(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-26
(45)【発行日】2024-07-04
(54)【発明の名称】酸性水中油型乳化食品及びその焼成時の焼き色の改善方法
(51)【国際特許分類】
A23L 27/60 20160101AFI20240627BHJP
【FI】
A23L27/60 A
(21)【出願番号】P 2020079696
(22)【出願日】2020-04-28
【審査請求日】2023-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000001421
【氏名又は名称】キユーピー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【氏名又は名称】小島 一真
(72)【発明者】
【氏名】竹内 秀和
(72)【発明者】
【氏名】田口 浩子
【審査官】厚田 一拓
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-029231(JP,A)
【文献】特開2008-043330(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 2/00 - 35/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食用油脂を35質量%以上含有する酸性水中油型乳化食品であって、
キシロースを0.3質量%以上含有し、
卵黄を生換算で2質量%以上含有し、
卵黄全体のリゾ化率が10%以上45%以下である、
酸性水中油型乳化食品。
【請求項2】
前記酸性水中油型乳化食品が焼成用であることを特徴とする、
請求項1に記載の酸性水中油型乳化食品。
【請求項3】
食用油脂を35質量%以上含有する酸性水中油型乳化食品を焼成時の焼き色を改善する方法であって、
前記酸性水中油型乳化食品が、
キシロースを0.3質量%以上含有し、
卵黄を生換算で2質量%以上含有し、
卵黄全体のリゾ化率が10%以上45%以下である、
焼き色改善方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸性水中油型乳化食品に関し、詳細には、焼成用酸性水中油型乳化食品に関する。また、本発明は、酸性水中油型乳化食品を焼成時の焼き色を改善する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
惣菜パンやピザなどの焼成される食品において、チーズなどのトッピング材がこんがりと焼けている様子は食欲をそそることが知られている。一方、マヨネーズ等の酸性水中油型乳化食品も焼成食品のトッピング材として使用されるが、チーズのような焼き色が付きにくいという課題があった。
【0003】
これまでも、マヨネーズ風調味料等に良好な焼き色を呈するために、油脂及び/又は発酵乳製品と、卵及び高甘味度甘味料とを含む食品を使用することが提案されている(特許文献1参照)。また、電子レンジ調理で良好な焼き色を付けるために、マヨネーズと還元糖もしくはアミノ酸を使用することが提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-043330号公報
【文献】特開平08-131092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本発明者等は、マヨネーズ等の油脂含有量の多い酸性水中油型乳化食品においては、焼成時に濃い焼き色が付きにくいという課題を知見した。焼成時の焼き色が付きにくい原因としては、油脂含有量が多いために焼成により分離した油が油膜となって、焼き色が付くのを妨げているのではないかと推察される。
【0006】
したがって、本発明の目的は、油脂含有量の多い酸性水中油型乳化食品であって、焼成時に濃い焼き色が付き易い酸性水中油型乳化食品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、驚くべきことに、食用油脂を35質量%以上含有する酸性水中油型乳化食品において、キシロース及び卵黄を特定の範囲で含有させ、さらに、卵黄全体のリゾ化率を調節することで、焼成時の焼き色が改善できることを知見した。本発明者等は、当該知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明の一態様によれば、
食用油脂を35質量%以上含有する酸性水中油型乳化食品であって、
キシロースを0.3質量%以上含有し、
卵黄を生換算で2質量%以上含有し、
卵黄全体のリゾ化率が10%以上45%以下である、
酸性水中油型乳化食品が提供される。
【0009】
本発明の態様においては、前記酸性水中油型乳化食品が焼成用であることが好ましい。
【0010】
本発明の別の態様においては、食用油脂を35質量%以上含有する酸性水中油型乳化食品を焼成時の焼き色を改善する方法であって、
前記酸性水中油型乳化食品が、
キシロースを0.3質量%以上含有し、
卵黄を生換算で2質量%以上含有し、
卵黄全体のリゾ化率が10%以上45%以下である、
焼き色改善方法が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、油脂含有量の多い酸性水中油型乳化食品であって、焼成時に濃い焼き色が付き易い酸性水中油型乳化食品を提供することができる。このような酸性水中油型乳化食品は消費者の食欲を惹起することができ、酸性水中油型乳化食品のさらなる市場拡大が期待できる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<酸性水中油型乳化食品>
本発明の酸性水中油型乳化食品は、少なくとも、食用油脂、キシロース、及び卵黄を含有するものであり、卵白、酸材、及び他の原料等をさらに含んでもよい。
【0013】
ここで、水中油型乳化食品とは、油脂が油滴として水相中に略均一に分散し、水中油型に乳化された食品である。本発明の水中油型乳化食品は、特に限定されず、マヨネーズ、ドレッシング、ソース、タレ、及びこれらに類する他の食品が挙げられ、マヨネーズが好ましい。
【0014】
(食用油脂)
本発明の酸性水中油型乳化食品に用いる食用油脂は、特に限定されず従来公知の食用油脂を用いることができる。食用油脂としては、例えば、菜種油、大豆油、パーム油、綿実油、コーン油、ひまわり油、サフラワー油、胡麻油、オリーブ油、亜麻仁油、米油、椿油、荏胡麻油、グレープシードオイル、ピーナッツオイル、アーモンドオイル、アボカドオイル等の植物油脂、魚油、牛脂、豚脂、鶏脂、又はMCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド、硬化油、エステル交換油等のような化学的あるいは酵素的処理等を施して得られる油脂等を挙げることができる。これらの中でも、菜種油、大豆油、コーン油、パーム油、又はこれらの混合油を用いることが好ましい。
【0015】
食用油脂の含有量は、酸性水中油型乳化食品の全量に対して、35質量%以上であり、下限値は好ましくは40質量%以上であり、より好ましくは45質量%以上であり、また、上限値は好ましくは85質量%以下であり、より好ましくは80質量%以下である。本発明においては、食用油脂の含有量が35%以上と多量であっても、濃い焼き色が付き易い酸性水中油型乳化食品を得ることができる。また、食用油脂の含有量が35%以上と多量であることで、酸性水中油型乳化食品は食味が向上し、シズル感が出やすくなる。
【0016】
(キシロース)
本発明の酸性水中油型乳化食品には、還元糖としてキシロースを配合することで、メイラード反応が進行し易くなる。特に、酸性水中油型乳化食品中の食用油脂の含有量が35%以上と多量であっても、キシロースと、後述のリゾ化率の卵黄とを配合することで、酸性水中油型乳化食品の焼成時に濃い焼き色を付けることができる。
【0017】
キシロースの含有量は、酸性水中油型乳化食品の全量に対して、0.3質量%以上であり、下限値は好ましくは0.5質量%以上であり、より好ましくは1質量%以上であり、また、上限値は好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下である。キシロースの含有量が上記範囲内であれば、酸性水中油型乳化食品の焼成時に濃い焼き色を付け易くなる。
【0018】
(卵黄)
本発明の酸性水中油型乳化食品に用いる卵黄としては、例えば、液卵黄や生卵黄、当該液卵黄や生卵黄に殺菌処理、冷凍処理、スプレードライ又はフリーズドライ等の乾燥処理、後述するリゾ化卵黄のようなホスホリパーゼA1またはホスホリパーゼA2による酵素処理、酵母又はグルコースオキシダーゼ等による脱糖処理、超臨界二酸化炭素処理等の脱コレステロール処理、食塩又は糖質等の混合処理等の1種又は2種以上の処理を施したもの等が挙げられる。
【0019】
本発明の酸性水中油型乳化食品は卵黄の少なくとも一部にリゾ化卵黄を含有する。リゾ化卵黄とは、卵黄にホスホリパーゼA1またはホスホリパーゼA2の酵素処理を施すことによりリン脂質をリゾ化した卵黄である。
【0020】
本発明の酸性水中油型乳化食品には、リゾ化率を調整した卵黄を配合することで、メイラード反応の進行を適切に調節し、所望の焼き色を付けることができる。本発明においては、酸性水中油型乳化食品に配合する卵黄全体のリゾ化率が10%以上45%以下であり、下限値は好ましくは12%以上であり、より好ましくは15%以上であり、また、上限値は好ましくは42%以下であり、より好ましくは40%以下である。卵黄全体のリゾ化率が上記数値範囲内であれば、焼成時に乳化が適度に破壊され、メイラード反応が適度に進行することで、所望の焼き色が付き易くなる。卵黄のリゾ化率とは、リン脂質のリゾリン脂質への変換率のことであり、すなわち、全リン脂質に対するリゾリン脂質の質量百分率のことである。卵黄のリゾ化率は、TLC-FID法(イアトロスキャン)で測定することができる。卵黄全体のリゾ化率は、リゾ化卵黄を得る際の酵素処理の条件を変更することで調整したり、リゾ化卵黄と液卵黄とを混合することで調節したりすることができる。
【0021】
卵黄の含有量は、生換算で、酸性水中油型乳化食品の全量に対して、2質量%以上であり、下限値は好ましくは3質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上であり、また、上限値は好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは15質量%以下である。卵黄の含有量が上記範囲内であれば、酸性水中油型乳化食品の焼成時に濃い焼き色を付け易くなる。
【0022】
(卵白)
本発明の酸性水中油型乳化食品には、卵白をさらに配合してもよい。本発明の酸性水中油型乳化食品に用いる卵白としては、鶏等鳥類の卵を割卵し、卵黄を分離して得られる液状の生卵白、当該生卵白に凍結処理、濃縮処理もしくは乾燥処理を施したもの、又は凍結処理、濃縮処理もしくは乾燥処理を施したもの、又は凍結処理、濃縮処理もしくは乾燥処理した卵白を通常の液状卵白に戻したもの等種々の状態の卵白が挙げられる。また、加熱殺菌処理、脱糖処理、脱リゾチーム処理等の種々の処理を施した卵白を使用することができる。
【0023】
卵白の含有量は、生換算で、酸性水中油型乳化食品の全量に対して、例えば、0.1質量%以上15質量%以下であり、下限値は好ましくは0.5質量%以上であり、より好ましくは1質量%以上であり、また、上限値は好ましくは7質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下である。卵白の含有量が上記範囲内であれば、食味がマイルドになり、また、保形性が良好になる。
【0024】
(酸材)
本発明の酸性水中油型乳化食品には、酸材を配合することで、pHを調節することができる。酸性水中油型乳化食品のpHは、特に限定されないが、例えば、2.7以上4.6以下であり、下限値は好ましくは3.5以上であり、より好ましくは3.7以上であり、上限値は好ましくは4.3以下であり、より好ましくは4.2以下である。酸性水中油型乳化食品のpHが上記範囲内であれば、酸性水中油型乳化食品の微生物発生を制御して保存性を高めながら、酸性水中油型乳化食品の風味のバランスを良好にすることができる。なお、酸性水中油型乳化食品のpHの値は、1気圧、品温20℃とした時に、pH測定器(株式会社堀場製作所製卓上型pHメータF-72)を用いて測定した値である。
【0025】
酸材としては、例えば、食酢(酢酸)、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、ソルビン酸、安息香酸、アジピン酸、フマル酸、コハク酸等の有機酸及びそれらの塩、燐酸、塩酸等の無機酸及びそれらの塩、レモン果汁、リンゴ果汁、オレンジ果汁、乳酸発酵乳等を用いることができる。
【0026】
酸材の配合量は、目的とするpHに応じて適宜調節することができる。例えば、酸材として食酢(酸度10%)を用いる場合、食酢の配合量は、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは2質量%以上であり、さらに好ましくは3質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは8質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下である。食酢の配合量が上記範囲内であれば、酸性水中油型乳化食品の微生物発生を制御して保存性を高めながら、酸性水中油型乳化食品の風味のバランスを良好にすることができる。
【0027】
(他の原料)
本発明の酸性水中油型乳化食品は、上述した原料以外に、本発明の効果を損なわない範囲で液状調味料に通常用いられている各種原料を適宜選択し含有させることができる。例えば、醤油、みりん、食塩、胡麻、グルタミン酸ナトリウム、ブイヨン等の調味料、ぶどう糖、果糖、蔗糖、麦芽糖、オリゴ糖、トレハロース等の糖類、からし粉、胡椒等の香辛料、レシチン、リゾレシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の乳化剤、キサンタンガム、コンニャクガム、グアーガム、タマリンドシードガム、及びジェランガム等の増粘多糖類、アセチル化アジピン酸架橋澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉、アセチル化酸化澱粉、及びオクテニルコハク酸澱粉ナトリウム等の加工澱粉、アスコルビン酸、ビタミンE等の酸化防止剤、静菌剤等が挙げられる。
【0028】
<酸性水中油型乳化食品の製造方法>
本発明の酸性水中油型乳化食品の製造方法の一例について説明する。例えば、まず、清水、食酢、キシロース、卵白、及び調味料等の他の水相原料を混合して、水相を調整する。その後、調整した水相にリゾ化卵黄及び液卵黄を加える。続いて、上記で調整した水相に油相原料である食用油脂を注加し、ミキサー等で乳化して、水相中に油相を乳化分散させた酸性水中油型乳化食品を得ることができる。
【0029】
本発明の酸性水中油型乳化食品の製造には、通常の酸性水中油型乳化食品の製造に使われる装置を用いることができる。このような装置としては、例えば、一般的な攪拌機、スティックミキサー、スタンドミキサー、ホモミキサー等が挙げられる。撹拌機の撹拌羽形状としては、例えばプロペラ翼、タービン翼、パドル翼、アンカー翼等が挙げられる。
【実施例】
【0030】
以下に、実施例と比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例の内容に限定して解釈されるものではない。
【0031】
<酸性水中油型乳化食品の製造>
[実施例1]
表1に記載の配合量となるように酸性水中油型乳化食品を調整した。具体的には、まず、水、食酢(酸度10%)、キシロース、卵白、水あめ、及び食塩を均一になるように混合して水相を調整した。その後、調整した水相にリゾ化卵黄及び/又は液卵黄を加えた。続いて、食用植物油脂(大豆油)を注加し、乳化処理を行って、酸性水中油型乳化食品を製造した。
【0032】
[実施例2]
キシロースの配合量を3質量%に変更し、さらに、リゾ化卵黄及び液卵黄の配合量を変更して卵黄量の合計を10質量%、卵黄全体のリゾ化率を15%に調節した以外は、実施例1と同様にして酸性水中油型乳化食品を製造した。
【0033】
[実施例3]
キシロースの配合量を1質量%に変更し、さらに、リゾ化卵黄及び液卵黄の配合量を変更して卵黄量の合計を10質量%、卵黄全体のリゾ化率を25%に調節した以外は、実施例1と同様にして酸性水中油型乳化食品を製造した。
【0034】
[実施例4]
キシロースの配合量を1質量%に変更し、さらに、リゾ化卵黄及び液卵黄の配合量を変更して卵黄量の合計を10質量%、卵黄全体のリゾ化率を40%に調節した以外は、実施例1と同様にして酸性水中油型乳化食品を製造した。
【0035】
[実施例5]
リゾ化卵黄及び液卵黄の配合量を変更して卵黄量の合計を2質量%、卵黄全体のリゾ化率を45%に調節した以外は、実施例1と同様にして酸性水中油型乳化食品を製造した。
【0036】
[比較例1]
キシロースの配合量を1質量%に変更し、さらに、リゾ化卵黄及び液卵黄の配合量を変更して卵黄量の合計を7質量%、卵黄全体のリゾ化率を100%に調節した以外は、実施例1と同様にして酸性水中油型乳化食品を製造した。
【0037】
[比較例2]
キシロースの配合量を1質量%に変更し、さらに、リゾ化卵黄及び液卵黄の配合量を変更して卵黄量の合計を7質量%、卵黄全体のリゾ化率を0%に調節した以外は、実施例1と同様にして酸性水中油型乳化食品を製造した。
【0038】
[実施例6]
リゾ化卵黄及び液卵黄の配合量を変更して卵黄量の合計を10質量%、卵黄全体のリゾ化率を25%に調節した以外は、実施例1と同様にして酸性水中油型乳化食品を製造した。
【0039】
[実施例7]
キシロースの配合量を3質量%に変更した以外は、実施例6と同様にして酸性水中油型乳化食品を製造した。
【0040】
[実施例8]
キシロースの配合量を0.3質量%に変更した以外は、実施例6と同様にして酸性水中油型乳化食品を製造した。
【0041】
[比較例3]
キシロースの配合量を0.1質量%に変更した以外は、実施例6と同様にして酸性水中油型乳化食品を製造した。
【0042】
[実施例9]
食用油脂の配合量を35質量%に変更し、さらに、リゾ化卵黄及び液卵黄の配合量を変更して卵黄量の合計を10質量%、卵黄全体のリゾ化率を25%に調節した以外は、実施例1と同様にして酸性水中油型乳化食品を製造した。
【0043】
[実施例10]
食用油脂の配合量を50質量%に変更し、さらに、キシロースの配合量を1質量%に変更した以外は、実施例9と同様にして酸性水中油型乳化食品を製造した。
【0044】
[比較例4]
食用油脂の配合量を30質量%に変更し、さらに、キシロースの配合量を0.1質量%に変更した以外は、実施例9と同様にして酸性水中油型乳化食品を製造した。
【0045】
[実施例11]
食用油脂の配合量を70質量%に変更し、キシロースの配合量を1質量%に変更し、さらに、リゾ化卵黄及び液卵黄の配合量を変更して卵黄量の合計を14質量%に調節した以外は、実施例9と同様にして酸性水中油型乳化食品を製造した。
【0046】
[実施例12]
リゾ化卵黄及び液卵黄の配合量を変更して卵黄量の合計を3質量%に調節した以外は、実施例11と同様にして酸性水中油型乳化食品を製造した。
【0047】
[実施例13]
キシロースの配合量を0.3質量%に変更し、リゾ化卵黄及び液卵黄の配合量を変更して卵黄量の合計を15質量%に調節した以外は、実施例11と同様にして酸性水中油型乳化食品を製造した。
【0048】
[実施例14]
リゾ化卵黄及び液卵黄の配合量を変更して卵黄量の合計を2質量%に調節した以外は、実施例11と同様にして酸性水中油型乳化食品を製造した。
【0049】
[比較例5]
食用油脂の配合量を30質量%に変更し、キシロースの配合量を0.3質量%に変更し、リゾ化卵黄及び液卵黄の配合量を変更して卵黄量の合計を1質量%に調節した以外は、実施例11と同様にして酸性水中油型乳化食品を製造した。
【0050】
(pH測定)
上記で得られた実施例1~14及び比較例1~5の酸性水中油型乳化食品について、1気圧、品温20℃とした時に、pH測定器(株式会社堀場製作所製卓上型pHメータF-72)を用いてpHを測定した。実施例1~14及び比較例1~5の酸性水中油型乳化食品のpHは全て3.7以上4.2以下の範囲内であった。
【0051】
(焼き色評価)
上記で得られた実施例1~14及び比較例1~5の酸性水中油型乳化食品を、縦 4.0cm×横7.5cm×深さ1.0cmの大きさのシリコン型に充填し、鉄板の上で200℃で8分間焼成した。焼成後の酸性水中油型乳化食品の表面の焼き色(焦げ色)について、複数(4人)の訓練されたパネルにより、目視により下記の基準で評価した。評価結果を表1及び表2に示した。評価が2点以上であれば、良好な結果であると言える。なお、点数は平均値を小数点以下で四捨五入した。
[評価基準]
3:焼き色は濃く、良好であった。
2:焼き色は多少薄かったが、問題無かった。
1:焼き色が付かなかった。
【0052】
【0053】