(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】マスクアダプタ、マスクアダプタ取付工具、露光装置、およびデバイス製造方法
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20240709BHJP
H01L 21/673 20060101ALI20240709BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
G03F7/20 501
H01L21/68 U
H01L21/68 A
(21)【出願番号】P 2020571184
(86)(22)【出願日】2020-02-03
(86)【国際出願番号】 JP2020003936
(87)【国際公開番号】W WO2020162396
(87)【国際公開日】2020-08-13
【審査請求日】2023-01-10
(31)【優先権主張番号】P 2019020167
(32)【優先日】2019-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】小宮山 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】八田 澄夫
(72)【発明者】
【氏名】長野 智和
(72)【発明者】
【氏名】寺西 瀬名
(72)【発明者】
【氏名】浅海 博圭
(72)【発明者】
【氏名】高橋 大輔
(72)【発明者】
【氏名】大川 智之
【審査官】右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開昭64-033927(JP,A)
【文献】特開平06-325996(JP,A)
【文献】特開2004-165249(JP,A)
【文献】特表2004-531923(JP,A)
【文献】特開2010-266561(JP,A)
【文献】特開2005-129959(JP,A)
【文献】特開2001-033943(JP,A)
【文献】特開平11-219884(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0086069(US,A1)
【文献】特開平11-288099(JP,A)
【文献】特開平02-048196(JP,A)
【文献】特開平07-130607(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0085554(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/20
H01L 21/673
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスクが有するパターンを基板上に露光する露光装置のマスクステージに取り外し可能に載置されることが可能であり前記マスクを保持するマスクアダプタであって、
前記マスクを囲む枠部と、
前記枠部に設けられ、前記マスクの下面のうち前記パターンの外側において前記下面の対向する2辺の近傍を支持する支持部と、
前記枠部に設けられ、前記マスクの側面のうち前記2辺に沿った方向で対向する2面にそれぞれ接触する第1部材および第2部材と、を有し、
前記第1部材および第2部材は、前記2辺に沿った方向に並ぶように配置されて
おり、
前記2辺が対向する対向方向において他方の辺が位置する側を対向方向内側とするとき、前記支持部は、前記下面の前記2辺の近傍のそれぞれにおいて前記支持部と前記下面とが接触する部分における前記対向方向内側の端部が前記2辺のそれぞれに沿った方向に並ぶように構成されている、マスクアダプタ。
【請求項2】
前記第1部材と前記第2部材との組を複数有する、請求項1に記載のマスクアダプタ。
【請求項3】
前記第1部材と前記第2部材との少なくとも一方は、前記マスクに弾性力を加える弾性部を有する、請求項1または2に記載のマスクアダプタ。
【請求項4】
前記第1部材と前記第2部材との少なくとも一方は、前記マスクにクランプ力を加えるクランプ部を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のマスクアダプタ。
【請求項5】
前記マスクの側面のうち前記2辺を含み対向する面にそれぞれ接触する第3部材および第4部材を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のマスクアダプタ。
【請求項6】
前記第3部材と前記第4部材との少なくとも一方は、前記マスクと接触するマスク接触部と、前記マスク接触部の位置を固定する固定部とを有する、請求項5に記載のマスクアダプタ。
【請求項7】
前記露光装置が有するセンサ部により射出されたセンサ光を前記センサ部が位置する方向と異なる方向に反射させること、あるいは通過させることによって、前記マスクアダプタの情報を前記センサ部に提供する被認識部を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のマスクアダプタ。
【請求項8】
前記被認識部は、前記センサ部が有する反射センサ部から射出され、前記センサ光の一部である反射用センサ光を、前記反射センサ部が位置する方向と異なる方向に反射させる反射部を有する反射型被認識部を有する、請求項7に記載のマスクアダプタ。
【請求項9】
請求項8に記載のマスクアダプタの前記反射型被認識部に前記反射用センサ光を照射する前記反射センサ部を有し、
前記反射センサ部は、前記マスクが取り付けられた前記マスクアダプタと前記マスクとは異なる別のマスクとのうち、前記マスクが取り付けられた前記マスクアダプタが前記マスクステージへ搬送されたことを検出する、露光装置。
【請求項10】
前記センサ部が有する通過センサ部から射出され、前記センサ光の一部である通過用センサ光を、前記通過センサ部が位置する方向と異なる方向に通過させる通過部を有する通過型被認識部を有する、請求項7または8に記載のマスクアダプタ。
【請求項11】
前記通過部は、貫通孔である、請求項10に記載のマスクアダプタ。
【請求項12】
請求項10または11に記載のマスクアダプタの前記通過型被認識部に前記通過用センサ光を照射する前記通過センサ部を有し、
前記通過センサ部によって、前記マスクが取り付けられた前記マスクアダプタと前記マスクとは異なる別のマスクとのうち、前記マスクが取り付けられた前記マスクアダプタが前記マスクステージに支持されたことを検出する、露光装置。
【請求項13】
前記露光装置の検出部によって検出可能であり、前記マスクアダプタに関する情報を表示するマスクアダプタ情報被検出部を有する、請求項1~8、10または11のいずれか一項に記載のマスクアダプタ。
【請求項14】
前記露光装置の検出部によって検出可能であり、前記マスクアダプタに取り付けられた前記マスクに関する情報である第1マスク情報を表示するマスク情報被検出部を有する、請求項1~8、10または11のいずれか一項に記載のマスクアダプタ。
【請求項15】
前記露光装置の検出部によって検出可能であり、前記マスクアダプタに関する情報を表示するマスクアダプタ情報被検出部と、
前記露光装置の検出部によって検出可能であり、前記マスクアダプタに取り付けられた前記マスクに関する情報である第1マスク情報を表示するマスク情報被検出部と、を有する、請求項1~8、10または11のいずれか一項に記載のマスクアダプタ。
【請求項16】
前記マスクアダプタ情報被検出部と前記マスク情報被検出部とは、隣り合って配置されている、請求項15に記載のマスクアダプタ。
【請求項17】
前記マスクアダプタに関する情報は、前記露光において、前記マスクが取り付けられた前記マスクアダプタを支持する前記マスクステージの移動を制御するための制御情報を含む、請求項13、15または16のいずれか一項に記載のマスクアダプタ。
【請求項18】
前記マスクアダプタに関する情報は、前記マスクアダプタの剛性を含む、請求項13または15~17のいずれか一項に記載のマスクアダプタ。
【請求項19】
前記第1マスク情報は、前記マスクの平面度、前記マスクに形成されたパターンの種類、前記マスクの寸法誤差、前記マスクの重量誤差、前記マスクに形成されたパターンの描画誤差のうち少なくとも1つを含む、請求項14~16のいずれか一項に記載のマスクアダプタ。
【請求項20】
前記第1マスク情報は、前記マスクに付いている前記マスクに関する情報である第2マスク情報の少なくとも一部を含む、請求項14~16または19のいずれか一項に記載のマスクアダプタ。
【請求項21】
前記マスク情報被検出部で表示される前記第1マスク情報の表示を変更可能である、請求項14~16、19または20のいずれか一項に記載のマスクアダプタ。
【請求項22】
前記マスク情報被検出部は、前記マスクアダプタに前記マスクとは異なる別のマスクが取り付けられたとき、前記別のマスクの前記第1マスク情報を表示する、請求項21に記載のマスクアダプタ。
【請求項23】
前記第1マスク情報は、前記マスク情報被検出部でバーコード表示される、請求項14~16または19~22のいずれか一項に記載のマスクアダプタ。
【請求項24】
請求項1~8、10、11または13~23のいずれか一項に記載のマスクアダプタに取り付けられた前記マスクを照明する照明光学系と、
前記照明光学系により照明された前記マスクのパターンを前記基板上に投影する投影光学系と、を備える、露光装置。
【請求項25】
請求項24の露光装置で基板を露光処理することと、
露光された前記基板を現像処理することと、
を含む、デバイス製造方法。
【請求項26】
請求項1~8、10、11または13~23のいずれか一項に記載されたマスクアダプタに取り付けられたマスクを照明することと、
照明された前記マスクのパターンの像を基板上に投影することにより、前記基板を露光することと、
露光された前記基板を現像処理することと、
を含む、デバイス製造方法。
【請求項27】
請求項1~8、10、11または13~23のいずれか一項に記載のマスクアダプタに前記マスクを取り付ける、マスクアダプタ取付工具。
【請求項28】
請求項21に記載のマスクアダプタに前記マスクを取り付けるマスクアダプタ取付工具であって、
前記マスク情報被検出部に表示する第1マスク情報を変更する書き込み部を備える、マスクアダプタ取付工具。
【請求項29】
前記マスクに付いている前記マスクに関する情報である第2マスク情報を表示する取り付けマスク情報被検出部を検出するマスク情報検出部を備え、
前記書き込み部は、前記マスク情報検出部によって前記取り付けマスク情報被検出部から検出した情報に基づいて、前記マスク情報被検出部に表示する第1マスク情報を変更する、請求項28に記載のマスクアダプタ取付工具。
【請求項30】
前記マスクが前記マスクアダプタから取り外されたことを検出する取り外し検出部を備え、
前記書き込み部は、前記取り外し検出部によって前記マスクが前記マスクアダプタから取り外されたことを検出すると、前記マスク情報被検出部の表示を消去する、請求項28または29に記載のマスクアダプタ取付工具。
【請求項31】
前記マスクに付いている前記マスクに関する情報である第2マスク情報を表示する取り付けマスク情報被検出部を検出するマスク情報検出部を備える、請求項29に記載のマスクアダプタ取付工具。
【請求項32】
前記マスクを、前記マスクアダプタに対して上下方向に移動させる昇降装置を備え、
前記昇降装置は、前記マスクアダプタの上方に位置する前記マスクを下降させ、前記マスクアダプタへ配置させる、請求項27~31のいずれか一項に記載のマスクアダプタ取付工具。
【請求項33】
前記昇降装置は、平面視において前記マスクの周囲を囲む枠状を有する前記マスクアダプタへ、前記マスクを配置させる、請求項32に記載のマスクアダプタ取付工具。
【請求項34】
請求項27~33のいずれか一項に記載のマスクアダプタ取付工具により、前記マスクアダプタに取り付けられた前記マスクを照明する照明光学系と、
前記照明光学系により照明された前記マスクのパターンを前記基板上に投影する投影光学系と、を備える、露光装置。
【請求項35】
請求項27~33のいずれか一項に記載されたマスクアダプタ取付工具を用いて、前記マスクアダプタに前記マスクを取り付けることと、
前記マスクアダプタに取り付けられた前記マスクを照明することと、
照明された前記マスクのパターンの像を基板上に投影することにより、前記基板を露光することと、
露光された前記基板を現像処理することと、
を含む、デバイス製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスクアダプタ、マスクアダプタ取付工具、露光装置、およびデバイス製造方法に関する。
本願は、2019年2月6日に出願された日本国特願2019-020167号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、露光装置で使用される露光マスクに取り付けられるマスク保持部材が記載されている。このようなマスク保持部材を取り付けた状態において露光マスクを使用する際、露光装置の露光精度を向上させることが課題となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
本発明のマスクアダプタの一つの態様は、ステージに支持されたマスクを照明し、前記マスクに形成されたパターンを基板上に露光する露光装置で使用され、前記マスクに取り付けられるマスクアダプタであって、前記パターンが形成された領域外で前記マスクを支持する支持部と、前記ステージに支持される被支持部と、を有する本体部と、前記本体部上であって、前記露光装置の検出部によって検出可能な第1被検出部と、を備え、前記第1被検出部は、前記マスクアダプタに関する情報を含む。
【0005】
前記マスクアダプタに関する情報は、前記露光において、前記マスクが取り付けられた前記マスクアダプタを支持する前記ステージの移動を制御するための制御情報を含む構成としてもよい。
【0006】
前記マスクアダプタに関する情報は、前記マスクアダプタの剛性を含む構成としてもよい。
【0007】
前記第1被検出部は、バーコードである構成としてもよい。
【0008】
本発明のマスクアダプタの一つの態様は、ステージに支持されたマスクを照明し、前記マスクに形成されたパターンを基板上に露光する露光装置で使用され、前記マスクに取り付けられるマスクアダプタであって、前記マスクのうち前記パターンが形成された領域外に取り付けられる取付け部と、前記ステージに支持される被支持部と、を有する本体部と、前記本体部上であって、前記露光装置の検出部によって検出可能な第2被検出部と、を備え、前記第2被検出部は、前記マスクアダプタに取り付けられた前記マスクに関する情報を含む。
【0009】
前記本体部上であって、前記露光装置の検出部によって検出可能な第2被検出部を備え、前記第2被検出部は、前記マスクアダプタに取り付けられた前記マスクに関する情報を含む構成としてもよい。
【0010】
前記第1被検出部と前記第2被検出部とは、隣り合って配置されている構成としてもよい。
【0011】
前記マスクに関する情報は、前記マスクの平面度、前記マスクに形成されたパターンの種類、前記マスクの寸法誤差、前記マスクの重量誤差、前記マスクに形成されたパターンの描画誤差のうち少なくとも1つを含む構成としてもよい。
【0012】
前記第2被検出部を変更可能に表示する表示部を備える構成としてもよい。
【0013】
前記表示部は、前記マスクが有する前記マスクに関する情報を、表示する構成としてもよい。
【0014】
前記第2被検出部は、電子バーコードである構成としてもよい。
【0015】
前記表示部は、前記マスクアダプタに前記マスクとは異なる別のマスクが取り付けられると、前記別のマスクの前記マスクに関する情報を表示する構成としてもよい。
【0016】
本発明のマスクアダプタの一つの態様は、ステージに支持されたマスクを照明し、前記マスクに形成されたパターンを基板上に露光する露光装置で使用され、前記マスクに取り付けられるマスクアダプタであって、前記マスクのうち前記パターンが形成された領域外に取り付けられる取付け部と、前記ステージに支持される被支持部と、を有する本体部と、前記マスクが取り付けられた前記マスクアダプタと前記マスクとは異なる別のマスクとをそれぞれ搬送可能な搬送装置により、前記マスクが取り付けられた前記マスクアダプタが前記ステージへ搬送されたことを、前記露光装置が第1センサを使って認識するための第1被認識部と、を備える。
【0017】
前記マスクが取り付けられた前記マスクアダプタと前記別のマスクとをそれぞれ搬送可能な搬送装置により、前記マスクが取り付けられた前記マスクアダプタが前記ステージへ搬送されたことを、前記露光装置が第1センサを使って認識するための第1被認識部をさらに備える構成としてもよい。
【0018】
前記第1被認識部は、前記本体部上に設けられ、前記第1センサから射出された光を反射する反射部を備え、前記反射部は、前記第1センサから射出された光を前記第1センサが位置する方向とは異なる方向に反射する構成としてもよい。
【0019】
前記第1被認識部は、前記第1センサから射出された光が通過する第1通過部を有する構成としてもよい。
【0020】
前記第1被認識部は、前記露光装置の前記搬送装置に設けられた前記第1センサによって検出される構成としてもよい。
【0021】
本発明のマスクアダプタの一つの態様は、ステージに支持されたマスクを照明し、前記マスクに形成されたパターンを基板上に露光する露光装置で使用され、前記マスクに取り付けられるマスクアダプタであって、前記マスクのうち前記パターンが形成された領域外に取り付けられる取付け部と、前記ステージに支持される被支持部と、を有する本体部と、前記マスクが取り付けられた前記マスクアダプタと前記マスクとは異なる別のマスクとをそれぞれ支持可能な前記ステージに、前記マスクアダプタが支持されたことを前記露光装置が第2センサを使って認識するための第2被認識部と、を備える。
【0022】
前記マスクが取り付けられた前記マスクアダプタと前記別のマスクとをそれぞれ支持可能な前記ステージに、前記マスクアダプタが支持されたことを前記露光装置が第2センサを使って認識するための第2被認識部を備える構成としてもよい。
【0023】
前記第2被認識部は、前記第2センサから射出された光が通過する第2通過部を有する構成としてもよい。
【0024】
前記第2通過部は、前記本体部に設けられた貫通孔である構成としてもよい。
【0025】
前記第2被認識部は、前記ステージに設けられている前記第2センサにより検出される構成としてもよい。
【0026】
前記本体部は、前記マスクの周囲を囲む枠状の形状を有する構成としてもよい。
【0027】
本発明の露光装置の一つの態様は、上記のマスクアダプタに取り付けられた前記マスクを照明する照明光学系と、前記照明光学系により照明された前記マスクのパターンを前記基板上に投影する投影光学系と、を備える。
【0028】
本発明のデバイス製造方法の一つの態様は、上記の露光装置で基板を露光処理することと、露光された前記基板を現像処理することと、を含む。
【0029】
本発明のデバイス製造方法の一つの態様は、上記のマスクアダプタに取り付けられたマスクを照明することと、照明された前記マスクのパターンの像を基板上に投影することにより、前記基板を露光することと、露光された前記基板を現像処理することと、を含む。
【0030】
本発明のマスクアダプタ取付工具の一つの態様は、上記の前記マスクアダプタに前記マスクを取り付ける。
【0031】
本発明のマスクアダプタ取付工具の一つの態様は、マスク上に形成されたパターンを基板上に露光する露光装置で使用されるマスクアダプタに前記マスクを取り付けるマスクアダプタ取付工具であって、前記マスクアダプタに取り付けられる前記マスクに関する情報を含む第2被検出部を、前記マスクアダプタに設けられた表示部に表示させる書き込み部を備える。
【0032】
前記マスクに設けられた前記マスクに関する情報を含む第3被検出部を検出する第2検出部を備え、前記書き込み部は、前記第2検出部によって前記第3被検出部から検出した情報に基づいて、前記表示部に前記第2被検出部を表示させる構成としてもよい。
【0033】
前記マスクを前記マスクアダプタから取り外す工具でもあり、前記マスクが前記マスクアダプタから取り外されたことを検出する取り外し検出部を備え、前記書き込み部は、前記取り外し検出部によって前記マスクが前記マスクアダプタから取り外されたことを検出すると、前記表示部の表示を消去する構成としてもよい。
【0034】
前記マスクに設けられた前記マスクに関する情報を含む第3被検出部を検出する第2検出部を備える構成としてもよい。
【0035】
本発明のマスクアダプタ取付工具の一つの態様は、マスク上に形成されたパターンを基板上に露光する露光装置で使用されるマスクアダプタに前記マスクを取り付けるマスクアダプタ取付工具であって、前記マスクに設けられた前記マスクに関する情報を含む第3被検出部を検出する第2検出部を備える。
【0036】
前記マスクを、前記マスクアダプタに対して上下方向に移動させる昇降装置を備え、前記昇降装置は、前記マスクアダプタの上方に位置する前記マスクを下降させ、前記マスクアダプタへ配置させる構成としてもよい。
【0037】
前記昇降装置は、平面視において前記マスクの周囲を囲む枠状を有する前記マスクアダプタへ、前記マスクを配置させる構成としてもよい。
【0038】
本発明の露光装置の一つの態様は、上記のマスクアダプタ取付工具により、前記マスクアダプタに取り付けられた前記マスクを照明する照明光学系と、前記照明光学系により照明された前記マスクのパターンを前記基板上に投影する投影光学系と、を備える。
【0039】
本発明のデバイス製造方法の一つの態様は、上記のマスクアダプタ取付工具を用いて、マスクアダプタにマスクを取り付けることと、前記マスクアダプタに取り付けられた前記マスクを照明することと、照明された前記マスクのパターンの像を基板上に投影することにより、前記基板を露光することと、露光された前記基板を現像処理することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】
図1は、本実施形態の露光装置を示す概略構成図である。
【
図2】
図2は、本実施形態のマスクケースを示す斜視図である。
【
図3A】
図3Aは、本実施形態のマスクアダプタがマスクに取り付けられたマスクアセンブリを上側から視た平面図である。
【
図3B】
図3Bは、本実施形態の露光装置において単体で扱われるマスクを上側から視た平面図である。
【
図4】
図4は、本実施形態のマスクアダプタの一部を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、本実施形態のマスクアダプタの一部を上側から視た平面図である。
【
図6】
図6は、本実施形態のマスクアダプタ取付工具を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、本実施形態のマスクアダプタ取付工具を上側から視た平面図である。
【
図8】
図8は、本実施形態のマスクアダプタ取付工具を示す断面図であって、
図7におけるVIII-VIII断面図である。
【
図9】
図9は、本実施形態のマスクアダプタが取り付けられたマスクを使用して、露光装置において基板を露光する手順の一部を示す平面図である。
【
図10】
図10は、本実施形態のマスクアセンブリが配置された状態のマスクステージを上側から視た平面図である。
【
図11】
図11は、本実施形態のマスクアセンブリが配置された状態のマスクステージの一部を上側から視た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るマスクアダプタおよびマスクアダプタ取付工具について説明する。
なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、各構造における縮尺および数等を、実際の構造における縮尺および数等と異ならせる場合がある。
【0042】
また、各図において適宜示すZ軸方向は、正の側を上側とし、負の側を下側とする上下方向である。X軸方向およびY軸方向は、上下方向(Z軸方向)と直交する方向であって、互いに直交する水平方向である。以下の説明においては、Z軸方向と平行な方向を「上下方向Z」と呼び、X軸方向と平行な方向を「第1方向X」と呼び、Y軸方向と平行な方向を「第2方向Y」と呼ぶ。また、第1方向Xのうち正の側(+X側)を「第1方向Xの一方側」と呼び、負の側(-X側)を「第1方向Xの他方側」と呼ぶ。また、第2方向Yのうち正の側(+Y側)を「第2方向Yの一方側」と呼び、負の側(-Y側)を「第2方向Yの他方側」と呼ぶ。本実施形態の説明において第1方向Xおよび第2方向Yは、マスクアダプタおよびマスクを基準とする水平方向である。上下方向Z(Z軸方向)回りの回転(傾斜)方向をθz方向として説明を行う。
【0043】
図1は、本実施形態の露光装置EXを示す概略構成図である。
露光装置EXは、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板P上に投影することによって基板Pを露光する装置である。本実施形態の露光装置EXによって露光される基板Pは、例えば、フラットパネルディスプレイ用の基板である。露光装置EXは、
図1に示すように、露光部EPと、マスクライブラリLBと、搬送装置H1,H2と、チャンバCHと、制御装置CONTと、を備える。
【0044】
露光部EPは、マスクMのパターンを基板Pに露光する部分である。露光部EPは、マスクステージ(ステージ)MSTと、基板ステージPSTと、照明光学系ILと、投影ユニットPLと、を備える。露光装置EXは、露光部EPにおいて、マスクステージMSTに支持されたマスクMを照明し、マスクMに形成されたパターンを基板P上に露光する。
【0045】
マスクステージMSTは、マスクMを支持する。基板ステージPSTは、基板Pを支持する。照明光学系ILは、例えば米国特許第5,729,331号明細書などに開示される照明光学系と同様に構成され、マスクステージMSTに支持されているマスクMを露光光ELで照明する。露光光ELとしては、例えばi線(波長365nm)、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)のうち少なくとも1つの波長を含む光が用いられる。また、照明光学系ILで用いられる光源、および該光源から照射される露光光ELの波長は、特に限定されず、例えばArFエキシマレーザ光(波長193nm)、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの紫外光や、F2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光であってもよい。
【0046】
投影ユニットPLは、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板ステージPSTに支持されている基板Pに投影露光する。投影ユニットPLは、例えば米国特許第6,552,775号明細書などに開示される投影光学系と同様な構成の、いわゆるマルチレンズ型の投影光学系であり、例えば正立正像を形成する両側テレセントリックな複数の投影光学系を備えている。例えば、投影ユニットPLに備えられた複数の投影光学系は、それぞれの投影光学系の中にフォーカス位置、シフト量、非線形補正量等を補正できる補正機構を有している。各補正機構やその補正方法は、例えば特許公報4,211,272号公報、米国特許公報6,811,953号公報等に記載されている構成および方法を採用できる。
【0047】
図示は省略するが、露光部EPには、マスクステージMSTを第1方向Xおよび第2方向Yに移動可能な駆動装置と、基板ステージPSTを第1方向Xおよび第2方向Yに移動可能な駆動装置と、が設けられている。
【0048】
マスクライブラリLBは、マスクMが収納されたマスクケースCを保管する保管部である。マスクライブラリLBは、複数の収容部LBaを備える。複数の収容部LBaは、上下方向Zに沿って配置されている。各収容部LBaには、それぞれマスクケースCが収容される。収容部LBaに収容されたマスクケースCには、マスクMが1枚ずつ個別に収納されている。マスクMが収納されたマスクケースCは、搬送車Vによって露光装置EXまで運ばれ、マスクライブラリLBの各収容部LBaに収容される。
【0049】
図2は、本実施形態のマスクケースCを示す斜視図である。
マスクケースCは、
図2に示すように、マスク収納部CAと、取手部CBと、を備える。マスク収納部CAは、収納部本体CA1と、蓋部CA2と、を備える。収納部本体CA1は、上側に開口する平面視矩形状の箱状である。収納部本体CA1の内部には、マスクMが収納される。マスクケースCは、例えば、米国特許出願公開2010/0220304号明細書や国際公開第2016/121635号等に開示されたマスクケースと同様の構成であるとよい。
【0050】
蓋部CA2は、収納部本体CA1に着脱可能に取り付けられている。蓋部CA2は、収納部本体CA1の上側の開口を塞ぎ、収納部本体CA1の内部を密閉する。蓋部CA2の外縁部には、取手部CBが設けられている。取手部CBは、蓋部CA2を開閉する際に用いられる部分である。取手部CBは、例えば、3つ設けられている。
【0051】
蓋部CA2の上面には、第1窓部CC1と、第2窓部CC2と、が設けられている。第1窓部CC1および第2窓部CC2は、蓋部CA2が収納部本体CA1に取り付けられた状態において、マスクケースCの内部を視認可能とする透明な部分である。第1窓部CC1および第2窓部CC2は、例えば、透明樹脂等により形成されている。
【0052】
第1窓部CC1は、蓋部CA2の上面のうち外縁部に設けられている。第1窓部CC1を介することで、マスクケースC内に収納されたマスクMまたは後述するマスクアダプタ10に設けられた被検出部を、リーダによってマスクケースCの外部から読み取り可能である。本実施形態においてリーダは、バーコードリーダである。
【0053】
第2窓部CC2は、蓋部CA2の上面のうち中央部に設けられている。第2窓部CC2は、例えば、4つ設けられている。第2窓部CC2を介してマスクケースCの内部を視ることで、マスクケースC内にマスクMが収納されているか否かを確認できる。
【0054】
搬送装置H1は、マスクケースCを搬送する装置である。搬送装置H1は、図示は省略するが、マスクケースCを上下方向Zおよび第2方向Yに移動可能なマスクケース搬送部を備える。搬送装置H1は、マスクケース搬送部によって、搬送車V上のマスクケースCをマスクライブラリLBの収容部LBaに収容する。また、搬送装置H1は、マスクライブラリLBの収容部LBaに収容されたマスクケースCを、蓋部CA2を取り外した状態で搬送装置H1の最上部まで上昇させ、マスクケースC内のマスクMを搬送装置H2に受け渡す。
【0055】
搬送装置H2は、搬送装置H1の最上部に移動させられたマスクケースC内のマスクMを露光部EPに搬送する装置である。搬送装置H2は、
図1に示すように、キャリアガイドH2aと、キャリアH2bと、を備える。キャリアガイドH2aは、第1方向Xに延びている。キャリアH2bは、マスクMを上側から把持して保持する。キャリアH2bは、キャリアガイドH2aに沿って第1方向Xに移動し、マスクステージMSTの上側まで移動させる。キャリアH2bは、把持したマスクMを、マスクステージMST上に載置する。
【0056】
チャンバCHは、露光部EP、マスクライブラリLB、および搬送装置H1,H2を内部に収容する。チャンバCHの内部は、所定環境に設定されている。
制御装置CONTは、搬送装置H1,H2の動作等を含む露光装置EX全体の動作を制御する。制御装置CONTは、マスクMがマスクステージMSTに載置され、基板Pが基板ステージPSTに載置されると、マスクM上のパターンを基板P上に露光(形成)するように、マスクステージMSTと基板ステージPSTとを、投影ユニットPLと照明光学系ILとに対して、第1方向Xへ相対的に移動させる。基板Pを露光する際、制御装置CONTは、基板P上の複数のショット領域を順次露光してもよい。また、複数のショット領域が第2方向Yに並んで配置される場合、制御装置CONTは、マスクステージMSTと基板ステージPSTとを、投影ユニットPLと照明光学系ILとに対して、第2方向Yへ相対的に移動させてもよい。
【0057】
次に、本実施形態の露光装置EXで使用されるマスクMについて説明する。
図3Aは、本実施形態のマスクアダプタ10がマスクM1に取り付けられたマスクアセンブリMAを上側から視た平面図である。
図3Bは、露光装置EXにおいて単体で扱われるマスクM2を上側から視た平面図である。
図4は、本実施形態のマスクアダプタ10の一部を示す斜視図である。
図5は、本実施形態のマスクアダプタ10の一部を上側から視た平面図である。
【0058】
マスクMは、パターンが形成されたガラス製の板状部材である。本実施形態の露光装置EXで扱われるマスクMは、
図3Aに示すようにマスクアダプタ10が取り付けられたマスクアセンブリMAの状態で扱われるマスクM1と、
図3Bに示すように単体で扱われるマスクM2と、を含む。マスクM1は、マスクアダプタ10が取り付けられたマスクアセンブリMAの状態でマスクケースC内に収納され、マスクアセンブリMAの状態で搬送装置H2によって搬送されてマスクステージMSTに配置される。一方、マスクM2は、単体でマスクケースC内に収納され、単体で搬送装置H2によって搬送されてマスクステージMSTに配置される。
【0059】
図3Aに示すように、マスクM1は、単体で扱われるマスクM2よりも小さい。マスクM1の第1方向Xの寸法と第2方向Yの寸法は、マスクM2の第1方向Xの寸法と第2方向Yの寸法よりも短い。マスクM1にマスクアダプタ10が取り付けられたマスクアセンブリMAは、単体で扱われるマスクM2と同等の大きさである。つまり、マスクアセンブリMAの第2方向Yの寸法は、マスクM2の第2方向Yの寸法と略等しい。すなわち、マスクアダプタ10は、マスクM1の第2方向Yの寸法を、マスクM2の第2方向Yの寸法と略等しくなるように、大きさを変更する変更装置であるといえる。また、マスクアセンブリMAの第1方向Xの寸法は、マスクM2の第1方向Xの寸法と略等しい。すなわち、マスクアダプタ10は、マスクM1の第1方向Xの寸法を、マスクM2の第1方向Xの寸法と略等しくなるように、大きさを変更する変更装置であるといえる。マスクM1にマスクアダプタ10を取り付けてマスクM2と同等の大きさとすることで、単体でマスクM2が使用される露光装置EXにおいて、マスクM2よりも小さいマスクM1を使用することが可能となる。
【0060】
マスクM1は、第2方向Yの一方側(+Y側)の外縁部における第1方向Xの中央部に第3被検出部MBを備える。本実施形態において第3被検出部MBは、バーコードである。第3被検出部MBは、例えば、マスクM1の上面に貼り付けられたシールである。第3被検出部MBは、マスクM1に関する情報を含む。マスクM1に関する情報は、例えば、マスクM1の平面度、マスクM1に形成されたパターンの種類、マスクM1の寸法誤差、マスクM1の重量誤差、マスクM1に形成されたパターンの描画誤差等を含む。マスクM1は、たとえ同じ製造方法で作られたとしても、わずかではあるが、個体差が生じる。第3被検出部MBに含まれるマスクM1に関する情報は、このマスクM1の個体差の情報を有している。
【0061】
なお、本明細書において「被検出部が情報を含む」とは、リーダ等の検出部によって被検出部を検出することで、当該情報をリーダ等の検出部が取得可能なことを含む。また、被検出部を読み取り可能なリーダは、特に限定されず、露光装置EXに設けられるリーダであってもよいし、後述するマスクアダプタ取付工具20に設けられた第2検出部26であってもよいし、その他のリーダであってもよい。なお、上述したとおり、リーダは、バーコードリーダであってもよいし、例えば、カメラ(撮像装置)であってもよい。
【0062】
図3Bに示すように、単体で扱われるマスクM2も、マスクM2に関する情報を含む被検出部M2aを備える。マスクM2に設けられた被検出部M2aは、マスクM2のうち第2方向Yの一方側(+Y側)の外縁部における第1方向Xの一方側(+X側)寄りの部分に設けられている。マスクM2に設けられた被検出部M2aは、例えば、バーコードであり、マスクM2に貼り付けられたシールである。マスクM2に関する情報は、マスクM2の平面度、マスクM2に形成されたパターンの種類、マスクM2に形成されたパターンの描画誤差等を含む。マスクM2に設けられた被検出部M2aに含まれるマスクM2に関する情報は、マスクM2の個体差に応じて異なる。
【0063】
次に、露光装置EXで使用され、マスクM1に取り付けられる本実施形態のマスクアダプタ10について説明する。マスクアダプタ10は、
図3Aに示すように、上下方向Zに沿って視た平面視において、マスクアダプタ10が取り付けられるマスクM1の周囲を囲む枠状の部材である。本実施形態においてマスクアダプタ10は、第1方向Xに長い矩形枠状である。マスクアダプタ10の外形は、単体で扱われるマスクM2の外形と、形状および大きさがほぼ同じである。マスクアダプタ10は、マスクアダプタ10にマスクM1が取り付けられたときの重さが、マスクM2の重さと略等しくなるように構成されている。マスクアダプタ10は、枠部(被支持部)11と、第1被検出部13と、表示装置12と、支持部16と、第1位置決め部14,15と、第2位置決め部17と、を備える。枠部11と支持部16とは、マスクアダプタ10の本体部を構成する。
【0064】
枠部11は、マスクM1のうちパターンが形成された領域外の部分に取り付けられ、マスクステージMSTに支持される部分である。枠部11は、マスクM1の周囲を囲む枠状の形状を有する。枠部11は、矩形枠状である。枠部11は、第1辺部11aと、第2辺部11bと、第3辺部11cと、第4辺部11dと、を備える。第1辺部11aと第2辺部11bとは、第1方向Xに延び、第2方向Yに間隔を空けて配置されている。第1辺部11aは、第2辺部11bよりも第2方向Yの一方側(+Y側)に位置する。第3辺部11cと第4辺部11dとは、第2方向Yに延び、第1方向Xに間隔を空けて配置されている。第3辺部11cは、第4辺部11dよりも第1方向Xの一方側(+X側)に位置する。第3辺部11cは、第1辺部11aにおける第1方向Xの一方側の端部と第2辺部11bにおける第1方向Xの一方側の端部とを繋いでいる。第4辺部11dは、第1辺部11aにおける第1方向Xの他方側(-X側)の端部と第2辺部11bにおける第1方向Xの他方側の端部とを繋いでいる。
【0065】
なお、枠部11は、複数の部材(例えば、第1~第4辺部11a~11dの4部材、第1辺部11aと第3辺部11cとが連結された部材と第2辺部11bと第4辺部11dとが連結された部材との2部材等)をメカ的に連結させて構成してもよいし、一枚の板から中央部に開口を設け一体的な構成としてもよい。
【0066】
枠部11には、枠部11を上下方向Zに貫通する複数の切欠部11fが形成されている。切欠部11fは、第1辺部11aの内縁部と第2辺部11bの内縁部とのそれぞれに、第1方向Xに間隔を空けて2つずつ設けられている。切欠部11fは、枠部11の内側に開口している。換言すると、切欠部11fは、枠部11の内側が切欠かれた部分である。
切欠部11fは、マスクアダプタ10にマスクM1が取り付けられた状態において、上下方向Zに沿って視てマスクM1の外側に位置する。
【0067】
第1被検出部13は、リーダによって情報を読み取り可能な部分である。第1被検出部13は、枠部11の上面(+Z側の面)に配置されている。より詳細には、第1被検出部13は、第1辺部11aの外縁部における第1方向Xの中央やや一方側(+X側)寄りの部分に配置されている。第1被検出部13の位置は、マスクアセンブリMAがマスクケースC内に載置された際に、マスクケースCの蓋部CA2に設けられた第1窓部CC1の位置と第1方向Xおよび第2方向Yの位置が略重なる位置、つまりマスクアセンブリMAがマスクケースC内に載置され、蓋部CA2が閉じられた状態で、第1窓部CC1を介してリーダが第2被検出部MBaを読み取ることが可能な位置である。すなわち、第1被検出部13は、露光装置EXのリーダ(第1検出部)によって検出可能な位置に設けられている。
【0068】
本実施形態において第1被検出部13は、バーコードである。すなわち、第1被検出部13は、バーコードリーダによって情報を読み取り可能である。第1被検出部13は、例えば、枠部11の上面に貼り付けられたシールである。
【0069】
第1被検出部13は、マスクアダプタ10に関する情報を含む。マスクアダプタ10に関する情報は、マスクアセンブリMA、つまりマスクアダプタ10が取り付けられたマスクM1、が露光装置EX内に配置された際に露光装置EX内の各ユニットを制御するために必要な制御情報(パラメータ)と、マスクアダプタ10の各種パラメータと、を含む。
制御情報は、露光において、マスクステージMSTの移動を制御するための情報を含む。
具体的に制御情報は、例えば、マスクステージMSTを移動させる際の制御ゲイン、マスクアダプタ10の個体差に応じて各制御パラメータを補償するフィルタ等を含む。マスクアダプタ10の各種パラメータは、マスクアダプタ10の剛性、マスクアダプタ10の質量、マスクアダプタ10の寸法、マスクアダプタ10の材質等を含む。第1被検出部13に含まれるマスクアダプタ10に関する情報は、マスクアダプタ10の個体差に応じて異なる。
【0070】
表示装置12は、枠部11の上面(+Z側の面)に配置されている。より詳細には、表示装置12は、第1辺部11aの外縁部のうち第1方向Xの一方側(+X側)寄りの部分に配置されている。表示装置12は、第1被検出部13の第1方向Xの一方側に隣り合って配置されている。
【0071】
表示装置12は、表示部12aを備える。表示部12aは、例えば、電子ペーパーにより構成されている。表示部12aには、表示装置12に入力された情報に基づいた文字およびマーク等が表示される。表示装置12への情報の入力、消去、書き換え等は、後述する書き込み部27によって行われる。例えば、表示装置12への情報の入力、消去、書き換え等は、当該表示装置12に対応する書き込み部27のみによって可能となっている。
【0072】
第1被検出部13と表示部12aとは、第1方向Xに隣り合って配置されている。マスクアダプタ10がマスクM1に取り付けられた状態において表示部12aは、第2被検出部MBaを表示する。これにより、第2被検出部MBaは、被支持部である枠部11上に設けられ、第1被検出部13と第2被検出部MBaとは、隣り合って配置される。第2被検出部MBaは、リーダによって情報を読み取り可能な表示である。本実施形態において第2被検出部MBaは、電子バーコードである。すなわち、第2被検出部MBaは、バーコードリーダによって情報を読み取り可能である。
【0073】
第2被検出部MBaは、マスクアダプタ10に取り付けられるマスクM1に関する情報を含む。マスクM1に関する情報は、マスクM1の平面度、マスクM1に形成されたパターンの種類、マスクM1の寸法誤差、マスクM1の重量誤差、マスクM1に形成されたパターンの描画誤差のうち少なくとも1つを含む。第2被検出部MBaに含まれるマスクM1に関する情報は、マスクアダプタ10に取り付けられるマスクM1の個体差に応じて異なる。
【0074】
第2被検出部MBaは、マスクM1に設けられた第3被検出部MBに含まれる情報が、後述する書き込み部27等のライターを介して表示装置12に入力されたことに基づいて表示部12aに表示される。すなわち、表示部12aは、マスクM1に設けられた情報を、マスクM1に関する情報として表示する。本実施形態において第2被検出部MBaは、第3被検出部MBと同様のマークである。すなわち、本実施形態において表示部12aは、マスクM1に設けられた第3被検出部MBと同様のマークを、第2被検出部MBaとして表示する。
【0075】
マスクアセンブリMAにおいて表示部12aに表示される第2被検出部MBaの位置は、マスクアセンブリMAと単体で扱われるマスクM2とを上下方向Zに重ねた場合に、上下方向Zに沿って視て、上述したマスクM2に設けられる被検出部M2aと重なる位置である。すなわち、露光装置EX内でマスクアセンブリMAを扱う際における露光装置EXの各部に対する第2被検出部MBaの相対位置は、露光装置EX内でマスクM2を扱う際における露光装置EXの各部に対するマスクM2の被検出部M2aの相対位置とほぼ同じである。
【0076】
また、第2被検出部MBaの位置は、マスクアセンブリMAがマスクケースC内に載置された際に、マスクケースCの蓋部CA2に設けられた第1窓部CC1の位置と第1方向Xおよび第2方向Yの位置が略重なる位置、つまりマスクアセンブリMAがマスクケースC内に載置され、蓋部CA2が閉じられた状態で、第1窓部CC1を介してリーダが第2被検出部MBaを読み取ることが可能な位置である。すなわち、第2被検出部MBaは、露光装置EXのリーダ(第1検出部)によって検出可能な位置に設けられている。
【0077】
なお、マスクアダプタ10に対して異なるマスクM1を載せ替えることなく使用する場合は、表示装置12に対する情報の入力、消去、書き換え等が不要なため、マスクアダプタ10には、表示装置12の代わりに、第1被検出部13のように、マスクM1に関する情報が印字されたシールが設けられてもよい。
【0078】
支持部16は、第1辺部11aの内縁部と第2辺部11bの内縁部とのそれぞれに複数ずつ設けられている。各辺部において複数の支持部16は、第1方向Xに沿って間隔を空けて並んで配置されている。各支持部16は、各辺部から第2方向Yに沿って、枠部11の内側に突出している。支持部16は、マスクアダプタ10に取り付けられるマスクM1を下側から支持する。これにより、マスクアダプタ10に取り付けられるマスクM1がマスクアダプタ10に対して上下方向Zに位置決めされる。
【0079】
第1位置決め部14は、第4辺部11dの内縁部に、第2方向Yに間隔を空けて一対設けられている。一対の第1位置決め部14は、第4辺部11dの内縁部における第2方向Yの両端部にそれぞれ設けられている。第1位置決め部15は、第3辺部11cの内縁部に、第2方向Yに間隔を空けて一対設けられている。一対の第1位置決め部15は、第3辺部11cの内縁部における第2方向Yの両端部にそれぞれ設けられている。第1位置決め部14と第1位置決め部15とは、マスクアダプタ10に取り付けられるマスクM1を第1方向Xに挟んで、マスクM1を第1方向Xに位置決めする。
【0080】
第1位置決め部14は、枠部11の内側(+X側)に突出する突出部14aを備える。
突出部14aは、マスクM1における第1方向Xの他方側(-X側)の縁部と接触する。
第1位置決め部15は、本体部15aと、弾性部15bと、を備える。図示は省略するが、本体部15aは、第1方向Xに延びる長孔を介したネジ止めによって枠部11に固定されている。すなわち、本体部15aは、ネジ止め固定される前において、長孔の範囲内で第1方向Xに移動可能である。弾性部15bは、本体部15aに対して弾性ヒンジを介して接続されている。弾性部15bは、マスクM1における第1方向Xの一方側(+X側)の縁部に接触する。弾性部15bは、マスクM1に対して、マスクM1を第1位置決め部14に押し付ける向きに弾性力を加える。これにより、マスクM1に第1方向Xの弾性力を加えた状態で、マスクM1をマスクアダプタ10に取り付けることができ、マスクアダプタ10に対するマスクM1の第1方向Xの位置を決めることができる。
【0081】
なお、マスクM1のマスクアダプタ10に対する固定は、クランプ部品を用いて行ってもよい。この場合であっても、弾性部15bによってマスクM1に第1方向X向きの弾性力を加えてもよい。これにより、マスクM1に作用する力を第1方向Xに集中させることができる。
【0082】
このようにして、第1位置決め部14と第1位置決め部15とは、第1方向Xから、マスクアダプタ10にマスクM1を固定する。マスクアセンブリMAは、XY平面内の大きさが大きいため、マスクステージMSTにマスクアセンブリMAが載置された際、マスクアセンブリMAの第2方向Yの両端がマスクステージMSTに支持され、YZ平面内で下側に凸となるようにマスクアセンブリMAが変形する(撓む)。本実施形態のように投影ユニットPLが複数の投影光学系により構成された場合、制御装置CONTによって、マスクアセンブリMAの撓みに則して、投影ユニットPLの各投影光学系をそれぞれ制御することにより、マスクアセンブリMAの撓みの影響がなく、基板Pを露光することができる。
【0083】
なお、マスクステージMSTにマスクM2が載置された場合においても、マスクアダプタ10と同様にマスクM2は、下側に凸となるように変形する(撓む)。したがって、マスクM2がマスクステージMSTに載置された場合でもマスクアセンブリMAがマスクステージMSTに載置された場合でも、YZ平面内で下側に凸となるようにマスクMが撓むため、制御装置CONTによって、同じように投影ユニットPLの各投影光学系を制御することができる。
【0084】
なお、第1位置決め部14と第1位置決め部15とは、第1辺部11aと第2辺部11bとにそれぞれ設けられ、マスクM1を第2方向Yからマスクアダプタ10に固定するようにしてもよい。この場合、マスクアセンブリMAがマスクステージMSTに載置された場合、マスクM1は、XZ平面内で下側に凸となるように変形する(撓む)。この場合、制御装置CONTは、露光中に、マスクM1の変形に沿うように、基板ステージPSTを、上下方向(Z方向)の位置を調整しながら、第1方向Xへ移動させるとよい。これにより、制御装置CONTは、露光中、基板Pの上下方向Zの位置を、投影ユニットPLの投影光学系のフォーカス位置に維持することができる。
【0085】
第2位置決め部17は、マスクM1を第2方向Yに挟んで一対設けられている。一対の第2位置決め部17のそれぞれは、第1辺部11aの内縁部における第1方向Xの中央部と、第2辺部11bの内縁部における第1方向Xの中央部とに設けられている。一対の第2位置決め部17は、マスクアダプタ10に取り付けられるマスクM1を第2方向Yに挟んで、マスクM1を第2方向Yに位置決めする。図示は省略するが、第2位置決め部17は、第2方向Yに延びる長孔を介したネジ止めにより枠部11に固定されている。すなわち、第2位置決め部17は、ネジ止め固定される前において、長孔の範囲内で第2方向Yに移動可能である。
【0086】
マスクアダプタ10は、被認識部18を備える。被認識部18は、露光装置EXに設けられた後述する各センサによってマスクM(マスクM1)がマスクアダプタ10に取り付けられていることを識別するための部分である。換言すると、被認識部18は、各センサによりマスクアセンブリMAかマスクアダプタ10に取り付けられていないマスクM2かを識別するための部分である。本実施形態において被認識部18は、第1被認識部18aと、第2被認識部18bと、を含む。第1被認識部18aおよび第2被認識部18bは、枠部11における第1辺部11aの外縁部に設けられている。
【0087】
第1被認識部18aは、
図4に示すように、枠部11に設けられている。より詳細には、第1被認識部18aは、第1辺部11aに設けられた凹部11eに埋め込まれている。
凹部11eは、第1辺部11aの上面から下側に窪み、枠部11の外側に開口している。
第1被認識部18aは、凹部11eの底面に、例えば、ネジ止め固定されている。第1被認識部18aは、光を反射する反射部18cを備える。本実施形態において反射部18cは、第1被認識部18aの上面の一部である。反射部18cは、第1方向Xの他方側(-X側)に向かうに従って下側に位置する向きに傾く傾斜面である。反射部18cは、後述するセンサ(第1センサ)S1から射出された光SLをセンサS1が位置する方向とは異なる方向に反射する。本実施形態において反射部18cは、上側から射出された光SLを、第1方向Xの他方側に傾いた斜め上方に反射する。
【0088】
第2被認識部18bは、
図5に示すように、マスクアダプタ10を貫通する貫通部である。本実施形態において第2被認識部18bは、枠部11に設けられ、第1辺部11aを上下方向Zに貫通する貫通孔である。第2被認識部18bは、例えば、第1方向Xに長い長円状の孔である。第2被認識部18bは、後述するセンサ(第2センサ)S4から射出された光SLを通過させる。すなわち、第2被認識部18bは、センサS4から射出された光SLが通過する通過部(第2通過部)を有する。
【0089】
次に、マスクM1をマスクアダプタ10に取り付ける手順について説明する。本実施形態においてマスクアダプタ10には、マスクアダプタ取付工具20を介して、マスクM1が取り付けられる。
図6は、マスクM1をマスクアダプタ10に取り付ける本実施形態のマスクアダプタ取付工具20を示す斜視図である。
図7は、マスクアダプタ取付工具20を上側(+Z側)から視た平面図である。
図8は、マスクアダプタ取付工具20を示す断面図であって、
図7におけるVIII-VIII断面図である。
【0090】
本実施形態においてマスクアダプタ取付工具20は、マスクアダプタ10にマスクM1取り付ける工具であり、かつ、マスクアダプタ10からマスクM1を取り外す工具でもある。本実施形態においてマスクアダプタ取付工具20は、マスクアダプタ10に対してマスクM1を上下方向Zに移動させることで、マスクアダプタ10へのマスクM1の取り付け、およびマスクアダプタ10からのマスクM1の取り外しを行う。
【0091】
マスクアダプタ取付工具20は、
図6から
図8に示すように、基部21と、ガイド部22a,22b,22cと、可動部24と、昇降装置23と、一対のマスク保持部25と、第2検出部26と、書き込み部27と、第3検出部28と、を備える。
なお、
図6および
図8においては、第2検出部26、書き込み部27および第3検出部28の図示を省略している。また、
図7においては、基部21および昇降装置23の図示を省略している。
【0092】
基部21は、
図6に示すように、上下方向Zに沿って視て、第1方向Xの他方側(-X側)に開口する角張ったU字状である。基部21は、柱部21a,21b,21cと、複数の足部21dと、を備える。柱部21aは、第2方向Yに延びている。柱部21bは、柱部21aのうち第2方向Yの他方側(-Y側)の端部から第1方向Xの他方側(-X側)に延びている。柱部21cは、柱部21aのうち第2方向Yの一方側(+Y側)の端部から第1方向Xの他方側に延びている。複数の足部21dは、柱部21a,21b,21cから下側に延びている。マスクアダプタ取付工具20は、複数の足部21dを介して、地面に設置されている。
【0093】
図8に示すように、角張ったU字状の基部21の内側には、第1方向Xの他方側(-X側)の開口から、マスクケースCを搭載した搬送車Vが進入可能である。基部21の内側に進入する搬送車Vに搭載されたマスクケースCは、蓋部CA2が取り外された状態であり、内部には、マスクアダプタ10が収納されている。
【0094】
ガイド部22aは、
図6に示すように、柱部21aの第2方向Yの中央部から上側に延びている。ガイド部22bは、柱部21bにおける第1方向Xの他方側(-X側)の端部から上側に延びている。ガイド部22cは、柱部21cにおける第1方向Xの他方側の端部から上側に延びている。
【0095】
可動部24は、上下方向Zに沿って視て、第1方向Xの他方側(-X側)に開口する角張ったU字状である。可動部24は、ガイド部22a,22b,22cに支持されて基部21よりも上側に配置されている。可動部24は、ガイド部22a,22b,22cに沿って上下方向Zに移動可能である。
【0096】
可動部24は、柱部24a,24b,24cを備える。柱部24aは、第2方向Yに延びている。柱部24aの第2方向Yの中央部は、ガイド部22aに連結されている。柱部24bは、柱部24aのうち第2方向Yの他方側(-Y側)の端部から第1方向Xの他方側(-X側)に延びている。柱部24bにおける第1方向Xの他方側の端部は、ガイド部22bに連結されている。柱部24cは、柱部24aのうち第2方向Yの一方側(+Y側)の端部から第1方向Xの他方側(-X側)に延びている。柱部24cにおける第1方向Xの他方側の端部は、ガイド部22cに連結されている。柱部24bおよび柱部24cのそれぞれの上面には、第1方向Xに延びるレール部24dが設けられている。
【0097】
昇降装置23は、柱部21aの第2方向Yの中央部に設けられている。昇降装置23は、ガイド部22a,22b,22cに沿って、可動部24を上下方向Zに移動可能な装置である。昇降装置23は、ハンドル部23aを備える。作業者は、ハンドル部23aを回すことにより、可動部24を上下方向Zに移動させることができる。昇降装置23は、可動部24を上下方向Zに移動させることで、マスク保持部25に保持されたマスクM1を上下方向Zに移動させる。
【0098】
一対のマスク保持部25は、可動部24に取り付けられており、可動部24とともに上下方向Zに移動可能である。一対のマスク保持部25は、第1方向Xに間隔を空けて配置されている。一対のマスク保持部25は、例えば、第1方向Xに互いに対称に配置されている。
【0099】
一対のマスク保持部25は、それぞれ、レール部25aと、一対の第1スライド部25eと、一対の第2スライド部25bと、一対のアーム部25cと、一対のハンド部25dと、を備える。レール部25aは、第2方向Yに延びている。レール部25aの第2方向Yの両端部は、一対の第1スライド部25eのそれぞれを介して、柱部24b,24cそれぞれのレール部24d上に連結されている。一対の第1スライド部25eがレール部24dに沿って第1方向Xに移動することで、レール部25aは、第1方向Xに移動可能である。
【0100】
一対の第2スライド部25bは、第2方向Yに沿ってレール部25a上に配置されている。一対の第2スライド部25bは、レール部25aに沿って第2方向Yに移動可能である。一対のアーム部25cは、一対の第2スライド部25bのそれぞれにおける第1方向Xの側面から下側に延びている。一対のハンド部25dは、一対のアーム部25cの下側の端部のそれぞれに固定されている。アーム部25cおよびハンド部25dは、第2スライド部25bを介して第2方向Yに移動可能である。
【0101】
一対のハンド部25dは、マスクM1の第2方向Yの両側からそれぞれ近づいて、マスクM1の第2方向Yの縁部を把持可能である。本実施形態においてマスク保持部25は、一対設けられているため、合計4つのハンド部25dによってマスクM1を把持し、保持することができる。一対のマスク保持部25によってマスクM1を保持した状態で、昇降装置23によって可動部24を上下方向Zに移動させることで、マスクM1を上下方向Zに移動させることができる。
【0102】
第2検出部26は、
図7に示すように、柱部24cに取り付けられている。第2検出部26は、柱部24cから第2方向Yの他方側(-Y側)に突出している。第2検出部26は、第2方向Yの他方側の端部に、検出本体部26aを備える。検出本体部26aは、マスクアダプタ取付工具20に保持されたマスクM1の第3被検出部MBの上側に位置する。検出本体部26aは、バーコードである第3被検出部MBに上側から光を照射し、第3被検出部MBからの反射光を読み取ることで、第3被検出部MBに含まれる情報を読み取り可能である。これにより、第2検出部26は、マスクM1に設けられたマスクM1に関する情報を含む第3被検出部MBを読み取って検出できる。第2検出部26は、第3被検出部MBを読み取ると、読み取った情報を書き込み部27へと送信する。
【0103】
書き込み部27は、柱部24cに取り付けられている。書き込み部27は、第2検出部26の第1方向Xの一方側(+X側)に配置されている。書き込み部27は、柱部24cから第2方向Yの他方側(-Y側)に突出している。書き込み部27のうち第2方向Yの他方側の端部は、基部21の内側に進入した搬送車Vに搭載されたマスクケースC内のマスクアダプタ10の上側に位置する。
【0104】
書き込み部27は、マスクアダプタ10に備えられた表示装置12に対して、第2検出部26から送られた情報を送信可能である。これにより、書き込み部27は、第3被検出部MBに含まれた情報を含む第2被検出部MBaを、マスクアダプタ10に設けられた表示部12aに表示させる。すなわち、書き込み部27は、第2検出部26によって第3被検出部MBから検出した(読み取った)情報に基づいて、マスクアダプタ10の表示部12aに第2被検出部MBaを表示させる。書き込み部27は、表示装置12に信号を送り、表示部12aの表示を消去させることもできる。
【0105】
第3検出部28は、柱部24bに取り付けられている。第3検出部28は、延伸部28aと、第1測定部28bと、第2測定部28cと、を備える。延伸部28aは、柱部24bから第2方向Yの一方側(+Y側)に延びている。延伸部28aのうち第2方向Yの一方側の端部は、マスクアダプタ取付工具20に保持されたマスクM1の上側に位置する。
【0106】
第1測定部28bおよび第2測定部28cは、延伸部28aに設けられている。第1測定部28bは、基部21の内側に進入した搬送車Vに搭載されたマスクケースC内のマスクアダプタ10の上側に位置する。第1測定部28bは、マスクアダプタ10の上下方向Zの位置を測定可能である。第2測定部28cは、マスクアダプタ取付工具20に保持されたマスクM1の上側に位置する。第2測定部28cは、マスクM1の上下方向Zの位置を測定可能である。第1測定部28bおよび第2測定部28cは、例えば、レーザ変位計である。
【0107】
第3検出部28は、第1測定部28bよって測定されたマスクアダプタ10の上下方向Zの位置と、第2測定部28cによって測定されたマスクアダプタ10の上下方向Zの位置とに基づいて、マスクM1にマスクアダプタ10が取り付けられているか否かを検出可能である。
【0108】
具体的に、第3検出部28は、第1測定部28bの測定結果および第2測定部28cの測定結果から、マスクM1とマスクアダプタ10との上下方向Zの相対位置を算出する。
ここで、第3検出部28には、マスクM1がマスクアダプタ10に取り付けられた状態におけるマスクM1とマスクアダプタ10との上下方向Zの相対位置情報が記憶されている。算出したマスクM1の相対位置が、マスクアダプタ10に取り付けられた状態におけるマスクM1の相対位置と同じ場合、第3検出部28は、マスクM1がマスクアダプタ10に取り付けられていると判断する。
【0109】
一方、算出したマスクM1の相対位置が、マスクアダプタ10に取り付けられた状態におけるマスクM1の相対位置よりも上側である場合、第3検出部28は、マスクM1がマスクアダプタ10から取り外されていると判断する。これにより、第3検出部28は、マスクアダプタ10にマスクM1が取り付けられていること、およびマスクアダプタ10からマスクM1が取り外されていることを検出可能である。
【0110】
第3検出部28は、マスクアダプタ10に対するマスクM1の相対位置が上側に変化した場合、マスクアダプタ10からマスクM1が取り外されたと判断する。これにより、第3検出部28は、マスクアダプタ10からマスクM1が取り外されたことを検出可能である。第3検出部28は、検出結果を第2検出部26および書き込み部27に送信可能である。
【0111】
作業者は、上述したマスクアダプタ取付工具20を用いてマスクM1をマスクアダプタ10に取り付ける。まず、作業者は、マスクM1をマスクアダプタ取付工具20に保持させる。作業者は、図示しないリフター上に配置したマスクM1をリフターごと基部21の内側に進入させ、リフターによってマスクM1をマスク保持部25の上下方向Zの位置まで上昇させる。次に、作業者は、各ハンド部25dを第2方向Yに移動させ、リフターによって上昇させられたマスクM1の外縁部を各ハンド部25dによって把持させる。これにより、作業者は、マスクアダプタ取付工具20にマスクM1を保持させることができる。
【0112】
次に、作業者は、リフターを基部21の外側に出した後、
図8に示すように、マスクケースCが搭載された搬送車Vを基部21の内側に進入させる。上述したように、このときマスクケースCの蓋部CA2は外された状態となっており、マスクケースCの内部には、マスクアダプタ10が配置されている。そのため、収納部本体CA1は上側に開口しており、マスクアダプタ10は収納部本体CA1の開口を介して上側に露出している。
【0113】
次に、作業者は、昇降装置23のハンドル部23aを回して可動部24およびマスク保持部25ごとマスクM1を下側に移動させ、マスクM1をマスクアダプタ10に上側から近づける。これにより、作業者は、マスクM1がマスクアダプタ10の支持部16によって下側から支持される位置まで移動させ、マスクM1をマスクアダプタ10の内側に配置する。すなわち、昇降装置23は、マスクアダプタ10の上方に位置するマスクM1を下降させ、平面視においてマスクM1の周囲を囲む枠状を有するマスクアダプタ10の内側にマスクM1を配置する。このとき、各ハンド部25dは、マスクアダプタ10に設けられた切欠部11fに挿入される。そのため、ハンド部25dがマスクアダプタ10に干渉することなく、マスクアダプタ10が支持部16によって下側から支持される位置までマスクM1を移動させることができる。
【0114】
次に、作業者は、マスクM1の第1方向Xの位置を微調整して、マスクアダプタ10における第1位置決め部14の突出部14aに突き当てる。これにより、マスクM1がマスクアダプタ10に対して第1方向Xに位置決めされる。そして、作業者は、第1位置決め部15の本体部15aを図示しない長孔に沿って第1方向Xに移動させ、弾性部15bをマスクM1に接触させる。そして、作業者は、本体部15aを枠部11にネジ止め固定する。これにより、マスクM1をマスクアダプタ10に対して第1方向Xに固定できる。
【0115】
次に、作業者は、第2位置決め部17を図示しない長孔に沿って第2方向Yに移動させてマスクM1に接触させ、第2位置決め部17を枠部11にネジ止め固定する。これにより、マスクM1をマスクアダプタ10に対して第2方向Yに固定できる。以上により、作業者は、マスクM1をマスクアダプタ10に取り付けることができる。
【0116】
マスクM1がマスクアダプタ10に取り付けられると、第3検出部28によってマスクM1がマスクアダプタ10に取り付けられたことが検出され、第3検出部28の検出結果が第2検出部26に送信される。第3検出部28から検出結果を受信した第2検出部26は、マスクM1の第3被検出部MBを読み取り、読み取った情報を書き込み部27に送信する。第2検出部26から第3被検出部MBを読み取った情報を受信した書き込み部27は、マスクアダプタ10の表示装置12に当該情報を送信し、表示部12aに第2被検出部MBaを表示させる。
【0117】
なお、厳密には、本実施形態の第3検出部28は、マスクM1が支持部16によって下側から支持されてマスクアダプタ10の内側に配置された時点において、マスクM1がマスクアダプタ10に取り付けられたことを検出し、検出結果を第2検出部26に送信する。すなわち、本実施形態においては、例えば、上述した第1位置決め部14,15および第2位置決め部17によってマスクM1をマスクアダプタ10に固定している際に、第2検出部26および書き込み部27が上述したように動作して、表示部12aに第2被検出部MBaを表示させる。
【0118】
マスクM1のマスクアダプタ10への取り付け、および書き込み部27による表示部12aへの書き込みが終了した後、作業者は、ハンド部25dを切欠部11f内で第2方向Yに移動させて、ハンド部25dをマスクM1から取り外す。そして、作業者は、昇降装置23のハンドル部23aを取り付ける際とは逆向きに回して、可動部24およびマスク保持部25を上昇させ、元の位置に戻す。その後、作業者は、搬送車Vを基部21の外側に出して、マスクケースCの収納部本体CA1に蓋部CA2を取り付ける。
【0119】
マスクM1がマスクアダプタ10に取り付けられたマスクアセンブリMAを収納したマスクケースCは、搬送車Vによって露光装置EXのマスクライブラリLBまで搬送され、搬送装置H1によって収容部LBaに収容される。このとき、露光装置EXの制御装置CONTは、収容部LBaに搬送されたマスクケースC内に収納されたマスクMの情報を読み取り、記憶する。
【0120】
具体的には、例えば、制御装置CONTは、搬送装置H1に設けられた図示しないリーダによって第1窓部CC1を介してマーク等の被検出部を読み取ることで、マスクMの状態を検出する。マスクMが、マスクアダプタ10に取り付けられたマスクM1である場合、搬送装置H1に設けられた図示しないリーダ(第1検出部)は、マスクアダプタ10の第1被検出部13と表示部12aに表示された第2被検出部MBaとを読み取る。これにより、制御装置CONTは、収納されたマスクMが、マスクアダプタ10に取り付けられたマスクM1であることを識別し、第1被検出部13に含まれるマスクアダプタ10に関する情報と、第2被検出部MBaに含まれるマスクM1に関する情報と、を記憶する。
【0121】
一方、マスクMが、単体で扱われるマスクM2の場合には、搬送装置H1に設けられた図示しないリーダは、マスクM2に設けられた被検出部M2aのみを読み取る。これにより、制御装置CONTは、収納されたマスクMが、マスクアダプタ10に取り付けられていないマスクM2であることを識別し、マスクM2の被検出部M2aに含まれるマスクM2に関する情報を記憶する。制御装置CONTは、上述したようにしてマスクライブラリLBの各収容部LBaに収容されたマスクケースC内のマスクMの情報をリスト化して記憶する。
【0122】
次に、マスクアダプタ10に取り付けられたマスクM1を使用して、露光装置EXにおいて基板Pを露光する手順について説明する。
図9は、マスクアセンブリMA、つまりマスクアダプタ10に取り付けられたマスクM1を使用して、露光装置EXにおいて基板Pを露光する手順の一部を示す平面図である。
【0123】
まず、制御装置CONTは、次の基板Pの露光に使用するマスクMとしてマスクアダプタ10に取り付けられたマスクM1を、搬送装置H1,H2によってマスクステージMSTまで搬送させる。搬送装置H1は、図示しないマスクケース搬送部によって、使用するマスクM1が収納されたマスクケースCを収容部LBa内から搬送装置H1の最上部まで移動させる。このとき、マスクケース搬送部は、蓋部CA2を取り外して収容部LBa内に残した状態で、マスクケースCを移動させる。
【0124】
制御装置CONTは、搬送装置H1のマスクケース搬送部によって蓋部CA2を取り外した後、マスクケースCを移動させる前に、搬送装置H1に設けられた図示しないリーダによって、マスクケースC内のマスクMに設けられた被検出部を読み取ることで、マスクMを検出する。これにより、制御装置CONTは、搬送するマスクMが、次の基板Pの露光に使用するマスクMであるか否かを確認する。制御装置CONTは、リーダによって読み取った情報に基づいて、搬送するマスクMが誤っていないことを確認した後、搬送装置H1のマスクケース搬送部によって、マスクMが収納されたマスクケースCを搬送装置H1の最上部まで移動させる。
【0125】
制御装置CONTには、マスクライブラリLBにマスクケースCを収納した際に、マスクMの情報がリスト化されて記憶されているが、上述したように使用するマスクMを搬送する際に、マスクMの被検出部を読み取ってマスクMを再度確認することで、誤ったマスクMを露光部EPへ搬送することを抑制できる。制御装置CONTは、搬送するマスクMが間違えていると判断した場合、マスクライブラリLBにマスクMを戻すように搬送装置H1を制御する。
【0126】
搬送装置H2は、搬送装置H1の最上部に移動させられたマスクケースC内に収納されたマスクM1を、
図9に示すようにマスクアダプタ10ごとキャリアH2bで把持し、マスクケースC内から取り出す。キャリアH2bは、
図9に示すように、キャリア本体部H2cと、キャリア本体部H2cから第2方向Yに突出する複数の爪部H2dと、を備える。爪部H2dは、例えば、キャリア本体部H2cの第2方向Yの両縁部に2つずつ、合計4つ設けられている。キャリアH2bは、4つの爪部H2dによってマスクM1がマスクアダプタ10に取り付けられたマスクアセンブリMAを第2方向Yに挟んで把持する。より詳細には、キャリアH2bは、マスクアダプタ10を爪部H2dによって挟んで把持する。なお、キャリアH2bは、単体のマスクM2を搬送する際には、マスクM2を爪部H2dによって挟んで把持する。
【0127】
ここで、キャリアH2bによってマスクMを把持した際、制御装置CONTは、キャリアH2bに設けられたセンサS1,S2,S3を用いて、キャリアH2bが把持したマスクMが、マスクアダプタ10に取り付けられたマスクM1か、単体で扱われるマスクM2か、を識別する。センサS1,S2,S3は、例えば、射出した光がマスクアダプタ10またはマスクM2に反射され、その反射光を受光する場合にON状態となり、反射光を受光しない場合にOFF状態となるセンサである。
【0128】
センサS1は、マスクMの第2方向Yの一方側(+Y側)の端部に設けられた第1被認識部18aを識別可能な位置となるキャリア本体部H2cに設けられる。センサS1は、不図示であるが、光SLの射出部と、光SLが反射された反射光を受光可能な受光部とを備える。センサS1は、
図4に示すように、キャリアH2bがマスクアセンブリMAを把持した場合、マスクアダプタ10の第1被認識部18aの上側に位置する。センサS1の射出部は、第1被認識部18aに光SLを射出する。より詳細には、センサS1は、第1被認識部18aの反射部18cに向かって上側から光SLを射出する。先述したとおり、反射部18cは、第1方向Xの他方側(-X側)に向かうに従って下側に位置する向きに傾く傾斜面を有しているため、キャリアH2bがマスクアセンブリMAを把持する場合には、センサS1から射出された光SLは、反射部18cによってセンサS1が位置する方向とは異なる方向に反射される。そのため、センサS1の受光部は、第1被認識部18aから反射された光SLを受光せず、OFF状態となる。
【0129】
センサS2,S3は、
図9に示すように、キャリア本体部H2cの第1方向Xの両端部にそれぞれ設けられている。センサS2,S3は、不図示だが、センサS1と同様に、光SLの射出部と、光SLが反射された反射光を受光する受光部とを備える。センサS2,S3は、キャリアH2bがマスクアセンブリMAを把持した場合、マスクM1の上側に位置する。センサS2,S3のそれぞれの射出部は、マスクM1に向かって上側から光SLを射出する。センサS2,S3から射出された光SLは、マスクM1によって反射されセンサS2,S3のそれぞれの受光部に受光される。そのため、センサS2,S3は、ON状態となる。
【0130】
このように、キャリアH2bがマスクアセンブリMAを把持した場合、センサS1はOFF状態となり、センサS2,S3はON状態となる。この場合、制御装置CONTは、キャリアH2bがマスクアセンブリMAを把持していることを検出し、搬送しているマスクMがマスクM1であることを識別する。
【0131】
一方、キャリアH2bが単体で扱われるマスクM2を把持した場合には、センサS1,S2,S3のいずれもがON状態となる。マスクM2は、第1被認識部18aのような反射部18cを有していないため、センサS1の受光部は、マスクM2に向けて射出された光SLがマスクM2によって反射し、その反射光を受光する。これにより、センサS1は、ON状態となる。センサS2,S3は、キャリアH2bがマスクアセンブリMAを把持した場合と同様に、射出される光SLがマスクM2によって反射されて各センサS2,S3のそれぞれに受光される。これにより、センサS2,S3は、いずれもON状態となる。このようにセンサS1,S2,S3がON状態となる場合、制御装置CONTは、キャリアH2bが単体で扱われるマスクM2を把持していることを検出し、搬送しているマスクMがマスクM2であることを識別する。
【0132】
以上のように、第1被認識部18aは、露光装置EX内の搬送装置H2に設けられたセンサS1によって、搬送装置H2がマスクアダプタ10に取り付けられていないマスクM2をマスクステージMSTに搬送しているか、搬送装置H2がマスクM1が取り付けられたマスクアダプタ10をマスクステージMSTへ搬送しているかを、露光装置EXが識別するために用いられる。
【0133】
なお、キャリアH2bが何も把持していない場合には、センサS1,S2,S3から射出された光SLは、どこにも反射されず、各センサS1,S2,S3の受光部はその反射光を受光しない。そのため、センサS1,S2,S3は、いずれもOFF状態となる。この場合、制御装置CONTは、キャリアH2bが何も把持していないことを検出する。
【0134】
制御装置CONTは、上述したようにして識別されたマスクMが、使用するマスクMと合致しているかどうかを判断する。制御装置CONTは、マスクMが、使用するマスクMと合致している場合、キャリアH2bをキャリアガイドH2aに沿って移動させ、マスクMをマスクステージMSTに配置する。一方、識別されたマスクMが使用するマスクMと合致していない場合、キャリアH2bに把持されたマスクMをマスクケースCに戻し、使用するマスクMと合致する他のマスクMを再度搬送する。本説明においては、制御装置CONTは、キャリアH2bが把持するマスクM1が使用するマスクMと合致すると判断し、マスクM1をマスクアダプタ10に取り付けられたマスクアセンブリMAの状態でマスクステージMSTに配置する。なお、キャリアH2bが有するセンサの数は、3個に限られず、4個以上でもよい。
【0135】
図10は、マスクアセンブリMAが配置された状態のマスクステージMSTを上側から視た平面図である。
図11は、マスクアセンブリMAが配置された状態のマスクステージMSTの一部を上側から視た平面図である。
【0136】
マスクステージMSTは、
図10に示すように、矩形枠状であり、内縁部によってマスクアダプタ10の外縁部を下側から支持する。すなわち、マスクステージMSTは、被支持部である枠部11を介して、マスクM1が取り付けられたマスクアダプタ10を支持する。マスクステージMSTは、マスクアダプタ10を吸着保持する。マスクステージMSTのマスクアダプタ10の支持方法は、例えば、国際公開第2017/038,788号明細書に開示された方法である。マスクステージMSTの内縁部には、マスクステージMSTを上下方向Zに貫通する貫通部PHが設けられている。キャリアH2bによってマスクアセンブリMAをマスクステージMSTに配置する際、キャリアH2bの爪部H2dは、貫通部PHに挿入される。これにより、爪部H2dがマスクステージMSTに干渉することなく、キャリアH2bによってマスクアセンブリMAをマスクステージMST上に配置できる。
【0137】
マスクステージMSTには、
図5および
図11に示すように、センサS4,S5が設けられている。センサS4,S5は、
図5および
図11に示すように、S1,S2,S3と同様に、光SLの射出部と、光SLが反射された光を受光する受光部とを備える。センサS4,S5は、射出部から射出した光が、マスクアセンブリMAまたはマスクM2によって反射され、その反射光を受光部が受光する場合にON状態となり、反射光を受光しない場合にOFF状態となるセンサである。
【0138】
センサS4は、
図5に示すように、上側に光SLを射出する射出部S4aを備える。マスクステージMSTにマスクアセンブリMAが配置された状態において、射出部S4aは、貫通部である第2被認識部18bの下側に位置する。センサS4は、射出部S4aから第2被認識部18bに光を射出する。
【0139】
センサS5は、
図11に示すように、上側に光SLを射出する射出部S5aを備える。
マスクステージMSTにマスクアセンブリMAが配置された状態において、射出部S5aは、マスクアダプタ10における枠部11の角部11gの下側に位置する。
なお、マスクステージMSTに配置されたマスクMが、単体で扱われるマスクM2である場合、センサS4,S5の各射出部S4a,S5aは、マスクM2の下側に位置する。
【0140】
ここで、マスクステージMSTにマスクMが配置された際、制御装置CONTは、センサS4,S5を用いて、配置されたマスクMが、マスクアダプタ10が取り付けられたマスクM1か、単体で扱われるマスクM2か、を識別する。
【0141】
マスクステージMSTに配置されたマスクMが、マスクM1がマスクアダプタ10に取り付けられたマスクアセンブリMAである場合、センサS4から射出される光SLは、貫通部である第2被認識部18bを通過する。そのため、センサS4の受光部は、反射光を受光せずOFF状態となる。また、マスクステージMSTに配置されたマスクMがマスクM1である場合、センサS5から射出される光SLは、マスクアダプタ10の角部11gによって反射され、センサS5に受光される。そのため、センサS5は、ON状態となる。制御装置CONTは、センサS4がOFF状態となり、センサS5がON状態となった場合に、マスクステージMSTにマスクアセンブリMAが配置されていると識別する。
【0142】
一方、マスクステージMSTに単体で扱われるマスクM2が配置されている場合、センサS4,S5のそれぞれの射出部S4a,S5aから射出される光SLは、いずれもマスクM2に反射され、各受光部に受光される。そのため、センサS4とセンサS5とは、いずれもON状態となる。この場合、制御装置CONTは、マスクステージMSTに配置されたマスクMが、単体で扱われるマスクM2であると識別する。
【0143】
以上のように、第2被認識部18bは、マスクステージMSTに設けられたセンサS4によって、マスクM1が取り付けられたマスクアダプタ10の枠部11がマスクステージMSTに支持されたか、マスクアダプタ10に取り付けられていないマスクM2がマスクステージMSTに支持されたかを識別するために用いられる。
【0144】
なお、マスクステージMSTに何も載置されてしていない場合には、センサS4,S5から射出された光SLは、どこにも反射されず、各センサS4,S5の受光部はその反射光を受光しない。そのため、センサS4,S5は、いずれもOFF状態となる。この場合、制御装置CONTは、マスクステージMSTに何も載置されていないことを検出する。
【0145】
制御装置CONTは、上述したようにして識別されたマスクMが、使用するマスクMと合致しているかどうかを判断する。制御装置CONTは、マスクMが、使用するマスクMと合致している場合、露光部EPを制御して、基板Pの露光を開始する。一方、識別されたマスクMが使用するマスクMと合致していない場合、マスクステージMSTに配置されたマスクMをマスクケースCに戻し、使用するマスクMと合致する他のマスクMを再度搬送する。制御装置CONTは、再度搬送された他のマスクMが使用するマスクMと一致するかを、センサS4,S5を用いて再度識別し、合致するまでその作業を繰り返す。本説明においては、制御装置CONTは、マスクステージMSTに配置されたマスクM1が使用するマスクMと合致すると判断し、マスクアダプタ10に取り付けられたマスクM1を使用して基板Pの露光を開始する。
【0146】
マスクアダプタ10に取り付けられたマスクM1を使用して基板Pを露光する場合、制御装置CONTは、第1被検出部13および第2被検出部MBaから読み取った情報に基づいてマスクステージMSTの移動を制御し、基板Pの露光を行う。
【0147】
本実施形態において制御装置CONTは、基板Pの露光を行う前に、各被検出部および各被認識部から得られる情報を用いて、投影ユニットPLの設定を変更する。以下の説明においては、各被検出部および各被認識部から得られる情報を「識別情報」と呼ぶ。制御装置CONTは、識別情報に基づいて、マスクステージMSTに搭載されるマスクMが、マスクアダプタ10に取り付けられた状態のマスクM1であると識別すると、投影ユニットPLに備えられた各投影光学系内に設けられた各補正機構を制御する。
【0148】
具体的に、制御装置CONTは、識別情報のうち、マスクステージMSTにマスクMが支持された際にそのマスクMの大きさや個体差の情報に基づいて、各補正機構を制御する。マスクMの大きさや個体差によってマスクMの撓み具合が変わるため、制御装置CONTは、マスクMの大きさや個体差による撓み方の違いに応じて、各補正機構を制御する。
なお、制御装置CONTは、上述した補正機構の制御を、搬送装置H1,H2によりマスクMがマスクステージMSTに載置されるまでの間に行うと良い。この場合、マスクMがマスクステージMSTに載置された後すぐに、基板Pの露光処理を行うことができる。
【0149】
制御装置CONTは、マスクアセンブリMAを使って露光装置EXが基板Pを露光することを検出した場合、照明光学系ILを制御し、基板Pを露光する際に、投影ユニットPLに含まれる複数の投影光学系のうち第2方向Yの両端に位置する投影光学系に露光光ELを供給しないようにする。ここで、マスクアダプタ10には、パターンが形成されておらず、第2方向Yの両端に位置する投影光学系に向けて照明光学系ILからの光が射出されると、露光光ELが投影光学系に入射する前にマスクアダプタ10に反射されて、露光部EP内においてノイズ光となり、露光不良の原因となる虞がある。そのため、照明光学系ILからマスクアセンブリMAに射出される露光光ELの一部を遮光する等により、照明光学系ILから第2方向Yの両端に位置する投影光学系に向けた露光光ELの供給をしないことで、露光不良が生じることを抑制できる。この場合、制御装置CONTは、第2方向Yの両端に位置する投影光学系に設けられたフォーカス位置、シフト量、像面傾斜等を変更する補正機構も変更しないようにする。なお、照明光学系ILからの露光光ELを供給しない投影光学系は、第2方向Yの両端に位置する投影光学系のみに限られず、マスクアダプタ10に取り付けられるマスクM1の大きさに応じて、適宜決められる。
【0150】
マスクM1を使用した露光が終了すると、制御装置CONTは、マスクステージMSTに配置されたマスクアセンブリMAを搬送装置H2によって元のマスクケースC内に戻し、マスクアセンブリMAが収納されたマスクケースCを搬送装置H1によってマスクライブラリLBの収容部LBaに収容する。
【0151】
次に、マスクアダプタ10に取り付けられたマスクM1を露光装置EX内から取り出し、マスクM1をマスクアダプタ10から取り外す手順について説明する。
制御装置CONTは、露光装置EXから取り出すマスクケースCについての情報を受信すると、搬送装置H1によって該当するマスクケースCを搬送車V上に積載する。これにより、搬送車VによってマスクケースCを露光装置EXの外部に取り出すことができる。
本説明においては、取り出されたマスクケースCに収納されたマスクMは、マスクアダプタ10に取り付けられたマスクM1である。
【0152】
作業者は、搬送車Vによって露光装置EXの外部に取り出されたマスクケースCの蓋部CA2を取り外し、マスクアダプタ10に対するマスクM1の固定を解除する。具体的に作業者は、マスクアダプタ10の第1位置決め部15および第2位置決め部17のネジ止めを外し、第1位置決め部15および第2位置決め部17をマスクM1から離した状態とする。
【0153】
次に、作業者は、蓋部CA2が取り外されたマスクケースCを積載した搬送車Vを、マスクアダプタ取付工具20における基部21の内側に進入させる。そして、作業者は、昇降装置23のハンドル部23aを回して可動部24およびマスク保持部25を下側に移動させ、ハンド部25dを介してマスク保持部25にマスクM1を保持させる。マスクM1をマスク保持部25に保持させた後、作業者は、ハンドル部23aを逆向きに回して、可動部24およびマスク保持部25とともにマスクM1を上側に移動させ、マスクアダプタ10から取り外す。
【0154】
ここで、マスクM1がマスクアダプタ10に対して上側に移動して取り外された際、マスクアダプタ取付工具20に設けられた第3検出部28は、上述したようにしてマスクアダプタ10からマスクM1が取り外されたことを検出し、検出結果を書き込み部27に送る。検出結果を受信した書き込み部27は、マスクアダプタ10の表示装置12に信号を送り、表示部12aに表示された第2被検出部MBaを消去する。このように書き込み部27は、第3検出部28によってマスクアダプタ10からマスクM1が取り外されたことを検出した場合に、表示部12aの表示を消去する。
【0155】
作業者は、マスクM1を上側に移動させてマスクアダプタ10から取り外した後、搬送車Vを基部21の外側に出し、代わりに図示しないリフターを基部21の内側に進入させる。そして、作業者は、リフターをマスクM1の高さまで上昇させ、リフター上にマスクM1を積載する。作業者は、マスクM1がリフター上に配置された状態で、ハンド部25dを第2方向Yに移動させて、マスク保持部25からマスクM1を取り外す。そして、作業者は、マスクM1が配置されたリフターを下降させ、基部21の内側から出す。その後、作業者は、リフターを用いてマスクM1を所定の保管場所へと搬送する。
【0156】
なお、露光装置EXにおいてマスクM1を再び使用する際には、上述した手順と同様にして、マスクアダプタ10にマスクM1を取り付ける。この際、マスクアダプタ10に取り付けられるマスクM1が前回取り付けられたマスクM1と異なる別のマスクM1である場合、表示部12aには、前回と異なる第2被検出部MBaが表示される。すなわち、表示部12aは、マスクアダプタ10に別のマスクM1が取り付けられると、別のマスクM1に関する情報を表示する。
【0157】
例えば、マスクアダプタ10は、製造誤差等により個体差が生じる。そのため、マスクアダプタ10ごとに剛性等のパラメータが異なり、マスクステージMST上における撓み、およびマスクステージMSTを移動させた際の挙動等が異なる。これにより、マスクアダプタ10が取り付けられたマスクM1を使用する場合の制御情報を予め制御装置CONTに入力していても、個体差によってマスクアダプタ10のパラメータがばらつくことで、露光精度が低下する場合があった。特に、基板Pがフラットパネルディスプレイ用の基板である場合、基板Pが比較的大きく、マスクアダプタ10およびマスクM1も比較的大きくなる。そのため、僅かな製造誤差等によっても、露光中におけるマスクM1およびマスクアダプタ10の挙動が大きく変化し、露光精度が大きく低下する場合があった。
【0158】
これに対して、本実施形態によれば、マスクアダプタ10は、マスクアダプタ10に関する情報を含む第1被検出部13を備える。そのため、露光装置EXにおいて第1被検出部13を読み取ることで、マスクアダプタ10の個体差に応じた露光を行うことができる。これにより、マスクアダプタ10に取り付けられたマスクM1を使用する際に、露光装置EXの露光精度を向上させることができる。
【0159】
また、本実施形態によれば、第1被検出部13に含まれるマスクアダプタ10に関する情報は、露光において、マスクステージMSTの移動を制御するための制御情報を含む。
そのため、例えば、マスクアダプタ10に取り付けられたマスクM1を保持するマスクステージMSTを、露光中に好適に制御して動かすことができる。これにより、露光装置EXの露光精度をより向上できる。
【0160】
また、本実施形態によれば、第1被検出部13に含まれるマスクアダプタ10に関する情報は、マスクアダプタ10の剛性を含む。マスクアダプタ10のパラメータとしては、マスクアダプタ10の剛性が、マスクステージMSTの移動制御に特に影響を与えやすい。具体的には、マスクステージMSTは、露光中、第1方向Xにほぼ直進して移動するはずが、マスクアダプタ10の関する情報がないと、第2方向Yに蛇行したり、θz方向に回転したりしながら第1方向Xへ移動する可能性がある。そのため、第1被検出部13に含まれる情報にマスクアダプタ10の剛性が含まれていることで、露光中に、より精度よくマスクステージMSTを第1方向Xへ移動させることができる。これにより、露光装置EXの露光精度をより向上できる。
【0161】
また、本実施形態によれば、第1被検出部13は、バーコードである。そのため、露光装置EXによる第1被検出部13の読み取りを容易にできる。また、例えば、第1被検出部13をシールに印刷してマスクアダプタ10に貼り付けることで、第1被検出部13をマスクアダプタ10に容易に設けることができる。
【0162】
また、例えば、マスクアダプタ10と同様に、マスクMのパラメータも個体差によってばらつきが生じる。そのため、マスクMには、マスクMに関する情報を含む被検出部が設けられている。制御装置CONTは、マスクMとして単体で扱われるマスクM2を使用する場合、マスクM2に設けられた被検出部M2aを、露光装置EX内のリーダによって読み取ることで、マスクM2の個体差に応じて露光中の制御を調整する。しかし、マスクアダプタ10に取り付けられたマスクM1は、単体で使用されるマスクM2よりも小さい。
そのため、マスクアダプタ10に取り付けられたマスクM1に設けられた第3被検出部MBは、単体で使用されるマスクM2に設けられる被検出部M2aと、露光装置EXの各部に対する相対位置が異なり、露光装置EX内のリーダによって読み取れない、または読み取りにくい場合がある。
【0163】
これに対して、本実施形態によれば、マスクアダプタ10は、マスクアダプタ10に取り付けられるマスクM1に関する情報を含む第2被検出部MBaを備える。そのため、単体で使用されるマスクM2に設けられた被検出部M2aと同じ相対位置に、第2被検出部MBaを設けることで、マスクアダプタ10に取り付けられたマスクM1を使用する場合であっても、単体で使用されるマスクM2の被検出部M2aを読み取るリーダと同じリーダによって、第2被検出部MBaを読み取りやすい。したがって、マスクM1に関する情報を容易に読み取ることができる。
【0164】
また、本実施形態によれば、第1被検出部13と第2被検出部MBaとは、隣り合って配置されている。そのため、露光装置EXに設けられた1つのリーダによって、第1被検出部13および第2被検出部MBaの両方を読み取りやすい。
【0165】
また、本実施形態によれば、マスクM1に関する情報は、マスクM1の平面度、マスクM1に形成されたパターンの種類、マスクM1の寸法誤差、マスクM1の重量誤差、マスクM1に形成されたパターンの描画誤差のうち少なくとも1つを含む。そのため、マスクアダプタ10に取り付けられたマスクM1を使用する場合に、露光装置EX内の各ユニットをより好適に制御できる。これにより、露光装置EXの露光精度をより向上できる。
【0166】
また、本実施形態によれば、マスクアダプタ10は、第2被検出部MBaが表示される表示部12aを備え、表示部12aは、マスクアダプタ10に異なる別のマスクM1が取り付けられると、別のマスクM1に関する情報を表示する。そのため、マスクアダプタ10に取り付けられるマスクM1ごとに、各マスクM1に対応した第2被検出部MBaを表示部12aに表示できる。これにより、マスクアダプタ10を複数の異なるマスクM1に対して使用することができる。
【0167】
また、本実施形態によれば、表示部12aは、マスクM1に設けられた情報(第3被検出部MB)を、マスクM1に関する情報として表示する。そのため、マスクアダプタ10に取り付けられるマスクM1に関する情報を、好適に表示部12aに表示させることができる。
【0168】
また、本実施形態によれば、第2被検出部MBaは、電子バーコードである。そのため、露光装置EXによる第2被検出部MBaの読み取りを容易にできる。また、表示部12aに対する情報の書き込みおよび表示を容易にできる。
【0169】
また、例えば、露光装置EXの制御装置CONTが、マスクアダプタ10に取り付けられたマスクM1と単体で扱われるマスクM2とを誤認識した場合、露光中の制御が不適切な制御となる。そのため、正常に基板Pを露光できない、または露光精度が大きく低下する場合がある。
【0170】
これに対して、本実施形態によれば、マスクアダプタ10は、露光装置EXに設けられたセンサによってマスクMがマスクアダプタ10に取り付けられていることを識別するための被認識部18を備える。そのため、露光装置EXの制御装置CONTは、センサによって被認識部18を識別することで、マスクMがマスクアダプタ10に取り付けられていることを容易に識別できる。これにより、マスクアダプタ10に取り付けられたマスクM1を使用する場合に、制御装置CONTが、マスクアダプタ10に取り付けられていないマスクM2であると誤認識することを抑制できる。そのため、露光中の制御を適切に行うことができ、露光装置EXによる露光精度を向上できる。
【0171】
また、本実施形態によれば、マスクアダプタ10は、露光装置EX内の搬送装置H2に設けられたセンサS1によって、搬送装置H2がマスクアダプタ10に取り付けられていないマスクM2をマスクステージMSTへ搬送しているか、搬送装置H2がマスクM1が取り付けられたマスクアダプタ10をマスクステージMSTへ搬送しているかを、露光装置EXが識別するための第1被認識部18aを備える。そのため、マスクステージMSTにマスクMを載置する前に、マスクMがマスクアダプタ10に取り付けられていることを識別できる。
【0172】
また、本実施形態によれば、第1被認識部18aは、反射部18cを備え、反射部18cは、第1センサであるセンサS1から射出された光SLをセンサS1が位置する方向とは異なる方向に反射する。そのため、制御装置CONTは、センサS1が反射された光SLを受光しないことで、マスクMがマスクアダプタ10に取り付けられていることを識別できる。
【0173】
また、本実施形態によれば、マスクアダプタ10は、マスクステージMSTに設けられたセンサS4によって、マスクM1が取り付けられたマスクアダプタ10の枠部11がマスクステージMSTに支持されたか、マスクアダプタ10に取り付けられていないマスクM2がマスクステージMSTに支持されたかを識別するための第2被認識部18bを備える。そのため、マスクMがマスクステージMSTに載置された際に、マスクMがマスクアダプタ10に取り付けられていることを識別できる。
【0174】
また、本実施形態によれば、第2被認識部18bは、センサS4から射出された光SLが通過する通過部(第2通過部)を有する。そのため、制御装置CONTは、センサS4から射出された光SLが反射されずセンサS4に受光しないことで、マスクMにマスクアダプタ10が取り付けられていることを識別できる。なお、本実施形態においては、第2被認識部18bは、通過部(第2通過部)からなる。
【0175】
また、本実施形態によれば、第2被認識部18bの通過部(第2通過部)は、枠部11に設けられた貫通孔である。そのため、マスクアダプタ10の一部を、例えば、プレス加工等により打ち抜くことで、第2被認識部18bの通過部を容易に作ることができる。これにより、マスクアダプタ10の製造を容易にできる。
【0176】
また、本実施形態によれば、第1被認識部18aと第2被認識部18bとをそれぞれ用いて、マスクMをキャリアH2bで把持した際と、マスクMをマスクステージMSTに配置した際との2回、マスクMの状態を識別する。制御装置CONTは、2回のうち少なくとも何れかのマスクMの状態を識別する際に誤ったマスクMが搬送されると、マスクMの搬送を中止する。そのため、誤ったマスクMを用いて基板Pを露光することをより抑制できる。
【0177】
また、本実施形態によれば、枠部11は、マスクアダプタ10に取り付けられるマスクM1の周囲を囲む枠状の形状を有する。そのため、マスクM1がマスクアダプタ10に取り付けられたマスクアセンブリMAとして、外形をマスクM1の外形よりも大きくできる。これにより、マスクアダプタ10が取り付けられたマスクアセンブリMAとして取り扱うことで、マスクM2よりも小さいマスクM1を、マスクM2が単体で使用される露光装置EXにおいて取り扱うことができる。したがって、露光装置EXにおいて使用するマスクMの大きさを小さくできるため、マスクMを用意するコストを低減できる。また、マスクM1用の露光装置EXで使用されていたマスクM1を、マスクアダプタ10を用いることで、マスクM2用の露光装置EXでも使用することができる。これにより、マスクM2用の露光装置EXで試験露光を行う際に、わざわざマスクM2を作ることなく、試験露光を行うことができる。
【0178】
また、例えば、マスクアダプタ10の表示部12aに表示された第2被検出部MBaに含まれる情報が、マスクアダプタ10に取り付けられたマスクM1と異なるマスクM1の情報である場合、露光装置EX内のリーダによって読み取られる情報が不適切な情報となり、露光中の制御が不適切な制御となる。そのため、露光装置EXの露光精度が低下する虞がある。
【0179】
これに対して、本実施形態によれば、マスクM1をマスクアダプタ10に取り付けるマスクアダプタ取付工具20は、マスクアダプタ10に取り付けられるマスクM1に関する情報を含む第2被検出部MBaを、マスクアダプタ10に設けられた表示部12aに表示させる書き込み部27を備える。そのため、マスクM1をマスクアダプタ10に取り付ける際に、マスクM1の情報を第2被検出部MBaとしてマスクアダプタ10の表示部12aに書き込むことができる。これにより、マスクアダプタ取付工具20を用いてマスクM1をマスクアダプタ10に取り付けることで、マスクアダプタ10の表示部12aに異なるマスクM1の情報が書き込まれることを抑制できる。したがって、露光装置EX内のリーダによって読み取られる情報が不適切な情報となることを抑制でき、露光装置EXの露光精度を向上できる。
【0180】
また、本実施形態によれば、マスクアダプタ取付工具20は、マスクM1に設けられたマスクM1に関する情報を含む第3被検出部MBを検出する第2検出部26を備え、書き込み部27は、第2検出部26によって第3被検出部MBから検出した情報に基づいて、表示部12aに第2被検出部MBaを表示させる。そのため、書き込み部27によって誤ったマスクM1の情報を表示部12aに書き込むことが抑制され、マスクアダプタ10の表示部12aに適切な第2被検出部MBaを表示させることができる。これにより、露光装置EX内のリーダによって読み取られる情報が不適切な情報となることをより抑制でき、露光装置EXの露光精度をより向上できる。
【0181】
また、例えば、マスクアダプタ10からマスクM1を取り外した後に、マスクアダプタ10の表示部12aに表示された第2被検出部MBaを消去し忘れた場合、第2被検出部MBaが表示されたままのマスクアダプタ10に異なるマスクM1が取り付けられた際に、表示部12aの情報が上書きされない虞がある。そのため、マスクアダプタ10に取り付けられたマスクM1についての第2被検出部MBaとは異なる第2被検出部MBaが表示部12aに表示されたままとなる虞がある。
【0182】
これに対して、本実施形態によれば、マスクアダプタ取付工具20は、マスクアダプタ10からマスクM1を取り外す工具でもあり、かつ、マスクアダプタ10からマスクM1が取り外されたことを検出する第3検出部28を備える。そして、書き込み部27は、第3検出部28によってマスクアダプタ10からマスクM1が取り外されたことを検出した場合に、表示部12aの表示を消去する。そのため、マスクアダプタ10からマスクM1を取り外す際に、表示部12aに表示された第2被検出部MBaを消去し忘れることを抑制できる。そのため、表示部12aに異なるマスクM1についての第2被検出部MBaが表示された状態となることを抑制できる。これにより、露光装置EX内のリーダによって読み取られる情報が不適切な情報となることをより抑制でき、露光装置EXの露光精度をより向上できる。
【0183】
また、本実施形態によれば、マスクアダプタ取付工具20は、マスクM1を上下方向Zに移動させる昇降装置23を備え、昇降装置23は、マスクアダプタ10の上方に位置するマスクM1を下降させ、平面視においてマスクM1の周囲を囲む枠状を有するマスクアダプタ10の内側にマスクM1を配置する。そのため、マスクアダプタ10に比べて小さいマスクM1を移動させて、マスクアダプタ10にマスクM1を取り付けることができる。したがって、マスクアダプタ10を移動させてマスクM1に取り付ける場合に比べて、マスクアダプタ10にマスクM1を取り付けることが容易である。
【0184】
なお、本発明の実施形態は、上述した実施形態に限られず、以下の構成を採用することもできる。
第1被検出部は、リーダによって情報を読み取り可能で、マスクアダプタに関する情報を含むならば、特に限定されない。第2被検出部は、リーダによって情報を読み取り可能で、マスクアダプタに取り付けられるマスクに関する情報を含み、かつ、表示部に表示可能ならば、特に限定されない。第3被検出部は、リーダによって情報を読み取り可能で、マスクに関する情報を含むならば、特に限定されない。
【0185】
第1被検出部、第2被検出部および第3被検出部は、上述したバーコードのような一次元コードであってもよいし、二次元コードであってもよいし、文字および数字等であってもよい。また、第1被検出部および第3被検出部は、ICチップ等であってもよい。第2被検出部に含まれる情報と第3被検出部に含まれる情報とは、それぞれマスクに関する情報を含むならば、互いに異なっていてもよい。この場合、例えば、マスクアダプタ取付工具の書き込み部は、読み取り部が第3被検出部から読み取ったマスクに関する情報の一部のみを、表示部に第2被検出部として表示させてもよい。
【0186】
第1被検出部に含まれるマスクアダプタに関する情報は、少なくとも1つ以上あればよい。第2被検出部に含まれるマスクに関する情報は、少なくとも1つ以上あればよい。第3被検出部に含まれるマスクに関する情報は、少なくとも1つ以上あればよい。マスクに関する情報は、露光装置内でマスクを制御するための制御情報を含んでもよい。第1被検出部は、設けられなくてもよい。
【0187】
被認識部は、マスクにマスクアダプタが取り付けられていることを識別するために用いられる部分であれば、特に限定されない。被認識部は、光を吸収する部分であってもよい。具体的に、上述した実施形態の第1被認識部18aは、反射部18cのような斜面の代わりに第1方向Xおよび第2方向Yに水平な面を有し、当該水平な面に反射防止膜が設けられる構成であってもよい。また、第1被認識部18aは、センサS1から射出された光SLが通過する通過部(第1通過部)を備えてもよい。この場合、第1被認識部18aの通過部をセンサS1の光SLが通過するため、センサS1はOFF状態となる。これにより、搬送装置H2が、マスクM1が取り付けられたマスクアダプタ10をマスクステージMSTへ搬送していることを識別できる。第1被認識部18aの通過部(第1通過部)は、第2被認識部18bと同様にマスクアダプタ10を上下方向Zに貫通する貫通孔であってもよいし、切り欠きであってもよい。すなわち、第1被認識部18aは、センサS1から射出された光SLがセンサS1の受光部に入射されない構成であれば、特に限定されない。
【0188】
また、上述した実施形態の第2被認識部18bは、貫通孔でなくてもよく、切り欠きであってもよい。また、第2被認識部18bは、第1被認識部18aのように、斜面を有していてもよいし、第1方向Xおよび第2方向Yに水平で反射防止膜が設けられた面を有していてもよい。すなわち、第2被認識部18bは、センサS2から射出された光SLがセンサS2の受光部に入射されない構成であれば、特に限定されない。被認識部は、設けられなくてもよい。表示部は、第2被検出部を表示できるならば、特に限定されない。表示部は、液晶ディスプレイであってもよいし、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイであってもよい。なお、表示部は、設けられなくてもよい。表示部の代わりとして、第2被検出部MBaが印字されたシールが設けられてもよい。
【0189】
なお、上述した実施形態においてマスクアダプタ10は、マスクM1の周囲の4辺を囲む枠状の部材として説明したが、これに限られない。マスクアダプタは、マスクの周囲の3辺を囲むU字状であってもよい。マスクの周囲の3辺を囲むU字状のマスクアダプタとは、例えば、上述した実施形態のマスクアダプタ10において第3辺部11cと第4辺部11dとのいずれか一方が無い状態のマスクアダプタである。また、マスクアダプタは、上述した実施形態のマスクアダプタ10において第3辺部11cと第4辺部11dとの両方が無い状態、すなわち第1辺部11aと第2辺部11bとのみにより形成された構成であってもよい。この場合、露光装置は、マスクアダプタに対するマスクの第1方向Xの位置を計測するセンサを有していてもよい。当該センサを用いることで、マスクアダプタに対するマスクの第1方向Xにおける位置を好適に調整できる。
【0190】
また、マスクアダプタは、上述した実施形態のマスクアダプタ10における第1辺部11aと第2辺部11bとのいずれか一方のみにより形成されていてもよい。この場合、マスクステージは、マスクアセンブリの第2方向Yの一方側ではマスクを支持し、第2方向Yの他方側ではマスクアダプタを支持する。
【0191】
マスクアセンブリにおいて、マスクの第2方向Yの両側にマスクアダプタの部分が設けられる場合と、マスクの第2方向Yのいずれか一方の側のみにマスクアダプタの部分が設けられる場合とでは、マスクアセンブリがマスクステージに載置された際の、YZ平面におけるマスクアセンブリの撓み形状が異なる。制御装置は、先述のとおり、この撓み形状に基づいて、各投影光学系の制御を行ってもよい。
【0192】
また、露光装置がマスクアセンブリの第1方向Xの両端を支持するマスクステージを備える場合、マスクアダプタは、上述した実施形態のマスクアダプタ10における第3辺部11cと第4辺部11dとのみにより構成されていてもよいし、第3辺部11cと第4辺部11dとのいずれか一方のみにより構成されていてもよい。
【0193】
以上のように、マスクアダプタは、単体で扱われるマスクM2がマスクステージに支持される際と同様に、マスクアセンブリをマスクステージに支持できるように、マスクM1の寸法を変更できる装置であるならば、特に限定されない。
【0194】
識別情報は、マスクの向きを識別する情報を含んでもよい。マスクアセンブリは、
図3A等に示されるマスクアセンブリMAのように、例えば、第1方向Xと第2方向Yとのそれぞれの寸法が異なる。このような場合、識別情報は、マスクアセンブリの長辺が第1方向Xと平行(短辺が第2方向Yと平行)となるようにマスクステージに配置されるか、その長辺が第2方向Yと平行(短辺が第1方向Xと平行)となるようにマスクステージに配置されるか識別する情報を含んでいてもよい。
【0195】
具体的に、上述した実施形態において制御装置CONTは、センサS4とセンサS5とを用いて、マスクアセンブリMAがマスクステージMSTに配置された際の向きを検出してもよい。
図10に示すような場合と異なり、マスクアセンブリMAの長辺が第2方向Yと平行に配置された場合、センサS5の射出部S5aからの光は、マスクアセンブリMAに照射されず反射されない。そのため、センサS5の受光部は光を受光せず、センサS5はOFF状態となる。その一方で、センサS4の射出部S4aからの光は、マスクアダプタ10に反射し、センサS4の受光部はその反射光を受光する。そのため、センサS4は、ON状態となる。マスクアセンブリMAの長辺が第1方向Xと平行に配置された場合、つまり
図10に示すような場合、センサS5はON状態となり、センサS4はOFF状態となる。制御装置CONTは、センサS4とセンサS5とのそれぞれの状態から、マスクステージMSTに載置されるマスクアセンブリMAの向きを検出することができる。なお、この場合、制御装置CONTは、マスクステージMSTにマスクMが配置されるまでの間に、マスクステージMSTにマスクアセンブリMAが配置されることを検出しておくとよい。
【0196】
また、マスクステージMSTに配置された際の向きに応じて、マスクアセンブリMAにおけるマスクステージMSTに支持される箇所が異なる。この場合、例えば、マスクステージMSTを、特許公報第5,626,206号公報に開示された構成とすることで、マスクステージMSTの第2方向Yの位置を変更するとよい。さらに、マスクアセンブリMAにおけるマスクステージMSTに配置された際の向きに応じて、マスクアセンブリMAのYZ平面内の撓み量が異なる。制御装置CONTは、マスクアセンブリMAが配置された向きに応じた撓み量の違いに基づいて投影ユニットPLにおける各投影光学系の各部を制御し、遮光する投影光学系の本数や、各投影光学系のフォーカス位置やシフト量等を制御するとよい。
【0197】
また、識別情報は、マスクアダプタ10にマスクM1が取り付けられる方向を特定する情報を含んでもよい。制御装置CONTは、この識別情報に基づいて、露光前に、投影ユニットPLの各投影光学系の調整を行ったり、露光中に、基板ステージPSTの位置を調整したりしてもよい。
【0198】
マスクアダプタ取付工具は、マスクをマスクアダプタに取り付けるために用いられる工具ならば、特に限定されない。マスクアダプタ取付工具は、マスクアダプタからマスクを取り外すために用いられる工具でなくてもよい。マスクアダプタ取付工具は、上述した実施形態のように作業者によって手動で動かされる部分があってもよいし、全自動で取付作業を行ってもよい。マスクアダプタ取付工具は、マスクアダプタを移動させることで、マスクをマスクアダプタに取り付けてもよい。マスクアダプタ取付工具は、マスクアダプタを移動させることで、マスクをマスクアダプタから取り外してもよい。
【0199】
読み取り部は、マスクアダプタ取付工具から分離されたハンディスキャナ等であってもよい。読み取り部は、設けられなくてもよい。マスクアダプタ取付工具に設けられた検出部は、例えば、上述した第1位置決め部および第2位置決め部によってマスクアダプタにマスクが固定されたことを検出可能であってもよい。検出部は、設けられなくてもよい。
【0200】
また、制御装置CONTは、各識別情報を、露光装置EX外の装置、たとえば基板Pにレジストを塗布するコーターや露光装置EXで露光された基板Pを現像するデベロッパー等へ送るようにしてもよい。コーターは、露光装置EXより受信した各識別情報に基づいて、基板Pへ塗布するレジストの種類や、塗布量・厚み等を変更するようにしてもよい。
また、デベロッパーは、各識別情報に基づいて、現像方法や基板Pの洗浄方法などを適宜変更するようにしてもよい。
【0201】
投影ユニットPLに備えられる投影光学系は、等倍系でもよいし、縮小系、あるいは拡大系でもよい。
【0202】
上述した実施形態の露光装置EXは、露光対象物とするステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置、いわゆるスキャナでもよいし、投影領域が露光対象領域と略同サイズとするステッパ方式の露光装置でもよい。露光装置EXは、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置であってもよく、例えば有機EL(Electro-Luminescence)パネル製造用の露光装置にも適用できる。また、上述した実施形態の露光装置EXは、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、および電子線露光装置などで使用されるマスクまたはレチクルを製造するために、ガラス基板またはシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも適用できる。
【0203】
また、上述した露光装置EXにおいて露光対象となる基板Pは、ガラスプレートに限られず、例えばウエハ、セラミック基板、フィルム部材、あるいはマスクブランクスなど、他の物体でもよい。また、上述した実施形態のように、露光対象物がフラットパネルディスプレイ用の基板Pである場合、その基板Pの厚さは特に限定されない。基板Pは、例えばフィルム状(可撓性を有するシート状の部材)のものであってもよい。なお、上述した実施形態の露光装置EXは、一辺の長さ、または対角長が500mm以上の基板Pが露光対象物である場合に特に有効である。また、露光対象物である基板Pが可撓性を有するシート状である場合には、該シート状の基板Pがロール状に形成されていてもよい。
【0204】
液晶表示素子(あるいは半導体素子)などの電子デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたマスク(あるいはレチクル)を製作するステップ、ガラス基板(あるいはウエハ)を製作するステップ、上述した各実施形態の露光装置、及びその露光方法によりマスク(レチクル)のパターンをガラス基板に転写するリソグラフィステップ、露光されたガラス基板を現像する現像ステップ、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去るエッチングステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト除去ステップ、デバイス組み立てステップ、検査ステップ等を経て製造される。この場合、リソグラフィステップで、上記実施形態の露光装置を用いて前述の露光方法が実行され、ガラス基板上にデバイスパターンが形成されるので、高集積度のデバイスを生産性良く製造することができる。
【0205】
なお、本明細書において説明した以上の各構成・各方法は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0206】
10…マスクアダプタ、11…枠部(被支持部)、12a…表示部、13…第1被検出部、16…支持部、18a…第1被認識部、18b…第2被認識部、18c…反射部、20…マスクアダプタ取付工具、23…昇降装置、26…第2検出部、27…書き込み部、28…第3検出部、EX…露光装置、H2…搬送装置、M,M1,M2…マスク、MB…第3被検出部、MBa…第2被検出部、MST…マスクステージ(ステージ)、P…基板、S1…センサ(第1センサ)、S4…センサ(第2センサ)、Z…上下方向