(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】低誘電基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 1/03 20060101AFI20240704BHJP
B32B 15/20 20060101ALI20240704BHJP
B32B 15/082 20060101ALI20240704BHJP
B32B 15/08 20060101ALI20240704BHJP
B32B 7/025 20190101ALI20240704BHJP
H05K 3/00 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
H05K1/03 610H
B32B15/20
B32B15/082 B
B32B15/08 N
B32B7/025
H05K3/00 Z
(21)【出願番号】P 2021148083
(22)【出願日】2021-09-10
【審査請求日】2023-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000002060
【氏名又は名称】信越化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【氏名又は名称】小林 俊弘
(74)【代理人】
【識別番号】100215142
【氏名又は名称】大塚 徹
(72)【発明者】
【氏名】兼子 達朗
(72)【発明者】
【氏名】迫田 晃祐
【審査官】内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-120122(JP,A)
【文献】特開平9-199740(JP,A)
【文献】特開平11-102905(JP,A)
【文献】特開2007-67392(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/03
H05K 3/00
B32B 1/00 - 43/00
H01L 23/12 - 23/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フッ素基含有樹脂シートと金属箔と2層以上のプライマー層とを有する低誘電基板であって、前記フッ素基含有樹脂シートと前記金属箔が前記2層以上のプライマー層によって接着され、前記フッ素基含有樹脂シートの少なくとも片面が改質されており、前記フッ素基含有樹脂シートの改質された面に隣接する側の前記プライマー層がポリシラザンからなる層であることを特徴とする低誘電基板。
【請求項2】
前記プライマー層のうち、前記ポリシラザンからなる層以外の少なくとも1層が硬化性ビスマレイミド樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の低誘電基板。
【請求項3】
前記プライマー層がポリシラザンと硬化性ビスマレイミド樹脂の2層であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の低誘電基板。
【請求項4】
前記金属箔が銅箔であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の低誘電基板。
【請求項5】
前記フッ素基含有樹脂シートの少なくとも片面がアミノ基により修飾されたものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の低誘電基板。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の低誘電基板の製造方法であって、前記フッ素基含有樹脂シートの少なくとも片面の改質は、アンモニア雰囲気中でエキシマ光を照射することにより表面が改質されており、前記表面が改質されたフッ素基含有樹脂シートを用いて前記低誘電基板を製造することを特徴とする低誘電基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低誘電基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、通信の高速化に伴い高周波を使用する通信システムの開発が世界的に急務となっている。2021年現在においては5Gと呼ばれる通信技術において従来よりも高周波帯であるミリ波を使用する検討が進んでおり、それに伴う通信基板やアンテナ基板などのデバイス側でより伝送損失が少ない基板が強く求められている。
【0003】
従来から用いられてきた3.5GHz未満の周波数からミリ波(周波数28~300GHz)などの高周波になる程に基板の誘電正接が伝送損失に大きく影響するため、少しでも誘電正接が小さい高周波用基板を作製する技術が必要とされており、低誘電正接の基板材質としてはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が好ましいとされている。しかし、PTFEはフッ素基に起因する表面張力の低さや結合基が存在しないことなどから難接着材料であり、そのままではプリント基板に用いる銅張積層板を作製することは困難である。
【0004】
そこで、PTFEの表面を改質して銅を接着させる技術がこれまでに開発されている。例えば、ヒドラジン類雰囲気中でPTFE表面にエキシマレーザーを照射することでPTFE表面にアミノ基を修飾し、銅との接着を上げる方法が提案されている(特許文献1)。また、アンモニアをグロー放電でプラズマ化しPTFE表面にアミノ基を修飾する方法も提案されている(特許文献2)。さらに、これら手法によって改質したPTFE表面に銅メッキを施す方法も提案されている(特許文献3)。
【0005】
しかしながら、銅メッキは厚膜化が難しく薄膜では強度が十分ではないため実用的な使用を考えた場合に銅メッキの剥離の問題が発生する。そこで銅メッキよりも強度が強い銅箔を使用する検討がなされている。銅箔は任意の厚みを指定できるため強度や性能のバランスを調整しやすく、一般的にはメッキに比べて少ない工数で張り付けられるため量産性を考えた場合もメッキより好ましい。通常、銅箔とPTFEを接着する場合は銅箔表面を疎化させて表面積を増やし、PTFEの融点付近の温度で熱圧着させる。この手法により熱で流動性を持ったPTFE樹脂が疎化された銅箔表面の凹凸に入り込むためアンカー効果による接着強度が期待できる。
【0006】
しかし、この手法ではPTFEの融点である327℃以上の高温で真空プレスする必要があるため製造コストが増大するだけでなく、連続生産が難しく量産性も乏しい。そのため、上記のような方法でPTFE表面を事前にアミノ基で修飾する手法はPTFEと銅箔の熱圧着後の接着強度を向上することが可能になるがコストや量産性は更に低下する。また、PTFEに流動性を持たせるために高温で加熱すると事前に修飾したアミノ基がPTFE樹脂の流動により樹脂内部に埋もれてしまうため銅箔との接着強度が十分に改善しない問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開平06-256548号公報
【文献】特開2005-343949号公報
【文献】特開2018-123261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上のコストや量産性の観点から金属箔とフッ素基含有樹脂シートを低温で接着させる技術が求められている。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、金属箔とフッ素基含有樹脂シートを低温で接着させる低誘電基板およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明では、フッ素基含有樹脂シートと金属箔と2層以上のプライマー層とを有する低誘電基板であって、前記フッ素基含有樹脂シートと前記金属箔が前記2層以上のプライマー層によって接着され、前記フッ素基含有樹脂シートの少なくとも片面が改質されており、前記フッ素基含有樹脂シートの改質された面に隣接する側の前記プライマー層がポリシラザンからなる層である低誘電基板を提供する。
【0011】
このような低誘電基板であれば、金属箔とフッ素基含有樹脂シートを低温で接着させた低誘電基板とすることができる。
【0012】
また、本発明では、前記プライマー層のうち、前記ポリシラザンからなる層以外の少なくとも1層が硬化性ビスマレイミド樹脂であることが好ましい。
【0013】
このようなプライマー層であれば、プライマー層も低誘電特性を示すため好ましい。
【0014】
また、本発明では、前記プライマー層がポリシラザンと硬化性ビスマレイミド樹脂の2層であることが好ましい。
【0015】
このようなプライマー層であれば、本発明の効果をより向上させることができる。
【0016】
また、本発明では、前記金属箔が銅箔であることが好ましい。
【0017】
このような金属箔であれば、電気的、経済的に好ましい。
【0018】
また、本発明では、前記フッ素基含有樹脂シートの少なくとも片面がアミノ基により修飾されたものであることが好ましい。
【0019】
このようなフッ素基含有樹脂シートであれば、接着力が優れるため好ましい。
【0020】
また、本発明では、上記に記載の低誘電基板の製造方法であって、前記フッ素基含有樹脂シートの少なくとも片面の改質は、アンモニア雰囲気中でエキシマ光を照射することにより表面が改質されており、前記表面が改質されたフッ素基含有樹脂シートを用いて前記低誘電基板を製造する低誘電基板の製造方法を提供する。
【0021】
このような低誘電基板の製造方法であれば、コストや量産性に優れる。
【発明の効果】
【0022】
上記のように、本発明の低誘電基板は少なくとも片面が改質されたフッ素基含有樹脂シートと2層以上のプライマー層と金属箔から構成されることを特徴とし、従来よりも低温で難接着性のフッ素基含有樹脂シートと金属箔を接着し、5G通信等の高速通信用低誘電基板を作製することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の低誘電基板の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
上述のように、金属箔とフッ素基含有樹脂シートを低温で接着させた低誘電基板およびその製造方法の開発が求められていた。
【0025】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、少なくとも片面が改質されたフッ素基含有樹脂シートと2層以上のプライマー層と金属箔から構成される低誘電基板であって、改質された面側のプライマー層をポリシラザンからなるものとすれば、従来よりも低温でフッ素基含有樹脂シートと金属箔を接着し、低誘電基板を作製できることを見出し、本発明を完成させた。
【0026】
即ち、本発明は、フッ素基含有樹脂シートと金属箔と2層以上のプライマー層とを有する低誘電基板であって、前記フッ素基含有樹脂シートと前記金属箔が前記2層以上のプライマー層によって接着され、前記フッ素基含有樹脂シートの少なくとも片面が改質されており、前記フッ素基含有樹脂シートの改質された面に隣接する側の前記プライマー層がポリシラザンからなる層である低誘電基板である。
【0027】
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0028】
[低誘電基板]
上述のように本発明の低誘電基板は、フッ素基含有樹脂シートと金属箔と2層以上のプライマー層とを有する低誘電基板であって、前記フッ素基含有樹脂シートと前記金属箔が前記2層以上のプライマー層によって接着され、前記フッ素基含有樹脂シートの少なくとも片面が改質されており、前記フッ素基含有樹脂シートの改質された面に隣接する側の前記プライマー層がポリシラザンからなる層である低誘電基板である。
【0029】
[フッ素基含有樹脂シート]
本発明におけるフッ素基含有樹脂シートは少なくとも片面が改質されており、フッ素基が結合した有機樹脂もしくはシリコーン樹脂であれば特に限定されない。フッ素基含有有機樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニル、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体、及びエチレン・四フッ化エチレン共重合体などが挙げられる。また、フッ素基含有シリコーン樹脂としては、例えば、メチルシリコーン、フェニルシリコーン、メチルフェニルシリコーンなどの一部をフッ素基やフッ化アルキル基で変性させたものが挙げられる。
【0030】
フッ素基含有樹脂シートは樹脂単独からなるシートでもよいが、フッ素基含有樹脂シート中に補強材などの添加剤を含んでいてもよい。補強材は、フッ素基含有樹脂基板の引張強さなどの機械的強度を向上させるとともに低誘電特性に優れるものであれば、その材質、形状などは特に限定されないが、その誘電特性と強度のバランスを考慮すると、酸化ケイ素系補強材が好ましい。例えば、ミリ波(28~300GHz)やマイクロ波(3~30GHz)といった高周波でも低誘電正接の特性を持つ石英ガラスクロスやシリカ粉体を含んでもよい。また、フッ素基含有樹脂シートは樹脂を2種類以上混合もしくは共重合させたものでも良い。フッ素基含有樹脂シートは誘電特性の点からPTFEが最も好ましい。
【0031】
フッ素基含有樹脂シートの表面改質方法については、フッ素基の一部もしくは全てを改質する方法であれば特に制限はなく、少なくとも片面がアミノ基により修飾(改質)されたものが好ましい。フッ素基は強熱やエネルギー線により分解させることができるため、例えば分解時の雰囲気中にアミン化合物があると表面がアミノ基に置換される。例えば、アンモニアガス雰囲気下でPTFE表面にXeエキシマ光を照射するとPTFE樹脂表面のフッ素基がアミノ基に置換される。Xeエキシマ光の照射量を変えることで表面の改質量を任意に変えることができる。本発明ではフッ素基含有樹脂シートの少なくとも片面を改質させることが必須であり、その方法としては、例えば上記のような手法が挙げられる。また、高速通信基板として使用する場合は銅張積層板を積層させるため両面をアミノ基で修飾させることがさらに好ましい。
【0032】
[プライマー層]
本発明におけるプライマー層は、金属箔と表面改質されたフッ素基含有樹脂シートを接着するものであり、基板の誘電特性を著しく悪化させないものであれば特に制限はない。PTFEの融点(327℃)以下の低温で硬化するものであれば好ましい。プライマー層としては、例えば2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどのアルコキシシランなどの有機シラン化合物があげられる。
【0033】
プライマー層のうち、改質されたフッ素基含有樹脂シートの面に隣接する側のプライマー層はポリシラザンからなる層とされる。ポリシラザンとしては、下記式(1)で表されるポリシラザンが好適に使用できる。
【化1】
【0034】
式中、R1およびR2はそれぞれ水素原子、炭素数1~6の脂肪族炭化水素基、炭素数6~12の芳香族炭化水素基、及び炭素数1~6のアルコキシ基から選ばれる基であり、同一であっても異なっていてもよい。ただし、R1またはR2のうち少なくとも1つは珪素原子に結合した水素原子である。nは10≦n≦2500である。
【0035】
具体的には、ペルヒドロポリシラザン、メチルヒドロポリシラザン、エチルヒドロポリシラザン、フェニルヒドロポリシラザン、ビニルヒドロポリシラザン、メチルビニルポリシラザン、モノメチルポリシラザン、モノフェニルポリシラザンなどの硬化性ポリシラザンが挙げられる。中でも、ポリシラザンは硬化後の膜強度や誘電特性の観点から水素原子含有量が多いことが好ましく、ペルヒドロポリシラザンが最も好ましい。
【0036】
なお、ポリシラザンは重量平均分子量が1,000~10,000の範囲内であることが作業性の観点から好ましい。ポリシラザンの重量平均分子量の測定はGPC装置を用いて下記の方法で行った。
[測定条件]
展開溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
流量:0.6mL/min
検出器:UV検出器
カラム:TSK Guardcolumn SuperH-L
TSKgel SuperMultipore HZ-M
(4.6mmI.D.×15cm×4)
(いずれも東ソー社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:20μL(濃度0.5重量%のTHF溶液)
【0037】
さらに、プライマー層としては、下記式(2)で表される硬化性ビスマレイミド樹脂も好適に使用できる。
【化2】
【0038】
式中、Aは炭素数1~100の脂肪族炭化水素、炭素数6~12の芳香族炭化水素、炭素数1~12の脂肪族炭化水素基を持つシリコーン、炭素数6~12の芳香族炭化水素基を持つシリコーン、エーテル基、アミノ基などから選ばれる構造であり、単一もしくは複数種を組み合わせた構造であってもよい。nは1≦n≦100である。
【0039】
また、硬化性ビスマレイミド樹脂の重量平均分子量としては特に制限はないが、好ましくは500~50,000、より好ましくは700~30,000、更に好ましくは1,000~20,000である。この範囲であれば、硬化性ビスマレイミド樹脂の粘度が高くなり過ぎず、さらに該硬化性ビスマレイミド樹脂の硬化物が高い強度を有する。硬化性ビスマレイミド樹脂の重量平均分子量の測定はGPC装置を用いて下記の方法で行った。
[測定条件]
展開溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
流量:0.35mL/min
検出器:RI検出器
カラム:TSK-GEL SuperHZタイプ
SuperHZ4000(4.6mmI.D.×15cm×1)
SuperHZ3000(4.6mmI.D.×15cm×1)
SuperHZ2000(4.6mmI.D.×15cm×1)
(いずれも東ソー社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:5μL(濃度0.1重量%のTHF溶液)
【0040】
具体的には、4,4’-ジフェニルメタンビスマレイミド、m-フェニレンビスマレイミド、ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド、4-メチル-1,3-フェニレンビスマレイミドなどの硬化性ビスマレイミド樹脂などが挙げられる。硬化性ビスマレイミド樹脂としては、ジアミンと酸無水物とから常法によって合成してもよいし、市販品を用いてもよい。市販品としては、BMI-1400、BMI-1500、BMI-2500、BMI-2560、BMI-3000、BMI-5000、BMI-6000、BMI-6100(以上、Designer Molecules Inc.製)等を挙げることができる。
【0041】
また、ポリシラザンや硬化性ビスマレイミド樹脂は2種類以上を混合、もしくは共重合させても良く、基板の誘電特性に応じて硬化促進剤や接着助剤などの各種添加剤を任意の割合で添加しても良い。また、作業性の観点から希釈溶剤で任意の濃度に希釈して塗布した後に溶剤を乾燥させても良い。
【0042】
これらプライマー層はフッ素基含有樹脂シートと金属箔の接着強度を最大限高めるために2層以上組み合わせる必要があり、フッ素基含有樹脂シートの改質された面に隣接する側の前記プライマー層がポリシラザンからなるプライマー層である必要がある。また、低誘電基板として使用するにあたりプライマー層もできる限り低誘電特性を示すことが望ましいため、硬化時後にシリカガラスに近い組成となるポリシラザンや低誘電樹脂として知られる硬化性ビスマレイミド樹脂であることが好ましく、前記プライマー層のうち、前記ポリシラザンからなる層以外の少なくとも1層が硬化性ビスマレイミド樹脂であることが好ましい。また、フッ素基含有樹脂シートと金属箔の接着強度の面から前記プライマー層がポリシラザンと硬化性ビスマレイミド樹脂の2層であること、即ち表面改質フッ素基含有樹脂シート側にポリシラザン層、金属箔側に硬化性ビスマレイミド樹脂層の2層にすることがさらに好ましい。プライマー層全体の厚みは接着強度と誘電特性の観点から0.01~50μmの範囲内であることが好ましい。さらに0.1~10μmの範囲内であることがより好ましい。
【0043】
[金属箔]
金属箔としては表面が著しく汚染もしくは酸化等によって電気伝導性が低下していなければ特に限定されない。例としては銅、ニッケル、スズ、金、銀、これらの合金などの箔が挙げられるが、電気的、経済的に銅箔が好ましい。また、金属箔の厚みは取り扱いが容易なことから0.02~0.20mmの範囲内が好ましい。本発明ではフッ素基含有樹脂シートと金属箔は従来のアンカー効果による物理的な接着とは異なり、化学結合による化学的な接着によるものであるため金属箔表面は必ずしも疎化しなくてもよい。
【0044】
[低誘電基板の製造方法]
本発明の低誘電基板の製造方法については特に制限されない。例えば、フッ素基含有樹脂シートの少なくとも片面の改質は、アンモニア雰囲気中でエキシマ光を照射することにより表面が改質されており、前記表面が改質されたフッ素基含有樹脂シートを用いて前記低誘電基板を製造することができる。具体的な低誘電基板の製造方法の例を下記に示す。また、本発明における低誘電基板10の断面図の例を
図1に示す。
【0045】
まず、上記の方法などにより改質処理されたフッ素基含有樹脂シート1の改質された面側にポリシラザンをジブチルエーテルで希釈したポリシラザン溶液を塗布し、溶剤を100℃以下の低温で約15分乾燥させる。その後、硬化処理として窒素雰囲気中でXeエキシマ光を照射し、ポリシラザン塗膜を硬化させる(第一プライマー層2)。次に、ポリシラザン硬化被膜の上に硬化性ビスマレイミド樹脂を塗布し(第二プライマー層3)、硬化させる前に金属箔4(銅箔)を張り合わせ、120℃、0.3MPaで5分間熱圧着させる。
【0046】
[溶剤の乾燥方法]
ポリシラザンおよび硬化性ビスマレイミド樹脂などのプライマー層は塗布時に作業性の観点から溶剤を含む場合がある。溶剤は層中に残ると後工程や基板の使用時に発生する熱により気化し、ボイドなどの原因となるため塗布後は速やかに除去することが望ましい。
【0047】
溶剤の除去方法は、プライマー層が硬化する前に塗膜内から溶剤がなくなれば特に制限はなく、溶剤の沸点付近で加熱することで蒸発させる方法が一般的である。加熱温度は使用される溶剤によって異なるが、溶剤の沸点や蒸気圧、プライマー成分の硬化温度などの兼ね合いから最適な値を選択するのが好ましい。また、フッ素基含有樹脂シートの改質面は加熱によりフッ素基含有樹脂の流動が起こるため樹脂の融点付近の高温にしてしまうと改質した修飾基が基板中に埋もれて改質の効果がなくなってしまうので注意が必要である。そのためフッ素基含有樹脂シートの改質面にポリシラザンを塗布する際は乾燥および硬化温度はできる限り低いことが好ましい。フッ素基含有樹脂の流動は温度が高い程起こりやすく、融点や軟化点付近では急激の流動性が高まるためポリシラザンとフッ素基含有樹脂シート改質面の修飾基とが結合するまでは融点および軟化点以下に保たなければならない。
【0048】
[ポリシラザンの硬化]
上記の理由のため、本発明においてポリシラザンの硬化はできる限り低温で行うことが好ましい。ポリシラザンの種類にもよるが、Si-H基の反応には通常400℃程度の加熱が必要であり、一般的には脱水素反応を促進する硬化促進触媒を加えることで150℃以下の低温で硬化させることも可能である。この時、硬化が不十分であるとフッ素基含有樹脂シートとの密着強度がでないだけでなく、ポリシラザン中の未硬化部分が経時で反応しボイドが発生する可能性もあるため十分硬化させる必要がある。150℃以下の低温でも十分硬化する触媒として白金、パラジウムなどの白金族触媒やエチレンジアミン等のアミン化合物が挙げられ、これらを添加した場合は150℃以下で数時間の加熱や、場合によっては室温で硬化が終了する。また、余分な添加物を加えずに短時間で硬化させる方法としてXeエキシマ光などのエネルギー線を照射する方法も挙げられる。この方法では加熱硬化に比べて短時間で硬化が終了するだけではなく、基材にほとんど熱がかからず基材の改質面が劣化しないため好ましい。
【0049】
[その他プライマー層の硬化]
本発明においてはフッ素基含有樹脂シートの改質面と隣接する層はポリシラザンである必要があるが、ポリシラザン層と金属箔を接着させる層は特に制限はなく、ポリシラザン硬化物層と金属箔が十分に接着できれば良い。また、張り合わせて硬化させる必要があるため硬化時にガスなどの脱離成分が出ないことが好ましく、基材同士の凹凸があるため柔軟性に優れたものであることが好ましい。
【0050】
この層の硬化方法に特に制限はないが加熱硬化の場合はフッ素基含有樹脂シートの融点および軟化点よりも低い温度であることが好ましい。貼り合わせ後の密着強度を高めるために硬化時は加圧することが好ましいが、量産性などを考慮して加圧を行わなくても構わない。
【0051】
塗工方法は希釈溶剤などに溶解させて塗布しても良いし、あらかじめ転写フィルム上に薄く塗工し、熱転写しても構わない。プライマー成分の特性に合わせて適宜選択することが好ましい。
【0052】
[産業上の利用可能性]
本発明の低誘電基板は、そのまま従来の低誘電基板と同様に使用できる。
【0053】
前記低誘電基板の形状としては、特に制限はないが、フィルム状、シート状、樹脂板状などであれば、様々な用途に用いることができるので好ましい。特に高速通信用の低誘電基板として有用である。
【0054】
本発明において、フィルム状、シート状、樹脂板状とは、同じ平板状の形状を指すが、フィルム状、シート状であれば180°に折り曲げ可能であり、樹脂板状であれば二つ折りしようとすると割れてしまうなど、折り曲げ不可能な厚さを有する形状を指すものとする。また、フィルム状とシート状とは厚さの違いによって区別するものとし、概ね250μm未満の厚さをフィルム状とし、250μm以上1mm以下の厚さをシート状というものとする。
【0055】
フッ素基含有樹脂シートの成型物などにポリシラザンを塗布する場合やポリシラザン硬化被膜の上にプライマー層を塗布する場合の方法としては、例えば、チャンバードクターコーター、一本ロールキスコーター、リバースキスコーター、バーコーター、リバースロールコーター、正回転ロールコーター、ブレードコーター、ナイフコーターなどのロールコート法やスピンコート法、ディスペンス法、ディップ法、スプレー法、転写法、スリットコート法等が挙げられる。
【0056】
塗布対象となる基材に対する濡れ性を改善するために、ポリシラザンなどのプライマー成分を適切な溶剤で希釈しても良い。希釈溶剤としてはポリシラザンの場合は例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、イソノナン、デカン、イソデカンなどの脂肪族飽和炭化水素化合物、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ドデセンなどの脂肪族不飽和炭化水素化合物、ジエチルエーテル、ジブチルエーテルなどのエーテル化合物、酢酸n-プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソアミル、アセト酢酸エチル、カプロン酸エチルなどのエステル化合物、ビス(2-メトキシエチル)エーテル、ビス(2-エトキシエチル)エーテル、ビス(2-ブトキシエチル)エーテルなどのグリコールエーテル化合物が挙げられる。使用できる溶剤としては特に制約はないが、基材に対する濡れ性や作業性から適切な溶剤を選定することが好ましく、プライマー成分を溶解し基材を溶解しないことが重要である。
【0057】
塗膜の厚さはプライマー成分が硬化時の硬化収縮で割れない厚さであれば特に制約はないが、0.01~20μmの範囲内であることが好ましい。0.01μm以上の膜厚であれば、基材表面を十分に覆いプライマー層として接着強度を上げることができるため好ましい。また、20μm以下であれば、貼り合わせ基板の柔軟性に優れ、金属箔と貼り合わせた際にクラックや剥離が起こりにくくなるため好ましい。
【0058】
このようにして得られた本発明の低誘電基板は低温でフッ素基含有樹脂シートと金属箔を接着させることができる。
【実施例】
【0059】
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例で部は質量部を示し、重量平均分子量の測定はGPC装置を用いて上述のように行った。
【0060】
[プライマーの調製]
[プライマーA]
スチレン換算重量平均分子量が6,542のペルヒドロポリシラザン20部に溶剤としてジブチルエーテル80部を加えて、ポリシラザンのジブチルエーテル溶液を作製し、この溶液をプライマーAとした。
【0061】
[プライマーB]
硬化性ビスマレイミド樹脂としてBMI-3000(Designer Molecules Inc.製)をポリエチレンテレフタレート(PET)製離型フィルム上に厚さ5μmとなるように塗布し、プライマーBとした。
【0062】
[プライマーC]
3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン20部に溶剤としてエタノール40部、水40部を加えてシランカップリング剤の水-エタノール溶液を作製し、この溶液をプライマーCとした。
【0063】
[プライマーD]
テトラエトキシシラン(TEOS)20部に溶剤としてエタノール40部、水40部、硬化触媒としてジブトキシ(2-オキソ-5-オキサ-3-ヘプテン-4-イルオキシ)アルミニウムを0.1部加えてアルコキシシランの水-エタノール溶液を作製し、この溶液をプライマーDとした。
【0064】
[フッ素基含有樹脂シートの改質]
厚み0.3mmのPTFE樹脂シートを濃度15wt%アンモニア水が入った容器中にアンモニア水に触れないように静置し、上面を石英ガラスで覆い密閉した。次に容器ごとXeエキシマチャンバー内に移し、チャンバー内を窒素ガスで置換した。チャンバー内の酸素濃度が0.1%を下回ってからXeエキシマランプを点灯し、PTFE樹脂シートに対して積算光量が9,000mJ/cm2となるようにXeエキシマ光を照射した。
【0065】
[ピール試験方法]
銅箔の引きはがし強さの測定はJIS C 6481:1996に準拠して測定した。
【0066】
[実施例1]
改質されたPTFE樹脂シートの改質された面に対し、プライマーAをスピンコーターを用いて2,500rpm、30秒の条件で塗布した。塗布後に速やかに窒素雰囲気下で100℃、15分間乾燥させ、ポリシラザン塗膜を得た。このポリシラザン塗膜に窒素雰囲気中でXeエキシマ光を4,000mJ/cm2照射し、ポリシラザン硬化被膜を得た。この時の硬化被膜厚みは0.5μmであった。続いて、ポリシラザン硬化被膜の上にプライマーBを載せ0.3MPaの圧力で120℃、5分間熱圧着を行った。その後、サポートフィルムを剥がし、剥がした面に銅箔を張り合わせて1MPaの圧力で180℃、2時間熱圧着を行った。
作製した基板は接着しており、ピール試験の結果、0.10kN/mであった。
【0067】
[実施例2]
改質されたPTFE樹脂シートの改質された面に対し、プライマーAをスピンコーターを用いて2,500rpm、30秒の条件で塗布した。塗布後に速やかに窒素雰囲気下で100℃、15分間乾燥させ、ポリシラザン塗膜を得た。このポリシラザン塗膜に窒素雰囲気中でXeエキシマ光を4,000mJ/cm2照射し、ポリシラザン硬化被膜を得た。この時の硬化被膜厚みは0.5μmであった。続いて、ポリシラザン硬化被膜の上にプライマーCをスピンコーターを用いて2,500rpm、30秒の条件で塗布した。この時の硬化被膜厚みは0.5μmであった。その後、塗布面に銅箔を張り合わせて1MPaの圧力で180℃、2時間熱圧着を行った。
作製した基板は接着しており、ピール試験の結果、0.10kN/mであった。
【0068】
[比較例1]
改質をしていないPTFE樹脂シートに対し、プライマーAをスピンコーターを用いて2,500rpm、30秒の条件で塗布した。塗布後に速やかに窒素雰囲気下で100℃、15分間乾燥させ、ポリシラザン塗膜を得た。このポリシラザン塗膜に窒素雰囲気中でXeエキシマ光を4,000mJ/cm2照射し、ポリシラザン硬化被膜を得た。この時の硬化被膜厚みは0.5μmであった。続いて、ポリシラザン硬化被膜の上にプライマーBを載せ0.3MPaの圧力で120℃、5分間熱圧着を行った。その後、サポートフィルムを剥がし、剥がした面に銅箔を張り合わせて1MPaの圧力で180℃、2時間熱圧着を行った。
作製した基板は接着していなかったため、ピール試験は行わなかった。
【0069】
[比較例2]
改質されたPTFE樹脂シートの改質された面に対し、プライマーAをスピンコーターを用いて2,500rpm、30秒の条件で塗布した。塗布後に速やかに窒素雰囲気下で100℃、15分間乾燥させ、ポリシラザン塗膜を得た。このポリシラザン塗膜に窒素雰囲気中でXeエキシマ光を4,000mJ/cm2照射し、ポリシラザン硬化被膜を得た。この時の硬化被膜厚みは0.5μmであった。その後、ポリシラザン硬化被膜の上に銅箔を張り合わせて1MPaの圧力で180℃、2時間熱圧着を行った。
作製した基板は接着していなかったため、ピール試験は行わなかった。
【0070】
[比較例3]
改質されたPTFE樹脂シートの改質された面に対し、プライマーBを載せ0.3MPaの圧力で120℃、5分間熱圧着を行った。その後、サポートフィルムを剥がし、剥がした面に銅箔を張り合わせて1MPaの圧力で180℃、2時間熱圧着を行った。
作製した基板は接着しており、ピール試験の結果、0.02kN/mであった。
【0071】
[比較例4]
改質されたPTFE樹脂シートの改質された面に対し、プライマーBを載せ0.3MPaの圧力で120℃、5分間熱圧着を行った。その後、サポートフィルムを剥がし、剥がした面にプライマーAをスピンコーターを用いて2,500rpm、30秒の条件で塗布した。塗布後に速やかに窒素雰囲気下で100℃、15分間乾燥させ、ポリシラザン塗膜を得た。このポリシラザン塗膜に窒素雰囲気中でXeエキシマ光を4,000mJ/cm2照射し、ポリシラザン硬化被膜を得た。この時の硬化被膜厚みは0.5μmであった。その後、ポリシラザン硬化被膜に銅箔を張り合わせて1MPaの圧力で180℃、2時間熱圧着を行った。
作製した基板は接着していなかったため、ピール試験は行わなかった。
【0072】
[比較例5]
改質されたPTFE樹脂シートの改質された面に対し、プライマーCをスピンコーターを用いて2,500rpm、30秒の条件で塗布した。塗布後に120℃で1時間加熱し、硬化被膜を得た。この時の硬化被膜厚みは0.5μmであった。続いて、この硬化被膜の上にプライマーBを載せ0.3MPaの圧力で120℃、5分間熱圧着を行った。その後、サポートフィルムを剥がし、剥がした面に銅箔を張り合わせて1MPaの圧力で180℃、2時間熱圧着を行った。
作製した基板は接着していなかったため、ピール試験は行わなかった。
【0073】
[比較例6]
改質されたPTFE樹脂シートの改質された面に対し、プライマーDをスピンコーターを用いて2,500rpm、30秒の条件で塗布した。塗布後に120℃で1時間加熱し、硬化被膜を得た。この時の硬化被膜厚みは0.5μmであった。続いて、この硬化被膜の上にプライマーBを載せ0.3MPaの圧力で120℃、5分間熱圧着を行った。その後、サポートフィルムを剥がし、剥がした面に銅箔を張り合わせて1MPaの圧力で180℃、2時間熱圧着を行った。
作製した基板は接着しており、ピール試験の結果、0.02kN/mであった。
【0074】
[比較例7]
改質されたPTFE樹脂シートの改質された面に銅箔を張り合わせて1MPaの圧力で180℃、2時間熱圧着を行った。
作製した基板は接着していなかったため、ピール試験は行わなかった。
【0075】
実施例および比較例をまとめたものを表1に示す。
【表1】
【0076】
表1の結果から、実施例1、2および比較例3、6ではPTFE樹脂シートと銅箔が接着したが比較例3、6では接着強度が弱く、手で引っ張った時には軽い力で剥がれてしまった。
【0077】
比較例1ではPTFE樹脂シートを改質しなかったこと以外は実施例1と同様の方法で基板を作製したが、銅箔とは全く接着しなかった。これはPTFEとポリシラザンが物理的接着および化学的接着のどちらもしなかったためである。また、比較例2および3ではプライマー層を1層としたが、どちらも十分な接着強度が得られなかった。比較例4では実施例1とプライマー層の構成を入れ替えたが、接着しなかった。比較例5および6では実施例1のポリシラザン層を他の材料で置き換えたが、これらも十分な接着強度は得られなかった。最後に比較例7では改質したPTFE樹脂シートと銅箔をプライマーなしで直接熱圧着させたが、低温では全く接着しなかった。
【0078】
以上の結果より、本発明の低誘電基板は難接着材料であるフッ素基含有樹脂シートと金属箔を低温で接着させることが可能であり、真空プレスなどのバッチ処理が必須となる工程を含まないことからコストや量産性に優れると結論付けられる。
【0079】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【符号の説明】
【0080】
1…フッ素基含有樹脂シート、 2…第一プライマー層(ポリシラザン硬化被膜)、
3…第二プライマー層、 4…金属箔、 10…低誘電基板。