(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、プログラム、機器
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240702BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240702BHJP
G06Q 10/20 20230101ALI20240702BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240702BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
G06F3/12 334
G06F3/12 382
G06F3/12 310
H04N1/00 002C
H04N1/00 127A
H04N1/00 127B
G06Q10/20
G03G21/00 510
B41J29/38 350
(21)【出願番号】P 2020151587
(22)【出願日】2020-09-09
【審査請求日】2023-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】白石 望
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-085095(JP,A)
【文献】特開2005-208689(JP,A)
【文献】特開2017-016379(JP,A)
【文献】特開2004-326159(JP,A)
【文献】特開2005-038082(JP,A)
【文献】特開2020-071616(JP,A)
【文献】特開2018-092224(JP,A)
【文献】特開2011-079180(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09- 3/12
B41J 29/00-29/70
G03G 13/34
G03G 15/00
G03G 15/36
G03G 21/00-21/02
G03G 21/14
G03G 21/20
G06Q 10/00-99/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器と、前記機器のメンテナンスに関するタスクの登録を受け付ける情報処理装置とを有する情報処理システムであって、
前記メンテナンスに関するタスクが登録されたスケジュール情報を記憶する記憶手段と、
前記タスクの実行に関する画面と関連付けられた前記スケジュール情報を表示する画面表示手段と、
前記画面表示手段が表示した前記画面に対し前記タスクに関する入力を受け付ける入力取得手段と、
前記タスクの開始時間、終了時間、及び、前記タスクを実施したユーザーの情報を前記スケジュール情報に登録するタスク実施実績登録手段と、を有し、
前記入力取得手段は、前記スケジュール情報に対する、前記タスクに関する情報、及び、開始予定時間の登録を受け付け、
前記タスクに関する情報は、タスク実行にかかる時間を推定したタスク推定所要時間を含み、
前記入力取得手段が前記スケジュール情報へのタスクの登録を受け付けた場合、前記タスク推定所要時間と開始予定時間に基づいてタスク終了予定時間を算出するタスク終了予定時間計算手段を有し、
前記画面表示手段は、前記スケジュール情報の作成画面で前記タスク終了予定時間を表示することを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記入力取得手段が取得した入力に応じて、前記機器にメンテナンスに関する情報を送信する通信手段、を有し、
前記機器は、前記情報処理装置から送信された前記メンテナンスに関する情報に応じた処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
現在時刻を取得する現在時刻取得手段を有し、
前記画面表示手段は、前記スケジュール情報に登録された前記タスクの開始予定時間と前記現在時刻に基づいて、タスクに関する情報を表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記入力取得手段は、前記スケジュール情報に登録された前記タスクの実施状況に応じた入力を受け付け、
前記画面表示手段は、タスクの実施状況によって前記タスクの実施状況を更新することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記タスクが前記機器の設定値を変更するタスクの場合、
前記通信手段は、前記メンテナンスに関する情報として設定値を前記機器に送信し、
前記機器は、
前記機器の設定値を記憶する機器設定値情報記憶手段と、
前記機器設定値情報記憶手段に記憶されている前記設定値を、前記情報処理装置から送信された前記設定値で更新する機器設定取得・更新手段と、
を有することを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記タスクが前記機器を操作するタスクの場合、
前記通信手段は、前記メンテナンスに関する情報として操作の要求を前記機器に送信し、
前記機器は、
前記情報処理装置から送信された前記操作の要求に応じて前記機器を操作する機器操作手段、
を有することを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記画面表示手段は、前記タスクの開始時間及び終了時間から求めた前記タスクを実施したユーザーのタスクの所要時間を、前記スケジュール情報の作成画面で表示し、
タスクを実施するユーザーが選択された場合、該ユーザーのタスクの所要時間で前記タスク終了予定時間を更新することを特徴とする請求項
1に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記入力取得手段は、繰り返し実行される前記タスクの繰り返し期間を取得し、
前記繰り返し期間に応じて前記スケジュール情報に前記タスクを繰り返し登録する情報更新手段を有することを特徴とする請求項
1又は7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記記憶手段には、前記タスク内で実施されるタスク部品の所要時間がタスク部品ごとに記憶されており、
前記タスク終了予定時間計算手段は、前記タスクが有する前記タスク部品の所要時間を合計して前記タスク推定所要時間を算出することを特徴とする請求項
1、7又は8のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項10】
機器のメンテナンスに関するタスクの登録を受け付ける情報処理装置であって、
前記メンテナンスに関するタスクが登録されたスケジュール情報を記憶する記憶手段と、
前記タスクの実行に関する画面と関連付けられた前記スケジュール情報を表示する画面表示手段と、
前記画面表示手段が表示した前記画面に対し前記タスクに関する入力を受け付ける入力取得手段と、
前記タスクの開始時間、終了時間、及び、前記タスクを実施したユーザーの情報を前記スケジュール情報に登録するタスク実施実績登録手段と、を有し、
前記入力取得手段は、前記スケジュール情報に対する、前記タスクに関する情報、及び、開始予定時間の登録を受け付け、
前記タスクに関する情報は、タスク実行にかかる時間を推定したタスク推定所要時間を含み、
前記入力取得手段が前記スケジュール情報へのタスクの登録を受け付けた場合、前記タスク推定所要時間と開始予定時間に基づいてタスク終了予定時間を算出するタスク終了予定時間計算手段を有し、
前記画面表示手段は、前記スケジュール情報の作成画面で前記タスク終了予定時間を表示することを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
前記入力取得手段が取得した入力に応じて、前記機器にメンテナンスに関する情報を送信する通信手段、
を有することを特徴とする請求項
10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
機器と、前記機器のメンテナンスに関するタスクの登録を受け付ける情報処理装置とを有する情報処理システムが行う情報処理方法であって、
前記メンテナンスに関するタスクが登録されたスケジュール情報に基づいて、画面表示手段が、前記タスクの実行に関する画面と関連付けられた前記スケジュール情報を表示するステップと、
前記画面表示手段が表示した前記画面に対し前記タスクに関する入力を入力取得手段が受け付けるステップと、
前記タスクの開始時間、終了時間、及び、前記タスクを実施したユーザーの情報を前記スケジュール情報に登録するステップと、を有し、
前記入力取得手段は、前記スケジュール情報に対する、前記タスクに関する情報、及び、開始予定時間の登録を受け付け、
前記タスクに関する情報は、タスク実行にかかる時間を推定したタスク推定所要時間を含み、
前記入力取得手段が前記スケジュール情報へのタスクの登録を受け付けた場合、タスク終了予定時間計算手段が、前記タスク推定所要時間と開始予定時間に基づいてタスク終了予定時間を算出し、
前記画面表示手段は、前記スケジュール情報の作成画面で前記タスク終了予定時間を表示することを特徴とする情報処理方法。
【請求項13】
機器のメンテナンスに関するタスクの登録を受け付ける情報処理装置を、
前記メンテナンスに関するタスクが登録されたスケジュール情報を記憶する記憶手段と、
前記タスクの実行に関する画面と関連付けられた前記スケジュール情報を表示する画面表示手段と、
前記画面表示手段が表示した前記画面に対し前記タスクに関する入力を受け付ける入力取得手段
と、
前記タスクの開始時間、終了時間、及び、前記タスクを実施したユーザーの情報を前記スケジュール情報に登録するタスク実施実績登録手段、として機能させ、
前記入力取得手段は、前記スケジュール情報に対する、前記タスクに関する情報、及び、開始予定時間の登録を受け付け、
前記タスクに関する情報は、タスク実行にかかる時間を推定したタスク推定所要時間を含み、
前記入力取得手段が前記スケジュール情報へのタスクの登録を受け付けた場合、前記タスク推定所要時間と開始予定時間に基づいてタスク終了予定時間を算出するタスク終了予定時間計算手段として機能させ、
前記画面表示手段は、前記スケジュール情報の作成画面で前記タスク終了予定時間を表示させるためのプログラム。
【請求項14】
機器のメンテナンスに関するタスクの登録を受け付ける、サーバ装置を有する機器であって、
前記メンテナンスに関するタスクが登録されたスケジュール情報を記憶する記憶手段と、
前記タスクの実行に関する画面と関連付けられた前記スケジュール情報を表示する画面表示手段と、
前記画面表示手段が表示した前記画面に対し前記タスクに関する入力を受け付ける入力取得手段と、
前記タスクの開始時間、終了時間、及び、前記タスクを実施したユーザーの情報を前記スケジュール情報に登録するタスク実施実績登録手段と、を有し、
前記入力取得手段は、前記スケジュール情報に対する、前記タスクに関する情報、及び、開始予定時間の登録を受け付け、
前記タスクに関する情報は、タスク実行にかかる時間を推定したタスク推定所要時間を含み、
前記入力取得手段が前記スケジュール情報へのタスクの登録を受け付けた場合、前記タスク推定所要時間と開始予定時間に基づいてタスク終了予定時間を算出するタスク終了予定時間計算手段を有し、
前記画面表示手段は、前記スケジュール情報の作成画面で前記タスク終了予定時間を表示することを特徴とする機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及び、機器に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置等の機器ではモータやクラッチなどが機械的な動作を行って色材で印刷を行うため、清掃や部品交換など各種のメンテナンスが必要になる場合がある。例えば大型の画像形成装置(商用プリンタなど)の場合、様々なメンテナンス作業が行われる。メンテナンス作業としてはユーザー等が画像形成装置に対して手作業で行うものもあるし、管理者が端末装置等から画像形成装置の設定値を変更するものもある。
【0003】
PC(Personal Computer)が表示するWebブラウザを管理者が操作して、画像形成装置の設定を行う仕組みが考案されている(例えば特許文献1参照。)。管理者は画像形成装置を直接、操作しなくても設定を変更できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、機器のメンテナンスに関するタスクのスケジュールからユーザーがメンテナンスを開始することができないという問題があった。例えば、メンテナンスに関する設定の際、管理者がPCで設定画面を表示するが、多数の設定画面のどれを開いて操作すればよいかをメンテナンスごとに調べることが作業負荷になっていた。また、管理者が様々なメンテナンスを行う場合、どのメンテナンスをいつ行うかという作業管理も必要であった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、機器のメンテナンスに関するタスクのスケジュールからユーザーがメンテナンスを開始することができる情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に鑑み、本発明は、機器と、前記機器のメンテナンスに関するタスクの登録を受け付ける情報処理装置とを有する情報処理システムであって、前記メンテナンスに関するタスクが登録されたスケジュール情報を記憶する記憶手段と、前記タスクの実行に関する画面と関連付けられた前記スケジュール情報を表示する画面表示手段と、前記画面表示手段が表示した前記画面に対し前記タスクに関する入力を受け付ける入力取得手段と、
前記タスクの開始時間、終了時間、及び、前記タスクを実施したユーザーの情報を前記スケジュール情報に登録するタスク実施実績登録手段と、を有し、前記入力取得手段は、前記スケジュール情報に対する、前記タスクに関する情報、及び、開始予定時間の登録を受け付け、
前記タスクに関する情報は、タスク実行にかかる時間を推定したタスク推定所要時間を含み、前記入力取得手段が前記スケジュール情報へのタスクの登録を受け付けた場合、前記タスク推定所要時間と開始予定時間に基づいてタスク終了予定時間を算出するタスク終了予定時間計算手段を有し、前記画面表示手段は、前記スケジュール情報の作成画面で前記タスク終了予定時間を表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
機器のメンテナンスに関するタスクのスケジュールからユーザーがメンテナンスを開始することができる情報処理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】情報処理システムが表示するタスクのスケジュールの一例を示す図である。
【
図3】情報処理システムのシステム構成例を説明する図である。
【
図4】DFEのハードウェア構成例を示す図である。
【
図5】画像形成装置の概略構成を示す模式図である。
【
図6】DFEが有する機能のうち、タスク作成に関する機能を示す図である。
【
図7】DFEが有する機能のうち、スケジュール登録機能に関する機能を示す図である。
【
図8】DFEが有する機能のうち、タスク実行機能に関する機能を示す図である。
【
図9】タスク・タスク部品・スケジュール情報記憶手段に記憶されている情報の一例を示す図である。
【
図10】管理者からの操作に応じて、DFEがタスクを作成する手順又は動作を説明するフローチャート図の一例である。
【
図11】管理者の操作に応じて、DFEがタスクをスケジュールに登録する手順又は動作を説明するフローチャート図の一例である。
【
図12】一般ユーザーの操作に応じて、DFEが画像形成装置にタスクを実行させる手順又は動作を説明するフローチャート図である。
【
図14】SP項目が押下された場合に表示されるSP項目画面の一例を示す図である。
【
図15】特別項目が押下された場合に表示される特別項目リスト画面の一例を示す図である。
【
図19】設定変更に関する一例のタスク部品について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態の一例として、情報処理システムと情報処理システムが行う情報処理方法について説明する。
【0010】
<概略>
本実施形態では、各種メンテナンス作業を「タスク」として、管理者がスケジュールに登録することができる。タスクには設定変更のメンテナンスも含まれており、管理者はタスクのスケジュールを登録する画面から、画像形成装置の設定変更を行うタスクを登録することができる。
【0011】
図1はタスクの一例を示す図である。上記のように本実施形態では種々のメンテナンス作業に対応させたタスクを管理者が後述するDFE(Digital Front End)に登録する。画像形成装置では種々のメンテナンス作業が生じるが、
図1のメンテナンス作業は「Head Cap Cleaning」である。管理しやすい粒度において1つのメンテナンス作業が、1つのタスク51として扱われる。したがって、ユーザーが手作業で行う1つのメンテナンス作業が複数のタスクに分割されてもよい。
【0012】
また、タスク51は1つ以上のタスク部品52を有する。タスク部品52はタスクを実現するために細分化されたより細かなメンテナンス作業である。「Head Cap Cleaning」というタスク51は以下のタスク部品52を有している。
1.Move to maintenance Md retreat position(30 seconds)
2.Remove the maintenance dome exterior cover(3 minutes)
3.Pull out the head array(2 minutes)
4.Clean the cap(30 seconds × 22 pieces)
5.Push back the head array
6.Remount the maintenance dome exterior cover(3 minutes)
7.Move to maintenance Md retreat position(30 seconds)
8.Cleaning competed
1つのタスクが含むタスク部品の数は任意である。このようなタスクを管理者がスケジュールに登録する。
【0013】
図2は、本実施形態の情報処理システムが表示するタスクのスケジュールの一例である。
図2では、横軸が日付53、縦軸が時間54になっている。管理者は
図1のようなタスクを日付と開始時間を指定してスケジュールに登録できる。
【0014】
管理者が登録されたタスクを実行する場合、現在時刻に基づいてタスクをDFEが端末装置に表示する。例えば、DFEは月、週、日等の表示形式に応じて、登録されているタスクを表示する。
図2の表示形式は週表示である。タスクを実行する一般ユーザー(管理者がタスクを実行してもよい)はスケジュールからタスクを選択してタスクが有するタスク部品を表示する。タスク部品はこのタスク部品に対応するメンテナンスに必要な画面(設定変更などの画面を含む)を表示するので、一般ユーザーはメンテナンスに必要な画面を選択して表示させる必要がない。
【0015】
このように、管理者はタスクをスケジュールに登録することができる。また、DFEは現在時刻に登録されているタスクに必要な画面を開くので、一般ユーザーはメンテナンスに関する画面を探すことなく、メンテナンスを進めることができる。
【0016】
<用語について>
メンテナンスとは、機械や構造物の維持、管理、保守、又は、これらに必要な作業である。
【0017】
タスクとは、任務や仕事という意味である。本実施形態では情報処理装置に登録される各種のメンテナンスをタスクと称している。
【0018】
タスクの実行に関する画面とは、例えば
図18のタスク実行画面の右側又は
図19のタスク部品の画面であるが、ユーザーがタスクを実行できる画面であればよい。タスクの実行は、タスクに応じた処理を機器が行うことである。
【0019】
タスクの実行に関する画面と関連付けられたスケジュール情報とは、タスクのスケジュールからタスクの実行が可能な画面をユーザーが表示できることをいう。タスクのスケジュールとタスクの実行が可能な画面が同時に表示されてもよい。例えば、タスクが選択されると、関連によりタスクの実行が可能な画面が表示される。
【0020】
タスクに関する入力とは、タスクの実行に際し、ユーザーが入力する情報又は操作である。ユーザーは例えば設定値やタスクの実行を開始する操作を入力する。この他、タスクに関する作業を完了したことを入力する操作、又は、作業に関するメモの入力などをユーザーがしてもよい。
【0021】
メンテナンスに関する情報は、メンテナンスのためにDFEが画像形成装置に送信する情報であればよい。例えば、画質をよくするための設定値、省エネのための設定値、又は、通信設定のための設定値、など種々の設定値がある。また、画像形成装置を操作するための要求(コマンド、信号、命令など)もメンテナンスに関する情報である。
【0022】
メンテナンスに関する情報に応じた処理は、設定値であれば設定値を更新することであり、操作のための要求であれば操作を行うことである。
【0023】
<システム構成例>
図3は、本実施形態の情報処理システム100のシステム構成例を説明する図である。情報処理システム100は、端末装置101、DFE102、及び、画像形成装置103を有している。サーバ装置104については後述する。
【0024】
端末装置101とDFE102はネットワークNを介して通信可能である。ネットワークは例えば画像形成装置103が配置されている施設内のLANを含み、DFE102がインターネット上に配置されている場合は更にインターネットを含む。DFE102と画像形成装置103は専用線で1対1に接続される場合もあるし、ネットワークを介して接続される場合もある。また、DFE102と画像形成装置103は一体でもよいし、着脱可能でもよい。
【0025】
端末装置101ではWebブラウザが動作している。DFE102が備えるサーバにWebブラウザがアクセスして、タスク作成、スケジュール登録、及び、タスク実行のそれぞれの入力操作画面を表示する。端末装置101は、入力画面に対するタスク作成、スケジュール登録、及び、タスク実行などの操作を管理者から受け付け、これらをDFE102に要求する。
【0026】
なお、管理者はDFE102にログインするため、ユーザーIDとパスワードを端末装置101に入力する。端末装置101はユーザーIDとパスワードをDFE102に送信するので、DFE102による認証が成功すると、一般ユーザーか管理者か特定される。一般ユーザーか管理者に応じて表示される画面や入力可能な項目が異なってよい。なお、管理者の認証は認証サーバが行ってもよい。
【0027】
認証が成功し、管理者がログインした場合、タスク作成、スケジュール登録、及び、タスク実行へのアクセス権が与えられ、一般ユーザーの場合、タスク実行へのアクセス権が与えられる。
【0028】
端末装置101は、例えば、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)、ウェアラブルPC(サングラス型、腕時計型など)などである。ただし、通信機能を有しWebブラウザ又はDFE102に専用のアプリケーションソフトウェアが動作すればよい。例えば、カーナビ、ゲーム機、テレビ受像器なども端末装置101となりうる。
【0029】
なお、画像形成装置103でもWebブラウザが動作する場合、管理者は画像形成装置を操作してDFE102にタスク作成、スケジュール登録、及び、タスク実行を要求できる。
【0030】
また、DFE102が自機のディスプレイに入力操作画面を表示し、キーボードからタスク作成、スケジュール登録、及び、タスク実行の処理を受け付けることも可能である。この場合、情報処理システム100に端末装置101は不要になる。
【0031】
DFE102は、本来、画像形成装置103が実行する印刷ジョブの受け付け、画像処理(RIP:Raster Image Processer)、実行中の進捗管理、異常監視などを行う制御装置である。本実施形態では、更に、メンテナンスに関する処理を受け付け、画像形成装置103に要求する。DFE102は端末装置101からタスク作成、スケジュール登録、及び、タスク実行の処理を受け付ける。すなわち、DFE102は、画像形成装置103を操作するユーザインタフェース(入力操作画面)を管理者に提供する。DFE102は1台以上の情報処理装置を有している。
【0032】
DFE102はWebブラウザが表示する画面の画面情報を生成する。画面情報は、HTML、XML、スクリプト言語、及びCSS(cascading style sheet)等で記述されたプログラムであり、主にHTMLによりWebページの構造が特定され、スクリプト言語によりWebページの動作が規定され、CSSによりWebページのスタイルが特定される。また、クライアント側の画面情報とサーバ側のアプリやデータベースが連携して実現するアプリをWebアプリという。本実施形態でも、端末装置101とDFE102が協働してWebアプリを実行する。
【0033】
DFE102は、端末装置101又は画像形成装置103からの要求に応じて、タスクやタスクのスケジュールのデータベースへの登録処理、及び、画像形成装置に対するタスク実行処理(機器設定の変更、操作の要求等)を行う。
【0034】
画像形成装置103はDFE102より受け付けた要求に応じて、印刷ジョブを実行する。また、本実施形態ではメンテナンスを受け付け、例えば、タスクに応じて自機の機器設定の変更を行ったり、指定された操作を実行したりする。
【0035】
画像形成装置103は、画像を用紙に印刷する機能を有している。画像を形成する方式にはレーザプリンタ、又は、インクジェットプリンタ等がある。また、画像形成装置103は複合機(マルチファンクションプリンタ)、又は、MFP(Multi-function Peripheral/Product/Printer)の機能を有していてもよい。画像形成装置103は、プリンタ、印刷装置などと呼ばれていてもよい。
【0036】
また、本実施形態の画像形成装置103は、いわゆる商用プリンタでもよい。商用プリンタは、社員等が社内的に使用する印刷物を印刷する機器ではなく、印刷物が商品となる商用印刷用の機器である。商用印刷では、一般の企業や団体の事業活動に使われる印刷物を出力する。例えば、チラシ、パンフレット、ポスター、カタログ、会社案内、マニュアルなどを出力する場合がある。オフィス用の画像形成装置と商用の画像形成装置は、主に、印刷速度、画質、対応する用紙の種類・サイズなどが異なっている。
【0037】
また、本実施形態は、画像形成装置103以外の機器にも適用できる。例えば、PJ(Projector:プロジェクター)、電子黒板、テレビ会議端末、デジタルサイネージ、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、ゲーム機、ウェアラブルPC又はデスクトップPC等であってもよい。
【0038】
図3の説明では、DFE102がメンテナンスに関する処理(Webアプリ)を受け持つと説明した。しかし、メンテナンスに関する処理はサーバ装置104であれば受け持つことができ、例えば、
図3(d)に示す独立のサーバ装置104がメンテナンスに関する処理を行ってもよい。
図3(d)の場合、サーバ装置104は画像形成装置103と通信して、タスクに応じて設定の変更を行ったり、指定された操作を実行したりする。
【0039】
また、画像形成装置103がメンテナンスに関する処理を行ってもよい。この場合、画像形成装置103がサーバ装置104の機能を有する。
【0040】
<ハードウェア構成>
<<DFE>>
図4は、DFE102のハードウェア構成例を示す図である。DFE102はコンピュータと同様の構成を有している。DFE102はCPU201、ROM202、RAM203、HDD/SSD204、I/F205、及び、操作部206を有している。
【0041】
CPU201は、RAM203を作業領域として使用し、ROM202に格納されているプログラムを実行する。
【0042】
HDD/SSD204は、記憶部として使用され、タスクやスケジュールの情報を格納している。HDD/SSD204に格納されている情報は、CPU201が読み出しプログラム実行時に使用することもある。
【0043】
I/F205は、画像形成装置103及び端末装置101との通信可能にするインターフェースである。
【0044】
操作部206は、タッチパネルを有し、画面上で画像形成装置の状態、タスクのスケジュール、タスクの内容などを表示する。また、タスクを実行するユーザー(管理者、一般ユーザー)や、タスク作成やスケジュール登録を行う管理者からの入力を受け付ける。
【0045】
<<画像形成装置>>
図5は、本実施形態における画像形成装置103の概略構成を示す模式図である。本画像形成装置103は、例えば、インクジェット方式の画像形成装置であり、主に、給紙部401、画像形成部306、乾燥部402、排紙部403、及び、制御装置423を有している。画像形成装置103においては、給紙部401から給紙されるシート材としての記録材である用紙Pに対し、画像形成部306で画像形成用の液体であるインクにより画像を形成する。そして、用紙上に付着したインクを乾燥部402において乾燥させた後、用紙を排紙部403から排紙する。
【0046】
給紙部401は、主に、複数の用紙Pが積載される給紙トレイ411と、給紙トレイ411から用紙を1枚ずつ分離して送り出す給送装置412と、用紙を画像形成部306へ送り込むレジストローラ対413とから構成されている。給送装置412には、ローラやコロを用いた装置や、エア吸引を利用した装置など、あらゆる給送装置を用いることが可能である。給送装置412により給紙トレイ411から送り出された用紙は、その先端がレジストローラ対413に到達した後、レジストローラ対413が所定のタイミングで駆動することにより、画像形成部306へ給紙される。なお、本実施形態において、給紙部401は、画像形成部306へ用紙Pを送り出すものであれば、その構成に制限はない。
【0047】
画像形成部306は、主に、給紙された用紙Pを受け取る受け取り胴361と、受け取り胴361によって搬送された用紙Pを外周面に担持して搬送する用紙担持ドラム362と、用紙担持ドラム362に担持された用紙Pに向けてインクを吐出するインク吐出部364と、用紙担持ドラム362によって搬送された用紙Pを乾燥部402へ受け渡す受け渡し胴365とから構成されている。給紙部401から画像形成部306へ搬送されてきた用紙Pは、受け取り胴361の表面に設けられた用紙グリッパによって先端が把持され、受け取り胴361の表面移動に伴って搬送される。受け取り胴361により搬送された用紙は、用紙担持ドラム362との対向位置で用紙担持ドラム362へ受け渡される。
【0048】
用紙担持ドラム362の表面にも用紙グリッパが設けられており、用紙の先端が用紙グリッパによって把持される。また、用紙担持ドラム362の表面には、複数の吸引孔が分散して形成されており、各吸引孔には吸引装置363によって用紙担持ドラム362の内側へ向かう吸い込み気流が発生する。受け取り胴361から用紙担持ドラム362へ受け渡された用紙Pは、用紙グリッパによって先端が把持されるとともに、吸い込み気流によって用紙担持ドラム362の表面に吸着して、用紙担持ドラム362の表面移動に伴って搬送される。
【0049】
本実施形態のインク吐出部364は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色のインクを吐出して画像を形成するものであり、インクごとに個別の液体吐出ヘッド364C,364M,364Y,364Kを備えている。液体吐出ヘッド364C,364M,364Y,364Kは、液体を吐出するものであれば、その構成に制限はなく、あらゆる構成のものを採用することができる。必要に応じて、白色、金色、銀色などの特殊なインクを吐出する液体吐出ヘッドを設けたり、表面コート液などの画像を構成しない液体を吐出する液体吐出ヘッドを設けたりしてもよい。
【0050】
インク吐出部364の液体吐出ヘッド364C,364M,364Y,364Kは、画像情報に応じた駆動信号によりそれぞれ吐出動作が制御される。用紙担持ドラム362に担持された用紙Pがインク吐出部364との対向領域を通過する際に、液体吐出ヘッド364C,364M,364Y,364Kから各色インクが吐出され、当該画像情報に応じた画像が形成される。なお、本実施形態において、画像形成部306は、用紙P上に液体を付着させて画像を形成するであれば、その構成に制限はない。
【0051】
乾燥部402は、主に、画像形成部306で用紙P上に付着したインクを乾燥させるための乾燥機構421と、画像形成部306から搬送されてくる用紙Pを搬送する搬送機構422とから構成されている。画像形成部306から搬送されてきた用紙Pは、搬送機構422に受け取られた後、乾燥機構421を通過するように搬送され、排紙部403へ受け渡される。乾燥機構421を通過する際、用紙P上のインクには乾燥処理が施され、これによりインク中の水分等の液分が蒸発し、用紙P上にインクが固着するとともに、用紙Pのカールが抑制される。
【0052】
排紙部403は、主に、複数の用紙Pが積載される排紙トレイ431から構成されている。乾燥部402から搬送されてくる用紙Pは、排紙トレイ431上に順次積み重ねられて保持される。なお、本実施形態において、排紙部403は、用紙Pを排紙するものであれば、その構成に制限はない。
【0053】
制御装置423は画像形成装置を制御する情報処理装置である。例えばCPU、RAM、ROM、SSD(HDD)、通信装置等を有している。制御装置423はDFE102と通信して、タスクの実施に応じた設定値や操作の要求を受信する。
【0054】
<機能について>
図6は、DFE102が有する機能のうち、タスク作成に関する機能を示す。
図6の各手段はDFE102内のサーバ機能と端末装置101のWebブラウザが連携して実現するWebアプリケーションの機能である。まず、タスク作成、スケジュール登録、及び、タスク実行に関係なく、汎用的に使用される機能を説明する。また、Webブラウザは端末装置101で動作しているものとする。DFE102でWebブラウザが動作しても、管理者が直接、DFE102を操作しても、DFE102の処理は同様でよい。
【0055】
図6に示すように、DFE102は入力取得手段11、画面表示手段12、情報更新手段13、情報取得手段14、及び、タスク・タスク部品・スケジュール情報記憶手段20を有する。DFE102が有するこれらの機能は、DFE102にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令をCPU201が実行することで実現される機能又は手段である。
【0056】
入力取得手段11は、例えば端末装置101のWebブラウザが表示する画面に入力された情報を端末装置101から取得する。
【0057】
画面表示手段12は入力取得手段11が取得した操作に応じて画面情報を生成する。画面表示手段12は、画面情報に含まれるHTMLと、JavaScript(登録商標)と、DFE102側のサーバプログラムと、により実現され、Webブラウザへの入力に応じて画面の表示更新を行う。
【0058】
情報更新手段13はタスク・タスク部品・スケジュール情報記憶手段20に対して、Webブラウザへの入力結果や処理結果を記憶する。情報取得手段14はWebブラウザへ入力された要求対象の情報をタスク・タスク部品・スケジュール情報記憶手段20から取得する。
【0059】
<<タスク作成に関する機能>>
次に、
図6を参照して、本実施形態におけるタスク作成機能について説明する。
【0060】
入力取得手段11は、管理者が端末装置101に入力した入力情報を取得する(受け付ける)。管理者が、DFE102が表示するWebブラウザを操作している場合、管理者が操作部206に入力した入力情報を取得する。
【0061】
タスク・タスク部品・スケジュール情報記憶手段20は、
・タスク情報(タスク名、タスク部品と実施順、タスク推定所要時間)と、
・タスク部品情報(タスク部品名、タスク部品実施推定所要時間)と、
・スケジュール情報(実施するタスク、タスク開始予定時間、タスク終了予定時間)を記憶する。タスク・タスク部品・スケジュール情報記憶手段20は、更に、これらに付随する情報を有している。詳細は後述する。
【0062】
画面表示手段12が有するタスク推定所要時間算出手段15は、入力取得手段11が取得したタスクに追加されるタスク部品について、タスク部品情報のタスク部品実施推定所要時間を合計することでタスク実行にかかる所要時間の推定値を算出する。
【0063】
情報更新手段13は、タスク・タスク部品・スケジュール情報記憶手段20に記憶されているタスク情報、又は、スケジュール情報等を更新する。
【0064】
情報取得手段14は、タスク・タスク部品・スケジュール情報記憶手段20に記憶されているタスク情報、タスク部品情報、又は、スケジュール情報等を取得し、画面表示手段12に出力する。
【0065】
画面表示手段12は、画面情報を生成することで、端末装置101が表示する画面を更新する。例えば、タスク実行にかかる所要時間の推定値を更新する。
【0066】
次に、端末装置101の機能を説明する。端末装置101は、表示制御手段31、操作受付手段32、及び、通信手段33を有している。端末装置101が有するこれらの機能は、Webブラウザが画面情報に含まれるJavaScript(登録商標)を実行して、DFE102が有する画面表示手段12と連携することで実現される機能又は手段である。
【0067】
表示制御手段31は、画面情報を解析してディスプレイに後述するタスク作成画面、スケジュール画面、及び、タスク実行画面を表示する。
【0068】
操作受付手段32は、タスク作成画面、スケジュール画面、及び、タスク実行画面に対する管理者又は一般ユーザーの操作及び入力を受け付ける。
【0069】
通信手段33は、主にDFE102と通信し、タスク作成画面、スケジュール画面、及び、タスク実行画面に管理者が入力した情報をDFE102に送信する。
【0070】
なお、管理者又は一般ユーザーがDFE102を操作する場合は端末装置101の機能をDFE102が有し、画像形成装置103を操作する場合は端末装置101の機能を画像形成装置103が有する。
【0071】
<<スケジュール登録機能に関する機能>>
次に、
図7を参照してスケジュール登録機能に関する機能について説明する。
図7は、DFE102が有する機能のうち、スケジュール登録機能に関する機能ブロック図である。なお、
図7の説明では、主に
図6との相違を説明する。
【0072】
図7の画面表示手段12は、タスク終了予定時間計算手段16、ユーザー別平均所要時間表示手段17、スケジュール表示更新手段18、及び、タスク表示更新手段19を有している。
【0073】
タスク終了予定時間計算手段16は、タスク情報のタスク推定所要時間と、スケジュール情報の開始予定時間から終了予定時間を算出する。
【0074】
ユーザー別平均所要時間表示手段17は、タスク情報のユーザーごとの平均所要時間を表示する。ユーザーごとの平均所要時間はタスクを実行するユーザーを管理者が選択する際に表示される。
【0075】
スケジュール表示更新手段18は、スケジュール表示設定(日、週、月)に応じてスケジュールの表示形式を決定し、タスクをスケジュールに表示する。スケジュールが変更された場合、スケジュール表示更新手段18は表示されるスケジュールを更新する。
【0076】
タスク表示更新手段19は、タスク情報を表示する。例えば、タスクのリストやタスクが有するタスク部品を表示する。また、タスク情報が更新された場合、タスク表示更新手段19は表示されるタスクを更新する。
【0077】
<<タスク実行機能に関する機能>>
次に、
図8を参照してタスク実行機能に関する機能について説明する。
図8は、DFE102が有する機能のうち、タスク実行機能に関する機能を示す図である。なお、
図8の説明では、主に
図6との相違を説明する。
【0078】
まず、入力取得手段11が現在時刻取得手段21を有している。現在時刻取得手段21は、RTC(Real Time Clock)やタイムサーバから現在時刻を取得する。
【0079】
情報更新手段13は、タスク実施実績登録手段22を有する。タスク実施実績登録手段22は、スケジュール情報にタスクの開始時間、タスクの終了時間、及び、タスク実施ユーザーを登録する。
【0080】
画面表示手段12は、スケジュール表示更新手段18とタスク表示更新手段19を有している。スケジュール表示更新手段18は、現在時刻とスケジュール表示設定に合わせてスケジュール表示を更新する。タスク表示更新手段19は、タスクの実施状況や現在時刻に合わせてタスク表示を更新する。
【0081】
<<機器の機能>>
続いて、画像形成装置103の機能について説明する。画像形成装置103は機器設定取得・更新手段24、通信手段25、機器操作手段26、及び、機器設定値情報記憶手段27を有している。画像形成装置103が有するこれらの機能は、画像形成装置103にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令を制御装置423が実行することで実現される機能又は手段である。
【0082】
通信手段25はDFE102側の通信手段23と通信する。通信手段25は例えば,ネットワークカード、など、TCP/IPで通信する通信インターフェース、又は、USBケーブルと通信を制御する通信プログラムなどで実現される。
【0083】
機器設定値情報記憶手段27は、画像形成装置103の設定値を記憶している。機器設定取得・更新手段24は、機器設定値情報記憶手段27から画像形成装置103の設定値を取得したり、更新したりする。画像形成装置103が有する設定値は種々に及ぶが、例えば、電磁弁ONタイミングの調整のための設定値などがある。
【0084】
機器操作手段26はタスクに応じてDFE102から指示された操作を画像形成装置103に行う。操作の内容は種々に及ぶが、例えば、不良ノズルを検出するための印刷などがある。
【0085】
<タスク・タスク部品・スケジュール情報記憶手段に記憶されている情報>
図9を参照してタスク・タスク部品・スケジュール情報記憶手段20に記憶されている情報について説明する。
図9(a)は、タスク部品情報の一例を示す。タスク部品情報は、タスク部品がどのような情報かを有している。タスク部品情報では、タスク部品IDと、タスク部品名と、タスク部品の作業内容、タスク部品実施推定所要時間が対応づけられている。
・タスク部品ID…タスク部品の識別情報である。予め付与されている。
・タスク部品名…タスク部品の名称(管理者や一般ユーザーが内容を把握しやすい)である。予め付与されている。
・作業内容…タスク部品の具体的な作業内容である。作業内容には、画像形成装置103の操作、設定を行うためのAPI(Application Interface)情報、及び、設定の際のボタンなどのUI情報も含まれる。予め付与されている。
・タスク部品実施推定所要時間…タスク部品の実施にかかる推定所要時間である。予め付与されている。
【0086】
なお、IDはIdentificationの略であり識別子や識別情報という意味である。IDは複数の対象から、ある特定の対象を一意的に区別するために用いられる名称、符号、文字列、数値又はこれらのうち1つ以上の組み合わせをいう。
【0087】
図9(b)は、平均所要時間情報の一例を示す。平均所要時間情報は、タスクの実施に要するユーザーごとの平均所要時間である。
・タスクID…タスクの識別情報である。タスク作成で採番される。
・ユーザーID…一般ユーザーの識別情報に対応付けられた各タスクの平均所要時間である。実測値である。一般ユーザーが実施したことがないタスクは空欄となる。
【0088】
図9(c)は、タスク情報の一例を示す。タスク情報は各タスクが有するタスク部品等である。タスク情報には、タスクIDと、タスク名、各タスク部品ID、タスク部品実施順、タスク推定所要時間が対応づけられている。
・タスクID…タスクの識別情報である。
・タスク名…タスクの名称である。管理者が任意に付与できる。
・各タスク部品ID…タスク部品の識別情報である。
・タスク部品実施順…タスクが有するタスク部品が実施される順番である。管理者が設定できる。
・タスク推定所要時間…タスク部品ごとのタスク部品実施推定所要時間が合計された値である。タスク推定所要時間算出手段15が算出する。
【0089】
図9(d)は、スケジュール情報の一例を示す。スケジュール情報は、スケジュールに登録されているタスクを有する。スケジュール情報には、スケジュールIDと、実施するタスクID、タスク実施日、開始予定時間、終了予定時間、タスク実施予定ユーザー、開始時間、終了時間、タスク実施ユーザー、及び、繰り返し期間が対応付けられている。
・スケジュールID…スケジュールの識別情報である。1つのスケジュールは1つのタスクに対応している。スケジュールの登録で採番される。
・実施するタスクID…スケジュールに登録され、実施されるタスクの識別情報である。
・タスク実施日…タスクが実施される予定の日にちである。管理者が登録する。
・開始予定時間…タスクが開始される予定の時刻である。管理者が登録する。
・終了予定時間…タスクの実施が終了する予定の時刻である。終了予定時間=開始予定時間+タスク推定所要時間、又は、終了予定時間=開始予定時間+ユーザーごとの平均所要時間である。
・タスク実施予定ユーザー…タスクを実施する予定のユーザー名である(ユーザーIDでもよい)。管理者が登録する。
・開始時間…タスクの実施が実際に開始された時刻である。
・終了時間…タスクの実施が実際に終了された時刻である。
・タスク実施ユーザー…タスクの実施を実際に行った一般ユーザーのユーザー名である。ログインで特定されたユーザーが登録される。
・繰り返し期間…タスクをどのくらいの頻度で繰り返すかの期間である。タスクによっては繰り返されるものが少なくない。管理者が登録する。
【0090】
図9(e)は、実施状況情報の一例を示す。実施状況情報はタスクの実施状況をタスク部品ごとに記録する。実施状況情報には、スケジュールIDと、スケジュール情報のタスクが有するタスク部品IDの実施状況とが対応付けられている。すなわち、タスクのうちどのタスク部品まで実行されたが登録されている。
・スケジュールID…スケジュールの識別情報である。
・タスク部品IDごとに対応づけられている「済み又は未」…初期は「未」で、タスク実行画面で後述する実施済みボタンが押下されると「済み」となる。
【0091】
図9(f)はユーザー情報の一例である。ユーザー情報は、ユーザーに関する情報である。ユーザー情報には、ユーザーIDとユーザー名とが対応づけられている。
・ユーザーID…ユーザーの識別情報である。予め登録されている。
・ユーザー名…ユーザーの氏名等である。予め登録されている。
ユーザー情報には、これらに限らず、パスワード、所属等が登録されていてよい。
【0092】
<動作手順>
続いて、
図10~
図12を参照して、情報処理システム100が行う処理又は動作の流れを説明する。
【0093】
まず、
図10を参照してタスクの作成について説明する。
図10は、管理者からの操作に応じて、DFE102がタスクを作成する手順又は動作を説明するフローチャート図の一例である。端末装置101がDFE102と通信するか、画像形成装置103がDFE102と通信するか、又は、管理者がDFE102を直接操作する。
【0094】
入力取得手段11は管理者がタスク作成を開始する入力を行ったことを取得する(S11)。
【0095】
情報取得手段14は、タスク・タスク部品・スケジュール情報記憶手段20からタスク部品情報を取得する(S12)。
【0096】
画面表示手段12はタスク部品情報を用いて、タスク作成画面の画面情報を作成する(S13)。タスク作成画面の一例を
図13に示す。
【0097】
次に、管理者がタスク部品をタスクに追加する入力、又は、タスクを保存する入力をしたことを取得する(S14)。
【0098】
タスクに追加する入力である場合は(S15のNo)、ステップS14が繰り返し実行される。タスクを保存する入力である場合(S15のYes)、処理がステップS16に進む。
【0099】
タスク推定所要時間算出手段15は、タスクに追加されたタスク部品のタスク部品実施推定所要時間を合計してタスク推定所要時間を算出する(S16)。
【0100】
情報更新手段13は、タスク部品と算出したタスク推定所要時間をタスク情報に登録する(S17)。
【0101】
このように、管理者はタスク部品を組み合わせてタスクを登録できる。
【0102】
次に、
図11を参照してスケジュールの登録について説明する。
図11は、管理者の操作に応じて、DFE102がタスクをスケジュールに登録する手順又は動作を説明するフローチャート図の一例である。端末装置101がDFE102と通信するか、画像形成装置103がDFE102と通信するか、又は、管理者がDFE102を直接操作する。
【0103】
入力取得手段11は管理者がスケジュール登録開始を入力したことを取得する(S21)。入力取得手段11は、例えば、後述する
図16のタスクリストからタスクの選択を受け付ける。
【0104】
これにより、情報取得手段14は、タスク・タスク部品・スケジュール情報記憶手段20からタスク情報、スケジュール情報、及び、平均所要時間情報を取得する(S22)。
【0105】
まず、スケジュール表示更新手段18は、表示設定(日、週、月)に応じて日付と時間の枠を表示し(S23)、タスク表示更新手段19は、タスク情報を用いて作成済みのタスクを日付と時間の枠に対応付けて表示する(S23)。したがって、タスクのスケジュールが表示される。
図17にスケジュール画面の一例を示す。表示設定が日なら本日に実行されるタスクを表示し、表示設定が週なら本日を含む1週間に実行されるタスクを表示し、表示設定が月なら本日を含む1月に実行されるタスクを表示する。
【0106】
入力取得手段11は管理者がスケジュールに登録するタスクとして選択したタスクを取得する(S25)。例えば、
図16のタスクリストから選択されたタスクである。
【0107】
次に、ユーザー別平均所要時間表示手段17は平均所要時間情報を用いて、選択されたタスクの、ユーザー別平均所要時間を表示する(S26)。ユーザー別平均所要時間表示手段17は、タスクIDに対応づけられているユーザーIDの平均所要時間とユーザー情報のユーザー名を対応付けて表示する。これにより、管理者は適切な実施予定ユーザーを選択できる。
【0108】
入力取得手段11は、管理者が入力したタスクの開始予定時間、繰り返し条件、及び、実施予定ユーザーを端末装置101から取得する(S27)。
【0109】
タスク終了予定時間計算手段16は、実施予定ユーザーのタスクの平均所要時間をタスク開始予定時間に加算して、タスクの終了予定時間を算出する(S28)。
【0110】
ステップS29は繰り返し条件に応じて繰り返し実行される。
【0111】
情報更新手段13は、スケジュール情報に、開始予定時間、終了予定時間、及び、実施予定ユーザーを繰り返しの数だけ登録する(S29)。同じ時間帯にスケジュールが重複して登録されてもよい。複数の一般ユーザーが並行に異なるタスクを実行できる場合もあるためである。あるいは、同じ時間帯にスケジュールが重複して登録される場合、情報更新手段13がエラーを表示して、管理者に確認を求めてもよい。
【0112】
スケジュール表示更新手段18はスケジュール情報を使ってスケジュール表示を更新する(S30)。
【0113】
以上のような処理により、管理者はスケジュール情報にタスクを登録できる。
【0114】
次に、
図12を参照してタスクの実行について説明する。
図12は、一般ユーザーの操作に応じて、DFE102が画像形成装置103にタスクを実行させる手順又は動作を説明するフローチャート図である。
【0115】
入力取得手段11は、一般ユーザーがタスク実行画面を開いた旨の入力を取得する(S31)。
【0116】
これにより、現在時刻取得手段21はRTCやタイムサーバから現在時刻を取得する(S32)。
【0117】
情報取得手段14は、現在時刻に合わせてスケジュール情報、スケジュールに登録されたタスク情報、スケジュールに登録されたタスクに紐付くタスク部品情報を、タスク・タスク部品・スケジュール情報記憶手段20から取得する(S33)。現在時刻に合わせてとは、現在時刻を含む1日分、1週間分、1月分、などである。1日分、1週間分、又は、1月分のうち表示される範囲は、端末装置101の表示設定(日、週、月)によって異なる。
【0118】
スケジュール表示更新手段18は、現在時刻とスケジュール表示設定(日、週、月)に合わせて日付と時間の枠を表示し、日付と時間に対応付けてタスクを表示する(S34)。
図18のタスク実行画面の左側が表示される。
【0119】
また、タスク表示更新手段19は、現在時刻とスケジュール情報から現在、実行予定のタスク情報を表示する(S35)。現在、実行予定のタスクとは、現在時刻に対し直近のタスクである。直近でも開始時間が一定時間内でない場合はタスクを表示しなくてもよい。
図18のタスク実行画面の右側が表示される。このように、現在時刻に対し、実施される可能性が高いタスクを自動で表示できるので、一般ユーザーがタスクを選択する必要性が少なくなる。また、タスク情報を表示するとは、タスクを表示してもよいし、タスクが有するタスク部品を表示してもよい。
【0120】
入力取得手段11は、一般ユーザーがタスク開始を入力したことを取得する(S36)。
【0121】
現在時刻取得手段21は、現在時刻を取得する(S37)。
【0122】
タスク実施実績登録手段22はスケジュール情報に現在時刻をタスクの開始時間として登録する(S38)。
【0123】
タスク表示更新手段19は、開始したタスク部品の表示を実行中タスク表示に変更する(S39)。タスク部品の表示とは、後述するようにタスク部品ごとに設けられた実施状況を表すボタンの状態である(ボタン653)。タスク部品の実施状況は
図9(e)の実施状況情報に登録されている。実行中タスク表示はタスク部品が実行中であることを示す。
【0124】
入力取得手段11は、一般ユーザーがタスク情報に登録されているタスク部品情報に基づく画像形成装置103の設定変更、又は、画像形成装置103の操作実行を入力したことを取得する(S40)。タスク部品はメンテナンスに対応した設定項目や操作項目を表示する。したがって、一般ユーザーはメンテナンスに対応した画面を選択したり、表示させたりすることなく、メンテナンスに対応した設定や操作が可能になる。
【0125】
画像形成装置103の設定変更のタスク部品が実行された場合(S41のYes)、機器設定取得・更新手段24は画像形成装置103の設定値を更新する(S42)。
【0126】
一方、画像形成装置103の設定変更のタスク部品でなく、操作が実行された場合(S41のNo)、機器操作手段26は画像形成装置103を操作して、指定の動作をさせる(S43)。
【0127】
次に、入力取得手段11は、一般ユーザーが完了チェックを入力したことを取得する(S44)。完了チェックとは、タスク部品の実施が完了したことをいう。一般ユーザーは例えばボタンを押下する。端末装置101の操作受付手段32は一般ユーザーの操作を受け付ける。
【0128】
タスクに登録されている全てのタスク部品が完了するまで(S45のNo)、処理はステップS40に戻る。
【0129】
タスクに登録されている全てのタスク部品が完了した場合(S45のYes)、現在時刻取得手段21は現在時刻を取得する(S46)。
【0130】
タスク実施実績登録手段22はスケジュール情報にタスクを完了したユーザー情報とタスクの終了時間(現在時刻)を登録する(S47)。
【0131】
タスク表示更新手段19は、終了したタスクの表示を終了タスク表示に更新する(S48)。
【0132】
このように、画像形成装置103の設定変更をタスクの1つとしてDFE102が実行するので、ユーザーは設定変更の画面を探す必要がない。
【0133】
<画面例>
図13は、タスク作成画面600の一例を示す図である。以下、タスク作成画面600が有する項目について説明する。
・タスク名601…管理者が任意に設定できるタスクの名称を入力する欄である。
・目的別カテゴリ602…タスクはグループ化されており、そのグループ(カテゴリ)のリストを表示するプルダウンメニューである。例えば、故障に関するカテゴリ、清掃に関するカテゴリなどがある。
・作業への追加…タスクに追加する項目(タスク部品)を管理者が選択するための項目である。
【0134】
SP項目603は、従来、サービスエンジニアが行っていたメンテナンスに関するタスク部品のリストを表示する。なお、SP項目が押下された場合の画面例を
図14に示す。特別項目604は、画像形成装置103には直接の関係がないが、タスク部品として使用される項目へのリンクを表示する。例えば、認証、メール送信、ログ取得などがある(
図15参照)。既存タスク605はすでに作成済みのタスクを、タスク部品として管理者が登録するための項目である。したがって、タスクは再利用可能である。自由表記項目606はタスク部品にユーザーが注意事項を書き込むためのタスク部品である。このタスク部品は実施対象でなく(メモ書きとして使用される)、タスク開始前から実施済みとして扱われる(又は、実施状況を表すボタン(ボタン653))が表示されない。
【0135】
・タスクビュー607…タスク51の内容を表示するための欄である。
図13では1つのタスク51が4つの作業を有している。この1つの作業が1つのタスク部品52である。作業1,2はSP項目603のタスクである。作業3は、既存タスク605であり、既存のタスクがタスク部品として登録されている。タスク部品の更に詳細な作業(タスク001、002)は、既存のタスクでタスク部品だったものである。作業4は自由表記項目606のタスク部品であり、一般管理者はコメント、及び、作業に関する画像(部品の写真など)を設定できる。
【0136】
各タスク部品は、順番変更ボタン608を有している。管理者は順番変更ボタン608を押下して、タスク部品52の実施順を入れ替えることができる。
【0137】
管理者がOKボタン609を押下すると、タスクビュー607のタスク部品52がタスク情報に登録される。
【0138】
図14は、SP項目603が押下された場合に表示されるSP項目画面610の一例を示す。SP項目画面610の左側にはSP項目リスト611が表示される。管理者がSP項目リスト611の1つを選択すると、選択されたSP項目リスト611に応じたタスク部品612が右側に表示される。各タスク部品612にはチェックボックス613が対応付けられており、管理者は任意のチェックボックス613をチェックできる。管理者がOKボタン614を押下すると、チェックされたタスク部品が、
図13のタスクビュー607に表示される。
【0139】
図15は、特別項目604が押下された場合に表示される特別項目リスト画面620の一例である。
図15に示すように、一般設定、認証設定、メール送信設定、アカウント管理、プリンタ管理、バックアップ、リストア、ファームウェアアップデート、ログ取得、日時設定、機器情報書きだし、電源管理、リミットレス排紙、タイマー起動、用紙情報、不良ノズル診断&補正、及び、ヘッドクリーニングなどがある。この1つ1つが作業(タスク部品)となり得る。
【0140】
図16はタスクリスト画面630の一例を示す図である。タスクリスト画面630にはカテゴリごとにタスク名が表示される。このタスクは管理者が登録したタスクである(予め用意されたタスクもある)。管理者はこの中からスケジュールに登録したいタスクを選択できる。選択によりスケジュール画面640が表示されてもよいし、スケジュール画面640でタスクリスト画面630をユーザーが表示させ、登録するタスクを選択してもよい。
【0141】
図17は、スケジュール画面640の一例を示す図である。以下、スケジュール画面640が有する項目について説明する。
・タスク名641…タスクリスト画面630で管理者が選択したタスクのタスク名である。プルダウンメニューで管理者がタスクを選択できてもよい。
・所要時間642…タスク情報に登録されているタスク推定所要時間である。ユーザー欄646にタスク実施予定ユーザーが設定され、このユーザーの該タスクの平均所要時間が平均所要時間情報に登録されている場合、ユーザーの該タスクの平均所要時間が表示される。
・実施計画日643…カレンダーなどから管理者がタスクを実行する日付を設定する項目である。
・開始時間644…タスクの実行を開始する時刻を管理者が設定する項目である。
・繰り返し期間645…当該タスクが繰り返し実行するタスクの場合、繰り返し実行する期間を管理者が設定する項目である。繰り返し実行されるタスクが多いため、このような設定があることで管理者の作業負荷を低減できる。
・ユーザー欄646…ユーザー情報に登録済みのユーザーのリストがプルダウンメニュー等で表示される。ユーザー名は当該タスクの平均所要時間に対応付けてリスト状に表示され、管理者はその中から選択できる。選択されたタスク実施予定ユーザーが表示される。
・スケジュール欄647…実施計画日643と開始時間644に登録されたタスクがスケジュール上に表示される欄である。タスク終了予定時間計算手段16は、所要時間642と開始時間644からタスクの終了予定時間を算出する。タスク表示更新手段19は、タスクの終了予定時間に応じて、開始時間644からタスク終了予定時間までに1つのタスクをスケジュール欄647に表示する。
【0142】
管理者がOKボタン648を押下すると、スケジュール欄647と同様のスケジュールが表示され、このスケジュールに新たに登録されたタスクが表示される。なお、実施計画日643と開始時間644がリアルタイムにスケジュール欄647に反映されてもよい。
【0143】
図18は、タスク実行画面650の一例を示す図である。以下、タスク実行画面650が有する項目について説明する。
【0144】
・スケジュール欄651…スケジュール情報に登録されているタスクが表示される欄である。一般ユーザーは、月、週、日のいずれかでタスクのスケジュールを表示できる。画面表示手段12(スケジュール表示更新手段18)は、表示設定(月、週、日)と現在時刻に応じて、タスクを表示する。例えば、現在時刻を含む1ヶ月分、1週間、1日などのタスクを表示する。
図18では日表示である。一般ユーザーが表示設定を切り替えると、スケジュール表示更新手段18は、表示設定(日、週、月)で表示範囲に含まれるタスクをスケジュール情報から取得し、このタスクのタスク情報を取得し、スケジュール表示を更新する。スケジュール欄651に表示されるタスクは、該タスクの実行に関する画面と関連付けられている。この一例がタスク欄652に表示される画面である。
【0145】
・タスク欄652…現在時刻に対し、直近のタスクが表示される。
図18ではタスク実行画面650が表示されたことで自動的に、直近のタスクのタスク部品が表示されている。この直近のタスクの前後のタスクが実施順に表示される。
図18では、「Web cleaner replacement」「Channel plate cleaning」「Head cap cleaning」というタスクがあり、そのうち「Head cap cleaning」の内容(直近のタスク)が表示されている。
【0146】
なお、現在までに未実施のタスク59(「Paper feeding belt cleaning」)が最上段に表示される。
【0147】
また、タスク欄652にはスケジュール欄651で選択された1日のタスクが表示されてもよい。
【0148】
各タスク部品はボタン653を有しており、管理者がボタン653を押下すると(タスク実行画面650への実施状況に応じた入力により)ボタン653の状態が以下のように変化する。例えば実行→実行中タスク表示→終了タスク表示と変化してもよい。なお、ボタン653を押下する入力操作により、個々のタスク部品やタスクが完了状態となってもよい。また、ボタン653の状態変化は、例えば、ボタン653が実行(Execute)を表示しているときにユーザーがボタン653を押下すると、後述の
図19の様なタスク詳細画面が表示され、さらに詳細画面で設定や実行等の入力と、完了操作を行い
図18に戻ると、ボタン653がComplete表示に変化してもよい。なお、タスク(タスク実行画面650)はボタン653を含まないタスク部品のみでタスク作成されてもよい。
【0149】
図19は、設定変更に関する一例のタスク部品について説明する図である。
図19はタスク実行画面650のタスク欄652(タスク部品に応じた画面)の一例ある。
図19では「Change Value」の項目654に一般ユーザーが設定値を設定でき、ボタン653を押下することで、端末装置101がDFE102を経由して設定値を画像形成装置103に送信することができる。画像形成装置103の機器設定取得・更新手段24は設定値を機器設定値情報記憶手段27に保存する。このように、スケジュールに登録されたタスクから設定値を変更できる。なお、
図19は
図18のボタン653を押した際に表示されるタスク詳細画面であってもよい。
【0150】
タスク部品は「Current Value」の項目655に、画像形成装置103に現在、設定されている現在値を表示できる。
【0151】
設定値を変更しないタスク部品もスケジュールから一般ユーザーが実行できる。例えば、特別項目の「不良ノズル診断&補正」では、実行ボタンの押下により「不良ノズル診断&補正」に必要な操作の要求がDFE102を経由して画像形成装置103に送信される。画像形成装置103の機器操作手段26は不良ノズルを検出するためのテスト印刷を行い、スキャナで印刷結果を読み取り、不良ノズルの有無の判断を行う。不良ノズルがあればノズルのクリーニングや吐出対象から除外する補正処理を行う。このように、スケジュールに登録されたタスクから画像形成装置103を操作できる。なお、
図18のタスク欄652や、
図19には、タスク部品ごとの、またはタスク全体の作業を完了した旨の入力が可能な手段としてボタンやチェックボックス等、この他、タスク実施した作業者による伝達事項などのメモを入力可能な手段があってもよい。このような、完了した旨の入力やテキストの記入等の、DFE102(情報処理装置)から画像形成装置103(機器)への通信を伴わない入力も、タスクに関する入力の例であってもよい。
【0152】
<主な効果>
以上説明したように、本実施形態の情報処理システム100では、管理者がメンテナンスに関するタスクをスケジュールに登録することができる。また、情報処理システム100は現在時刻に登録されているタスクに必要な画面を開くので、一般ユーザーはメンテナンスに関する画面を探すことなく、メンテナンスを進めることができる。
【0153】
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0154】
例えば、本実施形態では端末装置が汎用的なWebブラウザを使用しているが、DFE102に専用のアプリを使用してもよい。
【0155】
また、
図6、
図7、
図8などの構成例は、端末装置101、DFE102、及び、画像形成装置103による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。端末装置101、DFE102、及び、画像形成装置103の処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0156】
また、実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、DFE102は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
【0157】
更に、DFE102は、開示された処理ステップ、例えば
図10~
図12のフローチャートを様々な組み合わせで共有するように構成できる。例えば、所定のユニットによって実行されるプロセスは、DFE102が有する複数の情報処理装置によって実行され得る。また、DFE102は、1つのサーバ装置にまとめられていても良いし、複数の装置に分けられていても良い。
【0158】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【符号の説明】
【0159】
101 端末装置
102 DFE
103 画像形成装置
104 サーバ装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0160】