(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】粘度推定装置、粘度推定方法、粘度推定プログラム、記録媒体および成型品の製造方法
(51)【国際特許分類】
G01N 11/00 20060101AFI20240702BHJP
G01N 11/04 20060101ALI20240702BHJP
G01N 33/44 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
G01N11/00 C
G01N11/04 A
G01N33/44
(21)【出願番号】P 2020199488
(22)【出願日】2020-12-01
【審査請求日】2023-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000005083
【氏名又は名称】株式会社プロテリアル
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加賀 雅文
(72)【発明者】
【氏名】大賀 裕太
【審査官】鴨志田 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-001595(JP,A)
【文献】特開平07-000771(JP,A)
【文献】特表2016-523986(JP,A)
【文献】特表2002-535456(JP,A)
【文献】特開2003-301060(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 11/00
G01N 11/04
G01N 33/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂の粘度を推定するように構成された粘度推定装置であって、
前記粘度推定装置は、メルトフローレートに基づいて前記粘度を推定する粘度推定部を備
え、
前記粘度推定部は、以下に示す数式2に基づいて、前記粘度を推定する、粘度推定装置。
【数8】
ここで、
η:粘度
C:定数
MFR:メルトフローレート
dγ/dt:せん断速度
n:定数
α:定数
T:温度
【請求項2】
請求項
1に記載の粘度推定装置において、
前記粘度推定装置は、
メルトフローレートと樹脂の温度とせん断速度との組み合わせと粘度とを関連付けた既知データ群であって、前記メルトフローレートと前記温度と前記せん断速度と前記粘度が既知の前記既知データ群を入力する既知データ群入力部と、
前記既知データ群を教師データとして、入力を前記メルトフローレートと前記温度と前記せん断速度とするとともに出力を前記粘度とするニューラルネットワークを学習させることにより、前記数式2に含まれる定数を決定する定数決定部と、
を有し、
前記粘度推定部は、前記定数決定部で決定された前記定数を代入した前記数式2に基づいて、前記粘度との対応が未知の前記メルトフローレートと前記温度と前記せん断速度の組み合わせから前記粘度を推定する、粘度推定装置。
【請求項3】
請求項
2に記載の粘度推定装置において、
前記既知データ群は、N個(Nは自然数)の異なる前記メルトフローレートごとに分類されたN種類の分類データ群から構成され、
前記定数決定部は、
前記N種類の分類データ群のそれぞれを教師データとして、入力をメルトフローレートと前記温度と前記せん断速度とするとともに出力を前記粘度とするニューラルネットワークを学習させることにより、前記N個の異なる前記メルトフローレートごとに以下の数式3に含まれる複数の予備定数を決定する予備定数決定部と、
前記N個の異なる前記メルトフローレートごとに決定された前記複数の予備定数のうちの一部の予備定数について平均値を算出する平均値算出部と、
を有し、
前記定数決定部は、前記平均値を初期値とするとともに前記既知データ群を教師データとして、入力を前記メルトフローレートと前記温度と前記せん断速度とするとともに出力を前記粘度とするニューラルネットワークを学習させることにより、前記数式2に含まれる定数を決定する、粘度推定装置。
【数9】
ここで、
η:粘度
η
i:予備定数
dγ/dt:せん断速度
n
i:予備定数
α
i:予備定数
T:温度
【請求項4】
樹脂の粘度を推定する粘度推定方法であって、
前記粘度推定方法は、メルトフローレートに基づいて前記粘度を推定する粘度推定工程を備
え、
前記粘度推定工程は、以下に示す数式2に基づいて、前記粘度を推定する、粘度推定方法。
【数10】
ここで、
η:粘度
C:定数
MFR:メルトフローレート
dγ/dt:せん断速度
n:定数
α:定数
T:温度
【請求項5】
樹脂の粘度を推定する処理をコンピュータに実行させる粘度推定プログラムであって、
前記粘度推定プログラムは、メルトフローレートに基づいて前記粘度を推定する粘度推定処理を備
え、
前記粘度推定処理は、以下に示す数式2に基づいて、前記粘度を推定する、粘度推定プログラム。
【数11】
ここで、
η:粘度
C:定数
MFR:メルトフローレート
dγ/dt:せん断速度
n:定数
α:定数
T:温度
【請求項6】
請求項
5に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項7】
メルトフローレートに基づいて樹脂の粘度を推定する粘度推定工程と、
推定された前記粘度に基づいて成型条件を調整する成型条件調整工程と、
調整された前記成型条件で前記樹脂を成型する成型工程と、
を備える、成型品の製造方法
であって、
前記粘度推定工程は、以下に示す数式2に基づいて、前記粘度を推定する、成型品の製造方法。
【数12】
ここで、
η:粘度
C:定数
MFR:メルトフローレート
dγ/dt:せん断速度
n:定数
α:定数
T:温度
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂の粘度を推定する粘度推定技術に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、樹脂の粘度を測定するレオメータに関する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】上田,レオロジー特性測定方法とその装置,日本ゴム協会誌,第88巻,第8号、(2015)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、樹脂成型技術では、原料である樹脂材料の粘度が温度とせん断速度に依存することから、粘度によって成型品の品質が変化する。また、樹脂の種類によっては、同じグレードの樹脂材料でも、製品ロットの違いなどによって品質にばらつきが生じて粘度が変化することがある。したがって、成型品の品質を維持するためには、樹脂材料の粘度の変化に応じて、その都度、温度やせん断速度などの成型条件を最適化する必要がある。すなわち、成型品の製造工程においては、粘度変化を吸収するように成型条件を調整するために、樹脂の粘度を把握する必要がある。
【0005】
この点に関し、樹脂の粘度を把握する技術としては、レオメータを使用して粘度を実測する以外に手段がないのが現状である。ところが、レオメータを使用する技術の導入や運用は、経済的にもリードタイム的にも困難な場合が多い。このことから、成型条件の調整は、作業者の経験に基づいて行われることが多い。つまり、現状の技術では、粘度の測定は、難しく手間がかかることから、粘度の測定に基づいて成型条件を調整することは、実現することが困難である。したがって、容易に粘度を把握できる技術が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施の形態における粘度推定装置は、メルトフローレートに基づいて粘度を推定する粘度推定部を備える。
【0007】
一実施の形態における粘度推定方法は、メルトフローレートに基づいて粘度を推定する粘度推定工程を備える。
【0008】
一実施の形態におけるプログラムは、メルトフローレートに基づいて粘度を推定する粘度推定処理を備える。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録される。
【0009】
一実施の形態における成型品の製造方法は、メルトフローレートに基づいて樹脂の粘度を推定する粘度推定工程と、推定された粘度に基づいて成型条件を調整する成型条件調整工程と、調整された成型条件で樹脂を成型する成型工程と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
一実施の形態によれば、容易に樹脂の粘度を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】「MFR」を測定する測定方法の概要を示す図である。
【
図2】粘度推定装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】粘度推定装置の機能を示す機能ブロック図である。
【
図5】ニューラルネットワークの学習を模式的に示す図である。
【
図6】粘度推定装置の第1動作を説明するフローチャートである。
【
図7】粘度推定装置の第2動作を説明するフローチャートである。
【
図9】粘度推定装置の動作を説明するフローチャートである。
【
図10】定数の決定に使用していないサンプルでの粘度実測値と、「MFR」を考慮した(数式2)を使用して推定した粘度推定値との比較結果を示すグラフである。
【
図11】粘度を実測する技術(比較例)と、「MFR」を使用して粘度を推定する本実施の形態における技術的思想との対比結果を示す表である。
【
図12】「MFR」に基づいて粘度を推定する本実施の形態における技術的思想を取り入れた成型品の製造方法の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
【0013】
<実施の形態における基本思想>
本実施の形態における基本思想は、メルトフローレート(以下、「MFR」という)に基づいて樹脂の粘度を推定する思想である。
【0014】
ここで、まず、「MFR」について説明する。
【0015】
「MFR」とは、溶液状態にある樹脂の流動性を示す尺度の一つである。この「MFR」を測定する試験機械は、「JIS K6760」で定められた押出し形プラストメータを使用する。また、「MFR」の測定方法は、「JIS K7210」に規定されている。
【0016】
図1は、「MFR」を測定する測定方法の概要を示す図である。
【0017】
図1に示すように、「MFR」の測定装置10は、加熱可能なバレル1を有している。そして、このバレル1には、円筒状の貫通孔が設けられている。この貫通孔の内部には、テストサンプルである樹脂2が挿入される。そして、樹脂2の上部からピストンヘッド3を介してピストン4で樹脂2に圧力をかけることができるように構成されている。特に、ピストン4の上部には、錘5が配置され、この錘5によって、ピストン4から樹脂2に圧力が加わるようになっている。一方、貫通孔の底部には、開口部を有するダイ6が設けられている。このように構成されている測定装置10では、貫通孔に挿入された樹脂2を一定の温度で加熱するとともに一定の圧力で加圧する。そして、この条件の下で、貫通孔の底部に設けられたダイ6の開口部から10分間に押し出された樹脂量を測定する。これにより、測定装置10で「MFR」を測定することができる。一般的に、「MFR」の値が大きいほど、樹脂の溶融時の流動性や加工性は良好となる。
【0018】
例えば、「MFR」が大きいということは、押し出される樹脂量が多くなることを意味することから、これは、流動性が高く粘度が低い状態に対応すると理解できる。つまり、定性的には、「MFR」が大きくなると粘度は低くなると考えることができる。言い換えれば、「MFR」が小さくなると粘度は大きくなると考えることができる。
【0019】
この点に関し、一般的に、粘度は、以下に示す(数式1)で表される。
【0020】
【0021】
ここで、
η:粘度
η0:定数
dγ/dt:せん断速度
n:定数
α:定数
T:樹脂の温度
この(数式1)によると、定数が分かっていることを前提として、せん断速度と樹脂の温度が分かれば粘度を推定することができるが、(数式1)には、「MFR」が含まれていない。このことから、「MFR」が分かったとしても(数式1)からは粘度を推定することはできない。すなわち、「MFR」と粘度との定性的な関係は分かっているにしても、定量的に(数式1)に基づいて「MFR」から粘度を推定することはできないのである。このように、現状では、「MFR」と粘度とを関係付ける関係式は得られていない。
【0022】
ここで、「MFR」から粘度を推定できれば、以下に示すような優れた利点を得ることができる。すなわち、「MFR」は、例えば、樹脂材料メーカからロットごとに提供されることが多い。このことから、「MFR」と粘度とを関係付ける関係式が得られれば、レオメータによる粘度測定を行うことなく、メーカから提供される「MFR」から粘度を推定することができる。このことは、粘度の測定を行うことなく、粘度を把握することができることを意味する。これにより、成型品の製造工程においては、粘度を測定しなくても「MFR」から粘度を把握することができる。このため、粘度変化を吸収するように成型条件を調整することが容易になるという利点が得られることになる。
【0023】
本発明者は、この点に着目して、鋭意検討した結果、(数式1)に基づいて、以下に示す(数式2)を想到している。
【0024】
【0025】
ここで、
η:粘度
C:定数
MFR:メルトフローレート
dγ/dt:せん断速度
n:定数
α:定数
T:樹脂の温度
この(数式2)によると、「MFR」が大きくなると粘度が小さくなるという定性的理解に合致している。そして、(MFR)nは、次元解析によって決定している。具体的に、(数式2)に含まれる「sec」の単位に着目する。つまり、粘度の単位が「Pa・sec」、せん断速度の単位が「1/sec」、「MFR」の単位が「cc/10min」=「cc/600sec」であることを考慮する。このとき、(数式2)の左辺における「sec」の次元は「Pa・sec」から「1次元」となる。これに対し、(数式2)の右辺における「sec」の次元は、1/(MFR)n×(dγ/dt)n-1から(sec)n×(1/sec)n-1=(sec)であり、「1次元」となる。このような次元解析より、(数式2)における「MFR」の依存性が1/(MFR)nの形で導入されることは理にかなっている。
【0026】
このようにして、粘度と「MFR」との定性的関係と次元解析に基づいて想到された(数式2)によれば、定数が分かっていることを前提として、「MFR」とせん断速度と樹脂の温度が分かれば粘度を推定することができる。つまり、(数式2)は、「MFR」と粘度とを関係付ける関係式であることがわかる。したがって、(数式2)に含まれる定数を適切に決定することができれば、(数式2)に基づいて、「MFR」から粘度を精度よく推定することができると考えられる。このことから、(数式2)に含まれる定数を決定することが重要であり、本実施の形態では、機械学習を使用して(数式2)に含まれる定数を決定する。
【0027】
本実施の形態における基本思想は、「MFR」に基づいて粘度を推定する思想であり、詳細には、「MFR」と粘度とを関係付ける(数式2)に基づいて粘度を推定する思想である。そして、基本思想においては、「MFR」から精度よく粘度を推定できるように、(数式2)に含まれる定数を機械学習で決定する。
【0028】
<粘度推定装置の構成>
以下では、上述した基本思想を具現化する粘度推定装置について説明する。
【0029】
<<ハードウェア構成>>
まず、本実施の形態おける粘度推定装置のハードウェア構成について説明する。
【0030】
図2は、本実施の形態における粘度推定装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。なお、
図2に示す構成は、あくまでも粘度推定装置100のハードウェア構成の一例を示すものであり、粘度推定装置100のハードウェア構成は、
図2に記載されている構成に限らず、他の構成であってもよい。
【0031】
図2において、粘度推定装置100は、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)101を備えている。このCPU101は、バス113を介して、例えば、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、および、ハードディスク装置112と電気的に接続されており、これらのハードウェアデバイスを制御するように構成されている。
【0032】
また、CPU101は、バス113を介して入力装置や出力装置とも接続されている。入力装置の一例としては、キーボード105、マウス106、通信ボード107、および、スキャナ111などを挙げることができる。一方、出力装置の一例としては、ディスプレイ104、通信ボード107、および、プリンタ110などを挙げることができる。さらに、CPU101は、例えば、リムーバルディスク装置108やCD/DVD-ROM装置109と接続されていてもよい。
【0033】
粘度推定装置100は、例えば、ネットワークと接続されていてもよい。例えば、粘度推定装置100がネットワークを介して他の外部機器と接続されている場合、粘度推定装置100の一部を構成する通信ボード107は、LAN(ローカルエリアネットワーク)、WAN(ワイドエリアネットワーク)やインターネットに接続されている。
【0034】
RAM103は、揮発性メモリの一例であり、ROM102、リムーバルディスク装置108、CD/DVD-ROM装置109、ハードディスク装置112の記録媒体は、不揮発性メモリの一例である。これらの揮発性メモリや不揮発性メモリによって、粘度推定装置100の記憶装置が構成される。
【0035】
ハードディスク装置112には、例えば、オペレーティングシステム(OS)201、プログラム群202、および、ファイル群203が記憶されている。プログラム群202に含まれるプログラムは、CPU101がオペレーティングシステム201を利用しながら実行する。また、RAM103には、CPU101に実行させるオペレーティングシステム201のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一次的に格納されるとともに、CPU101による処理に必要な各種データが格納される。
【0036】
ROM102には、BIOS(Basic Input Output System)プログラムが記憶され、ハードディスク装置112には、ブートプログラムが記憶されている。粘度推定装置100の起動時には、ROM102に記憶されているBIOSプログラムおよびハードディスク装置112に記憶されているブートプログラムが実行され、BIOSプログラムおよびブートプログラムにより、オペレーティングシステム201が起動される。
【0037】
プログラム群202には、粘度推定装置100の機能を実現するプログラムが記憶されており、このプログラムは、CPU101により読み出されて実行される。また、ファイル群203には、CPU101による処理の結果を示す情報、データ、信号値、変数値やパラメータがファイルの各項目として記憶されている。
【0038】
ファイルは、ハードディスク装置112やメモリなどの記録媒体に記録される。ハードディスク装置112やメモリなどの記録媒体に記録された情報、データ、信号値、変数値やパラメータは、CPU101によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・処理・編集・出力・印刷・表示に代表されるCPU101の動作に使用される。例えば、上述したCPU101の動作の間、情報、データ、信号値、変数値やパラメータは、メインメモリ、レジスタ、キャッシュメモリ、バッファメモリなどに一次的に記憶される。
【0039】
粘度推定装置100の機能は、ROM102に記憶されたファームウェアで実現されていてもよいし、あるいは、ソフトウェアのみ、素子・デバイス・基板・配線に代表されるハードウェアのみ、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実現されていてもよい。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、ハードディスク装置112、リムーバルディスク、CD-ROM、DVD-ROMなどに代表される記録媒体に記録される。プログラムは、CPU101により読み出されて実行される。すなわち、プログラムは、コンピュータを粘度推定装置100として機能させるものである。
【0040】
このように、粘度推定装置100は、処理装置であるCPU101、記憶装置であるハードディスク装置112やメモリ、入力装置であるキーボード105、マウス106、通信ボード107、出力装置であるディスプレイ104、プリンタ110、通信ボード107を備えるコンピュータである。そして、粘度推定装置100の機能は、処理装置、記憶装置、入力装置、および、出力装置を利用して実現される。
【0041】
<<機能ブロック構成>>
次に、粘度推定装置100の機能ブロック構成について説明する。
【0042】
図3は、粘度推定装置の機能を示す機能ブロック図である。
【0043】
粘度推定装置100は、入力部301と、定数決定部302と、粘度推定部303と、出力部304と、データ記憶部305を有している。
【0044】
入力部301は、「MFR」と樹脂の温度とせん断速度との組み合わせと粘度とを関連付けた既知データ群であって、「MFR」と温度とせん断速度と粘度が既知の既知データ群を入力するように構成されている。
【0045】
【0046】
既知データ群400には、複数の既知データが含まれており、複数の既知データのそれぞれは、「MFR」と温度とせん断速度との組み合わせとともに、これらの組み合わせと関連付けられた粘度から構成されている。例えば、既知データの一例としては、
図4に示すように、「MFR」が「17.6527」、「温度」が「190」、「せん断速度」が「60.8」、「粘度」が「10307.03」であるデータを挙げることができる。
【0047】
この既知データは、例えば、同一グレードで「MFR」の異なる樹脂材料の粘度を温度とせん断速度を変化させて計測することにより取得される。このとき、粘度の測定には、例えば、レオメータを使用して行われる。
【0048】
本実施の形態では、既知データ群に基づいて、(数式2)に含まれる定数を決定する。このため、(数式2)の定数を高精度に決定する観点から、既知データ群に含まれる既知データのデータ数は、多いことが望ましい。例えば、既知データ群は、「MFR」と「温度」と「せん断速度」の異なる既知データを合計で20データ以上有していることが望ましい。
【0049】
入力部301に入力された複数の既知データのそれぞれは、データ記憶部305に記憶される。また、データ記憶部305には、(数式2)も記憶される。
【0050】
定数決定部302は、データ記憶部305に記憶されている既知データ群を使用して、(数式2)に含まれる定数(「C」、「n」、「α」)を決定するように構成されている。具体的に、
図5に示すように、定数決定部302は、既知データ群を教師データとして、入力を「MFR」と温度とせん断速度とするとともに出力を粘度とするニューラルネットワークを学習させることにより、(数式2)に含まれる定数を決定するように構成される。
【0051】
粘度推定部303は、「MFR」に基づいて粘度を推定するように構成されており、詳細には、上述した(数式2)に基づいて、粘度を推定するように構成されている。特に、粘度推定部303は、定数決定部302で決定した定数を代入した(数式2)に基づいて、粘度を推定する。すなわち、粘度推定部303は、定数決定部302で決定した定数を代入した(数式2)に基づいて、粘度との対応が未知の「MFR」と温度とせん断速度の組み合わせから粘度を推定するように構成されている。これにより、粘度が未知の樹脂に対して、「MFR」と温度とせん断速度がわかれば粘度を把握できることになる。
【0052】
出力部304は、粘度推定部303で推定された樹脂の粘度を出力する機能を有する。
【0053】
以上のようして、粘度推定装置100が構成されていることになる。
【0054】
<粘度推定装置の動作(粘度推定方法)>
続いて、本実施の形態における粘度推定装置100の動作について説明する。
【0055】
粘度推定装置100の動作には、(数式2)に含まれる定数を決定して、粘度の推定に使用される関係式を決定する第1動作と、この関係式を用いて粘度が未知の樹脂の「MFR」と「温度」と「せん断速度」に基づいて、粘度を推定する第2動作があるので、以下では、それぞれの動作について説明することにする。
【0056】
<<第1動作>>
図6は、粘度推定装置の第1動作を説明するフローチャートである。
【0057】
まず、既知データ群は取得されているものとする。
【0058】
図6において、入力部301は、既知データ群を入力する(S101)。そして、入力部301に入力された既知データ群は、データ記憶部305に記憶される。
【0059】
次に、定数決定部302は、データ記憶部305に記憶されている既知データ群を教師データとして、入力を「MFR」と温度とせん断速度とするとともに出力を粘度とするニューラルネットワークを学習させることにより、(数式2)に含まれる定数を決定する(S102)。これにより、粘度と「MFR」とを関係付ける関係式である(数式2)が決定される。このようにして、粘度と「MFR」の関係式が得られる。
【0060】
<<第2動作>>
図7は、粘度推定装置の第2動作を説明するフローチャートである。
【0061】
ここでは、既に上述した第1動作が行われて、(数式2)の定数が決定されているとする。
【0062】
図7において、入力部301は、粘度が未知の未知データを入力する(S201)。この未知データには、粘度が未知の樹脂における「MFR」と「温度」と「せん断速度」のそれぞれのデータが含まれている。この未知データは、データ記憶部305に記憶される。
【0063】
次に、粘度推定部303は、データ記憶部305に記憶されている未知データを(数式2)に代入する。すなわち、粘度が未知の未知データに含まれる既知の「MFR」と「温度」と「せん断速度」を(数式2)に代入する(S202)。これにより、(数式2)に基づいて粘度が推定される(S203)。そして、粘度推定部303で推定された粘度は、出力部304から出力される(S204)。このようにして、粘度推定装置100によれば、「MFR」と「温度」と「せん断速度」に基づいて、粘度を推定することができる。
【0064】
以上のようにして、粘度推定装置100を動作させることにより、本実施の形態における粘度推定方法が実現される。
【0065】
<粘度推定プログラム>
上述した粘度推定装置100で実施される粘度推定方法は、粘度推定処理をコンピュータに実行させる粘度推定プログラムにより実現することができる。
【0066】
例えば、
図2に示すコンピュータからなる粘度推定装置100において、ハードディスク装置112に記憶されているプログラム群202の1つとして、本実施の形態における粘度推定プログラムを導入することができる。そして、この粘度推定プログラムを粘度推定装置100であるコンピュータに実行させることにより、本実施の形態における粘度推定方法を実現することができる。
【0067】
粘度推定処理に関するデータを作成するための各処理をコンピュータに実行させる粘度推定プログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して頒布することができる。記録媒体には、例えば、ハードディスクやフレキシブルディスクに代表される磁気記憶媒体、CD-ROMやDVD-ROMに代表される光学記憶媒体、ROMやEEPROMなどの不揮発性メモリに代表されるハードウェアデバイスなどが含まれる。
【0068】
<定数決定部に対するさらなる工夫>
定数決定部302は、既知データ群を教師データとして、入力を「MFR」と温度とせん断速度とするとともに出力を粘度とするニューラルネットワークを学習させることにより、(数式2)に含まれる定数を決定する。
【0069】
ここで、ニューラルネットワークによる機械学習で(数式2)に含まれる定数を決定する手法は、複数ある。ただし、本実施の形態では、教師データとして使用する既知データ群の特殊性から機械学習による定数の決定を安定的に行うことができないおそれがあることを本発明者は新規に見出した。つまり、本発明者は、既知データ群においては、データ数を確保できるとしても、異なる「MFR」の種類が少ないという特殊性から機械学習による定数の決定を安定して行うことができない場合があることを新規な知見として獲得した。そこで、本発明者は、この知見に基づいて様々な手法を試す中で最も安定的に機械学習による定数の決定を行う手法を見出したので、以下では、この手法を説明する。
【0070】
<<粘度推定装置の構成>>
図8は、粘度推定装置の機能ブロック図である。
【0071】
図8と
図3とは、ほぼ同様の構成をしているため、以下では、
図8で追加した追加点を中心に説明する。
図8において、粘度推定装置100は、分類部306を有している。
【0072】
この分類部306は、既知データ群をN個(Nは自然数)の異なる「MFR」ごとに分類する機能を有する。すなわち、分類部306は、既知データ群をN種類の分類データ群に分類するように構成されている。例えば、分類部306は、
図4に示す既知データ群400を第1分類データ群400Aと第2分類データ群400Bと第3分類データ群400Cに分類するように構成されている。
【0073】
ここで、第1分類データ群400Aは、「MFR」が同一の「17.6527」で、「温度」と「せん断速度」と「粘度」が異なるデータ群から構成される。同様に、第2分類データ群400Bは、「MFR」が同一の「15.8989」で、「温度」と「せん断速度」と「粘度」が異なるデータ群であり、第3分類データ群400Cは、「MFR」が同一の「3.4669」で、「温度」と「せん断速度」と「粘度」が異なるデータ群である。
【0074】
定数決定部302は、予備定数決定部307と平均値算出部308を含んでいる。
【0075】
予備定数決定部307は、分類部306で分類されたN種類の分類データ群のそれぞれを教師データとして、入力を「MFR」と温度とせん断速度とするとともに出力を粘度とするニューラルネットワークを学習させることにより、N個の異なる「MFR」ごとに以下の(数式3)に含まれる複数の予備定数を決定するように構成されている。
【0076】
【0077】
ここで、
η:粘度
ηi:予備定数
dγ/dt:せん断速度
ni:予備定数
αi:予備定数
T:温度
例えば、予備定数決定部307では、(数式3)に含まれる予備定数を「MFR」ごとに教師データである分類データ群との誤差が最小になるようにニューラルネットワークを学習させる。ここで、予備定数を決定する一例について説明する。
【0078】
(数式3)の対数を取ると、以下の(数式4)が得られる。
【0079】
【0080】
この(数式4)において、「ln(dγ/dt)」と「T」を変数として、機械学習を使用して重回帰分析(Lasso回帰やRidge回帰)する。これにより、予備定数決定部307によって、N個の異なる「MFR」ごとに予備定数(ηi、ni、αi)「i=1・・・N」を決定することができる。
【0081】
平均値算出部308は、N個の異なる「MFR」ごとに決定された複数の予備定数のうちの一部の予備定数について平均値を算出するように構成されている。具体的に、平均値算出部308は、予備定数「αi」について、以下の(数式5)に基づいて平均値「<α>」を算出するとともに、予備定数「ni」について、以下の(数式6)に基づいて平均値「<n>」を算出するように構成されている。
【0082】
【0083】
【0084】
そして、定数決定部302は、上述した平均値を初期値とするとともに既知データ群を教師データとして、入力を「MFR」と温度とせん断速度とするとともに出力を粘度とするニューラルネットワークを学習させることにより、(数式2)に含まれる定数を決定するように構成されている。
【0085】
例えば、(数式2)の対数を取ると、以下の(数式7)が得られる。
【0086】
【0087】
この(数式7)において、「n」と「α」に対する初期値として上述した平均値を代入した後、既知データ群を教師データとして、入力を「MFR」と温度とせん断速度とするとともに出力を粘度とするニューラルネットワークを学習させることにより、(数式7)に含まれる定数を決定することができる。
【0088】
<<粘度推定装置の動作>>
図9は、粘度推定装置の動作を説明するフローチャートである。
【0089】
図9において、まず、入力部301は、既知データ群を入力する(S301)。そして、入力部301に入力された既知データ群は、データ記憶部305に記憶される。次に、分類部306は、データ記憶部305に記憶されている既知データ群を同一の「MFR」ごとの分類データ群に分類する(S302)。例えば、既知データ群の中に「MFR」がN種類ある場合、分類部306は、既知データ群をN種類の分類データ群に分類する。そして、分類部306で分類された分類データ群もデータ記憶部305に記憶される。
【0090】
続いて、粘度推定装置100は、「N=1」に設定した後(S303)、予備定数決定部307は、第N分類データに基づいて、(数式3)に含まれる予備定数を決定する(S304)。具体的に、予備定数決定部307は、第N分類データを教師データとして、入力を「温度」と「せん断速度」とするとともに出力を「粘度」とするニューラルネットワークを学習させることにより、(数式3)に含まれる予備定数を決定する。
【0091】
その後、粘度推定装置100は、「N=Nmax」であるか判定する(S305)。
【0092】
ここで、粘度推定装置100は、「N=Nmax」ではないと判定すると、「N=N+1」として(S306)、S204を繰り返す。そして、この繰り返しは、「N=Nmax」になるまで続けられる。その後、粘度推定装置100は、「N=Nmax」であると判定すると、平均値算出部308は、N個の異なる「MFR」ごとに決定された複数の予備定数のうちの一部の予備定数について平均値を算出する(S307)。
【0093】
次に、定数決定部302は、上述した平均値を初期値とするとともに既知データ群を教師データとして、入力を「MFR」と温度とせん断速度とするとともに出力を粘度とするニューラルネットワークを学習させることにより、(数式2)に含まれる定数を決定する(S308)。これにより、決定された定数を(数式2)に代入して、最終的に、粘度と「MFR」とを関係付ける関係式(数式2)を決定することができる(S309)。
【0094】
<効果の検証>
本実施の形態によれば、「MFR」に基づいて粘度を推定することができる。
【0095】
以下では、本実施の形態で推定された粘度が実測された粘度と高精度に一致するという検証結果について説明する。具体的に、樹脂材料として熱可塑性ポリウレタンを使用して、本実施の形態における技術的思想の有用性を検証したので、この検証結果を説明する。
【0096】
グレードは同じであるが、製造ロットの異なる4種類の熱可塑性ポリウレタンを用意した。そして、それぞれの熱可塑性ポリウレタンについて、「MFR」をメルトインデクサ(東洋精機製)にて温度200℃および荷重5kgで計測した。
【0097】
粘度は、キャピログラフ(東洋精機製)にて、温度185℃~210℃、せん断速度6.08~6080(1/s)の間で変化させて計測した。合計の計測点数は60点である。
【0098】
製造ロットの異なる4種類のサンプルのうち、3種類のサンプルデータを既知データ群として「MFR」を取り入れた(数式2)の定数を決定した。すなわち、3種類のサンプルデータを教師データとして機械学習によって、(数式2)の定数を決定した。
【0099】
図10は、定数の決定に使用していないサンプルでの粘度実測値と、「MFR」を考慮した(数式2)を使用して推定した粘度推定値との比較結果を示すグラフである。
図10において、縦軸は粘度実測値を示している一方、横軸は粘度推定値を示している。
【0100】
図10から算出された粘度実測値と粘度推定値との相関係数は、「0.9893」であり、ほぼ1であることがわかる。ここで、相関係数が1に近いほど、粘度実測値と粘度推定値との誤差が小さいことを考慮すると、
図10の検証結果は、本実施の形態で推定された粘度が実測された粘度と高精度に一致することを裏付けているということができる。
【0101】
次に、
図11は、粘度を実測する技術(比較例)と、「MFR」を使用して粘度を推定する本実施の形態における技術的思想との対比結果を示す表である。
【0102】
図11に示すように、比較例では、キャピラリ型レオメータで温度を3水準およびせん断速度を5水準という合計15点のデータを取った場合の計測時間が示されている。この結果、比較例での粘度の計測時間は3時間~6時間程度必要であり、樹脂材料も約150g使用する。
図11に示す結果に基づくと、比較例では、粘度の計測時間が長くなることから、成型品の製造工程ラインでの運用は困難であることがわかる。
【0103】
これに対し、
図11の本実施の形態の欄には、「MFR」に基づく粘度の推定に要する時間と使用される樹脂材料の量が示されている。
図11において、本実施の形態によれば、「MFR」は、温度を1水準でN=3(Nは種類)で計測した場合、約1時間程度で終了する。また、「MFR」が既知であれば、計測する必要はなく計算するだけなので、数秒で終了する。また、樹脂材料の使用量は、「MFR」を計測する場合、150gであり、比較例と同等である。このような
図11に示す結果に基づくと、本実施の形態では、短時間で粘度を推定することができるとともに、粘度の推定精度が高いことから(
図10参照)、成型品の製造工程ラインでの運用が可能となる。
【0104】
したがって、本実施の形態は、粘度の測定は難しく手間がかかるため、粘度の測定に基づいて成型条件を調整することを実現することが困難であるという従来の認識を覆している。そして、「MFR」をうまく利用して容易に粘度を把握できることを実現した技術的思想は、成型品の製造工程ラインにおいて、粘度変化を吸収するように成型条件を調整することが容易になる点で重要な技術的意義を有しているということができる。
【0105】
以下では、本実施の形態における技術的思想を利用した成型品の製造工程を説明する。
【0106】
<成型品の製造方法>
図12は、「MFR」に基づいて粘度を推定する本実施の形態における技術的思想を取り入れた成型品の製造方法の流れを示すフローチャートである。
【0107】
図12において、まず、本実施の形態における技術的思想を使用して、「MFR」に基づく粘度の推定を行う(S401)。この結果、粘度を推定できる。そして、推定された粘度に基づいて、成型条件の調整を行う(S402)。具体的には、粘度を推定することにより、粘度変化を把握することができることから、この粘度変化を吸収するように温度やせん断速度などの成型条件を調整する。特に、粘度変化に対してどのように成型条件を調整すればよいかということは経験などから把握することができる。したがって、この経験に基づいて、粘度変化に対する成型条件の調整は、プログラムによって自動化することができる。この自動化を実現することができれば、推定された粘度が入力されると、自動的に成型条件が出力されるという構成を実現できる。その後、調整された成型条件で樹脂の成型を行う(S403)。この結果、本実施の形態における成型品の製造方法によれば、樹脂材料の粘度変化に応じて、その都度、温度やせん断速度などの成型条件を最適化することができる。すなわち、本実施の形態における成型品の製造方法によれば、粘度変化を吸収するように成型条件を調整することができることから、成型品の品質を維持することができるという顕著な効果を得ることができる。
【0108】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0109】
樹脂材料には、プラスチック材料やゴム材料などが含まれ、「MFR」を取得できれば、本実施の形態における技術的思想を適用できる樹脂材料の種類は限定されない。すなわち、本実施の形態における技術的思想は、粘度変化が品質に影響を与える樹脂材料であって「MFR」を取得できる樹脂材料に幅広く適用することができる。
【符号の説明】
【0110】
1 バレル
2 樹脂
3 ピストンヘッド
4 ピストン
5 錘
6 ダイ
10 測定装置
100 粘度推定装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 ディスプレイ
105 キーボード
106 マウス
107 通信ボード
108 リムーバルディスク装置
109 CD/DVD-ROM装置
110 プリンタ
111 スキャナ
112 ハードディスク装置
113 バス
201 オペレーティングシステム
202 プログラム群
203 ファイル群
301 入力部
302 定数決定部
303 粘度推定部
304 出力部
305 データ記憶部
306 分類部
307 予備定数決定部
308 平均値算出部
400 既知データ群
400A 第1分類データ群
400B 第2分類データ群
400C 第3分類データ群