(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】バルクプロセスガス精製システムおよび関連する方法
(51)【国際特許分類】
B01D 53/04 20060101AFI20240704BHJP
【FI】
B01D53/04 110
B01D53/04 230
(21)【出願番号】P 2021535754
(86)(22)【出願日】2019-11-26
(86)【国際出願番号】 US2019063441
(87)【国際公開番号】W WO2020131331
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-08-30
【審判番号】
【審判請求日】2023-05-23
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シュロッターベック, マシュー
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー, ダイミン
【合議体】
【審判長】原 賢一
【審判官】増山 淳子
【審判官】後藤 政博
(56)【参考文献】
【文献】特開昭52-141487(JP,A)
【文献】特開2013-43131(JP,A)
【文献】特開2007-185617(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D53/
B01J20/
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
精製媒体を収容する容器室内を有する容器を備える精製器と、
容器を取り囲み、筐体の内側であり容器の外であるインタースペースを画定する筐体と、
筐体内の空気循環通路であって、
正の入力圧力でのインタースペースの中への雰囲気ガスの流れ、
インタースペース内部の雰囲気ガスの無対流循環、および
インタースペースから筐体の室外への正の出口圧力での循環した雰囲気ガスの流れを可能にし、
筐体の室外からインタースペースの中への正の入力圧力での雰囲気ガスの流れを可能にする筐体入口と、
インタースペースから筐体の室外への正の出力圧力での雰囲気ガスの流れを可能にする筐体出口と
を備える空気循環通路と
を備え、
ここで、容器入口コンジットと容器出口コンジットが別々に容器に接続され、バルクプロセスガスを容器入口コンジットを介して容器室内へ流し入れ、精製媒体を通り、容器出口コンジットを介して容器室内の外へ流れ出させるように適合され
、
バルクプロセスガスが、水素、アルゴン、ヘリウム、酸素、二酸化炭素、窒素、アンモニア(NH
3
)、および超クリーンドライエアから選択される、
バルクプロセスガス精製器システム。
【請求項2】
筐体入口が、少なくとも7平方インチの開口面積を有する、請求項1に記載のバルクプロセスガス精製器システム。
【請求項3】
筐体出口が、少なくとも7平方インチの開口面積を有する、請求項1に記載のバルクプロセスガス精製器システム。
【請求項4】
筐体入口が、入口管路の取り付け具を受けるように適合される、請求項1に記載のバルクプロセスガス精製器システム。
【請求項5】
筐体出口が、出口管路の取り付け具を受けるように適合される、請求項1に記載のバルクプロセスガス精製器システム。
【請求項6】
インタースペース内部のガス状の流体を循環させるためにインタースペース内部に設置された羽根車を含む循環送風機をさらに備える、請求項1に記載のバルクプロセスガス精製器システム。
【請求項7】
第2の精製媒体を収容する第2の容器室内を有する第2の容器を備える第2の精製器と、
第2の容器を取り囲み、第2の筐体の内側であり第2の容器の外である第2のインタースペースを画定する第2の筐体と、
第2の筐体内の第2の空気循環通路であって、
第2の正の入力圧力での第2のインタースペースの中への雰囲気ガスの流れ、
第2のインタースペース内部の雰囲気ガスの無対流循環、および
第2のインタースペースから第2の筐体の室外への第2の正の出口圧力での循環した雰囲気ガスの流れ
を可能にし、
第2の筐体の室外から第2のインタースペースの中への第2の正の入力圧力での雰囲気ガスの第2の流れを可能にする第2の筐体入口と、
第2のインタースペースから第2の筐体の室外への第2の正の出力圧力での雰囲気ガスの流れを可能にする第2の筐体出口と、
バルクプロセスガスを第2の容器室内へと流し入れ、第2の精製媒体を通り、第2の容器室内の外へ流れ出させるように適合された第2のシステムと
を備える第2の空気循環通路と
を更に備える、請求項1に記載のバルクプロセスガス精製器システム。
【請求項8】
バルクプロセスガス精製器システムの精製媒体を再生する方法であって、
ガス精製器システムが、
精製媒体を収容する容器室内を有する容器を備える精製器と、
容器を取り囲み、筐体の内側であり容器の外であるインタースペースを画定する筐体であって、
インタースペースの中への雰囲気ガスの流れを可能にする筐体入口と、
インタースペースからの雰囲気ガスの流れを可能にする筐体出口と
を備える筐体と
を備え、
ここで、容器入口コンジットと容器出口コンジットが別々に容器に接続され、バルクプロセスガスを容器入口コンジットを介して容器室内へ流し入れ、精製媒体を通り、容器出口コンジットを介して容器室内の外へ流れ出させるように適合され、
前記方法が、
バルクプロセスガス中の不純物を精製媒体によって除去させ、不純物の減少したレベルを有する精製されたバルクプロセスガスを生成するために、精製温度で精製媒体を通してバルクプロセスガスを流すことと、
不純物が精製媒体に集められた後で、再生ガス温度を有する再生ガスを精製媒体を通して流すことによって精製媒体を再生することであって、これにより再生ガスが精製媒体を再生温度まで加熱し、精製媒体から集められた不純物を除去させ、再生ガスと共に容器から流出させる、精製媒体を再生することと、
精製媒体を再生することの後で、精製媒体の温度を下げるために、再生温度よりも低い冷却ガス温度で、精製媒体を通って冷却ガスを流すことによって精製媒体を冷却することと、
冷却中に、摂氏60度未満の雰囲気空気冷却温度でインタースペースを通して雰囲気空気の流れを流すことと
を含み、
雰囲気空気が、
システム筐体の室外の場所から、筐体入口を通り、インタースペースの中へと流れ、
無対流方式でインタースペース内部を循環し、
インタースペースから筐体出口を通り筐体の室外の場所へ流れ
、
バルクプロセスガスが、水素、アルゴン、ヘリウム、酸素、二酸化炭素、窒素、アンモニア(NH
3
)、および超クリーンドライエアから選択される、方法。
【請求項9】
冷却中に精製媒体の温度を摂氏60度未満まで下げることを含み、摂氏60度未満まで精製媒体の温度を下げるために必要な時間が、インタースペースを通して雰囲気空気冷却温度の雰囲気空気を流さずに60度未満まで精製媒体の温度を下げるために必要とするはずの時間の50パーセントよりも短い、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、再充填ステップ中に、再充填ステップに続く冷却ステップ中に、または両方で容器室内の温度を制御するために、容器の室外表面に大量のガス、例えば、ガスの流れを使用するように適合されたシステムを含め、バルクプロセスガス精製システムおよび関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エレクトロニクス産業では、水素、アルゴン、ヘリウム、酸素、二酸化炭素、窒素、アンモニア(NH3)、および超クリーンドライエアなどの高純度特殊ガスが、多くの作業に対して要求され、高純度ボンベの形態で、または半導体製造プラントなどの使用場所で精製されるバルクガス供給源から、のいずれかで一般に得られる。高純度ボンベ供給源は、ガス状の原料に対して要求される高レベルの純度を供給することができるが、非常に大量のガスが製造施設内部の複数の使用場所で連続的に必要とされる場合、便利でもコスト効率的でもないことがある。
【0003】
ボンベ供給源の代替として、バルク供給源特殊ガスが、あるタイプのガス状原料用に使用されることがある。バルク供給源特殊ガスは、タンク車、タンクトラック、大規模現地貯蔵装置、等に加圧した形態もしくは液化した形態で貯蔵されることがある、または使用場所にもしくはその近くに設置された圧縮機から供給されることがある。バルク供給源特殊ガスは、大量に供給されることが可能であるが、要求される純度の高い基準を満足するようにガスに対して相当な程度まで処理される必要があることがある。
【0004】
バルク供給源特殊ガスが使用されるときに、連続的なベースで非常に大量の特殊ガスを精製することができる現地精製システムが、必要なレベルの高純度および大きな量を実現するために使用されることがある。このような精製システムは、複数の作業空間および複数の製造装置(ツール)を含むことがあるプラント内の複数の目的地までガス状の原料を配送するために製造プラント内部で集中的に運転できる。集中精製システムの使用は、ガス状の原料を供給する他のモードに比較して効率性および省コストをもたらすことができる。
【0005】
典型的な現地精製システムは、特定のタイプのバルクプロセスガスを精製するための精製媒体(例えば、フィルタ媒体)を収容する、少なくとも1つであるがより典型的には少なくとも2つの精製容器を含む。典型的な現地精製システムの精製プロセスでは、バルクプロセスガスの流れが容器入口を介して精製容器に入り、容器の室内に収容された精製媒体を通過し、精製されたバルクプロセスガスの形態で容器出口を介して容器を出、精製されたバルクプロセスガスは次いで製造施設内部の1つまたは複数の異なる目的地へ配送される。精製媒体は、水(湿気)、炭化水素類、超微粒子、または他の汚染物などの不純物を捕捉する吸着剤などのフィルタ媒体を含むことができる。精製プロセスは、精製温度で動作される。いくつかのシステムでは、精製温度の典型的な範囲は、摂氏10度から摂氏60度までである。過度に高い精製温度は、高すぎる温度が汚染物を捕捉する精製媒体の能力を低下させることがあるまたはそれどころか精製媒体にこれまでに捕捉した汚染物を放出させることさえもがあるので、避けるべきである。
【0006】
有効性を維持するために、精製容器内部の精製媒体は、定期的に再生されなければならない。再生プロセスでは、容器入口および出口の弁は、容器をオフラインにするために閉じられ(すなわち、ガス状の原料を容器が供給する装置まで閉じられ)さらに再生ガス温度まで加熱された再生ガスが精製容器内部のフィルタ媒体を通過することを可能にするために閉じられる。典型的には、容器内のフィルタ媒体の汚染を防止するために、再生ガスは、前もって精製されたバルクプロセスガス、例えば、(例えば、同じ容器または対応する容器を使用して)既に精製されており任意選択で貯蔵されているバルクプロセスガスなどの精製されたガスである。あるいは、再生ガスは、前もって精製されたバルクプロセスガス以外のガスであってもよく、そうであれば、再生ガスが汚染物の除去に貢献するように、再生ガスは高純度のものでなければならない。典型的な再生ガス温度は、容器を通過するときに摂氏60度を超え、しばしば摂氏60度を十分に超えているが、さらに摂氏250から450度までの範囲内であってもよい。
【発明の概要】
【0007】
精製容器は、再生ステップの後で、容器およびその収容されたフィルタ媒体が使用されてもよい動作温度まで冷却された後にだけ、ラインに戻され、連続した製造のために使用されることが可能である。いくつかのシステムでは、再生プロセスは、再生ステップを含み、冷却ステップが続き、冷却ステップ中に、(再生温度よりも低い)冷却ガス温度の冷却ガスが、フィルタ媒体から熱を取り除きフィルタ媒体の温度を下げるために精製容器内部のフィルタ媒体を通過する。冷却ガスは、精製されたバルクプロセスガスなどのきれいなガスであることが可能であり、精製されたバルクプロセスガスは、前もって精製され貯蔵された精製されたバルクプロセスガスまたは別の容器から供給される精製されたバルクプロセスガスであってもよい。典型的な冷却ガス温度は、摂氏10度から摂氏60度とすることができる。
【0008】
典型的な現地精製システムは、少なくとも2つの精製容器ならびに付随するコンジットおよび弁を備え、一方の容器が動作し続けながら他方が再生されることを可能にする。
【0009】
1つの態様では、本発明は、バルクプロセスガス精製器システムに関する。システムは、精製媒体を収容する容器室内を有する容器を含んでいる精製器を含む。システムはまた、筐体を含み、筐体は、容器を取り囲み、筐体の内側であり容器の外であるインタースペースを画定する。筐体は、空気循環通路を含み、正の入力圧力でのインタースペースの中への雰囲気ガスの流れ、インタースペース内部の雰囲気ガスの無対流循環、およびインタースペースから筐体の室外への正の出口圧力での循環した雰囲気ガスの流れを可能にする。空気循環通路は、筐体の室外からインタースペースの中への正の入力圧力での雰囲気ガスの流れを可能にする筐体入口と、インタースペースから筐体の室外への正の出力圧力での雰囲気ガスの流れを可能にする筐体出口と、バルクプロセスガスを容器室内へ流し入れ、精製媒体を通り、容器室内の外へ流れ出させるように適合されたバルクプロセスガス循環システムとを含む。
【0010】
別の態様では、本発明は、本明細書において説明するようなバルクプロセスガス精製器システムの精製媒体を使用し再生する方法に関する。この方法は、精製媒体によってバルクプロセスガス中の不純物を除去するため不純物の減少したレベルを有する精製されたバルクプロセスガスを生成するために精製温度で精製媒体を通してバルクプロセスガスを流すことと、不純物が精製媒体に集められた後で、再生ガス温度を有する再生ガスを精製媒体を通して流すことによって精製媒体を再生することであって、これにより再生ガスが精製媒体を再生温度まで加熱し、精製媒体から集めた不純物を除去させ、再生ガスと共に容器からの流出させる、精製媒体を再生することと、精製媒体を再生することの後で、精製媒体の温度を下げるために、精製媒体を通り再生温度よりも低い冷却ガス温度で冷却ガスを流すことによって精製媒体を冷却することとを含む。冷却中に、雰囲気空気の流れが、摂氏60度よりも低い雰囲気空気冷却温度でインタースペースを通過し、雰囲気空気が、システム筐体の室外の場所から、筐体入口を通過し、インタースペースの中へと流れることと、無対流方式でインタースペース内部を循環することと、インタースペースから筐体出口を通過し筐体の室外の場所へ流れる。
【0011】
本開示の先の要約は、本発明の各々の実施形態を説明するものではない。本発明の1つまたは複数の実施形態の詳細は、下記の説明にさらに述べられる。本発明の他の特徴、目的、および利点は、明細書からおよび特許請求の範囲から明らかであろう。
【0012】
本明細書において使用するすべての科学的用語および技術的用語は、特に明示しない限りこの分野で一般に使用される意味を有する。
【0013】
この明細書および別記の特許請求の範囲において使用されるように、単数形「1つ(a)」、「1つ(an)」および「その(the)」は、内容が特に明確に規定しない限り、複数の指示対象物を有する実施形態を包含する。
【0014】
この明細書および別記の特許請求の範囲において使用されるように、「または(or)」という用語は、内容が特に明確に規定しない限り、「および/または(and/or)」を含む意味で一般に用いられる。
【0015】
本明細書において使用されるように、「有する(have)」、「有している(having)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」、「備える(comprise)」、「備えている(comprising)」、等は、制限のない意味で使用され、一般に「含んでいるが、限定されない(including、but not limited to)」ことを意味する。「から構成される(consisting of)」および「から本質的に構成される(consisting essentially of)」という用語が、「備えている(comprising)」、等の用語に包含されることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】半導体製造プラントにおける本開示によるガス精製システムの使用の1つの実施形態の模式図である。
【
図2】本開示によるガス精製システムの1つの実施形態の一部分の模式図である。
【
図3】精製プロセス(3A)、再生プロセスの再生ステップ(3B)、および再生プロセスの冷却ステップ(3C)中のガス精製システムの1つの実施形態の一部分の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
下記の説明は、精製容器およびフィルタ媒体のその内容物が加熱される再生ステップと、続く精製容器およびその内容物が冷却される冷却ステップとを含む精製容器の再生プロセスにおいて、より速い冷却ステップを可能にする方法および装置に関する。
【0018】
より速い再生プロセスは、複数の利点をもたらす。再生プロセスは、再生ステップ中にある量の再生ガスを、冷却ステップにおいてある量の冷却ガスを消費する。これらのガスの各々は、典型的には、再生される精製システム(または対応部)により前もって精製されている精製されたバルクプロセスガスであり、そうでなければ製造作業のために使用されるはずである。再生プロセスの冷却ステップを実行するための時間の長さを短縮することは、冷却ステップ中に消費される冷却ガスの総量を減少させることによって冷却ガスを節約する。また、精製容器が冷却ステップを含め再生プロセス中にオフラインでなければならないという理由で、デュアル容器精製システムのピーク能力が半分にされる。より速い再生プロセス(冷却ステップを含む)は、この欠点を小さくする。再生中には、デュアル容器システムの重複性により提供される安全性が失われる。より速い再生プロセスは、この欠点を小さくする。
【0019】
本開示の方法およびシステムは、再生ステップに続く冷却ステップを含み、冷却ステップが精製容器の室内に収容されたフィルタ媒体の温度を下げるために精製容器を通過する冷却ガスを使用することをともなう。容器室内における冷却ガスの流れに加えて、方法およびシステムはまた、容器の室外における無対流のガスの流れ使用することによる冷却ステップ中の容器温度の追加の制御も含む。
【0020】
本発明によれば、容器は、実質的に閉じられた構造であり、側壁、床または底部、および上部を含む筐体内に収容される。筐体は、容器の外側と筐体の内側との間の容器の周りに限られた大きさの空間を画定し、上記の空間は本明細書では「インタースペース」と呼ばれる。筐体が実質的に閉じられている一方で、筐体はまた、筐体の壁、床、または底部内に少なくとも2つの空気循環通路(例えば、入口および出口)を含み、別の雰囲気ガスの有用な流れがインタースペースの中へと入れられ、通過し、外へ出されることを可能にする。空気循環通路は、有用な量の空気(または別の雰囲気ガス)が筐体へと流入し、インタースペースを通り、筐体から流出させることを可能にするサイズおよび配置のものであり、空気の体積流量は、所望の速度の温度低下で容器およびその内容物の温度を下げるために容器から所望の量の熱を取り去るために十分である。
【0021】
インタースペースを通る空気の流れは、「強制的」であっても「無対流」であってもよい。例えば、送風機または他の空気循環デバイスからの、例えば、機械的な運動量が、インタースペースを通って空気を流れさせるため空気に動きを与えるために使用されることがある。強制的な(無対流な)空気の流れは、対流的、受動的、または(筐体の外の空気の動きのために)単に偶発的であると考えられることがあるエアフローのある種の他の形態とは異なるが、記載したような加熱された容器を収容するインタースペース内でも生じることがあるまたは別の方法で生じることがある。
【0022】
記載したようなシステムまたは方法では、インタースペースの内部で「対流」により引き起こされる空気の流れ、すなわち、「対流」の空気の流れは、インタースペース内部であるが表面から離れている近くの空気と比較して、インタースペース内部の加熱された容器の表面またはその近くに位置する空気との間の温度差および結果的にもたらされる密度差に実質的にまたは完全に起因するインタースペース内部の空気の動き(流れ)であると考えられ、この温度差は、加熱された容器から表面またはその近くに位置する空気への熱エネルギーの伝達により引き起こされ、この状況では、インタースペース内部で異なる温度および密度の空気塊を重力が動かす。インタースペース内部でのこのタイプの対流空気循環は、再生ステップの後で、容器室内を通過して冷却ガスを流すことによって容器の室内を冷却するステップ中に、加熱された容器から熱エネルギーを吸収し取り去る具体的な目的のためにインタースペースを通る空気の強制された流れまたは「無対流」の流れを使用するようには設計されていない精製システム内部で偶然に生じることが可能であり、このことは本明細書において説明されている。
【0023】
本明細書において使用するように、インタースペース内部の「無対流」の空気の流れは、加熱された容器から熱エネルギーを吸収するインタースペース内の空気からもたらされるタイプの空気の流れとは反対に、ある体積の空気へ機械的に与えられるエネルギーにより生成されるタイプの空気の流れ(「機械的に補助された空気の動き」または「強制された」空気の動き)を含み、無対流の空気の流れは、送風機または他の機械的羽根車の使用によって空気に機械的に与えられるエネルギーによって生成されることが可能であり、そのため空気が、筐体の入口を通り、インタースペースの中へとインタースペースを通り、次いで出口を通って筐体の外へと向けられる(引き込まれるまたは吹き出される)。
【0024】
入口および出口は、雰囲気ガスがインタースペースを通って流されるときに、筐体内に収容された加熱された容器の加速された冷却または急速な冷却を引き起こすために、体積(体積流量)および温度(例えば、雰囲気温度)を有する雰囲気ガス(例えば、空気)の流れに具体的に順応させるように(例えば、筐体の一部としてのサイズおよび場所を)設計され適合される。無対流の流れを引き起こす機械的エネルギーの供給源(例えば、送風機)は、筐体の室内から離れているが筐体の室内と流体連通しているダクティングなどの筐体の外側に設置されることが可能である。
【0025】
本開示による装置では、精製容器は、筐体の内側で容器の外にインタースペースを作り出す精製容器筐体内に実質的に収容される。精製容器筐体は、単一の精製容器を取り囲み、よって、2つ以上の容器(各々もまた別々の筐体に収容される)を取り囲むことができ精製システムのすべてまたは大部分を取り囲むことができる精製システムハウジングとは区別される。しかしながら、いくつかの実施形態では、精製容器筐体は、床もしくは下側境界、天井もしくは上側境界、または1つもしくは複数の壁などの1つもしくは複数の境界を精製システムハウジングと共有することができる。精製容器筐体は、同様に、精製システムが中に据え付けられる部屋、建物(例えば、工場)、または建物の一部などのより大きな格納空間とは区別される。いくつかの実施形態では、容器は、円柱状であり、筐体は、矩形または箱型形状である。クリアランス距離は、筐体の角で大きく、角同士の間の壁に沿った場所で小さい。壁に沿いしかも角同士の間の場所において、容器と筐体壁との間の最小距離は、2インチ(5.08cm)、1インチ(2.54cm)、または2分の1インチ(1.27cm)であってもよい。36インチ(91.4cm)の直径を有する容器例に関して、容器と筐体の角との間の距離は、およそ26からおよそ28インチまで(およそ66.0からおよそ71.1cmまで)の範囲内であってもよく、距離は、より大きなまたは小さな直径の円柱状容器に対して比較的大きなまたは小さな距離である。
【0026】
精製容器筐体は、インタースペースの中への雰囲気大気の無対流の流れを可能にするため少なくとも1つの筐体入口を含む。入口は、ダクティングおよび入口を通りインタースペースの中へと(例えば、送風機によって)流れされることが可能である雰囲気空気の供給源に接続されることが可能である。雰囲気空気は、比較的清浄な空気の任意の供給源から取り込まれることが可能であり、精製される必要がなく、フィルタリングによって処理されても処理されなくてもよい。空気(例えば、「雰囲気ガス」)は、例えば、精製器システムを収容する工場において精製器システムから離れている場所(一般に、近くまたは遠くのいずれか)から供給されることがある、または代わりに工場の外である場所から供給されることがある。インタースペースへ導入されるときに雰囲気空気の温度は、インタースペース内に収容された容器の温度、例えば、華氏40または50度(摂氏4.4または10.0度)から華氏75または80度(摂氏23.9または26.7度)までなどの、華氏30から120度(摂氏-1.1から48.9度)までの範囲内の雰囲気空気温度よりも低い温度であることが可能である。
【0027】
有用な入口または好ましい入口は、毎分100から300立方フィート(毎分2.83から8.5立方メートル)などの少なくとも毎分50から400立方フィート(毎分1.42から11.3立方メートル)の流量で雰囲気空気のエアフローに適合するサイズのものであることが可能である。入口のサイズ、すなわち、入口開口部の面積の例は、約7平方インチから約100平方インチ(約45.2から約645平方センチメートル)まで、例えば、15から約75平方インチ(96.8から約484平方センチメートル)までの範囲内であることが可能であり、バッフルまたは他の閉鎖デバイスを使用して開閉されることが可能である。
【0028】
筐体入口は、単一の開口部であってもよく、任意選択で好ましくはダクティングまたは流体導管の別の形態を介して雰囲気大気との流体連通を可能にするように適合されることがある。筐体入口は、筐体入口を選択的に開閉するため、入口を通りインタースペースの中への空気または別の雰囲気ガスの流れを選択的に可能にするまたは妨げるための入口ダンパを装備される。入口ダンパは、手動によるまたはサーボ、モータ、空気圧アクチュエータ、等による操作が可能であってもよい。入口ダンパは、コンピュータ処理ユニットによって管理された操作を含め、遠隔操作または自動化された操作が可能であってもよい。入口は、受動的な、対流のエアフローの小さく偶発的な量だけを可能にするはずのより小さな開口部(例えば、本明細書において上に特定したような「貫通口」)とは区別される。
【0029】
精製容器筐体は、雰囲気大気へとインタースペースを出るガスまたは空気の流れを可能にするため少なくとも1つの筐体出口を含む。有用な出口または好ましい出口は、毎分100から300立方フィート(毎分2.83から8.5立方メートル)などの少なくとも毎分50から400立方フィート(毎分1.42から11.3立方メートル)の流量で雰囲気空気のエアフローに適合するサイズのものであってもよい。出口のサイズ、すなわち、出口開口部の面積は、約7平方インチから約100平方インチ(約45.2から約645平方センチメートル)まで、例えば、15から約75平方インチ(96.8から約484平方センチメートル)までの範囲内であってもよく、バッフルまたは他の閉鎖デバイスを使用して開閉されることが可能である。
【0030】
雰囲気ガスは、筐体の外の場所の雰囲気圧力よりも高い圧力を意味する正の圧力で入口を通りインタースペースの中へと流される。例えば、雰囲気ガスは、雰囲気圧力よりも少なくとも50トール(6.65kPa)高い、例えば、50、100、または200トール(6.65、13.3、または26.6kPa)から400、500、600、または700トール(53.2、66.5、79.8、または93.1kPa)に至るまでの範囲内である(入口で測定した)圧力を有するガスとして筐体に入ることができる。インタースペースを通って流れるときの雰囲気ガスの圧力、すなわちインタースペースの圧力もまた、雰囲気圧力よりも高くなる、例えば、雰囲気圧力よりも少なくとも20または40トール(2.66または5.32kPa)高くなることも可能である。
【0031】
筐体出口は、単一の開口部であってもよく、任意選択で好ましくはダクト工作物を介して雰囲気大気と連通することができる。筐体出口は、筐体出口を選択的に開閉するため、インタースペースを出る空気の流れを選択的に可能にするまたは妨げるための出口ダンパを装備される。出口ダンパは、手動によるまたはサーボ、モータ、空気圧アクチュエータ、等による操作が可能であってもよい。出口ダンパは、コンピュータ処理ユニットによって管理される操作を含め、遠隔操作または自動化された操作が可能であってもよい。
【0032】
空気循環通路とは別に、例えば、側壁、最上部、または底部の精製容器筐体もまた、ガス精製システムを操作するために、筐体の室外から室内への様々なコンジット、電気配線またはケーブル、流体ライン、等の通過を可能にするように設計された小さな開口部(例えば、「貫通口」)を任意選択で装備することができる。筐体構造はまた、本明細書において説明するような空気循環通路であると考えられない小さなベント、クラック、または他の小さな開口部も含むことができ、少なくともその理由は、これらのタイプの開口部が筐体内に収容される加熱された容器の温度を下げるためにインタースペースを通る空気の強制された(無対流の)流れを生じさせる目的のためには設計されていないまたは使用されないためである。
【0033】
精製容器筐体は、ガス精製システムの機能の一部を構成する様々なコンジット、ケーブル、弁、等のための据付構造として付随的に働くことができる。望ましくは、精製容器の外側表面は、外側表面とインタースペースを通り流れるようにされた空気またはガスとの間の効率的な熱伝達を可能にするように、インタースペース内の空気またはガスと直接接触している。このような実施形態では、精製容器は、熱ブランケット、断熱ブランケット、等などの任意の外付け物品により一部分または全体を覆われない。
【0034】
ある種の有用なシステム例または好ましいシステム例では、精製容器筐体は、本明細書では「送風機」と一括して呼ばれる、1つまたは複数の送風機、羽根車、または他の空気移動装置を装備することができる。例えば、精製容器筐体は、筐体入口を通りインタースペースの中へと雰囲気ガスまたは空気を引き込むように構成された1つまたは複数の入口送風機を装備することができる。代わりにまたは加えて、精製容器筐体は、インタースペースから筐体出口を通ってガスまたは空気を吐き出すように構成された1つまたは複数の出口送風機を装備することができる。
【0035】
代わりにまたは加えて、筐体は、筐体の室内に、すなわちインタースペース内部に、インタースペース内部のガスまたは空気を循環するように構成された1つまたは複数の循環送風機を装備することができる。様々な実施形態では、精製容器筐体は、入口送風機、出口送風機、またはインタースペース循環送風機の任意の組み合わせを装備することができる。このような送風機は、精製容器筐体内部に設置されてもよい、または様々な実施形態では、送風機もしくはその一部が、精製容器筐体の外側に設置されてもよい。
【0036】
有用なシステムまたは好ましいシステムでは、筐体は、本明細書では「ヒータ」と一括して呼ばれる、1つまたは複数のヒータ、熱交換機、ラジエータ、または他の熱伝達装置を含むことができる。ヒータが精製容器筐体内部のインタースペース内のガスまたは空気の温度を選択的に上昇できるように、ヒータは典型的に構成される。ヒータは、筐体の室内に、すなわちインタースペース内部に設置されることがある。いくつかの実施形態では、精製ガスを加熱することを第1に課せられたヒータは、ヒータから漏れ出す廃熱がインタースペース内部のガス状の大気を加熱にするために使用されてもよいように、筐体内に設置されるまたは筐体に取り付けられることがある。典型的には、ヒータは、インタースペース内部のガスまたは空気に直接作用する。典型的には、ヒータは、精製容器には直接作用しないまたは接触しない。
【0037】
本明細書において説明した方法によれば、再生プロセスは、大量の加熱された流体が容器に収容されたフィルタ媒体から汚染物を取り除くために容器の室内を通過させられる再生ステップ、これに続く、流体が容器室内およびフィルタ媒体の両方の温度を下げるために容器室内およびフィルタ媒体もまた通過させられる冷却ステップを含む。
【0038】
再生ステップ中には、容器入口および出口の弁は、製造機器に対して容器をオフラインにするために、再生ガス温度まで加熱された再生ガスが精製容器内部の精製媒体を通過することを可能にするために操作される。典型的な再生ガス温度は、摂氏60度を超え、しばしば摂氏60度を十分に超え、摂氏250から450度までの範囲内であってもよい。本開示の装置の動作では、再生ステップ中には、筐体の入口および出口は、高温空気が精製容器筐体内部に、すなわち、インタースペース内部に保持されるように両方とも閉じられる。インタースペースの高温空気は、容器および容器内のフィルタ媒体がより高い温度に向かうことに貢献することが可能であり、これにより再生ステップにとって必要とされる時間の長さを短縮する。任意選択で、インタースペース内に設置された循環送風機は、精製容器の周りのより一様な温度分布のためにインタースペース内のガスまたは空気を循環させるために再生ステップ中にオンにされることが可能であり、これもまた、再生ステップにとって必要な時間の長さを短縮できる。任意選択で、インタースペース内部に収容されたヒータもまた、インタースペース内のガスまたは空気の温度を高くするために再生ステップ中にオンにされることが可能であり、これにより再生を加速する。
【0039】
冷却ステップ中に、冷却ガス温度の冷却ガスが、冷却を補助するために精製容器内部の精製媒体を通過する。冷却ガスの温度(「冷却ガス温度」)は、容器の温度または収容されたフィルタ媒体の温度よりも低い。典型的な冷却ガス温度は、摂氏10度と摂氏40度との間、例えば、摂氏10度から20、25、または30度までである。再生された精製容器は、摂氏約40度または30度未満などの適切な精製温度まで、例えば、摂氏20度から25度または20度から30度の範囲内の温度まで冷却されるまで、ラインに戻すことが可能ではない。
【0040】
本開示の装置の動作では、入口ダンパおよび出口ダンパの両方は、雰囲気ガス温度の雰囲気ガス(例えば、雰囲気空気)がインタースペースおよび容器から熱を取り除くために、雰囲気大気からインタースペースに入りインタースペースを通って流れることを可能にする冷却ステップ中には開かれ、このことにより冷却ステップにとって必要な時間の長さを好ましくは短縮することが可能である。雰囲気ガス温度は、冷却される容器の温度よりも低くあるべきである。典型的な雰囲気ガス温度は、摂氏10度と摂氏30度との間、例えば、摂氏10度から20、25、または30度までであることが可能である。
【0041】
任意選択で、循環送風機は、ガスまたは空気をインタースペース内で循環させるために冷却ステップ中にオンにされることが可能である。任意選択で、入口、出口、または両方の送風機は、雰囲気ガスまたは空気をインタースペースの中へと引き込み、空気にインタースペースを通過させ、次いで空気をインタースペースから出口を通って流れさせるために、冷却ステップ中にオンにされる。典型的には、インタースペース内部のいずれかのヒータが、冷却ステップ中にオンにされる。
【0042】
本開示による現地精製システムの1つの実施形態が
図1に提示される。タンクなどの第1のバルクガス供給源420は、クリーンルーム製造システムで有用である高純度特殊ガス(例えば、「クリーンドライエア」)の供給物を収容する。第2のバルクガス供給源425は、第2の高純度特殊ガス、例えば、電子半導体生産において有用であり得るもの、例えば、水素、アルゴン、ヘリウム、酸素、二酸化炭素、窒素、またはアンモニア(NH
3)の供給物を収容する。バルクガス供給源420、425は、工場建物800の外に設置されることがある。バルクガスは、コンジット430、435を介して精製システム500、510へ供給される。精製されたクリーンドライエアは、コンジット550を介してクリーンルーム600、601、602、603へ供給される。精製された特殊ガスは、コンジット560を介して作業ステーション700、701、702、703へ供給される。精製システム500、510は、集中的に動作し、製造施設内部の複数の目的地へ複数のガスを配送する。
【0043】
図2を参照すると、本開示によるガス精製システム10の1つの実施形態の一部分が描かれている。ガス精製システム10は、精製容器110および310を含む。第1の精製容器110は、第1の精製容器筐体120内にすべての面が実質的に取り囲まれ、第1の精製容器筐体120は、第1の精製容器筐体120の内部で第1の精製容器110の外に第1のインタースペース130を作り出す。同様に、第2の精製容器310は、第2の精製容器筐体320内にすべての面が実質的に取り囲まれ、第2の精製容器筐体320は、第2の精製容器筐体120の内部で第2の精製容器110の外に第2のインタースペース330を作り出す。
【0044】
精製システムハウジング15は、第1の精製容器筐体120および第2の精製容器筐体320の外である。
【0045】
各々の精製容器110、310の室内は、精製媒体(図示せず)を収容する。各々の精製容器110、310の室内は、容器入口コンジット150、350および容器出口コンジット140、340によってアクセスされる。図に示された容器入口コンジット150、350および容器出口コンジット140、340の場所は、単に例示に過ぎず、例えば、容器入口コンジット150、350および容器出口コンジット140、340の場所が互いに切り替えられることを含め、他の構成も想定される。精製プロセス、すなわち、製造ステップでの使用のためにバルクプロセスガスを精製するプロセス中に、容器入口弁152、352が、バルクプロセスガス入口コンジット154、354を介してバルクプロセスガス供給源(図示せず)からの入力を選択するために使用されることがある。再生プロセス中に、容器入口弁152、352が、再生ガス入口コンジット156、356を介して再生ガス供給源(図示せず)からの入力を選択するために使用されることがある。
【0046】
再生ガスは、再生ガスヒータ190、390を通過させて再生ガスを流すことによって再生ガス温度まで加熱される。再生ガスヒータ190、390は、(図示したように)精製容器筐体120、320の内側に、すなわち、インタースペース130、330に設置されるが、(図示のようではなく)精製容器筐体120、320の外に代わりに設置されることもある。精製プロセス中に、容器出口弁142、342が、精製されたバルクプロセスガス出口コンジット144、344を介した精製されたバルクプロセスガス分配システム(図示せず)への出力を選択するために使用されることがある。再生プロセス中に、容器出口弁142、342が、再生ガス出口コンジット146、346を介した再生ガス目的地(図示せず)への出力を選択するために使用されることがある。使用される再生ガスのタイプに応じて、再生ガス目的地は、ストレージ、貯留、または大気への放出であってもよい。典型的な動作中に、どの時点においても、精製容器110、310のうちの一方だけが、再生され、その間には他方は、典型的には精製プロセスに携わる。
【0047】
精製容器筐体120、320は、入口ダンパ165、365を使用して開閉されることがある筐体入口160、360、および出口ダンパ175、375を使用して開閉されることがある筐体出口170、370を含む。精製容器筐体120、320は、任意選択で、循環送風機180、380を含むことができる。精製容器筐体120、320は、任意選択で、ヒータ190、390を含むことができる。どの時点においても、1つの容器だけに対して典型的には実行される再生プロセスの再生ステップ中には、入口ダンパ165、365および出口ダンパ175、375が閉じられる。循環送風機180、380が、オンにされることがある。再生ガスヒータ190、390をオンにする。再生プロセスの冷却ステップ中には、入口ダンパ165、365および出口ダンパ175、375が開かれる。循環送風機180、380が、オンにされることがある。再生ガスヒータ190、390が、オフにされる。
【0048】
図3Aを参照すると、精製プロセス中には、容器入口弁152が、バルクプロセスガス入口コンジット154を介したプロセスガス供給源(図示せず)からの入力を選択し、容器入口コンジット150を介して精製容器110の室内へ精製ガス温度でガスを配送するために使用される。精製されたガスは、容器出口コンジット140を介して精製容器110を出る。容器出口弁142が、精製されたバルクプロセスガス出口コンジット144を介した精製されたバルクプロセスガス分配システム(図示せず)への出力を選択するために使用される。筐体入口160を覆う入口ダンパ165および筐体出口170を覆う出口ダンパ175は、精製容器筐体120の室内のインタースペース130内の雰囲気大気の受動的な循環を可能にするために、両者とも開かれることがある。
【0049】
図3Bを参照すると、再生プロセスの再生ステップ中には、容器入口弁152が、再生ガス温度まで加熱されるように再生ガスヒータ190を通過する再生ガス入口コンジット156を介した再生ガス供給源(図示せず)からの入力を選択するために使用される。再生ガスは、容器入口コンジット150を介して精製容器110の室内へと配送される。再生ガスは、容器出口コンジット140を介して精製容器110を出る。容器出口弁142が、再生ガス出口コンジット146への出力を選択するために使用される。筐体入口160を覆う入口ダンパ165および筐体出口170を覆う出口ダンパ175が、精製容器筐体120の室内のインタースペース130内に熱を保つために閉じられる。循環送風機180が、インタースペース130内の熱を分散させるためにオンにされる。
【0050】
図3Cを参照すると、再生プロセスの冷却ステップ中には、容器入口弁152が、冷却ガス温度での冷却ガス入口コンジット156を介した冷却ガス供給源(図示せず)からの入力を選択するために使用され、冷却ガス供給源は、典型的には(示したように)再生ガス供給源と同じである。冷却ガスは、容器入口コンジット150を介して精製容器110の室内へ配送される。冷却ガスは、容器出口コンジット140を介して精製容器110を出る。容器出口弁142が、冷却ガス出口コンジット146への出力を選択するために使用され、冷却ガス出口コンジット146は、典型的には(示したように)再生ガス出口と同じ出口である。筐体入口160を覆う入口ダンパ165および筐体出口170を覆う出口ダンパ175が、精製容器筐体120の内部のインタースペース130内の雰囲気大気の循環を可能にするために開かれる。循環送風機180が、インタースペース130内の冷却雰囲気空気を分散させるためにオンにされる。
【0051】
ある種の好ましい方法によれば、インタースペースを通る雰囲気空気の強制された(無対流の)流れを流すことを含む方法とともに、記載したような空気循環通路を含む記載したようなシステムの使用によって実行される冷却ステップが、インタースペースを通る雰囲気空気の強制された流れを流すステップを含まない相応の(そうでなければ同一の)方法と比較して短縮された時間内に実行されることが可能である。1つの例として、冷却ステップは、摂氏25度の温度を有する雰囲気空気の強制された流れを用いて実行され、精製媒体の温度を摂氏60度よりも低くまで低下させるものであることが可能で、ここでは、60度よりも低くまで精製媒体の温度を下げるために必要な時間は、インタースペースを通る雰囲気空気冷却温度の雰囲気空気を流さずに60度よりも低くまで精製媒体の温度を下げるために必要であるはずの時間の40、50、または60%未満である。
【0052】
第1の態様では、バルクプロセスガス精製器システムは、精製媒体を収容する容器室内を有する容器を備える精製器と、容器を取り囲み、筐体の内側であり容器の外であるインタースペースを画定する筐体と、筐体内の空気循環通路であって、正の入力圧力でのインタースペースの中への雰囲気ガスの流れ、インタースペース内部の雰囲気ガスの無対流循環、およびインタースペースから筐体の室外への正の出口圧力での循環した雰囲気ガスの流れを可能にし、筐体の室外からインタースペースの中への正の入力圧力での雰囲気ガスの流れを可能にする筐体入口と、インタースペースから筐体の室外への正の出力圧力での雰囲気ガスの流れを可能にする筐体出口とを備える、空気循環通路と、バルクプロセスガスを容器室内へ流し入れ、精製媒体を通り、容器室内の外へ流れ出させるように適合されたバルクプロセスガス循環システムとを具備する。
【0053】
第1の態様に記載の第2の態様では、筐体入口が、少なくとも7平方インチ(45.2平方センチメートル)の開口面積を有する。
【0054】
筐体出口が、少なくとも7平方インチ(45.2平方センチメートル)の開口面積を有する、第1または第2の態様に記載の第3の態様。
【0055】
筐体入口が、入口管路の取り付け具を受けるように適合される、第1から第3のいずれか一態様に記載の第4の態様。
【0056】
筐体出口が、出口管路の取り付け具を受けるように適合される、第1から第4のいずれか一態様に記載の第5の態様。
【0057】
筐体入口を開閉するための入口ダンパをさらに備える、第1から第5のいずれか一態様に記載の第6の態様。
【0058】
入口ダンパが、入口ダンパを開くことまたは閉じることができる入口アクチュエータを装備する、第6の態様に記載の第7の態様。
【0059】
筐体出口を開閉するための出口ダンパをさらに備える、第1から第7のいずれか一態様に記載の第8の態様。
【0060】
インタースペース内部のガス状の流体を循環させるためにインタースペース内部に設置された羽根車を含む循環送風機をさらに備える、第1から第8のいずれか一態様に記載の第9の態様。
【0061】
筐体が、筐体入口および筐体出口以外の10cm2以上の開口面積を有する開口部を含まず、貫通口の開口面積が、所定の位置で貫通口を通過する任意の物品を用いて測定される、第1から第9のいずれか一態様に記載の第10の態様。
【0062】
筐体入口が、筐体の天板に設置され、筐体出口が、筐体の天板に設置される、第1から第10のいずれか一態様に記載の第11の態様。
【0063】
正の入力圧力が、少なくとも50トール(6.65kPa)だけ筐体の外側の雰囲気圧力を超える、第1から第11のいずれか一態様に記載の第12の態様。
【0064】
インタースペースが、少なくとも20トール(2.66kPa)だけ筐体の外側の雰囲気圧力を超える正の圧力を有する、第1から第12のいずれか一態様に記載の第13の態様。
【0065】
バルクプロセスガス循環システムは、バルクガスが容器室内へと流れる前にバルクプロセスガスを加熱することができるヒータを備える、第1から第13のいずれか一態様に記載の第14の態様。
【0066】
バルクプロセスガス循環システムが、供給バルクプロセスガスを容器へ導く容器入口と、フィルトレーション媒体を通過した後で容器から精製されたバルクプロセスガスを導く容器出口とを含む、第1から第14のいずれか一態様に記載の第15の態様。
【0067】
第2の精製媒体を収容する第2の容器室内を有する第2の容器を備える第2の精製器と、第2の容器を取り囲み、第2の筐体の内側であり第2の容器の外である第2のインタースペースを画定する第2の筐体と、第2の筐体内の第2の空気循環通路であって、第2の正の入力圧力での第2のインタースペースの中への雰囲気ガスの流れ、第2のインタースペース内部の雰囲気ガスの無対流循環、および第2のインタースペースから第2の筐体の室外への第2の正の出口圧力での循環した雰囲気ガスの流れを可能にし、第2の筐体の室外から第2のインタースペースの中への第2の正の入力圧力での雰囲気ガスの第2の流れを可能にする第2の筐体入口と、第2のインタースペースから第2の筐体の室外への第2の正の出力圧力での雰囲気ガスの流れを可能にする第2の筐体出口とを備える、第2の空気循環通路と、バルクプロセスガスを第2の容器室内へ流し入れ、第2の精製媒体を通り、第2の容器室内の外へ流れ出させるように適合された第2のバルクプロセスガス循環システムとをさらに具備する、第1から第15のいずれか一態様に記載の第16の態様。
【0068】
第17の態様では、バルクプロセスガス精製器システムの精製媒体を再生する方法であって、ガス精製器システムが、精製媒体を収容する容器室内を有する容器を備える精製器と、容器を取り囲み、筐体の内側であり容器の外であるインタースペースを画定する筐体であって、インタースペースの中への雰囲気ガスの流れを可能にする筐体入口と、インタースペースからの雰囲気ガスの流れを可能にする筐体出口と、を備える筐体と、バルクプロセスガスを容器室内へ流し入れ、精製媒体を通り、容器室内の外へ流れ出させるように適合されたバルクプロセスガス循環システムとを具備し、方法が、バルクプロセスガス中の不純物を精製媒体によって除去させるため、不純物の減少したレベルを有する精製されたバルクプロセスガスを生成するために精製温度で精製媒体を通ってバルクプロセスガスを流すことと、不純物が精製媒体に集められた後で、再生ガス温度を有する再生ガスを精製媒体を通って流すことによって精製媒体を再生することであって、これにより再生ガスが精製媒体を再生温度まで加熱し、精製媒体から集められた不純物を除去させ、再生ガスと共に容器から流出させる、精製媒体を再生することと、精製媒体を再生することの後で、精製媒体の温度を下げるために、精製媒体を通り再生温度よりも低い冷却ガス温度で冷却ガスを流すことによって精製媒体を冷却することと、冷却中に、摂氏60度よりも低い雰囲気空気冷却温度でインタースペースを通る雰囲気空気の流れを流すこととを備え、雰囲気空気が、システム筐体の室外の場所から、筐体入口を通り、インタースペースの中へと流れることと、無対流方式でインタースペース内部を循環することと、インタースペースから筐体出口を通り筐体の室外の場所へ流れることとを含む、方法。
【0069】
精製温度が、摂氏10度から摂氏40度までの範囲内である、第17の態様に記載の第18の態様。
【0070】
摂氏60度よりも低くまで精製媒体の温度を下げるために必要な時間は、インタースペースを通って雰囲気空気冷却温度の雰囲気空気を流さずに60度よりも低くまで精製媒体の温度を下げるために必要であるはずの時間の50パーセントよりも短い、冷却中に、精製媒体の温度を摂氏60度よりも低くまで下げることを含む、第17または第18の態様に記載の第19の態様。
【0071】
バルクプロセスガスが、水素、アルゴン、ヘリウム、酸素、二酸化炭素、窒素、アンモニア(NH3)、および超クリーンドライエアから選択される、第17から第19のいずれか一態様に記載の第20の態様。
【0072】
冷却ガス温度が、摂氏10度から摂氏40度までの範囲内である、第17から第20のいずれか一態様に記載の第21の態様。
【0073】
雰囲気ガス温度が、摂氏10度から摂氏40度までの範囲内である、第17から第21のいずれか一態様に記載の第22の態様。
【0074】
この開示の様々な修正形態および代替形態が、この開示の範囲および原理から逸脱せずに可能であることは当業者には明らかであろう、この開示が本明細書において上に記述した例示の実施形態に過度に限定されるべきでないことが理解されるはずである。