(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】配線基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 3/46 20060101AFI20240701BHJP
【FI】
H05K3/46 B
H05K3/46 N
(21)【出願番号】P 2020128108
(22)【出願日】2020-07-29
【審査請求日】2023-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000190688
【氏名又は名称】新光電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】百瀬 修平
【審査官】黒田 久美子
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-028188(JP,A)
【文献】特開2019-220504(JP,A)
【文献】特開2000-004080(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0178585(US,A1)
【文献】特開2016-096262(JP,A)
【文献】特開2014-168007(JP,A)
【文献】国際公開第2013/137044(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/46
H05K 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面と、前記第1主面とは反対側の第2主面とを備えた絶縁性の基材と、
前記基材に形成された第1貫通孔と、
前記第1貫通孔内に設けられた機能性材料と、
前記第1主面と、前記機能性材料の前記第1主面側の面とを覆
い、前記第1主面に対向する第1面と、前記第1面とは反対側の第2面とを有する第1絶縁層と、
前記第2主面と、前記機能性材料の前記第2主面側の面とを覆
い、前記第2主面に対向する第3面と、前記第3面とは反対側の第4面とを有する第2絶縁層と、
前記第1絶縁層、前記機能性材料及び前記第2絶縁層に形成された第2貫通孔と、
前記第2貫通孔の壁面上に設けられた導電層と、
を有
し、
前記導電層は、
前記第2面と面一の第1端面と、
前記第4面と面一の第2端面と、
を有することを特徴とする配線基板。
【請求項2】
前記第
2面及び前記第1端面を覆い、前記導電層に接続された第1配線層と、
前記第
4面及び前記第2端面を覆い、前記導電層に接続された第2配線層と、
を有
し、
前記第1配線層は、
前記第2面及び前記第1端面上に形成された第1無電解めっき膜と、
前記第1無電解めっき膜上に形成された第1電解めっき膜と、
を有し、
前記第2配線層は、
前記第4面及び前記第2端面上に形成された第2無電解めっき膜と、
前記第2無電解めっき膜上に形成された第2電解めっき膜と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
【請求項3】
前記第2貫通孔の前記導電層の内側の部分を充填する絶縁性の充填材を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の配線基板。
【請求項4】
前記機能性材料は、磁性体を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の配線基板。
【請求項5】
第1主面と、前記第1主面とは反対側の第2主面とを備えた絶縁性の基材に第1貫通孔を形成する工程と、
前記第1貫通孔内に機能性材料を設ける工程と、
前記第1主面と、前記機能性材料の前記第1主面側の面とを覆
い、前記第1主面に対向する第1面と、前記第1面とは反対側の第2面とを有する第1絶縁層を形成する工程と、
前記第2主面と、前記機能性材料の前記第2主面側の面とを覆
い、前記第2主面に対向する第3面と、前記第3面とは反対側の第4面とを有する第2絶縁層を形成する工程と、
前記第1絶縁層、前記機能性材料及び前記第2絶縁層に第2貫通孔を形成する工程と、
前記第2貫通孔の壁面上に導電層を設ける工程と、
を有
し、
前記導電層を形成する工程は、
前記第2面上と、前記第4面上と、前記第2貫通孔の壁面上とに無電解めっき膜を形成する工程と、
前記無電解めっき膜上に電解めっき膜を形成する工程と、
前記第2面が露出するまで前記電解めっき膜及び前記無電解めっき膜を研磨する工程と、
前記第4面が露出するまで前記電解めっき膜及び前記無電解めっき膜を研磨する工程と、
を有することを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項6】
前記導電層は、
前記第2面と面一の第1端面と、
前記第4面と面一の第2端面と、
を有することを特徴とする請求項5に記載の配線基板の製造方法。
【請求項7】
前記第
2面及び前記第1端面を覆い、前記導電層に接続される第1配線層を形成する工程と、
前記第
4面及び前記第2端面を覆い、前記導電層に接続される第2配線層を形成する工程と、
を有
し、
前記第1配線層を形成する工程は、
前記第2面及び前記第1端面上に第1無電解めっき膜を形成する工程と、
前記第1無電解めっき膜上に第1電解めっき膜を形成する工程と、
を有し、
前記第2配線層を形成する工程は、
前記第4面及び前記第2端面上に第2無電解めっき膜を形成する工程と、
前記第2無電解めっき膜上に第2電解めっき膜を形成する工程と、
を有することを特徴とする請求
項6に記載の配線基板の製造方法。
【請求項8】
前記第2貫通孔の前記導電層の内側の部分を絶縁性の充填材により充填する工程を有することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項9】
前記機能性材料は、磁性体を含むことを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配線基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
配線基板の一つとして、コア基板に形成された貫通孔内に磁性体樹脂が埋め込まれたインダクタ内蔵基板が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の磁性体樹脂を含む配線基板では、コア基板の貫通孔に直接接続される配線層が必然的に厚くなり、配線層に微細なパターンを形成することが困難である。また、配線層が厚くなるほど、厚さのばらつきが生じやすくなる。厚さのばらつきにより、配線層のパターニング時に未エッチングが生じて歩留まりが低下するおそれがある。
【0005】
本開示は、微細な配線層を有する配線基板及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態によれば、第1主面と、前記第1主面とは反対側の第2主面とを備えた絶縁性の基材と、前記基材に形成された第1貫通孔と、前記第1貫通孔内に設けられた機能性材料と、前記第1主面と、前記機能性材料の前記第1主面側の面とを覆い、前記第1主面に対向する第1面と、前記第1面とは反対側の第2面とを有する第1絶縁層と、前記第2主面と、前記機能性材料の前記第2主面側の面とを覆い、前記第2主面に対向する第3面と、前記第3面とは反対側の第4面とを有する第2絶縁層と、前記第1絶縁層、前記機能性材料及び前記第2絶縁層に形成された第2貫通孔と、前記第2貫通孔の壁面上に設けられた導電層と、を有し、前記導電層は、前記第2面と面一の第1端面と、前記第4面と面一の第2端面と、を有する配線基板が提供される。
【発明の効果】
【0007】
開示の技術によれば、微細な配線層を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る配線基板の構造を示す断面図である。
【
図2】第1実施形態における導電層、第1配線層及び第2配線層を示す断面図である。
【
図3】第1実施形態に係る配線基板の製造方法を示す断面図(その1)である。
【
図4】第1実施形態に係る配線基板の製造方法を示す断面図(その2)である。
【
図5】第1実施形態に係る配線基板の製造方法を示す断面図(その3)である。
【
図6】第1実施形態に係る配線基板の製造方法を示す断面図(その4)である。
【
図7】第1実施形態に係る配線基板の製造方法を示す断面図(その5)である。
【
図8】第2実施形態における導電層、第1配線層及び第2配線層を示す断面図である。
【
図9】第2実施形態に係る配線基板の製造方法を示す断面図(その1)である。
【
図10】第2実施形態に係る配線基板の製造方法を示す断面図(その2)である。
【
図11】第3実施形態における磁性体を示す断面図である。
【
図12】第3実施形態に係る配線基板の製造方法を示す断面図(その1)である。
【
図13】第3実施形態に係る配線基板の製造方法を示す断面図(その2)である。
【
図14】第4実施形態における磁性体を示す断面図である。
【
図15】第5実施形態に係る半導体パッケージを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について添付の図面を参照しながら具体的に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省くことがある。
【0010】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態について説明する。第1実施形態は配線基板に関する。
【0011】
[配線基板の構造]
まず、配線基板の構造について説明する。
図1は、第1実施形態に係る配線基板の構造を示す断面図である。
【0012】
図1に示すように、第1実施形態に係る配線基板100は、支持体として絶縁性の基材102を含む。基材102は、ガラスエポキシ樹脂や、ビスマレイミドトリアジン樹脂等の絶縁材料から形成される。基材102は、第1主面102Aと、第1主面102Aとは反対側の第2主面102Bとを備える。基材102に厚さ方向に貫通する第1貫通孔111が形成されている。例えば、第1貫通孔111の直径は350μm~450μmである。
【0013】
第1貫通孔111内に磁性体110が設けられている。磁性体110は、例えば、エポキシ樹脂等の樹脂剤と、樹脂剤中に分散した鉄フィラー等の磁性粒子とを含む。磁性体110は、第1主面102A側の面110Aと、第2主面102B側の面110Bとを備える。第1実施形態では、磁性体110は基材102よりも厚く、磁性体110は、第1主面102A及び第2主面102Bから突出している。すなわち、基材102の厚さ方向の中心Cから面110Aまでの距離は中心Cから第1主面102Aまでの距離よりも大きく、中心Cから面110Bまでの距離は中心Cから第2主面102Bまでの距離よりも大きい。
【0014】
第1主面102Aと、磁性体110の面110Aとを覆う第1絶縁層121が第1主面102A及び面110Aの上に設けられている。第2主面102Bと、磁性体110の面110Bとを覆う第2絶縁層122が第2主面102B及び面110Bの上に設けられている。例えば、第1絶縁層121及び第2絶縁層122は、フィラーを含有するエポキシフィルムからなる。例えば、第1絶縁層121及び第2絶縁層122の厚さは、30μm~60μmである。
【0015】
第1絶縁層121と、磁性体110と、第2絶縁層122とを厚さ方向に貫通する第2貫通孔112が形成されている。第2貫通孔112の直径は第1貫通孔111の直径より小さく、例えば、150μm~250μmである。第2貫通孔112の壁面上に導電層140が設けられている。第2貫通孔112の導電層140の内側の部分を充填する絶縁性の充填材149が設けられている。例えば、充填材149は樹脂を含有する。充填材149が更にフィラーを含有してもよい。
【0016】
第1絶縁層121と、基材102と、第2絶縁層122とを厚さ方向に貫通する第3貫通孔113が、基材102の厚さ方向に直交する面内方向で磁性体110から離間して形成されている。例えば、第3貫通孔113の直径は150μm~250μmである。第3貫通孔113の壁面上にも導電層140が設けられている。第3貫通孔113の導電層140の内側の部分にも充填材149が設けられている。
【0017】
第1絶縁層121の表面上に第1配線層141が形成され、第2絶縁層122の表面上に第2配線層142が形成されている。第1配線層141及び第2配線層142は導電層140に接続されている。すなわち、第1配線層141及び第2配線層142は、導電層140を介して相互に接続されている。
【0018】
第1絶縁層121上に第3絶縁層123が形成されている。第3絶縁層123には、第1配線層141の接続部に到達するビアホール161が形成されており、第3絶縁層123上に、ビアホール161内のビア導体を介して第1配線層141に接続される第3配線層143が形成されている。更に、第3絶縁層123上に第5絶縁層125が形成されている。第5絶縁層125には、第3配線層143の接続部に到達するビアホール163が形成されており、第5絶縁層125上に、ビアホール163内のビア導体を介して第3配線層143に接続される第5配線層145が形成されている。
【0019】
第5絶縁層125上にソルダレジスト層127が形成されている。ソルダレジスト層127に第5配線層145の接続部に達する開口部165が形成されている。第5配線層145の接続部上に、開口部165を通じてソルダレジスト層127の上方まで突出する接続端子147が形成されている。接続端子147はポスト及びその上のバンプを含んでもよい。接続端子147に半導体チップの電極が接続される。
【0020】
第2絶縁層122上に第4絶縁層124が形成されている。第4絶縁層124には、第2配線層142の接続部に到達するビアホール162が形成されており、第4絶縁層124上に、ビアホール162内のビア導体を介して第2配線層142に接続される第4配線層144が形成されている。更に、第4絶縁層124上に第6絶縁層126が形成されている。第6絶縁層126には、第4配線層144の接続部に到達するビアホール164が形成されており、第6絶縁層126上に、ビアホール164内のビア導体を介して第4配線層144に接続される第6配線層146が形成されている。
【0021】
第6絶縁層126上にソルダレジスト層128が形成されている。ソルダレジスト層128に第6配線層146の接続部に達する開口部166が形成されている。
【0022】
ここで、導電層140、第1配線層141及び第2配線層142の詳細について説明する。
図2は、第1実施形態における導電層140、第1配線層141及び第2配線層142を示す断面図である。
【0023】
図2に示すように、導電層140は、無電解銅めっき膜131と、電解銅めっき膜132とを有する。無電解銅めっき膜131は、第2貫通孔112の壁面上と、第3貫通孔113の壁面上とに形成されている。電解銅めっき膜132は、無電解銅めっき膜131上に形成されている。例えば、無電解銅めっき膜131の厚さは、0.3μm~1.0μmであり、電解銅めっき膜132の厚さは、10μm~50μmである。充填材149は、第2貫通孔112及び第3貫通孔113の電解銅めっき膜132の内側の部分を充填する。無電解銅めっき膜131、電解銅めっき膜132及び充填材149は、第1絶縁層121の表面と面一の面と、第2絶縁層122の表面と面一の面とを有する。
【0024】
第1配線層141は、無電解銅めっき膜133Aと、電解銅めっき膜134Aとを有する。無電解銅めっき膜133Aは、第1絶縁層121の表面上と、無電解銅めっき膜131、電解銅めっき膜132及び充填材149の第1絶縁層121の表面と面一の面上とに形成されている。電解銅めっき膜134Aは、無電解銅めっき膜133A上に形成されている。例えば、無電解銅めっき膜133Aの厚さは、0.3μm~1.0μmであり、電解銅めっき膜134Aの厚さは、15μm~40μmである。
【0025】
第2配線層142は、無電解銅めっき膜133Bと、電解銅めっき膜134Bとを有する。無電解銅めっき膜133Bは、第2絶縁層122の表面上と、無電解銅めっき膜131、電解銅めっき膜132及び充填材149の第2絶縁層122の表面と面一の面上とに形成されている。電解銅めっき膜134Bは、無電解銅めっき膜133B上に形成されている。例えば、無電解銅めっき膜133Bの厚さは、0.3μm~1.0μmであり、電解銅めっき膜134Bの厚さは、15μm~40μmである。
【0026】
第1実施形態では、第1配線層141の厚さは、無電解銅めっき膜133A及び電解銅めっき膜134Aの総厚と等しく、第2配線層142の厚さは、無電解銅めっき膜133B及び電解銅めっき膜134Bの総厚と等しい。無電解銅めっき膜133Aは電解銅めっき膜134Aと比べて非常に薄く、無電解銅めっき膜133Bは電解銅めっき膜134Bと比べて非常に薄い。このため、第1配線層141の厚さは、実質的に電解銅めっき膜134Aの厚さと等しく、第2配線層142の厚さは、実質的に電解銅めっき膜134Bの厚さと等しい。例えば、第1配線層141及び第2配線層142の厚さは、約15μm~約40μmである。このため、第1配線層141及び第2配線層142は、容易に微細に加工することができる。つまり、第1配線層141及び第2配線層142に微細なパターンを容易に形成することができる。また、第1配線層141及び第2配線層142の厚さのばらつきを抑制し、パターニング時(後述の
図7(b)参照)の未エッチングを抑制することができる。従って、未エッチングに起因する歩留まりの低下を抑制することができる。
【0027】
[配線基板の製造方法]
次に、第1実施形態に係る配線基板の製造方法について説明する。
図3~
図7は、第1実施形態に係る配線基板の製造方法を示す断面図である。
【0028】
まず、
図3(a)に示すように、絶縁性の基材102と、導電膜103Aと、導電膜103Bとを備えた積層板101を準備する。基材102は、第1主面102Aと、第1主面102Aとは反対側の第2主面102Bとを備え、導電膜103Aは第1主面102Aの上に設けられ、導電膜103Bは第2主面102Bの上に設けられている。例えば、導電膜103A及び103Bは銅箔である。積層板101としては、配線基板100が複数個取れる大判の基板が使用される。つまり、積層板101は、配線基板100に対応する構造体が形成される複数の領域を有している。
【0029】
次いで、
図3(b)に示すように、積層板101に厚さ方向に貫通する第1貫通孔111を形成する。第1貫通孔111は、導電膜103Aと、基材102と、導電膜103Bとを厚さ方向に貫通する。例えば、第1貫通孔111はドリルやレーザを用いた加工等により形成することができる。その後、第1貫通孔111の壁面のデスミア処理を行う。デスミア処理とは、樹脂残渣(スミア)を除去する処理である。デスミア処理は、例えば、過マンガン酸カリウム溶液により行うことができる。例えば、第1貫通孔111の直径は350μm~450μmとする。
【0030】
その後、
図3(c)に示すように、第1貫通孔111内に磁性体110を充填する。例えば、磁性体110は、導電膜103A及び103Bの各表面から突出するように充填する。充填不足を避けるためである。
【0031】
続いて、
図4(a)に示すように、研磨により、磁性体110のうち導電膜103A及び103Bの各表面から突出している部分を除去する。例えば、磁性体110の突出している部分は、バフ研磨又はロール研磨により除去することができる。この処理が行われた磁性体110は、導電膜103Aの表面と面一の面110Aと、導電膜103Bの表面と面一の面110Bとを備える。
【0032】
次いで、
図4(b)に示すように、導電膜103A及び103Bを除去する。この結果、第1主面102A及び第2主面102Bが露出する。例えば、導電膜103A及び103Bは、酸性溶液を用いたウェットエッチングにより除去することができる。酸性溶液としては、過酸化水素(H
2O
2)、硫酸(H
2SO
4)溶液等を用いることができる。
【0033】
その後、
図4(c)に示すように、第1主面102Aと、磁性体110の第1主面102A側の面110Aとを覆う第1絶縁層121を第1主面102A及び面110Aの上に設け、第2主面102Bと、磁性体110の第2主面102B側の面110Bとを覆う第2絶縁層122を第2主面102B及び面110Bの上に設ける。第1絶縁層121及び第2絶縁層122としては、フィラーを含有するエポキシ樹脂フィルムを貼り付ける。例えば、第1絶縁層121及び第2絶縁層122の厚さは、30μm~60μmである。
【0034】
続いて、
図5(a)に示すように、第1絶縁層121と、基材102と、第2絶縁層122とを厚さ方向に貫通する第3貫通孔113を形成する。例えば、第3貫通孔113はドリルやレーザを用いた加工等により形成することができる。次いで、第3貫通孔113の壁面のデスミア処理を行う。例えば、第3貫通孔113の直径は150μm~250μmとする。
【0035】
その後、
図5(b)に示すように、第1絶縁層121と、磁性体110と、第2絶縁層122とを厚さ方向に貫通する第2貫通孔112を形成する。第2貫通孔112の直径は第1貫通孔111の直径より小さい。例えば、第2貫通孔112はドリルやレーザを用いた加工等により形成することができる。例えば、第2貫通孔112の直径は150μm~250μmとする。続いて、水を用いて第2貫通孔112の壁面を洗浄する。
【0036】
次いで、
図5(c)に示すように、第1絶縁層121の表面上と、第2絶縁層122の表面上と、第2貫通孔112の壁面上と、第3貫通孔113の壁面上とに無電解銅めっき膜131を形成する。その後、無電解銅めっき膜131をめっき給電経路に利用する電解めっき法により、無電解銅めっき膜131上に電解銅めっき膜132を形成する。例えば、無電解銅めっき膜131の厚さは、0.3μm~1.0μmであり、電解銅めっき膜132の厚さは、10μm~50μmである。
【0037】
続いて、
図6(a)に示すように、第2貫通孔112及び第3貫通孔113内に充填材149を充填する。例えば、充填材149はスクリーン印刷法により充填することができる。充填材149は第2貫通孔112及び第3貫通孔113内で電解銅めっき膜132上に設けられる。次いで、充填材149を硬化させる。充填材149がエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含む場合、加熱処理により充填材149を硬化させることができる。
【0038】
その後、
図6(b)に示すように、第1主面102A側で、電解銅めっき膜132と、無電解銅めっき膜131と、充填材149とを第1絶縁層121の表面が露出するまで研磨し、第2主面102B側で、電解銅めっき膜132と、無電解銅めっき膜131と、充填材149とを第2絶縁層122の表面が露出するまで研磨する。この結果、無電解銅めっき膜131、電解銅めっき膜132及び充填材149は、第1絶縁層121の表面と面一の面と、第2絶縁層122の表面と面一の面とを有するようになる。研磨後の無電解銅めっき膜131及び電解銅めっき膜132が導電層140に含まれる。例えば、電解銅めっき膜132、無電解銅めっき膜131及び充填材149は、化学機械的研磨(chemical mechanical polishing:CMP)法により研磨できる。電解銅めっき膜132、無電解銅めっき膜131及び充填材149を次のようにして研磨してもよい。まず、電解銅めっき膜132及び無電解銅めっき膜131の、第1絶縁層121の表面上の部分と、第2絶縁層122の表面上の部分とを、ウェットエッチングにより除去する。この結果、第1絶縁層121の表面と第2絶縁層122の表面とが露出する。次いで、充填材149の、第1絶縁層121の表面から突出する部分と、第2絶縁層122の表面から突出する部分とを、バフ研磨又はロール研磨により除去する。
【0039】
続いて、
図6(c)に示すように、第1絶縁層121の表面上と、無電解銅めっき膜131、電解銅めっき膜132及び充填材149の第1絶縁層121の表面と面一の面上とに無電解銅めっき膜133Aを形成する。同様に、第2絶縁層122の表面上と、無電解銅めっき膜131、電解銅めっき膜132及び充填材149の第2絶縁層122の表面と面一の面上とに無電解銅めっき膜133Bを形成する。次いで、無電解銅めっき膜133Aをめっき給電経路に利用する電解めっき法により、無電解銅めっき膜133A上に電解銅めっき膜134Aを形成し、無電解銅めっき膜133Bをめっき給電経路に利用する電解めっき法により、無電解銅めっき膜133B上に電解銅めっき膜134Bを形成する。例えば、無電解銅めっき膜133A及び133Bの厚さは、0.3μm~1.0μmであり、電解銅めっき膜134A及び134Bの厚さは、15μm~40μmである。
【0040】
その後、
図7(a)に示すように、第1配線層141のパターンが形成されたレジスト層151Aを電解銅めっき膜134A上に形成し、第2配線層142のパターンが形成されたレジスト層151Bを電解銅めっき膜134B上に形成する。レジスト層151A及び151Bとしては、例えば、ドライフィルム等を用いることができ、露光及び現像によりレジスト層151A及び151Bにパターンを形成できる。
【0041】
続いて、
図7(b)に示すように、レジスト層151Aをマスクとして電解銅めっき膜134A及び無電解銅めっき膜133Aをエッチングし、レジスト層151Bをマスクとして電解銅めっき膜134B及び無電解銅めっき膜133Bをエッチングする。この結果、第1配線層141及び第2配線層142が得られる。第1配線層141は、無電解銅めっき膜133A及び電解銅めっき膜134Aを含み、第2配線層142は、無電解銅めっき膜133B及び電解銅めっき膜134Bを含む。
【0042】
そして、
図7(c)に示すように、レジスト層151A及び151Bを除去する。
【0043】
次いで、第1絶縁層121上に第1配線層141を覆うように未硬化の樹脂フィルムを貼付し、第2絶縁層122上に第2配線層142を覆うように未硬化の樹脂フィルムを貼付する。その後、これら樹脂フィルムを加熱処理して硬化させることにより、第3絶縁層123及び第4絶縁層124を形成する(
図1参照)。第3絶縁層123及び第4絶縁層124は、エポキシ樹脂又はポリイミド樹脂等の絶縁樹脂から形成される。液状樹脂を塗布することにより、第3絶縁層123及び第4絶縁層124を形成してもよい。続いて、第3絶縁層123及び第4絶縁層124をレーザで加工することにより、第1配線層141の接続部に到達するビアホール161を第3絶縁層123に形成し、第2配線層142の接続部に到達するビアホール162を第4絶縁層124に形成する(
図1参照)。
【0044】
次いで、ビアホール161内のビア導体を介して第1配線層141に接続される第3配線層143を第3絶縁層123上に形成し、ビアホール162内のビア導体を介して第2配線層142に接続される第4配線層144を第4絶縁層124上に形成する(
図1参照)。
【0045】
第3配線層143及び第4配線層144はセミアディティブ法によって形成することができる。ここで、第3配線層143の形成方法について詳しく説明する。まず、第3絶縁層123上及びビアホール161の内面に無電解めっき法又はスパッタ法により、銅等からなるシード層(不図示)を形成する。次いで、シード層上に、第3配線層143を形成する部分に開口部が設けられためっきレジスト層(不図示)を形成する。続いて、シード層をめっき給電経路に利用する電解めっき法により、めっきレジスト層の開口部に銅等からなる金属めっき層を形成する。その後、めっきレジスト層を除去する。次いで、金属めっき層をマスクにしてシード層をウェットエッチングにより除去する。このようにして、シード層及び金属めっき層を含む第3配線層143を形成することができる。第4配線層144も同様の方法により形成することができる。
【0046】
第3配線層143及び第4配線層144の形成後、第3絶縁層123上に、第3配線層143の接続部上にビアホール163が設けられた第5絶縁層125を形成し、第4絶縁層124上に、第4配線層144の接続部上にビアホール164が設けられた第6絶縁層126を形成する(
図1参照)。第5絶縁層125及び第6絶縁層126は、第3絶縁層123及び第4絶縁層124と同様の方法で形成することができる。
【0047】
更に、ビアホール163内のビア導体を介して第3配線層143に接続される第5配線層145を第5絶縁層125上に形成し、ビアホール164内のビア導体を介して第4配線層144に接続される第6配線層146を第6絶縁層126上に形成する(
図1参照)。第5配線層145及び第6配線層146は、第3配線層143及び第4配線層144と同様の方法で形成することができる。
【0048】
次いで、第5絶縁層125上にソルダレジスト層127を形成し、第6絶縁層126上にソルダレジスト層128を形成する(
図1参照)。その後、ソルダレジスト層127に第5配線層145の接続部に達する開口部165を形成する。また、ソルダレジスト層128に第6配線層146の接続部に達する開口部166を形成する。
【0049】
ソルダレジスト層127及び128は、感光性のエポキシ樹脂又はアクリル樹脂等の絶縁樹脂から形成される。樹脂フィルムの貼り付け又は液状樹脂の塗布により、ソルダレジスト層127及び128を形成してもよい。開口部165及び開口部166は、露光及び現像により形成することができる。ソルダレジスト層127及び128に非感光性のエポキシ樹脂又はポリイミド樹脂等の絶縁樹脂を用いてもよい。この場合、開口部165及び開口部166は、レーザ加工又はブラスト処理により形成することができる。
【0050】
続いて、第5配線層145の接続部上に、開口部165を通じてソルダレジスト層127の上方まで突出する接続端子147を形成する。接続端子147はポスト及びバンプを含む。
【0051】
次いで、接続端子147の形成までの処理を行った構造体を所定の切断線に沿ってスライサー等により切断する。これにより、配線基板100に対応する構造体が個片化され、大判の積層板101から第1実施形態に係る配線基板100が複数得られる。このようにして、第1実施形態に係る配線基板100を製造することができる。
【0052】
このような方法によれば、第1配線層141及び第2配線層142を薄く形成し、微細に加工することができる。
【0053】
ビアホール161~164の形成後にデスミア液を用いたデスミア処理を行ってもよい。磁性体110の表面は、基材102と、第1絶縁層121と、第2絶縁層122と、導電層140とにより覆われているため、デスミア処理が行われても、磁性体110がデスミア液に晒されることはない。このため、デスミア液による磁性体110の浸食を防止できる。
【0054】
上記の方法では、第1配線層141及び第2配線層142をサブトラクティブ法により形成しているが、第1配線層141及び第2配線層142をセミアディティブ法により形成してもよい。セミアディティブ法により第1配線層141及び第2配線層142を形成する場合、次のような処理を行う。
【0055】
すなわち、
図6(b)に示す研磨の後、第1絶縁層121の表面上と、無電解銅めっき膜131、電解銅めっき膜132及び充填材149の第1絶縁層121の表面と面一の面上とに、シード層となる無電解銅めっき膜133Aを形成する。同様に、第2絶縁層122の表面上と、無電解銅めっき膜131、電解銅めっき膜132及び充填材149の第2絶縁層122の表面と面一の面上とにシード層となる無電解銅めっき膜133Bを形成する。
【0056】
次いで、無電解銅めっき膜133A上に、配線層141を形成する部分に開口部が設けられためっきレジスト層(不図示)を形成する。続いて、無電解銅めっき膜133Aをめっき給電経路に利用する電解めっき法により、めっきレジスト層の開口部に電解銅めっき膜134Aを形成する。同様に、無電解銅めっき膜133B上に、配線層142を形成する部分に開口部が設けられためっきレジスト層(不図示)を形成する。続いて、無電解銅めっき膜133Bをめっき給電経路に利用する電解めっき法により、めっきレジスト層の開口部に電解銅めっき膜134Bを形成する。その後、めっきレジスト層を除去する。
【0057】
次いで、電解銅めっき膜134Aをマスクにして、電解銅めっき膜134Aから露出する部分の無電解銅めっき膜133Aをウェットエッチングにより除去する。この結果、無電解銅めっき膜133Aと電解銅めっき膜134Aとを有する第1配線層141が得られる。同様に、電解銅めっき膜134Bをマスクにして、電解銅めっき膜134Bから露出する部分の無電解銅めっき膜133Bをウェットエッチングにより除去する。この結果、無電解銅めっき膜133Bと電解銅めっき膜134Bとを有する第2配線層142が得られる。
【0058】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、主として、導電層、第1配線層及び第2配線層の構成の点で第1実施形態と相違する。
【0059】
[配線基板の構造]
まず、配線基板の構造について説明する。
図8は、第2実施形態における導電層140、第1配線層141及び第2配線層142を示す断面図である。
【0060】
図8に示すように、第2実施形態では、導電層140は、無電解銅めっき膜131及び電解銅めっき膜132のうち、第1絶縁層121の表面と第2絶縁層122の表面に形成された部分を有する。
【0061】
第1配線層141は、無電解銅めっき膜133Aと、電解銅めっき膜134Aとを有する。第1配線層141は、更に、無電解銅めっき膜131及び電解銅めっき膜132のうち、第1絶縁層121の表面から外側の部分を含む。
【0062】
第2配線層142は、無電解銅めっき膜133Bと、電解銅めっき膜134Bとを有する。第2配線層142は、更に、無電解銅めっき膜131及び電解銅めっき膜132のうち、第2絶縁層122の表面から外側の部分を含む。
【0063】
他の構成は第1実施形態と同様である。
【0064】
第2実施形態によっても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0065】
[配線基板の製造方法]
次に、第2実施形態に係る配線基板の製造方法について説明する。
図9~
図10は、第2実施形態に係る配線基板の製造方法を示す断面図である。
【0066】
まず、第1実施形態と同様にして、充填材149の充填までの処理を行う(
図6(a)参照)。次いで、
図9(a)に示すように、基材102の両側において、研磨により、充填材149のうち電解銅めっき膜132の表面から突出している部分を除去する。例えば、充填材149の突出している部分は、バフ研磨又はロール研磨により除去することができる。この結果、充填材149は、電解銅めっき膜132の第1主面102A側の表面と面一の面と、電解銅めっき膜132の第2主面102B側の表面と面一の面とを有するようになる。その後、電解銅めっき膜132の表面のデスミア処理を行う。
【0067】
その後、
図9(b)に示すように、基材102の第1主面102A側において、電解銅めっき膜132の表面上と、充填材149の電解銅めっき膜132の表面と面一の面上とに無電解銅めっき膜133Aを形成する。同様に、基材102の第2主面102B側において、電解銅めっき膜132の表面上と、充填材149の電解銅めっき膜132の表面と面一の面上とに無電解銅めっき膜133Bを形成する。更に、無電解銅めっき膜133Aをめっき給電経路に利用する電解めっき法により、無電解銅めっき膜133A上に電解銅めっき膜134Aを形成し、無電解銅めっき膜133Bをめっき給電経路に利用する電解めっき法により、無電解銅めっき膜133B上に電解銅めっき膜134Bを形成する。
【0068】
その後、
図9(c)に示すように、第1実施形態と同様に、レジスト層151Aを電解銅めっき膜134A上に形成し、レジスト層151Bを電解銅めっき膜134B上に形成する。
【0069】
続いて、
図10(a)に示すように、レジスト層151Aをマスクとして電解銅めっき膜134A、無電解銅めっき膜133A、電解銅めっき膜132及び無電解銅めっき膜131をエッチングし、レジスト層151Bをマスクとして電解銅めっき膜134B、無電解銅めっき膜133B、電解銅めっき膜132及び無電解銅めっき膜131をエッチングする。この結果、第1配線層141及び第2配線層142が得られる。
【0070】
そして、
図10(b)に示すように、レジスト層151A及び151Bを除去する。その後、第1実施形態と同様に、第3絶縁層123及び第4絶縁層124の形成以降の処理を行う。
【0071】
このようにして、第2実施形態に係る配線基板を製造することができる。
【0072】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、主として、磁性体の構成の点で第1実施形態と相違する。
【0073】
[配線基板の構造]
まず、配線基板の構造について説明する。
図11は、第3実施形態における磁性体110を示す断面図である。
【0074】
図11に示すように、第3実施形態では、磁性体110の厚さは基材102の厚さと等しい。磁性体110の面110Aは第1主面102Aと面一であり、面110Bは第2主面102Bと面一である。すなわち、基材102の厚さ方向の中心Cから面110Aまでの距離は中心Cから第1主面102Aまでの距離と等しく、中心Cから面110Bまでの距離は中心Cから第2主面102Bまでの距離と等しい。
【0075】
他の構成は第1実施形態と同様である。
【0076】
第3実施形態によっても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0077】
[配線基板の製造方法]
次に、第3実施形態に係る配線基板の製造方法について説明する。
図12~
図13は、第3実施形態に係る配線基板の製造方法を示す断面図である。
【0078】
まず、
図12(a)に示すように、導電膜103A及び103Bが設けられていない絶縁性の基材102を準備する。基材102としては、配線基板が複数個取れる大判の基板が使用される。つまり、基材102は、配線基板に対応する構造体が形成される複数の領域を有している。
【0079】
次いで、
図12(b)に示すように、基材102に第1貫通孔111を形成する。例えば、第1貫通孔111はドリルやレーザを用いた加工等により形成することができる。その後、第1貫通孔111の壁面のデスミア処理を行う。
【0080】
続いて、
図13(a)に示すように、第1貫通孔111内に磁性体110を充填する。
【0081】
次いで、
図13(b)に示すように、研磨により、磁性体110のうち基材102の第1主面102Aから突出している部分及び第2主面102Bから突出している部分を除去する。例えば、磁性体110の突出している部分は、バフ研磨又はロール研磨により除去することができる。この処理が行われた磁性体110は、第1主面102Aと面一の面110Aと、第2主面102Bと面一の面110Bとを備える。その後、第1実施形態と同様に、第1絶縁層121及び第2絶縁層122の形成以降の処理を行う。
【0082】
このようにして、第3実施形態に係る配線基板を製造することができる。
【0083】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態は、主として、磁性体の構成の点で第2実施形態と相違する。
【0084】
[配線基板の構造]
まず、配線基板の構造について説明する。
図14は、第4実施形態における磁性体110を示す断面図である。
【0085】
図14に示すように、第4実施形態では、第3実施形態と同様に、磁性体110の厚さは基材102の厚さと等しい。磁性体110の面110Aは第1主面102Aと面一であり、面110Bは第2主面102Bと面一である。すなわち、基材102の厚さ方向の中心Cから面110Aまでの距離は中心Cから第1主面102Aまでの距離と等しく、中心Cから面110Bまでの距離は中心Cから第2主面102Bまでの距離と等しい。
【0086】
他の構成は第2実施形態と同様である。
【0087】
第4実施形態によっても第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0088】
[配線基板の製造方法]
次に、第4実施形態に係る配線基板の製造方法について説明する。
【0089】
まず、第3実施形態と同様に、導電膜103A及び103Bが設けられていない絶縁性の基材102を準備する。次いで、第3実施形態と同様に、第1貫通孔111の形成から磁性体110の研磨までの処理を行う。その後、第2実施形態と同様に、第1絶縁層121及び第2絶縁層122の形成以降の処理を行う。
【0090】
このようにして、第4実施形態に係る配線基板を製造することができる。
【0091】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。第5実施形態は半導体パッケージに関する。
図15は、第5実施形態に係る半導体パッケージ500を示す断面図である。
【0092】
図15に示すように、第5実施形態に係る半導体パッケージ500は、第1実施形態に係る配線基板100、半導体チップ300、バンプ312及びアンダーフィル樹脂330を有する。
【0093】
半導体チップ300は、バンプ312を介して接続端子147に接続される接続端子311を含む。接続端子311は、例えば電極パッドである。バンプ312には、例えば、はんだボールが用いられる。はんだボールの材料としては、錫銀(SnAg)系合金、錫亜鉛(SnZn)系合金及び錫銅(SnCu)系合金等の無鉛はんだ、並びに鉛錫(PbSn)系合金の有鉛はんだが例示される。半導体チップ300と配線基板100のソルダレジスト層127との間に、エポキシ樹脂等のアンダーフィル樹脂330が充填されている。
【0094】
このような半導体パッケージ500を製造するには、個片化後の配線基板100を準備し、バンプ312を用いて、半導体チップ300を配線基板100にフリップチップ実装する。半導体チップ300の実装後、半導体チップ300とソルダレジスト層127との間にアンダーフィル樹脂330を充填する。
【0095】
このようにして、半導体パッケージ500を製造することができる。
【0096】
第1実施形態に係る配線基板100に代えて、第2、第3又は第4実施形態に係る配線基板が用いられてもよい。
【0097】
本開示において、磁性体110は機能性材料の一例であり、機能性材料は磁性体に限定されない。
【0098】
本開示において、導電層の材料は銅に限定されず、導電層が、ニッケル等の他の金属のめっき膜を含んでいてもよい。
【0099】
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、上述した実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0100】
100 配線基板
102 基材
102A、102B 主面
110 磁性体
110A、110B 面
111、112、113 貫通孔
121、122、123、124、125、126 絶縁層
127、128 ソルダレジスト層
131、133A、133B 無電解銅めっき膜
132、134A、134B 電解銅めっき膜
140 導電層
141、142、143、144、145、146 配線層
149 充填材