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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】撮影方法、眼科装置、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/10 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
A61B3/10 300
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019172697
(22)【出願日】2019-09-24
(65)【公開番号】P2021048958
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】二牟禮 すみれ
(72)【発明者】
【氏名】柴田 浩匡
(72)【発明者】
【氏名】李 永波
【審査官】牧尾 尚能
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-051243(JP,A)
【文献】特開2008-086670(JP,A)
【文献】特開2012-143284(JP,A)
【文献】特開2011-010944(JP,A)
【文献】特表2002-543863(JP,A)
【文献】特表2002-517269(JP,A)
【文献】国際公開第2012/124227(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0208245(US,A1)
【文献】特開2016-059399(JP,A)
【文献】特表2008-539824(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 3/00- 3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インドシニアングリーン及びフルオレセインとは異なる第1蛍光物質を励起させる第1波長の第1励起光と、前記第1蛍光物質とは異なりインドシニアングリーン及びフルオレセインとは異なる第2蛍光物質を励起させる、前記第1波長よりも長い第2波長の第2励起光とを、被検眼に照射する照射部と、
前記第1励起光により励起された前記第1蛍光物質から近赤外波長を有する第1蛍光と、前記第2励起光により励起された前記第2蛍光物質から近赤外波長を有する第2蛍光とを、前記被検眼から受光するディテクタ部と、
前記被検眼の眼底表面側に位置する第1層に関する、前記第1蛍光に基づく第1蛍光画像データと、前記第1層よりも深い第2層に関する、前記第2蛍光に基づく第2蛍光画像データとを生成する生成部と、
前記第1および第2蛍光画像データ上の、前記第1層から前記第2層にまたがる前記被検眼の所定組織の位置に基づいて、前記第1蛍光画像データと前記第2蛍光画像データとの位置合わせを行う制御部と、
を備える眼科装置。
【請求項2】
前記照射部は、レーザ光である前記第1励起光と前記第2励起光とを発するレーザ光源を含む請求項1に記載の眼科装置。
【請求項3】
前記照射部は、前記第1蛍光物質の投与タイミングと前記第2蛍光物質の投与タイミングとに基づいて、前記第1励起光と前記第2励起光との前記被検眼への照射タイミングを制御する、請求項1又は2に記載の眼科装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影方法、眼科装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の蛍光物質を用いて蛍光撮影を行うことが開示されている。副作用がより少ない蛍光物質を用いた蛍光撮影を行うことが要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2009/140757号パンフレット
【発明の概要】
【0004】
本開示の技術の第1の態様の撮影方法は、第1蛍光物質からの第1蛍光と、前記第1蛍光物質とは異なる第2蛍光物質からの第2蛍光とを、被検眼から受光することと、前記第1蛍光に基づく第1蛍光画像データと前記第2蛍光に基づく第2蛍光画像データとを生成することと、前記第1蛍光画像データおよび前記第2蛍光画像データを用いて、前記被検眼の蛍光画像データを生成することと、を含む。
【0005】
本開示の技術の第2の態様の眼科装置は、第1蛍光物質を励起させる第1励起光と、前記第1蛍光物質とは異なる第2蛍光物質を励起させる第2励起光とを、被検眼に照射する照射部と、前記第1励起光により励起された前記第1蛍光物質からの第1蛍光と、前記第2励起光により励起された前記第2蛍光物質からの第2蛍光とを、前記被検眼から受光するディテクタ部と、前記被検眼が前記第1励起光と前記第2励起光とにより照射されるように前記照射部を制御し且つ前記被検眼からの前記第1蛍光と前記第2蛍光とが受光されるように前記ディテクタ部を制御する制御部と、を備える。
【0006】
本開示の技術の第3の態様は、制御部に被検眼の撮影処理を実行させるプログラムあって、前記撮影処理は、第1蛍光物質を励起させる第1励起光と、前記第1蛍光物質とは異なる第2蛍光物質を励起させる第2励起光とが、被検眼に照射されるように照射部を制御することと、前記第1励起光により励起された前記第1蛍光物質からの第1蛍光と、前記第2励起光により励起された前記第2蛍光物質からの第2蛍光とが、前記被検眼から受光されるように、ディテクタ部を制御することと、を含む。
【0007】
本開示の技術の第4の態様の眼科装置は、複数の蛍光物質の各々を励起させる複数の励起光の各々を被検眼に照射可能な照射部と、前記複数の励起光の各々により励起された前記複数の蛍光物質の各々からの複数の蛍光を、患者の被検眼から受光可能なディテクタ部と、各々2つの前記蛍光物質を備える複数の蛍光物質パターンの組合せを表示する表示部と、前記表示された複数の蛍光物質パターンの中の1つの組合せを選択するための選択部と、前記被検眼が、前記選択された1つの組合せに対応する2つの励起光により照射されるように前記照射部を制御し且つ前記選択された1つの組合せに対応する前記被検眼からの2つの蛍光が受光されるように前記ディテクタ部を制御し、前記受光された2つの蛍光に基づく2つの蛍光画像データを生成し、前記2つの蛍光画像データを用いて、前記被検眼の蛍光画像データを生成する制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】眼科システム100のブロック図である。
図2】眼科装置110の全体構成を示す概略構成図である。
図3】眼科装置110のCPU16Aの機能のブロック図である。
図4】撮影処理プログラムのフローチャートを示す図である。
図5A】蛍光物質の組合せパターン一覧500を示す図である。
図5B】第1光源40から第4光源46の各々が発光する光の波長帯域を示す図である。
図5C】第1センサ70から第3センサ74の各々が受光する光の波長帯域を示す図である。
図5D】撮影パターン表550を示す図である。
図6A】撮影タイミング選択画面を示す図である。
図6B】撮影タイミングとして同時に対応するボタンを操作され、投与順番が表示された様子を示す図である。
図7】第1眼底画像表示画面700Aを示す図である。
図8】第2眼底画像表示画面700Bを示す図である。
図9】第3眼底画像表示画面700Cを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
図1を参照して、眼科システム100の構成を説明する。図1に示すように、眼科システム100は、眼科装置110と、眼軸長測定器120と、管理サーバ装置(以下、「サーバ」という)140と、画像表示装置(以下、「ビューワ」という)150と、を備えている。眼科装置110は、患者の被検眼の血管を蛍光物質が流れている状態で被検眼を励起光で照射し、当該蛍光物質からの蛍光を受光し、被検眼の蛍光画像を生成する。眼軸長測定器120は、患者の眼軸長を測定する。サーバ140は、眼科装置110によって複数の患者の眼底が撮影されることにより得られた複数の蛍光画像、眼軸長、および断層画像を、患者のIDに対応して記憶する。ビューワ150は、サーバ140から取得した蛍光画像を表示する。
【0011】
眼科装置110、眼軸長測定器120、サーバ140、およびビューワ150は、ネットワーク130を介して、相互に接続されている。
【0012】
次に、図2を参照して、眼科装置110の構成を説明する。図2には、眼科装置110の概略構成が示されている。
【0013】
説明の便宜上、走査型レーザ検眼鏡(Scanning Laser Ophthalmoscope)を「SLO」と称する。また、光干渉断層計(Optical Coherence Tomography)を「OCT」と称する。
【0014】
なお、眼科装置110が水平面に設置された場合の水平方向を「X方向」、水平面に対する垂直方向を「Y方向」、後述する撮影光学系19の光軸方向を「Z方向」とする。このZ方向の光軸上に被検眼の瞳孔中心が位置するように装置が被検眼に対して配置される。そして、X方向、Y方向、およびZ方向は互いに垂直である。
【0015】
眼科装置110は、撮影装置14および制御装置16を含む。撮影装置14は、被検眼12の眼底12Aの画像を取得するSLOユニット18と、被検眼12の断層画像を取得するOCTユニット20と、撮影光学系19とを備えている。
【0016】
制御装置16は、CPU(Central Processing Unit(中央処理装置))16A、RAM(Random Access Memory)16B、ROM(Read-Only memory)16C、および入出力(I/O)ポート16Dを有するコンピュータを備えている。ROM16C(または図示しな記憶装置)には、後述する撮影処理プログラム、および蛍光物質の識別データが記憶されている。
【0017】
制御装置16は、I/Oポート16Dを介してCPU16Aに接続された入力/表示装置16Eを備えている。入力/表示装置16Eは、被検眼12の画像を表示したり、ユーザから各種指示を受け付けたりするグラフィックユーザインターフェースを有する。入力/表示装置16Eは、タッチパネル・ディスプレイを用いることができる。
【0018】
制御装置16は、I/Oポート16Dに接続されたICチップ読取機16Fを備えている。
【0019】
制御装置16は、I/Oポート16Dに接続された画像処理装置16Gを備えている。画像処理装置16Gは、撮影装置14によって得られたデータに基づき被検眼12の画像を生成する。制御装置16はI/Oポート16Dに接続された通信インターフェース(I/F)16Hを備えている。眼科装置110は、通信インターフェース(I/F)16Hおよびネットワーク130を介して眼軸長測定器120、サーバ140、およびビューワ150に接続される。
【0020】
上記のように、図2では、眼科装置110の制御装置16が入力/表示装置16Eを備えているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、眼科装置110の制御装置16は入力/表示装置16Eを備えず、眼科装置110とは物理的に独立した別個の入力/表示装置を備えるようにしてもよい。この場合、当該表示装置は、制御装置16のCPU16Aの制御下で動作する画像処理プロセッサユニットを備える。画像処理プロセッサユニットが、CPU16Aが出力指示した画像信号に基づいて、SLO画像等を表示するようにしてもよい。
【0021】
撮影装置14は、制御装置16の制御下で作動する。撮影装置14は、SLOユニット18、撮影光学系19、およびOCTユニット20を含む。
【0022】
SLOシステムは、図2に示す制御装置16、SLOユニット18、および撮影光学系19によって実現される。
【0023】
SLOユニット18は、複数の光源を備えている。例えば、図2に示されるように、第1光源40から第4光源46の4個の光源を備える。
【0024】
ここで、図5Bを参照して、第1光源40から第4光源46の各々が発光する光の波長帯域について説明する。第1光源40から第4光源46の各々が発光する光は後述する蛍光物質の励起光である。図5BのP1からP5は、後述するパターンP1からパターン5に対応することを示す。
【0025】
第1光源40は、425nmおよび448nmを含む第1所定範囲の波長帯域の第1光を発光する。第1光は、425nmの光を含むので、フコキサンチンの励起光であり(図5Aのパターン5参照)、448nmの光を含むので、リボフラビンおよびクロロフィルの励起光である(図5Aのパターン1、2参照)。
【0026】
第2光源42は、488nmおよび494nmを含む第2所定範囲の波長帯域の第2光を発光する。第2光は、488nmの光を含むので、フィコエリトリンの励起光であり(図5Aのパターン1参照)、494nmの光を含むので、フルオレセインの励起光である(図5Aのパターン3参照)。
【0027】
第3光源44は、610nmを含む第3所定範囲の波長帯域の第3光を発光する。第3光は、610nmの光を含むので、フィコシアニンの励起光である(図5Aのパターン2参照)。
【0028】
第4光源46は、774nmを含む第4所定範囲の波長帯域の第4光を発光する。第4光は、774nmの光を含むので、インドシニアングリーンの励起光である(図5Aのパターン5参照)。
【0029】
各光源40、42、44、46から出射された光は、各光学部材48、50、52、54、56を介して同一光路に指向される。光学部材48、56は、ミラーであり、光学部材50、52、54は、ビームスプリッタ―である。第1光は、光学部材48、50、54を経由して、撮影光学系19の光路に導かれる。第2光は、光学部材50、54を経由して、撮影光学系19の光路に導かれる。第3光は、光学部材52、54を経由して、撮影光学系19の光路に導かれる。第4光は、光学部材56、52を経由して、撮影光学系19の光路に導かれる。なお、光源40、42、44、46としては、LED光源や、レーザ光源を用いることができる。なお、以下には、レーザ光源を用いた例を説明する。光学部材48、56として、全反射ミラーを用いることができる。また、光学部材50、52、54として、ダイクロイックミラー、ハーフミラー等を用いることができる。
【0030】
SLOユニット18からビームスプリッタ58、60、64を介して撮影光学系19に入射されたレーザ光は、後述する第1光学スキャナ22によってX方向およびY方向に走査される。走査光は瞳孔27を経由して、被検眼12の後眼部(例えば、眼底12A)に照射される。詳細には後述するが、眼底12Aの血管を流れる蛍光物質が励起されることにより発生した蛍光は、撮影光学系19を経由してSLOユニット18へ入射される。
【0031】
眼底12Aの血管を流れる蛍光物質が励起されることにより発生した蛍光は、ビームスプリッタ64、58、60を介してセンサ70、72、74で検出される。センサ70、72、74は、後述する第1蛍光物質からの第1蛍光と、第1蛍光物質とは励起特性が異なる第2蛍光物質からの第2蛍光とを、被検眼から受光する。詳細には、センサ70、72、74は、眼底12Aの血管を流れる蛍光物質が励起されることにより発生した蛍光を受光する。
【0032】
ここで、図5Cを参照して、第1センサ70から第3センサ74を説明する。第1センサ70から第3センサ74は、蛍光物質が励起されることにより発生した蛍光を受光する。図5CのP1からP5は、後述するパターンP1からパターン5に対応することを示す。
【0033】
第1センサ70は、図示しない第1受光素子、第2受光素子、および第3受光素子を備える組をマトリクス状に配置することにより、構成されている。第1受光素子は、521nmを含む第1所定範囲の波長帯域の光を受光する。521nmはフルオレセインの蛍光波長である(図5Aのパターン3参照)。第2受光素子は、550nmを含む第2所定範囲の波長帯域の光を受光する。550nmはリボフラビンの蛍光波長である(図5Aのパターン1参照)。第3受光素子は、577nmを含む第3所定範囲の波長帯域の光を受光する。577nmはフィコエリトリンの蛍光波長である(図5Aのパターン1参照)。
【0034】
第1所定範囲、第2所定範囲、および第3所定範囲は重複しない。第1センサ70は、ビームスプリッタ64で反射された第1所定範囲から第3所定範囲を含む波長帯域の光を検出する。各組の各第1受光素子、各第2受光素子、各第3受光素子からは、大きさが受光した光の強さに応じた信号が画像処理装置16Gに出力される。
【0035】
画像処理装置16Gは、各第1受光素子から出力された信号に基づいて、フルオレセインの蛍光に基づく蛍光画像の第1画像データを生成する。画像処理装置16Gは、各第2受光素子から出力された信号に基づいて、リボフラビンの蛍光に基づく蛍光画像の第2画像データを生成する。画像処理装置16Gは、各第3受光素子から出力された信号に基づいて、フィコエリトリンの蛍光に基づく蛍光画像の第3画像データを生成する。
【0036】
第2センサ72は、640nmを含む第4所定範囲の波長の光を受光する第4受光素子と、680nmを含む第5所定範囲の波長帯域の光を受光する第5受光素子とを備える組をマトリクス上に配置することにより、構成されている。640nmはフィコシアニンの蛍光波長である(図5Aのパターン2参照)。680nmはクロロフィルおよびフコキサンチンの蛍光波長である(図5Aのパターン2、5参照)。第4所定範囲と第5所定範囲とは重複しない。第2センサ72は、ビームスプリッタ64を透過し、ビームスプリッタ58で反射された第4所定範囲および第5所定範囲を含む波長帯域の光を検出する。各組の各第4受光素子および各第5受光素子からは、大きさが受光した光の強さに応じた信号が画像処理装置16Gに出力される。
【0037】
画像処理装置16Gは、各第4受光素子から出力された信号に基づいて、フィコシアニンの蛍光に基づく蛍光画像の第4画像データを生成する。画像処理装置16Gは、各第5受光素子から出力された信号に基づいて、クロロフィルまたはフコキサンチンの蛍光に基づく蛍光画像の第5画像データを生成する。
【0038】
第3センサ74は、805nmを含む第6所定範囲の波長帯域の光を受光する第6受光素子をマトリクス上に配置することにより、構成されている。805nmはインドシニアングリーンの蛍光波長である(図5Aのパターン5参照)。第3センサ74は、ビームスプリッタ64、58を透過し、ビームスプリッタ60で反射された第6所定範囲を含む波長帯域の光を検出する。各第6受光素子からは、大きさが受光した光の強さに応じた信号が画像処理装置16Gに出力される。画像処理装置16Gは、各第6受光素子からの信号に基づいてインドシニアングリーンの蛍光に基づく第6画像データを生成する。
【0039】
画像処理装置16Gは、第1画像データから第6画像データの少なくとも2つを用いて、蛍光画像の画像データを生成する。
【0040】
例えば、画像処理装置16Gは、第1画像データ、第2画像データ、および第3画像データの少なくとも2つを用いて、蛍光画像の画像データを生成する。
【0041】
画像処理装置16Gは、第4画像データおよび第5画像データを用いて、蛍光画像の画像データを生成する。
【0042】
画像処理装置16Gは、第1画像データから第5画像データの少なくとも1つの画像データと、第6画像データとを用いて、蛍光画像の画像データを生成する。例えば、画像処理装置16Gは第5画像データと第6画像データとを用いて、蛍光画像の画像データを生成する。
【0043】
少なくとも二種類の画像データから得られる被検眼の蛍光画像は、眼底の蛍光による血管造影画像(眼底蛍光画像)である。蛍光物質の励起光と蛍光の波長により眼底の異なる深さの血管を可視化できる。例えば、網膜血管を可視化したり、脈絡膜血管を可視化したりすることができる。
また、被検眼の眼底等の後眼部だけでなく前眼部の蛍光撮影を行うことにより、前眼部の蛍光による血管造影画像(前眼部蛍光画像)を得ることができる。前眼部の構造において、網様体など血管を含む組織の血管構造を可視化することができる。
なお、被検眼の前眼部は、前眼セグメントとして、例えば、角膜、虹彩、隅角、水晶体、毛様体、および硝子体の一部を含む部分である。被検眼の後眼部は、後眼セグメントとして、例えば、 硝子体の残りの一部、網膜、脈絡膜、及び強膜を含む部分である。なお、前眼部に属する硝子体は、硝子体の内、水晶体の最も眼球中心に近い点を通るX-Y平面を境界として、角膜側の部分であり、後眼部に属する硝子体は、硝子体の内、前眼部に属する硝子体以外の部分である。
眼底の蛍光による血管造影画像や前眼部の蛍光による血管造影画像は、本技術の「被検眼の蛍光画像」の一例である。
【0044】
センサ70、72、74として、例えば、APD(avalanche photodiode:アバランシェ・フォトダイオード)が挙げられる。ビームスプリッタ58、60、64として、ダイクロイックミラー、ハーフミラー等を用いることができる。
【0045】
OCTシステムは、図2に示す制御装置16、OCTユニット20、および撮影光学系19によって実現される三次元画像取得装置である。OCTユニット20は、光源20A、センサ(検出素子)20B、第1の光カプラ20C、参照光学系20D、コリメートレンズ20E、および第2の光カプラ20Fを含む。
【0046】
光源20Aは、光干渉断層撮影のための光を発生する。光源20Aとしては、例えば、スーパールミネセントダイオード(Super Luminescent Diode;SLD)を用いることができる。光源20Aは、広いスペクトル幅をもつ広帯域光源の低干渉性の光を発生する。光源20Aから射出された光は、第1の光カプラ20Cで分割される。分割された一方の光は、測定光として、コリメートレンズ20Eで平行光にされた後、撮影光学系19に入射される。測定光は、後述する走査部(148、142)によってX方向およびY方向に走査される。走査光は、被検眼の前眼部や、瞳孔27を経由して後眼部に照射される。前眼部または後眼部で反射された測定光は、撮影光学系19を経由してOCTユニット20へ入射され、コリメートレンズ20Eおよび第1の光カプラ20Cを介して、第2の光カプラ20Fに入射する。なお、本実施形態では、光源20AとしてSLDを用いるSD-OCTが例示されているが、これに限定されず、SLDに替えて波長掃引光源を用いるSS-OCTが採用されてもよい。
【0047】
光源20Aから射出され、第1の光カプラ20Cで分岐された他方の光は、参照光として、参照光学系20Dへ入射され、参照光学系20Dを経由して、第2の光カプラ20Fに入射する。
【0048】
被検眼12で反射および散乱された測定光(戻り光)と、参照光とは、第2の光カプラ20Fで合成されて干渉光が生成される。干渉光はセンサ20Bで検出される。画像処理装置16Gは、センサ20Bからの検出信号(OCTデータ)に基づいて、被検眼12の断層画像を生成する。
【0049】
本実施形態では、OCTシステムは、被検眼12の前眼部または後眼部の断層画像を生成する。
【0050】
被検眼12の前眼部は、前眼セグメントとして、例えば、角膜、虹彩、隅角、水晶体、毛様体、および硝子体の一部を含む部分である。被検眼12の後眼部は、後眼セグメントとして、例えば、硝子体の残りの一部、網膜、脈絡膜、および強膜を含む部分である。なお、前眼部に属する硝子体は、硝子体の内、水晶体の最も眼球中心に近い点を通るX-Y平面を境界として、角膜側の部分であり、後眼部に属する硝子体は、硝子体の内、前眼部に属する硝子体以外の部分である。
【0051】
OCTシステムは、被検眼12の前眼部が撮影対象部位である場合、例えば、角膜の断層画像を生成する。また、被検眼12の後眼部が撮影対象部位である場合、OCTシステムは、例えば、網膜の断層画像を生成する。
【0052】
撮影光学系19は、第1光学スキャナ22、第2光学スキャナ24、および広角光学系30を含む。
【0053】
第1光学スキャナ22は、SLOユニット18から射出された光をX方向、およびY方向に2次元走査する。第2光学スキャナ24は、OCTユニット20から射出された光をX方向、およびY方向に2次元走査する。第1光学スキャナ22および第2光学スキャナ24は、光束を偏向できる光学素子であればよく、例えば、ポリゴンミラーや、ガルバノミラー等を用いることができる。また、それらの組合せであってもよい。
【0054】
広角光学系30は、共通光学系28を有する対物光学系、およびSLOユニット18からの光とOCTユニット20からの光を合成する合成部26を含む。
【0055】
なお、共通光学系28の対物光学系は、楕円鏡などの凹面ミラーを用いた反射光学系や、広角レンズなどを用いた屈折光学系、あるいは、凹面ミラーやレンズを組合せた反射屈折光学系でもよい。楕円鏡や広角レンズなどを用いた広角光学系を用いることにより、眼底中心部だけでなく眼底周辺部の網膜を撮影することが可能となる。
【0056】
楕円鏡を含むシステムを用いる場合には、国際公開WO2016/103484あるいは国際公開WO2016/103489に記載された楕円鏡を用いたシステムを用いる構成でもよい。国際公開WO2016/103484の開示および国際公開WO2016/103489の開示の各々は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
【0057】
広角光学系30によって、眼底において広い視野(FOV:Field of View)12Aでの観察が実現される。FOV12Aは、撮影装置14によって撮影可能な範囲を示している。FOV12Aは、視野角として表現され得る。視野角は、本実施の形態において、内部照射角と外部照射角とで規定され得る。外部照射角とは、眼科装置110から被検眼12へ照射される光束の照射角を、瞳孔27を基準として規定した照射角である。また、内部照射角とは、眼底Fへ照射される光束の照射角を、眼球中心Oを基準として規定した照射角である。外部照射角と内部照射角とは、対応関係にある。例えば、外部照射角が120度の場合、内部照射角は約160度に相当する。本実施の形態では、内部照射角は200度としている。
【0058】
SLOユニット18および撮影光学系19は、本開示の技術の「照射部」の一例である。第1センサ70から第3センサ74は、本開示の技術の「ディテクタ部」の一例である。制御装置16は、本開示の技術の「制御部」の一例である。入力/表示装置16Eは、本開示の技術の「表示部」および「選択部」の一例である。
【0059】
次に、眼軸長測定器120を説明する。眼軸長測定器120は、被検眼12の眼軸方向の長さである眼軸長を測定する第1のモードと第2のモードとの2つのモードを有する。第1のモードは、図示しない光源からの光を被検眼12に導光した後、眼底からの反射光と角膜からの反射光との干渉光を受光し、受光した干渉光を示す干渉信号に基づいて眼軸長を測定する。第2のモードは、図示しない超音波を用いて眼軸長を測定するモードである。
【0060】
眼軸長測定器120は、第1のモードまたは第2のモードにより測定された眼軸長をサーバ140に送信する。第1のモードおよび第2のモードにより眼軸長を測定してもよく、この場合には、双方のモードで測定された眼軸長の平均を眼軸長としてサーバ140に送信する。
【0061】
次に、図3を参照して、眼科装置110のCPU16Aが撮影処理プログラムを実行することで実現される各種機能について説明する。撮影処理プログラムは、パターン提示機能、撮影制御機能、画像処理制御機能、および処理機能を備えている。CPU16Aがこの各機能を有する撮影処理プログラムを実行することで、CPU16Aは、図3に示すように、パターン提示部302、撮影制御部304、画像処理部306、および処理部308として機能する。
【0062】
次に、図4を用いて、眼科装置110のCPU16Aによる、蛍光画像の生成処理を含む撮影処理を詳細に説明する。図4には、撮影処理プログラムのフローチャートが示されている。眼科装置110のCPU16Aが撮影処理プログラムを実行することで、図4のフローチャートに示された蛍光画像の生成処理方法を含む撮影処理方法が実現される。ここで、図4は、被検眼の眼底蛍光画像(眼底の蛍光による血管造影画像)を撮影する場合のフローチャートである。
【0063】
本実施の形態では、蛍光効率が高いが被検者にアレルギー(例えば、アナフィラキシーショック)を生じさせる場合のあるフルオレセインをそのまま用いないで、フルオレセインのみを用いた場合に得られる被検眼の眼底蛍光画像と同様の画質の被検眼の眼底蛍光画像を生成しようとするものである。
【0064】
図4に示す撮影処理プログラムは、患者名ID、患者名、患者の年齢、患者の視力、左眼か右眼かの情報が入力され、図示しないスタートボタンが操作された場合に、スタートする。
【0065】
ステップ402で、パターン提示部302は、入力/表示装置16Eのディスプレイに、蛍光物質の組合せパターン一覧を表示する。組合せパターン一覧は、ROM16C(または図しない記憶装置)に記憶されている。
【0066】
ここで、図5Aを参照して、蛍光物質の組合せパターン一覧500を説明する。図5Aに示すように、組合せパターン一覧500には、パターン選択列501に示すようにパターンを選択するためのボタンと、パターン列502に示すように、複数のパターン、例えば、5つのパターン1~パターン5が含まれる。組合せパターン一覧500の各パターンの欄は、蛍光物質列504に示すように、患者に投与する第1蛍光物質および当該第1蛍光物質とは励起特性が異なる第2蛍光物質の2つの蛍光物質の組合せを含む。
蛍光物質列504の情報は、本開示の技術の「組合せ情報」の一例である。
【0067】
2つの蛍光物質の組合せパターンには、第1に、人体に安全な蛍光物質を使用した可視蛍光造影のためのパターンがある。第1のパターンでは、フルオレセインに匹敵する蛍光強度を有する人体に安全な複数種類の蛍光造影剤の組合せである。例えば、パターン1に示すように、リボフラビンとフィコエリトリンとの組合せである。
【0068】
第2に、人体に安全な蛍光物質を使用した近赤外蛍光造影のためのパターンがある。第2のパターンでは、インドシアニングリーンに匹敵する蛍光強度を有する人体に安全な複数種類の蛍光造影剤の組合せである。例えば、パターン2に示すように、クロロフィルとフィコシアニンとの組合せである。なお、パターン5に示すように、インドシアニングリーンとフコキサンチンとの組合せでもよい。インドシアニングリーンの濃度は、人体に影響を及ぼさない程度に下げている。
【0069】
第3に、フルオレセインの人体への悪影響を緩和するため、フルオレセインの濃度を、人体に影響を及ぼさない程度に下げ、代わりに同等の蛍光波長を有する物質を組合せたパターンである。例えば、パターン3に示すように、フルオレセインとリボフラビンとの組合せや、パターン4に示すように、フルオレセインとフィコエリトリンとの組合せである。
【0070】
組合せパターン一覧500の各パターンの欄は更に、分子量列506に示すように、各蛍光物質の分子量を含む。例えば、パターン1では、リボフラビンの分子量として、478.33と、フィコエリトリンの分子量として、30.97が含まれている。なお、分子量がより大きいと、当該蛍光物質が血管を流れる速度は、より遅い。
【0071】
組合せパターン一覧500の各パターンの欄は更に、光源波長列508に示すように、各蛍光物質を励起させて蛍光を発生させる励起光の波長(光源波長、励起波長)を含む。例えば、パターン1では、リボフラビンの光源波長は、448nm、フィコエリトリンの光源波長は、488nmである。なお、リボフラビンおよびフィコエリトリンの光源波長は、第1光源40から発光される光の波長帯域に含まれる(図5B参照)。よって、パターン1の場合、第1光源40のみが光(励起光)を発生する。
【0072】
組合せパターン一覧500の各パターンの欄は更に、ディテクタ波長列510に示すように、各蛍光物質に対応する光源波長の励起光が照射されて発光する蛍光の検出される波長(ディテクタ波長、蛍光波長)を含む。例えば、パターン1では、リボフラビンからの蛍光の検出される波長は、550nm、フィコエリトリンの蛍光の検出される波長は、577nmが含まれている。リボフラビンおよびフィコエリトリンの蛍光の検出される波長は、第1センサ70の受光帯域に含まれる。よって、パターン1では、第1センサ70のみが稼働される。
【0073】
ところで、本実施の形態では、上記のように組合せパターン一覧500の蛍光物質の各パターンについて、図5Dに示すように、2つの撮影パターンがある。蛍光物質の各パターンについての2つの撮影パターンの撮影パターン表550は、ROM16C(または図しない記憶装置)に記憶されている。ステップ402で、パターン提示部302は、入力/表示装置16Eのディスプレイに、蛍光物質の組合せパターン一覧と共に撮影パターン表550を表示してもよい。
【0074】
撮影パターン表550は、パターン列522に示す各パターンについて、第1の撮影パターン列524に示すように、撮影同時パターンと、第2の撮影パターン列526に示すように、撮影異時パターンとがある。撮影同時パターンでは、2つの蛍光物質を患者に異時に投与して、2つの蛍光物質の各々が患者の被検眼の眼底の血管を同時に流れている状態を撮影するパターンである。撮影異時パターンでは、2つの蛍光物質を患者に同時に投与して、2つの蛍光物資の各々が患者の被検眼の眼底の血管を異時に流れている状態を撮影するパターンである。
【0075】
例えば、パターン1における撮影同時パターンについて説明する。リボフラビンは、フィコエリトリンより分子量が大きいため、血管を流れる速度は、より遅い。2つの蛍光物質が同時に患者の被検眼の血管を流れるためには、リボフラビンをフィコエリトリンよりも早く患者の腕に注射する必要がある。よって、パターン1では、投与順番欄532に、リボフラビンおよびフィコエリトリンの各々を患者に投与するタイミングとして、リボフラビンの後に、フィコエリトリンを注射するように順番(「リボフラビン→フィコエリトリン」)が定められている。
【0076】
各蛍光物質を患者の肘に注射してから患者の被検眼に到達するまでの時間は予め定められる。よって、パターン1の撮影同時パターンでは、リボフラビンを注射してからどの位の時間Tの後に、フィコエリトリンを注射すれば、これらの2つの蛍光物質が同時に被検眼の眼底の血管を流れるのかも予め定められる。パターン1には、この時間Tも記憶されている。
【0077】
リボフラビンおよびフィコエリトリンの光源波長は、448nmおよび488nmであり(図5A参照)、448nmおよび488nmは、第1光源40および第2光源42の波長帯域である(図5BのP1参照)。よって、パターン1の撮影同時パターンでは、図5Dに示すように、光源稼働順番欄534に、第1光源40および第2光源42を同時に稼働させることが定められている(図5D「第1光源+第2光源」参照)。リボフラビンおよびフィコエリトリンのディテクタ波長は、550nmおよび577nmであり(図5A参照)、550nmおよび577nmは、第1センサ70(第2受光素子、第3受光素子)の波長帯域である(図5CのP1参照)。よって、パターン1の撮影同時パターンでは、図5Dに示すように、センサ稼働順番欄536に、第1センサ70のみを稼働させることが定められている(図5D「第1センサ」参照)。
【0078】
次に、パターン1における撮影異時パターンについて説明する。撮影異時パターンでは、上記のように2つの蛍光物質を同時に投与(患者の肘静脈に注射)する。なお、撮影異時パターンでは2つの蛍光物質を同時に投与するので、図5Dに示すように、投与順番欄532には、2つの蛍光物質の各々を患者に投与するタイミングとして、2つの蛍光物質を同時に投与することの情報が定められている。2つの蛍光物質の分子量は異なる。よって、2つの蛍光物質は、異なる時に、患者の被検眼の血管に到達する。撮影異時パターンでは、各蛍光物質が被検眼の血管を流れる各時(異なる時)に、被検眼を撮影する。そして、各蛍光物質の分子量から、各蛍光物質が被検眼に到達する順番は予め定められる。よって、その順番に応じて稼働させる光源およびセンサの順番も予め定められる。
【0079】
パターン1では、分子量がより小さいフィコエリトリンが、分子量がより大きいリボフラビンよりも早く被検眼に到達する。よって、第2光源42の光の照射の後に第1光源40の光を照射するという順番と、各光の照射により蛍光を受光するセンサの順番とが定められている。なお、パターン1における撮影異時パターンでは、第1センサ70が、励起光を照射する各時(異時)に稼働するように定められている。具体的には、図5Dに示すように、光源稼働順番欄534に、第2光源42の次に第1光源40を稼働させることが定められている(図5D「第2光源→第1光源」参照)。センサ稼働順番欄536に、上記各時に第1センサ70を稼働させることが定められている(図5D「第1センサ→第1センサ」参照)。
【0080】
また、各パターンの各蛍光物質が、患者に注射されたときから被検眼の血管に到達するまでの時間は予め定められる。各蛍光物質が患者に注射されたときからどの位の時間が経過したら撮影開始すべきかも予め定められる。撮影異時パターンには、各蛍光物質が患者に注射されたとき撮影開始すべきときまでの時間も記憶されている。
【0081】
上記のように、蛍光物質の組合せパターン一覧500が表示されると、オペレータは、マウスを用いて、パターン1から5の何れかのパターンに対応するボタン501を操作する。ボタン501が操作されると、ステップ404で、処理部308は、蛍光物質の組合せパターンの選択を受け付ける。図5Aに示す例では、パターン1が選択された様子が示されている。
【0082】
ステップ406で、処理部308は、撮影タイミング選択画面を表示する。図6Aに示すように、撮影タイミング選択画面600は、撮影タイミング選択欄602と、投与順番表示欄604とを有する。撮影タイミング選択欄602は、選択ボタン列612に示すように、選択するためのボタンと、撮影タイミング表示列614に示すように、撮影タイミングが同時か異時かを示す欄とが設けられている。ステップ406では、処理部308は、撮影パターン表550(図5D参照)における、上記選択されたパターンに対応する光源稼働順番欄534及びセンサ稼働順番欄536の各情報の少なくとも一方を表示(出力)してもよい。
投与順番欄532の情報は、本開示の技術の「投与タイミング情報」の一例である。光源稼働順番欄534の情報は、本開示の技術の「光源指定情報」の一例である。センサ稼働順番欄536の情報は、本開示の技術の「ディテクタ指定情報」の一例である。
【0083】
撮影タイミング選択画面600が表示されると、オペレータは、選択ボタン列612における、同時か異時かに対応するボタンを操作する。例えば、図6Bに示すように、撮影タイミングとして同時に対応するボタンを操作する。ステップ408では、撮影タイミングの選択を受け付ける。
【0084】
撮影タイミングの選択を受け付けると、ステップ410で、処理部308は、ステップ410で、撮影パターン表550と、選択された蛍光物質のパターンおよび撮影タイミングとに基づいて、選択されたパターンの2つの蛍光物質の投与順番を、投与順番表示欄616に表示する。
【0085】
例えば、蛍光物質のパターンとして、図5Aに示すように、パターン1が選択され、撮影タイミングとして、図6Bに示すように、同時が選択された場合、図5Dに示す撮影パターン表550から、パターン1の2つの蛍光物質の投与順番として、「リボフラビン投与後T分後、フィコエリトリンを投与して下さい。」を表示する。
【0086】
なお、撮影異時パターンが選択された場合には、投与順番の欄616には、「リボフラビンとフィコエリトリンを同時に投与して下さい。」と表示する。
【0087】
投与順番が表示されると、オペレータが、各蛍光物質を、投与順番に従って、患者の肘静脈に投与する段階となる。
【0088】
ステップ412で、処理部308は、投与する蛍光物質(投与物質)のチェックを行う。各投与物質の容器には、投与物質の識別データを含むICチップが付与されている。ROM16C(または記憶装置)には、予め各蛍光物質の識別データが記憶されている。オペレータは、蛍光物質を注射器に注入する前に、蛍光物質の容器に付与されているICチップをICチップ読取機16Fに読み取らせる。ICチップ読取機16Fが、蛍光物質の識別データを読み取ると、ICチップ読取機16Fは、読み取った蛍光物質の識別データを入力する。ステップ412では、処理部308は、ICチップ読取機16Fにより入力された蛍光物質の識別データと、上記投与順番に従った蛍光物質の識別データとが一致しているか否かをチェックすることにより、投与物質が正しいか否かを判断する。投与物質が正しいと判断されなかった場合には、ステップ416で、処理部308は、投与物質が正しくないことを、ディスプレイに表示して、撮影処理は、ステップ412に戻る。
【0089】
投与物質が正しいと判断された場合には、ステップ418で、処理部308は、ディスプレイに、投与を指示する。ステップ420で、処理部308は、投与が完了したか否かを判断する。ディスプレイに投与が指示され、オペレータは、蛍光物質の投与を完了すると、図示しない投与完了ボタンを操作する。投与完了ボタンが操作されると、ステップ420が肯定判定される。
【0090】
次のステップ422で、撮影制御部304は、撮影タイミングとなったか否かを判断する。上記のように、投与物質が投与されてから被検眼に到達するまでの時間は記憶されているので、撮影制御部304は、ステップ420が肯定判定されたときから、上記記憶された時間が経過したか否かを判断する。投与タイミングとなったと判断された場合に、撮影制御部304は、ステップ424で、撮影制御部304は、選択された組合せパターンの選択された撮影タイミングに関連付けられた投与タイミングにより定まる光源を点灯する。例えば、上記のように、パターン1で撮影同時が選択された場合、投与順番欄532には、リボフラビンの後にフィコエリトリンを注射するように患者に投与するタイミングとしての順番が、パターン1と撮影同時とに関連付けられている。リボフラビンおよびフィコエリトリンの各々には第1光源40が関連付けられている。よって、パターン1で撮影同時が選択された場合、撮影制御部304は、第1光源40のみを点灯させる。
なお、第1光源40は、本開示の技術の「前記第1光源および前記第2光源の発光タイミングを制御する」ことの「前記第1光源および前記第2光源」の一例である。
【0091】
ステップ426で、撮影制御部304は、選択された組合せパターンにより定まるセンサからの撮影データを取得する。例えば、パターン1では、第1センサ70の各第2受光素子と各第3受光素子とから、撮影データを取得する。なお、撮影データは、動画像の画像データである。なお、静止画像の画像データでもよい。
【0092】
ステップ428で、撮影制御部304は、光源を消灯する。
【0093】
ステップ430で、選択されたパターンの全ての投与物質について撮影が終了したか否かを判断する。例えば、撮影同時が選択された場合には、ステップ412から428の処理が1回実行された場合に、ステップ430が肯定判定となる。一方、撮影異時が選択された場合には、最初の投与物質についてステップ412から430の処理が実行されると、ステップ430が否定判定され、撮影処理はステップ412に戻る。二番目の蛍光物質についてステップ412からステップ428の処理が実行されと、ステップ430が肯定判定となる。
【0094】
ステップ432で、画像処理部306は、画像処理を行う。例えば、パターン1が選択されている場合には、画像処理部306は画像処理装置16Gを制御することにより、画像処理装置16Gは、各第2受光素子から出力された信号に基づいて、リボフラビンの蛍光に基づく蛍光画像の第2画像データを生成し、各第3受光素子から出力された信号に基づいて、フィコエリトリンの蛍光に基づく蛍光画像の第3画像データを生成する。更に、画像処理装置16Gは、リボフラビンの蛍光に基づく蛍光画像の第2画像データと、フィコエリトリンの蛍光に基づく蛍光画像の第3画像データとから、被検眼の眼底蛍光画像の画像データを生成する。
【0095】
ステップ434で、処理部308は、被検眼の眼底蛍光画像の画像データを、上記選択された蛍光物質のパターンにおける当該蛍光物質、患者名ID、患者名、患者の年齢、患者の視力、左眼か右眼かの情報に対応して、サーバ140に出力する。サーバ140は、被検眼の眼底蛍光画像の画像データを、当該蛍光物質、患者名ID、患者名、患者の年齢、患者の視力、左眼か右眼かの情報、および撮影日に対応して、記憶させる。
【0096】
患者の眼軸長は、眼軸長測定器120から、サーバ140に、患者名IDに対応して送信される。サーバ140は、患者の眼軸長を患者名IDに対応して記憶する。
【0097】
本実施の形態では、蛍光物質の複数のパターンについて図4に示す撮影処理が実行される。例えば、パターン1~4のいずれか1つ以上と、パターン5とについて、図4に示す撮影処理が実行される。例えば、パターン1、2、5について図4に示す撮影処理が実行される。
【0098】
眼科医は、患者の被検眼を診察する際、患者名IDをビューワ150に入力する。ビューワ150はサーバ140に、患者名IDに対応する被検眼の眼底蛍光画像の画像データ等を送信するように指示する。サーバ140は、患者名IDに対応する、蛍光物質、患者名、患者の年齢、患者の視力、左眼か右眼かの情報、眼軸長、撮影日、および眼底蛍光画像の画像データを、患者名IDと共に、ビューワ150に送信する。
【0099】
蛍光物質、患者名ID、患者名、患者の年齢、患者の視力、左眼か右眼かの情報、眼軸長、撮影日、および眼底蛍光画像の画像データを受信したビューワ150は、図7に示す第1眼底画像表示画面700Aをディスプレイに表示する。
【0100】
図7に示すように、第1眼底画像表示画面700Aは、患者情報表示欄702と、第1眼底画像情報表示欄704Aとを備えている。
【0101】
患者情報表示欄702は、患者名ID、患者名、患者の年齢、患者の視力、左眼か右眼かの情報、眼軸長を表示するための、各々の表示欄712から722と、画面切替ボタン724とを有する。表示欄712から722に、受信した患者名ID、患者名、患者の年齢、患者の視力、左眼か右眼かの情報、眼軸長が表示される。
【0102】
第1眼底画像情報表示欄704Aは、撮影日表示欄730、選択されたパターンの蛍光物質の表示欄732、SLO画像表示欄734A、蛍光撮影画像表示欄736、および情報表示欄738を備えている。
【0103】
撮影日表示欄730に撮影日(YYYY/MM/DD)が表示される。情報表示欄738には、ユーザ(眼科医)の診察時のコメントやメモがテキストとして表示される。
【0104】
SLO撮影は、例えば、第2光源42を点灯させ被検眼の眼底から反射された光が第1センサ70から第3センサ74の何れかで検出されることにより行われ、画像処理装置16Gが、第1センサ70から第3センサ74の何れかからの信号に基づいて被検眼の眼底画像(SLO画像)を作成する。作成された被検眼の眼底画像(SLO画像)がSLO画像表示欄734Aに表示される。
【0105】
表示欄732には、選択されたパターンの蛍光物質が表示される。例えば、図7に示す例では、パターン1のリボフラビンとフィコエリトリンとが表示される。
【0106】
蛍光撮影画像表示欄736には、被検眼の眼底蛍光画像(動画像)が表示される。
【0107】
被検眼の眼底画像(SLO画像)と眼底蛍光画像とは、視神経乳頭位置およびその周辺に放射状に見られる血管を基準に用いて画像のアライメントを行い、時差をもって取得された画像の位置ずれを補正する。なお、視神経乳頭と中心窩の2点をアライメントの基準として用いてもよい。
【0108】
パターン1のリボフラビンとフィコエリトリンとでは蛍光波長が低く同様の波長帯域であるので、被検眼の眼底蛍光画像は、被検眼の網膜の動画像が表示される。
【0109】
図7に示すように、被検眼の眼底画像(SLO画像)と眼底蛍光画像とを並べて表示する場合としては、例えば、パターン1、3、4等のように、励起波長同士や蛍光波長同士が類似している場合である。
【0110】
ところで、例えば、第1眼底画像情報表示欄704Aが表示されている状態で、画面切替ボタン724が操作されると、ビューワ150のディスプレイの表示画面は、第2の眼底画像表示画面700B(図8参照)に切り替わる。
【0111】
第1眼底画像表示画面700Aと第2の眼底画像表示画面700Bとは略同様であるので、異なる部分のみを説明する。
【0112】
第2眼底画像表示画面700Bは、第2眼底画像情報表示欄704Bを備えている。第2眼底画像情報表示欄704Bは、SLO画像表示欄734Aに代えて(またはSLO画像表示欄734Aと共に)、OCTデータにより得られた血管造影画像であるOCT-A(Angiography)画像表示欄734Bを備えている。OCT-A画像表示欄734Bには、被検眼の眼底の蛍光画像の指定された矩形領域736RのOCT-A撮影画像が表示される。矩形領域736Rは、例えば、眼底の黄斑を含む12mm*12mmの範囲である。
眼科装置110により被検眼の全体のOCTデータが得られており、ユーザ(例えば、眼科医)が蛍光撮影画像表示欄736において矩形領域736Rが指定されると、この矩形領域736Rに対応した被検眼の眼底のOCTデータに基づいて、OCT-A画像表示欄734BにOCT-A画像が表示される。
なお、矩形領域736Rの位置及び大きさは黄斑を含む領域だけでなく、ユーザは、矩形領域736Rの位置を移動させたり矩形領域736Rの大きさを変化させたりすることができ、これによりOCT-A画像を表示したい領域を指定することができる。
【0113】
蛍光撮影画像表示欄736には、表示欄732に示すように蛍光物質としてパターン2のクロロフィルとフィコシアニンが用いられて得られた、被検眼の網膜の眼底蛍光画像が表示される。
【0114】
更に、例えば、第2眼底画像表示画面700Bが表示されている状態で、画面切替ボタン724が操作されると、第3眼底画像表示画面700C(図9参照)に切り替わる。第3眼底画像表示画面700C(図9参照)は、蛍光物質のパターンがパターン5に対応する。
【0115】
第2の眼底画像表示画面700Bと第3眼底画像表示画面700Cとは略同様であるので、異なる部分のみを説明する。
【0116】
第3眼底画像表示画面700Cの第3眼底画像情報表示欄704Cには、OCT-A撮影画像表示欄734Bに代えて(またはOCT-A撮影画像表示欄734Bと共に)、第1蛍光画像表示欄734Cが表示される。第3眼底画像情報表示欄704Cには、第2蛍光画像表示欄736Cが表示される。
【0117】
蛍光物質がインドシニアングリーン(ICG)の場合、励起波長が774nmであり近赤外領域の波長なので脈絡膜まで到達する。そして、被検眼の脈絡膜の血管に流れ込んだインドシアニングリーンが発する蛍光を受光することにより(蛍光波長が805nm)の脈絡膜血管の蛍光画像が得られる。第1蛍光画像表示欄734Cには、表示欄732C1に示すように蛍光物質としてインドシニアングリーン(ICG)が用いられて得られた脈絡膜血管の蛍光画像が表示される。
【0118】
蛍光物質がフコキサンチンの場合、励起波長が425nmであり青色領域の可視光の波長なので網膜表面に到達する。そして、被検眼の網膜血管に流れ込んだフコキサンチンが発する蛍光を受光することにより(蛍光波長が660~700nm)の網膜血管の蛍光画像が得られる。第2蛍光影画像表示欄736Cには、表示欄732C2に示すように蛍光物質としてフコキサンチンが用いられて得られた網膜血管の蛍光画像が表示される。
【0119】
このように眼底の異なる層の血管の蛍光画像が、表示欄734C、736Cに並べて表示される。
【0120】
脈絡膜血管画像と眼底蛍光画像とは上記のように画像アライメントを行って位置合わせが行われている。
【0121】
以上説明した実施の形態では、撮影同時パターンでは、2つの蛍光物質の複数のパターンから選択されたパターンの当該2つの蛍光物質が、被検眼の眼底の血管を同時に流れている状態で、被検眼に、流れている蛍光物質に対応する励起光を照射する。そして、当該2つの蛍光物質からの蛍光を受光して、それぞれの蛍光の画像データを作成し、作成されたそれぞれの蛍光の画像データから、被検眼の眼底蛍光画像を生成している。よって、選択されたパターンの2つの蛍光物質に、蛍光効率が高いが被検者にアレルギー(例えば、アナフィラキシーショック)を生じさせる場合のあるフルオレセインを用いなくまたはフルオレセインの濃度を人体に影響を及ぼさない程度に下げても、フルオレセインのみを用いた場合に得られる被検眼の眼底蛍光画像と同様の画質の被検眼の眼底蛍光画像を生成することができる。
【0122】
本実施の形態では、被検眼の眼底蛍光画像の動画像を取得、表示している。よって、例えば、眼底の血管から血液が漏れている状況を把握することができる。
【0123】
ところで、本実施の形態の第1センサ70から74は、蛍光の受光感度が比較的高いので、撮影異時パターンであっても、フルオレセインのみを用いた場合に得られる被検眼の眼底蛍光画像と同様の画質の被検眼の眼底蛍光画像を生成することができる。しかし、第1センサ70から74の受光感度が比較的低い場合において、撮影異時パターンの場合では、被検眼の眼底の撮影を、複数回行って、複数回行って得られた画像データから被検眼の眼底蛍光画像(静止画像)を生成してもよい。
【0124】
上記実施の形態では、蛍光物質を、肘の静脈に投与しているが、本開示の技術はこれに限定されず、経口投与でもよい。
【0125】
上記実施の形態では、蛍光物質の各パターンは、2つの蛍光物質のパターンとしているが、本開示の技術はこれに限定されず、3つ以上の蛍光物質のパターンでもよい。
【0126】
上記実施の形態では、SLOシステムを備えた眼科装置を用いているが、本開示の技術はこれに限定されず、眼底カメラでもよい。この場合の眼底カメラは、被検眼を励起光で照明するための光源等の照明部を備える。
【0127】
上記実施の形態では更に、リボフラビン経口投与による体内濃度向上のため以下の対策を行ってもよい。リボフラビンはフルオレセインと比べて蛍光強度が弱いが、経口投与+画像処理で、蛍光の弱さを補うことができる。
蛍光の弱さは蛍光画像全体が暗くなることにつながるが、複数毎の蛍光画像の平均化処理や積分処理などの画像処理により、リボフラビン蛍光強度の低さを補うこともできる。よって、リボフラビンの濃度(投与量)を下げることができる。
また、ノイズの原因となるリボフラビン以外の蛍光物質(例えば老化物質であるリポフスチン)の影響を抑えるために、撮影前の一定期間(例えば一週間)、リボフラビン以外の蛍光物質を軽減するサプリメント(リポフスチンを減少させるルテイン)を患者が摂取するようにしてもよい。
【0128】
以上説明した各例では、コンピュータを利用したソフトウェア構成により撮影処理が実現される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、コンピュータを利用したソフトウェア構成に代えて、FPGA(Field-Programmable Gate Array)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア構成のみによって、撮影処理が実行されるようにしてもよい。撮影処理のうちの一部の処理がソフトウェア構成により実行され、残りの処理がハードウェア構成によって実行されるようにしてもよい。
【0129】
このように本開示の技術は、コンピュータを利用したソフトウェア構成により撮影処理が実現される場合と、コンピュータを利用したソフトウェア構成でない構成で撮影処理が実現される場合とを含むので、以下の第1技術及び第2技術を含む。
(第1技術)
第1蛍光物質を励起させる第1励起光と、前記第1蛍光物質とは異なる第2蛍光物質を励起させる第2励起光とが、被検眼に照射されるように照射部を制御する照射部制御部と、
前記第1励起光により励起された前記第1蛍光物質からの第1蛍光と、前記第2励起光により励起された前記第2蛍光物質からの第2蛍光とが、前記被検眼から受光されるように、ディテクタ部を制御するディテクタ部制御部と、
を含む撮影装置。
【0130】
なお、上記実施の形態の撮影制御部304は、上記第1技術の「照射部制御部」、「ディテクタ部制御部」の一例である。
【0131】
(第2技術)
上記のように以上の開示内容から以下の第2技術が提案される
照射部制御部が、第1蛍光物質を励起させる第1励起光と、前記第1蛍光物質とは異なる第2蛍光物質を励起させる第2励起光とが、被検眼に照射されるように照射部を制御することと、
ディテクタ部制御部が、前記第1励起光により励起された前記第1蛍光物質からの第1蛍光と、前記第2励起光により励起された前記第2蛍光物質からの第2蛍光とが、前記被検眼から受光されるように、ディテクタ部を制御することと、
を含む撮影方法。
【0132】
以上の開示内容から以下の第3技術が提案される。
撮影処理するためのコンピュータープログラム製品であって、
前記コンピュータープログラム製品は、それ自体が一時的な信号ではないコンピュータ可読記憶媒体を備え、
前記コンピュータ可読記憶媒体には、制御部に、被検眼の撮影処理を実行させるプログラムが格納されており、
前記撮影処理は、
第1蛍光物質を励起させる第1励起光と、前記第1蛍光物質とは異なる第2蛍光物質を励起させる第2励起光とが、被検眼に照射されるように照射部を制御することと、
前記第1励起光により励起された前記第1蛍光物質からの第1蛍光と、前記第2励起光により励起された前記第2蛍光物質からの第2蛍光とが、前記被検眼から受光されるように、ディテクタ部を制御することと、
を含む、
コンピュータープログラム製品。
【0133】
以上説明した各例では、蛍光物質を励起させるため、被検眼に励起光を照射しているが、本開示の技術はこれに限定されず、光以外の電磁波、例えば、電場、磁場を被検眼に付与するようにしてもよい。
【0134】
以上説明した撮影処理はあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
【0135】
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的にかつ個々に記載された場合と同様に、本明細書中に参照により取り込まれる。
【符号の説明】
【0136】
18 SLOユニット
19 撮影光学系
40 第1光源
42 第2光源
44 第3光源
46 第4光源
70 第1センサ
72 第2センサ
74 第3センサ
16 制御装置
16E 入力/表示装置
504 蛍光物質列
532 投与順番欄
534 光源稼働順番欄
536 センサ稼働順番欄
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図7
図8
図9