IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 古河電気工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-横断報知システム 図1
  • 特許-横断報知システム 図2
  • 特許-横断報知システム 図3
  • 特許-横断報知システム 図4
  • 特許-横断報知システム 図5
  • 特許-横断報知システム 図6
  • 特許-横断報知システム 図7
  • 特許-横断報知システム 図8
  • 特許-横断報知システム 図9
  • 特許-横断報知システム 図10
  • 特許-横断報知システム 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】横断報知システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20240708BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20240708BHJP
【FI】
G08G1/16 A
G08B25/04 C
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020160928
(22)【出願日】2020-09-25
(65)【公開番号】P2022053993
(43)【公開日】2022-04-06
【審査請求日】2023-05-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114292
【弁理士】
【氏名又は名称】来間 清志
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】渡部 大介
【審査官】白石 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-302190(JP,A)
【文献】特開2020-003832(JP,A)
【文献】特開2002-157678(JP,A)
【文献】登録実用新案第3131889(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/16
G08B 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路を構成する、車両が通行する車道と、前記車道の横断方向両側に位置し、歩行者が通行する1対の歩道のそれぞれとを区切る境界ライン上または前記境界ラインよりも前記歩道の側に、前記境界ラインに沿って前記道路に埋設され、上面が路面の一部を形成する横断報知装置と、
前記車道を通行する車両を管理・制御する管理端末と、
を備え、
前記横断報知装置は、
前記横断報知装置の前記上面に歩行者が停留することを検知する検知手段と、
前記管理端末との通信が可能であり、前記検知手段で検知される前記歩行者の位置情報を前記管理端末へ送信し、かつ前記歩行者に対する横断許可を含む外部からの通知情報を前記管理端末から受信する通信手段と、
前記通信手段で受信した前記通知情報から、前記歩行者に対して前記道路を安全に横断できることを知らせる報知手段と、
を備える、横断報知システムにおいて、
前記車両は、前記管理端末に通信可能に接続され、前記歩行者に前記道路の横断の許可を報知する第1補助報知手段を備え、
前記第1補助報知手段は、前記車両が前記制御信号による減速または停止を前記管理端末に送信し、かつ、前記管理端末から横断許可を受信したときに、前記歩行者に前記道路の横断を許可する旨を報知する、横断報知システム
【請求項2】
前記横断報知装置の報知手段は、前記通信手段が前記歩行者の位置情報を前記管理端末に送信したときに、前記歩行者に前記道路の横断を待機する旨を報知し、かつ、前記管理端末から前記通知情報として横断許可を受信したときに、前記歩行者に前記道路の横断を許可する旨を報知する、請求項に記載の横断報知システム。
【請求項3】
前記管理端末は、前記横断報知装置の通信手段から前記歩行者の位置情報を受信したときに、前記横断報知装置に隣接する車道の通過が予測される車両の有無を解析し、車両の通過が予測されないときに横断許可を前記横断報知装置に送信する、請求項に記載の横断報知システム。
【請求項4】
前記横断報知システムは、複数の前記横断報知装置を備え、
前記管理端末は、複数の前記横断報知装置のいずれかを介して、前記道路を移動する車両と通信可能に構成され、
前記横断報知装置のいずれかが、前記歩行者の位置情報を前記管理端末に送信したときに、他の横断報知装置が、前記横断報知装置の通過が予測される車両に対して、減速または停止させる制御信号を送信する、請求項からまでのいずれか1項に記載の横断報知システム。
【請求項5】
前記横断報知システムは、前記管理端末に通信可能に接続され、前記歩行者に前記道路の横断の許可を報知する第2補助報知手段を備え、
前記第2補助報知手段は、前記道路の街路灯に設けられ、前記管理端末から横断許可を受信したときに、前記歩行者に前記道路の横断を許可する旨を報知する、請求項からまでのいずれか1項に記載の横断報知システム。
【請求項6】
前記横断報知システムは、前記管理端末と、単数または複数の前記横断報知装置との間における通信を中継する中継端末をさらに備える、請求項からまでのいずれか1項に記載の横断報知システム。
【請求項7】
前記管理端末は、前記通知情報として横断許可に関する通知情報を前記横断報知装置に送信した後に、時間カウントを開始し、前記時間カウントが所定のカウント以上に到達すると、前記横断許可が終了するまでの警告カウントに関する通知情報をさらに前記横断報知装置に送信し、
前記横断報知装置の報知手段は、前記通知情報に基づいて、前記歩行者に横断可能時間が終了間近であることを報知する、請求項からまでのいずれか1項に記載の横断報知システム。
【請求項8】
前記横断報知装置は、前記報知手段によって横断許可を前記歩行者に報知した後も、前記検知手段による前記歩行者の検知を行い、
前記検知手段によって検知される前記歩行者の重量が第1閾値と第2閾値の間である状態が断続的に続くとき、前記横断報知装置の上面に他の歩行者が位置することを検知して、前記管理端末に横断許可の延長申請を送信する、請求項からまでのいずれか1項に記載の横断報知システム。
【請求項9】
前記管理端末は、前記横断報知装置から、前記歩行者の横断許可を終了するまでに横断許可の時間延長の申請を受信したときには、横断許可状態の更新に関する通知情報を前記横断報知装置に送信し、
前記横断報知装置の報知手段は、前記通知情報に基づいて、前記他の歩行者に横断の継続が可能であることを報知する、請求項に記載の横断報知システム。
【請求項10】
前記管理端末は、前記横断報知装置から前記歩行者の横断許可を終了するまでに横断許可の時間延長の申請を受信しないときには、横断許可状態の終了に関する通知情報を前記横断報知装置に送信し、
前記横断報知装置の報知手段は、前記通知情報に基づいて、前記他の歩行者に横断不可を報知する、請求項またはに記載の横断報知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路を横断する歩行者を検知するとともに、歩行者の位置情報を管理端末に送信し、管理端末からの横断許可に基づいて、歩行者に道路を安全に横断できることを知らせる横断報知装置を備えた横断報知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
交通事故は、様々な要因により歩行者が道路を横断する際に発生することがあり、歩行者の安全を確保することは重要な問題である。そのため、道路を横断する歩行者の安全を確保するための取り組みが進められている。
【0003】
例えば特許文献1には、歩行者と車両との衝突を防ぐことを目的として、路面投影装置を備えた車両の構成が記載されている。より具体的には、自車両の周囲領域を監視する監視部と、監視部の監視結果に基づいて移動体を判別する移動体判別部と、路面に投影するイメージのイメージデータを予め記憶するイメージデータ記憶部と、イメージを投影するように作動制御されたときにイメージを投影する投影部とを備えた、路面投影装置を備えた車両が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4720650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されている路面投影装置は、停車している車両から路面に横断歩道のイメージを投影して歩行者の安全性を高めるものであり、走行中の車両に対する歩行者の安全性を高めることはできない。
【0006】
また、特許文献1に記載される路面投影装置は、車両に投影装置を搭載して歩行者との衝突を防ぐ機能をもたらすものであり、より多くの車両と歩行者との衝突を防ぐには、路面などの道路側に、歩行者との衝突を防ぐ機能のうち少なくとも一部を持たせることが望ましい。
【0007】
本発明は、例えば歩行者が信号機の設置がない場所から道路を横断したい場合に、歩行者が道路を安全に横断することが可能な横断報知装置を備えた横断報知システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、横断報知装置の上面に歩行者が停留することを検知する検知手段、車道を通行する車両を管理および制御する管理端末との通信が可能な通信手段、および通信手段で受信した情報に基づいて歩行者に道路を安全に横断できることを知らせる報知手段を備えた横断報知装置と、車道を通行する車両を管理および制御する管理端末とを備えた横断報知システムによることで、車道を走行中の車両に対して、横断を希望する歩行者の位置情報に基づいて制御を行うことが可能になり、それにより歩行者が道路を安全に横断することが可能になることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明の要旨構成は、以下のとおりである。
)道路を構成する、車両が通行する車道と、前記車道の横断方向両側に位置し、歩行者が通行する1対の歩道のそれぞれとを区切る境界ライン上または前記境界ラインよりも前記歩道の側に、前記境界ラインに沿って前記道路に埋設され、上面が路面の一部を形成する横断報知装置と、前記車道を通行する車両を管理および制御する管理端末と、を備え、前記横断報知装置は、前記横断報知装置の前記上面に歩行者が停留することを検知する検知手段と、前記管理端末との通信が可能であり、前記検知手段で検知される前記歩行者の位置情報を前記管理端末へ送信し、かつ前記歩行者に対する横断許可を含む外部からの通知情報を前記管理端末から受信する通信手段と、前記通信手段で受信した前記通知情報から、前記歩行者に対して前記道路を安全に横断できることを知らせる報知手段と、を備える、横断報知システムにおいて、前記車両は、前記管理端末に通信可能に接続され、前記歩行者に前記道路の横断の許可を報知する第1補助報知手段を備え、前記第1補助報知手段は、前記車両が前記制御信号による減速または停止を前記管理端末に送信し、かつ、前記管理端末から横断許可を受信したときに、前記歩行者に前記道路の横断を許可する旨を報知する、横断報知システム
)前記横断報知装置の報知手段は、前記通信手段が前記歩行者の位置情報を前記管理端末に送信したときに、前記歩行者に前記道路の横断を待機する旨を報知し、かつ、前記管理端末から前記通知情報として横断許可を受信したときに、前記歩行者に前記道路の横断を許可する旨を報知する、上記()に記載の横断報知システム。
)前記管理端末は、前記横断報知装置の通信手段から前記歩行者の位置情報を受信したときに、前記横断報知装置に隣接する車道の通過が予測される車両の有無を解析し、車両の通過が予測されないときに横断許可を前記横断報知装置に送信する、上記()に記載の横断報知システム。
)前記横断報知システムは、複数の前記横断報知装置を備え、
前記管理端末は、複数の前記横断報知装置のいずれかを介して、前記道路を移動する車両と通信可能に構成され、前記横断報知装置のいずれかが、前記歩行者の位置情報を前記管理端末に送信したときに、他の横断報知装置が、前記横断報知装置の通過が予測される車両に対して、減速または停止させる制御信号を送信する、上記()から()までのいずれか1項に記載の横断報知システム。
)前記横断報知システムは、前記管理端末に通信可能に接続され、前記歩行者に前記道路の横断の許可を報知する第2補助報知手段を備え、前記第2補助報知手段は、前記道路の街路灯に設けられ、前記管理端末から横断許可を受信したときに、前記歩行者に前記道路の横断を許可する旨を報知する、上記()から()までのいずれか1項に記載の横断報知システム。
)前記横断報知システムは、前記管理端末と、単数または複数の前記横断報知装置との間における通信を中継する中継端末をさらに備える、上記()から()までのいずれか1項に記載の横断報知システム。
)前記管理端末は、前記通知情報として横断許可に関する通知情報を前記横断報知装置に送信した後に、時間カウントを開始し、前記時間カウントが所定のカウント以上に到達すると、前記横断許可が終了するまでの警告カウントに関する通知情報をさらに前記横断報知装置に送信し、前記横断報知装置の報知手段は、前記通知情報に基づいて、前記歩行者に横断可能時間が終了間近であることを報知する、上記()から()までのいずれか1項に記載の横断報知システム。
)前記横断報知装置は、前記報知手段によって横断許可を前記歩行者に報知した後も、前記検知手段による前記歩行者の検知を行い、
前記検知手段によって検知される前記歩行者の重量が第1閾値と第2閾値の間である状態が断続的に続くとき、前記横断報知装置の上面に他の歩行者が位置することを検知して、前記管理端末に横断許可の延長申請を送信する、上記()から()までのいずれか1項に記載の横断報知システム。
)前記管理端末は、前記横断報知装置から、前記歩行者の横断許可を終了するまでに横断許可の時間延長の申請を受信したときには、横断許可状態の更新に関する通知情報を前記横断報知装置に送信し、前記横断報知装置の報知手段は、前記通知情報に基づいて、前記他の歩行者に横断の継続が可能であることを報知する、上記()に記載の横断報知システム。
10)前記管理端末は、前記横断報知装置から前記歩行者の横断許可を終了するまでに横断許可の時間延長の申請を受信しないときには、横断許可状態の終了に関する通知情報を前記横断報知装置に送信し、前記横断報知装置の報知手段は、前記通知情報に基づいて、前記他の歩行者に横断不可を報知する、上記()または()に記載の横断報知システム。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、例えば歩行者が信号機の設置がない場所から道路を横断したい場合に、歩行者が道路を安全に横断することが可能な横断報知装置を備えた横断報知システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の横断報知システムが備える第1の横断報知装置の適用例の構造を示した図であって、図1(a)が斜視図、図1(b)が図1(a)の仮想平面Rにおける断面図である。
図2図2は、本発明の横断報知システムが備える第1の横断報知装置の適用例が、舗装路に設置された状態を示す概略図である。
図3図3は、本発明の横断報知システムが備える第1の横断報知装置の適用例の撓みについて示した図であって、図3(a)が横断報知装置の上面に歩行者が載る前の模式図、図3(b)が横断報知装置の上面に歩行者が載った際の模式図である。
図4図4は、歩行者が横断報知装置の上面を歩行または停留する場合における、時間と検知される重量の関係の一例を示す模式図であり、時間を横軸に、検知された重量を縦軸にしたものである。
図5図5は、本発明の横断報知システムが備える第2の横断報知装置の適用例の構造を示した断面図である。
図6図6は、本発明の横断報知システムが備える第3の横断報知装置の適用例の構造を示した断面図である。
図7図7は、本発明の横断報知システムが備える第3の横断報知装置の適用例の構造を示した断面図である。
図8図8は、本発明の横断報知システムが備える第4の横断報知装置の適用例を示した断面図である。
図9図9は、本発明に従う横断報知システムの構成を示した模式図である。
図10図10は、本発明に従う横断報知システムの管理端末との接続状態を示した模式図である。
図11図11は、本発明に従う横断報知システムにおける動作のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の横断報知システムが備える横断報知装置に関するいくつかの実施態様及び本発明のいくつかの実施形態の横断報知システムについて、以下で説明する。
本段落以降、明細書の横断報知装置との記載は、本発明の横断報知システムが備える横断報知装置を意味するものとするが、簡略化のため、単に横断報知装置と記載することもある。
【0013】
本発明の横断報知システムが備える横断報知装置の第1の適用例
図1は、本発明の横断報知システムが備える第1の適用例の横断報知装置の構造を示した図であって、図1(a)が斜視図、図1(b)が図1(a)の仮想平面Rにおける断面図である。図2は、本発明の横断報知システムが備える第1の適用例の横断報知装置が、舗装路に設置された状態を示す概略図である。図3は、本発明の横断報知システムが備える第1の適用例の横断報知装置の撓みについて示した図であって、図3(a)が横断報知装置の上面に歩行者が載る前の模式図、図3(b)が横断報知装置の上面に歩行者が載った際の模式図である。
【0014】
本発明の横断報知システムが備える横断報知装置1は、図2に示すように、道路7を構成する、車両Cが通行する車道71と、道路の幅方向Y、すなわち車道71の横断方向の両側に位置し、歩行者P1が通行する1対の歩道72、72’のそれぞれとを区切る境界ライン73、73’上または境界ライン73、73’よりも歩道72、72’の側に、境界ライン73、73’に沿って道路7に埋設され、上面1aが路面Gの一部を形成するものである。この横断報知装置1は、図1の横断報知装置1に示すように、上面1aに歩行者P1が停留することを検知する検知手段2と、車道71を通行する車両Cを管理および制御する管理端末との通信が可能であり、検知手段2で検知される歩行者P1の位置情報を管理端末へ送信し、かつ歩行者P1に対する横断許可を含む外部からの通知情報を管理端末から受信することが可能な通信手段3と、通信手段3で受信した通知情報から、歩行者P1に対して道路7を安全に横断できることを知らせる報知手段4と、を備える。ここで、「安全に横断できる」とは、歩行者P1が、車両Cなどとの接触または衝突などを回避して、道路7を横断できることをいう。
【0015】
これにより、検知手段2によって道路7の横断を希望する歩行者P1が検知されるとともに、検知された歩行者P1の位置情報が、通信手段3によって管理端末との間で共有されるため、管理端末を通じて、横断報知装置1の近くを走行する車両Cを、歩行者P1との衝突を回避するように制御することが可能になる。また、管理端末から受信される横断許可に基づいて、報知手段4により道路7を安全に横断できることが歩行者P1に報知されるため、管理端末で得られる衝突回避に関する高い精度の情報に基づいて、歩行者P1に対して安全に道路7を横断させることができる。
【0016】
加えて、横断報知装置1によることで、客観的なデータである歩行者P1および車両Cの位置情報に基づいて、車両Cの運転を制御し、かつ歩行者P1に対して横断許可を与えることが可能になるため、歩行者P1および車両Cの運転者の目視に頼ることなく、歩行者P1に対して安全に道路7を横断させることができる。
【0017】
その結果、本発明の横断報知システムが備える横断報知装置1によることで、例えば信号機の設置がない道路7であっても、歩行者P1が道路を安全に横断することができる。
【0018】
なお、横断報知装置1は、装置の外部にある通知手段を利用して、歩行者P1の位置情報を、車両Cの運転者に通知する構成であってもよい。例えば、横断報知装置1は、歩行者P1の位置情報を、車両Cにあるカーナビゲーションシステムのディスプレイに表示させることで、歩行者P1の位置情報を、車両Cの運転者に通知する構成であってもよい。
【0019】
(横断報知装置)
図1に示すように、本発明の横断報知システムが備える横断報知装置1は、歩行者P1を検知する検知手段2と、歩行者P1の位置情報および歩行者への通知情報を管理端末との間で送信することが可能な通信手段3と、歩行者への通知情報に基づいて歩行者P1に報知する報知手段4と、を備える。
【0020】
横断報知装置1の材質は、樹脂であることが好ましい。横断報知装置1が樹脂によって構成されることで、後述する通信手段3によって発振される電磁波Eが横断報知装置1に吸収され難くなるため、電磁波Eの吸収による通信効率の低下を起こり難くすることができる。また、横断報知装置1をより軽量にすることができ、横断報知装置1を設置する際や掘り返した際に、容易に持ち運ぶことが可能になる。また、歩行者P1が停留することによって撓みが生じるため、後述する検知手段2による歩行者P1の検知を行い易くすることができる。
【0021】
ここで、横断報知装置1は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂等の樹脂材料によって形成されることが好ましい。また、横断報知装置1は、前述の樹脂材料の1種類を単独で用いて形成してもよいし、前述の樹脂材料の2種類以上を用いて形成してもよい。
【0022】
横断報知装置1は、平均厚さの下限値が、地上を歩行する人の重量に耐えられる強度を確保する観点で、2.0cmが好ましく、3.0cmがより好ましく、4.0cmが特に好ましい。他方で、横断報知装置1の平均厚さの上限値は、特に通信手段3として無線通信の送受信機を用いる場合に、通信手段3から送受信される電磁波Eの良好な透過性能を確保する観点で、20cmが好ましく、17cmがより好ましく、15cmが特に好ましい。
【0023】
(検知手段)
このうち、検知手段2は、横断報知装置1の上面1aに、歩行者P1が停留することを検知するように構成される。この検知手段2では、横断報知装置1の上面1aに停留する物体を検知対象として、横断報知装置1の上面1aに位置する歩行者P1、P2の存在、より好ましくは、横断報知装置1の上面1aに停留して道路7の横断を希望する歩行者P1の存在が検知される。
【0024】
検知手段2としては、横断報知装置1の上面1aに停留する物体が、歩行者P1であるか、または歩行者P1以外のものであるかを判別するように構成されることが好ましい。これにより、横断報知装置1の上面1aに歩行者P1以外のものが停留することによる誤作動を起こり難くすることができる。
【0025】
この検知手段2では、歩行者P1と、歩行者P1以外のものとの区別を確実に行うため、横断報知装置1の上面1aにある物体の重量に基づいて、歩行者P1であるか否かの判別を行うことが好ましい。
【0026】
本発明の横断報知システムが備える第1の適用例の横断報知装置1では、上面1aに歩行者P1が載ると、その重量で横断報知装置1に少なからず撓みが発生する。例えば、図3(a)に示される横断報知装置1における、変位センサ21の検出部21aと横断報知装置1の下面1bとの間の距離がhであったものが、上面1aに歩行者P1が載ることで、図3(b)に示されるように、検出部21aと横断報知装置1の下面1bとの間の距離がh’へと縮まる。
【0027】
そこで、検知手段2として、横断報知装置1の撓みによる変位(距離hと距離h’との差)を検知する変位センサ21を設け、この変位センサ21で検知される重量が、第1閾値と、この第1閾値よりも高い第2閾値との間にあるときに、横断報知装置1の上面1aに歩行者P1が停留していると判別するように構成されることが好ましい。歩行者P1が横断報知装置1の上面1aを歩行または停留する場合、検知手段2では、上面1aに掛かる歩行者P1の重量の有無や、歩行者P1の歩行の有無に応じて、時間を横軸に、検知された重量を縦軸にしたときに、例えば図4の模式図に示されるような波形が得られる。ここで、図4の波形は、歩行者P1が横断報知装置1の上面1aで足踏みを10回行った後、横断報知装置1の上面1aから2~3秒離れる動作を繰り返したときの波形の一例である。このとき、横断報知装置1は、歩行者P1が存在しないときの重量より高く、かつ歩行者P1が歩行または停留するときの最小の重量より低い値に設定された第1閾値と、歩行者P1が歩行または停留するときの最大の重量より高い値に設定された第2閾値に基づいて、変位センサ21で検知された重量を判別することが好ましい。これにより、横断報知装置1の上面1aにおける歩行者P1の存在の有無を判別することができる。ここで、第1閾値と第2閾値は、歩行者P1が単数または複数停留していることが予想される重量の下限(例えば20kg)および上限(例えば300kg)にある重量の物体を、横断報知装置1の上面1aに載せたときに検知される重量の値に、それぞれ設定することが好ましい。これにより、変位センサ21で検知される重量の値から、横断報知装置1の上面1aにある物体が歩行者P1であるか否かを容易に判別することが可能になる。
【0028】
検知手段2を構成する変位センサ21としては、磁気またはレーザによって横断報知装置1の変位を検知するものであることが好ましい。このうち、磁気を用いて横断報知装置1の変位を検知する変位センサ21を設ける場合、横断報知装置1の下面1bに金属板(図示せず)を貼付し、変位センサ21の検出部21aを下面1bの金属板に向けて、下面1bの変位による磁場の変化を捉えることで、横断報知装置1の撓みによる変位を検出することができる。また、レーザを用いて横断報知装置1の変位を検知する変位センサ21を設ける場合、変位センサ21の検出部21aから照射されるレーザを横断報知装置1の下面1bに向けて照射し、レーザが検出部21aに戻る時間の変化を捉えることで、横断報知装置1の撓みによる変位を検出することができる。
【0029】
このとき、検知手段2の変位センサ21で検知される重量が第1閾値以上第2閾値以下の範囲にある時間が、第1設定時間以上継続されるときに、横断報知装置1の上面1aに、歩行者P1が停留していることを検知するようにしてもよい。ここで、歩行者P1が停留していることを検知するための第1設定時間は、特に限定されるものではないが、例えば1秒以上10秒以下、好ましくは2秒以上5秒以下の範囲にすることができる。変位センサ21で検知される重量が第1閾値以上第2閾値以下の範囲にある時間が、第1設定時間以上継続されるものを検知することで、横断報知装置1の上面1aで検出される歩行者P1、P2の中から、図2に記載されるような、横断報知装置1の上面1aを停留せずに通行する歩行者P2が除外されるため、道路7の横断を希望する歩行者P1の存在を、より正確に検知することができる。他方で、変位センサ21で検知される重量が第1閾値以上第2閾値以下の範囲にある時間が、第1設定時間以上継続しているか否かの判断は、後述するように通信手段3で行ってもよい。なお、検知手段2では、歩行者P1が立ち止まっているときの安定した重量の値を検知してもよく、また、歩行者P1が歩いているときの重量の値の振れを検知してもよい。
【0030】
そして、検知手段2で検知される歩行者P1の存在に関する情報と、横断報知装置1が設置される位置に基づいて設定される位置から、道路7の横断を希望する歩行者P1の位置情報を生成することが好ましい。
【0031】
(通信手段)
通信手段3は、車道71を通行する車両Cを管理および制御する管理端末との通信が可能なように構成される。より具体的に、通信手段3は、検知手段2で検知される歩行者P1の位置情報を管理端末へ送信し、かつ歩行者P1に対する横断許可を含む外部からの通知情報を管理端末から受信することが可能なように構成される。これにより、歩行者P1の位置情報が管理端末との間で位置情報を共有されるため、管理端末を通じて、横断報知装置1の近くを走行する車両Cを、歩行者P1との衝突を回避するように制御することが可能になる。
【0032】
本発明の横断報知システムが備える第1の適用例の横断報知装置1では、通信手段3として、無線通信の送受信機を用いる。このとき、通信手段3から送受信される電磁波Eは、通信距離などに応じて周波数などの特性を決めることができ、その一例として5G通信などの通信用の電波が挙げられる。
【0033】
この通信手段3を用いて、横断報知装置1から管理端末に送信される情報には、検知手段2で検知される、道路7の横断を希望する歩行者P1の位置情報が、少なくとも含まれる。他方で、管理端末から横断報知装置1に送信される情報には、道路7の横断を希望する歩行者P1に対する横断許可が、少なくとも含まれる。
【0034】
ここで、通信手段3は、検知手段2の変位センサ21などのセンサで検知される重量が第1閾値以上第2閾値以下の範囲にある時間が、第1設定時間以上にわたって継続されるときに、横断報知装置1の上面1aに停留する歩行者P1の位置情報を管理端末へ送信するように構成されることが好ましい。これにより、道路7の横断を希望する歩行者P1の位置情報を、より正確に管理端末へ送信することができるため、それ以外の歩行者P2などによる誤作動を起こり難くすることができる。
【0035】
本発明の横断報知システムが備える第1の適用例の横断報知装置1が備える通信手段3は、管理端末に情報を送信する機能のほかに、車両Cを制御する制御信号を車両Cに送信する機能を備えることが好ましい。このとき、管理端末から横断報知装置1に送信される情報に、車両Cを制御する制御信号を含ませることで、横断報知装置1を、歩行者P1の位置情報に基づいて車両Cを遠隔制御するためのアンテナとしても用いることが可能になる。ここで、車両Cを制御する制御信号としては、歩行者P1の手前で停止または減速させる機能のほか、歩行者P1の手前で右左折させる機能を備えてもよい。また、道路上に横断歩道や、その予告となる標識などを映写などにより表示させることで、車両Cを歩行者P1の手前で停止または減速させるように構成されてもよい。他方で、車両Cが管理端末によって制御されていることを歩行者P1の側で判別できるようにするため、歩行者P1の手前で、車両Cの前面に設けたパネルなどの表示手段で文字などを表示したり、車両Cのハザードランプを点滅させたり、車両Cから音声を出すなどの手段で、歩行者P1に通知する機能を備えてもよい。
【0036】
(報知手段)
報知手段4は、通信手段3で受信した通知情報から、歩行者P1に対して道路7を安全に横断できることを知らせるように構成される。これにより、管理端末からの横断許可に基づいて、歩行者P1に対する報知がなされるため、管理端末からの、車両Cの動向も踏まえた衝突回避に関する高い精度の情報に基づいて、歩行者P1に対して安全に道路7を横断させることができる。
【0037】
本発明の横断報知システムが備える第1の適用例の横断報知装置1では、報知手段4として、少なくとも光Lを発する照明装置41を有するものを用いる。ここで、照明装置41としては、点灯および消灯、点滅周期、調光率ならびに色のうち、少なくとも一つについて制御するものであることが好ましい。このような照明装置41を報知手段4として有することで、歩行者P1に対して、時間帯にかかわらず、道路7を安全に横断できることを知らせることができる。
【0038】
(横断報知装置の設置)
本発明の横断報知システムが備える横断報知装置1は、図2に示すように、道路7を構成する、車両Cが通行する車道71と、車道71の横断方向の両側に位置し、歩行者P1~P3が通行する1対の歩道72、72’のそれぞれとを区切る境界ライン73、73’上または境界ライン73、73’よりも歩道72、72’の側に、境界ライン73、73’に沿って道路7に埋設されることが好ましい。このような道路7は、1対の歩道72、72’のうち一方から他方に歩行者P1が横断しうるため、上述の横断報知装置1を設けることで、歩行者P1を1対の歩道72、72’のうち一方から他方に渡る際に、走行中の車両Cに対する安全性を高めることができる。
【0039】
ここで、車両Cが通行する車道71には、車道71の横断方向の両側に1対の歩道72、72’が位置しており、車道71と歩道72との間が境界ライン73によって区切られる。また、車道71と歩道72’との間は、境界ライン73’によって区切られる。このとき、横断報知装置1は、境界ライン73上または境界ライン73よりも歩道72の側に設けられるとともに、境界ライン73’上または境界ライン73’よりも歩道72’の側に設けられる。特に、横断報知装置1が境界ライン73上または境界ライン73’上に設けられる場合、横断報知装置1は、境界ライン73、73’のうち一方または両方の、少なくとも一部の代わりになっていてもよい。
【0040】
横断報知装置1は、歩行者P1~P3の通行の妨げにならないようにする観点から、上面1aが路面Gの一部を形成するように構成されることが好ましい。より好ましくは、横断報知装置1は、路面Gとの段差を最小化させる観点から、道路7における歩行者P1~P3の通行面(路面G)と面一になるように埋設されることが好ましい。道路7における車両Cや歩行者P1~P3の通行面は、舗装路および非舗装路の路面のいずれであってもよいが、特に報知手段4として照明装置41を有する場合には、報知手段4の汚損を防ぐ観点から、舗装路の路面であることが好ましい。
【0041】
また、横断報知装置1は、自動車専用道路や一般道路等の道路7の延在方向X、すなわち車両Cの通行方向に沿って、複数並べられることが好ましい。これにより、図2に示すように、道路7の延在方向Xのいずれの箇所であっても歩行者Pを検知することができるため、道路7を横断する歩行者P1の横断経路を制約することなく、走行中の車両Cに対する、安全性の高い状態を維持することができる。
【0042】
横断報知装置1は、好ましくは両面が平坦面状に形成された板状部材であり、単独で道路7に設置されてもよい。他方で、図1に示すように、横断報知装置1は、ケーブル5を収容する内部空間Sを有し、上端10a、10bが開口する容器本体10の開口を閉鎖する蓋材としてもよく、このとき、容器本体10とともにケーブル収容容器11を構成してもよい。このとき、容器本体10は、道路7の延在方向Xに沿って互いの内部空間Sが連通するように複数連結され、連続的に配置されることが好ましい。複数の容器本体10の内部には、その前後方向、すなわち長手方向に延びる細長い空洞が形成され、その中にケーブル5が収容される。これにより、横断報知装置1の敷設と、ケーブル5の地中への埋設とを同時に行うことができる。
【0043】
ここで、容器本体10のうち、ケーブル5が収容される部分の形状は、ケーブル5を収容し易くする観点から、容器本体10の長手方向に対して直角に交わる横断面で見たときに、凹状となる形状を有することが好ましい。つまり、横断報知装置1は、検知手段2による検知対象や、報知手段4としての機能を有するとともに、容器本体10の蓋材としての機能も備えることが好ましい。
【0044】
また、容器本体10に収容されるケーブル5としては、電力を送電する電力線(低圧電力線)51のほか、通信手段3やケーブル収容容器11の外部にある通信機器で受信または送信するデータを伝送する通信線52が挙げられ、複数種類のケーブル5を内部空間Sに収容することができる。
【0045】
本発明の横断報知システムが備える第1の適用例では、横断報知装置1が、ケーブル5を収容する容器本体10の蓋体として用いられており、容器本体10の内部空間S1が、横断報知装置1と平行に設けられる仕切板12によって、検知手段2を収容する第1空間S1と、電力線51を収容する第2空間S2とで区分されている。これにより、磁場による影響を受けやすい検知手段2と、周囲に磁場を発生しやすい電力線51とが区分されるため、検知手段2における検出結果への誤差を低減し、より高い精度で歩行者P1を検知することができる。
【0046】
容器本体10の材質は、横断報知装置1と同様に、樹脂であることが好ましい。容器本体10が樹脂によって構成されることで、通信手段3によって発振される電磁波Eが容器本体10に吸収され難くなるため、電磁波Eの吸収による通信効率の低下を起こり難くすることができる。また、容器本体10をより軽量にすることができ、容器本体10を設置する際や掘り返した際に、容易に持ち運ぶことが可能になる。また、現場での切断加工が容易になるため、曲線部分や勾配に変化のある部分への容器本体10の設置を容易にすることができる。
【0047】
ここで、容器本体10は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂等の樹脂材料によって形成されることが好ましい。また、容器本体10は、前述の樹脂材料の1種類を単独で用いて形成してもよいし、前述の樹脂材料の2種類以上を用いて形成してもよい。
【0048】
本発明の横断報知システムが備える第2の横断報知装置の適用例
図5は、本発明の横断報知システムが備える第2の適用例の横断報知装置の構造の一例を示した断面図である。なお、以下の説明において、上記第1の適用例と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略または簡略にし、主に相違点について説明する。
【0049】
上述の第1の適用例では、図1(b)に示すように、検知手段2として変位センサ21を有する構成を示したが、これに限定されない。例えば、図5に示される横断報知装置1Aのように、検知手段2Aとして荷重センサ22を有してもよい。また、図示しないが、検知手段2として変位センサ21と荷重センサ22の両方を併用してもよい。
【0050】
本発明の横断報知システムが備える第2の適用例の横断報知装置1Aでは、検知手段2として、上面1aに存在する物体の荷重を検知する荷重センサ22を設け、この荷重センサ22で検知される重量が、第1閾値と、この第1閾値より高い第2閾値との間にあるときに、横断報知装置1の上面1aにある物体が歩行者P1であると判別するように構成されることが好ましい。このとき、第1閾値と第2閾値は、単数または複数の歩行者P1であることが予想される重量の下限および上限に、それぞれ設定することが好ましい。これにより、荷重センサ22で検知した重量から、横断報知装置1の上面1aにある物体が歩行者P1であるか否かを容易に判別することが可能になる。
【0051】
本発明の横断報知システムが備える第3の横断報知装置の適用例
図6は、本発明の横断報知システムが備える第3の適用例の横断報知装置の構造の一例を示した断面図である。なお、以下の説明において、上記第1の適用例または第2の適用例と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略または簡略にし、主に相違点について説明する。
【0052】
上述の第1の適用例では、図1(b)に示すように、報知手段4として、少なくとも光(報知光)Lを発する照明装置41を有するものを用いる構成を示したが、これに限定されない。例えば、図6に示される横断報知装置1Bのように、報知手段4として、少なくとも音(報知音)L’を発する音響装置42を有するものを用いてもよい。また、報知手段4として、上述の照明装置41と音響装置42とを併用してもよい。このように、報知手段4として音響装置42を有することで、より幅広い歩行者P1に対して、道路7を安全に横断できることを知らせることができる。
【0053】
音響装置42としては、音声、メロディーおよびリズムのうち少なくとも一つについて制御するものであることが好ましい。これにより、管理端末からの横断許可に基づいて、音響装置42から発される、音声やメロディーまたはリズムを制御することが可能になるため、歩行者P1の聴覚に向けて、道路7を安全に横断できることを報知することができる。
【0054】
ここで、音響装置42は、音声、メロディーまたはリズムの有無について制御するものであってもよく、例えば、管理端末からの横断許可に基づいて、音響装置42から音声、メロディーまたはリズムを発するように構成してもよい。また、音響装置42は、音声、メロディーまたはリズムについて、音程や音量、ピッチなどを制御するものであってもよい。また、音響装置42は、音声、メロディーまたはリズムを、異なるものに切り替えるものであってもよい。
【0055】
なお、報知手段4としては、照明装置41や音響装置42を有するものに限られず、歩行者P1の五感のうち視覚、聴覚、触覚、嗅覚のうち少なくとも一つに対して刺激を与えるものであってもよい。また、報知手段4は、通信手段3などを介して横断報知装置1の外部に設けられていてもよく、街灯などであってもよい。また、報知手段4は、歩行者P1が保有する携帯端末などに、音や振動などの発生を指示するものであってもよい。
【0056】
本発明の横断報知システムが備える第4の横断報知装置の適用例
図7は、本発明の横断報知システムが備える第4の適用例の横断報知装置の構造の一例を示した断面図である。なお、以下の説明において、上記第1の適用例から第3の適用例のうち少なくともいずれかと同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略または簡略にし、主に相違点について説明する。
【0057】
上述の第1の適用例では、図1(b)に示すように、通信手段3として無線通信の送受信機を用いる構成を示したが、これに限定されない。例えば、図7に示される横断報知装置1Cのように、通信手段3Cとして有線通信の送受信機を用いてもよい。
【0058】
このとき、横断報知装置1は、容器本体10の開口を閉鎖する蓋材を構成するとともに、通信手段3Cは、接続線31を介して、容器本体10に収容されているケーブル5のうち、少なくとも通信線52に接続されるように構成することが好ましい。これにより、通信線52を用いて、通信手段3Cと管理端末との間で、高品質の通信を行うことができる。
【0059】
本発明の横断報知システムが備える第5の横断報知装置の適用例
図8は、本発明の横断報知システムが備える第5の適用例の横断報知装置の構造の一例を示した断面図である。なお、以下の説明において、上記第1の適用例から第4の適用例のうち少なくともいずれかと同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略または簡略にし、主に相違点について説明する。
【0060】
上述の第1の適用例では、図1(b)に示すように、横断報知装置1が、ケーブル5を収容する容器本体10の蓋体として用いられており、容器本体10の内部空間S1が、横断報知装置1と平行に設けられる仕切板12によって、検知手段2を収容する第1空間S1と、電力線51を収容する第2空間S2とに区分されている構成を示したが、これに限定されない。例えば、図8に示される横断報知装置1Dのように、容器本体10の内部空間S1が、横断報知装置1に向かって起立する仕切板12によって、検知手段2を収容する第1空間S1と、電力線51を収容する第2空間S2とに区分されていてもよい。
【0061】
本発明の横断報知システムの適用例
図9は、本発明に従う横断報知システムの構成を示した模式図である。また、図10は、本発明に従う横断報知システムの管理端末との接続状態を示した模式図である。また、図11は、本発明に従う一の実施態様に係る横断報知システムにおける動作のフロー図である。なお、以下の説明において、横断報知システムが備える横断報知装置についての上記第1の適用例から第5の適用例のうち少なくともいずれかと同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略または簡略にし、主に相違点について説明する。
【0062】
本発明の横断報知システムの適用例は、上述の横断報知装置1と、車道71を通行する車両Cを管理および制御する管理端末61と、を備える横断報知システム6に関する。すなわち、この横断報知システムは、横断報知装置1が、上面1aに歩行者P1が停留することを検知する検知手段2と、管理端末61との通信が可能であり、検知手段2で検知される歩行者P1の位置情報を管理端末へ送信し、かつ歩行者P1に対する横断許可を含む外部からの通知情報を管理端末から受信する通信手段3と、通信手段3で受信した通知情報から、歩行者P1に対して道路7を安全に横断できることを知らせる報知手段4と、を備える。
【0063】
これにより、検知手段2によって道路7の横断を希望する歩行者P1が検知されるとともに、検知された歩行者P1の位置情報が、通信手段3によって管理端末との間で共有されるため、管理端末によって、横断報知装置1の近くを走行する車両Cを、歩行者P1との衝突を回避するように制御することが可能になる。また、管理端末から横断許可を送信するように構成することで、管理端末で得られる周囲の車両Cの位置に関する情報を基に、歩行者P1に対して安全に道路7を横断させることができる。
【0064】
本発明の横断報知システム6は、管理端末61と、単数または複数の横断報知装置1との間における通信を中継する中継端末62をさらに備えることが好ましい。これにより、管理端末61に対して送受信するデータが中継端末62で集約されるため、管理端末61と横断報知装置1との間で、より効率的に情報のやり取りを行うことができる。
【0065】
ここで、中継端末62を設ける場合の通信手段3は、図10(a)に示すように、管理端末61と中継端末62との間で通信する第1通信手段と、中継端末62と横断報知装置1との間で通信する第2通信手段の両方を、無線通信の送受信機により構成してもよい。また、図10(b)に示すように、管理端末61と中継端末62との間で通信する第1通信手段と、中継端末62と横断報知装置1との間で通信する第2通信手段の両方を、有線通信の送受信機により構成してもよい。また、図10(c)に示すように、管理端末61と中継端末62との間で通信する第1通信手段を、有線通信の送受信機により構成し、かつ中継端末62と横断報知装置1との間で通信する第2通信手段を無線通信の送受信機により構成してもよい。特に、図10(c)に示すように、有線通信と無線通信を組み合わせることで配線の手間を軽減するとともに、通信量の多い管理端末61と中継端末62との間における通信を有線通信にして、通信の信頼性を高めることができる。
【0066】
本発明の横断報知システム6としては、例えば図11に示すフロー図に従って動作させることができるシステムを挙げることができる。より具体的には、横断報知装置1が行う工程として、歩行者P1が停留することを検知する歩行者検知工程(ST1)と、管理端末61との通信を行う通信工程(ST2)と、歩行者P1への横断予約を通知する第1報知工程(ST3)と、歩行者P1に対して道路7を安全に横断できることを通知する第2報知工程(ST4)と、歩行者P1に対して横断可能時間が終了間近であることを通知する第3報知工程(ST5)と、道路7が横断継続可能であることを通知する第4報知工程(ST6)と、道路7が横断不可であることを通知する第5報知工程(ST7)を有するシステムを挙げることができる。
【0067】
歩行者検知工程(ST1)は、横断報知システムの動作を開始するのと同時に開始される工程であり、検知手段2によって行われる。この工程は、横断報知装置1の上面1aに歩行者P1が停留することを検知する工程である。ここで、検知手段2による検知は、変位センサ21などのセンサで行い、センサで検知される重量が第1閾値と、この第1閾値より高い第2閾値との間にあるとき、横断報知装置1の上面1aに歩行者P1が存在することを検知する。
【0068】
横断報知装置1の上面1aに歩行者P1が存在することを検知したとき、センサで検知される重量が第1閾値以上第2閾値以下の範囲にある時間をカウントすることで、歩行者P1が横断報知装置1の上面1aに停留するものであるか否かの判断を行う(歩行者停留継続の判断)。ここで、カウントされる時間が第1設定時間t以上にわたって継続されるときに、歩行者P1が横断報知装置1の上面1aに停留するものであると判断し、通信工程(ST2)に進む。また、カウントされる時間が第1設定時間tより短い場合は、歩行者P1は横断報知装置1の上面1aから居なくなっているため、横断報知システムの動作を中断する。
【0069】
通信工程(ST2)では、歩行者P1の存在に関する情報と、横断報知装置1が設置される位置に基づいて設定される位置から、道路7の横断を希望する歩行者P1の位置情報を生成し、ここで得られる歩行者P1の位置情報を、通信手段3を用いて管理端末61に送信する。管理端末61は、遅くとも横断報知装置1から歩行者P1の位置情報が送信されたときに、動作を開始する。
【0070】
通信工程(ST2)において、通信手段3が歩行者の位置情報を管理端末61に送信したとき、横断報知装置1の報知手段4は、歩行者P1に対して、道路7の横断が予約されている旨を通知するとともに、道路7の横断を待機する旨を報知することが好ましい。その上で、報知手段4は、後述するように、管理端末61からの通知情報として横断許可を受信したときに、歩行者P1に道路7の横断を許可する旨を報知することが好ましい。これにより、報知手段4が横断許可を報知するまでの間、横断を待機すべき状態にあることが、歩行者P1に対して明確に示されるため、歩行者P1に対する安全性をより高めることができる。
【0071】
このとき、管理端末61では、通信工程(ST2)で横断報知装置1の通信手段3から歩行者P1の位置情報を受信したときに、横断報知装置1に隣接する車道71を通過することが予測される車両Cの有無を解析し、車両Cの通過が予測されるか否かを判断し、それを基に横断許可の可否について判断する(横断許可の判断)。ここで、車両Cの通過が予測されない場合、管理端末61は、横断を許可する判断を下して、横断許可を横断報知装置1に送信するとともに、横断許可を終了するまでの時間カウントを開始する。他方で、車両Cの通過が予測される場合、管理端末61は、横断を許可しない判断を下して、車両Cが通過するまで待機し、または車両Cに対して減速や停止などの制御を行ってから、車両Cの通過が予測されるか否かの判断を再度行う。
【0072】
ここで、車両Cに対する制御は、横断報知システム6が複数の横断報知装置1を備えている場合、管理端末61が、複数の横断報知装置1のいずれかを介して、道路7を移動する車両Cと通信可能に構成され、かつ、横断報知装置1のいずれかが、歩行者P1の位置情報を管理端末61に送信したときに、他の横断報知装置(図示せず)が、横断報知装置1を通過することが予測される車両Cに対して、減速または停止させる制御信号を送信することが好ましい。特に、車両Cが連続して歩行者P1に接近している場合など、横断許可を横断報知装置1に送信できるまでに時間が掛かる場合には、管理端末61は、車両を制御する制御信号を車両Cに送信して、歩行者P1の手前で車両Cを停止または減速させ、もしくは、歩行者P1の手前で車両Cを右左折させる制御を行うことが好ましい。これにより、歩行者P1を長時間にわたって待機させずに済むため、歩行者P1が車道71を無理に横断することを防ぐことができる。この場合、管理端末61は、歩行者P1の前を通過させずに制御できる位置にある横断報知装置1の通信手段3などを用いて、当該制御を行うための制御信号を車両Cに送信することが好ましい。
【0073】
管理端末61から横断許可が送信されたとき、横断報知装置1では、第2報知工程(ST4)として、報知手段4を用いて、歩行者P1に対して道路を安全に横断できる旨を報知する。このとき、歩行者P1に対する報知は、図1に記載されるような、横断報知装置1に内蔵される報知手段4によって行ってもよく、また、横断報知装置1の外部に設けられた報知手段によって行ってもよい。また、横断報知装置1に内蔵される報知手段4と、横断報知装置1の外部に設けられた補助報知手段とを併用してもよい。
【0074】
ここで、補助報知手段の一例としては、横断報知装置1の外部にある車両Cが、管理端末61に通信可能に接続され、かつ歩行者P1に道路7の横断の許可を報知する、第1補助報知手段43を備える例を挙げることができる。この場合、車両Cが有する第1補助報知手段43は、管理端末61からの制御信号によって車両Cが減速または停止することを管理端末61に送信し、かつ、管理端末61からそれに基づく横断許可を受信したときに、歩行者P1に道路7の横断を許可する旨を報知することができる。これにより、歩行者P1は、車両Cが制御信号によって減速または停止していることを、車両Cからの報知によって覚知できるため、より安心して道路7を横断することができる。また、車両Cが、制御信号による動作に関するフィードバックを管理端末61に送信し、それに基づいて道路7の横断が許可されるため、歩行者P1に対する安全性をより確実に高めることができる。
【0075】
横断報知システム6が備える補助報知手段の他の一例としては、道路7の街路灯74に設けられ、管理端末61に通信可能に接続され、かつ歩行者P1に道路7の横断の許可を報知する第2補助報知手段44を備える例を挙げることができる。ここで、第2補助報知手段44は、道路7の街路灯74に設けられ、管理端末61から横断許可を受信したときに、報知光Lによって、歩行者P1に道路7の横断を許可する旨を報知することができる。これにより、歩行者P1は、より明確な形で道路を安全に横断できることを覚知することができる。それとともに、第2補助報知手段44からの報知光Lによって、歩行者P1による道路7の渡渉をより円滑にすることができる。
【0076】
管理端末61では、横断許可を横断報知装置1に送信した後、横断許可を終了するまでの時間カウントが進められる。すなわち、管理端末61は、横断許可に関する通知情報を横断報知装置1に送信した後に、時間カウントを開始する。このとき、管理端末61では、時間カウントが所定のカウント以上に到達しているか否かの判断を行う(時間カウント到達の判断)。ここで、時間カウントが所定のカウント以上に到達していると判断する場合、管理端末61は、横断許可が終了するまでの警告カウントに関する通知情報を横断報知装置1に送信する。他方で、時間カウントが所定のカウント以上に到達していない場合、管理端末61は、所定時間にわたり待機した後、時間カウントが所定のカウント以上に到達しているか否かの判断を再度行う。
【0077】
管理端末61から警告カウントに関する通知情報が送信されるとき、横断報知装置1の報知手段4は、第3報知工程(ST5)として、この警告カウントに関する通知情報に基づいて、歩行者P1に横断可能時間が終了間近であることを報知する。これにより、歩行者P1に対して、横断可能時間が終了するまでの道路7の渡渉を促すことができるため、車両Cの停車によるタイムロスを低減することができる。
【0078】
他方で、横断報知装置1は、第2報知工程(ST4)において報知手段4によって横断許可を歩行者P1に報知した後も、検知手段2を用いて歩行者P1を検知することが好ましい。特に、検知手段2によって検知される歩行者P1の重量が第1閾値と第2閾値の間である状態が断続的に続くとき、横断報知装置1の上面には他の歩行者が位置していることが予測される。これは、歩行者P1が道路7を渡ることで検知される重量が小さくなった後、横断報知装置1の上面に他の歩行者が位置することで、検知される重量が再び第1閾値と第2閾値の間になるためである。そこで、横断報知装置1は、検知手段2によって検知される歩行者の重量が第1閾値と第2閾値の間である状態が断続的に続くときに、横断報知装置1の上面1aに他の歩行者が位置することを検知し、それに基づいて、管理端末61に横断許可の延長を申請するか否かを判断することが好ましい(横断許可の延長の判断)。ここで、管理端末61に横断許可の延長を申請する旨の判断をした場合、横断報知装置1は、管理端末61に横断許可の時間延長の申請を送信する。これにより、横断報知装置1の上面1aに後から来た、他の歩行者に対しても、道路7を渡るのに十分な時間を確保することができる。
【0079】
他方で、管理端末61に横断許可の延長を申請するか否かの判断(横断許可の延長の判断)において、横断許可の延長を申請しない旨の判断をした場合、管理端末61は、横断許可を終了するまで引き続き時間カウントを行う。
【0080】
横断報知装置1から管理端末61に横断許可の時間延長の申請を送信した後、管理端末61は、横断報知装置1における横断許可の時間延長の申請について、許可するか否かを判断する(延長申請の許可の判断)。ここで、横断許可の時間延長の申請を許可するにあたっては、車道71を通過する車両Cの状況などを考慮してもよい。また、他の横断報知装置1などを用いて、歩行者P1が車道71の横断を完了していることを検知できる場合には、歩行者P1が車道71の横断を完了していない場合に限って、横断許可の時間延長の申請を許可してもよい。
【0081】
管理端末61は、横断報知装置1から、歩行者P1の横断許可を終了するまでに横断許可の時間延長の申請を受信したときには、横断許可状態の更新に関する通知情報を横断報知装置1に送信することが好ましい。より具体的に、管理端末61は、横断報知装置1から、歩行者P1の横断許可を終了するまでに横断許可の時間延長の申請を受信し、かつ横断許可の時間延長の申請を許可する旨を判断した場合には、横断許可状態の更新に関する通知情報を横断報知装置1に送信するとともに、横断許可が送信されたときと同じ要領で、延長された時間に基づいて、横断許可を終了するまでの時間カウントを行うことが好ましい。
【0082】
このとき、横断報知装置1の報知手段4は、管理端末61から横断許可状態の更新に関する通知情報を受信した際、この横断許可状態の更新に関する通知情報に基づいて、他の歩行者などに向けて、道路7における横断の継続が可能であることを報知することが好ましい。これにより、横断報知装置1の上面1aに後から来た、他の歩行者に対しても、道路7の横断許可が通知されるため、これら他の歩行者も安心して道路7を横断することができる。
【0083】
他方で、横断報知装置1に横断許可の延長を許可するか否かの判断(延長申請の許可の判断)において、横断許可の時間延長の申請を許可しない旨の判断をした場合、管理端末61は、横断許可を終了するまで引き続き時間カウントを行う。
【0084】
時間カウントが横断許可を終了するための所定のカウント以上に到達した後、横断報知装置1の横断許可状態を終了させる動作を行う。ここで、管理端末61は、横断報知装置1から、歩行者P1の横断許可を終了するまでに横断許可の時間延長の申請を受信しなかった場合に、横断許可状態の終了に関する通知情報を横断報知装置1に送信するとともに、横断報知装置1の報知手段4は、この横断許可状態の終了に関する通知情報に基づいて、他の歩行者などに向けて、道路7の横断不可を報知する。それとともに、管理端末61は、制御信号によって減速または停止されていた車両Cの制御信号を解除する。これにより、車両Cの速度状態を、減速または停止した状態から、制御信号を受ける前の状態に戻すことができる。
【0085】
なお、第2報知工程(ST4)において横断許可を歩行者P1に報知した後も、検知手段2によって検知される歩行者P1の重量が第1閾値と第2閾値の間である状態が終了せずに、第1設定時間よりも長い第2設定時間以上にわたって継続される場合、最初に横断報知装置1の上面1aに停留する歩行者P1が、引き続いて上面1aに留まっているため、歩行者P1には道路7を渡る意思がない可能性が高い。そのため、このような場合は、横断許可の時間延長を申請しないように構成してもよく、それにより車両Cの停車時間を短くすることができる。
【0086】
本発明の横断報知システムは、管理端末と通信可能であり、かつ管理端末との通信に基づいてブレーキなどを自動で制御できる車両であれば、特別な装置を用いなくても、幅広い車両に適用することが可能である。より具体的には、カーナビなどを通じた管理端末との通信機能を備え、かつブレーキなどの自動制御機能を備えた車両であれば、これらを連携させることで、本発明の横断報知システムで運用することができる。また、自動運転車のように、管理端末による遠隔操作の機能を備えた車両も、本発明の横断報知システムで運用することが可能である。
【符号の説明】
【0087】
1 横断報知装置(または蓋材)
1a 横断報知装置の上面
1b 横断報知装置の下面
10 容器本体
10a、10b 容器本体の上端
11、11A~11D ケーブル収容容器
12、12D 仕切板
2、2A 検知手段
21 変位センサ
21a 変位センサの検出部
22 荷重センサ
3、3C 通信手段
31 接続線
4、4B 報知手段
41 照明装置
42 音響装置
43 第1補助報知手段
44 第2補助報知手段
5 ケーブル
51 電力線
52 通信線
6 横断報知システム
61 管理端末
62 中継端末
7 道路
71 車道
72、72’ 歩道
73、73’ 境界ライン
74 街路灯
C 車両
G 路面
E 電磁波
h、h’ 変位センサの検出部と横断報知装置の下面との距離
L 報知光
L’ 報知音
P1~P3 歩行者
S 内部空間
S1 第1空間
S2 第2空間
X 道路の延在方向
Y 道路の幅方向
ST1 歩行者検知工程
ST2 通信工程
ST3 第1報知工程
ST4 第2報知工程
ST5 第3報知工程
ST6 第4報知工程
ST7 第5報知工程
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11