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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】電気化学エネルギー貯蔵器
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/213 20210101AFI20240708BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240708BHJP
   H01M 10/615 20140101ALI20240708BHJP
   H01M 10/643 20140101ALI20240708BHJP
   H01M 10/6563 20140101ALI20240708BHJP
   H01M 10/6567 20140101ALI20240708BHJP
   H01M 50/289 20210101ALI20240708BHJP
【FI】
H01M50/213
H01M10/613
H01M10/615
H01M10/643
H01M10/6563
H01M10/6567
H01M50/289 101
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020560300
(86)(22)【出願日】2019-04-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-30
(86)【国際出願番号】 EP2019060294
(87)【国際公開番号】W WO2019206864
(87)【国際公開日】2019-10-31
【審査請求日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】18169811.9
(32)【優先日】2018-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(74)【代理人】
【識別番号】100167106
【弁理士】
【氏名又は名称】倉脇 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100194135
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 修
(74)【代理人】
【識別番号】100206069
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 謙司
(72)【発明者】
【氏名】ハイデブレヒト,ペーター
(72)【発明者】
【氏名】ヤプツィンスキー,ヴォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】シュタイグナー,ペーター
(72)【発明者】
【氏名】メルケル,ディルク
(72)【発明者】
【氏名】バイアー,ドムニク
(72)【発明者】
【氏名】ツェルパ ウンダ,イェズス エンリケ
【審査官】鈴木 雅雄
(56)【参考文献】
【文献】特開昭59-171476(JP,A)
【文献】特開2011-210455(JP,A)
【文献】特開2017-068996(JP,A)
【文献】特開2013-073773(JP,A)
【文献】特開平01-200571(JP,A)
【文献】特開2013-161598(JP,A)
【文献】登録実用新案第3009376(JP,U)
【文献】登録実用新案第3121434(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/213
H01M 10/613
H01M 10/615
H01M 10/643
H01M 10/6563
H01M 10/6567
H01M 50/289
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気化学エネルギー貯蔵器であって、該貯蔵器は、少なくとも1つの電気化学セル(5)と支持構造(3)を有し、前記少なくとも1つの電気化学セル(5)が前記支持構造(3)に懸架された状態で収容され、前記支持構造(3)は、該支持構造内に懸架された状態で収容された前記少なくとも1つの電気化学セル(5)と共に、ハウジング(35)によって囲まれており、前記ハウジング(35)は、温度制御媒体のための入口(37)および出口(39)を有し、
前記支持構造(3)は、前記電気化学セル(5)が懸架される保持装置(17)を備えた少なくとも1つのフレーム(19)を含み、前記保持装置(17)は、前記電気化学セル(5)が吊るされる切り抜き部(21)が形成されたプレートであり、
前記切り抜き部(21)は、前記支持構造(3)が収納された前記ハウジング(35)を通して前記温度制御媒体が均一に流れるように設計されている、電気化学エネルギー貯蔵器。
【請求項2】
前記切り抜き部(21)は、それぞれ、開口部(27)および開口部(27)に隣接するスロット(29)、ならびにブラケット(31)を有し、該ブラケットは、前記プレートの表面に対して45°から180°の範囲の角度を有し、前記スロット(29)に面する前記開口部(27)の側に配置されている、請求項1に記載の電気化学エネルギー貯蔵器。
【請求項3】
前記電気化学セル(5)は、それぞれ、サスペンション(23)を有し、該サスペンションの前記電気化学セル(5)の反対側の端部に、少なくとも90°曲がっているブラケット(25)を有する、請求項1又は2に記載の電気化学エネルギー貯蔵器。
【請求項4】
前記電気化学セル(5)は、それぞれ、サスペンション(23)を有し、該サスペンションの前記電気化学セル(5)の反対側の端部に、少なくとも90°曲がっているブラケット(25)を有し、前記電気化学セル(5)の前記サスペンション(23)は、前記スロット(29)を通過し、前記ブラケット(25)が前記プレート上で90°曲げられた状態で静止している、請求項に記載の電気化学エネルギー貯蔵器。
【請求項5】
前記支持構造(3)は、前記少なくとも1つのフレーム(19)が押し込まれるレール(15)を持つメインフレームワーク(7)を有する、請求項1から4の何れか1項に記載の電気化学エネルギー貯蔵器。
【請求項6】
前記電気化学セル(5)は、それぞれ下端部にスペーサ(14)を有する、請求項1から5の何れか1項に記載の電気化学エネルギー貯蔵器。
【請求項7】
前記入口(37)および前記出口(39)は、前記温度制御媒体が電気化学セル(5)に沿って上から下向きに流れるように配置されている、請求項1から6の何れか1項に記載の電気化学エネルギー貯蔵器。
【請求項8】
前記温度制御媒体用の入口(37)が前記保持装置(17)の上に配置されている、請求項1から7の何れか1項に記載の電気化学的エネルギー貯蔵器。
【請求項9】
前記温度制御媒体の入口(37)および出口(39)が接続されたチャネルが前記ハウジング(35)の外側に備えられ、前記温度制御媒体の熱交換器(43)及び輸送装置(47)が前記チャネル内に収容されている、請求項1から8の何れか1項に記載の電気化学的エネルギー貯蔵器。
【請求項10】
前記電気化学セル(5)が、ナトリウム硫黄電池である、請求項1から9の何れか1項に記載の電気化学エネルギー貯蔵器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの電気化学セルを有する電気化学エネルギー貯蔵器に関する。
【背景技術】
【0002】
電気化学エネルギー貯蔵器は、一般にバッテリーまたはアキュムレータとも呼ばれる。特に、電気エネルギーを蓄え、利用できるようにするために、充電式バッテリーまたはアキュムレータが使用される。大量の電気エネルギーを蓄えるには、それに応じて強力な充電式バッテリーが必要である。この目的のために、例えば、溶融ナトリウムおよび硫黄に基づく電池を使用することが可能である。必要な容量を達成するために、互いに電気的に接続された複数の電気化学セルが、通常、電気化学エネルギー貯蔵器に使用される。アノードとして溶融アルカリ金属およびカソード反応関与物、一般に硫黄、に基づいて作動するそのような電気化学セルは、例えば、WO-A 2017/102697に記載されている。この目的のために、溶融アルカリ金属とカソード反応の関与物は、陽イオンを透過する固体電解質によって分離される。カソード反応の関与物とのアルカリ金属の反応は、カソードで起こる。これは、例えば、アルカリ金属としてナトリウムを使用し、カソード反応の関与物として硫黄を使用する場合、ナトリウムと硫黄が反応してポリ硫化ナトリウムを形成する場合である。電気化学的エネルギー貯蔵器を充電するために、ポリ硫化ナトリウムは、電気エネルギーの導入によって電極でナトリウムと硫黄に再解離される。
【0003】
個々の電気化学セルは通常、バッテリーパックに積み重ねられるか、代わりにハウジング内で互いに平行に配置される。しかしながら、この配置には、個々のセルの均一な温度制御を達成するのが困難であるという欠点がある。特に、温度制御媒体をこの配置に通すと、個々のセルから温度制御媒体によって吸収される熱の結果として、温度制御媒体の流れの距離が増加するにつれて温度が上昇し、したがって電気化学セルの冷却が不十分になる。しかしながら、これは電気化学エネルギー貯蔵器の操作にとって不利である。特に、温度があまりにも急激に上昇すると、個々の電気化学セルが損傷する恐れがある。これが固体電解質の損傷につながる場合、これは制御不能な反応を引き起こす可能性があり、電気化学エネルギー貯蔵庫での制御が困難な火災につながる可能性がある。
【0004】
ナトリウム硫黄電池を含む対応するエネルギー貯蔵器は、例えば、JP-A2000-297989またはUS-B7,955,725に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】WO-A 2017/102697
【文献】JP-A2000-297989
【文献】US-B7,955,725
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、均一な温度制御が可能な電気化学セルを含む電気化学エネルギー貯蔵器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、少なくとも1つの電気化学セルおよび支持構造を含む電気化学エネルギー貯蔵器によって達成され、ここで、少なくとも1つの電気化学セルは、支持構造内に懸架された状態で収容される。
【0008】
水平または直立した電気化学セルとは異なり、温度制御媒体が懸架された電気化学セルの周りを均一に通過することが可能であり、その結果、懸架された電気化学セルは均一に冷却される。特に、温度制御媒体が上から下に流れる結果として、または代替として下から上に流れる結果として、セルに平行な温度制御媒体の流れを簡単な方法で実現することが可能である。さらなる利点は、個々の電気化学セルに損傷が生じる可能性がある場合、使用される出発物質と反応生成物がセルの下のプレートに下向きに流れることである。これにより、特に反応性の高い成分の場合、安全性が向上する。反応で発生する熱は、隣接するセルに直接伝達されないからである。さらに、そのような損傷の場合に電気化学セルから流れ出る材料は、容易に処分することができる。さらに大きな利点は、使用される支持構造、特に支持構造の懸架部分が、個々のセルに損傷が生じて使用される反応物が流れ出た場合に、電気化学セルで使用される反応物と接触しないことである。個々の電気化学セルが損傷した場合、構造がすべて損傷するわけではないため、これにより、第1に構造の安全性が向上する。第2に、支持構造のために、使用される反応物による腐食に対して安定であるステンレス鋼の代わりに、比較的単純な建設材料、特に炭素鋼を使用することも可能である。
【0009】
電気化学セルの周りに温度制御媒体の同時の流れを可能にするために、支持構造が、その中に懸架状態で収容された電気化学セルと共にハウジングによって囲まれることが有利である。ハウジングの壁は任意の材料で作ることができる。電気化学セルのサイズおよび電気化学セルの数に応じて、例えば、ハウジングを金属、特に鋼で作ること、または代替として、大規模な電気化学エネルギー貯蔵器の場合のハウジングとして組積造構造を提供することが可能である。大規模な電気化学エネルギー貯蔵器を輸送可能にするために、代替として、標準的な輸送用コンテナと同様のハウジング、例えば、20フィートのコンテナまたは40フィートのコンテナを使用することも可能である。これらは、そのような標準的な輸送コンテナを輸送するために使用される通常の輸送手段によって移動することができる。そのような標準的な輸送コンテナの使用のさらなる利点は、電気化学エネルギー貯蔵のより大きな貯蔵容量またはより高い利用可能な電力を提供するために、複数のそのようなコンテナを接続して大きなエネルギー貯蔵器を形成できることである。アルカリ金属硫黄電池、特にナトリウム硫黄電池は高温で作動するため、ハウジングが断熱されていることも有利である。断熱は、ハウジングの内側と外側の両方に適用できる。ハウジングに二重壁を設け、壁の間に断熱材を設置することも可能である。
【0010】
電気化学エネルギー貯蔵器の単純な組み立てを可能にするために、電気化学セルが懸架されている保持装置を有する少なくとも1つのフレームを含む支持構造が優先される。電気化学セルが懸架されている追加の保持装置を有するフレームの使用は、ハウジングの外側で事前組み立てを実行することを可能にする。この場合、電気化学セルは最初に保持装置に導入され、保持装置はフレームに結合される。別の方法として、保持装置を最初にフレームに導入し、次に保持装置に電気化学セルを設けることも可能である。次のステップでは、フレームは、電気化学セルが収容された保持装置とともに、同様に支持構造の一部であるメインフレームワークに導入される。
【0011】
簡単な組み立てを可能にするために、メインフレームワークは、好ましくは、少なくとも1つのフレームが押し込まれるレールを有する。レールの使用は、電気化学エネルギー貯蔵器の組み立てをさらに支援する。
【0012】
支持構造のメインフレームワークのレールとして、たとえば、従来のU形状またはL形状を使用することができる。ここでは、レールが互いに平行に走っていることを確認する必要がある。これにより、間隔が変化する可能性があるため、フレームがレールに押し込まれたときに、フレームがレール間で詰まったり、落下したりすることはない。
【0013】
フレームごとに提供される電気化学セルの数は、使用される電気化学セルのサイズによって異なる。電気化学エネルギー貯蔵器で使用される電気化学セルは、特に好ましくはナトリウム硫黄電池である。このようなナトリウム硫黄電池は、通常円筒形であり、直径は6から20cmの範囲、長さは50から200cmの範囲である。対応するナトリウム硫黄電池は当業者に知られており、例えば、WO-A2017/102697に記載されている。
【0014】
電気化学セルが懸架されている保持装置は、好ましくは、電気化学セルが吊るされている切り抜き部があるプレートである。保持装置として電気化学セルが吊るされている切り抜き部を有するプレートの使用は、支持構造が収容されているハウジングを通して温度制御媒体の均一な流れを可能にする。温度制御媒体は、この目的のためにプレートの上に供給され、プレートの上のハウジング内のスペースが配給部として機能する。次に、温度制御媒体は、プレートの切り抜き部を通って、電気化学セルが懸架されている領域に均一に流れる。温度制御媒体は、これを通って、電気化学エネルギー貯蔵器の断面積全体にわたって、懸架された電気化学セルに平行な方向に上から下に均一に流れる。セルの全長にわたって上から下に均一な流れを得るために、セルの下に開口部を備えたさらなるプレートを提供することも可能であり、その下で温度制御媒体が収集され、次にハウジングから取り出される。電気化学セルがほとんど接触する電気化学セルの十分に密なパッキングの場合、温度制御媒体は本質的にセルの円筒形のために形成されたチャネルを介してセル間で上から下に流れるので、セルの下のスペースを収集部として利用することも可能である。
【0015】
電気化学セルを保持装置内に安定して吊るため、また、保持装置が移動する場合、例えば、保持装置がメインフレームワークに押し込まれる場合、またはハウジングが移動する場合に、特に電気化学セルが移動するのを防ぐため、また結果として電気化学セルがホルダーから落下するリスクがある場合、保持装置は、セルの落下が防止されるように構成する必要がある。これは、例えば、各々の保持装置が好ましくは開口部および開口部に隣接するスロット、ならびにブラケットを有することで達成される。ブラケットは、スロットに面する開口部側に配置され、プレートの表面に対して少なくとも45°、好ましくは90°から180°の範囲の角度を有する。この場合、電気化学セルの支持体は、組み立てのために、ブラケット上の開口部に通され、組み立てられた状態では、ブラケットの後ろのスロットを通って下向きに突き出る。ブラケットは、電気化学セルのサスペンションが滑ることを防ぐ。対応する保持装置に取り付けるために、電気化学セルのサスペンションは、電気化学セルとは反対側の角で少なくとも90°曲がったブラケットを有する。次に、サスペンションがスロットを通過し、ブラケットは保持装置として使用されるプレート上に載置される。この目的のために、ブラケットは特に好ましくは90°まで曲げられる。
【0016】
開口部および開口部に隣接するスロット、ならびにプレートの表面に対して角度を含むブラケットを有する切り抜き部を製造するために、プレートにおいて、電気化学セルが吊り下げられるそれぞれの位置で、U字型スロットの一方の脚が他方の脚の2倍の長さで、U字型スロットをプレートに導入することが好ましい。U字形スロットの2つの脚の間にこのようにして製造されたブラケットは、次にU字形スロットのベースに平行に走る曲げエッジで上向きに曲げられる。別の方法として、もちろん、開口部全体を切り取り、続いてブラケットに溶接することも可能である。ただし、U字型のスロットを形成し、ブラケットを上方向に曲げることが優先される。
【0017】
ハウジングの外側で事前に組み立てることができるようにするには、フレームと保持装置を、取り扱い可能なサイズにする必要がある。個々の電気化学セルは、好ましくは、保持装置内で平行な列に懸架される。電気化学セルとしてのナトリウム硫黄電池の場合、各フレームは、好ましくは、6から60個のセルを備えている。これらは、好ましくは、1から5列、特に1または2列に懸架され、5から20個の電気化学セル、特に8から12個の電気化学セルが各列に懸架される。フレームごとに1列または2列の利点は、フレームを取り出した後、各セルに直接アクセスできる。列ごとの電気化学セルの数は、個々のフレームの良好な取り扱いを可能にする。 5から20、好ましくは8から12の範囲の列あたりのセルの数もまた、保持装置のたるみを防ぐ。
【0018】
保持装置として開口部のあるプレートを使用する場合、プレートの厚さは、プレートに吊るされた電極の数に応じて、安定した保持、すなわちプレートのたるみのないセルの保持が可能になるように選択される。ナトリウム硫黄電池を使用し、それぞれが5から20個の電気化学セルを有するセルあたり1から5列を使用する場合、保持装置として使用されるプレートの厚さは、好ましくは2から10mmの範囲である。
【0019】
保持装置として開口部を有するプレートの代替として、個々の電気化学セルが吊るされている支持体を使用することも可能である。この場合の適切な支持体は、例えば、二重U支持体、T支持体、L支持体、または任意の断面形状を有する中空形状である。電気化学セルが支持体上を滑ったり、支持体から滑り落ちたりするのを防ぐために、電気化学セルのサスペンションは、それぞれ、好ましくは支持体の形状に一致するフックを有する。さらに、電気化学セルのサスペンションの両側にそれぞれ配置された停止部を支持体に提供することは、電気化学セルの横方向の滑りが停止部によってブロックされるので有利である。停止部は、例えば溶接、はんだ付け、または接着結合によって積極的に、あるいは例えばねじ込みによって摩擦的に、支持体に接合することができる。
【0020】
しかしながら、保持装置として開口部を有するプレートを使用することが好ましい。
【0021】
個々の電気化学セルが、組み立て中または電気化学エネルギー貯蔵器の輸送中に、互いにノッキングするのを防ぐために、電気化学セルは、好ましくは、それぞれの下端にスペーサーを有する。スペーサーとして、例えば、電気化学セルの下端を囲むリングを使用することが可能である。リングは、好ましくは、耐熱性の非導電性材料、例えばミネラル繊維材料でできている。別の方法として、電気化学セルがスペーサーとして通過する切り抜き部を有するプレートを提供することも可能である。そのようなプレートによって、個々の電気化学セルはそれらの位置に固定され、もはや動くことができない。ただし、個々の電気化学セルを簡単に交換できるようにするために、各セルに個別のスペーサーが提供されることが好ましい。
【0022】
耐熱性の非導電性材料で構成され、電気化学セルを囲むリングの代替として、スペーサーとして電気化学セルに直接固定されるブラケットを提供することも可能である。各ブラケットは、好ましくは、隣接するセルがスペーサーによって損傷するのを防ぐために、絶縁材料がコーティングされている。
【0023】
電気化学セルの温度を制御できるようにするために、すなわち、必要に応じてそれらを加熱または冷却できるようにするために、ハウジングは、好ましくは、温度制御媒体のための入口および出口を有する。温度制御媒体の入口は、特に好ましくは、電気化学セルの上に配置され、出口は、電気化学セルの下に配置される。電気化学セルが吊り下げられた開口部を備えたプレートが電気化学セルを吊り下げるために使用される場合、これらのプレートは温度制御媒体の配給部として機能し、その結果、温度制御媒体はハウジング内のすべての電気化学セルの周りを均一に流れる。この場合、温度制御媒体の入口はプレートの上にある。
【0024】
配給部として機能するプレートを通って流れた温度制御媒体が、電気化学セルと平行にハウジングを通って下向きに流れるのではなく、温度制御媒体の出口に直接流れるのを防ぐために、例えば、電気化学セルの下に切り抜き部を有するプレートを使用することが可能であり、このプレートの下に出口を配置する。別の方法として、電気化学セルのスペーサーを構成して、電気化学セル間に個々の開口部を開いたままにして、温度制御媒体を取り出すことができる収集部をスペーサーの下に形成することも可能である。
【0025】
電気化学セル全体にガス流を均一に配給するために、開口部は、開口部を有するプレート上の配給部空間の圧力差を大幅に超える圧力降下を生成するために十分に小さくすることが好ましい。別の方法として、均一なガスの流れを実現するために、モジュールの長さ全体にわたって開口部に異なるサイズを提供することも可能である。しかしながら、配給部空間における圧力差を著しく超える圧力降下が生じるように、開口部を非常に小さくすることが優先される。
【0026】
電気化学セルの保持装置を介して均一なガス流を生成できない場合、例えば、開口部のあるプレートの代わりに支持体を使用する場合、または開口部を大きくする必要があり、そのため開口部を介しての圧力降下が小さすぎて均一な流れを生成できない場合、電気化学セルの保持装置の上に、追加のガス配給部を提供することも可能である。この目的のために、例えば、開口部を有するプレート、あるいは弁を有するプレートを使用することが可能である。電気化学セル上に均一なガス流が生成される開口部を有するプレートが、ガス配給部として好ましい。追加のガス配給部が使用される場合、代替として、これを電気化学セルの下に提供し、ガスの流れを底から上に向けることも可能である。ただし、電気化学セルの上のガス配給部の上から下へのガスの流れが優先される。
【0027】
電気化学セルとしてナトリウム硫黄電池を使用する場合、最初は起動時に加熱が必要である。ここで、個々の電気化学セルの温度を、反応物の融点よりも高い温度に上げる必要がある。反応物が溶融し、電気化学セルが作動可能になるとすぐに、充電または放電時にセル内で熱が放出されるため、電気化学セルの冷却が一般的に必要である。
【0028】
電気化学セルの温度制御媒体としてガスを使用することが優先される。使用される反応物に対して不活性であるガス、すなわちアルカリ金属、特にナトリウム、硫黄および対応するアルカリ金属多硫化物が特に優先される。適切なガスは、特に、窒素、二酸化炭素、または希ガスである。
【0029】
電気化学エネルギー貯蔵器を作動させるのに必要な温度にガスを加熱するため、または作動中に電気化学セル内で放出される熱を除去するために、ハウジングの外側に温度制御媒体の入口および出口が接続されているチャネルがあり、熱交換器と温度制御媒体用の輸送装置がチャネルに収容されている。ガスを温度制御媒体として使用する場合、ブロワーを輸送装置として使用する。これは、電気化学エネルギー貯蔵器の動作中の温度に耐えるように構成する必要がある。熱交換器として、ガスを加熱または代替的に冷却することができる、当業者に知られている任意の熱交換器を使用することが可能である。適切な熱交換器は、例えば、プレート熱交換器またはシェルアンドチューブ熱交換器である。熱伝達面積を増やすために、熱交換器の個々のチューブまたはプレートに追加のフィンを設けることができる。ガスを加熱するために、熱交換器だけでなく、他の任意の加熱装置、例えば電気加熱器具を使用することも可能である。
【0030】
セルの温度を制御するために使用される温度制御媒体を冷却または加熱する熱伝達媒体として、適切な温度で安定している任意の温度制御媒体を使用することが可能である。ここでは、合成熱伝達オイルまたはガスが特に適している。
【0031】
発明の実施形態は、図に示され、以下の説明でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】複数の電気化学セルを含む電気化学エネルギー貯蔵器を示す。
図2】電気化学セルの支持構造のセクションを示す。
図3】電気化学セルを収容するための保持装置の開口部を示す。
図4】電気化学セルを固定するためのブラケットが取り付けられた図3に示した開口部を示す。
図5】温度制御回路を備えた電気化学エネルギー貯蔵器の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、3次元描写で複数の電気化学セルを有する電気化学エネルギー貯蔵器を示す。電気化学エネルギー貯蔵器1は、支持構造3に懸架された方法で固定された電気化学セル5を備えた支持構造3を有する。
【0034】
支持構造3は、支柱9を備えたメインフレームワーク7を有する。支柱9は、横梁11に接続される。さらに、ここに示す実施形態の支持構造3は、底板13を備える。しかし、底板13の代替として、例えばクロスストラットを備えること可能である。
【0035】
分かり易くするために、図1に右前の支柱を切り取って示す。静的に安定したメインフレームワーク7を作成するには、メインフレームワーク7のコーナーにあるすべての支柱9が同じ構成であることが望ましい。個々の支柱9は、例えば、ここに示されるように、正方形の管として構成することができる。別の方法として、支柱9を中実にするか、L、T、または二重T字形状の形式で構成することもできる。他の断面、例えば丸い断面を有する中空形状を使用することも可能である。しかしながら、支柱9を正方形の中空形状として構成することが優先される。
【0036】
横梁11は、支柱9と同様に、任意の形状、例えば、任意の断面、すなわち円形形状または正方形形状を有する中空形状を有しても良い。ここでは正方形の中空形状が推奨される。上記の中空形状とは別に、ここでは、横梁11にL、T、U、または二重T字形状を使用することも可能である。
【0037】
レール15は、電気化学セルを収容するためのメインフレームワーク7に追加的に提供される。電気化学セル5用の保持装置17は、レール15に押し込まれる。ここでのレール15は、好ましくは、L形状またはU形状である。
【0038】
ここに示す実施形態では、レールは、メインフレームワーク7の長辺に沿って設置される。これは、保持装置17が、メインフレームワークの長辺にわたって横方向に押し込まれるときよりも短く保つことができるという利点を有する。そのため、ここでは、保持装置17のたるみが低減されるか、または有利に防止される。
【0039】
保持装置17を主フレームワーク7の長辺に押し込む必要がある場合、長辺は、好ましくは、追加の支柱9によって細分され、その結果、複数の保持装置17が互いに隣接してメインフレームワーク7に押し込まれる。したがって、メインフレームワーク7の長さに応じて、例えば、2つ、3つ、またはそれ以上の保持装置17を互いに隣接してメインフレームワークに押し込むことが可能である。
【0040】
電気化学セルの支持構造のセクションを図2に示す。
【0041】
保持装置17とは別に、支持構造は、好ましくは、保持装置17が載置されるフレーム19をさらに備える。保持装置17は、好ましくは、ここに示されるように、切り抜き部21を備えたプレートである。
【0042】
フレーム19内のプレートとして構成された保持装置17の単純な配置を可能にするために、フレームは、好ましくは、ここに示されるように、L形状から構成される。
【0043】
ここに示す実施形態では、電気化学セル5はそれぞれ2つのサスペンション23を有する。サスペンション23は、切り抜き部21を通過し、プレートとして構成された保持装置17上のブラケット25で静止する。個々の電気化学セル5のより安定した懸架は、2つのサスペンション23の使用によって達成され、その結果、セルは、1つのサスペンション23のみが提供される場合よりも少ない程度でスイングすることができる。もちろん、代替案として、1つのサスペンション23のみ、あるいは2つ以上のサスペンション23を提供することも可能である。
【0044】
電気化学エネルギー貯蔵器1を組み立てるために、プレートとして構成された保持装置17を備えたフレーム19および電気化学セル5は、次に、メインフレームワーク7のレール15に押し込まれる。
【0045】
サスペンション23が収容されている切り抜き部21の可能な実施形態は、図3に詳細に示されている。
【0046】
プレートとして構成された保持装置17に形成された切り抜き部21は、開口部27と、開口部27に隣接するスロット29とを有する。さらに、開口部27の端部にスロット29に面するブラケット31が配置され、ブラケット31は、45から180°、特に好ましくは90°の範囲のプレートとして構成された保持装置17の表面に対する角度を有する。電気化学セルがぶら下がっているとき、ブラケット31は、電気化学セルが保持装置から滑り落ちるのを防ぐキャッチとして機能する。
【0047】
図4は、サスペンション23がその中に収容された、図3に示された切り抜き部21を示している。サスペンション23は、本質的に90°にわたって曲げられ、プレートとして構成された保持装置17に載置されるブラケット25を有する。サスペンション23のブラケット25は、上向きに曲げられたブラケット31と並置されており、サスペンション23が開口部27の方向に滑り、開口部27を通って落下するのを防ぐ。ここで、サスペンション23はスロット29を通過する。
【0048】
サスペンション23が長方形の断面を有するストリップとして構成されるここに示される実施形態とは別に、サスペンション23には他の任意の断面形状が可能である。したがって、それはまた、例えば、円形の断面を有するワイヤとして、または互いに隣接して配置され、さらに横方向のワイヤに結合された複数のワイヤとして構成され得る。サスペンション23については、他の任意の構成も可能である。しかしながら、製造方法が単純であるため、ここに示されているようなストリップとしての構成が好ましい。
【0049】
切り抜き部21を製造するために、これを完全に切り出し、続いて、スロット29に面する開口部27の端部にブラケット31を取り付けることができ、この場合、ブラケット31は、例えば、溶接すること、はんだ付けすること、接着剤で接着すること、またはねじ込みまたはリベットで留めることができる。しかしながら、プレートとして構成された保持装置17にU字型スロットを導入することが優先され、U字型スロットの一方の脚は、他方の脚の少なくとも2倍の長さである。次に、短い方の脚の端部にあるU字型スロットの基部に平行に走る曲げエッジで、ブラケット31が上向きに曲げられる。これにより、各切り抜き部21に専用のブラケット31を取り付ける必要がなくなる。
【0050】
個々の切り抜き部27がプレートとして構成された保持装置17から打ち抜かれる場合、サスペンション23がスロット29から開口部27に滑り出ることを防止する停止部を設けることができる、したがって、ここに示されているブラケット31の代わりに保持装置から滑り落ちることができる。ブラケット31とは異なるそのような停止部が取り付けられる場合、上記のように、それは、例えば、溶接、接着剤接合、はんだ付け、ねじ込みまたはリベット留めによって、プレートとして構成された保持装置17に接合され得る。
【0051】
電気化学セルの種類に関係なく、通常、充電中および放電中に熱が放出されるため、個々の電気化学セルの過熱を防ぐために冷却が必要である。また、アルカリ金属硫黄電池を使用する場合は、電気化学エネルギー貯蔵器を動作温度、つまりナトリウムと硫黄の融点を超える温度にしてから動作させる必要がある。この目的のために、電気化学的エネルギー貯蔵器の温度の制御が必要である。
【0052】
このような温度制御は、通常、図5に概略的に示されている温度制御回路を介して実行される。
【0053】
電気化学エネルギー貯蔵器の電気化学セルの温度を制御できるようにするために、電気化学エネルギー貯蔵器はハウジング35を有する。ハウジング35は、その中に懸架された電気化学セル5と共にメインフレームワーク7を囲む。エネルギー貯蔵器のエネルギー効率を高めるために、ハウジング35は、好ましくは断熱されている。断熱材は、個々のハウジングの壁の内側または外側に取り付けることができる。別の方法として、ハウジング35を断熱材料で作ることも可能である。ハウジング35は、例えば、金属シート、特に鋼板で作ることができ、これらは、内側または外側が断熱されている。断熱については、当業者に知られている任意の断熱材料を使用することが可能である。別の方法として、例えば組積造などのミネラル材料でハウジングを作ることも可能である。しかしながら、鋼板で作られたハウジング35の利点は、この場合、輸送可能な電気エネルギー貯蔵器を提供することが可能であり、一方、固定位置での電気化学エネルギー貯蔵器もまた、組積造ハウジング35によって囲まれ得る。
【0054】
ハウジング35は、温度制御媒体用の入口37および出口39を有する。個々の電気化学セルの均一な温度制御を得るために、温度制御媒体は、好ましくは、これらの周りを上から下に流れる。すべての電気化学セルの周りの温度制御媒体の均一な流れを得るために、入口37は、好ましくは、保持装置17の上に配置される。保持装置17が、その中に形成された切り抜き部21を有するプレートとして構成される場合、保持装置は、同時に、温度制御媒体の配給部として機能する。保持装置の上の空間は配給部として機能し、温度制御媒体は切り抜き部21を通って電気化学セル5に流れる。次に、出口39は電気化学セル5の下に存在する。横方向の流れを防ぐために、温度制御媒体が集められて電気化学セル5の下に提供される穴あきプレートは有利である。代替として、電気化学セル5を十分に密に装備することも可能であり、隣接する電気化学セル5は事実上接触し、温度制御媒体が上から下へ流れるチャネルが電気化学セルの間に形成される。本目的では、「ほぼ接触」とは、距離を可能な限り小さくするが、短絡を回避するために、隣接する電気化学セル5が接触しないように十分に大きいままにすることを意味する。次に、温度制御媒体は、電気化学セルの下に集まり、出口39を介して取り出すことができる。
【0055】
個々の電気化学セルが、特に電気化学エネルギー貯蔵器1の組み立て中または電気化学エネルギー貯蔵器1の輸送中に互いにノックするのを防ぐため、あるいは電気化学セルが動作中に接触するのを防ぐために、セルは好ましくは、それらの下端にスペーサーを備えている。スペーサーとして、例えば、図1に概略的に示されているようなリング41を使用することが可能である。リング41は、好ましくは、ハウジング35内で温度上昇中に安定しなければならない耐熱性の非導電性材料でできている。しかしながら、リング41の代替として、隣接するセルとの接触による損傷を回避するために弾性材料でコーティングされたスペーサーを、スペーサーとして個々の電気化学セルに直接取り付けることもできる。さらに、電気化学セルが通過する開口部を有するプレートを提供することも可能である。ここでは、電気化学セルの温度制御を可能にするために、温度制御媒体が流れることができるさらなる開口部がさらに提供される。
【0056】
次に、出口39を介してハウジング35から取り出された温度制御媒体は、熱交換器43、加熱装置45、および輸送装置47を介して運ばれ、その後、入口37を介してハウジング35に再導入される。交換器43、加熱装置45および輸送装置47は、好ましくは、チャネル内に配置される。チャネルは、パイプとして、または他の任意の断面を有するチャネル、例えば長方形チャネルとして構成することができる。
【0057】
熱交換器43は、特に、例えば、充電および放電プロセス中のアルカリ金属硫黄セルの場合に必要とされるように、温度制御媒体が電気化学セルを冷却するために使用されるときに、温度制御媒体を冷却するのに役立つ。ここで、温度制御媒体は、熱交換器43内のさらなる温度制御媒体に熱を伝達する。例えば、水または他の任意の慣習的な温度制御媒体、例えば熱伝達油は、ここでは温度制御媒体として使用することができる。
【0058】
電気化学セルの動作または電気化学セルの起動のいずれかのために熱を供給しなければならない場合、加熱装置が提供される。温度制御媒体は、加熱装置内で加熱される。加熱は直接的または間接的に発生する可能性があり、間接加熱は、例えば、電気化学セルの温度を制御するために温度制御媒体に熱を伝達する温度制御媒体を使用することによって行われる。しかしながら、ここでは、温度制御媒体が加熱される温度を超える温度で安定している温度制御媒体のみを使用することができる。適切な加熱媒体は、例えば、塩溶融物である。したがって、温度制御媒体が電気的または誘導的に、あるいは燃料の燃焼によって加熱される加熱装置を使用することが優先される。
【0059】
ここに示されるように、冷却用の熱交換器43および別個の加熱装置45を有する実施形態の代替として、加熱および冷却の両方に使用される1つの熱交換器のみを使用することも可能である。この目的のために、温度制御媒体の温度を加熱および冷却のいずれかのために変更することができ、1つの温度制御媒体によって冷却する組み合わせ装置を使用することができる。加熱のために、追加の電気加熱要素を含む。それによって、電気化学セルの温度制御が要求された場合に、温度制御媒体を加熱することができる。
【0060】
輸送装置47は、使用される温度制御媒体に依存している。電気化学セル5の温度を制御するための温度制御媒体として通常ガスが使用されるので、輸送装置47は送風機である。
【0061】
電気化学セルが損傷した場合に化学反応が発生するのを防ぐために、電気化学セルで使用される反応物に対して不活性なガスが温度制御媒体として使用される。好ましい温度制御媒体は、窒素、二酸化炭素、またはアルゴンなどの希ガスである。窒素が特に優先される。
【0062】
輸送装置47は、電気化学セルの温度を制御するのに十分な量の温度制御媒体がハウジング35を通って運ばれることができるように寸法が決められている。
【符号の説明】
【0063】
1 電気化学エネルギー貯蔵器
3 支持構造
5 電気化学セル
7 メインフレームワーク
9 ストラット
11 横梁
13 底板
15 レール
17 保持装置
19 フレーム
21 切り抜き部
23 サスペンション
25 ブラケット
27 開口部
29 スロット
31 ブラケット
35 ハウジング
37 インレット
39 アウトレット
41 リング
43 熱交換器
45 加熱装置
47 輸送装置
図1
図2
図3
図4
図5