(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成システム、画像形成方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/42 20060101AFI20240702BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240702BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20240702BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
B41J29/42 F
G03G21/00 386
G06F3/12 303
G06F3/12 310
G06F3/12 329
H04N1/00 127Z
(21)【出願番号】P 2020042045
(22)【出願日】2020-03-11
【審査請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100085660
【氏名又は名称】鈴木 均
(72)【発明者】
【氏名】大滝 信行
【審査官】大関 朋子
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-084954(JP,A)
【文献】特開2015-201128(JP,A)
【文献】特開2016-139380(JP,A)
【文献】特開2019-184783(JP,A)
【文献】特開2017-132124(JP,A)
【文献】特開2019-129342(JP,A)
【文献】特開2013-025375(JP,A)
【文献】特開2006-345041(JP,A)
【文献】特開2006-095984(JP,A)
【文献】特開2008-226183(JP,A)
【文献】特開2011-039160(JP,A)
【文献】特開2005-301413(JP,A)
【文献】特開2017-129993(JP,A)
【文献】特開2018-005352(JP,A)
【文献】特開2015-207158(JP,A)
【文献】特開昭58-163957(JP,A)
【文献】特開2007-230001(JP,A)
【文献】特開2013-030983(JP,A)
【文献】特開2007-018296(JP,A)
【文献】特開2016-140032(JP,A)
【文献】特開平08-123263(JP,A)
【文献】特開2002-006694(JP,A)
【文献】特開2001-344203(JP,A)
【文献】特開2004-086064(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
B41J 29/42
G03G 21/00
G06F 3/12
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置のライフサイクルに含まれる各ステータスに係わる各操作を受け付けるとともに、当該操作に係わる操作ヒント情報を表示する操作表示部と、
前記各ステータス、及び前記各ステータスに対応した操作ヒント情報を記憶するデータベースと、
制御部と、を備え、
当該画像形成装置に係わる機器情報
であって、少なくとも稼動情報を含む機器情報、を記憶する機器情報記憶部と、
前記機器情報記憶部から取得した機器情報に基づいて当該画像形成装置の現時点のステータスを判定するステータス判定部と、
前記ステータス判定部により判定されたステータスに対応した操作ヒント情報を前記データベースから読み込んで前記操作表示部に表示するように制御する表示制御部と、を備え
、
前記各ステータスは、少なくとも、設置ステータス、稼動ステータス、入替ステータス、廃棄・再生ステータスを含
み、
前記稼動情報は、印刷枚数、故障回数及び故障時間、部品交換回数であり、
前記ステータス判定部は、
当該画像形成装置に保存している初回設定フラグがオン状態である場合に前記設置ステータスとして判定し、
当該画像形成装置が稼動を開始して印刷枚数が設置閾値よりも大きく、入替え閾値よりも小さく、且つ故障回数及び故障時間が閾値よりも小さい場合に前記稼動ステータスとして判定し、
当該画像形成装置が稼動後に前記印刷枚数が入替え閾値よりも大きく、前記故障回数及び前記故障時間が閾値よりも大きく、且つ部品交換回数が閾値よりも大きい場合に前記入替ステータスとして判定し、
当該画像形成装置が稼動後に前記印刷枚数が機器規格デューティ値よりも大きく、前記故障回数及び前記故障時間が閾値よりも大きく、且つ前記部品交換回数が閾値よりも大きい場合に前記廃棄・再生ステータスとして判定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記記憶部が記憶している機器情報は、固有情報、環境情報、
前記稼動情報であり、
前記固有情報は、当該画像形成装置に係わるシリアル番号、機器種類、ソフトバージョン名であり、
前記環境情報は、ハブ、ルータ、ファイアウォールのネットワーク情報、エラー診断履歴であ
ることを特徴とする請求項
1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記機器情報記憶部に記憶される前記環境情報及び前記稼動情報を、当該画像形成装置に係わる設置環境及び稼動状況により随時更新するように制御することを特徴とする請求項
1に記載の画像形成装置
。
【請求項4】
前記設置ステータスに対応した操作ヒント情報は機器初期スマート設定方法であり、前記稼動ステータスに対応した操作ヒント情報は機器を最適に利用するための情報であり、前記入替ステータスに対応した操作ヒント情報はメンテナンスパーツ入替情報であり、前記廃棄・再生ステータスに対応した操作ヒント情報はデータ消去またはセキュリティ情報であること、を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
機器監視アプリケーションソフトウェア、又はブラウザを有する情報処理装置と接続する外部インターフェースを備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成装置と、請求項5に記載の画像形成装置と外部インターフェースを介して接続される情報処理装置と、を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項7】
前記情報処理装置はクラウドシステムにより前記画像形成装置と接続されていることを特徴とする請求項6に記載の画像形成システム。
【請求項8】
画像形成装置のライフサイクルに含まれる各ステータスに係わる各操作を受け付けるとともに、当該操作に係わる操作ヒント情報を表示する操作表示部と、
前記各ステータス、及び前記各ステータスに対応した操作ヒント情報を記憶するデータベースと、
制御部と、を備える画像形成装置による画像形成方法であって、
当該画像形成装置に係わる機器情報であって、少なくとも稼動情報を含む機器情報、を記憶する機器情報記憶ステップと、
前記機器情報記憶ステップにより取得した機器情報に基づいて当該画像形成装置の現時点のステータスを判定するステータス判定ステップと、
前記ステータス判定ステップにより判定されたステータスに対応した操作ヒント情報を前記データベースから読み込んで前記操作表示部に表示するように制御する表示制御ステップと、を実行し、
前記各ステータスは、少なくとも、設置ステータス、稼動ステータス、入替ステータス、廃棄・再生ステータスを含み、
前記稼動情報は、印刷枚数、故障回数及び故障時間、部品交換回数であり、
前記ステータス判定ステップは、
当該画像形成装置に保存している初回設定フラグがオン状態である場合に前記設置ステータスとして判定し、
当該画像形成装置が稼動を開始して印刷枚数が設置閾値よりも大きく、入替え閾値よりも小さく、且つ故障回数及び故障時間が閾値よりも小さい場合に前記稼動ステータスとして判定し、
当該画像形成装置が稼動後に前記印刷枚数が入替え閾値よりも大きく、前記故障回数及び前記故障時間が閾値よりも大きく、且つ部品交換回数が閾値よりも大きい場合に前記入替ステータスとして判定し、
当該画像形成装置が稼動後に前記印刷枚数が機器規格デューティ値よりも大きく、前記故障回数及び前記故障時間が閾値よりも大きく、且つ前記部品交換回数が閾値よりも大きい場合に前記廃棄・再生ステータスとして判定することを特徴とする画像形成方法。
【請求項9】
請求項8に記載された画像形成方法における各ステップをプロセッサに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成システム、画像形成方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者は、画像形成装置に備えた操作部を介して、機器が正常に機能するように各種情報を入力及び設定していた。
このような画像形成装置にあっては、機器の出荷から廃棄までの各ライフサイクルに対応した機器設定情報や操作のための操作ヒント情報は、例えば機器マニュアル等の紙面に記録された情報、或いは機器マニュアルを操作表示部に表示するといった技術が搭載されている。
【0003】
このような従来の画像形成装置の一例として、特許文献1が知られている。
特許文献1には、表示中の画面からヒント画面の表示が要求されたとき、このヒント画面から参照可能なマニュアルへのリンクを示す各マニュアルの表示形態及び順番を、各マニュアルの重み付けに基づいて表示・ソートすることにより、利用者は閲覧したい情報を含む可能性が高いマニュアルを容易に選択することができるという技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1にあっては、画像形成装置が備えている操作部を介して、画像形成装置が期待通り動く設定、及び各種機器情報の入手ができる。
しかしながら、機器設定情報、又は、操作し易くするための操作ヒント情報が提示されないため、利用者が容易に機器の設定又は、操作の実施ができていないといった問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的としては、画像形成装置のライフサイクルに係わるステータスに応じた操作ヒント情報を利用者に提示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、上記課題を解決するために、画像形成装置のライフサイクルに含まれる各ステータスに係わる各操作を受け付けるとともに、当該操作に係わる操作ヒント情報を表示する操作表示部と、前記各ステータス、及び前記各ステータスに対応した操作ヒント情報を記憶するデータベースと、制御部と、を備え、当該画像形成装置に係わる機器情報であって、少なくとも稼動情報を含む機器情報、を記憶する機器情報記憶部と、前記機器情報記憶部から取得した機器情報に基づいて当該画像形成装置の現時点のステータスを判定するステータス判定部と、前記ステータス判定部により判定されたステータスに対応した操作ヒント情報を前記データベースから読み込んで前記操作表示部に表示するように制御する表示制御部と、を備え、前記各ステータスは、少なくとも、設置ステータス、稼動ステータス、入替ステータス、廃棄・再生ステータスを含み、前記稼動情報は、印刷枚数、故障回数及び故障時間、部品交換回数であり、前記ステータス判定部は、当該画像形成装置に保存している初回設定フラグがオン状態である場合に前記設置ステータスとして判定し、当該画像形成装置が稼動を開始して印刷枚数が設置閾値よりも大きく、入替え閾値よりも小さく、且つ故障回数及び故障時間が閾値よりも小さい場合に前記稼動ステータスとして判定し、当該画像形成装置が稼動後に前記印刷枚数が入替え閾値よりも大きく、前記故障回数及び前記故障時間が閾値よりも大きく、且つ部品交換回数が閾値よりも大きい場合に前記入替ステータスとして判定し、当該画像形成装置が稼動後に前記印刷枚数が機器規格デューティ値よりも大きく、前記故障回数及び前記故障時間が閾値よりも大きく、且つ前記部品交換回数が閾値よりも大きい場合に前記廃棄・再生ステータスとして判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画像形成装置のライフサイクルに係わるステータスに応じた操作ヒント情報を利用者に提示して、各ステータスに対応した操作を確実に且つ容易に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係わる画像形成システムの全体構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係わるクライアントPCのハードウェア構成を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係わる画像形成装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係わるライフサイクルステータスDBの構成を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係わる画像形成装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係わる画像形成装置のライフサイクルステータス判定フローチャートである。
【
図7】本発明の一実施形態に係わる画像形成装置のクライアントPC側で操作ヒント情報を提示する場合の処理フローチャートである。
【
図8】本発明の一実施形態に係わる画像形成装置の操作表示部で操作ヒント情報を提示する場合の処理フローチャートである。
【
図9】本発明の一実施形態に係わる画像形成装置の各ステータスに対する操作ヒント情報の一例を表で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
本発明は、画像形成装置のライフサイクルに係わるステータスに応じた操作ヒント情報を利用者に提示するために、以下の構成を有する。
すなわち、本発明の画像形成装置は、画像形成装置のライフサイクルに含まれる各ステータスに係わる各操作を受け付けるとともに、当該操作に係わる操作ヒント情報を表示する操作表示部と、各ステータス、及び各ステータスに対応した操作ヒント情報を記憶するデータベースと、制御部と、を備え、当該画像形成装置に係わる固有情報、環境情報、及び稼動情報を記憶する機器情報記憶部と、機器情報記憶部から取得した機器情報に基づいて当該画像形成装置の現時点のステータスを判定するステータス判定部と、ステータス判定部により判定されたステータスに対応した操作ヒント情報をデータベースから読み込んで操作表示部に表示するように制御する表示制御部と、を備えることを特徴とする。
以上の構成を備えることにより、画像形成装置のライフサイクルに係わるステータスに応じた操作ヒント情報を利用者に提示して、各ステータスに対応した操作を確実に且つ容易に実行することができる。
上記記載の本発明の特徴について、以下の図面を用いて詳細に解説する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0010】
<画像形成システム>
図1は、本発明の一実施形態に係わる画像形成システムの全体構成を示すブロック図である。以下、同じ構成要件には同一の符号を付して説明する。
本実施形態では、画像形成システム1は、ネットワーク3、クライアントPC5、通信経路7、画像形成装置9、クラウドシステム11を備えている。
【0011】
ネットワーク3は、複数のクライアントPC5や画像形成装置9を接続して、相互に通信できるようにした通信網である。
クライアントPC5は、情報処理装置を構成し、システムに何らかの障害が発生しているか、正しくサービスが稼働していないか、又は悪影響が予想されることを監視する機器監視アプリと、ウェブサイトを閲覧するために使うソフトウェアであるブラウザを備えている。
通信経路7は、クライアントPC5のTCP/IPポートやWSDポートを介して接続するLANケーブルや無線LAN、画像形成装置9のUSBポートを介して接続するUSBケーブルであればよい。
画像形成装置9は、コントローラ101と、画像形成部111を備え、ネットワーク3を介して外部装置114と接続されている(詳細は
図3で説明する)。
クラウドシステム11は、ハードウェアを購入したり、あるいはソフトウェアをインストールしなくても利用できたりするサービスであり、クラウドサービスとして提供されている代表的なメールサービスには、GoogleのGmail(登録商標)やMSNのHotmail(登録商標)などがある。
【0012】
<クライアントPCのハードウェア構成>
図2は、本発明の一実施形態に係わるクライアントPCのハードウェア構成を示す図である。
図2に示されているように、クライアントPC5は、コンピュータによって構築されており、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディア515、メディアI/F516を備えている。
これらのうち、CPU501は、クライアントPC5全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。
【0013】
外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのUSBインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。
ネットワークI/F509は、通信ネットワークを用いてデータ通信をするためのTCP/IPインターフェースであり、LANケーブルや無線LANを介して外部機器である画像形成装置9に接続することが可能になる。
バスライン510は、
図2に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。
ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。
DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。
メディアI/F516は、フラッシュメモリ等のメディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0014】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0015】
<画像形成装置のハードウェア構成>
図3は、本発明の一実施形態に係わる画像形成装置のハードウェア構成を示す図である。
画像形成装置9は、コントローラ101と、画像形成部111を備え、ネットワーク3を介して外部装置114と接続されている。
【0016】
コントローラ101は、CPU102、ROM104、RAM105、画像処理部106、FCU107、操作表示部108、HDD109、ネットワーク制御部110を備えている。
【0017】
CPU102は、オペレーションシステムOS(Operating System)や制御プログラムを実行することで、画像形成装置9の動作を制御する機能を果たす。
ROM104は、CPU102が実行するプログラムが格納される不揮発性メモリであり、RAM105上に展開してCPU102によって実行される。
RAM105は、CPU102の作業用領域として使用される揮発性メモリである。
【0018】
画像処理部106は、プロッタ部112により印刷する画像データを作成したり、スキャナ部113より二値化されたデータから画像データを作成(回転や圧縮など)したりするASICである。このASICは、中核をなすアービタ(ARB)、メモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部113及びプロッタ部112との間でバスを介したデータ転送を行う。
【0019】
なお、ASICには、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
【0020】
FCU107は、ファクシミリ・コントロール・ユニットであり、FAX処理用のデバイスである。
操作表示部108は、利用者の操作情報の入力受け付けと、利用者への情報表示の機能を果たす。
【0021】
HDD109は、画像データ、文書データ、本発明に係わるプログラムを含む複合機上で動作させる各種のプログラム、フォントデータ、オペレーションシステムに係るシステム情報、利用者情報等を含む各種のデータを蓄積する大容量の記憶装置である。
【0022】
ネットワーク制御部110は、画像形成装置9とネットワーク3経由でデータ通信を制御する機能を果たす。
画像形成部111は、プロッタ部112とスキャナ部113を備えている。
プロッタ部112は、コントローラ101からの画像処理結果の画像データに基づく画像を印刷出力する機能を果たす。
【0023】
スキャナ部113は、紙等の媒体に記録された画像をスキャンし、画像データをコントローラ101に転送する画像読取装置である。
外部装置114は、印刷指示や画像形成装置9の制御を行う機能を果たす。
【0024】
<ライフサイクルステータスDBの機能構成>
図4は、本発明の一実施形態に係わるライフサイクルステータスDBの構成を示す図である。
ライフサイクルステータスDB71は、機器情報71a、ルール情報71b、ヒント情報・画面操作フロー情報71cを記憶している。
機器情報71aは、
図5に示す画像形成装置9の固有情報81a、環境情報81b、及び稼動情報81cを記憶している。
ルール情報71bは、画像形成装置9に備えられた操作表示部108の操作ヒント表示ボタンを押下したときに画像形成装置9が現時点に属しているステータスを機器情報71aの情報を用いて判定する。
ヒント情報・画面操作フロー情報71cは、設計、生産、在庫、設置、稼動、入替え、廃棄/再生のライフサイクル毎のヒント提示操作フローを記憶している。
【0025】
<機能構成を示すブロック図>
図5は、本発明の一実施形態に係わる画像形成装置の機能構成を示すブロック図である。
画像形成装置9は、機器情報記憶部81、ステータス判定部83、表示制御部85、制御部87を備えている。
機器情報記憶部81には、固有情報81a、環境情報81b、及び稼動情報81cが記憶されている。
固有情報81aには、画像形成装置9のシリアル番号、機器種類、ソフトバージョン名が記憶されている。
環境情報81bには、ハブ、ルータ、ファイアウォールのネットワーク情報、エラー診断履歴が記憶されている。
稼動情報81cには、印刷枚数、故障回数及び故障時間、部品交換回数が記憶されている。
【0026】
ステータス判定部83には、設置ステータス83a、稼動ステータス83b、入替ステータス83c、廃棄・再生ステータス83dが記憶されている。
制御部87は、画像形成装置9に保存している初回設定フラグがオンの場合に設置ステータス83aと判定する。
制御部87は、画像形成装置9が稼働を開始して稼動情報81cの印刷枚数が設置閾値より大きく、入替え閾値より小さく、且つ故障回数及び故障時間が閾値より小さい場合に稼動ステータス83bと判定する。
制御部87は、画像形成装置9が稼動後に稼動情報81cの印刷枚数が入替え閾値より大きく、故障回数及び故障時間が閾値より大きく、且つ部品交換回数が閾値より大きい場合に入替ステータス83cと判定する。
制御部87は、画像形成装置9が稼動後に稼動情報81cの印刷枚数が機器規格デューティ(Duty)値より大きく、故障回数及び故障時間が閾値より大きく、且つ部品交換回数が閾値より大きい場合に廃棄・再生ステータス83dと判定する。
【0027】
表示制御部85は、ステータス判定部83により判定されたステータスに対応した機器設定情報及び操作ヒント情報を操作表示部108に表示するように制御する。
【0028】
制御部87は、データ管理部87a、データ解析部87b、データ生成部87c、データ処理部87dを備え、環境情報81b及び稼動情報81cを、画像形成装置9に係わる設置環境及び稼動により随時更新する。
データ管理部87aは、ネットワーク3を介して、画像形成装置9の外部からインプットされたデータを記憶装置(RAM105、HDD109)に保存、及び所定の処理モジュールに送り出す。また、適切に記憶装置(RAM105、HDD109)に保存、及び所定の処理モジュールから必要なデータを読み出すデータ管理モジュールである。
データ解析部87bは、ネットワーク3を介して、画像形成装置9の外部からインプットされたデータを解析し、画像形成装置9の処理できるデータフォーマットに整形するモジュールである。
データ生成部87cは、印刷画像または、ネットワーク3へ転送、及び操作表示部108で表示データを作り出すモジュールである。
データ処理部87dは、データ解析部87bの作り出したデータに対し、画像データを加工または、制御コマンドの場合、画像形成装置9の動作を指示するモジュールである。
【0029】
<ライフサイクルステータス判定フローチャート>
図6は、本発明の一実施形態に係わる画像形成装置のライフサイクルステータス判定フローチャートである。
ステップS1では、利用者は、画像形成装置9に備えられた操作表示部108の操作ヒント表示ボタンを押下する。
ステップS3では、制御部87は、操作ヒント表示ボタンが押下されたことを検知すると、機器初回設定フラグがオンか否かを判断する。
ステップS5では、制御部87は、機器初回設定フラグがオンの場合(ステップS3でYesのルート)は、設置ステータス83aと判定する。
ステップS7では、制御部87は、機器初回設定フラグがオフの場合(ステップS3でNoのルート)は、画像形成装置9が稼働を開始して稼動情報81cに含まれる印刷枚数が設置閾値よりも大きく、入替え閾値よりも小さく、且つ故障回数及び故障時間が閾値よりも小さいか否かを判断する。
ステップS9では、制御部87は、ステップS7の判断結果がYesの場合(ステップS7でYesのルート)は、稼動ステータス83bと判定する。
ステップS11では、制御部87は、ステップS7の判断結果がNoの場合(ステップS7でNoのルート)は、画像形成装置9が稼動後に稼動情報81cに含まれる印刷枚数が入替え閾値よりも大きく、故障回数及び故障時間が閾値よりも大きく、且つ部品交換回数が閾値よりも大きいか否かを判断する。
ステップS13では、制御部87は、ステップS11の判断結果がYesの場合(ステップS11でYesのルート)は、入替ステータス83cと判定する。
ステップS15では、制御部87は、ステップS11の判断結果がNoの場合(ステップS11でNoのルート)は、画像形成装置9が稼動後に稼動情報81cに含まれる印刷枚数が機器規格デューティ値よりも大きく、故障回数及び故障時間が閾値よりも大きく、且つ部品交換回数が閾値よりも大きいか否かを判断する。
ステップS17では、制御部87は、ステップS15の判断結果がYesの場合(ステップS15でYesのルート)は、廃棄・再生ステータス83dと判定する。また、ステップS15の判断結果がNoの場合(ステップS15でNoのルート)は、ステップS1に戻る。
ステップS19では、制御部87は、各ステータスに応じたヒント情報をライフサイクルステータスDBから読み込んで操作表示部108に表示する。
【0030】
<操作ヒント情報を提示する場合の処理フローチャート>
図7は、本発明の一実施形態に係わる画像形成装置のクライアントPC側で操作ヒント情報を提示する場合の処理フローチャートである。
ステップS31では、操作ヒント情報表示用アプリケーション(機器監視アプリ、又はブラウザ)を起動する。
ステップS33では、クライアントPC5は、ネットワークプロトコルを通じて対象機器(画像形成装置9)に接続する。
ステップS35では、クライアントPC5は、画像形成装置9に保存しているライフサイクルステータスDB71の情報を読み取り、今現在の画像形成装置9のステータスを特定する。
ステップS37では、画像形成装置9は、今現在のステータスに基づいて、同じライフサイクルステータスDB71より操作ヒント情報を取得する。
ステップS39では、画像形成装置9は、操作ヒント情報を規定のフォーマットに合わせて操作表示部108上で表示する。
【0031】
<操作ヒント情報を提示する場合の処理フローチャート>
図8は、本発明の一実施形態に係わる画像形成装置の操作表示部で操作ヒント情報を提示する場合の処理フローチャートである。
ステップS51では、利用者は、画像形成装置9の操作表示部108の操作ヒント表示ボタンを押下する。
ステップS53では、画像形成装置9は、機器内蔵操作ヒント情報提示組み込みプログラムが起動される。
ステップS55では、画像形成装置9は、保存しているライフサイクルステータスDB71の情報を読み取り、今現在の画像形成装置9のステータスを特定する。
ステップS57では、画像形成装置9は、今現在のステータスに基づいて、同じライフサイクルステータスDB71より操作ヒント情報を取得する。
ステップS59では、画像形成装置9は、操作ヒント情報を規定のフォーマットに合わせて操作表示部108上で表示する。
【0032】
<操作ヒント情報の一例を示す図表>
図9は、本発明の一実施形態に係わる画像形成装置の各ライフサイクルに対する操作ヒント情報の一例を示す図表である。
画像形成装置9に保存、又は随時監視で把握した稼動状態に基づき、ライフサイクルステータスDB71の情報を用いて、画像形成装置9の今現在のステータスを判定し、ライフサイクルに対応して、利用者が利用しやすく適切な設定、及び操作を喚起する。
本実施形態では、提示対象者が機器利用者であるNO.4~7のライフサイクルについて言及している。
例えば、NO.4の「設置」の場合の操作部提示ヒント内容は、機器初期スマート設定方法であり、提示対象者は機器利用者である。
また、NO.5の「稼動」の場合の操作部提示ヒント内容は、機器を最適に利用するための情報であり、提示対象者は機器利用者である。
また、NO.6の「入替え」の場合の操作部提示ヒント内容は、メンテナンスパーツ入替情報であり、提示対象者は機器利用者である。
また、NO.7の「廃棄/再生」の場合の操作部提示ヒント内容は、データ消去、セキュリティ情報であり、提示対象者は機器利用者である。
【0033】
<本実施形態の態様例の作用、効果のまとめ>
<第1態様>
本態様の画像形成装置9は、画像形成装置9のライフサイクルに含まれる各ステータスに係わる各操作を受け付けるとともに、当該操作に係わる操作ヒント情報を表示する操作表示部108と、各ステータス、及び各ステータスに対応した操作ヒント情報を記憶するライフサイクルステータスDB71と、制御部87と、を備え、当該画像形成装置9に係わる固有情報、環境情報、及び稼動情報を記憶する機器情報記憶部81と、機器情報記憶部81から取得した機器情報に基づいて当該画像形成装置9の現時点のステータスを判定するステータス判定部83と、ステータス判定部83により判定されたステータスに対応した操作ヒント情報をライフサイクルステータスDB71から読み込んで操作表示部108に表示するように制御する表示制御部85と、を備えることを特徴とする。
本態様によれば、画像形成装置9のライフサイクルに係わるステータスに応じた操作ヒント情報を利用者に提示して、各ステータスに対応した操作を確実に且つ容易に実行することができる。
【0034】
<第2態様>
本態様の画像形成装置9の制御部87は、機器情報記憶部81に記憶される環境情報81b及び稼動情報81cを、当該画像形成装置9に係わる設置環境及び稼動状況により随時更新するように制御することを特徴とする。
本態様によれば、環境情報81b及び稼動情報81cを、当該画像形成装置9に係わる設置環境及び稼動状況により随時更新するので、最新の環境情報81b及び稼動情報81cを取得することができる。
【0035】
<第3態様>
本態様の画像形成装置9は、機器監視アプリケーションソフトウェア、又はブラウザを有するクライアントPC5と接続する外部インターフェースを備えることを特徴とする。
本態様によれば、画像形成装置9が機器監視アプリケーションソフトウェア、又はブラウザを有するクライアントPC5と接続できるので、画像形成装置9と離れている場所からヒント情報を取得することができる。
【0036】
<第4態様>
本態様のステータス判定部83は、当該画像形成装置9に保存している初回設定フラグがオン状態である場合に設置ステータス83aとして判定し、当該画像形成装置9が稼働を開始して稼動情報81cに含まれる印刷枚数が設置閾値よりも大きく、入替え閾値よりも小さく、且つ故障回数及び故障時間が閾値よりも小さい場合に稼動ステータス83bとして判定し、当該画像形成装置9が稼動後に稼動情報81cに含まれる印刷枚数が入替え閾値よりも大きく、故障回数及び故障時間が閾値よりも大きく、且つ部品交換回数が閾値よりも大きい場合に入替ステータス83cとして判定し、当該画像形成装置9が稼動後に稼動情報81cに含まれる印刷枚数が機器規格デューティ値よりも大きく、故障回数及び故障時間が閾値よりも大きく、且つ部品交換回数が閾値よりも大きい場合に廃棄・再生ステータス83dとして判定することを特徴とする。
本態様によれば、画像形成装置9が稼働を開始して稼動情報81cの印刷枚数と故障回数及び故障時間の閾値に基づいて各ステータスを判定するので、画像形成装置9が現時点でどのステータスにあるかを正確に且つ迅速に把握することができる。
【0037】
<第5態様>
本態様の固有情報81aは、当該画像形成装置9に係わるシリアル番号、機器種類、ソフトバージョン名であり、環境情報81bは、ハブ、ルータ、ファイアウォールのネットワーク情報、エラー診断履歴であり、稼動情報81cは、印刷枚数、故障回数及び故障時間、部品交換回数であることを特徴とする。
本態様によれば、当該画像形成装置9に係わる機器情報71aを正確に且つ迅速に把握することができる。
【0038】
<第6態様>
本態様の画像形成システム1は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像形成装置9と、第3態様に記載のクライアントPC5と、を備えることを特徴とする。
本態様によれば、画像形成装置9と機器監視アプリケーションソフトウェア、又はブラウザを有するクライアントPC5と接続することにより画像形成システム1を構築するので、汎用性が高いシステムを構築することができる。
【0039】
<第7態様>
本態様の画像形成システム1は、クライアントPC5はクラウドシステム11により画像形成装置9と接続されていることを特徴とする。
本態様によれば、クライアントPC5はクラウドシステム11により画像形成装置9と接続されているので、利用者がインフラやソフトウェアを持たなくても、ネットワーク3を通じて、サービスを必要な時に必要な分だけ利用することが可能となり、システムの拡張性を高めることができる。
【0040】
<第8態様>
本態様の画像形成方法は、画像形成装置9のライフサイクルに含まれる各ステータスに係わる各操作を受け付けるとともに、当該操作に係わる操作ヒント情報を表示する操作表示部108と、各ステータス、及び各ステータスに対応した操作ヒント情報を記憶するライフサイクルステータスDB71と、制御部87と、を備える画像形成装置9による画像形成方法であって、当該画像形成装置9に係わる固有情報81a、環境情報81b、及び稼動情報81cを記憶する機器情報記憶ステップと、機器情報記憶ステップにより取得した機器情報に基づいて当該画像形成装置9の現時点のステータスを判定するステータス判定ステップと、ステータス判定ステップにより判定されたステータスに対応した操作ヒント情報をライフサイクルステータスDB71から読み込んで操作表示部108に表示するように制御する表示制御ステップと、を実行することを特徴とする。
本態様によれば、画像形成装置9のライフサイクルに係わるステータスに応じた操作ヒント情報を利用者に提示して、各ステータスに対応した操作を確実に且つ容易に実行することができる。
【0041】
<第9態様>
本態様のプログラムは、請求項8に記載された画像形成方法における各ステップをプロセッサに実行させることを特徴とする。
本態様によれば、画像形成装置9のライフサイクルに係わるステータスに応じた操作ヒント情報を利用者に提示して、各ステータスに対応した操作を確実に且つ容易に実行することができる。
【符号の説明】
【0042】
1…画像形成システム、5…クライアントPC、7…通信経路、9…画像形成装置、11…クラウドシステム、71…ライフサイクルステータスDB、71a…機器情報、71b…ルール情報、71c…ヒント情報・画面操作フロー情報、81…機器情報記憶部、81a…固有情報、81b…環境情報、81c…稼動情報、83…ステータス判定部、83a…設置ステータス、83b…稼動ステータス、83c…入替ステータス、83d…廃棄・再生ステータス、85…表示制御部、87…制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0043】