(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】洗浄部材の洗浄装置、基板洗浄装置及び洗浄部材アセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20240628BHJP
【FI】
H01L21/304 644Z
H01L21/304 644C
H01L21/304 648G
(21)【出願番号】P 2020215167
(22)【出願日】2020-12-24
【審査請求日】2023-04-25
(31)【優先権主張番号】P 2020059371
(32)【優先日】2020-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【氏名又は名称】小林 英了
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】梶川 敬之
(72)【発明者】
【氏名】飯泉 健
(72)【発明者】
【氏名】今井 正芳
【審査官】佐藤 靖史
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-054177(JP,A)
【文献】特開2019-204892(JP,A)
【文献】特開2016-167514(JP,A)
【文献】特開2018-190898(JP,A)
【文献】特開2013-012619(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄部材を有する洗浄部材アセンブリを保持する保持部と、
前記洗浄部材を回転させる部材回転部と、
前記洗浄部材内に洗浄液を供給するインナー洗浄液供給部と、
前記洗浄部材外から洗浄液を供給するアウター洗浄液供給部と、
前記洗浄部材を
基板に第一圧力で押し当てつつ前記アウター洗浄液供給部から基板に洗浄液を供給する第一処理と、前記洗浄部材を前記基板から離間する又は前記洗浄部材を前記基板に第一圧力以下である第二圧力で押し当てつつインナー洗浄液供給部から洗浄液を供給する第二処理を行うよう、制御する制御部と、
を備え
、
前記第二処理の間、前記アウター洗浄液供給部から前記基板への洗浄液の供給を停止する洗浄部材の洗浄装置。
【請求項2】
洗浄部材を有する洗浄部材アセンブリを保持する保持部と、
前記洗浄部材を回転させる部材回転部と、
前記洗浄部材内に洗浄液を供給するインナー洗浄液供給部と、
前記洗浄部材外から洗浄液を供給するアウター洗浄液供給部と、
前記洗浄部材を
基板に第一圧力で押し当てつつ前記アウター洗浄液供給部から基板に洗浄液を供給する第一処理と、前記洗浄部材を前記基板から離間する又は前記洗浄部材を前記基板に第一圧力以下である第二圧力で押し当てつつインナー洗浄液供給部から洗浄液を供給する第二処理を行うよう、制御する制御部と、
を備え
、
インナー洗浄液供給部は第一薬液を供給し、アウター洗浄液供給部は第一薬液とは異なる第二薬液を供給する洗浄部材の洗浄装置。
【請求項3】
洗浄部材を有する洗浄部材アセンブリを保持する保持部と、
前記洗浄部材を回転させる部材回転部と、
前記洗浄部材内に洗浄液を供給するインナー洗浄液供給部と、
前記洗浄部材外から洗浄液を供給するアウター洗浄液供給部と、
前記洗浄部材を
基板に第一圧力で押し当てつつ前記アウター洗浄液供給部から基板に洗浄液を供給する第一処理と、前記洗浄部材を前記基板から離間する又は前記洗浄部材を前記基板に第一圧力以下である第二圧力で押し当てつつインナー洗浄液供給部から洗浄液を供給する第二処理を行うよう、制御する制御部と、
を備え
、
前記制御部は、前記洗浄部材を前記基板に第二圧力で押し当てている間にインナー洗浄液供給部から洗浄液を供給し、
前記第二圧力は前記第一圧力の1/2以下となっている洗浄部材の洗浄装置。
【請求項4】
洗浄部材を有する洗浄部材アセンブリを保持する保持部と、
前記洗浄部材を回転させる部材回転部と、
前記洗浄部材内に洗浄液を供給するインナー洗浄液供給部と、
前記洗浄部材外から洗浄液を供給するアウター洗浄液供給部と、
前記洗浄部材を
基板に第一圧力で押し当てつつ前記アウター洗浄液供給部から基板に洗浄液を供給する第一処理と、前記洗浄部材を前記基板から離間する又は前記洗浄部材を前記基板に第一圧力以下である第二圧力で押し当てつつインナー洗浄液供給部から洗浄液を供給する第二処理を行うよう、制御する制御部と、
を備え
、
前記制御部は、前記基板を入れ替えるよう搬送部を制御し、前記第一処理及び前記第二処理による処理と前記基板の入れ替え処理を複数回のセットとして行うように制御する洗浄部材の洗浄装置。
【請求項5】
洗浄部材を有する洗浄部材アセンブリを保持する保持部と、
前記洗浄部材を回転させる部材回転部と、
前記洗浄部材内に洗浄液を供給するインナー洗浄液供給部と、
前記洗浄部材外から洗浄液を供給するアウター洗浄液供給部と、
前記洗浄部材を
基板に第一圧力で押し当てつつ前記アウター洗浄液供給部から基板に洗浄液を供給する第一処理と、前記洗浄部材を前記基板から離間する又は前記洗浄部材を前記基板に第一圧力以下である第二圧力で押し当てつつインナー洗浄液供給部から洗浄液を供給する第二処理を行うよう、制御する制御部と、
を備え
、
洗浄部材は基板の面内方向に沿って延在する回転軸を中心に回転するロール洗浄部材からなり、
前記基板は当該基板の法線方向に沿って延在する回転軸を有し、
前記ロール洗浄部材は、前記基板の回転軸より周縁外方の一方向で前記基板に当接し、
前記制御部は、第一圧力が閾値以上の場合には基板と洗浄部材の回転方向が逆方向となり、第一圧力が前記閾値未満の場合には基板と洗浄部材の回転方向は同じ方向になるように制御する洗浄部材の洗浄装置。
【請求項6】
洗浄部材を有する洗浄部材アセンブリを保持する保持部と、
前記洗浄部材を回転させる部材回転部と、
前記洗浄部材内に洗浄液を供給するインナー洗浄液供給部と、
前記洗浄部材外から洗浄液を供給するアウター洗浄液供給部と、
前記洗浄部材を
基板に第一圧力で押し当てつつ前記アウター洗浄液供給部から基板に洗浄液を供給する第一処理と、前記洗浄部材を前記基板から離間する又は前記洗浄部材を前記基板に第一圧力以下である第二圧力で押し当てつつインナー洗浄液供給部から洗浄液を供給する第二処理を行うよう、制御する制御部と、
を備え
、
前記アウター洗浄液供給部は、前記第一処理及び前記第二処理の間、洗浄液を供給し続け、
前記インナー洗浄液供給部はリンス液を供給し、前記第一処理の間はリンス液の供給を停止する洗浄部材の洗浄装置。
【請求項7】
前記第二処理の間、前記アウター洗浄液供給部から前記基板への洗浄液の供給を停止する請求項
2乃至6のいずれか1項に記載の洗浄部材の洗浄装置。
【請求項8】
前記第二処理の間も、前記アウター洗浄液供給部から前記基板への洗浄液の供給を行う請求項
2乃至6のいずれか1項に記載の洗浄部材の洗浄装置。
【請求項9】
前記第二処理における前記洗浄部材の第二回転速度は、前記第一処理における前記洗浄部材の第一回転速度よりも速くなる請求項1乃至
8のいずれか1項に記載の洗浄部材の洗浄装置。
【請求項10】
インナー洗浄液供給部はリンス液を供給し、アウター洗浄液供給部は薬液を供給する、インナー洗浄液供給部は薬液を供給し、アウター洗浄液供給部はリンス液を供給する、又はインナー洗浄液供給部及びアウター洗浄液供給部は薬液を供給する請求項1乃至
9のいずれか1項に記載の洗浄部材の洗浄装置。
【請求項11】
インナー洗浄液供給部は第一薬液を供給し、アウター洗浄液供給部は第一薬液とは異なる第二薬液を供給する請求項1
及び3乃至6のいずれか1項に記載の洗浄部材の洗浄装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記洗浄部材を前記基板に第二圧力で押し当てている間にインナー洗浄液供給部から洗浄液を供給し、
前記第二圧力は前記第一圧力の1/2以下となっている請求項1
、2及び4乃至6のいずれか1項に記載の洗浄部材の洗浄装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記基板を入れ替えるよう搬送部を制御し、前記第一処理及び前記第二処理による処理と前記基板の入れ替え処理を複数回のセットとして行うように制御する請求項1乃至
3、5及び6のいずれか1項に記載の洗浄部材の洗浄装置。
【請求項14】
後半のセットにおける第一圧力は、前半のセットにおける第一圧力よりも小さくなる請求項
13に記載の洗浄部材の洗浄装置。
【請求項15】
洗浄部材は基板の面内方向に沿って延在する回転軸を中心に回転するロール洗浄部材からなり、
前記基板は当該基板の法線方向に沿って延在する回転軸を有し、
前記ロール洗浄部材は、前記基板の回転軸より周縁外方の一方向で前記基板に当接し、
前記制御部は、第一圧力が閾値以上の場合には基板と洗浄部材の回転方向が逆方向となり、第一圧力が前記閾値未満の場合には基板と洗浄部材の回転方向は同じ方向になるように制御する請求項1乃至
4及び6のいずれか1項に記載の洗浄部材の洗浄装置。
【請求項16】
前記アウター洗浄液供給部は、前記第一処理及び前記第二処理の間、洗浄液を供給し続け、
前記インナー洗浄液供給部はリンス液を供給し、前記第一処理の間はリンス液の供給を停止する請求項1乃至
5のいずれか1項に記載の洗浄部材の洗浄装置。
【請求項17】
前記制御部は、洗浄処理が行われる基板を洗浄する前にフラッシング処理を行うよう前記アウター洗浄液供給部を制御する請求項1乃至
16のいずれか1項に記載の洗浄部材の洗浄装置。
【請求項18】
請求項1乃至
17のいずれか1項に記載の洗浄部材の洗浄装置によって洗浄された洗浄部材を備える洗浄部材アセンブリ。
【請求項19】
基板の洗浄を行う基板洗浄装置において、
基板を保持する基板支持部と、
前記基板に洗浄液を供給する基板洗浄液供給部と、
請求項1乃至17のいずれか1項に記載の洗浄部材の洗浄装置と、
を備える基板洗浄装置。
【請求項20】
請求項
19に記載の基板洗浄装置によって洗浄された洗浄部材を備える洗浄部材アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄部材を洗浄するための洗浄部材の洗浄装置、基板洗浄装置及び洗浄部材アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、新しい洗浄部材には汚染物が付着しており、これらを除去し初期化してから使用する必要があった。また、清浄化した洗浄部材で基板を洗浄し続けると、例えば処理対象の基板上に存在していた研磨スラリーといった基板上のパーティクルが洗浄部材に堆積し、洗浄能力を低下させるという問題もある。このような問題を解決するために、特許文献1では、基板を回転させ、回転する基板に洗浄部材を接触させつつ基板を洗浄する基板洗浄装置が提案されている。この基板洗浄装置では、洗浄部材を支持するアームに設けられ、洗浄部材に接触して洗浄部材を自己洗浄するセルフクリーニング部材と、洗浄部材を支持するアームに設けられ、セルフクリーニング部材を洗浄部材に接触させる位置と洗浄部材から離間させる位置との間で移動させる移動機構とが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では洗浄部材とセルフクリーニング部材との接触部に洗浄液を供給する態様も開示されているが、このように従来の洗浄部材とセルフクリーニング部材との接触部に外方から洗浄液を供給する態様では、例えば近時検討されている特定のスラリーを用いた基板研磨後の洗浄プロセスにおいて粒子除去性能が期待した性能に満たない可能性がある等の課題がわかってきた。
【0005】
本発明は、効率よく洗浄部材を洗浄できる洗浄部材の洗浄装置、基板洗浄装置及び洗浄部材アセンブリを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による洗浄部材の洗浄装置は、
洗浄部材を有する洗浄部材アセンブリを保持する保持部と、
前記洗浄部材を回転させる部材回転部と、
前記洗浄部材内に洗浄液を供給するインナー洗浄液供給部と、
前記洗浄部材外から洗浄液を供給するアウター洗浄液供給部と、
前記洗浄部材を前記基板に第一圧力で押し当てつつ前記アウター洗浄液供給部から基板に洗浄液を供給する第一処理と、前記洗浄部材を前記基板から離間する又は前記洗浄部材を前記基板に第一圧力以下である第二圧力で押し当てつつインナー洗浄液供給部から洗浄液を供給する第二処理を行うよう、制御する制御部と、
を備えてもよい。
【0007】
本発明による洗浄部材の洗浄装置において、
前記第二処理の間、前記アウター洗浄液供給部から前記基板への洗浄液の供給を停止してもよい。
【0008】
本発明による洗浄部材の洗浄装置において、
前記第二処理の間も、前記アウター洗浄液供給部から前記基板への洗浄液の供給を行ってもよい。
【0009】
本発明による洗浄部材の洗浄装置において、
前記第二処理における前記洗浄部材の第二回転速度は、前記第一処理における前記洗浄部材の第一回転速度よりも速くなってもよい。
【0010】
本発明による洗浄部材の洗浄装置において、
インナー洗浄液供給部はリンス液を供給し、アウター洗浄液供給部は薬液を供給する、インナー洗浄液供給部は薬液を供給し、アウター洗浄液供給部はリンス液を供給する、又はインナー洗浄液供給部及びアウター洗浄液供給部は薬液を供給してもよい。
【0011】
本発明による洗浄部材の洗浄装置において、
インナー洗浄液供給部は第一薬液を供給し、アウター洗浄液供給部は第一薬液とは異なる第二薬液を供給してもよい。
【0012】
本発明による洗浄部材の洗浄装置において、
前記制御部は、前記洗浄部材を前記基板に第二圧力で押し当てている間にインナー洗浄液供給部から洗浄液を供給し、
前記第二圧力は前記第一圧力の1/2以下となってもよい。
【0013】
本発明による洗浄部材の洗浄装置において、
前記制御部は、前記基板を入れ替えるよう搬送部を制御し、前記第一処理及び前記第二処理による処理と前記基板の入れ替え処理を複数回のセットとして行うように制御してもよい。
【0014】
本発明による洗浄部材の洗浄装置において、
後半のセットにおける第一圧力は、前半のセットにおける第一圧力よりも小さくなってもよい。
【0015】
本発明による洗浄部材の洗浄装置において、
前記制御部は、第一圧力が閾値以上の場合には基板と洗浄部材の回転方向が逆方向となり、第一圧力が前記閾値未満の場合には基板と洗浄部材の回転方向は同じ方向になるように制御してもよい。
【0016】
本発明による洗浄部材の洗浄装置において、
前記アウター洗浄液供給部は、前記第一処理及び前記第二処理の間、洗浄液を供給し続け、
前記インナー洗浄液供給部はリンス液を供給し、前記第一処理の間はリンス液の供給を停止してもよい。
【0017】
本発明による洗浄部材の洗浄装置において、
前記インナー洗浄液供給部はリンス液を供給し、
前記制御部は、前記第一処理を行う第一時間が前記第二処理を行う第二時間よりも長くなるように制御してもよい。
【0018】
本発明による洗浄部材の洗浄装置において、
前記制御部は、洗浄処理が行われる基板を洗浄する前にフラッシング処理を行うよう前記アウター洗浄液供給部を制御してもよい。
【0019】
本発明による洗浄部材アセンブリは、
前述した洗浄部材の洗浄装置によって洗浄された洗浄部材を備えてもよい。
【0020】
本発明による基板洗浄装置は、
基板の洗浄を行う基板洗浄装置であって、
基板を保持する基板支持部と、
前記基板に洗浄液を供給する基板洗浄液供給部と、
洗浄部材を有する洗浄部材アセンブリを保持する保持部と、
前記洗浄部材を回転させる部材回転部と、
前記洗浄部材内に洗浄液を供給するインナー洗浄液供給部と、
前記洗浄部材外から洗浄液を供給するアウター洗浄液供給部と、
前記洗浄部材を前記基板に第一圧力で押し当てつつ前記アウター洗浄液供給部から基板に洗浄液を供給する第一処理と、前記洗浄部材を前記基板から離間する又は前記洗浄部材を前記基板に第一圧力以下である第二圧力で押し当てつつインナー洗浄液供給部から洗浄液を供給する第二処理を行うよう、制御する制御部と、
を備えてもよい。
【0021】
本発明による洗浄部材アセンブリは、
前述した基板洗浄装置によって洗浄された洗浄部材を備えてもよい。
【本発明の効果】
【0022】
本発明によれば、効率よく洗浄部材を洗浄できる洗浄部材の洗浄装置等を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態による基板処理装置の全体構成を示す概略平面図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施の形態で用いられうる基板洗浄装置を示した斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施の形態の一例として用いられる洗浄部材の洗浄装置を示した図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施の形態の別の例として用いられる洗浄部材の洗浄装置を示した図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施の形態で用いられるロール洗浄部材の洗浄方法を説明するための図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施の形態の態様によって、洗浄部材内の異物が除去される様子を説明するための図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施の形態で用いられうる一体成形の洗浄部材を製造する方法の一例を説明するための図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施の形態で用いられうる洗浄部材の洗浄装置のブロック図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施の形態の実施例1による洗浄部材の洗浄装置を用いた際に基板上に残った19nm以上のパーティクルと、比較例1による洗浄部材の洗浄装置を用いた際に基板上に残った19nm以上のパーティクルを示した写真(defect map)である。
【
図10】
図10は、本発明の実施の形態の実施例1による洗浄部材の洗浄装置を用いた際に基板上に残った19nm以上のパーティクルの数と、比較例1による洗浄部材の洗浄装置を用いた際に基板上に残った19nm以上のパーティクルの数を比率で示したグラフである。
【
図11】
図11(a)は、ダミー基板とロール洗浄部材とが接触する箇所において、ダミー基板とロール洗浄部材とが反対の方向で回転している態様を示し、
図11(b)は、ダミー基板とロール洗浄部材とが接触する箇所において、ダミー基板とロール洗浄部材とが同じ方向で回転している態様を示している。
【
図12】
図12は、本発明の実施の形態で用いられるペンシル洗浄部材の洗浄方法を説明するための図である。
【
図13】
図13は、本発明の実施の形態で用いられるロール洗浄装置の構成の概略を示す構成図である。
【
図14】
図14は、本発明の実施例2で用いられるロール洗浄部材の洗浄方法を説明するための図である。
【
図15】
図15は、本発明の実施例3で用いられるロール洗浄部材の洗浄方法を説明するための図である。
【
図16】
図16は、本発明の実施例1乃至3による基板上に残った19nm以上のパーティクルの数を比率で示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
実施の形態
《構成》
基板洗浄装置等を含む基板処理装置の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の一形態においては半導体ウエハ(被処理体)の洗浄処理、とりわけ薬液を用いた処理に適用した例を示しているが、本発明はウエハの洗浄処理への適用に限定されるものではない。
【0025】
図1に示すように、本実施の形態の基板処理装置は、略矩形状のハウジング310と、多数の基板Wをストックする基板カセットが載置されるロードポート312と、を有している。ロードポート312は、ハウジング310に隣接して配置されている。ロードポート312には、オープンカセット、SMIF(Standard Mechanical Interface)ポッド、又はFOUP(Front Opening Unified Pod)を搭載することができる。SMIFポッド、FOUPは、内部に基板カセットを収納し、隔壁で覆うことにより、外部空間とは独立した環境を保つことができる密閉容器である。基板Wとしては、例えば半導体ウエハ等を挙げることができる。
【0026】
ハウジング310の内部には、複数(
図1に示す態様では4つ)の研磨ユニット314a~314dと、研磨後の基板Wを洗浄する第1洗浄ユニット316及び第2洗浄ユニット318と、洗浄後の基板Wを乾燥させる乾燥ユニット320とが収容されている。研磨ユニット314a~314dは、基板処理装置の長手方向に沿って配列され、洗浄ユニット316、318及び乾燥ユニット320も基板処理装置の長手方向に沿って配列されている。本実施の形態の基板処理装置によれば、直径300mm又は450mmの半導体ウエハ、フラットパネル、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Device)等のイメージセンサ、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)における磁性膜の製造工程において、種々の基板Wを、研磨処理することができる。なお、別の実施の形態の基板処理装置としては、ハウジング310内に基板Wを研磨する研磨ユニットを設けず、基板Wの洗浄処理及び乾燥処理を行う装置としてもよい。
【0027】
ロードポート312、ロードポート312側に位置する研磨ユニット314a及び乾燥ユニット320に囲まれた領域には、第1搬送ロボット322が配置されている。また、研磨ユニット314a~314d並びに洗浄ユニット316、318及び乾燥ユニット320と平行に、搬送ユニット324が配置されている。第1搬送ロボット322は、研磨前の基板Wをロードポート312から受け取って搬送ユニット324に受け渡したり、乾燥ユニット320から取り出された乾燥後の基板Wを搬送ユニット324から受け取ったりする。
【0028】
第1洗浄ユニット316と第2洗浄ユニット318との間に、これら第1洗浄ユニット316と第2洗浄ユニット318の間で基板Wの受け渡しを行う第2搬送ロボット326が配置され、第2洗浄ユニット318と乾燥ユニット320との間に、これら第2洗浄ユニット318と乾燥ユニット320の間で基板Wの受け渡しを行う第3搬送ロボット328が配置されている。さらに、ハウジング310の内部には、基板処理装置の各機器の動きを制御する制御部350が配置されている。本実施の形態では、ハウジング310の内部に制御部350が配置されている態様を用いて説明するが、これに限られることはなく、ハウジング310の外部に制御部350が配置されてもよいし、制御部350は遠隔地に設けられてもよい。
【0029】
第1洗浄ユニット316として、洗浄液の存在下で、基板Wの直径のほぼ全長にわたって直線状に延びるロール洗浄部材90を接触させ、基板Wに平行な中心軸周りに自転させながら基板Wの表面をスクラブ洗浄するロール洗浄装置が使用されてもよい。また、第2洗浄ユニット318として、洗浄液の存在下で、鉛直方向に延びる円柱状のペンシル洗浄部材の接触面を接触させ、ペンシル洗浄部材を自転させながら一方向に向けて移動させて、基板Wの表面をスクラブ洗浄するペンシル洗浄装置が使用されてもよい。また、乾燥ユニット320として、水平に保持しつつ回転する基板Wに向けて、移動する噴射ノズルからIPA蒸気を噴出して基板Wを乾燥させ、さらに基板Wを高速で回転させて遠心力によって基板Wを乾燥させるスピン乾燥ユニットが使用されてもよい。
【0030】
なお、第1洗浄ユニット316としてロール洗浄装置ではなく、第2洗浄ユニット318と同様のペンシル洗浄装置を使用したり、二流体ジェットにより基板Wの表面を洗浄する二流体ジェット洗浄装置を使用したりしてもよい。また、第2洗浄ユニット318としてペンシル洗浄装置ではなく、第1洗浄ユニット316と同様のロール洗浄装置を使用したり、二流体ジェットにより基板Wの表面を洗浄する二流体ジェット洗浄装置を使用したりしてもよい。
【0031】
本実施の形態の洗浄液には、純水(DIW)等のリンス液と、アンモニア過酸化水素(SC1)、塩酸過酸化水素(SC2)、硫酸過酸化水素(SPM)、硫酸加水、フッ酸等の薬液が含まれている。また、これらを主成分とする混合液や希釈液であってもよい。本実施の形態で特に断りのない限り、洗浄液は、リンス液、薬液、又は、リンス液及び薬液の両方を意味している。なお、本実施の形態の洗浄には、ロール洗浄部材90やペン洗浄部材90a等の洗浄部材を回転させながら基板に接触させつつ洗浄液を基板に供給してスクラブ洗浄する態様や、基板に部材を接触させずに洗浄液を供給するだけの態様が含まれている。
【0032】
図3に示すように、洗浄部材アセンブリ1は、洗浄部材取付部10と、洗浄部材取付部10の表面に取り付けられる洗浄部材とを有してもよい。以下では、一例として、洗浄部材としてロール洗浄部材90を用いて説明するが、これに限られることはなく、本実施の形態の態様は例えばペンシル洗浄部材やブラシ、マンドリルといった洗浄部材にも用いることができる。
図2に示すように、ロール洗浄部材90は複数のノジュール(突起部材)95を有するスポンジからなってもよい。ノジュール95の頂部の面積を5cm
2以下としてもよい。洗浄部材取付部10の材料として、PVDFやPTFEを使用してもよい。
【0033】
図2に示すように、基板洗浄装置は基板Wを保持する基板支持部200を有してもよい。基板支持部200は、基板Wを水平方向に延在するようにして保持してもよいし、鉛直方向に延在するようにして保持してもよいし、水平方向から傾斜して保持してもよい。基板支持部200は基板Wをチャック又は吸着して保持しながら回転してもよいし、
図2で示すスピンドルのように基板Wを回転させながら支持してもよい。基板Wに薬液を供給する薬液供給部210及び基板Wにリンス液を供給するリンス液供給部220が設けられてもよい。本実施の形態では、基板Wに洗浄液を供給する基板洗浄液供給部は薬液供給部210及びリンス液供給部220によって構成されている。
【0034】
本実施の形態では、洗浄部材の洗浄装置が基板洗浄装置からなる態様を用いて説明する。つまり、本実施の形態では、半導体基板ウエハ等を量産する際の一連の処理工程で用いられる基板Wを洗浄するために用いられる基板洗浄装置において、洗浄部材を洗浄する洗浄部材の洗浄装置(セルフクリーニング装置あるいはブレークイン装置)が、同時に、基板を洗浄する基板洗浄装置としても用いられる態様を用いて説明する。但し、このような態様に限られることはなく、基板洗浄装置とは別に専用の洗浄部材の洗浄装置が設けられてもよい。このような専用の洗浄部材の洗浄装置を用いる場合には、基板Wの洗浄処理に用いる基板洗浄装置を洗浄部材の洗浄装置に用いる必要が無くなる。このため、基板洗浄装置の稼働時間を長くすることができ、基板処理枚数を向上させることができる(装置の稼働率を高めることができる)点で有益である。
【0035】
また、ロール洗浄部材90等の洗浄部材を洗浄する際には、基板としてダミー基板Wdを用いてもよい。本実施の形態では、以下、基板としてダミー基板Wdを用いる態様によって説明するが、これに限られることはなく、量産で用いられるウエハ等の基板Wを用いて洗浄部材の洗浄処理を行ってもよい。なお、金属膜を有するダミー基板Wdでは洗浄液として薬液を用いた場合には金属膜が溶解してしまう可能性があるので、洗浄液として薬液を用いた場合にはダミー基板Wdとしては酸化膜等の絶縁膜を有するものを用いることが好ましい。この絶縁膜はTEOS(テトラエトキシシラン)であってもよい。
【0036】
図3に示すように、洗浄部材の洗浄装置は、ロール洗浄部材90を有する洗浄部材アセンブリ1を保持する保持部100と、ロール洗浄部材90を回転させる部材回転部80と、ロール洗浄部材90内に洗浄液を供給するインナー洗浄液供給部110と、ロール洗浄部材90の外方から洗浄液を供給するアウター洗浄液供給部120と、を有してもよい。
【0037】
一実施態様では、部材回転部80は、例えばモータ、モータの駆動力を伝達するベルト等の伝達部から構成されており、部材回転部80と洗浄部材アセンブリ1が保持部100を介して連結されている。そして、部材回転部80で発生させた回転駆動力を洗浄部材アセンブリ1のロール洗浄部材90へと伝達されるようにしている。また、部材回転部80は、(基板Wに対して)垂直方向に上下自在に洗浄部材アセンブリ1を動作させるとともに、所定の位置に停止させることができるようなストッパを有することができる。一実施態様では、ロール洗浄部材を上下動させるためのシリンダ機構を設けることができる。また、ロール洗浄部材を回転させるときは、モータが駆動力を発生させたうえで、駆動力をベルト等の伝達部に伝達することで、ロール洗浄部材90が長手方向に沿った軸中心周りに回転するように構成されている。そして、ロール洗浄部材のxyz軸それぞれの軸方向のモーションコントロールが可能なように、ロール洗浄部材の位置を測定するセンサを設けるとともに、センサで得た信号を制御部が受信して、ロール洗浄部材の位置を変位させる変位信号を制御部で生成し、変位信号を部材回転部またはシリンダに送信させることで、ロール洗浄部材の位置を最適な位置へと制御することができる。
【0038】
【0039】
図13に示すように、ロール洗浄部材90を基板Wに押し付けたりロール洗浄部材90を基板Wから離間させたりするためのロール押付駆動部519が設けられてもよい。また、モータ等の駆動部515による回転力を伝達するベルト等からなる伝達部517が設けられてもよい。なお、ロール洗浄部材90の駆動は、駆動部515による直動で行われてもよいし、ベルト等を介する間接電動で行われてもよい。
【0040】
部材回転部80は、駆動部515に加えられるトルクを検出するトルク検出部516と、押付駆動部519によるロール洗浄部材90の基板Wに対する押付力を検出する押付力検出部518と、を有してもよい。押付力検出部518としては例えばロードセルを用いてもよい。
【0041】
制御部350は、トルク検出部516からの検出結果に基づき、押付駆動部519によるロール洗浄部材90の基板Wに対する押付力を制御してもよい。例えば、駆動部515に加えられるトルクが一定範囲(後述する第2範囲内)に収まるように又は一定値になるように、制御部350がロール洗浄部材90の基板Wに対する押付力を制御する。
【0042】
制御部350は、押付力検出部518からの検出結果に基づいて、押付駆動部519によるロール洗浄部材90の基板Wに対する押付力を制御してもよい。
【0043】
また、制御部350は、ロール洗浄部材90が基板Wに当接してから第1時間(例えば1秒~3秒)が到来するまでは押付力検出部518からの検出結果に基づき、押付駆動部519によるロール洗浄部材90の基板Wに対する押付力を制御し、第1時間が経過した後はトルク検出部516からの検出結果に基づき当該押付力を制御してもよい。なお、このような態様ではなく、押付力検出部518からの検出結果に基づき、ロール洗浄部材90の基板Wに対する押付力が過度に大きくならないよう又は過度に小さくならないようにだけ制御(閾値制御)してもよい。
【0044】
また、制御部350は、第1時間が到来した時、押付力検出部518からの検出結果に基づき、ロール洗浄部材90の基板Wに対する押圧力が第1範囲内か判断し、当該押圧力が第1範囲の範囲外である場合には押圧力が第1範囲内になるように押付駆動部519を制御してもよい。
【0045】
トルク検出部516はトルクを所定時間内で複数回検出し、制御部350がトルク検出部516で検出された複数のトルクの値に基づいて(例えば複数のトルクの値の平均値を用いて)押付力を制御してもよい。また、トルク検出部516は所定時間毎(例えば0.1~0.3秒毎)にトルクを検出してもよい。一例として、制御部350は、連続した2~5の検出結果に基づいて押付力を制御してもよい。例えば、0.1秒毎に3つの点を取り、これらの平均値を用いてロール洗浄部材90から基板Wに加わる押付力を制御してもよい。
【0046】
なお、部材回転部80が予め定まった回転数で回転する場合には、部材回転部80が一定の回転数を実現しようとするので加わるトルクは大小の値を繰り返し取る。つまり、ある時点でトルクが高くなるとロール洗浄部材90から基板Wに加わる押圧力が小さくなるように制御され、その結果、トルクが小さくなる。このようにトルクが小さくなると、ロール洗浄部材90から基板Wに加わる押圧力が大きくなるように制御され、その結果、トルクが大きくなる。この繰り返しによって部材回転部80の制御が行われるので、平均値を取ることで、精度の高いトルクの値を用いて制御できるようになる。なお、トルクは、回転軸が1回転する間に増減を繰り返すため、この増減の周期をあらかじめ設定値として記憶させておいてもよい。そのうえで、回転軸が1回転する間の増減の影響を計算したうえで、上記のトルク監視を行うようにしてもよい。なお、1回転内のトルクの変動量が小さいロール洗浄部材90ほど、ロール洗浄部材90の回転位置(基板W等の被洗浄体と接触するノジュール95の周方向の場所)の相違による洗浄効果のばらつきを少なく抑えることが可能となる。
【0047】
ロール洗浄部材90がn回転(「n」は整数である。)するだけの時間内にトルク検出部516がトルクを複数回検出し、その平均値を用いてロール洗浄部材90から基板Wに加わる押圧力を制御してもよい。
【0048】
制御部350は、少なくとも2つの異なる種類の洗浄液に対して異なる値となるようにトルクを制御してもよい。また、制御部350は、基板Wの種類が異なる場合には、異なる値のトルクとなるようにロール洗浄部材90から基板Wに加わる押圧力を制御してもよい。
【0049】
制御部350は、トルク検出部516からの検出結果に基づきトルクが第2範囲内になるように押付駆動部519を制御してもよい。また、制御部350は、トルク検出部516からの検出結果に基づきトルクが第2範囲内であるかを所定の時間毎に断続的に検出し、トルクが第2範囲外にある場合に、トルクが第2範囲内になるように押付駆動部519を制御してもよい。また、制御部350は、トルク検出部516からの検出結果に基づきトルクが第2範囲内であるかを連続的に検出し、トルクが第2範囲から外れないように適宜調整するようにしてもよい。
【0050】
基板支持部200としてスピンドルを採用した場合に、制御部350は、トルク検出部516からの検出結果に基づきトルクが第一閾値以上とならないように押付駆動部519を制御することで、基板Wの回転が停止されることを予め防止してもよい。第一閾値は、経験的に基板Wが回転しない又は回転が止まってしまうときの値に基づき決定されてもよいし、理論的に基板Wが回転しないときの値に基づき決定されてもよい。例えば、経験的に基板Wが回転しない又は回転が止まってしまうときのトルクの値の10%~30%の以下の値、又は、理論的に基板Wが回転しないときのトルクの値の10%~30%の以下の値を第一閾値としてもよい。
【0051】
第一処理を行う際には、例えば、トルク検出部516及び/又は押付力検出部518からの検出結果のフィードバックを受けることで、制御部350が押付駆動部519を制御してロール洗浄部材90を基板Wに第一圧力で押し当てつつ、かつアウター洗浄液供給部120を制御してアウター洗浄液供給部120から基板Wに洗浄液を供給するように制御してもよい。
【0052】
第二処理を行う際には、例えば、トルク検出部516及び/又は押付力検出部518からの検出結果のフィードバックを受けることで、ロール洗浄部材90を基板Wから離間するように制御部350が押付駆動部519を制御するか、ロール洗浄部材90を基板Wに第二圧力で押し当てるように押付駆動部519を制御するようにしてもよい。また、この際には、制御部350がインナー洗浄液供給部110を制御してロール洗浄部材90内に洗浄液を供給するようにしてもよい。
【0053】
トルク検出部516及び/又は押付力検出部518から制御部350に信号が送信されることで、トルク検出部516及び/又は押付力検出部518からの検出結果が制御部350で受信されることになる。また制御部350が押付駆動部519に信号を送信することで、押付駆動部519が当該信号を受信し、押付駆動部519がロール洗浄部材90を基板Wの法線方向に沿って移動させることになる。
【0054】
次に、ロール洗浄部材90の洗浄方法の一例について説明する。
【0055】
まず、ダミー基板Wdがスピンドル等の基板支持部200によって支持される。
【0056】
次に、基板Wが回転されるとともに、アウター洗浄液供給部120から基板Wに洗浄液が供給される。
【0057】
次に、制御部350が押付駆動部519を制御してロール洗浄部材90を基板Wに第一圧力で押し当てる(第一処理)。この間、アウター洗浄液供給部120から基板Wに洗浄液が供給され続けている。
【0058】
次に、ロール洗浄部材90を基板Wから離間するように制御部350が押付駆動部519を制御するか、ロール洗浄部材90を基板Wに第二圧力で押し当てるように押付駆動部519を制御する。このように制御されている間又は制御された後で、制御部350がインナー洗浄液供給部110を制御してロール洗浄部材90内に洗浄液を供給する(第二処理)。この間、アウター洗浄液供給部120から基板Wに洗浄液が供給され続けている。
【0059】
次に、制御部350からの信号を受けて搬送部300が制御され、搬送部300によって利用されたダミー基板Wdが除去され、別のダミー基板Wdが搬入される。
【0060】
以降は上記の工程が繰り返し行われる。なお、第一処理及び第二処理を一回行うだけでダミー基板Wdが交換されるのではなく、第一処理及び第二処理を複数回のセットで行った後で、ダミー基板Wdが交換されるようにしてもよい。
【0061】
制御部350は、ロール洗浄部材90をダミー基板Wdに接触させるように制御してもよい。ロール洗浄部材90をダミー基板Wdに接触させるために制御部350が保持部100を制御し、ロール洗浄部材90をダミー基板Wdに近づけるように又はダミー基板Wdから離間するように制御してもよい。これに限られることはなく、ダミー基板Wdをロール洗浄部材90に近づけるように又はロール洗浄部材90から離間するように制御部350が基板支持部200を制御してもよい。ロール洗浄部材90の回転速度は例えば50rpm(回転/分)~400rpmである。ダミー基板Wdの回転速度は例えば50rpm~400rpmである。なお、洗浄部材の洗浄装置として基板洗浄装置を用いる場合には、アウター洗浄液供給部120としては
図2に示す薬液供給部210又はリンス液供給部220を用いてもよい。
【0062】
制御部350は、ロール洗浄部材90をダミー基板Wdに第一圧力で押し当てつつアウター洗浄液供給部120からダミー基板Wdに洗浄液を供給する第一処理と、ロール洗浄部材90をダミー基板Wdから離間する又はロール洗浄部材90をダミー基板Wdに第一圧力以下である第二圧力で押し当てつつインナー洗浄液供給部110から洗浄液を供給する第二処理を行うよう、制御してもよい。
【0063】
第二処理では、ロール洗浄部材90をダミー基板Wdから離間させた状態で200から600回転/分(rpm)で回転させつつリンス液等からなるインナー洗浄液を供給するようにしてもよい。特に、400回転/分前後で回転させるようにしてもよい。
【0064】
洗浄液の温度は例えば60度未満である。60度以上の温度にするとロール洗浄部材90等の洗浄部材が変質してしまう可能性があるためである。なお、洗浄液の温度が(60度未満で)高い方が異物を除去する効果が高い点では有益である。また本願では、基板W上に存在するゴミをパーティクルと呼び、ロール洗浄部材90等の洗浄部材に含まれるパーティクルや残渣物を異物と呼ぶ。
【0065】
ロール洗浄部材90をダミー基板Wdから離間させる際(退避位置に移動させる際)には、ダミー基板Wdの法線方向に沿ってロール洗浄部材90を移動させてもよいし、ダミー基板Wdの法線方向に沿ってロール洗浄部材90を若干移動させた後でダミー基板Wdの面内方向に沿ってロール洗浄部材90を移動させるようにしてもよい。
【0066】
第二処理におけるロール洗浄部材90の第二回転速度は、第一処理におけるロール洗浄部材90の第一回転速度よりも速くなってもよい。ロール洗浄部材90の第二回転速度は第一回転速度の1.5倍~6倍の速さとなってもよく、1.5倍~3倍の速さとすることが特によい。
【0067】
例えば新しいロール洗浄部材90をブレークインする際に本実施の形態の洗浄部材の洗浄装置が用いられてもよい。新しいロール洗浄部材90では汚れが付着している可能性が高いことから本実施の形態のような洗浄部材の洗浄装置を用いることは有益である。また、ロール洗浄部材90を一定程度使用した場合にもロール洗浄部材90に汚れが付着することがある。このため、本実施の形態の洗浄部材の洗浄装置は一定程度利用したロール洗浄部材90を洗浄する際にも用いることができる。
【0068】
制御部350は、第一処理及び第二処理による処理とダミー基板Wdの入れ替え処理を複数回のセットとして行うように制御してもよい。制御部350は、第一処理及び第二処理による処理とダミー基板Wdの入れ替え処理を例えば3回~150回だけ繰り返して行ってもよい。一例としては、下記表のセット(第一処理及び第二処理による処理とダミー基板Wdの入れ替え処理)を繰り返して行ってもよい。つまり、第一処理では、ロール洗浄部材90をダミー基板Wdに押し付けつつアウター洗浄液を供給し、第二処理では、ロール洗浄部材90をダミー基板Wdから離間しつつインナー洗浄液及びアウター洗浄液を供給するようにしてもよい(
図5参照)。その後、インナー洗浄液及びアウター洗浄液の供給を停止し、ダミー基板Wdの入れ替えを行って、第一処理を再び開始してもよい。
【表1】
【0069】
なお、このような態様に限られることはなく、上記表1の第一処理及び第二処理を所定の回数(例えば3回~50回)だけ繰り返した後でダミー基板Wdの入れ替えを行ってもよい。またダミー基板Wdの入れ替えを行う際に、アウター洗浄液の供給を停止することなく、アウター洗浄液を供給し続けてもよい。この態様によれば、入れ替えられるダミー基板Wdを最初からより確実に濡らした状態にすることができる。
【0070】
制御部350は、後半のセットにおける第一圧力は、前半のセットにおける第一圧力よりも小さくなるように制御してもよい。例えば、1回目のセットにおける第一圧力は、最後の回のセットにおける第一圧力よりも大きくなってもよい。また、第一処理及び第二処理による処理とダミー基板Wdの入れ替え処理をn回繰り返す場合には、nの半分を超過する回数における第一圧力の平均値は、nの半分以下の回数における第一圧力の平均値よりも小さくなってもよい。より具体的には、nが偶数の場合には、n/2以下の回数における第一圧力の平均値は(n/2+1)以上の回数における第一圧力の平均値よりも大きくなり、nが奇数の場合には、(n-1)/2以下の回数における第一圧力の平均値は(n+1)/2以上の回数における第一圧力の平均値よりも大きくなってもよい。
【0071】
新しいロール洗浄部材90の洗浄処理(ブレークイン処理)の際とロール洗浄部材90を一定程度使用した後での洗浄処理(以下「維持処理」ともいう。)の際とで、レシピ(処理内容)は同じものを用いてもよいが、異なるレシピを用いてもよい。一般的に、ロール洗浄部材90は、ロール自体がスポンジ状構造に製造され、さらにインナーリンスをできるよう内部に空間を設ける加工が施されるので、製造時のロール材料の破片が内部空間に残ってしまう。このため、一般的には新しいロール洗浄部材90の方が既に基板Wの洗浄で使用しているロール洗浄部材90よりも汚れており、維持処理の際には、ブレークイン処理の際と比較してレシピを短いものとしてもよい。第一処理及び第二処理による処理とダミー基板Wdの入れ替えによる処理を複数回のセットで行う場合には、維持処理の際には、ブレークイン処理の際のセット回数の1/2~1/3のセット回数で行ってもよい。
【0072】
基板Wの汚れを検知するための検知装置250が設けられてもよい(
図8参照)。検知装置250の検知結果から基板Wの汚れが所定以上となった場合(例えばパーティクルの数が所定個数以上となった場合)に、ロール洗浄部材90等の洗浄部材の洗浄処理を行うように制御部350が制御してもよい。また所定枚数の基板Wが洗浄されたタイミングで洗浄部材の洗浄処理を行うようにしてもよく、例えば20枚の基板Wが洗浄される度にダミー基板Wdを用いた洗浄部材の洗浄処理が行われるよう制御部350が制御してもよい。
【0073】
ダミー基板Wdを用いて洗浄部材を洗浄した後で、モニターウエハ等の基板を当該洗浄部材を用いて洗浄し、当該基板の汚れを検知装置250で確認するようにしてもよい。また濡れたロール洗浄部材90等の洗浄部材を絞って、得られた液体内のパーティクル等を検知装置250が検知するようにしてもよい。検知装置250としては、ICP―MS(ICP質量分析)、LC(液体クロマトグラフ)、ウエハ異物検査装置であるSP5(ケーエルエー・テンコール社製)等を用いてもよい。
【0074】
インナー洗浄液供給部110とアウター洗浄液供給部120とで同じ洗浄液を供給してもよいが、このような態様に限られることはなく、インナー洗浄液供給部110とアウター洗浄液供給部120とで異なる洗浄液を供給してもよい。例えば、インナー洗浄液供給部110はリンス液を供給し、アウター洗浄液供給部120は薬液を供給してもよい。また、このような態様とは異なり、インナー洗浄液供給部110は薬液を供給し、アウター洗浄液供給部120はリンス液を供給してもよい。また、インナー洗浄液供給部110は第一薬液を供給し、アウター洗浄液供給部120は第一薬液とは異なる第二薬液を供給してもよい。
【0075】
制御部350は、ロール洗浄部材90をダミー基板Wdに第二圧力で押し当てている間にインナー洗浄液供給部110から洗浄液を供給するように制御してもよい。この際の第二圧力は第一圧力より小さい圧力を用いてもよく、1/2以下となってもよいし、さらに1/3以下となってもよい。ダミー基板Wdへの押し付け力は例えば1N~20Nであり、例えば6N程である。そして、このように第一圧力として6Nを採用している場合には、第二圧力を3N程度としてもよい。但し、このような態様に限られることはなく、第二圧力は第一圧力と同じ値としてもよいし、第二圧力は第一圧力よりも大きくなってもよい。
【0076】
制御部350は、ダミー基板Wdを入れ替えるよう搬送部300を制御してもよい(
図8参照)。搬送部300は、ロードポート312、第1搬送ロボット322、搬送ユニット324及び第2搬送ロボット326を含んでもよい(
図1参照)。基板洗浄装置とは別に専用の洗浄部材の洗浄装置を用いる場合には、専用の搬送部300が設けられてもよい。
【0077】
制御部350は、第一圧力が閾値以上の場合にはダミー基板Wdとロール洗浄部材90の回転方向が逆方向となり、第一圧力が閾値未満の場合にはダミー基板Wdとロール洗浄部材90の回転方向は同じ方向になるように制御してもよい。閾値は予め設定されてもよく、利用者がパソコンのキーボード及びマウス等の入力部400(
図8参照)から入力することで閾値が設定されてもよい。本実施の形態において「ダミー基板Wdとロール洗浄部材90の回転方向が逆方向」になるというのは、ダミー基板Wdとロール洗浄部材90とが接触する箇所において、ダミー基板Wdとロール洗浄部材90とが反対の方向で回転していることを意味している(
図11(a)参照)。また、「ダミー基板Wdとロール洗浄部材90の回転方向は同じ方向」になるというのは、ダミー基板Wdとロール洗浄部材90とが接触する箇所において、ダミー基板Wdとロール洗浄部材90とが同じ方向で回転していることを意味している(
図11(b)参照)。なお、回転方向を変える際には、ダミー基板Wdの回転方向を変えてもよいし、ロール洗浄部材90の回転方向を変えてもよい。
【0078】
インナー洗浄液供給部110及びアウター洗浄液供給部120から供給される洗浄液はNH4OH等のアルカリ性の液体であってもよい。
【0079】
アウター洗浄液供給部120は、第一処理及び第二処理の間、洗浄液を供給し続けてもよい。インナー洗浄液供給部110はリンス液を供給し、第一処理の間はリンス液の供給を停止してもよい。このような洗浄液及びリンス液の制御は制御部350によって行われてもよい。
【0080】
インナー洗浄液供給部110は洗浄液を例えば50ml/分~2500ml/分で供給し、典型的には400ml/分~900ml/分で供給する。アウター洗浄液供給部120はスプレー状に洗浄液を供給してもよいし、直線状に洗浄液を供給してもよい。インナー洗浄液供給部110から供給される洗浄液の量を50ml/分未満とした場合には、インナー洗浄液を供給しても洗浄部材全体に設けられた孔から均一な吐出圧で吐出できないおそれがあり、また汚れを吐出圧によって物理的に除去することを期待できない。また、例えば逆流等の懸念を少なくして確実に洗浄部材内にインナー洗浄液を供給するためには、1500ml/分よりも小さくすることが望ましい。
【0081】
また、インナー洗浄液供給部110から供給される薬液の濃度を変化させつつ供給してもよい。また、インナー洗浄液供給部110及びアウター洗浄液供給部120から薬液が供給される場合には、インナー洗浄液供給部110から供給される薬液とアウター洗浄液供給部120から供給される薬液は種類の異なる薬液であってもよいし、同じ薬液であっても異なる濃度の薬液であってもよい。
【0082】
制御部350は、第一処理を行う第一時間が第二処理を行う第二時間よりも長くなるように制御してもよい。
【0083】
制御部350は、量産されるウエハ等の基板Wを洗浄する前にフラッシング処理を行うようアウター洗浄液供給部120を含む関連した装置を制御してもよい。なおフラッシングとは、基板Wが設けられていない基板洗浄装置や専用の洗浄部材の洗浄装置等の装置内でリンス液を噴霧する等して装置内を洗浄する処理である。
【0084】
洗浄部材アセンブリ1の一端部は洗浄部材保持部100によって従動的に保持され、他端部はモータを有する部材回転部80によって駆動されてもよい(
図3参照)。つまり、洗浄部材保持部100は、部材回転部80によって駆動される第二洗浄部材保持部100bと、従動的に駆動される第一洗浄部材保持部100aとを有してもよい。
【0085】
ロール洗浄部材90は片持ち構造であってもよいし、両持ち構造であってもよい。片持ち構造である場合には、洗浄部材をダミー基板Wdから離間して回転させることは構造上の観点から懸念があったが、発明者らが確認したところによると、400rpm以下であれば特段の問題がないことを確認できている。ロール洗浄部材90が片持ち構造である場合には、ロール洗浄部材90が保持されている端部側に部材回転部80が設けられ、かつ当該端部からインナー洗浄液が供給されるようにしてもよい(
図4参照)。なお、両持ち構造である場合には、必要であれば400rpm以上の回転数であってもよい。さらに、片持ち構造であっても、設計仕様によっては400rpm以上の回転数でも使用できる。
【0086】
インナー洗浄液及びアウター洗浄液の洗浄液を供給する際には、対象となる基板にもよるが、網目が1nm程度以上からなるフィルター112、122を用いてもよい(
図3参照)。但し、今後基板のさらなる微細化等に合せた要求で、さらなる目の細かなフィルターを用いる場合も有り得る。このようなフィルター112,122を用いることで、洗浄液に含まれる異物を除去することができる。アウター洗浄液供給部120は、アウター洗浄液貯留部124と、アウター洗浄液貯留部124に連結されたノズル等からなるアウター洗浄液供給部材121とを有してもよい。この場合、アウター洗浄液貯留部124とアウター洗浄液供給部材121との間にフィルター122が設けられてもよい。また、インナー洗浄液供給部110と洗浄部材保持部100との間にフィルター112が設けられてもよい。
【0087】
図3に示すように、洗浄部材取付部10は、本体20と、本体20の内部で延在する洗浄液導入部(空隙)30と、洗浄液導入部30に連通された複数の洗浄液供給孔40と、を有してもよい。洗浄部材取付部10は中空領域を有する円筒形状から構成されてもよい。この中空領域が洗浄液導入部30となり、洗浄液導入部30に洗浄液供給孔40が連通され、洗浄液導入部30に供給された洗浄液がロール洗浄部材90に浸み込み、基板Wを洗浄する際に利用されてもよい。
図3はノジュール95が設けられていない箇所でロール洗浄部材90等を切断した断面である。
【0088】
洗浄液導入部30への洗浄液は、第一洗浄部材保持部100aの内部に設けられた供給管115を介して導入されてもよい。
【0089】
ダミー基板Wdは水平方向に対して傾斜して配置されてもよいし、鉛直方向に延在するようにして配置されてもよい。また、ダミー基板Wdのおもて面と裏面の両面を用いてロール洗浄部材90の洗浄処理を行うようにしてもよい。ダミー基板Wdのおもて面と裏面の両面を用いた処理は同時に行われてもよいし、片面ずつ行われてもよい。
【0090】
洗浄部材アセンブリ1は、洗浄部材取付部10とロール洗浄部材90とが一体に構成されてもよく、洗浄部材取付部10上にロール洗浄部材90が成形されてもよい。また、洗浄部材取付部10とロール洗浄部材90は別部材として構成され、取り外し自在となってもよい。ロール洗浄部材90はPVA(polyvinyl alcohol)スポンジ材料やPVAを反応させたPVFM(polyvinyl formal)等の樹脂材料からなってもよい。このPVAスポンジ材料は、ポリビニルアセテートのホモポリマー等から調整できる。ロール洗浄部材90の材料としては、ナイロン、ポリウレタン、又は、ポリウレタン及びPVAの組合せ、あるいは基板表面にかき傷をつけず、プロセスのための適した材料除去を提供する他のコポリマー等の他の成形可能材料を使用することができる。
【0091】
一実施態様においては、第一端部11を構成するキャップ部材、孔951aを有する内枠951及び外枠952によって型が形成される(
図7参照)。型を形成する内枠951の内部に洗浄部材取付部10を挿入する。なお、洗浄部材取付部10の内部にフィラー(例えば蝋)を充填させたうえで、洗浄液供給孔40のそれぞれの開口部をキャップするキャップ部材を装着することができる。次いで、ロール洗浄部材90を構成するPVA素材を、重合度500~4000でケン化度80%以上のポリビニルアルコールを少なくとも含む水溶液と、アルデヒド系架橋剤、触媒および気孔形成剤としてのでんぷんを混合した混合液(又は発泡性溶液)を、内枠951と洗浄部材取付部10との間に図示しないノズルを用いて流し込む。その後、第二端部12を構成するキャップ部材を洗浄部材取付部10、内枠951及び外枠952に装着し、40~80度で加熱して、液体を反応させる。このようにすれば、内部で延在する空隙を有する長尺状の洗浄部材取付部10と、洗浄部材取付部10の外表面を覆う多孔質の洗浄層(PVA多孔質層)とが洗浄部材取付部10と一体に形成され、かつ、洗浄層と同じ多孔質のPVAからなる複数のノジュールが外向きに突出するように形成される。
【0092】
内枠951及び外枠952の各々は開閉可能となっており、次いで、これら内枠951及び外枠952を開くことで、洗浄部材取付部10を型から取り出す。そして、洗浄部材取付部10の内部に充填されたフィラー(例えば蝋)を所定の方法で除去するとともに洗浄液供給孔40のそれぞれの開口部をキャップしていたキャップ部材を取り外す。
【0093】
次いで、洗浄部材取付部10の内部および洗浄液供給孔40の各開口部、ロール洗浄部材90のそれぞれを水洗する。この一連の工程により、使用時における逆汚染の問題発生をおさえた形で、洗浄部材取付部10上にPVA素材からなるロール洗浄部材90を一体成形により製造(モールド成形)することができる。
【0094】
洗浄部材取付部10上にPVA素材からなるロール洗浄部材90を一体成形により製造する際に、ロール洗浄部材90の洗浄液供給孔40の各開口部に対応する箇所に窪みが生じるように、PVA素材からなるロール洗浄部材90を成形させることができる。このような洗浄部材アセンブリ1とすることで、洗浄部材取付部10から洗浄部90に吐出する洗浄液が内部で逆流することをより効果的に防止しうる。
【0095】
洗浄部材アセンブリ1は、洗浄部材取付部10とロール洗浄部材90とを接着剤で固着させることができる。
【0096】
一実施態様においては、洗浄部材アセンブリ1は、ロール洗浄部材90の内径を洗浄部材取付部10の外径よりも小さくなるように形成し、洗浄部材取付部10にロール洗浄部材90を押し込むことで、ロール洗浄部材90の弾性力により、洗浄部材取付部10とロール洗浄部材90とを固定的に支持させる。さらに、一実施態様においては、洗浄部材取付部10の表面に表面活性剤を塗布しておき、洗浄部材取付部10にロール洗浄部材90を挿入させたうえで、洗浄部材取付部10及びロール洗浄部材90を水でリンス洗浄して表面活性剤を除去することもできる。
【0097】
一実施態様においては、ロール洗浄部材90の平均気孔径を50μm~250μmとすることができる(ここでの平均気孔径は対象領域の複数の気孔からランダムに抽出された所定数の気孔の長径の平均値をいう)。また、一実施態様においては、ロール洗浄部材90のみかけ密度を0.05g/cm3以上、保水率を500%~1200%とすることができる。また、一実施態様においては、ロール洗浄部材90の適正な含水状態における30%圧縮応力を3kPa以上200kPa以下とすることができる。なお、適正な含水状態とは、乾燥状態に対する含水状態の重量%であって、基板Wの洗浄処理等にあたって、ロール洗浄部材90が適切な弾性力を有する含水状態をいう。また、30%圧縮応力は、ロール洗浄部材90を適正な含水状態としたうえで、両側の端面から荷重をかけて長手方向に30%押しつぶした際の荷重をデジタル荷重測定器で測定した値をもとに、測定値を端面の面積で除した、単位面積あたりの荷重をいう。
【0098】
前述したとおり、洗浄部材としてペン洗浄部材90aを用いてもよい。このように洗浄部材としてペン洗浄部材90aを用いる場合には、第二処理の際にはペン洗浄部材90aを回転させるとともに又は回転させる代わりに、洗浄部材アセンブリ1a(ペンシル洗浄部材90aを有する洗浄部材アセンブリを符号「1a」で示す。)に連結された吸引部260(
図12参照)によって、ペン洗浄部材90a内の洗浄液を吸引するようにしてもよい。
【0099】
本実施の形態の一態様を実施例として示す。
【0100】
<実施例1>
実施例1の態様は、樹脂材料からなるロール洗浄部材90をダミー基板Wdに押し付けている間はインナー洗浄液供給部110からリンス液を供給せず、ロール洗浄部材90をダミー基板Wdから離間させる間にインナー洗浄液供給部110からリンス液を供給する態様である(
図5参照)。ロール洗浄部材90の回転数は400rpm(回転/分)となっている。アウター洗浄液供給部120からは薬液を供給し続けている。なお、薬液としてはNH
4OHを用い、リンス液としては純水(DIW)を用いている。実施例1では、第一処理及び第二処理による処理とダミー基板Wdの入れ替え処理を繰り返して行った。
【0101】
<比較例1>
比較例1ではロール洗浄部材90をダミー基板Wdに押し付けた状態でアウター洗浄液供給部120からは薬液を供給し続けている態様である。この際、インナー洗浄液供給部110からリンス液は供給していない。
【0102】
実施例1によると60分後において比較例1と比較して42%程にすることができ、180分経過後において60分後における比較例1の結果と比較して12%程にすることができた(
図10(a)(b)参照)。比較例1によれば一定個数までパーティクルの数を減らすことができるが、それ以上減らすことは難しかった。この結果を写真で示したものが
図9に示すdefect mapである。なお、本件の実施例1で言う(
図10に示す)パーティクルとは、検査装置で観測できるパーティクルの最大径が19nm以上のものである。但し、今後基板のさらなる微細化等の要求に合わせ、検査装置の精度が向上され、さらなる細かなパーティクルを見る場合も有り得る。
【0103】
<実施例2>
実施例2では、アウター洗浄液供給部120から薬液を供給している間はインナー洗浄液供給部110からリンス液を供給せず、アウター洗浄液供給部120からの薬液の供給を停止した後で、インナー洗浄液供給部110からリンス液の供給を900ml/分で行った(
図14参照)。この間、樹脂材料からなるロール洗浄部材90はダミー基板Wdに9Nで押し付けられており、ロール洗浄部材90のダミー基板Wdへの押し付け力は常に同じ値9Nとした(つまり、第一圧力=第二圧力とした。)。
【0104】
<実施例3>
実施例3では、アウター洗浄液供給部120から薬液を供給し続け、一定のタイミングでインナー洗浄液供給部110からリンス液の供給を900ml/分で行った(
図15参照)。この間、実施例2と同様、樹脂材料からなるロール洗浄部材90はダミー基板Wdに9Nで押し付けられており、ロール洗浄部材90のダミー基板Wdへの押し付け力は常に同じ値9Nとした(つまり、第一圧力=第二圧力とした。)。
【0105】
なお、実施例2及び3での実験は、実施例1及び比較例1を行った実験とパーティクルの確認方法(レシピ)が異なることから、実施例1と同様、樹脂材料からなるロール洗浄部材90をダミー基板Wdに押し付けている間はインナー洗浄液供給部110からリンス液を供給せず、ロール洗浄部材90をダミー基板Wdから離間させる間にインナー洗浄液供給部110からリンス液を供給する態様(
図5参照)について、実施例2及び3と同様のレシピで測定した結果を実施例4として示す(
図16参照)。
【0106】
本件の実施例2及び3でも実施例1と同様、検査装置で観測できるパーティクルの最大径が19nm以上のものをパーティクルとして取り扱い、その数をカウントして、60分後にける比較例1の結果と比較した(当該結果を100%とした)ところ、
図16に示す結果となった。なお、実施例2及び3でも、実施例1と同様、第一処理及び第二処理による処理とダミー基板Wdの入れ替え処理を繰り返して行った。ダミー基板Wdの入れ替えを行う際には、ダミー基板Wdからロール洗浄部材90を離間して行った。前述したとおり、第一処理及び第二処理による処理とダミー基板Wdの入れ替え処理については複数回のセットで行ってもよく、例えば2~10回のセットで行ってもよい。このことは実施例1でも同様である。
【0107】
図16に示すとおり、実施例3では60分後における比較例1の結果と比較して3%程にすることができ、実施例2では60分後における比較例1の結果と比較して5%程にすることができた。実施例1に対応する実施例4では60分後における比較例1の結果と比較して8%程になることからすると、実施例2及び3では、当該実施例4と比較しても有益な効果を得ることができた。
【0108】
実施例2及び3の各々において60分という短い時間でパーティクルの数をかなり減らすことができたことは有益である。特に実施例2の態様によれば、実施例3の態様と比較してもさらに優れた結果となっており、当該態様を用いることが有益であることを確認できた。つまり、第二処理の間、ロール洗浄部材90をダミー基板Wdへ押し付けつつ、アウター洗浄液供給部120からダミー基板Wdへの洗浄液の供給を停止する態様が特に有益であるが、第二処理の間、ロール洗浄部材90をダミー基板Wdへ押し付けつつ、アウター洗浄液供給部120からダミー基板Wdへの洗浄液の供給を行う態様も有益であることを確認できた。なお、実施例2乃至4では9Nの力でロール洗浄部材90をダミー基板Wdに押し付けているが、5N以上の力でロール洗浄部材90をダミー基板Wdに押し付けることが有益であり、9N以上の力でロール洗浄部材90をダミー基板Wdに押し付けることがより有益であり、15N以上の力でロール洗浄部材90をダミー基板Wdに押し付けることがよりさらに有益である。
【0109】
《効果》
次に、上述した構成からなる本実施の形態による効果であって、未だ説明していないものを中心に説明する。「構成」で記載されていない場合であっても、「効果」で説明するあらゆる構成を本件発明において採用することができる。なお「効果」においては、洗浄部材の一例である「ロール洗浄部材」という用語ではなく、「洗浄部材」という用語を用いて説明する。
【0110】
制御部350が、洗浄対象である洗浄部材をダミー基板Wdに第一圧力で押し当てつつアウター洗浄液供給部120からダミー基板Wdに洗浄液を供給する第一処理と、洗浄部材をダミー基板Wdから離間する又は洗浄部材をダミー基板Wdに第一圧力以下である第二圧力で押し当てつつインナー洗浄液供給部110から洗浄液を供給する第二処理を行うよう、制御する場合には、洗浄部材の洗浄時間を格段に短くすることができる(
図10(a)(b)参照)。アウター洗浄液供給部120から洗浄液を供給しつつダミー基板Wdに洗浄部材を押し付けることで、洗浄部材の外面における汚れを除去することができる。また、洗浄部材をダミー基板Wdから離間させるか、又は洗浄部材をダミー基板Wdに第一圧力以下である第二圧力で押し当てつつインナー洗浄液供給部110から洗浄液を供給することで、洗浄部材内の異物を効率よく外部に押し出すことができる(
図6参照)。
【0111】
近年、小さなサイズの異物の除去を要求されてきているが、本実施の形態の態様によれば小さなサイズの異物を効率よく除去できる点で有益である。また、洗浄部材の清浄度を高く維持できるため、洗浄部材の長寿命化及び生産の安定化にもつながる。
【0112】
本願の発明者らによれば、第二処理における洗浄部材の第二回転速度を第一処理における洗浄部材の第一回転速度よりも速くすることで、洗浄部材の洗浄効果を高くすることができることを確認できている。
【0113】
インナー洗浄液供給部110とアウター洗浄液供給部120とで異なる洗浄液を供給する場合には、洗浄部材の材質によっては洗浄をより効果的に行うことができる。
【0114】
インナー洗浄液供給部110がリンス液を供給し、アウター洗浄液供給部120が薬液を供給する場合において、第一処理を行う第一時間が第二処理を行う第二時間よりも長くなる態様を採用した場合には、洗浄部材を薬液リッチにすることができ、洗浄効果を高めることができる点で有益である。
【0115】
洗浄部材をダミー基板Wdに第二圧力で押し当てている間にインナー洗浄液供給部110から洗浄液を供給する場合には、ダミー基板Wdに付着した汚れが洗浄部材に戻ってくることを防止することができる。このため、洗浄部材をより効果的に洗浄することができる。
【0116】
制御部350がダミー基板Wdを入れ替えるよう搬送部300を制御する場合には、洗浄部材の洗浄処理におけるダミー基板Wdの入れ替えも自動で行うことができる。
【0117】
制御部350が、第一処理及び第二処理による処理とダミー基板Wdの入れ替え処理を複数回のセットとして行うように制御する場合には、効果的な洗浄部材の洗浄処理を自動で行うことができる。
【0118】
制御部350が後半のセットにおける第一圧力が前半のセットにおける第一圧力よりも小さくなるように制御する場合には、逆汚染が発生することを防止することができる。洗浄処理が終了するとウエハ等の基板Wの洗浄処理を行うことになるが、洗浄処理の過程でダミー基板Wdの汚れが洗浄部材に付着する等の事態が発生する可能性を否定できない。このような汚染は洗浄部材をダミー基板Wdに強く押し付ける場合に発生する可能性があることから、後半のセットにおける第一圧力が前半のセットにおける第一圧力よりも小さくすることは逆汚染のリスクを低減させることができる点で有益である。
【0119】
第一圧力が閾値以上の場合にはダミー基板Wdと洗浄部材の回転方向が逆方向となる態様を採用することで、ダミー基板Wdと洗浄部材との接触箇所により多くの洗浄液を貯めた状態で、洗浄部材の洗浄処理を行うことができる。一般にはダミー基板Wdに対して洗浄部材を強く押し付けた場合の方が洗浄を効果的に行うことができるが、本態様によれば、そのような場合により多くの洗浄液をダミー基板Wdと洗浄部材との接触箇所に貯めることができる。
【0120】
第一圧力が閾値よりも小さい場合にはダミー基板Wdと洗浄部材の回転方向は同じ方向になるように制御する場合には、相対的に洗浄をより効果的に行わない場合に、大量の洗浄液によって洗浄部材が浸らないようにすることができる。このように、大量の洗浄液によって洗浄部材が浸らないようにすることで、ダミー基板Wdから洗浄部材への逆汚染が発生することを防止できる。
【0121】
一例としては、第一圧力が大きくなる前半のセットにおいてはダミー基板Wdと洗浄部材の回転方向が逆方向となるように制御部350が制御し(
図11(b)参照)、第一圧力が小さくなる後半のセットにおいてはダミー基板Wdと洗浄部材の回転方向が同じ方向になるように制御部350が制御してもよい(
図11(a)参照)。
【0122】
洗浄液として薬液を用いることでマイナス電位を発生させることができ、その結果として高いゼータ電位を生成することができる。このため、洗浄部材と異物との間で反発力を生成したり、異物同士で反発力を生成したりすることができ、異物を除去しやすくできる。この観点からすると薬液としてアルカリ性のものを用いることが有益である。NH4OH等のアルカリ性の薬液では酸性の薬液と比較してマイナス電位が大きくなるためである。なお、基板Wの洗浄処理で用いられる洗浄液が酸性の薬液からなる場合であっても、洗浄部材の洗浄処理の際にはアルカリ性の薬液を用いるようにしてもよい。他方、基板Wの洗浄処理で用いる薬液と同じ薬液を用いて洗浄部材の洗浄処理を行うようにしてもよい。この場合には装置構成を変更する必要がなくなる点では有益である。
【0123】
アウター洗浄液供給部120が第一処理及び第二処理の間に洗浄液を供給し続ける態様を採用した場合には、ダミー基板Wdを常時濡らした状態にすることができる。ダミー基板Wdが乾いた状態になると、洗浄部材に異物が付着する可能性が高まることから、アウター洗浄液供給部120によってダミー基板Wdを常時濡らした状態にすることは有益である。この観点からして、ダミー基板Wdを洗浄液で濡らした後でブレークイン処理を含む洗浄部材の洗浄処理を開始することが有益である。
【0124】
新しい洗浄部材を洗浄処理する際(ブレークイン処理の際)には洗浄部材を予め洗浄液で濡らすようにしてもよい。洗浄部材が乾いた状態で洗浄処理を行うと、洗浄部材に逆汚染が発生する可能性があることから、このような態様を採用することは有益である。洗浄部材を洗浄液で濡らすために洗浄部材を洗浄液に浸漬させるよう制御部350が制御してもよいし、インナー洗浄液供給部110から洗浄液が供給され、一定量の洗浄液が供給された後で、洗浄部材の洗浄処理を開始するように制御部350が制御してもよい。なお発明者らによれば、洗浄部材を濡らすための洗浄液としてはリンス液ではなく薬液を用いた場合において洗浄効果が高いことを確認できている。
【0125】
インナー洗浄液供給部110からリンス液が供給され、アウター洗浄液供給部120から薬液が供給される場合には、洗浄部材がダミー基板Wdに接触している間はインナー洗浄液供給部110からのリンス液の供給を停止してもよい。インナー洗浄液供給部110からリンス液が供給され続けていると、アウター洗浄液供給部120から供給される薬液が薄まってしまい、洗浄効果が下がってしまうためである。なお、インナー洗浄液供給部110から薬液が供給される場合には、洗浄部材がダミー基板Wdに接触している間でも、インナー洗浄液供給部110から薬液が供給されるようにしてもよい。
【0126】
洗浄部材を回転させることで洗浄液が装置内で飛び散ってしまい、量産される基板Wの洗浄に悪影響を及ぼす可能性がある。この観点からすると、洗浄部材の洗浄装置として基板洗浄装置を用いる場合に、量産される基板Wの洗浄を開始する前に装置内をフラッシングすることは、飛び散った洗浄液による悪影響を防止でき、有益である。また、装置内に洗浄液が飛び散ってしまうことを防止する観点からすると、洗浄部材の洗浄装置として基板洗浄装置を用いる場合には、基板Wを洗浄する際と比較して、洗浄部材の洗浄処理を行う間、装置内でのダウンフローを大きくしてもよい。
【0127】
なお、一実施態様における、洗浄部材が洗浄する処理対象物は、半導体ウエハに限られず、シリコンウエハ、ガラス基板、プリント配線基板、液晶パネル、太陽光パネルであってもよい。また、処理対象物の平面の形状は円形であっても矩形であってもよく、平面の厚みが面内のたわみを許容する厚みであってもよい。処理する基板は、角形基板、円形基板を含む。また、角形基板は、矩形等の多角形のガラス基板、液晶基板、プリント基板、その他の多角形のめっき対象物を含む。円形基板は、半導体ウエハ、ガラス基板、その他の円形のめっき対象物を含む。
【0128】
洗浄液としては、高温の純水、APM(Ammonium Hydrogen-peroxide Mixture、アンモニアと過酸化水素水との混合液)、SPM(Sulfuric- Acid Hydrogen Peroxide Mixture、硫酸と過酸化水素水との混合液)、炭酸水、超音波水、オゾン水等を適用できる。
【0129】
上述した各実施の形態の記載及び図面の開示は、特許請求の範囲に記載された発明を説明するための一例に過ぎず、上述した各実施の形態の記載又は図面の開示によって特許請求の範囲に記載された発明が限定されることはない。また、出願当初の請求項の記載はあくまでも一例であり、明細書、図面等の記載に基づき、請求項の記載を適宜変更することもできる。
【符号の説明】
【0130】
80 部材回転部
90 洗浄部材
100 保持部
110 インナー洗浄液供給部
120 アウター洗浄液供給部
350 制御部
Wd ダミー基板