(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】複合ケーブル、複合ケーブル用の電源ケーブル、ワイヤハーネス及び複合ケーブルの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01B 7/00 20060101AFI20240708BHJP
H01B 11/22 20060101ALI20240708BHJP
H01B 7/18 20060101ALI20240708BHJP
H01B 13/00 20060101ALI20240708BHJP
G02B 6/44 20060101ALI20240708BHJP
【FI】
H01B7/00 310
H01B11/22
H01B7/18 D
H01B7/00 306
H01B7/00 301
H01B13/00 555
G02B6/44 366
G02B6/44 371
(21)【出願番号】P 2020123158
(22)【出願日】2020-07-17
【審査請求日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】P 2019145584
(32)【優先日】2019-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100143959
【氏名又は名称】住吉 秀一
(72)【発明者】
【氏名】島貫 斉史
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 正幸
(72)【発明者】
【氏名】椎野 雅人
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 清
(72)【発明者】
【氏名】森本 政仁
(72)【発明者】
【氏名】川原 啓輔
【審査官】中嶋 久雄
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-149019(JP,U)
【文献】特開平08-273450(JP,A)
【文献】特開2002-216550(JP,A)
【文献】特開2004-111178(JP,A)
【文献】実開昭59-166314(JP,U)
【文献】実開昭57-131694(JP,U)
【文献】実開昭61-018519(JP,U)
【文献】特開2018-174061(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 7/00
H01B 11/22
H01B 7/18
H01B 13/00
G02B 6/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源線と、
前記電源線と略同じ方向に延在する通信線と、
前記電源線及び前記通信線をそれぞれの延在方向に沿って収容する絶縁性の基体と、
を備える複合ケーブルであって、
前記基体内には、前記延在方向に沿って前記電源
線が収容されており、
前記基体には、前記延在方向に沿って延在
し前記通信線を収容する収容溝が形成されて
おり、
前記基体は、前記延在方向に対して垂直な断面形状が扁平状であり、
複数の前記収容溝が前記基体の短手方向において互いに所定の間隔をあけて設けられており、
複数の前記収容溝間に、前記電源線が前記基体の長手方向および延在方向に設けられている
ことを特徴とする複合ケーブル。
【請求項2】
前記通信線は、光ファイバを含むことを特徴とする請求項
1に記載の複合ケーブル。
【請求項3】
前記通信線は、電気信号を伝送する導電体を含むことを特徴とする請求項1
又は2に記載の複合ケーブル。
【請求項4】
前記導電体と電源線との間に導電性の電磁遮蔽部材を備えることを特徴とする請求項
3に記載の複合ケーブル。
【請求項5】
前記延在方向に沿って前記収容溝を少なくとも部分的に閉鎖する閉鎖部材を備えることを特徴とする請求項1から
4までのいずれか一項に記載の複合ケーブル。
【請求項6】
前記電源線は、絶縁材料により被覆されていることを特徴とする請求項1から
5までのいずれか一項に記載の複合ケーブル。
【請求項7】
前記収容溝は
、前記通信線を蛇行した状態において収容可能に形成されていることを特徴とする請求項1から
6までのいずれか一項に記載の複合ケーブル。
【請求項8】
前記収容溝は、前記基体の外部に向かって開いた開口に対して拡幅され
た収容スペースを有することを特徴とする請求項1から
7までのいずれか一項に記載の複合ケーブル。
【請求項9】
複数の前記収容溝間に設けられた前記電源線が、前記基体の長手方向および延在方向に延びる電源板であることを特徴とする請求項1から8までのいずれか一項に記載の複合ケーブル。
【請求項10】
前記基体の短手方向において互いに所定の間隔をあけて設けられた2枚の前記電源板を有することを特徴とする請求項9に記載の複合ケーブル。
【請求項11】
複数の前記電源線が前記基体の長手方向において互いに所定の間隔をあけて設けられ
ていることを特徴とする請求項1から
8までのいずれか一項に記載の複合ケーブル。
【請求項12】
前記通信線の少なくとも一方の端部に外部端子が設けられていることを特徴とする請求項1から
11までのいずれか一項に記載の複合ケーブル。
【請求項13】
電源線と、
延在方向に沿って前記電源線を収容する基体と、
を備え、
前記基体には通信線を前記延在方向に沿って収容する収容溝が形成されている
ことを特徴とする請求項1から
12までのいずれか一項に記載の複合ケーブル用の電源ケーブル。
【請求項14】
電源線及び通信線を含む幹線と、
前記幹線から分岐した枝線と
を備え、
前記幹線
又は枝線の少なくとも一部が請求項1から
12までのいずれか一項に記載の複合ケーブルである
ことを特徴とするワイヤハーネス。
【請求項15】
アース線を備えることを特徴とする請求項
14に記載のワイヤハーネス。
【請求項16】
電源線が埋設されており、前記電源線の延在方向に沿って延びる収容溝が形成された基体の前記収容溝に通信線を収容するステップと、
前記通信線が収容された前記収容溝を閉鎖部材により閉鎖するステップと、
を含
み、
前記基体は、前記延在方向に対して垂直な断面形状が扁平状であり、
複数の前記収容溝が前記基体の短手方向において互いに所定の間隔をあけて設けられており、
複数の前記収容溝間に、前記電源線が前記基体の長手方向および延在方向に設けられている
ことを特徴とする複合ケーブルの製造方法。
【請求項17】
前記収容溝を閉鎖するステップにおいて前記閉鎖部材を加熱して、前記収容溝を閉鎖することを特徴とする請求項16に記載の複合ケーブルの製造方法。
【請求項18】
前記収容溝に収容する前記通信線には外部端子が取り付けられていることを特徴とする請求項16又は17に記載の複合ケーブルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合ケーブル、複合ケーブル用の電源ケーブル、ワイヤハーネス及び複合ケーブルの製造方法に関し、例えば、車載用の複合ケーブル、複合ケーブル用の電源ケーブル、ワイヤハーネス及び複合ケーブルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の配線システムには、互いに独立して製造された通信ケーブルと電源ケーブルを集束した構造のワイヤハーネスが使用されている。近年、電気信号の伝送と光信号の伝送とが可能な複合ケーブルを採用した車載用のワイヤハーネスが増えつつある。例えば、光ファイバ素線と導電性抗張力繊維体とを備えた、車載用の複合ケーブルが公知になっている。導電性抗張力繊維は、光ファイバ素線の周囲を覆う状態で光ファイバ素線に沿って形成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、光ファイバ素線は、導電性抗張力繊維体によって全周に亘って覆われている。例えば、光ファイバ素線を複合ケーブルから分岐させて外部機器に接続させたい場合、光ファイバ素線を覆う導電性抗張力繊維体を剥ぎ取る必要がある。導電性抗張力繊維体は、複合ケーブルにおいて電気の伝送を担っているため、導電性抗張力繊維体を剥ぎ取って光ファイバ素線を分岐させることは、電気の伝送性能を阻害するおそれがある。
【0005】
そこで本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、複合ケーブルが備える複数の線の一部を複合ケーブルから容易に分岐させることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明に係る複合ケーブルは、電源線と、前記電源線と略同じ方向に延在する通信線と、前記電源線及び前記通信線をそれぞれの延在方向に沿って収容する絶縁性の基体と、を備え、前記基体内には、前記延在方向に沿って前記電源線又は前記通信線が収容されており、前記基体には、前記延在方向に沿って延在し前記電源線又は前記通信線を収容する収容溝が形成されていることを特徴とする。
【0007】
また、前記電源線は、前記基体内に収容されており、前記通信線は、前記収容溝に収容されていてもよい。
【0008】
また、前記通信線は、光ファイバを含んでいてもよい。
【0009】
また、前記通信線は、電気信号を伝送する導電体を含んでいてもよい。
【0010】
また、前記導電体と電源線との間に導電性の電磁遮蔽部材を備えていてもよい。
【0011】
また、前記延在方向に沿って前記収容溝を少なくとも部分的に閉鎖する閉鎖部材を備えていてもよい。
【0012】
また、前記電源線は、絶縁材料により被覆されていてもよい。
【0013】
また、前記収容溝は、前記電源線又は前記通信線を蛇行した状態において収容可能に形成されていてもよい。
【0014】
また、前記収容溝は、前記基体の外部に向かって開いた開口に対して拡幅され収容スペースを有していてもよい。
【0015】
また、基体は、前記延在方向に対して垂直な断面形状が扁平状であり、複数の前記電源線が前記長手方向において互いに所定の間隔をあけて設けられており、複数の前記収容溝が前記短手方向において互いに所定の間隔をあけて設けられていてもよい。
【0016】
また、前記通信線の少なくとも一方の端部に外部端子が設けられていてもよい。
【0017】
さらに、上記課題を解決するために本発明に係る複合ケーブル用の電源ケーブルは、電源線と、延在方向に沿って前記電源線を収容する基体と、を備え、前記基体には通信線を前記延在方向に沿って収容する収容溝が形成されていることを特徴とする。
【0018】
さらに、上記課題を解決するために本発明に係るワイヤハーネスは、電源線及び通信線を含む幹線と、前記幹線から分岐した枝線とを備え、前記幹線の少なくとも一部が本発明に係る複合ケーブルであることを特徴とする。
【0019】
さらに、上記課題を解決するために本発明に係るワイヤハーネスは、電源線及び通信線を含む幹線と、前記幹線から分岐した枝線とを備え、前記枝線の少なくとも一部が本発明に係る複合ケーブルであることを特徴とする。
【0020】
また、ワイヤハーネスは、アース線を備えていてもよい。
【0021】
さらに、上記課題を解決するために本発明に係る複合ケーブルの製造方法は、電源線が埋設されており、前記電源線の延在方向に沿って延びる収容溝が形成された基体の前記収容溝に通信線を収容するステップと、前記通信線が収容された前記収容溝を閉鎖部材により閉鎖するステップと、を含むことを特徴とする。
【0022】
また、前記収容溝を閉鎖するステップにおいて前記閉鎖部材を加熱して、前記収容溝を閉鎖してもよい。
【0023】
また、前記収容溝に収容する前記通信線には外部端子が取り付けられていてもよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明により、複合ケーブルにおいて異なる機能を果たす線の一方の線を容易に分岐させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】ワイヤハーネスの配索構造を示す要部斜視図である。
【
図2】本発明に係る複合ケーブルを用いたワイヤハーネスの配索構造の平面図である。
【
図3】端子が取り付けられた本発明の一実施の形態に係る複合ケーブルを示す斜視図である。
【
図4】第1の実施の形態に係る複合ケーブルの構成を説明するための図である。
【
図5】
図4におけるV-V線に沿った複合ケーブルの断面図である。
【
図6】
図5における通信線の構成を説明するための断面図である。
【
図7】本発明の一実施の形態に係る複合ケーブルの製造方法の流れを示すフロー図である。
【
図8】
図5における通信線の別の構成を説明するための断面図である。
【
図9】第2の実施の形態に係る複合ケーブルの構成を説明するための断面図である。
【
図10】第3の実施の形態に係る複合ケーブルの構成を説明するための図である。
【
図11】第4の実施の形態に係る複合ケーブルの構成を説明するための図である。
【
図12】第5の実施の形態に係る複合ケーブルの構成を説明するための図である。
【
図13】第6の実施の形態に係る複合ケーブルの構成を説明するための図である。
【
図14】第7の実施の形態に係る複合ケーブルの構成を説明するための図である。
【
図15】第8の実施の形態に係る複合ケーブルの構成を説明するための図である。
【
図16】第9の実施の形態に係る複合ケーブルの構成を説明するための図である。
【
図17】第10の実施の形態に係る複合ケーブルの構成を説明するための図である。
【
図18】第11の実施の形態に係る複合ケーブルの構成を説明するための図である。
【
図19】第12の実施の形態に係る複合ケーブルの構成を説明するための図である。
【
図20】第13の実施の形態に係る複合ケーブルの構成を説明するための図である。
【
図21】第14の実施の形態に係る複合ケーブルの構成を説明するための図である。
【
図22】第15の実施の形態に係る複合ケーブルの構成を説明するための図である。
【
図23】第16の実施の形態に係る複合ケーブルの構成を説明するための図である。
【
図24】第17の実施の形態に係る複合ケーブルの構成を説明するための図である。
【
図25】第18の実施の形態に係る複合ケーブルの構成を説明するための図である。
【
図26】第19の実施の形態に係る複合ケーブルの構成を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0027】
本発明に係る複合ケーブルは、例えば、車両に搭載される各装置間の接続のために、電源からの電力供給及び信号通信に用いられる部品としてワイヤハーネスに適用される。本発明に係る複合ケーブルが適用されるワイヤハーネスは、例えば公知のワイヤハーネスであり、特定のワイヤハーネスに限定されない。例えば、本発明の一実施の形態に係る複合ケーブル1は、
図1及び
図2に示すワイヤハーネス100に適用される。
【0028】
図1は、本発明の実施の形態に係る複合ケーブル1を有するワイヤハーネス100の配索構造300を示す要部斜視図である。
図2は、本発明に係る複合ケーブル1を用いたワイヤハーネス100の配索構造300の平面図である。ワイヤハーネス100は、例えば、電気自動車、ハイブリッド車、燃料電池車等の車両200において搭載されている電気・電子機器同士を接続するものである。ワイヤハーネス100は、電源からの電流を必要な機器に供給したり、機器同士において信号の伝送をしたりする。なお、ここでいう機器は、インバータ、油冷モータ、インホイールモータ等であってよい。これら機器は、機器側端子(図示せず。)と、機器側端子を収容した機器ハウジング(図示せず。)とを備える。
【0029】
ワイヤハーネス100は、複数のケーブルを備える。ケーブルは、電源線及び通信線を含む幹線と、幹線から分岐した枝線とを有する。ワイヤハーネス100は、車載用のワイヤハーネスとして配索される。車両200に配索された状態におけるワイヤハーネス100の配索構造300は、電源の供給系統として、電源幹線121aと、電源分配器122aと、電源幹線121bと、電源分配器122bと、電源幹線121cと、電源分配器122cと、電源幹線121dと、電源分配器122dと、を有する。
【0030】
電源幹線121aは、一端において車両200に搭載された電源210に接続されており、他端において電源分配器122aに接続されている。電源幹線121bは、一端において電源分配器122aに接続されるとともに、車両200の前後方向に配索されて、他端において電源分配器122bに接続されている。電源幹線121cは、一端において電源分配器122bに接続されるとともに、車両200の車幅方向に配索されて、他端において電源分配器122cに接続されている。電源幹線121dは、一端において電源分配器122cに接続されるとともに、車両200の前後方向に配索されて、他端において電源分配器122dに接続されている。
【0031】
また、ワイヤハーネス100の配索構造300は、通信インフラとして、通信制御部123aと、通信幹線124aと、通信制御部123bと、通信幹線124bと、通信制御部123cと、通信制御部124dとを有する。通信制御部123aは、電源分配器122aに設けられている。通信制御部123bは、電源分配器122bに設けられている。
通信制御部123cは、電源分配器122cに設けられている。通信制御部123dは、電源分配器122dに設けられている。通信幹線124aは、車両200の前後方向に配索されており、一端において通信制御部123aに接続されており、他端において通信制御部123bに接続されている。通信幹線124bは、車両200の車幅方向に配索されており、一端において通信制御部123bに接続されており、他端において通信制御部123cに接続されている。通信幹線124cは、車両200の前後方向に配索されており、一端において通信制御部123cに接続されており、他端において通信制御部123dに接続されている。
【0032】
また、ワイヤハーネス100の配索構造300は、枝線(通信枝線及び電源枝線)125aと、補機126aと、枝線(通信枝線および電源枝線)125bと、補機126bとを有する。枝線125aは、電源分配器122a~122dの各々の電源分配器に接続されている。補機126aは、各々の枝線125aに接続されている。枝線125bは、通信制御部123a~123dの各々の通信制御部に接続されている。補機126bは、各々の枝線125bに接続されている。電源分配器122aと通信制御部123aは、ハウジング127aに収容され、一体化されている。電源分配器122bと通信制御部123bは、ハウジング127bに収容され、一体化されている。電源分配器122cと通信制御部123cは、ハウジング127cに収容され、一体化されている。電源分配器122dと通信制御部123dは、ハウジング127d収容され、一体化されている。
【0033】
<第1の実施の形態>
第1の実施の形態に係る複合ケーブル1は、電源ケーブル10と、4本の通信線20とを備える。
図3は、外部端子50が取り付けられた本発明に係る複合ケーブル1を示す斜視図である。
図4は、第1の実施の形態に係る複合ケーブル1の構成を説明するための斜視図である。
図5は、
図4におけるV-V線に沿った複合ケーブル1の断面図である。
図6は、
図5における通信線の構成を説明するための断面図である。電源ケーブル10は、2本の電源線11と、電源線11及び通信線(以下、「信号線」ともいう。)20を延在方向Yに沿って収容する基体(以下、「棒状体」ともいう。)16と、2つの閉鎖部材(以下、「閉鎖テープ」ともいう。)40と、を備える。棒状体16は、電源線11及び通信線20を延在方向に沿って収容する絶縁性のものであり、棒状体16内には、延在方向に沿って電源線11又は通信線20が収容されている。棒状体16には、電源線11又は通信線20を収容する収容溝17が形成されている。収容溝17は、棒状体16の周方向において外部に向かって開放しており、電源線11又は通信線20の延在方向に沿って棒状体16に形成されている。以下、複合ケーブル1の構成について具体的に説明する。なお、説明の便宜上、図面において棒状体16の幅広な方向を「長手方向X」、棒状体16の狭幅な方向を「短手方向Z」、複合ケーブル1が延びる方向を「延在方向Y」とする。
【0034】
ワイヤハーネス100において複合ケーブル1は、例えば、電源幹線121a~121dの少なくとも一部として用いられている。複合ケーブル1における電源線11は、導電性を有する材料から構成されている。複合ケーブル1をワイヤハーネス100の幹線121a~121d又は枝線125a~125dに採用した場合、電源線11は、例えば、電
力伝送のために機能させることが可能となっている。
【0035】
電源ケーブル10は、電源線11と、棒状体16とを有する。電源線11は、後述する棒状体16に収容されている。具体的には、電源線11は、棒状体16内に延在方向Yに沿って埋設されている。電源線11は、複合ケーブル1の延在方向Yに沿って延びる。電源線11は、複合ケーブル1の軸線(中立軸線)xに交差する断面が円形又は略円形に形成されている。電源線11は、軸線xに沿った複合ケーブル1の延在方向Yに沿って、複合ケーブル1の一端から他端に亘って延びている。各電源線11は、長手方向Xにおいて互いに所定の間隔をあけて設けられている。
【0036】
電源線11は、導体性を有する材料であればよく、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、錫めっき線、鉄及びニッケル等の金属材料を例示することができる。電源線11は、例えば、例えば押出成形によって形成される。つまり、電源線11は、金属材料の押出成形により形成されていた単一の金属線により形成された電線である。
【0037】
棒状体16は、絶縁材料により形成された絶縁体であり、外力が加わった場合、後述する収容溝17の長手方向Xにおける収容溝17の最大の寸法W1を維持できる強度があることが好ましい。絶縁材料としては、例えば、PVC(ポリ塩化ビニル)、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)等を例示することができる。棒状体16の材料としてPVCやPEを用いる場合、棒状体16は押出成形により形成される。また、棒状体16の材料としてPPを用いる場合、棒状体16は射出成形により形成される。
【0038】
棒状体16は、剛性の高い材料により製造されている場合、後述する収容溝17の形状及び寸法W1を維持できる強度を有する。信号線20を収容溝17に収容しやすくするためには、収容溝17の形状を維持することが有利であり、その観点から、棒状体16は、例えば、PPにより剛性が高くなるように形成されていることが好ましい。また、棒状体16は、柔軟性を持つように、例えば、PVC、PEによって形成されていてもよく、この場合、棒状体16は、曲げ変形可能である又は自重により変形する。
【0039】
棒状体16は、延在方向Yに対して垂直な断面形状が扁平状となるように形成されている。具体的には、軸線xに対して交差する棒状体16の断面形状は長円形状である。長手方向Xに延びる棒状体16の面は互いに平行に直線状に延びており、短手方向Zに延びる棒状体16の面は互いに離れる方向に円弧をなしている。棒状体16において、長手方向Xにおいて互いに所定の間隔だけあけた位置に電源線11が埋設されている。棒状体16は、信号線20を収容する2つの収容溝17を有する。
【0040】
収容溝17は、長手方向Xにおいて略中央(2本の電源線11の間)で、短手方向Zに面する側でそれぞれ対向して設けられている。軸線xに対して交差する収容溝17の形状は、半円形又は略半円形である。収容溝17は軸線xに向かって凹に形成されている。収容溝17は、複合ケーブル1、具体的には電源線11及び信号線20の延在方向Yに沿って形成されている。各収容溝17に2本の信号線20が設けられている。
【0041】
長手方向Xにおける収容溝17の最大の寸法W1は、少なくとも信号線20の直径Rの少なくとも2倍以上である。また、短手方向Zにおける収容溝17の最大の寸法W2は、少なくとも信号線20の直径Rの少なくとも2倍以上である。なお、収容溝17は、信号線20が蛇行した状態で収容溝17に収容することができるように形成されていればよい。例えば、収容溝17は、収容される信号線20が直径Rであり、収容される信号線20の本数Nとした場合、W1>2RN及びW2>2RN、の少なくとも一方を満たすように形成されていればよい。
【0042】
信号線20は、棒状体16の収容溝17において離脱自在に収容されている。信号線20は線状体である。信号線20は、例えば、光ファイバ心線である。例えば、複合ケーブル1をワイヤハーネス100の幹線121a~121d又は枝線125a~125dに採用した場合、信号線20は、信号伝送のために機能させることが可能となっている。
【0043】
なお、本実施の形態においては、4本の信号線20が収容された場合が例示されているが、棒状体16に収容される信号線20の本数は、特に制限されない。すなわち、棒状体16の収容溝17に収容される信号線20は1本であってもよく、3本以上であってもよい。
【0044】
信号線20は、電源線11と略同じ方向に延在している。信号線20は、棒状体16の収容溝17に収容されているが、収容溝17において、例えば、蛇行して延びることもある。この状態を含めて信号線20は全体として、収容溝17に収容されている限りは、電源ケーブル10の延在方向Yに沿って延びている。信号線20と同様に、電源線11は、棒状体16に埋設されて延在方向Yに延びている。したがって、電源線11及び信号線20は、延在方向Yに沿って延びており、略同じ方向に延在している。
【0045】
信号線20は、コア21と、クラッド22と、ファイバ素線被覆23と、緩衝材24と、アウタージャケット25とを有する。コア21及びクラッド22は、例えば、石英ガラスや樹脂等により構成されている。クラッド22の外径は、通信用途で通常用いられる125マイクロメートルと同等又は小さくすることができ、例えば80マイクロメートル(±5%の誤差を含む。)とすることができる。クラッド22の外径を小さくすることにより、信号線の曲げひずみが小さくなり、破断確率を下げることができる。しかし、クラッド22の外径を小さくしすぎると、コアサイズを小さくする必要性が生じ、接続損失が増大する傾向がある。ファイバ素線被覆23は、例えば、シリコンアクリレートから構成されている。
【0046】
緩衝材24は、信号線の長手方向にかかる引張力に対する強度を高めるためにファイバ素線被覆23の周囲に配置される部材である。緩衝材24は、例えば、複数の繊維からなり、ファイバ素線被覆23の全周に配置される。上記繊維としては、アラミド繊維等を例示することができる。アウタージャケット25は、例えば、ナイロンやフッ素樹脂(例えばETFE)から構成されていることが好ましい。アウタージャケット25の外径は、1ミリメートル以下であることが好ましく、例えば800~900マイクロメートルで、適宜所望の値で構成する。アウタージャケット25の外径を小さくすることにより、信号線
が曲がりやすくなり、配索性の向上につながる。しかし、アウタージャケット25の外径を小さくしすぎると、外力からの保護が不十分になり、伝送損失が増大する傾向がある。
【0047】
信号線20は、棒状体16の収容溝17に収容された状態において軸線xに沿って延在し、非拘束状態で収容溝17に収容されている。
【0048】
閉鎖テープ40は、棒状体16の短手方向Zに面する側に設けられている。閉鎖テープ40は、電源線11及び信号線20の延在方向Yに沿って収容溝17を閉鎖している。閉鎖テープ40は、例えば、樹脂テープにより形成されている。閉鎖テープ40は、押出被覆により棒状体16に対して設けられ、レーザ加熱又はローラ加熱等により棒状体16に対して接着されている。なお、閉鎖テープ40は、収容溝17を少なくとも部分的に閉鎖していればよい。
【0049】
外部端子50は、複合ケーブル1の少なくとも一方の端部に設けられている(
図3参照)。具体的には、各電源線11の少なくとも一方の端部に外部端子として簡易接続部材51が取り付けられている。また、各信号線20の少なくとも一方の端部に外部端子として簡易接続部材52~55が取り付けられている。
【0050】
次に、複合ケーブル1の製造方法について説明する。
図7は、本実施の形態に係る複合ケーブル1の製造方法の流れを示す図である。ここでは、代表的に、複合ケーブル1の製造方法の流れについて説明するが、後述する他の実施の形態に係る複合ケーブル1A~1Rについても略同様の流れによって製造することができる。
【0051】
まず、電源ケーブル10を形成する(ステップS1)。ステップS1においては電源線11を所定の型に設置して絶縁性の樹脂材料を型内に注入し、電源線11の周りに棒状体16を成形して電源ケーブル10を形成する。ここで、複数の電源線11の間隔をコントロールするために、電源線11の間にスペーサを配置することもできる。
【0052】
次いで、電源線11が埋設されていて電源線11の延在方向Yに沿って延びる棒状体16の収容溝17に信号線20を収容する(ステップS2)。ステップS2において信号線20は、軸線x方向に沿って延びている棒状体16の収容溝17に軸線xに沿って落とし込む。ステップS2において棒状体16に収容される信号線20にはそれぞれ外部端子50が取り付けられていてもよい。
【0053】
次いで、信号線20が収容された収容溝17を閉鎖テープ40により閉鎖する(ステップS3)。例えば、上述したように樹脂テープを軸線xに沿って収容溝17を閉鎖するようにして棒状体16に接着させる。ステップS3において、樹脂テープは、レーザや加熱ローラにより加熱される。以上により、複合ケーブル1を製造することができる。
【0054】
以上のような複合ケーブル1によれば、信号線20は、棒状体16の収容溝17に収容されているので、複合ケーブル1から信号線20を容易に分岐させることができる。さらに、信号線20は、収容溝17内で保護された状態にあるので、例えば、複合ケーブル1に対して外部から負荷が直接的に信号線20に作用することはなく、通信性能が阻害されることはない。棒状体16が収容溝17を有していることにより、信号線20を収容溝17に極めて簡単に収容することができる。
【0055】
仮に、信号線20と外部の接続機器とを接続するために、信号線20に外部端子50が収容溝17への収容前に予め取り付けられている場合であっても、電源ケーブル10に対して簡単に信号線20を取り付けることができる。
【0056】
また、信号線20が光ファイバ心線であるので、大容量の情報を伝送することができると共に、周囲からのノイズによる影響を受けずに信号を伝送することができる。
【0057】
また、棒状体16の収容溝17は、棒状体16の延在長さに亘って閉鎖テープ40によって閉鎖されているので、収容溝17からの信号線20の脱落を防止することができる。
【0058】
また、複合ケーブル1においては、棒状体16の断面形状は扁平状であるので、低背化を図ることできる。棒状体16を扁平にすることにより、長手方向Xにおいて2つの電源線11が設けることができ多系統の電源からの電力供給を可能にする。さらに、2つの収容溝17が設けられているので、より多くの信号線20を複合ケーブル1に備えることができる。
【0059】
また、複合ケーブル1において電源線11は被覆されていないので、電源線11と棒状体16との密着性が高まり、電源線11が棒状体16に対して相対的にずれるような運動を起こしにくくなっている。
【0060】
以上、複合ケーブル1によれば、信号線20を電源ケーブル10から容易に分岐させることができる。
【0061】
なお、上記の実施の形態において信号線20としては光ファイバ心線が用いられていたが、信号線20として電気信号を伝送する金属線(導電体)20aを用いてもよい。
図8は、金属線20aとしての信号線の断面図である。金属線20aは、例えば、ツイスト線210aと、ツイスト線210aの外周を覆うジャケット220aとを含む。ツイスト線210aは、複数の被覆電線230aを撚り合わせたものである。一例としてツイスト線210aが2本の被覆電線230aを撚り合わせたものである場合を例示しているが、被覆電線230aの本数は特に制限されない。
【0062】
各被覆電線230aは、金属から成る例えば金属から成る導体231aと、導体231aの外周を覆う絶縁材料から成る絶縁層231bとを含む。導体231aは、例えば、電源線11と同様の材料によって形成することができる。絶縁層231bは、例えば、ポリエチレン、PVC、ナイロン、シリコン等により形成されている。また、ジャケット220aは、例えば、絶縁層231bと同様の材料によって形成することができる。なお、導体231aは、単線であっても、撚線であってもよい。
【0063】
<第2の実施の形態>
次に、
図9を用いて第2の実施の形態に係る複合ケーブル1Aについて説明する。
図9は、軸線xに対して交差する複合ケーブル1Aの断面図である。以下では、第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、第1の実施の形態と同じ構成については、同一符号を付して説明を省略する。
【0064】
複合ケーブル1Aは2つの電源線112を有する。軸線xに対して交差する電源線112の断面形状は楕円形状である。断面形状において電源線112の長軸112aは、棒状体16の長手方向Xに沿って延びている。断面形状において電源線112の短軸112bは、棒状体16の短手方向Zに沿って延びている。
【0065】
以上のような複合ケーブル1Aによれば、第1の実施の形態に係る複合ケーブル1と同様に信号線20を電源ケーブル10から容易に分岐させることができる。
【0066】
また、電源線112の断面が楕円形又は略楕円形になっているので、棒状体16の短手方向Zにおける幅が狭まり、複合ケーブル1Aを短手方向Zにおいて全体的に低背化することができる。
【0067】
なお、第2の実施の形態において電源線112は、断面が楕円形であったが、短手方向Zに面する線が互いに直線に延び、長手方向Xに面する線が円弧をなす長円形であってもよい。
【0068】
<第3の実施の形態>
次に、
図10を用いて第3の実施の形態に係る複合ケーブル1Bについて説明する。
図10は、軸線xに対して交差する複合ケーブル1Bの断面図である。以下では、上記の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、上記の実施の形態と同じ構成については、同一符号を付して説明を省略する。
【0069】
複合ケーブル1Bは2つの電源線113を有する。軸線xに対して交差する電源線113の断面形状は方形又は略方形である。複合ケーブル1Bにおいて、軸線xに交差する棒状体163の断面は、略矩形である。なお、棒状体163の四隅はR付けされている。
【0070】
以上のような複合ケーブル1Bによれば、第1の実施の形態に係る複合ケーブル1と同様に信号線20を電源ケーブル10から容易に分岐させることができる。また、複合ケーブル1Bは、電源線113が略方形になっていることにより、製造時に電源線113のねじれ等が抑制され、かつ複数の電源線113の間隔が所定の間隔に保たれ、整列しやすくなっている。
【0071】
<第4の実施の形態>
次に、
図11を用いて第4の実施の形態に係る複合ケーブル1Cについて説明する。
図11は、軸線xに対して交差する複合ケーブル1Cの断面図である。以下では、上記の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、上記の実施の形態と同じ構成については、同一符号を付して説明を省略する。
【0072】
複合ケーブル1Cは2つの電源線114を有する。軸線xに対して交差する電源線114の断面形状は矩形又は略矩形である。断面形状において電源線114の長辺114aは、棒状体16の長手方向Xに沿って延びている。断面形状において電源線114の短辺114bは、棒状体16の短手方向Zに沿って延びている。
【0073】
以上のような複合ケーブル1Cによれば、第1の実施の形態に係る複合ケーブル1と同様に信号線20を電源ケーブル10から容易に分岐させることができる。
【0074】
また、複合ケーブル1Cにおいて電源線114の断面は、矩形又は略矩形になっており、長辺114aが軸線xに対して垂直に延びているので、例えば、複合ケーブル1Aにおける断面が楕円形の電源線112に比べて短手方向Zにおける幅が小さくなっている。これにより、複合ケーブル1Cを短手方向Zにおいて全体的により低背化することができる。
【0075】
<第5の実施の形態>
次に、
図12を用いて第5の実施の形態に係る複合ケーブル1Dについて説明する。
図12は、軸線xに対して交差する複合ケーブル1Dの断面図である。以下では、上記の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、上記の実施の形態と同じ構成については、同一符号を付して説明を省略する。
【0076】
複合ケーブル1Dは2本の電源線115を有する。軸線xに対して交差する電源線115の断面形状は三角形になっている。棒状体165において長手方向Xに互いに間隔をあけて設けられた電源線115は、それぞれの頂点のうち一の頂点が長手方向Xにおいて互いに向かい合うようにして設けられている。複合ケーブル1Dにおいて、軸線xに交差する棒状体165の断面は、略矩形になっている。棒状体165の四隅はR付けされている。
【0077】
以上のような複合ケーブル1Dによれば、第1の実施の形態に係る複合ケーブル1と同様に信号線20を電源ケーブル10から容易に分岐させることができる。
【0078】
また、電源線115の断面が三角形になっており、かつそれぞれの頂点が長手方向Xにおいて互いに向かい合っているので、長手方向Xにおいて棒状体165の中央部分には収容溝17を確保する十分なスペースを確保することができる。
【0079】
<第6の実施の形態>
次に、
図13を用いて第6の実施の形態に係る複合ケーブル1Eについて説明する。
図13は、軸線xに対して交差する複合ケーブル1Eの断面図である。以下では、上記の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、上記の実施の形態と同じ構成については、同一符号を付して説明を省略する。
【0080】
複合ケーブル1Eは、第1の実施の形態に係る複合ケーブル1の電源線11と同じ2本の電源線11を有する。電源線11は、絶縁被覆11aを有する。絶縁被覆11aは、電源線11の外周面を被覆している絶縁材料である。絶縁被覆11aは、例えば、ポリエチレン、PVC、ナイロン、シリコン等により形成されている。絶縁被覆11aは、例えば押出成形によって形成されている。なお、絶縁被覆11aの絶縁材料は、棒状体16を形成する絶縁材料とは異なっていることが好ましい。
【0081】
以上のような複合ケーブル1Eによれば、第1の実施の形態に係る複合ケーブル1と同様に信号線20を電源ケーブル10から容易に分岐させることができる。
【0082】
また、電源線11が絶縁被覆11aによって被覆されているので、電源線11のより高い絶縁性を得ることができる。
【0083】
<第7の実施の形態>
次に、
図14を用いて第7の実施の形態に係る複合ケーブル1Fについて説明する。
図14は、軸線xに対して交差する複合ケーブル1Fの断面図である。以下では、上記の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、上記の実施の形態と同じ構成については、同一符号を付して説明を省略する。
【0084】
複合ケーブル1Fは2本の電源線116を有する。軸線xに交差する電源線116の全体的な断面は円形又は略円形である。電源線116は、複数の金属製の撚線(金属線)116aにより形成された電線である。電源線116においては1本の撚線116aを中心に周囲に複数の撚線116aが設けられている。
【0085】
電源線116は、絶縁被覆116bを有する。絶縁被覆116bは、電源線116の外周面を被覆している絶縁材料である。絶縁被覆116bは、例えば、ポリエチレン、PVC、ナイロン、シリコン等により形成されている。絶縁被覆116bは、例えば押出成形によって形成されている。なお、絶縁被覆116bの絶縁材料は、棒状体16を形成する絶縁材料とは異なっていることが好ましい。
【0086】
以上のような複合ケーブル1Fによれば、第1の実施の形態に係る複合ケーブル1と同様に信号線20を電源ケーブル10から容易に分岐させることができる。
【0087】
また、電源線116は複数の撚線116aを有しているので、電源線116を棒状体16から取り出して作業する場合、曲げ等の加工性に優れている。さらに、電源線116は、絶縁被覆116bによって被覆されているので、撚線116aがばらけることはなく、加えて電源線116のより高い絶縁性を得ることができる。
【0088】
<第8の実施の形態>
次に、
図15を用いて第8の実施の形態に係る複合ケーブル1Gについて説明する。
図15は、軸線xに対して交差する複合ケーブル1Gの断面図である。以下では、上記の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、上記の実施の形態と同じ構成については、同一符号を付して説明を省略する。
【0089】
複合ケーブル1Gは電源線として1枚の帯状の電源板117を有する。電源板117は、導電性を有する材料により形成されている。具体的には、軸線xに交差する電源板117の断面は、矩形又は略矩形である。電源板117は、バスバーのような、平板状の金属製の薄板により形成されている。電源板117は、導体性を有する金属材料であればよく、アルミニウム、銅、銅合金、錫めっき線、鉄、およびニッケル等の金属材料を例示することができる。例えば、電源板117は、押出成形によって形成される。
【0090】
電源板117は、棒状体167においては、2つの収容溝17の間を棒状体16の延在方向Yに沿って延び、かつ棒状体16の断面において長手方向Xに連続して延びている。電源板117の幅wは、例えば20mm以上30mm以下の値であり、電源板117の厚みtは、例えば2.0mm以上3.0mm以下の値である。
【0091】
以上のような複合ケーブル1Gによれば、第1の実施の形態に係る複合ケーブル1と同様に信号線20を電源ケーブル10から容易に分岐させることができる。
【0092】
また、電源板117は帯状体として形成されており大きな表面積を有している。これにより電源板117に大電流が流れた場合、電源板117において発生する熱を効果的に放出することができる。すなわち、電源板117は、一般的な撚線や単線に比べて表面積が大きいので、より高い放熱性を実現することが可能となる。
【0093】
また、電源板117が帯状に形成されていることにより、複合ケーブル1Gの低背化を達成することができると共に、短手方向Zにおいて複合ケーブル1Gを曲げやすくなる。
【0094】
<第9の実施の形態>
次に、
図16を用いて第9の実施の形態に係る複合ケーブル1Hについて説明する。
図16は、軸線xに対して交差する複合ケーブル1Hの断面図である。以下では、上記の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、上記の実施の形態と同じ構成については、同一符号を付して説明を省略する。
【0095】
複合ケーブル1Hは、電源線として2枚の電源板118を有する。電源板118は、導電性の帯状体として形成されている。具体的には、軸線xに交差する電源板118の断面は、矩形又は略矩形である。電源板118は、バスバーのような、平板状の金属製の薄板により形成されている。電源板118は、導体性を有する金属材料であればよく、アルミ
ニウム、銅、銅合金、錫めっき線、鉄、およびニッケル等の金属材料を例示することができる。例えば、電源板118は、押出成形によって形成される。
【0096】
電源板118は、棒状体16においては、2つの収容溝17の間を棒状体16の延在方向Yに沿って延び、かつ棒状体16の断面において長手方向Xに連続して延びている。電源板118の幅wは、例えば20mm以上30mm以下の値であり、電源板118の厚みtは、例えば1.0mm以上2.0mm以下の値である。2枚の電源板118は、短手方向Zにおいて互いに所定の間隔をあけて設けられている。
【0097】
以上のような複合ケーブル1Hによれば、第1の実施の形態に係る複合ケーブル1と同様に信号線20を電源ケーブル10から容易に分岐させることができる。
【0098】
また、電源板118が帯状に形成されていることにより、複合ケーブル1Hの低背化を達成することができると共に、短手方向Zにおいて複合ケーブル1Hを曲げやすくなる。
【0099】
また、複合ケーブル1Hにおいて、2つの電源板118のうち収容溝17の側の電源板118をシールド電極(導電性の電磁遮蔽部材)118aとし、他方を電源板118bとして用いてもよい。この場合、シールド電極118aは、信号線20と電源板118bとの間に位置する。これにより、収容溝17に信号線として金属線20aが収容されていて、電源板118bに電流が流れた場合、電源板118aから発生する電磁波が金属線20aに与える影響をシールド電極118aによって低減することが可能となり、信号障害の発生を抑制することができる。
【0100】
<第10の実施の形態>
次に、
図17を用いて第10の実施の形態に係る複合ケーブル1Iについて説明する。
図17は、軸線xに対して交差する複合ケーブル1Iの断面図である。以下では、上記の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、上記の実施の形態と同じ構成については、同一符号を付して説明を省略する。
【0101】
複合ケーブル1Iは、6本の電源線119を有する。軸線xに交差する電源線119の断面形状は、方形又は略方形になっている。全ての電源線119は、2つの収容溝17の間に配置されている。各電源線119は、長手方向Xにおいて互いに所定の間隔をあけて設けられている。
【0102】
以上のような複合ケーブル1Iによれば、第1の実施の形態に係る複合ケーブル1と同様に信号線20を電源ケーブル10から容易に分岐させることができる。
【0103】
また、長手方向Xにおいて6つの電源線119が設けられていることにより、より多系統の電源からの電力供給を可能にする。
【0104】
また、6つの電源線119が長手方向Xに並んで全体として帯状に形成されていることにより、複合ケーブル1Iの低背化を達成することができると共に、短手方向Zにおいて複合ケーブル1Iを曲げやすくなる。
【0105】
なお、複合ケーブル1Iにおいて6本の電源線119が設けられていたが、電源線119の本数はこれに限定されない。
【0106】
<第11の実施の形態>
次に、
図18を用いて第11の実施の形態に係る複合ケーブル1Jについて説明する。
図18は、軸線xに対して交差する複合ケーブル1Jの断面図である。以下では、上記の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、上記の実施の形態と同じ構成については、同一符号を付して説明を省略する。
【0107】
複合ケーブル1Jにおいて棒状体16には4つの収容溝17が形成されている。棒状体16は、短手方向Zの側にそれぞれ2つの収容溝17を有する。
【0108】
以上のような複合ケーブル1Jによれば、第1の実施の形態に係る複合ケーブル1と同様に信号線20を電源ケーブル10から容易に分岐させることができる。
【0109】
また、複合ケーブル1Jは、短手方向Zに面する棒状体16の側にそれぞれ複数の収容溝17を有しているので、通信線として信号線20を用いたり金属線20aを用いたり複系統化することができる。
【0110】
<第12の実施の形態>
次に、
図19を用いて第12の実施の形態に係る複合ケーブル1Kについて説明する。
図19は、軸線xに対して交差する複合ケーブル1Kの断面図である。以下では、上記の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、上記の実施の形態と同じ構成については、同一符号を付して説明を省略する。
【0111】
複合ケーブル1Kにおける収容溝171は、棒状体16の外部に向かって開いた溝開口171aと、溝開口171aに対して長手方向Xに拡幅された収容スペース171bを有する。溝開口171aの開口幅は、信号線20の直径Rと同じ又は少し大きく形成されている。また、棒状体16が剛性の高い材料、例えば、PPによって形成されている場合、収容溝171の溝開口171aの開口幅は、信号線20の直径Rと同じ又は少し大きい状態に維持され、信号線20を収容しやすくなる。
【0112】
以上のような複合ケーブル1Kによれば、第1の実施の形態に係る複合ケーブル1と同様に信号線20を電源ケーブル10から容易に分岐させることができる。
【0113】
また、複合ケーブル1Kにおいて収容溝171の開口幅は、信号線20の直径と同じ又は少し大きく形成されている。したがって、収容溝171に収容されている信号線20は、溝開口171aから外部に抜け出ることが困難になっており、複合ケーブル1Kがどのような姿勢にあっても信号線20は収容溝171内に保持される。
【0114】
<第13の実施の形態>
次に、
図20を用いて第13の実施の形態に係る複合ケーブル1Lについて説明する。
図20は、軸線xに対して交差する複合ケーブル1Lの断面図である。以下では、上記の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、上記の実施の形態と同じ構成については、同一符号を付して説明を省略する。
【0115】
複合ケーブル1Lにおいて軸線xに対して交差する収容溝172の断面形状は、T字形又は略T字形である。収容溝172は、棒状体16の外部に向かって開いた溝開口172aに対して長手方向Xに拡幅され収容スペース172bを有する。軸線xに対して交差する収容スペース172bの断面形状は矩形である。溝開口172aは、収容スペース172bに対して垂直に延在している。溝開口172aの開口幅は、信号線20の直径よりも僅かに大きくなっている。
【0116】
収容スペース172bは、溝開口172aと重ならない位置において信号線20を収容することができる。収容スペース172bは、溝開口172aに対して長手方向Xの側に延びている。
【0117】
以上のような複合ケーブル1Lによれば、第1の実施の形態に係る複合ケーブル1と同様に信号線20を電源ケーブル10から容易に分岐させることができる。
【0118】
また、複合ケーブル1Lにおいて収容溝172の開口幅は、信号線20の直径と同じ又は少し大きく形成されているので、収容溝172に収容されている信号線20は、溝開口172aから外部に抜け出ることが困難になっており、複合ケーブル1Lがどのような姿勢にあっても信号線20は収容溝172内に保持される。
【0119】
<第14の実施の形態>
次に、
図21を用いて第14の実施の形態に係る複合ケーブル1Mについて説明する。
図21は、軸線xに対して交差する複合ケーブル1Mの断面図である。以下では、上記の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、上記の実施の形態と同じ構成については、同一符号を付して説明を省略する。
【0120】
複合ケーブル1Mは、軸線xに対して交差する断面形状が互いに異なる2つの収容溝173,174を有する。収容溝173は、断面形状が台形状又は略台形状である。収容溝173は、上底に相当する辺の側で棒状体16の外部に向かって開いた溝開口173aから、収容溝174に向かって長手方向Xに広がる収容スペース173bを有する。
【0121】
収容溝174は、開口通路174aと、収容スペース174bとを有する。開口通路174aは、溝開口174cから短手方向Zにおける面に対して垂直に収容溝173に向かって延びている。収容溝174の収容スペース174bは、棒状体16の外部に向かって開いた開口通路174aの溝開口174cに対して長手方向Xに広がる。収容スペース174bは、断面形状が円形又は略円形である。収容スペース174bは、開口通路174aに接続している。
【0122】
以上のような複合ケーブル1Mによれば、第1の実施の形態に係る複合ケーブル1と同様に信号線20を電源ケーブル10から容易に分岐させることができる。
【0123】
なお、第10~12の実施の形態に係る複合ケーブル1K~1Mにおける収容溝171~173はそれぞれ適宜互いに組み合わせて使用することができる。
【0124】
<第15の実施の形態>
次に、
図22を用いて第15の実施の形態に係る複合ケーブル1Nについて説明する。
図22は、軸線xに対して交差する複合ケーブル1Nの断面図である。以下では、上記の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、上記の実施の形態と同じ構成については、同一符号を付して説明を省略する。
【0125】
複合ケーブル1Nは、複合ケーブル1Aにおける2つの電源線112を有する。複合ケーブル1Nにおいて棒状体164は、軸線xに交差する断面が複合ケーブル1における棒状体16を、短手方向Zにおいて軸線xに対して一方の側で切断した形状を有する。棒状体164には1つの収容溝17が形成されている。収容溝17は短手方向Zにおいて一方の側にのみ有する。
【0126】
以上のような複合ケーブル1Nによれば、第1の実施の形態に係る複合ケーブル1と同様に信号線20を電源ケーブル10から容易に分岐させることができる。
【0127】
電源線112と収容溝17が設けられている棒状体164の側とは反対の側との間隔dは、例えば0.40mm以上3.00mm以下の値に設定することにより、電源線112の放熱性を向上させつつ、外部からの衝撃による電源線112の破損防止も達成することができる。
【0128】
<第16の実施の形態>
次に、
図23を用いて第16の実施の形態に係る複合ケーブル1Oについて説明する。
図23は、軸線xに対して交差する複合ケーブル1Oの断面図である。以下では、上記の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、上記の実施の形態と同じ構成については、同一符号を付して説明を省略する。
【0129】
複合ケーブル1Oは、電源線として複合ケーブル1Gと同じ帯状の電源板117を有する。複合ケーブル1Oにおいて棒状体164は、軸線xに交差する断面が複合ケーブル1における棒状体16を、短手方向Zにおいて軸線xに対して一方の側で切断した形状を有する。
【0130】
以上のような複合ケーブル1Oによれば、第1の実施の形態に係る複合ケーブル1と同様に信号線20を電源ケーブル10から容易に分岐させることができる。
【0131】
電源板117と収容溝17が設けられている棒状体164の側とは反対の側との間隔dは、例えば0.30mm以上2.00mm以下の値に設定することにより、電源板117の放熱性を向上させつつ、外部からの衝撃による電源板117の破損防止も達成することができる。
【0132】
<第17の実施の形態>
次に、
図24を用いて第17の実施の形態に係る複合ケーブル1Pについて説明する。
図24は、軸線xに対して交差する複合ケーブル1Pの断面図である。以下では、上記の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、上記の実施の形態と同じ構成については、
同一符号を付して説明を省略する。
【0133】
複合ケーブル1Pは、電源線として複合ケーブル1Hと同じ帯状の2枚の電源板118を有する。なお、電源板118の数は特に限定されない。電源板118は、棒状体16においては、棒状体16の延在方向Yに沿って延び、かつ棒状体16の断面において長手方向Xに連続して延びている。2枚の電源板118は、短手方向Zにおいて互いに所定の間
隔をあけて設けられている。例えば、2つの電源板118のうち、収容溝17の側の電源板118をシールド電極(導電性の電磁遮蔽部材)118aとしてグランド電位に接続し、他方を電源板118bとして用いてもよい。
【0134】
電源板118と収容溝17が設けられている棒状体164の側とは反対の側との間隔dは、例えば0.30mm以上2.00mm以下の値に設定することにより、電源板118の放熱性を向上させつつ、外部からの衝撃による電源板118の破損防止も達成することができる。
【0135】
複合ケーブル1Pにおいて棒状体164は、軸線xに交差する断面が複合ケーブル1における棒状体16を、短手方向Zにおいて軸線xに対して一方の側で切断した形状を有する。
【0136】
以上のような複合ケーブル1Pによれば、第1の実施の形態に係る複合ケーブル1と同様に信号線20を電源ケーブル10から容易に分岐させることができる。
【0137】
複合ケーブル1Pによれば、2つの電源板118が、互いに離間して、棒状体164における短手方向Zに並んでいるので、1本の複合ケーブル1Pによって多系統の電源系を配索することが可能となる。
【0138】
また、収容溝17に収容されている信号線に金属線20aを用いる場合、一方の電源板118をシールド電極118aとして用いることにより、電源板118bに電流が流れたときに発生する電磁波や外部機器から発生した電磁波の信号線としての金属線20aに与える影響を、シールド電極としての電源板118aによって低減することが可能となり、信号障害の発生を抑制することができる。
【0139】
<第18の実施の形態>
次に、
図25を用いて第18の実施の形態に係る複合ケーブル1Qについて説明する。
図25は、軸線xに対して交差する複合ケーブル1Qの断面図である。以下では、上記の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、上記の実施の形態と同じ構成については、同一符号を付して説明を省略する。
【0140】
複合ケーブル1Oは、電源線として複合ケーブル1Hと同じ帯状の電源板118を有する。電源板118と収容溝17が設けられている棒状体164の側とは反対の側との間隔dは、例えば0.30mm以上2.00mm以下の値に設定することにより、電源板118の放熱性を向上させつつ、外部からの衝撃による電源板118の破損防止も達成することができる。
【0141】
複合ケーブル1Qにおいて棒状体164は、軸線xに交差する断面が複合ケーブル1における棒状体16を、短手方向Zにおいて軸線xに対して一方の側で切断した形状を有する。複合ケーブル1Qは、2つの収容溝17を有する。2つの収容溝17は、棒状体164の長手方向Xにおいて所定の間隔をあけて設けられている。
【0142】
以上のような複合ケーブル1Qによれば、第1の実施の形態に係る複合ケーブル1と同様に信号線20を電源ケーブル10から容易に分岐させることができる。
【0143】
また、複合ケーブル1Qによれば複数の収容溝17が設けられているので、1本の複合ケーブル1Q内に複数の通信線を設けることができる。
【0144】
<第19の実施の形態>
次に、
図26を用いて第19の実施の形態に係る複合ケーブル1Rについて説明する。
図26は、軸線xに対して交差する複合ケーブル1Rの断面図である。以下では、上記の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、上記の実施の形態と同じ構成については、同一符号を付して説明を省略する。
【0145】
複合ケーブル1Rの基本的な構成は、複合ケーブル1と同じであり、複合ケーブル1Rにおいて棒状体16は外被140によって、軸線xを中心として全周に亘って被覆されている。なお、棒状体16は、軸線xを中心に閉鎖テープによって軸線x方向に沿って押さえ巻を施されていてもよい。また、軸線x方向における巻かれた閉鎖テープの間には隙間が形成されていてもよい。
【0146】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態1~19に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、上記実施の形態1~19の各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。また、例えば、上記実施の形態1~19における各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。
【0147】
例えば、上記の実施の形態1~19において棒状体は、PVC、PE等により形成された曲げ変形可能に形成されていたが、PPにより形成されていてもよい。PPにより形成された棒状体の剛性は高められており、例えば、複合ケーブルを持ち上げた場合、複合ケーブルは初期形状を維持する。このような複合ケーブルをワイヤハーネス100に用いた場合、手作業による配索作業の負担を軽減することができる。また、棒状体が剛性の高い材料、例えば、PPにより形成されている場合、収容溝の溝開口の開口幅が、信号線の直径Rと同じ又は少し大きい状態に維持されやすくなるため、信号線を収容しやすくなる。
【0148】
また、例えば、ワイヤハーネス100において、電源幹線121a~121d及び枝線125a,125b(電源枝線)は、通信に用いられる信号線とグラウンド電位が与えられるアース線を含んでいてもよいし、電源幹線121a~122d及び枝線125a,125b(電源枝線)を通信に用いられる信号線とし、これらの電源線又は信号線とは別にアース線を設けてもよい。
【符号の説明】
【0149】
1 複合ケーブル
11 電源線
11a 絶縁被覆
16 棒状体(基体)
17 収容溝
20 信号線(通信線)
20a 金属線(通信線)
40 閉鎖テープ(閉鎖部材)
50 外部端子
100 ワイヤハーネス
X 長手方向
Y 延在方向
Z 短手方向