(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】アンテナユニット、およびアンテナユニット付き窓ガラス
(51)【国際特許分類】
H01Q 13/08 20060101AFI20240708BHJP
H01Q 1/38 20060101ALI20240708BHJP
H01Q 1/32 20060101ALI20240708BHJP
H01Q 1/22 20060101ALI20240708BHJP
H01Q 19/22 20060101ALI20240708BHJP
【FI】
H01Q13/08
H01Q1/38
H01Q1/32 A
H01Q1/22 Z
H01Q19/22
(21)【出願番号】P 2022142860
(22)【出願日】2022-09-08
(62)【分割の表示】P 2020506670の分割
【原出願日】2019-03-15
【審査請求日】2022-10-03
(31)【優先権主張番号】P 2018050042
(32)【優先日】2018-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000044
【氏名又は名称】AGC株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】510191919
【氏名又は名称】エージーシー グラス ユーロップ
【氏名又は名称原語表記】AGC GLASS EUROPE
【住所又は居所原語表記】Avenue Jean Monnet 4, 1348 Louvain-la-Neuve, Belgique
(73)【特許権者】
【識別番号】507090421
【氏名又は名称】エージーシー フラット グラス ノース アメリカ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AGC FLAT GLASS NORTH AMERICA,INC.
【住所又は居所原語表記】11175 Cicero Dr. Suite 400, Alpharetta, GA 30022, U.S.A.
(73)【特許権者】
【識別番号】516170945
【氏名又は名称】エージーシー ヴィドロ ド ブラジル リミターダ
【氏名又は名称原語表記】AGC Vidros do Brasil Ltda.
【住所又は居所原語表記】Estrada Municipal Doutor Jaime Eduardo Ribeiro Pereira, n 500, Jardim Vista Alegre, Guaratingueta, Sao Paulo, CEP 12523-671, Brasil
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】堀江 昌輝
(72)【発明者】
【氏名】園田 龍太
(72)【発明者】
【氏名】高橋 幸夫
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-135931(JP,A)
【文献】特開2005-033475(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0032164(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0289852(US,A1)
【文献】特開2008-148305(JP,A)
【文献】特開平08-162843(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 13/08
H01Q 1/38
H01Q 1/32
H01Q 1/22
H01Q 19/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓ガラスに取り付けて使用されるアンテナユニットであって、
放射素子と、
前記放射素子に対して屋外側に位置する導波部材と、
前記放射素子に対して屋内側に位置する導体とを備え、
前記放射素子と前記導波部材との間の距離をa、前記放射素子と前記導波部材との間の誘電体部材からなる媒質の比誘電率をε
rとするとき、
aは、(2.11×ε
r-1.82)mm以上である、アンテナユニット。
【請求項2】
前記導波部材は、前記誘電体部材に設けられる、請求項1に記載のアンテナユニット。
【請求項3】
前記放射素子と前記導波部材との間の距離をa、前記放射素子と前記窓ガラスとの間の距離をD、前記放射素子の動作周波数における波長をλg、前記窓ガラスの厚さを8mm以上12mm以下とするとき、
aは、(-27.27×D
4+23.64×D
3-6.57×D
2+0.87×D-0.02)×λg以上(-8.70×D
3+4.23×D
2+0.31×D+0.02)×λg以下であり、
Dは、0.06×λg以上0.35×λg以下である、請求項1または2に記載のアンテナユニット。
【請求項4】
前記放射素子と前記導波部材との間の距離をa、前記放射素子と前記窓ガラスとの間の距離をD、前記放射素子の動作周波数における波長をλg、前記窓ガラスの厚さを8mm以上14mm以下とするとき、
aは、(-69.2×D
4+57.9×D
3-15.9×D
2+1.9×D-0.1)×λg以上(-83.92×D
4+43.52×D
3-6.67×D
2+1.19×D-0.01)×λg以下であり、
Dは、0.06×λg以上0.35×λg以下である、請求項1または2に記載のアンテナユニット。
【請求項5】
前記放射素子と前記導波部材との間の距離をa、前記放射素子と前記窓ガラスとの間の距離をD、前記放射素子の動作周波数における波長をλg、前記窓ガラスの厚さを8mm以上19mm以下とするとき、
aは、(-41.962×D
4+32.098×D
3-7.094×D
2+0.640×D+0.004)×λg以上(167.8×D
4-132.7×D
3+33.6×D
2-2.4×D+0.1)×λg以下であり、
Dは、0.06×λg以上0.35×λg以下である、請求項1または2に記載のアンテナユニット。
【請求項6】
前記放射素子と前記導波部材との間の距離をa、前記放射素子と前記窓ガラスとの間の距離をD、前記放射素子の動作周波数における波長をλg、前記窓ガラスの厚さを6mm以上19mm以下とするとき、
aは、(-4.9×D
3+4.4×D
2-0.8×D+0.1)×λg以上(545.50×D
4-514.11×D
3+171.26×D
2-22.95×D+1.11)×λg以下であり、
Dは、0.12×λg以上0.35×λg以下である、請求項1または2に記載のアンテナユニット。
【請求項7】
前記放射素子と前記導波部材との間の距離をa、前記放射素子と前記窓ガラスとの間の距離をD、前記放射素子の動作周波数における波長をλg、前記窓ガラスの厚さを10mm以上14mm以下とするとき、
aは、(15.70×D
4-16.01×D
3+4.76×D
2-0.31×D+0.03)×λg以上(-2629.9×D
6+4534.4×D
5-3037.8×D
4+999.0×D
3-167.1×D
2+14.1×D-0.4)×λg以下であり、
Dは、0.06×λg以上0.58×λg以下である、請求項1または2に記載のアンテナユニット。
【請求項8】
前記放射素子と前記導波部材との間の距離をa、前記放射素子と前記窓ガラスとの間の距離をD、前記放射素子の動作周波数における波長をλg、前記窓ガラスの厚さを8mm以上14mm以下とするとき、
aは、(6.53×D
3-5.79×D
2+1.27×D+0.04)×λg以上(11505.6×D
6―30063.4×D
5+31611.0×D
4-17154.3×D
3+5073.7×D
2-775.0×D+47.9)×λg以下であり、
Dは、0.23×λg以上0.58×λg以下である、請求項1または2に記載のアンテナユニット。
【請求項9】
前記放射素子と前記導波部材との間の距離をa、前記放射素子と前記窓ガラスとの間の距離をD、前記放射素子の動作周波数における波長をλg、前記窓ガラスの厚さを6mm以上14mm以下とするとき、
aは、(9.2×D
3-9.4×D
2+2.8×D-0.2)×λg以上(-629.4×D
4+995.0×D
3-580.3×D
2+149.6×D-14.2)×λg以下であり、
Dは、0.29×λg以上0.58×λg以下である、請求項1または2に記載のアンテナユニット。
【請求項10】
前記放射素子と前記導波部材との間の距離をa、前記放射素子と前記窓ガラスとの間の距離をD、前記放射素子の動作周波数における波長をλg、前記窓ガラスの厚さを6mm以上19mm以下とするとき、
aは、(19.6×D
3-23.0×D
2+8.4×D-0.9)×λg以上(-3105.2×D
4+5562.2×D
3-3696.8×D
2+1082.0×D-117.6)×λg以下であり、
Dは、0.35×λg以上0.58×λg以下である、請求項1または2に記載のアンテナユニット。
【請求項11】
前記導波部材は、前記窓ガラスと前記放射素子との間に位置する、請求項1から
10のいずれか一項に記載のアンテナユニット。
【請求項12】
前記放射素子は、前記窓ガラスと前記導波部材との間に位置する、請求項1から
10のいずれか一項に記載のアンテナユニット。
【請求項13】
前記窓ガラスと前記導波部材との間に整合部材を挟むように前記窓ガラスに取り付けて使用される、請求項1から
11のいずれか一項に記載のアンテナユニット。
【請求項14】
前記窓ガラスの比誘電率をε
r1、前記整合部材の比誘電率をε
r2、前記整合部材と前記放射素子との間の媒質の比誘電率をε
r3とするとき、
ε
r1は、ε
r2よりも大きく、ε
r2は、ε
r3よりも大きい、請求項
13に記載のアンテナユニット。
【請求項15】
前記放射素子と前記導体との距離をd、前記放射素子の動作周波数における波長をλ
gとするとき、
dは、λ
g/4以下である、請求項1から
14のいずれか一項に記載のアンテナユニット。
【請求項16】
請求項1から
15のいずれか一項に記載のアンテナユニットと、前記窓ガラスとを備える、アンテナユニット付き窓ガラス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナユニット、およびアンテナユニット付き窓ガラスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アンテナを被覆する3層構造より成る電波透過体を、建築仕上材に使用して、電波透過性能の改善を図る技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
マイクロストリップアンテナ等の平面アンテナは、その正面方向に、電波を強く放射する。しかしながら、
図1に示されるように、比誘電率が比較的高い窓ガラス200が平面アンテナ100の前方(正面方向)にあると、窓ガラス200の界面で電波が反射してしまうので、平面アンテナ100の後方への放射が大きくなる。その結果、平面アンテナ100のFB比(Front Back ratio)が低下する場合がある。なお、FB比は、メインローブと、そのメインローブに対して180°反対側の方向を基準に±60°の範囲内で最も利得の大きなサイドローブとの利得比を表す。
【0005】
そこで、本開示は、FB比が向上するアンテナユニット、およびアンテナユニット付き窓ガラスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様では、
窓ガラスに取り付けて使用されるアンテナユニットであって、
放射素子と、
前記放射素子に対して屋外側に位置する導波部材と、
前記放射素子に対して屋内側に位置する導体とを備え、
前記放射素子と前記導波部材との間の距離をa、前記放射素子と前記導波部材との間の誘電体部材からなる媒質の比誘電率をεrとするとき、
aは、(2.11×εr-1.82)mm以上である、アンテナユニットが提供される。また、当該アンテナユニットを備えるアンテナユニット付き窓ガラスが提供される。
【0007】
本開示の他の一態様では、
窓ガラスに取り付けて使用されるアンテナユニットであって、
放射素子と、
前記放射素子に対して屋外側に位置する導波部材と、
前記放射素子に対して屋内側に位置する導体とを備え、
前記放射素子と前記導波部材との間に媒質を有し、
前記媒質は空間を含み、
前記放射素子と前記導波部材との間の距離aが2.1mm以上である、アンテナユニットが提供される。また、当該アンテナユニットを備えるアンテナユニット付き窓ガラスが提供される。
【0008】
本開示の他の一態様では、
窓ガラスに取り付けて使用されるアンテナユニットであって、
放射素子と、
前記放射素子に対して屋外側に位置する導波部材と、
前記放射素子に対して屋内側に位置する導体とを備え、
前記放射素子と前記導波部材との間の距離をa、前記放射素子と前記導波部材との間の媒質の比誘電率をεr、前記放射素子の動作周波数における波長をλgとするとき、
aは、(0.031×εr
2-0.065×εr+0.040)×λg以上である、アンテナユニットが提供される。また、当該アンテナユニットを備えるアンテナユニット付き窓ガラスが提供される。
【0009】
本開示の他の一態様では、
窓ガラスに取り付けて使用されるアンテナユニットであって、
前記窓ガラスとの間に整合部材を挟むように位置する放射素子を備え、
記窓ガラスの比誘電率をεr1、前記整合部材の比誘電率をεr2、前記整合部材と前記放射素子との間の媒質の比誘電率をεr3とするとき、
εr1は、εr2よりも大きく、εr2は、εr3よりも大きい、アンテナユニットが提供される。また、当該アンテナユニットを備えるアンテナユニット付き窓ガラスが提供される。
【0010】
本開示の更なる他の一態様では、
窓ガラスに取り付けて使用されるアンテナユニットであって、
前記窓ガラスとの間に整合部材を挟むように位置する放射素子を備え、
前記窓ガラスと前記放射素子との間の距離をe、前記整合部材の比誘電率をεr2とするとき、
eは、(-0.57×εr2+30.1)mm以上である、アンテナユニットが提供される。また、当該アンテナユニットを備えるアンテナユニット付き窓ガラスが提供される。
【0011】
本開示の更なる他の一態様では、
窓ガラスに取り付けて使用されるアンテナユニットであって、
前記窓ガラスとの間に整合部材を挟むように位置する放射素子を備え、
前記窓ガラスと前記放射素子との間の距離をe、前記整合部材の比誘電率をεr2、前記放射素子の動作周波数における波長をλgとするとき、
eは、(-0.002×εr22+0.0849×εr2+0.2767)×λg以上である、アンテナユニットが提供される。また、当該アンテナユニットを備えるアンテナユニット付き窓ガラスが提供される。
【0012】
本開示の更なる他の一態様では、
窓ガラスとアンテナユニットとの間に挟まれて使用される整合体であって、
前記窓ガラスの比誘電率をεr1、前記整合体の比誘電率をεr2、前記整合体と前記アンテナユニットが備える放射素子との間の媒質の比誘電率をεr3とするとき、
εr1は、εr2よりも大きく、εr2は、εr3よりも大きい、整合体が提供される。
【0013】
本開示の更なる他の一態様では、
窓ガラスとアンテナユニットとの間に挟まれて使用される整合体であって、
前記窓ガラスと前記アンテナユニットが備える放射素子との間の距離をe、前記整合体の比誘電率をεr2とするとき、
eは、(-0.57×εr2+30.1)mm以上である、整合体が提供される。
【0014】
本開示の更なる他の一態様では、
窓ガラスとアンテナユニットとの間に挟まれて使用される整合体であって、
前記窓ガラスと前記アンテナユニットが備える放射素子との間の距離をe、前記整合体の比誘電率をεr2、前記放射素子の動作周波数における波長をλgとするとき、
eは、(-0.002×εr22+0.0849×εr2+0.2767)×λg以上である、整合体が提供される。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、FB比を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】平面アンテナの正面方向に窓ガラスが存在する場合を模式的に示す図である。
【
図2】第1の実施形態におけるアンテナユニット付き窓ガラスの積層構成の一例を模式的に示す断面図である。
【
図3】第2の実施形態におけるアンテナユニット付き窓ガラスの積層構成の一例を模式的に示す断面図である。
【
図4】第3の実施形態におけるアンテナユニット付き窓ガラスの積層構成の一例を模式的に示す断面図である。
【
図5】第4の実施形態におけるアンテナユニット付き窓ガラスの積層構成の一例を模式的に示す断面図である。
【
図6】第5の実施形態におけるアンテナユニット付き窓ガラスの積層構成の一例を模式的に示す断面図である。
【
図7】第6の実施形態におけるアンテナユニット付き窓ガラスの積層構成の一例を模式的に示す断面図である。
【
図8】第7の実施形態におけるアンテナユニット付き窓ガラスの積層構成の一例を模式的に示す断面図である。
【
図9】第8の実施形態におけるアンテナユニット付き窓ガラスの積層構成の一例を模式的に示す断面図である。
【
図10】本実施形態におけるアンテナユニットの構成の一具体例を示す斜視図である。
【
図11】
図10に示されるアンテナユニットにおいて、放射素子と導波部材との間の距離aと、放射素子と導波部材との間の媒質の比誘電率ε
rとの関係を示す図である。
【
図12】
図10に示されるアンテナユニットにおいて、放射素子と窓ガラスとの間の距離eと、整合体の比誘電率ε
rとの関係を示す図である。
【
図13】導波部材が誘電体部材の屋外側に設けられたアンテナユニット付き窓ガラスにおいて、放射素子と導波部材との間の距離aとFB比との関係の一例を示す図である。
【
図14】導波部材が誘電体部材の屋内側に設けられたアンテナユニット付き窓ガラスにおいて、放射素子と導波部材との間の距離aとFB比との関係の一例を示す図である。
【
図15】導波部材が誘電体部材の屋外側に設けられたアンテナユニット付き窓ガラスにおいて、放射素子と導波部材との間の距離aとFB比との関係の一例を示す図(その1)である。
【
図16】導波部材が誘電体部材の屋外側に設けられたアンテナユニット付き窓ガラスにおいて、放射素子と導波部材との間の距離aとFB比との関係の一例を示す図(その2)である。
【
図17】導波部材が誘電体部材の屋内側に設けられたアンテナユニット付き窓ガラスにおいて、放射素子と導波部材との間の距離aとFB比との関係の一例を示す図(その1)である。
【
図18】導波部材が誘電体部材の屋内側に設けられたアンテナユニット付き窓ガラスにおいて、放射素子と導波部材との間の距離aとFB比との関係の一例を示す図(その2)である。
【
図19】
図10に示されるアンテナユニットにおいて、放射素子と導波部材との間の距離a(λgで規格化)と、放射素子と導波部材との間の媒質の比誘電率ε
rとの関係を示す図である。
【
図20】
図10に示されるアンテナユニットにおいて、放射素子と窓ガラスとの間の距離e(λgで規格化)と、整合体の比誘電率ε
rとの関係を示す図である。
【
図21】本実施形態におけるアンテナユニットに含まれる複数の放射素子の構成例を示す平面図である。
【
図22】本実施形態におけるアンテナユニットに含まれる導波部材及び誘電体部材の構成例を示す平面図である。
【
図23】本実施形態におけるアンテナユニットに含まれる導波部材の構成例を示す平面図である。
【
図24】導波部材の効果が得られるaとDの関係を示す。
【
図25】導波部材の効果が得られるaとDの関係を示す。
【
図26】導波部材の効果が得られるaとDの関係を示す。
【
図27】導波部材の効果が得られるaとDの関係を示す。
【
図28】アンテナ利得が8dBi以上得られるaとDの関係を示す。
【
図29】アンテナ利得が8dBi以上得られるaとDの関係を示す。
【
図30】アンテナ利得が8dBi以上得られるaとDの関係を示す。
【
図31】アンテナ利得が8dBi以上得られるaとDの関係を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向は、それぞれ、X軸に平行な方向、Y軸に平行な方向、Z軸に平行な方向を表す。X軸方向とY軸方向とZ軸方向は、互いに直交する。XY平面、YZ平面、ZX平面は、それぞれ、X軸方向及びY軸方向に平行な仮想平面、Y軸方向及びZ軸方向に平行な仮想平面、Z軸方向及びX軸方向に平行な仮想平面を表す。
【0018】
図2は、第1の実施形態におけるアンテナユニット付き窓ガラスの積層構成の一例を模式的に示す断面図である。アンテナユニット付き窓ガラス301は、アンテナユニット101と、窓ガラス201とを備える。アンテナユニット101は、建物用の窓ガラス201の屋内側の表面に取り付けられている。
【0019】
アンテナユニット101は、建物用の窓ガラス201の屋内側に取り付けて使用される機器である。アンテナユニット101は、例えば、第5世代移動通信システム(いわゆる、5G)、ブルートゥース(登録商標)等の無線通信規格、IEEE802.11ac等の無線LAN(Local Area Network)規格に対応可能に形成されている。なお、アンテナユニット101は、これら以外の規格に対応可能に形成されてもよい。
【0020】
アンテナユニット101は、少なくとも、放射素子10、導波部材20及び導体30を備える。
【0021】
放射素子10は、所望の周波数帯の電波を送受可能に形成されるアンテナ導体である。所望の周波数帯として、例えば、周波数が3~30GHzのSHF(Super High Frequency)帯、周波数が30~300GHzのEHF(Extremely High Frequency)などが挙げられる。放射素子10は、放射器(輻射器)として機能する。
【0022】
導波部材20は、放射素子10に対して屋外側に位置するように設けられており、図示の形態では、放射素子10に対して特定の方向(より具体的には、Y軸方向の負側)に位置するように設けられている。本実施形態における導波部材20は、窓ガラス201と放射素子10との間に位置するように設けられており、八木宇田アンテナで使用される導波部材と同様に、放射素子10から放射された電波を特定の方向(図示の場合、Y軸方向の負側)に導く機能を有する。つまり、導波部材20によってアンテナユニット101の指向性を任意に形成することができる。
【0023】
導体30は、放射素子10に対して屋内側に位置するように設けられており、図示の形態では、放射素子10に対してY軸方向の正側に位置するように設けられている。
【0024】
このように、アンテナユニット101は、窓ガラス201と放射素子10との間に導波部材20が配置されているので、放射素子10から窓ガラス201に向かって放射される電波を導波部材20により絞ることができ、窓ガラス201の界面での電波の反射を抑えられ、FB比が向上する。
【0025】
また、放射素子10と導波部材20との間の距離をa、放射素子10と導波部材20との間の誘電体部材41からなる媒質の比誘電率をεrとするとき、aは、(2.11×εr-1.82)mm以上であることが、FB比の向上の点で好ましい。本発明者は、距離aをこのように設定することによって、FB比が0dB以上となることを見出した。FB比が0dB以上ということは、メインローブの利得が、そのメインローブに対して180°反対側の方向を基準に±60°の範囲内で最も利得の大きなサイドローブの利得以上であることを表し、放射素子10の指向性における最大放射方向が屋外側に向いていることを表す。aの上限は特に限定されないが、aは100mm以下であってよく、50mm以下であってよく、30mm以下であってよく、20mm以下であってよく、10mm以下であってよい。また、放射素子10の動作周波数における波長をλgとすると、aは100×λg/85.7以下であってよく、50×λg/85.7以下であってよく、30×λg/85.7以下であってよく、20×λg/85.7以下であってよく、10×λg/85.7以下であってよい。
【0026】
放射素子10の動作周波数が0.7~30GHz(好ましくは1.5~6.0GHz、より好ましくは2.5~4.5GHz、さらに好ましくは3.3~3.7GHz、特に好ましくは3.5GHz)であるときに、aは、(2.11×εr-1.82)mm以上であることが、FB比の向上の点で特に好ましい。
【0027】
また、導波部材20の面積を窓ガラス201の面積で除した値は、0.00001~0.001が好ましい。導波部材20の面積を窓ガラス201の面積で除した値が0.00001以上であれば、FB比が向上する。導波部材20の面積を窓ガラス201の面積で除した値は、0.00005以上がより好ましく、0.0001以上がさらに好ましく、0.0005以上が特に好ましい。また、導波部材20の面積を窓ガラス201の面積で除した値が0.001以下であれば、外観上、導波部材20が目立ちにくく意匠性がよい。導波部材20の面積を窓ガラス201の面積で除した値は、0.0008以下がより好ましく、0.0007以下がさらに好ましい。
【0028】
次に、導波部材20を備える構成についてより詳細に説明する。
【0029】
アンテナユニット101は、放射素子10、導波部材20、導体30、誘電体部材41及び誘電体部材50及び支持部60を備える。
【0030】
放射素子10は、例えば、平面状に形成された導体である。放射素子10は、Au(金)、Ag(銀)、Cu(銅)、Al(アルミニウム)、Cr(クロム)、Pd(鉛)、Zn(亜鉛)、Ni(ニッケル)、またはPt(白金)などの導電性材料で形成される。導電性材料は、合金でもよく、例えば、銅と亜鉛の合金(黄銅)、銀と銅の合金、銀とアルミニウムの合金などがある。放射素子10は、薄膜であってもよい。放射素子10の形状は、矩形状でも円状でもよいが、これらの形状に限られない。放射素子10は、例えば、導波部材20と導体30との間に位置するように少なくとも一つ以上設けられており、図示の形態では、導波部材20と導体30との間に位置する誘電体部材50の導波部材20側の表面に形成されている。放射素子10は、例えば、導体30をグランド基準とする給電点により給電される。放射素子10として、例えば、パッチ素子、ダイポール素子を用いることができる。
【0031】
導波部材20は、例えば、平面状に形成された導体である。導波部材20は、Au(金)、Ag(銀)、Cu(銅)、Al(アルミニウム)、Cr(クロム)、Pd(鉛)、Zn(亜鉛)、Ni(ニッケル)、またはPt(白金)などの導電性材料で形成される。導電性材料は、合金でもよく、例えば、銅と亜鉛の合金(黄銅)、銀と銅の合金、銀とアルミニウムの合金などがある。導波部材20は、導電性材料を例えばガラス基板、樹脂基板に貼着して形成してもよい。導波部材20は、薄膜であってもよい。
【0032】
放射素子10および導波部材20に用いられる導体は、光透過性を有するためにメッシュ状に形成してもよい。ここで、メッシュとは、導体の平面に網目状の透孔が空いた状態をいう。
【0033】
導体がメッシュ状に形成される場合、メッシュの目は方形であってもよく、菱形であってもよい。メッシュの目を方形に形成する場合、メッシュの目は正方形であることが好ましい。メッシュの目が正方形であれば、意匠性が良い。また、自己組織化法によるランダム形状でもよい。ランダム形状にすることでモアレを防ぐことができる。メッシュの線幅は、5~30μmが好ましく、6~15μmがより好ましい。メッシュの線間隔は、50~500μmが好ましく、100~300μmがより好ましい。また、メッシュの線間隔は、放射素子10の動作周波数における波長をλとしたとき、0.5λ以下であることが好ましく、0.1λ以下であることがより好ましく、0.01λ以下であることがさらに好ましい。メッシュの線間隔が0.5λ以下であればアンテナの性能が高い。また、メッシュの線間隔は、0.001λ以上であってもよい。
【0034】
導体30は、例えば、平面状に形成された導体プレーンである。放射素子10の形状は、矩形状でも円状でもよいが、これらの形状に限られない。導体30は、例えば、放射素子10に対して導波部材20が位置する側とは反対側に少なくとも一つ以上設けられており、図示の形態では、誘電体部材50の導波部材20側の表面とは反対側の表面に形成されている。
【0035】
誘電体部材50は、例えば、誘電体を主成分とする誘電性の基板である。誘電体部材50は、基板とは別の形態の部材(例えば、フィルム)でもよい。誘電体部材50の具体例として、ガラス基板、アクリル、ポリカーボネート、PVB(ポリビニルブチラール)、COP(シクロオレフィンポリマー)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリイミド、セラミックス、サファイアなどが挙げられる。誘電体部材50がガラス基板で形成される場合、ガラス基板の材質としては、例えば、無アルカリガラス、石英ガラス、ソーダライムガラス、ホウケイ酸ガラス、アルカリホウケイ酸ガラス、またはアルミノシリケートガラスなどを挙げることができる。
【0036】
本実施形態におけるアンテナユニット101は、平面アンテナの一種であるマイクロストリップアンテナが形成されるように、放射素子10と導体30との間に誘電体部材50が挟まれる構成を有する。また、アレイアンテナが形成されるように、複数の放射素子10が誘電体部材50の導波部材20側の表面上に配列されていてもよい。
【0037】
誘電体部材41は、放射素子10と導波部材20との間の媒質である。本実施形態では、導波部材20は、誘電体部材41に設けられており、より具体的には、誘電体部材41の屋外側の表面に形成されている。誘電体部材41は、誘電体部材41の屋内側の表面が放射素子10に接触するように、誘電体部材50に対して支持されている。誘電体部材41は、例えば、比誘電率が1よりも大きく15以下(好ましくは7以下、より好ましくは5以下、特に好ましくは2.2以下)の誘電体を主成分とする誘電性の基材である。誘電体部材41としては、例えば、フッ素樹脂、COC(シクロオレフィンコポリマー)、COP(シクロオレフィンポリマー)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリイミド、セラミックス、サファイア、ガラス基板を用いることができる。誘電体部材41がガラス基板で形成される場合、ガラス基板の材質としては、例えば、無アルカリガラス、石英ガラス、ソーダライムガラス、ホウケイ酸ガラス、アルカリホウケイ酸ガラス、またはアルミノシリケートガラスなどを挙げることができる。比誘電率は、例えば空洞共振器により測定される。
【0038】
支持部60は、アンテナユニット101を窓ガラス201に対して支持する部位である。本実施形態では、支持部60は、窓ガラス201と導波部材20との間に空間が形成されるようにアンテナユニット101を支持する。支持部60は、窓ガラス201と誘電体部材50との間の空間を確保するスペーサでもよいし、アンテナユニット101の筐体でもよい。支持部60は、誘電性の基材によって形成される。支持部60の材料としては、例えば、シリコーン系樹脂、ポリサルファイド系樹脂又はアクリル系樹脂などの公知の樹脂を用いることができる。また、アルミニウムなどの金属を用いてもよい。
【0039】
窓ガラス201と放射素子10との距離Dは、放射素子10の共振周波数における波長をλとしたとき、0~3λが好ましい。窓ガラス201と放射素子10との距離Dが0~3λであれば、ガラス界面の電波の反射を軽減できる。窓ガラス201と放射素子10との距離Dは、0.1λ以上がより好ましく、0.2λ以上がさらに好ましい。また、窓ガラス201と放射素子10との距離Dは、2λ以下がより好ましく、λ以下がさらに好ましく、0.6λ以下が特に好ましい。
【0040】
また、導波部材20の面積を誘電体部材50の面積で除した値は、0.0001~0.01が好ましい。導波部材20の面積を誘電体部材50の面積で除した値が0.0001以上であれば、FB比が向上する。導波部材20の面積を誘電体部材50の面積で除した値は、0.0005以上がより好ましく、0.001以上がさらに好ましく、0.0013以上が特に好ましい。また、導波部材20の面積を誘電体部材50の面積で除した値が0.01以下であれば、外観上、導波部材20が目立ちにくく意匠性がよい。導波部材20の面積を誘電体部材50の面積で除した値は、0.005以下がより好ましく、0.002以下がさらに好ましい。
【0041】
なお、導波部材20は、窓ガラス201の屋内側の表面に接した状態で設けられてもよい。この場合、誘電体部材41はあってもなくてもよく、放射素子10と導波部材20との間の媒質の比誘電率は、窓ガラス201の比誘電率よりも低いことが好ましい。窓ガラス201の比誘電率は、10以下であってもよく、9以下であってもよく、7以下であってもよく、5以下であってもよい。
【0042】
また、窓ガラス201は、単層ガラス(単一のガラス板)に限られず、複層ガラスや合わせガラスでもよい。
【0043】
図3は、第2の実施形態におけるアンテナユニット付き窓ガラスの積層構成の一例を模式的に示す断面図である。上述の実施形態と同様の構成及び効果の説明は、上述の説明を援用することで省略又は簡略する。アンテナユニット付き窓ガラス302は、アンテナユニット102と、窓ガラス201とを備える。アンテナユニット102は、建物用の窓ガラス201の屋内側の表面に取り付けられている。
【0044】
上述の実施形態と同様に、アンテナユニット102は、窓ガラス201と放射素子10との間に導波部材20が配置されているので、FB比が向上する。
【0045】
アンテナユニット102では、誘電体部材41の屋内側の表面が放射素子10に接触しないように、誘電体部材41は誘電体部材50に対してスペーサ61により支持されている。つまり、誘電体部材41は、放射素子10との間に空間42が形成されるように位置し、放射素子10と導波部材20との間の媒質には、誘電体部材41と空間42との両方が含まれている。空間42には、空気が存在するが、空気以外の気体でもよい。空間42は、真空でもよい。放射素子10が誘電体部材41に接しないため、共振周波数が誘電体部材41の影響を受けにくく、FB比が向上する。
【0046】
アンテナユニット102は、誘電体部材41が放射素子10との間に空間42が形成されるように位置するため、aは、2.1mm以上であることが、FB比の向上の点で好ましい。距離aは、誘電体部材41と空間42の実効比誘電率で決定される。本発明者は、誘電体部材41が放射素子10との間に空間42が形成されるように位置するとき、距離aをこのように設定することによって、FB比が0dB以上となることを見出した。
【0047】
図4は、第3の実施形態におけるアンテナユニット付き窓ガラスの積層構成の一例を模式的に示す断面図である。上述の実施形態と同様の構成及び効果の説明は、上述の説明を援用することで省略又は簡略する。アンテナユニット付き窓ガラス303は、アンテナユニット103と、窓ガラス201とを備える。アンテナユニット103は、建物用の窓ガラス201の屋内側の表面に取り付けられている。
【0048】
上述の実施形態と同様に、アンテナユニット103は、窓ガラス201と放射素子10との間に導波部材20が配置されているので、FB比が向上する。
【0049】
アンテナユニット103では、誘電体部材41の屋内側の表面に形成された導波部材20が放射素子10に接触しないように、誘電体部材41は誘電体部材50に対してスペーサ61により支持されている。つまり、アンテナユニット103は、導波部材20に対して放射素子10の側とは反対側に位置する誘電体の一例である誘電体部材41を備える。導波部材20は、誘電体部材41と放射素子10との間に位置する。誘電体部材41の屋内側の表面に設けられる導波部材20は、放射素子10との間に空間42が形成されるように位置し、放射素子10と導波部材20との間の媒質には、空間42のみが含まれている。空間42には、空気が存在するが、空気以外の気体でもよい。空間42は、真空でもよい。放射素子10が誘電体部材41に接しず、放射素子10と導波部材20との間の媒質が空間42のみであるため、共振周波数が誘電体部材41の影響を受けにくく、FB比が向上する。
【0050】
アンテナユニット103は、放射素子10と導波部材20との間の媒質には、空間42のみが含まれているため、aは、2.3mm以上であることが、FB比の向上の点で好ましい。本発明者は、放射素子10と導波部材20との間の媒質に空間42のみが含まれているとき、距離aをこのように設定することによって、FB比が0dB以上となることを見出した。
【0051】
なお、誘電体部材41は誘電体部材50に対してスペーサ61により支持されているが、誘電体部材41は支持部60により支持されてもよい。また、誘電体部材41は設けなくてもよく、導波部材20と窓ガラス201との間は、空間のみであってもよい。導波部材20と窓ガラス201との間が空間のみの場合、導波部材20は、例えば支持部60またはスペーサ61により支持される。
【0052】
図5は、第4の実施形態におけるアンテナユニット付き窓ガラスの積層構成の一例を模式的に示す断面図である。上述の実施形態と同様の構成及び効果の説明は、上述の説明を援用することで省略又は簡略する。アンテナユニット付き窓ガラス304は、アンテナユニット104と、窓ガラス201とを備える。アンテナユニット104は、建物用の窓ガラス201の屋内側の表面に取り付けられている。
【0053】
上述の実施形態と同様に、アンテナユニット104は、窓ガラス201と放射素子10との間に導波部材20が配置されているので、FB比が向上する。
【0054】
アンテナユニット104では、導波部材20は、放射素子10に接触しないように、支持部60の窓ガラス201側の支持壁に形成されており、当該支持壁の屋内側に向く内壁面に形成されている。つまり、アンテナユニット104は、導波部材20に対して放射素子10の側とは反対側に位置する誘電体の一例である支持部60(の支持壁)を備える。導波部材20は、その支持壁と放射素子10との間に位置する。支持部60の支持壁に設けられる導波部材20は、放射素子10との間に空間42が形成されるように位置し、放射素子10と導波部材20との間の媒質には、空間42のみが含まれている。空間42には、空気が存在するが、空気以外の気体でもよい。空間42は、真空でもよい。放射素子10と導波部材20との間の媒質が空間42のみであるため、FB比が向上する。
【0055】
アンテナユニット104は、放射素子10と導波部材20との間の媒質には、空間42のみが含まれているため、aは、2.3mm以上であることが、FB比の向上の点で好ましい。
【0056】
図6は、第5の実施形態におけるアンテナユニット付き窓ガラスの積層構成の一例を模式的に示す断面図である。上述の実施形態と同様の構成及び効果の説明は、上述の説明を援用することで省略又は簡略する。アンテナユニット付き窓ガラス305は、アンテナユニット105と、窓ガラス201とを備える。アンテナユニット105は、建物用の窓ガラス201の屋外側の表面に取り付けられている。
【0057】
アンテナユニット105は、アンテナユニット101(
図2参照)と同じ積層構成を有する。しかし、アンテナユニット105は、放射素子10が窓ガラス201と導波部材20との間に位置するように設けられている点で、アンテナユニット101と相違する。
【0058】
このように、アンテナユニット105は、導波部材20が、放射素子10に対して屋内側に位置する窓ガラス201に対して反対側(つまり、屋外側)に配置されているので、放射素子10から屋外側に向かって放射される電波を導波部材20により絞ることができ、放射素子10に対して屋内側に位置する窓ガラス201の界面での電波の反射を抑えることができるので、FB比が向上する。その結果、窓ガラス201の表面に対して法線方向に入射する電波の利得が増大し、放射素子10の後方(屋内側)への反射が減少するので、FB比が向上する。また、aは、(2.11×εr-1.82)mm以上であることが、FB比の向上の点で好ましい。
【0059】
なお、窓ガラス201の屋外側に取り付けられるアンテナユニットは、
図6のアンテナユニット105に限られない。例えば、
図3のアンテナユニット102、
図4のアンテナユニット103又は
図5のアンテナユニット104と同じ積層構成を有するアンテナユニットが、窓ガラス201の屋外側に取り付けられてもよい。
【0060】
図7は、第6の実施形態におけるアンテナユニット付き窓ガラスの積層構成の一例を模式的に示す断面図である。上述の実施形態と同様の構成及び効果の説明は、上述の説明を援用することで省略又は簡略する。アンテナユニット付き窓ガラス401は、アンテナユニット501と、窓ガラス201とを備える。アンテナユニット501は、建物用の窓ガラス201の屋内側の表面に取り付けられている。
【0061】
アンテナユニット501は、窓ガラス201との間に整合部材70を挟むように位置する放射素子10と、整合部材70との間に放射素子10を挟むように位置する導体30とを備える。
【0062】
整合部材70は、放射素子10と窓ガラス201との間に存在する媒質と、窓ガラス201との間で、インピーダンスのずれを整合する整合体の一例である。インピーダンスのずれが整合されることにより、放射素子10から窓ガラス201に向けて放射された電波は、窓ガラス201の界面で反射することを抑えることができるので、FB比が向上する。
【0063】
また、窓ガラス201の比誘電率をεr1、整合部材70の比誘電率をεr2、整合部材70と放射素子10との間の媒質の比誘電率をεr3とするとき、εr1は、εr2よりも大きく、εr2は、εr3よりも大きいことが、好ましい。これにより、放射素子10から放射される電波が、整合部材70と放射素子10との間の媒質、整合部材70、窓ガラス201の順に反射ロスを抑えて透過するので、FB比が向上する。
【0064】
また、窓ガラス201と放射素子10との間の距離をe、整合部材70の比誘電率をεr2とするとき、eは、(-0.57×εr2+30.1)mm以上であることが、FB比の向上の点で好ましい。本発明者は、距離eをこのように設定することによって、FB比が0dB以上となることを見出した。eの上限は特に限定されないが、eは100mm以下であってよく、50mm以下であってよく、30mm以下であってよく、20mm以下であってよく、10mm以下であってよい。εr2は100以下であってよく、50以下であってよく、20以下であってよい。
【0065】
次に、整合部材70を備える構成についてより詳細に説明する。
【0066】
整合部材70は、窓ガラス201に設けられる。本実施形態では、整合部材70は、窓ガラス201の屋内側の表面に設けられている。アンテナユニット501は、窓ガラス201の屋内側の表面に整合部材70を介して取り付けられている。
【0067】
誘電体部材41は、整合部材70と放射素子10との間の媒質の一例である。アンテナユニット付き窓ガラス401では、整合部材70と放射素子10との間に誘電体部材41が接触して配置されているが、接触していなくてもよい。
【0068】
図8は、第7の実施形態におけるアンテナユニット付き窓ガラスの積層構成の一例を模式的に示す断面図である。上述の実施形態と同様の構成及び効果の説明は、上述の説明を援用することで省略又は簡略する。アンテナユニット付き窓ガラス402は、アンテナユニット502と、窓ガラス201とを備える。アンテナユニット502は、建物用の窓ガラス201の屋内側の表面に取り付けられている。アンテナユニット502は、整合部材70と放射素子10との間の媒質が空間42である点で、アンテナユニット501と相違する。空間42には、空気等の気体が存在する。空間42は、真空でもよい。
【0069】
図9は、第8の実施形態におけるアンテナユニット付き窓ガラスの積層構成の一例を模式的に示す断面図である。上述の実施形態と同様の構成及び効果の説明は、上述の説明を援用することで省略又は簡略する。アンテナユニット付き窓ガラス403は、アンテナユニット503と、窓ガラス201とを備える。アンテナユニット503は、建物用の窓ガラス201の屋内側の表面に取り付けられている。
【0070】
アンテナユニット503は、アンテナユニット103(
図4参照)と同じ積層構成を有する。つまり、アンテナユニット503は、窓ガラス201と導波部材20との間に整合部材70を挟むように窓ガラス201に取り付けて使用される。
【0071】
上述の実施形態と同様に、aは、(2.11×εr-1.82)mm以上であることが、FB比の向上の点で好ましい。また、窓ガラス201の比誘電率をεr1、整合部材70の比誘電率をεr2、整合部材70と放射素子10との間の媒質の比誘電率をεr3とするとき、εr1は、εr2よりも大きく、εr2は、εr3よりも大きいことが、FB比の向上の点で好ましい。
【0072】
なお、窓ガラス201の屋内側に整合部材70を介して取り付けられるアンテナユニットは、
図9のアンテナユニット503に限られない。例えば、
図2のアンテナユニット101、
図3のアンテナユニット102又は
図5のアンテナユニット104と同じ積層構成を有するアンテナユニットが、窓ガラス201の屋内側に整合部材70を介して取り付けられてもよい。
【0073】
また、
図7~9に示されるアンテナユニット付き窓ガラスは、整合部材70と窓ガラス201との間に導体が設けられてもよい。整合部材70と窓ガラス201との間に導体が設けられることによって、整合部材70の厚さを薄くすることができる。整合部材70と窓ガラス201との間に設けられる導体は、例えば、所定帯域の周波数の電波を透過できるように、メッシュ状又はスリット状のパターン等が形成される周波数選択表面(FSS: Frequency Selective Surface)を有する導体パターンである。整合部材70と窓ガラス201との間に設けられる導体は、メタサーフェイスでもよい。整合部材70と窓ガラス201との間の導体は、無くてもよい。
【0074】
また、放射素子10と導体30との距離をd、放射素子10の動作周波数における波長をλgとするとき、dは、λg/4以下であると、FB比の向上の点で好ましい。
【0075】
また、窓ガラス201の厚さは、1.0~20mmが好ましい。窓ガラス201の厚さが1.0mm以上であれば、アンテナユニットを取り付けるための充分な強度を有する。また、窓ガラス201の厚さが20mm以下であれば、電波透過性能がよい。窓ガラス201の厚さは、3.0~15mmがより好ましく、9.0~13mmがさらに好ましい。
【0076】
また、誘電体部材50の面積は、0.01~4m2が好ましい。誘電体部材50の面積が0.01m2以上であれば放射素子10、導体30などを形成しやすい。また、4m2以下であれば、外観上、アンテナユニットが目立ちにくく意匠性がよい。誘電体部材50の面積は、0.05~2m2がより好ましい。
【0077】
図10は、本実施形態におけるアンテナユニットの構成の一具体例を示す斜視図である。放射素子10は、給電点11によって給電される。導波部材20は、互いに平行に配置された複数(具体的には、4本)の線分状の導体素子である。
【0078】
図11は、
図10に示されるアンテナユニットを
図2のように窓ガラス201に取り付けたシミュレーション形態において、放射素子10と導波部材20との間の距離aと、放射素子10と導波部材20との間の媒質の比誘電率ε
rとの関係を示す図である。
図11に示される破線は、FB比が0dBとなる回帰曲線を表し、aが、(2.11×ε
r-1.82)mm以上になると、FB比は0dB以上になる。
【0079】
なお、
図11の計算条件は、
放射素子10:縦18.0mm横18.0mmの正方形パッチ
導波部材20:長さ30.0mm幅2.0mmの線分形状(4本)
窓ガラス201:縦300mm横300mm厚さ6mmのガラス板
誘電体部材50:縦200mm横200mm厚さ0.76mmのポリビニルブチラールを内層に備える縦200mm横200mm厚さ3.3mmのガラス基板
導体30:縦200mm横200mmの正方形
支持部60:無し
であり、放射素子10と導波部材20との間の距離aが0.5~9.0mmの範囲、放射素子10と導波部材20との間の媒質の比誘電率ε
rが1.0~2.2の範囲にてシミュレーションを行った。なお、放射素子10の動作周波数は3.5GHzにてシミュレーションを行った。また、シミュレーションは、電磁界シミュレータ(CST社Microwave Studio(登録商標))を用いて行った。
【0080】
図19は、
図10に示されるアンテナユニットを
図2のように窓ガラス201に取り付けたシミュレーション形態において、放射素子10と導波部材20との間の距離aと、放射素子10と導波部材20との間の媒質の比誘電率ε
rとの関係を示す図である。
図19に示す破線は、
図11に示すaを、放射素子10の動作周波数3.5GHzの1波長(=85.7mm)で規格化したときに、FB比が0dBとなる回帰曲線を表す。放射素子10の動作周波数における波長をλgとするとき、aが、(0.031×ε
r
2-0.065×ε
r+0.040)×λg以上になると、FB比は0dB以上になる。なお、
図19の計算条件は、
図11の場合と同じである。
【0081】
図12は、
図10に示されるアンテナユニットを
図8のように窓ガラス201に整合部材70を介して取り付けたシミュレーション形態において、放射素子10と窓ガラス201との間の距離eと、整合部材70の比誘電率ε
r2との関係を示す図である。
図12に示される破線は、FB比が0dBとなる回帰曲線を表し、eが、(-0.57×ε
r2+30.1)mm以上になると、FB比は0dB以上になる。
【0082】
なお、
図12の測定条件は、導波部材20が無い点を除いて、
図11の場合と同じであり、放射素子10と窓ガラス201との間の距離eが20~40mmの範囲、整合部材70のε
rが1.0~11.0の範囲にてシミュレーションを行った。
【0083】
図20は、
図10に示されるアンテナユニットを
図8のように窓ガラス201に整合部材70を介して取り付けたシミュレーション形態において、放射素子10と窓ガラス201との間の距離eと、整合部材70の比誘電率ε
r2との関係を示す図である。
図20に示す破線は、
図12に示すeを、放射素子10の動作周波数3.5GHzの1波長(=85.7mm)で規格化したときに、FB比が0dBとなる回帰曲線を表す。放射素子10の動作周波数における波長をλgとするとき、eが、(-0.002×ε
r2
2+0.0849×ε
r2+0.2767)×λg以上になると、FB比は0dB以上になる。なお、
図20の計算条件は、
図12の場合と同じである。
【0084】
図13は、導波部材20が誘電体部材41の屋外側に設けられたアンテナユニット付き窓ガラス302において、誘電体部材41の比誘電率ε
rを変化させたときの、放射素子10と導波部材20との間の距離aとFB比との関係の一例を示す図である。
図14は、導波部材20が誘電体部材41の屋内側に設けられたアンテナユニット付き窓ガラス303において、誘電体部材41の比誘電率ε
rを変化させたときの、放射素子10と導波部材20との間の距離aとFB比との関係の一例を示す図である。
図13,14において、誘電体部材41の厚さは、1mmである。
【0085】
図13の構成では、距離aを約2.1mm以上に設定すると、FB比が0dB以上となる。
図14の構成では、距離aを約2.3mm以上に設定すると、FB比が0dB以上となる。
【0086】
図15,16は、導波部材20が誘電体部材41の屋外側に設けられたアンテナユニット付き窓ガラス302において、誘電体部材41の厚さを変化させたときの、放射素子10と導波部材20との間の距離aとFB比との関係の一例を示す図である。誘電体部材41の比誘電率は、
図15の場合では3であり、
図16の場合では4である。距離aが2.5mm以上6mm以下の範囲において、比誘電率が3の
図15の場合、厚さが薄い方がFB比が高くなる一方、比誘電率が4の
図16の場合、厚さが厚い方がFB比が高くなる。
【0087】
図17,18は、導波部材20が誘電体部材41の屋内側に設けられたアンテナユニット付き窓ガラス303において、誘電体部材41の厚さを変化させたときの、放射素子10と導波部材20との間の距離aとFB比との関係の一例を示す図である。誘電体部材41の比誘電率は、
図17の場合では3であり、
図18の場合では4である。距離aが3.0mm以上4mm以下の範囲において、比誘電率が3の
図17の場合、比誘電率が4の
図16の場合に比べて、厚さが薄い方がFB比が顕著に高くなる。
【0088】
図21~23は、本実施形態におけるアンテナユニット1の構成例を部分的に示す平面図である。
図21は、本実施形態におけるアンテナユニット1に含まれる複数の放射素子10の構成例を示す平面図である。
図22は、本実施形態におけるアンテナユニット1に含まれる導波部材20及び誘電体部材50の構成例を示す平面図である。
図23は、本実施形態におけるアンテナユニット1に含まれる導波部材20の構成例を示す平面図である。
【0089】
図21~23に示すアンテナユニット1は、マイクロストリップアンテナが形成されるように、放射素子10と導体30との間に誘電体部材50が挟まれる構成を有する。また、アンテナユニット1は、アレイアンテナが形成されるように、4つの放射素子10が誘電体部材50の導波部材20側の表面上に配列されている。放射素子10は、給電点11によって給電される。導波部材20は、互いに平行に配置された複数(具体的には、4本)の線分状の導体素子である。
【0090】
図24~27は、アンテナユニット1を
図2のように窓ガラス201に取り付けたシミュレーション形態(ただし、誘電体部材41は無い)において、FB比が0dB以上でかつ導波部材20の効果(導波部材20がない形態に比べてアンテナ利得が高くなる)が得られるaとDの関係を示す。距離aは、放射素子10と導波部材20との距離を表し、距離Dは、放射素子10と窓ガラス201との距離を表す。
【0091】
aとDを変化させて、導波部材20を取り付けた形態と取り付けない形態とのアンテナ利得をそれぞれ計算し、導波部材20を取り付けた形態が取り付けない形態に比べてアンテナ利得が高くなるaとDのペアをプロットすると、図示のような上下限線が得られる。
図24~27に示す下限破線及び上限破線は、aとDを放射素子10の動作周波数3.5GHzの1波長(=85.7mm)で規格化したときに、導波部材20を取り付けた形態と取り付けない形態とのアンテナ利得が略同じとなる回帰曲線を表す。
【0092】
図24において、放射素子10の動作周波数における波長をλg、窓ガラス201の厚さを8mm以上12mm以下とするとき、
aは、(-27.27×D
4+23.64×D
3-6.57×D
2+0.87×D-0.02)×λg以上(-8.70×D
3+4.23×D
2+0.31×D+0.02)×λg以下であり、
Dは、0.06×λg以上0.35×λg以下であると、導波部材20を取り付けた形態が取り付けない形態に比べてアンテナ利得が高くなる。
【0093】
図25において、放射素子10の動作周波数における波長をλg、窓ガラス201の厚さを8mm以上14mm以下とするとき、
aは、(-69.2×D
4+57.9×D
3-15.9×D
2+1.9×D-0.1)×λg以上(-83.92×D
4+43.52×D
3-6.67×D
2+1.19×D-0.01)×λg以下であり、
Dは、0.06×λg以上0.35×λg以下であると、導波部材20を取り付けた形態が取り付けない形態に比べてアンテナ利得が高くなる。
【0094】
図26において、放射素子10の動作周波数における波長をλg、窓ガラス201の厚さを8mm以上19mm以下とするとき、
aは、(-41.962×D
4+32.098×D
3-7.094×D
2+0.640×D+0.004)×λg以上(167.8×D
4-132.7×D
3+33.6×D
2-2.4×D+0.1)×λg以下であり、
Dは、0.06×λg以上0.35×λg以下であると、導波部材20を取り付けた形態が取り付けない形態に比べてアンテナ利得が高くなる。
【0095】
図27において、放射素子10の動作周波数における波長をλg、窓ガラス201の厚さを6mm以上19mm以下とするとき、
aは、(-4.9×D
3+4.4×D
2-0.8×D+0.1)×λg以上(545.50×D
4-514.11×D
3+171.26×D
2-22.95×D+1.11)×λg以下であり、
Dは、0.12×λg以上0.35×λg以下であると、導波部材20を取り付けた形態が取り付けない形態に比べてアンテナ利得が高くなる。
【0096】
図28~31は、アンテナユニット1を
図2のように窓ガラス201に取り付けたシミュレーション形態(ただし、誘電体部材41は無い)において、アンテナ利得が8dBi以上得られるaとDの関係を示す。アンテナ利得が8dBi以上であれば、良好な通信エリアを形成できる。
【0097】
aとDを変化させて、アンテナ利得が8dBi以上得られるaとDのペアをプロットすると、図示のような上下限線が得られる。
図28~31に示す下限破線及び上限破線は、aとDを放射素子10の動作周波数3.5GHzの1波長(=85.7mm)で規格化したときに、アンテナ利得が8dBiとなる回帰曲線を表す。
【0098】
図28において、放射素子10の動作周波数における波長をλg、窓ガラス201の厚さを10mm以上14mm以下とするとき、
aは、(15.70×D
4-16.01×D
3+4.76×D
2-0.31×D+0.03)×λg以上(-2629.9×D
6+4534.4×D
5-3037.8×D
4+999.0×D
3-167.1×D
2+14.1×D-0.4)×λg以下であり、
Dは、0.06×λg以上0.58×λg以下であると、アンテナ利得が8dBi以上得られる。
【0099】
図29において、放射素子10の動作周波数における波長をλg、窓ガラス201の厚さを8mm以上14mm以下とするとき、
aは、(6.53×D
3-5.79×D
2+1.27×D+0.04)×λg以上(11505.6×D
6―30063.4×D
5+31611.0×D
4-17154.3×D
3+5073.7×D
2-775.0×D+47.9)×λg以下であり、
Dは、0.23×λg以上0.58×λg以下であると、アンテナ利得が8dBi以上得られる。
【0100】
図30において、放射素子10の動作周波数における波長をλg、窓ガラス201の厚さを6mm以上14mm以下とするとき、
aは、(9.2×D
3-9.4×D
2+2.8×D-0.2)×λg以上(-629.4×D
4+995.0×D
3-580.3×D
2+149.6×D-14.2)×λg以下であり、
Dは、0.29×λg以上0.58×λg以下であると、アンテナ利得が8dBi以上得られる。
【0101】
図31において、放射素子10の動作周波数における波長をλg、窓ガラス201の厚さを6mm以上19mm以下とするとき、
aは、(19.6×D
3-23.0×D
2+8.4×D-0.9)×λg以上(-3105.2×D
4+5562.2×D
3-3696.8×D
2+1082.0×D-117.6)×λg以下であり、
Dは、0.35×λg以上0.58×λg以下であると、アンテナ利得が8dBi以上得られる。
【0102】
以上、アンテナユニット、アンテナユニット付き窓ガラス及び整合体を実施形態により説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。他の実施形態の一部又は全部との組み合わせや置換などの種々の変形及び改良が、本発明の範囲内で可能である。
【符号の説明】
【0103】
1 アンテナユニット
10 放射素子
11 給電点
20 導波部材
30 導体
41 誘電体部材
42 空間
50 誘電体部材
60 支持部
70 整合部材
100 平面アンテナ
101~105,501~503 アンテナユニット
200,201 窓ガラス
301~305,401~403 アンテナ付き窓ガラス