(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】化学反応方法および化学反応装置
(51)【国際特許分類】
C07C 29/152 20060101AFI20240705BHJP
C07C 31/04 20060101ALI20240705BHJP
B01J 8/02 20060101ALI20240705BHJP
B01J 8/06 20060101ALI20240705BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20240705BHJP
【FI】
C07C29/152
C07C31/04
B01J8/02 E
B01J8/06 301
C07B61/00 300
(21)【出願番号】P 2021548859
(86)(22)【出願日】2020-09-17
(86)【国際出願番号】 JP2020035279
(87)【国際公開番号】W WO2021060145
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2023-03-27
(31)【優先権主張番号】P 2019177458
(32)【優先日】2019-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】鈴田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】松田 雅人
(72)【発明者】
【氏名】中筋 雄大
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 雄一
【審査官】前田 憲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-009265(JP,A)
【文献】特開2004-299924(JP,A)
【文献】特開2004-149337(JP,A)
【文献】特開2000-281310(JP,A)
【文献】特表2007-512458(JP,A)
【文献】国際公開第2010/101073(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 29/
C07C 31/
B01J 8/
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料ガスよりも沸点の高い成分を生成物に含み、気相での反応の進行が原料-生成物間の化学平衡により制約される反応を進行させる化学反応方法であって、
前記原料ガスは、酸化炭素および水素を含み、前記生成物にメタノールを含み、
前記反応を促進する触媒と、
前記反応で生じた反応ガスの透過が可能な透過壁と、
前記透過壁とは、前記触媒を挟んで反対側に位置する第1熱交換部と、
前記透過壁と空間を隔てて配置された第2熱交換部とを備えた化学反応装置を使用し、
前記触媒に前記原料ガスを供給し、
前記第1熱交換部の前記触媒と接する側の表面の温度が前記反応ガスの露点より高い温度に維持されるように、前記第1熱交換部に第1熱媒を流通させ
前記第2熱交換部に、前記第2熱交換部の、前記空間側の表面の温度が前記反応ガスの露点以下の温度に維持されるように第2熱媒を流通させ、
前記空間内で凝縮した液体を落下させて前記原料ガスから分離することを特徴とする化学反応方法。
【請求項2】
前記触媒により触媒される反応は、発熱反応であり、前記反応ガスの露点より80℃以上高い温度で行われ、
前記第1熱媒の温度は、前記触媒を含む触媒層の平均温度より5~30℃低く、
前記第2熱媒の温度は、前記反応ガスの露点より20℃以上低いことを特徴とする請求項1に記載の化学反応方法。
【請求項3】
原料ガスよりも沸点の高い成分を生成物に含み、気相での反応の進行が原料-生成物間の化学平衡により制約される反応を進行させる化学反応装置であって、
前記原料ガスは、酸化炭素および水素を含み、前記生成物にメタノールを含み、
前記原料ガスが供給され、前記反応を促進する触媒と、
前記反応で生じた反応ガスの透過が可能な透過壁と、
前記透過壁とは、前記触媒を挟んで反対側に位置する第1熱交換部と、
前記透過壁と空間を隔てて配置された第2熱交換部とを備え、
前記第1熱交換部の前記触媒と接する側の表面の温度が前記反応ガスの露点より高い温度に維持されるように、前記第1熱交換部に第1熱媒が流通され、
前記第2熱交換部には、前記第2熱交換部の、前記空間側の表面の温度が前記反応ガスの露点以下の温度に維持されるように第2熱媒が流通され、
前記空間内で凝縮した液体を落下させて前記原料ガスから分離することを特徴とする化学反応装置。
【請求項4】
原料ガスよりも沸点の高い成分を生成物に含み、気相での反応の進行が原料-生成物間の化学平衡により制約される反応を内部で進行させる多重構造の反応管を少なくとも1つ含む反応容器を備え、
前記原料ガスは、酸化炭素および水素を含み、前記生成物にメタノールを含み、
少なくとも1つの前記反応管のそれぞれは、
前記反応で生じた反応ガスの透過が可能な内筒と、
前記内筒が内部に設けられた、第1熱交換部を構成する外筒と、
前記内筒の内部に設けられた第2熱交換部とを備え、
前記内筒と前記外筒との間に配置された触媒層に対して前記原料ガスが供給され、
前記第2熱交換部には、前記第2熱交換部の外側表面の温度が前記反応ガスの露点以下の温度に維持されるように第2熱媒が流通され、
前記第2熱交換部と前記内筒との間に形成された第1空間内で凝縮した液体を落下させて前記原料ガスから分離し、
前記外筒の内側表面の温度が前記反応ガスの露点より高い温度に維持されるように、前記外筒の外側に第1熱媒が流通されることを特徴とする化学反応装置。
【請求項5】
前記液体および、前記触媒層を通過したガスを前記第1空間の鉛直下側で貯留する貯留部と、
前記貯留部の内部に設けられた連通管とをさらに備え、
前記連通管は、前記第1空間と連続する第2空間を前記第2熱交換部の表面との間に形成し、
前記連通管の下端は、前記貯留部に貯留された前記液体内に浸漬するように位置決めされていることを特徴とする請求項
4に記載の化学反応装置。
【請求項6】
前記貯留部は、前記貯留部の内部に貯留された前記ガスを排気する排気部を備え、
前記排気部は、前記連通管の下端よりも鉛直上側の位置に設けられていることを特徴とする請求項
5に記載の化学反応装置。
【請求項7】
原料ガスよりも沸点の高い成分を生成物に含み、気相での反応の進行が原料-生成物間の化学平衡により制約される反応を内部で進行させる多重構造の反応管を少なくとも1つ含む反応容器を備え、
前記原料ガスは、酸化炭素および水素を含み、前記生成物にメタノールを含み、
少なくとも1つの前記反応管のそれぞれは、
前記反応で生じた反応ガスの透過が可能な内筒と、
前記内筒の内部に設けられた第1熱交換部と
前記内筒が内部に設けられた、第2熱交換部を構成する外筒とを備え、
前記内筒と前記第1熱交換部との間に配置された触媒層に対して前記原料ガスが供給され、
前記外筒の内側表面の温度が前記反応ガスの露点以下の温度に維持されるように、前記外筒の外側に第2熱媒が流通され、
前記内筒と前記外筒との間に形成された第1空間内で凝縮した液体を落下させて前記原料ガスから分離し、
前記第1熱交換部には、前記第1熱交換部の表面の温度が前記反応ガスの露点より高い温度に維持されるよう第1熱媒が流通されることを特徴とする化学反応装置。
【請求項8】
前記液体を前記第1空間の鉛直下側で貯留する液体貯留部と、
前記触媒層の鉛直下側において、前記触媒層を通過したガスを貯留するガス貯留部と、
前記液体貯留部の内部に設けられた延長管とをさらに備え、
前記延長管は前記第1空間と連続する第2空間を前記液体貯留部内部に形成し、
前記延長管の下端は前記液体貯留部に貯留された前記液体内に浸漬するように位置決めされ、
前記液体貯留部と前記ガス貯留部とは、別々の空間を形成していることを特徴とする請求項
7に記載の化学反応装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は原料ガスから生成物を得るための化学反応を、触媒を用いて気相で進行させる化学反応装置および化学反応方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、水素と、一酸化炭素あるいは二酸化炭素とを主成分とする原料ガスを触媒の存在下にて反応させてメタノールを合成する方法が開示されている。当該方法では、冷却面で液化させたメタノールを反応系外に抜き出し、平衡転化率を超えてメタノールへの反応を進行させている。
【0003】
特許文献1の発明では、メタノール合成のような発熱反応において、触媒層で発生する反応熱と、生成物の液化分離に伴い発生する凝縮熱の両方を、凝縮側に配置された冷却管によって除去している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】日本国特開2005-298413(2005年10月27日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1には、1つの反応器内において、反応のための温度環境と凝縮のための温度環境との両方を、熱効率の観点から好ましい態様で実現する構成は開示されていない。
【0006】
本発明の一態様は、原料ガスから生成物を得るための化学反応を、平衡転化率を超えて進行させる場合に、反応のための温度環境と凝縮のための温度環境とを熱効率の観点から好ましく制御することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る化学反応方法は、原料ガスよりも沸点の高い成分を生成物に含み、気相での反応の進行が原料-生成物間の化学平衡により制約される反応を進行させる化学反応方法であって、前記反応を促進する触媒と、前記反応で生じた反応ガスの透過が可能な透過壁と、前記透過壁とは、前記触媒を挟んで反対側に位置する第1熱交換部と、前記透過壁と空間を隔てて配置された第2熱交換部とを備えた化学反応装置を使用し、前記触媒に前記原料ガスを供給し、前記第1熱交換部の前記触媒と接する側の表面の温度が前記反応ガスの露点より高い温度に維持されるように、前記第1熱交換部に第1熱媒を流通させ、前記第2熱交換部に、前記第2熱交換部の、前記空間側の表面の温度が前記反応ガスの露点以下の温度に維持されるように第2熱媒を流通させ、前記空間内で凝縮した液体を落下させて前記原料ガスから分離することを特徴とする。
【0008】
本発明の一態様に係る化学反応装置は、原料ガスよりも沸点の高い成分を生成物に含み、気相での反応の進行が原料-生成物間の化学平衡により制約される反応を進行させる化学反応装置であって、前記原料ガスが供給され、前記反応を促進する触媒と、前記反応で生じた反応ガスの透過が可能な透過壁と、前記透過壁とは、前記触媒を挟んで反対側に位置する第1熱交換部と、前記透過壁と空間を隔てて配置された第2熱交換部とを備え、前記第1熱交換部の前記触媒と接する側の表面の温度が前記反応ガスの露点より高い温度に維持されるように、前記第1熱交換部に第1熱媒が流通され、前記第2熱交換部には、前記第2熱交換部の、前記空間側の表面の温度が前記反応ガスの露点以下の温度に維持されるように第2熱媒が流通され、前記空間内で凝縮した液体を落下させて前記原料ガスから分離することを特徴とする。
【0009】
本発明の一態様に係る化学反応装置は、原料ガスよりも沸点の高い成分を生成物に含み、気相での反応の進行が原料-生成物間の化学平衡により制約される反応を内部で進行させる多重構造の反応管を少なくとも1つ含む反応容器を備え、少なくとも1つの前記反応管のそれぞれは、前記反応で生じた反応ガスの透過が可能な内筒と、前記内筒が内部に設けられた、第1熱交換部を構成する外筒と、前記内筒の内部に設けられた第2熱交換部とを備え、前記内筒と前記外筒との間に配置された触媒層に対して前記原料ガスが供給され、前記第2熱交換部には、前記第2熱交換部の外側表面の温度が前記反応ガスの露点以下の温度に維持されるように第2熱媒が流通され、前記第2熱交換部と前記内筒との間に形成された第1空間内で凝縮した液体を落下させて前記原料ガスから分離し、前記外筒の内側表面の温度が前記反応ガスの露点より高い温度に維持されるように、前記外筒の外側に第1熱媒が流通されることを特徴とする。
【0010】
本発明の一態様に係る化学反応装置は、原料ガスよりも沸点の高い成分を生成物に含み、気相での反応の進行が原料-生成物間の化学平衡により制約される反応を内部で進行させる多重構造の反応管を少なくとも1つ含む反応容器を備え、少なくとも1つの前記反応管のそれぞれは、前記反応で生じた反応ガスの透過が可能な内筒と、前記内筒の内部に設けられた第1熱交換部と前記内筒が内部に設けられた、第2熱交換部を構成する外筒とを備え、前記内筒と前記第1熱交換部との間に配置された触媒層に対して前記原料ガスが供給され、前記外筒の内側表面の温度が前記反応ガスの露点以下の温度に維持されるように、前記外筒の外側に第2熱媒が流通され、前記内筒と前記外筒との間に形成された第1空間内で凝縮した液体を落下させて前記原料ガスから分離し、前記第1熱交換部には、前記第1熱交換部の表面の温度が前記反応ガスの露点より高い温度に維持されるよう第1熱媒が流通されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、原料ガスから生成物を得るための化学反応を、平衡転化率を超えて進行させる場合に、反応のための温度環境と凝縮のための温度環境とを熱効率の観点から好ましく制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図3】実施形態2に係る反応装置が備える反応管の断面図である。
【
図4】実施形態2に係る反応装置が備える第2熱交換部の断面図である。
【
図6】実施形態3に係る反応装置が備える反応管の断面図である。
【
図7】実施形態3に係る反応装置が備える第1熱交換部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
〔実施形態1〕
(反応装置100の構成)
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
図1は、実施形態1に係る反応装置100を底面に垂直な平面で切断したときの断面図である。反応装置100は、原料ガス31の主成分よりも沸点の高い成分を生成物に含み、気相での反応の進行が原料-生成物間の化学平衡により制約される反応を行うための化学反応装置である。
【0014】
反応装置100では、生成物を凝縮させ、反応容器内から回収することで、化学平衡を生成物側にシフトさせ、反応を進めることが可能となる。特に、反応装置100は、原料ガス31に酸化炭素および水素を含み、前記生成物にメタノールを含む、下記式(1)~(3)に示す化学反応を行う装置として好適に利用できる。
【0015】
CO+2H2⇔CH3OH ・・・(1)
CO2+3H2⇔CH3OH+H2O ・・・(2)
CO2+H2⇔CO+H2O ・・・(3)
その他、ジメチルエーテルまたはアンモニアを生成物として生じる反応を行うために反応装置100を用いることもできる。
【0016】
反応装置100は、
図1に示すように、反応容器1と、第1熱交換部22と、第1熱交換部22に接する触媒層3と、透過壁40と、透過壁40と空間4を隔てて配置される第2熱交換部52とを備えている。透過壁40は、触媒層3の、第1熱交換部22が位置する側とは反対側に設けられている。反応容器1は、例えば、耐圧性を有するステンレス製の金属製の容器である。
【0017】
第1熱交換部22は、反応容器1の内側壁面と第1熱交換壁20とによって構成される熱交換器である。第1熱交換部22の内部には、第1熱媒21を流通させる第1熱媒領域2が形成されている。第1熱交換部22には、第1熱媒21を第1熱媒領域2に供給するための第1熱媒供給口25、および第1熱媒21を第1熱媒領域2から排出するための第1熱媒回収口26が形成されている。第1熱交換壁20は、流体が通過できない部材からなり、第1熱交換壁20の触媒層3側の面は、第1熱交換面として作用する。
図1では、第1熱交換壁20は、板状の部材として示されているが、その形状は板状に限定されない。第1熱交換壁20は、その表面が波状などに成形されていてもよい。また、第1熱交換部22の形状も
図1の形状に限定されず、多管式、スパイラル形状など、熱交換の効率を向上させるような多様な形状を採用することができる。
【0018】
第1熱交換部22は、第1熱媒21を第1熱媒領域2に流通させることによって、第1熱交換壁20を反応ガス32の露点より高い温度に維持することができる。触媒層3内で起こる反応が発熱反応の場合、第1熱媒21は、反応によって生じる反応熱を冷却するための熱媒として作用する。触媒層3内で起こる反応が吸熱反応の場合、触媒層3に熱を加えるための熱媒として作用する。これにより、第1熱媒は、触媒層3の温度を反応ガス32の露点以上に維持する。
【0019】
ここで、「反応ガス32の露点」とは、反応ガス32が触媒層3内に存在する温度、圧力において、気相での反応が化学平衡に達した状況で反応ガス32を冷却した際、凝縮が開始する温度を意味する。
【0020】
反応ガス32の露点は、気相組成と圧力を与えれば、気液平衡モデルを用いて適切な気液平衡計算を行うことにより、凝縮液組成と同時に求めることができる。圧力が1MPaを超える高圧の場合は、気液平衡モデルとして、例えばPeng-Robinson式、Redich-Kwong-Soave式などの拡張された3次状態方程式を用いることができる。
【0021】
第1熱交換壁20の温度は、触媒層3全体が反応ガス32の露点より高い温度に維持されるような温度であることがより好ましい。第1熱媒21としては、生成物がメタノールである場合、例えば、220~265℃の高圧ボイラ水(例えば、2.2MPaG~5.0MPaGの飽和水)、溶融金属塩(例えば、亜硝酸ナトリウムと硝酸カリウムの混合物)、熱媒油を利用することができる。なお、本明細書において、「A~B」とは、A以上B以下であることを示している。
【0022】
第2熱交換部52は、反応容器1の内側壁面と第2熱交換壁50とによって構成される熱交換器である。第2熱交換部52の内部には、第2熱媒51を流通させる第2熱媒領域5が形成されている。第2熱交換部52には、第2熱媒領域5に第2熱媒51を供給するための第2熱媒供給口55、および第2熱媒領域5から第2熱媒51を排出するための第2熱媒回収口56が形成されている。第2熱交換壁50は、流体が通過できない部材からなり、第2熱交換壁50の空間4側の面は、第2熱交換面として作用する。
図1では、第2熱交換壁50は、板状の部材として示されているが、その形状は板状に限定されない。第2熱交換壁50は、その表面が波状などに成形されていてもよい。また、第2熱交換部52の形状も
図1の形状に限定されず、多管式、スパイラル形状など、熱交換の効率を向上させるような多様な形状を採用することができる。
【0023】
第2熱交換部52は、第2熱媒51を第2熱媒領域5に流通させることによって、第2熱交換壁50の温度を反応ガス32の露点以下に維持することができる。第2熱媒51としては、生成物がメタノールである場合、例えば、80~150℃の低圧ボイラ水(例えば、-0.05~0.4MPaGの飽和水)、工業用水、アンモニア水溶液、ペンタン等の炭化水素化合物、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン等のフロン化合物、を利用することができる。
【0024】
より詳細には、触媒30により触媒される反応が、反応ガス32の露点より80℃以上高い温度で行われる発熱反応の場合、第1熱媒21の温度は、触媒層3の平均温度より5~30℃低く、第2熱媒51の温度は、反応ガス32の露点より20℃以上低いことが好ましい。
【0025】
ここで、第1熱媒、第2熱媒の温度とは、それぞれの供給口における温度と回収口における温度との平均を意味する。本発明では第1熱媒21と第2熱媒51との温度差が大きいほど効果を得やすい。上記温度範囲では、第1熱媒21と第2熱媒51との温度差は、少なくとも70℃よりも大きくなる。つまり、凝縮側である第2熱媒51によって回収される熱が有するエクセルギーよりも、反応側である第1熱媒21によって回収される熱が有するエクセルギーが有意に大きくなる。上記の温度範囲で第1熱媒21および第2熱媒51の温度を制御し、熱を回収することにより、高位のエクセルギーを有する反応熱を有効に利用することができる。
【0026】
なお、第1熱媒供給口25および第1熱媒回収口26、並びに第2熱媒供給口55および第2熱媒回収口56は、
図1において、反応容器1の下部と上部とに形成されている。しかしながら、これらの位置は、用いる熱媒の圧力により、適切な位置に、適切な仕様で設けることができることを理解されたい。また、第1熱媒21および第2熱媒51の供給温度および供給圧力は、反応容器1内で実施される反応の温度および反応ガス32の露点に応じて、適切な値に設定され得る。
【0027】
触媒層3には、反応に適切な触媒30が充填されている。触媒層3は、原料ガス31と触媒30とが接触し、反応が進行する領域である。触媒30として、例えば、銅および酸化亜鉛を主成分とする触媒を用いることができる。
【0028】
透過壁40は、ガスが透過できる多孔部材を用いて構成される。透過壁40は、反応ガス32が通過可能であり、触媒30が通過できない部材が利用され、例えば、適切な孔サイズの金属メッシュなどが用いられる。反応ガス32は、未反応の原料ガスと未凝縮の反応生成物ガスとを含んでいる。
【0029】
空間4は、透過壁40と第2熱交換壁50との間に形成された空間である。空間4の下部には、第2熱交換壁50の空間4側の面上で凝縮し、液化した生成物(凝縮液41)を貯留することのできる凝縮液貯留部47が形成されている。凝縮液41は、凝縮液貯留部47の底部に設けられた凝縮液回収口46を通して、回収される。ここで、透過壁40の空間4側の面と、第2熱交換壁50の空間4側の面との間の距離を空間4の厚みと定義する。また、第1熱交換壁20の触媒層3側の面と、透過壁40の触媒層3側の面との距離を触媒層3の厚みと定義する。空間4の厚みは、触媒層3の厚みの0.01~2.0倍が好ましく、更に好ましくは0.05~1.0倍である。このような空間4の厚みが、第2熱交換壁50の鉛直方向において80%以上の領域において実現されていることが好ましく、95%以上の領域において実現されていることがより好ましい。空間4の厚みが触媒層3の厚みの0.01倍より小さいと、熱伝達を妨げる効果が小さく、触媒層3内にて生成物の凝縮が生じる可能性がある。空間4の厚みが触媒層3の厚みの2.0倍より大きいと、触媒層3から第2熱交換壁50への生成物の物質移動が妨げられ、凝縮により化学平衡を生成物側にシフトさせるのが難しくなる。
【0030】
(反応の流れ)
原料ガス31は、触媒層3の上部に設けられた原料ガス入口35から供給され、触媒層3に充填されている触媒30と接触することにより反応が進行する。反応により生成した反応ガス32は、透過壁40を通過して空間4に進む。その後、反応ガス32が第2熱交換壁50で反応ガス32の露点以下に冷却されることにより、生成物が凝縮される。凝縮し、液化した生成物は、凝縮液貯留部47に落下し、凝縮液回収口46を介して、凝縮液41として回収される。
【0031】
触媒層3側から透過壁40を通過する反応ガス32には、未反応の原料ガスも含まれる。しかしながら、未反応の原料ガスに含まれる主成分は、第2熱交換壁50では凝縮されない。また、空間4の下部に凝縮液貯留部47が設けられていることにより、未反応の原料ガスは凝縮液回収口46から凝縮液41と共に排気されることなく、再び触媒層3に戻る。
【0032】
ここで、空間4を通って触媒層3の出口に向かう未反応の原料ガスの比率が過大にならないよう、透過壁40を通過するガス流量を適正範囲に保つことが好ましい。前記ガス流量を適正範囲に保つために、例えば、透過壁40を形成する多孔部材の開孔率を調整してもよい。または、前記ガス流量を適正範囲に保つために、空間4内にガス流れの抵抗となる部材を挿入してもよい。
【0033】
触媒層3で反応しなかった原料を含む反応ガス32は、反応ガス回収口36から回収される。
【0034】
(反応熱および凝縮熱の回収)
第1熱媒21は、例えば、2.2~5.0MPaGのボイラ水として第1熱媒供給口25から供給される。発熱反応の場合、触媒層3で生じた反応熱は、第1熱交換壁20を介して熱交換され、第1熱媒21に回収される。第1熱媒21は、第1熱媒回収口26を通り、高圧スチーム分離ドラム(図示せず)に回収される。その後、気液分離されて得られる高圧蒸気は、例えば、原料を圧縮するための動力源として利用される。
【0035】
第2熱媒51は、例えば、0.05MPaGのボイラ水として第2熱媒供給口55から供給される。第2熱媒51は、第2熱交換壁50を介して熱交換することで、反応ガス32の熱を第2熱媒51に回収する。これにより、第2熱媒51は、空間4内の反応ガス32の温度を第2熱交換壁50の表面で露点以下まで低下させる。第2熱媒51は、第2熱媒回収口56を通り、低圧スチーム分離ドラム(図示せず)に回収される。その後、気液分離されて得られる低圧蒸気は、例えば、生成物の精製工程における熱源などとして利用される。
【0036】
(実施形態1の効果)
以上のように、実施形態1の反応装置100は、原料ガス31よりも沸点の高い成分を生成物に含み、気相での反応の進行が原料-生成物間の化学平衡により制約される反応を進行させる化学反応装置である。また、実施形態1の化学反応方法は、反応装置100を使用した方法である。反応装置100は、原料ガス31が供給され、前記反応を促進する触媒30と、反応ガス32の透過が可能な透過壁40と、第1熱交換部22と、第2熱交換部52とを備えている。第1熱交換部22は、透過壁40とは触媒30を挟んで反対側に位置しており、第2熱交換部52は、透過壁40と空間4を隔てて配置されている。第2熱交換部52には、第2熱交換部52の、空間4側の表面の温度が反応ガス32の露点以下の温度に維持されるように第2熱媒51が流通される。空間4内で凝縮した液体(凝縮液)41は、落下し、原料ガス31から分離される。第1熱交換部22の触媒30と接する側の表面の温度が前記反応ガス32の露点より高い温度に維持されるように、第1熱交換部22に第1熱媒21が流通される。
【0037】
反応装置100および反応装置100を用いた化学反応方法によれば、生成物を凝縮液41として反応容器1内から回収することにより、気相での反応の進行が化学平衡により制約される反応系において、平衡転化率を超えて反応を進行させることができる。
【0038】
また、第1熱交換部22および第2熱交換部52によって、反応側および凝縮側の両方の温度を制御することが可能であり、反応装置の温度制御をより容易に、かつ確実に行うことができる。これにより、反応温度と凝縮温度とを熱効率の観点から好ましく制御することができる。
【0039】
また、反応装置100内に空間4が形成されていることにより、透過壁40と第2熱交換壁50との間に距離が設けられる。これにより、触媒層3と、凝縮液41が生成される第2熱交換壁との間の熱の伝達が妨げられ、触媒層3の、第2熱交換壁50に近い領域が、反応ガス32の露点以下になる可能性を低減することができる。つまり、触媒層3内で生成物の凝縮が生じる可能性を低減することができる。また、空間4の下部に凝縮液貯留部47が設けられていることにより、反応ガス32が、空間4を通ってそのまま反応装置から流出することを妨げ、未反応の原料ガスと触媒との接触をより確実にすることが可能となる。
【0040】
さらに、反応装置100を用いて実施する反応が発熱反応である場合、反応熱および凝縮熱の回収という観点から、エネルギーの利用効率を従来よりも増加させることも本発明の課題の1つである。反応装置100における化学反応が発熱反応である場合、反応装置100は、第1熱交換部22によって反応熱を回収し、第2熱交換部52によって凝縮熱を回収する。
【0041】
このように、凝縮熱と、当該凝縮熱よりも高温の反応熱とを別々に回収することにより、凝縮側のみで熱を回収する場合と比較して、エクセルギーの高い回収熱を回収することができる。エクセルギーの高い回収熱は、プロセスにおいて必要な高圧反応容器への供給原料の圧縮動力源の生成などに充てることができる。また、凝縮側で回収される回収熱は、生成物の分離回収などの工程において有効利用することができる。すなわち、反応装置100によれば、エネルギーの利用効率が従来よりも増加する。このような観点から、本発明を、反応装置100を含む熱エネルギー回収システムとして捉えることもできる。熱エネルギー回収システムに含まれる反応装置として、後述する反応装置100Aまたは反応装置100Bを用いてもよい。
【0042】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0043】
図2は、実施形態2に係る反応装置100Aを底面に垂直な平面で切断したときの断面図である。
図3は、反応装置100Aに含まれる反応管10Aを、反応管10Aの長軸に対して垂直な平面で切断したときの断面図である。反応装置100Aの基本的な原理は、反応装置100の当該原理と同じである。反応装置100Aでは円筒形状の反応管を用いている点において、反応装置100と異なっている。
【0044】
反応装置100Aは、反応装置100と同様に、原料ガス31に酸化炭素および水素を含み、生成物にメタノールを含む化学反応を行う装置として好適に利用できる。その他、ジメチルエーテルまたはアンモニアを生成物として生じる反応を行うために反応装置100Aを用いることもできる。
【0045】
(反応装置100A)
図2に示されるように、反応装置100Aは、反応容器1Aの内部に複数の反応管10Aを備えている。反応容器1Aの内部に設けられる反応管10Aの数は、特に限定されず、1つ以上であればよい。反応の効率を考慮すると、反応管10Aの数は、複数であることが好ましい。複数の反応管10Aの上側には、各反応管10Aに供給される原料ガス31が充満する原料ガス供給部37Aが形成されている。複数の反応管10Aの下側には、反応管10Aの内部で凝縮した液体および、触媒層3Aを通過したガスを貯留する貯留部48Aが形成されている。貯留部48Aの下側には、後述する第2熱交換部52Aから排出された第2熱媒51を貯留する第2熱媒回収部58Aが形成されている。さらにその下側には、第2熱交換部52Aに供給される第2熱媒51を貯留する第2熱媒供給部57Aが形成されている。前記各部は、金属板、例えば、ステンレス製の板で反応容器1Aの内部空間を区切ることによって形成されている。
【0046】
反応管10Aは、当該反応管10Aの上部に位置する金属板11Aおよび反応管10A下部に位置する金属板12Aに対して開口しており、反応管10Aの外筒20Aと、金属板11A・12Aとは溶接により接合されている。
【0047】
図2および
図3に示されるように、反応管10Aは、外側から順に、外筒20Aと、外筒20Aの内側壁面に接する筒状の触媒層3Aと、触媒層3Aの内側に設けられる内筒40Aと、第2熱交換部52Aとを備えている。第2熱交換部52Aは、内筒40Aと空間4A(第1空間)を隔てて配置されている。
【0048】
第1熱交換部22Aは、反応容器1Aの内側壁面の一部と、外筒20Aの外側壁面と、金属板11A・12Aとによって構成される熱交換器である。第1熱交換部22Aの内部には、複数の反応管10Aに共通の第1熱媒領域2Aが形成されている。第1熱媒領域2Aには、第1熱媒21が流通される。外筒20Aは、流体が通過できない部材からなり、外筒20Aの触媒層3A側の面は、第1熱交換面として作用する。
【0049】
反応容器1Aの側壁には、第1熱媒21を第1熱媒領域2Aに供給するための第1熱媒供給口25Aおよび第1熱媒21を第1熱媒領域2Aから排出するための第1熱媒回収口26Aが形成されている。第1熱交換部22Aは、第1熱媒21を第1熱媒領域2Aに流通させることによって、外筒20Aを反応ガス32の露点より高い温度に維持することができる。
【0050】
図4は、第2熱交換部52Aの長軸を含む平面で第2熱交換部52Aを切断したときの断面図である。
図4に示すように、第2熱交換部52Aは、第2熱交換壁50Aと内管59Aとを備えている。第2熱交換壁50Aと内管59Aとの間には、第2熱媒領域5Aが形成されている。第2熱媒領域5Aは、第2熱媒51が流通する領域である。
【0051】
第2熱交換部52Aは、2重管構造を有しており、内管59Aの先端は、第2熱媒供給部57Aの流入口53Aに接続されている。第2熱媒供給部57A内の第2熱媒51は、内管59Aを通して第2熱交換部52A内に供給される。一方、内管59Aの外側壁面と第2熱交換壁50Aの内側壁面との間の流路は、第2熱媒回収部58Aの内部に連通している。第2熱媒供給部57Aから出て内管59A内の上端に達した第2熱媒51は、前記流路を通過し、第2熱媒回収部58Aの上側壁面に形成された流出口54Aを通して、第2熱媒回収部58Aに排出される。
【0052】
第2熱交換壁50Aは、流体が通過できない部材からなり、第2熱交換壁50Aの空間4A側の面は、第2熱交換面として作用する。第2熱交換部52Aは、第2熱媒51を第2熱媒領域5Aに流通させることによって、第2熱交換壁50Aの温度を反応ガス32の露点以下に維持することができる。
【0053】
触媒層3Aには、反応に適切な触媒30が充填されている。反応管10Aの上端は、触媒層3Aの上端以外の範囲が金属製のキャップによって覆われており、ガスの流通が不可能なように形成されている。触媒層3Aの上端には開口部38Aが形成されており、開口部38Aを通して、原料ガス31が触媒層3Aに供給される。触媒層3Aの下端には、開口部39Aが形成されている。開口部39Aには、例えば、金属メッシュを用いて構成される支持部材が設けられており、当該支持部材は、触媒30の落下を防ぐ役割を果たしている。
【0054】
内筒40Aは、ガスが透過できる多孔部材からなり、触媒層3A内で生じた生成物および未反応原料を含むガスを、第2熱交換部52A側に透過させることができる。
【0055】
空間4Aは、内筒40Aと第2熱交換壁50Aとの間に形成された空間である。本実施形態では、空間4Aの鉛直下側に凝縮液流通管(連通管)42Aが設けられている。凝縮液流通管42Aは、空間4Aを鉛直下側に延長するように構成され、液体の透過できない部材を用いて構成される。より詳細には、凝縮液流通管42Aは、空間4Aと連続する空間(第2空間)6Aを第2熱交換部52Aの表面との間に形成する。空間4Aおよび触媒層3Aの厚みについての詳細は、実施形態1と同様である。また、このような空間4Aの厚みは、第2熱交換壁50Aの鉛直方向において80%以上の領域において実現されていることが好ましく、95%以上の領域において実現されていることがより好ましい。
【0056】
反応管10Aの下側には、空間4A内で生じた凝縮液41および、触媒層3Aを通過したガスを、空間4Aの鉛直下側で貯留する貯留部48Aが形成されている。凝縮液流通管42Aは、貯留部48Aの内部に設けられており、凝縮液流通管42Aの下端は、貯留部48Aの底部(凝縮液貯留部47Aと称する)に貯留された凝縮液41内に浸漬するように位置決めされている。
【0057】
また、貯留部48Aの内部における上側の空間(ガス回収領域49Aと称する)には、触媒層3Aを通過した、未凝縮ガス32Aが貯留される。未凝縮ガス32Aは、反応ガス32が凝縮することなく触媒層3Aを通過し、ガス回収領域49A(貯留部48A)を経て凝縮液貯留部(液体貯留部)47Aと接触した後に排出されるガスである。貯留部48Aは、ガス回収領域49Aに貯留された、未凝縮ガス32Aを排気する未凝縮ガス回収口36A(排気部)を備えている。未凝縮ガス回収口36Aは、凝縮液流通管42Aの下端よりも鉛直上側の位置に設けられている。
【0058】
空間4A内で凝縮された生成物である凝縮液41は、凝縮液流通管42Aの内部を通り、凝縮液貯留部47Aに排出される。凝縮液貯留部47Aの凝縮液41は、貯留部48Aの底部付近に設けられた凝縮液回収口46Aを通して回収される。ここで、凝縮液回収口46Aから反応ガス32が回収されないように、凝縮液回収口46Aからの流体の排出制御が行われる。
【0059】
(反応の流れ)
原料ガス31は、原料ガス入口35Aから供給され、開口部38Aを通して、反応管10A内の触媒層3Aに供給される。触媒層3A内で原料ガス31と触媒30とが接触することにより反応が進行する。反応により生成した反応ガス32は、内筒40Aを通過して空間4Aに進み、第2熱交換壁50Aの外側壁面(第2熱交換面)で反応ガス32の露点以下に冷却されることにより、生成物が凝縮される。凝縮し、液化した生成物は、空間4Aおよび凝縮液流通管42Aを通り、凝縮液貯留部47Aに落下する。凝縮液貯留部47Aに貯留された凝縮液41は、凝縮液回収口46Aを介して、回収される。
【0060】
触媒層3A側から内筒40Aを通過する反応ガス32には、未反応の原料ガスも含まれる。しかしながら、未反応の原料ガスに含まれる主成分は、第2熱交換壁50Aでは凝縮されない。また、凝縮液流通管42Aの下端は、凝縮液貯留部47Aに貯留された凝縮液41内に浸漬していることにより、凝縮液流通管42Aの内部を移動する未反応の原料ガスは、凝縮液41の液面によってその進行を妨げられ、再び触媒層3Aに戻る。ガス回収領域49Aには、原料ガス31の注入により所定の圧力がかかっており、凝縮液貯留部47Aにおける凝縮液41の液面にも当該圧力がかかっている。そのため、当該液面により、未反応の原料ガスが触媒層3Aに戻らずに凝縮液流通管42Aの下端から排気されることが妨げられる。ここで、凝縮液貯留部47Aの液高さhAは以下の関係を満たす範囲に維持されることが望ましい。
【0061】
hA=αΔP/ρg
1.0<α<10
hA:貯留部液高さ[m]、
ΔP:触媒層を通過する反応ガスの圧力損失[Pa]
ρ:凝縮液の密度[kg/m3]
g:重力加速度(=9.8[m/s2])、
α:係数〔-〕
hAが過小の場合、反応ガスの一部が空間4Aおよび凝縮液貯留部47Aを通って凝縮液回収口46Aから凝縮液とともに流出し、触媒30との接触効率が低下する可能性がある。hAが過大の場合、反応容器の高さが大きくなるとともに、空間4Aの圧力が触媒層3Aの圧力より大きくなり、触媒層3Aから空間4Aへの生成物の移動を妨げる可能性がある。
【0062】
触媒層3Aで反応しなかった原料を含む未凝縮ガス32Aは、ガス回収領域49Aに回収され、貯留部48Aの上部に形成された未凝縮ガス回収口36Aから回収される。
【0063】
(反応熱および凝縮熱の回収)
第1熱媒21は、第1熱媒供給口25Aから第1熱交換部22Aに供給される。触媒層3Aで生じた反応熱は、外筒20Aを介して熱交換され、第1熱媒21に回収される。第1熱媒21は、第1熱媒回収口26Aを通り、高圧スチーム分離ドラム(図示せず)に回収される。その後、気液分離されて得られる高圧蒸気は、例えば、原料を圧縮するための動力源として利用される。
【0064】
第2熱媒51は、第2熱媒供給口55Aから第2熱媒供給部57Aに供給された後、第2熱交換部52Aに供給される。第2熱媒51は、第2熱交換壁50Aを介して熱交換することで反応ガス32の熱を回収する。これにより、空間4A内の反応ガス32の温度を第2熱交換壁50Aの表面で露点以下まで低下させる。第2熱媒51は、第2熱媒回収口56Aを通り、低圧スチーム分離ドラム(図示せず)に回収される。その後、気液分離されて得られる低圧蒸気は、例えば、生成物の精製工程における熱源などとして利用される。
【0065】
(実施形態2の効果)
以上のように、反応装置100Aは、原料ガス31よりも沸点の高い成分を生成物に含み、気相での反応の進行が原料-生成物間の化学平衡により制約される反応を内部で進行させる多重構造の反応管10Aを少なくとも1つ含む、反応容器1Aを備えている。反応管10Aのそれぞれは、前記反応で生じた反応ガス32の透過が可能な内筒40Aと、内筒40Aが内部に設けられた、第1熱交換部22Aを構成する外筒20Aと、内筒40Aの内部に設けられた第2熱交換部52Aとを備えている。内筒40Aと外筒20Aとの間に配置された触媒層3Aに対して原料ガス31が供給される。第2熱交換部52Aには、第2熱交換部52Aの外側表面の温度が前記反応ガス32の露点以下の温度に維持されるように第2熱媒51が流通される。第2熱交換部52Aと内筒40Aとの間に形成された空間4A(第1空間)内で凝縮した液体は、落下し、前記原料ガスから分離される。さらに、外筒20Aの内側表面の温度が前記反応ガス32の露点より高い温度に維持されるように、外筒20Aの外側に第1熱媒21が流通される。
【0066】
上記のように構成した反応装置100Aおよび反応装置100Aを用いた化学反応方法によれば、生成物を凝縮液41として反応装置100A内から回収することにより、気相での反応の進行が化学平衡により制約される反応系において、平衡転化率を超えて反応を進行させることができる。
【0067】
また、第1熱交換部22Aおよび第2熱交換部52Aによって、反応側および凝縮側の両方の温度を制御することが可能であり、反応装置の温度制御をより容易に、かつ確実に行うことができる。これにより、反応温度と凝縮温度とを熱効率の観点から好ましく制御することができる。
【0068】
また、反応装置100Aによれば、反応熱と、凝縮熱とを、別々に回収することができる。これにより、凝縮側のみで熱を回収する場合と比較して、エクセルギーの高い回収熱を回収することができる。エクセルギーの高い回収熱は、プロセスにおいて必要な高圧反応容器への供給原料の圧縮動力源の生成などに充てることができる。また、凝縮側で回収される回収熱は、生成物の分離回収などの工程において有効利用することができる。すなわち、エネルギーの利用効率が著しく増加する。
【0069】
また、反応装置100Aによれば、空間4Aが形成されていることにより、内筒40Aと第2熱交換壁50Aとの間に距離が設けられる。これにより、触媒層3Aと、凝縮液41が生成される第2熱交換壁50Aとの間の熱の伝達が妨げられ、触媒層3Aの、第2熱交換壁50Aに近い領域が、反応ガス32の露点以下になる可能性を低減することができる。つまり、触媒層3A内で生成物の凝縮が生じる可能性を低減することができる。
【0070】
また、反応装置100Aによれば、空間4Aおよび凝縮液流通管42Aの下部に凝縮液貯留部47Aが設けられていることにより、反応ガス32が、空間4Aを通ってそのまま反応装置100Aから流出することを妨げ、反応ガス32と触媒30との接触をより確実にすることが可能となる。
【0071】
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について以下に説明する。実施形態2は、
図2から分かるように、凝縮熱を回収するための第2熱媒51と比較して、反応熱を回収するための第1熱媒21を大量に利用することができる。つまり、実施形態2の反応装置100Aは、反応熱の除去が重要な反応系において、有利な構成である。
【0072】
一方、以下に詳述する実施形態3の反応装置100Bは、凝縮熱の除去が重要な反応系において有利な構成である。反応装置100Bの基本的な原理は、反応装置100Aの当該原理と同じである。
【0073】
反応装置100Bも反応装置100と同様に、原料ガス31に酸化炭素および水素を含み、生成物にメタノールを含む化学反応を行う装置として好適に利用できる。その他、ジメチルエーテルまたはアンモニアを生成物として生じる反応を行うために反応装置100Bを用いることもできる。
【0074】
図5は、反応装置100Bを底面に垂直な平面で切断したときの断面図である。
図6は、反応装置100Bに含まれる反応管10Bを、反応管10Bの長軸に対して垂直な平行な平面で切断したときの断面図である。
【0075】
(反応装置100B)
図5および
図6に示されるように、反応装置100Bは、反応容器1Bの内部に複数の反応管10Bを備えている。反応容器1Bの内部に設けられる反応管10Bの数は、特に限定されず、1つ以上であればよい。反応の効率を考慮すると、反応管10Bの数は、複数であることが好ましい。複数の反応管10Bの上側には、各反応管10Bに供給される原料ガス31が充満する原料ガス供給部37Bが形成されている。複数の反応管10Bの下側には、反応管10Bの内部で凝縮した液体を貯留するための凝縮液貯留部47B(液体貯留部)が形成されている。凝縮液貯留部47Bの下側には、触媒層3Bを通過したガスを貯留するガス回収部48Bが形成されている。ガス回収部48Bの下側には、後述する第1熱交換部22Bから排出された第1熱媒21を貯留する第1熱媒回収部28Bが形成されている。さらにその下側には、第1熱交換部22Bに供給される第1熱媒21を貯留する第1熱媒供給部27Bが形成されている。前記各部は、金属板、例えば、ステンレス製の板で反応容器1Bの内部空間を区切ることによって形成されている。
【0076】
反応管10Bは、外側から順に、外筒50Bと、外筒50Bの内側壁面と空間4B(第1空間)を隔てて配置される内筒40Bと、内筒40Bの内側壁面に接する筒状の触媒層3Bと、触媒層3Bの内部に設けられた第1熱交換部22Bとを備える。触媒層3Bは、触媒層3Aと同様の材質および構造を有している。内筒40Bは、内筒40Aと同様の材質および構造を有している。
【0077】
第2熱交換部52Bは、反応容器1Aの内側壁面の一部と、外筒50Bの外側壁面と、金属板11B・12Bとによって構成される熱交換器である。第2熱交換部52Bの内部には、複数の反応管10Bに共通の第2熱媒領域5Bが形成されている。第2熱媒領域5Bには、第2熱媒51が流通される。外筒50Bは、流体が通過できない部材からなり、外筒50Bの内側壁面は、第2熱交換面として作用する。
【0078】
反応容器1Bの側壁には、第2熱媒51を第2熱媒領域5Bに供給するための第2熱媒供給口55Bおよび第2熱媒51を第2熱媒領域5Bから排出するための第2熱媒回収口56Bが形成されている。第2熱交換部52Bは、第2熱媒51を第2熱媒領域5Bに流通させることによって、外筒50Bを反応ガス32の露点以下の温度に維持することができる。
【0079】
図7は、第1熱交換部22Bの長軸を含む平面で第1熱交換部22Bを切断したときの断面図である。
図7に示すように、第1熱交換部22Bは、第1熱交換壁20Bと内管29Bとを備えている。第1熱交換壁20Bと内管29Bとの間には、第1熱媒領域2Bが形成されている。第1熱媒領域2Bは、第1熱媒21が流通する領域である。
【0080】
第1熱交換部22Bは、2重管構造を有しており、内管29Bの先端は、第1熱媒供給部27Bの流入口23Bに接続されている。第1熱媒供給部27B内の第1熱媒21は、内管29Bを通して第1熱交換部22B内に供給される。一方、内管29Bの外側壁面と第1熱交換壁20Bの内側壁面との間の流路は、第1熱媒回収部28Bの内部に連通している。内管29B内を通過した第1熱媒21は、前記流路を通過し、第1熱媒回収部28Bの上側壁面に形成された流出口24Bを通して、第1熱媒回収部28Bに排出される。
【0081】
空間4Bは、内筒40Bと外筒50Bとの間に形成された空間である。本実施形態では、空間4Bの鉛直下側に凝縮液貯留部47Bが設けられている。また、凝縮液流通管42B(延長管)が、凝縮液貯留部47Bの内部に、外筒50Bを鉛直下側に延長するよう設けられている。凝縮液流通管42Bの下端は、凝縮液貯留部47Bに貯留された凝縮液41内に浸漬するように位置決めされている。凝縮液流通管42Bは、空間4Bと連続する空間(第2空間)6Bを凝縮液貯留部47Bの内部に形成する。空間4Bおよび触媒層3Bの厚みについての詳細は、実施形態1と同様である。また、このような空間4Bの厚みは、外筒50Bの鉛直方向において80%以上の領域において実現されていることが好ましい。
【0082】
空間4B内で凝縮した液体(凝縮液41)は、凝縮液流通管42B内側の空間6Bを通り、凝縮液貯留部47Bに貯留される。凝縮液貯留部47Bに貯留された凝縮液41は、凝縮液回収口46Bを通して回収される。ここで、凝縮液回収口46Bから反応ガス32が回収されないように、凝縮液回収口46Bからの流体の排出制御が行われる。
【0083】
触媒層3Bの鉛直下側には、触媒層3Bを通過したガスが流入するガス回収部48B(ガス貯留部)が設けられている。ガス回収部48Bは、未凝縮ガス回収口36B(排気部)を備えている。
【0084】
このように、凝縮液貯留部47Bとガス回収部48Bとは、別々の空間を形成している。凝縮液貯留部47Bは、気体に関しては閉空間を形成しているため、空間4Bを下降した原料ガス31は、行き場を失い、触媒層3Bへ逆戻りすることになる。そのため、原料ガス31が空間4Bを通過してそのまま外部に排出される可能性を低減できる。
【0085】
第1熱交換部22Bは、ガス回収部48Bを貫いており、第1熱交換部22Bの内管29Bの下端は、第1熱媒供給部27Bの内部空間に対して開口している。内管29Bの外側壁面と第1熱交換壁20Bの内側壁面との間の流路は、第1熱媒回収部28Bの内部に連通している。第1熱媒供給部27Bから出て内管29B内の上端に達した第1熱媒21は、前記流路を通過し、第1熱媒回収部28Bの上側壁面に形成された流出口24Bを通して、第1熱媒回収部28Bに排出される。
【0086】
(反応の流れ)
原料ガス31は、原料ガス入口35Bから供給され、開口部38Bを通して、反応管10B内の触媒層3Bに供給される。触媒層3B内で原料ガス31と触媒30とが接触することにより反応が進行する。反応により生成した反応ガス32は、内筒40Bを通過して空間4Bに進み、外筒50Bの内側壁面(第2熱交換面)で反応ガス32の露点以下に冷却されることにより、生成物が凝縮される。凝縮し、液化した生成物は、空間4Bを通り、凝縮液貯留部47Bに落下する。凝縮液貯留部47Bに貯留された凝縮液41は、凝縮液回収口46Bを介して、回収される。
【0087】
触媒層3B側から外筒50Bに向かって内筒40Bを通過する反応ガス32には、未反応の原料ガスも含まれる。しかしながら、未反応の原料ガスに含まれる主成分は、外筒50Bでは凝縮されない。また、凝縮液貯留部47Bは、気体に関しては閉空間を形成しているため、空間4Bを下降した未反応の原料ガスは、行き場を失い、凝縮液41の液面によってその進行を妨げられ、再び触媒層3Bに戻る。ここで、凝縮液貯留部47Bの液高さhBは以下の関係を満たす範囲に維持されることが望ましい。
【0088】
hB=αΔP/ρg
1.0<α<10
hB:貯留部液高さ[m]、
ΔP:触媒層を通過する反応ガスの圧力損失[Pa]
ρ:凝縮液の密度[kg/m3]
g:重力加速度(=9.8[m/s2])、
α:係数〔-〕
hBが過小の場合、反応ガス32の一部が空間4Bおよび凝縮液貯留部47Bを通って凝縮液回収口46Bから凝縮液とともに流出し、触媒30との接触効率が低下する可能性がある。hBが過大の場合、反応容器の高さが大きくなるとともに、空間4Bの圧力が触媒層3Bの圧力より大きくなり、触媒層3Bから空間4Bへの生成物の物質移動を妨げる可能性がある。
【0089】
触媒層3B内で反応せずに触媒層3Bを降下した原料を含む未凝縮ガス32Bは、ガス回収部48Bに回収され、ガス回収部48Bに形成された未凝縮ガス回収口36Bから回収される。
【0090】
(反応熱および凝縮熱の回収)
第1熱媒21は、第1熱媒供給口25Bから第1熱媒供給部27Bに供給された後、第1熱交換部22Bに供給される。触媒層3Bで生じた反応熱は、第1熱交換壁20Bを介して熱交換され、第1熱媒21に回収される。第1熱媒21は、第1熱媒回収口26Bを通り、高圧スチーム分離ドラム(図示せず)に回収される。その後、気液分離されて得られる高圧蒸気は、例えば、原料を圧縮するための動力源として利用される。
【0091】
第2熱媒51は、第2熱媒供給口55Bから第2熱交換部52Bに供給される。第2熱媒51は、外筒50Bを介して熱交換することで、空間4B内の反応ガス32の温度を露点以下まで低下させ、反応ガス32の熱を回収する。第2熱媒51は、第2熱媒回収口56Bを通り、低圧スチーム分離ドラム(図示せず)に回収される。その後、気液分離されて得られる低圧蒸気は、例えば、生成物の精製工程における熱源などとして利用される。
【0092】
(実施形態3の効果)
以上のように、実施形態3の反応装置100Bは、原料ガス31よりも沸点の高い成分を生成物に含み、気相での反応の進行が原料-生成物間の化学平衡により制約される反応を内部で進行させる多重構造の反応管10Bを少なくとも1つ含む反応容器1Bを備える。反応管10Bのそれぞれは、反応ガス32の透過が可能な内筒40Bと、内筒40Bの内部に設けられた第1熱交換部22Bと、内筒40Bが内部に設けられた、第2熱交換部52Bを構成する外筒50Bとを備えている。内筒40Bと第1熱交換部22Bとの間に配置された触媒層3Bに対して原料ガス31が供給される。外筒50Bの内側表面の温度が反応ガス32の露点以下の温度に維持されるように、外筒50Bの外側に第2熱媒51が流通される。内筒40Bと外筒50Bとの間に形成された空間(第1空間)4B内で凝縮した液体は落下し、原料ガス31から分離される。第1熱交換部22Bには、第1熱交換部22Bの表面の温度が反応ガス32の露点より高い温度に維持されるよう第1熱媒21が流通される。
【0093】
反応装置100Bおよび反応装置100Bを用いた化学反応方法によれば、生成物を凝縮液41として反応装置100B内から回収することにより、平衡転化率を超えて反応を進行させることができる。
【0094】
また、第1熱交換部22Bおよび第2熱交換部52Bによって、反応側および凝縮側の両方の温度を制御することが可能であり、反応装置の温度制御をより容易に、かつ確実に行うことができる。これにより、反応温度と凝縮温度とを熱効率の観点から好ましく制御することができる。
【0095】
また、空間4Bが形成されていることにより、内筒40Bと外筒50Bとの間に距離が設けられる。これにより、触媒層3Bと、凝縮液41が生成される外筒50Bとの間の熱の伝達が妨げられ、触媒層3Bの、外筒50Bに近い領域が、反応ガス32の露点以下になる可能性を低減することができる。つまり、触媒層3Bおよび内筒40B内で生成物の凝縮が生じる可能性を低減することができる。
【0096】
さらに、本実施形態の反応装置100Bによれば、凝縮液流通管42B、凝縮液貯留部47Bおよびガス回収部48Bが設けられていることにより、反応ガス32が空間4Bを通ってそのまま反応装置100Bから流出することを妨げ、反応ガス32と触媒30との接触をより確実にすることが可能となる。
【0097】
また、本実施形態の反応装置100Bによれば、発熱反応である場合、反応熱と、凝縮熱とを、別々に回収することができる。これにより、凝縮側のみで熱を回収する場合と比較して、エクセルギーの高い回収熱を回収することができる。すなわち、反応装置100Bによれば、エネルギーの利用効率が従来よりも増加する。
【符号の説明】
【0098】
1、1A、1B・・・反応容器
2、2A、2B・・・第1熱媒領域
3、3A、3B・・・触媒層
4・・・空間
4A、4B・・・第1空間(空間)
5、5A、5B・・・第2熱媒領域
6A、6B・・・空間(第2空間)
10A、10B・・・反応管
20、20B・・・第1熱交換壁
20A・・・外筒
21・・・第1熱媒
22、22A、22B・・・第1熱交換部
30・・・触媒
31・・・原料ガス
32・・・反応ガス
32A、32B・・・未凝縮ガス
36・・・反応ガス回収口(排気部)
36A、36B・・・未凝縮ガス回収口(排気部)
40・・・透過壁
40A、40B・・・内筒
42A・・・凝縮液流通管(連通管)
42B・・・凝縮液流通管(延長管)
47A、47B・・・凝縮液貯留部(液体貯留部)
48A・・・貯留部
48B・・・ガス回収部(ガス貯留部)
50、50A・・・第2熱交換壁
50B・・・外筒
51・・・第2熱媒
52、52A、52B・・・第2熱交換部
100、100A、100B・・・反応装置