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特許7516790ハンディプリンタ、ハンディプリンタ制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】ハンディプリンタ、ハンディプリンタ制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20240709BHJP
   B41J 3/28 20060101ALI20240709BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20240709BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
B41J29/38 601
B41J3/28
G06F3/12 342
G06F3/12 303
G06F3/12 379
G06F3/12 387
H04N1/00 C
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020048970
(22)【出願日】2020-03-19
(65)【公開番号】P2021146624
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】玉島 大輔
【審査官】大関 朋子
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-029044(JP,A)
【文献】特開2018-051814(JP,A)
【文献】特開2003-271374(JP,A)
【文献】特開平10-285386(JP,A)
【文献】特開2010-214738(JP,A)
【文献】特開2012-134706(JP,A)
【文献】特開平11-058845(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
B41J 3/28
G06F 3/12
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
読取部と印刷部とを含むハンディプリンタであって、
比較キー情報の入力、及び、前記比較キー情報に関連付ける印刷対象情報の入力を受け付ける入力制御部と、
読取キー情報と、前記読取キー情報に対応する入力欄とを含む媒体を前記読取部で読み取らせる読取制御部と、
前記比較キー情報と前記印刷対象情報とが関連付けられた関連付け情報を、記憶部から読み出す記憶制御部と、
前記読取キー情報と一致する前記比較キー情報に関連付けられた印刷対象情報を、前記入力欄に前記印刷部で印刷させる印刷制御部と、を備え、
前記印刷制御部は、前記読取キー情報が読み取られた後に、どれくらいのスペースを開けて前記印刷対象情報を印刷するかを示す設定、または、前記媒体に含まれる特定のマークに基づいて、前記読取キー情報が読み取られた後に前記印刷対象情報の印刷を開始させ
前記入力制御部は、前記比較キー情報に複数の前記印刷対象情報が関連付けられている場合、前記読取キー情報と前記比較キー情報とが一致したときに、印刷に使用される前記印刷対象情報を選択する入力を受け付ける、
ハンディプリンタ。
【請求項2】
前記読取キー情報と一致する前記比較キー情報に関連付けられた印刷対象情報を前記媒体に印刷するときの大きさを、前記媒体上の前記読取キー情報の大きさに応じて変換する変換部、
を更に備える請求項1に記載のハンディプリンタ。
【請求項3】
前記比較キー情報、及び、前記比較キー情報に関連付ける印刷対象情報の少なくとも一方を受信する通信制御部、
を更に備える請求項1又は2に記載のハンディプリンタ。
【請求項4】
前記記憶部は、前記ハンディプリンタの記憶装置、又は、前記ハンディプリンタとネットワークを介して接続された外部装置によって実現される、
請求項1乃至のいずれか1項に記載のハンディプリンタ。
【請求項5】
前記印刷対象情報は、文字、記号、数字及び画像の少なくとも1つを含む、
請求項1乃至のいずれか1項に記載のハンディプリンタ。
【請求項6】
読取部と印刷部とを含むハンディプリンタのハンディプリンタ制御方法であって、
前記ハンディプリンタが、比較キー情報の入力、及び、前記比較キー情報に関連付ける印刷対象情報の入力を受け付けるステップと、
前記ハンディプリンタが、読取キー情報と、前記読取キー情報に対応する入力欄とを含む媒体を前記読取部で読み取らせるステップと、
前記ハンディプリンタが、前記比較キー情報と前記印刷対象情報とが関連付けられた関連付け情報を、記憶部から読み出すステップと、
前記ハンディプリンタが、前記読取キー情報と一致する前記比較キー情報に関連付けられた印刷対象情報を、前記入力欄に前記印刷部で印刷させるステップと、を含み、
前記印刷させるステップは、前記読取キー情報が読み取られた後に、どれくらいのスペースを開けて前記印刷対象情報を印刷するかを示す設定、または、前記媒体に含まれる特定のマークに基づいて、前記読取キー情報が読み取られた後に前記印刷対象情報の印刷を開始させ
前記ハンディプリンタが、前記比較キー情報に複数の前記印刷対象情報が関連付けられている場合、前記読取キー情報と前記比較キー情報とが一致したときに、印刷に使用される前記印刷対象情報を選択する入力を受け付けるステップ、
を含むハンディプリンタ制御方法。
【請求項7】
読取部と印刷部とを含むハンディプリンタを、
比較キー情報の入力、及び、前記比較キー情報に関連付ける印刷対象情報の入力を受け付ける入力制御部と、
読取キー情報と、前記読取キー情報に対応する入力欄とを含む媒体を前記読取部で読み取らせる読取制御部と、
前記比較キー情報と前記印刷対象情報とが関連付けられた関連付け情報を、記憶部から読み出す記憶制御部と、
前記読取キー情報と一致する前記比較キー情報に関連付けられた印刷対象情報を、前記入力欄に前記印刷部で印刷させる印刷制御部、として機能させ、
前記印刷制御部は、前記読取キー情報が読み取られた後に、どれくらいのスペースを開けて前記印刷対象情報を印刷するかを示す設定、または、前記媒体に含まれる特定のマークに基づいて、前記読取キー情報が読み取られた後に前記印刷対象情報の印刷を開始させ
前記入力制御部は、前記比較キー情報に複数の前記印刷対象情報が関連付けられている場合、前記読取キー情報と前記比較キー情報とが一致したときに、印刷に使用される前記印刷対象情報を選択する入力を受け付ける、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はハンディプリンタ、ハンディプリンタ制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
既に印刷されている内容をスキャンして読取る機構と、印刷を実行する機構と、を備えるハンディプリンタが従来から知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、2回目以降の走査の印字が1つ前の印字結果に対してずれないよう、スキャン情報と印字位置とを連動させるハンディプリンタが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、ハンディプリンタが具備するスキャン機能をより有効に活用できていなかった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ハンディプリンタが具備するスキャン機能をより有効に活用できるハンディプリンタ、ハンディプリンタ制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、読取部と印刷部とを含むハンディプリンタであって、比較キー情報の入力、及び、前記比較キー情報に関連付ける印刷対象情報の入力を受け付ける入力制御部と、読取キー情報と、前記読取キー情報に対応する入力欄とを含む媒体を前記読取部で読み取らせる読取制御部と、前記比較キー情報と前記印刷対象情報とが関連付けられた関連付け情報を、記憶部から読み出す記憶制御部と、前記読取キー情報と一致する前記比較キー情報に関連付けられた印刷対象情報を、前記入力欄に前記印刷部で印刷させる印刷制御部と、を備える。前記印刷制御部は、前記読取キー情報が読み取られた後に、どれくらいのスペースを開けて前記印刷対象情報を印刷するかを示す設定、または、前記媒体に含まれる特定のマークに基づいて、前記読取キー情報が読み取られた後に前記印刷対象情報の印刷を開始させる。前記入力制御部は、前記比較キー情報に複数の前記印刷対象情報が関連付けられている場合、前記読取キー情報と前記比較キー情報とが一致したときに、印刷に使用される前記印刷対象情報を選択する入力を受け付ける。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ハンディプリンタが具備するスキャン機能をより有効に活用できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は第1実施形態のハンディプリンタのハードウェア構成の例を示すブロック図である。
図2図2は第1実施形態のハンディプリンタの機能構成の例を示すブロック図である。
図3図3は読取キー情報を含む媒体の例を示す図である。
図4図4は第1実施形態の関連付け情報の例を示す図である。
図5図5は第1実施形態のハンディプリンタ制御方法を示すシーケンス図である。
図6図6は第1実施形態の比較キー情報の入力を受け付けるUIの例を示す図である。
図7図7は第1実施形態の印刷対象情報の入力を受け付けるUIの例を示す図である。
図8図8は第2実施形態の関連付け情報の例を示す図である。
図9図9は第2実施形態のハンディプリンタ制御方法を示すシーケンス図である。
図10図10は第2実施形態の印刷対象情報の入力を受け付けるUIの例を示す図である。
図11図11は第3実施形態のハンディプリンタシステムの機能構成の例を示すブロック図である。
図12図12は第3実施形態のPC及びクラウドのハードウェア構成の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、ハンディプリンタ、ハンディプリンタ制御方法及びプログラムの実施形態を詳細に説明する。
【0010】
(第1実施形態)
はじめに、第1実施形態のハンディプリンタのハードウェア構成の例について説明する。
【0011】
[ハードウェア構成の例]
図1は第1実施形態のハンディプリンタ1のハードウェア構成の例を示すブロック図である。ハンディプリンタ1は、ユーザが手動で走査させることによって用紙等の媒体に画像の印刷を行う印刷装置である。
【0012】
本実施形態のハンディプリンタ1は、制御装置10、操作装置111、印刷装置112、読取装置113、表示装置114を備える。また、制御装置10は、HostI/F(Interface)101、CPU102、ROM(Read Only Memory)103、RAM(Random Access Memory)104、記憶装置105、ネットワークI/F106を備える。
【0013】
まず、制御装置10の構成について説明する。HostI/F101は、PC(パーソナルコンピュータ)2を接続するためのインターフェースである。CPU102は、ハンディプリンタ1全体の動作を制御する。ROM103は、CPU102の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM104は、CPU102のワークエリアとして利用される。
【0014】
記憶装置105は、ハンディプリンタ用のプログラムや画像データ等の各種データを記憶する。ネットワークI/F106は、インターネット等の通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。
【0015】
操作装置111は、ユーザからの指示を受付けてCPU102に出力する。操作装置111は、例えば、テンキーやタッチパネル等の入力装置である。また、印刷開始ボタン等のボタンも操作装置111に含まれる。
【0016】
印刷装置112は、媒体に画像を印刷する。本実施形態において、印刷装置112は、媒体に液体を吐出して画像の印刷を行うインクジェットヘッドである。なお、印刷装置112は、インクジェットヘッドに限定されない。例えば、熱によって媒体に印刷を行うサーマルヘッドであってもよい。
【0017】
読取装置113は、媒体に印刷された画像を読取る。本実施形態において、読取装置113は、イメージセンサ等を備える読取装置である。イメージセンサとしては、例えば、一次元CCD(Charged Coupled Device)イメージセンサや一次元CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサが挙げられる。
【0018】
本実施形態において、読取装置113は、ユーザがハンディプリンタ1を走査することにより媒体に印刷された画像を読取る。また、読取装置113は、ハンディプリンタ1の印刷時の移動方向において印刷装置112よりも移動方向前方側に設けられる。
【0019】
表示装置114は、ハンディプリンタ1の操作画面等を表示する。表示装置114は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示装置である。
【0020】
なお、ハンディプリンタ1のハードウェア構成は上記に限定されるものではない。例えば、座標を検知するセンサを設けて、座標と読取装置113が読取った媒体に印刷された画像の情報とに基づいて、再走査時の印刷装置の位置を補正できる構成としてもよい。
【0021】
本実施形態のハンディプリンタ1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0022】
さらに、本実施形態のハンディプリンタ1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施の形態のハンディプリンタ1で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0023】
[機能構成の例]
図2は第1実施形態のハンディプリンタ1の機能構成の例を示すブロック図である。ハンディプリンタ1は、読取制御部11、記憶制御部12、記憶部13、判定部14、変換部15、印刷制御部16、通信制御部17及び入力制御部18を備える。
【0024】
読取制御部11は、読取キー情報を含む媒体を読取装置113で読み取らせる。読取キー情報は、判定部14による判定処理に用いられる情報である。媒体は、例えば履歴書や役所の提出書類等である。なお媒体の材質は紙に限られず任意でよい。
【0025】
図3は読取キー情報を含む媒体の例を示す図である。図3の例では、読取キー情報は、例えば氏名、住所、電話及びメール等である。図3に示すような履歴書や役所の提出書類などに、手書きで定型的な文字を記載することは多い。また、何度も入力するのは手間であるため、それらを第1実施形態のハンディプリンタ1で記載することで手間を省くことができる。
【0026】
図2に戻り、記憶制御部12は、記憶部13からの情報の読出し制御、及び、記憶部13への情報の書き込み制御を行う。記憶部13は、例えばハンディプリンタ1の記憶装置105により実現される。なお、記憶部13は、ハンディプリンタ1と、インターネット等のネットワークを介して接続された外部装置によって実現されていてもよい。
【0027】
記憶部13は、読取制御部11により読み取られた情報、通信制御部17により受信された情報、及び、入力制御部18により入力された情報等を記憶する。
【0028】
例えば、記憶部13は、比較キー情報と印刷対象情報とが関連付けられた関連付け情報を記憶する。比較キー情報は、読取キー情報と比較されるキー情報である。印刷対象情報は、文字、記号、数字及び画像の少なくとも1つを含む。記憶制御部12は、比較キー情報と印刷対象情報とが関連付けられた関連付け情報を、記憶部13から読み出す。
【0029】
図4は第1実施形態の関連付け情報の例を示す図である。図4の例では、例えば比較キー情報“氏名”には、印刷対象情報“山田太郎”が関連付けられている。
【0030】
図2に戻り、判定部14は、読取キー情報と比較キー情報とが一致するか否かを判定する。
【0031】
変換部15は、読取キー情報と一致する比較キー情報に関連付けられた印刷対象情報を媒体に印刷するときの大きさを、媒体上の読取キー情報の大きさに応じて変換する。
【0032】
印刷制御部16は、読取キー情報と一致する比較キー情報に関連付けられた印刷対象情報を、媒体に印刷装置112で印刷させる。
【0033】
通信制御部17は、比較キー情報、及び、比較キー情報に関連付ける印刷対象情報の少なくとも一方を受信する。
【0034】
入力制御部18は、比較キー情報の入力、及び、比較キー情報に関連付ける印刷対象情報の入力の少なくとも一方を受け付ける。なお、入力制御部18は、ハンディプリンタ1本体に備えられた操作装置111等から入力を受け付けてもよいし、ハンディプリンタ1に接続されたPC2等から入力を受け付けてもよい。
【0035】
ハンディプリンタ1は、通信制御部17又は入力制御部18によってユーザから比較キー情報及び印刷対象情報を受け付けることができる。
【0036】
なお、例えばURLやファイルパス等の保存先情報を本体内の記憶部13に記憶しておき、当該保存先情報によって特定される保存先(クラウド等の本体外)に印刷対象情報を記憶しておいてもよい。すなわち、印刷対象情報そのものは本体外に記憶されており、その保存先情報と、比較キー情報とが関連づけられた関連付け情報が記憶部13に記憶されていてもよい。
【0037】
[ハンディプリンタ制御方法の例]
図5は第1実施形態のハンディプリンタ制御方法を示すシーケンス図である。はじめに、入力制御部18が、事前情報入力を受け付ける(ステップS1)。具体的には、入力制御部18は、事前情報入力として、例えば氏名、住所、電話番号及びメールなどの印刷対象情報を受け付ける。
【0038】
次に、入力制御部18は、ステップS1の処理により受け付けられた印刷対象情報を記憶部13に保存する(ステップS2)。具体的には、入力制御部18が、印刷対象情報を記憶制御部12に入力し、記憶制御部12が、印刷対象情報を比較キー情報に関連付けて、関連付け情報として記憶部13に記憶する。
【0039】
次に、読取制御部11が、ユーザの走査動作に応じて、媒体を読取装置113で読み取らせる(ステップS3)。次に、読取制御部11は、ステップS3の処理により読み取られたスキャンデータを判定する判定依頼を判定部14に入力する(ステップS4)。
【0040】
次に、判定部14が、記憶部13から関連付け情報を取得する(ステップS5)。
【0041】
次に、判定部14は、ステップS3の処理により読み取られたスキャンデータと、ステップS5の処理により取得された関連付け情報とを比較照合し、印刷対象情報を選択する(ステップS6)。具体的には、判定部14は、スキャンデータに含まれる読取キー情報と、関連付け情報に含まれる比較キー情報とが一致する場合、当該比較キー情報に関連付けられた印刷対象情報を選択する。また、判定部14は、印刷対象情報を媒体に印刷するときの大きさを、媒体上の読取キー情報の大きさに応じて決定する。例えば、判定部14は、スキャンデータに含まれる読取キー情報を示す文字のポイントサイズを計算し、同じポイントサイズに、印刷対象情報の大きさを決定する。
【0042】
なお、ステップS6の比較照合の処理では、判定部14は、スキャンデータを文字認識して文字情報にしてから比較照合をしてもよいし、画像として比較照合してもよい。また、印刷対象情報を媒体に印刷するときの大きさは、ユーザが予めハンディプリンタ1に登録できるようにしておいてもよい。
【0043】
次に、判定部14は、印刷対象情報を媒体に印刷するときの大きさの変換依頼を変換部15に入力する(ステップS7)。次に、変換部15が、ステップS7の処理によって入力された変換依頼に応じて、印刷対象情報を媒体に印刷するときの大きさを変換する(ステップS8)。次に、変換部15は、印刷対象情報を印刷する印刷依頼を印刷制御部16に入力する(ステップS9)。
【0044】
次に、印刷制御部16が、ステップS9の処理により入力された印刷依頼に応じて、印刷対象情報を媒体に印刷装置112で印刷させる(ステップS10)。
【0045】
なお、ステップS10の処理において、印刷対象情報を媒体に印刷する位置は、以下のようないずれのパターンでも良い。
<パターン1>
印刷制御部16が、スキャンデータに含まれる読取キー情報を示す文字の大きさから、印刷位置を判別する。
<パターン2>
ユーザによる走査前に、入力制御部18が、読取キー情報を読み取った後に、どれくらいのスペースを開けて、印刷対象情報を印刷するかを示す入力を受け付ける(事前設定)。
<パターン3>
印刷制御部16が、特定のマーク(図3の例では縦線)の直後から、印刷対象情報の印刷を開始する。
<パターン4>
ハンディプリンタ1に印刷開始ボタンを設け、そのボタンが押下された場合、印刷制御部16が、印刷装置112に印刷対象情報の印刷を開始させる。
【0046】
[UIの例]
図6は第1実施形態の比較キー情報の入力を受け付けるUIの例を示す図である。図7は第1実施形態の印刷対象情報の入力を受け付けるUIの例を示す図である。第1実施形態では、図6及び図7のUIは、PC2上で動作する設定アプリケーションのユーザインタフェースとして表示される。
【0047】
図6のUIの例は、比較キー情報を、PC2上の画像を指定する方法、文字列を指定する方法、または、ハンディプリンタ1でスキャンすることでそのスキャンしたデータを比較キー情報とする方法により受け付ける場合を示す。
【0048】
データボタン201は、比較キー情報に関連付ける印刷対象情報を受け付けるUIに遷移するためのボタンである。設定を本体に転送ボタン202は、設定をPC2からハンディプリンタ1に転送するためのボタンである。
【0049】
図7のUIの例は、印刷対象情報を、図6の比較キー情報の場合と同様の方法で受け付ける場合を示す。すなわち、図7のUIの例は、印刷対象情報を、PC2上の画像を指定する方法、文字列を指定する方法、または、ハンディプリンタ1でスキャンすることでそのスキャンしたデータを比較キー情報とする方法により受け付ける場合を示す。
【0050】
以上、説明したように、第1実施形態のハンディプリンタ1では、読取制御部11が、読取キー情報を含む媒体を読取装置113で読み取らせる。記憶制御部12が、比較キー情報と印刷対象情報とが関連付けられた関連付け情報を、記憶部13から読み出す。そして、印刷制御部16が、読取キー情報と一致する比較キー情報に関連付けられた印刷対象情報を、媒体に印刷装置112で印刷させる。
【0051】
これにより第1実施形態のハンディプリンタ1によれば、ハンディプリンタ1が具備するスキャン機能をより有効に活用することができる。具体的には、スキャンデータとの照合結果に基づき、印刷対象情報を選択したり、変更したりすることができる。
【0052】
(第2実施形態)
次に第2実施形態について説明する。第2実施形態の説明では、第1実施形態と同様の説明については省略し、第1実施形態と異なる箇所について説明する。第2実施形態では、比較キー情報に複数の印刷対象情報が関連付けられている場合について説明する。
【0053】
図8は第2実施形態の関連付け情報の例を示す図である。図8の例では、比較キー情報“フリガナ”には、印刷対象情報“ヤマダタロウ”及び“トウキョウト○○”が関連付けられている。
【0054】
[ハンディプリンタ制御方法の例]
図9は第2実施形態のハンディプリンタ制御方法を示すシーケンス図である。第2実施形態のハンディプリンタ制御方法では、ステップS2-2及びステップS2-3が追加されている。入力制御部18は、読取キー情報と比較キー情報とが一致したときに、印刷に使用される印刷対象情報を選択する入力を受け付ける(ステップS2-2)。次に、入力制御部18は、ステップS2-2の処理により選択された印刷対象情報を、読取キー情報と比較キー情報とが一致したときに、印刷に使用される印刷対象情報として記憶部13に保存する(ステップS2-3)。
【0055】
[UIの例]
図10は第2実施形態の印刷対象情報の入力を受け付けるUIの例を示す図である。第2実施形態では、登録済みデータを選択可能になっている点が、第1実施形態のUI(図7参照)と異なる。図10の例は、ユーザが「登録済みデータを選択する」のチェックボックスをチェックし、ドロップダウンリストから登録済みデータ(登録済みの印刷対象情報)を選択する場合を示す。
【0056】
なお、比較キー情報に複数の印刷対象情報を関連付けずに、ユーザによる運用の仕方で対応してもよい。例えば、ステップS1の事前情報の入力処理で、比較キー情報を「フリガナ」、印刷対象情報を「ヤマダタロウ」と入力し、ステップS10の印刷処理で印刷した後、ユーザから保存データのクリア操作を受け付けてもよい。この場合、再度、ステップS1の事前情報の入力処理で、比較キー情報を「フリガナ」、印刷対象情報を「トウキョウト○○」と入力を受け付けた後、ステップS10の印刷処理までの処理を実行する。
【0057】
(第3実施形態)
次に第3実施形態について説明する。第3実施形態の説明では、第1実施形態と同様の説明については省略し、第1実施形態と異なる箇所について説明する。第3実施形態では、複数の装置を組み合わせて、第1実施形態と同様の機能を実現する場合について説明する。
【0058】
[機能構成の例]
図11は第3実施形態のハンディプリンタシステム100の機能構成の例を示すブロック図である。本実施形態のハンディプリンタシステム100は、ハンディプリンタ1、PC2及びクラウド3を備える。
【0059】
ハンディプリンタシステム100は、ハンディプリンタ1、PC2及びクラウド3を備える。ハンディプリンタ1は、読取制御部11、印刷制御部16及び通信制御部17を備える。PC2は入力制御部21を備える。クラウド3は、記憶制御部31、記憶部32、通信制御部33、判定部34及び変換部35を備える。クラウド3は、例えばネットワーク上の1以上のサーバ装置によって実現される。
【0060】
第3実施形態では、PC2の入力制御部21が、事前情報の入力(上述のステップS1)で関連付け情報(図6参照)を受け付け、当該関連付け情報をクラウド3に送信する。クラウド3の記憶制御部31は、PC2から関連付け情報を受け付けると、当該関連付け情報を記憶部32に記憶する。すなわち、第3実施形態では、関連付け情報がクラウド3上の記憶部32に保存される。
【0061】
また、入力制御部21は、URLやファイルパス等の保存先情報をハンディプリンタ1に通知する。
【0062】
ハンディプリンタ1の読取制御部11は、印刷対象情報を印刷する場所の前から、媒体を走査し、スキャンデータを取得する。読取制御部11は、スキャンデータを通信制御部17に入力する。通信制御部17は、読取制御部11からスキャンデータを受け付けると、当該スキャンデータをクラウド3に送信する。
【0063】
クラウド3の通信制御部33は、ハンディプリンタ1からスキャンデータを受け付けると、当該スキャンデータを判定部34に入力する。判定部34は、スキャンデータと、記憶部32の関連付け情報とを比較照合し、印刷対象情報(例えば文字列等)を選択し、当該印刷対象情報の大きさ(例えば文字列の場合はフォントサイズ等)を決定する。
【0064】
判定部34は、印刷対象情報及び当該印刷対象情報の大きさを含む変換依頼を変換部35に入力する。変換部35は、判定部34から変換依頼を受け付けると、当該変換依頼に基づき、印刷対象情報を媒体に印刷するときの大きさを変換し、大きさが変換された印刷対象情報を通信制御部33に入力する。
【0065】
通信制御部33は、変換部35から印刷対象情報を受け付けると、当該印刷対象情報をハンディプリンタ1に送信する。
【0066】
ハンディプリンタ1の通信制御部17は、クラウド3から印刷対象情報を受信すると、当該印刷対象情報を印刷制御部16に入力する。印刷制御部16は、通信制御部17から印刷対象情報を受け付けると、当該印刷対象情報を媒体に印刷装置112で印刷させる。
【0067】
このように、第1実施形態ではハンディプリンタ1によって実現されていた一部の機能は、PC2やクラウド3によって実現されていてもよい。
【0068】
[ハードウェア構成の例]
図12は第3実施形態のPC2及びクラウド3のハードウェア構成の例を示す図である。PC2及びクラウド3のハードウェア構成は同様のため、以下の説明ではクラウド3を実現するコンピュータの場合を例にして説明する。
【0069】
クラウド3は、制御装置301、主記憶装置302、補助記憶装置303、表示装置304、入力装置305及び通信装置306を備える。制御装置301、主記憶装置302、補助記憶装置303、表示装置304、入力装置305及び通信装置306は、バス310を介して接続されている。
【0070】
制御装置301は、補助記憶装置303から主記憶装置302に読み出されたプログラムを実行する。主記憶装置302は、ROM、及び、RAM等のメモリである。補助記憶装置303は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、及び、メモリカード等である。
【0071】
表示装置304は表示情報を表示する。表示装置304は、例えば液晶ディスプレイ等である。入力装置305は、コンピュータを操作するためのインターフェースである。入力装置305は、例えばキーボードやマウス等である。コンピュータがスマートフォン及びタブレット型端末等のスマートデバイスの場合、表示装置304及び入力装置305は、例えばタッチパネルである。通信装置306は、他の装置と通信するためのインターフェースである。
【0072】
コンピュータで実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、メモリカード、CD-R及びDVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記録されてコンピュータ・プログラム・プロダクトとして提供される。
【0073】
またコンピュータで実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。またコンピュータで実行されるプログラムをダウンロードさせずにインターネット等のネットワーク経由で提供するように構成してもよい。
【0074】
またコンピュータで実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0075】
コンピュータで実行されるプログラムは、上述のクラウド3の機能構成(機能ブロック)のうち、プログラムによっても実現可能な機能ブロックを含むモジュール構成となっている。当該各機能ブロックは、実際のハードウェアとしては、制御装置301が記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより、上記各機能ブロックが主記憶装置302上にロードされる。すなわち上記各機能ブロックは主記憶装置302上に生成される。
【0076】
なお上述した各機能ブロックの一部又は全部をソフトウェアにより実現せずに、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現してもよい。
【0077】
また複数のプロセッサを用いて各機能を実現する場合、各プロセッサは、各機能のうち1つを実現してもよいし、各機能のうち2つ以上を実現してもよい。
【符号の説明】
【0078】
1 ハンディプリンタ
2 PC
3 クラウド
10 制御装置
11 読取制御部
12 記憶制御部
13 記憶部
14 判定部
15 変換部
16 印刷制御部
17 通信制御部
18 入力制御部
21 入力制御部
31 記憶制御部
32 記憶部
33 通信制御部
34 判定部
35 変換部
101 HostI/F
102 CPU
103 ROM
104 RAM
105 記憶装置
106 ネットワークI/F
111 操作装置
112 印刷装置
113 読取装置
114 表示装置
301 制御装置
302 主記憶装置
303 補助記憶装置
304 表示装置
305 入力装置
306 通信装置
310 バス
【先行技術文献】
【特許文献】
【0079】
【文献】特開2016-000486号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12