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特許7516429アロマ成分としての1-アルコキシエチル-4-イソブチル-ベンゼン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】アロマ成分としての1-アルコキシエチル-4-イソブチル-ベンゼン
(51)【国際特許分類】
   C11B 9/00 20060101AFI20240708BHJP
   A61K 8/33 20060101ALI20240708BHJP
   A61Q 13/00 20060101ALI20240708BHJP
   A61K 8/00 20060101ALI20240708BHJP
【FI】
C11B9/00 G
A61K8/33
A61Q13/00 101
A61K8/00
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021576449
(86)(22)【出願日】2020-06-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-02
(86)【国際出願番号】 EP2020067215
(87)【国際公開番号】W WO2020260165
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】19181997.8
(32)【優先日】2019-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペルツァー,ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】ジーゲル,ヴォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】ブリュ ロイグ,ミリアム
(72)【発明者】
【氏名】ダンツ,マヌエル
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイランド,シルケ
(72)【発明者】
【氏名】ガルリッヒス,フロリアン
(72)【発明者】
【氏名】ヒックマン,フォルカー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァインガルテン,メラニー
【審査官】福山 駿
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05278335(US,A)
【文献】特開2018-178018(JP,A)
【文献】特開昭58-024513(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11B 1/00-15/00
C11C 1/00-5/02
A61K 8/00-8/99
A61Q 1/00-90/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
(式中、
R1は、直鎖又は分枝鎖の非置換C1~C5アルキル及び非置換C3~C5シクロアルキルからなる群から選択される)
の化合物若しくはその塩又はそれらの立体異性体の、アロマの印象を組成物に付与するための使用。
【請求項2】
式(I)
【化2】
(式中、
R1は、直鎖又は分枝鎖の非置換C1~C5アルキル及び非置換C3~C5シクロアルキルからなる群から選択される)
の化合物若しくは又はそれらの立体異性体を組成物に添加する工程を少なくとも含む、アロマの印象を組成物に付与する方法。
【請求項3】
R1が、-CH3、-CH2CH3、-CH2CH2CH3、-CH(CH3)2、-CH(CH3)(C2H5)、-CH2CH(CH3)2、-CH2CH2CH2CH3、-CH(CH3)2、-CH2CH(CH3)2、-CH(CH3)CH2CH3、-CH(CH3)CH2CH3及びシクロプロピルからなる群から選択される、請求項1又は2に記載の使用又は方法。
【請求項4】
組成物が、芳香組成物、ボディケア組成物、衛生用品、洗浄組成物、繊維用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物及び作物保護組成物から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の使用又は方法。
【請求項5】
印象が、フラワリーノート、マリーンノート、スウィートノート、ラバリーノート、ナッティーノート、ウッディノート、ダスティノート、ルーティーノート、レモンノート及びグリーンノートからなる群から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の使用又は方法。
【請求項6】
式(I)の化合物若しくはその塩又はそれらの立体異性体が、組成物の総重量に対して0.01wt%以上~70.0wt%以下の範囲の量で存在する、請求項1から5のいずれか一項に記載の使用又は方法。
【請求項7】
少なくとも1種の式(I)
【化3】
(式中、
R1は、直鎖又は分枝鎖の非置換C2~C5アルキル及び非置換C3~C5シクロアルキルからなる群から選択される)
の化合物若しくはその塩又はそれらの立体異性体、及び
(i)少なくとも1種の香料、又は
(ii)少なくとも1種の非香料キャリア、又は
(iii)(i)と(ii)の両方
を含む、組成物。
【請求項8】
R1が、-CH2CH3、-CH2CH2CH3、-CH(CH3)2、-CH(CH3)(C2H5)、-CH2CH(CH3)2、-CH2CH2CH2CH3、-CH(CH3)2、-CH2CH(CH3)2、-CH(CH3)CH2CH3、シクロプロピル及びシクロブチルからなる群から選択される、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
少なくとも1種の非香料キャリア(ii)が、界面活性剤、油成分、抗酸化剤、デオドラント活性剤及び溶媒からなる群から選択される、請求項7又は8に記載の組成物。
【請求項10】
組成物が、芳香組成物、ボディケア組成物、衛生用品、洗浄組成物、繊維用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物及び作物保護組成物からなる群から選択される、請求項7から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
式(I)
【化4】
(式中、
R1は、直鎖又は分枝鎖の非置換C1~C5アルキル及び非置換C3~C5シクロアルキルからなる群から選択される)
の化合物若しくはその塩又はそれらの立体異性体;及び
4-メチル-2-(2-メチルプロピル)オキサン-4-オール
を含む、混合物。
【請求項12】
R1が、-CH3、-CH2CH3、-CH2CH2CH3、-CH(CH3)2、-CH(CH3)(C2H5)、-CH2CH(CH3)2、-CH2CH2CH2CH3、-CH(CH3)2、-CH2CH(CH3)2、-CH(CH3)CH2CH3及びシクロプロピルからなる群から選択される、請求項11に記載の混合物。
【請求項13】
請求項11又は12に記載の混合物の、アロマの印象を組成物に付与するための使用。
【請求項14】
組成物であって、
(i)請求項11又は12に記載の混合物、及び
(ii)少なくとも1種の香料、又は
(iii)少なくとも1種の非香料キャリア、又は
(iv)(ii)と(iii)の両方
を含む、組成物。
【請求項15】
式(I')
【化5】
(式中、
R1'は、直鎖又は分枝鎖の-CH2CH2CH3、-CH(CH3)(C2H5)、-CH2CH(CH3)2、-CH(CH3)CH2CH3及び-CH2CH2CH2CH3からなる群から選択される)
の化合物若しくはその塩又はそれらの立体異性体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、式(I)の1-アルコキシエチル-4-イソブチル-ベンゼンの、組成物にアロマの印象を付与するための使用を対象とする。本願発明はまた、そのようなアロマの印象を付与する方法に関する。本発明はさらに、式(I)の化合物及び少なくとも1種の香料を含む組成物、並びに式(I)の化合物及び香料、界面活性剤、油成分、抗酸化剤、デオドラント活性剤及び溶媒からなる群から選択される少なくとも1種のさらなる成分を含む組成物を対象とする。本発明はまた、式(I')の化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
香料、特にフレグランス(fragrances)は、化粧品並びに洗浄及び洗濯用組成物の分野において、強い関心が持たれている。天然由来のフレグランスは大抵高価であり、多くの場合その利用可能性が制限されており、環境条件が変動することによって、その含有量、純度等が変動することもある。したがって、これらの望ましくない要素を回避するために、より高価な天然のフレグランスに似ている感覚特性を有するか、又は新規で興味深い感覚プロファイルを有する合成物質を作成することに強い関心が持たれている。
【0003】
多数の既存の香料にもかかわらず、極めて多様な領域の用途に望ましい多数の特性を満たすことを可能とするために、新規な成分に対する一定の必要性が存在する。これらは第1に、感覚特性を含み、すなわち、化合物は、都合のよい、芳香(odiferous)(嗅覚(olfactory))特性又は味覚特性を有するべきである。さらに、香料はまた、追加の有益な二次特性、例えば、効率的な調製方法、他の香料との相乗効果の結果としてより良い感覚プロファイルをもたらす可能性、広範囲の組成物中でのより高い安定性、並びに特定の適用条件下でのより高い拡張性(extendibility)及び/又はより良い持続力を有するべきである。
【0004】
アロマの印象、特にフラワリー(flowery)及び/又はマリーン(marine)及び/又はグリーン(green)な芳香印象を組成物に付与することができる香料に対するさらなる必要性が存在する。そのような特性は、組成物、例えばボディケア組成物、衛生用品、洗浄組成物、繊維用洗剤組成物及び香りディスペンサー用組成物等にとって特に興味深いものである。特に興味深いのは、1以上の明確なアロマの印象を組成物に付与することができ、それによって組成物の芳醇で興味深い感覚プロファイル、特に嗅覚プロファイルに寄与する香料である。加えて、特にアロマの印象を付与することができる香料に関しては、組成物及び組成物で処理した表面に長続きする芳香印象を得るために、持続性(substantivity)及び保持力(tenacity)が、特に興味深いものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、アロマの印象、フラワリー及び/若しくはマリーン及び/若しくはグリーン及び/若しくはスウィート(sweet)ノート、及び/若しくはラバリー(rubbery)ノート及び/若しくはナッティー(nutty)ノート及び/若しくはウッディ(woody)ノート及び/若しくはダスティ(dusty)ノート及び/若しくはルーティー(rooty)ノート及び/若しくはレモン(lemon)ノートの芳香印象を組成物に付与することができる香料を提供することである。さらに、本発明の目的は、長続きするアロマの印象、特にフラワリー及び/若しくはマリーン及び/若しくはグリーン及び/若しくはスウィートなノート、及び/若しくはラバリーノート及び/若しくはナッティーノート及び/若しくはウッディノート及び/若しくはダスティノート及び/若しくはルーティーノート及び/若しくはレモンノートの芳香印象を組成物及びそのような組成物で処理した表面、例えば皮膚及び/又は繊維製品等に付与することができ、多種多様な組成物中で安定な香料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
驚くべきことに、式(I)の化合物が、アロマの印象、特にフラワリー及び/若しくはマリーン及び/若しくはグリーン及び/若しくはスウィートノート、及び/若しくはラバリーノート及び/若しくはナッティーノート及び/若しくはウッディノート及び/若しくはダスティノート及び/若しくはルーティーノート及び/若しくはレモンノートの芳香印象を組成物に付与することが発見された。そのようなアロマの印象は、広範囲の組成物中で安定しており、よって、組成物の芳醇で興味深いアロマプロファイルに寄与する。
【0007】
よって、一態様では、本発明は、式(I)
【0008】
【化1】
(式中、
R1は、直鎖又は分枝鎖の非置換C1~C5アルキル及び非置換C3~C5シクロアルキルからなる群から選択される;)
の化合物又はその塩若しくはその立体異性体の、アロマの印象を組成物に付与するための使用を対象とする。
【0009】
別の態様では、本発明は、式(I)
【0010】
【化2】
(式中、
R1は、直鎖又は分枝鎖の非置換C1~C5アルキル及び非置換C3~C5シクロアルキルからなる群から選択される;)
の化合物又はその塩若しくはその立体異性体を組成物に添加する工程を少なくとも含む、アロマの印象を組成物に付与する方法を提供する。
【0011】
さらに別の態様では、本発明は、少なくとも1種の式(I)
【0012】
【化3】
(式中、
R1は、直鎖又は分枝鎖の非置換C2~C5アルキル及び非置換C3~C5シクロアルキルからなる群から選択される;)
の化合物又はその塩若しくはその立体異性体、及び
(i)少なくとも1種の香料、又は
(ii)少なくとも1種の非香料キャリア、又は
(iii)(i)と(ii)の両方
を含む組成物を提供する。
【0013】
さらに別の態様では、本発明は、式(I)
【0014】
【化4】
(式中、
R1は、直鎖又は分枝鎖の非置換C1~C5アルキル及び非置換C3~C5シクロアルキルからなる群から選択される;)
の化合物又はその塩若しくはその立体異性体;及び
4-メチル-2-(2-メチルプロピル)オキサン-4-オール
を含む、混合物に関する。
【0015】
さらなる態様では、本発明は、上記混合物の、アロマの印象を組成物に付与するための使用に関する。
【0016】
さらなる態様では、本発明は、
(i)上記混合物
(ii)少なくとも1種の香料、又は
(iii)少なくとも1種の非香料キャリア、又は
(iv)(ii)と(iii)の両方
を含む組成物に関する。
【0017】
さらに別の態様では、本発明は、式(I')
【0018】
【化5】
(式中、
R1'は、直鎖又は分枝鎖の-CH2CH2CH3、-CH(CH3)(C2H5)、-CH2CH(CH3)2及び-CH2CH2CH2CH3からなる群から選択される;)
の化合物又はその塩若しくはその立体異性体を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の詳細な説明は、本質的に例示に過ぎず、本願発明又は本願発明の適用及び使用を限定する意図はない。さらに、先行する技術分野、背景、概要又は以下の詳細な説明に提示されたいかなる理論にも拘束されることを意図していない。
【0020】
本明細書で使用する場合の「含む(comprising)」、「含む(comprises)」及び「構成される(comprised of)」という用語は、「含む(including)」、「含む(includes)」又は「含有する(containing)」、「含有する(contain)」と同義であり、包括的又はオープンエンドであって、追加の記載されていない部材、要素又は方法工程を排除するものではない。本明細書で使用する場合の「含む(comprising)」、「含む(comprises)」及び「構成される(comprised of)」という用語が、「からなる(consisting of)」、「からなる(consists)」及び「からなる(consists of)」という用語を含むことが理解されるであろう。
【0021】
さらに、明細書及び特許請求の範囲における「(a)」、「(b)」、「(c)」、「(d)」等及び類似の用語は、類似の要素を区別するために使用されており、必ずしも連続的又は時系列的な順序を記述するためのものではない。理解すべきことであるが、このように使用される用語は、適切な状況下では互換的であり、本明細書に記載された主題の実施形態は、本明細書に記載又は図示された以外の順序で操作可能である。「(A)」、「(B)」及び「(C)」又はAA)、BB)及びCC)又は「(a)」、「(b)」、「(c)」、「(d)」、「(i)」、「(ii)」等の用語が方法又は使用又はアッセイの工程に関する場合、本明細書で上記又は下記に記載の適用において別段の指示がない限り、工程間に、時間又は時間間隔コヒーレンス(time interval coherence)が存在せず、すなわち、工程は、同時に実施されてもよく、そのような工程間に数秒、数分、数時間、数日、数週、数カ月、さらには数年の時間間隔があってもよい。
【0022】
以下の文章では、主題の様々な態様がより詳細に定義される。そのように定義される各態様は、そうでないことが明確に示されない限り、他のいずれの態様と組み合わせてもよい。特に、好ましい又は有利であると示された特徴はいずれも、好ましい又は有利であると示された他のいずれの特徴と組み合わせてもよい。
【0023】
本明細書を通じて「一実施形態」又は「実施形態」又は「好ましい実施形態」に言及することは、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造又は特性が、本願発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。よって、本明細書全体を通して様々な場所での「一実施形態において」又は「好ましい実施形態において(In a preferred embodiment)」又は「好ましい実施形態において(in a preferred embodiment)」というフレーズの出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指しているわけではないが、指している場合もある。さらに、1以上の実施形態において、当業者には本開示から明らかなように、特徴、構造又は特性をあらゆる適切な方法で組み合わせてもよい。さらに、本明細書に記載されたいくつかの実施形態は、他の実施形態に含まれるいくつかの特徴を含むが他の特徴を含まず、異なる実施形態の特徴の組合せは、当業者に理解されるように、主題の範囲内であり、異なる実施形態を形成することを意味する。例えば、添付の特許請求の範囲では、請求された実施形態のいずれかが任意の組合せで使用される。
【0024】
さらに、本明細書全体を通して定義される範囲は、端の値も含み、すなわち、1~10の範囲は、1と10の両方が範囲に含まれることを意味する。疑義を回避するため、出願人は適用される法律に従ってあらゆる均等物に対する権利を有するものとする。
【0025】
定義
本発明の文脈では、「アロマ」という用語は、知覚特性を指し、匂い及び/又は香味を含む。
【0026】
「香料」という用語は、感覚的又は官能的(本明細書で互換的に使用される)印象を得るために使用される物質を表し、嗅覚及び/又は香味の印象を得るためのその使用を含む。「嗅覚の印象」という用語は、あらゆる肯定的又は否定的判断のない匂いの印象を表す一方、本明細書で使用する場合の「香りの印象」又は「フレグランスの印象」又は「アロマの印象」(本明細書で互換的に使用される)という用語は、感じのよいものとして一般に感じられる匂いの印象に関係する。よって、「フレグランス」又は「香り」は、感じのよい匂いの印象を優位に引き起こす香料を表す。香味は、味の印象を引き起こす。
【0027】
本明細書で使用する場合の「アロマ組成物」という用語は、アロマを引き起こす組成物を指す。アロマ組成物という用語は、「匂い組成物」及び/又は「香味組成物」を含む。匂い組成物は、匂いの印象を優位に引き起こす組成物であり、香味組成物は、味の印象を優位に引き起こす組成物である。
【0028】
「匂い組成物」という用語は、感じのよいものとして一般に感じられる匂いの印象を優位に引き起こす「フレグランス組成物」又は「香り組成物」(本明細書で互換的に使用される)を含む。
【0029】
「都合のよい感覚特性」又は「都合のよい官能的特性」という、一般的な快楽表現は、香料により伝えられる官能的印象の心地よさ(niceness)及び簡明さ(conciseness)を説明する。「心地よさ」及び「簡明さ」は、当業者、例えば香料製造者になじみ深い用語である。心地よさは、一般に、自然にもたらされ、肯定的に知覚される、感じのよい感覚印象を指す。しかしながら、「心地よい」は、「甘い(sweet)」と同義である必要はない。「心地よい」はまた、ジャコウ(musk)又はビャクダン(sandalwood)の匂いであってもよい。「簡明さ」は、一般に、同じ試験パネルに対して、特定の何かを再現性よく同一に思い出させる、自然にもたらされる感覚印象を指す。例えば、物質は、「リンゴ」の匂いを自然に連想させる匂いを有することができ、それゆえ、その匂いは、簡明に「リンゴ」の匂いになるであろう。このリンゴの匂いが、例えば、甘く、完熟したリンゴを連想させるので非常に感じのよかった場合は、その匂いは「心地よい」と呼ばれるであろう。しかしながら、典型的には、酸味のあるリンゴの匂いも、簡明になり得る。両方の反応が、物質の匂い、この例ではしたがって心地よく簡明なリンゴの匂いをかぐ際に発生する場合、この物質は、特に都合のよい感覚特性を有する。
【0030】
「~の組合せ」、「~と組み合わせて」又は「~と組み合わせる」という表現は、本明細書において組成物、方法又は2種の化合物の使用に言及して使用する場合、2種の化合物が前記化合物の物理的混合物の形態で使用される必要はなく、別々に使用(例えば添加)できるという事実を考慮するものである。化合物を別々に使用する場合、それらは、任意の順序で逐次(すなわち、次々に)、又は同時に(すなわち、基本的に同じ時点に)使用(例えば添加)できる。
【0031】
「ブーストする」又は「ブースト」という用語は、本明細書においては、香料又は組成物のアロマを増強及び/又は変更する効果について記載するために使用される。「増強する」という用語は、アロマの心地よさ及び/又は簡明さを向上させること、及び/又は強さを向上させることを含む。「変更する」という用語は、アロマプロファイルを変化させることを含む。
【0032】
強さは、しきい値測定により測定できる。匂いのしきい値は、もはやそれを定義する必要はないが、匂いの印象が代表的な試験パネルにより依然としてちょうど知覚できる関連する気体空間中の物質の濃度である。
【0033】
ブースター効果は、トップノートが特徴的な用途が要求される場合にフレグランス組成物に特に望まれ、ここで、匂いは、例えばデオドラント、エアフレッシュナーにおいて、又はチューインガムの味の部門において、特に迅速且つ強く伝えられ得る。
【0034】
「本発明は~に関する」及び「本発明は~を対象とする」という用語は、本発明を通じて同義で使用される。
【0035】
「化合物」及び「物質」という用語は、本発明を通じて同義で使用される。
【0036】
「保持力」という用語は、香料の経時的蒸発挙動について記載している。保持力は、例えば、香料を試験紙に塗布すること、及びその後の試験紙の匂いの印象の嗅覚評価により判定できる。保持力が高い香料の場合、パネルが依然としてアロマの印象を識別できる期間が長い。
【0037】
「持続性」という用語は、特に後に表面を処理した後、例えば洗浄した後の、香料と表面、例えば皮膚又は繊維製品の相互作用について記載している。持続性は、例えば、繊維製品を、香料を含む繊維用洗剤組成物で洗浄すること、並びに後に、洗浄直後の繊維製品の嗅覚評価(湿った繊維製品)及び長期保管後の乾燥した繊維製品の評価により判定できる。
【0038】
「安定性」という用語は、酸素、光及び/又は他の物質と接触した際の香料の挙動について記載している。高い安定性を有する香料は、長期間にわたり、好ましくは多様な組成物で、及び様々な保存条件下で、そのアロマプロファイルを維持する。
【0039】
長続きするアロマの印象を組成物又は組成物で処理した表面に付与するため、保持力、持続性及び組成物中での香料の安定性を好ましくは高くすべきである。
【0040】
使用及び方法
本発明の一実施形態は、式(I)
【0041】
【化6】
(式中、
R1は、直鎖又は分枝鎖の非置換C1~C5アルキル及び非置換C3~C5シクロアルキルからなる群から選択される;)
の化合物又はその塩若しくはその立体異性体の、アロマの印象を組成物に付与するための使用を対象とする。
【0042】
本発明の一実施形態は、式(I)
【0043】
【化7】
(式中、
R1は、直鎖又は分枝鎖の非置換C1~C5アルキル及び非置換C3~C5シクロアルキルからなる群から選択される;)
の化合物又はその塩若しくはその立体異性体を組成物に添加する工程を少なくとも含む、アロマの印象を組成物に付与する方法を対象とする。
【0044】
好ましい実施形態において、R1は、-CH3、-CH2CH3、-CH2CH2CH3、-CH(CH3)2、-CH(CH3)(C2H5)、-CH2CH(CH3)2、-CH2CH2CH2CH3及びシクロプロピルからなる群から選択され、より好ましくは、R1は、-CH3、-CH2CH3、-CH(CH3)2、-CH(CH3)(C2H5)及び-CH2CH(CH3)2からなる群から選択される。
【0045】
さらに別の好ましい実施形態において、組成物は、芳香組成物、ボディケア組成物、衛生用品、洗浄組成物、繊維用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物及び作物保護組成物から選択される。
【0046】
一実施形態において、印象は、フラワリーノートである。一実施形態において、印象はマリーンノートである。一実施形態において、印象はグリーンノートである。一実施形態において、印象はスウィートノートである。一実施形態において、印象はラバリーノートである。一実施形態において、印象はナッティーノートである。一実施形態において、印象はウッディノートである。一実施形態において、印象はダスティノートである。一実施形態において、印象はルーティーノートである。一実施形態において、印象はレモンノートである。
【0047】
好ましい実施形態において、式(I)の化合物又はその塩若しくは立体異性体は、組成物の総重量に対して0.01wt%以上~70.0wt%以下の範囲、より好ましくは0.05wt%以上~60.0wt%以下の範囲、特に0.1wt%以上~50.0wt%以下の範囲の量で存在する。さらに別の好ましい実施形態において、式(I)の化合物又はその塩若しくは立体異性体は、組成物の総重量に対して0.05wt%~10wt%の範囲、より好ましくは0.1wt%~5wt%の範囲、なおより好ましくは0.2wt%~3wt%の範囲、最も好ましくは20wt%~70wt%の範囲、特に25wt%~50wt%の範囲の量で存在する。
【0048】
組成物
本願発明の一実施形態は、少なくとも1種の式(I)
【0049】
【化8】
(式中、
R1は、直鎖又は分枝鎖の非置換C2~C5アルキル及び非置換C3~C5シクロアルキルからなる群から選択される;)
の化合物又はその塩若しくはその立体異性体、及び
(i)少なくとも1種の香料、又は
(ii)少なくとも1種の非香料キャリア、又は
(iii)(i)と(ii)の両方
を含む組成物を対象とする。
【0050】
好ましい実施形態において、R1は、-CH2CH3、-CH2CH2CH3、-CH(CH3)2、-CH(CH3)(C2H5)、-CH2CH(CH3)2、-CH2CH2CH2CH3、シクロプロピル及びシクロブチルからなる群から選択される。さらに別の好ましい実施形態において、R1は、-CH2CH3、-CH2CH2CH3、-CH(CH3)2、-CH(CH3)(C2H5)、-CH2CH(CH3)2及び-CH2CH2CH2CH3からなる群から選択される。さらに別の好ましい実施形態において、R1は、シクロプロピル及びシクロブチルからなる群から選択される。
【0051】
さらに別の好ましい実施形態において、少なくとも1種の香料(i)は、ゲラニルアセテート、アルファ-ヘキシルシンナムアルデヒド、2-フェノキシエチルイソブチレート、ジヒドロミルセノール、メチルジヒドロジャスモネート、4,6,6,7,8,8-ヘキサメチル-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロシクロペンタ[g]ベンゾピラン、テトラヒドロリナロール、エチルリナロール、ベンジルサリチレート、2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール、シンナミルアルコール、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5-インデニルアセテート及び/又は4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-6-インデニルアセテート、シトロネロール、シトロネリルアセテート、テトラヒドロゲラニオール、バニリン、リナリルアセテート、スチロリルアセテート、オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-アセトナフトン及び/又は2-アセチル-1,2,3,4,6,7,8-オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチルナフタレン、ヘキシルサリチレート、4-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート、2-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート、アルファ-イオノン、n-アルファ-メチルイオノン、アルファ-イソメチルイオノン、クマリン、テルピニルアセテート、2-フェニルエチルアルコール、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセンカルボキサルデヒド、アルファ-アミルシンナムアルデヒド、エチレンブラシレート、(E)-及び/又は(Z)-3-メチルシクロペンタデカ-5-エノン、15-ペンタデカ-11-エノリド及び/又は15-ペンタデカ-12-エノリド、15-シクロペンタデカノリド、1-(5,6,7,8-テトラヒドロ-3,5,5,6,8,8-ヘキサメチル-2-ナフタレニル)エタノン、2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール、cis-3-ヘキセニルアセテート、trans-3-ヘキセニルアセテート、trans-2/cis-6-ノナジエノール、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルボキサルデヒド、2,4,4,7-テトラメチルオクタ-6-エン-3-オン、2,6-ジメチル-5-ヘプテン-1-アール、ボルネオール、3-(3-イソプロピルフェニル)ブタナール、2-メチル-3-(3,4-メチレンジオキシフェニル)プロパナール、3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール、7-メチル-2H-1,5-ベンゾジオキセピン-3(4H)-オン、3,3,5-トリメチルシクロヘキシルアセテート、2,5,5-トリメチル-1,2,3,4,4a,5,6,7-オクタヒドロナフタレン-2-オール、3-(4-tert-ブチルフェニル)-プロパナール、エチル2-メチルペンタノエート、エトキシメトキシシクロドデカン、2,4-ジメチル-4,4a,5,9b-テトラヒドロインデノ[1,2-d][1,3]ジオキシン、(2-tert-ブチルシクロヘキシル)アセテート、並びに3-[5,5,6-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル]シクロヘキサン-1-オールからなる群から選択される。
【0052】
さらに別の好ましい実施形態において、少なくとも1種の香料(i)は、メチルベンゾエート、ベンジルアセテート、ゲラニルアセテート、2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール、リナロール、2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール及びメチルベンゾエートからなる群から選択される。
【0053】
さらに別の好ましい実施形態において、少なくとも1種の香料(i)は、エチルバニリン、バニリン、2,5-ジメチル-4-ヒドロキシ-2H-フラン-3-オン(フラネオール)又は3-ヒドロキシ-2-メチル-4H-ピラン-4-オン(マルトール)からなる群から選択される。
【0054】
式(I)の化合物と組み合わせて本願発明による組成物を与え得るさらなる香料は、例えば、自費出版されたS. Arctander、Perfume and Flavor Chemicals、第I巻及び第II巻、Montclair, N. J.、1969又はK. Bauer、D. Garbe及びH. Surburg、Common Fragrance and Flavor Materials、第4版、Wiley- VCH、Weinheim 2001において見出すことができる。具体的には、
【0055】
天然原料から得た抽出物、例えば精油、凝固物、アブソリュート、樹脂、レジノイド、バルサム、チンキ、例えば、
【0056】
アンバーグリスチンキ、アミリス油、アンゼリカ種油、アンゼリカ根油、アニス油、吉草根油、メボウキ油、ウッドモスアブソリュート、ベイ油、ヨモギ油、ベンゾイン樹脂、ベルガモット油、蜜蝋アブソリュート、バーチタール油、ビターアーモンド油、セイバリー油、ブークリーフ油、カブリューバ油、カデ油、ショウブ油、ショウノウ油、カナンガ油、カルダモン油、カスカリラ油、カッシャ油、カッシャアブソリュート、カストリュームアブソリュート、シダーリーフ油、シダーウッド油、ゴジアオイ油、シトロネラ油、レモン油、コパイババルサム、コパイババルサム油、コリアンダー油、コスタスルート油、クミン油、シプレス油、ダバナ油、イノンドハーブ油、イノンド種子油、オードブルアブソリュート(Eau de brouts absolute)、オークモスアブソリュート、エレミ油、エストラゴン油、ユーカリプトスシトリオドラ油、ユーカリ油、ウイキョウ油、松葉油、ガルバナム油、ガルバナム樹脂、ゼラニウム油、グレープフルーツ油、グアヤックウッド油、ガージャンバルサム、ガージャンバルサム油、ムギワラギクアブソリュート、ムギワラギク油、ショウガ油、イリス根アブソリュート、イリス根油、ジャスミンアブソリュート、ショウブ油、ブルーカモミル油、ローマカモミール油、ニンジン種子油、カスカリラ油、松葉油、スペアミント油、キャラウェー油、ラブダナム油、ラブダナムアブソリュート、ラブダナム樹脂、ラバンジンアブソリュート、ラバンジン油、ラベンダーアブソリュート、ラベンダー油、レモングラス油、ロベージ油、蒸留ライム油、圧搾ライム油、リナロール油、リトセアキュベバ油、ローレル(laurel)リーフ油、メース油、マジョラム油、マンダリン油、マッソイバーク油、ミモザアブソリュート、ジャコウ種子油、ジャコウチンキ、クラリセージ油、ナツメグ油、ミルラアブソリュート、ミルラ油、ミルテ油、丁子葉油、丁子花油、ネロリ油、乳香アブソリュート、乳香油、オポパナックス(opopanax)油、オレンジフラワーアブソリュート、オレンジ油、オリガナム油、パルマローザ油、パッチュリ油、エゴマ油、ペルーバルサム油、パセリ葉油、パセリ種子油、プチグレン油、ペパーミント油、胡椒油、ピメント油、パイン油、ペニーローヤル油、ローズアブソリュート、ボアドローズ油、ローズ油、ローズマリー油、ダルマチアセージ油、スペインセージ油、白檀油、セロリ種子油、スパイクラベンダー油、スターアニス油、エゴ油、タゲテス油、ファーニードル油、ティーツリー油、テレピン油、タイム油、トルーバルサム、トンカアブソリュート、チュベローズアブソリュート、バニラ抽出物、バイオレットリーフアブソリュート、バーベナ油、ベチバ油、ジュニパーベリー油、ワイン澱油、アブサン油、ウィンターグリーン(winter green)油、ヒソップ油、シベットアブソリュート、シナモンリーフ油、シナモンバーク油及びこれらの画分又はこれらから単離される成分、
【0057】
炭化水素の群からの個別のフレグランス、例えば3-カレン、アルファ-ピネン、ベータ-ピネン、アルファ-テルピネン、ガンマ-テルピネン、p-シメン、ビサボレン、カンフェン、カリオフィレン、セドレン、ファルネセン、リモネン、ロンギフォレン、ミルセン、オシメン、バレンセン、(E,Z)-1,3,5-ウンデカトリエン、スチレン、ジフェニルメタン、
【0058】
脂肪族アルコール、例えばヘキサノール、オクタノール、3-オクタノール、2,6-ジメチルヘプタノール、2-メチル-2-ヘプタノール、2-メチル-2-オクタノール、(E)-2-ヘキセノール、(E)-及び(Z)-3-ヘキセノール、1-オクテン-3-オール、3,4,5,6,6-ペンタメチル-3/4-ヘプテン-2-オールと3,5,6,6-テトラメチル-4-メチレンヘプタン-2-オールとの混合物、(E,Z)-2,6-ノナジエノール、3,7-ジメチル-7-メトキシオクタン-2-オール、9-デセノール、10-ウンデセノール、4-メチル-3-デセン-5-オール、
【0059】
脂肪族アルデヒド及び脂肪族アルデヒドのアセタール、例えばヘキサナール、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、ウンデカナール、ドデカナール、トリデカナール、2-メチルオクタナール、2-メチルノナナール、(E)-2-ヘキセナール、(Z)-4-ヘプテナール、2,6-ジメチル-5-ヘプテナール、10-ウンデセナール、(E)-4-デセナール、2-ドデセナール、2,6,10-トリメチル-9-ウンデセナール、2,6,10-トリメチル-5,9-ウンデカジエナール、ヘプタナールジエチルアセタール、1,1-ジメトキシ-2,2,5-トリメチル-4-ヘキセン、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、(E/Z)-1-(1-メトキシプロポキシ)-ヘキサ-3-エン、脂肪族ケトン及び脂肪族ケトンのオキシム、例えば2-ヘプタノン、2-オクタノン、3-オクタノン、2-ノナノン、5-メチル-3-ヘプタノン、5-メチル-3-ヘプタノンオキシム、2,4,4,7-テトラメチル-6-オクテン-3-オン、6-メチル-5-ヘプテン-2-オン、
【0060】
脂肪族硫黄含有化合物、例えば3-メチルチオヘキサノール、3-メチルチオヘキシルアセテート、3-メルカプトヘキサノール、3-メルカプトヘキシルアセテート、3-メルカプトヘキシルブチレート、3-アセチルチオヘキシルアセテート、1-メンテン-8-チオール、
【0061】
脂肪族ニトリル、例えば2-ノネンニトリル、2-ウンデセンニトリル、2-トリデセンニトリル、3,12-トリデカジエンニトリル、3,7-ジメチル-2,6-オクタジエンニトリル、3,7-ジメチル-6-オクテンニトリル、
【0062】
脂肪族カルボン酸のエステル、例えば(E)-及び(Z)-3-ヘキセニルホルメート、エチルアセトアセテート、イソアミルアセテート、ヘキシルアセテート、3,5,5-トリメチルヘキシルアセテート、3-メチル-2-ブテニルアセテート、(E)-2-ヘキセニルアセテート、(E)-及び(Z)-3-ヘキセニルアセテート、オクチルアセテート、3-オクチルアセテート、1-オクテン-3-イルアセテート、エチルブチレート、ブチルブチレート、イソアミルブチレート、ヘキシルブチレート、(E)-及び(Z)-3-ヘキセニルイソブチレート、ヘキシルクロトネート、エチルイソバレレート、エチル2-メチルペンタノエート、エチルヘキサノエート、アリルヘキサノエート、エチルヘプタノエート、アリルヘプタノエート、エチルオクタノエート、エチル(E,Z)-2,4-デカジエノエート、メチル2-オクチネート、メチル2-ノニネート、アリル2-イソアミルオキシアセテート、メチル-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエノエート、4-メチル-2-ペンチルクロトネート、
【0063】
非環式テルペンアルコール、例えばゲラニオール、ネロール、リナロール、ラバンジュロール、ネロリドール、ファルネソール、テトラヒドロリナロール、2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール、2,6-ジメチルオクタン-2-オール、2-メチル-6-メチレン-7-オクテン-2-オール、2,6-ジメチル-5,7-オクタジエン-2-オール、2,6-ジメチル-3,5-オクタジエン-2-オール、3,7-ジメチル-4,6-オクタジエン-3-オール、3,7-ジメチル-1,5,7-オクタトリエン-3-オール、2,6-ジメチル-2,5,7-オクタトリエン-1-オール、並びにこれらのホルメート、アセテート、プロピオネート、イソブチレート、ブチレート、イソバレレート、ペンタノエート、ヘキサノエート、クロトネート、チグリネート及び3-メチル-2-ブテノエート、
【0064】
非環式テルペンアルデヒド及びケトン、例えばゲラニアール、ネラール、シトロネラール、7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール、7-メトキシ-3,7-ジメチルオクタナール、2,6,10-トリメチル-9-ウンデセナール、ゲラニルアセトン、並びにゲラニアール、ネラール、7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナールのジメチル-及びジエチルアセタール、環状テルペンアルコール、例えばメントール、イソプレゴール、アルファ-テルピネオール、テルピン-4-オール、メンタン-8-オール、メンタン-1-オール、メンタン-7-オール、ボルネオール、イソボルネオール、リナロールオキシド、ノポール、セドロール、アンブリノール、ベチベロール、グアイオール(guajol)、並びにこれらのホルメート、アセテート、プロピオネート、イソブチレート、ブチレート、イソバレレート、ペンタノエート、ヘキサノエート、クロトネート、チグリネート及び3-メチル-2-ブテノエート、
【0065】
環状テルペンアルデヒド及びケトン、例えばメントン、イソメントン、8-メルカプトメンタン-3-オン、カルボン、ショウノウ、フェンコン、アルファ-イオノン、ベータ-イオノン、アルファ-n-メチルイオノン、ベータ-n-メチルイオノン、アルファ-イソメチルイオノン、ベータ-イソメチルイオノン、アルファ-イロン、アルファ-ダマスコン、ベータ-ダマスコン、ベータ-ダマセノン、デルタ-ダマスコン、ガンマ-ダマスコン、1-(2,4,4-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、1,3,4,6,7,8a-ヘキサヒドロ-1,1,5,5-テトラメチル-2H-2,4a-メタノナフタレン-8(5H)-オン、2-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテナール、ノートカトン、ジヒドロノートカトン、4,6,8-メガスチグマトリエン-3-オン、アルファ-シネンサール、ベータ-シネンサール、アセチル化シダーウッド油(メチルセドリルケトン)、
【0066】
環状アルコール、例えば4-tert-ブチルシクロヘキサノール、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノール、3-イソカンフィルシクロヘキサノール、2,6,9-トリメチル-Z2,Z5,E9-シクロドデカトリエン-1-オール、2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール、
【0067】
脂環式アルコール、例えばアルファ-3,3-トリメチルシクロヘキシルメタノール、1-(4-イソプロピルシクロヘキシル)エタノール、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)ブタノール、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-2-ブテン-1-オール、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-2-ブテン-1-オール、3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)ペンタン-2-オール、3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-4-ペンテン-2-オール、3,3-ジメチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-4-ペンテン-2-オール、1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ペンタン-3-オール、1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ヘキサン-3-オール、
【0068】
環状及び脂環式エーテル、例えばシネオール、セドリルメチルエーテル、シクロドデシルメチルエーテル、1,1-ジメトキシシクロドデカン、(エトキシメトキシ)シクロドデカン、アルファ-セドレンエポキシド、3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン、3a-エチル-6,6,9a-トリメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン、1,5,9-トリメチル-13-オキサビシクロ-[10.1.0]トリデカ-4,8-ジエン、ローズオキシド、2-(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-5-メチル-5-(1-メチルプロピル)-1,3-ジオキサン、
【0069】
環状及び大環状ケトン、例えば4-tert-ブチルシクロヘキサノン、2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン、2-ヘプチルシクロペンタノン、2-ペンチルシクロペンタノン、2-ヒドロキシ-3-メチル-2-シクロペンテン-1-オン、3-メチル-cis-2-ペンテン-1-イル-2-シクロペンテン-1-オン、3-メチル-2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン、3-メチル-4-シクロペンタデセノン、3-メチル-5-シクロペンタデセノン、3-メチルシクロペンタデカノン、4-(1-エトキシビニル)-3,3,5,5-テトラメチルシクロヘキサノン、4-tert-ペンチルシクロヘキサノン、5-シクロヘキサデセン-1-オン、6,7-ジヒドロ-1,1,2,3,3-ペンタメチル-4(5H)-インダノン、8-シクロヘキサデセン-1-オン、7-シクロヘキサデセン-1-オン、(7/8)-シクロヘキサデセン-1-オン、9-シクロヘプタデセン-1-オン、シクロペンタデカノン、シクロヘキサデカノン、
【0070】
脂環式アルデヒド、例えば2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルバルデヒド、2-メチル-4-(2,2,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)-2-ブテナール、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセンカルバルデヒド、4-(4-メチル-3-ペンテン-1-イル)-3-シクロヘキセンカルバルデヒド、
【0071】
脂環式ケトン、例えば1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)-4-ペンテン-1-オン、2,2-ジメチル-1-(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-1-プロパノン、1-(5,5-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン、2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2-ナフタレニルメチルケトン、メチル2,6,10-トリメチル-2,5,9-シクロドデカトリエニルケトン、tert-ブチル(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)ケトン、
【0072】
環状アルコールのエステル、例えば2-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート、4-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート、2-tert-ペンチルシクロヘキシルアセテート、4-tert-ペンチルシクロヘキシルアセテート、3,3,5-トリメチルシクロヘキシルアセテート、デカヒドロ-2-ナフチルアセテート、2-シクロペンチルシクロペンチルクロトネート、3-ペンチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアセテート、デカヒドロ-2,5,5,8a-テトラメチル-2-ナフチルアセテート、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5又は6-インデニルアセテート、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5又は6-インデニルプロピオネート、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5又は6-インデニルイソブチレート、4,7-メタノオクタヒドロ-5又は6-インデニルアセテート、
【0073】
脂環式アルコールのエステル、例えば1-シクロヘキシルエチルクロトネート、
【0074】
脂環式カルボン酸のエステル、例えばアリル3-シクロヘキシルプロピオネート、アリルシクロヘキシルオキシアセテート、cis-及びtrans-メチルジヒドロジャスモネート、cis-及びtrans-メチルジャスモネート、メチル2-ヘキシル-3-オキソシクロペンタンカルボキシレート、エチル2-エチル-6,6-ジメチル-2-シクロヘキセンカルボキシレート、エチル2,3,6,6-テトラメチル-2-シクロヘキセンカルボキシレート、エチル2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-アセテート、
【0075】
芳香脂肪族アルコール、例えばベンジルアルコール、1-フェニルエチルアルコール、2-フェニルエチルアルコール、3-フェニルプロパノール、2-フェニルプロパノール、2-フェノキシエタノール、2,2-ジメチル-3-フェニルプロパノール、2,2-ジメチル-3-(3-メチルフェニル)プロパノール、1,1-ジメチル-2-フェニルエチルアルコール、1,1-ジメチル-3-フェニルプロパノール、1-エチル-1-メチル-3-フェニルプロパノール、2-メチル-5-フェニルペンタノール、3-メチル-5-フェニルペンタノール、3-フェニル-2-プロペン-1-オール、4-メトキシベンジルアルコール、1-(4-イソプロピルフェニル)エタノール、
【0076】
芳香脂肪族アルコール及び脂肪族カルボン酸のエステル、例えばベンジルアセテート、ベンジルプロピオネート、ベンジルイソブチレート、ベンジルイソバレレート、2-フェニルエチルアセテート、2-フェニルエチルプロピオネート、2-フェニルエチルイソブチレート、2-フェニルエチルイソバレレート、1-フェニルエチルアセテート、アルファ-トリクロロメチルベンジルアセテート、アルファ,アルファ-ジメチルフェニルエチルアセテート、アルファ,アルファ-ジメチルフェニルエチルブチレート、シンナミルアセテート、2-フェノキシエチルイソブチレート、4-メトキシベンジルアセテート、
【0077】
芳香脂肪族エーテル、例えば2-フェニルエチルメチルエーテル、2-フェニルエチルイソアミルエーテル、2-フェニルエチル1-エトキシエチルエーテル、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、フェニルアセトアルデヒドジエチルアセタール、ヒドロアトロパアルデヒドジメチルアセタール、フェニルアセトアルデヒドグリセロールアセタール、2,4,6-トリメチル-4-フェニル-1,3-ジオキサン、4,4a,5,9b-テトラヒドロインデノ[1,2-d]-m-ジオキシン、4,4a,5,9b-テトラヒドロ-2,4-ジメチルインデノ[1,2-d]-m-ジオキシン、
【0078】
芳香族及び芳香脂肪族アルデヒド、例えばベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、3-フェニルプロパナール、ヒドロアトロパアルデヒド、4-メチルベンズアルデヒド、4-メチルフェニルアセトアルデヒド、3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール、2-メチル-3-(4-イソプロピルフェニル)プロパナール、2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール、2-メチル-3-(4-イソブチルフェニル)プロパナール、3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール、シンナムアルデヒド、アルファ-ブチルシンナムアルデヒド、アルファ-アミルシンナムアルデヒド、アルファ-ヘキシルシンナムアルデヒド、3-メチル-5-フェニルペンタナール、4-メトキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-3-エトキシベンズアルデヒド、3,4-メチレンジオキシベンズアルデヒド、3,4-ジメトキシベンズアルデヒド、2-メチル-3-(4-メトキシフェニル)プロパナール、2-メチル-3-(4-メチレンジオキシフェニル)プロパナール、
【0079】
芳香族及び芳香脂肪族ケトン、例えばアセトフェノン、4-メチルアセトフェノン、4-メトキシアセトフェノン、4-tert-ブチル-2,6-ジメチルアセトフェノン、4-フェニル-2-ブタノン、4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン、1-(2-ナフタレニル)エタノン、2-ベンゾフラニルエタノン、(3-メチル-2-ベンゾフラニル)エタノン、ベンゾフェノン、1,1,2,3,3,6-ヘキサメチル-5-インダニルメチルケトン、6-tert-ブチル-1,1-ジメチル-4-インダニルメチルケトン、1-[2,3-ジヒドロ-1,1,2,6-テトラメチル-3-(1-メチルエチル)-1H-5-インデニル]エタノン、5',6',7',8'-テトラヒドロ-3',5',5',6',8',8'-ヘキサメチル-2-アセトナフトン、
【0080】
芳香族及び芳香脂肪族カルボン酸並びに芳香族及び芳香脂肪族カルボン酸のエステル、例えば安息香酸、フェニル酢酸、メチルベンゾエート、エチルベンゾエート、ヘキシルベンゾエート、ベンジルベンゾエート、メチルフェニルアセテート、エチルフェニルアセテート、ゲラニルフェニルアセテート、フェニルエチルフェニルアセテート、メチルシンナメート、エチルシンナメート、ベンジルシンナメート、フェニルエチルシンナメート、シンナミルシンナメート、アリルフェノキシアセテート、メチルサリチレート、イソアミルサリチレート、ヘキシルサリチレート、シクロヘキシルサリチレート、cis-3-ヘキセニルサリチレート、ベンジルサリチレート、フェニルエチルサリチレート、メチル2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチルベンゾエート、エチル3-フェニルグリシデート、エチル3-メチル-3-フェニルグリシデート、
【0081】
窒素含有芳香族化合物、例えば2,4,6-トリニトロ-1,3-ジメチル-5-tert-ブチルベンゼン、3,5-ジニトロ-2,6-ジメチル-4-tert-ブチルアセトフェノン、シンナモニトリル、3-メチル-5-フェニル-2-ペンテノニトリル、3-メチル-5-フェニルペンタノニトリル、メチルアントラニレート、メチル-N-メチルアントラニレート、メチルアントラニレートと7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール、2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール又は2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルバルデヒドとのシッフ塩基、6-イソプロピルキノリン、6-イソブチルキノリン、6-sec-ブチルキノリン、2-(3-フェニルプロピル)ピリジン、インドール、スカトール、2-メトキシ-3-イソプロピルピラジン、2-イソブチル-3-メトキシピラジン、
【0082】
フェノール、フェニルエーテル及びフェニルエステル、例えばエストラゴール、アネトール、オイゲノール、オイゲニルメチルエーテル、イソオイゲノール、イソオイゲニルメチルエーテル、チモール、カルバクロール、ジフェニルエーテル、ベータ-ナフチルメチルエーテル、ベータ-ナフチルエチルエーテル、ベータ-ナフチルイソブチルエーテル、1,4-ジメトキシベンゼン、オイゲニルアセテート、2-メトキシ-4-メチルフェノール、2-エトキシ-5-(1-プロペニル)フェノール、p-クレシルフェニルアセテート、
【0083】
複素環式化合物、例えば2,5-ジメチル-4-ヒドロキシ-2H-フラン-3-オン、2-エチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-2H-フラン-3-オン、3-ヒドロキシ-2-メチル-4H-ピラン-4-オン、2-エチル-3-ヒドロキシ-4H-ピラン-4-オン、
【0084】
ラクトン、例えば1,4-オクタノリド、3-メチル-1,4-オクタノリド、1,4-ノナノリド、1,4-デカノリド、8-デセン-1,4-オリド、1,4-ウンデカノリド、1,4-ドデカノリド、1,5-デカノリド、1,5-ドデカノリド、4-メチル-1,4-デカノリド、1,15-ペンタデカノリド、cis-及びtrans-11-ペンタデセン-1,15-オリド、cis-及びtrans-12-ペンタデセン-1,15-オリド、1,16-ヘキサデカノリド、9-ヘキサデセン-1,16-オリド、10-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド、11-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド、12-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド、エチレン1,12-ドデカンジオエート、エチレン1,13-トリデカンジオエート、クマリン、2,3-ジヒドロクマリン、オクタヒドロクマリン
を挙げることができる。
【0085】
好ましい実施形態において、少なくとも1種の非香料キャリア(ii)は、界面活性剤、油成分、抗酸化剤、デオドラント活性剤及び溶媒からなる群から選択される。
【0086】
本願発明の文脈では、「溶媒」は、それ自体がアロマを有さず、本発明によって使用される式(I)の化合物及び/又は組成物の任意のさらなる成分の希釈に役立つ。
【0087】
溶媒(複数可)の量は、組成物に応じて選択される。
【0088】
さらに別の好ましい実施形態において、溶媒は、エタノール、イソプロパノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセロール、プロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチルシトレート及びイソプロピルミリステートからなる群から選択される。
【0089】
さらに別の好ましい実施形態において、溶媒は、組成物中に組成物の総重量に対して0.01wt%~99.0wt%の量、より好ましくは0.05wt%~95.0wt%の量、なおより好ましくは0.1wt%~80.0wt%の量、最も好ましくは0.1wt%~70.0wt%の量、特に0.1wt%~60.0wt%の量で存在する。
【0090】
本発明のさらに別の好ましい実施形態において、組成物は、組成物の総重量に対して0.05wt%~10wt%、より好ましくは0.1wt%~5wt%、なおより好ましくは0.2wt%~3wt%の溶媒(複数可)を含む。本発明のさらに別の好ましい実施形態において、組成物は、組成物の総重量に対して20wt%~70wt%、より好ましくは25wt%~50wt%の溶媒(複数可)を含む。
【0091】
本発明の一実施形態は、式(I)の化合物及び少なくとも1種の油成分を含む組成物を対象とする。
【0092】
好ましい実施形態において、油成分は、組成物の総重量に対して0.1~80wt%、より好ましくは0.5~70wt%の量、なおより好ましくは1~60wt%の量、さらにより好ましくは1~50wt%の量、特に1~40wt%の量、より詳細には5~25wt%の量、具体的には5~15wt%の量で存在する。
【0093】
油成分は例えば、6~18個、好ましくは8~10個の炭素原子を含有する脂肪アルコールを主体としたゲルベアルコール並びに他のさらなるエステル、例えばミリスチルミリステート、ミリスチルパルミテート、ミリスチルステアレート、ミリスチルイソステアレート、ミリスチルオレエート、ミリスチルベヘネート、ミリスチルエルケート、セチルミリステート、セチルパルミテート、セチルステアレート、セチルイソステアレート、セチルオレエート、セチルベヘネート、セチルエルケート、ステアリルミリステート、ステアリルパルミテート、ステアリルステアレート、ステアリルイソステアレート、ステアリルオレエート、ステアリルベヘネート、ステアリルエルケート、イソステアリルミリステート、イソステアリルパルミテート、イソステアリルステアレート、イソステアリルイソステアレート、イソステアリルオレエート、イソステアリルベヘネート、イソステアリルオレエート、オレイルミリステート、オレイルパルミテート、オレイルステアレート、オレイルイソステアレート、オレイルオレエート、オレイルベヘネート、オレイルエルケート、ベヘニルミリステート、ベヘニルパルミテート、ベヘニルステアレート、ベヘニルイソステアレート、ベヘニルオレエート、ベヘニルベヘネート、ベヘニルエルケート、エルシルミリステート、エルシルパルミテート、エルシルステアレート、エルシルイソステアレート、エルシルオレエート、エルシルベヘネート及びエルシルエルケートから選択されてもよい。同様に適しているものは、C18~C38アルキルヒドロキシカルボン酸と直鎖状又は分岐状C6~C22脂肪アルコール、特により特定するとジオクチルマレートとのエステル、直鎖状及び/又は分岐状脂肪酸と多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、ダイマージオール若しくはトリマートリオール)とのエステル、C6~C10脂肪酸を主体としたトリグリセリド、C6~C18脂肪酸を主体とした液体状モノ-、ジ-及びトリグリセリド混合物、C6~C22脂肪アルコール及び/又はゲルベアルコールと芳香族カルボン酸、より特定すると安息香酸とのエステル、ジカルボン酸と2~10個の炭素原子及び2~6個のヒドロキシル基を含有するポリオールとのエステル、植物油、分岐状第一級アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖状及び分岐状C6~C22脂肪アルコールカルボネート、例えばジカプリリルカルボネート(Cetiol(登録商標)CC)、6~18個、好ましくは8~10個の炭素原子を含有する脂肪アルコールを主体としたゲルベカルボネート、安息香酸と直鎖状及び/又は分岐状C6~C22アルコール(例えば、Finsolv(登録商標)TN)とのエステル、アルキル基1個当たり6~22個の炭素原子を含有する直鎖状又は分岐状の対称又は非対称ジアルキルエーテル、例えばジカプリリルエーテル(Cetiol(登録商標)OE)、エポキシ化脂肪酸エステルとポリオール及び炭化水素との開環生成物或いはこれらの混合物である。
【0094】
理解すべきことであるが、抗酸化剤は、酸素の効果及び他の酸化過程によって引き起こされる、保護される組成物における望ましくない変化を阻害又は予防することを可能にする。抗酸化剤の効果は、ほとんどの場合、抗酸化剤が自動酸化中に生じる遊離基に対する遊離基スカベンジャーとして作用することにある。
【0095】
好ましい実施形態において、抗酸化剤は、
- アミノ酸(例えばグリシン、アラニン、アルギニン、セリン、トレオニン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)及びその誘導体、
- イミダゾール(例えばウロカニン酸)及びその誘導体、
- ペプチド、例えばD,L-カルノシン、D-カルノシン、L-カルノシン(=β-アラニル-L-ヒスチジン)及びその誘導体、
- カロテノイド、カロテン(例えばアルファ-カロテン、ベータカロテン、リコペン、ルテイン)又はその誘導体、
- クロロゲン酸及びその誘導体、
- リポ酸及びその誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、
- アウロチオグルコース、プロピルチオウラシル及び他のチオール(例えばチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン並びにそれらのグリコシル、N-アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル及びラウリル、パルミトイル、オレイル、ガンマ-リノレイル、コレステリル及びグリセリルエステル)並びにその塩、
- ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸及びその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド及び塩)、
- スルホキシミン化合物(例えばブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタチオニンスルホキシミン)、
- (金属)キレート剤(例えばアルファ-ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、
- アルファ-ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、
- フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、ボルジン(=植物ペウムス・ボルドゥス(Peumus boldus)からのアルカロイド、ボルドー抽出物、
- EDTA、EGTA及びその誘導体、
- 不飽和脂肪酸及びその誘導体(例えばガンマ-リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、- 葉酸及びその誘導体、
- ユビキノン及びユビキノール並びにその誘導体、
- ビタミンC及び誘導体(例えばアスコルビルパルミテート、Mgアスコルビルホスフェート、アスコルビルアセテート)、
- トコフェロール及び誘導体(例えばビタミンEアセテート)、
- ビタミンA及び誘導体(例えばビタミンAパルミテート)、
- ガムベンゾインのコニフェリルベンゾエート、ルチン酸(rutic acid)及びその誘導体、アルファ-グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、
- ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、
- ノルジヒドログアイアシン酸(nordihydroguaiacic acid)、ノルジヒドログアイアレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸及びその誘導体、マンノース及びその誘導体、
- スーパーオキシドディスムターゼ、
- 亜鉛及びその誘導体(例えばZnO、ZnSO4)、
- セレン及びその誘導体(例えばセレノメチオニン)並びに
- スチルベン及びその誘導体(例えばスチルベンオキシド、trans-スチルベンオキシド)からなる群から選択される。
【0096】
好ましい実施形態では、抗酸化剤は、ペンタエリスリチル、テトラ-ジ-t-ブチルヒドロキシヒドロシンナメート、ノルジヒドログアイアレチン酸、フェルラ酸、レスベラトロール、プロピルガレート、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、アスコルビルパルミテート及びトコフェロールからなる群から選択される。
【0097】
さらに別の好ましい実施形態において、本願発明による組成物は、組成物の総重量に対して0.001~25wt%の量、好ましくは0.005~10wt%の量、より好ましくは0.01~8wt%の量、なおより好ましくは0.025~7wt%の量、さらにより好ましくは0.05~5wt%の量で抗酸化剤を含み得る。
【0098】
消臭組成物(デオドラント及び制汗剤)は、体の匂いを中和する、マスキングする、又は解消する。体の匂いは、アポクリン発汗時の皮膚細菌の作用を介して形成され、これにより、不快な匂いのする分解生成物が形成される。
【0099】
本発明の一実施形態は、したがって、式(I)の化合物及び少なくとも1種のデオドラント活性剤を含む組成物を対象とする。好ましい実施形態において、デオドラント活性剤は、制汗剤、エステラーゼ阻害剤及び抗菌剤からなる群から選択される。
【0100】
適切な制汗剤は、アルミニウム、ジルコニウム又は亜鉛の塩からなる群から選択される。例は、塩化アルミニウム、アルミニウムクロロハイドレート、アルミニウムジクロロハイドレート、アルミニウムセスキクロロハイドレート及び例えば1,2-プロピレングリコールとのその錯体化合物、アルミニウムヒドロキシアラントイネート(aluminium hydroxyallantoinate)、アルミニウムクロリドタルタレート、アルミニウムジルコニウムトリクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムペンタクロロハイドレート及び例えばアミノ酸例としてグリシンとのその錯体化合物である。アルミニウムクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムペンタクロロハイドレート及びその錯体化合物が、好ましくは使用される。
【0101】
好ましい実施形態において、制汗剤は、塩化アルミニウム、アルミニウムクロロハイドレート、アルミニウムジクロロハイドレート、アルミニウムセスキクロロハイドレート、アルミニウムヒドロキシアラントイネート、アルミニウムクロリドタルタレート、アルミニウムジルコニウムトリクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレート及びアルミニウムジルコニウムペンタクロロハイドレートからなる群から選択される。
【0102】
汗がわきの下の領域に存在する場合、細胞外酵素であるエステラーゼ、主にプロテアーゼ及び/又はリパーゼが細菌により形成され、汗に存在するエステルを分裂させ、この工程の際に匂いが放出される。適切なエステラーゼ阻害剤は、例えばトリアルキルシトレート、例としてトリメチルシトレート、トリプロピルシトレート、トリイソプロピルシトレート、トリブチルシトレート、特にトリエチルシトレートである。エステラーゼ阻害剤は、酵素活性を阻害するので、匂いの発生を抑える。遊離酸は、おおかたクエン酸エステルの切断により放出され、皮膚のpH値を、酵素がアシル化により不活化される程度まで低下させる。他のエステラーゼ阻害剤は、ステロールスルフェート又はホスフェート、例えばラノステロール、コレステロール、カンペステロール、スチグマステロール及びシトステロールスルフェート又はホスフェート、ジカルボン酸及びそのエステル、例えばグルタル酸、グルタル酸モノエチルエステル、グルタル酸ジエチルエステル、アジピン酸、アジピン酸モノエチルエステル、アジピン酸ジエチルエステル、マロン酸及びマロン酸ジエチルエステル、ヒドロキシカルボン酸及びそのエステル、例えばクエン酸、リンゴ酸、酒石酸又は酒石酸ジエチルエステル並びに亜鉛グリシネートである。
【0103】
好ましい実施形態において、エステラーゼ阻害剤は、トリメチルシトレート、トリプロピルシトレート、トリイソプロピルシトレート、トリブチルシトレートトリエチルシトレート、ラノステロール、コレステロール、カンペステロール、スチグマステロール、シトステロールスルフェート、シトステロールホスフェート、グルタル酸、グルタル酸モノエチルエステル、グルタル酸ジエチルエステル、アジピン酸、アジピン酸モノエチルエステル、アジピン酸ジエチルエステル、マロン酸、マロン酸ジエチルエステル、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、酒石酸ジエチルエステル及び亜鉛グリシネートからなる群から選択される。
【0104】
本願発明による組成物は、組成物の総重量に対して0.01~20wt%の範囲、好ましくは0.1~10wt%の範囲、より詳細には0.5~5wt%の範囲でエステラーゼ阻害剤を含む。
【0105】
本明細書で使用する場合の「抗菌剤」という用語は、殺菌及び/又は静菌特性を有する物質を包含する。典型的には、これらの物質は、グラム陽性菌に対して作用し、例えば、4-ヒドロキシ安息香酸並びにその塩及びエステル、N-(4-クロロフェニル)-N'-(3,4-ジクロロフェニル)-尿素、2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール、2,2'-メチレン-ビス-(6-ブロモ-4-クロロフェノール)、3-メチル-4-(1-メチルエチル)-フェノール、2-ベンジル-4-クロロフェノール、3-(4-クロロフェノキシ)-プロパン-1,2-ジオール、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート、クロルヘキシジン、3,4,4'-トリクロロカルバニリド(TTC)、フェノキシエタノール、グリセロールモノカプレート、グリセロールモノカプリレート、グリセロールモノラウレート(GML)、ジグリセロールモノカプレート(DMC)、サリチル酸-N-アルキルアミド、例えばサリチル酸-n-オクチルアミド又はサリチル酸-n-デシルアミドである。
【0106】
好ましい実施形態では、抗菌剤は、キトサン、フェノキシエタノール、5-クロロ-2-(2,4-ジクロロフェノキシ)-フェノール、4-ヒドロキシ安息香酸並びにその塩及びエステル、N-(4-クロロフェニル)-N'-(3,4-ジクロロフェニル)-尿素、2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール、2,2'-メチレン-ビス-(6-ブロモ-4-クロロフェノール)、3-メチル-4-(1-メチルエチル)-フェノール、2-ベンジル-4-クロロフェノール、3-(4-クロロフェノキシ)-プロパン-1,2-ジオール、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート、クロルヘキシジン、3,4,4'-トリクロロカルバニリド(TTC)、フェノキシエタノール、グリセロールモノカプレート、グリセロールモノカプリレート、グリセロールモノラウレート(GML)、ジグリセロールモノカプレート(DMC)、サリチル酸-N-アルキルアミドからなる群から選択される。
【0107】
本願発明による組成物は、組成物の総重量に対して0.01~5wt%の範囲、好ましくは0.1~2wt%の範囲で抗菌剤を含む。
【0108】
好ましい実施形態において、組成物は、好ましくは界面活性剤を含む。式(I)の化合物の特徴的なフレグランス特性とその持続性、保持力及び安定性のため、特に界面活性剤を使用して、匂い、好ましくはフレグランスの印象又はアロマの印象を界面活性剤含有組成物、例えば、洗浄剤(特に、ランドリーケア用品及び多目的洗浄剤)等に提供することができる。好ましくは、長続きするフラワリー及び/若しくはマリーン及び/若しくはグリーン及び/若しくはスウィートノート、及び/若しくはラバリーノート及び/若しくはナッティーノート及び/若しくはウッディノート及び/若しくはダスティノート及び/若しくはルーティーノート及び/若しくはレモンノートの芳香印象を界面活性剤を含む組成物に付与するために使用することができる。
【0109】
好ましい実施形態において、界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両性及び双性イオン界面活性剤からなる群から選択される。さらに別の好ましい実施形態において、界面活性剤は、アニオン性界面活性剤である。
【0110】
よって、本願発明による組成物は、好ましくは少なくとも1種の界面活性剤を含むことができる。界面活性剤(複数可)は、アニオン性、非イオン性、カチオン性及び/又は両性若しくは双性イオン界面活性剤から選択されてもよい。例えばシャワージェル、泡入浴剤(発泡入浴剤)、シャンプー等の界面活性剤含有組成物は、好ましくは、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤を含有する。
【0111】
本発明による組成物は通常、界面活性剤(複数可)を全体として(in the aggregate)、組成物の総重量に対して0~40wt%の量、好ましくは0~20wt%の量、より好ましくは0.1~15wt%の量、特に0.1~10wt%の量で含有する。非イオン性界面活性剤の典型例は、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、脂肪酸ポリグリコールエステル、脂肪酸アミドポリグリコールエーテル、脂肪アミンポリグリコールエーテル、アルコキシ化トリグリセリド、混合エーテル及び混合ホルマール、任意選択により部分的に酸化されたアルキル(アルケニル)オリゴグリコシド又はグルクロン酸誘導体、脂肪酸-N-アルキルグルカミド、タンパク質加水分解物(特に、コムギを主体とした植物性生成物)、ポリオール脂肪酸エステル、糖エステル、ソルビタンエステル、ポリソルベート並びにアミンオキシドである。非イオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含有する場合、非イオン性界面活性剤は、従来のホモログ分布を有してもよいが、好ましくは、範囲が狭いホモログ分布を有する。
【0112】
双性イオン界面活性剤は、分子中に少なくとも1個の第四級アンモニウム基及び少なくとも1個の-COO(-)又は-SO3 (-)基を含有する、表面活性化合物である。特に適切な双性イオン界面活性剤は、いわゆるベタイン、例えば、アルキル基又はアシル基中に8~18個の炭素原子を含有する、N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えば、ココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えば、ココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート及び2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン、並びにココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。コカミドプロピルベタインのCTFA名で知られた脂肪酸アミド誘導体が、特に好ましい。
【0113】
両性界面活性剤は、特に共界面活性剤としても適している。両性界面活性剤は、C8~C18アルキル又はアシル基の他にも、分子中に少なくとも1個の遊離アミノ基及び少なくとも1個の-COOH基又は-SO3H基を含有し、内塩を形成することができる、表面活性化合物である。適切な両性界面活性剤の例は、アルキル基中に約8~18個の炭素原子を含有する、N-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミドプロピルグリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロピオン酸及びアルキルアミノ酢酸である。特に好ましい両性界面活性剤は、N-ココアルキルアミノプロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネート及びアシルサルコシンである。
【0114】
アニオン性界面活性剤は、水溶性化作用のあるアニオン性基、例えばカルボキン酸基、硫酸基、スルホン酸基又はリン酸基及び親油性基を特徴とする。皮膚科学的に安全なアニオン性界面活性剤は、開業医には、関連する教本から多数知られており、市販されている。アニオン性界面活性剤は特に、アルカリ金属塩、アンモニウム塩又はアルカノールアンモニウム塩の形態のアルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルエーテルカルボキシレート、アシルイセチオネート、アシルサルコシネート、直鎖状C12~C18アルキル基又はアシル基を含有するアシルタウリン、並びに、アルカリ金属塩又はアンモニウム塩の形態のスルホスクシネート及びアシルグルタメートである。
【0115】
特に適切なカチオン性界面活性剤は、第四級アンモニウム化合物、好ましくはアンモニウムのハロゲン化物、より特定すると塩化物及び臭化物、例えばアルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド及びトリアルキルメチルアンモニウムクロリド、例えば、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド及びトリセチルメチルアンモニウムクロリドである。さらに、容易に生分解され得る第四級エステル化合物、例えば、Stepantexeの名称で販売されているジアルキルアンモニウムメトスルフェート及びメチルヒドロキシアルキルジアルコイルオキシアルキル(dialkoyloxyalkyl)アンモニウムメトスルフェート並びに対応するDehyquart(登録商標)シリーズという製品が、カチオン性界面活性剤として使用されてもよい。「エステルクォート(esterquat)」は一般に、第四級化脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩であると理解される。エステルクォートは、本組成物に格別の柔らかさを付与することができる。エステルクォートは、関連する有機化学的な方法によって調製された、公知の物質である。本発明による使用に適した他のカチオン性界面活性剤は、第四級化タンパク質加水分解物である。
【0116】
本願発明の一実施形態は、芳香組成物、ボディケア組成物、衛生用品、洗浄組成物、繊維用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物及び作物保護組成物からなる群から選択される組成物を対象とする。
【0117】
前記組成物は、好ましくは香料組成物、より好ましくはフレグランス組成物である。
【0118】
適切な組成物は、例えば芳香組成物、ボディケア組成物(化粧品組成物及び口腔及び歯科衛生用品を含む)、衛生用品、洗浄組成物(食器洗い用組成物を含む)、繊維用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物、並びに作物保護組成物である。
【0119】
芳香組成物は、ファインフレグランス、液体形態、ゲル状の形態又は固体キャリアに塗布された形態のエアフレッシュナー、エアロゾルスプレー、香り付き洗浄剤、香りキャンドル、及びオイル、例えばランプオイル又はメッセージ用オイルから選択することができる。
【0120】
ファインフレグランスの例は、香水抽出物(perfume extracts)、オードパルファン、オードトワレ、オーデコロン、オードソリッド及びエクストレパルファン(Extrait Parfum)である。
【0121】
ボディケア組成物は、化粧品組成物及び口腔及び歯科衛生用品を含み、アフターシェーブ、プレシェーブ製品、スプラッシュコロン、固体石けん及び液体石けん、シャワージェル、シャンプー、ひげ剃り用石けん、シェービングフォーム、バスオイル、水中油型、油中水型及び水中油中水型の化粧品用エマルション、例えばスキンクリーム及びスキンローション、フェイスクリーム及びフェイスローション、日焼け止めクリーム及び日焼け止めローション、日焼けケア用クリーム及び日焼けケア用ローション、ハンドクリーム及びハンドローション、フットクリーム及びフットローション、脱毛クリーム及び脱毛ローション、アフターシェーブクリーム及びアフターシェーブローション、日焼けクリーム及び日焼けローション、ヘアケア製品、例えばヘアスプレー、ヘア用ジェル、整髪ローション、ヘアコンディショナー、ヘアシャンプー、パーマネント型及びセミパーマネント型の毛染め剤、ヘアシェイピング用組成物、例えばコールドウェーブ用薬剤(cold wave)及びヘアスムージング用組成物、ヘアトニック、ヘアクリーム及びヘアローション、消臭剤及び制汗剤、例えばわきの下用のスプレー剤、ロールオン、消臭スティック及び消臭クリーム、装飾化粧品、例えばアイライナー、アイシャドウ、マニキュア液、メーキャップ、口紅及びマスカラ、並びに口腔及び歯科衛生用品、例えば練り歯磨き、デンタルフロス、マウスウォッシュ、ブレスフレッシュナー、デンタルフォーム、デンタルジェル、及びデンタルストリップから選択することができる。
【0122】
衛生用品は、線香、殺虫剤、防虫剤、噴射剤、さび取り剤、香り付きふき取りシート(perfumed freshening wipe)、わきパッド、赤ちゃん用おむつ、生理用ナプキン、トイレットペーパー、化粧品ふき取りシート(cosmetic wipe)、ポケットティッシュ、食洗機及び脱臭剤から選択することができる。
【0123】
洗浄組成物、例えば固体表面のための洗浄剤は、香り付きの酸性、アルカリ性及び中性洗浄剤、例えば床用洗浄剤、窓用洗浄剤、手洗い用及び機械洗浄用の食器洗い用組成物、浴室用洗浄剤及びサニタリー用洗浄剤、スカーリングミルク(scouring milk)、固体型及び液体型トイレ用洗浄剤、粉末型及び泡型カーペット用洗浄剤、ワックス及び磨き剤、例えば家具用磨き剤、床用ワックス、靴クリーム、消毒剤、表面消毒剤及びサニタリー用洗浄剤、ブレーキ用洗浄剤、パイプ用洗浄剤、水垢除去剤、グリル用及びオーブン用洗浄剤、藻類除去剤及びコケ除去剤、カビ除去剤、ファサード洗浄剤(facade cleaner)から選択することができる。
【0124】
繊維用洗剤組成物は、液体洗剤、粉末洗剤、洗濯用前処理剤、例えば漂白剤、漬け置き剤及び染み除去剤、繊維柔軟剤、洗濯用石けん、洗濯用錠剤から選択することができる。
【0125】
食品は、食べることができる生の、調理済みの若しくは加工済みの物質、氷、飲料、又は、人間の消費のために全体若しくは一部が使用される若しくは使用されることが意図された成分、或いは、チューインガム、グミ、ゼリー及び菓子類を意味する。
【0126】
栄養補助食品は、さらなる栄養価を飲食物に加えるように意図された食用成分を含有する、摂取が意図された製品である。食用成分は、次の物質、すなわち、ビタミン、ミネラル、ハーブ又は他の植物性薬品、アミノ酸、合計飲食物摂取量の増大によって飲食物を補助することを目的とした人々が使用するための飲食物用物質、濃縮物、代謝物質、構成要素又は抽出物のうちの1つ又は任意の組合せであってもよい。栄養補助食品は、錠剤、カプセル、軟質ゲル、ジェルキャップ、液体又は粉末等の数多くの形態で見出され得る。
【0127】
医薬組成物は、疾患の診断、治療、軽減、処置又は予防における使用のために意図された組成物、及び、人間又は他の動物の身体の構造又は何らかの機能に影響するように意図された(食品以外の)物品を含む。
【0128】
作物保護組成物は、農業作物及び森林を損なう植物病害、雑草及び他の有害生物(脊椎動物と無脊椎動物との両方)の管理のために意図された、組成物を含む。
【0129】
好ましい実施形態において、組成物は、保存料、研磨剤、抗にきび剤、皮膚の老化を抑えるための作用物質、脂肪沈着防止剤、フケ防止剤、抗炎症剤、刺激予防剤、刺激緩和剤、収れん剤、発汗抑制剤、消毒剤、静電気防止剤、結合剤、緩衝材、キャリア材料、キレート化剤、細胞刺激物質、手入れ用物質(care agent)、脱毛剤、乳化剤、酵素、精油、繊維、フィルム形成剤、保留剤(fixative)、泡形成剤、泡安定剤、発泡を予防するための物質、発泡増進剤、殺菌剤、ゲル化剤、ゲル形成剤、ヘアケア剤、ヘアシェイピング剤、ヘアスムージング剤、水分付与剤、加湿物質、湿潤剤物質、漂白剤、補強剤、染み除去剤、蛍光増白剤、含浸剤、汚れ忌避剤(soil repellent)、摩擦低減剤、滑沢剤、加湿クリーム、軟膏、乳白剤、可塑剤、被覆剤、磨き剤、光沢剤、ポリマー、粉末、タンパク質、加脂剤(refatting agent)、剥離剤(exfoliating agent)、シリコーン、皮膚鎮静剤、皮膚洗浄剤、スキンケア剤、皮膚治癒剤、皮膚美白剤、皮膚保護剤、皮膚軟化剤、冷却剤、皮膚冷却剤、加温剤(warming agent)、皮膚加温剤、安定剤、紫外線吸収剤、紫外線フィルター、繊維柔軟剤、懸濁剤、日焼け剤、増粘剤、ビタミン、ワックス、脂肪、リン脂質、飽和脂肪酸、モノ不飽和又はポリ不飽和脂肪酸、α-ヒドロキシ酸、ポリヒドロキシ脂肪酸、液化剤、染料、着色防止剤(color-protection agent)、顔料、防食剤、ポリオール、電解質、及びシリコーン誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の助剤をさらに含む。
【0130】
混合物
本発明の実施形態は、式(I)
【0131】
【化9】
(式中、
R1は、直鎖又は分枝鎖の非置換C1~C5アルキル及び非置換C3~C5シクロアルキルからなる群から選択される;)
の化合物又はその塩若しくはその立体異性体;及び
4-メチル-2-(2-メチルプロピル)オキサン-4-オール
を含む、混合物を対象とする。
【0132】
本発明のさらなる実施形態において、混合物は、式(I)の化合物を含み、式中、R1は、-CH3、-CH2CH3、-CH2CH2CH3、-CH(CH3)2、-CH(CH3)(C2H5)、-CH2CH(CH3)2、-CH2CH2CH2CH3、-CH(CH3)2、-CH2CH(CH3)2、-CH(CH3)CH2CH3及びシクロプロピルからなる群から選択される。
【0133】
本発明のある実施形態において、混合物は、以下の表Mに従う。
【表1】
【0134】
本発明の別の実施形態において、混合物は式(I)の化合物を含み、式中、R1は、好ましくは-CH2CH3、-CH(CH3)2である。
【0135】
本発明のさらなる実施形態において、上記実施形態による混合物は、アロマの印象を組成物に付与するために使用される。
【0136】
本発明のさらなる実施形態において、上に記載したような式(I)の化合物と4-メチル-2-(2-メチルプロピル)オキサン-4-オールとの比は、1:2以上~1:25以下の範囲、好ましくは1:3以上~1:20以下の範囲;より好ましくは1:4以上~1:20以下の範囲である。
【0137】
本発明のさらなる実施形態において、上に記載したような式(I)の化合物と4-メチル-2-(2-メチルプロピル)オキサン-4-オールとの比は、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:5、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20である。
【0138】
本発明のなお別の実施形態において、上記実施形態による混合物は、フローラル(floral)、ミュゲ(muguet)、パウダリー(powdery)ノートを連想させるアロマの印象を提供する。
【0139】
本発明の別の実施形態において、組成物は、
(i)上記実施形態のいずれかによる混合物、及び
(ii)少なくとも1種の香料、又は
(iii)少なくとも1種の非香料キャリア、又は
(iv)(ii)と(iii)の両方
を含む。
【0140】
化合物
本願発明の一実施形態は、式(I')
【0141】
【化10】
(式中、
R1'は、直鎖又は分枝鎖の-CH2CH2CH3、-CH(CH3)(C2H5)、-CH2CH(CH3)2、-CH(CH3)CH2CH3及び-CH2CH2CH2CH3からなる群から選択される;)
の化合物又はその塩若しくはその立体異性体を対象とする。
【0142】
好ましい実施形態において、R1'は、-CH2CH2CH3である。なお別の実施形態において、R1'は、-CH(CH3)(C2H5)である。さらなる好ましい実施形態において、R1'は、-CH(CH3)CH2CH3である。さらに別の好ましい実施形態において、R1'は、-CH2CH(CH3)2である。なお別の実施形態において、R1'は、-CH2CH2CH2CH3である。
【0143】
実施形態
以下、実施形態のリストを提供して本開示をさらに例示するが、開示を以下に列挙する特定の実施形態に限定する意図はない。
【0144】
1. 式(I)
【0145】
【化11】
(式中、
R1は、直鎖又は分枝鎖の非置換C1~C5アルキル及び非置換C3~C5シクロアルキルからなる群から選択される;)
の化合物又はその塩若しくはその立体異性体の、アロマの印象を組成物に付与するための使用。
【0146】
2. 式(I)
【0147】
【化12】
(式中、
R1は、直鎖又は分枝鎖の非置換C1~C5アルキル及び非置換C3~C5シクロアルキルからなる群から選択される;)
の化合物又はその塩若しくはその立体異性体を組成物に添加する工程を少なくとも含む、アロマの印象を組成物に付与する方法。
【0148】
3. R1が、-CH3、-CH2CH3、-CH2CH2CH3、-CH(CH3)2、-CH(CH3)(C2H5)、-CH2CH(CH3)2、-CH2CH2CH2CH3及びシクロプロピルからなる群から選択される、先行する実施形態のいずれか一項に記載の使用又は方法。
【0149】
4. 組成物が、芳香組成物、ボディケア組成物、衛生用品、洗浄組成物、繊維用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物及び作物保護組成物から選択される、先行する実施形態のいずれか一項に記載の使用又は方法。
【0150】
5. 印象が、フラワリーノート、マリーンノート、スウィートノート、ラバリーノート、ナッティーノート、ウッディノート、ダスティノート、ルーティーノート、レモンノート及びグリーンノートからなる群から選択される、先行する実施形態のいずれか一項に記載の使用又は方法。
【0151】
6. 式(I)の化合物又はその塩若しくは立体異性体が、組成物の総重量に対して0.01wt%以上~70.0wt%以下の範囲の量で存在する、先行する実施形態のいずれか一項に記載の使用又は方法。
【0152】
7. 少なくとも1種の式(I)
【0153】
【化13】
(式中、
R1は、直鎖又は分枝鎖の非置換C2~C5アルキル及び非置換C3~C5シクロアルキルからなる群から選択される;)
の化合物又はその塩若しくはその立体異性体、及び
(i)少なくとも1種の香料、又は
(ii)少なくとも1種の非香料キャリア、又は
(iii)(i)と(ii)の両方
を含む組成物。
【0154】
8. R1が、-CH2CH3、-CH2CH2CH3、-CH(CH3)2、-CH(CH3)(C2H5)、-CH2CH(CH3)2、-CH2CH2CH2CH3、シクロプロピル及びシクロブチルからなる群から選択される、実施形態7に記載の組成物。
【0155】
9. 少なくとも1種の香料(i)が、ゲラニルアセテート、アルファ-ヘキシルシンナムアルデヒド、2-フェノキシエチルイソブチレート、ジヒドロミルセノール、メチルジヒドロジャスモネート、4,6,6,7,8,8-ヘキサメチル-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロシクロペンタ[g]ベンゾピラン、テトラヒドロリナロール、エチルリナロール、ベンジルサリチレート、2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール、シンナミルアルコール、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5-インデニルアセテート及び/又は4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-6-インデニルアセテート、シトロネロール、シトロネリルアセテート、テトラヒドロゲラニオール、バニリン、リナリルアセテート、スチロリルアセテート、オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-アセトナフトン及び/又は2-アセチル-1,2,3,4,6,7,8-オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチルナフタレン、ヘキシルサリチレート、4-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート、2-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート、アルファ-イオノン、n-アルファ-メチルイオノン、アルファ-イソメチルイオノン、クマリン、テルピニルアセテート、2-フェニルエチルアルコール、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセンカルボキサルデヒド、アルファ-アミルシンナムアルデヒド、エチレンブラシレート、(E)-及び/又は(Z)-3-メチルシクロペンタデカ-5-エノン、15-ペンタデカ-11-エノリド及び/又は15-ペンタデカ-12-エノリド、15-シクロペンタデカノリド、1-(5,6,7,8-テトラヒドロ-3,5,5,6,8,8-ヘキサメチル-2-ナフタレニル)エタノン、2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール、cis-3-ヘキセニルアセテート、trans-3-ヘキセニルアセテート、trans-2/cis-6-ノナジエノール、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルボキサルデヒド、2,4,4,7-テトラメチルオクタ-6-エン-3-オン、2,6-ジメチル-5-ヘプテン-1-アール、ボルネオール、3-(3-イソプロピルフェニル)ブタナール、2-メチル-3-(3,4-メチレンジオキシフェニル)プロパナール、3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール、7-メチル-2H-1,5-ベンゾジオキセピン-3(4H)-オン、3,3,5-トリメチルシクロヘキシルアセテート、2,5,5-トリメチル-1,2,3,4,4a,5,6,7-オクタヒドロナフタレン-2-オール、3-(4-tert-ブチルフェニル)-プロパナール、エチル2-メチルペンタノエート、エトキシメトキシシクロドデカン、2,4-ジメチル-4,4a,5,9b-テトラヒドロインデノ[1,2-d][1,3]ジオキシン、(2-tert-ブチルシクロヘキシル)アセテート、並びに3-[5,5,6-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル]シクロヘキサン-1-オールからなる群から選択される、実施形態7又は8に記載の組成物。
【0156】
10. 少なくとも1種の香料(i)が、メチルベンゾエート、ベンジルアセテート、ゲラニルアセテート、2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール、リナロール、2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール及びメチルベンゾエートからなる群から選択される、実施形態7又は8に記載の組成物。
【0157】
11. 少なくとも1種の香料(i)が、エチルバニリン、バニリン、2,5-ジメチル-4-ヒドロキシ-2H-フラン-3-オン(フラネオール)又は3-ヒドロキシ-2-メチル-4H-ピラン-4-オン(マルトール)からなる群から選択される、実施形態7又は8に記載の組成物。
【0158】
12. 少なくとも1種の非香料キャリア(ii)が、界面活性剤、油成分、抗酸化剤、デオドラント活性剤及び溶媒からなる群から選択される、実施形態8から11のいずれか一項に記載の組成物。
【0159】
13. 溶媒が、エタノール、イソプロパノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセロール、プロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチルシトレート及びイソプロピルミリステートからなる群から選択される、実施形態12に記載の組成物。
【0160】
14. 溶媒が、組成物中に組成物の総重量に対して0.01wt%~99.0wt%の量で存在する、実施形態12又は13に記載の組成物。
【0161】
15. 少なくとも1種のデオドラント活性剤が、制汗剤、エステラーゼ阻害剤及び抗菌剤からなる群から選択される、実施形態12に記載の組成物。
【0162】
16. 制汗剤が、塩化アルミニウム、アルミニウムクロロハイドレート、アルミニウムジクロロハイドレート、アルミニウムセスキクロロハイドレート、アルミニウムヒドロキシアラントイネート、アルミニウムクロリドタルタレート、アルミニウムジルコニウムトリクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレート及びアルミニウムジルコニウムペンタクロロハイドレートからなる群から選択される、実施形態15に記載の組成物。
【0163】
17. エステラーゼ阻害剤が、トリメチルシトレート、トリプロピルシトレート、トリイソプロピルシトレート、トリブチルシトレートトリエチルシトレート、ラノステロール、コレステロール、カンペステロール、スチグマステロール、シトステロールスルフェート、シトステロールホスフェート、グルタル酸、グルタル酸モノエチルエステル、グルタル酸ジエチルエステル、アジピン酸、アジピン酸モノエチルエステル、アジピン酸ジエチルエステル、マロン酸、マロン酸ジエチルエステル、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、酒石酸ジエチルエステル及び亜鉛グリシネートからなる群から選択される、実施形態15に記載の組成物。
【0164】
18. 抗菌剤が、キトサン、フェノキシエタノール、5-クロロ-2-(2,4-ジクロロフェノキシ)-フェノール、4-ヒドロキシ安息香酸並びにその塩及びエステル、N-(4-クロロフェニル)-N'-(3,4-ジクロロフェニル)-尿素、2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール、2,2'-メチレン-ビス-(6-ブロモ-4-クロロフェノール)、3-メチル-4-(1-メチルエチル)-フェノール、2-ベンジル-4-クロロフェノール、3-(4-クロロフェノキシ)-プロパン-1,2-ジオール、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート、クロルヘキシジン、3,4,4'-トリクロロカルバニリド(TTC)、フェノキシエタノール、グリセロールモノカプレート、グリセロールモノカプリレート、グリセロールモノラウレート(GML)、ジグリセロールモノカプレート(DMC)、サリチル酸-N-アルキルアミドからなる群から選択される、実施形態15に記載の組成物。
【0165】
19. 少なくとも1種の界面活性剤が、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両性及び双性イオン界面活性剤からなる群から選択される、実施形態12に記載の組成物。
【0166】
20. 少なくとも1種の界面活性剤がアニオン性界面活性剤である、実施形態12又は19に記載の組成物。
【0167】
21. 少なくとも1種の抗酸化剤が、ペンタエリスリチル、テトラ-ジ-t-ブチルヒドロキシヒドロシンナメート、ノルジヒドログアイアレチン酸、フェルラ酸、レスベラトロール、プロピルガレート、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、アスコルビルパルミテート及びトコフェロールからなる群から選択される、実施形態12に記載の組成物。
【0168】
22. 組成物が、芳香組成物、ボディケア組成物、衛生用品、洗浄組成物、繊維用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物及び作物保護組成物からなる群から選択される、先行する実施形態7から21のいずれか一項に記載の組成物。
【0169】
23. 組成物が、保存料、研磨剤、抗にきび剤、皮膚の老化を抑えるための作用物質、脂肪沈着防止剤、フケ防止剤、抗炎症剤、刺激予防剤、刺激緩和剤、収れん剤、発汗抑制剤、消毒剤、静電気防止剤、結合剤、緩衝材、キャリア材料、キレート化剤、細胞刺激物質、手入れ用物質、脱毛剤、乳化剤、酵素、精油、繊維、フィルム形成剤、保留剤、泡形成剤、泡安定剤、発泡を予防するための物質、発泡増進剤、殺菌剤、ゲル化剤、ゲル形成剤、ヘアケア剤、ヘアシェイピング剤、ヘアスムージング剤、水分付与剤、加湿物質、湿潤剤物質、漂白剤、補強剤、染み除去剤、蛍光増白剤、含浸剤、汚れ忌避剤、摩擦低減剤、滑沢剤、加湿クリーム、軟膏、乳白剤、可塑剤、被覆剤、磨き剤、光沢剤、ポリマー、粉末、タンパク質、加脂剤、剥離剤、シリコーン、皮膚鎮静剤、皮膚洗浄剤、スキンケア剤、皮膚治癒剤、皮膚美白剤、皮膚保護剤、皮膚軟化剤、冷却剤、皮膚冷却剤、加温剤、皮膚加温剤、安定剤、紫外線吸収剤、紫外線フィルター、繊維柔軟剤、懸濁剤、日焼け剤、増粘剤、ビタミン、ワックス、脂肪、リン脂質、飽和脂肪酸、モノ不飽和又はポリ不飽和脂肪酸、α-ヒドロキシ酸、ポリヒドロキシ脂肪酸、液化剤、染料、着色防止剤、顔料、防食剤、ポリオール、電解質、及びシリコーン誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の助剤をさらに含む、先行する実施形態7から22のいずれか一項に記載の組成物。
【0170】
24. 式(I)
【0171】
【化14】
(式中、
R1は、直鎖又は分枝鎖の非置換C1~C5アルキル及び非置換C3~C5シクロアルキルからなる群から選択される;)
の化合物又はその塩若しくはその立体異性体;及び
4-メチル-2-(2-メチルプロピル)オキサン-4-オール
を含む、混合物。
【0172】
25. R1が、-CH3、-CH2CH3、-CH2CH2CH3、-CH(CH3)2、-CH(CH3)(C2H5)、-CH2CH(CH3)2、-CH2CH2CH2CH3、-CH(CH3)2、-CH2CH(CH3)2、-CH(CH3)CH2CH3及びシクロプロピルからなる群から選択される、実施形態24に記載の混合物。
【0173】
26. R1が、CH2CH3、-CH(CH3)2からなる群から選択される、実施形態24又は25に記載の混合物。
【0174】
27. 実施形態24から26のいずれか一項に記載の混合物の、アロマの印象を組成物に付与するための使用。
【0175】
28. 組成物であって、
(i)実施形態24~26のいずれか一項に記載の混合物、及び
(ii)少なくとも1種の香料、又は
(iii)少なくとも1種の非香料キャリア、又は
(iv)(ii)と(iii)の両方
を含む、組成物。
【0176】
29. 式(I')
【0177】
【化15】
(式中、
R1'は、直鎖又は分枝鎖の-CH2CH2CH3、-CH(CH3)(C2H5)、-CH2CH(CH3)2、-CH(CH3)CH2CH3及び-CH2CH2CH2CH3からなる群から選択される;)
の化合物又はその塩若しくはその立体異性体。
【0178】
本願発明をその具体的な実施形態に関して開示してきたが、特定の変更及び均等物は、当業者には明らかとなり、本願発明の範囲内に含まれることが意図されている。
【0179】
[実施例]
本願発明を、以下に続く非制限実施例により詳細に例示する。より詳細には、以下に詳述する試験方法は本願の一般的開示の一部であり、特定の実施例に制限されるものではない。
【0180】
分析方法:13C-NMRにより特性評価を行う。13C-NMRスペクトルは、Bruker DPX-500スペクトロメーターで測定した。
【0181】
1. 1-(1-エトキシエチル)-4-イソブチルベンゼンの調製
無水エタノール(60.47g、1.31mol、5当量)及び硫酸(96%、3.22g、0.032mol、0.12当量)を混合した。無水1-(4-イソブチルフェニル)エタノール(93.6GC-a%、50g、0.263mol、1当量)を15分かけて滴加した。完全な添加後、混合物を還流させた(68℃)。還流で7時間後、反応混合物を室温に冷却し、100mLのエチルアセテート、続いて50mLの飽和NaHCO3溶液を添加した。混合物を5分間攪拌し、次いで、相を分離した。有機相をNa2SO4上で乾燥し、濾過した。次いで、溶媒を減圧下で除去し、51.9gの望ましい粗生成物を、89GC-a%の純度(2GC-a%の未変換出発材料;収率85%(rec.出発材料(rec. starting material)に基づくものではない))で得た。粗生成物を分別蒸留(サンプ温度87~112℃、圧力1.8~2.3mbar)により精製した。留分2、3及び4を合わせると、望ましい生成物を96.6GC-a%の純度(及び0.8GC-a%の出発材料)で含有していた。
13C-NMR (125 MHz, CDCl3): δ = 140.7, 141.4, 129.1, 125.9, 77.6, 63.8, 45.2, 30.3, 24.2, 22.4, 15.4 ppm.
【0182】
2. 1-イソブチル-4-(1-メトキシエチル)ベンゼンの調製
無水メタノール(42.06g、1.31mol、5当量)及び硫酸(96%、3.22g、0.032mol、0.12当量)を混合した。無水1-(4-イソブチルフェニル)エタノール(93.6GC-a%、50g、0.263mol、1当量)を15分かけて滴加した。完全な添加後、混合物を還流させた(56℃)。還流で7時間後、反応混合物を室温に冷却し、100mLのエチルアセテート、続いて50mLの飽和NaHCO3溶液を添加した。混合物を5分間攪拌し、次いで、相を分離した。有機相をNa2SO4上で乾燥し、濾過した。次いで、溶媒を減圧下で除去し、48.5gの望ましい粗生成物を88.2GC-a%(2.3GC-a%のエチルアセテート、0.9GC-a%の出発材料;収率85%)の純度で得た。粗生成物を分別蒸留(サンプ温度77~90℃、圧力1.5~1.8mbar)により精製した。留分4及び5を合わせると、望ましい生成物を99GC-a%を超える純度で含有していた。生成物の同定は、NMR13C-NMR(125MHz、CDCl3)により確認した:13C-NMR (125 MHz, CDCl3): δ = 140.9, 140.6, 129.1, 126.0, 79.5, 56.3, 45.1, 30.3, 23.8, 22.4.
【0183】
3. 1-イソブチル-4-(1-プロポキシエチル)ベンゼンの調製
無水THFとDMSOの溶媒混合物、及びアルキル化のための1-ヨードプロパンを使用して、プロセスを実施例1と同様に実施した。分析試料は、カラムクロマトグラフィー(SiO2、シクロヘキサン中勾配5~20%エチルアセテート、純度97%)により精製した。
13C-NMR (125 MHz, CDCl3): δ = 141.5, 140.7, 129.1, 125.9, 77.7, 70.3, 45.2, 30.3, 24.3, 23.2, 22.5, 10.7 ppm.
【0184】
4. 1-(1-ブトキシエチル)-4-イソブチルベンゼンの調製
アルキル化のための1-ヨードブタンを使用して、プロセスを実施例1と同様に実施した。分析試料は、カラムクロマトグラフィー(SiO2、シクロヘキサン中勾配0~20%エチルアセテート、純度95%)により精製した。
13C-NMR (125 MHz, CDCl3): δ = 141.5, 140.7, 129.1, 125.9, 77.8, 68.4, 45.2, 32.2, 30.3, 24.3, 22.5, 19.5, 14.0 ppm.
【0185】
5. 1-(1-イソプロポキシエチル)-4-イソブチルベンゼンの調製
無水イソプロパノール(79.28g、1.32mol、5当量)及び硫酸(96%、3.24g、0.032mol、0.12当量)を混合した。無水1-(4-イソブチルフェニル)エタノール(94GC-a%、50g、0.264mol、1当量)を15分かけて滴加した。完全な添加後、混合物を還流させた(78℃)。還流で6.5時間後、反応混合物を室温に冷却し、100mLのエチルアセテート、続いて50mLの飽和NaHCO3溶液を添加した。混合物を5分間攪拌し、次いで、相を分離した。有機相をNa2SO4上で乾燥し、濾過した。次いで、溶媒を減圧下で除去し、51.2gの望ましい粗生成物を82GC-a%の純度(5GC-a%の未変換出発材料;収率72%(rec.出発材料に基づくものではない))で得た。粗生成物を分別蒸留(サンプ温度94~115℃、圧力1.9mbar)により精製した。留分3、4、5及び6を合わせると、望ましい生成物を92.9GC-a%の純度(及び3.2GC-a%の出発材料)で含有していた。
13C NMR (126 MHz, CDCl3) δ 141.95, 140.57, 129.02, 129,02, 125.87, 125.87, 74.40, 68.26, 45.14, 30.24, 24.74, 23.33, 22.42, 22.42, 21.34.
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ 7.22 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.10 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 4.51 (q, J = 6.5 Hz, 1H), 3.58 - 3.42 (m, 1H), 2.45 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 1.98 - 1.78 (m, 1H), 1.40 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 1.14 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 1.09 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.90 (d, J = 6.7 Hz, 6H).
【0186】
6. 1-(1-イソブトキシエチル)-4-イソブチルベンゼンの調製
無水イソブタノール(97.81g、1.32mol、5当量)及び硫酸(96%、3.24g、0.032mol、0.12当量)を混合した。無水1-(4-イソブチルフェニル)エタノール(94GC-a%、50g、0.264mol、1当量)を15分かけて滴加した。完全な添加後、混合物を還流させた(92℃)。還流で3時間後、反応混合物を室温に冷却し、100mLのエチルアセテート、続いて50mLの飽和NaHCO3溶液を添加した。混合物を5分間攪拌し、次いで、相を分離した。有機相(pH=3)をさらに120mLの飽和NaHCO3溶液で洗浄した。有機相(pH=7)をNa2SO4上で乾燥し、濾過した。次いで、溶媒を減圧下で除去し、60.8gの望ましい粗成生物を85.2GC-a%の純度(1.5GC-a%の未変換出発材料;収率84%(rec.出発材料に基づくものではない))で得た。粗生成物を分別蒸留(サンプ温度102~125℃、圧力1.6~1.7mbar)及びカラムクロマトグラフィーにより精製した。望ましい生成物が98.6GC-a%の純度で得られた。
13C NMR (126 MHz, CDCl3) δ 141.56, 140.59, 129.02,129.02,125.88 125.88, 77.82, 75.55, 45.16, 30.24, 28.64, 24.18, 22.43, 22.42, 19.54, 19.48.
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ 7.20 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.10 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 4.34 (q, J = 6.5 Hz, 1H), 3.05 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 2.46 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 1.84 (m, J = 13.3, 6.7 Hz, 2H), 1.42 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.89 (dd, J = 12.1, 6.7 Hz, 12H).
【0187】
7. 1-イソブチル-4-[(1R/1S)-1-[(1S)-1-メチルプロポキシ]エチル]ベンゼンの調製
無水(S)-(+)-2-ブタノール(9.78g、0.13mol、5当量)及び硫酸(96%、0.32g、0.003mol、0.12当量)を混合した。無水1-(4-イソブチルフェニル)エタノール(94GC-a%、5g、0.026mol、1当量)を15分かけて滴加した。完全な添加後、混合物を還流させた(88℃)。還流で2.5時間後、反応混合物を室温に冷却し、10mLのエチルアセテート、続いて10mLの飽和NaHCO3溶液を添加した。混合物を5分間攪拌し、次いで、相を分離した。有機相(pH=2)をさらに10mLの飽和NaHCO3溶液で洗浄した。有機相(pH=7)をNa2SO4上で乾燥し、濾過した。次いで、溶媒を減圧下で除去し、5.5gの望ましい粗生成物を42.9GC-a%のジアステレオマーA又はB、及び39.6GC-a%の他のジアステレオマー(ジアステレオマーA又はB)の純度(4.1GC-a%未変換出発材料;収率73%(rec.出発材料に基づくものではない))で得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製した。望ましい生成物が92.9GC-a%の純度で得られた。
【0188】
ジアステレオマーA:
13C NMR (126 MHz, CDCl3) δ 141.72, 140.63, 128.94, 128,94, 126,19 126.19, 74.25, 73.18, 45.14, 30.24, 30,24, 24.67, 22.50 - 22.30, 22.50 - 22.30 , 18.88, 10.28.
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ 7.28 - 7.18 (m, 2H), 7.10 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 4.67 - 4.44 (m, 1H), 3.25 - 3,15 (m, J = 6.1 Hz, 1H), 2.46 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 1.92 - 1.78 (m, J = 13.5, 6.8 Hz, 1H), 1.62 - 1.27 (m, 5H), 1.12 (d, J = 6.0 Hz, 3H), 0.90 (d, J = 6.6 Hz, 6H), 0.80 (t, J = 7.5 Hz, 3H).
【0189】
ジアステレオマーB:
13C NMR (126 MHz, CDCl3) δ 142.15, 140.56, 128.98, 128.98, 125.94, 125.94, 75.13, 73.86, 45.14, 30.24, 28.41, 24.32, 22.50 - 22.30. 22.50 - 22.30, 20.25, 9.49.
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ 7.28 - 7.18 (m, 2H), 7.10 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 4.60 - 4.44 (m, 1H), 3.37 - 3.28 (m, J = 6.2 Hz, 1H), 2.46 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 1.92 - 1.78 (m, J = 13.5, 6.8 Hz, 1H), 1.62 - 1.27 (m, 5H), 1.03 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.90 (m, 9H).
【0190】
8. 1-イソブチル-4-[(1R/1S)-1-[(1R)-1-メチルプロポキシ]エチル]ベンゼンの調製
無水(R)-(-)-2-ブタノール(9.78g、0.13mol、5当量)及び硫酸(96%、0.32g、0.003mol、0.12当量)を混合した。無水1-(4-イソブチルフェニル)エタノール(94GC-a%、5g、0.026mol、1当量)を15分かけて滴加した。完全な添加後、混合物を還流させた(92℃)。還流で3.5h時間後、反応混合物を室温に冷却し、10mLのエチルアセテート、続いて10mLの飽和NaHCO3溶液を添加した。混合物を5分間攪拌し、次いで、相を分離した。有機相(pH=7)をNa2SO4上で乾燥し、濾過した。次いで、溶媒を減圧下で除去し、4.4gの望ましい粗生成物を40.2GC-a%のジアステレオマーA又はB、及び37.2GC-a%の他のジアステレオマー(ジアステレオマーA又はB)の純度(5.5GC-a%未変換出発材料;収率55%(rec.出発材料に基づくものではない))で得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製した。望ましい生成物が98.9GC-a%の純度で得られた。
【0191】
ジアステレオマーA
13C NMR (126 MHz, CDCl3) δ 141.71, 140.63, 128.93, 128.93,126.19, 126.19, 74.24, 73.18, 45.14, 30.23, 30,23, 24.66, 22.50 - 22.30, 22.50 - 22.30, 18.88, 10.27.
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ 7.36 - 7.15 (m, 2H), 7.10 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 4.65 - 4.33 (m, 1H), 3.25 - 3.15, (h, J = 6.1 Hz, 1H), 2.46 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 1.85 (m, 1H), 1.61 - 1.28 (m, 5H), 1.12 (d, J = 6.0 Hz,3H), 0.89 (m, 6H), 0.80 (t, J = 7.5 Hz, 3H).
【0192】
ジアステレオマーB
13C NMR (126 MHz, CDCl3) δ 142.15, 140.56, 128.98, 128.98, 125.93, 125.93, 75.12, 73.86, 45.14, 30.23, 28.41, 24.32, 22.50 - 22.30, 22.50 - 22.30, 20.25, 9.49.
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ 7.36 - 7.15 (m, 2H), 7.10 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 4.63 - 4.29 (m, 1H), 3.38 - 3.27 (m, 1H), 2.46 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 1.85 (m, 1H), 1.61 - 1.28 (m, 5H), 1.03 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.89 (m, 9H).
【0193】
【表2】
【0194】
式Iの化合物と4-メチル-2-(2-メチルプロピル)オキサン-4-オール(ピラノール)との混合物を、アロマの印象について評価した。
【0195】
【表3】
【0196】
化合物A=表1による化合物又は表1aによる混合物のいずれか
有利なフレグランス組成物
上記のような化合物Aを、表2及び3による組成物に配合した。表2及び3に示す量は、グラム単位の重量である。
【0197】
【表4】
【0198】
【表5】
【0199】
表2及び表3による組成物、すなわち1A、1B、2A,2Bは、デオポンプスプレー(Deo pump spray)、クリーンヘアコンディショナー、フェイスウォッシュゲル、発泡入浴剤濃縮物、ヘアゲル、自己発泡ボディウォッシュ、スプレー可能サンケアエマルション、スプレー可能サンプロテクションエマルション、エモリエントフェイシャルゲル(Emollient facial gel)、2相オイル発泡入浴剤、シャンプー、シャワー用入浴剤、水性-アルコール性AP/デオポンプスプレー、エアロゾル、水性/アルコール性AP/デオロールオン、「アウトオブベッド」タイプスタイリングゲル、シェービングフォーム、敏感肌乳児用シャンプー、敏感肌用ボディウォッシュ、敏感頭皮用光沢向上シャンプー、デオスティック、乳児用ワイプ、アフターシェーブバーム、フェイスゲル、フェイスデイケアクリーム、フェイスクレンザー、ボディローション、サンケアSPF50+、スプレー可能ローション、手洗い用食器洗剤-レギュラー、手洗い用食器洗剤-濃縮物、サニタリー洗浄剤-濃縮物、多目的洗浄剤、抗菌布地柔軟剤、洗浄剤組成物、粉末洗浄剤組成物及び液体洗浄剤組成物からなる群から選択される様々な組成物に含ませることが可能である。
【0200】
当業者は、上記生成物のための様々な一般的な配合法に精通し得る。
【0201】
組成物1A、1B、2A及び2Bは、例えばIP.com Number: IPCOM000258614D entitled New Aroma Chemicals 6~46ページ、表1~表D13に開示されているような特定の配合物に配合することができ、その場合、「フレグランス組成物1A」が、同量の組成物1A、1B、2A又は2Bで置きかえられる。