高低を含めた所定のエリア内における位置)が所定の状態であること、及び、
(B4)(B1)~(B3)の2以上の組み合わせ、
などが含まれる。
【0015】
さらに、「少なくとも1の要素が所与の第2条件を具備しているか否かを判定する」とは、上記の(B1)~(B3)の中から少なくとも1つの条件を具備しているか否かを判定することを示すが、該当するユーザの属性が第2条件を具備しているか否か(特定の属性か否か)など(B1)~(B3)以外の要素に基づく第2判定処理が含まれてもよいことを示す。
【0016】
上記に加えて、「所与の行動」とは、例えば、
(C1)該当するユーザを所定のエリアや当該エリアの所定の位置(高低の位置も含む。)に移動させること、
(C2)該当するユーザを所定の向きに変更すること、及び、
(C3)該当するユーザの端末装置に所定の動作を実行させること、
などが含まれる。
【0017】
特に、「該当するユーザの端末装置に所定の動作を実行させる」には、ライトを光らせること、ゲームを実行すること、及び、カメラや音を出力するアプリを実行することなどが含まれる。
【0018】
また、「誘導情報」には、例えば、端末装置に誘導内容を表示させるための情報、及び、端末装置によってユーザに音などによって当該誘導内容を告知するための情報が含まれる。
【0019】
(2)また、本発明は、
前記仮想空間に関する所与の演出を制御する演出制御手段を更に備え、
前記生成手段が、
前記所与の演出を前記端末装置に表示するための表示制御情報を、前記仮想空間に関する情報として、生成する、構成を有している。
【0020】
この構成により、本発明は、当該実空間に対応付けて仮想空間内に配置された仮想オブジェクトをユーザに視認させることができるので、実空間においてVR、AR、MR及びSRによってイベントを提供することができる。
【0021】
また、「仮想空間における所与の演出を制御する」には、例えば、仮想空間に配置(登場)する仮想オブジェクトの演出を制御すること、及び、当該仮想オブジェクトが配置された仮想空間内の演出を制御することが含まれる。
【0022】
(3)また、本発明は、
前記演出制御手段が、
前記所与の演出として、前記仮想空間内に配置される仮想オブジェクトの行動を制御する、構成を有している。
【0023】
この構成により、本発明は、当該実空間に対応付けて仮想空間内に配置された仮想オブジェクトをユーザに視認させることができるので、実空間においてVR、AR、MR及びSRによってイベントを提供することができる。
【0024】
(4)また、本発明は、
所与の第1タイミングに、前記第1条件、又は、当該第1条件及び前記第2条件の双方を具備するユーザのユーザ数を検出する検出手段を更に備え、
前記演出制御手段が、
前記検出されたユーザ数に応じて、前記仮想空間に関する所与の演出を制御し、
前記生成手段が、
前記所与の演出を前記端末装置に表示するための表示制御情報を、前記仮想空間に関する情報として、生成する、構成を有している。
【0025】
この構成により、本発明は、例えば、特定エリアに存在するユーザが一定数になった場合に、又は、特定エリアに存在するユーザが所定の位置に移動し、所定の方向を向き若しくは端末装置に所定の動作を実行させた場合に、イベント(ゲームを含む)などの所定の演出をユーザに提供することができるので、イベントにおけるユーザの興趣性を向上させることができる。
【0026】
なお、「所与の第1タイミング」には、例えば、イベントを管理する管理者(ゲームを提供する提供者を含む。)によって設定された日時などの予め定められたタイミング、及び、第2判定処理が実行されたタイミングなどが含まれる。
【0027】
また、「検出されたユーザ数に応じて・・・演出を制御する」とは、例えば、第1条件及び第2条件を具備するユーザのユーザ数が予め定められた数より少ない場合や当該ユーザ数が予め定められた数より多い場合に、所定の演出が実行されないこと、又は、所定の演出が変更されることを意味する。
【0028】
例えば、第1条件及び第2条件を具備するユーザのユーザ数が予め定められた数より多い場合には、多くのユーザが安全な状態、又は、所与の動作を開始可能な状態など適切な状態にある可能性が高いと判断されるので、イベントが開始可能であるとして、それに関する演出を実行する。
【0029】
また、例えば、第1条件及び第2条件を具備するユーザのユーザ数が予め定められた数より少ない場合には、安全性が担保できていない可能性が高く、又は、所与の動作を開始するための準備ができてない可能性が高いと判断されるので、イベントが開始可能でないとして、それに関する演出を実行する。
【0030】
さらに、「所与の演出」には、例えば、ゲームを含むイベントを進行させるための演出が含まれる。
【0031】
(5)また、本発明は、
前記提供手段が、
予め定められた所与の第2タイミングが到来したと判定された場合に、前記仮想空間に関する情報として、前記所与の演出を前記端末装置に表示するための表示制御情報の提供を開始する、構成を有している。
【0032】
この構成により、本発明は、各ユーザが適切な位置や状態になるための制限時間を設けることができるので、当該各ユーザに対して迅速な誘導を行うことができる。
【0033】
したがって、本発明は、ゲームを含むイベントなどにおいてスムーズな運営を行うことができる。
【0034】
なお、「第2タイミング」には、例えば、イベントの運営者などによって日時などの予め定められたタイミングなどが含まれる。
【0035】
また、「表示制御情報の提供を開始する」とは、既に生成されている表示制御情報の提
供を開始すること、及び、表示制御情報の生成を開始して提供をすることが含まれる。
【0036】
(6)また、本発明は、
前記提供手段が、
前記第2タイミングが到来したと判定された場合に、前記第2判定処理によって前記第2条件を具備しない端末装置に対しては、前記所与の演出を前記端末装置に表示するための表示制御情報の提供を中止する、構成を有している。
【0037】
この構成により、本発明は、各ユーザが適切な位置や状態になるための制限時間を設けることができるので、当該各ユーザに対して迅速な誘導を行うことができる。
【0038】
したがって、本発明は、ゲームを含むイベントなどにおいてスムーズな運営を行うことができる。
【0039】
(7)また、本発明は、
前記生成手段が、
前記ユーザに促す所与の行動に基づいて、前記仮想空間内における当該仮想オブジェクトの状態を制御し、当該制御した仮想オブジェクトの状態を画像化することによって、前記仮想空間に関する所与の演出を前記端末装置に表示するための前記誘導情報としての表示制御情報を生成する、構成を有している。
【0040】
この構成により、本発明は、例えば、ユーザが不適切な位置に存在する場合には、仮想オブジェクトが小さく、大きく、又は、後ろや横から見えるように当該仮想オブジェクトの状態を制御することができるので、各ユーザが適切な位置や状態であるほど、仮想オブジェクトを適切に画像化することができる。
【0041】
したがって、本発明は、ユーザが仮想オブジェクトを見ていれば当該各ユーザをスムーズに適切な位置や状態に誘導することができるので、仮想空間を用いたイベント(ゲームを含む。)において当該イベントの世界観を損なうことなく、各ユーザの状態をスムーズにコントロールすることができる。
【0042】
なお、「仮想オブジェクトの状態」には、例えば、当該仮想オブジェクトの形状(立体形状や平面形状)、サイズ、及び、向きなどの直接的な状態の他に、仮想オブジェクトそのものの状態を変更せずに、仮想オブジェクトを画像化する際の各種の制御(例えば、仮想カメラの位置制御、撮像方向の制御、拡大の有無やその倍率などの拡大制御、ピントの制御、及び、画質の変化制御)を実行することによって擬似的に変化する状態も含まれる。
【0043】
(8)また、本発明は、
前記第2判定処理手段が、
前記誘導情報を該当する端末装置に提供した後の所与の第3タイミングに、当該端末装置のユーザに対して前記第2判定処理を再度実行する、構成を有している。
【0044】
この構成により、本発明は、誘導情報に基づいて当該誘導情報が提供されたユーザが誘導され、その結果、第2条件を具備したか否かを判定することができるので、該当するユーザの状況やその周囲の環境が改善されたか否かを確認することができる。
【0045】
したがって、本発明は、イベントに参加するユーザの状況をリアルタイムで的確に把握することができるとともに、遅滞なくイベントを開始することができる。
【0046】
なお、「第3タイミング」には、例えば、第2判定処理の実行から所定の期間経過したタイミング、及び、誘導情報を提供した端末装置から現在位置情報、又は、当該端末装置の状態を示す端末状態情報(ユーザによる操作指示に基づいて変化した状態情報も含む。)を受信したタイミングなどが含まれる。
【0047】
(9)また、本発明は、
前記生成手段が、
前記誘導情報として、該当するユーザの実空間内における位置、及び、当該ユーザの実空間における向きの少なくともいずれか一方の変更を当該ユーザに誘導するための情報を生成する前記誘導情報生成処理を実行する、構成を有している。
【0048】
この構成により、本発明は、該当するユーザに対してユーザの実空間内における位置や当該ユーザの実空間における向きを誘導することができるので、特定エリア内の各ユーザの状況やその周囲の環境を改善させることができる。
【0049】
(10)また、本発明は、
前記特定エリアに存在するユーザを記憶手段に登録する登録手段と、
前記記憶手段に登録されたユーザに対して所与のゲーム又は所与のネットワークサービスにおける所与の特典を付与する特典付与制御手段と、
を更に備える、構成を有している。
【0050】
この構成により、例えば、特定エリアによって実行されるイベントとゲームやネットワークサービスを連動させることができるので、ユーザのゲームやネットワークサービスに対する興趣性を向上させることができる。
【0051】
なお、「所与のゲーム又は所与のネットワークサービス」とは、イベントに関係するゲーム又はネットワークサービスであることが好ましいが、スポンサーやマネージメント会社などの共通する管理者や団体によって提供されるゲームやネットワークサービスなどであればよい。
【0052】
また、「所与の特典」には、例えば、所与のゲームにおいて用いられる能力、アイテム、プレーヤキャラクタ、ゲーム内通貨、若しくは、パラメータなどのゲームおいてユーザが有利となるためのもの、ポイントや割引などのネットワークサービスを享受するためのものが含まれる。
【0053】
(11)また、上記課題を解決するため、本発明は、
実空間内の特定エリアにおいて、当該特定エリアに対応付けられた仮想空間に関する情報をユーザの端末装置に提供するプログラムであって、
前記端末装置から送信された前記ユーザの実空間内の現在位置を示す現在位置情報を受信する受信手段、
前記ユーザが第1条件を具備するか否かを判定する第1判定処理として、前記受信されたユーザの現在位置情報によって示される当該ユーザの現在位置が前記特定エリア内にあるか否かを判定する第1判定処理手段、
前記第1判定処理によって特定エリア内に存在すると判定された第1判定処理の対象のユーザの実空間内の現在位置、当該ユーザの実空間内の向き、及び、当該特定エリア内に存在する人数のうち、少なくともいずれか1の要素が所与の第2条件を具備しているか否かを判定する第2判定処理を実行する第2判定処理手段、
前記第2判定処理によって前記第2条件を具備していないと判定された第2判定対象のユーザに対して所与の行動を促す誘導情報を生成する誘導情報生成処理を実行する生成手段、及び、
前記仮想空間に関する情報を各ユーザの端末装置に提供するとともに、前記生成された誘導情報を該当する前記第2判定対象のユーザの端末装置に提供する提供手段、
としてコンピュータを機能させる、構成を有している。
【0054】
この構成により、本発明は、実空間内の所定のエリアに存在するユーザに対して、例えば、移動、向き、又は、状態などのユーザの行動がイベントの管理者の意図に沿っていない場合には、当該イベント管理者の意図に沿うようにユーザの行動を誘導することができる。
【0055】
したがって、本発明は、例えば、所定のエリアで開催されるイベントに、多くのユーザが集まった場合に、当該イベントの内容に仮想空間の画像を取り込むことによって(すなわち、実空間で実行されるイベントを仮想空間に拡張することによって)当該イベントを活性化すること、及び、エリア内の混在を緩和させることなど当該イベントに参加する各ユーザの安全性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【
図1】一本実施形態のイベント制御システムの構成を示すシステム構成の一例を示す図である。
【
図2】一実施形態のイベントの概要を説明するための図である。
【
図3】一実施形態のサーバ装置の機能ブロックを示す図である。
【
図4】一実施形態のユーザ情報記憶部に記憶されるユーザ情報の一例である。
【
図5】一実施形態の端末装置の機能ブロックを示す図である。
【
図6】一実施形態の仮想空間の情報を用いた実空間における参加者誘導制御及び仮想空間における演出制御について説明するための図である。
【
図7】一実施形態の誘導情報生成処理について説明するための図(その1)である。
【
図8】一実施形態の誘導情報生成処理について説明するための図(その1)である。
【
図9】一実施形態の変形例であって、キャラクタオブジェクトを用いた誘導情報について説明するための図(その1)である。
【
図10】一実施形態の変形例であって、キャラクタオブジェクトを用いた誘導情報について説明するための図(その2)である。
【
図11】一実施形態のサーバ装置によって実行される参加者誘導制御を含む仮想空間におけるイベントに関する演出の開始動作を示すフローチャート(その1)である。
【
図12】一実施形態のサーバ装置によって実行される参加者誘導制御を含む仮想空間におけるイベントに関する演出の開始動作を示すフローチャート(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0058】
[1]イベント制御システム
[1.1]概要
まず、
図1を用いて本実施形態のイベント制御システム1の概要及び概要構成について説明する。なお、
図1は、本実施形態のイベント制御システム1の構成を示すシステム構成の一例を示す図である。
【0059】
本実施形態のイベント制御システム1は、実空間上の特定エリアに対応付けられて形成される仮想空間に、ユーザによって注視される仮想オブジェクトとしてのキャラクタオブジェクトを登場させ、当該キャラクタオブジェクトの仮想の演技パフォーマンス(具体的には、歌唱ライブ)やゲームの実施などをイベントとして実行制御するシステムである。
【0060】
特に、イベント制御システム1は、特定エリアの実空間の画像(実空間のリアルな画像又はバーチャルな画像)とともに、2次元又は3次元の仮想空間の画像(仮想オブジェクトによる演出を含む。)を組み合わせて、インベントに参加する各ユーザ(以下、「参加者」という。)に視認させる構成を有している。
【0061】
そして、イベント制御システム1は、その過程で、参加者の移動先や向きなど各ユーザの特定エリア内の行動を誘導するため情報(以下、「誘導情報」という。)を提供する構成を有している。
【0062】
すなわち、本実施形態のイベント制御システム1は、仮想空間の情報を用いて特定エリアである実空間における参加者の誘導制御(以下、「仮想空間の情報を用いた実空間における参加者誘導制御」ともいう。)を実行するための構成を有している。
【0063】
具体的には、イベント制御システム1は、
図1に示すように、仮想空間における演出を実行して特定エリアにおけるイベントを実現するための各種の処理を実行するサーバ装置10と、ネットワークを介してサーバ装置10から送信されてくるデータを用いて参加者に仮想空間における演出を体験させる端末装置20(例えば、端末装置20A、20B、20C)とが、インターネットなどのネットワークに接続可能に構成されている。
【0064】
サーバ装置10は、例えば、API(アプリケーションプログラミングインタフェース)や所定のプラットフォーム等を利用して実行される実空間における仮想空間に基づくイベントを実現するための各種の処理を実行する情報処理装置である。
【0065】
また、サーバ装置10は、1つの(装置、プロセッサ)で構成されていてもよいし、複数の(装置、プロセッサ)で構成されていてもよい。
【0066】
そして、サーバ装置10の記憶領域(後述する記憶部140)に記憶される参加者を含めユーザに関する情報(以下、「ユーザ情報」という。)等を、ネットワーク(イントラネット又はインターネット)を介して接続されたデータベース(広義には記憶装置、メモリ)に記憶するようにしてもよいし、記憶領域に記憶されるイベントに関する情報等を、ネットワーク(イントラネット又はインターネット)を介して接続されたデータベース(広義には記憶装置、メモリ)に記憶するようにしてもよい。
【0067】
特に、サーバ装置10は、仮想空間を用いたイベントを実現するため、特定エリアに内に存在する参加者に対して、仮想空間に関する情報として、2次元又は3次元の仮想空間が画像化された画像情報、当該仮想空間を画像化するための情報、当該仮想空間に形成される仮想オブジェクトが画像化された画像情報、当該仮想オブジェクトを画像化するための情報、及び、当該仮想空間又は仮想オブジェクトを実空間とともに画像化するための情報を各端末装置20に提供するようになっている。
【0068】
例えば、サーバ装置10は、仮想空間に関する情報としては、
(A1)特定エリア内に対応付けられた実空間とは異なる別の仮想空間又は仮想オブジェクトを含めた当該仮想空間を画像化してVR(Virtual Reality)を実現するための表示制御情報、
(A2)特定エリアに、画像化された仮想空間又は仮想オブジェクトを反映させて実空間を拡張するAR(Augmented Reality)を実現するための表示制御情報、
(A3)画像化された仮想空間に、画像化された特定エリアを、反映させてMR(Mixed Reality)を実現するための表示制御情報、又は、
(A4)画像化された現在の特定エリアに、現在とは異なる時間軸の特定エリアの状態を画像化して反映させてSR(Substitutional Reality)を実現するための表示制御情報、
を各端末装置20に提供する構成を有している。
【0069】
端末装置20は、スマートフォン、携帯電話、PHS、コンピュータ、ゲーム装置、PDA、携帯型ゲーム装置機、HMD、又は、画像生成装置などの情報処理装置によって構成され、インターネット(WAN)、LANなどのネットワークを介してサーバ装置10に接続可能な装置である。なお、端末装置20とサーバ装置10との通信回線は、有線でもよいし無線でもよい。
【0070】
また、端末装置20は、参加者によって入力された操作情報や当該参加者の位置情報の送信などサーバ装置10との通信を行うための通信制御機能、及び、サーバ装置10から受信したデータを用いて表示制御を行う表示機能を備える構成を有している。
【0071】
なお、端末装置20は、表示機能として、サーバ装置10によって送信された表示制御情報を表示するためのHMDユニットを有していてもよい。
【0072】
[1.2]特定エリアにおいて開催されるイベント
次に、
図2を用いて仮想空間と連動しつつ実空間内の特定エリアにおいて開催されるイベントの概要を説明する。なお、
図2は、本実施形態のイベントの概要を説明するための図である。
【0073】
イベントは、ユーザである参加者に提供するためのものであって、特定エリア11に設けられたステージ4を端末装置20によって撮像することによって画像化された実空間の画像と、当該ステージ4に対応付けられた仮想空間の画像と、を混在させて表示させて参加者に観覧させるものである。
【0074】
また、イベントは、演者やキャラクタなどのパフォーマンスやゲームの実演などのイベントであって、実空間及び仮想空間において連動して実行されてもよいし、仮想空間のみによって実行されてもよい。
【0075】
特定エリア11は、実空間内にあるイベントの主催者によって指定されたイベント会場である。
【0076】
例えば、特定エリアには、
図2に示すように、リアルに、仮想的に、又は、これらが混合されて、ゲームの実演、演劇、演奏、又は、講演などの種々のパフォーマンス(仮想空間におけるパフォーマンスも含む。)が実行されるステージ4と、参加者がパフォーマンスを観覧する観覧エリア6と、が設けられている。
【0077】
ステージ4は、例えば、野外ステージ、又は、室内ステージである一方で、仮想空間12は、野外ステージ又は室内ステージの他に、コンサートホール、ライブハウス、学校の体育館裏、教室の教壇、トラックの荷台、又は、甲板などのシチュエーションを形成することができるようになっている。
【0078】
観覧エリア6は、ステージ4を観覧しつつ、当該ステージ4に対応付けられた画像化された仮想空間12を観覧するためのエリアである。
【0079】
また、観覧エリア6は、複数の座席が設定されていてもよく、この場合には、各座席が各参加者に割り当てられていてもよいし、さらに、単に複数のエリアに分割されていても
よく、複数のエリアに分割されていている場合には、当該分割されたエリア(以下、「分割エリア」ともいう。)毎に所定数の参加者が割り当てられていることが好ましい。
【0080】
仮想空間12は、ステージ4に対応付けて形成されており、参加者の端末装置20によってステージ4が撮像されて画像化されると、当該画像化されたステージ4の実空間のリアルな画像又はバーチャルな画像とともに、表示される。
【0081】
なお、参加者2は、直接的に、又は、端末装置20を介して、VR、AR又はMRを体験するための画像を視認することができるようになっており、その結果、ステージ4上のリアルな又はバーチャルなパフォーマンスを観覧することができるようになっている。
【0082】
また、ステージ4上のパフォーマンスの内容は、実空間又は仮想空間12における演者による楽曲の歌唱、楽器の演奏、ダンス、又は、大道芸などのライブパフォーマンス、演者や参加者によるゲームの実演、又は、講演などである。
【0083】
一方、仮想空間12には、パフォーマンスを実行する1以上のキャラクタオブジェクトが配置され、当該キャラクタオブジェクトを含めて当該仮想空間における演出が実行される。
【0084】
例えば、キャラクタオブジェクトとしては、歌唱やダンスなどのパフォーマンスを行う複数のアイドルキャラクタ、又は、ゲームの世界を体現したキャラクタなどが用いられる。
【0085】
なお、本実施形態においては、特定エリア11は、例えば、屋外のエリアであってもよいし、屋内のエリアであってもよい。
【0086】
なお、本実施形態のイベントは、例えば、所与のゲームに関するイベント、又は、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(以下、「SNS」という。)などのネットワークサービスに関連するイベントであってもよいし、これらを提供する提供者、又は、関連する管理者や団体によって提供されるイベントであってもよい。
【0087】
[2]サーバ装置
まず、
図3及び
図4を用いて本実施形態のサーバ装置10の概要及び構成について説明する。なお、
図3は、本実施形態のサーバ装置10の機能ブロックを示す図であり、また、本実施形態のサーバ装置10は
図3の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。そして、
図4は、本実施形態のユーザ情報記憶部に記憶されるユーザ情報の一例である。
【0088】
サーバ装置10は、仮想空間を用いたイベントを提供するための各種の処理を実行する処理部100、管理者やその他の入力に用いるための入力部120、所定の表示を行う表示部130、イベント及び各参加者のデータを記憶する記憶部140、所定の情報が記憶された情報記憶媒体180、及び、端末装置20やその他と通信を行う通信部196を含む。
【0089】
入力部120は、システム管理者等がイベントに関する設定やその他の必要な設定、データの入力に用いるものである。例えば、本実施形態の入力部120は、マウスやキーボード等によって構成される。
【0090】
表示部130は、システム管理者用の操作画面を表示するものである。例えば、本実施形態の表示部130は、液晶ディスプレイ等によって構成される。
【0091】
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などによって構成される。
【0092】
通信部196は、外部(例えば、端末、他のサーバや他のネットワークシステム)との間で通信を行うための各種制御を行うデバイスであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどによって構成される。
【0093】
記憶部140は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能は、RAM(VRAM)などによって構成される。なお、記憶部140に記憶される情報は、データベースで管理してもよい。また、例えば、記憶部140は、本発明の記憶手段を構成する。
【0094】
また、本実施形態においては、記憶部140には、ワーク領域として使用される主記憶部142、提供するイベントの演出を含む当該イベントに関する情報を記憶するイベント情報記憶部144、各ユーザに関するユーザ情報記憶部146、観覧エリア6の情報を示す観覧エリア情報記憶部148が記憶される。ただし、記憶部140には、上述の情報の他に、イベントに必要な各種の情報が記憶される。
【0095】
特に、ユーザ情報記憶部146には、
図4に示すように、ユーザ毎にユーザIDに対応付けられて、氏名・年齢・性別などの属性情報、現在位置(緯度及び経度)や現在存在するゾーンなどの現在位置情報、ゲーム履歴・イベント参加履歴・行動履歴(現在の位置情報や対応付けられている端末装置20の向きや撮像方向などの端末装置20の状態、及びこれらの履歴を含む。)を含む履歴情報、ユーザの参加者としての登録の有無を示す参加者登録情報、予め観覧位置が指定されている場合にはイベントを観覧する位置(すなわち、座席やエリア)やゾーンなどの観覧位置を示す観覧位置情報、及び、課金決済を行う口座情報などのその他情報がユーザ情報として記憶される。
【0096】
なお、便宜上、
図4の空欄の部分に明示されるべき各種の詳細な情報についてその記載を省略している。
【0097】
一方、観覧エリア情報記憶部148には、実空間におけるイベント開催場所となる特定エリアの確定するための緯度及び経度を示す緯度経度情報、特定エリアに設定された各席の位置情報(すなわち、緯度経度情報)、及び、特定エリアが複数に分割された分割エリアが設定されている場合には、当該各分割エリアを確定するための緯度及び経度を示す緯度経度情報が記憶されている。
【0098】
また、観覧エリア情報記憶部148には、各分割エリアにおいて、存在する参加者の人数が一定数未満で混雑していない分割エリア(以下、「空きエリア」ともいう。)、既に一定数の参加者が存在してこれ以上参加者が存在できない分割エリア(以下、「誘導終了エリア」又は「終了エリア」ともいう。)及び、当該存在する参加者の人数が一定数以上の分割エリア(以下、「混雑エリア」ともいう。)の情報を、各緯度経度情報に対応付けて記憶される。
【0099】
処理部100は、記憶部140内の主記憶部142をワーク領域として各種処理を行う。処理部100の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0100】
処理部100は、情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち情報記憶媒体180には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶される。
【0101】
例えば、処理部100(プロセッサ)は、情報記憶媒体180に記憶されているプログラムに基づいて、サーバ装置10全体の制御を行うとともに、イベントの実行を制御する処理、又は、画像生成処理又は音生成処理などの処理を行う。
【0102】
また、処理部100は、特定エリアに来訪した各ユーザの行動を誘導する誘導制御処理を実行するとともに、イベントの開始条件(以下、「イベント開始情報」という。)が満たされた場合に、画像化された仮想空間の画像情報などを端末装置20bへ提供開始する処理、仮想空間に登場するキャラクタオブジェクトを含む各オブジェクトを実空間である特定エリアに対応付けられて形成される仮想空間上に配置する処理、キャラクタオブジェクトを含み、各オブジェクトをイベントの進行に沿って制御する処理、キャラクタオブジェクトを含む仮想空間上の各オブジェクトを各端末装置20に表示する処理、及び、イベントの終了条件(以下、「イベント終了条件」という。)が満たされた場合に当該イベントを終了する処理を実行する。
【0103】
具体的には、本実施形態の処理部100は、通信制御部101、Web処理部102、参加者誘導管理部103、イベント管理部104、仮想空間演出制御部105、仮想カメラ制御部106、音生成部107、画像生成部108、ユーザ情報管理部109、タイマ管理部110及び情報提供部111を少なくとも有している。
【0104】
なお、例えば、本実施形態の通信制御部101は、本発明の受信手段を構成し、参加者誘導管理部103は、画像生成部108とともに、本発明の生成手段を構成する。また、例えば、イベント管理部104は、本発明の検出手段を構成し、仮想空間演出制御部105は、本発明の演出制御手段を構成する。さらに、例えば、ユーザ情報管理部109は、本発明の第1判定処理手段、第2判定処理手段、登録手段及び特典付与制御手段を構成し、情報提供部111は、本発明の提供手段を構成する。
【0105】
通信制御部101は、端末装置20とネットワークを介してデータを送受信する処理を行う。特に、通信制御部101によって端末装置20等から送信されたユーザの操作情報や位置情報を含む各種の情報を受信し、画像化された仮想空間の画像などを該当する端末装置20に送信する。
【0106】
Web処理部102は、Webサーバとして機能する。例えば、Web処理部102は、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)等の通信プロトコルを通じて、端末装置20にインストールされているWebブラウザ211の要求に応じてデータを送信する処理、及び、端末装置20のWebブラウザ211によって送信されるデータを受信する処理を行う。
【0107】
なお、本実施形態のイベントに関する演出制御、仮想カメラ制御、及び、画像生成に関する処理は、サーバ装置10が一部又は全部を行ってもよいし、端末装置20が一部を行ってもよい。
【0108】
参加者誘導管理部103は、参加者として登録されたユーザ(以下、単に「参加者」ともいう。)毎に、認識された各参加者の位置や端末装置20のステージの撮像の有無などに基づいて、各参加者の行動を誘導するための誘導情報を生成し、又は、仮想カメラ制御部106と連動して仮想空間を画像化する際の制御を行う。
【0109】
イベント管理部104は、参加者の端末装置20から取得した位置情報を含む各情報に基づいて、特定エリア内の人数、特定エリアや当該特定エリア内の所定のエリアの混雑状況を管理する。
【0110】
仮想空間演出制御部105は、実空間の特定エリアにおいて開催されるイベントと連動させて、仮想空間内における演出制御を行うイベント制御処理を実行する。
【0111】
具体的には、仮想空間演出制御部105は、イベントの演出を制御するイベント演出制御処理に連動して、キャラクタオブジェクト、移動経路、建物、樹木、柱、壁、マップ(地形)などの表示物を表す各種オブジェクト(スプライト、ビルボード、ポリゴン、自由曲面又はサブディビジョンサーフェスなどのプリミティブ面で構成されるオブジェクト)をオブジェクト空間(すなわち、特定エリアに対応付けられた仮想空間)に配置設定する処理を行う。
【0112】
例えば、仮想空間演出制御部105は、イベントの演出を制御するイベント演出制御処理に連動して、特定エリアに対応付けられた仮想空間を設定しつつ、オブジェクト(モデルオブジェクト)の位置や回転角度(向き、方向と同義)を決定し、その位置(X、Y)或いは(X、Y、Z)にその回転角度(X、Y軸回りでの回転角度)或いは(X、Y、Z軸回りでの回転角度)でオブジェクトを配置する。
【0113】
なお、記憶部170には、オブジェクト(パーツオブジェクト)の位置、回転角度、移動速度、移動方向等のデータであるオブジェクトデータがオブジェクト番号に対応づけて記憶される。そして、仮想空間演出制御部105は、例えば、フレーム毎にこのオブジェクトデータを更新する処理などを行う。
【0114】
また、仮想空間(オブジェクト空間)とは、いわゆる仮想2次元空間、仮想3次元空間の両方を含む。2次元空間とは、例えば2次元座標(X,Y)においてオブジェクトが配置される空間であり、3次元空間とは、例えば3次元座標(X,Y,Z)においてオブジェクトが配置される空間である。
【0115】
そして、オブジェクト空間を2次元空間とした場合には、仮想空間演出制御部105は、複数のオブジェクトそれぞれについて設定された優先順位に基づいてオブジェクトを配置する。例えば、仮想空間演出制御部105は、奥側にあるように見せたいオブジェクト(スプライト)から順にオブジェクトを配置し、手前側にあるように見せたいオブジェクトを重ねて配置する処理を行うことができる。
【0116】
さらに、仮想空間演出制御部105は、描画サイズが大きなオブジェクトを画像の下方に配置し、描画サイズが小さなオブジェクトを画像の上方に配置すれば、画面の上方に対応するオブジェクト空間が奥側にあるように見せることができ、画面の下方に対応するオブジェクト空間が手前側にあるように見せることができる。
【0117】
一方、オブジェクト空間を3次元空間とした場合には、仮想空間演出制御部105は、ワールド座標系にオブジェクトを配置する。
【0118】
仮想カメラ制御部106は、オブジェクト空間内の各参加者の特定エリア内の現在位置を視点とし、当該視点から見える仮想空間の画像を生成するための仮想カメラ(視点、基準仮想カメラ)の制御処理を行う。
【0119】
具体的には、仮想カメラ制御部106は、参加者の特定エリア内の位置や当該参加者が
所有する端末装置20の撮像方向に基づいて、仮想カメラの位置(X、Y、Z)又は回転角度(X、Y、Z軸回りでの回転角度)を制御する処理(視点位置、視線方向あるいは画角を制御する処理)を行う。
【0120】
音生成部107は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などの仮想イベント音を生成し、通信部196を介して端末装置20に出力させる。
【0121】
画像生成部108は、端末装置20毎に、処理部100で行われる種々の処理(イベント制御など)の結果と、各端末装置の視点と、に基づいて画像化された仮想空間における描画処理を実行し、これにより画像を生成し、生成した画像の情報を画像情報として端末装置20に送信する。
【0122】
具体的には、画像生成部108は、座標変換(ワールド座標変換、カメラ座標変換)、クリッピング処理、透視変換、又は、光源処理等のジオメトリ処理が行われ、その処理結果に基づいて、描画データ(プリミティブ面の頂点の位置座標、テクスチャ座標、色データ、法線ベクトル或いはα値等)を生成する。
【0123】
そして、画像生成部108は、この描画データ(プリミティブ面データ)に基づいて、透視変換後(ジオメトリ処理後)のオブジェクト(1又は複数プリミティブ面)を、図示しない描画バッファ(フレームバッファ、ワークバッファ等のピクセル単位で画像情報を記憶できるバッファ)に描画する。
【0124】
なお、これにより、オブジェクト空間内において各参加者の特定エリア内の現在位置を基準とした仮想カメラ(所与の視点)から見える画像が生成される。
【0125】
また、画像生成部108で行われる描画処理は、頂点シェーダ処理やピクセルシェーダ処理等により実現することができる。
【0126】
ユーザ情報管理部109は、ユーザ登録手続きに係る処理及びアカウント(ユーザID)に紐付けられるデータの記憶管理を行う。
【0127】
具体的には、ユーザ情報管理部109は、アカウントの付与制御と、ユーザに関する個人情報を登録管理する登録情報管理、アカウントに紐付けられ課金要素の実行に係る対価の支払い原資として使用される口座の設定と入出金制御、イベント進行状況に関するイベント進行情報、及び、各種のイベントへの参加管理をアカウントと紐付けて記憶及び管理を行う。
【0128】
ユーザ情報管理部109は、各端末装置20から送信されたユーザの現在位置を示す現在位置情報と、当該各端末装置20の向き、撮像の有無及び撮像方向を示す端末状態を示す情報(以下、「端末状態情報」という。)を取得し、各ユーザが特定エリア内に存在するか否か、各ユーザの参加者としての登録制御(履歴の管理も含む。)、当該ユーザの参加者としての特定エリア内の位置、及び、当該ユーザが参加者として所有する端末装置20におけるステージの撮像の有無や撮像方向を含む端末状態を管理する。
【0129】
そして、ユーザ情報管理部109は、ユーザIDに対応付けてユーザ情報記憶部146(行動履歴情報)として、各ユーザの現在位置情報、撮像情報、及び、認識した各ユーザの行動に関する情報を登録する。
【0130】
タイマ管理部110は、タイマ機能を有し、ゲームの進行状況を管理するために用いる
。特に、タイマ管理部110は、現在時刻や予め設定された時刻を各部に出力する。また、タイマ管理部110は、各端末装置20と同期を取るために用いられる。
【0131】
情報提供部111は、端末装置20によって生成された画像情報や誘導情報を該当する端末装置20に提供する。
【0132】
[3]端末装置
次に、
図5を用いて本実施形態の端末装置20について説明する。なお、
図5は、本実施形態の端末装置20の機能ブロックを示す図である。また、本実施形態の端末装置20は、
図5の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0133】
端末装置20は、処理部200、現在位置検出部250、入力部260、記憶部270、情報記憶媒体280、表示部290、音出力部292、及び、通信部296によって構成されている。
【0134】
現在位置検出部250は、所定のタイミング毎に端末装置20の現在位置を検出しつつ、当該現在位置示す位置情報を生成する。
【0135】
例えば、現在位置検出部250は、所定の期間毎(例えば、5秒毎)に図示しないGPS衛星の位置を認識しつつ、当該GPS衛星から送信された衛星信号(GPS信号)を検出する。
【0136】
そして、現在位置検出部250は、検出したGPS信号に基づいて自機の端末装置20の現在位置の座標値(例えば、緯度及び経度)を算出(すなわち、検出)し、当該座標値を現在位置情報として処理部200に提供する。
【0137】
入力部260は、ユーザからの入力情報を入力するための機器であり、ユーザの入力情報(入力信号)を検出する構成を有し、ユーザの入力情報を処理部200に出力する。
【0138】
例えば、入力部260は、レバー、ボタン、ステアリング、マイク、タッチパネル型ディスプレイ、キーボード、マウスなどによって構成される。
【0139】
なお、本実施形態の入力部260は、表示部290に形成されたタッチパネルによって形成されている。
【0140】
また、入力部260は、ユーザの音声指示を認識するため当該ユーザの音声を集音するためのマイクを備えていてもよいし、撮像カメラによって構成されている。
【0141】
特に、撮像カメラは、特定エリアに設けられたステージをリアルに又は仮想的に画像化するために用いられている。
【0142】
さらに、入力部260は、上記の他に、加速度センサを備え、X、Y、Z軸の3軸回りでの端末装置20の回転運動、具体的には、各X、Y、Z軸回りでの回転角度や角速度等を検出する。
【0143】
記憶部270は、処理部200や通信部296などのワーク領域となるもので、その機能はRAM(VRAM)などにより実現できる。そして、本実施形態の記憶部270は、ワーク領域として使用される主記憶部271と、最終的な表示画像等が記憶される画像バッファ272と、ユーザ情報が記憶されたユーザ情報記憶部273と、を含む。なお、これらの一部を省略する構成としてもよい。
【0144】
情報記憶媒体280(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などにより実現できる。
【0145】
処理部200は、情報記憶媒体280に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。情報記憶媒体280には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)を記憶することができる。
【0146】
なお、本実施形態では、サーバ装置10が有する情報記憶媒体180や記憶部140に記憶されている本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや仮想イベントを実現するためのデータを、ネットワークを介して受信し、受信したプログラムやデータを情報記憶媒体280に記憶する。
【0147】
また、サーバ装置10から受信したプログラムやデータを記憶部270に記憶してもよい。このようにプログラムやデータを受信してネットワークシステムを機能させる場合も本発明の範囲内に含む。
【0148】
表示部290は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、CRT、LCD、タッチパネル型ディスプレイ、或いはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などにより実現できる。
【0149】
例えば、表示部290は、入力部260によって入力されたステージのリアル画像上に、サーバ装置10から送信された仮想空間に関する情報を重畳させて表示する。
【0150】
なお、本実施形態においては、表示部290は、タッチパネル型ディスプレイによって形成されている。
【0151】
通信部296は、サーバ装置10などの外部との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアやプログラムなどにより実現できる。
【0152】
処理部200(プロセッサ)は、現在位置検出部250からの現在位置情報、通信部296を介してサーバ装置10から取得した仮想空間に関する情報を含むイベントに関する情報、入力部260によって入力された入力情報、又は、プログラムなどに基づいて、イベント制御処理(演出制御を含む。)、画像生成処理、又は、音生成処理などの処理を行う。
【0153】
具体的には、処理部200は、記憶部270内の主記憶部271をワーク領域として各種処理を行う。処理部200の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアやプログラムにより実現できる。
【0154】
処理部200は、通信制御部210、Webブラウザ211、表示制御部213、現在位置管理部215、状態管理部216、描画部220、音処理部230を含む。なおこれらの一部を省略する構成としてもよい。
【0155】
通信制御部210は、サーバ装置10、それぞれとデータを送受信する処理を行う。また、通信制御部210は、サーバ装置10から受信したデータを記憶部270に格納する
処理、受信したデータを解析する処理、その他のデータの送受信に関する制御処理等を行う。
【0156】
なお、通信制御部210は、サーバの宛先情報(IPアドレス、ポート番号)を情報記憶媒体280に記憶し、管理する処理を行うようにしてもよい。そして、通信制御部210は、プレーヤからの通信開始の入力情報を受け付けた場合に、サーバ装置10との通信を行うようにしてもよい。
【0157】
特に、通信制御部210は、サーバ装置10にユーザの識別情報や操作情報を送信して、ユーザ情報記憶部146に関するデータ(プレーヤのWebページ、イベント関連の画面、及びゲーム画面等)をサーバ装置10から受信する処理を行う。
【0158】
なお、通信制御部210は、所定周期でサーバ装置10とデータ送受信を行ってもよいし、入力部260からの入力情報を受け付けた場合に、サーバ装置10とデータ送受信を行ってもよい。
【0159】
Webブラウザ211は、Webページ(ゲームを含むイベント関連の画面)を閲覧するためのアプリケーションプログラムであって、Webサーバ(サーバ装置10)から、HTMLファイルや画像ファイル等をダウンロードし、レイアウトを解析して表示制御する。また、Webブラウザ211は、入力フォーム(リンクやボタンやテキストボックス等)を用いてデータをWebサーバ(サーバ装置10)に送信する。
【0160】
なお、本実施形態のWebブラウザ211は、ブラウザゲームを含む各種のブラウジングを実現することができる。例えば、Webブラウザ211は、Webサーバ(サーバ装置10)から受信したJavaScript(登録商標)、FLASH(登録商標)、Java(登録商標)等で記述されたプログラムを実行するものであってもよい。
【0161】
端末装置20は、Webブラウザ211によって、インターネットを介してURLによって指定されたWebサーバからの情報を表示させることができる。例えば、端末装置20は、サーバ装置10から受信したゲームを含むイベント関連の画面(HTML等のデータ)をWebブラウザ211によって表示させることができる。
【0162】
表示制御部213は、サーバ装置10から送信された仮想空間に関する情報に基づいて、ステージを撮像して画像化されたステージ画像上に、仮想空間の画像を重畳して表示部290に表示するための表示制御処理を行う。例えば、表示制御部213は、Webブラウザ211を用いて表示してもよい。
【0163】
現在位置管理部215は、現在位置検出部250から取得した所定の期間毎の現在位置情報を取得し、主記憶部271に履歴情報として記憶するとともに、サーバ装置10と連動して所定のタイミングで当該サーバ装置10にユーザが参加者として取得した現在位置情報を送信する。
【0164】
状態管理部216は、入力部260から出疏勒されたX、Y、Z軸回りでの回転角度や角速度に基づいて、端末装置20の向きや撮像方向など端末状態を特定し、当該特定した端末装置20の状態を端末状態情報としてサーバ装置10に提供する。
【0165】
描画部220は、処理部200で行われる種々の処理(例えば、ゲーム処理)に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、表示制御部213によって表示部290に出力する。描画部220が生成する画像は、いわゆる2次元画像であってもよいし、いわゆる3次元画像であってもよい。
【0166】
音処理部230は、処理部200で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部292に出力する。
【0167】
[4]本実施形態の手法
[4.1]概要
次に、
図6を用いて本実施形態の手法(仮想空間の情報を用いた実空間における参加者誘導制御及び仮想空間における演出制御)について説明する。なお、
図6は、本実施形態の仮想空間の情報を用いた実空間における参加者誘導制御及び仮想空間における演出制御について説明するための図である。
【0168】
本実施形態のサーバ装置10は、特定エリアで開催されるイベントにおいて、仮想空間の画像(例えば、VR用の画像)、又は、実空間の画像(例えばステージなどを撮像した現実の画像)と仮想空間の画像を混合させた画像(例えば、AR用やMR用の画像)を提供し、ユーザの参加者としての行動を誘導するための各処理を実行する構成を有している。
【0169】
すなわち、サーバ装置10は、イベントを仮想空間に拡張させて当該イベントを活性化させるため、又は、イベントにおける各参加者の安全を確保するために、実空間内の所定のエリアに存在する参加者に対して、例えば、移動、向き、又は、状態の変更などの行動を誘導するための各種の処理を実行し、所定エリアに存在する参加者をコントロールするための構成を有している。
【0170】
具体的には、サーバ装置10は、
図6に示すように、
(A1)端末装置20から送信されたユーザの実空間内の現在位置を示す現在位置情報を受信し(
図6の[1])、
(A2)ユーザが第1条件を具備するか否かを判定する第1判定処理として、端末装置20から送信されたユーザの実空間内の現在位置が特定エリア内にあるか否かを判定し(
図6の[2])、
(A3)第1判定処理によって特定エリア内に存在すると判定された第1判定処理の対象のユーザの実空間内の現在位置、当該ユーザの実空間内の向き、及び、当該特定エリア内に存在する人数のうち、少なくともいずれか1の要素が所与の第2条件を具備しているか否かを判定する第2判定処理を実行し(
図6の[3])、
(A4)第2判定処理によって第2条件を具備していないと判定された第2判定対象のユーザに対して所与の行動を促す誘導情報を生成する誘導情報生成処理を実行し(
図6の[4])、
(A5)仮想空間に関する情報を各ユーザの端末装置20に提供するとともに、生成した誘導情報を該当する第2判定対象のユーザの端末装置20に提供する(
図6の[4])、構成を有している。
【0171】
なお、
図6には、GPS衛星40からのGPS信号によって認識したユーザU10の現在位置を端末装置20からサーバ装置10に送信した場合であって、第1判定処理によってユーザU10が特定エリア内に存在していると判定されて第1条件を具備する一方、当該ユーザU10のゾーンが混雑状態であり、第2判定処理によって第2条件を具備していないと判断され、特定エリア内の空き状態のゾーンにユーザU10を誘導するための誘導情報を当該ユーザU10の端末装置20に表示した場合が示されている。
【0172】
本実施形態においては、このような構成を有することによって、実空間内の所定のエリアに存在するユーザに対して、例えば、移動、向き、又は、状態などのユーザの行動がイベントの管理者の意図に沿っていない場合には、当該イベント管理者の意図に沿うように
ユーザの行動を誘導することができるようになっている。
【0173】
したがって、本実施形態においては、特定エリアで開催されるイベントに、多くの参加者が集まった場合に、当該イベントの内容に仮想空間の画像を取り込むこと(すなわち、実空間で実行されるイベントを仮想空間に拡張すること)ができるので、当該イベントを活性化させること、及び、エリア内の混在を緩和させることなど当該イベントに参加する各ユーザの安全性を確保することができるようになっている。
【0174】
[4.2]第1判定処理
次に、本実施形態の第1判定処理について説明する。
【0175】
ユーザ情報管理部109は、各端末装置20から送信されて受信されたユーザの現在位置情報によって示される当該ユーザの現在位置が、特定エリア内にあるか否かを判定する(具体的には、第1条件を具備するか否かを判定する)第1判定処理を実行する。
【0176】
そして、ユーザ情報管理部109は、第1判定処理としては、各ユーザの現在位置が特定エリア内であると判定した場合には、当該判定対象のユーザを特定エリアにおいて開催される参加者として、該当するユーザの各情報をユーザ情報記憶部146に登録する。
【0177】
なお、ユーザ情報管理部109は、事前にユーザ情報記憶部146に参加者としてユーザの各情報が登録されているユーザを前提に第1判定処理を実行してもよい。
【0178】
すなわち、この場合には、ユーザ情報管理部109は、ユーザ情報記憶部146に既に登録されている複数のユーザID(以下、「登録済みユーザID」という。)の中から、各端末装置20から送信されて受信されたユーザの現在位置情報に含まれるユーザIDを検索する。
【0179】
そして、この場合には、ユーザ情報管理部109は、登録済みユーザIDの中に判定対象のユーザのユーザIDと一致するユーザIDがある場合には、第1判定処理を実行し、判定対象のユーザのユーザIDと一致するユーザIDがない場合には、第1判定処理を実行せずに、参加者登録をしないようになっている。
【0180】
[4.3]参加者数検出処理
次に、本実施形態の参加者数検出処理について説明する。
【0181】
イベント管理部104は、所与の第1タイミングに、第1条件を具備するユーザのユーザ数を検出する。
【0182】
具体的には、イベント管理部104は、第1タイミングとして、イベント開催の開始前、又は、当該イベントの開催中の予め定められたタイミングに、各端末装置20から送信された各ユーザ又は参加者の現在位置情報に基づいて、予め緯度及び経度が設定された特定エリアに存在している参加者の人数を検出する参加者数検出処理を実行する。
【0183】
特に、イベント管理部104は、第1タイミングとして、各参加者が登録されたタイミング(すなわち、第1判定処理が実行されたタイミング)に、参加者数検出処理を実行する。
【0184】
また、この場合において、イベント管理部104は、分割エリアが設定されていない場合には、第1判定処理によって登録された参加者の各現在位置を認識し、例えば、特定エリア内に予め設定された所定の範囲(1m2)毎の人数を検出し、各所定の範囲(以下、
「ゾーン」ともいう。)が混雑しているか否かを判定してもよい。
【0185】
例えば、この場合には、イベント管理部104は、ゾーン毎に、混雑エリアでないゾーン(以下、「空きゾーン」)か、又は、混雑エリアである混雑ゾーンかをそれぞれ判定し、それぞれの判定結果であるゾーン種別を、ゾーン種別情報として、観覧エリア情報記憶部148に、各ゾーンの緯度経度情報に対応付けて登録する。
【0186】
なお、この場合には、イベント管理部104は、既に誘導が終了したゾーン(存在可能な最大限の参加者が存在するゾーンでこれ以上誘導不能なゾーン)を含めて各ゾーンの混雑状況を判定してもよい。
【0187】
一方、イベント管理部104は、参加者数検出処理として、特定エリアが複数のエリアに分割された各分割エリア(同様に、予め緯度及び経度が設定されているエリア)のそれぞれの人数を検出してもよい。
【0188】
特に、この場合には、イベント管理部104は、分割エリア毎に、存在する参加者の人数が一定数未満の分割エリアを空きエリア、及び、当該存在する参加者の人数が一定数以上の分割エリアを混雑エリアとして観覧エリア情報記憶部148に、緯度経度情報に対応付けて登録する。
【0189】
なお、イベント管理部104は、後述の第2判定処理において第2条件を具備するユーザのユーザ数を検出する参加者数検出処理を実行してもよい。
【0190】
また、この場合には、イベント管理部104は、第1タイミングとして、例えば、イベントを管理する管理者(ゲームを提供する提供者を含む。)によって設定された日時などの予め定められたタイミング、及び、第2判定処理が実行されたタイミングなどが含まれる。
【0191】
[4.4]第2判定処理
次に、本実施形態の第2判定処理について説明する。
【0192】
(基本原理)
ユーザ情報管理部109は、第1判定処理によって特定エリアに存在するユーザとして登録された参加者の位置、当該参加者の向き、及び、当該特定エリア内に存在する人数のうち、少なくともいずれか1の要素が所与の第2条件を具備しているか否かを判定する第2判定処理を実行する。
【0193】
すなわち、ユーザ情報管理部109は、第2判定処理としては、第1判定処理によって既に登録された参加者の位置や向きなどが、所与の第2条件を具備しているか否かを判定する。
【0194】
具体的には、ユーザ情報管理部109は、所与の第2条件としては、
(A1)特定エリアの存在しているユーザ数が一定数以内であること(参加者登録しているユーザ数が一定数以内であること)、
(A2)該当するユーザが存在する位置が空きエリア内であること、
(A3)該当するユーザの状態(向き、又は、高低を含めた所定のエリア内における位置)が所定の状態であること、及び、
(A4)(A1)~(A3)の2以上の組み合わせ、
を用いて第2判定処理を実行する。
【0195】
なお、ユーザ情報管理部109は、上記の(A1)~(A3)の中から少なくとも1つの条件を具備しているか否かを判定するが、該当する参加者の属性が第2条件を具備しているか否か(特定の属性か否か)など(A1)~(A3)以外の要素に基づく第2判定処理が含まれてもよい。
【0196】
また、イベント管理部104は、該当する参加者の状況やその周囲の環境が改善されたか否かを確認するため、各参加者に対して第2条件を具備すると判定するまで、第2判定処理を繰り返し実行してもよい。
【0197】
すなわち、第2条件を具備していないと判定した場合には、後述するように、当該判定対象の参加者の端末装置20に対して、誘導情報を提供する一方で、イベント管理部104は、当該誘導情報を提供した後の所与のタイミングに、当該端末装置20の参加者に対して第2判定処理を再度実行してもよい。
【0198】
特に、本実施形態においては、所与のタイミングには、例えば、第2判定処理の実行から所定の期間経過したタイミングの他に、誘導情報を提供した端末装置20から新たに現在位置情報又は端末状態情報(ユーザによる操作指示に基づいて変化した状態情報も含む。)を受信したタイミングなどが含まれる。
【0199】
(特定エリアの人数に基づく第2判定処理)
ユーザ情報管理部109は、第1判定処理によってユーザが特定エリアに存在する参加者として登録されると、イベント管理部104によって検出された参加者の人数が予め定められた人数以下であるか否かを第2判定処理として判定する。
【0200】
すなわち、イベント管理部104によって検出された参加者の人数が多くなると、特定エリアが混雑して参加者の安全性を確保することが難しくなる一方、参加者の人数が少なければイベント自体が盛り上がらない場合もあり、参加者の人数に基づいてイベントを開始するタイミングを決定する場合もある。
【0201】
そこで、ユーザ情報管理部109は、特定エリアの混雑状態や参加する参加者の人数を把握するために、特定エリアに存在する参加者の人数が所定数以下であるか否かを判定する。
【0202】
なお、ユーザ情報管理部109は、段階的に参加者の人数を判定してもよく、この場合には、混雑判定人数、イベント開始人数などの複数の第2条件を定め、ユーザ情報管理部109は、複数の第2条件に基づいて、第2判定処理を実行する。
【0203】
(特定エリア内の分割エリアの混雑状態に基づく第2判定処理)
ユーザ情報管理部109は、第1判定処理によってユーザが特定エリアに存在する参加者として登録されると、当該登録された参加者が存在する分割エリアを特定し、当該特定した分割エリアにおいて、イベント管理部104によって検出された参加者の人数が予め定められた人数以下であるか否かを第2判定処理として判定する。
【0204】
すなわち、該当する分割エリアにおいて、イベント管理部104によって検出された参加者の人数が一定数以上の場合には、当該分割エリアが混雑していると判断することができる。
【0205】
そこで、ユーザ情報管理部109は、分割エリアの混雑状態を把握するために、該当する分割エリアに存在する参加者の人数が所定数以下であるか否かを判定する。
【0206】
(参加者の状態に基づく第2判定処理)
ユーザ情報管理部109は、第1判定処理によってユーザが特定エリアに存在する参加者として登録されると、当該参加者の端末装置20から送信された端末状態を示す端末状態情報に基づいて、参加者の状態や当該参加者の端末装置20の状態を判定する。
【0207】
具体的には、ユーザ情報管理部109は、端末装置20の向きに基づいて、参加者がステージ方向を向いているか否かを判定し、端末装置20の撮像方向がステージ方向であるか否かを判定し、端末装置20によって撮像しているか否かを判定し、又は、これらの2以上の状態を第2判定処理として判定する。
【0208】
[4.5]誘導情報生成処理
次に、
図7及び
図8を用いて本実施形態の誘導情報生成処理について説明する。なお、
図7及び
図8は、本実施形態の誘導情報生成処理について説明するための図である。
【0209】
(誘導情報生成処理の基本原理)
参加者誘導管理部103は、第2判定処理によって第2条件を具備していないと判定された判定対象の参加者に対して、該当する参加者の特定エリアにおける実空間の位置、当該参加者の特定エリアにおける実空間の向き、又は、これらの双方の変更を当該ユーザに誘導するための誘導情報を生成する誘導情報生成処理を実行する。
【0210】
また、参加者誘導管理部103は、これらに代えて、又は、加えて、参加者に対して、所与の行動を促す誘導情報を生成する誘導情報生成処理を実行する。
【0211】
通常、特定エリアに一定数の人数以上が存在する場合には、少なくとも局所的な混雑が発生していると想定されるので、各参加者の不快感の抑制や安全性を確保するために、参加者の混雑を均一化する必要がある。
【0212】
また、分割エリアに一定数の人数以上が存在する場合には、局所的な混雑が発生していると想定されるので、当該混雑を緩和して参加者の不快感の抑制や安全性を確保する必要がある。
【0213】
さらに、イベント開始時に参加者がステージなどのイベントが実施されるエリアを向いていない場合、又は、撮像していない場合には、十分にイベントを興趣させることができない。
【0214】
そこで、参加者誘導管理部103は、判定対象の参加者に対して、当該参加者を特定エリア内の他のエリアや他の分割エリアに移動させるための誘導情報、当該参加者をステージなどの所定の方向に向けるための誘導情報、又は、当該参加者によってステージなどの一定のエリアを撮像させるための誘導情報などを生成する構成を有している。
【0215】
具体的には、参加者誘導管理部103は、
(A1)経路や移動先の表示などの該当する参加者を所定のエリアや当該エリアの所定の位置(高低の位置も含む。)に移動させるための誘導情報、
(A2)特定の方向を示す表示などの該当する参加者を所定の向きに変更するための誘導情報、又は、
(A3)撮像を開始させる、ライトをオンにする、所定のゲームを実行させる、若しくは、所定のネットワークサービスにログインさせるなど該当する参加者の端末装置20に所定の動作を実行させるための誘導情報、
を生成する。
【0216】
なお、参加者誘導管理部103は、第2判定処理によって第2条件を具備していると判定した場合には、該当する参加者を誘導する必要がないために、誘導情報を生成しないが、第2条件を具備していない参加者を誘導中であるなどの情報を、このような参加者に提供するために、生成してもよい。
【0217】
(特定エリアの人数に基づく誘導情報生成処理)
参加者誘導管理部103は、第2判定処理によって参加者の人数が一定数以下でないと判定された場合には、すなわち、特定エリアが混雑していると判定された場合には、当該判定対象の参加者に対して混雑していない特定エリア内の所定のエリアに誘導するために、誘導情報を生成する。
【0218】
具体的には、参加者誘導管理部103は、第2判定処理によって参加者の人数が一定数以下でないと判定された場合には、観覧エリア情報記憶部148を参照し、判定対象の参加者に、既に誘導が終了したゾーン(以下、「終了ゾーン」ともいう。)を除き、会場管理上適切な空きゾーン(例えば、入口から最遠であって誘導対象の参加者にとって近接の空きゾーン)を特定する。
【0219】
そして、参加者誘導管理部103は、当該特定した空きゾーンの位置、及び、そこまでの経路を示す誘導情報を生成する。
【0220】
なお、情報提供部111は、上記のように生成された誘導情報を該当する参加者の端末装置20に提供する。
【0221】
例えば、
図7(A)に示すように、参加者Aが特定エリア内のゾーンH12(混雑状態である混雑ゾーン)に存在する場合であって、終了ゾーンを除き入口から最遠であって参加者Aにとって近接の空きゾーン(すなわち、誘導対象ゾーン)がゾーンD12である場合を想定する。
【0222】
この場合には、
図7(B)に示すように、参加者誘導管理部103は、第2判定処理によって参加者の人数が一定数以下でないと判定された場合には、当該参加者Aの誘導情報として、ゾーンH12から混雑ゾーンG12を回避してゾーンD12までの経路を表示するための表示制御情報を誘導情報として生成する。
【0223】
なお、
図7(A)には、終了ゾーンとして既に一定数の参加者が存在するゾーンについて判定されていることを前提とした誘導情報を生成している例を示しているが、当該ゾーンを混雑ゾーンとして管理してもよい。
【0224】
一方、参加者誘導管理部103は、表示制御情報に代えて、又は、加えて、端末装置20によって参加者に音などによって経路(すなわち、誘導内容)を告知するための情報を、誘導情報として、生成してもよい。
【0225】
また、参加者誘導管理部103は、第2判定処理によって参加者の人数が一定数以下でないと判定された場合には、空きゾーンか否かを判定して特定の空きゾーンに誘導することなく、単に、参加者が存在しているエリア(ゾーン)が混在中であること、及び、空いているエリア(ゾーン)を見つけて移動することの双方を促す誘導情報を生成してもよい。
【0226】
(特定エリア内の分割エリアの混雑状態に基づく誘導情報生成処理)
参加者誘導管理部103は、第2判定処理によって判定対象の参加者が存在する分割エリアの人数が一定数以下でないと判定された場合には、すなわち、当該分割エリアが混雑
しているエリアであると判定された場合には、当該判定対象の参加者を混雑していない分割エリアに誘導するために、誘導情報を生成する。
【0227】
具体的には、参加者誘導管理部103は、第2判定処理によって判定対象の参加者が存在する分割エリアの人数が一定数以下でないと判定された場合には、観覧エリア情報記憶部148を参照し、判定対象の参加者に、既に誘導が終了した分割エリアを除き、会場管理上適切な空き分割エリア(例えば、入口から最遠であって誘導対象の参加者にとって近接の空き分割エリア)を特定する。
【0228】
そして、参加者誘導管理部103は、当該特定した空き分割エリアの位置、及び、そこまでの経路を表示するための表示制御情報を誘導情報として生成する。
【0229】
なお、参加者誘導管理部103は、表示制御情報に代えて、又は、加えて、端末装置20によって参加者に音などによって経路(すなわち、誘導内容)を告知するための情報を、誘導情報として生成してもよい。
【0230】
また、情報提供部111は、上記のように生成された誘導情報を該当する参加者の端末装置20に提供する。
【0231】
(参加者の状態に基づく誘導情報生成処理)
参加者誘導管理部103は、第2判定処理によって判定対象の参加者がステージ方向を向いていないと判定すると、当該参加者がステージの方向を向くための誘導情報を生成する。
【0232】
また、参加者誘導管理部103は、例えば、
図8に示すように、第2判定処理によって判定対象の参加者がステージ方向を撮像していないと判定すると、当該参加者がステージの方向を撮像するため表示制御情報を誘導情報として生成する。
【0233】
なお、
図8には、撮像方向としてのステージが「もう少し右」であり、その方向に撮像方向を誘導するための誘導情報の例を示している。
【0234】
また、参加者誘導管理部103は、表示制御情報に代えて、又は、加えて、端末装置20によって参加者に音などによって参加者がステージの方向を撮像するため表示制御情報を誘導情報として生成してもよい。
【0235】
また、情報提供部111は、上記のように生成された誘導情報を該当する参加者の端末装置20に提供する。
【0236】
[4.6]仮想空間の演出制御処理
次に、本実施形態の仮想空間の演出制御処理について説明する。
【0237】
仮想空間演出制御部105は、実空間で開催されるイベントと連動させて、仮想空間の演出を制御する演出制御処理を実行する。
【0238】
具体的には、仮想空間演出制御部105は、イベント管理部104によって実行された参加者数検出処理によって検出された特定エリアのイベントに参加する参加者数、第2条件を具備した参加者数、又は、その双方の参加者数に応じて、ゲームやキャラクタに関するイベントなどの仮想空間に関する所与の演出を制御する。
【0239】
特に、仮想空間演出制御部105は、仮想空間の演出として、仮想空間内に配置される
キャラクタオブジェクト(仮想オブジェクト)を登場させ、当該キャラクタオブジェクトの行動(パフォーマンスなど)を制御する演出制御などを実行する。
【0240】
具体的には、仮想空間演出制御部105は、特定エリアに存在する参加者数が一定数又はそれ以上になった場合に、特定エリアに存在する参加者が所定の位置に移動した場合に、又は、当該参加者が所定の方向を向き若しくは端末装置20に所定の動作(撮像方向も含む。)を実行させた場合に、ステージに対応付けて形成された仮想空間にキャラクタオブジェクトを登場させて当該キャラクタオブジェクトに所定のパフォーマンスを実行させる、又は、当該仮想オブジェクトが配置された仮想空間内の演出を制御するなどの仮想空間における演出制御を実行する。
【0241】
その一方、仮想空間演出制御部105は、特定エリアに存在する参加者数が一定数に達しない場合、又は、特定エリアに存在する参加者が所定の位置に未だ移動しない場合に、又は、当該参加者が所定の方向を向かず、若しくは、端末装置20に所定の動作を実行させていない場合に、キャラクタオブジェクトを登場させずに、当該キャラクタオブジェクトに所定のパフォーマンスの開始がもうすぐ実行されることを示す演出などの仮想空間における演出制御を実行する。
【0242】
例えば、仮想空間演出制御部105は、第1条件及び第2条件を具備する参加者数が予め定められた数より多い場合には、多くの参加者が安全な状態、又は、所与の動作を開始可能な状態など適切な状態にある可能性が高いと判断されるので、イベントが開始可能であるとして、それに関する演出の実行を制御する。
【0243】
また、例えば、仮想空間演出制御部105は、第1条件及び第2条件を具備する参加者数が予め定められた数より少ない場合には、安全性が担保できていない可能性が高く、又は、所与の動作を開始するための準備ができてない可能性が高いと判断されるので、イベントが開始可能でないとして、それに関する演出の実行を制御する。
【0244】
なお、画像生成部108は、仮想空間演出制御部105によって形成された仮想空間において、仮想カメラ制御部106によって制御された仮想カメラを視点とした仮想空間を画像化し、端末装置20に表示するための表示制御情報を生成する。
【0245】
そして、情報提供部111は、生成された表示制御情報を、仮想空間に関する情報として、該当する端末装置20に提供する。
【0246】
また、仮想カメラ制御部106は、各参加者の位置情報に基づいて、当該参加者が存在する特定エリア内の位置に仮想カメラを設定してステージを含む仮想空間を画像化してもよいし、当該特定エリア内の位置に無関係に、ステージ前などの特定の位置、又は、参加者によって指定された位置に設定してステージを含む仮想空間を画像化してもよい。
【0247】
一方、仮想空間演出制御部105は、上記に代えて、予め定められた所与の第2タイミングが到来したと判定された場合に、ゲームやキャラクタに関するイベントなどの仮想空間に関する所与の演出制御を開始してもよい。
【0248】
また、この場合には、上記と同様に、画像生成部108は、仮想空間演出制御部105によって形成された仮想空間において、仮想カメラ制御部106によって制御された仮想カメラを視点とした仮想空間を画像化し、端末装置20に表示するための表示制御情報を生成し、情報提供部111は、生成された表示制御情報を、仮想空間に関する情報として、該当する端末装置20に提供する。
【0249】
なお、上記に代えて、仮想空間演出制御部105は、予め定められた日時などの所与のタイミングにゲームやキャラクタに関するイベントなどの仮想空間に関する所与の演出制御を開始し、画像生成部108は、予め定められた所与の第2タイミングが到来したと判定された場合に、既に実行されている仮想空間に関する所与の演出制御を反映させた表示制御情報の該当する端末装置20への提供を開始してもよい。
【0250】
また、情報提供部111は、予め定められた所与の第2タイミングが到来したと判定された場合に、第2判定処理によって第2条件を具備しない端末装置20に対しては、所与の演出を端末装置20に表示するための表示制御情報の提供を中止する。
【0251】
[4.7]変形例
次に、
図9及び
図10を用いて本実施形態の変形例について説明する。なお、
図9及び
図10は、本実施形態の変形例であって、キャラクタオブジェクトを用いた誘導情報について説明するための図である。
【0252】
(キャラクタオブジェクトを用いた誘導情報)
本実施形態の誘導情報生成処理において、仮想空間に配置されたキャラクタオブジェクトの状態を制御し、当該制御したキャラクタオブジェクトの状態を画像化した表示制御情報を誘導情報として用いてもよい。
【0253】
特に、仮想空間演出制御部105は、仮想空間に関する所与の演出を端末装置20に表示するための表示制御情報を誘導情報として利用するため、移動や向きの変更などの参加者に促す所与の行動に基づいて、仮想空間内におけるキャラクタオブジェクトの状態を制御する。
【0254】
そして、画像生成部108は、キャラクタオブジェクトを含む仮想空間を画像化し、端末装置20に表示するための表示制御情報を生成し、情報提供部111は、生成された表示制御情報を、仮想空間に関する情報として、該当する端末装置20に提供する。
【0255】
具体的には、参加者誘導管理部103は、第2判定処理の判定結果に基づいて、参加者の移動先、参加者の向きや撮像方向の変更、又は、端末装置20の状態などの判定対象の参加者における誘導内容を決定する。
【0256】
そして、仮想空間演出制御部105は、決定された誘導内容に基づいて、特定エリアのステージに対応付けられた仮想空間(以下、「仮想空間上のステージ」ともいう。)におけるキャラクタオブジェクトの状態を制御する。
【0257】
また、画像生成部108は、仮想空間演出制御部105によって形成された仮想空間において、仮想カメラ制御部106によって制御された仮想カメラを視点とした仮想空間を画像化し、該当する参加者に対する誘導情報として、端末装置20に表示するための表示制御情報を生成する。
【0258】
例えば、仮想空間演出制御部105は、
図9に示すように、キャラクタオブジェクトに移動先の場所を示す動作、参加者の向きを指定する動作、又は、端末装置20における撮像方向を指示する動作を制御する。
【0259】
そして、画像生成部108は、キャラクタオブジェクトの動作を含む仮想空間を画像化して該当する参加者に対する誘導情報として、端末装置20に表示するための表示制御情報を生成する。
【0260】
なお、
図9には、誘導情報を提示するキャラクタオブジェクトCBが端末装置20に表示されている例が示されている。特に、
図9(A)は、参加者に移動先を伝えるキャラクタオブジェクトCBが端末装置20に表示された場合の図であり、
図9(B)は、参加者が誘導先に到達したことを伝えるキャラクタオブジェクトCBが端末装置20に表示された場合の図である。
【0261】
一方、仮想空間演出制御部105におけるキャラクタオブジェクトの状態制御に代えて、又は、加えて、仮想カメラ制御部106は、第2判定処理の判定対象の参加者における位置情報に基づいて、仮想空間上のステージなどを画像化する際に仮想カメラの位置、方向及び拡大の有無やその倍率などを制御し、仮想空間内におけるキャラクタオブジェクトの状態を擬似的に制御してもよい。
【0262】
すなわち、仮想空間演出制御部105は、特別な制御を行うことなく、キャラクタオブジェクトに対して通常の状態を制御しつつ、仮想カメラ制御部106は、第2判定処理の判定対象の参加者における位置情報に基づいて、仮想空間上のステージなどを画像化する際に仮想カメラの位置、方向及び拡大の有無やその倍率などを制御する。
【0263】
そして、この場合には、画像生成部108は、例えば、
図10に示すように、仮想空間演出制御部105によって形成された仮想空間において、仮想カメラ制御部106によって制御された仮想カメラを視点とした仮想空間を画像化し、該当する参加者に対する誘導情報として、端末装置20に表示するための表示制御情報を生成してもよい。
【0264】
なお、
図10には、キャラクタオブジェクトCBの大きさ及び表示方向によって参加者の移動先、及び、撮像方向を誘導するための誘導情報が端末装置20に表示されている例が示されている。特に、
図10(A)は、参加者を右斜前方に進ませることを誘導するための誘導情報が端末装置20に表示された場合の図であり、
図10(B)は、参加者が誘導先に到達した際の誘導情報が端末装置20に表示された場合の図である。
【0265】
また、仮想空間演出制御部105は、仮想オブジェクトそのものの状態を変更せずに、擬似的に仮想オブジェクトの状態を変更する制御として、仮想カメラの位置制御や撮像方向の制御の他に、当該仮想カメラによって画像化される際のピントの制御、又は、画質の変化制御を実行してもよい。
【0266】
(特典の付与)
特定エリアによって実行されるイベントに参加した参加者に、当該イベント関連のあるゲームやインターネットサービスに関する特典を付与してもよい。
【0267】
すなわち、ユーザのゲームやネットワークサービスに対する興趣性を向上させるため、端末装置20などによって提供される当該イベントに関連する所与のゲーム、又は、ネットワークサービスに関する特典を付与してもよい。
【0268】
具体的には、ユーザ情報管理部109、特定エリアに存在するユーザであって参加者として登録されたユーザに対して、所与のゲーム又は所与のネットワークサービスにおける所与の特典(例えば、電子的な特典)を付与する。
【0269】
なお、本実施形態の特典には、例えば、所与のゲームにおいて用いられる能力、アイテム、プレーヤキャラクタ、ゲーム内通貨、若しくは、パラメータなどのゲームおいてユーザが有利となるためのもの、及び、サービスポイントや割引などのネットワークサービスを享受するためのものが含まれる。
【0270】
(現在位置情報の検出)
本実施形態においては、GPSを用いて各ユーザ(すなわち、各参加者)の現在位置を検出しているが、WiFi(登録商標)又はブルートゥース(登録商標)などの端末装置20がネットワークに無線接続する際の電波強度や距離に基づいて、又は、特定エリアを撮像した画像を用いて各参加者の現在位置を検出してもよい。
【0271】
(各ユーザの仮想空間内の配置状況及びその表示)
本実施形態においては、ステージに対応付けて仮想空間が形成されているが、特定エリアに対応付けて仮想空間が形成されていてもよく、この場合には、仮想空間内においても特定エリア内の位置に基づいてユーザがアバターなどとして配置されてもよい。
【0272】
また、この場合には、例えば、ステージ横や入口や特定エリアの中心など実空間である特定エリア内の所与の位置に表示装置(大型中継モニター)を配設し、当該表示装置に、仮想空間内における各ユーザの配置状況を表示させてもよい。
【0273】
具体的には、サーバ装置10における画像生成部108は、各ユーザの現在位置に基づいて特定された特定エリアの位置に基づいて、各ユーザにおける仮想空間内における位置を特定し、当該特定した各ユーザの仮想空間内の位置に各ユーザが配置されている状況(以下、「仮想空間内ユーザ配置状況」ともいう。)を示す画像を生成する。
【0274】
そして、画像生成部108は、生成した仮想空間内ユーザ配置状況の画像を表示装置に表示する。このとき、画像生成部108は、各ユーザのアバターや所定のキャラクタを用いて仮想空間内ユーザ配置状況の画像を生成してもよいし、配置状況のみ可視化された画像を仮想空間内ユーザ配置状況として生成してもよい。
【0275】
[5]本実施形態における動作
次に、
図11及び
図12を用いて本実施形態のサーバ装置10によって実行される参加者誘導制御を含む仮想空間におけるイベントに関する演出の開始動作について説明する。なお、
図11及び
図12は、本実施形態のサーバ装置10によって実行される参加者誘導制御を含む仮想空間におけるイベントに関する演出の開始動作を示すフローチャートである。
【0276】
本動作においては、各端末装置20は、サーバ装置10にアクセスし、当該サーバ装置10とは既に通信回線が接続されているとともに、順次現在位置を示す現在位置情報をサーバ装置10に送信され、各ユーザの参加者としての現在位置情報が順次ユーザ情報記憶部146に登録されるものとする。
【0277】
また、本動作においては、各ユーザのユーザ情報は、現在位置情報及び参加者としての登録の有無を示す情報(例えばフラグ情報)を除き、既にユーザ情報記憶部146に記憶されているものとし、端末装置20毎(すなわち、ユーザ毎)に実行されるものとする。ただし、本動作は、イベントに関する演出開始に関しては相互に連動して実行される。
【0278】
特に、第2判定処理によって第2条件を具備する参加者が一定数になった場合に、仮想空間におけるイベントに関する演出を開始するものとし、第2判定条件を具備した参加者全員に対してイベントに関する演出画像が一斉に提供されるものとする。
【0279】
そして、本動作においては、第2判定処理において混雑状況及び端末装置の撮像方向などの複数の判定処理を実行するものとする。
【0280】
さらに、本動作においては、キャラクタオブジェクトの演出とは別に誘導情報が生成されて提供される場合であり、特定エリアが予め定められたソーン毎に分けられており、各ゾーンの混雑状況に基づいて各参加者が誘導される場合について説明する。
【0281】
まず、ユーザ情報管理部109は、所与の端末装置20から現在位置情報を受信すると(ステップS101)、受信された当該端末装置20の現在位置情報に基づいて、当該端末装置20を有するユーザの現在位置が、特定エリア内にあるか否かを判定する第1判定処理を実行する(ステップS102)。
【0282】
このとき、ユーザ情報管理部109は、ユーザの現在位置が特定エリア内に無いと判定した場合には、本動作を終了させ、当該ユーザの現在位置が特定のエリア内にあると判定した場合には、ステップS103の処理に移行する。
【0283】
次いで、ユーザ情報管理部109は、該当する端末装置20を有するユーザの現在位置が、特定エリア内にあると判定すると、第1判定処理の判定対象のユーザを参加者として登録する(ステップS103)。
【0284】
具体的には、ユーザ情報管理部109は、判定対象のユーザのユーザ情報において、登録者を示すフラグ情報をオンにする。
【0285】
次いで、イベント管理部104は、ユーザ情報を参照して特定エリアに存在する参加者(すなわち、登録者のフラグ情報を有するユーザ)の人数を検出する参加者数検出処理の実行する(ステップS104)。
【0286】
次いで、イベント管理部104は、各参加者の最新の現在位置に基づいて、特定エリア内の各ゾーンにおける混雑状態(例えば、空きゾーンか、混雑ゾーンか、又は、誘導終了ゾーンか)を判定し、その判定結果を観覧エリア情報記憶部148に登録する(ステップS105)。
【0287】
次いで、ユーザ情報管理部109は、第2判定処理として、ステップS104の検出結果に基づいて、特定エリア内の人数が一定数以下であるか否かを判定する(ステップS106)。
【0288】
このとき、ユーザ情報管理部109は、特定エリア内の人数が一定数以下でないと判定した場合には、ステップS107の処理に移行させ、特定エリア内の人数が一定数以下であると判定した場合には、ステップS111の処理に移行させる。
【0289】
次いで、参加者誘導管理部103は、特定エリア内の人数が一定数以下でないと判定された場合には、ステップS103において判定対象のユーザである参加者が存在するゾーンが空きゾーンであるか否かを判定する(ステップS107)。
【0290】
具体的には、参加者誘導管理部103は、判定対象の参加者の現在位置に基づいて当該参加者が存在する特定エリア内のゾーンを特定し、当該特定したゾーンが空きゾーンであるか混雑ゾーンであるかを判定する。
【0291】
このとき、参加者誘導管理部103は、判定対象の参加者が存在するゾーンが空きゾーンでない(混雑ゾーン又は誘導終了ゾーンである)と判定した場合には、当該参加者が存在するゾーンから最も近接する空きゾーンを特定し、当該空きゾーンへ参加者を誘導するための誘導情報を生成し、かつ、情報提供部111に当該生成した誘導情報を該当する端末装置20に提供させて(ステップS108)ステップS104の処理に移行させる。
【0292】
一方、参加者誘導管理部103は、判定対象の参加者が存在するゾーンが空きゾーンであると判定した場合には、直接ステップS111の処理に移行する。
【0293】
次いで、ユーザ情報管理部109は、第2判定処理として、当該参加者の端末装置20から送信された端末状態を示す端末状態情報に基づいて、端末装置20の撮像方向がステージ方向であるか否か(すなわち、参加者がステージを向いているか否か)を判定する(ステップS111)。
【0294】
このとき、ユーザ情報管理部109は、端末装置20の撮像方向がステージ方向でないと判定した場合には、ステップS112の処理に移行させ、当該端末装置20の撮像方向がステージ方向であると判定した場合には、ステップS121の処理に移行させる。
【0295】
次いで、参加者誘導管理部103は、端末装置20の撮像方向がステージ方向でないと判定した場合には、当該端末装置20の撮像方向をステージ方向に向けるための誘導情報を生成し、かつ、情報提供部111に当該生成した誘導情報を該当する端末装置20に提供させて(ステップ112)ステップS111の処理に移行させる。
【0296】
他方、イベント管理部104は、端末装置20の撮像方向がステージ方向であると判定した場合には、既に仮想空間のイベントが開始されているか否かを判定する(ステップS121)。
【0297】
このとき、イベント管理部104は、既に仮想空間のイベントが開始されていると判定した場合には、情報提供部111に、該当する端末装置20に対する画像情報などのイベントに関する各種の情報の提供を開始させて(ステップS122)本動作を終了させる。
【0298】
なお、情報提供部111は、該当する端末装置20に対して、このタイミングから既に開始している仮想空間のイベントに関する各種の情報(画像情報を含む。)の提供を開始(すなわち、イベントの途中から情報の提供を開始)してもよいし、イベント開始時からの仮想空間のイベントに関する各種の情報の提供を開始してもよい。
【0299】
次いで、イベント管理部104は、未だ仮想空間のイベントが開始されていないと判定した場合には、ステップS111において端末装置20の撮像方向がステージ方向となっている参加者数が一定数以上であるか否かを判定する(ステップS123)。
【0300】
このとき、イベント管理部104は、端末装置20の撮像方向がステージ方向になっている参加者数が一定以上であると判定した場合には、直接ステップS126の処理に移行する。
【0301】
次いで、イベント管理部104は、端末装置20の撮像方向がステージ方向になっている参加者数が一定以上でないと判定した場合には、他の端末装置20に対する本動作によって、仮想空間におけるイベントの開始指示の受信を待機する(ステップS124)。
【0302】
最後に、イベント管理部104は、他の端末装置20に対する本動作によって、イベントの開始指示を受領すると(ステップS125)、仮想空間におけるイベントの開始を該当する端末装置20に指示し、かつ、仮想空間演出制御部105にキャラクタオブジェクトの演出制御の開始を指示して(ステップS126)本動作を終了させる。
【0303】
なお、画像生成部108は、仮想空間演出制御部105による仮想空間のイベントが開始されると、仮想カメラ制御部106と連動して仮想空間を画像化し、情報提供部111
は、該当する端末装置20に対して、画像化された仮想空間の画像を含む当該イベントに関する各種の情報の提供を開始する。
【0304】
[6]その他
本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【0305】
本実施形態では、仮想空間におけるイベントとして、キャラクタオブジェクトを観覧するイベントとして説明しているが、他のシミュレーションを行うイベント、対戦イベント又はRPGなどの他のイベントにおいても用いることがきる。
【0306】
また、本実施形態は、一のサーバ装置10によって各イベントを端末装置20に提供してもよいし、複数のサーバ装置10を連動させてサーバシステムを構築し、各イベントを端末装置20に提供してもよい。
【0307】
さらに、本実施形態においては、サーバ装置10によって各種の仮想空間におけるイベントに関する処理が実行されているが、上記の端末装置20に、処理部100の各機能及びイベントプログラムを実行させ、1の端末装置20が上記のサーバとしても機能させてもよい。
【0308】
本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0309】
上記のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0310】
1 … イベント制御システム
10 … サーバ装置
20 … 端末装置
40 … GPS衛星
100 … 処理部
101 … 通信制御部
102 … Web処理部
103 … 参加者誘導管理部
104 … イベント管理部
105 … 仮想空間演出制御部
106 … 仮想カメラ制御部
107 … 音生成部
108 … 画像生成部
109 … ユーザ情報管理部
110 … タイマ管理部
111 … 情報提供部
120 … 入力部
130 … 表示部
140 … 記憶部
142 … 主記憶部
144 … イベント情報記憶部
146 … ユーザ情報記憶部
148 … 観覧エリア情報記憶部
170 … 記憶部
180 … 情報記憶媒体
196 … 通信部
200 … 処理部
210 … 通信制御部
211 … Webブラウザ
213 … 表示制御部
215 … 現在位置管理部
216 … 状態管理部
220 … 描画部
230 … 音処理部
250 … 現在位置検出部
260 … 入力部
270 … 記憶部
271 … 主記憶部
272 … 画像バッファ
273 … ユーザ情報記憶部
280 … 情報記憶媒体
290 … 表示部
292 … 音出力部
296 … 通信部