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特許7512655出力装置、出力システム、フォーマット情報変更方法、プログラム、コントローラー
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】出力装置、出力システム、フォーマット情報変更方法、プログラム、コントローラー
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/436 20110101AFI20240702BHJP
   H04N 21/442 20110101ALI20240702BHJP
   H04N 21/435 20110101ALI20240702BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
H04N21/436
H04N21/442
H04N21/435
G09G5/00 555D
G09G5/00 520W
G09G5/00 510Q
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020069317
(22)【出願日】2020-04-07
(65)【公開番号】P2021166356
(43)【公開日】2021-10-14
【審査請求日】2023-02-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】亀倉 崇寛
【審査官】川中 龍太
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-055149(JP,A)
【文献】特開2004-102027(JP,A)
【文献】国際公開第2006/057324(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0050375(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0222779(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 - 21/858
G09G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツデータを出力する出力装置であって、
前記コンテンツデータを送信元の機器から受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けたコンテンツデータを出力する出力手段と、
前記出力手段が有する前記コンテンツデータの第一のフォーマット情報を、前記出力手段から受信する第一の通信部と、
前記受付手段が受け付ける前記コンテンツデータの第二のフォーマット情報を前記受付手段から受信する第二の通信部と、
前記第一のフォーマット情報におけるデータサイズの最大値の方が、前記受付手段が有する前記コンテンツデータの第二のフォーマット情報におけるデータサイズの最大値よりも小さい場合、前記第二のフォーマット情報のデータサイズの最大値を、前記第一のフォーマット情報のデータサイズの最大値に変更する変更部と、を有し、
前記受付手段は、前記第一のフォーマット情報のデータサイズの最大値に変更された前記第二のフォーマット情報のデータサイズの最大値を前記送信元の機器に送信し、
前記コンテンツデータは音声であり、
前記第一のフォーマット情報及び前記第二のフォーマット情報には前記音声の最大サンプリング周波数が含まれ、
前記変更部は、前記第一のフォーマット情報における前記最大サンプリング周波数の方が前記第二のフォーマット情報における前記最大サンプリング周波数よりも小さい場合、前記第二のフォーマット情報の前記最大サンプリング周波数を、前記第一のフォーマット情報の前記最大サンプリング周波数に変更する
ことを特徴とする出力装置。
【請求項2】
記変更部は、前記第一のフォーマット情報と前記第二のフォーマット情報が異なる場合に、前記第二のフォーマット情報を、前記第一のフォーマット情報に変更することを特徴とする請求項1に記載の出力装置。
【請求項3】
前記コンテンツデータは映像であり、
前記第一のフォーマット情報及び前記第二のフォーマット情報には前記映像の最大解像度が含まれ、
前記変更部は、前記第一のフォーマット情報における前記最大解像度の方が前記第二のフォーマット情報における前記最大解像度よりも小さい場合、前記第二のフォーマット情報の前記最大解像度を、前記第一のフォーマット情報の前記最大解像度に変更することを特徴とする請求項に記載の出力装置。
【請求項4】
前記第一のフォーマット情報及び前記第二のフォーマット情報はEDID(Extended Display Identification DATA)であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の出力装置。
【請求項5】
コンテンツデータを出力する出力装置であって、
前記コンテンツデータを送信元の機器から受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けたコンテンツデータを出力する出力手段と、
前記出力手段が有する前記コンテンツデータの第一のフォーマット情報を、前記出力手段から受信する第一の通信部と、
前記受付手段が受け付ける前記コンテンツデータの第二のフォーマット情報を前記受付手段から受信する第二の通信部と、
前記第一のフォーマット情報におけるデータサイズの最大値の方が、前記受付手段が有する前記コンテンツデータの第二のフォーマット情報におけるデータサイズの最大値よりも小さい場合、前記第二のフォーマット情報のデータサイズの最大値を、前記第一のフォーマット情報のデータサイズの最大値に変更する変更部と、を有し、
前記受付手段は、前記第一のフォーマット情報のデータサイズの最大値に変更された前記第二のフォーマット情報のデータサイズの最大値を前記送信元の機器に送信し、
前記出力手段はディスプレイ又はプロジェクタであり、前記受付手段は、前記コンテンツデータの送信元から前記コンテンツデータを受信するキャプチャーボードであることを特徴とする出力装置。
【請求項6】
コンテンツデータを送信元の機器から受け付ける受付手段を有する受付装置と、前記受け付けた前記コンテンツデータを出力する出力手段を有する出力装置と、を有する出力システムであって、
前記出力装置は、
前記出力手段が有する前記コンテンツデータの第一のフォーマット情報を、前記出力手段から受信する第一の通信部と、
前記受付手段が受け付ける前記コンテンツデータの第二のフォーマット情報を前記受付手段から受信する第二の通信部と、
前記第一のフォーマット情報におけるデータサイズの最大値の方が、前記受付手段が有する前記コンテンツデータの第二のフォーマット情報におけるデータサイズの最大値よりも小さい場合、前記第二のフォーマット情報のデータサイズの最大値を、前記第一のフォーマット情報のデータサイズの最大値に変更する変更部と、を有し、
前記受付手段は、前記第一のフォーマット情報のデータサイズの最大値に変更された前記第二のフォーマット情報のデータサイズの最大値を前記送信元の機器に送信し、
前記コンテンツデータは音声であり、
前記第一のフォーマット情報及び前記第二のフォーマット情報には前記音声の最大サンプリング周波数が含まれ、
前記変更部は、前記第一のフォーマット情報における前記最大サンプリング周波数の方が前記第二のフォーマット情報における前記最大サンプリング周波数よりも小さい場合、前記第二のフォーマット情報の前記最大サンプリング周波数を、前記第一のフォーマット情報の前記最大サンプリング周波数に変更する
ことを特徴とする出力システム。
【請求項7】
コンテンツデータを送信元の機器から受け付ける受付手段を有する受付装置と、前記受け付けた前記コンテンツデータを出力する出力手段を有する出力装置と、を有する出力システムであって、
前記出力装置は、
前記出力手段が有する前記コンテンツデータの第一のフォーマット情報を、前記出力手段から受信する第一の通信部と、
前記受付手段が受け付ける前記コンテンツデータの第二のフォーマット情報を前記受付手段から受信する第二の通信部と、
前記第一のフォーマット情報におけるデータサイズの最大値の方が、前記受付手段が有する前記コンテンツデータの第二のフォーマット情報におけるデータサイズの最大値よりも小さい場合、前記第二のフォーマット情報のデータサイズの最大値を、前記第一のフォーマット情報のデータサイズの最大値に変更する変更部と、を有し、
前記受付手段は、前記第一のフォーマット情報のデータサイズの最大値に変更された前記第二のフォーマット情報のデータサイズの最大値を前記送信元の機器に送信し、
前記出力手段はディスプレイ又はプロジェクタであり、前記受付手段は、前記コンテンツデータの送信元から前記コンテンツデータを受信するキャプチャーボードである、
ことを特徴とする出力システム。
【請求項8】
コンテンツデータを送信元の機器から受け付ける受付手段を有する受付装置と、前記受け付けた前記コンテンツデータを出力する出力手段を有する出力装置と、を有する出力システムであって、
前記出力装置は、
前記出力手段が有する前記コンテンツデータの第一のフォーマット情報を、前記出力手段から受信する第一の通信部と、
前記受付手段が受け付ける前記コンテンツデータの第二のフォーマット情報を前記受付手段から受信する第二の通信部と、
前記第一のフォーマット情報におけるデータサイズの最大値の方が、前記受付手段が有する前記コンテンツデータの第二のフォーマット情報におけるデータサイズの最大値よりも小さい場合、前記第二のフォーマット情報のデータサイズの最大値を、前記第一のフォーマット情報のデータサイズの最大値に変更する変更部と、を有し、
前記受付手段は、前記第一のフォーマット情報のデータサイズの最大値に変更された前記第二のフォーマット情報のデータサイズの最大値を前記送信元の機器に送信し、
前記受付装置は、受付可能な前記コンテンツデータの前記第二のフォーマット情報を保持する保持部、をさらに有し、
前記出力装置の電源がONになると前記受付装置が起動して、該受付装置が前記コンテンツデータの送信元の機器に前記受付装置が接続された旨を通知し、前記保持部の前記第二のフォーマット情報を前記コンテンツデータの送信元の機器に送信する、
ことを特徴とする出力システム。
【請求項9】
コンテンツデータを受け付ける受付手段と前記コンテンツデータを出力する出力手段とを有する出力装置が行うフォーマット情報変更方法であって、
前記コンテンツデータを送信元の機器から受け付ける受付ステップと、
前記受付手段が受け付けたコンテンツデータを出力する出力ステップと、
前記出力手段が有する前記コンテンツデータの第一のフォーマット情報を、前記出力手段から受信する第一の通信ステップと、
前記受付手段が受け付ける前記コンテンツデータの第二のフォーマット情報を前記受付手段から受信するステップと、
前記第一のフォーマット情報におけるデータサイズの最大値の方が、前記受付手段が有する前記コンテンツデータの第二のフォーマット情報におけるデータサイズの最大値よりも小さい場合、前記第二のフォーマット情報のデータサイズの最大値を、前記第一のフォーマット情報のデータサイズの最大値に変更する変更ステップと、を有し、
前記受付手段は、前記第一のフォーマット情報のデータサイズの最大値に変更された前記第二のフォーマット情報のデータサイズの最大値を前記送信元の機器に送信し、
前記コンテンツデータは音声であり、
前記第一のフォーマット情報及び前記第二のフォーマット情報には前記音声の最大サンプリング周波数が含まれ、
前記第一のフォーマット情報における前記最大サンプリング周波数の方が前記第二のフォーマット情報における前記最大サンプリング周波数よりも小さい場合、前記第二のフォーマット情報の前記最大サンプリング周波数を、前記第一のフォーマット情報の前記最大サンプリング周波数に変更する
ことを特徴とするフォーマット情報変更方法。
【請求項10】
コンテンツデータを受け付ける受付手段と前記コンテンツデータを出力する出力手段とを有する出力装置が行うフォーマット情報変更方法であって、
前記コンテンツデータを送信元の機器から受け付ける受付ステップと、
前記受付手段が受け付けたコンテンツデータを出力する出力ステップと、
前記出力手段が有する前記コンテンツデータの第一のフォーマット情報を、前記出力手段から受信する第一の通信ステップと、
前記受付手段が受け付ける前記コンテンツデータの第二のフォーマット情報を前記受付手段から受信するステップと、
前記第一のフォーマット情報におけるデータサイズの最大値の方が、前記受付手段が有する前記コンテンツデータの第二のフォーマット情報におけるデータサイズの最大値よりも小さい場合、前記第二のフォーマット情報のデータサイズの最大値を、前記第一のフォーマット情報のデータサイズの最大値に変更する変更ステップと、を有し、
前記受付手段は、前記第一のフォーマット情報のデータサイズの最大値に変更された前記第二のフォーマット情報のデータサイズの最大値を前記送信元の機器に送信し、
前記出力手段はディスプレイ又はプロジェクタであり、前記受付手段は、前記コンテンツデータの送信元から前記コンテンツデータを受信するキャプチャーボードである、
ことを特徴とするフォーマット情報変更方法。
【請求項11】
コンテンツデータを出力する出力装置を、
前記コンテンツデータを送信元の機器から受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けたコンテンツデータを出力する出力手段と、
前記出力手段が有する前記コンテンツデータの第一のフォーマット情報を、前記出力手段から受信する第一の通信部と、
前記受付手段が受け付ける前記コンテンツデータの第二のフォーマット情報を前記受付手段から受信する第二の通信部と、
前記第一のフォーマット情報におけるデータサイズの最大値の方が、前記受付手段が有する前記コンテンツデータの第二のフォーマット情報におけるデータサイズの最大値よりも小さい場合、前記第二のフォーマット情報のデータサイズの最大値を、前記第一のフォーマット情報のデータサイズの最大値に変更する変更部、として機能させ
前記受付手段は、前記第一のフォーマット情報のデータサイズの最大値に変更された前記第二のフォーマット情報のデータサイズの最大値を前記送信元の機器に送信し、
前記コンテンツデータは音声であり、
前記第一のフォーマット情報及び前記第二のフォーマット情報には前記音声の最大サンプリング周波数が含まれ、
前記変更部は、前記第一のフォーマット情報における前記最大サンプリング周波数の方が前記第二のフォーマット情報における前記最大サンプリング周波数よりも小さい場合、前記第二のフォーマット情報の前記最大サンプリング周波数を、前記第一のフォーマット情報の前記最大サンプリング周波数に変更する
ためのプログラム。
【請求項12】
コンテンツデータを出力手段に出力するコントローラーであって、
前記出力手段が有する前記コンテンツデータの第一のフォーマット情報を、前記出力手段から受信する第一の通信部と、
前記コンテンツデータを送信元の機器から受け付ける受付手段から、前記コンテンツデータの第二のフォーマット情報を受信する第二の通信部と、
前記第一のフォーマット情報におけるデータサイズの最大値の方が、前記受付手段が有する前記コンテンツデータの第二のフォーマット情報におけるデータサイズの最大値よりも小さい場合、前記第二のフォーマット情報のデータサイズの最大値を、前記第一のフォーマット情報のデータサイズの最大値に変更する変更部と、を有し、
前記受付手段は、前記第一のフォーマット情報のデータサイズの最大値に変更された前記第二のフォーマット情報のデータサイズの最大値を前記送信元の機器に送信し、
前記コンテンツデータは音声であり、
前記第一のフォーマット情報及び前記第二のフォーマット情報には前記音声の最大サンプリング周波数が含まれ、
前記変更部は、前記第一のフォーマット情報における前記最大サンプリング周波数の方が前記第二のフォーマット情報における前記最大サンプリング周波数よりも小さい場合、前記第二のフォーマット情報の前記最大サンプリング周波数を、前記第一のフォーマット情報の前記最大サンプリング周波数に変更する
ことを特徴とするコントローラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出力装置、出力システム、フォーマット情報変更方法、プログラム、及び、コントローラーに関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルにペンや指で手書きしたデータを表示する表示装置等の出力装置が知られている。比較的大型のタッチパネル型ディスプレイを備えた出力装置は会議室などに配置され、複数のユーザにより電子黒板などとして共有される。また、このような出力装置はPC(Personal Computer)などが送信する映像や音声などのコンテンツデータを出力する機能を有する場合がある。また、他の拠点の出力装置とネットワークを介して通信し、コンテンツデータを送受信したり、ディスプレイ等の出力手段が表示している手書きデータや画面を共有したりすることもできる。
【0003】
出力装置が有するコントローラーはディスプレイからEDID(Extended Display Identification DATA)を取得して、ディスプレイが対応している解像度やリフレッシュレートで映像を送信する。このEDIDを利用した映像の表示方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、映像表示装置と映像送信装置の接続が不安定で自動検出が失敗に終わった場合、映像送信装置が別のEDIDで接続を試行する映像の表示方法が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、出力手段が有するコンテンツデータのフォーマット情報をコンテンツデータの送信元の機器に伝達可能にすることができないという問題があった。例えばディスプレイのフォーマット情報としてディスプレイが4K(3840x2160)の解像度であり、コンテンツデータの送信元からコンテンツデータを受け付ける受付装置も4Kの解像度に対応する場合、出力装置は4Kの解像度で映像を表示するため負荷が増大しにくい。しかし、ディスプレイが2Kの解像度に対応し、受付装置が4Kの解像度に対応する場合、ディスプレイが2Kの解像度にしか対応していないことがコンテンツデータの送信元に伝達されない。このため、コンテンツデータの送信元は4Kの映像を受付装置に送信するので、出力装置は4Kの映像を2Kにリサイズして表示しなければならない。変換時には映像の劣化が発生したり、リサイズ処理により出力装置の負荷が増大したりする場合があった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、出力手段が有するコンテンツデータのフォーマット情報をコンテンツデータの送信元の機器に伝達可能にすることができる出力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題に鑑み、コンテンツデータを出力する出力装置であって、前記コンテンツデータを送信元の機器から受け付ける受付手段と、前記受付手段が受け付けたコンテンツデータを出力する出力手段と、前記出力手段が有する前記コンテンツデータの第一のフォーマット情報を、前記出力手段から受信する第一の通信部と、前記受付手段が受け付ける前記コンテンツデータの第二のフォーマット情報を前記受付手段から受信する第二の通信部と、前記第一のフォーマット情報におけるデータサイズの最大値の方が、前記受付手段が有する前記コンテンツデータの第二のフォーマット情報におけるデータサイズの最大値よりも小さい場合、前記第二のフォーマット情報のデータサイズの最大値を、前記第一のフォーマット情報のデータサイズの最大値に変更する変更部と、を有し、前記受付手段は、前記第一のフォーマット情報のデータサイズの最大値に変更された前記第二のフォーマット情報のデータサイズの最大値を前記送信元の機器に送信し、前記コンテンツデータは音声であり、前記第一のフォーマット情報及び前記第二のフォーマット情報には前記音声の最大サンプリング周波数が含まれ、前記変更部は、前記第一のフォーマット情報における前記最大サンプリング周波数の方が前記第二のフォーマット情報における前記最大サンプリング周波数よりも小さい場合、前記第二のフォーマット情報の前記最大サンプリング周波数を、前記第一のフォーマット情報の前記最大サンプリング周波数に変更する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
出力手段が有するコンテンツデータのフォーマット情報をコンテンツデータの送信元の機器に伝達可能にすることができる出力装置を提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】表示装置が有するコントローラーがキャプチャーボードのEDIDを変更する処理を説明する図の一例である。
図2】本実施形態の画像処理システムの全体構成図である。
図3】電子黒板のハードウェア構成図である。
図4】電子黒板の機能ブロック図である。
図5】ファイル処理部の機能ブロック図である。
図6】サーバ部及び送信制御部の機能ブロック図である。
図7】ページデータを示す概念図である。
図8】ストロークデータを示す概念図である。
図9】座標配列データを示す概念図である。
図10】メディアデータを示す概念図である。
図11】遠隔ライセンス管理テーブルを示す概念図である。
図12】アドレス帳管理テーブルを示す概念図である。
図13】バックアップデータを示す概念図である。
図14】接続先管理テーブルを示す概念図である。
図15】参加拠点管理テーブルを示す概念図である。
図16】操作データを示す概念図である。
図17】各画像レイヤの構成図である。
図18】各表示装置の処理を示したシーケンス図である。
図19】各表示装置の処理を示したシーケンス図である。
図20図3に示したハードウェア構成のうち、ディスプレイ、コントローラー、及び、キャプチャーボードを抽出した一例の概略構成図である。
図21】キャプチャーボードの交換を模式的に説明する図である。
図22】ディスプレイ、コントローラー、及び、キャプチャーボードの機能ブロック図の一例である。
図23】表示可能映像フォーマット保持部又は受付可能映像フォーマット保持部が保持する情報の一例を示す図である。
図24】EDIDを用いた映像送信時の通知の流れを説明する図の一例である。
図25】コントローラー又はノートPCがディスプレイ又はキャプチャーボードからEDIDを取得して映像を送信するまでの一般的な処理を示すシーケンス図の一例である。
図26】ノートPCが送信する4Kの解像度の映像をディスプレイが4Kの解像度で表示する場合について説明する図の一例である。
図27】ノートPCが送信する4Kの解像度の映像をディスプレイが2Kの解像度で表示する場合について説明する図の一例である。
図28】ノートPCが送信する4Kの解像度の映像をディスプレイが2Kの解像度で表示する場合について説明する図の一例である。
図29】コントローラーが最適な解像度を判断する手順を示すシーケンス図の一例である。
図30】コントローラーが最適な解像度を判断するより詳細な手順を示すシーケンス図の一例である。
図31】音声に関するEDIDの一例を示す図である。
図32】コントローラーが映像を表示するまでの全体的な流れを説明するシーケンス図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態の一例として表示装置と、表示装置が行うフォーマット情報変更方法について図面を参照しながら説明する。
【0010】
<表示装置の動作の概略>
まず、図1を用いて、表示装置が行う動作の概略について説明する。図1は、表示装置が有するコントローラー110がキャプチャーボード111のEDID(Extended Display Identification DATA)を変更する処理を説明する図の一例である。
【0011】
表示装置2はコントローラー110、及び、ディスプレイ3を有している。また、使用時には、表示装置2にキャプチャーボード111が装着される。なお、表示装置2の使用時にはコントローラー110にディスプレイ3とキャプチャーボード111が接続されるが、コントローラー110、ディスプレイ3、及び、キャプチャーボード111は1つ1つが単体で流通する場合がある。また、コントローラー110、ディスプレイ3、を接続させて表示装置2として流通させるとともに、キャプチャーボード111を単体(外付け用途)のオプションとして流通させてもよい。
【0012】
(1) コントローラー110はディスプレイ3からEDID(第一のフォーマット情報の一例)を取得することができ、キャプチャーボード111からもEDID(第二のフォーマット情報の一例)を取得することができる。
【0013】
(2) コントローラー110は、ディスプレイ3の最大解像度がキャプチャーボード111の最大解像度より小さいか否かを判断する。小さい場合、コントローラー110はキャプチャーボード111のEDIDを変更することで、キャプチャーボード111の最大解像度をディスプレイ3の最大解像度に制限する。例えば、キャプチャーボード111のEDIDでは4K(3840x2160)に対応しているが、ディスプレイ3のEDIDでは2K(1920×1080)にしか対応していない場合、コントローラー110はキャプチャーボード111のEDIDにおいて最大解像度を2Kに制限する。したがって、ディスプレイ3が有するコンテンツデータのフォーマット情報(EDID)をコンテンツデータの送信元であるノートPC6に伝達可能な状態にすることができる。
【0014】
キャプチャーボード111に映像を出力するためコンテンツデータの送信元のノートPC6が接続された場合、ノートPC6は最大解像度が2KのEDIDを取得するので、表示装置2はノートPC6にディスプレイ3が有するEDIDを伝達できる。この結果、ノートPC6は解像度が2Kの映像をキャプチャーボード111に送信する。コントローラー110にはディスプレイ3の最大解像度と同じ解像度の映像がキャプチャーボード111から送信されるので、コントローラー110は映像をリサイズする必要がない。したがって、画質が低下しにくいし、コントローラー110の負荷も増大しにくい。
【0015】
<用語について>
コンテンツデータは、キャプチャーボードに接続された送信元の機器が送信し、コントローラー110が出力するデータである。例えば、画像データ、音声データなどがある。
【0016】
出力手段はコンテンツデータを出力する装置等である。本実施形態ではディスプレイやプロジェクタ等が例である。出力装置はコンテンツデータを出力手段に出力する装置である。本実施形態では表示装置2として説明される。
【0017】
出力手段に出力するとは表示すること、又は、音声を再生することなどである。表示装置や電子ペンを振動させてもよい。
【0018】
フォーマット情報とは、コンテンツデータの形式である。映像であれば、解像度及びリフレッシュレートであり、音声の場合はサンプリング周波数やビットレートである。本実施形態ではEDIDに含まれる情報を例にして説明される。
【0019】
<システム構成例>
図2は、本実施形態の通信システム1の全体構成図である。なお、図2では、説明を簡略化するために、2台の表示装置2a,2b及びこれに付随する電子ペン4a,4b等を示しているだけであって、3台以上の表示装置2や電子ペン等を利用してもよい。
【0020】
図2に示されているように、通信システム1は、複数の表示装置2a,2b、複数の電子ペン4a,4b、USBメモリ5a,5b、ノートPC6(Personal Computer)6a,6b、テレビ(ビデオ)会議端末7a,7b、及びPC8を有する。また、表示装置2a,2b、及びPC8は、通信ネットワーク9を介して通信可能に接続されている。更に、複数の表示装置2a,2bには、それぞれディスプレイ3a,3bが設けられている。
【0021】
また、表示装置2aには、電子ペン4aによって生じたイベント(ディスプレイ3aに電子ペン4aのペン先、又は、電子ペン4aのペン尻のタッチ)による描画された画像を、ディスプレイ3aに表示させることができる。なお、電子ペン4aだけでなく、ユーザの手Ha等によって生じたイベント(拡大、縮小、ページめくり等のジェスチャ)に基づいて、ディスプレイ3a上に表示されている画像を変更させることもできる。
【0022】
また、表示装置2aには、USBメモリ5aが接続可能であり、表示装置2aはUSBメモリ5aからPDF等の電子ファイルを読み出したり、表示装置2aはUSBメモリ5aに電子ファイルを記録したりすることができる。また、表示装置2aには、Display Port(登録商標)、DVI(Digital Visual Interface)、HDMI(High-Definition Multimedia Interface。登録商標)及びVGA(Video Graphics Array)等の規格による通信が可能なケーブル10a1を介して、ノートPC6aが接続されている。そして、表示装置2aは、ディスプレイ3aに対する接触によってイベントを発生させ、このイベントを示すイベント情報を、マウスやキーボード等の入力装置からのイベントと同様に、ノートPC6aに送信する。同じく、表示装置2aには、上記規格による通信が可能なケーブル10a2を介して、テレビ(ビデオ)会議端末7aが接続されている。なお、ノートPC6a、及びテレビ会議端末7aは、Bluetooth(登録商標)等の各種無線通信プロトコルに準拠した無線通信により、表示装置2aと通信してもよい。
【0023】
一方、表示装置2bが設置されている他の拠点では、上記と同様に、ディスプレイ3bを備えた表示装置2b、電子ペン4b、USBメモリ5b、ノートPC6b、テレビ会議端末7b、ケーブル10b1、ケーブル10b2が利用される。更に、ユーザの手Hb等によって生じたイベントに基づいて、ディスプレイ3b上に表示されている画像を変更させることもできる。
【0024】
これにより、一の拠点で表示装置2aのディスプレイ3a上に描画された画像は、他の拠点で表示装置2bのディスプレイ3b上にも表示され、逆に他の拠点で表示装置2bのディスプレイ3b上に描画された画像は、一の拠点で表示装置2aのディスプレイ3a上に表示される。このように、通信システム1では、遠隔地において同じ画像を共有する遠隔共有処理を行うことができるため、遠隔地での会議等に用いると、非常に便利である。ただし、本実施形態の説明に関して、表示装置2aは他拠点の表示装置2bと通信することは必須でない。
【0025】
なお、以下では、複数の表示装置2のうち任意の表示装置2を示す場合には「表示装置2」と示す。複数のディスプレイ3のうち任意のディスプレイ3を示す場合には「ディスプレイ3」と示す。複数の電子ペンのうち任意の電子ペンを示す場合には「電子ペン4」と示す。複数のUSBメモリのうち任意のUSBメモリを示す場合には「USBメモリ5」と示す。複数のノートPC6のうち任意のノートPC6を示す場合には「ノートPC6」と示す。複数のテレビ会議端末のうち任意のテレビ会議端末を示す場合には「テレビ会議端末7」と示す。また、複数のユーザの手のうち任意の手を示す場合には「手H」と示す。複数のケーブルのうち任意のケーブルを示す場合には「ケーブル10」と示す。
【0026】
また、本実施形態では、表示装置の一例として、表示装置2を説明するが、これに限るものではなく、表示装置の他の例として、電子看板(デジタルサイネージ)、スポーツや天気予報等で利用されるテレストレータ、又は、遠隔画像(映像)診断装置等であってもよい。また、情報処理端末の一例として、ノートPC6を説明するが、これに限るものではなく、情報処理端末の他の例として、デスクトップ型PCやタブレット型PC、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルビデオカメラ、デジタルカメラ、ゲーム機等の画像フレームを供給可能な端末であってもよい。更に、通信ネットワークには、インターネット、LAN(Local Area Network)、携帯電話通信網等が含まれる。また、本実施形態では、記録媒体の一例として、USBメモリを説明するが、これに限るものではなく、記録媒体の他の例として、SDカード等の各種記録メディアであってもよい。
【0027】
<表示装置のハードウェア構成>
続いて、図3を用いて、本実施形態の表示装置2のハードウェア構成を説明する。なお、図3は、表示装置2のハードウェア構成図である。図3では表示装置2の一例として電子黒板が想定されている。
【0028】
表示装置2はコントローラー110、及び、ディスプレイ3を有している。また、使用時には、コントローラー110にキャプチャーボード111が装着される。表示装置2にキャプチャーボード111が取り付けられた状態の、コントローラー110、ディスプレイ3、及び、キャプチャーボード111を出力システムという。
【0029】
コントローラー110は、コントローラー110全体の動作を制御するCPU101、IPL等のCPU101の駆動に用いられるプログラムを記憶したROM102、CPU101のワークエリアとして使用されるRAM103、表示装置2用のプログラム等の各種データを記憶するSSD104、通信ネットワーク9との通信を制御するネットワークコントローラー105、及び、USBメモリ5との通信を制御する外部記憶コントローラー106を備えている。
【0030】
コントローラー110はグラフィクスを専門に扱うGPU(Graphics Processing Unit)112、及び、GPUからの出力画像をディスプレイ3やテレビ会議端末7へ出力するために画面表示の制御及び管理を行うディスプレイコントローラー113を備えている。
【0031】
更に、コントローラー110は、接触センサ115の処理を制御するセンサコントローラー114、ディスプレイ3上に電子ペン4やユーザの手H等が接触したことを検知する接触センサ115を備えている。この接触センサ115は、赤外線遮断方式による座標の入力及び座標の検出を行う。この座標の入力及び座標の検出する方法は、ディスプレイ3の上側両端部に設置された2つ受発光装置が、ディスプレイ3に平行して複数の赤外線を放射し、ディスプレイ3の周囲に設けられた反射部材によって反射されて、受光素子が放射した光の光路と同一の光路上を戻って来る光を受光する方法である。接触センサ115は、物体によって遮断された2つの受発光装置が放射した赤外線のID(Identification)をセンサコントローラー114に出力し、センサコントローラー114が、物体の接触位置である座標位置を特定する。なお、以下に示す全ての各IDは、識別情報の一例である。
【0032】
また、接触センサ115としては、赤外線遮断方式に限らず、静電容量の変化を検知することにより接触位置を特定する静電容量方式のタッチパネル、対向する2の抵抗膜の電圧変化によって接触位置を特定する抵抗膜方式のタッチパネル、接触物体が表示部に接触することによって生じる電磁誘導を検知して接触位置を特定する電磁誘導方式のタッチパネルなどの種々の検出手段を用いてもよい。
【0033】
また、コントローラー110は、電子ペンコントローラー116を備えている。この電子ペンコントローラー116は、電子ペン4と通信することで、ディスプレイ3へのペン先のタッチやペン尻のタッチの有無を判断する。なお、電子ペンコントローラー116が、電子ペン4のペン先及びペン尻だけでなく、電子ペン4のユーザが握る部分や、その他の電子ペンの部分のタッチの有無を判断するようにしてもよい。
【0034】
更に、コントローラー110は、CPU101、ROM102、RAM103、SSD104、ネットワークコントローラー105、外部記憶コントローラー106、キャプチャーボード111、GPU112、センサコントローラー114、及び電子ペンコントローラー116を、図3に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン120を備えている。
【0035】
なお、コントローラー110用のプログラムは、CD-ROM等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにして配布されてもよいし、プログラム配信サーバ(サーバの形態は、クラウドでもオンプレミスでも良い)からダウンロードされてもよい。
【0036】
キャプチャーボード111はコントローラー110と例えばUSB3.0等のシリアルケーブルを介して接続することができる(受付手段や受付装置の一例)。なお、HDMI(登録商標)、Display Port(登録商標)、又は、VGA等のディスプレイケーブルを介して接続してもよい。また、無線で通信してもよい。キャプチャーボード111は、ノートPC6が出力するコンテンツデータ(映像又は音声)を静止画又は動画(及び音声)として受け付ける。キャプチャーボード111は受け付けた静止画又は動画をコントローラー110に送信する。なお、静止画又は動画の送信は、コントローラー110からの要求に応じて行ってもよいし、要求がなくても送信してよい。
【0037】
キャプチャーボード111はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やPROM(Programmable ROM)などにEDIDを保持しており、コントローラー110だけでなく、ノートPC6からも取得できるようになっている。
【0038】
なお、ノートPC6とキャプチャーボード111は、HDMI(登録商標)、Display Port(登録商標)、又は、VGA等のディスプレイケーブルを介して接続することができる。また、キャプチャーボード111とノートPC6は無線で映像信号を送信してもよい。
【0039】
ディスプレイ3は、コントローラー110と例えばOPS I/F(Open Pluggable Specification)等のケーブルを介して接続することができる。なお、HDMI(登録商標)、Display Port(登録商標)、又は、VGA等のディスプレイケーブルを介して接続してもよい。また、無線で通信してもよい。ディスプレイ3は、ノートPC6が出力した静止画又は動画を表示する。また、手書きデータを表示することができる。また、他の拠点や自拠点の画像を表示することもできる。
【0040】
なお、ディスプレイ3はいわゆる液晶や有機ELなどのフラットパネルディスプレイのほか、プロジェクタ、HUD(Head Up Display)などでもよい。
【0041】
ディスプレイ3はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やPROM(Programmable ROM)などにEDIDを保持しており、コントローラー110から取得できるようになっている。
【0042】
続いて、図4乃至図17を用いて、表示装置2の機能構成について説明する。なお、先ずは、図4を用いて、表示装置2の全体的な機能構成について説明する。図4は、表示装置2の機能ブロック図である。
【0043】
表示装置2は、図3に示されているハードウェア構成及びプログラムによって、図4にされている各機能構成を有する。表示装置2は、最初に遠隔共有処理を開始する「主催装置」となり得ると共に、既に開始されている遠隔共有処理に後から参加する「参加装置」にもなり得る。また、表示装置2は、大きく分けて、クライアント部20及びサーバ部90の両方によって構成されている。クライアント部20及びサーバ部90は、表示装置2の1台の筐体内で実現される機能である。そして、表示装置2が主催装置となる場合には、この表示装置2では、クライアント部20とサーバ部90が実現される。また、表示装置2が参加装置となる場合には、この表示装置2では、クライアント部20は実現されるが、サーバ部90は実現されない。即ち、図2において、表示装置2aが主催装置で、表示装置2bが参加装置となる場合、表示装置2aのクライアント部20は、同じ表示装置2a内に実現されたサーバ部90を介して、他の表示装置2bのクライアント部20と通信を行う。一方、表示装置2bのクライアント部20は、他の表示装置2a内に実現されたサーバ部90を介して、他の表示装置2aのクライアント部と通信を行う。
【0044】
<<クライアント部の機能構成>>
続いて、主に図4乃至図6を用いて、クライアント部20の機能構成について説明する。クライアント部20は、映像取得部21、座標検知部22、自動調整部23、接触検知部24、イベント振分部25、操作処理部26、ジェスチャ処理部27、映像重畳部28、画像処理部30、及び通信制御部60を有する。
【0045】
このうち、映像取得部21は、ケーブル10に接続されたノートPC6の出力映像を取得する(図4ではキャプチャーボード111が省略されているがキャプチャーボード111から取得する)。映像取得部21は、ノートPC6から画像信号を受信すると、この画像信号を解析して、この画像信号によって形成されるノートPC6の表示画像である画像フレームの解像度や、この画像フレームの更新頻度などの画像情報を導出し、画像取得部31に出力する。
【0046】
座標検知部22は、ディスプレイ3上でユーザによって生じたイベント(ディスプレイ3上にユーザの手Hがタッチされた動作等)の座標位置を検出する。また、座標検知部22は、タッチされた面積も検出する。
【0047】
自動調整部23は、表示装置2の起動時に起動され、接触センサ115が座標検知部22に適切な値を出力できるように、接触センサ115の光センサ方式におけるセンサーカメラの画像処理のパラメータを調整する。
【0048】
接触検知部24は、ユーザによって生じたイベント(ディスプレイ3上に電子ペン4のペン先又は電子ペン4のペン尻が押下(タッチ)された動作等)を検出する。
【0049】
イベント振分部25は、座標検知部22によって検知されたイベントの座標位置と接触検知部24によって検出された検出結果を、ストローク描画、UI操作、及びジェスチャ操作の各イベントに振り分ける。
【0050】
ここで、「ストローク描画」は、ディスプレイ3上に図17に示されている後述のストローク画像(B)が表示されている場合に、ユーザがディスプレイ3上で電子ペン4を押下し、この押下した状態で電子ペン4を移動させ、最終的にディスプレイ3上から電子ペン4を離すまでのイベントである。このストローク描画により、例えば、アルファベット「S」や「T」等がディスプレイ3上に描画される。なお、この「ストローク描画」には、画像を描画するだけでなく、既に描画された画像を削除したり、描画された画像を編集したりするイベントも含まれる。
【0051】
「UI操作」は、ディスプレイ3上に図17に示されている後述のUI画像(A)が表示されている場合に、ユーザが電子ペン4又は手Hによって所定の位置を押下したイベントである。このUI操作により、例えば、電子ペン4により描画される線の色や幅等が設定される。
【0052】
「ジェスチャ操作」は、ディスプレイ3上に図17に示されている後述のストローク画像(B)が表示されている場合に、ユーザが手Hでディスプレイ3上をタッチしたり移動したりさせるイベントである。このジェスチャ操作により、例えば、ユーザがディスプレイ3に手Hをタッチさせた状態で手Hを移動させることで、画像の拡大(若しくは縮小)、表示領域の変更、又は、ページ切り換え等を行うことができる。
【0053】
操作処理部26は、イベント振分部25によってUI操作と判断されたものから、イベントが発生されたUIの要素にしたがって、各種操作を実行する。このUIの要素としては、例えば、ボタン、リスト、チェックボックス、テキストボックスが挙げられる。
ジェスチャ処理部27は、イベント振分部25によってジェスチャ操作と判断されたものに対応した操作を実行する。
【0054】
イベント振分部25、操作処理部26、ジェスチャ処理部27、及び、ストローク処理部32は、ユーザの操作を受け付ける操作受付部99となる。
【0055】
映像重畳部28は、後述の表示重畳部36で重畳された画像を映像としてディスプレイ3等に対して表示する。また、映像重畳部28は、ノートPC6等からの映像に対して、テレビ会議端末7等から送られて来た映像をピクチャ・イン・ピクチャする。更に、映像重畳部28は、ピクチャ・イン・ピクチャされてディスプレイ3の一部に表示された映像を、ディスプレイ3の全体に表示させるための切り替えを行う。
【0056】
画像処理部30は、図17に示されているような各画像レイヤの重畳処理等を行う。この画像処理部30は、画像取得部31、ストローク処理部32、UI画像生成部33、背景生成部34、レイアウト管理部35、表示重畳部36、ページ処理部37、ファイル処理部40、ページデータ記憶部300、及び遠隔ライセンス管理テーブル310を有している。
【0057】
このうち、画像取得部31は、映像取得部21で取得された映像から、各フレームを画像として取得する。画像取得部31は、この画像のデータを、ページ処理部37に出力する。この画像は、図17に示されているノートPC6等からの出力画像(C)に相当する。
【0058】
ストローク処理部32は、イベント振分部25によって割り振られたストローク描画に係るイベントに基づいて、画像を描画したり、描画された画像を削除したり、描画された画像を編集する。このストローク描画による画像は、図17に示されているストローク画像(B)に相当する。また、このストローク描画に基づいた画像の描画、削除、編集の各結果は、後述の操作データとして、操作データ記憶部840に記憶される。
【0059】
UI画像生成部33は、表示装置2に予め設定されているUI(ユーザインターフェース)画像を生成する。このUI画像は、図17に示されているUI画像(A)に相当する。
【0060】
背景生成部34は、ページ処理部37がページデータ記憶部300から読み出したページデータのうちのメディアデータを、ページ処理部37から受信する。背景生成部34は、この受信したメディアデータを表示重畳部36に出力する。また、このメディアデータによる画像は、図17に示されている背景画像(D)に相当する。背景画像(D)のパターンは、無地、グリッド表示等である。
【0061】
レイアウト管理部35は、表示重畳部36に対して、画像取得部31、ストローク処理部32、及びUI画像生成部33(又は背景生成部34)から出力された各画像のレイアウトを示すレイアウト情報を管理している。これにより、レイアウト管理部35は、表示重畳部36に対して、出力画像(C)及びストローク画像(B)を、UI画像(A)及び背景画像(D)中のどの位置に表示させるか又は非表示にさせるかを指示することができる。
【0062】
表示重畳部36は、レイアウト管理部35から出力されたレイアウト情報に基づき、画像取得部31、ストローク処理部32、及びUI画像生成部33(背景生成部34)から出力された各画像のレイアウトを行う。
【0063】
ページ処理部37は、ストローク画像(B)のデータと出力画像(C)のデータを、1つのページデータにまとめてページデータ記憶部300に記憶する。ストローク画像(B)のデータは、図7に示されているストローク配列データIDで示されるストローク配列データ(各ストロークデータ)として、ページデータの一部を成す。出力画像(C)のデータは、図7に示されているメディアデータIDで示されているメディアデータとして、ページデータの一部を成す。そして、このメディアデータは、ページデータ記憶部300から読み出されると、背景画像(D)のデータとして取り扱われる。
【0064】
また、ページ処理部37は、一旦記憶されたページデータのうちのメディアデータを、背景生成部34を介して表示重畳部36に送信することで、映像重畳部28が背景画像(D)をディスプレイ3に再表示させることができる。また、ページ処理部37は、ページデータのうちのストローク配列データ(各ストロークデータ)を、ストローク処理部32に戻すことで、ストロークの再編集ができる状態にすることができる。更に、ページ処理部37は、ページデータを削除したり複製したりすることもできる。
【0065】
即ち、ページ処理部37がページデータ記憶部300にページデータを記憶する時点でディスプレイ3上に表示されている出力画像(C)のデータは、一旦、ページデータ記憶部300に記憶され、その後にページデータ記憶部300から読み出される際には、背景画像(D)を示すメディアデータとして読みされる。そして、ページ処理部37は、ページデータ記憶部300から読み出したページデータのうち、ストローク画像(B)を示すストローク配列データを、ストローク処理部32に出力する。また、ページ処理部37は、ページデータ記憶部300から読み出したページデータのうち、背景画像(D)を示すメディアデータを、背景生成部34に出力する。
【0066】
表示重畳部36は、 画像取得部31からの出力画像(C)、ストローク処理部32からのストローク画像(B)、UI画像生成部33からのUI画像(A)、及び、背景生成部34からの背景画像(D)を、レイアウト管理部35によって指定されたレイアウトにしたがって重畳する。これにより、図17に示されているように、各画像が重なってもユーザが見える順に、UI画像(A)、ストローク画像(B)、出力画像(C)、及び背景画像(D)の各レイアの構成となっている。
【0067】
また、表示重畳部36は、図17に示されている画像(C)と画像(D)を切り替えて、画像(A)及び画像(B)に対して排他的に重畳することも可能である。例えば、当初、画像(A)、画像(B)及び画像(C)が表示されている状態で、表示装置2とノートPC6等との間のケーブル10が抜かれた場合には、レイアウト管理部35の指定によって、画像(C)を重畳対象から外し、画像(D)を表示させることができる。この場合に、また、表示重畳部36は、表示の拡大、表示の縮小、表示領域の移動処理も行う。
【0068】
ページデータ記憶部300は、図7に示されているようなページデータを記憶する。図7は、ページデータを示す概念図である。ページデータは、ディスプレイ3に表示される1ページ分のデータ(ストローク配列データ(各ストロークデータ)及びメディアデータ)である。なお、ページデータに含まれるパラメータの種類が多いため、ここでは、図7乃至図10に分けて、ページデータの内容を説明する。
【0069】
ページデータは、図7に示されているように、任意の1ページを識別するためのページデータID、このページの表示を開始した時刻を示す開始時刻、ストロークやジェスチャ等によるページの内容の書き換えが行われなくなった時刻を示す終了時刻、電子ペン4やユーザの手Hによるストロークによって生じたストローク配列データを識別するためのストローク配列データID、及びメディアデータを識別するためのメディアデータIDが関連付けて記憶されている。ストローク配列データは、後述の図17に示されているストローク画像(B)がディスプレイ3上に表示されるためのデータである。メディアデータは、後述の16に示されている背景画像(D)がディスプレイ3上に表示されるためのデータである。
【0070】
このようなページデータにより、例えば、ユーザが電子ペン4によってアルファベット「S」を描く場合は一筆書きとなるため、ストロークデータIDが1つで一文字のアルファベット[S]が示される。ところが、ユーザが電子ペン4によってアルファベット「T」を描く場合、二筆書きとなるため、ストロークデータIDが2つで一文字のアルファベット「T」が示されることになる。
【0071】
また、ストローク配列データは、図8に示されているように詳細な情報を示している。図8は、ストローク配列データを示す概念図である。図8に示されているように、1つのストローク配列データは、複数のストロークデータによって表される。そして、1つのストロークデータは、このストロークデータを識別するためのストロークデータID、1つのストロークの書き始めの時刻を示す開始時刻、1つのストロークの書き終わりの時刻を示す終了時刻、ストロークの色、ストロークの幅、及び、ストロークの通過点の配列を識別するための座標配列データIDを示している。
【0072】
更に、この座標配列データは、図9に示されているように詳細な情報を示している。図9は、座標配列データを示す概念図である。図9に示されているように、座標配列データは、ディスプレイ3上の1点(X座標値、Y座標値)、この1点を通過したときのストロークの開始時刻からの差分の時刻(ms)、及び、この1点における電子ペン4の筆圧の各情報を示している。即ち、図9に示されている1点の集まりが、図8に示されている1つの座標配列データで示されている。例えば、ユーザが電子ペン4によってアルファベット「S」を描く場合、一筆書きとなるが、「S」を描き終えるまでに、複数の通過点を通過するため、座標配列データは、これら複数の通過点の情報を示している。
【0073】
また、図7に示されているページデータのうちのメディアデータは、図10に示されているように詳細な情報を示している。図10は、メディアデータを示す概念図である。図10に示されているように、メディアデータは、図7に示されているページデータにおけるメディアデータID、メディアデータのデータ種類、ページ処理部37からページデータ記憶部300にページデータが記憶された記録時刻、ページデータによってディスプレイ3上に表示される画像の位置(X座標値、Y座標値)及び画像のサイズ(幅、高さ)、並びにメディアデータの内容を示すデータが関連付けられて示されている。このうち、ページデータによってディスプレイ3上に表示される画像の位置は、ディスプレイ3の左上端の座標を(X座標値,Y座標値)=(0,0)とした場合に、ページデータによって表示される画像の左上端の位置を示している。
【0074】
また、図4に戻り、遠隔ライセンス管理テーブル310は、遠隔共有処理を実行するために必要なライセンスデータを管理する。この遠隔ライセンス管理テーブル310では、図11に示されているように、表示装置2のプロダクトID、認証に用いられるライセンスID、及びライセンスの有効期限が関連付けて管理されている。
【0075】
<<ファイル処理部の機能構成>>
続いて、図5を用いて、図4に示されているファイル処理部40の機能構成を説明する。なお、図5は、ファイル処理部40の機能ブロック図である。
【0076】
ファイル処理部40は、リカバリ処理部41、ファイル入力部42a、ファイル出力部42b、ファイル変換部43、ファイル送信部44、アドレス帳入力部45、バックアップ処理部46、バックアップ出力部47、設定管理部48、設定ファイル入力部49a、及び設定ファイル出力部49bを有している。更に、ファイル処理部40は、アドレス帳管理テーブル410、バックアップデータ記憶部420、設定ファイル記憶部430、及び接続先管理テーブル440を有している。
【0077】
このうち、リカバリ処理部41は、表示装置2が異常終了した後に、異常終了を検知し、未保存のページデータを復旧する。例えば、正常終了の場合は、ページデータがPDFファイルとしてファイル処理部40を介してUSB5に記録されるが、電源がダウンした等の異常終了の場合は、ページデータがページデータ記憶部300に記録されたままになっている。そのため、再び、電源オンになった際に、リカバリ処理部41は、ページデータ記憶部300からページデータを読み出すことで復旧させる。
【0078】
ファイル入力部42aは、USBメモリ5から、PDFファイルを読み込み、各ページをページデータとしてページデータ記憶部300に記憶する。
【0079】
ファイル変換部43は、ページデータ記憶部300に記憶されているページデータを、PDF形式のファイルに変換する。
【0080】
ファイル出力部42bは、ファイル変換部42によって出力されたPDFファイルをUSBメモリ5に記録する。
【0081】
ファイル送信部44は、ファイル変換部43によって生成されたPDFファイルを、電子メールに添付して送信する。このファイルの送信先は、表示重畳部36によってディスプレイ3上にアドレス帳管理テーブル410の内容を表示し、ファイル送信部44がユーザによるタッチパネル等の入力装置の操作により、宛先の選択を受け付けることによって決定される。アドレス帳管理テーブル410には、図12に示されているように、宛先の名前及び宛先の電子メールのメールアドレスが関連付けて管理されている。また、ファイル送信部44が、ユーザによるタッチパネル等の入力装置の操作により、宛先としてのメールアドレスの入力を受け付けることもできる。
【0082】
アドレス帳入力部45は、USBメモリ5から電子メールアドレスの一覧ファイルを読み込み、アドレス帳管理テーブル410で管理する。
【0083】
バックアップ処理部46は、ファイル出力部42bによって出力されたファイルや、ファイル送信部44によって送信されたファイルを、バックアップデータ記憶部420に記憶することでバックアップする。なお、ユーザがバックアップ設定しない場合は、バックアップの処理は行われない。バックアップデータは、図13に示されているように、PDF形式で記憶される。
【0084】
バックアップ出力部47は、バックアップされたファイルをUSBメモリ5に記憶する。この記憶の際には、ユーザによるタッチパネル等の入力装置の操作により、セキュリティーのためにパスワードが入力される。
【0085】
設定管理部48は、表示装置2の各種設定情報を設定ファイル記憶部430に記憶したり読み出したりして管理する。この各種設定情報としては、例えば、ネットワーク設定、日付や時刻の設定、地域や言語の設定、メールの設定、アドレス帳の設定、接続先リストの設定、バックアップに関する設定が挙げられる。なお、ネットワーク設定は、例えば、表示装置2のIPアドレスの設定、ネットマスクの設定、デフォルトゲートウェイの設定、又はDNS(Domain Name System)の設定等である。
【0086】
設定ファイル出力部49bは、表示装置2の各種設定情報を、設定ファイルとしてUSBメモリ5に記録させる。なお、設定ファイルはセキュリティーによって、ユーザは中身を見ることができない。
【0087】
設定ファイル入力部49aは、USBメモリ5に記憶されている設定ファイルを読み込み、各種設定情報を表示装置2の各種設定に反映させる。
【0088】
接続先リスト入力部50は、USBメモリ5から遠隔共有処理の接続先IPアドレスの一覧ファイルを読み込み、接続先管理テーブル440で管理する。なお、図14に示されているように、接続先管理テーブル440は、表示装置2が遠隔共有処理に参加しようとする参加装置である場合、この参加装置のユーザが主催装置としての役割を果たす表示装置2のIPアドレスを入力する手間を削減するために、予め管理しておくためのテーブルである。この接続先管理テーブル440では、参加されることが可能な主催装置としての表示装置2が設置されている拠点の名称、及び主催装置としての表示装置2のIPアドレスが関連付けて管理されている。
【0089】
なお、接続先管理テーブル440は無くてもよい。但し、この場合には、参加装置のユーザは、主催装置との間で遠隔要求処理の開始するために、タッチパネル等の入力装置によって、主催装置のIPアドレスを入力する必要がある。そのため、参加装置のユーザは、電話や電子メール等によって、主催装置のユーザから、主催装置のIPアドレスを知得する。
【0090】
<<通信制御部の機能構成>>
次に、図6を用いて、通信制御部60の機能構成について説明する。通信制御部60は、通信ネットワーク9を介して、他の表示装置2と行う通信や、サーバ部90における後述の通信制御部70と行う通信を制御する。そのため、通信制御部60は、遠隔開始処理部61、遠隔参加処理部62、遠隔画像送信部63、遠隔画像受信部64、遠隔操作送信部65、遠隔操作受信部66、及び参加拠点管理テーブル610を有している。
【0091】
このうち、遠隔開始処理部61は、同じ表示装置2のサーバ部90に対して、新たに遠隔共有処理を開始する要求を行い、サーバ部90から要求の結果を受信する。この場合、遠隔開始処理部61は、遠隔ライセンス管理テーブル310を参照し、ライセンス情報(プロダクトID、ライセンスID、及び有効期限)が管理されている場合には、遠隔共有処理を開始する要求を行うことができる。但し、ライセンス情報が管理されていない場合には遠隔共有処理を開始する要求を行うことができない。
【0092】
参加拠点管理テーブル610は、表示装置2が主催装置である場合、現在、遠隔共有処理に参加している参加装置としての表示装置2を管理するテーブルである。この参加拠点管理テーブル610では、図15に示されているように、参加中の表示装置2が設置されている拠点の名称及び当該表示装置2のIPアドレスが関連付けて管理されている。
【0093】
遠隔参加処理部62は、通信ネットワーク9を介して、既に遠隔共有処理を開始している主催装置としての表示装置2のサーバ部90における遠隔接続要求受信部71に対して、遠隔共有処理への参加要求を行う。この場合も、遠隔参加処理部62は、遠隔ライセンス管理テーブル310を参照する。また、遠隔参加処理部62が、既に開始されている遠隔共有処理に参加する場合には、接続先管理テーブル440を参照して、参加先の表示装置2のIPアドレスを取得する。なお、遠隔参加処理部62によって接続先管理テーブルが参照されず、ユーザによるタッチパネル等の入力装置の操作により参加先の表示装置2のIPアドレスが入力されてもよい。
【0094】
遠隔画像送信部63は、映像取得部21から画像取得部31を介して送られて来た出力画像(C)を、サーバ部90に送信する。
【0095】
遠隔画像受信部64は、サーバ部90から、他の表示装置2に接続されたノートPC6からの画像データを受信し、表示重畳部36に出力することで、遠隔共有処理を可能にする。
【0096】
遠隔操作送信部65は、遠隔共有処理に必要な各種操作データをサーバ部90に送信する。この各種操作データとしては、例えば、ストロークの追加、ストロークの削除、ストロークの編集(拡大、縮小、移動)、ページデータの記憶、ページデータの作成、ページデータの複製、ページデータの削除、表示されているページの切り替え等に関するデータが挙げられる。また、遠隔操作受信部66は、サーバ部90から、他の表示装置2で入力された操作データを受信し、画像処理部30に出力することで、遠隔共有処理を行う。
【0097】
<サーバ部の機能構成>
続いて、図6を用いて、サーバ部90の機能構成について説明する。サーバ部90は、各表示装置2に設けられており、いずれの表示装置2であっても、サーバ部90としての役割を果たすことができる。そのため、サーバ部90は、通信制御部70、及びデータ管理部80を有している。
【0098】
<<通信制御部の機能構成>>
通信制御部70の機能構成について説明する。通信制御部70は、同じ表示装置2内のクライアント部20における通信制御部60、及び通信ネットワーク9を介して他の表示装置2内のクライアント部20における通信制御部60との通信を制御する。データ管理部80は、操作データや画像データ等を管理する。
【0099】
更に詳細に説明すると、通信制御部70は、遠隔接続要求受信部71、遠隔接続結果送信部72、遠隔画像受信部73、遠隔画像送信部74、遠隔操作受信部75、及び遠隔操作送信部76を有している。
【0100】
このうち、遠隔接続要求受信部71は、遠隔開始処理部61からの遠隔共有処理の開始要求を受信し、遠隔参加処理部62からの遠隔共有処理に対する参加要求を受信する。遠隔接続結果送信部72は、遠隔開始処理部61へ遠隔共有処理の開始要求の結果を送信し、遠隔参加処理部62へ遠隔共有処理に対する参加要求の結果を送信する。
【0101】
遠隔画像受信部73は、遠隔画像送信部63からの画像データ(出力画像(C)のデータ)を受信し、後述の遠隔画像処理部82に送信する。遠隔画像送信部74は、遠隔画像処理部82から画像データを受信し、遠隔画像受信部64に対して、この画像データを送信する。
【0102】
遠隔操作受信部75は、遠隔操作送信部65からの操作データ(ストローク画像(B)等のデータ)を受信し、後述の遠隔操作処理部83に送信する。遠隔操作送信部76は、遠隔操作処理部83から操作データを受信し、遠隔操作受信部66に対して、この操作データを送信する。
【0103】
<<データ管理部の機能構成>>
次に、図6を用いて、データ管理部80の機能構成について説明する。データ管理部80は、遠隔接続処理部81、遠隔画像処理部82、遠隔操作処理部83、操作合成処理部84、及びページ処理部85を有している。更に、サーバ部90は、パスコード管理部810、参加拠点管理テーブル820、画像データ記憶部830、操作データ記憶部840、及びページデータ記憶部850を有している。
【0104】
このうち、遠隔接続処理部81は、遠隔共有処理の開始、及び遠隔共有処理の終了を行う。また、遠隔接続処理部81は、遠隔接続要求受信部71が、遠隔開始処理部61から遠隔共有処理の開始要求と共に受信したライセンス情報、又は、遠隔参加処理部62から遠隔共有処理の参加要求と共に受信したライセンス情報に基づいて、ライセンスの有無やライセンスの期間内であるかを確認する。更に、遠隔接続処理部81は、クライアント部としての他の表示装置2からの参加要求が予め定められた参加可能数を超えていないかを確認する。
【0105】
更に、遠隔接続処理部81は、他の表示装置2から遠隔共有処理に対する参加要求があった際に送られて来たパスコードが、パスコード管理部810で管理されているパスコードと同じであるか否かを判断し、同じである場合には、遠隔共有処理の参加を許可する。なお、このパスコードは、新たに遠隔共有処理を開始する際に、遠隔接続処理部81によって発行され、遠隔共有処理に参加しようとする参加装置としての表示装置2のユーザが、主催装置としての表示装置2のユーザから、電話や電子メール等により伝えられる。これにより、遠隔共有処理に参加しようとする参加装置のユーザが、タッチパネル等の入力装置によって参加装置にパスコードを入力して参加要求することで、参加が許可されることになる。なお、セキュリティーよりもユーザの使い勝手を優先して、ライセンス状況の確認だけで、パスコードの確認を省略してもよい。
【0106】
また、表示装置2が主催装置の場合、遠隔接続処理部81は、参加装置の遠隔参加処理部62から通信ネットワーク9を介して送られて来た参加要求に含まれる参加拠点情報を、サーバ部90の参加拠点管理テーブル820に記憶する。そして、遠隔接続処理部81は、参加拠点管理テーブル820に記憶されている遠隔拠点情報を読み出し、遠隔接続結果送信部72に送信する。遠隔接続結果送信部72は、同じ主催装置のクライアント部20における遠隔開始処理部61に遠隔拠点情報を送信する。遠隔開始処理部61は、参加拠点管理テーブルに610に、遠隔拠点情報を記憶する。これにより、主催装置では、クライアント部20及びサーバ部90の両方で、遠隔拠点情報を管理することになる。
【0107】
遠隔画像処理部82は、遠隔共有処理中の各表示装置2のクライアント部(主催装置である自己の表示装置2のクライアント部を含む)に接続されたノートPC6等からの画像データ(出力画像(C))を受信して画像データ記憶部830に記憶すると共に、主催装置である自己の表示装置2のサーバ部90に届いた時間順で遠隔共有処理すべき画像データの表示順を判断する。また、遠隔画像処理部82は、参加拠点管理テーブル820を参照し、遠隔共有処理に参加中の全ての表示装置2のクライアント部20(主催装置である自己の表示装置2のクライアント部を含む)に、通信制御部70(遠隔画像送信部74)を介して、上記判断した順番で画像データを送信する。
【0108】
遠隔操作処理部83は、遠隔共有処理中の各表示装置2のクライアント部(主催装置である自己の表示装置2のクライアント部を含む)で描画されたストローク画像等の各種操作データ(ストローク画像(B)等)を受信し、主催装置である自己の表示装置2のサーバ部90に届いた時間順で遠隔共有処理すべき画像の表示順を判断する。なお、各種操作データは、上記の各種操作データと同じである。また、遠隔操作処理部83は、参加拠点管理テーブル820を参照し、遠隔共有処理中の全ての表示装置2のクライアント部20(主催装置である自己の表示装置2のクライアント部を含む)に操作データを送信する。
【0109】
操作合成処理部84は、遠隔操作処理部83から出力された各表示装置2の操作データにグローバルシーケンスを付与し、操作データを操作データ記憶部840に記憶すると共に遠隔操作処理部83に戻す。この操作データは、遠隔操作送信部76から、主催装置である表示装置2のクライアント部、及び参加装置である表示装置2のクライアント部のそれぞれに送信されることで、各表示装置2で同じ操作データに係る画像が表示される。したがって、操作データ記憶部840は各表示装置2のクライアント部も共有する。
【0110】
ページ処理部85は、クライアント部20の画像処理部30におけるページ処理部37と同様の機能を有し、サーバ部90でも、図7乃至図10に示されているページデータを、ページデータ記憶部850に記憶する。なお、ページデータ記憶部850は、画像処理部30におけるページデータ記憶部300と同じ内容であるため、その説明を省略する。
【0111】
図16は、実施形態に係る操作データ記憶部840に記憶される操作データ管理テーブルの一例を示す概念図である。操作データ管理テーブルには、同じ会議に参加している各表示装置2の間で相互通信を行うためのセッションを識別するためのセッションID毎に、表示装置2の間で共有される操作データと画像データに情報が記憶されて管理されている。
【0112】
操作データ管理テーブルに示されているデータには、各データを識別するためのID、各データの発生順序を示すシーケンス番号(グローバルシーケンス番号)、データの内容を示す情報(body)、並びに親となるデータを特定するための情報(parent)が含まれている。例えば、複数の表示装置2によって実行されている遠隔会議を示す会議情報の場合、操作データ管理テーブルには、実行されている会議を識別するための会議ID(セッションID)、会議によって生成されたページを示す情報(children)並びに表示装置2に現在表示されている画面を構成するページを示す情報(Current Page)が含まれている。また、例えば、ページデータの場合、操作データ管理テーブルには、ページ(ページデータ)を識別するためのページID、該当するページを構成する背景画像データの保存位置を示すURL(Uniform Resource Locator)が含まれている。
【0113】
更に、例えば、ストロークデータの場合、操作データ管理テーブルには、「ストローク描画」イベントによって生成されたストロークデータを識別するためのストロークID、ストロークデータの内容を示す情報、及び、親となるページ(ページデータ)を特定するための情報(parent)が含まれている。この場合、ストロークデータの内容を示す情報(body)には、描画されたストロークの色、描画されたストロークの線の太さを示す幅、及び、描画されたストロークの頂点(x,y)の情報が含まれている。この操作データ管理テーブルにより、表示装置2は、特定の通信セッションを用いたビデオ会議等によって発生したストロークデータを含む共有画面に関する各種データを管理することができる。
【0114】
<実施形態の処理又は動作>
続いて、図18及び図19を用いて、本実施形態の処理又は動作について説明する。なお、図18及び図19は、各表示装置2の処理を示したシーケンス図である。
【0115】
図18及び図19に示す実施形態では、表示装置2aが遠隔共有処理を主催する主催装置(サーバ部及びクライアント部)としての役割を果たしており、表示装置2b,2cが遠隔共有処理に参加する参加装置(クライアント部)としての役割を果たす場合について説明する。また、ここでは、表示装置2a,2b,2cには、それぞれディスプレイ3a,3b,3cが接続され、更に、それぞれノートPC6a,6b,6cが接続されている。また、表示装置2a,2b,2cでは、それぞれ電子ペン4a,4b,4cが使用される。
【0116】
(参加の処理)
まず、図18を用いて、表示装置2b,2cが遠隔共有処理に参加するための処理について説明する。
【0117】
ユーザが表示装置2aの電源スイッチをオンにすると、表示装置2aのクライアント部20が起動する。そして、ユーザがタッチパネル等の入力装置によってサーバ部90を起動させる操作をすると、クライアント部20の遠隔開始処理部61から同じ表示装置2aのサーバ部90における遠隔接続要求受信部71に、サーバ部90の処理を開始させる指示を出力する。これにより、表示装置2aでは、クライアント部20だけでなくサーバ部90も各種処理を開始可能となる(ステップS21)。
【0118】
次に、表示装置2aのクライアント部20におけるUI画像生成部33が表示装置2aとの接続を確立するための接続情報を生成し、映像重畳部28が、UI画像生成部33から表示重畳部36を介して得た接続情報をディスプレイ3aに表示させる(ステップS22)。この接続情報には、主催装置のIPアドレス、及び今回の遠隔共有処理のために生成されたパスコードが含まれている。この場合、パスコード管理部810に記憶されているパスコードは、図6に示されている遠隔接続処理部81によって読み出され、遠隔接続結果送信部72、遠隔開始処理部61の順に送信される。更に、パスコードは、遠隔開始処理部61を含む通信制御部60から、図4に示されている画像処理部30に送信され、最終的にUI画像生成部33に入力される。これにより、接続情報には、パスコードが含まれる。そして、接続情報は、表示装置2aのユーザによって、電話や電子メールにより、表示装置2b,2cのユーザに伝えられる。なお、接続先管理テーブル440があれば、接続情報には、主催装置のIPアドレスが含まれていなくても、参加装置は参加要求を行うことができる。
【0119】
次に、表示装置2b,2cでは、各ユーザによるタッチパネル等の入力装置の操作によって接続情報の入力を受け付けると、各表示装置2a,2bのクライアント部20における遠隔参加処理部62が、接続情報のIPアドレスに基づき、通信ネットワーク9を介して、表示装置2aのサーバ部90における通信制御部70に対してパスコードを送信して参加要求を行う(ステップS23,S24)。これにより、通信制御部70の遠隔接続要求受信部71は、各表示装置2b,2cから、参加要求(パスコードを含む)を受信し、このパスコードを遠隔接続処理部81に出力する。
【0120】
次に、遠隔接続処理部81は、各表示装置2b,2cから受信したパスコードに対し、パスコード管理部810で管理されているパスコードを用いて認証する(ステップS25)。そして、遠隔接続結果送信部72が、各表示装置2b,2cのクライアント部20に認証結果を通知する(ステップS26,S27)。ステップS25の認証により、各表示装置2b,2cが正当な表示装置2であると判断されていた場合には、主催装置である表示装置2aと、参加装置である表示装置2b,2cとの遠隔共有処理の通信が確立され、各表示装置2b,2cのクライアント部20における遠隔参加処理部62が、それぞれ他の表示装置2との間の遠隔共有処理の開始を可能にする(ステップS28,S29)。
【0121】
(出力画像の表示)
続いて、図18を用いて、遠隔共有処理における出力画像(C)が表示される処理について説明する。
【0122】
まず、表示装置2bは、ディスプレイ3bに出力画像(C)を表示する(ステップS30)。具体的には、表示装置2bの画像取得部31が、ノートPC6bから映像取得部21を介して、ノートPC6bで表示されている出力画像(C)のデータを受信し、表示重畳部36及び映像重畳部28を介してディスプレイ3bに送信することで、ディスプレイ3bは出力画像(C)を表示する。
【0123】
次に、表示装置2bの画像取得部31を含む画像処理部30が、遠隔画像送信部63に出力画像(C)のデータを送信することで、遠隔画像送信部63を含む通信制御部60が通信ネットワーク9を介して、主催装置である表示装置2aの通信制御部70に出力画像(C)のデータを送信する(ステップS31)。これにより、表示装置2aの遠隔画像受信部73は、出力画像(C)のデータを受信し、遠隔画像処理部82に出力することで、遠隔画像処理部82が画像データ記憶部830に出力画像(C)のデータを記憶する。
【0124】
次に、主催装置である表示装置2aは、ディスプレイ3aに出力画像(C)を表示する(ステップS32)。具体的には、表示装置2aの遠隔画像処理部82は、遠隔画像受信部73から受信した出力画像(C)のデータを、遠隔画像送信部74に出力する。遠隔画像送信部74は、同じ主催装置である表示装置2aのクライアント部20における遠隔画像受信部64に、出力画像(C)のデータを出力する。遠隔画像受信部64は、表示重畳部36に出力画像(C)のデータを出力する。表示重畳部36は、映像重畳部28に出力画像(C)のデータを出力する。映像重畳部28はディスプレイ3aに出力画像(C)のデータを出力する。これにより、ディスプレイ3aは、出力画像(C)を表示する。
【0125】
次に、主催装置としての表示装置2aのサーバ部90における遠隔画像送信部74を含む通信制御部70は、通信ネットワーク9を介して、出力画像(C)のデータの送信元である表示装置2b以外の表示装置2cの通信制御部60に出力画像(C)のデータを送信する(ステップS33)。これにより、参加装置である表示装置2cの遠隔画像受信部64は、出力画像(C)のデータを受信する。
【0126】
次に、表示装置2cは、ディスプレイ3cに出力画像(C)を表示する(ステップS34)。具体的には、表示装置2cの遠隔画像受信部64が、上記ステップS33によって受信された出力画像(C)のデータを、表示装置2cの表示重畳部36に出力する。表示重畳部36は、映像重畳部28に出力画像(C)のデータを出力する。映像重畳部28はディスプレイ3cに出力画像(C)のデータを出力する。これにより、ディスプレイ3cは、出力画像(C)を表示する。
【0127】
なお、出力画像(C)のデータだけでなく、UI画像(A)、及びストローク画像(B)の各データが、表示重畳部36に入力されている場合には、表示重畳部36により、重畳画像(A,B,C)が生成され、映像重畳部28はディスプレイ3cに重畳画像(A,B,C)のデータを出力する。また、テレビ会議端末7から映像重畳部28に、テレビ会議用の映像(E)のデータが送られて来ている場合には、映像重畳部28は、重畳画像(A,B,C)にピクチャ・イン・ピクチャによりテレビ会議用の映像(E)のデータを重畳して、ディスプレイ3cに出力する。
【0128】
(重畳画像の表示)
続いて、図19を用いて、共有処理における重畳画像が表示される処理について説明する。
【0129】
まず、表示装置2bは、ユーザが電子ペン4bを用いて表示装置2bにストローク画像(B)を描画する(ステップS41)。
【0130】
次に、表示装置2bの表示重畳部36は、図17に示されているように、UI画像(A)、及び出力画像(C)に対して、ストローク画像(B)を重畳し、映像重畳部28が表示装置2bのディスプレイ3b上に、重畳された重畳画像(A,B,C)を表示させる(ステップS42)。具体的には、表示装置2bのストローク処理部32が座標検知部22及び接触検知部24からイベント振分部25を介して、操作データとしてのストローク画像(B)のデータを受信し、表示重畳部36に送信する。これにより、表示重畳部36は、UI画像(A)、及び出力画像(C)に対して、ストローク画像(B)を重畳することができ、映像重畳部28が表示装置2bのディスプレイ3b上に重畳画像(A,B,C)を表示させることができる。
【0131】
次に、表示装置2bのストローク処理部32を含む画像処理部30が、遠隔操作送信部65にストローク画像(B)のデータを送信することで、表示装置2bの遠隔操作送信部65は、通信ネットワーク9を介して、主催装置である表示装置2aの通信制御部70にストローク画像(B)のデータを送信する(ステップS43)。これにより、表示装置2aの遠隔操作受信部75は、ストローク画像(B)のデータを受信し、遠隔操作処理部83に出力することで、遠隔操作処理部83が操作合成処理部84にストローク画像(B)のデータを出力する。このようにして、表示装置2bで描画されたストローク画像(B)のデータは、描画される度に、主催装置である表示装置2aの遠隔操作処理部83に順次送信される。このストローク画像(B)のデータは、図8に示されているストロークデータID毎に示されるデータである。よって、例えば、上記したように、ユーザが電子ペン4によってアルファベット「T」を描く場合は二筆書きとなるため、2つのストロークデータIDのそれぞれで示されるストローク画像(B)のデータが順次送信される。
【0132】
次に、主催装置である表示装置2aは、ディスプレイ3aに、表示装置2bから送られて来たストローク画像(B)のデータが含まれた重畳画像(A,B,C)を表示する(ステップS44)。具体的には、表示装置2aの操作合成処理部84は、遠隔操作処理部83を介して順次送られて来た複数のストローク画像(B)のデータを合成して、操作データ記憶部840に記憶すると共に遠隔操作処理部83に戻す。これにより、遠隔操作処理部83は、操作合成処理部84から受信した、合成後のストローク画像(B)のデータを、遠隔操作送信部76に出力する。遠隔操作送信部76は、同じ主催装置である表示装置2aのクライアント部20における遠隔操作受信部66に、合成後のストローク画像(B)のデータを出力する。遠隔操作受信部66は、画像処理部30における表示重畳部36に、合成後のストローク画像(B)のデータを出力する。よって、表示重畳部36は、UI画像(A)、及び出力画像(C)に対して、合成後のストローク画像(B)を重畳する。最後に、映像重畳部28が、表示重畳部36によって重畳された重畳画像(A,B,C)をディスプレイ3a上に表示させる。
【0133】
次に、主催装置としての表示装置2aのサーバ部90における遠隔操作送信部76を含む通信制御部70は、通信ネットワーク9を介して、ストローク画像(B)のデータの送信元である表示装置2b以外の表示装置2cの通信制御部60に、合成後のストローク画像(B)のデータを送信する(ステップS45)。これにより、参加装置である表示装置2cの遠隔操作受信部66は、合成後のストローク画像(B)のデータを受信する。
【0134】
次に、表示装置2cは、ディスプレイ3cに重畳画像(A,B,C)を表示する(ステップS34)。具体的には、表示装置2cの遠隔操作受信部66が、上記ステップS45によって受信された合成後のストローク画像(B)のデータを、表示装置2cの画像処理部30に出力する。画像処理部30の表示重畳部36は、UI画像(A)、及び出力画像(C)の各データと、合成後のストローク画像(B)のデータを重畳し、映像重畳部28に重畳画像(A,B,C)のデータを出力する。映像重畳部28は、ディスプレイ3cに重畳画像(A,B,C)のデータを出力する。これにより、ディスプレイ3cは、重畳画像(A,B,C)を表示する。
【0135】
なお、上記処理では、ディスプレイ3上に出力画像(C)が表示されているが、この出力画像(C)に代えて、背景画像(D)を表示してもよい。また、出力画像(C)と背景画像(D)との排他的な関係をやめて、出力画像(C)と背景画像(D)との両方を同時にディスプレイ3上に表示させてもよい。
【0136】
(参加の終了)
続いて、図19を用いて、参加装置が遠隔共有処理への参加を終了する処理について説明する。図19に示す実施形態では、表示装置2cが参加を終了する処理が示されている。
【0137】
まず、表示装置2cでは、ユーザによるタッチパネル等の入力装置の操作によって参加の終了要求を受け付けると、遠隔参加処理部62は、主催装置としての表示装置2aのサーバ部90における通信制御部70に、参加の終了要求を行う(ステップS47)。これにより、通信制御部70の遠隔接続要求受信部71は、表示装置2cから、参加の終了要求を受信し、遠隔接続処理部81に、表示装置2cのIPアドレスと共に参加の終了要求を出力する。そして、表示装置2aの遠隔接続処理部81は、遠隔接続要求受信部71から送られて来たIPアドレスに基づいて、参加拠点管理テーブル820から、参加の終了要求を行った表示装置2cのIPアドレス及び表示装置2cが設置されている拠点の名称を削除し、遠隔接続結果送信部72に、表示装置2cのIPアドレス及び削除した旨の通知を出力する。
【0138】
次に、遠隔接続結果送信部72を含んだ通信制御部70が、通信ネットワーク9を介して、表示装置2cのクライアント部20における通信制御部60に、参加の終了を指示する(ステップS48)。これにより、表示装置2cにおける通信制御部60の遠隔参加処理部62が、遠隔共有処理の通信を切断することで、参加の終了処理を行うことで、参加が終了する(ステップS49)。
【0139】
<EDIDの変更に関する表示装置の構成例>
続いて、図20を参照して、EDIDの変更に関する表示装置2の構成、処理、及び機能について説明する。図20は、図3に示したハードウェア構成のうち、ディスプレイ3、コントローラー110、及び、キャプチャーボード111を抽出した一例の概略構成図である。
【0140】
図示するように、コントローラー110はディスプレイ3とケーブル231で接続されており、キャプチャーボード111とケーブル232で接続されている。キャプチャーボード111はケーブル233でノートPC6と接続されている。ノートPC6が出力するコンテンツデータ(映像又は音声)は、キャプチャーボード111で受け付けられ、コントローラー110に送信される。コントローラー110は必要であればリサイズを行ってコンテンツデータをディスプレイ3に表示する。
【0141】
コントローラー110とディスプレイ3はケーブル231の一例として、OPS I/Fにて接続され、内部的なコンテンツデータはOPS I/Fに内包されているDisplay Port(登録商標)にて送信される。コントローラー110とキャプチャーボード111はケーブル232の一例としてUSB3.0にて接続され、コンテンツデータや制御データが送受信される。キャプチャーボード111とノートPC6はケーブル233の一例としてHDMI(登録商標)、Display Port(登録商標)又はVGAにて接続されており、ノートPC6からのコンテンツデータを受け付けることができる。
【0142】
コントローラー110とキャプチャーボード111はディスプレイ3に着脱可能であり、ユーザは表示装置2の購入後にディスプレイ3を交換したり、キャプチャーボード111を交換したりすることができる。表示装置2の出荷時にはキャプチャーボード111が含まれないか、含まれても接続されてはいないため、販売者が出荷時にキャプチャーボード111のEDIDをディスプレイ3のEDIDに合わせて変更することは困難になっている。
【0143】
図21は、キャプチャーボード111の交換を模式的に説明する図である。キャプチャーボード111がUSBケーブルでコントローラー110と接続可能なので、交換は容易である。図21(a)のディスプレイ3が4Kの解像度を有し、図21(b)のディスプレイ3が2Kの解像度を有するとする。キャプチャーボード111の受付可能な最大の解像度が例えば4K(3840x2160)であるとする。図21(a)のようにディスプレイ3が4Kの解像度に対応している場合、コントローラー110はリサイズなしでノートPC6からの映像を全画面表示できる。しかし、図21(b)のようにディスプレイ3が2Kの解像度までしか対応していない場合、コントローラー110が映像を全画面表示するためにはリサイズが必要となる。リサイズされた場合、リサイズ処理のためのCPU101やGPU112の負荷が増大したり、リサイズによる画像劣化が発生したりするおそれがある。このように表示装置2は、コントローラー110、ディスプレイ3、及び、キャプチャーボード111の組み合わせの変更が可能であり、組み合わせによっては不都合が生じる可能性がある。
【0144】
<EDIDの変更に関する表示装置の機能>
図22は、ディスプレイ3、コントローラー110、及び、キャプチャーボード111の機能をブロックに分けて説明する機能ブロック図の一例である。ディスプレイ3は映像表示部201、表示可能映像フォーマット保持部202、及び、外部入力接続部203を有している。外部入力接続部203は、ケーブル231の端子が接続されるコンテンツデータのインタフェースである。コントローラー110の通信部204と通信可能に接続され、コンテンツデータを受信すること、及び、解像度などの表示可能映像フォーマットを送信することができる。
【0145】
表示可能映像フォーマット保持部202は、自身(ディスプレイ3)が表示可能である映像フォーマットを保持する。表示可能映像フォーマット保持部202は例えば、EDIDを保持している。外部入力接続部203に機器(本実施形態ではコントローラー110)が接続された場合、外部入力接続部203が表示可能映像フォーマットを接続先の機器に送信することで、表示可能映像フォーマットを該機器に伝達する。
【0146】
映像表示部201は、外部入力接続部203が受信した映像を表示する。例えば、ディスプレイ3の液晶パネルが対応する。
【0147】
コントローラー110は、通信部204、表示映像作成部205、変更部206、及び、通信部207を有している。コントローラー110が有する各機能は、図3に示されている各構成要素のいずれかが、SSD104からRAM103上に展開されたプログラムに従ったCPU101からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。
【0148】
通信部204は、ケーブル231の端子が接続される映像のインタフェースである(第一の通信部の一例)。ディスプレイ3の外部入力接続部203と通信可能に接続され、コンテンツデータを送信すること、及び、解像度などの表示可能映像フォーマットを受信することができる。
【0149】
表示映像作成部205は、キャプチャーボード111から受信した映像を、オペレーティングシステムにてブレンディングする。ブレンディングとは、例えばオペレーティングシステムが形成するウィンドウ内に入力された映像を合成することをいう。例えば、映像を背景にして別のアプリケーションやOSが出力するダイアログ等を前面に表示させることをいう。ウィンドウの大きさに合わせた映像の拡縮は行わないことが好ましい。
【0150】
通信部207はキャプチャーボード111から受付可能映像フォーマットを受信する(第二の通信部の一例)。変更部206は、外部入力接続部経由でディスプレイ3より取得した、ディスプレイ3の表示可能映像フォーマットと、通信部207がキャプチャーボード111より取得した受付可能映像フォーマットを比較する。後述の判断フローにて最適な受付可能映像フォーマットを決定し、キャプチャーボード111の受付可能映像フォーマットを変更する。
【0151】
キャプチャーボード111は、外部入力映像受信部208、受付可能映像フォーマット保持部209、及び、外部入力接続部210を有する。
【0152】
外部入力接続部210は、ケーブル233の端子が接続されるコンテンツデータのインタフェースである。ノートPC6からのコンテンツデータを受け付ける(受信する)こと、ノートPC6に受付可能映像フォーマットを伝達することができる。
【0153】
外部入力映像受信部208は、ケーブル232の端子が接続されるコンテンツデータのインタフェースである。外部入力接続部210がノートPC6から受信したコンテンツデータをコントローラー110に送信することができる。外部入力映像受信部208は、外部入力接続部210経由でノートPC6から受信した映像に適切な画像処理(RGB→YUV変換等)を施したのち、コントローラー110に映像を送信する。
【0154】
受付可能映像フォーマット保持部209は、自身(キャプチャーボード111)が受け付け可能である映像フォーマットを保持する。受付可能映像フォーマット保持部209は例えば、EDIDを保持している。外部入力接続部210に機器(本実施形態ではノートPC6)が接続された場合、外部入力接続部210が受付可能映像フォーマットを接続先の機器に送信することで、受付可能映像フォーマットを伝達する。
【0155】
<EDIDに含まれる情報>
図23は表示可能映像フォーマット保持部202,及び、受付可能映像フォーマット保持部209が保持する映像フォーマットの一例を示す。なお、表示可能映像フォーマット保持部202,及び、受付可能映像フォーマット保持部209が有する映像フォーマットは異なる場合があるが図ではEDIDの説明のためEDIDを1つだけ示す。
【0156】
図23の映像フォーマットはEDIDに含まれる場合がある。図23ではEDIDに含まれる情報として、横解像度、縦解像度、及び、リフレッシュレートが示されている。一例として、720x400@70Hz, 640x480@60Hz, 800x600@60Hz, 1024x768@60Hz, 1280x960@60Hz, 1280x1024@60Hz、1680x1050@60Hz、1600x1200@60Hz、1920x1080@60Hz、の映像フォーマットを表示可能又は受付可能であることを意味している。したがって、最大解像度は1920×1080である。
【0157】
図23には含まれていないが、EDIDにはディスプレイ3の主要メーカの機器の型番、電源制御項目(Standby、Suspend、Activeなど)を保持できる。また、EDIDは書き換え可能なので、提供者などが任意の情報を書き込むこともできる。例えば、キャプチャーボード111ではキャプチャーボード111の型番、シリアル番号などを保持できる。コントローラー110が最後にキャプチャーボード111から取得したEDIDを保存しておけば、キャプチャーボード111からEDIDを読み出すことでキャプチャーボードの交換を検出することができる。したがって、キャプチャーボードの交換が検出された場合に、コントローラー110がキャプチャーボード111のEDIDを変更する処理が可能になる。
【0158】
<EDIDの通知方法>
図24は、EDIDを用いた映像送信時の通知の流れを説明する図である。
(1)コントローラー110はディスプレイ3からEDIDを取得する。
(2)ノートPC6はキャプチャーボード111からEDIDを取得する。
(3)ノートPC6はキャプチャーボード111のEDIDが対応する解像度のうち自分が出力できる最大の解像度で映像を出力する。
(4) コントローラー110は、ディスプレイ3のEDIDが対応する解像度のうち自分が出力できる最大の解像度で映像を出力する。
【0159】
なお、ユーザの操作により、コントローラー110とノートPC6は取得したEDIDが対応している任意の解像度で映像を出力することも可能である。
【0160】
図25は、コントローラー110又はノートPC6がディスプレイ3又はキャプチャーボード111からEDIDを取得して映像を送信するまでの一般的な処理を示すシーケンス図の一例である。なお、図25ではHDMIケーブル(登録商標)が接続された場合を説明するが、デジタル信号を送信できる他のケーブルでも同様である。
【0161】
S1:ディスプレイ3とコントローラー110、又は、ノートPC6とキャプチャーボード111とが物理的に接続される。これにより、コントローラー110又はノートPC6からディスプレイ3又はキャプチャーボード111に5Vの電流が流れる。
【0162】
S2:ディスプレイ3又はキャプチャーボード111ではHPD(ホットプラグダイレクト)信号がローからハイに変化することで、接続できたことをコントローラー110又はノートPC6に通知する。
【0163】
S3:HDP信号の変化を確認すると、コントローラー110又はノートPC6はEDIDをディスプレイ3又はキャプチャーボード111に要求する。
【0164】
S4:ディスプレイ3又はキャプチャーボード111はEDIDをコントローラー110又はノートPC6に送信する。
【0165】
S5:コントローラー110又はノートPC6は、EDIDのうち自分が出力できる最大の解像度を決定する。
【0166】
S6:コントローラー110又はノートPC6は決定した映像の解像度等をディスプレイ3又はキャプチャーボード111に送信する。
【0167】
S7:これらが完了するとコントローラー110又はノートPC6はディスプレイ3又はキャプチャーボード111に決定した解像度等で映像を送信する。図25では映像を例に説明したが、音声についても同様である。
【0168】
<映像の送信の具体例>
図26は、ノートPC6が送信する4Kの解像度の映像をディスプレイ3が4Kの解像度で表示する場合について説明する図である。
(a) ディスプレイ3がコントローラー110にEDIDを送信することで4Kの解像度で表示できることを通知する。
(b) キャプチャーボード111がノートPC6にEDIDを送信することで4Kの解像度で表示できることを通知する。
(c) ノートPC6はキャプチャーボード111に4Kの解像度の映像を送信する。
(d) コントローラー110はディスプレイ3に4Kの解像度の映像を送信する。
【0169】
図27は、ノートPC6が送信する4Kの解像度の映像をディスプレイ3が2Kの解像度で表示する場合について説明する図である。
(a) ディスプレイ3がコントローラー110にEDIDを送信することで2Kの解像度で表示できることを通知する。
(b) キャプチャーボード111がノートPC6にEDIDを送信することで4Kの解像度で表示できることを通知する。
(c) ノートPC6はキャプチャーボード111に4Kの解像度の映像を送信する。
(d) コントローラー110はディスプレイ3が2Kにしか対応していないので、4Kの解像度の映像を2Kに変換する必要があると判断する。そして、映像を2Kにリサイズ(解像度の縮小)する。
(e) コントローラー110はディスプレイ3に2Kで映像を送信する。
【0170】
この図27で説明する映像送信では、リサイズに伴う画像劣化、CPU101やGPU112の負荷の増大が発生してしまう。
【0171】
図28は本実施形態における、ノートPC6が送信する2Kの解像度の映像をディスプレイ3が2Kの解像度で表示する場合について説明する図である。
(a) ディスプレイ3がコントローラー110にEDIDを送信することで2Kの解像度で表示できることを通知する。
(b) コントローラー110はキャプチャーボード111から4Kの解像度で表示できるという情報を取得する。
(c) キャプチャーボード111がノートPC6にEDIDを送信することで4Kの解像度で表示できることを通知する。
(d) コントローラー110は、ディスプレイ3が2Kの解像度にしか対応していないのに、キャプチャーボード111が4Kの解像度まで対応していると判断して、キャプチャーボード111のEDIDの最大解像度をディスプレイ3の最大の解像度に制限する。すなわち、キャプチャーボード111のEDIDから3840x2160@60Hzを削除する(EDIDを書き換える)。
(e) キャプチャーボード111はノートPC6にEDIDを送信することで4Kの解像度で表示できることを再度、通知する。必ずしも再度、通知されるわけではないので、場合分けして説明する。
・表示装置2の電源ONの前にノートPC6がキャプチャーボード111に接続されている場合。
ノートPC6にはキャプチャーボード111のEDIDがすでに通知されている。しかし、コントローラー110の電源ONで、キャプチャーボード111もONになるため、ON信号によりノートPC6はケーブルの着脱を検出する。これにより、ノートPC6は改めてキャプチャーボード111からEDIDを取得できる。
・表示装置2の電源ONの後にノートPC6がキャプチャーボード111に接続されている場合。
この場合は、ケーブルの接続によりノートPC6はキャプチャーボード111の変更後のEDIDを取得する。つまり、ステップ(c)が行われない。
(f) ノートPC6は、ステップ(e)で取得したEDIDに基づいて、キャプチャーボード111に2Kで映像を送信する。
(g) コントローラー110はディスプレイ3が2Kの解像度に対応しており、受信した映像も2Kなので、変換する必要がないと判断する。 コントローラー110はディスプレイ3に2Kで映像を送信する。
【0172】
このように、コントローラー110がキャプチャーボード111のEDIDを変更することで、コントローラー110はキャプチャーボード111から受けた映像をリサイズすることなくディスプレイ3に表示することが可能となる。
【0173】
なお、EDIDにはアスペクト比が異なる解像度も含まれる。コントローラー110はアスペクト比が同じ解像度の中で、ディスプレイ3の最大解像度をキャプチャーボード111に設定する。ディスプレイ3とキャプチャーボード111のEDIDに同じアスペクト比の解像度がない場合は存在しないようにディスプレイ3とキャプチャーボード111が設計されている。
【0174】
<解像度の判断処理>
図29は、コントローラー110が最適な解像度を判断する手順を示すシーケンス図の一例である。図29の処理はOS上で表示装置2のアプリが起動することで自動的に実行される。表示装置2の電源のONでアプリも起動するため、表示装置2の電源ONでも実行される。
【0175】
コントローラー110の通信部204はディスプレイ3のEDIDを取得する(S101)。
【0176】
次に、コントローラー110の通信部207はキャプチャーボード111のEDIDを取得する(S102)。なお、ステップS101とS102はどちらが先でもよい。
【0177】
変更部206は、ディスプレイ3の最大解像度がキャプチャーボード111の最大解像度よりも小さいか否かを判断する(S103)。
【0178】
ディスプレイ3の最大解像度がキャプチャーボード111の最大解像度よりも小さい場合、変更部206はキャプチャーボード111のEDIDを変更する(S104)。すなわち、キャプチャーボード111の最大解像度をディスプレイ3の最大解像度に制限する。
【0179】
このように、ディスプレイ3のEDID(フォーマット情報)とキャプチャーボード111のEDID(フォーマット情報)が異なる場合に、キャプチャーボード111のEDIDがディスプレイ3のフォーマット情報に変更される。また、ディスプレイ3のEDIDにおけるデータサイズ(解像度又は後述の周波数サンプリング数)の最大値の方がキャプチャーボード111のEDIDにおけるデータサイズの最大値よりも小さい場合、キャプチャーボード111のEDIDのデータサイズの最大値が、ディスプレイ3のEDIDのデータサイズの最大値に制限される。
【0180】
図30は、コントローラー110が最適な解像度を判断するより詳細な手順を示すシーケンス図の一例である。
【0181】
コントローラー110の通信部204はディスプレイ3のEDIDを取得する(S201)。変更部206は、変数Aにディスプレイ3の最大解像度とキャプチャーボード111の本来の最大解像度のうち小さい方を格納する(S202)。本来の最大解像度とは、キャプチャーボード111が対応しうる最大の解像度であり、初期値として保持されている。例えば4K、8Kなどである。
【0182】
変更部206は、変数Aがディスプレイ3の最大解像度と一致するか否かを判断する(S203)。
【0183】
ステップS203の判断がNoの場合、通信部207はキャプチャーボード111の受付可能映像フォーマット保持部209から現在のEDIDを取得する(S204)。
【0184】
変更部206はディスプレイ3の最大解像度がキャプチャーボード111の最大解像度と同じか否かを判断する(S205)。この判断は、図29のステップS103で判断された、ディスプレイ3の最大解像度がキャプチャーボード111の最大解像度よりも小さいか否かの判断に対応している。
【0185】
ステップS205の判断がYesの場合、キャプチャーボード111のEDIDは書き換え済みなので、変更部206は書き換えない。
【0186】
ステップS205の判断がNoの場合、変更部206はキャプチャーボード111のEDIDから、変数Aの解像度を超えるものを削除する(S206)。換言すると、キャプチャーボード111のEDIDから変数Aの解像度を超えるもの除いた解像度でキャプチャーボード111のEDIDを書き換える。したがって、変更部206はキャプチャーボード111の最大解像度をディスプレイ3の最大解像度に制限できる。
【0187】
なお、ステップS203、S205の判断なく、ステップS206で、変更部206がキャプチャーボード111のEDIDを変更してもよい。同じEDIDを上書きしても支障はない。
【0188】
<EDIDに含まれる音声に関する情報>
以上の実施形態では、EDIDに含まれる映像フォーマットに関してコントローラー110がキャプチャーボード111のEDIDを変更する例を説明した。これに対し、EDIDは音声に関する情報も有しており、コントローラー110は音声フォーマットに関してキャプチャーボード111のEDIDを変更することもできる。
【0189】
図31は、音声に関するEDIDの一例を示す図である。音声のEDIDはチャンネル数、サンプリング周波数、及び、ビットレートの各項目を有している。例えば、ディスプレイ3の最大サンプリング周波数が44で、キャプチャーボード111の最大サンプリング周波数が48の場合、コントローラー110はキャプチャーボード111のEDIDを44に制限する。したがって、コントローラー110は映像と同様に音声のEDIDを制限できる。
【0190】
<全体的な手順>
図32は、コントローラー110が映像を表示するまでの全体的な流れを説明するシーケンス図の一例である。
【0191】
S11:コントローラー110の通信部204はディスプレイ3のEDIDを取得する。
【0192】
S12:コントローラー110の通信部207はキャプチャーボード111のEDIDを取得する。なお、ステップS11とS12はどちらが先でもよい。
【0193】
S13:コントローラー110の変更部206は、ディスプレイ3の最大解像度がキャプチャーボード111の最大解像度よりも小さいか否かを判断する。ここでは、「ディスプレイ3の最大解像度<キャプチャーボード111の最大解像度」であるとして説明する。
【0194】
S14:変更部206はキャプチャーボード111の最大解像度をディスプレイ3の最大解像度に制限する(変更する)。
【0195】
S15:ノートPC6がキャプチャーボード111に接続されるか、又は、表示装置2の電源ONにより、キャプチャーボード111は変更後のEDIDをノートPC6に送信する。
【0196】
S16:ノートPC6はキャプチャーボード111のEDIDのうち、自分が出力できる最大解像度を決定する。
【0197】
S17:ノートPC6は決定した解像度の映像をキャプチャーボード111に送信する。
【0198】
S18:キャプチャーボード111の外部入力接続部210は映像を受信すると、外部入力映像受信部208が信号変換を行ってコントローラー110に送信する。
【0199】
S19:コントローラー110の表示映像作成部205は映像を受信し、リサイズの必要性を判断する。ここでは、ディスプレイ3の最大解像度と受信した映像の解像度は一致するので、リサイズは必要ないと判断される。表示映像作成部205はオペレーティングシステムが用意するウィンドウに映像を合成する。
【0200】
S20:コントローラー110の通信部204は映像をディスプレイ3に送信する。
【0201】
S21:ディスプレイ3の外部入力接続部203は映像を受信し、映像表示部201が映像を表示する。
【0202】
<主な効果>
以上説明したように、本実施形態の表示装置2は、キャプチャーボード111のEDIDを変更することで、キャプチャーボード111の最大解像度をディスプレイ3の最大解像度に制限する。これにより、コンテンツデータの送信元が送信する映像をリサイズする必要がなく、画像劣化を抑制し、CPU101又はGPU112の負荷の増大を抑制できる。
【0203】
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0204】
例えば、本実施形態ではディスプレイ3の表示可能映像フォーマット、又は、キャプチャーボードの受付可能映像フォーマットがEDIDに記憶されていると説明したが、表示可能映像フォーマット、又は、キャプチャーボードの受付可能映像フォーマットはEDIDに記憶されていなくてもよい。表示可能映像フォーマットをコントローラー110が取得でき、キャプチャーボードの受付可能映像フォーマットを書き換えることができればよい。
【0205】
また、実施形態ではキャプチャーボード111の受付可能映像フォーマットの解像度を変更する例を説明したが、キャプチャーボード111のリフレッシュレートを変更してもよい。
【0206】
また、本実施形態では表示装置2の一例として電子黒板を用いて説明したが、電子黒板と同様の機能を有する装置は、電子ホワイトボード、電子情報ボード、インタラクティブボードなどともいう。
【0207】
また、表示装置2は、PCなどの汎用的な情報処理装置がアプリを実行することでも実現できる。したがって、表示装置2は、PC、タブレット型PC、ウェアラブルPC、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、PJ(Projector:プロジェクタ)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、自動車(Connected Car)、携帯電話、デジタルカメラ、カーナビ、ゲーム機などでもよい。
【0208】
また、実施形態では、コントローラー110にてディスプレイの最大解像度とキャプチャーボードの最大解像度の大小を判断しているが、キャプチャーボード111側にて判断を行ってもよい。一例として、ディスプレイ3が有する最大解像度をコントローラー110からキャプチャーボード111が受信し、キャプチャーボード111にてディスプレイの最大解像度とキャプチャーボードの最大解像度の大小を判断する形態が考えられる。
【0209】
また、図22などの構成例は、表示装置2による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。表示装置2の処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0210】
また、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【符号の説明】
【0211】
2 表示装置
3 ディスプレイ
6 ノートPC
110 コントローラー
111 キャプチャーボード
【先行技術文献】
【特許文献】
【0212】
【文献】特開2008-158220号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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