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▶ ブルックス オートメーション ユーエス、エルエルシーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20240701BHJP
   B25J 9/06 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B25J9/06 D
【請求項の数】 34
(21)【出願番号】P 2019501426
(86)(22)【出願日】2017-07-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-12
(86)【国際出願番号】 US2017041177
(87)【国際公開番号】W WO2018013427
(87)【国際公開日】2018-01-18
【審査請求日】2020-07-01
【審判番号】
【審判請求日】2023-08-09
(31)【優先権主張番号】15/634,871
(32)【優先日】2017-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/361,325
(32)【優先日】2016-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522041444
【氏名又は名称】ブルックス オートメーション ユーエス、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ツァン、ビンセント ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】スー、チャールズ ダブリュー
【合議体】
【審判長】恩田 春香
【審判官】棚田 一也
【審判官】中野 浩昌
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-509083(JP,A)
【文献】特開2007-042799(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0298945(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
B25J 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理装置であって、前記基板処理装置は、
フレームと、
前記フレームに接続される第1のスカラアームであって、前記第1のスカラアームが、エンドエフェクタを有し、第1の径方向軸に沿って伸長および収縮するように構成される、第1のスカラアームと、
前記フレームに接続される第2のスカラアームであって、前記第2のスカラアームが、エンドエフェクタを有し、第2の径方向軸に沿って伸長および収縮するように構成される、第2のスカラアームと、
前記第1および第2のスカラアームに連結される駆動部とを備え、
前記駆動部が、前記駆動部の回転軸において一体として回転するように回転可能に取り付けられる分割駆動プーリを含み、前記回転軸が、前記第1および第2のスカラアームに共有され、
前記分割駆動プーリは、別個のベルトセグメントのそれぞれのセグメント化伝達ループによって少なくとも2つのアイドラプーリに連結され、前記分割駆動プーリは、前記駆動部の1自由度から前記少なくとも2つのアイドラプーリを共通して駆動するように、前記駆動部の1自由度を前記少なくとも2つのアイドラプーリの間で分割する共通のプーリであり、
それぞれの伝達ループの少なくとも1つのベルトが、共通のベルト接触レベルを共有する、
基板処理装置。
【請求項2】
前記分割駆動プーリが、2つの共有されるベルト接触レベルを有する、請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記分割駆動プーリが、3つのベルト接触レベルを有し、前記3つのベルト接触レベルのうちの少なくとも1つが、共有されるベルト接触レベルである、請求項1記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記分割駆動プーリは、取り外し可能なセグメントを有するセグメント化プーリであり、前記取り外し可能なセグメントが、前記取り外し可能なセグメントに取り付けられた前記セグメント化伝達ループのうちの対応するセグメント化伝達ループと共に前記回転軸から前記取り外し可能なセグメントを取り外せるように、前記3つのベルト接触レベルのうちの少なくとも1つを含み、前記取り外し可能なセグメントと係合する前記分割駆動プーリの係合セグメントが、前記係合セグメントに取り付けられた前記セグメント化伝達ループのうちの対応するセグメント化伝達ループと共に前記回転軸に残る、請求項記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記少なくとも2つのアイドラプーリのうちの一方が、前記第1のスカラアームの伸長および収縮を実現するために前記第1のスカラアームに接続され、前記少なくとも2つのアイドラプーリのうちの他方が、前記第2のスカラアームの伸長および収縮を実現するために前記第2のスカラアームに接続される、請求項1記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記少なくとも2つのアイドラプーリのうちの一方が、前記第1および第2のスカラアームの各々の肘回転軸に配置され、前記分割駆動プーリが、前記第1および第2のスカラアームの肩回転軸に配置される、請求項1記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記第1および第2のスカラアームが、前記第1および第2のスカラアームの各々の独立した伸長および収縮を実現するように構成される、請求項1記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記第1のスカラアームの伸長/収縮軸が、前記第2のスカラアームの伸長/収縮軸に対して傾斜する、請求項1記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記第1のスカラアームの伸長/収縮軸および前記第2のスカラアームの伸長/収縮軸が、前記第1および第2のスカラアームの肩回転軸の上で互いに上下に積み重ねられる、請求項1記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記別個のベルトセグメントの各々が、前記分割駆動プーリとともにベルト係合円弧を画定するベルト固定点を前記分割駆動プーリ上に有し、前記ベルト係合円弧と、それぞれのベルトセグメントと前記分割駆動プーリとの間で前記ベルト固定点が接線を形成する点との間に含まれる回転角が、略90度以下である、請求項1記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記基板処理装置が、ベルト固定点間の角度を変更するように前記駆動部の自由度を回転させるよう構成される制御部をさらに備える、請求項10記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記分割駆動プーリが、互いに対して移動可能なプーリセグメントを含み、各プーリセグメントが、各プーリセグメントに取り付けられる少なくとも1つのベルト固定点を有し、前記制御部が、前記プーリセグメントの間で相対回転を生じさせて、前記ベルト固定点間の前記角度の変更を実現するように構成される、請求項11記載の基板処理装置。
【請求項13】
基板処理装置であって、前記基板処理装置は、
フレームと、
前記フレームに接続される第1のスカラアームであって、前記第1のスカラアームが、エンドエフェクタを有し、第1の径方向軸に沿って伸長および収縮するように構成される、第1のスカラアームと、
前記フレームに接続される第2のスカラアームであって、前記第2のスカラアームが、エンドエフェクタを有し、第2の径方向軸に沿って伸長および収縮するように構成される、第2のスカラアームと、
前記第1および第2のスカラアームに連結される駆動部と、
前記駆動部に連結され、前記駆動部の回転軸において一体として回転するように回転可能に取り付けられる分割駆動プーリであって、前記回転軸が、前記第1および第2のスカラアームに共有される、分割駆動プーリと、
前記分割駆動プーリに連結される第1のアイドラプーリであって、前記第1のアイドラプーリは、前記第1のアイドラプーリと前記分割駆動プーリとの間を伸長する別個のベルトセグメントの第1のセグメント化伝達ループによって前記分割駆動プーリに連結される、第1のアイドラプーリと、
前記分割駆動プーリに連結される第2のアイドラプーリであって、前記第2のアイドラプーリは、前記第2のアイドラプーリと前記分割駆動プーリとの間を伸長する別個のベルトセグメントの第2のセグメント化伝達ループによって前記分割駆動プーリに連結され、前記分割駆動プーリは、前記駆動部の1自由度から前記第1および第2のアイドラプーリを共通して駆動するように、前記第1および第2のアイドラプーリの間で前記駆動部の1自由度を分割する共通のプーリである、第2のアイドラプーリとを備え、
前記第2のアイドラプーリは、前記第1のアイドラプーリが前記分割駆動プーリと接触するベルト係合円弧とは異なるベルト係合円弧上で前記分割駆動プーリと接触し、
前記第1および第2のセグメント化伝達ループの各々の少なくとも1つのベルトが、共通のベルト接触レベルを共有する、
基板処理装置。
【請求項14】
前記分割駆動プーリが、2つの共有されるベルト接触レベルを有する、請求項13記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記分割駆動プーリが、3つのベルト接触レベルを有し、前記3つのベルト接触レベルのうちの少なくとも1つが、共有されるベルト接触レベルである、請求項13記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記分割駆動プーリが、取り外し可能なセグメントを有するセグメント化プーリであり、前記取り外し可能なセグメントが、前記取り外し可能なセグメントに取り付けられた第1または第2のセグメント化伝達ループのうちの対応するセグメント化伝達ループと共に前記回転軸から前記取り外し可能なセグメントを取り外せるように、前記3つのベルト接触レベルのうちの少なくとも1つを含み、前記取り外し可能なセグメントと係合する前記分割駆動プーリの係合セグメントが、前記係合セグメントに取り付けられた第1または第2のセグメント化伝達ループのうちの対応するセグメント化伝達ループと共に前記回転軸上に残る、請求項15記載の基板処理装置。
【請求項17】
前記第1のアイドラプーリが、前記第1のスカラアームの伸長および収縮を実現するために前記第1のスカラアームに接続され、前記第2のアイドラプーリが、前記第2のスカラアームの伸長および収縮を実現するために前記第2のスカラアームに接続される、請求項13記載の基板処理装置。
【請求項18】
前記第1のアイドラプーリが、前記第1のスカラアームの肘回転軸に配置され、前記第2のアイドラプーリが、前記第2のスカラアームの肘軸に配置され、前記分割駆動プーリが、前記第1および第2のスカラアームの肩回転軸に配置される、請求項13記載の基板処理装置。
【請求項19】
前記第1および第2のスカラアームが、前記第1および第2のスカラアームの各々の独立した伸長および収縮を実現するように構成される、請求項13記載の基板処理装置。
【請求項20】
前記第1のスカラアームの伸長/収縮軸が、前記第2のスカラアームの伸長/収縮軸に対して傾斜する、請求項13記載の基板処理装置。
【請求項21】
前記第1のスカラアームの伸長/収縮軸および前記第2のスカラアームの伸長/収縮軸が、前記第1および第2のスカラアームの肩回転軸の上で互いに上下に積み重ねられる、請求項13記載の基板処理装置。
【請求項22】
前記別個のベルトセグメントの各々が、前記分割駆動プーリとともにそれぞれのベルト係合円弧を画定するベルト固定点を前記分割駆動プーリ上に有し、前記それぞれのベルト係合円弧と、それぞれのベルトセグメントと前記分割駆動プーリとの間で前記ベルト固定点が接線を形成する点との間に含まれる回転角が、略90度以下である、請求項13記載の基板処理装置。
【請求項23】
前記基板処理装置が、ベルト固定点間の角度を変更するように前記駆動部の自由度を回転させるよう構成される制御部をさらに備える、請求項22記載の基板処理装置。
【請求項24】
前記分割駆動プーリが、互いに対して移動可能なプーリセグメントを含み、各プーリセグメントが、各プーリセグメントに取り付けられる少なくとも1つのベルト固定点を有し、前記制御部は、前記プーリセグメントの間で相対回転を生じさせて、前記ベルト固定点間の前記角度の変更を実現するように構成される、請求項23記載の基板処理装置。
【請求項25】
基板を処理するための方法であって、前記方法は、
基板処理装置を設ける工程であって、前記基板処理装置は、
フレームと、
前記フレームに接続される第1のスカラアームであって、前記第1のスカラアームが、エンドエフェクタを有し、第1の径方向軸に沿って伸長および収縮するように構成される、第1のスカラアームと、
前記フレームに接続される第2のスカラアームであって、前記第2のスカラアームが、エンドエフェクタを有し、第2の径方向軸に沿って伸長および収縮するように構成される、第2のスカラアームと、
前記第1および第2のスカラアームに連結される駆動部とを備え、
前記駆動部が、前記駆動部の回転軸において一体として回転するように回転可能に取り付けられる分割駆動プーリを備え、前記回転軸が、前記第1および第2のスカラアームに共有され、
前記分割駆動プーリが、少なくとも2つのアイドラプーリの共通のプーリとなるように、別個のベルトセグメントのそれぞれのセグメント化伝達ループによって少なくとも2つのアイドラプーリに連結される、
基板処理装置を設ける工程と、
前記駆動部の1自由度から前記少なくとも2つのアイドラプーリを共通して駆動するように、前記分割駆動プーリにより、前記駆動部の1自由度を少なくとも2つのアイドラプーリの間で分割する工程とを含み、
それぞれの伝達ループの少なくとも1つのベルトが、共通のベルト接触レベルを共有する、方法。
【請求項26】
前記方法が、前記別個のベルトセグメントを、2つの共有されるベルト接触レベルにおいて、前記分割駆動プーリに接触させる工程をさらに含む、請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記方法が、前記別個のベルトセグメントを、3つのベルト接触レベルにおいて、前記分割駆動プーリに接触させる工程をさらに含み、前記3つのベルト接触レベルのうちの1つが、共有されるベルト接触レベルである、請求項25記載の方法。
【請求項28】
前記方法が、前記分割駆動プーリに取り外し可能なセグメントを設ける工程をさらに含み、前記取り外し可能なセグメントは、前記取り外し可能なセグメントに取り付けられた前記セグメント化伝達ループのうちの対応するセグメント化伝達ループと共に前記回転軸から前記取り外し可能なセグメントを取り外せるように、前記3つのベルト接触レベルのうちの少なくとも1つを含み、前記取り外し可能なセグメントと係合する前記分割駆動プーリの係合セグメントは、前記係合セグメントに取り付けられた前記セグメント化伝達ループのうちの対応するセグメント化伝達ループと共に前記回転軸に残る、請求項27記載の方法。
【請求項29】
前記方法が、前記少なくとも2つのアイドラプーリの一方を用いて前記第1のスカラアームの伸長および収縮を実現し、前記少なくとも2つのアイドラプーリの他方を用いて前記第2のスカラアームの伸長および収縮を実現する工程をさらに含む、請求項25記載の方法。
【請求項30】
前記方法が、前記第1および第2のスカラアームを互いに独立して伸長および収縮させる工程をさらに含む、請求項25記載の方法。
【請求項31】
前記方法が、前記第2のスカラアームの伸長/収縮軸に対して傾斜した軸に沿って前記第1のスカラアームを伸長および収縮させる工程をさらに含む、請求項25記載の方法。
【請求項32】
前記方法が、前記第1および第2のスカラアームの肩軸の上で互いに上下に積み重ねられた軸に沿って前記第1および第2のスカラアームを伸長および収縮させる工程をさらに含む、請求項25記載の方法。
【請求項33】
前記方法が、前記分割駆動プーリ上の前記別個のベルトセグメントの固定点間の角度を変更するように前記駆動部の自由度を回転させる工程をさらに含む、請求項25記載の方法。
【請求項34】
前記方法が、前記駆動部に連結された制御部により、前記分割駆動プーリのプーリセグメントの間で相対移動を生じさせることで、前記分割駆動プーリ上の前記別個のベルトセグメントの固定点間の角度の変更を実現する工程をさらに含む、請求項33記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2016年7月12日に出願された米国特許仮出願第62/361,325号の非仮出願であって、当該仮出願の利益を主張するものであり、当該仮出願のすべての開示は、本明細書において引用により援用される。
【0002】
[技術分野]
例示的な実施形態は、概して基板処理機器に関し、より特定的には、基板搬送装置に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体処理用双腕スカラ(選択的コンプライアンス多関節ロボットアーム)ロボットは、半導体処理モジュールの内外へウエハを移送するために使用され得る。双腕スカラロボットは、概して、処理モジュールに対して基板を内外へ高速交換することを可能にするものである。ここで、高速交換とは、双腕スカラロボットの肩軸を中心に双腕スカラロボットを一体として回転させることなく、また、実質的にバッテリー位置または完全収縮位置へアームを収縮させることなく、素早く連続して、1つの基板を処理モジュールから取り出して他の異なる基板を同じ処理モジュールへ載置することを意味し得る。
【0004】
概して、双腕スカラロボットの各アームは、肩軸を中心に回転可能なアッパーアームと、肘軸を中心に回転可能にアッパーアームに連結されたフォアアームと、手首軸を中心にフォアアームに連結されたエンドエフェクタもしくは基板保持部とを有する。概して、各フォアアームは、駆動部のさらに他の駆動軸(たとえば、自由度)によって両方のスカラアームが一体として回転している間に、駆動システムのそれぞれの駆動軸(たとえば、自由度)によって独立して駆動される。概して、図8Aおよび8Bを参照すると、フォアアームを駆動するための各駆動軸には、それぞれ駆動プーリ800、810が設けられ(たとえば、各フォアアームが1つのプーリを有する)、各プーリ800、810は、それぞれの伝達ループ803、813を駆動する。各伝達ループ803、813は、プーリ800、810の回転軸を中心として180度の範囲に渡って延びる円弧を覆うようにそれぞれのプーリ800、810の周りに巻かれた2つのベルト801、802、811、812からなる。ここで、ベルト801、802、811、812は、各プーリ800、810上において互いに上下に積み重ねられる必要があり、それによって単一のベルト801、802、811、812の高さの少なくとも2倍となるように各プーリの高さPHが画定される。このようなことから、従来の双腕スカラロボットの場合、積み重ねられたフォアアームのプーリ800、810の高さは、単一のベルト801、802、811、812の高さBHの少なくとも4倍となり得る。同様に、フォアアーム駆動プーリ800、810は、並んで位置し(たとえば、双腕スカラアームの肩軸が並んで位置するように)、プーリが並んだ配置の高さは、単一のベルト801、802、811、812の高さBHの少なくとも2倍となり得る。
【発明の概要】
【0005】
基板搬送ロボットは、概して搬送チャンバ内で動作し、搬送チャンバの内部高さは、アームと搬送チャンバの壁との間の必要な動作公差に加えて、たとえば、搬送ロボットの双腕スカラアームの高さ、アームのZ移動範囲を収容する。
【0006】
搬送チャンバの内部高さを減少させることによって搬送チャンバの内部容積を減少させるために、搬送アームプーリシステムの高さを減少させることは有利となる。移送チャンバの内部容積を減少させると、チャンバを減圧して真空にする、および/またはチャンバを排気して大気圧にする際にかかる時間が減少するため、半導体処理システムの処理量が増加し得る。さらに、搬送チャンバ全体の高さを減少させることにより、搬送チャンバのコストが減少する。
【0007】
さらに、基板搬送ロボットの現在の温度仕様は、およそ室温から100℃の範囲である。温度が上昇すると、少なくとも搬送ロボットアームリンクとベルト801、802、811、812との間の熱膨張係数の差によって、プーリとベルト801、802、811、812の長さとの間に距離の差がもたらされる。この差により、ベルト801、802、811、812の張力が増加もしくは減少する可能性があり、ベルトの固有振動数にずれが生じると共に、ロボットアームの剛性も変化させる可能性がある。概して、ベルト張力は、バネとプーリとを備えた引張機構を用いることによって維持される。
【0008】
ベルトの一定の張力を受動的に維持する(たとえば、バネ力なしに)ために、材料の機械特性を用いて動作する受動ベルトテンショナを有することは有利となる。また、搬送装置伝達ループのベルトセグメントにおいて一定の張力が維持されるようにアームの熱膨張を受動的に補償することも有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
開示の実施形態における上記の態様および他の特徴については、添付の図面と関連させて以下に説明する。
【0010】
図1】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る基板搬送装置を示す概略図である。
図2】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る基板搬送装置の一部を示す概略図である。
図3A】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る図1の基板搬送装置の一部を示す概略図である。
図3B】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る図1の基板搬送装置の一部を示す概略図である。
図4】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る基板搬送装置を示す概略図である。
図5A】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る基板搬送装置を示す概略図である。
図5B】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る基板搬送装置を示す概略図である。
図5C】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る基板搬送装置を示す概略図である。
図5D】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る基板搬送装置を示す概略図である。
図5E】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る基板搬送装置を示す概略図である。
図5F】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る基板搬送装置を示す概略図である。
図5G】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る基板搬送装置を示す概略図である。
図6A】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る基板搬送装置の一部を示す概略図である。
図6B】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る基板搬送装置の一部を示す概略図である。
図7A】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る基板搬送装置の一部を示す概略図である。
図7B】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る基板搬送装置の一部を示す概略図である。
図7C】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る基板搬送装置の一部を示す概略図である。
図7D】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る基板搬送装置の一部を示す概略図である。
図7E】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る基板搬送装置の一部を示す概略図である。
図7F】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る基板搬送装置の一部を示す概略図である。
図7G】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る基板搬送装置の一部を示す概略図である。
図7H】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る基板搬送装置の一部を示す概略図である。
図8A】従来の基板搬送装置の一部を示す概略図である。
図8B】従来の基板搬送装置の一部を示す概略図である。
図9A】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る基板搬送装置の一部を示す概略図である。
図9B】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る基板搬送装置の一部を示す概略図である。
図10A】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る基板搬送装置の一部を示す概略図である。
図10B】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る基板搬送装置の一部を示す概略図である。
図11A】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る基板搬送装置を示す概略図である。
図11B】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る基板搬送装置を示す概略図である。
図11C】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る基板搬送装置を示す概略図である。
図11D】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る基板搬送装置を示す概略図である。
図11E】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る基板搬送装置を示す概略図である。
図12】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係るフロー図である。
図13A】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る基板搬送装置の一部を示す概略図である。
図13B】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る基板搬送装置の一部を示す概略図である。
図13C】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る基板搬送装置の一部を示す概略図である。
図14A】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る基板搬送装置の一部を示す概略図である。
図14B】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る基板搬送装置の一部を示す概略図である。
図15】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る基板搬送装置の一部を示す概略図である。
図16】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る基板搬送装置の一部を示す概略図である。
図17A】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る基板搬送装置の一部を示す概略図である。
図17B】開示の実施形態の1つまたは複数の態様に係る基板搬送装置の一部を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、開示の実施形態の態様に係る双腕スカラアーム処理装置100(以下、「搬送装置100」ともいう)を示す。図面を参照して開示の実施形態の態様について説明するが、開示の実施形態の態様は多くの形式で具現化され得ることを理解すべきである。さらに、要素または材料については、任意の大きさ、形状、または種類が用いられ得る。
【0012】
一態様において、搬送装置100は、キャリッジまたはフレーム106と、少なくとも2つのスカラアームと、フレームに取り付けられ、第1および第2のスカラアーム110、120に連結される駆動部108とを備える。任意の適切な制御部199は、駆動部108に接続され、本明細書において説明する搬送装置100の動作を実現するための任意の適切なプログラムコードを有する。一態様において、少なくとも2つのスカラアームは、フレーム106に接続された第1のスカラアーム110と、フレーム106に接続された第2のスカラアーム120とを含む。第1のスカラアーム110は、アッパーアームリンク110Uの近位端において肩回転軸SAXを中心に回転可能にフレーム106に接続されたアッパーアームリンク110Uと、フォアアームリンク110Fの近位端において肘回転軸EX1を中心に回転可能にアッパーアームリンク110Uの遠位端に接続されたフォアアームリンク110Fと、手首回転軸WX1を中心に回転可能にフォアアームリンク110Fの遠位端に連結されたエンドエフェクタ110Eとを有する。第2のスカラアーム120は、アッパーアームリンク120Uの近位端において肩回転軸SAXを中心に回転可能にフレーム106に接続されたアッパーアームリンク120Uと、フォアアームリンク120Fの近位端において肘回転軸EX2を中心に回転可能にアッパーアームリンク120Uの遠位端に接続されたフォアアームリンク120Fと、手首回転軸WX2を中心にフォアアームリンク120Fの遠位端に回転可能に連結されたエンドエフェクタ120Eとを有する。単一のエンドエフェクタ110E、120Eのみが各手首回転軸WX1、WX2に連結されているものとして示されているが、他の態様においては、任意の適切な数のエンドエフェクタを1つまたは複数の手首軸WX1、WX2に連結し、搬送装置100の単一のスカラアーム110、120を用いた基板の一括移送または基板の高速交換を実現しても良い。この態様において、肩回転軸SAXは第1および第2のスカラアーム110、120の両方に共通する一方、他の態様において、第1および第2のスカラアーム110、120は、並んで配置されたそれぞれの肩回転軸を有しても良い。
【0013】
また、図2図3A、および図3Bをすると、一態様において、駆動部108は、任意の適切な方法でフレーム106に取り付けられる。一態様において、駆動部108は3軸(たとえば、自由度)駆動部である一方、他の態様において、駆動部は任意の適切な数の駆動軸を有しても良い。一態様において、駆動部108は、概して、駆動シャフト組立体241と、3つのモータ242、244、246とを備える。この態様において、駆動シャフト組立体241は、3つの駆動シャフト250A、250B、250Cを有する。理解されるように、駆動システムは、3つのモータおよび3つの駆動シャフトに限定されない。第1のモータ242は、ステータ248Aと、中間シャフト250Aに接続されたロータ260Aとを備える。第2のモータ244は、ステータ248Bと、外側シャフト250Bに接続されたロータ260Bとを備える。第3のモータ246は、ステータ248Cと、内側シャフト250Cに接続されたロータ260Cとを備える。3つのステータ248A、248B、248Cは、フレーム106に沿った異なる垂直方向の高さまたは位置においてフレーム106に静的に取り付けられる(なお、全体が本明細書において引用により援用される、2011年11月10日に出願された米国特許出願第13/293,717号明細書および2011年8月30日に付与された米国特許第8,008,884号明細書に記載の径方向入れ子モータを含む3軸駆動システムも、搬送装置100を駆動するために使用されても良い)。例示のみを目的として、第1のステータ248Aは中間ステータであり、第2のステータ248Bは上部ステータであり、第3のステータ248Cは下部ステータである。各ステータは、概して、電磁コイルを備える。3つの駆動シャフト250A、250B、250Cは、同軸の駆動シャフトとして配置される。3つのロータ260A、260B、260Cは、永久磁石からなるのが好ましいが、代わりに、永久磁石を有さない磁気誘導ロータを備えても良い。ステータ248A、248B、248Cをスカラアーム110、120の動作環境に対して封止するとともに、駆動シャフト組立体241が真空環境内にあって、ステータ248A、248B、248Cが真空環境外にある状態で搬送装置100を真空環境内で使用可能とするために、スリーブもしく薄いカンシール(can seal)262をロータ260A、260B、260Cとそれぞれのステータ248A、248B、248Cとの間に配置するのが好ましい。しかし、搬送装置100が大気環境のみにおける使用を意図している場合、スリーブ262を設ける必要はない。
【0014】
第3のシャフト250Cは、内側シャフトであって、下部ステータ248Cから伸長する。内側シャフト250Cは、下部ステータ248Cに対して整列した第3のロータ260Cを有する。中間シャフト250Aは、中間ステータ248Aから上方へ伸長する。中間シャフトは、第1のステータ248Aに対して整列した第1のロータ260Aを有する。外側シャフト250Bは、上部ステータ248Bから上方へ伸長する。外側シャフトは、上方ステータ248Bに対して整列した第2のロータ260Bを有する。各シャフトが互いに対して、およびフレーム106に対して独立して回転可能となるように、様々な軸受がシャフト250A~250Cおよびフレーム106の周りに設けられる。一態様において、各シャフト250A~250Cには、位置センサ264が設けられ得る。位置センサ264は、シャフト250A~250Cの互いに対する回転位置、および/またはフレーム106に対する回転位置を信号で制御部199に知らせるために使用される。光学センサまたは誘導センサ等、任意のセンサが使用され得る。駆動部108は、搬送装置100のアッパーアームリンク110U、120U、フォアアームリンク110F、120F、およびエンドエフェクタ110E、120Eを一体として肩回転軸SAXに対して実質的に平行な(たとえば、沿った)方向へ移動させるための1つまたは複数の適切なZ軸駆動部190も有する。他の態様において、搬送装置100の1つまたは複数の回転接合部(手首軸もしくは肘軸等)は、たとえば、各アームのエンドエフェクタを互いにZ方向において独立して移動させるために、Z軸駆動部を有していてもよい。
【0015】
一態様において、外側シャフト250Bおよびアッパーアームリンク110Uが一体として肩回転軸SAXを中心に回転するように、外側シャフト250Bがアームリンク110Uに連結される。中間シャフト250Aおよびアッパーアームリンク120Uが一体として肩回転軸SAXを中心に回転するように、中間シャフト250Aがアッパーアームリンク120Uに連結される。他の態様において、外側シャフト250Bがアッパーアームリンク120Uに連結されてもよく、中間シャフト250Aがアッパーアームリンク110Uに連結されてもよい。内側シャフト120Cは、各フォアアームリンク110F、120Fを共通して駆動するように、フォアアームリンク110F、120Fの各々に接続される。
【0016】
一態様において、図1図3A、および図3Bに示されるように、アッパーアームリンク110U、120Uおよびフォアアームリンク110F、120Fは、略等しい長さを有し得る。一方、他の態様において、アッパーアームリンク110U、120Uおよびフォアアームリンク110F、120Fは、等しくない長さを有し得る。他の態様において、第1および第2のスカラアーム110、120が図4に示すような収縮構成となっている時にエンドエフェクタ110E、120Eの伸長方向400とは逆の方向にアッパーアームリンク110U、120Uおよびフォアアームリンク110F、120Fが回り込む(たとえば、手首回転軸WX1、WX2および肘回転軸EX1、EX2が肩回転軸SAXの後方に位置する)ように、エンドエフェクタ110E、120Eは所定の長さを有し得る。図1図3A図3B、および図4に示す態様において、一方のエンドエフェクタ110E、120Eが他方のエンドエフェクタ110E、120Eを通過するとともに、スカラアーム110、120の両方に共通であって肩回転軸SAXを通る伸長軸R(図3Aおよび図3B参照)に沿って各スカラアーム110、120が独立して伸長および収縮するように、エンドエフェクタ110E、120Eは、異なる面において肩軸SAXの上で互いに積み重ねられる。他の態様において、図5A図5Gを参照すると、エンドエフェクタ110E、120Eは、同一面上に位置し得る(たとえば、互いに通過しない)。ここでは、第1および第2のスカラアーム110、120の各々の伸長/収縮軸400Rは互いに対して傾斜しており、伸長/収縮軸400R間の角度は、スカラアーム110、120が位置する移送チャンバ5020に連結された処理モジュールPM1~PM4間の角度に対応する。
【0017】
以下、図6Aを参照しながら、搬送装置100についてさらに詳細に説明する。上述のように、一態様において、各アッパーアームリンク110U、120Uがそれぞれの駆動シャフト250A、250Bの動力によって独立して肩回転軸SAXを中心に回転するように、外側駆動シャフト250Bはアッパーアームリンク120Uに連結され、中間駆動シャフト250Aはアッパーアームリンク110Uに連結される。ここでは、肩回転軸SAXは第1および第2のスカラアーム110、120に共有されている。内側駆動シャフト250Cは、内側駆動シャフト250Cに連結された分割駆動プーリ606(図9Aおよび図9Bの分割駆動プーリ906も参照)を介してフォアアームリンク110F、120Fの両方に接続される。ここでは、分割駆動プーリ606、906は、内側駆動シャフト250Cの動力によって駆動部106の肩回転軸SAXにおいて一体として回転するように回転可能に取り付けられる。一態様において、分割駆動プーリ606、906は、少なくとも一部がアッパーアームリンク110U、120Uの各々の内部に位置する。搬送装置100が2つ以上のスカラアーム(たとえば、少なくとも2つ)を有する他の態様において、少なくとも2つのスカラアームの各アッパーアームリンクを駆動するための駆動軸と、少なくとも2つのスカラアームのフォアアームリンクに接続された少なくとも1つの分割駆動プーリを駆動するための追加の駆動軸とが設けられてもよく、たとえば、各分割駆動プーリが少なくとも2つのフォアアームを回転駆動する。一態様において、分割駆動プーリ606、906は、少なくとも2つのアイドラプーリ600、601に連結され、少なくとも2つのアイドラプーリ600、601の一方が、第1のスカラアーム110の伸長および収縮を実現するために第1のスカラアーム110に接続され、少なくとも2つのアイドラプーリ600、601の他方が、第2のスカラアーム120の伸長および収縮を実現するために第2のスカラアーム120に接続される。
【0018】
一態様において、アッパーアームリンク110U、120Uの各々は、肘回転軸EX1、EX2のそれぞれに位置するアイドラプーリ600、601を有する。各アイドラプーリ600、601は、アッパーアームリンク110U、120Uとは独立して肘回転軸EX1、EX2を中心に回転するように、それぞれの肘回転軸EX1、EX2を中心としてそれぞれのアッパーアームリンク110U、120Uに取り付けられる。たとえば、肘回転軸EX1、EX2を中心とした回転のために、アイドラプーリ600、601が取り付けられるアッパーアームリンク110U、120U内に任意の適切な軸受620A、620Bが設けられ得る。アイドラプーリ600、601がそれぞれのフォアアームリンク110F、120Fとともに一体としてそれぞれの肘回転軸EX1、EX2を中心に回転するように、各アイドラプーリ600、601はそれぞれのフォアアームリンク110F、120Fに連結される。
【0019】
各スカラアーム110、120の伸長/収縮軸に沿ったエンドエフェクタ110E、120Eの整列を維持するように、各エンドエフェクタ110E、120Eは、それぞれのスカラアーム110、120のアッパーアームリンク110U、120Uに従属する。たとえば、一態様において、アッパーアームリンク110Uに対して肘駆動プーリ603が回転可能に固定されるように、肘駆動プーリ603は、肘回転軸EX1を中心としてスカラアーム110のアッパーアームリンク110Uに任意の適切な方法で取り付けられる。アイドラプーリ604は、手首軸WX1を中心とした回転のために、フォアアームリンク110F内に任意の適切な方法で取り付けられる。エンドエフェクタ110Eは、アイドラプーリ604とともに一体として手首軸WX1を中心に回転するように、アイドラプーリ604に取り付けられる。アイドラプーリ604は、少なくとも2つの別個のベルト(本明細書中に記載のベルトセグメント701、702、711、712と実質的に同様)を有するセグメント化伝達ループ660を用いる等の任意の適切な方法で肘駆動プーリ603に連結される。ここでは、フォアアームリンク110Fがアッパーアームリンク110Uに対して移動するとフォアアームリンク110Fが肘駆動プーリ603に対して肘回転軸EX1を中心に相対的に回転し、一方のベルトがアイドラプーリ604を押し、他方のベルトがアイドラプーリ604を引っ張り、これによってアイドラプーリ604の回転を実現するとともに、伸長/収縮軸に沿ったエンドエフェクタ110Eの整列を維持するように、ベルトの各々は、アイドラプーリ604および肘駆動プーリ603の少なくとも一部に逆方向に巻かれる。同様に、肘駆動プーリ602がアッパーアームリンク120Uに対して回転可能に固定されるように、肘駆動プーリ602は、肘回転軸EX2を中心としてスカラアーム120のアッパーアームリンク120Uに任意の適切な方法で取り付けられる。アイドラプーリ605は、手首軸WX2を中心とした回転のために、フォアアームリンク120F内に任意の適切な方法で取り付けられる。エンドエフェクタ120Eは、アイドラプーリ605とともに一体として手首軸WX2を中心に回転するように、アイドラプーリ605に取り付けられる。アイドラプーリ605は、少なくとも2つの別個のベルト(本明細書中に記載のベルトセグメント701、702、711、712と実質的に同様)を有するセグメント化伝達ループ661を用いる等の任意の適切な方法で肘駆動プーリ602に連結される。ここで、フォアアームリンク120Fがアッパーアームリンク120Uに対して移動すると肘駆動プーリ602がフォアアームリンク120Fに対して肘回転軸EX2を中心に相対的に回転し、一方のベルトがアイドラプーリ605を押し、他方のベルトがアイドラプーリ605を引っ張り、これによってアイドラプーリ605の回転を実現するとともに、伸長/収縮軸に沿ったエンドエフェクタ120Eの整列を維持するように、ベルトの各々は、アイドラプーリ605および肘駆動プーリ602の少なくとも一部に逆方向に巻かれる。
【0020】
また、図7A図7Cおよび図9A図9Bを参照すると、分割駆動プーリ606、906は、それぞれのセグメント化伝達ループ700、710によってアイドラプーリ600、601に連結される。セグメント化伝達ループ700は別個のベルトセグメント701、702を有し、セグメント化伝達ループ710は別個のベルトセグメント711、712を有する。各セグメント化伝達ループ700、710のベルトセグメント701、702、711、712は、分割駆動プーリ606、906からそれぞれのアイドラプーリ600、601へのトルクの方向に対する対向ベルトとして配置される。ここでは、少なくともアイドラプーリが同時かつ同方向に分割駆動プーリ606、906によって(ひいては、駆動部108の対応する自由度で)駆動されるように、それぞれのセグメント化伝達ループ710、711は、分割駆動プーリ606、906からそれぞれのアイドラプーリ600、601へ向かって互いに対向する。なお、2つのアイドラプーリ600、601は分割駆動プーリに連結されるものとして示されているが、他の態様において、少なくとも2つのアイドラプーリは、駆動部の単一の自由度によって与えられる動力が少なくとも2つのアイドラプーリで分割されるように、分割駆動プーリに連結される。ここで、分割駆動プーリ606、906は、駆動部106の1自由度から少なくとも2つのアイドラプーリ600、601を共通して駆動するように、少なくとも2つのアイドラプーリ600、601の間で駆動部の1自由度を分割する共通のプーリである。以下でより詳細に説明するように、分割駆動プーリ606、906は、ベルトセグメント701、702、711、712が分割駆動プーリ606、906に固定される複数のベルト接触レベル(band interface level)または面を有する。一態様において、以下で説明するように、それぞれの各伝達ループ700、710のベルトセグメント701、702、711、712のうちの少なくとも1つは、互いに上下に配置されるのではなく共通のベルト高さとなるように、共通のベルト接触レベルを共有する(たとえば、共通の面に位置する)。これにより、分割駆動プーリ606、906(肩またはハブプーリともいう)は、従来の肩もしくはハブプーリと比較して高さが小さいものとして説明され、これに対応し、双腕スカラ搬送装置は、結果として得られる高さが従来の双腕スカラ搬送装置よりも小さくなる。
【0021】
図9Aおよび図9Bを参照すると、一態様において、分割駆動プーリは、2つのベルト接触レベル906L1、906L2を有する。ここでは、各ベルト接触レベル906L1、906L2は共通のベルト接触レベルである。たとえば、セグメント化伝達ループ700のベルトセグメント701およびセグメント化伝達ループ710のベルトセグメント712は、ベルトセグメント701、712が以下で説明する分割駆動プーリ606に対する方法と同様の方法で共通のベルト高さBHを共有するように、それぞれのベルト固定点770、772においてベルト接触レベル906L2で分割駆動プーリ906に連結される。セグメント化伝達ループ700のベルトセグメント702およびセグメント化伝達ループ710のベルトセグメント711は、ベルトセグメント702、711が以下で説明する分割駆動プーリ606に対する方法と同様の方法で共通のベルト高さBHを共有するように、それぞれのベルト固定点771、773においてベルト接触レベル906L1で分割駆動プーリ906に連結される。ここで、分割駆動プーリ906は1つの部品からなる一体部材である。他の態様において、分割駆動プーリは、以下で説明するように、2つ以上の部品からなっても良い。
【0022】
図6Bおよび図7A図7Cを参照すると、一態様において、少なくとも2つのスカラアーム110、120のうちの一方は、取り外し可能なスカラアームであり得る。たとえば、第1のスカラアーム110は一体としてフレーム106から取り外し可能であり得る一方、第2のスカラアーム120はフレーム106に取り付けられたままとなる。この態様において、分割駆動プーリ606は、肩回転軸SAXからプーリセグメント606Bを取り外すように少なくとも1つのベルト接触レベルを含む取り外し可能なプーリセグメント606Bを有する分割プーリである。プーリセグメント606A、606Bは、プーリセグメント606Bをプーリセグメント606Aから取り外すことができる一方、プーリセグメント606Aが肩回転軸に固定されたままとなり、それぞれの各スカラアーム110、120の伝達ループ700、710のベルトセグメント701、702、711、712が対応するプーリセグメント606A、606Bに固定されたままとなるように構成される。たとえば、プーリセグメント606Bは、肩回転軸SAXを中心に回転可能にアッパーアームリンク110Uに取り付けられ得る一方、プーリセグメント606Aは、肩回転軸SAXを中心に回転可能にアッパーアームリンク120Uに取り付けられ得る。伝達ループ700のベルトセグメント701、702は、プーリセグメント606Bに連結される一方、伝達ループ710のベルトセグメント711、712は、プーリセグメント606Aに連結される。伝達ループ700およびプーリセグメント606Bがスカラアーム110に固定された状態でスカラアーム110が取り外され得るように、スカラアーム110が搬送装置100から取り外される際、プーリセグメント606Bはアッパーアーム110Uに固定されたままとなる一方、プーリセグメント606Aはアッパーアーム120Uに固定されたままとなる。
【0023】
一態様において、プーリセグメント606A、606Bの各々は、他方のプーリセグメント606A、606Bの対応する係合特徴部と係合する少なくとも1つの係合特徴部を有する。ここでは、プーリセグメント606A、606Bが一体として肩回転軸SAXを中心に回転するように、係合特徴部は、プーリセグメント606Aをプーリセグメント606Bに回転可能に固定する(すなわち、プーリセグメントは所定の回転方向において互いに固定される)。たとえば、一態様において、プーリセグメント606Aは、プーリセグメント606Bの係合面710と係合する係合面730を有する。また、プーリセグメント606Aは、プーリセグメント606Bの係合面741と係合する係合面731も有する。係合面730、731、740、741は、プーリセグメントが一体として肩回転軸SAXを中心に回転するようにプーリセグメント606A、606Bを回転可能に固定するものとして図示および説明されるが、他の態様において、プーリセグメント606A、606Bは、1つまたは複数のピン、クリップ、肩ボルト、もしくは他の適切な締結具等により任意の適切な方法で回転可能に固定され得る。図6A図6Bから理解されるように、開示の実施形態の態様におけるスカラアームの小さい高さは、2つのスカラアームから1つのスカラアームへ、またはその逆へ容易に再構成され得る。さらに、図6A図6Bに示される例示的なアーム構成は、相互に交換可能、もしくは上述のように一体として交換可能であり得る少なくとも1つのスカラアームを有する。
【0024】
図7A図7Dに見られるように、分割駆動プーリ606は、2つの伝達ループ700、710の4つのベルトセグメント701、702、711、712を収容する3つのベルト接触レベル606L1、606L2、606L3を含む。一態様において、取り外し可能なプーリセグメント606Bは、ベルト接触レベル606L1と、ベルト接触レベル606L2の接触レベル部606L2Bとを含む。プーリセグメント606Aは、ベルト接触レベル606L2の接触レベル部606L2Aと、接触レベル606L3とを含む。この態様において、ベルトセグメント701がベルト固定点770においてプーリセグメント606Bの接触レベル606L1に連結される一方、ベルトセグメント702がベルト固定点771においてプーリセグメント606Bの接触レベル部606L2Bに連結される。ベルトセグメント712がベルト固定点772においてプーリセグメント606Aのベルト接触レベル606L3に連結される一方、ベルトセグメント711は、ベルト接触レベル606L2がベルトセグメント702およびベルトセグメント711の両方に共通となるように、ベルト固定点773においてプーリセグメント606Aの接触レベル部606L2Aに連結される。
【0025】
また、図7E図7Hを参照すると、分割駆動プーリ606、609上の各ベルト固定点770~773の位置により、分割駆動プーリ606に対するベルト係合円弧A1、A2、A11、A12が画定される。分割駆動プーリ606に対するベルト係合円弧A1、A2、A11、A12は、ベルト係合円弧A1、A2、A11、A12と、それぞれのベルトセグメント701、702、711、712と分割駆動プーリ606との間でベルト固定点770、771、772、773が接線を形成する接点T1、T2、T11、T12との間に含まれる回転角α1、α2、α11、α12が約90度以下となるように画定される。
【0026】
図7A図7Hを参照すると、一態様において、分割駆動プーリ606、609、および分割駆動プーリ606、609が伝達ループ700、710によって連結される少なくとも2つのアイドラプーリ600、601は、肩軸SAXから所定距離だけ離れて配置された所定の基板保持位置に対する基板の取り出しおよび載置のためにスカラアーム110、120を伸長および収縮させるためにそれぞれのフォアアームリンク110F、120Fを十分に回転させる任意の適切な駆動比を有する。たとえば、分割駆動プーリ606、609とアイドラプーリ600、601の各々との比は、分割駆動プーリ606、609上のベルト固定点770、771、772、773が、各スカラアーム110、120の伸長動作(すなわち、アームスカラ110、120を完全に伸長および収縮させるためのアイドラプーリ600、601の回転を実現する駆動軸周りの回転)の回転角β(図3Aおよび図3B参照)によって分割駆動プーリ606、609上に少なくとも1つの円弧(たとえば、円弧A1、A2、A11、A12)を生じさせる位置にあり、円弧A1、A2、A11、A12の一方の端部E1における1つのベルトセグメント701、702、711、712のベルト固定点770、771、772、773が、同じまたは異なるベルト接触レベル606L1、606L2、606L3上において対向するベルトセグメント701、702、711、712のベルト固定点770、771、772、773と一致しないように、構成される。たとえば、図7A図7Cおよび図9Aに示されるように、対向するベルトセグメント701、702のベルト固定点770、771は実質的に互いの上下に位置し、対向するベルトセグメント711、712のベルト固定点772、773は実質的に互いの上下に位置する。他の態様において、ベルト固定点770、771、772、773は、対向するベルトセグメント701、702、711、712のベルト固定点770、771、772、773から任意の適切な量だけ周方向に離れていてもよい。図7A図7Hおよび図9A図9Bに示される例において、ベルト固定点770、771は、分割駆動プーリ606、906が約±90度回転することによってアイドラプーリ600、601が約±180度回転するように、ベルト固定点772、773から約180度離れて示されているが、分割駆動プーリ606、906とアイドラプーリ600、601との駆動比が約2:1より大きい(以下で説明する)他の態様において、分割駆動プーリの円周に沿ったベルト固定点間の相対位置は、約180度の離間とは異なり得る。
【0027】
円弧A1、A2、A11、A12の他方の端部E2において、ベルト固定点770、771、772、773は、ベルト係合円弧A1、A2、A11、A12の端部E1と接点T1、T2、T11、T12との間に含まれる回転角α1、α2、α11、α12が約90度以下となるように位置付けられる(すなわち、ベルトセグメント701、702、711、712は、分割駆動プーリ606に接し、分割駆動プーリ606、906周りにおいてベルトセグメント701、702、711、712の湾曲のない状態で純粋な張力がかかっている)。
【0028】
一態様において、分割駆動プーリ606、906およびアイドラプーリ600、601は、制御部90によって分割駆動プーリ606、906が約±90度(たとえば、ベルト係合円弧A1、A2、A11、A12に対応)回転することによって各アイドラプーリ600、601が約±180度回転するように、約2:1の比を有する。上述のように、他の態様において、分割駆動プーリ606、906とアイドラプーリ600、601との駆動比は2:1より大きくても良い。たとえば、分割駆動プーリ606、906とアイドラプーリ600、601との駆動比は、約2.5:1、約3:1、約4:1、または、本明細書において説明するような、スカラアーム110、120の完全な伸長および収縮、および/もしくは肩軸SAXを中心とした一方のスカラアーム110、120の他方のスカラアーム110、120に対する回転(たとえば、図5A図5G参照)を実現するように構成された任意の他の適切な駆動比であっても良い。理解されるように、制御部190は、分割駆動プーリ606、906とアイドラプーリ600、601との駆動比が約2:1より大きい場合に、スカラアーム110、120を完全に伸長および収縮させるために、駆動比に応じて、分割駆動プーリ606、906の任意の適切な回転量を実現するように構成される。
【0029】
図10Aおよび図10Bを参照すると、ベルト固定点770~773(ベルト固定点770のみが示されるが、他のベルト固定点はベルト固定点770についての説明と実質的に同様であることを理解すべきである)は、それぞれのベルトセグメント701、702、711、712を分割駆動プーリ606、906に連結する。さらに、分割駆動プーリ606に対するベルト固定点について説明するが、分割駆動プーリ906(およびプーリ600、601、602、603、604、605のベルト固定点)についても実質的に同様であることを理解すべきである。たとえば、一態様において、各ベルト固定点770~773は、ピン1062が取り付けられる基部1084を有する。各ベルトセグメント701、702、711、712の端部は、ピン1062の凸部1080が突出する穴を有する。保持ばねクリップ1082または任意の他の適切な保持具が、凸部1080に取り付けられ、ベルトセグメント701、702、711、712を凸部1080に固定する。凸部1080は、基部1084から突出し、ベルトセグメント701、702、711、712の取り付け位置を設ける。他の態様において、凸部1080は、分割駆動プーリ606、906の周方向の縁部または周方向の側部から直接突出し得る。一態様において、ベルトセグメント701、702、711、712が凸部1080の周りを自在に回動するように、ベルトセグメント701、702、711、712の穴は凸部1080よりも僅かに大きく、保持クリップ1082はベルトセグメント701、702、711、712をきつく保持しない。一態様において、基部1084は、ピン1062の位置調整を可能としてベルトセグメント701、702、711、712の張力を調整する、調整可能な基部である。たとえば、ねじ1086は、分割駆動プーリ606、906の入口開口に入り込み、分割駆動プーリ606、906に隣接する締め付けウェッジ1088を保持する。締め付けウェッジ1088の一方の面は、基部1084の斜面1090と係合する。ベルトセグメント701、702、711、712の張力を増加させる場合、ねじ1086が締め付けられ、締め付けウェッジ1088が矢印Aの方向へ押下される。これにより、ウェッジ1088が斜面1090に対して押され、基部1084が矢印Bの方向に摺動させられる。逆に、ベルトセグメント701、702、711、712の張力を減少させる場合、ねじ1086が緩められる。他の態様において、ベルトセグメント701、702、711、712は、分割駆動プーリ606、906および搬送アーム100の他のプーリ600、601、602、603、604、605に任意の適切な方法で連結され得る。ベルト固定点の適切な例は、1998年7月14日に付与された米国特許第5,778,730号明細書に見出すことができ、その開示のすべてが本明細書において引用により援用される。
【0030】
図11A図11Eを参照すると、上記の搬送装置100と実質的に同様の搬送装置100Aは、駆動部108の共通の駆動軸によって駆動される少なくとも2つのエンドエフェクタを有するスカラアームを備える。図11A図11Cにおいて、開示の実施形態の態様に係る処理機器11001の一部が示される。処理機器11001は、機器フロントエンドユニット11002と、移送チャンバ11020と、移送チャンバ11020をフロントエンドユニット11002に接続するロードロック11012、11013と、移送チャンバ11020に連結された処理モジュール11010、11011とを有する任意の処理機器であり得る。搬送装置100Aは処理モジュール11010、11011とロードロックモジュール11012、11013との間で基板を移送するための移送チャンバ11020内の少なくとも一部に位置する。
【0031】
搬送装置100Aは、アッパーアーム110UAと、アッパーアーム110UAに回転可能に連結されたフォアアーム110F、120Fと、フォアアーム110F、120Fのそれぞれに回転可能に取り付けられたエンドエフェクタ110EA、110EB、120EA、120EBとを備える。なお、エンドエフェクタ110EA、110EB、120EA、120EBは、1つまたは複数の基板を保持するための任意の構成を有し得る。たとえば、各エンドエフェクタ110EA、110EB、120EA、120EBが1つまたは複数の基板を保持する場合、基板は、単一のアームを用いて一括で基板を移送するための積み重ねられた構成または並べられた構成で保持され得る。また、アッパーアーム110UAおよびフォアアーム110F、120Fは、接合部中心から接合部中心までの長さが等しくなくとも良く、他の態様において、アッパーアーム110UAおよびフォアアーム110F、120Fは、接合部中心から接合部中心までの長さが等しくても良い。
【0032】
一態様において、アッパーアーム110UAは、搬送装置100Aの肩回転軸SAXから離れる方向へ伸長する略U字または略V字の形状を有する、実質的に堅固なリンクであり得る。アッパーアーム110UAは、第1の部分110UA1と第2の部分110UA2とを有し得る。第1の部分110UA1と第2の部分110UA2は、第1および第2の部分の間の連結が解除される時には肘軸EX1、EX2が肩回転軸SAXを中心に互いに近づく方向または離れる方向へ回転して第1および第2の部分110UA1、110UA2の間の角度εを変更もしくは調整することができ、連結が解除されない時には第1および第2の部分が実質的に堅固なアッパーアーム110UAを構成するように、「双腕スカラアーム」と題され2005年6月9日に出願された米国特許出願第11/148,871号明細書(当該出願のすべての開示は、本明細書において引用により援用される)に記載の方法と実質的に同様の方法で、たとえば、肩回転軸SAX(またはアッパーアームリンク上の任意の他の適切な点)において取り外し可能かつ回転可能に連結される。なお、角度εは、たとえば、アッパーアーム110UAの各部分110UA1、110UA2がアームの駆動動作のための駆動システムの駆動シャフトに接続されている場合、動的に調整可能であり得る。たとえば、第1および第2の部分110UA1、110UA2が実質的に堅固な構成である場合、駆動システムのそれぞれの駆動軸は一体に移動し、角度εが調整される時には、第1および第2の部分のそれぞれの駆動軸が、角度εを動的に変更もしくは調整するために、逆方向、異なる速度で同じ方向、または任意の他の適切な方法で移動する。
【0033】
フォアアーム110Fはアッパーアーム110UAに肘軸EX1を中心に回転可能に連結され、フォアアーム120Fはアッパーアーム110UAに肘軸EX2を中心に回転可能に連結され得る。各フォアアーム110F、120Fは、独立して回転可能な2つのエンドエフェクタ110EA、110EB、120EA、120EBを有し得る。たとえば、エンドエフェクタ110EA、120EBはフォアアーム110Fに手首軸EX1を中心に独立して回転可能に取り付けられ、エンドエフェクタ120EA、120EBはフォアアーム120Fに手首軸EX2を中心に独立して回転可能に独立して回転可能に取り付けられ得る。一態様において、エンドエフェクタは、共通の移送面を有するように配置され得る。一方、他の態様において、エンドエフェクタは、実質的に近接した移送面、もしくは異なる移送面に配置され得る。各フォアアーム110F、120F上の2つのエンドエフェクタは、処理モジュール11010、11011もしくはロードロックモジュール11012、11013等の基板保持位置における基板の高速交換を可能にする。なお、2つのエンドエフェクタが各フォアアーム110F、120Fに連結されて示されているが、任意の適切な数のエンドエフェクタが、各々が上記の方法と同様の方法で、たとえば、積み重ねられた配置または並んだ配置で任意の適切な数の基板を保持するように構成された各フォアアーム110F、120Fに回転可能に連結され得ることを理解すべきである。
【0034】
この態様において、駆動シャフト250Bおよびアッパーアーム110UAが一体として肩回転軸SAXを中心に回転するように、駆動部108の駆動シャフト250Bがアッパーアーム110UAに連結される。駆動シャフト250Cおよびフォアアーム駆動プーリ1100が一体として肩回転軸SAXを中心に回転するように、駆動部108の駆動シャフト250Cがフォアアーム駆動プーリ1100に連結される。ここで、フォアアーム駆動プーリ1100は、上記のセグメント化伝達ループ700と実質的に同様なセグメント化伝達ループ700Cを用いるなど、任意の適切な方法でフォアアームアイドラプーリ600に連結される。駆動シャフト250Cが回転することによってフォアアーム110Fが肘回転軸EX1を中心に回転するように、フォアアーム110Fおよびフォアアームアイドラプーリ600が一体として肘回転軸EX1を中心に回転するように、フォアアームアイドラプーリ600がフォアアーム110Fに連結される。図11Dにはフォアアーム110Fのみが示されているが、駆動部108の駆動シャフト250Cによってフォアアーム110F、120Fが共通して駆動(たとえば、伸長および収縮)されるように、フォアアームプーリ1100はフォアアーム110Fにおける上記の方法と実質的に同様の方法でフォアアーム120Fに連結され得ることを理解すべきである。ここでは、プーリ1100は、上記の分割駆動プーリ906と実質的に同様であり得る。駆動シャフト250Aは、一態様において上記の分割駆動プーリ906と実質的に同様である分割駆動プーリ906Aに連結される。一態様において、分割駆動プーリ906は、上記のセグメント化伝達ループ700と実質的に同様であるセグメント化伝達ループ700Aによってアイドラプーリ603Iに連結される。アイドラプーリ603Iは、アイドラプーリ603Iおよびエンドエフェクタ駆動プーリ603Dが一体として肘軸EX1を中心に回転するように、エンドエフェクタ駆動プーリ603Dに連結される。エンドエフェクタ駆動プーリ603Dは、エンドエフェクタ駆動プーリ603Dが回転することによってエンドエフェクタ110EA(エンドエフェクタアイドラプーリ604とともに一体として回転するように連結されている)が手首回転軸WX1を中心に回転するように、上記と同様のセグメント化伝達ループ600を用いる等の任意の適切な方法でエンドエフェクタアイドラプーリ604に連結される。
【0035】
ここで、分割駆動プーリ906Aは、たとえば、プーリ690、691とセグメント化伝達ループ710R、710Aとを有する逆駆動伝達部にも連結される。他の態様において、逆駆動伝達部は、以下で説明するようにエンドエフェクタ110EA、110EBが同時に逆方向に回転するように分割駆動プーリ906Aの駆動回転の方向を変更するための任意の適切な伝達部であり得る。一態様において、分割駆動プーリ906Aは、ベルトセグメント711R、712Rを有するセグメント化伝達部710Rによってプーリ690に連結される。ベルトセグメント711R、712Rは、分割駆動プーリ906Aおよびプーリ690の逆方向の回転を実現するために、分割駆動プーリ906Aとプーリ690とを異なるベルト接触レベルで連結し(図9Aおよび図9Bにおけるベルトセグメント711、712と同様)、互いに交差するように上下に位置する。たとえば、分割駆動プーリ906Aが第1の方向(たとえば、方向CW)に回転することにより、プーリ690が逆の第2の方向(たとえば、方向CCW)に回転する。
【0036】
図11Dに見られるように、ベルト固定点772R、773Rは、分割駆動プーリ906Aが約±90度回転することによって、プーリ690が約±90度逆回転し、アイドラプーリ603Iが分割駆動プーリ609Aと同じ方向に約±180度回転するように(たとえば、分割駆動プーリ906Aとアイドラプーリ603Iとの駆動比は約2:1であり、分割駆動プーリ906Aとプーリ690との駆動比は約1:1であり、他の態様において任意の適切な駆動比が使用され得る)、互いに周方向に間隔を空けられる(互いに一致しない)。
【0037】
プーリ690は、プーリ690、691が一体として逆駆動軸1110を中心に回転するように、逆駆動軸1110を中心にプーリ691に連結される。2つの別個のプーリ690、691が示されているが、他の態様において、プーリ690、691は、上記の分割駆動プーリ906と同様に単一の一体部材を形成してもよい。プーリ691は、上記のセグメント化伝達ループと実質的に同様のセグメント化伝達ループ710A等の任意の適切な伝達部によってアイドラプーリ906に連結される。この態様において、アイドラプーリ906Bは肩回転軸SAXを中心に回転可能に取り付けられるが、他の態様において、アイドラプーリは任意の適切な位置でアッパーアーム110UA内に取り付けられてもよい。アイドラプーリ906Bは、上記のセグメント化伝達ループと実質的に同様のセグメント化伝達ループ700Bを用いる等、任意の適切な方法でアイドラプーリ602Iに連結される。アイドラプーリ602Iは、肘回転軸EX1を中心に回転可能にアッパーアーム110UAに取り付けられ、エンドエフェクタ駆動プーリ602Dとともに一体として肘軸EXを中心に回転するようにエンドエフェクタ駆動プーリ602Dに連結される。エンドエフェクタ駆動プーリ602Dは、上記のセグメント化伝達ループと実質的に同様のセグメント化伝達ループ661等の任意の適切な伝達部によってエンドエフェクタアイドラプーリ605に連結される。エンドエフェクタアイドラプーリ605は、手首軸WX1を中心に回転可能に取り付けられ、エンドエフェクタ110EBとともに一体として手首軸WX1を中心に回転するようにエンドエフェクタ110EBに連結される。
【0038】
理解されるように、シャフト250Aが第1の方向に回転することにより、エンドエフェクタ110EA、120EAが第1の方向に回転する。また、たとえば、プーリ690、691およびセグメント化伝達ループ710R、710Aによって一部が構成される逆伝達部を介して駆動シャフト250Aにエンドエフェクタ110EB、120EBが接続されることで、シャフト250Aが回転することにより、エンドエフェクタ110EB、120EBが逆の第2の方向(たとえば、第1の方向に対して逆)に回転する。このようなことから、エンドエフェクタ110EA、110EB、120EA、120EBは、基板の高速交換を実現するべく、各アームのエンドエフェクタを逆方向に回転させるために、共通の駆動シャフト250Aに連結される。
【0039】
図11A図11Cを再び参照すると、動作時において、搬送装置100Aを一体として肩軸SAXを中心に回転させるために、駆動シャフト250A~250Cは、実質的に同じ速度で同じ方向に回転され得る。基板を取り出しおよび載置するべく、それぞれの伸長/収縮軸EXTに沿ってアームを実質的に同時に伸長および収縮させる(たとえば、エンドエフェクタを基板保持位置に対して移動させる)ために、中間シャフト250Aは実質的に静止した状態で保持される一方、シャフト250B、250Cは同じ方向に回転され、これによって図11Cに示されるようなエンドエフェクタの径方向の伸長および収縮が実現する(図11Cは、処理モジュール11010、11010へのエンドエフェクタの伸長を示す)。エンドエフェクタによって保持される基板の高速交換を実現するために、エンドエフェクタ110EB、120EBが所望の基板保持位置に向けられて整列するように、エンドエフェクタ110EA、120EAを第1の方向に回転させ、エンドエフェクタ110EB、120EBを第2の(逆の)方向に回転させるために(逆伝達部を介して)、中間シャフト250Aが回転される一方、シャフト250B、250Cが静止した状態で保持される。
【0040】
理解されるように、図示および説明される搬送装置110Aについてのプーリおよび伝達部の構成は、単に例示的なものであり、本明細書に記載の態様と実質的に同様の態様でエンドエフェクタの高速交換を可能にする他の構成も存在し得る。
【0041】
エンドエフェクタ110EA、110EB、120EA、120EBは、エンドエフェクタ間の角度θが図16Aに示すような基板保持位置間(たとえば、処理モジュール11010、11011およびロードロック11012、11013)の角度と実質的に同じとなるように、それぞれのフォアアームリンク110F、120F上で配向され得る。上記のように、一態様において、エンドエフェクタは、異なる垂直方向の高さ(たとえば、異なる基板移送面)にも位置し得る。処理モジュール11010、11011およびロードロック11012、11013は、2011年11月10日に出願された米国特許出願第13/293,717号明細書に記載されるようなエンドエフェクタの異なる垂直方向に対応する異なるウエハ移送面を有するように構成され得る。他の態様において、駆動部108のZ駆動部190は、基板保持位置において基板を取り出しおよび載置するために、エンドエフェクタを同程度または異なる程度に上昇および下降させるように構成され得る(たとえば、Z駆動部は、一方のフォアアーム110Fのエンドエフェクタ110EA、110EBを、他方のフォアアーム120Fのエンドエフェクタ120EA、120EBの垂直移動とは独立して垂直方向に移動させるように構成され得る)。さらに他の態様において、基板保持位置は、対応する基板保持ステーションに対して基板を取り出しおよび積載するために使用されているエンドエフェクタに応じて基板保持位置のウエハ移送面を変更するためのZ駆動部を含んでいてもよい。
【0042】
本明細書に記載されている開示の実施形態の態様において、搬送装置100、100Aは、任意の適切な大気圧または真空の移送チャンバに設けられる(図12、ブロック1200)。移送チャンバは、真空雰囲気を含み得る移送チャンバ5020、11020および/または大気圧を含み得るフロントエンドモジュール11002と実質的に同様であり得る。上記のように、駆動部108の1自由度は、1自由度を有する駆動部から少なくとも2つのアイドラプーリ600、601を共通して駆動するように、少なくとも2つのアイドラプーリ600、601の間で分割される(図12、ブロック1210)。また、上記のように、分割駆動プーリ606、906の共通のベルト接触レベル606L1~606L3は、各セグメント化伝達ループ700、710の少なくとも1つのベルトセグメント701、702、711、712の間で共有される(図12、ブロック1220)。
【0043】
図2図5A図5G図7A図7D、および図13A図13Cを再び参照すると、一態様において、駆動部108は、スカラアーム110、120が肩回転軸SAXを中心に互いに相対的に回転し得るようにプーリセグメント606Aとプーリセグメント606Bとを相対的に移動させるよう構成された制限プーリセグメント駆動部108Lを有する。たとえば、図5A図5Gに示されるスカラアーム110、120は、同じ面に位置するエンドエフェクタ110E、120Eを有する(他の態様において、エンドエフェクタは異なる面に位置し得る)。ここで、各スカラアーム110、120は基板処理モジュールPM1~PM4に進入する。たとえば、スカラアーム110は処理モジュールPM2~PM4のうちのいずれか1つに侵入するようにスカラアーム120に対して相対的に移動可能である一方、スカラアーム120の伸長/収縮軸400Rは処理モジュールPM1に対して実質的に整列する。スカラアーム110をスカラアーム120に対して相対的に移動させるために、制限プーリセグメント駆動部108Lがプーリセグメント606A、606Bの両方に連結されるように、制限プーリセグメント駆動部108Lはプーリセグメント606A、606Bの間に配置され得る。他の態様において、制限プーリセグメント駆動部108Lは、プーリセグメント606A、606B間の相対的な回転を実現するために、アッパーアーム110U、120U内の任意の位置に配置され得る。制限プーリセグメント駆動部108Lは、たとえば、ソレノイド、ステッピングモータ、リニアアクチュエータ、または回転アクチュエータ等、プーリセグメント606A、606Bの相対移動を実現するための任意の適切な駆動部であり得る。一態様において、制限プーリセグメント駆動部108Lの基部108LSがプーリセグメント606A(駆動シャフト250Cに連結される)に取り付けられ得る一方、制限プーリセグメント駆動部108Lの可動部108LMがプーリセグメント606Bに連結され得る。制限プーリセグメント駆動部108Lは、制限プーリセグメント駆動部108Lを作動させるための制御信号を受信するように任意の適切な方法で制御部199に連結される。一態様において、プーリセグメント606A、606Bの係合面730、731、740、741は、任意の適切な距離Dだけ互いに周方向に間隔を空けられてもよい。ここでは、距離Dは、プーリセグメント606A、606B間およびスカラアーム110、120間の相対移動の角度θ2に対応する。相対移動の角度を大きく確保するために、ベルトセグメント701、702、711、712が(ベルト接触レベル606L2上などで)接するプーリセグメント606A、606Bの部分606AP、606BPは、対応する係合面730、731、740、741が互いに接触すると部分606AP、606BPがそれぞれのプーリセグメント606A、606Bに対して相対的に方向1111に移動するように、収縮可能であり得る。さらに他の態様において、プーリセグメント606A、606Bとアイドラプーリ600、601との間の駆動比は、スカラアーム110、120が肩回転軸SAXを中心に相対的に回転するように増加され得る。
【0044】
動作時において、スカラアーム110、120は、エンドエフェクタ110Eの伸長/収縮軸400Rが処理モジュールPM2に対して整列し、エンドエフェクタ120Eの伸長/収縮軸400Rが処理モジュールPM1に対して整列するように、整列され得る。一態様において、スカラアーム110は、エンドエフェクタ110Eが処理モジュールPM2~PM4のうちの1つに対して整列するようにスカラアーム120に対して相対的に回転され得る。ここでは、各セグメント化伝達ループ700、710のベルト固定点770、771、772、772の位置が互いに肩軸SAXを中心に相対的に変化し(図13Aに見られるように)、スカラアームのエンドエフェクタ110Eが処理モジュールPM2~PM4のうちの所定の1つに対して整列するように、少なくとも制限プーリセグメント駆動部108Lが作動してプーリセグメント606Bに対して相対的に所定量だけプーリセグメント606Aを回転させる。一態様において、制限プーリセグメント駆動部108Lの作動に加えて、駆動シャフト250A~205Cのうちの1つまたは複数が回転されることで、スカラアーム110、120の相対回転を実現すると共に、所定の処理モジュールPM1~PM4に対する1つまたは複数のエンドエフェクタ110E、120Eの整列を維持する。
【0045】
図14A図17Bを参照すると、一態様において、本明細書に記載の搬送装置100、100Aのスカラアーム110、120のアッパーアーム110U、120Uおよびフォアアーム110F、120Fのうちの1つまたは複数は、受動ベルトテンショナ1600、1700を有し、ベルトセグメント701、702、711、712において一定の張力を維持する。なお、非限定的な例示を目的として双腕スカラアームが図面に示されているが、本明細書に記載されている開示の実施形態の態様は、基板搬送装置のアームリンクのうちの1つまたは複数を駆動するためのベルト式伝達部を含む基板搬送装置の構成であればいずれにも適用され得ることを理解すべきである。たとえば、本明細書に記載される開示の実施形態の態様は、単一のスカラアーム、双腕スカラアーム、フロッグレッグアーム、および/または他の任意の適切な搬送アームに適用され得る。一態様において、図14A図14B図15図16A図16B、および図17A図17Bを参照すると、本明細書に記載される受動ベルトテンショナ1600、1700は、受動ベルトテンショナ1600、1700を構成する材料の静的な物理的(たとえば、熱膨張)特性(または、言い換えると、静止時における材料の特性)に依存することから、テンショナを「受動」という。特に、材料が異なれば、熱膨張係数が異なる。一態様において、アッパーアーム110U、120U、フォアアーム110F、120F、およびプーリ(たとえば、分割駆動プーリ606およびプーリ600~605)はアルミからなる一方、ベルトセグメント701、702、711、712はステンレス鋼からなる(他の態様において、任意の適切な熱膨張係数を有する材料が使用され得る)。本明細書に記載される受動ベルトテンショナ1600、1700は、アッパーアーム110U、120Uおよびフォアアーム110F、120Fのうちの1つまたは複数の中に配置された少なくとも1つの連動装置および少なくとも1つのプーリを有する。ベルトテンショナ1600、1700の連動装置およびプーリは、アッパーアーム110U、120U、フォアアーム110F、120F、およびプーリ600~605とは異なる材料から構成され、アッパーアーム110U、120U、フォアアーム110F、120F、およびプーリ600~605の熱膨張変化を補償する。
【0046】
図16を参照すると、受動ベルトテンショナ1600は、実質的にフォアアーム110Fのプーリ603、604の間に位置し、テンショナバー1605と少なくとも2つのテンショナプーリ1601、1602とを有する。テンショナバー1605は、フレーム1605Fと、フレーム1605Fから実質的に対向する方向へ横向きに伸長する横伸長部1605A、1605Bとを有する。フレームは、ピン1610、またはテンショナバー1605とフォアアーム110Fとの間の移動をもたらす他の適切な締結具を用いる等の任意の適切な方法で、フォアアーム110Fに回転可能に連結される。テンショナプーリ1601、1602は、セグメント化伝達ループ660のそれぞれのベルトセグメント660A、660Bと接するように、横伸長部1605A、1605B上に位置する。なお、他の態様において、受動ベルトテンショナは任意の適切な構成を有し得る。
【0047】
例示のみを目的として、肘プーリ603、手首プーリ604、およびフォアアーム110Fのセグメント化伝達ループ660、ならびに図14A図14Bを参照すると、有効な手首プーリ半径R1は、以下の通りである。
【0048】
R1=Pr+Bth/2 [1]
【0049】
また、有効な肘プーリ半径R2は、以下の通りである。
【0050】
R2=Pe+Bth/2 [2]
【0051】
ここで、PrおよびPeはそれぞれ、手首プーリ604および肘プーリの半径であり、Bthは、セグメント化伝達ループ660のベルトセグメント660A、660Bの厚さである。なお、以下の点も特記する。
【0052】
AC=プーリの中心間距離
【0053】
BC=ベルトセグメント660A、660Bの自由長
【0054】
AB=R1-R2 [3]
【0055】
AC2=AB2=BC2 [4]
【0056】
【数1】
【0057】
【数2】
【0058】
【数3】
【0059】
式[1]-[7]により、手首周りのベルト巻き長さLwは、以下の通り計算することができる。
【0060】
【数4】
【0061】
【数5】
【0062】
肘周りのベルト巻き長さLeは、以下の通り計算することができる。
【0063】
【数6】
【0064】
【数7】
【0065】
また、合計ベルトセグメント長さLbandは、以下の通り計算することができる。
【0066】
band=Lw+Le+BC [12]
【0067】
一次元における熱膨張の式は、以下の通り表すことができる。
【0068】
【数8】
【0069】
ここで、Lは材料の長さであり、γは材料固有の熱膨張係数であり、tは温度である。式[13]および[12]に基づき、任意の所与の温度変化についての初期および最終のベルト長さを求めることができる。アーム110、120について、アッパーアーム110U、120Uおよびフォアアーム110F、120Fの材料が、そこに位置する(1つもしくは複数の)プーリまたは(1つもしくは複数の)ベルトの材料とは異なる熱膨張係数を有する場合、アーム長さとベルト長さとの間には成長率に不一致が生じることになる。図15図16を参照すると、以下の点が特記される。
【0070】
有効なテンショナプーリ半径R3は、以下の通りである。
【0071】
R3=Tr+Bth/2 [14]
【0072】
AE=手首から肘へのプーリ中心間距離
【0073】
AC=手首からテンショナへの中心間距離
【0074】
CE=テンショナから肘への中心間距離
【0075】
BC=手首からテンショナへのベルトの自由長
【0076】
CD=テンショナから肘へのベルトの自由長
【0077】
AF=AEに沿ったテンショナまでの距離
【0078】
CF=手首-肘軸からテンショナへの距離
【0079】
ここで、以下の点を特記する。
【0080】
AE=AC+CE [14]
【0081】
AB=R1-R3 [15]
【0082】
DE=R3-R1 [16]
【0083】
AC2=AF2+CF2 [17]
【0084】
AC2=AB2+BC2 [18]
【0085】
CE2=CF2+FE2 [19]
【0086】
CE2=CD2+DE2 [20]
【0087】
【数9】
【0088】
【数10】
【0089】
手首周りのベルト巻き長さLwは、以下の通り計算することができる。
【0090】
【数11】
【0091】
肘周りのベルト巻き長さLeは、以下の通り計算することができる。
【0092】
【数12】
【0093】
テンショナ周りのベルト巻き長さL1は、以下の通り計算することができる。
【0094】
【数13】
【0095】
ここで、合計ベルトセグメント長さは、以下の通りである。
【0096】
band=Lw+L1+Le+BC+DE [26]
【0097】
一態様において、受動ベルトテンショナ1600のテンショナフレーム1605および少なくとも2つのテンショナプーリ1601、1602の材料は、テンショナバー1605および少なくとも2つのテンショナプーリ1601、1602のうちの1つまたは複数の材料が、少なくともフォアアーム110Fおよびプーリ603、604とは異なる熱膨張率を有し、フォアアーム110F、プーリ603、604、およびベルトセグメント660A、660Bの熱膨張を補償し、ベルトセグメント660A、660Bが一定の張力に維持されるように、上記の式[1]~[26]に基づく。他の態様において、テンショナバー1605およびそこに位置するプーリ1601、1602の形状もまた、フォアアーム110F、プーリ603、604、およびベルトセグメント660A、660Bの熱膨張を補償すると共に、少なくとも一部においてベルトセグメント660A、660Bを一定の張力に維持することを実現し得る。
【0098】
他の態様において、図17Aおよび図17Bを参照すると、受動ベルトテンショナ1700は、実質的にフォアアーム110Fのプーリ603、604の間に位置し、略直線状の構成を有するフレーム1705Fに取り付けられる単一のプーリ1701を有する。フレーム1705Fの一端は、受動ベルトテンショナ1600について前述した方法でフォアアーム110Fに回転可能に取り付けられる一方、プーリ1701は、フレーム1705Fの他端に取り付けられる。ここで、以下の点を特記する。
【0099】
AE=手首から肘へのプーリ中心間距離
【0100】
AC=手首からテンショナへの中心間距離
【0101】
CE=テンショナから肘への中心間距離
【0102】
BC=手首からテンショナへのベルトセグメントの自由長
【0103】
DE=テンショナから肘へのベルトセグメントの自由長
【0104】
ここで、R1、R2、およびR3は、式[1]、[2]、および[14]で上述した通りである。
【0105】
AE=AC+CE [27]
【0106】
AB=R1-R3 [28]
【0107】
CD=R3-R2 [29]
【0108】
AC2=AB2+BC2 [30]
【0109】
CE2=CD2+DE2 [31]
【0110】
【数14】
【0111】
【数15】
【0112】
上記の通り、受動ベルトテンショナ1700のテンショナフレーム1705Fおよびプーリ1701のうちの1つまたは複数の材料は、フォアアーム110F、プーリ603、604、およびベルトセグメント660A、660Bのうちの1つまたは複数とは異なる熱膨張率を有し、フォアアーム110F、プーリ603、604、およびベルトセグメント660A、660Bの熱膨張を補償し、ベルトセグメント660A、660Bが一定の張力に維持される。他の態様において、テンショナフレーム1705Fおよびその上に位置するプーリ1701の形状もまた、フォアアーム110F、プーリ603、604、およびベルトセグメント660A、660Bの熱膨張を補償すると共に、少なくとも一部においてベルトセグメント660A、660Bを一定の張力に維持することを実現し得る。
【0113】
一態様において、受動ベルトテンショナ1600、1700は、スカラアーム110、120の熱膨張に対する(搬送装置100、100Aのセグメント化伝達ループにおけるベルトセグメントの)ベルトセグメント張力の感度を最小化する。上記のように、一態様において、受動ベルトテンショナ1600、1700のプーリ1601、1602、1701のうちの少なくとも1つの材料は、スカラアーム110、120の熱膨張を補償するように選択され得る。ここでは、一態様において、プーリ1601、1602、1701の熱膨張係数は、アームリンク(たとえば、アッパーアーム110U、120Uおよびフォアアーム110F、120Fならびにそこに位置するプーリ)の熱膨張係数よりも小さいものとなり得る。他の態様において、受動ベルトテンショナ1600、1700のフレーム1605F、1705Fの材料は、スカラアーム110、120の熱膨張を補償するように、(たとえば、プーリ1601、1602、1701の材料の選択と組み合わせて、またはこれらとは独立して)選択され得る。ここでは、一態様において、フレーム1605F、1705Fの熱膨張係数は、アームリンク(たとえば、アッパーアーム110U、120Uおよびフォアアーム110F、120F、ならびにそこに位置するプーリ)の熱膨張係数よりも小さいものとなり得る。一態様において、フレーム1605F、1705Fの長さに沿って熱膨張係数を変化させ、受動ベルトテンショナ1600、1700によってもたらされる熱膨張補償を、アーム110、120の手首が受ける、より高い温度まで偏らせるように、フレーム1605F、1705Fの材料は、複合材料またはセグメント化材料であり得る。さらに他の態様において、肩、肘、および/または手首のプーリ600~606のうちの1つまたは複数の材料は、それぞれのセグメント化伝達ループのベルトセグメントにおいて一定の張力が維持されるように、(受動ベルトテンショナ1600、1700に加えて、またはこれらとは独立して)アームの熱膨張を補償するように選択され得る。
【0114】
開示の実施形態の1つまたは複数の態様によれば、基板処理装置は、
【0115】
フレームと、
【0116】
フレームに接続される第1のスカラアームであって、第1のスカラアームが、エンドエフェクタを有し、第1の径方向軸に沿って伸長および収縮するように構成される、第1のスカラアームと、
【0117】
フレームに接続される第2のスカラアームであって、第2のスカラアームが、エンドエフェクタを有し、第2の径方向軸に沿って伸長および収縮するように構成される、第2のスカラアームと、
【0118】
第1および第2のスカラアームに連結される駆動部とを備え、
【0119】
駆動部が、駆動部の回転軸において一体として回転するように回転可能に取り付けられる分割駆動プーリを有し、回転軸が、第1および第2のスカラアームに共有され、
【0120】
分割駆動プーリは、別個のベルトセグメントのそれぞれのセグメント化伝達ループによって少なくとも2つのアイドラプーリに連結され、分割駆動プーリは、駆動部の1自由度から少なくとも2つのアイドラプーリを共通して駆動するように、駆動部の1自由度を少なくとも2つのアイドラプーリの間で分割する共通のプーリであり、
【0121】
それぞれの各伝達ループの少なくとも1つのベルトが、共通のベルト接触レベルを共有する。
【0122】
開示の実施形態の1つまたは複数の態様によれば、駆動プーリが、2つの共有されるベルト接触レベルを有する。
【0123】
開示の実施形態の1つまたは複数の態様によれば、駆動プーリが、3つのベルト接触レベルを有し、3つのベルト接触レベルのうちの少なくとも1つが、共有されるベルト接触レベルである。
【0124】
開示の実施形態の1つまたは複数の態様によれば、駆動プーリは、取り外し可能なセグメントを有するセグメント化プーリであり、取り外し可能なセグメントが、取り外し可能なセグメントに取り付けられたセグメント化伝達ループのうちの対応するセグメント化伝達ループと共に回転軸から取り外し可能なセグメントを取り外せるように、3つのベルト接触レベルのうちの少なくとも1つを含み、取り外し可能なセグメントと係合する駆動プーリの係合セグメントが、係合セグメントに取り付けられたセグメント化伝達ループのうちの対応するセグメント化伝達ループと共に前記回転軸に残る。
【0125】
開示の実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも2つのアイドラプーリのうちの一方が、第1のスカラアームの伸長および収縮を実現するために第1のスカラアームに接続され、少なくとも2つのアイドラプーリのうちの他方が、第2のスカラアームの伸長および収縮を実現するために第2のスカラアームに接続される。
【0126】
開示の実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも2つのアイドラプーリのうちの一方が、第1および第2のスカラアームの各々の肘回転軸に配置され、駆動プーリが、第1および第2のスカラアームの肩回転軸に配置される。
【0127】
開示の実施形態の1つまたは複数の態様によれば、第1および第2のスカラアームが、第1および第2のスカラアームの各々の独立した伸長および収縮を実現するように構成される。
【0128】
開示の実施形態の1つまたは複数の態様によれば、第1のスカラアームの伸長/収縮軸が、第2のスカラアームの伸長/収縮軸に対して傾斜する。
【0129】
開示の実施形態の1つまたは複数の態様によれば、第1のスカラアームの伸長/収縮軸および第2のスカラアームの伸長/収縮軸が、第1および第2のスカラアームの肩回転軸の上で互いに上下に積み重ねられる。
【0130】
開示の実施形態の1つまたは複数の態様によれば、別個のベルトセグメントの各々が、駆動プーリとともにベルト係合円弧を画定するベルト固定点を駆動プーリ上に有し、ベルト係合円弧と、それぞれのベルトセグメントと駆動プーリとの間でベルト固定点が接線を形成する点との間に含まれる回転角が、略90度以下である。
【0131】
開示の実施形態の1つまたは複数の態様によれば、基板処理装置が、ベルト固定点間の角度を変更するように駆動部の自由度を回転させるよう構成される制御部をさらに備える。
【0132】
開示の実施形態の1つまたは複数の態様によれば、駆動プーリが、互いに対して移動可能なプーリセグメントを含み、各プーリセグメントが、各プーリセグメントに取り付けられる少なくとも1つのベルト固定点を有し、制御部が、プーリセグメントの間で相対回転を生じさせて、ベルト固定点間の角度の変更を実現するように構成される。
【0133】
開示の実施形態の1つまたは複数の態様によれば、基板処理装置は、
【0134】
フレームと、
【0135】
フレームに接続される第1のスカラアームであって、第1のスカラアームが、エンドエフェクタを有し、第1の径方向軸に沿って伸長および収縮するように構成される、第1のスカラアームと、
【0136】
フレームに接続される第2のスカラアームであって、第2のスカラアームが、エンドエフェクタを有し、第2の径方向軸に沿って伸長および収縮するように構成される、第2のスカラアームと、
【0137】
第1および第2のスカラアームに連結される駆動部と、
【0138】
駆動部に連結され、駆動部の回転軸において一体として回転するように回転可能に取り付けられる分割駆動プーリであって、回転軸が、第1および第2のスカラアームに共有される、分割駆動プーリと、
【0139】
分割駆動プーリに連結される第1のアイドラプーリであって、第1のアイドラプーリは、第1のアイドラプーリと分割駆動プーリとの間を伸長する別個のベルトセグメントの第1のセグメント化伝達ループによって分割駆動プーリに連結される、第1のアイドラプーリと、
【0140】
分割駆動プーリに連結される第2のアイドラプーリであって、第2のアイドラプーリは、第2のアイドラプーリと分割駆動プーリとの間を伸長する別個のベルトセグメントの第2のセグメント化伝達ループによって分割駆動プーリに連結され、駆動プーリは、駆動部の1自由度から第1および第2のアイドラプーリを共通して駆動するように、第1および第2のアイドラプーリの間で駆動部の1自由度を分割する共通のプーリである、第2のアイドラプーリとを備え、
【0141】
第2のアイドラプーリは、第1のアイドラプーリが分割駆動プーリと接触するベルト係合円弧とは異なるベルト係合円弧上で分割駆動プーリと接触し、
【0142】
第1および第2の伝達ループの各々の少なくとも1つのベルトが、共通のベルト接触レベルを共有する。
【0143】
開示の実施形態の1つまたは複数の態様によれば、駆動プーリが、2つの共有されるベルト接触レベルを有する。
【0144】
開示の実施形態の1つまたは複数の態様によれば、駆動プーリが、3つのベルト接触レベルを有し、3つのベルト接触レベルのうちの少なくとも1つが、共有されるベルト接触レベルである。
【0145】
開示の実施形態の1つまたは複数の態様によれば、駆動プーリが、取り外し可能なセグメントを有するセグメント化プーリであり、取り外し可能なセグメントが、取り外し可能なセグメントに取り付けられる第1または第2のセグメント化伝達ループのうちの対応するセグメント化伝達ループと共に回転軸から取り外し可能なセグメントを取り外せるように、3つのベルト接触レベルのうちの少なくとも1つを含み、取り外し可能なセグメントと係合する駆動プーリの係合セグメントが、係合セグメントに取り付けられる第1または第2のセグメント化伝達ループのうちの対応するセグメント化伝達ループと共に回転軸上に残る。
【0146】
開示の実施形態の1つまたは複数の態様によれば、第1のアイドラプーリが、前記第1のスカラアームの伸長および収縮を実現するために第1のスカラアームに接続され、第2のアイドラプーリが、第2のスカラアームの伸長および収縮を実現するために第2のスカラアームに接続される。
【0147】
開示の実施形態の1つまたは複数の態様によれば、第1のアイドラプーリが、第1のスカラアームの肘回転軸に配置され、第2のアイドラプーリが、第2のスカラアームの肘軸に配置され、駆動プーリが、第1および第2のスカラアームの肩回転軸に配置される。
【0148】
開示の実施形態の1つまたは複数の態様によれば、第1および第2のスカラアームが、第1および第2のスカラアームの各々の独立した伸長および収縮を実現するように構成される。
【0149】
開示の実施形態の1つまたは複数の態様によれば、第1のスカラアームの伸長/収縮軸が、第2のスカラアームの伸長/収縮軸に対して傾斜する。
【0150】
開示の実施形態の1つまたは複数の態様によれば、第1のスカラアームの伸長/収縮軸および第2のスカラアームの伸長/収縮軸が、第1および第2のスカラアームの肩回転軸の上で互いに上下に積み重ねられる。
【0151】
開示の実施形態の1つまたは複数の態様によれば、別個のベルトセグメントの各々が、駆動プーリとともにそれぞれのベルト係合円弧を画定するベルト固定点を駆動プーリ上に有し、それぞれのベルト係合円弧と、それぞれのベルトセグメントと駆動プーリとの間でベルト固定点が接線を形成する点との間に含まれる回転角が、略90度以下である。
【0152】
開示の実施形態の1つまたは複数の態様によれば、基板処理装置が、ベルト固定点間の角度を変更するように駆動部の自由度を回転させるよう構成される制御部をさらに備える。
【0153】
開示の実施形態の1つまたは複数の態様によれば、駆動プーリが、互いに対して移動可能なプーリセグメントを有し、各プーリセグメントが、各プーリセグメントに取り付けられる少なくとも1つのベルト固定点を有し、制御部は、プーリセグメントの間で相対回転を生じさせて、ベルト固定点間の角度の変更を実現するように構成される。
【0154】
開示の実施形態の1つまたは複数の態様によれば、基板を処理するための方法は、
【0155】
基板処理装置を設ける工程であって、基板処理装置は、
【0156】
フレームと、
【0157】
フレームに接続される第1のスカラアームであって、第1のスカラアームが、エンドエフェクタを有し、第1の径方向軸に沿って伸長および収縮するように構成される、第1のスカラアームと、
【0158】
フレームに接続される第2のスカラアームであって、第2のスカラアームが、エンドエフェクタを有し、第2の径方向軸に沿って伸長および収縮するように構成される、第2のスカラアームと、
【0159】
第1および第2のスカラアームに連結される駆動部とを備え、
【0160】
駆動部が、駆動部の回転軸において一体として回転するように回転可能に取り付けられる分割駆動プーリを備え、回転軸が、第1および第2のスカラアームに共有され、
【0161】
駆動プーリが、少なくとも2つのアイドラプーリの共通のプーリとなるように、別個のベルトセグメントのそれぞれのセグメント化伝達ループによって少なくとも2つのアイドラプーリに連結される、
基板処理装置を設ける工程と、
【0162】
駆動部の1自由度から少なくとも2つのアイドラプーリを共通して駆動するように、駆動部の1自由度を少なくとも2つのアイドラプーリの間で分割する工程とを含み、
【0163】
それぞれの伝達ループの少なくとも1つのベルトが、共通のベルト接触レベルを共有する。
【0164】
C1.開示の実施形態の1つまたは複数の態様によれば、方法は、別個のベルトセグメントを、2つの共有されるベルト接触レベルにおいて、駆動プーリに接触させる工程をさらに含む。
【0165】
開示の実施形態の1つまたは複数の態様によれば、方法は、別個のベルトセグメントを、3つのベルト接触レベルにおいて、前記駆動プーリに接触させる工程をさらに含み、3つのベルト接触レベルのうちの1つが、共有されるベルト接触レベルである。
【0166】
開示の実施形態の1つまたは複数の態様によれば、方法は、駆動プーリに取り外し可能なセグメントを設ける工程をさらに含み、取り外し可能なセグメントは、取り外し可能なセグメントに取り付けられたセグメント化伝達ループのうちの対応するセグメント化伝達ループと共に回転軸から取り外し可能なセグメントを取り外せるように、3つのベルト接触レベルのうちの少なくとも1つを有し、取り外し可能なセグメントと係合する駆動プーリの係合セグメントは、係合セグメントに取り付けられたセグメント化伝達ループのうちの対応するセグメント化伝達ループと共に回転軸に残る。
【0167】
開示の実施形態の1つまたは複数の態様によれば、方法は、少なくとも2つのアイドラプーリの一方を用いて第1のスカラアームの伸長および収縮を実現し、少なくとも2つのアイドラプーリの他方を用いて第2のスカラアームの伸長および収縮を実現する工程をさらに含む。
【0168】
開示の実施形態の1つまたは複数の態様によれば、方法は、第1および第2のスカラアームを互いに独立して伸長および収縮させる工程をさらに含む。
【0169】
開示の実施形態の1つまたは複数の態様によれば、方法は、第2のスカラアームの伸長/収縮軸に対して傾斜した軸に沿って第1のスカラアームを伸長および収縮させる工程をさらに含む。
【0170】
開示の実施形態の1つまたは複数の態様によれば、方法は、第1および第2のスカラアームの肩軸の上で互いに積み重ねられた軸に沿って第1および第2のスカラアームを伸長および収縮させる工程をさらに含む。
【0171】
開示の実施形態の1つまたは複数の態様によれば、方法は、分割駆動プーリ上の別個のベルトセグメントの固定点間の角度を変更するように駆動部の自由度を回転させる工程をさらに含む。
【0172】
開示の実施形態の1つまたは複数の態様によれば、方法は、駆動部に連結された制御部により、駆動プーリのプーリセグメントの間で相対移動を生じさせることで、分割駆動プーリ上の別個のベルトセグメントの固定点間の角度の変更を実現する工程をさらに含む。
【0173】
上記の説明は開示の実施形態の態様を例示するのみであることを理解すべきである。開示の実施形態の態様から逸脱することなく、当業者によって様々な代替や変更がなされ得る。このため、開示の実施形態の態様は、このようなすべての代替、変更、および相違を、添付の請求項の範囲内に包含することを意図している。さらに、互いに異なる従属請求項または独立請求項において異なる特徴が記載されているという事実は、これらの特徴を組み合わせたものが有利に使用することができない旨を示しておらず、このような組み合わせもまた発明の態様の範囲内に留まる。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図7H
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図12
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
図15
図16
図17A
図17B