(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】光学デバイスをフィラメント化および個片化するためのレーザダイシングシステム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20240702BHJP
H01L 21/301 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/78 Q
(21)【出願番号】P 2022553029
(86)(22)【出願日】2021-02-25
(86)【国際出願番号】 US2021019715
(87)【国際公開番号】W WO2021183300
(87)【国際公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-11-02
(32)【優先日】2020-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チダンバラム, マヘンドラン
(72)【発明者】
【氏名】エレス, シムエル
(72)【発明者】
【氏名】レイ, ウェイ-ション
(72)【発明者】
【氏名】ルスコニ, ジョン バーナード
【審査官】井上 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-165768(JP,A)
【文献】特開2002-353169(JP,A)
【文献】特開2012-004478(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
H01L 21/301
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学デバイスを製造する方法であって、
複数の
光学デバイスを備える第1の基板を、
レーザダイシングツールに移送することであって、前記複数の光学デバイスの各光学デバイスが、デバイス構造の領域を取り囲む輪郭線を有し、前記レーザダイシングツールがフィラメント化ステージおよび個片化ステージを備える
、レーザダイシングツールに移送することと、
前記複数の光学デバイスをダイシングすることであって、各光学デバイスを、前記デバイス構造の領域を取り囲む前記輪郭線に沿ってダイシングし、前記第1の基板
は、前記フィラメント化ステージに配置され、前記フィラメント化ステージの突出部が、前記デバイス構造の前記領域の間にある前記複数の光学デバイスの部分に接触する、前記複数の光学デバイスをダイシングすることと、
前記
複数の光学デバイス
を分離すること
であって、各光学デバイスが、前記デバイス構造の領域を取り囲む前記輪郭線に沿って分離され、前記第1の基板は、前記個片化ステージの突起部が前記デバイス構造の前記領域の間にある前記複数の光学デバイスの部分に接触することで、前記個片化ステージに配置される、前記複数の光学デバイスを分離することと、
前記
複数の光学デバイスをバックエンド保管ポートまたはバックエンド処理機に移送することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記第1の基板を前記レーザダイシングツールに移送する前に、前記第1の基板を基板キャリア上に固定することを、さらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の基板を前記基板キャリアから分離することと、
前記基板キャリアを洗浄することと、
前記基板キャリア上に第2の基板を固定するために、前記基板キャリアをロードポートまたはビルドステーションに移送することと、
前記
基板キャリアとともに前記第2の基板を前記レーザダイシングツールに移送することと、
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の基板上の前記
複数の光学デバイスを検査することを、さらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記
複数の光学デバイスを検査することが、前記第1の基板のトップダウン画像を撮ることを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
欠陥のあるデバイスを良品デバイスから分離することを、さらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記フィラメント化ステージで第3の基板をダイシングすることを、さらに含み、前記第3の基板をダイシングすることが、前記個片化ステージで前記第1の基板を切断することと同時である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
デバイスを製造するためのシステムであって、
複数のステージであって、各ステージは、複数の可動光学ヘッドのうちの対応する光学ヘッドの下方に配置され、各光学ヘッドは、レーザ源に対応し、各光学ヘッドは、各対応するレーザ源からの各光学ヘッドの各レーザビーム経路が互いに交差しないように、互いに対してずれた位置に配置された交換可能な光学ヘッドを備える、複数のステージ、
前記複数のステージに連結されたコンベヤシステム、および
デバイスを前記コンベヤシステムから少なくとも1つのバックエンド保管ポートまたはバックエンド処理機に移動させることができるロボットを備える選別システム、
を備え
、
前記ステージが、第1のステージおよび第2のステージを備え、前記第1のステージおよび前記第2のステージが、デバイス構造の領域の間に複数の光学デバイスの一部を接触させることによって、前記複数の光学デバイスを備える基板を固定するように構成される複数の突起部を備え、前記複数の光学デバイスの各々が、前記デバイス構造の前記領域を取り囲む輪郭線をそれぞれ有する、システム。
【請求項9】
前記第1のステージが、第1の光学ヘッドの下方に配置され
、前記第1の光学ヘッドが、第1のレーザ源からの第1のレーザビームを前記第1のステージに向けるように動作可能であ
り、
前記第2のステージが、第2の光学ヘッドの下方に配置され
、前記第2の光学ヘッドが、第2のレーザ源からの第2のレーザビームを前記第2のステージに向けるように動作可能であ
り、
前記第1のステージと前記第2のステージが、互いに同時に動作可能である、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の光学ヘッドが、第1の平面内で移動可能であり、前記第2の光学ヘッドが、第2の平面内で移動可能であり、前記第1の平面と前記第2の平面が異なる、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1のレーザ源が、赤外線レーザであり、前記第2のレーザ源が、二酸化炭素レーザである、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1のステージおよび前記第2のステージの上流にあり、前記第1のステージおよび前記第2のステージに隣接している少なくとも1つのビルドステーション、ならびに
前記システムの下流端から前記システムの上流端まで延びるリターンコンベヤシステム、
をさらに備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つのビルドステーションに近接して配置された複数のロードポートを、さらに備え、前記少なくとも1つのビルドステーションが、キャリア支持体、基板支持体、および真空発生器を備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
デバイスを製造するためのシステムであって、
第1の光学ヘッドの下方に配置された第1のステージであって、前記第1の光学ヘッドが、第1のレーザ源からの第1のレーザビームを前記第1のステージに向けるように動作可能であ
り、前記第1のステージが、第1のデバイス構造の第1の領域を取り囲む第1の輪郭線をそれぞれ有する第1の複数の光学デバイスを備える第1の基板を、前記第1のデバイス構造の前記第1の領域間に前記第1の複数の光学デバイスの一部を接触させることによって固定するように構成された第1の突起部を含む、第1のステージ、
第2の光学ヘッドの下方に配置された第2のステージであって、前記第2の光学ヘッドが、第2のレーザ源からの第2のレーザビームを前記第2のステージに向けるように動作可能であり、前記第1のステージと前記第2のステージが、互いに同時に動作可能であ
り、前記第2のステージが、第2のデバイス構造の第2の領域を取り囲む第2の輪郭線をそれぞれ有する第2の複数の光学デバイスを備える第2の基板を、前記第2のデバイス構造の第2の領域間に前記第2の複数の光学デバイスの一部を接触させることによって固定するように構成された第2の突起部を含む、第2のステージ、
前記第1のステージおよび前記第2のステージに連結された前進コンベヤシステム、
前記前進コンベヤシステムの上方に配置されたカメラを備えるビジョンアセンブリ、ならびに
デバイスを前記コンベヤシステムから少なくとも1つのバックエンド保管ポートまたはバックエンド処理機に移動させることができるロボットを備える選別システムであって、前記ロボットが、前記ビジョンアセンブリに通信可能に連結されている、選別システム、
を備えるシステム。
【請求項15】
前記デバイスから分離された基板を洗浄するための、前記基板から分離された基板キャリアを洗浄するための、またはそれらの組合せのための洗浄ステーションを、さらに備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記洗浄ステーションとリターンコンベヤシステムとの間に配置されたクロスコンベヤシステムを、さらに備え、前記リターンコンベヤシステムは、前記前進コンベヤシステムと実質的に平行である、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1のステージおよび前記第2のステージの上流に配置されたビルドステーションを、さらに備え、前記ビルドステーションは、各基板を各それぞれの基板キャリア上に組み立てるように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1のステージおよび前記第2のステージが、それぞれ、XYZ方向に沿って、およびZ方向の周りの回転角度(θ)に沿って移動可能である、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1の光学ヘッドおよび前記第2の光学ヘッドが、それぞれ、複数の光学レンズを備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項20】
前記システムは、幅が約3メートル~約6メートルであり、長さが約4メートル~約7メートルである、請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示の実施形態は、一般に、光学デバイスのためのレーザダイシングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 仮想現実または拡張現実のための光学デバイスなどの光学デバイスの製造では、サブミクロンの限界寸法を有する構造体を有する1つ以上のデバイスが、処理のために基板の前面などの基板上に配置される。光学デバイスを製造するために、表面上に配置された1つ以上のデバイスを有する基板の表面が、1つ以上のデバイスに接触することなく基板支持アセンブリ上に保持されなければならず、複数の基板が、製造プロセス全体を通して複数の処理ステーションで処理されなければならない。基板を処理するための現在のシステムは、基板を処理するための処理ステーションの数のために、および基板を取り扱うために用いられる注意のために、スループットが制限される。製造されると、光学デバイスは、光学デバイスを変形させることなく、基板から分離されるが、これは困難であり得る。
【0003】
[0003] 従って、光学デバイスを変形させることなく基板を処理する方法、および高スループットで、かつ基板を変形させることなく、基板を取り扱う処理システムが、当技術分野で必要とされる。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 一実施形態では、光学デバイスを製造するプロセスが提供される。このプロセスは、1つ以上のデバイスを含む第1の基板をレーザダイシングツールに移送することを含み、レーザダイシングツールは、フィラメント化ステージおよび個片化ステージを含む。フィラメント化ステージにおいて、1つ以上のデバイス輪郭線が、第1の基板上に引かれる。第1の基板は、個片化ステージにおいて1つ以上のデバイス輪郭線に沿って切断され、デバイスは、さらなる処理のために移送される。
【0005】
[0005] 別の実施形態では、デバイスを製造するためのシステムが提供される。このシステムは、複数のステージを含み、各ステージは、複数の可動光学ヘッドのうちの対応する光学ヘッドの下方に配置され、各光学ヘッドはレーザに対応する。コンベヤシステムが、複数のステージに連結され、選別システムは、コンベヤシステムからデバイスを移動させることができるロボットを含む。
【0006】
[0006] さらに別の実施形態では、第1の光学ヘッドの下方に配置された第1のステージを含む、デバイスを製造するためのシステムが、提供される。第1の光学ヘッドは、第1のレーザ源からの第1のレーザビームを第1のステージに向けるように動作可能である。第2のステージが、第2の光学ヘッドの下方に配置される。第2の光学ヘッドは、第2のレーザ源からの第2のレーザビームを第2のステージに向けるように動作可能である。第1のステージおよび第2のステージは、互いに同時に動作可能である。前進コンベヤシステムが、複数のステージに連結されている。ビジョンアセンブリは、コンベヤシステムの上方に配置されたカメラを含み、選別システムは、コンベヤシステムからデバイスを移動させることができるロボットを含む。ロボットは、ビジョンアセンブリに通信可能に連結される。
【0007】
[0007] 本開示の上記の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約された本開示のより具体的な説明が、実施態様を参照することによって行われ、そのいくつかが、添付の図面に示されている。しかしながら、添付の図面は、例示的な実施形態のみを示し、したがって、その範囲を限定すると見なされるべきではなく、他の同等に有効な実施形態を認めることができることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態による基板の第1の表面の概略上面図である。
【
図2】一実施形態による基板支持アセンブリを含むシステムの概略断面図である。
【
図3A-3B】いくつかの実施形態による基板キャリアの概略上面図である。
【
図4】一実施形態による基板を処理するためのシステムのフロー図である。
【
図5】一実施形態による基板を処理するためのシステムの平面図である。
【
図6】一実施形態によるレーザダイシングアセンブリの概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0014] 理解を容易にするため、可能な場合には、図に共通する同一の要素を示すために同一の参照番号が使用されている。一実施形態の要素および特徴は、さらに説明することなく、他の実施形態に有益に組み込まれ得ることが企図される。
【0010】
[0015] 本開示の実施形態は、一般に、光学デバイスのためのレーザダイシングシステム、および光学デバイスを処理するための方法に関する。システムは、互いに同時に動作することができるいくつかの処理ステーションを含む。基板を第1のレーザおよび第2のレーザに曝す2つの部分からなるレーザダイシングシステムが含まれる。本明細書で提供されるシステムは、第2の基板が第2のレーザで処理されているときに、同時に第1の基板を第2のレーザで処理することを、可能にする。このシステムは、完全に自動化されており、基板は、基板キャリアを用いて、ステーションからステーションへ容易に移送される。このように、スループットと自動化が改善される。
【0011】
[0016]
図1は、基板100の第1の表面102(すなわち、上面)の透視正面図である。基板100は、(
図2に示すように)第1の表面102とは反対側の第2の表面104(すなわち、
図2に見える底面)を含む。基板100は、ガラス、プラスチック、炭化ケイ素、ポリカーボネート、または任意の他の適切な材料とすることができる。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、基板100は、透明であり、例えば透明ガラスである。材料は、巻き取り可能で可撓性の特性を有することができる。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、基板100は、約1ミリメートル(mm)未満の厚さ116(
図2に示す)を有する。いくつかの実施形態では、厚さは、0.5mm未満である。基板100は、基板の第1の表面102および/または第2の表面104上に配置された1つ以上の光学デバイス106を含む。1つ以上の光学デバイス106は、サブミクロンの限界寸法、例えばナノサイズの限界寸法を有する構造体114(すなわち、フィン)を含むことができる。
【0012】
[0017] 本明細書で説明する基板支持アセンブリ200(
図2に示す)の実施形態は、構造体114に接触することなく、かつ基板100を変形させることなく、1つ以上の光学デバイス106を有する基板100を保持するように動作可能である。
図2は、基板支持アセンブリ200を含むシステム201の概略断面図である。基板支持アセンブリ200は、レーザ処理のために、異なる厚さ、形状およびサイズを有する基板100を支持することができる。
【0013】
[0018] システム201は、第1の交換可能な光学ヘッドなどの1つ以上の光学ヘッド205を含む。第1の光学ヘッド205は、第1のレーザ源213からの第1のレーザなどの、1つ以上のレーザ源からの1つ以上のレーザからエネルギーを受け取るように構成される。1つ以上のレーザ源は、第1のレーザビーム209などの1つ以上のレーザビームを基板100の第2の表面104に向ける。光学デバイス106を有する第1の表面は、第1のレーザビーム209とは反対の方を向いている。光学デバイス106を第1のレーザビーム209とは反対の方に向けることにより、光学デバイス106上の構造体114が保護され、デバイスの欠陥が防止されることが分かった。第1のレーザビーム209は、基板100上の光学デバイス106の縁部を加熱し、光学デバイスの輪郭線を提供するように動作可能である。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、1つ以上のレーザ源は、赤外線レーザおよびCO2レーザ源を含む。レーザ源は、紫外線、赤外線などの様々な波長の任意の適切な電磁エネルギーとすることができる。
【0014】
[0019] 基板100は、基板支持アセンブリ200の支持面204上に保持される。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、基板支持アセンブリ200の本体202は、アクチュエータ211に連結される。基板支持アセンブリ200の本体202は、アルミニウムなどの任意の適切な材料から作製することができる。アクチュエータ211は、動作中に、本体202をx方向、y方向および/またはz方向に沿って移動させる。本明細書で説明する他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、1つ以上のアクチュエータ211が、1つ以上のステージに連結されて、その上に配置された基板100を移動させることができる。基板支持アセンブリ200は、システムコントローラ(図示せず)と通信するように動作可能であり、かつ処理中に基板支持アセンブリ200の態様を制御するように動作可能であるコントローラ206を含む。
【0015】
[0020] 基板支持アセンブリ200の本体202は、複数の突出部208を含む。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、本体202および突出部208は、ステンレス鋼および/またはアルミニウム含有材料を含む。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態では、本体202および突出部208は、セラミック含有材料を含む。
【0016】
[0021] 基板100の第1の表面102(すなわち、上面)は、1つ以上の光学デバイス106が支持面204に接触することなく、複数の突出部208の支持面204に固定可能である。複数の突出部208のうちの隣接する突出部が、ポケット214を形成する。ポケット214は、1つ以上の光学デバイス106の幅120および長さ122(
図1に示す)に対応する幅216および長さと、高さ222とを有する。複数の突出部208は、第1の表面102および第2の表面104のうちのいずれかの、上に光デバイス106が1つも配置されていない部分124に対応する。ポケット214はまた、構造体114が上に配置されていない光学デバイスの部分126において光学デバイス106を支持する1つ以上のポスト240を含むことができる。基板100が基板支持アセンブリ200の支持面204に固定されると、ポケット214のそれぞれにおいて、基板支持アセンブリ200の本体202と、支持面204に固定された第1の表面102および第2の表面104のうちのいずれかの光学デバイス106との間に、領域220が形成される。
【0017】
[0022] ポケット214の各々は、MFCなどの真空流量コントローラ226を介して真空源228と流体連通しているポケット導管224に連結されるように動作可能である。真空源228は、それぞれのポケット導管224を通してそれぞれのポケット214に真空圧力を供給して、それぞれの領域220内の真空圧力を維持することによって、突出部208の支持面204に対応する基板100の部分を保持するように動作可能である。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、真空圧力は、約380Torr~約760Torrである。本明細書に記載される実施形態によれば、コントローラ206は、各真空流量コントローラ226を動作させるように動作可能である。
【0018】
[0023]
図3Aおよび
図3Bは、いくつかの実施形態による基板キャリア302A、302Bの概略上面図である。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、基板100が、基板キャリア302A、302Bなどの基板キャリア上に保持される。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、基板支持アセンブリ200は、基板キャリア302A、302Bなどの基板キャリア302A、302B上に保持された基板を受け取ることができる。基板キャリア302A、302Bは、ベースプレート304を含む。ベースプレート304は、炭素繊維を含む材料などの軽量材料から作製される。ベースプレート304の軽量材料のおかげで、キャリア302A、302Bをピックアンドプレースロボットで移送するなど、キャリアを処理ステーション間で容易に移送できるようになることが、分かった。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、ベースプレートは、約2kg以下、例えば約1.5kg以下、例えば約1kg~約1.4kgである。従来のベースプレートは、約2kgより重く、例えば、約3kgより重い。ベースプレート304は、様々な形状およびサイズの基板を保持することができる。基板キャリア302A、302Bは、保持される基板の形状およびサイズに近似する真空ダイヤフラム306A、306Bを含む。
図3Aに示される真空ダイヤフラム306Aは、第1の直径を有する丸い基板を収容し、
図3Bに示される真空ダイヤフラム306Bは、第2の直径を有する丸い基板を収容する。
図3Aに示される第1の直径は、
図3Bに示される第2の直径よりも小さい。基板は、保持リング308A、308B、例えばクランプリングを用いて、基板キャリア302A、302B上に保持される。保持リング308A、308Bは、基板100の上方に配置され、基板100の下方に配置された磁石を用いて基板100を固定することができる。
図4に描かれたビルドステーション402に示されるように、基板100が、基板キャリア302A、302B上に組み立てられて、ビルドステーション内に積層体を提供する。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、基板キャリアは、約150mm、約200mm、または約300mmなどの、約100mm~約350mmの直径を有する基板を受け入れることができる。
【0019】
[0024]
図4は、一実施形態による、基板を処理するためのシステムのフロー
図400であり、
図5は、一実施形態による、基板を処理するためのシステム500の平面図である。システムのフロー図は、
図5に示されるシステムを参照して本明細書で説明される。システム500は、前方開口型統一ポッド(「FOUP」)などの複数のロードポート502A、502B、502C、502Dを含む。基板100と基板キャリア302A、302Bは、基板100が処理可能となるまで別々のポートに保管されている。各ロードポートは、複数の基板100または複数の基板キャリア302A、302Bを含む。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、ポート502Aおよび502Dは、基板100を含み、ポート502Bおよび502Cは、基板キャリア302A、302Bを含む。
【0020】
[0025] 基板100および基板キャリア302A、302Bは、組立のためにビルドステーション402に移送される。例えば、ポート502Aからの基板とポート502Bからの基板キャリアは、ビルドステーション402Aに移送される。同様に、ポート502Dからの基板とポート502Cからのキャリアは、ビルドステーション402Bに移送される。工程410において、基板100は、ビルドステーション402内で基板キャリア302A、302B上に組み立てられる。各基板100は、基板キャリア302A、302Bと共に積層体を形成する。積層体は、ビルドステーション402からレーザダイシングアセンブリ404に移送される。工程412では、ダイシングに備えて積層体が位置合わせされる。この位置合わせは、レーザダイシングのために積層体をステージ上に位置決めすることを含む。基板の周りに配置された基準マークが、位置合わせを決定するための参照として使用される。本明細書で使用するとき、用語「基準マーク」は、基板の位置合わせを決定するために読み取り可能な、基板上に配置されたマーキングを指す。各積層体は、ロボットによってビルドステーションから取り出され、
図2に示すような基板支持アセンブリ200に位置合わせされる。基板100または積層体は、ロボットによってレーザダイシングツールの基板支持アセンブリ200の本体202上に固定される。ロボット508は、レーザダイシングアセンブリ404が動作中に、基板100をレーザダイシングツールに移動させることができる。同時動作が、高い基板スループットと効率を可能にする。
【0021】
[0026] 工程414で、基板100は、基板内の光学デバイスの輪郭線を描くレーザダイシングプロセスでパターニングされる。工程416で、基板100は、輪郭線を通って加熱され、基板キャリア302A、302Bによって支持されながら、光学デバイスを個片化する。輪郭線を加熱すると、熱膨張を利用してデバイスが基板から分離される。使用されるパワービームのパワー密度は、レーザスポットサイズに正比例する。処理された基板は、バックエンドパッケージングステーション406に移送される。処理された基板は、1つ以上の前進コンベヤ507を用いて移送される。バックエンドパッケージングステーション406は、光学デバイスを検査するためのビジョンステーション506と、選別ステーションとを含む。選別ステーションは、光学デバイスを選別する(例えば、工程418)ためのピックアンドプレースロボット508を含む。ビジョンステーション506は、処理された基板100の上方に配置された1つ以上のカメラを含む。位置合わせを決定し、欠陥のある光学デバイスの存在を識別するために、基板の画像が、1つ以上のカメラによって取り込まれる。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、基板は、撮像のために光学デバイスの縁部を照らすために、側部LED光によって照らされる。このようにして、ビジョンステーション506のカメラは、各光学デバイスの位置および向きを決定することができる。ロボット508が、光学デバイスに接触することなく基板キャリア302A、302Bを移送すること、および光学デバイスを基板から移送することができるように、ビジョンステーション506は、ロボット508に通信可能に連結される。バックエンドパッケージングステーション406は、コンベヤベルトなどの1つ以上の前進コンベヤ507を含む。積層体は、前進コンベヤ507によって、1つ以上のロボット508に移送される。ロボット508は、積層体から光学デバイス106を取り外すように構成される。
【0022】
[0027] 欠陥のある光学デバイスは、廃棄され(例えば、工程430)、欠陥のない光学デバイスは、バックエンドパッケージングに移送される(例えば、工程422)。パッケージングされた光学デバイスは、縁部ブラックニングステーション内などのバックエンド処理機において、さらに処理される(例えば、工程428)。光学デバイスが取り外された基板100は、基板キャリア302A、302Bから分離され(例えば、工程420)、損傷した基板100が、キャリアから分離される(例えば、工程432)。本明細書に記載される、積層体に実施されるレーザダイシングプロセスは、積層体内の基板キャリアが、ダイシングから生じるデブリを収集することを可能にする。キャリアは、デブリと共に基板から取り外される。結果として得られた、レーザとは反対の方を向いている構造体を有する光学デバイスには、欠陥および(レーザダイシングによって残されたデブリからの微粒子などの)汚染物質がない。複数のバックエンド保管ポートまたはトレイ514A、514B、514C、514Dが、欠陥のある光学デバイス、欠陥のない光学デバイス、および異なる種類の光学デバイスなどの、分離され選別された部品を保管するために使用される。
【0023】
[0028] キャリアは、真空モジュールを使用して洗浄ステーション510で洗浄され(例えば、工程424)、洗浄されたキャリアは、さらなる処理(例えば、工程426)のために再使用される。デブリを有するキャリアが、現場で洗浄され、将来の使用のために収集され得る。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、洗浄されたキャリアは、リターンコンベヤ512上に配置され、連続ループプロセスでロードポートまたはビルドステーションに戻される。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、リターンコンベヤは、クロスコンベヤ部分およびリターン部分を含む。コンベヤのリターン部分は、前進コンベヤと実質的に平行である。工程410~432のうちの1つ以上が、複数の基板の連続プロセスにおいて互いに同時に実行される。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、基板が、1つの工程で処理されている間、別の基板が、別の工程で処理される。
【0024】
[0029]
図6は、一実施形態によるレーザダイシングアセンブリ404の概略上面図である。レーザダイシングアセンブリ404は、2つ以上のステージ620、630を含む。ステージ620、630は、それぞれ、各方向(X、Y、Z軸)に移動可能であり、Z軸の周りに回転可能である(例えば、θ)。各ステージは、
図2を参照して説明したような基板支持体を含む。各ステージ(例えば、第1のステージ620、第2のステージ630)は、レーザ源(例えば、第1のレーザ源602、第2のレーザ源632)に対応する。第1のレーザ源602は、第1のビーム経路604に沿って第1のレーザを放射する。第1のビーム経路は、1つ以上の折り返しミラーまたはステアラ606、608の第1の組と、1つ以上のビームエキスパンダ610の第1の組とを使用して、第1の光学ヘッド612に向けられる。第1の光学ヘッド612は、X軸に平行な線に沿って移動可能であり、第1の基板を処理するために、第1のステージ上に配置された第1の基板に第1のレーザビームを向ける。第1のレーザビームは、赤外線レーザ源からのものであり、または基板内でフィラメント化、またはダイシングすることができる任意のレーザである。フィラメント化プロセスは、積層体を第1のレーザビームに曝露して、積層体上の光学デバイスの縁部を加熱し、輪郭線を描く(例えば、「輪郭線を引く」)ことを含む。第1の光学ヘッド612は、第2のステージ上に配置された第2の基板を処理するために、第2のステージ630の上方に配置される。
【0025】
[0030] 同様に、第2のレーザ源632は、第2のビーム経路634に沿って第2のレーザを放射する。
図6は、第1および第2の光学ヘッド612、642が、Y軸に沿った異なる位置およびZ軸に沿った同じ位置に配置されていることを示すが、第1および第2の光学ヘッド612、642が、Y軸に沿った同じ位置およびZ軸に沿った異なる位置にあることも考えられる。あるいは、光学ヘッド612、642は、Z軸およびY軸に沿った異なる位置に配置される。光学ヘッド612、642をz軸に沿った異なる位置に配置することにより、比較的小さな空間を使用して同時に基板を処理することが可能になることが理解される。第2のレーザビームは、CO
2レーザ源からのものであり、または基板から光学デバイスを個片化することができる任意のレーザである。個片化プロセスは、フィラメント化によって生成されたスクライブ輪郭において光学デバイスを解放する。第1および第2のレーザビームは、ガラス基板または炭化ケイ素基板などの基板の組成に基づいて選択される。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、基板は、炭化ケイ素基板であり、第1のレーザビーム源は、ナノ秒(ns)UVレーザを含む。第1および第2のレーザビームの各々は、UV、緑色、およびIRからなる群から選択される。詳細には、UV、緑色、およびIRレーザは、炭化ケイ素またはガラス基板のフィラメント化および/または個片化のために使用することができる。さらに、CO
2レーザが、ガラス基板の個片化のために使用することができる。レーザ源は、ピコ秒、フェムト秒、またはナノ秒のレーザ源を含む。第2のビーム経路634は、1つ以上の折り返しミラーおよびステアラ636、638の第2の組と、1つ以上のビームエキスパンダ640の第2の組とを使用して、第2の光学ヘッド642に向けられる。第2の光学ヘッド642は、X軸に平行な線に沿って移動可能であり、第1のステージ620上に配置された第1の基板に第2のレーザビームを向ける。第2の光学ヘッド642は、第2のステージ630上に配置された第2の基板の上方に配置される。このシステムは、ステージの上方に配置された専用の光学ヘッドを使用して、異なる基板を互いに同時に処理することを可能にする。各光学ヘッドは、集束要素、複数の光学レンズを含む。IRおよびCO
2レーザが、本明細書に記載され、描かれているが、フィラメント化および個片化プロセスは、利用可能な任意の適切なレーザまたは切断技術を使用して行うことができる。フィラメント化および個片化は、光学デバイス製造において生じ得るチッピング、微小亀裂、剥離および他の損傷を低減することが見出されている。本明細書に記載されるシステムは、互いに同時に、ならびに基板を処理するために使用される他のツールおよび工程とともに、フィラメント化および個片化の両方を遂行し、高スループットを可能にすることができる。
【0026】
[0031] 本開示の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、第1の積層体が、第1のステージ620上でフィラメント化プロセスにおいて処理され、その後に、個片化プロセスが続くことができる。第1の積層体が、個片化プロセスにおいて処理されているとき、第2の積層体が、フィラメント化プロセスにおいて処理され得る。第1のレーザ源602は、赤外線(「IR」)エネルギーを第1の光学ヘッド612に伝達することができ、第1の光学ヘッド612は、エネルギーを第1のステージ620上に配置された積層体に向けることができる。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、第1の光学ヘッドは、第1の平面内で移動可能であり、第2の光学ヘッドは、第2の平面内で移動可能である。第1の平面および第2の平面は、Z軸に関して同じであるかまたは異なる。
【0027】
[0032] 要約すると、本開示は、概して、光学デバイスのためのレーザダイシングシステム、表面上に配置された1つ以上の光学デバイスを有する基板の表面を、1つ以上の光学デバイスに接触せずに、また基板を変形させずに、保持するための基板支持アセンブリ、および光学デバイスを処理するための方法に関する。
【0028】
[0033] 上記は、本開示の例に向けられているが、本開示の他のおよびさらなる例が、その基本的な範囲から逸脱することなく考案され、その範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。