(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】自動分析装置
(51)【国際特許分類】
G01N 35/02 20060101AFI20240708BHJP
【FI】
G01N35/02 E
(21)【出願番号】P 2023500761
(86)(22)【出願日】2022-02-08
(86)【国際出願番号】 JP2022004851
(87)【国際公開番号】W WO2022176702
(87)【国際公開日】2022-08-25
【審査請求日】2023-07-26
(31)【優先権主張番号】P 2021026169
(32)【優先日】2021-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】今西 翔太郎
(72)【発明者】
【氏名】高橋 拓也
(72)【発明者】
【氏名】坂田 健士郎
【審査官】野田 華代
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-48820(JP,A)
【文献】特開2010-85097(JP,A)
【文献】特開2016-90345(JP,A)
【文献】特開2010-122177(JP,A)
【文献】特開2017-106791(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応容器内に洗浄液を吐出する吐出ノズルと、
前記吐出ノズルへ前記洗浄液を供給する経路に設けられた電磁弁と、
前記洗浄液の液量を検知する液量検知器と、
前記電磁弁を制御する制御部と、を備えた自動分析装置であって、
前記制御部は、
前記電磁弁に対して異なる動作をさせる制御シーケンスを記憶する記憶部と、
異なる前記制御シーケンスの中で、分析時に適用すべきものを判定する判定部と、有し、
洗浄液量の調整時に、前記記憶部に記憶された前記制御シーケンスのうち全部または一部が実行されるとともに、各制御シーケンスに対応した前記洗浄液の液量が前記液量検知器によって検知され、
前記判定部は、検知結果が所定の液量範囲条件を満たす複数の前記制御シーケンスの中で、相対的に尤度の高い前記制御シーケンスを、分析時に適用すべきものと判定する自動分析装置。
【請求項2】
請求項1に記載の自動分析装置において、
前記液量検知器は、分注機構に設けられた高さ検知器であって、
前記記憶部には、前記電磁弁の開放時間の異なる前記制御シーケンスが記憶されており、
前記判定部は、検知結果が所定の液面高さ範囲条件を満たす複数の前記制御シーケンスの中で、相対的に尤度の高い前記制御シーケンスを、分析時に適用すべきものとして判定する自動分析装置。
【請求項3】
請求項2に記載の自動分析装置において、
相対的に尤度の高い前記制御シーケンスとは、検知結果が液面高さの基準値に最も近い前記制御シーケンスである自動分析装置。
【請求項4】
請求項3に記載の自動分析装置において、
洗浄液量の調整時に、記憶部に記憶された前記制御シーケンスのうち一部である少なくとも2つが実行され、
前記判定部は、実行結果に基づき、前記電磁弁の開放時間と前記液面高さとの関係式を算出し、当該関係式から前記液面高さの基準値に最も近い前記制御シーケンスを判定する自動分析装置。
【請求項5】
請求項1に記載の自動分析装置において、
分析終了後に、分析結果とともに、分析時に適用した前記制御シーケンスの種類を出力する出力部を、さらに備える自動分析装置。
【請求項6】
請求項2に記載の自動分析装置において、
前記制御部は、適用中の前記制御シーケンスが前記液面高さ範囲条件を満たさなくなる時期を予測する予測部を、さらに有し、
洗浄液量の調整時に、記憶部に記憶された前記制御シーケンスのうち少なくとも2つが実行されて、前記電磁弁の開放時間と前記液面高さとの関係式の傾きが算出され、
前記記憶部は、過去の前記傾きを日時情報とともに記憶し、
前記予測部は、前記記憶部に記憶された過去の前記傾きに基づいて傾きの変化を算出し、
算出した傾きの変化から、前記液面高さ範囲条件を満たさなくなる時期を予測する自動分析装置。
【請求項7】
請求項6に記載の自動分析装置において、
前記予測部が予測した時期の一定期間前から、洗浄液量の調整を促す通知を出力する出力部を、さらに備える自動分析装置。
【請求項8】
請求項6に記載の自動分析装置において、
前記予測部が予測した時期を、次回の調整時期の候補として出力する出力部を、さらに備える自動分析装置。
【請求項9】
請求項2に記載の自動分析装置において、
前記制御部は、前記記憶部に記憶されたすべての前記制御シーケンスが前記液面高さ範囲条件を満たさなくなる時期を予測する予測部をさらに有し、
洗浄液量の調整時に、記憶部に記憶された前記制御シーケンスのうち少なくとも2つが実行されて、前記電磁弁の開放時間と前記液面高さとの関係式の傾きが算出され、
前記記憶部は、過去の前記傾きを日時情報とともに記憶し、
前記予測部は、前記記憶部に記憶された過去の前記傾きに基づいて傾きの変化を算出し、
算出した傾きの変化から、前記液面高さ範囲条件を満たさなくなる時期を予測する自動分析装置。
【請求項10】
請求項2に記載の自動分析装置において、
前記制御部は、前記電磁弁の異常を診断する診断部をさらに有し、
洗浄液量の調整時に、記憶部に記憶された前記制御シーケンスのうち少なくとも2つが実行されて、前記電磁弁の開放時間と前記液面高さとの関係式の傾きが算出され、
前記記憶部は、過去の前記傾きを日時情報とともに記憶し、
前記診断部は、前記記憶部に記憶された過去の前記傾きに基づいて傾きの変化を算出し、
所定期間内の傾きの変化の平均値が一定以上となった場合に、前記電磁弁に異常が生じたと診断する自動分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
反応容器の洗浄に使用する洗浄液の液量を自動で調整する自動分析装置が知られている。例えば、特許文献1には、「バルブ調整機能84は、判定機能82により判定された洗浄機構230の状態に関する判定結果に応じて、第1のノズル251、第4のノズル254、第5のノズル255、及び第6のノズル256から吐出される洗浄液量を調整する機能である。バルブ調整機能84が実行されると、制御回路8Aは、判定機能82の実行により算出された吸光度変化率に基づいて、例えば第1のノズルから吐出された洗浄液量の増加量又は減少量を算出する。制御回路8Aは、算出した洗浄液量の増加量又は減少量に基づいて、駆動機構4を制御し、例えば第1のノズル251から吐出される洗浄液量が適切な量になるように、三方電磁弁271の開放時間を調整する。」という記載がある(段落0084)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、調整した洗浄液量が所定の範囲条件を満たしていれば調整処理を終了する。そのため、液量が当該範囲条件の上限下限付近に調整された場合でも、液量がその範囲条件内であれば調整は完了してしまう。そうすると、調整して間もなく再調整が必要となり、オペレータの手間やコストがかかってしまう課題がある。また、洗浄液量を調整するために、頻繁に分析を止めなければいけなくなる課題も生じる。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、反応容器の洗浄液量の調整頻度を抑制した自動分析装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明は、反応容器内に洗浄液を吐出する吐出ノズルと、前記吐出ノズルへ前記洗浄液を供給する経路に設けられた電磁弁と、前記洗浄液の液量を検知する液量検知器と、前記電磁弁を制御する制御部と、を備えた自動分析装置であって、前記制御部は、前記電磁弁に対して異なる動作をさせる制御シーケンスを記憶する記憶部と、異なる前記制御シーケンスの中で、分析時に適用すべきものを判定する判定部と、有し、洗浄液量の調整時に、前記記憶部に記憶された前記制御シーケンスのうち全部または一部が実行されるとともに、各制御シーケンスに対応した前記洗浄液の液量が前記液量検知器によって検知され、前記判定部は、検知結果が所定の液量範囲条件を満たす複数の前記制御シーケンスの中で、相対的に尤度の高い前記制御シーケンスを、分析時に適用すべきものと判定するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、反応容器の洗浄液量の調整頻度を抑制した自動分析装置を提供できる。前記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】反応容器を洗浄するための構成と、洗浄液の液量を調整するための構成と、を併せて示した図。
【
図3】実施例1に係る液面高さ調整の手順を示したフローチャート。
【
図4】全ての制御シーケンスが実行されてデータが更新されたことを示すデータテーブル。
【
図5】全ての制御シーケンスの実行結果として、電磁弁開放時間と液面高さを示したグラフ。
【
図6】実施例2に係る液面高さ調整の手順を示したフローチャート。
【
図7】一部の制御シーケンスが実行されてデータが更新されたことを示すデータテーブル。
【
図8】一部の制御シーケンスの実行結果として、電磁弁開放時間と液面高さを示したグラフ。
【
図9】実施例3における、選択中の制御シーケンスが、許容範囲条件を満たさなくなる日時を予測する手順を示したフローチャート。
【
図10】過去の液量調整ごとの関係式の傾きに関するデータを保持するデータテーブル。
【
図11】オペレータが洗浄液量の調整の開始スケジュールを設定する際に表示される画面の例。
【
図12】実施例4における、全ての制御シーケンスが、許容範囲条件を満たさなくなる日時を予測する手順を示したフローチャート。
【
図13】オペレータに対して洗浄液量の調整が完了した旨を通知する際に表示される画面の例。
【
図14】実施例5における、電磁弁の、経年劣化以外の要因による異常を診断部が診断する手順を示したフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係わる自動分析装置を説明する。
図1は、本実施形態に係る生化学自動分析装置の全体構成図である。
図1に示すように、自動分析装置は、機構駆動部103と、オペレータが操作する操作部108と、機構駆動部103を制御する制御部102と、を備えている。
【0010】
ここで、機構駆動部103は、駆動回路110と、測定対象を保持する検体容器111と、検体容器111内の検体を反応容器112(反応セル)に分注する検体分注機構113と、反応容器112に試薬を分注する試薬分注機構114と、反応容器112内の混合液を攪拌する攪拌機構115と、反応容器112内の混合液の吸光度を測定する光度計116と、測定が完了した反応容器112を洗浄する洗浄機構117と、反応容器112を各機構の動作位置に搬送する反応ディスク130と、反応を安定させるために反応系を一定温度に保つ反応槽118と、を有する。また、操作部108は、キーボードやマウスなどの入力部119と、ディスプレイやプリンタなどの出力部120と、を備えた端末である。
【0011】
制御部102は、CPU104と、CPU104によって実行されるプログラムを格納するメモリ121と、機構駆動部103を制御する手順が定義された制御シーケンス124などを記憶する記憶部105と、機構駆動部103を制御するための入出力であるI/O106と、アナログ信号をデジタルに変換して測定データを取り込むADC107と、操作部108と通信するインターフェースであるI/F109と、を有する。なお、メモリに格納されるプログラムは、機能ごとに、判定部122および予測部123として概念的に分けられる。
【0012】
記憶部105には、洗浄液吐出のための電磁弁205に対して異なる動作をさせる複数の制御シーケンス124、具体的には、電磁弁205の開放時間の異なる複数の制御シーケンス124、が記憶されている。判定部122は、異なる制御シーケンス124の中で、分析時に適用すべきものを判定するものである。予測部123は、適用中(選択中)の制御シーケンス124が所定の条件を満たさなくなる時期を予測するものである。
【0013】
自動分析装置では、機構駆動部103の駆動回路110が、制御部102のI/O106からの信号によって制御されて、検体分注機構113、試薬分注機構114、攪拌機構115などの各機構を駆動し、反応容器112内で検体と試薬を混合する。さらに、自動分析装置では、機構駆動部103の光度計116が、この混合液について各分析項目に応じた波長で吸光度を測定し、ADC107によって測定データが取り込まれることにより、検体の分析を行う。例えば、制御部102は、測定した吸光度に基づいて検体に含まれる所定成分の濃度を算出し、算出結果を出力部120に出力する。なお、吸光度の測定に変えて散乱光の検出またはその他の測定原理により検体の分析を行っても良い。分析に使用された後の使用済みの反応容器112は、反応ディスク130の近傍に配置された洗浄機構117により、混合液を吸引した後、内部を洗浄することで繰り返しの使用を可能にする。
【0014】
図2は、反応容器を洗浄するための構成と、洗浄液の液量を調整するための構成と、を併せて示した図である。
図2に示すように、洗浄機構117は、洗浄液を吐出する吐出ノズル207と、洗浄液を廃棄するための吸引ノズル208と、を備える。吐出ノズル207には、洗浄液の供給経路として流路203が接続されており、流路203の上流側には電磁弁205およびポンプ204が設けられている。電磁弁205およびポンプ204は制御回路206によって制御され、流路203を通って洗浄液が吐出ノズル207へ送られる。なお、制御回路206は、制御部102のCPU104によって制御される。
【0015】
洗浄機構117は、反応ディスク130に配置された反応容器112に、吐出ノズル207から洗浄液を供給して反応容器112の内部を洗浄する。洗浄後の反応容器112内の洗浄液は、吸引ノズル208で吸引されて反応容器112から排出される。
【0016】
高さ検知器202は、吐出ノズル207が反応容器112に供給する洗浄液の高さを検知するものである。本実施形態では、高さ検知器202として、試薬分注機構114のプローブ201に設けられてプローブ201への液面の接触を検知する液面検知器を利用するため、新たに高さ検知器を用意する必要がない。また、プローブ201には、駆動回路110が接続されており、I/O106を介したCPUからの信号により、駆動回路110がプローブ201を水平移動させたり上下移動させたりする。したがって、制御部102は、反応容器112内にプローブ201を位置させ、高さ検知器202が反応容器112内の洗浄液の液面を検知したときのプローブ201の移動量を検出することにより、洗浄液の液面高さを算出することができる。
【0017】
なお、本実施形態では、試薬分注機構114の高さ検知器202を用いた例を挙げるが、液面を検知できる機構を備えていればこれに限らない。例えば、検体分注機構113の高さ検知器202を用いても良い。また、本実施形態では、高さ検知器202として液面検知器を用いた例を挙げるが、他の方法、例えば画像処理により、液面高さを検知することも可能である。
【0018】
反応容器112は、繰り返し使用されるため、充分に洗浄する必要がある。例えば、反応容器112の所定の高さに達するまでの液量の洗浄液を吐出できれば充分に洗浄できるが、洗浄液の高さが低すぎると洗浄不足となり測定結果に悪影響を及ぼす。また、洗浄液は各種機構の経時変化により吐出量が変化するため、洗浄液の液面高さが所定の高さになるよう各種機構を定期的に調整する必要がある。そこで、本実施形態では、自動分析装置が分析を行っていない、待機状態において、洗浄液量の調整処理(メンテナンス処理)が行われる。例えば、自動分析装置の入力部119を用いてオペレータがメンテナンス処理を行うよう指示を出すことで、メンテナンス処理が開始される。以下では、洗浄液の液量の調整方法として、電磁弁205の開放時間を変更することでこれを実現する例について説明する。
【実施例1】
【0019】
本実施例は、入力部119からの指示を受け、制御部102が、記憶部105に記憶された、洗浄動作用の複数の制御シーケンス124をすべて実行するものである。
図3は、実施例1に係る液面高さ調整の手順を示したフローチャートである。
【0020】
まず、制御部102は、記憶部105に記憶された任意(未実行)の制御シーケンス124を選択し(ステップS301)、選択された制御シーケンス124が以下のステップS307まで実行される。CPU104が、I/O106に対して、洗浄機構117の吐出ノズル207の通常待機位置から洗浄液吐出位置への移動を命令する。駆動回路110は、I/O106からの入力を受けて、吐出ノズル207を通常待機位置から洗浄液吐出位置へ移動させる。吐出ノズル207が洗浄液吐出位置まで移動した後、CPU104は、制御回路206を介して、ポンプ204および電磁弁205を制御し、空の反応容器112内へ、洗浄液の吐出を開始する(ステップS302)。洗浄液の吐出停止後に、CPU104は、I/O106に対して、吐出ノズル207の洗浄液吐出位置から通常待機位置への移動を命令する。駆動回路110は、I/O106からの入力を受けて、吐出ノズル207を通常待機位置まで上昇させる。
【0021】
次に、CPU104は、I/O106に対して、洗浄液が吐出された反応容器112が試薬分注機構114のプローブ201の分注位置に移動するまで、反応ディスク130の回転を命令する。駆動回路110は、I/O106からの入力を受けて、反応容器112がプローブ201の分注位置まで反応ディスク130の回転させる(ステップS303)。
【0022】
次に、CPU104は、I/O106に対して、高さ検知器202が液面を検知するまでプローブ201の下降を命令する。駆動回路110は、I/O106からの入力を受けて、プローブ201を下降させる。制御部102は、高さ検知器202が液面を検知するまでのプローブ201の移動量に基づき、洗浄液の液面高さを導出する(ステップS304)。
【0023】
次に、制御部102は、導出した液面高さを記憶部105内の
図4に示すデータテーブルに保存する(ステップS305)。このデータテーブルは、各制御シーケンス124について、制御シーケンス124に定義されている電磁弁205の開放時間と、制御シーケンス124を実行した結果得られた液面高さと、制御シーケンス124を実行した日時と、分析時の洗浄動作に適用する制御シーケンス124であることを示す選定フラグと、を保持する。制御部102は、当該データテーブルのうち、実行した制御シーケンス124に対応する液面高さと測定日時のデータに関し、前記で導出した液面高さと測定時点の日時に更新する。なお、本実施例では、記憶部105が保持する
図4に示すデータテーブルにおいて、制御シーケンス124のデータの並び順が、電磁弁205の開放時間が昇順になる例を挙げているが、制御シーケンス124のデータの並び順はこれに限らない。例えば、制御シーケンス124のデータの並び順は、電磁弁205の開放時間の降順でも良い。
【0024】
次に、CPU104は、I/O106に対して、反応容器112が洗浄機構117の吸引ノズル208の吸引位置に移動するまで、反応ディスク130の回転を命令する。駆動回路110は、I/O106からの入力を受けて、反応容器112が吸引ノズル208の吸引位置まで反応ディスク130を回転させる(ステップS306)。
【0025】
次に、制御部102は、洗浄機構117の吸引ノズル208を通常待機位置から洗浄液吐出位置へ移動させる。吐出ノズル207が洗浄液吐出位置まで移動した後、制御部102は、制御回路206を介して、ポンプ204を制御し、洗浄液の吸引を開始する(ステップS307)。洗浄液の吸引停止後に、CPU104は、I/O106に対して、吸引ノズル208の洗浄液吸引位置から通常待機位置への移動を命令する。駆動回路110は、I/O106からの入力を受けて、吸引ノズル208の通常待機位置まで上昇させる。
【0026】
このように、最初に選択された制御シーケンス124の実行が完了すると、ステップS301に戻り、SPU104が、別(未実行)の制御シーケンス124を選択する。以降、新たに選択された制御シーケンス124について、前述のステップS302~ステップS307と同様の処理が実行される。なお、各制御シーケンス124は、パイプライン処理により順次実行されても良い。このパイプライン処理では、例えば、n番目の制御シーケンス124が、ステップS303を実施しているときに、同時にn+1番目の制御シーケンス124が、ステップS302を実行する。
【0027】
そして、データテーブルに保存された全ての制御シーケンス124が実行されると、制御部102の判定部122が、導出した洗浄液の液面高さが所定の許容範囲条件を満たすか否かを判定する。本実施例の記憶部105は、液面高さの許容範囲条件として、上限値と下限値を保持しており、さらに、この許容範囲条件の中で、相対的に尤度が高いかどうかを判定するための、液面高さの基準値を保持している。許容範囲条件の上限値と下限値は、オペレータが入力部119から設定してもよい。また、本実施例の基準値は、液面高さの上限値と下限値との間の中央値であるが、これに限らない。例えば、電磁弁205の径が経年変化によって緩みやすい場合には、当該基準値を中央値よりも許容範囲条件の下限値に近い値に設定されてもよい。また、基準値の代わりに、前述の許容範囲条件よりも狭い基準範囲が設定されてもよい。
【0028】
判定部122は、データテーブル内の更新された液面高さの中に、許容範囲条件を満たす液面高さのデータがあるか否かを判定する(ステップS308)。ここで、許容範囲条件を満たす液面高さのデータが存在しない場合、制御部102は、オペレータに対して洗浄液量の調整が不可である旨を、出力部120を介して通知する。この場合は、電磁弁205の交換が必要なため、オペレータに対する通知内容には、電磁弁205の交換を促す旨が含まれる。一方、ステップS308において、許容範囲条件を満たす液面高さのデータが存在する場合、判定部122は、記憶部105が保持する液面高さの基準値に対して、相対的に近い液面高さを実現した制御シーケンス124を、データテーブルから抽出する。このように、判定部122は、許容範囲条件を満たす複数の制御シーケンス124の中で、相対的に尤度の高い制御シーケンス124を、分析時に適用すべきものと判定し、判定した制御シーケンス124の選定フラグをオンに設定する(ステップS309)。なお、許容範囲条件を満たす液面高さのデータが1つのみの場合は、そのデータに対応する制御シーケンス124の選定フラグがオンに設定される。その後、制御部102は、オペレータに対して洗浄液量の調整が完了した旨を、出力部120を介して通知する。
【0029】
制御部102は、選定フラグがオンに設定された制御シーケンス124を、オペレーション(分析)中の反応容器112の洗浄動作時の制御シーケンス124として適用して、洗浄液の吐出を実行する。このため、本実施例の自動分析装置は、反応容器112を洗浄する際に、規定の液量液量の吐出を保証し、かつ、洗浄液量の調整頻度を抑制できる。
【0030】
次に、本実施例における洗浄液量の調整方法に関し、
図4および
図5を用いて、具体的な例で説明する。
図4は、全ての制御シーケンス124が実行されてデータが更新されたことを示すデータテーブルであり、
図5は、全ての制御シーケンス124の実行結果として、電磁弁205の開放時間と液面高さを示したグラフである。
【0031】
まず、自動分析装置の制御部102は、オペレータが入力部119で設定したトリガーに基づき、測定を終了した空の反応容器112を洗浄する際に用いる制御シーケンス124を選定し直すため、メンテナンス処理を開始する。ここで、洗浄液量の調整のために設定されるトリガーとしては、手動で実行させるモードや、オペレータが予め選択した調整間隔または時期に基づいて自動で実行するモード、後述の実施例3で予測した時期に基づいて自動で実行するモード、などがある。記憶部105は、
図4に示すように、6つの制御シーケンス124を保持するものとする。制御部102は、これら全ての制御シーケンス124を、
図3に示すステップS302~ステップS307の手順で実行する。
図5のグラフは、その結果得られた、制御シーケンス124ごとの液面高さを示す。
【0032】
図4および
図5に示すように、制御シーケンスNo1は、電磁弁205を0.5秒開けるものであり、洗浄液を吐出した結果、液面高さが8.9mmとなった。同様に、制御シーケンスNo2は、電磁弁205を0.6秒開けたところ液面高さが9.3mmとなり、制御シーケンスNo3は、電磁弁205を0.7秒開けたところ液面高さ9.7mmとなり、制御シーケンスNo4は、電磁弁205を0.8秒開けたところ液面高さが10.1mmとなり、制御シーケンスNo5は、電磁弁205を0.9秒開けたところ液面高さが10.4mmとなり、制御シーケンスNo6は、電磁弁205を1.0秒開けたところ液面高さが10.7mmとなった。
【0033】
ここで、判定部122は、前述の
図3のステップS308のように、許容範囲条件を満たす液面高さのデータがあるか否かを判定する。
図5に示す通り、許容範囲条件は9.5~10.5mmであり、かつ、この許容範囲条件を満たす制御シーケンス124の実行結果が3つ(制御シーケンスNo3~5)存在するため、
図3のステップS309に進む。
【0034】
ステップS309では、判定部122が、許容範囲条件を満たす3つの制御シーケンス124から、前述の基準値に相対的に近い液面高さを実現した制御シーケンス124を抽出する。基準値は、下限値9.5mmと上限値10.5mmの中央値10.0である。また、制御シーケンスNo3の実行結果は液面高さ9.7mm、制御シーケンスNo4の実行結果は液面高さ10.1mm、制御シーケンスNo3の実行結果は液面高さ10.4mmであるため、基準値10.0mmに相対的に近い液面高さを実現するのは、液面高さ10.1mmを実現した制御シーケンスNo4である。そのため、判定部122は、制御シーケンスNo4を、分析時に適用すべき制御シーケンス124として判定し、
図4のデータテーブルにおいて、制御シーケンスNo4に対応する選定フラグをオン(本実施例では1)に、それ以外の制御シーケンスに対応する選定フラグをオフ(本実施例では0)に設定する。
【0035】
本実施例では、反応容器112の容量が既知であるため、液量を調整するために液面高さを調整指標としている。しかし、液面高さから液量を導出し、液量そのものを調整指標としてもよい。この場合、反応容器112の底面積と形状が既知であれば、測定した液面高さから液量を算出することができる。
【実施例2】
【0036】
実施例1では、制御部102が保持する全ての制御シーケンス124を実行してから、基準値に最も近い(相対的に尤度の高い)制御シーケンス124を抽出するものであった。実施例2では、実行する制御シーケンス124の数が実施例1よりも少なく済むような、より効率的な調整方法を例示する。以下では、実施例1と共通する部分は、適宜説明を省略する。
【0037】
図6は、実施例2に係る液面高さ調整の手順を示したフローチャートである。本実施例の記憶部105が保持するデータテーブルには、実施例1のデータに加えて、
図7に示す通り、各制御シーケンスに対する実行フラグのデータを保持する。実行フラグは、洗浄液量の調整をする際に、実行した制御シーケンス124と実行していない制御シーケンス124とを区別するためのものである。これにより、判定部122は、実行フラグがオフになっている未実行の制御シーケンス124の中から、次に実行すべき制御シーケンス124をより効率的に選ぶことができる。なお、実行フラグは、調整を開始する度に、オフ(本実施例では0)に設定されてから、調整が開始される。
【0038】
まず、制御部102は、データテーブル内の実行フラグと選定フラグを全てオフに設定する。次に、制御シーケンスNoが小さい2つの制御シーケンス124が実行される(ステップS501)。なお、各制御シーケンス124には、
図3に示すステップS302~ステップS307の制御フローが定義されているため、この定義に従って2つの制御シーケンス124が実行される。
【0039】
次に、判定部122は、2つの制御シーケンス124の実行結果に基づき、電磁弁205の開放時間と、検知された液面高さとの関係式を算出する(ステップS502)。さらに、判定部122は、ステップS502で算出した関係式を用いて、記憶部105が保持する液面高さの基準値に相対的に近い液面高さを実現すると考えられる電磁弁205の開放時間を有する制御シーケンス124を、実行フラグがオフの制御シーケンス124の中から抽出する(ステップS503)。制御部102は、ステップS503で抽出された制御シーケンス124を実行し(ステップS504)、その実行結果をデータテーブルに保存するだけでなく、当該制御シーケンス124の実行フラグをオンに設定する。
【0040】
次に、判定部122は、ステップS504の実行結果として得られた液面高さが、記憶部105が保持する許容範囲条件を満たしているか否かを判定する(ステップS505)。ステップS505において、許容範囲条件を満たしていないと判定された場合、判定部122は、データテーブルに、実行フラグがオフに設定されている制御シーケンス124が存在するか否かを判定する(ステップS506)。ステップS506において、実行フラグがオフに設定されている制御シーケンス124が存在しない場合、制御部102は、オペレータに対して洗浄液量の調整が不可である旨を、出力部120を介して通知する。
【0041】
一方、データテーブルに、実行フラグがオフに設定されている制御シーケンス124が存在する場合、制御部102は、未実行の制御シーケンス124を1つ実行する(ステップS507)。なお、本実施例では、未実行の制御シーケンスのうち、制御シーケンスNoが相対的に小さい制御シーケンスを実行する例を挙げるが、実行する制御シーケンス124はこれに限らない。制御部102は、ステップS507の実行結果をデータテーブルに保存するだけでなく、当該制御シーケンス124の実行フラグをオンに設定する。
【0042】
また、ステップS505において、ステップS504の実行結果として得られた液面高さが、記憶部105が保持する許容範囲条件を満たしていると判定された場合、判定部122は、その実行結果として得られた液面高さが、記憶部105が保持する基準値と同じか否かを判定する(ステップS508)。ここでの判定は、一定の幅を持って同一か否かを判定してもよい。例えば、ステップS504の実行結果として得られた液面高さが、基準値の±1%の間にある値であった場合には、その液面高さを当該基準値と同じと判定してもよい。
【0043】
ステップS504の実行結果として得られた液面高さが、記憶部105が保持する液面高さの基準値と同じと判定された場合、制御部102は、データテーブルに、ステップS504で実行した制御シーケンス124に対応するデータの選定フラグをオンに設定する(ステップS509)。その後、制御部102は、オペレータに対して洗浄液量の調整が完了した旨を、出力部120を介して通知する。
【0044】
一方、ステップS504の実行結果として得られた液面高さが、記憶部105が保持する液面高さの基準値と同一でない場合、判定部122は、ステップS504で実行した制御シーケンス124よりも基準値に近くなる制御シーケンスがないか確認する。そのために、判定部122は、ステップS502で算出した関係式を用いて、電磁弁205の開放時間を、ステップS504で実行した制御シーケンス124で定義されている電磁弁205の開放時間よりも長くすれば良いのか、短くすれば良いのかを判定する(ステップS510)。ステップS510における判定部122の具体的な判定方法は、ステップS504の実行結果として得られた液面高さが、基準値よりも低い場合は電磁弁205の開放時間を長くし、基準値よりも高い場合は電磁弁205の開放時間を短くする。
【0045】
次に、判定部122は、直前に実行した制御シーケンス124の開放時間に相対的に近く、かつ、ステップS510での判定結果に基づき、次に実行する制御シーケンス124を絞り込む。そして、制御部102は、判定部122が絞り込んだ制御シーケンス124を実行する(ステップS511)。制御部102は、ステップS511の実行結果をデータテーブルに保存するだけでなく、当該制御シーケンス124の実行フラグをオンに設定する。
【0046】
判定部122は、ステップS511の実行結果として得られた液面高さが、記憶部105が保持する許容範囲条件を満たしているか否かを判定する(ステップS512)。ステップS512において、許容範囲条件を満たしていないと判定された場合、判定部122は、データテーブルのうち、最後から2番目に実行した制御シーケンス124に対応するデータの選定フラグをオンに設定する(ステップS513)。
【0047】
一方、ステップS512において、許容範囲条件を満たしていると判定された場合、判定部122は、最後から2番目に実行した制御シーケンス124から得られた液面高さよりも、最後に実行した制御シーケンス124から得られた液面高さの方が、基準値に相対的に近いかどうかを判定する(ステップS514)。
【0048】
最後に実行した制御シーケンス124から得られた液面高さよりも、最後から2番目に実行した制御シーケンス124から得られた液面高さの方が、基準値に相対的に近い場合、判定部122は、最後から2番目に実行した制御シーケンス124に対応する選定フラグをオン(本実施例では1)に、それ以外の制御シーケンスに対応する選定フラグをオフ(本実施例では0)に設定する(ステップS513)。
【0049】
一方、最後から2番目に実行した制御シーケンス124から得られた液面高さよりも、最後に実行した制御シーケンス124から得られた液面高さの方が、基準値に相対的に近い場合、判定部122は、最後に実行した制御シーケンス124に対応する選定フラグをオン(本実施例では1)に、それ以外の制御シーケンスに対応する選定フラグをオフ(本実施例では0)に設定する(ステップS515)。
【0050】
次に、本実施例における洗浄液量の調整方法に関し、
図7および
図8を用いて、具体的な例で説明する。
図7は、一部(結果としてNo,1,2,4,5)の制御シーケンス124が実行されてデータが更新されたことを示すデータテーブルであり、
図8は、一部の制御シーケンス124の実行結果として、電磁弁205の開放時間と液面高さを示したグラフである。
【0051】
自動分析装置の制御部102は、オペレータが入力部119で設定したトリガーに基づき、測定を終了した空の反応容器112を洗浄する際に用いる制御シーケンス124を選定しなおすため、メンテナンス処理を開始する。
【0052】
まず、前述の
図6のステップS501で、制御部102が、制御シーケンスNo1と制御シーケンスNo2を実行する。
図8に示すように、制御シーケンスNo1を実行した結果が10mm、制御シーケンスNo2を実行した結果が13mmである。
【0053】
次に、
図6のステップS502では、判定部122が、ステップS501の実行結果から、電磁弁205の開放時間と、制御シーケンス124を実行して得られた液面高さとの関係式を算出する。制御シーケンスNo1は、電磁弁205の開放時間0.5秒に対して液面高さが10mm、制御シーケンスNo2は、電磁弁205の開放時間0.6秒に対して液面高さが13mmなので、当該関係式は、「液面高さ=30×電磁弁開放時間-5」となる。
【0054】
次に、判定部122が
図6のステップS503を実行する。
図8に示すように基準値は20mmであり、前述の関係式を用いて、この基準値に対応する電磁弁開放時間を判定部122が計算すると、約0.83秒となる。この0.83秒に相対的に近い電磁弁開放時間が定義されている制御シーケンス124は、電磁弁開放時間が0.8秒と定義されている制御シーケンスNo4である。したがって、
図6のステップS504にて、制御シーケンスNo4が実行され、その実行結果として得られた液面高さは19mmである。
【0055】
次に、
図6のステップS504では、判定部122が、
図6のステップS504の実行結果として得られた液面高さ19mmが許容範囲条件を満たしているか否かを判定する。
図8に示す通り、許容範囲条件は15mm~25mmであり、液面高さ19mmは当該許容範囲条件を満たすため、
図6のステップS508に進む。
【0056】
図6のステップS508では、判定部122が、
図6のステップS504の実行結果として得られた液面高さ19mmが基準値と同じか否かを判定する。
図8に示す通り、基準値は20mmであり、液面高さ19mmは当該基準値と同じではないため、判定部122は、
図6のステップS510に進む。
【0057】
図6のステップS510では、判定部122が、次に実行する制御シーケンス124として、
図6のステップS504で実行した制御シーケンス124よりも電磁弁開放時間の長い制御シーケンス124とするのか短い制御シーケンス124とするのかを判定する。ここで、判定部122は、ステップS504の実行結果として得られた液面高さが、基準値よりも高い場合は、ステップS504で実行した制御シーケンス124よりも電磁弁開放時間の短い制御シーケンス124を抽出する。一方、ステップS504の実行結果として得られた液面高さが、基準値よりも低い場合は、ステップS504で実行した制御シーケンス124よりも電磁弁開放時間の長い制御シーケンス124を抽出する。今、ステップS504を実行結果として得られた液面高さ19mmは、基準値20mmよりも低い。よって、判定部122は、次に実行する制御シーケンス124として、ステップS504で実行した制御シーケンス124よりも電磁弁開放時間の長いものを抽出し、
図6のステップS511に進む。
【0058】
図6のステップS511では、判定部122が、ステップS504で実行した制御シーケンス124の電磁弁開放時間に相対的に近く、かつ、ステップS510での判定結果を満たすもの、すなわち、ステップS504で実行した制御シーケンス124よりも電磁弁開放時間の長いもの、に絞り込む。ここでは、判定部122が、次に実行する制御シーケンス124として制御シーケンスNo5に絞り込む。その後、制御部102が制御シーケンスNo5を実行し、
図6のステップS512に進む。
【0059】
図6のステップS512では、判定部122が、ステップS511の実行結果として得られた液面高さが許容範囲条件を満たしているか否かを判定する。
図8に示す通り、許容範囲条件は、15mm~25mmである。ステップS511で制御シーケンスNo5を実行して得られた液面高さ22mmは、許容範囲条件を満たすため、
図6のステップS514に進む。
【0060】
図6のステップS514では、判定部122が、最後から2番目に実行した制御シーケンス124から得られた液面高さよりも、最後に実行した制御シーケンス124から得られた液面高さの方が、基準値に相対的に近いか否かを判定する。ここでは、最後から2番目に実行した制御シーケンス124(制御シーケンスNo4)から得られた液面高さが19mmであり、最後に実行した制御シーケンス124(制御シーケンスNo5)から得られた液面高さが22mmである。また、
図8に示す通り、基準値は20mmなので、基準値に相対的に近いのは、最後から2番目に実行した制御シーケンス124(制御シーケンスNo4)である。よって、
図6のステップS515に進む。
【0061】
図6のステップS515では、判定部122が、最後から2番目に実行した制御シーケンス124(制御シーケンスNo4)を、分析時に適用すべき制御シーケンス124として判定し、
図7のデータテーブルにおいて、制御シーケンスNo4に対応する選定フラグをオン(本実施例では1)に、それ以外の制御シーケンスに対応する選定フラグをオフ(本実施例では0)に設定する。
【0062】
本実施例では、最初に実行する2つの制御シーケンス124として、データテーブルの制御シーケンスNoが相対的に小さい2つの制御シーケンス124を用いた例を挙げたが、これに限らない。例えば、データテーブルに保持された過去のデータを参照して、液面高さが上限値に近いものと下限値に近いものに対応した制御シーケンス124から実行することで、精度の高い関係式が得られる。また、電磁弁205の開放時間が最小の制御シーケンス124と、電磁弁205の開放時間が最大の制御シーケンス124と、を最初に実行してもよい。あるいは、関係式を算出するにあたって、3つ以上の制御シーケンス124の実行結果を用いることも可能である。さらには、オペレータが入力部119を用いて、最初に実行する2つの制御シーケンス124を選択できるようにしてもよい、
【実施例3】
【0063】
実施例3では、適用中(選択中)の制御シーケンス124が、記憶部105が保持する液面高さの許容範囲条件を満たさなくなる日時を、制御部102の予測部123が予測する方法を例示する。これにより、オペレータは、自動分析装置の利用環境に応じて、洗浄液の液面高さを再調整すべき日時をより正確に知ることができる。
【0064】
図9は、実施例3における、選択中の制御シーケンス124が、許容範囲条件を満たさなくなる日時を予測部123が予測する手順を示したフローチャートである。本実施例では、前述の実施例1や実施例2のメンテナンス処理が完了し、オペレータに対して洗浄液量の調整処理が完了した旨の通知が出力部120に出力される直前に、予測部123が予測する例を説明する。しかし、予測するタイミングはこれに限られず、洗浄液量の調整処理とは独立して行われてもよい。
【0065】
予測部123は、洗浄液量の調整処理の際に実行された全部または少なくとも2つの制御シーケンス124の結果に基づき、電磁弁205の開放時間と、検知された液面高さとの関係式を算出し、当該関係式の傾きなどの情報を、記憶部105のデータテーブルに保存する(ステップS601)。
図10は、過去の液量調整ごとの関係式の傾きに関するデータを保持するデータテーブルである。
図10に示すように、このデータテーブルは、例えば、各洗浄液量調整に対して、算出された関係式の傾きと、当該傾きと前回調整時の傾きとの差分値(前回調整時からの傾き変化)と、洗浄液量調整を実行した調整日時と、前回調整日時から当該調整日時までの経過日数と、一日当たりの傾き変化量と、予測日時と、を保持する。また、最初に行われた洗浄液量調整は、当該傾きと前回調整時の傾きとの差分値と、前回調整日時から当該調整日時までの経過日数と、一日当たりの傾き変化量と、予測日時と、のデータは、空欄の状態となる。
【0066】
次に、予測部123は、
図10に示すデータテーブルに、2回分以上の洗浄液量調整のデータが存在するか否かを判定する(ステップS602)。2回分以上の洗浄液量調整のデータが存在しない場合、予測部123は、選択中の制御シーケンス124が液面高さの許容範囲条件を満たさなくなる日時を予測する処理を終了する。一方、2回分以上の洗浄液量調整のデータが存在する場合、予測部123は、
図10に示すデータテーブルに保存された「前回調整時からの傾き変化」の全データを取得して、その平均値を算出し、当該平均値の符号がプラスかマイナスかを算出する(ステップS603)。なお、平均値を算出するときに用いられるデータは、全データでなく、直近の3つのデータなどであってもよい。
【0067】
次に、予測部123は、ステップS603の算出結果を用いて、現在選択中の制御シーケンス124が実現する液面高さが、経年に伴って、許容範囲条件の上限値か下限値のどちらに近づいていくかを予測する(ステップS604)。具体的には、ステップS603の算出結果がプラスの場合、電磁弁開放時間と液面高さとの関係式の傾きが、経年に伴って大きくなることを示すため、予測部123は、現在選択中の制御シーケンス124が実現する液面高さが、上限値に近づいていくと予測する。一方、ステップS603の算出結果がマイナスの場合、電磁弁開放時間と液面高さとの関係式の傾きが、経年に伴って小さくなることを示すため、予測部123は、現在選択中の制御シーケンス124が実現する液面高さが、下限値に近づいていくと予測する。
【0068】
次に、予測部123は、現在選択中の制御シーケンス124が実現する液面高さが、ステップS604で予測した境界値(上限値または下限値)と同一になる場合における、関係式(限界関係式)の傾きを算出する(ステップS605)。本実施例では、電磁弁開放時間と液面高さの関係式は、比例関係式に近似するため、予測部123は、ステップS604で予測した境界値から、現在選択中の制御シーケンス124に対応する電磁弁開放時間を除することで、限界関係式の傾きを算出できる。
【0069】
次に、予測部123は、ステップS601でデータテーブルに保存した関係式の傾きが、ステップS605で算出した限界関係式の傾きに至るまでに要する期間を算出する(S606)。具体的には、まず、予測部123が、
図10に示すデータテーブルに保存された「一日当たりの傾き変化量」の全データを取得して、その平均値を算出する。なお、平均値を算出するときに用いられるデータは、全データでなく直近の3つのデータなどであってもよい。次に、予測部123は、ステップS605で算出した限界関係式の傾きから、ステップS601で保存した関係式の傾きを減算する。最後に、予測部123は、減算の結果得られた差分を当該平均値で除することで、ステップS601でデータテーブルに保存した関係式の傾きが、ステップS605で算出した限界関係式の傾きに至るまでに要する期間が算出できる。
【0070】
次に、予測部123は、ステップS606で得られた期間を現在日時に加算し、その算出結果を、選択中の制御シーケンス124が液面高さの許容範囲条件を満たさなくなる予測日時として、データテーブルに保存する(ステップS607)。
【0071】
次に、制御部102は、オペレータに対して洗浄液量の調整が完了した旨を、出力部120を介して通知する際に、ステップS607の予測日時を、
図13の(1)に示すように、次回の調整日時の候補として出力部120に合わせて表示する。
【0072】
また、制御部102は、オペレータが洗浄液量の調整の開始スケジュールを設定する際に表示する入力部119に、ステップS607の予測日時を
図11の(1)に示すように表示し、オペレータが選択できるようにする。例えば、オペレータが
図11の「Manual」を選択してSetボタンを操作した場合、洗浄液量の調整が即時実行される。一方、オペレータが
図11の「Auto」を選択し、かつ、「Recommendation」を選択してSetボタンを操作した場合、ステップS607の予測日時に洗浄液量の調整が自動的に実行される。また、オペレータが
図11の「Auto」を選択し、かつ、「Regular interval」を選択してSetボタンを操作した場合、オペレータが指定した期間ごとに洗浄液量の調整が自動的に実行される。なお、オペレータが指定した期間に至る前に、ステップS607の予測日時に至る場合、制御部102は、出力部120を介して通知してもよい。
【0073】
本実施例では、ステップS607の予測日時が入力部119にそのまま表示されるが、入力部119に表示される予測日時はこれに限らない。例えば、制御部102は、入力部119に、ステップS607の予測日時から余裕をもって30日前の日時を表示してもよい。さらに、例えば、制御部102は、ステップS607の予測日時の30日前から、オペレータに洗浄液量の再調整を促す旨を入力部119に表示してもよい。
【0074】
また、洗浄液量の調整は、入力部119からオペレータが設定したスケジュールに実施してもよいが、必ずしもオペレータの設定が必要とは限らない。例えば、自動分析装置が、毎分析前などの所定のタイミングで調整を実施してもよい。
【実施例4】
【0075】
実施例4では、自動分析御装置が記憶部105に保持する全ての制御シーケンス124が、液面高さの許容範囲条件を満たさなくなる日時を、制御部102の予測部123が予測する方法を例示する。これにより、オペレータは、自動分析装置の利用環境に応じて、電磁弁205を交換すべき日時をより正確に知ることができる。
【0076】
図12は、実施例4における、自動分析御装置が保持する全ての制御シーケンス124が、許容範囲条件を満たさなくなる日時を予測部123が予測する手順を示したフローチャートである。本実施例では、実施例3と同様に、オペレータに対して洗浄液量の調整処理が完了した旨の通知が出力部120に出力される直前に、予測部123が予測する例を説明する。しかし、予測するタイミングはこれに限られず、洗浄液量の調整処理とは独立して行われてもよいし、実施例3と合わせて実施してもよい。
【0077】
予測部123は、洗浄液量の調整処理の際に実行された全部または少なくとも2つの制御シーケンス124の結果に基づき、電磁弁205の開放時間と、検知された液面高さとの関係式を算出し、当該関係式の傾きなどの情報を、記憶部105のデータテーブルに保存する(ステップS901)。
【0078】
本実施例のデータテーブルも、実施例3と同様に、各洗浄液量調整に対して、算出された関係式の傾きと、当該傾きと前回調整時の傾きとの差分値(前回調整時からの傾き変化)と、洗浄液量調整を実行した調整日時と、前回調整日時から当該調整日時までの経過日数と、一日当たりの傾き変化量と、予測日時と、を保持する。ただし、本実施例の予測日時は、記憶部105に保持された全ての制御シーケンス124が許容範囲条件を満たさなくなると予測される日時である。
【0079】
次に、予測部123は、データテーブルに、2回分以上の洗浄液量調整のデータが存在するか否かを判定する(ステップS902)。2回分以上の洗浄液量調整のデータが存在しない場合、予測部123は、全ての制御シーケンス124が液面高さの許容範囲条件を満たさなくなる日時を予測する処理を終了する。一方、2回分以上の洗浄液量調整のデータが存在する場合、予測部123は、データテーブルに保存された「前回調整時からの傾き変化」の全データを取得して、その平均値を算出し、当該平均値の符号がプラスかマイナスかを算出する(ステップS903)。
【0080】
次に、予測部123は、ステップS903の算出結果を用いて、制御シーケンス124が実現する液面高さが、経年に伴って、許容範囲条件の上限値か下限値のどちらに近づいていくかを予測する(ステップS904)。
【0081】
ステップS904において、制御シーケンス124が実現する液面高さが、経年に伴って、下限値に近づいていくと予測された場合、予測部123は、自動分析装置が保持する制御シーケンス124の中で、電磁弁205の開放時間が相対的に長く定義されている制御シーケンス124が、下限値の液面高さを実現するときの、電磁弁開放時間と液面高さの関係式(下限関係式)の傾きを算出する(ステップS905)。
【0082】
一方、ステップS904において、制御シーケンス124が実現する液面高さが、経年に伴って、上限値に近づいていくと予測された場合、予測部123は、自動分析装置が保持する制御シーケンス124の中で、電磁弁205の開放時間が相対的に短く定義されている制御シーケンス124が、上限値の液面高さを実現するときの、電磁弁開放時間と液面高さの関係式(上限関係式)の傾きを算出する(ステップS906)。
【0083】
次に、予測部123は、ステップS901でデータテーブルに保存した関係式の傾きが、ステップS905またはステップS906で算出した下限関係式または上限関係式の傾きに至るまでに要する期間を算出する(ステップS907)。具体的には、まず、予測部123が、データテーブルに保存された「一日当たりの傾き変化量」の全データを取得して、その平均値を算出する。次に、予測部123は、ステップS905またはステップS906で算出した下限関係式または上限関係式の傾きから、ステップS901で保存した関係式の傾きを減算する。最後に、予測部123は、減算の結果得られた差分を当該平均値で除することで、ステップS901でデータテーブルに保存した関係式の傾きが、ステップS905またはステップS906で算出した下限関係式または上限関係式の傾きに至るまでに要する期間が算出できる。
【0084】
次に、予測部123は、ステップS907で得られた期間を現在日時に加算し、その算出結果を、自動分析御装置が保持する全ての制御シーケンス124が液面高さの許容範囲条件を満たさなくなる予測日時として、データテーブルに保存する(ステップS908)。
【0085】
次に、制御部102は、オペレータに対して洗浄液量の調整が完了した旨を、出力部120を介して通知する際に、ステップS908の予測日時を、
図13の(2)に示すように、電磁弁205を交換すべき日時として出力部120に合わせて表示する。
【実施例5】
【0086】
実施例5では、電磁弁205に、経年劣化以外の要因で異常が生じているか否かを制御部102の診断部が診断する方法を例示する。経年劣化以外の要因には、例えば、ごみの詰まりなどが考えられる。これにより、オペレータは、電磁弁205が故障して使えなくなる前に、電磁弁205の異常を検知することができる。
【0087】
図14は、実施例5における、電磁弁205の、経年劣化以外の要因による異常を診断部が診断する手順を示したフローチャートである。本実施例では、オペレータに対して洗浄液量の調整処理が完了した旨の通知が出力部120に出力される直前に、診断部が診断する例を説明する。しかし、診断するタイミングはこれに限られず、洗浄液量の調整処理とは独立して行われてもよいし、実施例3や実施例4と合わせて実施してもよい。
【0088】
診断部は、洗浄液量の調整処理の際に実行された全部または少なくとも2つの制御シーケンス124の結果に基づき、電磁弁205の開放時間と、検知された液面高さとの関係式を算出し、当該関係式の傾きや傾きの変化量などの情報を、記憶部105のデータテーブルに保存する(ステップS1101)。
【0089】
本実施例のデータテーブルは、各洗浄液量調整に対して、算出された関係式の傾きと、当該傾きと前回調整時の傾きとの差分値(前回調整時からの傾き変化)と、洗浄液量調整を実行した調整日時と、前回調整日時から当該調整日時までの経過日数と、一日当たりの傾き変化量と、異常診断結果と、を保持する。
【0090】
次に、診断部は、データテーブルに、2回分以上の洗浄液量調整のデータが存在するか否かを判定する(ステップS1102)。2回分以上の洗浄液量調整のデータが存在しない場合、診断部は、異常診断の処理を終了する。一方、2回分以上の洗浄液量調整のデータが存在する場合、診断部は、データテーブルに保存された「一日当たりの傾き変化量」の全データを取得して、その平均値を算出する(ステップS1103)。なお、平均値を算出するときに用いられるデータは、全データでなく、直近の3つのデータなどであってもよい。
【0091】
次に、診断部は、ステップS1101でデータテーブルに保存した「一日当たりの傾き変化量」と、ステップS1103で算出した「一日当たりの傾き変化量」の平均値と、比率で乖離の程度を算出する(ステップS1104)。なお、乖離の程度の算出方法はこれに限られず、例えば、ステップS1101で保存した「一日当たりの傾き変化量」から、ステップS1103で算出した平均値を減算し、絶対値で乖離の程度を算出してもよい。
【0092】
次に、診断部は、ステップS1104で算出した乖離の程度が、記憶部105が保持する許容範囲条件に入っているか否かを診断する(ステップS1105)。本実施例では、記憶部105は、ステップS1105の診断を行う為に、百分率の形式で許容範囲条件を保持しており、診断部は、それを用いて診断を行う。ただし、記憶部105が保持する許容範囲条件は、実数の形式で許容範囲条件を保持していてもよい。
【0093】
ステップS1105において、乖離の程度が許容範囲条件に入っている場合、診断部は、記憶部105が保持するデータテーブルにおいて、当該洗浄液量調整に対応する、異常診断結果のデータを、「異常なし」に設定して保存する(ステップS1106)。一方、ステップS1105において、乖離の程度が許容範囲条件に入っていない場合、診断部は、記憶部105が保持するデータテーブルにおいて、当該洗浄液量調整に対応する、異常診断結果のデータを、「異常あり」に設定して保存する(ステップS1107)。
【0094】
次に、制御部102は、オペレータに対して洗浄液量の調整が完了した旨を、出力部120を介して通知する際に、ステップS1106またはステップS1107の異常診断結果を、
図13の(3)に示すように、出力部120に合わせて表示する。
【実施例6】
【0095】
実施例6では、制御部102が、自動分析装置の使用状況に応じて、異なる制御シーケンス124を分析に利用する場合に、利用した制御シーケンス124と分析結果が記憶部105に紐づけて保持される。そして、本実施例の自動分析装置は、分析終了後に、分析結果とともに、分析時に適用した制御シーケンス124の種類を出力部120にあわせて表示する。これにより、本実施例の自動分析装置は、状況に応じて異なる制御シーケンス124を利用する場合にも、トレーサビリティを確保することができる。
【0096】
図15は、制御部102が出力部120に出力する、分析結果の詳細画面である。記憶部105は、分析中に利用した制御シーケンス124を、分析動作ごとに保持しており、制御部102は、
図15の(1)に示すように、その対応関係を出力部120に出力する。以下では、記憶部105が、
図7に示すデータテーブルを保持している場合について説明する。まず、分析に使用した反応容器112を洗浄する際に、洗浄動作用の制御シーケンスとして
図7の制御シーケンスNo4が使用された場合、
図15の(1)「Sequence Details」における「Washing」(洗浄動作)の項目には、制御シーケンスNo4が対応する。ここで、
図7のデータテーブルに保持される制御シーケンスは、それぞれ電磁弁205の開放時間が異なる。したがって、この対応付けにより、分析中に行われた反応容器112への洗浄液の吐出が、どれくらいの長さの電磁弁開放時間で行われたのかが明らかになる。同様に、例えば、「Sample Dispense」(検体分注動作)や「Reagent Dispense」(試薬分注動作)では、プローブ201の移動量が定義された制御シーケンスを分析結果と紐づけても良いし、吐出量や吸引量が定義された制御シーケンスを分析結果と紐づけても良い。また、「Reaction」(反応動作)では、例えば、反応容器112の移動量が定義された制御シーケンスを分析結果と紐づけても良い。
【0097】
なお、前述の各実施例では、生化学自動分析装置の例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、免疫自動分析装置や凝固自動分析装置などにも適用できる。また、前述の各実施例では、液量検知部として、液面の高さを検知する高さ検知器が用いられたが、他の方法によって洗浄液の液量を検知しても良い。さらに、前述の各実施例では、電磁弁の開放時間を変えることにより液量を調整したが、電磁弁の開度を変えるなど他の方法により液量を調整しても良い。
【符号の説明】
【0098】
102…制御部、103…機構駆動部、104…CPU、105…記憶部、106…I/O、107…ADC、108…操作部、109…I/F、110…駆動回路、111…検体容器、112…反応容器、113…検体分注機構、114…試薬分注機構、115…攪拌機構、116…光度計、117…洗浄機構、118…反応槽、119…入力部、120…出力部、121…メモリ、122…判定部、123…予測部、124…制御シーケンス、130…反応ディスク、201…プローブ、202…高さ検知器、203…流路、204…ポンプ、205…電磁弁、206…制御回路、207…吐出ノズル、208…吸引ノズル