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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】メモリーデバイスおよびその動作
(51)【国際特許分類】
   G11C 29/50 20060101AFI20240628BHJP
   G11C 16/08 20060101ALI20240628BHJP
   G11C 16/26 20060101ALI20240628BHJP
   G11C 16/34 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
G11C29/50 100
G11C16/08 120
G11C16/26
G11C16/34 113
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022579005
(86)(22)【出願日】2021-12-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-29
(86)【国際出願番号】 CN2021137667
(87)【国際公開番号】W WO2023108383
(87)【国際公開日】2023-06-22
【審査請求日】2022-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】519237948
【氏名又は名称】長江存儲科技有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】Yangtze Memory Technologies Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.88 Weilai 3rd Road,East Lake High-tech Development Zone,Wuhan,Hubei,China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】シャオジアン・グオ
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-529096(JP,A)
【文献】特開2013-122804(JP,A)
【文献】特表2010-537360(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 29/50
G11C 16/08
G11C 16/26
G11C 16/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリーデバイスであって、前記メモリーデバイスは、
複数のメモリーストリングの中のメモリーセルのアレイであって、前記メモリーセルのアレイは、複数のメモリーセルの行で配置されている、メモリーセルのアレイと;
前記複数のメモリーセルの行にそれぞれ連結されている複数のワードラインと;
周辺回路であって、前記周辺回路は、前記複数のワードラインに連結されており、前記複数のメモリーセルの行のうちの選択されたメモリーセルの行に読み取り動作を実施するように構成されており、前記選択されたメモリーセルの行は、選択されたワードラインに連結されており、前記周辺回路は、
前記複数のワードラインのそれぞれにワードライン電圧を印加するように構成されており;および、
前記ワードライン電圧に応答したワードライン静電容量ローディングの変化に基づいて、前記複数のメモリーセルの行の最も高い閾値電圧を決定するように構成されている、周辺回路と
を含む、メモリーデバイス。
【請求項2】
前記ワードライン静電容量ローディングは、可変静電容量を含み、前記複数のメモリーセルの行の前記最も高い閾値電圧を決定することは、
前記可変静電容量の最大静電容量を決定することと;
前記最大静電容量に基づいて前記最も高い閾値電圧を決定することと
を含む、請求項1に記載のメモリーデバイス。
【請求項3】
前記周辺回路は、制御ロジックを含み、前記制御ロジックは、
前記最も高い閾値電圧に到達した時間を決定すること;
前記最も高い閾値電圧に基づいて、前記読み取り動作における前記複数のワードラインの非選択されたワードラインに印加されるパス電圧を決定すること;または、
前記最も高い閾値電圧に基づいて、前記選択されたワードラインに印加される読み取り基準電圧を決定すること
のうちの少なくとも1つを実施するように構成されている、請求項1に記載のメモリーデバイス。
【請求項4】
前記周辺回路は、ドライバーをさらに含み、前記ドライバーは、前記制御ロジックの動作に基づいて、
前記最も高い閾値電圧に到達した前記時間において、前記複数のメモリーストリングの非選択されたメモリーストリングに連結されている選択ゲート(SG)トランジスターにターンオフ電圧を印加すること;
前記読み取り動作において前記複数のワードラインの前記非選択されたワードラインに前記パス電圧を印加すること;または、
前記選択されたワードラインに前記読み取り基準電圧を印加すること
のうちの少なくとも1つを実施するように構成されている、請求項3に記載のメモリーデバイス。
【請求項5】
前記周辺回路は、前記ワードライン電圧を出力するように構成されている電圧発生器と、前記電圧発生器を制御するように構成されている制御ロジックと、前記複数のメモリーセルの行に前記ワードライン電圧を印加するように構成されているドライバーとをさらに含み、
前記制御ロジックは、前記電圧発生器を制御し、第1の電圧値から第2の電圧値へ、および、前記第2の電圧値から第3の電圧値へ、前記ワードライン電圧を増加させ;
前記ドライバーは、前記複数のワードラインに前記ワードライン電圧を印加する、請求項1に記載のメモリーデバイス。
【請求項6】
前記制御ロジックは、
前記第1の電圧値と前記第2の電圧値との間で前記ワードライン静電容量ローディングに充電される第1の静電容量に関連付けられる第1の値と、前記第2の電圧値と前記第3の電圧値との間で前記ワードライン静電容量ローディングに充電される第2の静電容量に関連付けられる第2の値とを取得するようにさらに構成されており;
前記第1の値と前記第2の値との間の差を決定するようにさらに構成されており;
前記差が最大値に到達することに応答して、前記ワードライン静電容量ローディングの静電容量が前記ワードライン静電容量ローディングの最大静電容量であるということを決定するようにさらに構成されている、請求項5に記載のメモリーデバイス。
【請求項7】
前記制御ロジックは、前記第3の電圧値が前記複数のメモリーセルの行の前記最も高い閾値電圧であるということを決定するようにさらに構成されている、請求項6に記載のメモリーデバイス。
【請求項8】
前記周辺回路は、前記電圧発生器および前記制御ロジックに連結されているセンシングデバイスをさらに含み、前記センシングデバイスは、
前記第1の静電容量に関連付けられる前記第1の値を発生させるように構成されており;
前記第2の静電容量に関連付けられる前記第2の値を発生させるように構成されている、請求項6に記載のメモリーデバイス。
【請求項9】
前記電圧発生器は、フラグ信号の出力を有する比較回路をさらに含み、前記フラグ信号は、前記電圧発生器の入力に連結されており、
前記フラグ信号が1に等しいことに応答して、前記電圧発生器は、前記ワードライン電圧を増加させ続け;
前記フラグ信号が0に等しいことに応答して、前記電圧発生器は、前記ワードライン電圧を増加させることを停止する、請求項8に記載のメモリーデバイス。
【請求項10】
前記フラグ信号は、第1の時間期間および第2の時間期間において、それぞれ1に等しく;
前記フラグ信号は、前記第1の時間期間と前記第2の時間期間との間において、0に等しい、請求項9に記載のメモリーデバイス。
【請求項11】
前記センシングデバイスは、カウンターを含み、前記カウンターは、前記フラグ信号が1であることに応答して、時間期間をカウントし、前記時間期間に対応する値を発生させ、前記第1の時間期間が前記第1の値に対応するようになっており、前記第2の時間期間が前記第2の値に対応するようになっている、請求項10に記載のメモリーデバイス。
【請求項12】
前記センシングデバイスは、前記第1の時間期間の終わりにおいて前記第1の値を出力し、前記第2の時間期間の終わりにおいて前記第2の値を出力する、請求項11に記載のメモリーデバイス。
【請求項13】
前記センシングデバイスは、入力および複数のフリップフロップを含み、前記入力は、前記フラグ信号を含み、前記フリップフロップのそれぞれは、前記センシングデバイスの出力のディジットを発生させる、請求項9に記載のメモリーデバイス。
【請求項14】
前記比較回路は、前記ワードライン電圧に比例する電圧部分の第1の入力と、前記制御ロジックに連結されている基準信号の第2の入力とを含み、前記フラグ信号は、前記電圧部分と前記基準信号との間の差であり、前記制御ロジックは、
コンパレーターの前記第2の入力に第1のステップ電圧を印加するように構成されており、前記第1のステップ電圧は、前記第2の電圧に等しく;
前記センシングデバイスから前記第1の値を取得するように構成されており;
前記フラグ信号が1から0になることに応答して、前記コンパレーターの前記第2の入力に第2のステップ電圧を印加するように構成されており、前記第2のステップ電圧は、前記第3の電圧に等しく、前記第1のステップ電圧よりも大きく;
前記センシングデバイスから前記第2の値を取得するように構成されている、請求項9に記載のメモリーデバイス。
【請求項15】
前記複数のメモリーセルは、複数のトリプルレベルセル(TLC)または複数のクアッドレベルセル(QLC)のうちの少なくとも1つを含み;
前記複数のメモリーセルの行の前記最も高い閾値電圧は、前記TLCにおける最も高い閾値電圧のうちの少なくとも1つ、または、前記QLCにおける最も高い閾値電圧のうちの1つを含む、請求項1に記載のメモリーデバイス。
【請求項16】
システムであって、前記システムは、
データを記憶するように構成されているメモリーデバイスと;
前記メモリーデバイスに連結されており、前記メモリーデバイスを制御するように構成されているメモリーコントローラーと
を含み、
前記メモリーデバイスは、
複数のメモリーストリングの中のメモリーセルのアレイであって、前記メモリーセルのアレイは、複数のメモリーセルの行で配置されている、メモリーセルのアレイと;
前記複数のメモリーセルの行にそれぞれ連結されている複数のワードラインと;
周辺回路であって、前記周辺回路は、前記複数のワードラインに連結されており、前記複数のメモリーセルの行のうちの選択されたメモリーセルの行に読み取り動作を実施するように構成されており、前記選択されたメモリーセルの行は、選択されたワードラインに連結されており、前記周辺回路は、
前記複数のワードラインのそれぞれにワードライン電圧を印加するように構成されており;および、
前記ワードライン電圧に応答したワードライン静電容量ローディングの変化に基づいて、前記複数のメモリーセルの行の最も高い閾値電圧を決定するように構成されている、周辺回路と
を含む、システム。
【請求項17】
メモリーデバイスを動作させるための方法であって、前記メモリーデバイスは、複数のメモリーストリングの中のメモリーセルのアレイであって、前記メモリーセルのアレイは、複数のメモリーセルの行で配置されている、メモリーセルのアレイと;前記複数のメモリーセルの行にそれぞれ連結されている複数のワードラインとを含み、前記方法は、前記複数のメモリーセルの行のうちの選択されたメモリーセルの行に読み取り動作を実施するステップを含み、前記選択されたメモリーセルの行は、選択されたワードラインに連結されており、前記読み取り動作を実施する前記ステップは、
前記複数のワードラインのそれぞれにワードライン電圧を印加するステップと;
前記ワードライン電圧に応答したワードライン静電容量ローディングの変化に基づいて、前記複数のメモリーセルの行の最も高い閾値電圧を決定するステップと
を含む、方法。
【請求項18】
前記ワードライン静電容量ローディングは、可変静電容量を含み、前記複数のメモリーセルの行の前記最も高い閾値電圧を決定するステップは、
前記可変静電容量の最大静電容量を決定するステップと;
前記最大静電容量に基づいて前記最も高い閾値電圧を決定するステップと
を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記最も高い閾値電圧に到達した時間を決定するステップ;
前記最も高い閾値電圧に基づいて、前記読み取り動作における前記複数のワードラインの非選択されたワードラインに印加されるVpass電圧を決定するステップ;または、
前記最も高い閾値電圧に基づいて、前記選択されたワードラインに印加される読み取り基準電圧を決定するステップ
をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記最も高い閾値電圧に到達した前記時間において、前記複数のメモリーストリングの非選択されたメモリーストリングに連結されている選択ゲート(SG)トランジスターにターンオフ電圧を印加するステップ;
前記読み取り動作において前記複数のワードラインの前記非選択されたワードラインにパス電圧を印加するステップ;または、
前記選択されたワードラインに前記読み取り基準電圧を印加するステップ
のうちの少なくとも1つを実施するステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、メモリーデバイスおよびその動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フラッシュメモリーは、電気的に消去および再プログラムされ得る低コストで高密度で不揮発性のソリッドステートストレージ媒体である。フラッシュメモリーは、NORフラッシュメモリーおよびNANDフラッシュメモリーを含む。さまざまな動作(たとえば、読み取り、プログラム(書き込み)、および消去など)が、フラッシュメモリーによって実施され、それぞれのメモリーセルの閾値電圧を所望のレベルに変化させることが可能である。NANDフラッシュメモリーに関して、消去動作が、ブロックレベルにおいて実施され得、プログラム動作または読み取り動作が、ページレベルにおいて実施され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
1つの態様では、メモリーデバイスは、複数のメモリーストリングの中のメモリーセルのアレイを含み、メモリーセルのアレイは、複数のメモリーセルの行で配置されている。また、メモリーデバイスは、複数のメモリーセルの行にそれぞれ連結されている複数のワードラインと、周辺回路であって、周辺回路は、複数のワードラインに連結されており、複数のメモリーセルの行のうちの選択されたメモリーセルの行に読み取り動作を実施するように構成されている、周辺回路とを含む。選択されたメモリーセルの行は、選択されたワードラインに連結されており、周辺回路は、複数のワードラインのそれぞれにワードライン電圧を印加するように構成されており、および、ワードライン電圧に応答したワードライン静電容量ローディング(word line capacitance loading)の変化に基づいて、複数のメモリーセルの行の最も高い閾値電圧を決定するように構成されている。
【0004】
別の態様において、システムは、データを記憶するように構成されているメモリーデバイスを含む。メモリーデバイスは、複数のメモリーストリングの中のメモリーセルのアレイであって、メモリーセルのアレイは、複数のメモリーセルの行で配置されている、メモリーセルのアレイと、複数のメモリーセルの行にそれぞれ連結されている複数のワードラインと、周辺回路であって、周辺回路は、複数のワードラインに連結されており、複数のメモリーセルの行のうちの選択されたメモリーセルの行に読み取り動作を実施するように構成されている、周辺回路とを含む。選択されたメモリーセルの行は、選択されたワードラインに連結されている。周辺回路は、複数のワードラインのそれぞれにワードライン電圧を印加するように構成されており、および、ワードライン電圧に応答したワードライン静電容量ローディングの変化に基づいて、複数のメモリーセルの行の最も高い閾値電圧を決定するように構成されている。また、システムは、メモリーコントローラーを含み、メモリーコントローラーは、メモリーデバイスに連結されており、メモリーデバイスを制御するように構成されている。
【0005】
さらに別の態様において、メモリーデバイスを動作させるための方法は、複数のメモリーストリングの中のメモリーセルのアレイであって、メモリーセルのアレイは、複数のメモリーセルの行で配置されている、メモリーセルのアレイと;複数のメモリーセルの行にそれぞれ連結されている複数のワードラインとを含む。方法は、複数のメモリーセルの行のうちの選択されたメモリーセルの行に読み取り動作を実施するステップを含む。選択されたメモリーセルの行は、選択されたワードラインに連結されている。読み取り動作を実施するステップは、複数のワードラインのそれぞれにワードライン電圧を印加するステップと、ワードライン電圧に応答したワードライン静電容量ローディングの変化に基づいて、複数のメモリーセルの行の最も高い閾値電圧を決定するステップとを含む。
【0006】
添付の図面は、本明細書に組み込まれており、明細書の一部を形成しており、添付の図面は、本開示の態様を示しており、さらに、説明とともに本開示の原理を説明する役割を果たし、また、当業者が本開示を作製および使用することを可能にする役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】メモリーデバイスの中のメモリーセルの閾値電圧分布を示す図である。
図2】本開示のいくつかの態様による、メモリーデバイスにおける読み取り動作において用いられる複数の電圧のタイミング図である。
図3】本開示のいくつかの態様による、メモリーデバイスを有する例示的なシステムのブロック図である。
図4A】本開示のいくつかの態様による、メモリーデバイスを有する例示的なメモリーカードの図である。
図4B】本開示のいくつかの態様による、メモリーデバイスを有する例示的なソリッドステートドライブ(SSD)の図である。
図5】本開示のいくつかの態様による、周辺回路を含む例示的なメモリーデバイスの概略的な図である。
図6】本開示のいくつかの態様による、NANDメモリーストリングを含む例示的なメモリーセルアレイの断面の側面図である。
図7A】本開示のいくつかの態様による、メモリーセルアレイおよび周辺回路を含む例示的なメモリーデバイスのブロック図である。
図7B】本開示のいくつかの態様による、メモリーセルアレイおよび周辺回路を含む例示的なメモリーデバイスにおける制御ロジックの詳細ブロック図である。
図8A】本開示のいくつかの態様による、例示的な電圧発生器を示す図である。
図8B】本開示のいくつかの態様による、例示的な基準信号およびワードライン電圧を示す図である。
図8C】本開示のいくつかの態様による、例示的なセンシングデバイスを示す図である。
図9A】本開示のいくつかの態様による、電圧発生器に連結されている例示的なワードライン静電容量ローディングを示す図である。
図9B】本開示のいくつかの態様による、ワードライン静電容量ローディングの静電容量をワードライン電圧の関数として示す図である。
図10A】本開示のいくつかの態様による、メモリーデバイスを動作させるための方法のフローチャートを示す図である。
図10B】本開示のいくつかの態様による、メモリーデバイスによって実施される詳細な動作のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、添付の図面を参照して説明されることとなる。
【0009】
特定の構成および配置が議論されているが、これは、単に例示目的のためだけに行われているということが理解されるべきである。そうであるので、本開示の範囲から逸脱することなく、他の構成および配置が使用され得る。また、本開示は、さまざまな他の用途においても用いられ得る。本開示に説明されているような機能的なおよび構造的な特徴は、互いに、および、図面には具体的に描かれていない方式で、組み合わせられ、調節され、および修正され得、これらの組み合わせ、調節、および修正が、本開示の範囲の中にあるようになっている。
【0010】
一般的に、専門用語は、文脈における使用法から少なくとも部分的に理解され得る。たとえば、本明細書で使用されているような「1つまたは複数の」という用語は、少なくとも部分的に文脈に応じて、単数形の意味で、任意の特徴、構造体、または特質を説明するために使用され得るか、または、複数形の意味で、特徴、構造体、または特質の組み合わせを説明するために使用され得る。同様に、「a」、「an」、または「the」などのような用語は、繰り返しになるが、少なくとも部分的に文脈に応じて、単数形の使用法を伝えるということ、または、複数形の使用法を伝えるということを理解され得る。加えて、「基づく」という用語は、必ずしも、排他的な要因のセットを伝えることを意図しているとは限らないということが理解され得、その代わりに、繰り返しになるが、少なくとも部分的に文脈に応じて、必ずしも明示的に記載されていない追加的な要因の存在を可能にする可能性がある。
【0011】
いくつかのメモリーデバイス(たとえば、3D NANDフラッシュメモリーデバイスなど)において、メモリーセルは、ワードラインと半導体チャネルとの間の交差によって形成される。1つのメモリーセルは、複数の状態(たとえば、閾値電圧)を有するようにプログラムされ得、したがって、メモリーセルごとに複数のビットのデータを記憶することが可能である。トリプルレベルセル(TLC)フラッシュメモリーデバイスでは、メモリーセルは、3ビットのデータを記憶するために8つの閾値電圧(たとえば、L0、L1、...、L7)を含むようにプログラムされ得、クアッドレベルセル(QLC)フラッシュメモリーデバイスでは、メモリーセルは、4ビットのデータを記憶するために16個の閾値電圧(たとえば、L0、L1、...、L15)を含むようにプログラムされ得る。3D NANDフラッシュメモリーデバイスの読み取り動作では、すべてのワードラインは、半導体チャネルを完全にターンオンするために、高いワードライン電圧までランプアップされる必要がある。読み取り動作にとって重要な電圧は、メモリーセルをプログラミングするための最も高い閾値電圧である。たとえば、TLCフラッシュメモリーデバイスおよびQLCフラッシュメモリーデバイスに関して、最も高い閾値電圧は、それぞれ、L7閾値電圧およびL15閾値電圧であることが可能である。ワードライン電圧が最も高い閾値電圧に到達するとき、ワードライン電圧が最も高い閾値電圧に到達する時間、および/または、最も高い閾値電圧の値に基づいて、いくつかの動作が実施され得る。最も高い閾値電圧は、ランプアッププロセスの間の重要な移行ポイントであることが可能であり、したがって、3D NANDメモリーデバイスの上で実施される読み取り動作にとって非常に望ましいものである。
【0012】
この移行ポイントは、他のアレイ動作をトリガーするために使用され得る。たとえば、ワードライン電圧が最も高い閾値電圧に到達する時間を取得することが重要である。ワードライン電圧が増加するときに、半導体チャネルのソース選択ゲート(たとえば、底部選択ゲートまたはBSG)およびドレイン選択ゲート(上部選択ゲートまたはTSG)などのような選択ゲートもターンオンされ、すべての半導体チャネルが「リセット」(たとえば、ホットキャリア注入(HCI)を回避するために半導体チャネルの中の望ましくないキャリアを除去するためのクリーンアッププロセス)を経験することを可能にする。ワードライン電圧が最も高い閾値電圧に到達した後に、次いで、非選択された選択ゲートがターンオフされ得る。電力消費が低減され得、半導体チャネルは、読み取り動作のデータアクセスのために調整される。読み取り動作の間に、非選択されたワードラインは、最も高い閾値電圧に基づいて決定される高い電圧(たとえば、パス電圧(Vpass))を印加される。Vpassは、オーバードライブ電圧を最も高い閾値電圧に加えることによって決定される(たとえば、最適化される)ことが多い。最適化されたVpassは、読み取り動作の間の読み取り外乱を低減させることが可能である。さらに、メモリーセルは、時間とともに電荷を失う可能性がある。その現象は、リテンション電荷損失(retention charge loss)とも称される。閾値電圧分布(特に、より高い閾値電圧分布)は、時間の経過とともに、(たとえば、より低い電圧分布に)シフトダウンされ得る。リテンション情報は、メモリーセルの最も高い閾値電圧に基づいて取得され得る。たとえば、最も高い閾値電圧のシフトは、データを読み取るために使用される読み取り基準電圧を調節するために用いられ得る。これは、読み取り動作における読み取りエラーを低減させることを助けることとなる。
【0013】
メモリーセルの最も高い閾値電圧は、メモリーデバイスが製造された後に測定されることが多く、他の電圧およびタイミングが、測定の結果に基づいて設計される。しかし、測定された最も高い閾値電圧の値は、少なくとも以下の理由に起因して、正確性に欠ける。たとえば、ワードラインを駆動するために使用されるドライバーは、ワードライン電圧の電圧降下を引き起こす可能性がある。電圧降下は、設計および要因(たとえば、処理、電圧、および温度など)に基づいて変化する可能性がある。したがって、非選択されたワードラインに印加されるVpassは、読み取り動作の間に外乱を低減させるには十分に正確ではない可能性がある。また、メモリーセルの中のデータを読み取るために、読み取り基準電圧が隣接する閾値電圧の間に印加されるときに、閾値電圧分布におけるシフトは、読み取り基準電圧がその製造業者の値から変更/調節されることを必要とする可能性があり、読み取り基準電圧が、正確な読み取り動作のために、隣接する閾値電圧に対して十分なマージンを有するようになっている。すなわち、製造業者において設定された読み取り基準電圧は、使用されるときに、時間の経過とともに調節されない場合には、読み取りエラーを引き起こしやすい可能性がある。
【0014】
図1は、2つの異なる時間におけるメモリーデバイス(たとえば、3D NANDフラッシュメモリーデバイス)の閾値電圧分布を示している。x軸は、閾値電圧の値を表しており、y軸は、セル分布を表している。例として、分布102は、時間t1におけるTLCメモリーセルまたはQLCメモリーセルの閾値電圧分布を表しており、分布104は、時間t2におけるTLCメモリーセルまたはQLCメモリーセルの閾値電圧分布を表している。時間t1は、より早い時間を表している。Vt1は、消去動作のための最も低い閾値電圧を表している(たとえば、TLCおよびQLCメモリーセルに関するL0)。Vtnは、最も高い閾値電圧を表している(たとえば、TLCメモリーセルに関するL7、および、QLCメモリーセルに関するL15)。時間t2は、t1の後の時間であることが可能であり、時間t2と時間t1との間の間隔は、0よりも大きい(たとえば、数時間、1週間、1ヶ月、数ヶ月など)。読み取り基準電圧VR1およびVR2(隣接する閾値電圧分布の間にそれぞれ位置付けされている)は、読み取り動作のために時間t1において選択されたワードラインの上に印加される。図1に示されているように、時間t1におけるものと比較して、閾値電圧分布104は、時間t2において、より低い電圧分布にシフトし、より幅広くなる。結果として、読み取り基準電圧Vt1およびVt2は、隣接する閾値電圧に対して十分なマージンを有していない可能性があり、読み取り基準電圧Vt1およびVt2を使用する読み取り動作は、読み取りエラーを受けやすくなる可能性がある。
【0015】
図2は、本開示による、メモリーデバイスの読み取り動作において用いられる複数の電圧のタイミング図を示している。メモリーデバイスは、3D NANDフラッシュメモリーデバイスを含むことが可能である。具体的には、時間T1から時間T2は、読み取り動作の初期化期間またはリセット期間として見なされ得る。この期間において、チャネル構造体は、リセットプロセスまたは初期化プロセスを経験し、特定の電圧が、ランプアップし始め、それぞれの初期化値へ至る。時間T2から時間T3は、トリマブルディレイ(trimmable delay)期間として見なされ得る。時間T2において、初期化/リセットプロセスが完了され、電圧が変化し始め、データがメモリーセルから読み出される値に接近する。時間T3において、電圧は、データを読み出すための値に到達する。時間T3から、データは、チャネル構造体によって形成されたメモリーセルから読み出される。図2に示されているように、ビットライン(「BLs」)およびソースライン(「ACS」)に印加される電圧は、読み取り動作の間に低くなっており、ビットラインおよびソースラインをターンオフする。メモリーブロックの中の選択ゲート(たとえば、選択されたドレイン選択ゲート(「DSG(sel)」)、選択された底部選択ゲートに対応する非選択されたドレイン選択ゲート(「選択されたSSGにおけるDSG(unsel)」)、非選択されたソース選択ゲートに対応する非選択されたドレイン選択ゲート(「非選択されたSSGにおけるDSG(unsel)」)、選択されたソース選択ゲート(「SSG(sel)」)、および、非選択されたソース選択ゲート(「SSG(unsel)」))にかかる電圧が、低い値から高い値(たとえば、ターンオン電圧値)へ増加し始める。時間T1とT2との間に、上記の選択ゲートに印加される電圧は、それぞれの高い値に到達し、チャネル構造体の初期化/リセットのために所定の時間の期間にわたって高い値を維持する。
【0016】
また、ワードライン電圧(すなわち、ワードライン、選択されたワードライン(「WL(sel)」)、および、非選択されたワードライン(「WL(unsel)」)に印加される電圧)は、時間T1において、より低い値から増加し始め、時間T2において、より高い値V1に到達する。V1の値は、メモリーセルの最も高い閾値電圧に等しいかまたはそれよりも高くなっていることが可能である。時間T2において、選択されたSSGにおけるDSG(unsel)、非選択されたSSGにおけるDSG(unsel)、およびSSG(unsel)にかかる電圧は、時間T3までに低い値(たとえば、ターンオフ電圧値)に減少し始め、一方では、DSG(sel)およびSSG(sel)にかかる電圧は、読み取り動作の残りにわたって高いままである(たとえば、ターンオン電圧値)。時間T2において、チャネル構造体は、オンになっており、ACSおよびBLsからリセット/初期化される。時間T2から、WL(sel)にかかる電圧は、低い値(たとえば、ターンオフ電圧値)に減少し始め、一方では、WL(unsel)にかかる電圧は、時間T3までにより高い値V2に増加し続ける。V2は、Vpass電圧とも称される。WL(unsel)に印加されるV2の電圧は、読み取り動作の残りにわたって維持する。
【0017】
いくつかのメモリーデバイスにおいて、V1の値は、メモリーデバイスが製造された後に測定される。V1は、メモリーセルの最も高い閾値電圧に等しいかまたはそれに十分に近く、V1は、時間T2(たとえば、時間T2において、特定の選択ゲートがターンオフされる)を決定するために使用される。たとえば、ワードライン電圧がV1に到達するときに、特定の選択ゲートがターンオフされる。一方、V1の値は、値V2を決定するためにも使用される。たとえば、V2は、V1に対してオーバードライブ値ΔVを加算することによって決定されることが多い。V1は、製造された後に測定される値であり、メモリーセルにおける時間の経過に伴う閾値電圧分布のシフトを表してはいないので、V1に基づいて決定される特定のパラメーター(たとえば、特定の選択ゲートをターンオフための時間、V2の値、および読み取り基準電圧など)は、正確でない可能性がある。より正確な最も高い閾値電圧を決定するための動作が望まれる。
【0018】
上述の問題のうちの1つまたは複数に対処するために、本開示は、所望の時間におけるメモリーセルの最も高い閾値電圧を取得するためのメモリーデバイスおよび方法を提供する。方法は、自動的な検出スキームを含むことが可能であり、自動的な検出スキームでは、最も高い閾値電圧が、リアルタイムで取得され得、または、所望の時間において取得され、次の読み取り動作のために記憶され得る。ワードライン電圧が最も高い閾値電圧に到達する時間、および、最も高い閾値電圧の値は、より正確であることが可能である。したがって、最も高い閾値電圧の値、および、ワードライン電圧が最も高い閾値電圧に到達する時間は、他のパラメーター(たとえば、特定の選択ゲートをターンオフするための時間、Vpassの値、および、読み取り基準電圧の値など)を決定するために用いられ得、それは、同様により正確であることが可能である。メモリーデバイスにおいて実施される読み取り動作は、外乱およびエラーを受けにくい。
【0019】
本開示によれば、ワードライン静電容量ローディング(ワードラインおよびチャネル構造体によって形成される)は、ワードライン電圧が増加するときに、可変静電容量と同等であることが可能である。ワードライン電圧が最も高い閾値電圧に到達するときに、静電容量は、その最大値(すなわち、最大静電容量)に到達する。ワードライン静電容量ローディングの静電容量は、最大静電容量に到達した後に、さらに変化しない状態に留まるかまたは減少することが可能である。ワードライン静電容量ローディングの静電容量の変化を検出することによって、ワードライン電圧が最も高い閾値電圧に到達する時間、および、最も高い閾値電圧の値が、リアルタイム様式で取得され得る。
【0020】
ワードライン静電容量ローディングの静電容量の変化を自動的に検出するために、ワードライン電圧を出力する電圧発生器のポンピング時間が取得される。電圧発生器は、比較回路を含み、比較回路は、最も高い閾値電圧(たとえば、ワードライン静電容量ローディングの最大静電容量)に到達するまで、電圧発生器がワードライン電圧を段階的に増加させ続けることを可能にする。センシングデバイスが、それぞれのステップにおけるワードライン静電容量ローディングの静電容量変化を検出するために用いられる。メモリーデバイスの制御ロジックは、ワードライン電圧の2つの隣接する値における静電容量変化を比較するために用いられる。最大静電容量変化が検出されたときに、最大静電容量が検出される。したがって、最大静電容量に対応するワードライン電圧は、最も高い閾値電圧であると決定される。次いで、制御ロジックは、ワードライン電圧が最も高い閾値電圧に到達する時間、および、最も高い閾値電圧の値に基づいて、他の動作を制限するために用いられる。
【0021】
いくつかの実装形態において、センシングデバイスは、カウンターを含む。カウンターは、電圧発生器に連結されており、それぞれのステップにおける電圧発生器のポンピング時間を示すフラグ信号の入力を有している。カウンターの出力は、それぞれのステップにおける電圧発生器のポンピング時間をそれぞれ示す複数の値を含む。それぞれのステップにおけるポンピング時間は、それぞれのステップの間にワードライン静電容量ローディングに充電される静電容量に関連付けられるので、カウンターの出力は、ステップのそれぞれにおけるワードライン静電容量ローディングの静電容量変化を表す。いくつかの実装形態において、カウンターは、複数のフリップフロップに連結されているANDゲートを含む。他の実装形態において、メモリーデバイスは、センシングデバイスを含み、センシングデバイスは、電圧発生器からワードライン静電容量ローディングへ流れる電流を検出するように構成されている。制御ロジックは、電流に基づいて最も高い閾値電圧を決定することが可能である。
【0022】
図3は、本開示のいくつかの態様による、メモリーデバイスを有する例示的なシステム300のブロック図である。システム300は、携帯電話、デスクトップコンピューター、ラップトップコンピューター、タブレット、車両コンピューター、ゲーミングコンソール、プリンター、位置決めデバイス、ウェアラブル電子デバイス、スマートセンサー、仮想現実(VR)デバイス、拡張現実(AR)デバイス、または、ストレージをその中に有する任意の他の適切な電子デバイスであることが可能である。図3に示されているように、システム300は、ホスト308およびメモリーシステム302を含むことが可能であり、メモリーシステム302は、1つまたは複数のメモリーデバイス304およびメモリーコントローラー306を有している。ホスト308は、電子デバイスのプロセッサー(たとえば、中央処理装置(CPU)など)、または、システム-オン-チップ(SoC)(たとえば、アプリケーションプロセッサー(AP)など)を含むことが可能である。ホスト308は、メモリーデバイス304にデータを送信するように、または、メモリーデバイス304からデータを受信するように構成され得る。
【0023】
メモリーデバイス304は、本開示に開示されている任意のメモリーデバイスであることが可能である。下記に詳細に開示されているように、メモリーデバイス304(たとえば、NANDフラッシュメモリーデバイスなど、たとえば、3次元(3D)NANDフラッシュメモリーデバイス)は、所望の時間におけるメモリーセルの最も高い閾値電圧を自動的に取得し、閾値電圧のタイミングおよび値に基づいて、他の動作を決定することが可能である。いくつかの実装形態において、メモリーデバイス304は、それぞれの読み取り動作の一部として、メモリーセルの最も高い閾値電圧を取得する。いくつかの実装形態において、メモリーデバイス304は、メモリーセルの最も高い閾値電圧を取得し、後続の読み取り動作のためにそれを記憶する。
【0024】
メモリーコントローラー306は、メモリーデバイス304およびホスト308に連結されており、いくつかの実装形態によれば、メモリーデバイス304を制御するように構成されている。メモリーコントローラー306は、メモリーデバイス304の中に記憶されているデータを管理し、ホスト308と通信することが可能である。いくつかの実装形態において、メモリーコントローラー306は、セキュアデジタル(SD)カード、コンパクトフラッシュ(CF)(登録商標)カード、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブ、または、電子デバイス(たとえば、パーソナルコンピューター、デジタルカメラ、携帯電話など)の中で使用するための他の媒体などのように、低デューティーサイクル環境において動作するように設計されている。いくつかの実装形態において、メモリーコントローラー306は、モバイルデバイス(たとえば、スマートフォン、タブレット、ラップトップコンピューターなど)のためのデータストレージおよびエンタープライズストレージアレイとして使用される高デューティーサイクル環境SSDまたは組み込み用マルチメディアカード(eMMC)において動作するように設計されている。メモリーコントローラー306は、メモリーデバイス304の動作(たとえば、読み取り動作、消去動作、およびプログラム動作など)を制御するように構成され得る。また、メモリーコントローラー306は、メモリーデバイス304の中に記憶されているかまたは記憶されることとなるデータに関するさまざまな機能を管理するように構成され得る(それに限定されないが、バッドブロック管理、ガベージコレクション、論理アドレス-ツー-物理アドレス変換、ウェアレベリングなどを含む)。いくつかの実装形態において、メモリーコントローラー306は、メモリーデバイス304から読み取られるかまたはメモリーデバイス304に書き込まれるデータに関して誤り訂正符号(ECC)を処理するようにさらに構成されている。任意の他の適切な機能は、メモリーコントローラー306によって同様に実施され得、たとえば、メモリーデバイス304をフォーマットする。メモリーコントローラー306は、特定の通信プロトコルにしたがって、外部デバイス(たとえば、ホスト308)と通信することが可能である。たとえば、メモリーコントローラー306は、さまざまなインターフェースプロトコル(たとえば、USBプロトコル、MMCプロトコル、周辺コンポーネント相互接続(PCI)プロトコル、PCI-express(PCI-E)プロトコル、アドバンスドテクノロジーアタッチメント(ATA)プロトコル、シリアルATAプロトコル、パラレルATAプロトコル、スモールコンピューターシステムインターフェース(SCSI)プロトコル、エンハンストスモールディスクインターフェース(ESDI)プロトコル、インテグレーテッドドライブエレクトロニクス(IDE)プロトコル、Firewireプロトコルなど)のうちの少なくとも1つを通して、外部デバイスと通信することが可能である。
【0025】
メモリーコントローラー306および1つまたは複数のメモリーデバイス304は、さまざまなタイプのストレージデバイスの中へ一体化され得、たとえば、同じパッケージ(たとえば、ユニバーサルフラッシュストレージ(UFS)パッケージまたはeMMCパッケージなど)の中に含まれ得る。すなわち、メモリーシステム302は、異なるタイプの最終エレクトロニクス製品の中へ実装およびパッケージングされ得る。図4Aに示されているような1つの例において、メモリーコントローラー306および単一のメモリーデバイス304が、メモリーカード402の中へ一体化され得る。メモリーカード402は、PCカード(PCMCIA、パーソナルコンピューターメモリーカード国際協会)、CFカード、スマートメディア(SM)カード、メモリースティック、マルチメディアカード(MMC、RS-MMC、MMCmicro)、SDカード(SD、miniSD、microSD、SDHC)、UFSなどを含むことが可能である。メモリーカード402は、メモリーカード402をホスト(たとえば、図3のホスト308)と連結するメモリーカードコネクター404をさらに含むことが可能である。図4Bに示されているような別の例では、メモリーコントローラー306および複数のメモリーデバイス304は、SSD406の中へ一体化され得る。SSD406は、SSD406をホスト(たとえば、図3のホスト308)と連結するSSDコネクター408をさらに含むことが可能である。いくつかの実装形態において、SSD406のストレージ容量および/または動作速度は、メモリーカード402のものよりも大きい。
【0026】
図5は、本開示のいくつかの態様による、周辺回路を含む例示的なメモリーデバイス500の概略的な回路図を示している。メモリーデバイス500は、図3におけるメモリーデバイス304の例であることが可能である。メモリーデバイス500は、メモリーセルアレイ501と、メモリーセルアレイ501に連結されている周辺回路502とを含むことが可能である。メモリーセルアレイ501は、NANDフラッシュメモリーセルアレイであることが可能であり、NANDフラッシュメモリーセルアレイでは、メモリーセル506が、基板(図示せず)の上方に垂直方向にそれぞれ延在するNANDメモリーストリング508のアレイの形態で提供される。いくつかの実装形態において、それぞれのNANDメモリーストリング508は、複数のメモリーセル506を含み、複数のメモリーセル506は、直列に連結されており、垂直方向にスタックされている。それぞれのメモリーセル506は、メモリーセル506の領域の中に捕捉される電子の数に依存する連続的なアナログ値(たとえば、電圧または電荷など)を保持することが可能である。それぞれのメモリーセル506は、フローティングゲートトランジスターを含むフローティングゲートタイプのメモリーセル、または、チャージトラップトランジスターを含むチャージトラップタイプのメモリーセルのいずれかであることが可能である。
【0027】
いくつかの実装形態において、それぞれのメモリーセル506は、単一レベルセル(SLC)であり、単一レベルセル(SLC)は、2つの可能なメモリー状態を有しており、したがって、1ビットのデータを記憶することが可能である。たとえば、第1のメモリー状態「0」は、電圧の第1の範囲に対応することが可能であり、第2のメモリー状態「1」は、電圧の第2の範囲に対応することが可能である。いくつかの実装形態において、それぞれのメモリーセル506は、マルチレベルセル(MLC)であり、マルチレベルセル(MLC)は、5つ以上のメモリー状態において、単一のビットよりも多くのデータを記憶することができる。たとえば、MLCは、1つのセル当たり2ビットを記憶することが可能であるか、1つのセル当たり3ビットを記憶することが可能であるか(トリプルレベルセル(TLC)としても知られている)、または、1セル当たり4ビットを記憶することが可能である(クアッドレベルセル(QLC)としても知られている)。それぞれのMLCは、可能な公称ストレージ値の範囲を想定するようにプログラムされ得る。1つの例において、それぞれのMLCが2ビットのデータを記憶する場合には、MLCは、3つの可能な公称ストレージ値のうちの1つをセルに書き込むことによって、消去された状態から3つの可能なプログラミングレベルのうちの1つを想定するようにプログラムされ得る。第4の公称ストレージ値が、消去された状態のために使用され得る。
【0028】
図5に示されているように、それぞれのNANDメモリーストリング508は、そのソース端部においてソース選択ゲート(SSG)510を含むことが可能であり、そのドレイン端部においてドレイン選択ゲート(DSG)512を含むことが可能である。SSG510およびDSG512は、読み取り動作およびプログラム動作の間に、選択されたNANDメモリーストリング508(アレイの列)を活性化させるように構成され得る。いくつかの実装形態において、SSG510は、BSGとも称され、DSG512は、TSGとも称される。いくつかの実装形態において、同じブロック504の中のNANDメモリーストリング508のソースは、同じソースライン(SL)514(たとえば、共通のSL)を通して連結されている。換言すれば、いくつかの実装形態によれば、同じブロック504の中のすべてのNANDメモリーストリング508は、アレイ共通ソース(ASC)を有している。それぞれのNANDメモリーストリング508のDSG512は、それぞれのビットライン516に連結されており、いくつかの実装形態によれば、データは、出力バス(図示せず)を介して、ビットライン516から読み取られるかまたは書き込まれ得る。いくつかの実装形態において、1つもしくは複数のDSGライン513を通してセレクト電圧(たとえば、DSG512を有するトランジスターの閾値電圧を上回る)もしくはデセレクト電圧(deselect voltage)(たとえば、0V)をそれぞれのDSG512に印加することによって、および/または、1つもしくは複数のSSGライン515を通してセレクト電圧(たとえば、SSG510を有するトランジスターの閾値電圧を上回る)もしくはデセレクト電圧(たとえば、0V)をそれぞれのSSG510に印加することによって、それぞれのNANDメモリーストリング508は、選択されるかまたは選択解除されるように構成されている。
【0029】
図5に示されているように、NANDメモリーストリング508は、複数のブロック504へと編成され得、ブロック504のそれぞれは、共通のソースライン514(たとえば、ACSに連結されている)を有することが可能である。いくつかの実装形態において、それぞれのブロック504は、消去動作のための基本データユニットであり、すなわち、同じブロック504の上のすべてのメモリーセル506は、同時に消去される。いくつかの実装形態において、それぞれのワードライン518は、メモリーセル506のページ520に連結されており、それは、プログラム動作および読み取り動作のための基本データユニットである。隣接するNANDメモリーストリング508のメモリーセル506は、ワードライン518を通して連結され得、ワードライン518は、メモリーセル506のどの行が、読み取り動作およびプログラム動作によって影響を受けるかを選択する。ビットでの1つのページ520のサイズは、1つのブロック504の中のワードライン518によって連結されているNANDメモリーストリング508の数に関係することが可能である。それぞれのワードライン518は、それぞれのページ520の中のそれぞれのメモリーセル506における複数のコントロールゲート(ゲート電極)と、コントロールゲートを連結するゲートラインとを含むことが可能である。
【0030】
読み取り動作において、ページ520の中に記憶されているデータがアクセスされ得る。読み取り動作が開始するとき、図2に戻って参照すると、ブロック504におけるビットライン516およびソースライン514は、低い電圧(たとえば、グランド(GND))においてバイアスされ、ブロック504におけるすべての選択ゲート(たとえば、SSG510およびDSG512)およびワードライン(たとえば、ワードライン518)にかかる電圧が、ランプアップし始める。選択ゲートにかかる電圧がそれらのそれぞれの高い電圧に到達した後に、電圧は、チャネルリセット/初期化のために所定の時間の期間にわたって維持する。ワードラインにかかる電圧がメモリーセル506の最も高い閾値電圧に到達するときに、非選択された選択ゲートにかかる電圧は、低い電圧に減少し始めることが可能であり、選択された選択ゲート(たとえば、ページ520を選択するために用いられる選択ゲート)にかかる電圧は、それぞれの高い電圧において維持し、選択されたワードライン(たとえば、ページ520に連結されているワードライン518)にかかる電圧は、低い電圧に減少し始め、非選択されたワードラインにかかる電圧は、Vpassに増加し続ける。非選択されたワードラインにかかる電圧がVpassに到達した後に、ページ520は開いており、ページ520の中に記憶されているデータがアクセスされ得る。いくつかの実装形態において、メモリーセル506の閾値電圧は、読み取り基準電圧と比較され、記憶されたデータを決定する。いくつかの実装形態において、周辺回路502は、ワードライン518にかかる電圧によって最も高い閾値電圧に到達した時間を検出し、選択ゲート(たとえば、非選択SSG510およびDSG512)にかかる電圧を変化させる。また、周辺回路502は、最も高い閾値電圧の値に基づいて、Vpassおよび読み取り基準電圧の値を決定する。フラッシュセルの中のビットは、メモリーセルの行および列にかかる電圧を変化させることによって読み取られ、その結果をアセスすることがそれに続く。ページ読み取り動作において、ページ520の中に記憶されたデータは、メモリーセルアレイ501から出力データレジスターの中へ移動される。
【0031】
図6は、本開示のいくつかの態様による、NANDメモリーストリング508を含む例示的なメモリーセルアレイ501の断面の側面図である。図6に示されているように、NANDメモリーストリング508は、基板602の上方のメモリースタック604を通って垂直方向に延在することが可能である。基板602は、シリコン(たとえば、単結晶シリコン)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、ガリウムヒ素(GaAs)、ゲルマニウム(Ge)、シリコンオンインシュレーター(SOI)、ゲルマニウムオンインシュレーター(GOI)、または、任意の他の適切な材料を含むことが可能である。
【0032】
メモリースタック604は、インターリーブされたゲート導電性層606と、ゲート-ツー-ゲート誘電体層608とを含むことが可能である。メモリースタック604の中のゲート導電性層606およびゲート-ツー-ゲート誘電体層608のペアの数は、メモリーセルアレイ501の中のメモリーセル506の数を決定することが可能である。ゲート導電性層606は、それに限定されないが、タングステン(W)、コバルト(Co)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ポリシリコン、ドープされたシリコン、シリサイド、または、それらの任意の組み合わせを含む、導電性材料を含むことが可能である。いくつかの実装形態において、それぞれのゲート導電性層606は、金属層(たとえば、タングステン層など)を含む。いくつかの実装形態において、それぞれのゲート導電性層606は、ドープされたポリシリコン層を含む。それぞれのゲート導電性層606は、メモリーセル506を取り囲むコントロールゲートを含むことが可能であり、メモリースタック604の上部にあるDSGライン513、メモリースタック604の底部にあるSSGライン515、または、DSGライン513とSSGライン515との間のワードライン518として、横方向に延在することが可能である。
【0033】
図6に示されているように、NANDメモリーストリング508は、メモリースタック604を通って垂直方向に延在するチャネル構造体612を含む。いくつかの実装形態において、チャネル構造体612は、半導体材料(たとえば、半導体チャネル620として)および誘電材料(たとえば、メモリーフィルム618として)によって充填されたチャネルホールを含む。いくつかの実装形態において、半導体チャネル620は、シリコン(たとえば、ポリシリコンなど)を含む。いくつかの実装形態において、メモリーフィルム618は、トンネリング層626、ストレージ層624(「チャージトラップ/ストレージ層」としても知られている)、およびブロッキング層622を含む、複合誘電体層である。チャネル構造体612は、シリンダー形状(たとえば、ピラー形状)を有することが可能である。いくつかの実装形態によれば、半導体チャネル620、トンネリング層626、ストレージ層624、ブロッキング層622は、この順序で、半径方向にピラーの中心から外側表面に向けて配置されている。トンネリング層626は、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、または、それらの任意の組み合わせを含むことが可能である。ストレージ層624は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、シリコン、または、それらの任意の組み合わせを含むことが可能である。ブロッキング層622は、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、高誘電率(高k)誘電体、または、それらの任意の組み合わせを含むことが可能である。1つの例において、メモリーフィルム618は、酸化ケイ素/酸窒化ケイ素/酸化ケイ素(ONO)の複合層を含むことが可能である。
【0034】
図6に示されているように、いくつかの実装形態によれば、ウェル614(たとえば、P-ウェルおよび/またはN-ウェル)が、基板602の中に形成されており、NANDメモリーストリング508のソース端部は、ウェル614と接触している。たとえば、ソースライン514は、ウェル614に連結されており、消去動作の間に、ウェル614(すなわち、NANDメモリーストリング508のソース)に消去電圧を印加することが可能である。いくつかの実装形態において、NANDメモリーストリング508は、NANDメモリーストリング508のドレイン端部において、チャネルプラグ616をさらに含む。図6に示されていないが、メモリーセルアレイ501の追加的なコンポーネント(それに限定されないが、ゲートラインスリット/ソースコンタクト、ローカルコンタクト、相互接続層などを含む)が形成され得るということが理解される。
【0035】
図5に戻って参照すると、周辺回路502は、ビットライン516、ワードライン518、ソースライン514、SSGライン515、およびDSGライン513を通して、メモリーセルアレイ501に連結され得る。ビットライン516、ワードライン518、ソースライン514、SSGライン515、およびDSGライン513を通して、それぞれのターゲットメモリーセル506へおよびそれぞれのターゲットメモリーセル506から、電圧信号および/または電流信号を印加およびセンシングすることによって、メモリーセルアレイ501の動作を促進させるために、周辺回路502は、任意の適切なアナログ信号回路、デジタル信号回路、および混合信号回路を含むことが可能である。周辺回路502は、金属酸化物半導体(MOS)技術を使用して形成されるさまざまなタイプの周辺回路を含むことが可能である。たとえば、図7Aは、ページバッファー/センスアンプ704、カラムデコーダー/ビットラインドライバー706、ローデコーダー/ワードラインドライバー708、電圧発生器710、制御ロジック712、レジスター714、インターフェース716、データバス718、およびセンシングデバイス720を含む、いくつかの例示的な周辺回路を示している。いくつかの例において、図7Aに示されていない追加的な周辺回路も同様に含まれ得るということが理解される。
【0036】
ページバッファー/センスアンプ704は、制御ロジック712からの制御信号にしたがって、メモリーセルアレイ501からデータを読み取り、メモリーセルアレイ501へデータをプログラムする(書き込む)ように構成され得る。1つの例において、ページバッファー/センスアンプ704は、メモリーセルアレイ501の1つのページ520の中へプログラムされることとなるプログラムデータ(書き込みデータ)の1つのページを記憶することが可能である。別の例では、ページバッファー/センスアンプ704は、プログラム検証動作を実施し、選択されたワードライン518に連結されているメモリーセル506の中へ、データが適正にプログラムされたことを保証することが可能である。さらに別の例では、ページバッファー/センスアンプ704は、また、メモリーセル506の中に記憶されたデータビットを表すビットライン516からの低い電力信号をセンシングすることが可能であり、また、読み取り動作において認識可能な論理レベルまで小さな電圧振幅を増幅させることが可能である。カラムデコーダー/ビットラインドライバー706は、制御ロジック712によって制御され、電圧発生器710から発生されるビットライン電圧を印加することによって1つまたは複数のNANDメモリーストリング508を選択するように構成され得る。
【0037】
ローデコーダー/ワードラインドライバー708は、制御ロジック712によって制御され、メモリーセルアレイ501のブロック504を選択する/選択解除するように、および、ブロック504のワードライン518を選択する/選択解除するように構成され得る。ローデコーダー/ワードラインドライバー708は、電圧発生器710から発生されるワードライン電圧を使用して、ワードライン518を駆動するようにさらに構成され得る。いくつかの実装形態において、ローデコーダー/ワードラインドライバー708は、同様に、SSGライン515およびDSGライン513を選択/選択解除して駆動することも可能である。下記に詳細に説明されているように、ローデコーダー/ワードラインドライバー708は、選択されたワードライン518に連結されているメモリーセル506に対して消去動作を実施するように構成されている。電圧発生器710は、制御ロジック712によって制御され、メモリーセルアレイ501に供給されることとなるワードライン電圧(たとえば、読み取り基準電圧、プログラム電圧、パス電圧、ローカル電圧、検証電圧など)、ビットライン電圧、およびソースライン電圧を発生させるように構成され得る。
【0038】
周辺回路502の一部として、制御ロジック712は、上記に説明されている他の周辺回路に連結されており、他の周辺回路の動作を制御するように構成され得る。レジスター714は、制御ロジック712に連結されており、それぞれの周辺回路の動作を制御するためのステータス情報、コマンド動作コード(OPコード)、および、コマンドアドレスを記憶するための、ステータスレジスター、コマンドレジスター、およびアドレスレジスターを含むことが可能である。インターフェース716は、制御ロジック712に連結されており、ホスト(図示せず)から制御ロジック712に受信された制御コマンド、および、制御ロジック712からホストに受信されたステータス情報をバッファリングおよびリレーするための制御バッファーとして作用することが可能である。また、インターフェース716は、データバス718を介してカラムデコーダー/ビットラインドライバー706に連結されており、メモリーセルアレイ501へのおよびメモリーセルアレイ501からのデータをバッファリングおよびリレーするためのデータ入力/出力(I/O)インターフェースおよびデータバッファーとして作用することが可能である。
【0039】
図7Bは、本開示のいくつかの態様による、ホスト308、センシングデバイス720、ローデコーダー/ワードラインドライバー708、および電圧発生器710に連結されている、例示的な制御ロジック712の詳細ブロック図である。図8Aは、本開示のいくつかの態様による、例示的な電圧発生器を示している。図8Bは、本開示のいくつかの態様による、基準信号およびワードライン電圧を示している。図8Cは、本開示のいくつかの態様による、例示的なセンシングデバイスを示している。図9Aは、本開示のいくつかの態様による、電圧発生器に連結されているワードライン静電容量ローディングを示している。図9Bは、本開示のいくつかの態様による、ワードライン静電容量ローディングの静電容量をワードライン電圧の関数として示している。図示を容易にするために、図2図5図7B図8A図8C図9A、および図9Bは、一緒に説明される。
【0040】
制御ロジック712は、基準電圧決定モジュール701、ワードライン電圧決定モジュール703、静電容量比較モジュール705、および、後続動作制御モジュール707を含むことが可能であり、それらは、それぞれの機能を果たすためのそれぞれのソフトウェアおよびハードウェアをそれぞれ含む。図2に戻って参照すると、読み取り動作の始まりにおいて(たとえば、時間T1において)、ワードライン電圧(すなわち、すべてのワードラインに印加される電圧)は、低い電圧から増加し始める。図5および図7Bを参照すると、制御ロジック712は、ワードライン電圧(ブロック504の中のワードライン518に印加される)を増加するように制御することが可能である。いくつかの実装形態において、基準電圧決定モジュール701およびワードライン電圧決定モジュール703は、電圧発生器710にそれぞれ電気的に連結されている。基準電圧決定モジュール701およびワードライン電圧決定モジュール703は、一緒に電気的に連結され得、信号/コマンドがそれらの間で送信され得るようになっている。基準電圧決定モジュール701およびワードライン電圧決定モジュール703のうちの一方または両方は、ホスト308に電気的に連結され、コマンド(たとえば、読み取り動作コマンド)を受信することが可能である。いくつかの実装形態において、時間T1において、制御ロジック712は、図2に戻って参照すると、ローデコーダー/ワードラインドライバー708および/またはカラムデコーダー/ビットラインドライバー706を制御し、選択ゲートライン513および515、ビットライン516、ソースライン514などに電圧を印加/増加させ始めることも可能である。
【0041】
電圧発生器710(基準電圧決定モジュール701およびワードライン電圧決定モジュール703に連結されている)は、ローデコーダー/ワードラインドライバー708およびセンシングデバイス720に電気的に連結され得る。基準電圧決定モジュール701およびワードライン電圧決定モジュール703は、電圧発生器710を制御し、ローデコーダー/ワードラインドライバー708によってワードライン518に印加されるワードライン電圧を出力することが可能である。図8Aは、例示的な電圧発生器を示しており、それは、ワードライン電圧(VWL)の出力を有するポンピングデバイス802(「PUMP」)を含む。ポンピングデバイス802の入力は、クロック信号(「CLK」)およびフラグ信号(「FLAG」)を含む。ポンピングデバイス802は、任意の適切なチャージポンプ(たとえば、直流電流(DC)-ツー-DCコンバーターなど)を含むことが可能であり、それは、電圧を増加または減少させるために、エネルギー電荷貯蔵のためのキャパシターを用いる。ポンピングデバイス802の出力は、比較回路に電気的に連結されており、比較回路は、抵抗器RtおよびRb、トランジスター、およびコンパレーター804を含む。図8Aに示されているように、抵抗器Rtは、ポンピングデバイス802の出力に連結されており、抵抗器Rbは、抵抗器Rbの第1の端部において抵抗器Rtと直列に連結されており、トランジスターは、抵抗器Rbの第2の端部において抵抗器Rbに連結されている。いくつかの実装形態において、抵抗器RtおよびRbは、2つの別個の抵抗器であり、それらは、変化しない抵抗をそれぞれ有している。いくつかの実装形態において、抵抗器RtおよびRbは、可変抵抗器の2つのパーツであり、RtおよびRbのそれぞれの値は変化することが可能である。イネーブル信号(「EN」)が、比較回路をターンオンおよびターンオフするために、トランジスターのゲート電極に印加され得る。
【0042】
コンパレーター804は、どちらがより大きな大きさを有するかを決定するために、2つの電圧の大きさを比較する任意の論理回路を含むことが可能である。たとえば、コンパレーターは、高ゲインを有する演算増幅器(Op-Amp)を含むことが可能である。コンパレーター804の第1の入力は、抵抗器Rbの第1の端部に連結されており、ワードライン電圧VWLの一部がコンパレーター804の中へ入力されるようになっている。説明を容易にするために、コンパレーター804の第1の入力は、ワードライン電圧部分Vfbと称され、ワードライン電圧部分Vfbは、ワードライン電圧VWLの値に比例している。ワードライン電圧部分Vfbは、ワードライン電圧VWLとともに変化することが可能である。コンパレーター804の第2の入力は、基準信号Vref_rampであり、基準信号Vref_rampは、基準電圧決定モジュール701によって決定される。コンパレーター804の出力(フラグ信号)は、第2の入力と第1の入力との間の差(たとえば、(Vref_ramp-Vfb))に等しくなっていることが可能である。すなわち、基準信号Vref_rampの電圧がワードライン電圧部分Vfbの電圧よりも高いとき、フラグ信号は、1に等しく、基準信号Vref_rampの電圧がワードライン電圧部分Vfbの電圧に等しいとき、フラグ信号は、0に等しい。
【0043】
図8Aに示されているように、フラグ信号は、フィードバック信号としてポンピングデバイス802の入力に連結されている。フラグ信号が1に等しいとき、ポンピングデバイス802はオンであり、ワードライン電圧VWLを出力する。いくつかの実装形態において、ポンピングデバイス802は、ポンピングのときにワードライン電圧VWLの値を増加させ続ける。フラグ信号が0に等しいとき、ポンピングデバイス802はオフであり、ワードライン電圧VWLを出力することを停止する。いくつかの実装形態において、フラグ信号が0に等しいとき、ポンピングデバイス802は、ワードライン電圧VWLの値を増加させることを停止する。すなわち、フラグ信号は、ワードライン電圧部分Vfbが基準信号Vref_rampの電圧値に到達する前にポンピングデバイス802がオンである時間を反映することが可能である。
【0044】
読み取り動作コマンドを受信すると、基準電圧決定モジュール701は、電圧発生器710を制御し、ステップ電圧を有する基準信号Vref_rampを発生させることが可能である。ステップ電圧において、ワードライン電圧決定モジュール703は、ポンピングデバイス802を制御し、ワードライン電圧部分Vfbがステップ電圧に到達するまで、ワードライン電圧VWLの値を増加させ続ける。次いで、フラグ信号は、「0」を出力し、ポンピングデバイス802は、ワードライン電圧VWLを増加/出力することを停止する。次いで、基準電圧決定モジュール701は、電圧発生器710を制御し、より高いステップ電圧を発生させることが可能である。ワードライン電圧部分Vfbはより高いステップ電圧よりも低いので、比較回路は、1に等しいフラグ信号を発生させ、ポンピングデバイス802は、ワードライン電圧部分Vfbがより高いステップ電圧に到達するまで、ワードライン電圧VWLを増加させ始めることが可能である。
【0045】
図8Bは、本開示のいくつかの実装形態による、3つの連続する期間P1、P2、およびP3における例示的な基準信号Vref_rampおよび例示的なワードライン電圧VWLを示している。電圧および期間の値は、単に図示のためのものに過ぎず、正しい縮尺ではないということが留意されるべきである。また、ワードライン電圧VWLは、時間に対して任意の適切な曲線/直線で増加することが可能であり、図8Bは、単にワードライン電圧VWLの傾向を示しているに過ぎない。図示を容易にするために、ワードライン電圧VWLは、時間の関数として線形に増加するように示されている。
【0046】
基準電圧決定モジュール701によって制御されることによって、電圧発生器710は、基準信号Vref_rampとして複数のステップ電圧を発生させることが可能であり、それぞれのステップ電圧は、時間の期間にわたって、変化しない電圧を表している。たとえば、図8Bに示されているように、基準信号Vref_rampは、期間P1の始まりにおいてVS1からVS2へ増加し、期間P2の始まりにおいてVS2からVS3へ増加し、期間P3の始まりにおいてVS3からVS4へ増加することが可能である。それぞれのステップ電圧は、以前のステップ電圧よりも高い(たとえば、VS1<VS2<VS3<VS4)。期間P1、P2、およびP3は、時間に関して同じ長さを有することが可能であり、または、異なる長さを有することが可能である。それぞれの期間(たとえば、P1、P2、およびP3)の長さは、それぞれのステップ電圧においてポンピングデバイス802がオンになっている時間によって決定され得る。ワードライン電圧VWLは、期間P1の終わりにおいてVWL1からVWL2へ増加し、期間P2の終わりにおいてVWL2からVWL3へ増加し、期間P3の終わりにおいてVWL3からVWL4へ増加することが可能である。
【0047】
以前に説明されたように、期間P1の始まりの前に、ワードライン電圧VWLは、VWL1に等しく、ワードライン電圧部分Vfbは、ステップ電圧VS1に等しく、フラグ信号は、0に等しく、ポンピングデバイス802は、ワードライン電圧VWLを増加させることを停止する。基準電圧決定モジュール701は、ポンピングデバイス802の動作をセンシングすることが可能であり、また、電圧発生器710を制御し、ステップ電圧VS2を発生させることが可能であり、ステップ電圧VS2は、ステップ電圧VS1よりも大きい。すなわち、期間P1の始まりにおいて、ステップ電圧VS2は、ワードライン電圧部分Vfbよりも大きく、コンパレーター804は、1に等しいフラグ信号を出力する。ポンピングデバイス802は、期間P1の間にポンピングを開始し、ワードライン電圧VWLを増加させ始めることが可能である。ワードライン電圧部分Vfbは、ステップ電圧VS2に到達するまでワードライン電圧VWLとして増加し続け、ワードライン電圧VWLは、VWL2に到達する。次いで、コンパレーター804は、0に等しいフラグ信号を出力することが可能であり、ポンピングデバイス802は、ワードライン電圧VWLを増加させることまたは出力することを停止する。次いで、期間P1が終了する。基準電圧決定モジュール701は、ポンピングデバイス802の動作をセンシングすることが可能であり、電圧発生器710を制御し、比較回路の第2の入力として、ステップ電圧VS3を発生させることが可能である。ポンピングデバイス802は、ワードライン電圧部分VfbがVS3に到達するまでワードライン電圧VWLを増加させることが可能であり、ワードライン電圧VWLは、期間P2の終わりにおいてVWL3に到達する。基準電圧決定モジュール701は、ポンピングデバイス802の動作をセンシングすることが可能であり、また、電圧発生器710を制御し、比較回路の第2の入力として、ステップ電圧VS4を発生させることが可能である。同様に、ポンピングデバイス802は、ワードライン電圧部分VfbがVS4に到達するまで、ワードライン電圧VWLを増加させることが可能であり、ワードライン電圧VWLは、期間P3の終わりにおいてVWL4に到達する。それぞれの期間に関して、基準電圧決定モジュール701およびワードライン電圧決定モジュール703は、電圧発生器710を制御し、VWLがメモリーセル506の最も高い閾値電圧に到達するまで、上記の動作を繰り返すことが可能である。
【0048】
図9Aを参照すると、ワードライン電圧VWLが増加し続けるときに、ワードライン518およびメモリーセル506は、可変静電容量を有するワードライン静電容量ローディング902と同等であることが可能である。ワードライン電圧VWLが増加し続けるときに、ワードライン静電容量ローディング902の静電容量は、増加し続けることが可能である。これは、その閾値電圧がワードライン電圧VWLの値よりも低い、増加する数のメモリーセルによって引き起こされ得、チャネル構造体612のそれぞれの部分は、ワードライン518と連結されている。基準信号Vref_rampが、それぞれの期間(たとえば、P1、P2、およびP3)において、より高いステップ電圧に到達するとき、ポンピングデバイス802がワードライン電圧VWLを増加させ続けることを停止するまで(たとえば、フラグ信号が0に等しい)、ワードライン電圧VWLは増加し続け、可変静電容量を充電することが可能である(たとえば、フラグ信号が1に等しい)。したがって、基準信号Vref_rampのそれぞれのステップ電圧において、ワードライン静電容量ローディング902が充電される時間の長さは、フラグ信号が0になる前に1に等しい時間と同等である。すなわち、基準信号Vref_rampのそれぞれのステップ電圧においてフラグ信号が1になっている時間は、ワードライン静電容量ローディング902の静電容量変化(すなわち、ワードライン静電容量ローディング902に充電される静電容量)を反映することが可能である。図9Bは、ワードライン静電容量ローディング902の静電容量(「WL CAP(nF)」)をワードライン電圧(「WL VOLTAGE(V)」)の関数として示している。図9Bに示されているように、ワードライン電圧VWLがメモリーセル506の最も高い閾値電圧に到達するまで、静電容量は、増加し続けることが可能である。次いで、静電容量は、増加することを停止するかまたは減少し始めることが可能である。いくつかの実装形態において、図9Bに示されている関数は、たとえば、比較のための基準として、最も高い閾値電圧の検出の前に取得され得る。たとえば、関数は測定され、メモリーデバイス(たとえば、304)および/またはメモリーコントローラー(たとえば、306)の中に保存され得る。
【0049】
図7Bに戻って参照すると、センシングデバイス720は、電圧発生器710に電気的に連結されており、フラグ信号に基づいてワードライン静電容量ローディング902の静電容量変化を取得することが可能である。センシングデバイス720は、基準信号Vref_rampのそれぞれのステップ電圧においてフラグ信号が1に等しい時間を反映する値を発生させることが可能である。たとえば、それぞれのステップ電圧(たとえば、P1、P2、およびP3)のそれぞれの期間の間に、ワードライン電圧部分Vfbがそれぞれの期間の終わりにおいてそれぞれのステップ電圧に到達するまで、フラグ信号は1に等しい。フラグ信号は、2つの隣接する期間の間に(たとえば、期間P1と期間P2との間、および、期間P2と期間P3との間など)0に等しい。センシングデバイス720の出力は、それぞれのステップ電圧(たとえば、VS2、VS3、およびVS4)においてフラグ信号が1に等しい時間を表す値を含むことが可能である。いくつかの実装形態において、センシングデバイス720の出力は、それぞれの期間(たとえば、P1、P2、およびP3)の長さをそれぞれ表す値、および、それぞれの期間の間にワードライン静電容量ローディング902の中へ充電される静電容量を示す値を含むことが可能である。
【0050】
図8Cは、本開示のいくつかの実装形態による、例示的なセンシングデバイス720を示している。センシングデバイス720は、クロック信号(「CLK」)の第1の入力と、フラグ信号(「FLAG」)の第2の入力とを有するカウンターを含むことが可能である。センシングデバイス720の出力は、複数のバイナリーディジット(たとえば、Q0Q1Q2Q3)を含むことが可能である。フラグ信号が1に等しいときに、カウンターは、クロック信号においてカウントし続け、出力は、フラグ信号が0になるまで増加し続ける。カウンターは、フラグ信号が0になるときにカウントすることを停止し、出力は、フラグ信号が1に等しい時間を反映する。いくつかの実装形態において、カウンターは、2つの隣接する期間の間(たとえば、P1とP2との間、および、P2とP3との間)にカウントすることを停止し、直近の期間に対応する値を出力する。いくつかの実装形態において、リセット信号(図示せず)は、カウンターに連結されており、それぞれの期間の後に出力を0にリセットする。したがって、カウンターの出力は、フラグ信号が0になる前に1に等しい時間をそれぞれ反映する値を含む。いくつかの実装形態において、カウンターの出力は、それぞれの期間(たとえば、P1、P2、およびP3)の時間をそれぞれ反映する値を含む。いくつかの実装形態において、カウンターは、複数のフリップフロップ808(たとえば、ラッチ)に連結されているANDゲート806を含む。入力は、ANDゲート806を通してカウンターに連結されており、フリップフロップ808のそれぞれは、ディジットを出力する。さまざまな実装形態において、フリップフロップ808の数は、変化することが可能である。いくつかの実装形態において、センシングデバイス720は、複数の値C1、C2、C3、...を出力することが可能であり、それらは、フラグ信号がそれぞれの期間において1に等しい時間(たとえば、それぞれの期間の長さ)にそれぞれ関連付けられている。上記に説明されているように、値C1、C2、C3、...は、それぞれのステップ電圧におけるワードライン静電容量ローディング902の静電容量変化(すなわち、ワードライン静電容量ローディング902に充電される静電容量)にそれぞれ関連付けられ得る。
【0051】
図7Aに戻って参照すると、センシングデバイス720は、制御ロジック712の静電容量比較モジュール705に電気的に連結され得る。センシングデバイス720は、それぞれの期間の後に、出力(たとえば、値C1、C2、C3、...)を静電容量比較モジュール705に送信することが可能である。静電容量比較モジュール705は、センシングデバイス720の出力を受信し、2つの隣接する値の間の差(たとえば、(Cn+1-C)の値;nは、1、2、3などである))を比較することが可能である。比較の結果に基づいて、静電容量比較モジュール705は、ワードライン静電容量ローディング902の最大静電容量に到達した時間、および、メモリーセル506の最も高い閾値電圧の値を決定することが可能である。たとえば、ワードライン静電容量ローディング902の静電容量が最大値に接近するときに、(Cn+1-C)がその最大値に到達する。次いで、静電容量比較モジュール705は、(Cn+1-C)がその最大値に到達するときに、ワードライン電圧VWLがメモリーセル506の最も高い閾値電圧に到達したということを決定することが可能であり、Cn+1に対応するステップ電圧は、最も高い閾値電圧である。一例では、値C1は、期間P1に関するセンシングデバイス720の出力を表すことが可能であり、値C2は、期間P2に関するセンシングデバイス720の出力を表すことが可能であり、値C3は、期間P3に関するセンシングデバイス720の出力を表すことが可能である。静電容量比較モジュール705は、値C2を受信した後に(C2~C1)の値を決定し、C3を受信した後に(C3~C2)の値を決定することが可能である。(C3~C2)が(C2~C1)に等しいかまたはそれよりも小さい場合には、静電容量比較モジュール705は、期間P2の終わりまでにワードライン電圧VWLがメモリーセル506の最も高い閾値電圧に到達するということを決定することが可能であり、最も高い閾値電圧の値は、VWL3に等しいかまたはそれに十分に近い。
【0052】
また、静電容量比較モジュール705は、基準電圧決定モジュール701に電気的に連結され得る。いくつかの実装形態において、ワードライン電圧VWLがメモリーセル506の最も高い閾値電圧に到達するときに、静電容量比較モジュール705は、基準電圧決定モジュール701に通知し、基準電圧決定モジュール701は、電圧発生器710を制御し、基準信号Vref_rampにおけるステップ電圧の値を増加させることを停止する。いくつかの実装形態において、読み取り動作のためのコマンドを受信するとき、基準電圧決定モジュール701は、静電容量比較モジュール705に通知し、静電容量比較モジュール705が、比較を実施するために初期化することができるようになっている。
【0053】
後続動作制御モジュール707は、静電容量比較モジュール705に電気的に連結され得、静電容量比較モジュール705は、ローデコーダー/ワードラインドライバー708および電圧発生器710に電気的に連結されている。いくつかの実装形態において、ワードライン電圧VWLがメモリーセル506の最も高い閾値電圧に到達するときに、静電容量比較モジュール705は、後続動作制御モジュール707に通知し、後続動作制御モジュール707は、最も高い閾値に到達した時間(たとえば、図2に戻って参照すると、時間T2)、および/または、最も高い閾値電圧の値に基づいて、他の動作を開始することが可能である。たとえば、ワードライン電圧VWLがメモリーセル506の最も高い閾値電圧に到達するときに、後続動作制御モジュール707は、ローデコーダー/ワードラインドライバー708を制御し、図2に戻って参照すると、非選択されたDSG、非選択されたSSG、および、選択されたワードラインに、ターンオフ電圧(たとえば、低い電圧)を印加することが可能である。また、後続動作制御モジュール707は、メモリーセル506の最も高い閾値電圧の値に基づいて、読み取り基準電圧およびVpassを決定することが可能である。たとえば、後続動作制御モジュール707は、検出された最も高い閾値電圧と、検出の前にメモリーデバイス304の中に記憶されている最も高い閾値電圧とを比較することが可能である。いくつかの実装形態において、最も高い閾値電圧がより低い電圧にシフトした場合には、後続動作制御モジュール707は、1つまたは複数の読み取り基準電圧がより低い電圧値をそれぞれ有するということを決定することが可能である。後続動作制御モジュール707は、最も高い閾値の値に対応するオーバードライブ値(たとえば、図2の中のΔV)に関するルックアップテーブルを参照することによって、Vpassの値を決定することが可能であり、または、オーバードライブ値を決定するためにリアルタイム計算を実施することが可能である。いくつかの実装形態において、後続動作制御モジュール707は、電圧発生器710を制御し、決定された読み取り基準電圧およびVpassを発生させ、また、ローデコーダー/ワードラインドライバー708を制御し、それぞれのワードラインにそれぞれの電圧を印加する。
【0054】
さまざまな実装形態において、追加的にまたは随意的に、望ましい時間において(たとえば、リアルタイム様式で、または、所望の時間においてなど)メモリーセル506の最も高い閾値電圧を検出するために、電圧発生器710の他の適切な量もモニタリングされ得るということが留意されるべきである。たとえば、センシングデバイス720は、電圧発生器710によって出力される電流の変化を反映する値を出力するように構成され得る。いくつかの実装形態において、ワードライン電圧VWLが最も高い閾値電圧に到達するかまたは接近するときに、電圧発生器710の電流は、所定の時間の期間において最も高い値に到達する。
【0055】
図10Aは、本開示のいくつかの態様による、メモリーデバイスを動作させるための方法1000のフローチャートである。メモリーデバイスは、本明細書で開示されている任意の適切なメモリーデバイス(たとえば、メモリーデバイス304など)であることが可能である。方法1000は、周辺回路502(たとえば、制御ロジック712、電圧発生器710、ローデコーダー/ワードラインドライバー708、およびセンシングデバイス720など)によって実装され得る。方法1000に示されている動作は、網羅的でない可能性があるということ、および、図示されている動作のいずれかの前に、その後に、または、その間に、他の動作も同様に実施され得るということが理解される。さらに、動作のうちのいくつかは、同時に実施され得、または、図10Aに示されているものとは異なる順序で実施され得る。
【0056】
図10Aを参照すると、方法1000は、動作1002において開始し、動作1002において、ワードライン電圧が、複数のワードラインのそれぞれに印加される。読み取り動作の始まりにおいて、制御ロジックは、電圧発生器を制御し、ワードライン電圧を発生させ、また、ローデコーダー/ワードラインドライバーを制御し、すべてのワードラインにワードライン電圧を印加する。制御ロジックは、電圧発生器を制御し、複数のステップ電圧を有する基準信号に従うことによって、ワードライン電圧を増加させることが可能である。
【0057】
方法1000は、動作1004に進み、動作1004において、ワードラインに連結されている複数のメモリーセルの最も高い閾値電圧が、ワードライン電圧に応答したワードライン静電容量ローディングの変化に基づいて決定される。センシングデバイスから、制御ロジックは、ワードライン電圧の増加に対する応答として、(メモリーセルおよびワードラインによって形成される)ワードライン静電容量ローディングの静電容量変化を取得することが可能である。静電容量変化に基づいて、制御ロジックは、ワードライン静電容量ローディングの最大静電容量に到達した時間を決定することが可能である。したがって、制御ロジックは、最大静電容量に到達した時間におけるワードライン電圧を、メモリーセルの最も高い閾値電圧に決定することが可能である。動作1002および1004の詳細な説明が、図10Bに示されている。
【0058】
方法1000は、動作1006に進み、動作1006において、ワードライン電圧が最も高い閾値電圧に到達する時間、および、最も高い閾値電圧の値のうちの1つまたは複数に基づいて、複数の後続動作が実施される。制御ロジックは、最も高い閾値電圧に到達した時間から、他の動作を実施し始めることが可能である。たとえば、最も高い閾値電圧に到達した時間において、制御ロジックは、電圧発生器を制御し、低い電圧を発生させることが可能であり、また、ローデコーダー/ワードラインドライバーを制御し、非選択された選択ゲートに低い電圧を印加することが可能である。また、制御ロジックは、選択されたワードラインに印加されることとなる値および読み取り基準電圧に基づいて、非選択されたワードラインに印加されることとなるVpassを計算することも可能である。次いで、制御ロジックは、電圧発生器を制御し、Vpassに到達するまで、非選択されたワードラインにかかるワードライン電圧を増加させ続けることが可能である。
【0059】
図10Bは、本開示のいくつかの態様による、メモリーデバイスを動作させるための方法1001のフローチャートである。方法1001は、図10Aおよび図10Bにおける動作1004の詳細な動作を含み、周辺回路502(たとえば、制御ロジック712、電圧発生器710、ローデコーダー/ワードラインドライバー708、およびセンシングデバイス720など)によって実装され得る。方法1001に示されている動作は、網羅的でない可能性があるということ、および、図示されている動作のいずれかの前に、その後に、または、その間に、他の動作も同様に実施され得るということが理解される。さらに、動作のうちのいくつかは、同時に実施され得、または、図10Bに示されているものとは異なる順序で実施され得る。図示を容易にするために、図10Bは、期間Pnにおける動作を示しており、ワードライン電圧は、VからVn+1へ増加する。
【0060】
図10Bを参照すると、方法1001は、動作1003において開始し、動作1003において、基準信号が、期間Pnの始まりにおいてステップ値によって増加される。ワードライン電圧は、期間Pnの始まりにおいて、Vに等しい。制御ロジックは、ステップ値を決定し、ステップ値によって基準信号の電圧を増加させることが可能である。基準信号は、電圧発生器の比較回路の入力であることが可能であり、ワードライン電圧部分と比較される。ワードライン電圧部分は、ワードライン電圧の一部分であり、それは、電圧発生器のポンピングデバイスによって出力される。ワードライン電圧部分が基準信号よりも低いとき、比較回路は、1のフラグ信号を出力し、ワードライン電圧部分が基準信号に等しいとき、比較回路は、0のフラグ信号を出力する。また、フラグ信号は、ポンピングデバイスの入力である。
【0061】
方法1001は、動作1005に進み、動作1005において、ワードライン電圧は、現在の基準電圧に到達するように増加される。制御ロジックは、ポンピングデバイスを制御し、フラグ信号が1であるときに、ワードライン電圧の値を増加させ続けることが可能である。ワードライン電圧部分が現在の基準信号(たとえば、現在のステップ電圧)に等しいときに、フラグ信号は、0に等しく、ポンピングデバイスは、ワードライン電圧の値を増加させることを停止する。ワードライン電圧は、期間Pnの終わりにおいて、VからVn+1へ増加する。
【0062】
方法1001は、動作1007に進み、動作1007において、ワードライン電圧が現在の基準信号に到達した後に、ワードライン静電容量ローディングの現在の静電容量が決定される。センシングデバイスは、フラグ信号が1である時間を示す値Cn+1を出力することが可能である。その値は、期間Pnの間のワードライン静電容量ローディングの静電容量変化(または、すなわち、ワードライン静電容量ローディングに充電される静電容量)に関連付けられる。
【0063】
方法1001は、動作1009に進み、動作1009において、現在の静電容量変化と以前の静電容量変化との間の差が決定される。制御ロジックは、その値を取得することが可能であり、また、値Cn+1と値Cとの間の差を取得することが可能であり、それは、期間Pnの直前の期間Pn-1に関してセンシングデバイスによって発生される。たとえば、制御ロジックは、(Cn+1-C)の値を決定することが可能である。
【0064】
方法1001は、動作1011に進み、動作1011において、動作1009において取得される差が以前の差と比較して減少するかどうかが決定される。制御ロジックは、(Cn+1-C)および(C-Cn-1)の値を比較し、(Cn+1-C)が(C-Cn-1)よりも小さいかまたはそれに等しいかどうかを決定することが可能であり、ここで、Cn-1は、期間Pn-2に関してセンシングデバイスによって発生され、期間Pn-2の終わりにおいて制御ロジックによって取得される。(Cn+1-C)が(C-Cn-1)よりも小さいかまたはそれに等しい場合には、制御ロジックは、ワードライン静電容量ローディングが最大静電容量に到達したということを決定する。次いで、制御信号は、ワードライン静電容量ローディングの最大静電容量に到達した時間を決定し、また、最大静電容量に到達した時間におけるワードライン電圧を、メモリーセルの最も高い閾値電圧に決定することが可能である。方法1001は、動作1006に進む。(Cn+1-C)が(C-Cn-1)よりも大きい場合には、制御ロジックは、ワードライン静電容量ローディングが最大静電容量に到達していないということを決定し、方法1001は、動作1003に進む。
【0065】
本開示の実装形態は、メモリーデバイスを提供する。メモリーデバイスは、複数のメモリーストリングの中のメモリーセルのアレイを含み、メモリーセルのアレイは、複数のメモリーセルの行で配置されている。また、メモリーデバイスは、複数のメモリーセルの行にそれぞれ連結されている複数のワードラインと、周辺回路であって、周辺回路は、複数のワードラインに連結されており、複数のメモリーセルの行のうちの選択されたメモリーセルの行に読み取り動作を実施するように構成されている、周辺回路とを含む。選択されたメモリーセルの行は、選択されたワードラインに連結されており、周辺回路は、複数のワードラインのそれぞれにワードライン電圧を印加するように構成されており、および、ワードライン電圧に応答したワードライン静電容量ローディングの変化に基づいて、複数のメモリーセルの行の最も高い閾値電圧を決定するように構成されている。
【0066】
いくつかの実装形態において、ワードライン静電容量ローディングは、可変静電容量を含み、複数のメモリーセルの行の最も高い閾値電圧を決定することは、可変静電容量の最大静電容量を決定することと、最大静電容量に基づいて最も高い閾値電圧を決定することとを含む。
【0067】
いくつかの実装形態において、周辺回路は、制御ロジックを含み、制御ロジックは、最も高い閾値電圧に到達した時間を決定すること、最も高い閾値電圧に基づいて、読み取り動作における複数のワードラインの非選択されたワードラインに印加されるパス電圧を決定すること、または、最も高い閾値電圧に基づいて、選択されたワードラインに印加される読み取り基準電圧を決定することのうちの少なくとも1つを実施するように構成されている。
【0068】
いくつかの実装形態において、周辺回路は、ドライバーをさらに含み、ドライバーは、制御ロジックの動作に基づいて、最も高い閾値電圧に到達した時間において、複数のメモリーストリングの非選択されたメモリーストリングに連結されているSGトランジスターにターンオフ電圧を印加すること、読み取り動作において複数のワードラインの非選択されたワードラインにパス電圧を印加すること、または、選択されたワードラインに読み取り基準電圧を印加することのうちの少なくとも1つを実施するように構成されている。
【0069】
いくつかの実装形態において、周辺回路は、ワードライン電圧を出力するように構成されている電圧発生器と、電圧発生器を制御するように構成されている制御ロジックと、複数のメモリーセルの行にワードライン電圧を印加するように構成されているドライバーとをさらに含む。制御ロジックは、電圧発生器を制御し、第1の電圧値から第2の電圧値へ、および、第2の電圧値から第3の電圧値へ、ワードライン電圧を増加させる。ドライバーは、複数のワードラインにワードライン電圧を印加する。
【0070】
いくつかの実装形態において、制御ロジックは、第1の電圧値と第2の電圧値との間でワードライン静電容量ローディングに充電される第1の静電容量に関連付けられる第1の値と、第2の電圧値と第3の電圧値との間でワードライン静電容量ローディングに充電される第2の静電容量に関連付けられる第2の値とを取得するようにさらに構成されている。また、制御ロジックは、第1の値と第2の値との間の差を決定するようにさらに構成されている。制御ロジックは、差が最大値に到達することに応答して、ワードライン静電容量ローディングの静電容量がワードライン静電容量ローディングの最大静電容量であるということを決定するようにさらに構成されている。
【0071】
いくつかの実装形態において、制御ロジックは、第3の電圧値が複数のメモリーセルの行の最も高い閾値電圧であるということを決定するようにさらに構成されている。
【0072】
いくつかの実装形態において、周辺回路は、電圧発生器および制御ロジックに連結されているセンシングデバイスをさらに含む。センシングデバイスは、第1の静電容量に関連付けられる第1の値を発生させるように構成されており、第2の静電容量に関連付けられる第2の値を発生させるように構成されている。
【0073】
いくつかの実装形態において、電圧発生器は、フラグ信号の出力を有する比較回路をさらに含み、フラグ信号は、電圧発生器の入力に連結されている。フラグ信号が1に等しいことに応答して、電圧発生器は、ワードライン電圧を増加させ続ける。フラグ信号が0に等しいことに応答して、電圧発生器は、ワードライン電圧を増加させることを停止する。
【0074】
いくつかの実装形態において、フラグ信号は、第1の時間期間および第2の時間期間において、それぞれ1に等しい。いくつかの実装形態において、フラグ信号は、第1の時間期間と第2の時間期間との間において、0に等しい。
【0075】
いくつかの実装形態において、センシングデバイスは、カウンターを含み、カウンターは、フラグが1であることに応答して、時間期間をカウントし、時間期間に対応する値を発生させ、第1の時間期間が第1の値に対応するようになっており、第2の時間期間が第2の値に対応するようになっている。
【0076】
いくつかの実装形態において、センシングデバイスは、第1の時間期間の終わりにおいて第1の値を出力し、第2の時間期間の終わりにおいて第2の値を出力する。
【0077】
いくつかの実装形態において、センシングデバイスは、入力および複数のフリップフロップを含む。入力は、フラグ信号を含む。フリップフロップのそれぞれは、センシングデバイスの出力のディジットを発生させる。
【0078】
いくつかの実装形態において、比較回路は、ワードライン電圧に比例する電圧部分の第1の入力と、制御ロジックに連結されている基準信号の第2の入力とを含み、フラグ信号は、電圧部分と基準信号との間の差である。制御ロジックは、コンパレーターの第2の入力に第1のステップ電圧を印加するように構成されている。第1のステップ電圧は、第2の電圧に等しい。また、制御ロジックは、センシングデバイスから第1の値を取得するように構成されている。制御ロジックは、フラグ信号が1から0になることに応答して、コンパレーターの第2の入力に第2のステップ電圧を印加するようにさらに構成されており、第2のステップ電圧は、第3の電圧に等しく、第1のステップ電圧よりも大きい。制御ロジックは、センシングデバイスから第2の値を取得するようにさらに構成されている。
【0079】
いくつかの実装形態において、複数のメモリーセルは、複数のTLCまたは複数のQLCのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実装形態において、複数のメモリーセルの行の最も高い閾値電圧は、TLCにおける最も高い閾値電圧のうちの少なくとも1つ、または、QLCにおける最も高い閾値電圧のうちの1つを含む。
【0080】
いくつかの実装形態において、複数のメモリーセルは、3D NANDメモリーデバイスの中にある。
【0081】
本開示の実装形態は、システムを提供する。システムは、データを記憶するように構成されているメモリーデバイスを含む。メモリーデバイスは、複数のメモリーストリングの中のメモリーセルのアレイであって、メモリーセルのアレイは、複数のメモリーセルの行で配置されている、メモリーセルのアレイと、複数のメモリーセルの行にそれぞれ連結されている複数のワードラインと、周辺回路であって、周辺回路は、複数のワードラインに連結されており、複数のメモリーセルの行のうちの選択されたメモリーセルの行に読み取り動作を実施するように構成されている、周辺回路とを含む。選択されたメモリーセルの行は、選択されたワードラインに連結されている。周辺回路は、複数のワードラインのそれぞれにワードライン電圧を印加するように構成されており、および、ワードライン電圧に応答したワードライン静電容量ローディングの変化に基づいて、複数のメモリーセルの行の最も高い閾値電圧を決定するように構成されている。また、システムは、メモリーコントローラーを含み、メモリーコントローラーは、メモリーデバイスに連結されており、メモリーデバイスを制御するように構成されている。
【0082】
いくつかの実装形態において、ワードライン静電容量ローディングは、可変静電容量を含む。いくつかの実装形態において、複数のメモリーセルの行の最も高い閾値電圧を決定することは、可変静電容量の最大静電容量を決定することと、最大静電容量に基づいて最も高い閾値電圧を決定することとを含む。
【0083】
いくつかの実装形態において、周辺回路は、制御ロジックを含み、制御ロジックは、最も高い閾値電圧に到達した時間を決定すること、最も高い閾値電圧に基づいて、読み取り動作における複数のワードラインの非選択されたワードラインに印加されるVpass電圧を決定すること、または、最も高い閾値電圧に基づいて、選択されたワードラインに印加される読み取り基準電圧を決定することのうちの少なくとも1つを実施するように構成されている。
【0084】
いくつかの実装形態において、周辺回路は、ドライバーをさらに含み、ドライバーは、制御ロジックの動作に基づいて、最も高い閾値電圧に到達した時間において、複数のメモリーストリングの非選択されたメモリーストリングに連結されているSGトランジスターにターンオフ電圧を印加すること、読み取り動作において複数のワードラインの非選択されたワードラインにVpass電圧を印加すること、または、選択されたワードラインに読み取り基準電圧を印加することのうちの少なくとも1つを実施するように構成されている。
【0085】
いくつかの実装形態において、周辺回路は、ワードライン電圧を出力するように構成されている電圧発生器と、電圧発生器を制御するように構成されている制御ロジックと、複数のメモリーセルの行にワードライン電圧を印加するように構成されているドライバーとをさらに含む。制御ロジックは、電圧発生器を制御し、第1の電圧値から第2の電圧値へ、および、第2の電圧値から第3の電圧値へ、ワードライン電圧を増加させる。ドライバーは、複数のワードラインにワードライン電圧を印加する。
【0086】
いくつかの実装形態において、制御ロジックは、第1の電圧値と第2の電圧値との間でワードライン静電容量ローディングに充電される第1の静電容量に関連付けられる第1の値と、第2の電圧値と第3の電圧値との間でワードライン静電容量ローディングに充電される第2の静電容量に関連付けられる第2の値とを取得するようにさらに構成されている。また、いくつかの実装形態において、制御ロジックは、第1の値と第2の値との間の差を決定するようにさらに構成されている。いくつかの実装形態において、制御ロジックは、差が最大値に到達することに応答して、ワードライン静電容量ローディングの静電容量がワードライン静電容量ローディングの最大静電容量であるということを決定するようにさらに構成されている。
【0087】
いくつかの実装形態において、制御ロジックは、第3の電圧値が複数のメモリーセルの行の最も高い閾値電圧であるということを決定するようにさらに構成されている。
【0088】
いくつかの実装形態において、周辺回路は、電圧発生器および制御ロジックに連結されているセンシングデバイスをさらに含む。センシングデバイスは、第1の静電容量に関連付けられる第1の値を発生させるように構成されており、第2の静電容量に関連付けられる第2の値を発生させるように構成されている。
【0089】
いくつかの実装形態において、電圧発生器は、フラグ信号の出力を有する比較回路をさらに含み、フラグ信号は、電圧発生器の入力に連結されている。フラグ信号が1に等しいことに応答して、電圧発生器は、ワードライン電圧を増加させ続ける。フラグ信号が0に等しいことに応答して、電圧発生器は、ワードライン電圧を増加させることを停止する。
【0090】
いくつかの実装形態において、フラグ信号は、第1の時間期間および時間期間において、それぞれ1に等しい。いくつかの実装形態において、フラグ信号は、第1の時間期間と第2の時間期間との間において、0に等しい。
【0091】
いくつかの実装形態において、センシングデバイスは、カウンターを含み、カウンターは、フラグが1であることに応答して、時間期間をカウントし、時間期間に対応する値を発生させ、第1の時間期間が第1の値に対応するようになっており、第2の時間期間が第2の値に対応するようになっている。
【0092】
いくつかの実装形態において、センシングデバイスは、第1の時間期間の終わりにおいて第1の値を出力し、第2の時間期間の終わりにおいて第2の値を出力する。
【0093】
いくつかの実装形態において、センシングデバイスは、入力および複数のフリップフロップを含む。入力は、フラグ信号を含み、フリップフロップのそれぞれは、センシングデバイスの出力のディジットを発生させる。
【0094】
いくつかの実装形態において、比較回路は、ワードライン電圧に比例する電圧部分の第1の入力と、制御ロジックに連結されている基準信号の第2の入力とを含む。フラグ信号は、電圧部分と基準信号との間の差である。制御ロジックは、コンパレーターの第2の入力に第1のステップ電圧を印加するように構成されている。第1のステップ電圧は、第2の電圧に等しい。また、制御ロジックは、センシングデバイスから第1の値を取得するように構成されている。制御ロジックは、フラグ信号が1から0になることに応答して、コンパレーターの第2の入力に第2のステップ電圧を印加するようにさらに構成されており、第2のステップ電圧は、第3の電圧に等しく、第1のステップ電圧よりも大きい。いくつかの実装形態において、制御ロジックは、センシングデバイスから第2の値を取得するようにさらに構成されている。
【0095】
いくつかの実装形態において、複数のメモリーセルは、複数のTLCまたは複数のQLCのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実装形態において、複数のメモリーセルの行の最も高い閾値電圧は、TLCにおける最も高い閾値電圧のうちの少なくとも1つ、または、QLCにおける最も高い閾値電圧のうちの1つを含む。
【0096】
いくつかの実装形態において、メモリーデバイスは、3D NANDメモリーデバイスである。
【0097】
本開示の実装形態は、メモリーデバイスを動作させるための方法をさらに提供する。メモリーデバイスは、複数のメモリーストリングの中のメモリーセルのアレイであって、メモリーセルのアレイは、複数のメモリーセルの行で配置されている、メモリーセルのアレイと;複数のメモリーセルの行にそれぞれ連結されている複数のワードラインとを含む。方法は、複数のメモリーセルの行のうちの選択されたメモリーセルの行に読み取り動作を実施するステップを含む。選択されたメモリーセルの行は、選択されたワードラインに連結されている。読み取り動作を実施するステップは、複数のワードラインのそれぞれにワードライン電圧を印加するステップと、ワードライン電圧に応答したワードライン静電容量ローディングの変化に基づいて、複数のメモリーセルの行の最も高い閾値電圧を決定するステップとを含む。
【0098】
いくつかの実装形態において、ワードライン静電容量ローディングは、可変静電容量を含む。いくつかの実装形態において、複数のメモリーセルの行の最も高い閾値電圧を決定することは、可変静電容量の最大静電容量を決定することと、最大静電容量に基づいて最も高い閾値電圧を決定することとを含む。
【0099】
いくつかの実装形態において、方法は、最も高い閾値電圧に到達した時間を決定するステップ、最も高い閾値電圧に基づいて、読み取り動作における複数のワードラインの非選択されたワードラインに印加されるVpass電圧を決定するステップ、または、最も高い閾値電圧に基づいて、選択されたワードラインに印加される読み取り基準電圧を決定するステップをさらに含む。
【0100】
いくつかの実装形態において、方法は、最も高い閾値電圧に到達した時間において、複数のメモリーストリングの非選択されたメモリーストリングに連結されているSGトランジスターにターンオフ電圧を印加するステップ、読み取り動作において複数のワードラインの非選択されたワードラインにパス電圧を印加するステップ、または、選択されたワードラインに読み取り基準電圧を印加するステップのうちの少なくとも1つを実施するステップをさらに含む。
【0101】
いくつかの実装形態において、方法は、第1の電圧値から第2の電圧値へ、および、第2の電圧値から第3の電圧値へ、ワードライン電圧を増加させるステップをさらに含む。また、方法は、複数のワードラインにワードライン電圧を印加するステップを含む。
【0102】
いくつかの実装形態において、方法は、第1の電圧値と第2の電圧値との間でワードライン静電容量ローディングに充電される第1の静電容量に関連付けられる第1の値と、第2の電圧値と第3の電圧値との間でワードライン静電容量ローディングに充電される第2の静電容量に関連付けられる第2の値とを取得するステップをさらに含む。また、方法は、第1の値と第2の値との間の差を決定するステップを含むことが可能である。方法は、差が最大値に到達することに応答して、ワードライン静電容量ローディングの静電容量がワードライン静電容量ローディングの最大静電容量であるということを決定するステップをさらに含むことが可能である。
【0103】
いくつかの実装形態において、方法は、第3の電圧値が複数のメモリーセルの行の最も高い閾値電圧であるということを決定するステップをさらに含む。
【0104】
いくつかの実装形態において、方法は、第1の静電容量に関連付けられる第1の値を発生させるステップと、第2の静電容量に関連付けられる第2の値を発生させるステップとをさらに含む。
【0105】
いくつかの実装形態において、方法は、フラグ信号を発生させるステップをさらに含む。フラグ信号は、電圧発生器の入力に連結されている。いくつかの実装形態において、方法は、フラグ信号が1に等しいことに応答して、ワードライン電圧を増加させるステップと;フラグ信号が0に等しいことに応答して、ワードライン電圧を増加させることを止めるステップとを含む。
【0106】
いくつかの実装形態において、フラグ信号は、第1の時間期間および第2の時間期間において、それぞれ1に等しい。いくつかの実装形態において、フラグ信号は、第1の時間期間と第2の時間期間との間において、0に等しい。
【0107】
いくつかの実装形態において、方法は、ワードライン電圧に比例する電圧部分を取得するステップと、電圧部分を第1のステップ電圧と比較することによって、第1の時間期間においてワードライン電圧を増加させるステップとをさらに含む。第1のステップ電圧は、第2の電圧に等しい。いくつかの実装形態において、方法は、第1の値を取得するために第1の時間期間の長さをカウントするステップをさらに含む。いくつかの実装形態において、方法は、フラグ信号が1から0になることに応答して、電圧部分を第2のステップ電圧と比較することによって、第2の時間期間においてワードライン電圧を増加させるステップをさらに含む。第2のステップ電圧は、第3の電圧に等しく、第1のステップ電圧よりも大きい。いくつかの実装形態において、方法は、第2の値を取得するために第2の時間期間の長さをカウントするステップをさらに含む。
【0108】
いくつかの実装形態において、複数のメモリーセルは、複数のTLCまたは複数のQLCのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実装形態において、複数のメモリーセルの行の最も高い閾値電圧は、TLCにおける最も高い閾値電圧のうちの少なくとも1つ、または、QLCにおける最も高い閾値電圧のうちの1つを含む。
【0109】
特定の実装形態の先述の説明は、さまざまな用途に関して、容易に修正および/または適合され得る。したがって、そのような適合および修正は、本明細書に提示されている教示および指針に基づいて、開示されている実装形態の均等物の意味および範囲の中にあることを意図している。
【0110】
本開示の幅および範囲は、上記に説明された例示的な実装形態のいずれによっても限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲およびその均等物のみにしたがって定義されるべきである。
【符号の説明】
【0111】
102 閾値電圧分布
104 閾値電圧分布
300 システム
302 メモリーシステム
304 メモリーデバイス
306 メモリーコントローラー
308 ホスト
402 メモリーカード
404 メモリーカードコネクター
406 SSD
408 SSDコネクター
500 メモリーデバイス
501 メモリーセルアレイ
502 周辺回路
504 ブロック
506 メモリーセル
508 NANDメモリーストリング
510 ソース選択ゲート(SSG)
512 ドレイン選択ゲート(DSG)
513 DSGライン
514 ソースライン(SL)
515 SSGライン
516 ビットライン
518 ワードライン
520 ページ
602 基板
604 メモリースタック
606 ゲート導電性層
608 ゲート-ツー-ゲート誘電体層
612 チャネル構造体
614 ウェル
616 チャネルプラグ
618 メモリーフィルム
620 半導体チャネル
622 ブロッキング層
624 ストレージ層
626 トンネリング層
701 基準電圧決定モジュール
703 ワードライン電圧決定モジュール
704 ページバッファー/センスアンプ
705 静電容量比較モジュール
706 カラムデコーダー/ビットラインドライバー
707 後続動作制御モジュール
708 ローデコーダー/ワードラインドライバー
710 電圧発生器
712 制御ロジック
714 レジスター
716 インターフェース
718 データバス
720 センシングデバイス
802 ポンピングデバイス
804 コンパレーター
806 ANDゲート
808 フリップフロップ
902 ワードライン静電容量ローディング
CLK クロック信号
EN イネーブル信号
FLAG フラグ信号
GND グランド
P1 期間
P2 期間
P3 期間
Rt 抵抗器
Rb 抵抗器
T2 時間
T1 時間
T3 時間
t1 時間
t2 時間
V1 より高い値
V2 より高い値
Vfb ワードライン電圧部分
Vref_ramp 基準信号
R1 読み取り基準電圧
R2 読み取り基準電圧
t1 読み取り基準電圧
t2 読み取り基準電圧
tn 最も高い閾値電圧
WL ワードライン電圧
ΔV オーバードライブ値
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10A
図10B