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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】光学部品および半導体レーザモジュール
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/44 20060101AFI20240708BHJP
   G02B 6/02 20060101ALI20240708BHJP
   G02B 6/42 20060101ALI20240708BHJP
【FI】
G02B6/44 306
G02B6/02 421
G02B6/42
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021509507
(86)(22)【出願日】2020-03-25
(86)【国際出願番号】 JP2020013353
(87)【国際公開番号】W WO2020196626
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2023-01-24
(31)【優先権主張番号】P 2019064583
(32)【優先日】2019-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 博
(72)【発明者】
【氏名】石毛 悠太
(72)【発明者】
【氏名】早水 尚樹
(72)【発明者】
【氏名】那須 秀行
【審査官】野口 晃一
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-158094(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0205252(US,A1)
【文献】特開2007-293300(JP,A)
【文献】特開2017-223897(JP,A)
【文献】国際公開第2015/037725(WO,A1)
【文献】特開2019-028414(JP,A)
【文献】特開2001-083369(JP,A)
【文献】特許第5943209(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/02 - 6/10
6/26 - 6/27
6/30 - 6/34
6/42 - 6/43
H01S 5/00 - 5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア部および該コア部の外周に形成されたクラッド部を有し、パッケージから当該パッケージ外へ延び当該パッケージ内の光学素子と光学的に接続された光ファイバと、
前記クラッド部の外周に配置され前記光ファイバの長手方向に延びたガラスキャピラリと、
前記ガラスキャピラリの外周に配置された光吸収体と、
前記クラッド部の前記長手方向の一部である第一区間の外周と当該外周に接した前記ガラスキャピラリの内周とを他の部材を介することなく溶着または圧着して一体化している一体部と、
を有し、
前記クラッド部の前記第一区間を除く前記長手方向の区間のうち少なくとも一部である第二区間の外周と当該外周に面した前記ガラスキャピラリの内周との間に、クラッドモード光を前記クラッド部から前記ガラスキャピラリへ導出されやすい直径基準で5μm以下の間隔のクリアランスが設けられ
前記光吸収体は、熱伝導性のある材料からなり、前記パッケージに熱良導体を介して接続されていることを特徴とする光学部品。
【請求項2】
前記ガラスキャピラリの入力端面には光反射膜が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光学部品。
【請求項3】
前記一体部と前記光反射膜が設けられた前記入力端面とは離間していることを特徴とする請求項2に記載の光学部品。
【請求項4】
前記ガラスキャピラリの光の入力側の端部は、光の進行方向に沿って次第に大径となるテーパ形状を有することを特徴とする請求項1または2に記載の光学部品。
【請求項5】
前記一体部では、光の進行方向を基準とする前記ガラスキャピラリの前半部の一部の内周が前記第一区間の外周と一体化されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の光学部品。
【請求項6】
前記光吸収体の内面に凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の光学部品。
【請求項7】
前記一体部は溶着されることによって一体化されていることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の光学部品。
【請求項8】
前記光ファイバの入力端面にはパワー密度を低減するエンドキャップを介して光が結合されることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の光学部品。
【請求項9】
前記ガラスキャピラリは、入射側の大径部と、該大径部よりも光出射側の小径部とを備え、
前記光吸収体は、前記大径部の外周に配置され該大径部の径に応じた内径の第1筒部と、前記小径部の外周に配置され該小径部の径に応じた内径の第2筒部とを備えていることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の光学部品。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一つに記載の光学部品と、
半導体レーザ素子と、
前記半導体レーザ素子から出力されたレーザ光を前記光学部品の入力端面に導く光学系と、
を備えることを特徴とする半導体レーザモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学部品および半導体レーザモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
加工や溶接といった産業分野においても、半導体レーザモジュールが用いられている。半導体レーザモジュールにおいて、半導体レーザ素子から出力されたレーザ光を光ファイバに結合させる部分の構成として、光ファイバの外周に光ファイバを固定するガラスキャピラリを設け、ガラスキャピラリの外周にガラスキャピラリを固定する光吸収体を設ける構成が開示されている。光ファイバとガラスキャピラリとはたとえば樹脂などの第1固着剤で固着される。ガラスキャピラリと光吸収体とはたとえば樹脂などの第2固着剤で固着される(特許文献1)。この構成において、光ファイバに入力されたレーザ光の一部はコア部に結合せずにクラッドモードで伝搬する。このようなレーザ光は、伝搬中に徐々にクラッド部から漏洩し、2つの固着剤とガラスキャピラリを透過して光吸収体に到達し、光吸収体によって吸収される。特許文献1の構成によれば、被覆の損傷の抑制が可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2015/037725号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
産業分野において、光源のレーザ光の高パワー化が求められている。特許文献1の構成では、レーザ光が高パワー化するにつれて、レーザ光のうちクラッドモードで伝搬するレーザ光のパワーが大きくなる。その結果、クラッドモードで伝搬し、クラッド部から漏洩したレーザ光が、第1または第2固着剤を損傷させるおそれがある。特に、第1固着剤はクラッド部の外周に隣接しているため、漏洩したレーザ光のパワー密度が高く、第2固着剤に比して損傷されやすい。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、損傷の発生が抑制された光学部品および半導体レーザモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る光学部品は、コア部および該コア部の外周に形成されたクラッド部を有する光ファイバと、前記クラッド部の外周に配置されたガラスキャピラリと、前記ガラスキャピラリの外周に配置された光吸収体と、を備え、前記クラッド部と前記ガラスキャピラリとは少なくとも一部の区間において一体化された一体部を有することを特徴とする。
【0007】
本発明の一態様に係る光学部品は、前記ガラスキャピラリの入力端面には光反射膜が設けられていることを特徴とする。
【0008】
本発明の一態様に係る光学部品は、前記一体部と前記光反射膜が設けられた前記入力端面とは離間していることを特徴とする。
【0009】
本発明の一態様に係る光学部品は、前記ガラスキャピラリの端部は、光の進行方向に沿って次第に大径となるテーパ形状であることを特徴とする。
【0010】
本発明の一態様に係る光学部品は、前記一体部は、光の進行方向を基準として前半部に設けられていることを特徴とする。
【0011】
本発明の一態様に係る光学部品は、前記一体部は溶着されることによって一体化されていることを特徴とする。
【0012】
本発明の一態様に係る光学部品は、前記光ファイバの入力端面にはパワー密度を低減するエンドキャップを介して光が結合されることを特徴とする。
【0013】
本発明の一態様に係る光学部品は、前記ガラスキャピラリは、入射側の大径部と、該大径部よりも光出射側の小径部とを備え、前記光吸収体は、前記大径部の外周に配置され該大径部の径に応じた内径の第1筒部と、前記小径部の外周に配置され該小径部の径に応じた内径の第2筒部とを備えていることを特徴とする。
【0014】
本発明の一態様に係る半導体レーザモジュールは、半導体レーザ素子と、前記半導体レーザ素子から出力されたレーザ光を前記光学部品の入力端面に導く光学系と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、光学部品および半導体レーザモジュールの損傷の発生が抑制されるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、実施形態に係る半導体レーザモジュールの模式的な平面図である。
図2図2は、第1実施形態に係る光学部品および光ファイバの模式的な断面図である。
図3図3は、第1実施形態に係る光学部品の一部拡大断面図である。
図4図4は、一体部およびその周辺の拡大断面図である。
図5図5は、第2実施形態に係る光学部品および光ファイバの模式的な断面図である。
図6図6は、第3実施形態に係る光学部品および光ファイバの模式的な断面図である。
図7図7は、第4実施形態に係る光学部品および光ファイバの模式的な断面図である。
図8図8は、第5実施形態に係る光学部品および光ファイバの模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一または対応する要素には適宜同一の符号を付し、重複説明を適宜省略する。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。
【0018】
(半導体レーザモジュール)
図1は、実施形態に係る半導体レーザモジュール100の模式的な平面図である。半導体レーザモジュール100は実施形態に係る光学部品10を備える。半導体レーザモジュール100は、筐体であるパッケージ101と、パッケージ101の内部に順に積載されたLD高さ調整板102と、サブマウント103-1~103-6と、6つの半導体レーザ素子104-1~104-6とを備える。パッケージ101は、蓋を備えるが、図1においては説明のために図示を省略している。半導体レーザモジュール100は、半導体レーザ素子104-1~104-6に電流を注入するリードピン105を備える。そして、半導体レーザモジュール100は、半導体レーザ素子104-1~104-6が出力するレーザ光の光路上に順に配置された光学素子(光学系)である、第1レンズ106-1~106-6と、第2レンズ107-1~107-6と、ミラー108-1~108-6と、第3レンズ109と、光フィルタ110と、第4レンズ111とを備える。第1レンズ106-1~106-6、第2レンズ107-1~107-6、ミラー108-1~108-6、第3レンズ109、光フィルタ110、第4レンズ111は、それぞれパッケージ101の内部に固定されている。さらに、半導体レーザモジュール100は、第4レンズ111と対向して配置された光学部品10と、一部が光学部品10に挿入された光ファイバ112とを備える。光ファイバ112の光学部品10に挿入された側とは反対側の一端は、パッケージ101の外部に延伸している。
【0019】
半導体レーザ素子104-1~104-6は、LD高さ調整板102によってパッケージ101の底面から互いに異なる高さに配置されている。さらに、第1レンズ106-1~106-6、第2レンズ107-1~107-6、ミラー108-1~108-6は、それぞれ対応する1つの半導体レーザ素子と同じ高さに配置されている。また、光ファイバ112のパッケージ101への挿入部には、ルースチューブ114が設けられ、ルースチューブ114の一部を覆うように、パッケージ101の一部にブーツ113が外嵌されている。
【0020】
各半導体レーザ素子104-1~104-6は、リードピン105から電力を供給されてレーザ光を出力する。出力された各レーザ光は、それぞれ第1レンズ106-1~106-6および第2レンズ107-1~107-6によって、略平行光とされる。つぎに、各レーザ光は、対応する高さに配置された1つのミラー108-1~108-6によって、光ファイバ112の方向に反射される。そして、各レーザ光は、第3レンズ109および第4レンズ111によって集光される。
【0021】
光学部品10は、第4レンズ111によって集光された各レーザ光を光ファイバ112に結合させる。光ファイバ112は、結合された各レーザ光を半導体レーザモジュール100の外部に出力する。
【0022】
つぎに、半導体レーザモジュール100の各構成要素についてより詳細に説明する。筐体であるパッケージ101は、内部の温度上昇を抑制するため、熱伝導性のよい材料からなることが好ましく、各種金属からなる金属部材であってよい。
【0023】
LD高さ調整板102は、上述したように、パッケージ101内に固定されており、半導体レーザ素子104-1~104-6の高さを調節し、半導体レーザ素子104-1~104-6が出力するレーザ光の光路が互いに干渉しないようにしている。なお、LD高さ調整板102は、パッケージ101と一体として構成されていてもよい。
【0024】
サブマウント103-1~103-6は、LD高さ調整板102上に固定されており、載置された半導体レーザ素子104-1~104-6の放熱を補助する。そのため、サブマウント103-1~103-6は、熱伝導性のよい材料からなることが好ましく、各種金属からなる金属部材であってよい。
【0025】
半導体レーザ素子104-1~104-6は、出力されるレーザ光の光強度が、1W以上、さらには、10W以上の高出力な半導体レーザ素子である。本実施形態において、半導体レーザ素子104-1~104-6の出力するレーザ光の光強度は、たとえば11Wである。また、半導体レーザ素子104-1~104-6は、たとえば、900nm~1000nmの波長のレーザ光を出力する。なお、半導体レーザモジュール100は6つの半導体レーザ素子104-1~104-6を備えているが、6つ以外の複数でもよく、1つでもよい。
【0026】
リードピン105は、不図示のボンディングワイヤを介して半導体レーザ素子104-1~104-6に電力を供給する。供給する電力は、一定の電圧であってよいが、変調電圧であってもよい。
【0027】
第1レンズ106-1~106-6は、たとえば焦点距離が0.3mmのシリンドリカルレンズである。第1レンズ106-1~106-6は、対応する1つの半導体レーザ素子の出力光を鉛直方向に略平行光とする位置に配置される。
【0028】
第2レンズ107-1~107-6は、たとえば焦点距離が5mmのシリンドリカルレンズである。第2レンズ107-1~107-6は、半導体レーザ素子の出力光を水平方向に略平行光とする位置に配置される。
【0029】
ミラー108-1~108-6は、各種の金属膜、または誘電体膜を備えるミラーであってよく、半導体レーザ素子104-1~104-6の出力するレーザ光の波長において、反射率が高いほど好ましい。また、ミラー108-1~108-6は、対応する1つの半導体レーザ素子のレーザ光を光ファイバ112に好適に結合するように、反射方向を微調整することができる。
【0030】
第3レンズ109と第4レンズ111とは、たとえばそれぞれ焦点距離が12mm、5mmの互いに曲率が直交したシリンドリカルレンズであり、半導体レーザ素子104-1~104-6が出力したレーザ光を集光し、光ファイバ112に好適に結合する。第3レンズ109と第4レンズ111とは、たとえば半導体レーザ素子104-1~104-6が出力したレーザ光の光ファイバ112への結合効率が85%以上となるように、光ファイバ112に対する位置が調整されている。
【0031】
光フィルタ110は、たとえば波長1060nm~1080nmの光を反射し、900nm~1000nmの光を透過するローパスフィルタである。その結果、光フィルタ110は、半導体レーザ素子104-1~104-6が出力したレーザ光を透過するとともに、波長1060nm~1080nmの光が半導体レーザ素子104-1~104-6に外部から照射されることを防止する。また、光フィルタ110は、光フィルタ110でわずかに反射された半導体レーザ素子104-1~104-6の出力レーザ光が半導体レーザ素子104-1~104-6に戻らないように、レーザ光の光軸に対して角度をつけて配置されている。光フィルタ110の通過波長として、1060nm~1080nmとしたが、この波長に限定するものではない。ただし、光フィルタ110は必ずしも必要ではない。
【0032】
ブーツ113は、光ファイバ112を挿通されており、光ファイバ112の曲げによる損傷を防止する。ブーツ113は、金属製のブーツであってよいが、材料は特に限定されず、ゴムや各種の樹脂、プラスチックなどであってもよい。ただし、ブーツ113は必ずしも必要ではない。
【0033】
ルースチューブ114は、光ファイバ112を挿通されており、光ファイバ112の曲げによる損傷を防止する。さらに、ルースチューブ114は、光ファイバ112と固着され、その結果、光ファイバ112に対して長手方向に引っ張る力が加えられた場合に、光ファイバ112の位置がずれることを防止する構成であってもよい。ただし、ルースチューブ114は必ずしも必要ではない。
【0034】
半導体レーザモジュール100における光学部品10は、光ファイバ112に入力されたレーザ光のうち一部はコア部に結合せずにクラッドモードで伝搬する光(以下、クラッドモード光と呼ぶ。)を除去または低減する部品であり、具体的には以下に説明する光学部品10A~10Eのいずれかの適用が好適である。光学部品10A~10Eは、それぞれの構成要素を互いに組み合わせて適用してもよい。光学部品10A~10Eについて順に説明する。
【0035】
(第1実施形態に係る光学部品)
まず、第1実施形態に係る光学部品10Aの構成について具体的に説明する。図2は、光学部品10Aおよび光ファイバ112の模式的な断面図である。
【0036】
図2に示すように、光学部品10Aは上記の光ファイバ112の一部を含む。光ファイバ112は、石英ガラス系材料からなる光ファイバであって、コア部112aおよび該コア部112aの外周に形成されたクラッド部112bを有する。光ファイバ112は、さらにクラッド部112bの外周が被覆材112cで覆われている。クラッド部112bの屈折率はコア部112aの屈折率よりも低い。
【0037】
光ファイバ112は、たとえばコア部112aのコア径が105μm、クラッド部112bのクラッド径が125μmのマルチモード光ファイバであってよいが、シングルモード光ファイバであってもよい。光ファイバ112のNAは、たとえば0.15~0.22である。
【0038】
光学部品10Aは、さらにクラッド部112bの外周に配置されたガラスキャピラリ116と、ガラスキャピラリ116の外周に配置された光吸収体117とを備える。光ファイバ112は一端がガラスキャピラリ116に挿通されている。光ファイバ112は、被覆材112cを備えるが、光ファイバ112のガラスキャピラリ116に挿通される部分は、挿入側端部を除いて被覆材112cが除去されて、コア部112aとクラッド部112bとがガラスキャピラリ116に挿通されている。本願では被覆材112cを除いたコア部112aとクラッド部112bとの部分を光ファイバ112と呼ぶ場合がある。被覆材112cはガラスキャピラリ116の端面と固定材121によって固定されている。固定材121は、例えば第1固着剤119と同じものを用い、または適当な固定具を用いることができる。
【0039】
ガラスキャピラリ116は、貫通孔を備えた円管状のガラスキャピラリである。ガラスキャピラリ116は、貫通孔には光ファイバ112が挿通されており、ガラスキャピラリ116の貫通孔の内壁とクラッド部112bとの一部とは第1固着剤119で固着される。ガラスキャピラリ116は、半導体レーザ素子104-1~104-6が出力したレーザ光L(図2参照)の波長において、光透過性を有し、たとえばこの波長において、透過率が90%以上の材料からなることが好ましい。ガラスキャピラリ116の屈折率は、光ファイバ112のクラッド部112bの屈折率と等しい、またはそれよりも高いことが好ましく、たとえばガラスキャピラリ116の屈折率は、光ファイバ112のクラッド部112bに対する比屈折率差が0.1%以上10%以下である。なお、ガラスキャピラリ116は、光出射側に光ファイバ112を挿通しやすいよう設けられたテーパ部を備えていてもよい。
【0040】
第1固着剤119は、光学部品10Aにおいて、光の進行方向Aを基準として後半部に設けられており、さらに好ましくは出力端近傍の一部に設けられる。第1固着剤119は、たとえばエポキシ樹脂、ウレタン系の樹脂などのUV硬化樹脂からなる。第1固着剤119の屈折率は、25℃において光ファイバ112のクラッド部112bの屈折率と等しい、またはそれよりも高いことが好ましく、半導体レーザモジュール100の使用温度領域(たとえば、15℃~100℃)において、光ファイバ112のクラッド部112bの屈折率と等しい、またはそれよりも高いことがさらに好ましい。第1固着剤119の屈折率は、たとえばクラッド部112bに対する比屈折率差が0%以上10%以下である。また、第1固着剤119は、光ファイバ112の長手方向に直交する方向における厚さが1μm以上800μm以下とされていることが好ましい。なお、UV硬化樹脂は、たとえば、フッ素を含有させることで低屈折率化でき、イオウを含有させることで高屈折率化できることが知られており、屈折率を高くする材料や、低くする材料の含有量を調整することで、屈折率を調整することができる。
【0041】
光吸収体117は、筒状の部材であって、ガラスキャピラリ116の外周に配置されており、該ガラスキャピラリ116に対して第2固着剤120で固着される。光吸収体117は、レーザ光L(図2参照)の波長において、光吸収性を有し、たとえばこの波長において、吸収率が30%以上、好ましくは70%以上である。その結果、光吸収体117は、クラッド部112bから漏洩したクラッドモード光をガラスキャピラリ116を介して吸収する。また、光吸収体はガラスキャピラリ116に結合されてキャピラリモードで伝搬されるレーザ光(以下、キャピラリモード光と呼ぶ)をも吸収する。
【0042】
さらに、光吸収体117は、光吸収により発生した熱を放熱するため、熱伝導性のよい材料からなることが好ましく、たとえばCu、Ni、ステンレス鋼、またはFeを含む金属部材、Ni、Cr、Tiを含む金属、もしくはCを含む表面メッキ層を備える部材、AlN、もしくはAlを含むセラミック部材、またはAlN、もしくはAlを含む表面を覆うセラミック層を備える部材からなることが好ましい。また、光吸収体117は、光吸収により発生した熱を放熱するため、パッケージ101に不図示の熱良導体を介して接続されていることが好ましい。熱良導体は、熱伝導率が0.5W/mK以上の材料からなることが好ましく、たとえばはんだや熱伝導性接着剤からなる。
【0043】
ガラスキャピラリ116と光吸収体117とは、上記のとおり第2固着剤120で固着されている。第2固着剤120はガラスキャピラリ116と光吸収体117とを全長に亘って固着している。第2固着剤120は第1固着剤119と同一の材料であってもよいが、異なる材料であってもよく、たとえばエポキシ樹脂、ウレタン系の樹脂などのUV硬化樹脂からなる。第2固着剤120の屈折率は、25℃においてガラスキャピラリ116の屈折率と等しい、またはそれよりも高いことが好ましく、半導体レーザモジュール100の使用温度領域(たとえば、15℃~100℃)において、ガラスキャピラリ116の屈折率と等しい、またはそれよりも高いことがさらに好ましい。
【0044】
クラッド部112bとガラスキャピラリ116とは一部の区間において一体化された一体部122を備える。一体部122はクラッド部112bとガラスキャピラリ116とが他の部材を介在させずに連続的に一体化された部分であり、後述するようにたとえば溶着加工されている。一体部122は、後述するようにクラッドモード光をクラッド部112bからガラスキャピラリ116に導出させるための部分である。
【0045】
ガラスキャピラリ116の入力端面116aは、光の進行方向Aに沿って次第に大径となるテーパ形状となっており、該入力端面116aには光反射膜123が設けられている。一体部122は光学部品10Aにおいて一体部122は光の進行方向Aを基準として前半部に設けられており、かつ光反射膜123が設けられた入力端面116aとは適度に離間している。
【0046】
光学部品10Aは、さらに結合されるレーザ光Lのパワー密度を低減するエンドキャップ124を備えており、光ファイバ112の入力端面には該エンドキャップ124を介して光が結合される。エンドキャップ124は、円錐台形状の出力部124aと、円柱形状の入力部124bとを備える。エンドキャップ124の材料は、光ファイバ112のコア部112aと同程度の屈折率を有する材料であることが好ましく、たとえば光ファイバ112のコア部112aと同じ石英系ガラス材料であることが好ましい。エンドキャップ124は入力部124bの底面から、第4レンズ111で集光されたレーザ光Lが入力される。エンドキャップ124の形状は図示のものに限らず、パワー密度を低減できるものであればよい。エンドキャップ124は、たとえば光ファイバ112の入力端に溶着されている。
【0047】
図3は、光学部品10Aの一部拡大断面図である。図3に示すように、光吸収体117の内面117aにはその全面に凹凸が設けられている。内面117aの凹凸は、たとえば高さが10μm程度である。第2固着剤120はガラスキャピラリ116の外面と光吸収体117の内面117aとの間に介在している。
【0048】
クラッド部112bとガラスキャピラリ116との間にはクリアランス126が形成されている。クリアランス126は第1固着剤119の固着部および一体部122以外の区間に形成されている。クリアランス126の幅はいくつかの要件に基づきたとえば直径基準で5μm以下(片側で2.5μm以下)に設定されている。クリアランス126の幅を規定する要件の1つは、光ファイバ112をガラスキャピラリ116の貫通部に挿通しやすいことである。また他の要件は、クラッドモード光が導出されやすい程度にクリアランス126が十分狭いことである。さらに他の要件は、一体部122の加工が可能な程度にクリアランス126が十分に狭いことである。さらにまた他の要件は、加工精度条件が満たされることである。
【0049】
ここで図2を参照しながら、光学部品10Aの製造方法について説明する。まず、ガラスキャピラリ116の入力端面116aに光反射膜123を蒸着する。この時点ではガラスキャピラリ116に光ファイバ112は挿通されていないことから、該光ファイバ112に光反射膜123の材質が付着することがない。
【0050】
次に、一端の被覆材112cを剥いだ光ファイバ112をガラスキャピラリ116に挿入する。そして所定の位置に保持しながらガラスキャピラリ116と光ファイバ112との隙間から第1固着剤119を浸透させ、硬化(例えばUV硬化)させる。これにより第1固着剤119は光学部品10Aにおける光出射端近傍に設けられる。挿入された光ファイバ112は第1固着剤119によって固定される。光ファイバ112はさらに固定材121によって固定される。
【0051】
そして、所定長さXに亘ってクラッド部112bの外面とガラスキャピラリ116の内面とを溶着によって一体化し一体部122を形成する。この溶着加工は、たとえばバーナーや放電で対象箇所を加熱することによって行われ、全周に亘って加工される。一体部122は熱溶着以外にも、たとえば超音波溶着や圧着でもよい。一体部122と光反射膜123が設けられた入力端面116aとは適度に離間していることから、光反射膜123に対する熱影響は十分に小さい。一体部122はクラッド部112bとガラスキャピラリ116との固着作用もある。
【0052】
クラッドモード光を導出させるためには一体部122の長さXは十分に長いことが好ましいが、一方で光ファイバ112が受ける溶着による熱の影響を抑制するために長さXは適度に短いことが望ましい。結局、長さXは、クラッドモード光を導出させるのに十分な長さがあれば足り、さらには、多少のクラッドモード光が多少残留してもそのパワー密度を十分に低くすることができる長さがあればよい。
【0053】
この後、光吸収体117にガラスキャピラリ116を挿通するとともに双方を第2固着剤120で固着する。さらに、エンドキャップ124を取り付ける。
【0054】
次に、このように構成される光学部品10Aの作用について説明する。
【0055】
図2に示すように、光学部品10Aに結合するレーザ光Lはエンドキャップ124を通過した後に光ファイバ112の入射端に結合される。レーザ光Lはエンドキャップ124を通過することにより適度にパワー密度が低減され、光ファイバ112の入力端の損傷が防止される。
【0056】
上記の通りレーザ光Lは第4レンズ111(図1参照)で集光されており、そのほとんどはコア部112aに結合し、光ファイバ112によって伝送される。一方、レーザ光Lのうちコア部112aに結合されなかった一部の非カップリング光であるレーザ光L1はクラッド部112bに結合し、さらに一部の非カップリング光のレーザ光L2はガラスキャピラリ116の入力端面116aに照射される。
【0057】
入力端面116aには光反射膜123が設けられていることから、レーザ光L2は該光反射膜123によって反射されてガラスキャピラリ116に結合することが防止される。また、入力端面116aは、光の進行方向Aに沿って次第に大径となるテーパ形状であることから、反射したレーザ光L2は中心軸から離れる方向に向かい、光源方向に戻ることがない。このようにテーパ形状の入力端面116aおよび光反射膜123は、レーザ光L2をガラスキャピラリ116に結合させずに分散させるための相乗作用がある。入力端面116aはテーパ形状であり、その円錐面の中心角度はたとえば150°程度であってレーザ光L2の反射光は矢印Aの反対方向に向かって広がる。また、入力端面116aの円錐面の中心角度を90°以下として、レーザ光L2の反射光を矢印Aの方向に向かって広がるようにしてもよい。
【0058】
図4は、一体部122およびその周辺の拡大断面図である。図4に示すように、クラッド部112bに結合したレーザ光L1はクラッドモード光となるが、やがて一体部122に達する。一体部122ではクラッド部112bとガラスキャピラリ116とが一体になっていることから、クラッドモード光は反射することなくクラッド部112bからガラスキャピラリ116に導出される。
【0059】
一体部122は適度な長さXに設定されていることから、クラッドモード光は、そのほとんどがクラッド部112bからガラスキャピラリ116に抜けてしまい、またはパワー密度が十分に低減され、第1固着剤119などを局所加熱で損傷させることがない。特に第1固着剤119はクラッド部112bの外周に隣接しているが、入力端面116aおよび一体部122からは十分に離間して設けられており、損傷が防止される。なお、一体部122は、光学部品10Aにおけるガラスキャピラリ116に対するクラッド部112bの挿入部分の全長に対して、少なくとも一部の区間に設けられていれば相応の効果がある。
【0060】
また、一体部122は光の進行方向Aを基準として光学部品10Aの前半部に設けられている。したがって一体部122を通過してガラスキャピラリ116に結合したレーザ光L1は、出射側端部にまでに到達する以前にガラスキャピラリ116を透過して光吸収体117に到達し、光吸収体117によって吸収される。さらに、光吸収体117の内面117a(図3参照)には凹凸が形成されていることから、光吸収体117に吸収されなかったレーザ光L1はこの境界面で乱反射し、エネルギーが分散される。
【0061】
(第2実施形態に係る光学部品)
図5は、第2実施形態に係る光学部品10Bおよび光ファイバ112の模式的な断面図である。図5に示すように、光学部品10Bでは、入力端面116aが平面状で光ファイバ112および光吸収体117と同一面状となっており、光反射膜123(図2参照)は設けられていない。すなわち、レーザ光Lの集光精度が高く入力端面116aに結合するレーザ光L2(図2参照)がほとんどない場合には、キャピラリモード光は発生しないため入力端面116aをテーパ形状にする必要はなく、また光反射膜123を設けなくてもよい。この場合、ガラスキャピラリ116は入力端面116aをテーパ状に加工する必要がなく製作が容易である。
【0062】
光学部品10Bでは、一体部122がクラッド部112bとガラスキャピラリ116との境界面の全区間に亘って形成されている。すなわち、一体部122を形成する際の溶着加工で精度よく加熱することが可能である場合には、光ファイバ112に対する熱歪の影響が低減されるため、一体部122を十分に長く形成してもよい。光学部品10Bでは光反射膜123が設けられていないことから、一体部122を入力端面116aに接する位置まで形成することができる。一体部122を入力端面116aに接する位置まで形成すると、クラッドモード光を一層の初期段階でガラスキャピラリ116に導出させることができる。また、一体部122が十分に長く形成されていると、クラッドモード光をガラスキャピラリ116に導出しやすくなる。
【0063】
(第3実施形態に係る光学部品)
図6は、第3実施形態に係る光学部品10Cおよび光ファイバ112の模式的な断面図である。図6に示すように、光学部品10Cでは、入力端面116aが平面状で光ファイバ112および光吸収体117と同一面状となっており、該入力端面116aには光反射膜123が設けられている。すなわち、光反射膜123が設けられていればレーザ光L2はガラスキャピラリ116には結合しないためキャピラリモード光は発生しない。また、レーザ光Lの集光精度が高く入力端面116aに結合するレーザ光L2が弱い場合には、レーザ光L2の反射方向について特段の措置は不要であって入力端面116aをテーパ状にしなくてもよい。
【0064】
光学部品10Cでは、一体部122がクラッド部112bとガラスキャピラリ116との境界面のほぼ全区間に亘って形成されているが、入力端面116aとは適度に離間しており一体部122の溶着加工時に光反射膜123に対する熱影響がない。
【0065】
(第4実施形態に係る光学部品)
図7は、第4実施形態に係る光学部品10Dおよび光ファイバ112の模式的な断面図である。図7に示すように、光学部品10Dでは、入力端面116aが平面状で光ファイバ112および光吸収体117と同一面状となっており、光反射膜123(図2参照)は設けられていない。これは光学部品10B(図5参照)と同様である。
【0066】
光学部品10Dでは、一体部122が入力端面116aを基準として長さX1に亘って形成されている。一体部122は光の進行方向Aを基準として前半部に設けられており、光学部品10Aにおける長さX(図2参照)と同等かまたはそれよりある程度長い。光反射膜123(図2参照)を設けていないため一体部122は入力端面116aと接する位置まで形成することができ、クラッドモード光を一層の初期段階でガラスキャピラリ116に導出することができる。
【0067】
クラッド部112bとガラスキャピラリ116との境界面において、一体部122よりも光出射側の区間には第1固着剤119が設けられており、クラッド部112bとガラスキャピラリ116とを固着している。一体部122においてクラッドモード光を十分にガラスキャピラリ116に導出可能であれば、残余の区間の第1固着剤119は損傷を受けることなく、しかも一層確実にクラッド部112bとガラスキャピラリ116とを固着することができる。
【0068】
(第5実施形態に係る光学部品)
図8は、第5実施形態に係る光学部品10Eおよび光ファイバ112の模式的な断面図である。図8に示すように、光学部品10Eでは、ガラスキャピラリ116は、入射側の大径部116bと、該大径部116bよりも出力側の小径部116cとを備えている。
【0069】
大径部116bは、小径部116cが一定の径で入射側に延長された延長部127aと、該延長部127aの外周に設けられた筒部分127bとを備える。大径部116bは、延長部127aとクラッド部112bとの境界面に一体部122を溶着形成した後に筒部分127bを設けるとよい。延長部127aと筒部分127bとは、たとえば第1固着剤119と同質剤によって固定されていてもよいし、溶着されていてもよいし、予め一体化されているものでもよい。延長部127aと筒部分127bとは、例えば同一材にするとよい。
【0070】
また、光学部品10Eにおける光吸収体117は、大径部116bの外周に配置され該大径部116bの径に応じた内径である第1筒部117bと、小径部116cの外周に配置され該小径部116cの径に応じた内径である第2筒部117cとを備えている。第1筒部117bおよび第2筒部117cの各内面117aには凹凸(図3参照)が形成されている。ガラスキャピラリ116の筒部分127bと光吸収体117の第2筒部117cとは、段差面128で当接している。段差面128は光の進行方向Aに対して直交する面である。
【0071】
光学部品10Eによれば、クラッド部112bに結合したレーザ光L1がクラッドモード光となって、その後一体部122からガラスキャピラリ116に導出されると、矢印で示す漏洩光L1のように進行する。そうすると、漏洩光L1は光吸収体117の内面117aに到達する以前に、そのほとんどは段差面128に到達し光吸収体117に吸収されやすくなる。漏洩光L1は段差面128に対する入射角度が大きいため、内面117aに対して入射する場合よりも光吸収体117に吸収されやすい。
【0072】
また、上記実施形態では、端部構造は、半導体レーザ素子等の光源から出力されたレーザ光を光ファイバに結合させる用途に使用されている。ただし、端部構造の用途はこれに限られない。たとえば、端部構造を、ファイバレーザ等を用いた加工用レーザ装置の出力側、たとえばヘッド部などのデリバリ光ファイバの出力側に設けてもよい。加工用レーザ装置では、加工対象に照射したレーザ光が反射して戻ってくる場合がある。このような戻り光が、加工用レーザ装置を構成する光ファイバをクラッドモードで伝搬すると、戻り光の一部がクラッド部から漏洩して装置を損傷させる場合がある。そこで、加工用レーザ装置の出力側に端部構造を設けることで、戻り光のクラッドモードでの伝搬を抑制または防止することができる。
【0073】
なお、上記実施形態では、赤外領域の波長のレーザ光を例に挙げたが、波長はこれに限定されない。例えば、緑色や青色のような短波長のレーザ光にあっては、固着材によるエネルギの吸収量が赤外領域の波長のレーザ光よりも大きく、本発明による効果がより顕著になる場合がある。
【0074】
また、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、光学部品および半導体レーザモジュールに利用することができる。
【符号の説明】
【0076】
10,10A,10B,10C,10D,10E 光学部品
100 半導体レーザモジュール
101 パッケージ
102 LD高さ調整板
103-1~103-6 サブマウント
104-1~104-6 半導体レーザ素子
105 リードピン
106-1~106-6 第1レンズ
107-1~107-6 第2レンズ
108-1~108-6 ミラー
109 第3レンズ
110 光フィルタ
111 第4レンズ
112 光ファイバ
112a コア部
112b クラッド部
112c 被覆材
113 ブーツ
114 ルースチューブ
116 ガラスキャピラリ
116a 入力端面
116b 大径部
116c 小径部
117 光吸収体
117a 内面
117b 第1筒部
117c 第2筒部
119 第1固着剤
120 第2固着剤
121 固定材
122 一体部
123 光反射膜
124 エンドキャップ
124a 出力部
124b 入力部
126 クリアランス
127a 延長部
127b 筒部分
128 段差面
L,L1,L2 レーザ光
L10 漏洩光
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8