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特許7514217加熱用炭化タンタル被覆炭素材料、加熱用炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法、炭化ケイ素エピタキシャルウェハ成長装置及び窒化ガリウムエピタキシャルウェハ製造成長装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-02
(45)【発行日】2024-07-10
(54)【発明の名称】加熱用炭化タンタル被覆炭素材料、加熱用炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法、炭化ケイ素エピタキシャルウェハ成長装置及び窒化ガリウムエピタキシャルウェハ製造成長装置
(51)【国際特許分類】
   C04B 41/87 20060101AFI20240703BHJP
   C23C 16/32 20060101ALI20240703BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
C04B41/87 S
C23C16/32
C04B41/87 G
H01L21/205
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021157727
(22)【出願日】2021-09-28
(65)【公開番号】P2022120773
(43)【公開日】2022-08-18
【審査請求日】2023-08-24
(31)【優先権主張番号】P 2021017241
(32)【優先日】2021-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002060
【氏名又は名称】信越化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100207756
【弁理士】
【氏名又は名称】田口 昌浩
(74)【代理人】
【識別番号】100129746
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 滋郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135758
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100154391
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康義
(72)【発明者】
【氏名】平手 暁大
(72)【発明者】
【氏名】山村 和市
【審査官】安積 高靖
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-084057(JP,A)
【文献】特開2019-099453(JP,A)
【文献】Daejong Kim,外7名,Chemical Vapor Deposition of Tantalum Carbide from TaCl5-C3H6-Ar-H2 System,Journal of the Korean Ceramic Society,The Korean Ceramic Society,2016年,Vol.53, No.6,p.597-603
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 41/87
C23C 16/32
H01L 21/205
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素基材と、前記炭素基材の少なくとも一部を被覆する炭化タンタル被覆膜とを含む加熱用炭化タンタル被覆炭素材料であって、
前記炭化タンタル被覆膜が六方晶Ta C(α-Ta C)及び立方晶Ta(α-Ta)を含み、
前記炭化タンタル被覆膜のX線回折図形が、六方晶Ta C(α-Ta C)の(110)面に相当するピークと立方晶Ta(α-Ta)の(002)面に相当するピークとを有し、
前記炭化タンタル被覆膜のX線回折図形において、六方晶Ta C(α-Ta C)の(110)面に相当するピークと立方晶Ta(α-Ta)の(002)面に相当するピークとのピーク強度比(I Ta2C (110)/I Ta (002))が0.5以上であることを特徴とする加熱用炭化タンタル被覆炭素材料。
【請求項2】
前記炭化タンタル被覆膜の表面の算術平均粗さRaが1~30μmであることを特徴とする請求項1に記載の加熱用炭化タンタル被覆炭素材料。
【請求項3】
25℃の測定温度及び2~22μmの測定波長の条件下で測定した前記炭化タンタル被覆膜の表面における放射率が0.30以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱用炭化タンタル被覆炭素材料。
【請求項4】
前記炭素基材の熱膨張係数が4.0×10-6~7.0×10-6/℃であることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の加熱用炭化タンタル被覆炭素材料。
【請求項5】
前記炭化タンタル被覆膜の膜厚が3~100μmであることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の加熱用炭化タンタル被覆炭素材料。
【請求項6】
前記炭化タンタル被覆膜におけるTa及びCを除いた他の成分の濃度が1500質量ppm以下であることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の加熱用炭化タンタル被覆炭素材料。
【請求項7】
炭化タンタル被覆膜を炭素基材の表面に形成する炭化タンタル被覆膜形成工程を含む加熱用炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法であって、
前記炭化タンタル被覆膜形成工程は、炭化水素ガス、ハロゲン化タンタルガス及び水素ガスを含む原料ガスをCVD反応室内に供給して、熱CVD法で前記原料ガスを反応させて前記炭素基材の表面に前記炭化タンタル被覆膜を形成し、
前記原料ガス中の前記ハロゲン化タンタルガスに含まれるタンタル原子及び水素ガスに含まれる水素原子のモル比が次の式を満たし、
前記炭化タンタル被覆膜形成工程では、前記CVD反応室内の圧力が1~100Paであることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の加熱用炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法。
タンタル原子(Ta):水素原子(H)=1:x(x≧8)
【請求項8】
前記炭化タンタル被覆膜形成工程における成膜温度が850~2500℃であることを特徴とする請求項に記載の加熱用炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法。
【請求項9】
前記炭素基材の表面の算術平均粗さRaが1~30μmであることを特徴とする請求項又はに記載の加熱用炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法。
【請求項10】
請求項1~のいずれか1項に記載の加熱用炭化タンタル被覆炭素材料を使用することを特徴とする炭化ケイ素エピタキシャルウェハ成長装置。
【請求項11】
請求項1~のいずれか1項に記載の加熱用炭化タンタル被覆炭素材料を使用することを特徴とする窒化ガリウムエピタキシャルウェハ製造成長装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素基材の表面を炭化タンタル被覆膜で被覆した加熱用炭化タンタル被覆炭素材料、その加熱用炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法、並びにその加熱用炭化タンタル被覆炭素材料を使用した炭化ケイ素エピタキシャルウェハ成長装置及び窒化ガリウムエピタキシャルウェハ製造成長装置に関する。
【背景技術】
【0002】
炭化タンタルは、遷移金属炭化物の中で最も融点が高く(約3900℃)、化学的安定性、強度、靭性、耐食性にも優れている。そのため、炭素基材表面に炭化タンタル膜を被覆した炭化タンタル被覆炭素材料は、無垢の炭素材料と比較して高寿命であり、SiC(炭化ケイ素)、GaN(窒化ガリウム)などの2000℃付近の環境下で結晶成長させる半導体単結晶製造装置で主に使用されている。
TaC膜の形成方法として、例えば、特許文献1に記載されているようにTa製またはTa合金製の坩堝に炭素(C)源を導入して、真空雰囲気中で2050~2600Kの雰囲気温度で熱処理する方法、特許文献2に記載されているように真空環境内で炭素蒸気圧を金属Taに直接照射することにより浸炭処理を行い、その後高真空アニールをする固相拡散結合法、非特許文献1に記載されているように、プロパンなどのカーボン(C)原料、五塩化タンタルなどのタンタル(Ta)原料、キャリアガスとしてのアルゴン(Ar)及び水素を減圧化学気相成長装置(Low-Pressure Chemical Vapor Deposition:LPCVD)で反応させる方法等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-131367号公報
【文献】特許第4926632号公報
【非特許文献】
【0004】
【文献】Daejong Kim, et al., Journal of the Korean Ceramic Society, Vol. 53, No. 6, pp. 597~603, 2016.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、炭化タンタルは、放射率が室温で0.1~0.2程度と低いため、加熱装置部材に用いたとき炭化タンタル被覆炭素材料からの熱伝達が遅く被加熱物の加熱に時間が掛かるという課題がある。放射率が高い炭化タンタル被覆炭素材料を開発できれば、輻射による熱伝達が高まり基板を高速昇温させて成長させる炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)エピタキシャルウェハの製造など高速昇温を行う装置の部材として応用できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意検討の結果、炭化タンタル被覆膜にTaC結晶を含有させることにより、炭化タンタル被覆膜の放射率を高められることを見出し、本発明を完成させた。本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1]炭素基材と、前記炭素基材の少なくとも一部を被覆する炭化タンタル被覆膜とを含む加熱用炭化タンタル被覆炭素材料であって、前記炭化タンタル被覆膜がTaC結晶を含むことを特徴とする加熱用炭化タンタル被覆炭素材料。
[2]前記炭化タンタル被覆膜の表面の算術平均粗さRaが1~30μmであることを特徴とする上記[1]に記載の加熱用炭化タンタル被覆炭素材料。
[3]前記炭化タンタル被覆膜が六方晶TaC(α-TaC)及び立方晶Ta(α-Ta)を含み、前記炭化タンタル被覆膜のX線回折図形において、六方晶TaC(α-TaC)の(110)面に相当するピークと立方晶Ta(α-Ta)の(002)面に相当するピークとのピーク強度比(ITa2C(110)/ITa(002))が0.5以上であることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の加熱用炭化タンタル被覆炭素材料。
[4]25℃の測定温度及び2~22μmの測定波長の条件下で測定した前記炭化タンタル被覆膜の表面における放射率が0.30以上であることを特徴とする上記[1]~[3]のいずれか1つに記載の加熱用炭化タンタル被覆炭素材料。
[5]前記炭素基材の熱膨張係数が4.0×10-6~7.0×10-6/℃であることを特徴とする上記[1]~[4]のいずれか1つに記載の加熱用炭化タンタル被覆炭素材料。
[6]前記炭化タンタル被覆膜の膜厚が3~100μmであることを特徴とする上記[1]~[5]のいずれか1つに記載の加熱用炭化タンタル被覆炭素材料。
[7]前記炭化タンタル被覆膜におけるTa及びCを除いた他の成分の濃度が1500質量ppm以下であることを特徴とする上記[1]~[6]のいずれか1つに記載の加熱用炭化タンタル被覆炭素材料。
[8]炭化タンタル被覆膜を炭素基材の表面に形成する炭化タンタル被覆膜形成工程を含む加熱用炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法であって、
前記炭化タンタル被覆膜形成工程は、炭化水素ガス、ハロゲン化タンタルガス及び水素ガスを含む原料ガスをCVD反応室内に供給して、熱CVD法で前記原料ガスを反応させて前記炭素基材の表面に前記炭化タンタル被覆膜を形成し、前記原料ガス中の前記ハロゲン化タンタルガスに含まれるタンタル原子及び水素ガスに含まれる水素原子のモル比が次の式を満たすことを特徴とする上記[1]~[7]のいずれか1つに記載の加熱用炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法。
タンタル原子(Ta):水素原子(H)=1:x(x≧8)
[9]前記炭化タンタル被覆膜形成工程における成膜温度が850~2500℃であることを特徴とする上記[8]に記載の加熱用炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法。
[10]前記炭素基材の表面の算術平均粗さRaが1~30μmであることを特徴とする上記[8]又は[9]に記載の加熱用炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法。
[11]上記[1]~[7]のいずれか1つに記載の加熱用炭化タンタル被覆炭素材料を使用することを特徴とする炭化ケイ素エピタキシャルウェハ成長装置。
[12]上記[1]~[7]のいずれか1つに記載の加熱用炭化タンタル被覆炭素材料を使用することを特徴とする窒化ガリウムエピタキシャルウェハ製造成長装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、熱の放射率が高い加熱用炭化タンタル被覆炭素材料、その製造方法、並びにその加熱用炭化タンタル被覆炭素材料を使用した炭化ケイ素エピタキシャルウェハ成長装置及び窒化ガリウムエピタキシャルウェハ製造成長装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る炭化タンタル被覆炭素材料を例示する模式断面図である。
図2】本実施形態に係る炭化タンタル被覆炭素材料の製造に使用する外熱型減圧CVD装置の一例の概略図である。
図3】実施例1の炭化タンタル被覆炭素材料の断面のSEM画像である。
図4】実施例1の炭化タンタル被覆炭素材料のXRD測定の結果である。
図5】実施例2の炭化タンタル被覆炭素材料のXRD測定の結果である。
図6】誘導加熱による昇温速度測定装置の概略図である。
図7】放射率測定装置の概略図ある。
図8】放射率測定の際の基材載置方法である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[炭化タンタル被覆炭素材料]
以下、本実施形態に係る炭化タンタル被覆炭素材料を例に挙げて、本発明の加熱用炭化タンタル被覆炭素材料を説明する。
【0010】
以下、図1を参照して本実施形態の炭化タンタル被覆炭素材料を説明する。本実施形態に係る炭化タンタル被覆炭素材料は、炭素基材12と、炭素基材12の少なくとも一部を被覆する炭化タンタル被覆膜11とを含む。炭素基材12は炭素を主成分とする基材である。炭素基材12の材料には、例えば、等方性黒鉛、押出成形黒鉛、熱分解黒鉛、炭素繊維強化炭素複合材料(C/Cコンポジット)などが挙げられる。炭素基材11の形状や特性は特に限定されず、用途などに応じて任意形状に加工したものを用いることができる。炭素材料炭化タンタル被覆膜11は、炭化タンタルを主成分とし、TaC結晶を含む。これにより、炭化タンタル被覆膜11の放射率が高くなり、その結果、本実施形態の炭化タンタル被覆炭素材料の熱の吸収率が高くなる。炭化タンタル被覆膜11は、TaCのみから構成されてもよいし、TaとTaCとの複合物の膜であってもよい。
【0011】
炭化タンタル被覆膜11の放射率の観点から、炭化タンタル被覆膜11が六方晶TaC(α-TaC)及び立方晶Ta(α-Ta)を含む場合、炭化タンタル被覆膜のX線回折図形において、六方晶TaC(α-TaC)の(110)面に相当するピークと立方晶Ta(α-Ta)の(002)面に相当するピークとのピーク強度比(ITa2C(110)/ITa(002))が0.5以上であることが好ましい。
エピタキシャルウェハ製造装置では原料として塩化金属が使用されることが多いため、副生成物として塩化水素が発生する。本実施形態の炭化タンタル被覆炭素材料をエピタキシャルウェハ製造装置に用いた場合、上記ピーク強度比(ITa2C(110)/ITa(002))が0.5以上であると、副生成物として発生した塩化水素と炭化タンタル被覆膜11中の立方晶Ta(α-Ta)とが反応することを抑制することができる。このような観点から、上記ピーク強度比(ITa2C(110)/ITa(002))は、0.9以上であることがより好ましい。
【0012】
炭化タンタル被覆膜のX線回折図形は、X線回折(XRD)装置を用いた2θ/θ測定(アウトオブプレーン)によって得られる。
なお、参考文献1によれば、六方晶TaC(α-TaC)のXRD結晶データは下記に示す通りである。
(010):2θ= 33.293°、I[%]: 21.2
(002):2θ= 36.343°、I[%]: 23.8
(011):2θ= 38.071°、I[%]:100.0
(012):2θ= 50.107°、I[%]: 16.3
(110):2θ= 59.494°、I[%]: 18.0
(013):2θ= 66.533°、I[%]: 17.9
(020):2θ= 69.909°、I[%]: 2.3
(112):2θ= 71.753°、I[%]: 18.0
(021):2θ= 72.849°、I[%]: 13.4
(004):2θ= 77.177°、I[%]: 2.6
参考文献1:Windisch, S.;Brukl, C.E.;Rudy, E., Zeitschrift fuer Metallkunde, 54, 345 - 353, (1963)
また、参考文献2によれば、立方晶Ta(α-Ta)のXRD結晶データは下記に示す通りである。
(011):2θ= 38.539、I[%]:100.0
(002):2θ= 55.642、I[%]: 16.5
(112):2θ= 69.723、I[%]: 31.9
(022):2θ= 82.603、I[%]: 9.7
参考文献2:Ohtani, M.;Hirata, K.;Waseda, Y., High Temperatures-High Pressures, 7, 221 - 226, (1975)
【0013】
炭化タンタル被覆膜11の表面の算術平均粗さRaは、好ましくは1~30μmである。炭化タンタル被覆膜11の表面の算術平均粗さRaが1~30μmであると、炭化タンタル被覆膜11の放射率をさらに高くすることができる。このような観点から、炭化タンタル被覆膜11の表面の算術平均粗さRaは、より好ましくは3~10μmである。なお、炭化タンタル被覆膜11の表面の算術平均粗さRaは、JIS B 0633:2001(ISO 4288:1996)に基づいて測定した値である。
【0014】
炭化タンタル被覆膜11の表面の算術平均粗さRaは、例えば、炭素基材12の表面粗さを調整することにより調整することができる。例えば、炭化タンタル被覆膜11の膜厚が20μm程度である場合、炭素基材12の表面粗さがそのまま炭化タンタル被覆膜11の表面粗さとなる。また、炭素基材12に炭化タンタル被覆膜11を形成した後、研磨剤ややすり等を使用して炭化タンタル被覆膜11の表面を磨くことにより、炭化タンタル被覆膜11の表面の算術平均粗さRaを調整してもよい。
【0015】
炭化タンタル被覆膜11の膜厚は、好ましくは3~100μmである。炭化タンタル被覆膜11が3μm以上であると、炭素基材12から拡散する不純物の炭化タンタル被覆膜11の放射率に対する影響を抑制することができる。炭化タンタル被覆膜11が100μm以下であると、炭化タンタル被覆膜11の成膜時間を短くすることができ、本実施形態の炭化タンタル被覆炭素材料の生産効率を改善することができる。このような観点から、炭化タンタル被覆膜11の膜厚は、より好ましくは20~50μmである。
【0016】
炭化タンタル被覆膜11におけるTa及びCを除いた他の成分の濃度は、好ましくは1500質量ppm以下である。本実施形態の炭化タンタル被覆炭素材料をエピタキシャルウェハ製造装置に用いた場合、炭化タンタル被覆膜11におけるTa及びCを除いた他の成分の濃度が1500質量ppm以下であると、エピタキシャルウェハ製造装置により製造されるウェハへの不純物混入をさらに抑制することができる。このような観点から、炭化タンタル被覆膜11におけるTa及びCを除いた他の成分の濃度は、より好ましくは100質量ppm以下である。なお、炭化タンタル被覆膜11におけるTa及びCを除いた他の成分の濃度は、低ければ低いほどさらに好ましい。Ta及びCを除いた他の成分の濃度は、グロー放電質量分析法(GDMS)で分析することができる。
【0017】
25℃の測定温度及び2~22μmの測定波長の条件下で測定した炭化タンタル被覆膜11の表面における放射率は、好ましくは0.30以上である。炭化タンタル被覆膜11の表面における放射率が0.30以上であると、本実施形態の炭化タンタル被覆炭素材料の熱の吸収率をさらに高めることができる。また、25℃の測定温度及び2~22μmの測定波長の条件下で測定した炭化タンタル被覆膜11の表面における放射率の範囲の上限値は、特に限定されないが、通常、0.70以下である。なお、炭化タンタル被覆膜11の表面における放射率は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
【0018】
炭素基材12の熱膨張係数は、好ましくは4.0×10-6~7.0×10-6/℃である。炭素基材12の熱膨張係数が4.0×10-6~7.0×10-6/℃であると、炭化タンタル被覆炭素材料の表面におけるマイクロクラックの発生をさらに抑制することができる。このような観点から、炭素基材12の熱膨張係数は、より好ましくは.5.8×10-6~6.5×10-6/℃である。なお、炭化タンタル被覆膜11の熱膨張率はおよそ6.3×10-6/ ℃である。
【0019】
本実施形態の加熱用炭化タンタル被覆炭素材料は、熱の放射率が高いので、炭化ケイ素エピタキシャルウェハ成長装置及び窒化ガリウムエピタキシャルウェハ製造成長装置に、好適に使用することができる。
【0020】
[炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法]
以下、本発明の加熱用炭化タンタル被覆炭素材料を説明する。
本実施形態に係る炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法は、炭化タンタル被覆膜を炭素基材の表面に形成する炭化タンタル被覆膜形成工程を含む。そして炭化タンタル被覆膜形成工程は、炭化水素ガス、ハロゲン化タンタルガス及び水素ガスを含む原料ガスをCVD(化学気相成長)反応室内に供給して、CVD法で原料ガスを反応させて炭素基材の表面に炭化タンタル被覆膜を形成する。このとき、原料ガス中のハロゲン化タンタルガスに含まれるタンタル原子及び水素ガスに含まれる水素原子のモル比が次の式を満たす。
タンタル原子(Ta):水素原子(H)=1:x(x≧8)
上記式におけるxの値が8未満であると、ハロゲン化タンタルガスにおける塩素の脱離が不十分になり、ハロゲン化タンタルガスの分解性が悪くなる場合がある。そして、その結果、TaCの代わりに、TaCが生成する。また、上記式におけるxの値が8以上であると、炭化タンタル被覆膜形成工程では、TaCに加えて、立方晶Ta(α-Ta)が生成する場合がある。
ここで、原料ガス中のハロゲン化タンタルガスに含まれるタンタル原子及び水素ガスに含まれる水素原子のモル比はハロゲン化タンタルガス及び水素ガスのそれぞれの標準状態の体積流量から算出できる。例えば、ハロゲン化タンタルガスとして五塩化タンタルを用いる場合、1モルのハロゲン化タンタルガスには、1モルのタンタル原子が含まれる。一方、1モルの水素ガスには、2モルの水素原子が含まれる。標準状態のガスの体積比は各ガスのモル比と等価なので、五塩化タンタルを1SLM(Standard Litter/Minutes)、水素を4SLM供給した場合、原料ガス中のハロゲン化タンタルガスに含まれるタンタル原子及び水素ガスに含まれる水素原子のモル比は下記のようになる。
タンタル原子(Ta):水素原子(H)=1:8
尚、ここで標準状態とは20℃、1気圧を指し、「SLM」は、ガスの体積を20℃、1気圧に換算した体積流量単位である。
【0021】
上述したように、炭化タンタル被覆膜をCVD法により形成する。CVD法には、例えば、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法などが挙げられる。これらのCVD法の中で、装置構成が比較的簡易で、プラズマによる損傷がないことから、熱CVD法が好ましい。
【0022】
炭化タンタル被覆膜形成工程における成膜温度は、好ましくは850~2500℃である。成膜温度が850℃以上であると、炭化タンタルの結晶成長が促進され、炭化タンタル被覆膜が緻密になりやすい。成膜温度が2500℃以下であると、炭素基材と炭化タンタルの熱膨張率差の影響を低減することができる。このような観点から、成膜温度は、より好ましくは1000~1500℃である。また、炭化タンタル被覆膜形成工程では、CVD反応室内の圧力は、好ましくは1~100Paである。
【0023】
炭素基材の表面の算術平均粗さRaは、好ましくは1~30μmである。上述したように、炭素基材の表面粗さがそのまま炭化タンタル被覆膜の表面粗さとなるので、炭素基材の表面の算術平均粗さRaが1~30μmであると、炭化タンタル被覆膜の表面の算術平均粗さRaを1~30μmとすることが容易になる。炭化タンタル被覆膜の表面の算術平均粗さRaは、より好ましくは3~10μmであるので、炭素基材の表面の算術平均粗さRaも、より好ましくは3~10μmである。
【0024】
本実施形態に係る炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法に、例えば、図2に示すような外熱型減圧CVD装置21を用いて行うことができる。
外熱型減圧CVD装置21では、ヒーター23、排気部27、原料供給部28などを備えた反応室22内で、炭素基材24は支持手段25によって支持される。そして、原料ガスとして、原料供給部28から炭化水素ガス、水素(H)ガス、及びハロゲン化タンタルガスを供給する。ハロゲン化タンタルガスは、例えば、ハロゲン化タンタルを加熱気化させる方法、タンタル金属とハロゲンガスとを反応させる方法等により発生させることができる。続いて、原料供給部28から供給される原料ガスを、好ましくは850~2500℃、より好ましくは1000℃~1500℃の加熱温度、及び好ましくは1~100Paの圧力の高温減圧下で熱CVD反応させ、炭素基材24上に炭化タンタル被覆膜を形成する。
【実施例
【0025】
以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0026】
以下のようにして、実施例1及び2の炭化タンタル被覆炭素材料、比較例1の炭化タンタル被覆炭素材料、参考例1の炭化ケイ素被覆炭素材料並びに参考例2の炭素材料を作製した。
【0027】
(実施例1)
先ず、図2に示す外熱型減圧CVD装置21の反応室内22に、炭素基材24を載置した。炭素基材24として等方性黒鉛(商品名「MC-4423」、メカニカルカーボン工業株式会社製)で作製した扇形部材(中心角120°、半径225mm、厚さ12mm、熱膨張係数6.0×10-6/℃)を用いた。炭素基材24は先端が尖った形状の支持部を3つ有する支持手段25によって支持された。炭素基材24は、ブラスト処理を行い、炭素基材24の表面の算術平均粗さRaを5.0μmに調整した。
【0028】
次に、気圧50Paの反応室22内で、炭素基材24を1100℃の温度に加熱した。加熱した炭素基材24に原料供給部28からメタン(CH)ガス、水素(H)ガス、五塩化タンタル(TaCl)ガス及びアルゴン(Ar)ガスを反応室22へ供給し、炭素基材24の表面に膜厚24μmの炭化タンタル被覆膜を形成し、実施例1の炭化タンタル被覆炭素材料を作製した。なお、マスフローコントローラーによりメタンガス、水素ガス、五塩化タンタルガス及びアルゴンガスの流量を、それぞれ0.5SLM(Standard Litter/Minutes)、2SLM、1.5SLM、0.5SLMになるように制御した。原料ガス供給時間は4時間であった。図3に実施例1の炭化タンタル被覆炭素材料の断面のSEM画像を示す。
【0029】
(実施例2)
表1に示すように、水素ガスの流量を2SLMから8SLMに変更した以外は、実施例1と同様の方法で実施例2の炭化タンタル被覆炭素材料を作製した。
【0030】
(実施例3)
表1に示すように、水素ガスの流量を2SLMから4SLMに変更した以外は、実施例1と同様の方法で実施例3の炭化タンタル被覆炭素材料を作製した。
【0031】
(実施例4)
表1に示すように、水素ガスの流量を2SLMから16SLMに変更した以外は、実施例1と同様の方法で実施例4の炭化タンタル被覆炭素材料を作製した。
【0032】
(比較例1)
表1に示すように、水素ガスの流量を2SLMから0SLMに変更し、原料ガス供給時間を4時間から3時間にした以外は、実施例1と同様の方法で比較例1の炭化タンタル被覆炭素材料を作製した。
【0033】
(参考例1)
炭化タンタル被覆膜の代わりに炭化ケイ素被覆膜をCVD法で形成した以外は、実施例1と同様の方法で参考例1の炭化ケイ素被覆炭素材料を作製した。
【0034】
(参考例2)
放射率測定比較用の炭素基材として、実施例1の炭化タンタル被覆炭素材料の作製に使用した炭素基材(扇形部材(中心角120°、半径225mm、厚さ12mm))を用いた。
【0035】
以上のように作製した実施例1及び2の炭化タンタル被覆炭素材料、比較例1の炭化タンタル被覆炭素材料、参考例1の炭化ケイ素被覆炭素材料並びに参考例2の炭素材料について以下の評価を行った。
【0036】
(1)ピーク強度比:ITa2C(110)/ITa(002)の算出
XRD装置(商品名「EMPYREAN」、Malvern Panalytical社製)を用いて、2θ/θ測定(アウトオブプレーン)を行った。実施例1及び2の炭化タンタル被覆炭素材料のXRD測定の結果を図4及び図5に示す。そして、六方晶TaC(α-TaC)の(110)面に相当するピークと立方晶Ta(α-Ta)の(002)面に相当するピークとのピーク強度比:ITa2C(110)/ITa(002)を算出した。結果を表2に示す。
【0037】
(2)室温における放射率測定方法
先ず、φ40mm以上の平坦な炭素基材に各種膜を被覆して、測定用試料を作製した。そして、放射率測定器(商品名「TSS-5X」、ジャパンセンサー株式会社製)を用いて、室温(25℃)の測定温度及び2~22μmの測定波長の条件下での放射率を測定した。結果を表2に示す。
【0038】
(3)誘導加熱による昇温時間測定
先ず、図6に示す誘導加熱装置の石英管内にSiCウェハと実施例1及び2の炭化タンタル被覆炭素材料、比較例1の炭化タンタル被覆炭素材料、参考例1の炭化ケイ素被覆炭素材料並びに参考例2の炭素材料を、図8のように、それぞれ載置した。その後、石英管内を減圧し、下記の条件で誘導加熱を開始した。SiCウェハの中心の表面温度を放射温度計(商品名「FLHX-TNE-0090-200-B-003-00-5」、ジャパンセンサー株式会社製)で測定し、1500℃の温度に到達するまでの時間を測定した。測定結果を表2に示す。
[測定条件]
加熱方法:誘導加熱
電源出力:2kW
周波数:50kHz
アルゴン流量:2 SLM
放射率設定値 1.0
測定波長 1.95~2.6μm
測定温度:1500℃
SiCウェハ:3インチ
サセプタサイズ:100mm×100mm×10mm
【0039】
(4)300~1400℃における放射率の測定方法
先ず、図7に示す減圧チャンバー内に放射率測定のターゲットとなる扇形の3枚の炭素材料(実施例1の炭化タンタル被覆炭素材料、実施例2の炭化タンタル被覆炭素材料及び参考例2の炭素材料)を図8に示すように載置した。その後、チャンバー内を減圧し、下記の条件で加熱を開始した。中心から外側へ100mmずらした位置の表面温度を放射温度計(商品名「FLHX-TNE-0090-200-B-003-00-5」、ジャパンセンサー株式会社製)で測定した。図8のターゲットを自転させながら測定することで連続的に3つの炭素材料の温度を測定した。
[測定条件]
圧力:50Pa
加熱方法:抵抗加熱
窒素流量:2.1SLM
放射率設定値:1.0
測定波長:1.95~2.6μm
測定温度:300~1400℃
【0040】
同一チャンバー内の扇型の炭素材料の真温度はすべて等しいと仮定して、測定した扇型の炭素材料の表面温度(Tsample 、Tcarbon)を下記の式(7)に代入することで、参考例2の炭素基材に対する実施例1の炭化タンタル被覆炭素材料及び実施例2の炭化タンタル被覆炭素材料の放射率比を算出した。測定結果を表3に示す。
【0041】
図7に示す減圧チャンバー内に放射率測定のターゲットとなる扇形の3枚の炭素材料(比較例1の炭化タンタル被覆炭素材料、参考例1の炭化ケイ素被覆炭素材料及び参考例2の炭素材料)を図8に示すように載置して、同様にして、参考例2の炭素基材に対する比較例1の炭化タンタル被覆炭素材料及び参考例1の炭化ケイ素被覆炭素材料の放射率比を算出した。測定結果を表3に示す。
【0042】
【数1】

ε:測定サンプルの放射率
Lsample:測定サンプルの放射輝度(W/m/str/μm)
Lcarbon:炭素基材の放射輝度(W/m/str/μm)
Tsample:測定サンプルを放射温度計で測定した際の温度 (K)
Tcarbon:測定サンプルの真温度(=炭素基材の測定温度) (K)
λ:波長(μm)
c:光速度(m/s)
h:プランク定数 (Js)
k:ボルツマン定数 (j/k)
【0043】
式(1)のようにある物体から観測される分光放射輝度はその物体が持つ分光放射輝度に放射率をかけた値に等しいと仮定される。同一チャンバー内の扇型基材の真温度はすべて等しいと仮定した場合、測定サンプルから観測される分光放射輝度は、炭素基材の分光放射輝度に測定サンプルの放射率εをかけた値に等しく、式(2)で表せる。プランクの式(3)を式(1)に代入すると式(4)が得られる。これをTcarbonについて解けば、式(5)が導ける。波長が長いとレイリー・ジーンズ近似(Rayleigh-Jeans approximation)によって式(6)のように分光放射輝度を近似できる。式(6)を式(2)に代入すれば、式(7)が導ける。(レイリー・ジーンズ近似が成立するのは、hc/λkT << 1が成り立つときである。)
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
(1)ピーク強度比:ITa2C(110)/ITa(002)
実施例1~4の結果と、比較例1の結果を比較することにより、炭化タンタル被覆膜成膜時に水素ガスを加えることで炭化タンタル被覆膜にTaC結晶を含有させることができることを確認できた。実施例1の結果と、実施例2の結果とを比較することによって、炭化タンタル被覆膜成膜時に加える水素ガスの流量を調節することでITa2C(110)/ITa(002)を増加させることができることが確認できた。
【0048】
(2)室温における放射率
実施例1~4と比較例1とを比較することにより、TaC結晶を含む炭化タンタル被覆炭素材料は、TaC結晶を含まない炭化タンタル被覆炭素材料と比較して高い放射率を有することを確認できた。実施例1及び2の結果を比較することにより、ITa2C(110)/ITa(002)の割合が高いほど、室温における放射率が高いことが確認できた。
【0049】
(3)誘導加熱による昇温時間
実施例1~4の結果と、比較例1の結果と、参考例1及び2の結果とを比較することにより、放射率の値が大きいサセプターほど、SiCウェハの温度を1500℃までに到達させる昇温時間が短いことが確認できた。
【0050】
(4)300~1400℃における放射率
実施例1及び2の結果と、比較例1の結果を比較することにより、ITa(002)に対するITa2C(110)の割合が高いほど、300~1000℃における放射率が高いことが確認できた。また、実施例1及び2、比較例1、並びに参考例1及び2の結果を比較すると、1000℃以上の温度になると放射率に差が見られなかった。
【符号の説明】
【0051】
11 炭化タンタル被覆膜
12 炭素基材
21 外熱型減圧CVD装置
22 反応室
23 ヒーター
24 炭素基材
25 支持手段
26 ターンテーブル
27 排気部
28 原料供給部
31 内壁部材
32 N供給部
33 外熱型減圧CVD装置
34 カーボンヒーター
35 反応室
36 ターゲット
36A~C 炭素材料
37 ターンテーブル
38 排気部
39 放射温度計
40 測定点
41 RFコイル
42 石英管
43 断熱材
44 サセプター
45 SiCウェハ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8