(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】回転部材、現像剤収納容器、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20240704BHJP
【FI】
G03G15/08 362
(21)【出願番号】P 2020174499
(22)【出願日】2020-10-16
【審査請求日】2023-08-24
(31)【優先権主張番号】P 2019210203
(32)【優先日】2019-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100117215
【氏名又は名称】北島 有二
(72)【発明者】
【氏名】仁枝 弘晃
【審査官】山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-024401(JP,A)
【文献】特開2006-078685(JP,A)
【文献】特開2010-176033(JP,A)
【文献】特開2015-148764(JP,A)
【文献】特開2010-009021(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0048024(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を中心にして所定の回転方向に回転する回転部材であって、
前記回転軸を跨いで一方の径方向と他方の径方向とにそれぞれ延在する可撓性部材と、
前記可撓性部材を保持する保持部材と、
を備え、
前記保持部材は、前記可撓性部材における前記一方の径方向の側を保持面上にて熱カシメにて固定して、前記可撓性部材における前記他方の径方向の側を穴部を挿通させて保持し、
前記保持部材の前記保持面が前記回転方向を向くように回転されることを特徴とする回転部材。
【請求項2】
前記保持部材は、
前記可撓性部材が前記回転軸を跨いで前記一方の径方向の側と前記他方の径方向の側とがそれぞれ片持ち支持されるように、前記可撓性部材を保持して、
前記回転軸を挟んで、前記一方の径方向の側に前記保持面が形成されて、前記他方の径方向の側に前記穴部が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の回転部材。
【請求項3】
前記穴部は、前記保持面に対して略直交する方向に開口して、その略直交する方向に対向する2つの内面のうち一方の内面が前記保持面に繋がる平面であることを特徴とする請求項2に記載の回転部材。
【請求項4】
前記保持部材は、前記可撓性部材における前記一方の径方向の側において回転軸方向に間隔をあけて形成された複数の貫通穴にそれぞれ嵌合された前記保持面上の複数のボス部を熱溶融して、前記可撓性部材の前記一方の径方向の側を前記保持面に固定したものであることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載の回転部材。
【請求項5】
前記可撓性部材は、前記一方の径方向の側が、前記他方の径方向の側に比べて、回転軸方向端部の側に突出していることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれかに記載の回転部材。
【請求項6】
前記保持部材の前記穴部は、回転軸方向に間隔をあけて複数形成された複数の穴部であって、
前記複数の穴部のうち回転軸方向端部の穴部は、回転軸方向端部に切込みが形成されたことを特徴とする請求項1~請求項5のいずれかに記載の回転部材。
【請求項7】
請求項1~請求項6のいずれかに記載の回転部材を備えたことを特徴とする現像剤収納容器。
【請求項8】
像担持体に形成された潜像を現像してトナー像を形成する現像装置であって、
請求項1~請求項6のいずれかに記載の回転部材を備えたことを特徴とする現像装置。
【請求項9】
画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるプロセスカートリッジであって、
請求項1~請求項6のいずれかに記載の回転部材を備えたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項10】
請求項1~請求項6のいずれかに記載の回転部材を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、撹拌部材などとして用いられる回転部材と、それを備えた現像剤収納容器、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置と、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置では、マイラーなどからなる可撓性部材(撹拌翼)が設置された回転部材(撹拌部材)を回転軸を中心に回転させて、現像装置やトナー容器の内部に収容されたトナーを撹拌する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
一方、特許文献1には、撹拌部材(回転部材)を低コスト化することを目的として、撹拌軸上に撹拌翼(可撓性部材)を熱カシメで固定することで、撹拌部材を一体的に形成する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の回転部材(撹拌部材)は、熱カシメされた部分が回転方向下流側を向いた状態で回転したときに、熱カシメされた部分に大きな力がかかって剥がれてしまい、可撓性部材が回転部材から分離してしまう不具合が生じてしまっていた。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、可撓性部材が回転部材から分離してしまう不具合が軽減される、回転部材、現像剤収納容器、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置、を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明における回転部材は、回転軸を中心にして所定の回転方向に回転する回転部材であって、前記回転軸を跨いで一方の径方向と他方の径方向とにそれぞれ延在する可撓性部材と、前記可撓性部材を保持する保持部材と、を備え、前記保持部材は、前記可撓性部材における前記一方の径方向の側を保持面上にて熱カシメにて固定して、前記可撓性部材における前記他方の径方向の側を穴部を挿通させて保持し、前記保持部材の前記保持面が前記回転方向を向くように回転されるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、可撓性部材が回転部材から分離してしまう不具合が軽減される、回転部材、現像剤収納容器、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置、を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。
【
図2】プロセスカートリッジとトナー収納容器とを示す概略図である。
【
図3】(A)画像形成装置を示す斜視図と、(B)開閉カバーが開放された状態の画像形成装置を示す斜視図と、である。
【
図4】トナー収納容器がプロセスカートリッジに装着された状態を示す斜視図である。
【
図5】プロセスカートリッジからトナー収納容器を分離した状態を示す斜視図である。
【
図7】トナー収納容器を下方から示す斜視図であって、第1シャッタ(排出口)が開放された状態を示す図である。
【
図8】トナー収納容器を回収口側から示す斜視図であって、第2シャッタ(回収口)が閉鎖された状態を示す図である。
【
図10】トナー収納容器におけるトナー回収部を示す概略図である。
【
図11】トナー収納容器の要部を示す概略図である。
【
図12】撹拌部材を示す、(A)上面図と、(B)断面図と、である。
【
図14】撹拌部材の回転軸方向端部を示す断面図である。
【
図15】比較例としての、撹拌部材を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0010】
まず、
図1にて、画像形成装置100における全体の構成・動作について説明する。
図1において、100は画像形成装置としてのプリンタ、1は表面にトナー像が形成される感光体ドラム、7はパソコンなどの入力装置から入力された画像情報に基いた露光光Lを感光体ドラム1上に照射する露光部(書込み部)、を示す。
また、9は感光体ドラム1の表面に担持されたトナー像を転写ニップ部(転写位置)に搬送されるシートPに転写する転写ローラ、10は感光体ドラム1と帯電ローラ4と現像装置5とクリーニング装置2と廃トナー搬送部6とが一体化されたプロセスカートリッジ、12は用紙等のシートPが収納された給紙装置(給紙カセット)、を示す。
また、16は感光体ドラム1と転写ローラ9とが当接する転写ニップ部に向けてシートPを搬送するレジストローラ(タイミングローラ)、20はシートP上の未定着画像を定着する定着装置、21は定着装置20に設置された定着ローラ、22は定着装置20に設置された加圧ローラ、30はトナー収納容器、を示す。
【0011】
ここで、感光体ドラム1の周囲には、帯電ローラ4、現像装置5、クリーニング装置2、廃トナー搬送部6、などが配設されている。そして、これらの部材(感光体ドラム1、帯電ローラ4、現像装置5、クリーニング装置2、廃トナー搬送部6、である。)は、プロセスカートリッジ10として一体化されていて、画像形成装置本体100に対して着脱可能(交換可能)に設置されている。プロセスカートリッジ10は、一定の交換サイクルで新品のものに交換されることになる。
また、プロセスカートリッジ10(現像装置5)の上方には、現像剤収納容器としてのトナー収納容器30が、画像形成装置本体100に対して着脱可能(交換可能)に設置されている。トナー収納容器30の内部(トナー収納部31)には、トナー(新品のトナーである。)が収納されている。そして、トナー収納容器30から現像装置5の内部に向けてトナーが適宜に補給されることになる。トナー収納容器30は、その内部に収容されたトナーが空になると(又は、現像装置5の内部に収容されたトナーが空になると)、新品のものに交換されることになる。なお、本実施の形態におけるトナー収納容器30には、新品のトナーが収納されたトナー収納部31の他に、廃トナーが回収される廃トナー回収部32が設けられているが、これについては後で詳しく説明する。
【0012】
図1及び
図2を用いて、画像形成装置100における、通常の画像形成時の動作について説明する。
図1を参照して、まず、パソコン等の入力装置から画像形成装置100の露光部7に画像情報が送信されると、露光部7からその画像情報に基づいた露光光L(レーザ光)が、感光体ドラム1の表面に向けて発せられる。
一方、感光体ドラム1は、矢印方向(時計方向)に回転している。そして、まず、感光体ドラム1の表面は、帯電ローラ4との対向部で、一様に帯電される(帯電工程である。)。こうして、感光体ドラム1上には、帯電電位(-900V程度である。)が形成される。その後、帯電された感光体ドラム1の表面は、露光光Lの照射位置に達する。そして、露光光Lが照射された部分の電位が潜像電位(0~-100V程度である。)となって、感光体ドラム1の表面に静電潜像が形成される(露光工程である。)。
【0013】
その後、静電潜像が形成された感光体ドラム1の表面は、現像装置5との対向位置に達する。そして、現像装置5から感光体ドラム1上にトナーが供給されて、感光体ドラム1上の潜像が現像されてトナー像が形成される(現像工程である。)。
なお、
図2に示すように、現像装置5は、現像ローラ5a、2つの現像搬送スクリュ5b、5c、ドクターブレード5d、などで構成されている。現像装置5の内部にはトナー(1成分現像剤)が収容されている。また、現像装置5のトナーの消費に応じて、トナー収納容器30(トナー収納部31)の排出口36から現像装置5の流入口64を介して現像装置5内にトナーが補給される。そして、補給されたトナーは、現像搬送スクリュ5b、5cによって、もともと収容されていたトナーとともに撹拌されながら、長手方向(
図2の紙面垂直方向である。)に循環搬送される。そして、一方の現像搬送スクリュ5bによって搬送されるトナーの一部が現像ローラ5aに汲み上げられて、現像ローラ5aに汲み上げられたトナーがドクターブレード5dによって適量化された後に、感光体ドラム1との対向位置(現像領域)に達する。このとき、現像ローラ5a上のトナーは、ドクターブレード5dとの摺接によって摩擦帯電することになる。そして、現像領域で、適量化されたトナーが感光体ドラム1上の静電潜像に付着して、感光体ドラム1上にトナー像が形成されることになる。なお、現像ローラ5aと2つの現像搬送スクリュ5b、5cとは、画像形成装置本体100に設置された駆動モータから駆動を受けて、それぞれ
図2の矢印方向に回転駆動される。
【0014】
その後、現像工程後の感光体ドラム1の表面は、転写ローラ9との転写ニップ部(転写位置)に達する。そして、転写ローラ9との転写ニップ部で、電源部から転写ローラ9に転写バイアス(トナーの極性とは異なる極性のバイアスである。)が印可されることによって、レジストローラ16により搬送されたシートP上に、感光体ドラム1上に形成されたトナー像が転写される(転写工程である。)。
【0015】
そして、転写工程後の感光体ドラム1の表面は、クリーニング装置2との対向位置に達する。そして、この位置で、クリーニングブレード2aによって感光体ドラム1上に残存する未転写トナーが機械的に除去されて、クリーニング装置2内に回収される(クリーニング工程である。)。
こうして、感光体ドラム1上における一連の作像プロセスが終了する。
なお、クリーニング装置2の内部に回収された未転写トナーは、クリーニング装置2内に設置された回収スクリュ2bによって幅方向(回転軸方向)の一端側に搬送されて、廃トナー搬送部6(廃トナー搬送コイル6aが内設されている。)によって
図2の斜め右上方に搬送された後に、廃トナー搬送部6の流出口74からトナー収納容器30の回収口37を介してトナー収納容器30(廃トナー回収部32)の内部に廃トナーとして回収される。
新品のトナー収納容器30は、トナー収納部31に新品のトナーが充填されていて、廃トナー回収部32が空の状態になっていることになる。
【0016】
一方、感光体ドラム1と転写ローラ9との転写ニップ部(転写位置)に搬送されるシートPは、次のように動作する。
まず、給紙装置12に収納されたシートPの最上方の1枚が、給紙ローラ15によって、搬送経路に向けて給送される。
その後、シートPは、レジストローラ16の位置に達する。そして、レジストローラ16の位置に達したシートPは、感光体ドラム1上に形成された画像と位置合わせをするためにタイミングを合わせて、転写ニップ部(転写ローラ9と感光体ドラム1との当接位置である。)に向けて搬送される。
【0017】
そして、転写工程後のシートPは、転写ニップ部(転写ローラ9)の位置を通過した後に、搬送経路を経て定着装置20に達する。定着装置20に達したシートPは、定着ローラ21と加圧ローラ22との間に送入されて、定着ローラ21から受ける熱と双方の部材21、22から受ける圧力とによって画像が定着される。画像が定着されたシートPは、定着ローラ21と加圧ローラ22との間(定着ニップ部である。)から送出された後に、画像形成装置本体100から排出されて、排紙トレイ上に載置される。
こうして、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0018】
ここで、本実施の形態における画像形成装置100は、
図3(A)に示すように、複数の外装カバーで覆われている。そして、
図3(B)に示すように、前方の外装カバーの一部が、回動可能に形成された開閉カバー90として構成されている。
詳しくは、開閉カバー90は、支軸90a(回転中心軸)を中心にして回動可能に、画像形成装置本体100に保持されている。そして、開閉カバー90は、支軸90aを中心に
図1の反時計方向に回動することで閉鎖状態(
図1、
図3(A)の状態である。)になったり、支軸90aを中心に
図1の時計方向に回動することで開放状態(
図3(B)の状態である。)になったり、することになる。
【0019】
そして、本実施の形態では、
図3(B)に示すように、開閉カバー90が開放状態であるときに、トナー収納容器30が画像形成装置本体100に対して着脱可能に露呈するように構成されている。そして、開閉カバー90を開放した状態で、トナー収納容器30のみ(
図7の状態のものである。)を新品のものに交換したり、トナー収納容器30とプロセスカートリッジ10とを同時に新品のもの(
図4の状態のものである。)に交換したり、することになる。
また、
図1に示すように、開閉カバー90を閉鎖した状態で、先に
図1を用いて説明した画像形成プロセス(プリント動作)がおこなわれることになる。
【0020】
以下、本実施の形態において特徴的な、トナー収納容器30の構成・動作について詳述する。
図2に示すように、本実施の形態において、トナー収納容器30は、プロセスカートリッジ10に対して着脱可能に設置されるように構成されている。特に、本実施の形態において、トナー収納容器30は、プロセスカートリッジ10が画像形成装置100に対して装着された状態であっても取り外された状態であっても、プロセスカートリッジ10に対して着脱できるように構成されている。
ここで、先に
図3等を用いて説明したように、本実施の形態において、トナー収納容器30は、プロセスカートリッジ10が装着された状態の画像形成装置本体100に対して、着脱可能に設置されている。したがって、トナー収納容器30は、画像形成装置本体100に対して間接的に着脱可能に設置されるものであるとも言える。
なお、本実施の形態では、画像形成装置本体100に対してトナー収納容器30が間接的に着脱可能に設置されるように構成したが、画像形成装置本体100に対してトナー収納容器30が直接的に着脱可能に設置されるように構成することもできる。
また、プロセスカートリッジ10は、画像形成装置本体100に着脱可能な着脱部材であるが、プロセスカートリッジ以外にも、現像装置が着脱部材として機能しても良いし、別の装置が着脱部材として機能しても良い。そして、トナー収納容器30をプロセスカートリッジ以外の着脱部材に対して着脱可能に構成することもできる。
【0021】
さらに補足すると、トナー収納容器30はプロセスカートリッジ10に装着された状態のまま、
図4に示すような1つの着脱ユニット(トナー収納容器30及びプロセスカートリッジ10)として、画像形成装置本体100に対して着脱可能に設置されることになる。また、
図5に示すように、トナー収納容器30を所定方向(
図5の白矢印方向である。)に移動させてプロセスカートリッジ10に装着することもできるし、トナー収納容器30をその逆方向に移動させてプロセスカートリッジ10から取り外すこともできる。トナー収納容器30は、
図7に示すように単独の状態でも、流通することになる。同様に、プロセスカートリッジ10も、
図6に示すように単独の状態でも流通することになる。
プロセスカートリッジ10(又は、画像形成装置本体100)に対してトナー収納容器30を着脱するときには、ユーザーなどの操作者は、トナー収納容器30の操作方向手前側(+X方向である。)に設置された取っ手38(
図2~
図5を参照できる。)を掴んだ状態で、トナー収納容器30を引き出したり押し込んだりすることになる。なお、この取っ手38は、可倒式のものであって、起立した状態(
図4、
図5の状態である。)のままトナー収納容器30が画像形成装置本体100に装着されてしまっても、開閉カバー90が開放状態から閉鎖される動作に連動して、開閉カバー90に押動されてトナー収納容器30の外装部に沿うように収納されることになる。
【0022】
なお、
図5等に示すように、トナー収納容器30には複数の位置決め部49、50とガイド部51(
図7、
図8参照)とが形成されていて、プロセスカートリッジ10にも複数のガイド溝77、79やガイド受部78が形成されていて、それらが嵌合しながらプロセスカートリッジ10に対するトナー収納容器30の着脱や位置決めがおこなわれることになる。
詳しくは、トナー収納容器30の幅方向一端側(+Y方向)に突起状に形成された2つの位置決め部49、50(位置決め突起)が、それぞれ、プロセスカートリッジ10の幅方向一端側に形成されたガイド受部78とガイド溝79とに案内されるとともに、トナー収納容器30の幅方向他端側(-Y方向)に形成されたガイド部51(+X方向に向けて上方に傾斜するように形成された略矩形状の突出部である。)が、プロセスカートリッジ10の幅方向他端側に形成されたガイド溝77に案内されながら、プロセスカートリッジ10におけるトナー収納容器30の装着がおこなわれる。そして、位置決め部49、50がガイド受部78やガイド溝79の終端に嵌合して、ガイド部51がガイド溝77の終端に嵌合する位置で、プロセスカートリッジ10におけるトナー収納容器30の位置が定められることになる。
【0023】
なお、一方の位置決め部49(第1位置決め部)は、トナーを撹拌する第1撹拌部材33A(
図2、
図9等参照)へ画像形成装置からの駆動を入力させるカップリングを囲むように周囲に立設されている突起である。そして、第1撹拌部材33Aに入力された駆動は、アイドラギアを介して第2撹拌部材33Bに入力され、第1、第2撹拌部材33A、33Bはそれぞれ
図9の時計方向に回転することになる。
また、他方の位置決め部50(第2位置決め部)は、廃トナー搬送スクリュ35(
図2、
図9等参照)を回転駆動するためのカップリングギアを囲むように周囲に立設されている突起である。このように、画像形成装置からの駆動を受け入れる入力部を位置決め部49、50の近傍(内部)に設けることで、駆動入力をより確実にすることができる。
【0024】
ここで、トナー収納容器30には、排出口36、回収口37、第1シャッタ40、第2シャッタ41、などが設けられている。
トナー収納容器30の排出口36は、
図2、
図7、
図9等を参照して、トナー収納容器30(トナー収納部31)の内部に収納されたトナーを現像装置5に向けて排出するための開口である。排出口36は、トナー収納容器30がプロセスカートリッジ10にセットされた状態であるとき、現像装置5の流入口64(第2現像搬送スクリュ5cの上方に形成された開口である。)に連通するものである。
トナー収納容器30の回収口37は、
図2、
図8、
図10等を参照して、トナー収納容器30の外部から廃トナー(未転写トナー)を受け入れて回収するための開口である。回収口37は、トナー収納容器30がプロセスカートリッジ10にセットされた状態であるとき、廃トナー搬送部6の流出口74(廃トナー搬送部6の下流側端部の底面に形成された開口であって、
図5、
図6をも参照できる。)に連通するものである。
【0025】
なお、本実施の形態におけるトナー収納容器30は、
図2、
図9、
図10等を参照して、排出口36から排出されるトナーが収容されたトナー収納部31と、回収口37から受け入れた廃トナーが回収される廃トナー回収部32と、が壁部を隔てて仕切られている。
【0026】
また、トナー収納部31には、
図2、
図9の時計方向に回転駆動される搬送部材としての補給スクリュ34や、
図2、
図9の時計方向にそれぞれ回転駆動される2つの回転部材としての撹拌部材33A、33B(アジテータ)、などが設置されている。
搬送部材としての補給スクリュ34は、その駆動タイミングと回転時間とが制御されて、トナー収納部31に収納されたトナーを排出口36から狙いの量だけ排出するためのものである。特に、本実施の形態において、補給スクリュ34は、トナー収納部31(トナー収納容器30)の内部に収納されたトナーを回転軸方向に沿った所定の搬送方向(Y方向である。)に搬送する搬送部材として機能して、Y方向の端部に形成された排出口36に向けてトナーを搬送することになる。
回転部材としての第1、第2撹拌部材33A、33Bは、それぞれ、回転軸33aを中心に所定方向に回転して、トナー収納部31の内部に収納されたトナーが凝集しないように撹拌するものである。
図9に示すように、第1、第2撹拌部材33A、33Bは、回転軸33a(回転中心)を中心に回転する可撓性部材33c(薄板状のマイラーなどで形成されている。)、回転軸33aを跨ぐように配置されて可撓性部材33cを保持する板状の保持部材33b(剛体部)、などで構成されている。第1、第2撹拌部材33A、33Bは、それぞれ、その軸方向両端部がそれぞれ軸受を介してトナー収納容器30の筐体に回転可能に支持されている。なお、第1、第2撹拌部材33A、33B(回転部材)の可撓性部材33cは、その一端側が保持部材33bの保持面33b1に熱カシメによって固定され、その他端側が保持部材33bの穴部33b2に挿通されて保持されているが、これについては後で
図11~
図14等を用いて詳述する。
【0027】
廃トナー回収部32(現像剤回収部)には、
図2の反時計方向に回転駆動される廃トナー搬送スクリュ35などが設置されている。廃トナー搬送スクリュ35は、回収口37から流入された廃トナーがその近傍に堆積することなく廃トナー回収部32の内部に均等に回収されるように、廃トナーを搬送するものである。
【0028】
本実施の形態では、トナー収納容器30がプロセスカートリッジ10(又は、画像形成装置本体100)に装着された状態で、操作者がレバー39を回動することにより、第1シャッタ40(排出口36)の開閉動作と第2シャッタ41(回収口37)の開閉動作とが同じタイミングでおこなわれるとともに、プロセスカートリッジ10の流入口64と流出口74との開閉動作も同じタイミングでおこなわれる。そのため、第1、第2シャッタ40、41、及び、第1、第2開閉シャッタ63、73の開閉不良を抑止することができる。
レバー39は、画像形成装置本体100にトナー収納容器30が装着された状態で、開閉カバー90が開放されると、
図3(B)に示すように外部に露呈するように(操作者が操作できるように)、配置されている。
他方、
図5、
図8等に示すように、トナー収納容器30には、レバー39(及び、第2回動部43)に対して幅方向の反対側に、貫通軸を介して第2回動部43に接続されてレバー39(及び、第2回動部43、貫通軸)とともに回動する第1回動部42が設けられている。
【0029】
以下、本実施の形態におけるトナー収納容器30(現像剤収納容器)において特徴的な、第1、第2撹拌部材33A、33B(回転部材)の構成・動作について詳述する。
先に
図9等を用いて説明したように、本実施の形態におけるトナー収納容器30には、回転軸33aを中心に所定の回転方向(
図9の時計方向である。)に回転する回転部材としての第1、第2撹拌部材33A、33Bが設置されている。第1、第2撹拌部材33A、33B(回転部材)は、トナー収納部31内のトナーを撹拌するとともに、トナー収納部31の内壁面にトナーが付着するのを防止するための部材である。
回転部材としての第1、第2撹拌部材33A、33Bは、
図11、
図12等に示すように、回転軸33a、保持部材33b、可撓性部材33c、等で構成されている。
なお、2つの撹拌部材33A、33Bは、全体的な大きさや、設置位置や、先端部の櫛歯状の歯の数などが異なるものの、いずれも、回転軸33a、保持部材33b、可撓性部材33cなどからなり、その大まかな構造はほぼ同じであるため、いずれか一方の説明を適宜省略することとする。
【0030】
回転軸33aは、トナー収納容器30(トナー収納部31)の幅方向両端にそれぞれ位置する側壁に、軸受を介して回転可能に保持されている。本実施の形態において、回転軸33aは保持部材33bと一体的に樹脂成型されている(
図13参照)。
可撓性部材33cは、回転軸33aを跨いで一方の径方向と他方の径方向とにそれぞれ延在していて、トナー収納容器30(トナー収納部31)の内壁面に摺接可能な部材である。換言すると、可撓性部材33cは、回転軸33aを挟んで、回転方向に180度ずれた2方向にそれぞれ伸びるように形成されている。本実施の形態では、可撓性部材33cとして、厚さが0.05~0.1mm程度のPET(ポリエチレンテレフタレート)などからなるシート状部材を用いている。
保持部材33bは、樹脂材料で形成されて剛性を有する略板状の部材であって、可撓性部材33cを保持する部材である。保持部材33bは、径方向(回転軸33aを中心にした径方向である。)に延在するように形成されていて、可撓性部材33cの中心部(回転軸33aを中心にした中央部である。)を保持するものである。
【0031】
ここで、
図12を参照して、本実施の形態における撹拌部材33A、33B(回転部材)において、保持部材33bは、可撓性部材33cにおける一方の径方向の側(一端側可撓性部材33c1である。)を保持面33b1上にて熱カシメにて固定して、可撓性部材33cにおける他方の径方向の側(他端側可撓性部材33c2である。)を穴部33b2を挿通させて保持している。
そして、撹拌部材33A、33B(回転部材)は、保持部材33bの保持面33b1が回転方向(回転方向の下流側である。)を向くように回転される。すなわち、撹拌部材33A、33Bは、
図11、
図12(B)の時計方向に回転する。
【0032】
詳しくは、保持部材33bは、可撓性部材33cが回転軸33aを跨いで一方の径方向の側(一端側可撓性部材33c1)と他方の径方向の側(他端側可撓性部材33c2)とがそれぞれ片持ち支持されるように、可撓性部材33cを保持している。
また、保持部材33bは、回転軸33aを挟んで、一方の径方向の側に保持面33b1が形成されて、他方の径方向の側に穴部33b2が形成されている。
【0033】
保持面33b1は、回転中心(
図12(A)にて一点鎖線で示している。)から一方の径方向の側に向けて、径方向に延在する平面である。そして、この保持面33b1上において、回転軸方向に間隔をあけて、熱カシメによる複数のカシメ部X(本実施に形態では、4つのカシメ部Xである。)が形成されて、一端側可撓性部材33c1が保持されることになる。
さらに具体的に、保持部材33bは、可撓性部材33cにおける一方の径方向の側(一端側可撓性部材33c1)において回転軸方向に間隔をあけて形成された複数の貫通穴33c5(
図13参照)にそれぞれ嵌合された保持面33b1上の複数のボス部33b5(
図13参照)を熱溶融して、カシメ部Xを形成して、可撓性部材33cの一方の径方向の側(一端側可撓性部材33c1)を保持面33b1に固定したものである。
【0034】
また、
図12(B)を参照して、保持部材33bの穴部33b2は、保持面33b1に対して略直交する方向に開口して、その略直交する方向に対向する2つの内面のうち一方の内面33b20が保持面33b1に繋がる平面となっている。
すなわち、穴部33b2は、保持面33b1に繋がる第1の内面33b20と、その第1の内面33b20に隙間をあけて対向する第2の内面と、の間に他端側可撓性部材33c2を挟み込んで保持する。この第1の内面33b20と第2の内面との隙間(開口高さ)は、可撓性部材33c(他端側可撓性部材33c2)の厚さに対して、同等以上、好ましくは僅かに大きい程度に設定されている。
【0035】
このように構成された撹拌部材33A、33Bは、次のように製造される。
まず、
図13(A)に示すように、可撓性部材33cを矢印方向に移動させて、他端側可撓性部材33c2を保持部材33bの穴部33b2に挿入する。そして、
図13(B)に示すように、一端側可撓性部材33c1の貫通穴33c5を保持部材33bのボス部33b5に嵌合させる。その後、貫通穴33c5に嵌合したボス部33b5に対して、熱カシメ処理を施してカシメ部Xを形成する。
こうして、可撓性部材33c(一端側可撓性部材33c1、他端側可撓性部材33c2)が保持部材33b(保持面33b1、穴部33b2)に保持されて、撹拌部材33A、33Bの製造が完了する。
【0036】
このように、本実施の形態における撹拌部材33A、33Bは、可撓性部材33cにおける一端側(一端側可撓性部材33c1)が保持面33b1上にて熱カシメにて固定されて、可撓性部材33cにおける他端側(他端側可撓性部材33c2)が穴部33b2を通して保持されており、保持面33b1が回転方向上流側ではなくて回転方向下流側を向くように回転している。そのため、熱カシメされた部分(カシメ部X)に大きな力(撹拌するトナーから受ける
図11に示す黒矢印方向の力である。)がかかっても剥がれにくく、可撓性部材33cが撹拌部材33A、33Bから分離してしまう不具合が生じにくくなる。
【0037】
詳しくは、比較例として
図15(A)に示す撹拌部材133のように、可撓性部材33cにおける一端側(一端側可撓性部材33c1)を保持部材133bの保持面133b1上にて熱カシメにて固定して、可撓性部材33cにおける他端側(他端側可撓性部材33c2)も保持面133b1上にて熱カシメにて固定した場合、保持部材133bの構成がシンプルになって低コスト化が期待できる。しかし、
図15(A)に示す撹拌部材133は、他端側可撓性部材33c2のカシメ部Xにトナー撹拌による大きな力がかかったときに、その力は保持面133b1からカシメ部Xを剥がす方向の力になるため、可撓性部材33cが撹拌部材133から分離しやすくなる。そして、可撓性部材33cが撹拌部材133から分離してしまったときには、撹拌部材として機能しなくなってしまう。
これに対して、本実施の形態における撹拌部材33A、33Bは、カシメ部Xが一端側(一端側可撓性部材33c1の側)のみに形成されていて、他端側(他端側可撓性部材33c2の側)には形成されておらず、他端側(他端側可撓性部材33c2の側)が穴部33b2に挟まれるように保持されているため、そのような不具合が生じにくくなる。すなわち、一端側のカシメ部Xは、トナー撹拌による大きな力がかかっても、その力は保持面33b1にカシメ部Xを押し付ける方向の力になるため、カシメ部Xが剥がれて破損することはない。また、他端側可撓性部材33c2は、穴部33b2に挟まれるように保持されているため、穴部33b2にトナー撹拌による大きな力がかかっても、他端側可撓性部材33c2が剥がれるようなことはない。
【0038】
また、比較例として
図15(B)に示す撹拌部材233のように、可撓性部材33cにおける一端側(一端側可撓性部材33c1)を保持部材233bにおける第1の保持面233b1上にて熱カシメにて固定して、可撓性部材33cにおける他端側(他端側可撓性部材33c2)を第2の保持面233b2(第1の保持面233b1と同様に、回転方向下流側を向くように形成されている。)上にて熱カシメにて固定した場合、一端側のカシメ部Xも、他端側のカシメ部Xも、トナー撹拌による大きな力がかかっても、その力は保持面233b1、233b2にカシメ部Xを押し付ける方向の力になるため、カシメ部Xが剥がれて破損することはない。しかし、その場合、保持部材233bの構成が複雑になってしまい、撹拌部材233が高コスト化してしまう。
これに対して、本実施の形態における撹拌部材33A、33Bは、カシメ部Xが保持部材33bの一端側(一端側可撓性部材33c1の側)のみに形成されていて、保持部材33bの他端側(他端側可撓性部材33c2の側)は穴部33b2が形成されているので、比較的低コストのものとなっている。
【0039】
ここで、
図12(A)に示すように、可撓性部材33cは、一方の径方向の側(一端側可撓性部材33c1)が、他方の径方向の側(他端側可撓性部材33c2)に比べて、回転軸方向端部の側(
図12(A)の左方側である。)に突出している。
これは、保持部材33bの他端側は穴部33b2が形成されていて、その穴部33b2を挿通させる他端側可撓性部材33c2の端部を、穴部33b2よりも回転軸方向端部側(
図12(A)の左方)に突出させにくいためである。これに対して、保持部材33bの一端側は保持面33b1上に一端側可撓性部材33c1を載せて熱カシメするだけなので、そのような回転軸方向の大きさに対する制約がない。したがって、一端側可撓性部材33c1を回転軸方向端部に突出させて、回転軸方向端部におけるトナー撹拌不良を軽減している。
【0040】
また、
図12(A)に示すように、本実施の形態では、保持部材33bの穴部33b2、33b3が、回転軸方向に間隔をあけて複数形成されている。これは、本実施の形態において、他端側可撓性部材33c2が回転軸方向に間隔をあけて分割して複数形成されているためである。具体的に、3つに分割された他端側可撓性部材33c2が、3つの穴部33b2、33b3にそれぞれ挿通されて保持されている。
そして、本実施の形態では、
図12(A)、
図14を参照して、複数の穴部33b2、33b3のうち回転軸方向端部の穴部(
図12(A)の最右方の穴部33b3である。)は、回転軸方向端部に切込み33b30(
図14参照)が形成されている。
このように穴部33b3に切込み33b30を形成することで、その穴部33b3に挿通される他端側可撓性部材33c2の端部を、穴部33b3よりも回転軸方向端部側(
図12(A)の右方)に突出させることができる。したがって、一端側可撓性部材33c1を回転軸方向端部に突出させることができないような場合であっても、他端側可撓性部材33c2を回転軸方向端部に突出させて、回転軸方向端部におけるトナー撹拌不良を軽減することができる。
【0041】
ここで、
図12に示すように、第1、第2撹拌部材33A、33Bの可撓性部材33cは、保持部材33bから離れた径方向の位置を起点とした切込みが回転軸方向に間隔をあけて複数形成されている。
このように、可撓性部材33cに、径方向の切込みを形成することにより、切込みを形成しない場合に比べて、可撓性部材33cがトナー収納容器30の内周面に衝突するときや抜けるときなどに生じる音の大きさを小さくすることができる。
【0042】
また、本実施の形態において、可撓性部材33cは、切込みを挟んで並設された一群の櫛歯状先端部が、回転軸方向に間隔をあけて複数形成されている。また、1つの径方向において隣接する櫛歯状先端部と櫛歯状先端部との回転軸方向の隙間には、もう一方の径方向において櫛歯状先端部が存在するように、櫛歯状先端部が
図12(A)の回転軸方向に沿って回転軸33aを挟んで上下に交互に形成されている。
このように複数の櫛歯状先端部を異なる径方向に交互に設けることで、複数の櫛歯状先端部をすべて同じ径方向に設ける場合に比べて、第1、第2撹拌部材33A、33Bが1回転する間にかかる負荷変動を小さくすることができる。
【0043】
以上説明したように、本実施の形態における回転部材としての撹拌部材33A、33Bは、回転軸33aを跨いで一方の径方向と他方の径方向とにそれぞれ延在する可撓性部材33cと、可撓性部材33cを保持する保持部材33bと、が設けられている。また、保持部材33bは、可撓性部材33cにおける一方の径方向の側を保持面33b1上にて熱カシメにて固定して、可撓性部材33cにおける他方の径方向の側を穴部33b2を挿通させて保持している。そして、保持部材33bの保持面33b1が回転方向を向くように回転されている。
これにより、可撓性部材33cが撹拌部材33A、33B(回転部材)から分離してしまう不具合を軽減することができる。
【0044】
なお、本実施の形態においては、感光体ドラム1(像担持体)と帯電ローラ4(帯電装置)と現像装置5とクリーニング装置2と廃トナー搬送部6とが一体化されたプロセスカートリッジ10として構成されている場合に対して、本発明を適用した。しかし、本発明の適用はこれに限定されることなく、これらの装置1、2、4~6が、それぞれ単体で画像形成装置本体100に対して着脱されるユニットして構成されている場合であっても、当然に本発明を適用することができる。
そして、そのような場合にも、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
なお、本願において、「プロセスカートリッジ」とは、像担持体を帯電する帯電装置と、像担持体上に形成された潜像を現像する現像装置と、像担持体上をクリーニングするクリーニング装置と、のうち、少なくとも1つと、像担持体とが、一体化されて、画像形成装置本体に対して着脱可能に設置される着脱部材(着脱ユニット)と定義する。
【0045】
また、本実施の形態では、モノクロの画像形成装置100に設置されるトナー収納容器30(現像剤収納容器)に対して本発明を適用したが、カラーの画像形成装置に設置されるトナー収納容器(現像剤収納容器)に対しても、当然に本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、プロセスカートリッジ10を介して画像形成装置本体100に間接的に着脱可能に設置されるトナー収納容器30(現像剤収納容器)に対して本発明を適用したが、プロセスカートリッジを介することなく画像形成装置本体に直接的に着脱可能に設置されるトナー収納容器(現像剤収納容器)に対しても、本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、トナー(1成分現像剤)が収容された1成分現像方式の現像装置5にトナーを補給するトナー収納容器30(現像剤収納容器)に対して本発明を適用したが、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤が収容された2成分現像方式の現像装置にトナーを補給するトナー収納容器(現像剤収納容器)に対しても、本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、トナーが収容されたり回収されたりするトナー収納容器30(現像剤収納容器)に対して本発明を適用したが、トナーとともにキャリア(トナーとキャリアとが混合された2成分現像剤である。)が収容されたり回収されたりする現像剤収納容器に対しても、本発明を適用することができる。その場合、現像装置は2成分現像方式のものとなる。
また、本実施の形態では、トナー収納部31と廃トナー回収部32とが一体化されたトナー収納容器30(現像剤収納容器)に対して本発明を適用したが、トナー収納部のみからなるトナー収納容器(現像剤収納容器)に対しても、当然に本発明を適用することができる。
そして、それらの場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
【0046】
また、本実施の形態では、本発明が適用された撹拌部材33A、33B(回転部材)を、現像装置5に向けてトナーを補給するためのトナー収納容器30(トナー収納部31)に設置したが、本発明の適用はこれに限定されることなく、トナーが収容されて像担持体に形成された潜像を現像してトナー像を形成する現像装置(例えば、本実施の形態における現像装置5である。)に本発明の回転部材(撹拌部材)を設置することもできる。さらには、画像形成装置に設置されたその他の装置(例えば、本実施の形態におけるクリーニング装置2や廃トナー回収部32などである。)に対して本発明の回転部材(撹拌部材)を設置することもできる。
また、本実施の形態では、回転部材としての撹拌部材33A、33Bに対して本発明を適用したが、撹拌部材として機能させることを目的としない回転部材に対しても本発明を適用することができる。
そして、それらの場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
【0047】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【符号の説明】
【0048】
1 感光体ドラム(像担持体)、
5 現像装置、
10 プロセスカートリッジ、
30 トナー収納容器(現像剤収納容器)、
31 トナー収納部(現像剤収納部)、
32 廃トナー回収部(現像剤回収部)、
33A 第1撹拌部材(回転部材)、
33B 第2撹拌部材(回転部材)、
33a 回転軸、
33b 保持部材、
33b1 保持面、
33b2 穴部、
33b3 穴部、
33b5 ボス部、
33b30 切込み、
33c 可撓性部材、
33c1 一端側可撓性部材、
33c2 他端側可撓性部材、
33c5 貫通穴、
100 画像形成装置、
X カシメ部。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0049】