(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】仲介サーバ、仲介方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20240101AFI20240709BHJP
【FI】
G06Q50/06
(21)【出願番号】P 2023069715
(22)【出願日】2023-04-21
(62)【分割の表示】P 2021198389の分割
【原出願日】2021-02-03
【審査請求日】2023-05-26
(31)【優先権主張番号】P 2020088632
(32)【優先日】2020-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020049905
(32)【優先日】2020-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黛 龍輔
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-108708(JP,A)
【文献】特開2020-027340(JP,A)
【文献】特開2010-244107(JP,A)
【文献】特開2007-164397(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0002227(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第109389474(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アセットの提供者と使用者との間で前記アセット
を前記使用者へ移転する取引の仲介を処理する仲介サーバであって、
前記使用者に対応する、所定種類の生産方法で生産された前記アセットの取引履歴情報及び前記アセットの利用率を示す情報に基づいて、前記使用者に取引の仲介を行う特定種類の生産方法によって生産された前記アセットに係るアセット情報の所有権を決定する決定
処理部と、
前記アセット情報に基づいて、前記取引を仲介する仲介者が証明機関に提出するための申請書を作成する作成
処理部と、
を有する仲介サーバ。
【請求項2】
前記決定
処理部は、
前記アセットに係る前記アセット情報
の所有権者を、前記仲介者から
、決定後の前記使用者に変更
処理する、
請求項
1に記載の仲介サーバ。
【請求項3】
前記作成
処理部によって作成される前記申請書は、
前記アセットの生産方法の種類を証明するための生産方法証明書を申請するための所定のフォーマットによって作成される、
請求項1
または2に記載の仲介サーバ。
【請求項4】
アセットの提供者と使用者との間で前記アセット
を前記使用者へ移転する取引の仲介を処理する仲介サーバが実行する仲介方法であって、
前記使用者に対応する、所定種類の生産方法で生産された前記アセットの取引履歴情報及び前記アセットの利用率を示す情報に基づいて、前記使用者に取引の仲介を行う特定種類の生産方法によって生産された前記アセットに係るアセット情報の所有権を決定する
処理を行う決定ステップと、
前記アセット情報に基づいて、前記取引を仲介する仲介者が証明機関に提出するための申請書を作成する
処理を行う作成ステップと、
を
含む仲介方法。
【請求項5】
前記決定ステップは、
前記アセットに係る前記アセット情報
の所有権者を
、仲介者から
、決定後の前記使用者に変更
処理する、
請求項
4に記載の仲介方法。
【請求項6】
前記作成ステップで作成される前記申請書は、
前記アセットの生産方法の種類を証明するための生産方法証明書を申請するための所定のフォーマットによって作成される、
請求項
4または5に記載の仲介方法。
【請求項7】
コンピュータに、アセットの提供者と使用者との間で前記アセットに関する取引の仲介の処理を実行させるプログラムであって、
前記使用者に対応する、所定種類の生産方法で生産された前記アセットの取引履歴情報及び前記アセットの利用率を示す情報に基づいて、前記使用者に取引の仲介を行う特定種類の生産方法によって生産された前記アセットに係るアセット情報の所有権を決定する
処理を行う決定ステップと、
前記アセット情報に基づいて、前記取引を仲介する仲介者が証明機関に提出するための申請書を作成する
処理を行う作成ステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項8】
前記決定ステップは、
前記アセットに係る前記アセット情報
の所有権者を
、仲介者から
、決定後の前記使用者に変更
処理する、
請求項
7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記作成ステップで作成される前記申請書は、
前記アセットの生産方法の種類を証明するための生産方法証明書を申請するための所定のフォーマットによって作成される、
請求項
7または8に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノード、取引システム、ブロックチェーンネットワーク、処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、再生可能エネルギーによって生産された電力が注目されている。この電力は、太陽光、太陽熱、風力、バイオマス、地熱、水力、大気中の熱等の再生可能エネルギーである資源を利用することで生産される。再生可能エネルギーによる発電は、石油、石炭、液化天然ガス等の化石燃料による発電に比べて、地球温暖化の原因となっているCO2をほとんど排出しないため、電力の生産に利用される資源の中でも、再生可能エネルギーは環境に優しいエネルギー資源である。このような環境に優しいグリーン電力を利用して工場などを稼働させることで、企業価値を向上させることができる。また、再生可能エネルギー等によって生産された電力の取引にブロックチェーンを利用する方法がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、電力等のアセットの生産に利用される資源の種類が異なる等、アセットの生産方法が異なる場合であっても、最終的に使用者に届く電気等のアセットの質は同じであるため、使用者は、届いた電気が再生可能エネルギーを利用して生産されたか否かは分からない。また、証明機関等が、電力の生産から消費までの流通過程で再生可能エネルギーが流通していることを証明することも可能であるが、化石燃料による発電を再生可能エネルギーだと偽る等の不正が行われても、電気等のアセットの質は同じであるため、証明機関は、不正があったか否かを検証することは困難である。このように、アセットの取引において、生産方法が異なるアセットの質が同じ場合には、生産方法の種類を正しく証明することは困難であるという課題が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、アセットの提供者と使用者との間で前記アセットを前記使用者へ移転する取引の仲介を処理する仲介サーバであって、前記使用者に対応する、所定種類の生産方法で生産された前記アセットの取引履歴情報及び前記アセットの利用率を示す情報に基づいて、前記使用者に取引の仲介を行う特定種類の生産方法によって生産された前記アセットに係るアセット情報の所有権を決定する決定処理部と、前記アセット情報に基づいて、前記取引を仲介する仲介者が証明機関に提出するための申請書を作成する作成処理部と、を有する仲介サーバであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
以上説明したように本発明によれば、アセットの取引において、生産方法が異なるがアセットの質が同じような場合であっても、生産方法の種類を正しく証明することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態に係る取引システムの概略図である。
【
図2】スマートフォンのハードウェア構成図である。
【
図3】スマートメータのハードウェア構成図である。
【
図5】取引システムのうち、スマートフォン及びスマートメータの機能ブロック図である。
【
図6】取引システムのうち、仲介サーバとノードの機能ブロック図である。
【
図9】仲介者の登録処理を示したシーケンス図である。
【
図10B】仲介者登録画面の表示例を示した図である。
【
図11】アセットの取引内容の登録処理を示したシーケンス図である。
【
図12A】入力及び選択前の取引内容登録画面の表示例である。
【
図12B】入力及び選択後の取引内容登録画面の表示例を示した図である。
【
図13】提供者が提供するアセットの所有権者を仲介者に設定する処理を示すシーケンス図である。
【
図14】トランザクション情報及びアセット情報の概念図である。
【
図15】仲介者が仲介するアセットの所有権者を使用者に設定する処理を示したシーケンス図である。
【
図16】トランザクション情報の生成、アセット情報の変更又は生成の処理を示したフローチャートである。
【
図17】電力の使用量が電力の取引可能量以上の場合のトランザクション情報及びアセット情報の概念図である。
【
図18】電力の使用量が電力の取引可能量未満の場合のトランザクション情報及びアセット情報の概念図である。
【
図19】アセットの生産方法証明書の仲介処理を示したシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に図面を用いて、本実施形態を詳細に説明する。
【0009】
〔システムの構成の概略〕
まず、取引システム1の構成の概略について説明する。
図1は、本実施形態に係る取引システムの概略図である。ここでは、アセットの一例としての電力を取り扱う場合について説明する。なお、アセットの所有権及びアセットの生産方法の種類は、後述のアセット情報で管理される。
【0010】
<各業者の説明>
図1に示されているように、電力の生産者Aa、電力の生産者Ab、電力の消費者Ca、仲介者Da、及び証明機関Eが存在する。
【0011】
生産者Aaは、提供者の一例であり、再生可能エネルギーによって生産された電力(日本では「グリーン電力」と呼ばれている)の生産に利用される再生可能エネルギーの一例としての太陽光から電力を生産する業者である。生産者Abは、提供者の一例であり、化石燃料の一例としての石油から電力を生産する業者である。なお、提供者には、各生産者からアセットを買い取って転売する組合等も含まれる。
【0012】
消費者Caは、使用者の一例であり、生産者Aa,Abから提供された電力を消費する業者である。なお、使用者には、アセットが電力のように消費されない不動産等の場合のアセットの所有権をすることになった者も含まれる。
【0013】
仲介者Daは、電力の所有権の取引の仲介を行う業者である。
【0014】
証明機関Eは、電力の生産方法の種類を証明するための国や地方公共団体等の公的機関である。電力の生産方法の種類には、太陽光、太陽熱、風力、バイオマス、地熱、水力、大気中の熱、又は原子力等を利用して生成する方法が挙げられる。これらのうち、太陽光、太陽熱、風力、バイオマス、地熱、水力、及び大気中の熱は、再生可能エネルギーとしての大分類に属する。また、石油、石炭、及び液化天然ガスは、化石燃料としての大分類に属する。再生可能エネルギーによる発電は、化石燃料による発電に比べて、地球温暖化の原因となっているCO2をほとんど排出しないため、再生可能エネルギーは環境に優しいエネルギー源である。本実施形態では、再生可能エネルギーとして、太陽光、太陽熱、風力、バイオマス、地熱、水力、又は大気中の熱が利用される。また、化石燃料として、石油、石炭、又は液化天然ガスが利用される。
【0015】
更に、仲介者Daは、証明機関Eに対して郵送などで申請書を送り、証明機関Eから生産方法証明書を受け取って、消費者Caに対して郵送などで生産方法証明書送る仲介作業を行う。生産方法証明書は、例えば、再生可能エネルギーの利用率が記載されている。これにより、消費者Caは、生産方法証明書を用いて、自社の再生可能エネルギー利用率(CO2削減率)、再生可能エネルギーの利用に基づく公的補助金の申請等を行うことができる。
【0016】
なお、生産者は1つでも3つ以上であってもよい。消費者及び仲介者は複数あってもよい。
【0017】
<電力の送配信のネットワーク>
変電所Bxは生産者Aa,Abの最寄りの変電所であり、変電所Byは消費者Caの最寄りの変電所である。変電所Bx、By、及び送配電線等によって、送配電ネットワーク10が構築されている。生産者Aa,Abから提供された電力は、送配電ネットワーク10を介して消費者Caに提供される。
【0018】
<データ通信のネットワーク>
生産者Aaは、スマートフォン2a、スマートメータ3a、発電装置4aを有している。生産者Abは、スマートフォン2b、スマートメータ3b、発電装置4bを有している。消費者Caは、スマートフォン2c、スマートメータ3c、電気装置8を有している。仲介者Daは、仲介サーバ5を管理している。この仲介者Daは、法人、個人(例えば、社長、役員、IT管理者等の従業員)である。
【0019】
なお、スマートフォンは、生産者及び消費者の数に応じて、2つでもよいし、4つ以上でもよい。以降、各スマートフォン2a,2b,2cの総称は、スマートフォン2と示される。また、スマートメータ3a,3b,3cは、生産者及び消費者の数に応じて、2つでもよいし、4つ以上でもよい。以降、各スマートメータ3a,3b,3cの総称は、スマートメータ3と示される。発電装置4a、4bは、生産者の数に応じて、1つでもよいし、3つ以上でもよい。以降、各発電装置4a、4bの総称は、発電装置4と示される。
【0020】
仲介サーバ5は、仲介者の数に応じて、2つ以上でもよい。また、仲介サーバ5は、単一のコンピュータによって構築されていてもよいし、複数のコンピュータによって構築されていてもよい。電気装置8は、消費者の数に応じて、2つ以上でもよい。
【0021】
図1に示されているように、データ通信用ネットワークとしての取引システム(Tracking System)1は、複数のスマートフォン2a,2b,2c、複数のスマートメータ3a,3b,3c、複数の発電装置4a,4b、仲介サーバ5、及びコンピュータ等のノード9a,9b,9c,9dによって構築されている。また、ノード9a,9b,9c,9dによって、ブロックチェーンネットワーク90が構築されている。ブロックチェーンネットワーク90は、インターネット等の通信ネットワーク100内で構築されている。通信ネットワーク100は、インターネット、移動体通信網、LAN(Local Area Network)等によって構築されている。なお、通信ネットワーク100には、有線通信だけでなく、移動通信システム(4G、5G、6G等)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)等の無線通信によるネットワークが含まれてもよい。また、ノード9a,9b,9c,9dは、本来多数存在するが、ここでは紙面の都合上4つのみが示されている。ノード9a,9b,9c,9dは、それぞれ異なる企業等によって管理されている。異なる企業の中に、仲介者Daが含まれる場合もある。以降、ノード9a,9b,9c,9dの総称は、ノード9と示される。
【0022】
続いて、生産者Aa,Ab、及び消費者Caの端末及び装置について説明する。
【0023】
(生産者Aaの端末及び装置)
スマートフォン2aは、スマートメータ3aと、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の近距離無線技術によりデータ通信を行うことができる。また、スマートフォン2aは、通信ネットワーク100を介して仲介サーバ5とデータ通信を行うことができる。
【0024】
スマートメータ3aは、通信ネットワーク100を介して仲介サーバ5とデータ通信を行うことができる。また、スマートメータ3aは、一定時間毎に(例えば、30分毎に)、発電装置4aが生産した電力の提供量を計測し、更に、電力等のアセットの提供量及び所有権者等を示したアセット情報の生成をブロックチェーンネットワーク90のノード9に要求する等の処理を行う。
【0025】
発電装置4aは、太陽光を利用して発電する装置である。
【0026】
(生産者Abの端末及び装置)
スマートフォン2bは、スマートメータ3bと、NFCやBluetooth(登録商標)等の近距離無線技術によりデータ通信を行うことができる。また、スマートフォン2bは、通信ネットワーク100を介して仲介サーバ5とデータ通信を行うことができる。
【0027】
スマートメータ3bは、通信ネットワーク100を介して仲介サーバ5とデータ通信を行うことができる。また、スマートメータ3bは、一定時間毎に(例えば、30分毎に)、発電装置4bが生産した電力の提供量を計測し、更に、電力の提供量及び所有権者等を示したアセット情報の生成をブロックチェーンネットワーク90のノード9に要求する等の処理を行う。
【0028】
発電装置4bは、石油を利用して発電する装置である。
【0029】
(消費者Caの端末及び装置)
スマートフォン2cは、スマートメータ3cと、NFCやBluetooth(登録商標)等の近距離無線技術によりデータ通信を行うことができる。また、スマートフォン2cは、通信ネットワーク100を介して仲介サーバ5とデータ通信を行うことができる。
【0030】
スマートメータ3cは、通信ネットワーク100を介して仲介サーバ5とデータ通信を行うことができる。また、スマートメータ3cは、一定時間毎に(例えば、30分毎に)、電気装置8が使用した電力の使用量を計測し、更に、電力の使用量及び使用時間等を示した使用情報を、通信ネットワーク100を介して仲介サーバ5に送信する等の処理を行う。なお、本実施形態では、仲介サーバ5がスマートメータ3cに代わって、ブロックチェーンネットワーク90にアクセスするため、スマートメータ3cはブロックチェーンネットワーク90にアクセスする必要がない。仲介サーバ5は、スマートメータ3cに代わって、ブロックチェーンネットワーク90にアクセスするために、スマートメータ3cがブロックチェーンにアクセスするために必要な消費者Caの証明書を記憶部5000に記憶している。
【0031】
電気装置8は、消費者Aa,Abから提供された電力を利用して駆動する装置である。
【0032】
(仲介者Daの仲介サーバ)
仲介サーバ5は、電力等のアセットの提供者とアセットの使用者との間でのアセット情報の移転等のアセットに関する取引の仲介を処理する。そのため、仲介サーバ5は、通信ネットワーク100を介して、各スマートフォン2及び各スマートメータ3とデータ通信を行うことができる。また、仲介サーバ5は、ブロックチェーンネットワーク90のノード9にアクセスして、ノード9とデータ通信することができる。
【0033】
(補足)
なお、スマートフォン2a,2bは、提供者の通信端末の一例である。スマートフォン2cは、使用者の通信端末の一例である。通信端末には、スマートウオッチ、PC、スマートグラス等も含まれる。スマートメータ3は、計測端末の一例である。
【0034】
〔ハードウェア構成〕
続いて、
図2乃至
図4を用いて、スマートフォン2、スマートメータ3、仲介サーバ5、及びノード9のハードウェア構成について説明する。
【0035】
<スマートフォンのハードウェア構成>
図2は、スマートフォンのハードウェア構成図である。
図2に示されているように、スマートフォン2は、CPU201、ROM202、RAM203、EEPROM204、CMOSセンサ205、撮像素子I/F206、加速度・方位センサ207、メディアI/F209、GPS受信部211を備えている。
【0036】
これらのうち、CPU201は、スマートフォン2全体の動作を制御する。ROM202は、CPU201やIPL等のCPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。EEPROM204は、CPU201の制御にしたがって、スマートフォン用プログラム等の各種データの読み出し又は書き込みを行う。CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ205は、CPU201の制御に従って被写体(主に自画像)を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、CMOSセンサではなく、CCD(Charge Coupled Device)センサ等の撮像手段であってもよい。撮像素子I/F206は、CMOSセンサ205の駆動を制御する回路である。加速度・方位センサ207は、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F209は、フラッシュメモリ等の記録メディア208に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。GPS受信部211は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
【0037】
また、スマートフォン2は、遠距離通信回路212、CMOSセンサ213、撮像素子I/F214、マイク215、スピーカ216、音入出力I/F217、ディスプレイ218、外部機器接続I/F(Interface)219、近距離通信回路220、近距離通信回路220のアンテナ220a、及びタッチパネル221を備えている。
【0038】
これらのうち、遠距離通信回路212は、通信ネットワーク100を介して、他の機器と通信する回路である。CMOSセンサ213は、CPU201の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F214は、CMOSセンサ213の駆動を制御する回路である。マイク215は、音を電気信号に変える内蔵型の回路である。スピーカ216は、電気信号を物理振動に変えて音楽や音声などの音を生み出す内蔵型の回路である。音入出力I/F217は、CPU201の制御に従ってマイク215及びスピーカ216との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイ218は、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機EL(Electro Luminescence)などの表示手段の一種である。外部機器接続I/F219は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。近距離通信回路220は、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の通信回路である。タッチパネル221は、利用者がディスプレイ218を押下することで、スマートフォン2を操作する入力手段の一種である。
【0039】
また、スマートフォン2は、バスライン210を備えている。バスライン210は、
図2に示されているCPU201等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0040】
<スマートメータのハードウェア構成>
図3は、スマートメータのハードウェア構成図である。
図3に示されているように、スマートメータ3は、コンピュータが搭載されており、
図3に示されているように、CPU301、ROM302、RAM303、NVRAM304、ディスプレイ306、計測センサ307、開閉器308、ネットワークI/F309、キーパッド311、タッチパネル312、近距離通信回路220、及び近距離通信回路220のアンテナ220aを備えている。
【0041】
これらのうち、CPU301は、スマートメータ3全体の動作を制御する。ROM302は、IPL等のCPU301の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。NVRAM(Non-Volatile RAM)304は、プログラム等の各種データを記憶及び読み出しを行う不揮発性メモリである。ディスプレイ306は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。
【0042】
計測センサ307は、提供又は使用する電力を計測する。開閉器308は、電路を入り(閉じる)又は切り(開く)して、電気を通したり止めたりする。
【0043】
ネットワークI/F309は、は、ブロックチェーンネットワーク90を含めたインターネット等の通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。キーパッド311は、文字、数値、各種指示などの入力又は選択を行うための複数のキーを備えた入力手段の一種である。近距離通信回路320は、NFCやBluetooth(登録商標)等の近距離無線技術を実現する通信回路である。バスライン310は、
図3に示されているCPU301等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0044】
<仲介サーバのハードウェア構成>
図4は、仲介サーバのハードウェア構成図である。仲介サーバ5の各ハードウェア構成は、500番台の符号で示されている。
図4に示されているように、仲介サーバ5は、コンピュータによって構築されており、
図4に示されているように、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、データバス510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0045】
これらのうち、CPU501は、仲介サーバ5全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、
図4に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0046】
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-RやBlu-ray Disc(ブルーレイディスク)等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0047】
<ノードのハードウェア構成>
図4は、ノードのハードウェア構成図である。ノード9の各ハードウェア構成は、括弧内の900番台の符号で示されている。
図4に示されているように、ノード9は、コンピュータによって構築されており、
図4に示されているように、仲介サーバ5と同様の構成を備えているため、各ハードウェア構成の説明を省略する。
【0048】
〔機能構成〕
続いて、
図5至
図8を用いて、取引システム1を構築する各端末及び装置の機能構成について説明する。
図5は、取引システムのうち、スマートフォン及びスマートメータの機能ブロック図である。
【0049】
<スマートフォン2aの機能構成>
図5に示されているように、スマートフォン2aは、送受信部21a、受付部22a、表示制御部24a、通信部28a、及び記憶・読出部29aを有している。これら各部は、
図2に示されている各構成要素のいずれかが、EEPROM204からRAM203上に展開されたスマートフォン用のプログラムに従ったCPU201からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。
【0050】
また、スマートフォン2aは、
図2に示されているROM202、RAM203、及びEEPROM204によって構築される記憶部2000aを有している。
【0051】
(スマートフォン2aの各機能構成)
スマートフォン2aの送受信部21aは、主に、遠距離通信回路212に対するCPU201の処理によって実現され、通信ネットワーク100を介して、他の装置(例えば、仲介サーバ5)との間で各種データ(または情報)の送受信を行う。
【0052】
受付部22aは、主に、タッチパネル221に対するCPU201の処理によって実現され、利用者から各種の選択又は入力を受け付ける。
【0053】
表示制御部24aは、主に、CPU201の処理によって実現され、ディスプレイ218に、各種画像を表示させる。表示制御部24aには、ウェブブラウザ機能も含まれる。
【0054】
通信部28aは、主に、近距離通信回路220に対するCPU201の処理によって実現され、スマートメータ3aの後述の通信部38aと各種データの通信を行う。なお、有線通信の場合には、スマートメータ3aと通信ケーブルを接続することで、データの通信を行う。
【0055】
記憶・読出処理部29aは、主に、CPU201の処理によって実現され、記憶部2000aに、各種データ(または情報)を記憶したり、記憶部2000aから各種データ(または情報)を読み出したりする。
【0056】
<スマートフォン2cの機能構成>
図5に示されているように、スマートフォン2cは、送受信部21c、受付部22c、表示制御部24c、通信部28c、及び記憶・読出部29cを有している。これら各部は、
図2に示されている各構成要素のいずれかが、EEPROM204からRAM203上に展開されたスマートフォン用のプログラムに従ったCPU201からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。
【0057】
また、スマートフォン2cは、
図2に示されているROM202、RAM203、及びEEPROM204によって構築される記憶部2000cを有している。
【0058】
なお、スマートフォン2cの各部(送受信部21c、受付部22c、表示制御部24c、通信部28c、及び記憶・読出部29c)は、それぞれスマートフォン2aの各部(送受信部21a、受付部22a、表示制御部24a、通信部28a、及び記憶・読出部29a)と同様の機能であるため、これらの説明を省略する。
【0059】
なお、スマートフォン2bは、スマートフォン2cと同様に、スマートフォン2aと同様の各部を有するが、後述の処理で説明しないため、
図5では省略する。
【0060】
<スマートメータ3aの機能構成>
図5に示されているように、スマートメータ3aは、送受信部31a、計測部33a、表示制御部34a、通信部38a、及び記憶・読出部39aを有している。これら各部は、
図3に示されている各構成要素のいずれかが、NVRAM304からRAM303上に展開されたスマートメータ用のプログラムに従ったCPU301からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。
【0061】
また、スマートメータ3aは、
図3に示されているROM302、RAM303、及びNVRAM304によって構築される記憶部3000aを有している。
【0062】
(スマートメータ3aの各機能構成)
スマートメータ3aの送受信部31aは、主に、ネットワークI/F309に対するCPU301の処理によって実現され、通信ネットワーク100を介して、他の装置(例えば、仲介サーバ5)との間で各種データ(または情報)の送受信を行う。
【0063】
計測部33aは、主に、計測センサ307に対するCPU301の処理によって実現され、発電装置4aが生産した電力の提供量を計測する。
【0064】
表示制御部34aは、主に、CPU301の処理によって実現され、ディスプレイ306に、各種画像を表示させる。
【0065】
通信部38aは、主に、近距離通信回路320に対するCPU301の処理によって実現され、スマートメータ2aの通信部28aと各種データの通信を行う。なお、有線通信の場合には、スマートメータ3aと通信ケーブルを接続することで、データの通信を行う。
【0066】
記憶・読出処理部39aは、主に、CPU301の処理によって実現され、記憶部3000aに、各種データ(または情報)を記憶したり、記憶部3000aから各種データ(または情報)を読み出したりする。
【0067】
<スマートメータ3cの機能構成>
図5に示されているように、スマートメータ3cは、送受信部31c、計測部33c、表示制御部34c、通信部38c、及び記憶・読出部39cを有している。これら各部は、
図3に示されている各構成要素のいずれかが、NVRAM304からRAM303上に展開されたスマートメータ用のプログラムに従ったCPU301からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。
【0068】
また、スマートメータ3aは、
図3に示されているROM302、RAM303、及びNVRAM304によって構築される記憶部3000cを有している。
【0069】
なお、スマートメータ3cの各部(送受信部31c、計測部33c、表示制御部34c、通信部38c、及び記憶・読出部39c)は、それぞれスマートメータ3aの各部(送受信部31a、計測部33a、表示制御部34a、通信部38a、及び記憶・読出部39a)と同様の機能であるため、これらの説明を省略する。
【0070】
なお、スマートメータ3bは、スマートメータ3cと同様に、スマートメータ3aと同様の各部を有するが、後述の処理で説明しないため、
図5では省略する。
【0071】
<仲介サーバ5の機能構成>
紙面の都合上、仲介サーバ5の機能ブロック図は、
図6に示されている。
図6は、取引システムのうち、仲介サーバとノード機能のブロック図である。
図6に示されているように、仲介サーバ5は、送受信部51、決定部53、表示制御部54、判断部55、作成部58、及び記憶・読出部59を有している。これら各部は、
図4に示されている各構成要素のいずれかが、HD504からRAM503上に展開され仲介サーバ用のプログラムに従ったCPU501からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。
【0072】
また、仲介サーバ5は、
図4に示されているROM502、及びHD504によって構築される記憶部5000を有している。
【0073】
(使用者管理テーブル)
図7Aは、使用者管理テーブルを示す概念図である。使用者管理テーブルは、仲介者Daが電力の消費者等の各使用者を管理するためのテーブルである。記憶部5000には、
図7Aに示されているような使用者管理テーブルによって構成されている使用者管理DB5001が構築されている。この使用者管理テーブルでは、使用者ID、使用者名、使用者の住所(又は居所)、及び選択可能な提供者IDが関連付けられて管理される。
【0074】
これらのうち、使用者IDは、電力の消費者Ca等のアセットの使用者を識別するための使用者識別情報の一例である。選択可能な提供者IDは、使用者IDで示される使用者が選択可能な生産者等の提供者を識別するための提供者識別情報の一例である。例えば、使用者の住所が東京にある場合には、選択可能な提供者は、東京及び東京の周辺に住所がある提供者に限られる。
【0075】
(提供者管理テーブル)
図7Bは、提供者管理テーブルを示す概念図である。提供者管理テーブルは、仲介者Daが電力の生産者等の各提供者を管理するためのテーブルである。記憶部5000には、
図7Bに示されているような提供者管理テーブルによって構成されている提供者管理DB5002が構築されている。この提供者管理テーブルでは、提供者ID、提供者名、提供者による電力等のアセットの生産方法の種類、及び提供可能量が関連付けられて管理される。
【0076】
これらのうち、提供者IDは、電力の生産者等のアセットの提供者を識別するための提供者識別情報の一例である。生産方法の種類は、アセットの生産に利用されたエネルギーの種類を示す。上述のように、生産方法の種類には、太陽光、風力、バイオマス、地熱、水力、石油、石炭、及び液化天然ガス等を利用して生成する方法が挙げられる。なお、生産方法の種類は、再生可能エネルギー又は化石燃料のような大分類が示されるようにしてもよい。提供可能量は、生産者等の提供者が一定期間(又は一定時間)に提供可能なアセット量であり、例えば、電力量(kWh)である。
【0077】
(取引内容管理テーブル)
図8Aは、取引内容管理テーブルを示す概念図である。取引内容管理テーブルは、消費者Ca等の使用者によって設定されたアセットの取引内容を管理するためのテーブルである。記憶部5000には、
図8Aに示されているような取引内容管理テーブルによって構成されている取引内容管理DB5003が構築されている。この取引内容管理テーブルでは、取引内容情報が管理されており、具体的には、使用者ID、使用開始日、使用終了日、使用予定量、再生可能エネルギー利用率、提供者ID、提供者名、及び生産方法の種類が関連付けられて管理される。なお、使用者ID等の
図7A、
図7Bと同じ項目名は、同じ意味を示す。
【0078】
これらのうち、使用開始日は、消費者Ca等の使用者が電力等のアセットの使用を開始する日を示す情報である。使用終了日は、使用者が電力等のアセットの使用を終了する日を示す情報である。使用予定量は、使用者が一定期間(又は一定時間)に使用する予定のアセット量であり、例えば、電力量(kWh)である。再生可能エネルギー利用率は、消費者Ca等の使用者が使用する電力等のアセットのうち、太陽光等の再生可能エネルギーを利用して生産されたアセットの割合(%)を示す情報である。
【0079】
(取引履歴管理テーブル)
図8Bは、取引履歴管理テーブルを示す概念図である。取引履歴管理テーブルは、使用者毎に、仲介サーバ5が生産者等の提供者から取得したアセットに関する取引の仲介を行った取引履歴を管理するためのテーブルである。記憶部5000には、
図8Bに示されているような取引履歴管理テーブルによって構成されている取引履歴管理DB5004が構築されている。この取引履歴管理テーブルでは、取引履歴情報が管理されており、具体的には、仲介日時、取引量、生産方法の種類、及び各種生産方法による総取引量が関連付けられて管理される。なお、アセットの生産に利用される(エネルギー)資源の種類は、換言すると、所定の種類の資源を利用してアセットを生産する「生産方法の種類」である。例えば、アセットが電力の場合には、「生産方法の種類」は、太陽光等の「発電方法」を示す。また、ここでは、各種生産方法として、太陽光及び石油を利用する場合が示されているが、これに限るものではなく、風量、石炭等を利用した生産方法を管理してもよい。また、電力再生可能エネルギー及び化石燃料を示す生産方法の種類の大分類を管理してもよい。
【0080】
取引履歴情報のうち、使用者ID等の
図7A、
図7Bと同じ項目名は、同じ意味を示す。仲介日時は、仲介サーバ5が生産者等の提供者から取得したアセットの所有権を、消費者Ca等の使用者に割り当てることで、アセットの所有権の仲介を行った日時を示す。取引量は、仲介サーバ5が提供者から取得して使用者に取引の仲介を行うアセットの取引量を示し、例えば、電力量(kWh)で示される。総取引量は、特定の種類の生産方法によって生産されたアセットを、一定期間(又は一定時間)において消費者Ca等の使用者に割り当てた総量を示し、例えば、総電力量(kWh)で示される。仲介サーバ5は、取引履歴管理DB5004を参考にして、消費者Ca等の使用者に割り当てるアセットの生産方法の種類を決める。これより、例えば、消費者Caが再生可能エネルギーを利用して生産した電力の割合を40と設定していた場合、仲介サーバ5は、取引履歴管理DB5004の総取引量を参照して、次に消費者Caに提供するアセットの生産方法の種類を決定する。
【0081】
なお、
図8Aに示されている使用予定量(例えば、20kWh)は、1時間毎の使用予定量であるため、30分毎にアセット情報の移転を行う場合、取引量は使用予定量の半分(例えば、10kWh)となる。
【0082】
また、ここでは、各種生産方法として、太陽光及び石油を利用する場合が示されているが、これに限るものではなく、風量、石炭等を利用した生産方法を管理してもよい。また、再生可能エネルギー及び化石燃料を示す生産方法の種類のような大分類を管理してもよい。
【0083】
更に、生産方法の種類には、アセットの生産工程の種類も含まれる。アセットの生産工程の種類は、電力等のアセットが生産されるまでの過程が異なる場合を示す。一例として、同じ資源である太陽を利用する場合であっても、太陽光を利用して電力を生産する方法、及び太陽熱を利用して電力を生産する方法等が含まれる。また、アセットの生産工程の種類の別例として、タービンを利用して電力を生産する方法、及びタービンを利用しないで電力を生産する方法等が含まれる。
【0084】
(仲介サーバの各機能構成)
次に、
図6を用いて、仲介サーバ5の各機能構成を詳細に説明する。仲介サーバ5の送受信部51は、主に、ネットワークI/F509に対するCPU501の処理によって実現され、通信ネットワーク100を介して、他の端末(例えば、スマートフォン2a,2c)との間で各種データ(または情報)の送受信を行う。なお、送受信部51は、スマートフォン2cから、後述の取引内容を受け付ける受付部としての役割も果たす。
【0085】
決定部53は、CPU501の処理によって実現され、使用者へ移転する(取引の仲介を行う)アセットの所有権等を示すアセット情報を決定する。例えば、決定部53は、取引履歴管理DB5004で管理されている「使用者によって所定種類の生産方法で生産されたアセットの取引履歴」、及び、取引内容管理DB5003で予め管理されている「再生可能エネルギーの利用率」に基づいて、消費者Ca等の使用者に取引の仲介を行う特定種類の生産方法によって生産されたアセットに係るアセット情報を決定する。具体的には、消費者Caが再生可能エネルギーの利用率を40(%)と設定していた場合、決定部53は、取引履歴管理DB5004の総取引量を参照して、利用率40(%)に近づくように、消費者Caに対して、再生可能エネルギーによって生産されたアセットに係るアセット情報の所有権者を、仲介サーバ5を管理する仲介者Daから消費者Caに変更することを決定する。
【0086】
表示制御部54は、主に、CPU501の処理によって実現され、ディスプレイ506に、各種画像を表示させるか、又は通信ネットワーク100を介して、スマートフォン2のディスプレイ218に各種画像を表示させる。この場合、スマートフォン2は、このスマートフォン2の表示制御部24のウェブブラウザの機能によって各種画像が表示される。なお、表示制御部24は、表示制御部24a、24cの総称である。
【0087】
判断部55は、CPU501の処理によって実現され、各種判断を行う。
【0088】
作成部58は、CPU501の処理によって実現され、トランザクション情報及びアセット情報に基づいて、仲介者が証明機関Eに提出するための申請書を作成する。この申請書は、アセットの生産方法の種類を証明するための生産方法証明書を申請するための所定のフォーマットによって作成される。
【0089】
記憶・読出部59は、主に、CPU501の処理によって実現され、記憶部5000に、各種データ(または情報)を記憶したり、記憶部5000から各種データ(または情報)を読み出したりする。
【0090】
<ノード9の機能構成>
図6に示されているように、ノード9は、送受信部91、検証部93、判断部95、トランザクション処理部96、アセット処理部97、及び記憶・読出部99を有している。これら各部は、
図4に示されている各構成要素のいずれかが、HD904からRAM903上に展開されノード用のプログラムに従ったCPU901からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。
【0091】
また、ノード9は、
図4に示されているROM902、及びHD904によって構築される記憶部9000を有している。
図6では、イメージとして、トランザクション情報がチェーンのようにつながっている状態を示している。また、トランザクション情報に基づいて生成されたアセット情報も記憶されている。各トランザクション情報及び各アセット情報は、各ノードで保持している。
【0092】
(ノードの各機能構成)
次に、
図6を用いて、ノード9の各機能構成を詳細に説明する。ノード9の送受信部91は、主に、ネットワークI/F909に対するCPU901の処理によって実現され、通信ネットワーク100内のブロックチェーンネットワーク90の他のノードとの間で各種データ(または情報)の送受信を行う。また、送受信部91は、スマートメータ3aの送受信部31a、及び仲介サーバ5の送受信部51との間でも各種データ(または情報)の送受信を行う。なお、
図6では、スマートフォン3bが表されていないが、実際には、送受信部91は、スマートメータ3bとの間でも各種データ(または情報)の送受信を行う。
【0093】
検証部93は、CPU901の処理によって実現され、証明書及び提供情報を検証する)。証明書の検証は、証明書がノード9に予め登録されている者本人の証明書であるか否かを判断する処理である。提供情報の検証は、予め定められた形式及び内容(例えば、提供者が入力されているか、提供時間が入力されているか等)が全て入力されているか否かを判断する処理である。
【0094】
判断部95は、CPU901の処理によって実現され、各種判断を行う。
【0095】
トランザクション処理部96は、CPU901の処理によって実現され、アセット情報の生成に用いられるトランザクションを示すトランザクション情報を生成して記憶部9000に記憶する等の処理を行う。
【0096】
アセット処理部97は、CPU901の処理によって実現され、トランザクション情報に従って、アセット情報を生成して記憶部9000に記憶する等の処理を行う。
【0097】
記憶・読出部99は、主に、CPU901の処理によって実現され、記憶部9000に、各種データ(または情報)を記憶したり、記憶部9000から各種データ(または情報)を読み出したりする。
【0098】
〔処理又は動作〕
続いて、
図9乃至
図19を用いて、本実施形態の処理又は動作について説明する。
【0099】
<仲介者の登録処理>
まずは、
図9及び
図10を用いて、仲介者の登録処理について説明する。
図9は、仲介者の登録処理を示したシーケンス図である。
図10Aは仲介者登録画面の表示例を示す図、
図10Bは仲介者の登録完了画面の表示例を示す図である。ここでは、生産者Aaが複数の仲介者のうち仲介者Daを登録する場合について説明する。なお、生産者Aaは、予め仲介者Daとの間で契約を結んでおき、後述のように、生産者Aaが仲介者Daを選択することができるようにしている。また、スマートフォン2aには、予め仲介者登録用のアプリケーションがインストールされている。このアプリケーションには、各仲介者を識別するための仲介者ID、仲介者名、及び仲介者が所有する仲介サーバのIPアドレスが関連付けて管理されている。
【0100】
図9に示されているように、スマートフォン2aでは、表示制御部24aがディスプレイ218上に、
図10Aに示されている仲介者登録画面を表示させる(S21)。この仲介者登録画面には、特定の仲介者を選択するために、各仲介者名が示されたプルダウンメニューが表示されている。また、仲介者登録画面の下部には、プルダウンメニューで選択された仲介者名を確定する場合に押下される「OK」ボタン、及び選択を中止する場合に押下される「CANCEL」ボタンが表示されている。
【0101】
そして、生産者Aaが複数の仲介者名から所望の仲介者名を選択して、「OK」ボタンを押下すると、受付部22aが仲介者の選択を受け付ける(S22)。ここでは、仲介者Daが選択された場合について説明する。
【0102】
受付部22aが選択を受け付けた後、通信部28aは近距離無線通信により、スマートメータ3aの通信部38aに、仲介者情報を送信する(S23)。この仲介者情報には、選択された仲介者を識別するための仲介者ID、及び選択された仲介者が所有する仲介サーバのIPアドレスが含まれている。これにより、スマートメータ3aの通信部38aは、仲介者情報を受信する。
【0103】
次に、スマートメータ3aでは、記憶・読出部39aが記憶部3000aに仲介者情報を登録する。そして、通信部38aは、スマートフォン2aに登録が完了した旨を示す登録完了情報を送信する。これにより、スマートフォン2aの通信部28aは、登録完了情報を受信する。
【0104】
次に、スマートフォン2aでは、表示制御部24aがディスプレイ218上に、
図10Bに示されているような登録完了画面を表示させる。この登録完了画面には、仲介者の登録が完了した旨を示すコメントが表示される。また、この登録完了画面には、この画面を閉じる場合に押下される「OK」ボタンが表示されており、生産者Aaが押下することで、登録完了画面が閉じられる。
【0105】
以上により、仲介者の登録処理が終了する。
【0106】
<取引内容の登録処理>
続いて、
図11及び
図12を用いて、アセットの取引内容の登録処理について説明する。
図11は、アセットの取引内容の登録処理を示したシーケンス図である。
図12Aは入力及び選択前の取引内容登録画面の表示例、
図12Bは入力及び選択後の取引内容登録画面の表示例を示した図である。ここでは、消費者Caが、スマートフォン2cを用いて仲介サーバ5に対し、アセットとしての電力の取引内容を登録する場合について説明する。
【0107】
図11に示されているように、スマートフォン2cの送受信部21cは、通信ネットワーク100を介して仲介サーバ5に対して、取引内容登録画面の表示要求を送信する(S41)。この表示要求には、要求元である使用者としての消費者Caを識別するための使用者IDが含まれている。これにより、仲介サーバ5の送受信部51は、表示要求を受信する。なお、使用者IDは、使用者識別情報の一例である。使用者識別情報には、日本に於いて個人の識別番号として地方公共団体等から指定される番号であるマイナンバーや、個人又は会社等の電話番号も含まれる。
【0108】
次に、仲介サーバ5では、記憶・読出部59が、ステップS41で受信された使用者IDを検索キーとして使用者管理DB5001(
図7A参照)を検索することにより、対応する選択可能な全ての提供者IDを読み出す(S42)。更に、記憶・読出部59が、ステップS42で読み出した各提供者IDを検査キーとして提供者管理DB5002を検索することにより、対応する各情報(提供者名、生産方法の種類情報、提供可能量)を読み出す(S43)。そして、表示制御部54が、上記ステップS43で読み出した各情報を利用して、
図12Aに示されているような取引内容登録画面を作成する(S44)。これにより、スマートフォン2cでは、表示制御部24cがウェブブラウザ機能により、スマートフォン2cのディスプレイ218上に、仲介サーバ5で作成された
図12Aに示される取引内容登録画面を表示させる(S45)。この取引内容登録画面には、各入力欄(アセット(ここでは、電力)の使用期間日、アセットの使用終了日、アセットの使用予定量、及び再生可能エネルギー利用率)、並びに、アセットの提供者を選択するための複数のチェックボックスが表示されている。また、取引内容登録画面の下部には、入力欄への入力及びチェックボックスへのチェックした取引内容を確定する場合に押下される「OK」ボタン、及び取引内容を確定しないで中止する場合に押下される「CANCEL」ボタンが表示されている。
【0109】
ここで、消費者Caが、スマートフォン2cのタッチパネルを操作することで、各入力欄に所望の数値を入力し、更に、所望の提供者のチェックボックスにチェックを入れて、「OK」ボタンを押下すると、受付部22cが取引内容の入力及び選択を受け付ける(S46)。なお、再生可能エネルギー利用率は、消費者Caが取得を希望する電力の生産に利用されたエネルギーのうち、再生可能エネルギーが利用された割合を示す。
【0110】
ここでは、消費者Caが、生産に利用されるエネルギーとして太陽光を利用して電力を生産する生産者Aaを選択するが、夜には電力が提供されないため、他のエネルギーで代替することを考慮して、石油を利用して電力を生産する生産者Abが選択されている。そして、再生可能エネルギー利用率が40%に設定されている。
【0111】
次に、スマートフォン2cの送受信部21cは、通信ネットワーク100介して仲介サーバ5に、入力及び選択された内容を示す取引内容情報を送信する(S47)。これにより、仲介サーバ5の送受信部51は、取引内容情報を受信することで取引内容を受け付ける。
【0112】
次に、仲介サーバ5では、記憶・読出部59が、取引内容管理DB5003(
図8A参照)に、ステップS41で受信された使用者IDと共にステップS47で受信された取引内容情報を関連付けて記憶することで管理する(S48)。
【0113】
以上により、取引内容の登録処理が終了する。
【0114】
<アセットの所有権者を仲介者として設定する処理>
続いて、
図13及び
図14を用いて、提供者が提供するアセットの所有権者を仲介者に設定する処理を説明する。
図13は、提供者が提供するアセットの所有権者を仲介者に設定する処理を示すシーケンス図である。
図14は、トランザクション情報及びアセット情報の概念図である。ここでは、生産者Aaのスマートメータ3aがノード9aに対して、アセットの所有権者を仲介者に設定する場合について説明する。
【0115】
図13に示されているように、計測部33aは、発電装置4aから送配電ネットワーク10に供給する電力を計測する(S61)。そして、スマートメータ3aの送受信部31aは、所定時間(例えば、30分間)に1回、ブロックチェーンネットワーク90のノード9aに対して、アセット情報生成の要求を送信する(S62)。この要求には、提供者である生産者Aaのスマートフォン2aがブロックチェーンネットワーク90にアクセスすることができるように、提供者としての生産者Aaが本人であることを証明する電子的な証明書、及び提供情報が含まれている。提供情報には、提供者、提供日時、(取引可能)量、生産方法の種類、及びアセットの所有権者を各情報が含まれている。これにより、ノード9aの送受信部91は、アセット情報生成の要求を受信する(S62)。この提供情報は、
図14に示されているトランザクション情報の生成に用いられる情報である。この提供情報の内容は、予めブロックチェーンのスマートコントラクト(契約の自動化)によって定められている。
【0116】
次に、ノード9の検証部93は、ステップS62で受信された証明書及び提供情報を検証する(S63)。続いて、検証結果が問題ない場合について説明する。
【0117】
次に、トランザクション処理部96は、ステップS62で受信された提供情報を用いて、
図14に示されているようなトランザクション情報を生成して記憶部9000に記憶する(S64)。この場合、トランザクション処理部96は、トランザクションIDを割り当てると共にトランザクション種類を設定する。トランザクション情報には、トランザクションID、トランザクション種類の情報、並びに、提供情報(提供者、提供日時、(取引可能)量、生産方法、及び所有権者の各情報)が含まれている。
【0118】
これらのうち、トランザクションIDは、トランザクション情報を識別するためのユニークな識別情報の一例である。トランザクション種類は、アセット情報に対する処理内容の種類を示す情報である。
図14では、トランザクション種類がアセット情報の生成であるため、アセット処理部97は、アセット情報の生成を行う。提供者は、アセットの提供者を示す情報である。提供日時はアセットが提供者によって提供された日時を示す情報である。(取引可能)量は、提供者が所定期間内に取引可能な電力量等を示す情報である。生産方法の種類は、
図8Bで示された生産方法の種類を示す情報である。所有権者は、アセットの所有権等を示すアセットの所有権者を示す情報である。
【0119】
次に、アセット処理部97は、
図14に示されているトランザクション情報に従って、
図14に示されているアセット情報を生成して記憶部9000に記憶する(S65)。この場合、アセット処理部97は、トランザクション情報内の提供情報(提供者、提供日時、(取引可能)量、生産方法、及び所有権者の各情報)、並びに、トランザクションの有効期限及びアセット情報の取引状況を設定する。トランザクションの有効期限は、例えば、提供日から1ヶ月後に設定される。また、取引状況は、アセット情報が仲介サーバ5によって使用者に取引されたか否か(割り当てられたか否か)を示す情報である。
図14では、「未」となっているため、使用者に取引されていない(割り当てられていない)状態、つまり、まだ仲介者が使用者にアセット情報を提供していない状態を示す。
【0120】
また、ノード9の送受信部91は、ブロックチェーンネットワーク90の他の複数のノードに対して、ステップS64で生成されたトランザクション情報をブロックとして配信する(S66)。これにより、他の各ノードではブロックを検証し、各ノードで既に保存しているブロックのチェーンに追加した後、トランザクション情報に従って、上記ステップS65と同様にアセット情報を生成して各記憶部に記憶する。なお、1つのブロックに複数のトランザクジョン情報を格納してもよい。
【0121】
次に、ノード9の送受信部91は、スマートメータ3aに対して、ステップS62の要求に対する応答を送信する(S67)。この応答内容は、アセット情報の生成が成功したか又は失敗したかを示す。これにより、スマートメータ3aの送受信部31aは、応答を受信する。
【0122】
次に、スマートメータ3aでは、記憶・読出部39aが、記憶部3000aに応答内容を記憶する。
【0123】
以上により、アセットの所有権者が仲介者Daとして設定された内容等を示すアセット情報がブロックチェーンネットワーク上で管理されることで、提供者から仲介者にアセット情報を提供する処理が終了する。
【0124】
<仲介者から使用者にアセット情報を提供する処理>
続いて、
図15乃至
図18を用いて、仲介者が仲介するアセットの所有権者を使用者に設定する処理を説明する。
図15は、仲介者が仲介するアセットの所有権者を使用者に設定する処理を示すシーケンス図である。
【0125】
まず、消費者Caのスマートメータ3cの送受信部31cは、所定時間(例えば、30分間)に1回、通信ネットワーク100を介して、アセットとしての電力に関する使用情報を送信する(S81)。この使用情報には、アセットとしての電力の使用状態を示す情報、使用者としての消費者Caを識別するための使用者ID、アセットとしての電力の使用量、及びアセットとしての電力の使用時間の各情報が含まれている。これにより、仲介サーバ5の送受信部51は、使用情報を受信する。
そして、送受信部51は、ブロックチェーンネットワーク90のノード9に対して、仲介サーバ5を管理する仲介者Daが所有権者となっている全てのアセット情報の要求を送信する(S82)。この要求には、仲介者Daが管理する仲介サーバ5がブロックチェーンネットワーク90にアクセスすることができるように、仲介者としての仲介者Daが本人であることを証明する電子的な証明書、及び、所有権者として仲介者Daを示す情報が含まれる。これにより、ノード9の送受信部91は、全てのアセット情報の要求を受信する。
【0126】
次に、ノード9では、検証部93が、ステップS82で受信された証明書を検証する(S83)。証明書の検証は、受信された証明書がノード9に予め登録されているサーバの証明書であるか否かを判断する処理である。続いて、検証結果が問題ない場合について説明する。
【0127】
ノード9の記憶・読出部99は、所有権者が仲介サーバ5を管理する仲介者Daとして管理されている全てのアセット情報を読み出す(S84)。そして、送受信部91は、仲介サーバ5に対して、ステップS84で読み出された全てのアセット情報を送信する(S85)。これにより、仲介サーバ5の送受信部51は、全てのアセット情報を受信する。これにより、仲介サーバ5では、使用者に割り当て可能で所有権者が仲介者Daのアセット情報を受信することができる
次に、仲介サーバ5の記憶・読出部59は、ステップS81で受信された使用者IDを検索キーとして取引内容管理DB5003を検索することにより、対応する取引内容情報を読み出す(S86)。更に、記憶・読出部59は、ステップS81で受信された使用者IDを検索キーとして取引履歴管理DB5004を検索することにより、対応する各総取引量を読み出す(S87)。
図8Bの場合、各総取引量は、太陽光によって生産された電力の総取引量として20(kWh)、及び石油によって生産された電力の総取引量として160(kWh)が読み出される。
【0128】
次に、決定部53は、ステップS86で読み出された取引内容情報、及びステップS87で読み出された各総取引量に基づいて、使用者としての消費者Caに移転するアセット情報に係るアセットの生産方法の種類を決定する(S88)。例えば、取引内容情報において、生産方法の種類が「太陽光」及び「石油」として示されている場合、取引履歴情報では、最新の各総取引量が太陽光で「20」、石油で「160」であるため、決定部53は、再生可能エネルギー率「40」に近づけるように、生産方法の種類を「太陽光」に決定する。
【0129】
そして、記憶・読出部59は、取引履歴管理DB5004に対して、ステップS88で処理された内容を記憶することで追加する(S89)。これにより、例えば、記憶・読出部59は、取引履歴管理DB5004(
図8B参照)において、仲介日時「2020.1.1 9:00-9:30」、取引量「10」、生産方法の種類「太陽光」、太陽光による総取引量「30」を示すレコードを追加する。
【0130】
次に、仲介サーバ5の送受信部51は、ブロックチェーンネットワーク90のノード9に対して、アセット情報の変更要求を送信する(S90)。この変更要求には、上記ステップS85で受信されたアセット情報のうち、ステップS88で決定された特定種類の生産方法によって生産された特定のアセットに係るアセット情報を識別するためのアセットIDが含まれている。また、ステップS90の変更要求には、新たな所有権者、及びアセットの(使用)量の各情報も含まれている。新たな所有権者を示す情報は、ステップS81で受信された使用者IDであってもよく、所有権者名であってもよい。なお、ステップ88で決定された特定種類の生産方法によって生産されたアセットが複数ある場合には、送受信部51は、これらの複数の中から有効期限が現日時に一番近いアセットに係る特定のアセット情報の変更要求を送信する。
【0131】
次に、ノード9では、検証部93が、ステップS90で受信された各情報(アセットID、所有権者、(使用)量)を検証する(S91)。この検証は、各情報が予め定められた形式及び内容であるか否かを判断する処理である。続いて、検証結果が問題ない場合について説明する。
【0132】
次に、ノード9は、ステップS90の変更要求に基づいて、トランザクション情報の生成、及びアセット情報の変更(又は生成)を行う(S92)。ここで、ステップS92の処理について、
図16乃至
図18を用いて詳細に説明する。なお、
図16は、
図15のステップS91の詳細な処理を示し、トランザクション情報の生成、アセット情報の変更又は生成の処理を示したフローチャートである。
図17は、電力の使用量が電力の取引可能量以上の場合(
図16のS101;YES)のトランザクション情報及びアセット情報の概念図である。
図18は、電力の使用量が電力の取引可能量未満の場合(
図16のS101;NO)のトランザクション情報及びアセット情報の概念図である。
【0133】
図16に示されているように、ノード9の判断部95は、ステップS90で受信された使用者のアセットの使用量(ここでは、消費者Caの電力の消費量)が、アセット情報で管理されている使用可能量以上であるかを判断する(S101)。
【0134】
(取引可能量が全て使用される場合)
判断部95が、使用者によるアセットの使用量がアセット情報で管理されている使用可能量以上であると判断した場合には(S101;YES)、トランザクション処理部96が、第2のトランザクション情報を生成し、
図17に示されているように、第2のトランザクション情報を含むブロックを、記憶部9000に記憶されている第1のトランザクションを含むブロックのチェーンに追加記憶する(S102)。そして、アセット処理部97は、第2のトランザクション情報に従って、第1のアセット情報の内容を変更する(S103)。
【0135】
ここで、
図17を用いて、ステップS102,S103の処理について詳細に説明する。
図17の左側の第1のトランザクション情報及び第1のアセット情報は、それぞれ
図14のトランザクション情報及びアセット情報と同じである。ここでは、スマートメータ3aがアセットの所有権者を仲介者Daに設定した後に(第1のトランザクション情報に基づく第1のアセット情報の生成)、仲介サーバ5がアセットの所有権者を消費者Caに変更することで(第2のトランザクション情報に基づく第1のアセット情報の変更)、仲介者Daがアセット情報(アセットの所有権)の取引の仲介を行う場合について説明する。
【0136】
ステップS102において、トランザクション処理部96は、
図17に示されているような第2のトランザクション情報を生成する。この第2のトランザクション情報には、固有のトランザクションID、及びトランザクションの種類として「アセット情報の取引」が示されている。また、第2のトランザクション情報には、アセット情報の取引の仲介を行った仲介日時、仲介後の新たな所有権者、移転対象であるアセット情報を特定するためのアセットID、ステップS90で受信されたアセット(ここでは、電力)の使用量が示されている。
【0137】
そして、ステップS103において、アセット処理部97は、
図17に示されているような第1のアセット情報の変更を行う。アセット処理部97は、第1のアセット情報において、「(取引可能)量」を「(使用)量」に変更し、所有権者を「仲介者Da」から「消費者Ca」に変更する。更に、取引可能量の全てが使用されたため(S101;YES)、これ以上のアセットの割り当てはできないことから、アセット処理部97は、第1のアセット情報において、取引状況を「未」から「済」に変更する。なお、このように取引状況が「済」に変更されたアセット情報は、今後は取引対象から外される。よって、トランザクション処理部96は、取引状況が「済」に設定されているアセット情報を、トランザクション種類として「アセット情報の取引」の対象にしない。即ち、取引対象から外されたアセット情報は再移転されない。
【0138】
以上のように、アセットの取引可能量の全てが使用された場合には、新たなアセット情報は生成されず、アセット情報が変更される。
【0139】
続いて、
図15に戻り、ノード9の送受信部91は、仲介サーバ5に対して、ステップS90の要求に対する応答を送信する(S93)。この応答には、ステップS90の要求に対する処理が成功した旨又は失敗した旨が示されている。これにより、仲介サーバ5の送受信部51は、応答を受信する。
【0140】
次に、仲介サーバ5の送受信部51は、スマートメータ3cに対して、上記ステップS81の送信に対する応答を送信する(S94)。これにより、スマートメータ3cの送受信部31cは、仲介サーバ5からの応答を受信する。なお、この応答内容は、ステップS93で受信された応答内容(成功又は失敗)が示されており、スマートメータ3cで管理されたり表示されたりする。
【0141】
(取引可能量の余りがある場合)
一方、
図16のステップS101で、判断部95が、使用者によるアセットの使用量がアセット情報で管理されている使用可能量未満であると判断した場合には(S101;NO)、トランザクション処理部96が、第2のトランザクション情報を生成し、
図18に示されているように、第2のトランザクション情報を含むブロックを、記憶部9000に記憶されている第1のトランザクションを含むブロックのチェーンに追加記憶する(S104)。そして、アセット処理部97は、第2のトランザクション情報に従って、第1のアセット情報の内容を変更する(S105)。
【0142】
ここで、
図18を用いて、ステップS104,S105の処理について詳細に説明する。
図18の左側の第1のトランザクション情報及び第1のアセット情報は、それぞれ
図14のトランザクション情報及びアセット情報と同じである。ここでは、スマートメータ3aがアセットの所有権者を仲介者Daに設定した後に(第1のトランザクション情報に基づく第1のアセット情報の生成)、仲介サーバ5がアセットの所有権者を消費者Caに変更することで(第2のトランザクション情報に基づく第1のアセット情報の変更)、仲介者Daがアセット情報(アセットの所有権)の取引の仲介を行う場合について説明する。
【0143】
ステップS104において、トランザクション処理部96は、
図18に示されているような第2のトランザクション情報を生成する。この第2のトランザクション情報には、固有のトランザクションID、及びトランザクションの種類として「アセット情報の取引」が示されている。「アセット情報の取引」は、第1のアセット情報内の所有権者を変更する等の命令だけでなく、使用量が余った場合に、この余った使用量のアセットの所有権を示す第2のアセット情報を生成するために用いられる第3のトランザクション情報を生成する命令も含んでいる。これにより、トランザクション処理部96は、処理を続けて、第3のトランザクション情報を生成することになる。また、第2のトランザクション情報には、アセット情報の取引の仲介が行われた仲介日時、仲介後の新たな所有権者、移転(取引)対象であるアセット情報を特定するためのアセットID、ステップS90で受信されたアセット(ここでは、電力)の使用量が示されている。
【0144】
そして、ステップS105において、アセット処理部97は、
図18に示されているような第1のアセット情報の変更を行う。アセット処理部97は、第1のアセット情報において、「(取引可能)量」を「(使用)量」に変更し、所有権者を「仲介者Da」から「消費者Ca」に変更する。更に、使用量分のアセットは、これ以上割り当てができないことから、アセット処理部97は、第1のアセット情報において、取引状況を「未」から「済」に変更する。但し、
図17の場合と違うのは、取引可能量が余ることである(S101;NO)。そこで、トランザクション処理部96は、余った取引可能量を算出する(S106)。この場合、旧取引可能量(ここでは、「10」)-使用量(ここでは、「6」)=余った取引可能量(ここでは、「4」)となる。
【0145】
続いて、余った取引可能量を管理するアセット情報を新たに作成するため、トランザクション処理部96は、第3のトランザクション情報を生成し、
図18に示されているように、第3のトランザクション情報を含むブロックを、記憶部9000に記憶されている第2のトランザクションを含むブロックのチェーンに追加記憶する(S107)。そして、アセット処理部97は、第3のトランザクション情報に従って、第2のアセット情報を生成して、記憶部9000に記憶する(S108)。
【0146】
ここで、
図18を用いて、ステップS107,S108の処理について詳細に説明する。ここでは、仲介サーバ5がアセットの所有権者を消費者Caに変更した後に(第2のトランザクション情報に基づく第1のアセット情報の変更と、第3のトランザクション情報の生成)、仲介サーバ5は、ノード9で、余った取引可能量を新たに管理することで(第3のトランザクション情報に基づく第2のアセット情報の生成)、仲介者Daは、余った取引可能量のアセット情報(アセットの所有権)を取引の仲介対象にする場合について説明する。
【0147】
ステップS107において、トランザクション処理部96は、
図18に示されているような第3のトランザクション情報を生成する。この第3のトランザクション情報は、第1のトランザクションと内容は違うが同じ項目を示している。即ち、第3のトランザクション情報には、固有のトランザクションID、及びトランザクションの種類として「アセット情報の生成」が示されている。また、第3のトランザクション情報には、アセット情報の提供者、アセット情報が提供者から提供された提供日時、(取引可能)量、生産方法の種類、及び所有権者が示されている。
【0148】
そして、ステップ108において、アセット処理部97は、
図18に示されているような第2のアセット情報を生成する。この第2のアセット情報は、第1のアセット情報と内容が異なるが項目は同じである。異なる点は、(取引可能)量が、ステップS106で算出された量(ここでは、「4」)になる点である。
【0149】
以上のように、アセットの取引可能量が余った場合には、余った量を示す新たなアセット情報が生成される。
【0150】
この後は、
図15に戻り、上記ステップS93,94と同様の処理が行われるため、これらの説明を省略する。
【0151】
<生産方法証明書の仲介処理>
続いて、
図19を用いて、アセットの生産方法証明書の仲介処理について説明する。
図19は、アセットの生産方法証明書の仲介処理を示したシーケンス図である。消費者Caは、消費する電力の生産方法の種類が太陽光等の再生可能エネルギーであることを証明するために、仲介者Daに対して、証明機関Eからアセットの生産方法を証明するための生産方法証明書を取り寄せる要求を行う。これについて、以下に説明する。
【0152】
図19に示されているように、消費者Caがスマートフォン2cを操作することで、送受信部21cは通信ネットワーク100を介して、アセットの生産方法証明書の要求を送信する(S201)。これにより、仲介サーバ5の送受信部51は、要求を受信する。この要求には、消費者Caとしての使用者を識別するための使用者ID、及びアセットを取引する期間を示す取引期間情報が含まれている。即ち、消費者Caは、例えば、2020年1月1日から2020年1月31日までの特定の取引期間の生産方法証明書を要求する。
【0153】
次に、仲介サーバ5の送受信部51は、ブロックチェーンネットワーク90のノード9に対して、トランザクション情報及びアセット情報の要求を送信する(S202)。この要求には、仲介サーバ5が予めスマートフォン2cから取得した使用者(ここでは、消費者Ca)の証明書、所有権者としての使用者(ここでは、消費者Ca)を示す情報、及び取引期間情報は含まれている。これにより、ノード9の送受信部91は、要求を受信する。
仲介サーバ5の証明書は、上記ステップS82で送信された内容と同じである。また、取引期間情報は、ステップS121で受信された取引期間情報である。
【0154】
次に、ノード9では、検証部93が、ステップS122で受信された証明書を検証する(S203)。証明書の検証は、受信された証明書がノード9に予め登録されているサーバの証明書であるか否かを判断する処理である。続いて、検証結果が問題ない場合について説明する。
【0155】
次に、記憶・読出部99は、ステップS202で受信された取引期間情報で示された所定の取引期間内で、消費者Caを所有権者として設定されているトランザクション情報及びアセット情報を読み出す(S204)。この場合、記憶・読出部99は、上記取引期間内に含まれる仲介日時が示されており、かつ、新所有権者が消費者Caとして示されている特定のトランザクション情報を読み出す。また、記憶・読出部99は、読み出した特定のトランザクション情報に示されているアセットIDに基づいて、アセット情報を読み出す。
【0156】
そして、ノード9の送受信部91は、仲介サーバ5に対して要求されたトランザクション情報及びアセット情報を送信する(S205)。これにより、仲介サーバ5の送受信部51は、トランザクション情報及びアセット情報を受信する。
【0157】
次に、仲介サーバ5では、作成部58は、ステップS205で受信されたトランザクション情報及びアセット情報に基づいて、仲介者が証明機関Eに提出するための申請書を作成する(S206)。この申請書は、アセットの生産方法の種類を証明するための生産方法証明書を申請するために利用される。
【0158】
続いて、
図1に示されているように、仲介者Daは、証明機関Eに対して郵送等で、ステップS206で作成された申請書を送る(S1)。そして、証明機関Eは、消費者Caが消費した電力の40%が太陽光等の再生可能エネルギーによって生産された旨を証明するアセットの生産方法証明書を作成して、仲介者Daに郵送等で送る(S2)。そして、仲介者Daは、消費者Caに対して郵送等で生産方法証明書を送る(S3)。なお、証明機関Eは、必要であれば、生産方法証明書を発行する前に、ブロックチェーンネットワーク90からトランザクション情報及びアセット情報を取得して内容を確認してもよい。
【0159】
以上により、仲介者Daによる生産方法証明書の仲介処理が終了する。これにより、消費者Caは、生産方法証明書を受け取った後、自社のイメージアップに使用したり、再生可能エネルギーの使用による国等の補助金申請に使ったりすることができる。
【0160】
〔実施形態の主な効果〕
以上説明したように本実施形態によれば、使用者に提供される電力等のアセットの質は一定であるため、アセットの生産方法の種類が不明な場合であっても、ブロックチェーンネットワーク90のノード9が、アセットの生産方法の種類を示すと共にアセットの所有権者を示すアセット情報、及びこのアセット情報を生成するために利用したトランザクション情報を管理することで、生産方法の種類を不正なく証明することができるという効果を奏する。
【0161】
また、電力の安定した利用を実現するためには、消費される電力と生産される電力をリアルタイムで同じに調整する必要がある(同時同量)。しかし、ブロックチェーンは分散型台帳であるがゆえに、ネットワークを介した各台帳情報の整合性の確認に一定の時間を要することから、リアルタイム性が求められるアセットの即時取引などの用途には不向きである。これに対して、本実施形態では、仲介サーバ5が、消費者Caが電力等のアセットを使用開始するタイミングではなく、消費者Caがアセットを使用した後に、ブロックチェーンネットワーク90で管理されているアセット情報で示される所有権者を元の所有権者から使用者(消費者Ca)に変更するための変更要求を、ブロックチェーンネットワーク90に送信する(S89)。このような後払いのような処理により、リアルタイム性が求められるアセットの即時取引などの用途にもブロックチェーンによるアセットの所有権の管理を行うことができるという効果を奏する。しかも、仲介サーバ5が提供者(生産者Aa等)及び使用者(消費者Ca等)に代わって、ブロックチェーンネットワーク90で管理されているアセット情報を変更させるため、提供者(生産者Aa等)及び使用者(消費者Ca等)は、アセット情報の変更を気にしないで電力の取引を行うことができるという効果も奏する。
【0162】
更に、仲介サーバ5は、アセットの生産方法の特定種類の所有権者を変更することで、太陽光等の再生可能エネルギーを利用して生産された電力等のアセットの即時取引などの用途にも利用することができるという効果を奏する。
【0163】
〔その他〕
上記実施形態では、アセット情報にアセットの所有権者を示す情報が含まれているが、場合によっては所有権者を示す情報が含まれないようにしてもよい。例えば、使用者が生産者でもある場合のように、使用者が自給自足を行う場合、他人(他社)へアセットを移転する必要がないため、生産方法の種類を証明できれば良い。
【0164】
また、上記実施形態では、アセットの一例として電力が示されたが、これに限るものではなく、以下のように、物理的に(又は現実に)存在するアセットと物理的に(又は現実に)存在しないアセットも含まれる。
【0165】
物理的に(又は現実に)存在するアセットとして、穀物、野菜、果物、肉、水産物又は加工品等の食物が挙げられる。アセットが、穀物、野菜及び果物の場合、アセット情報は、農薬を使ったか否かを示す情報、又は生産者若しくは生産地を示す情報等の付帯情報である。アセットが肉の場合、アセット情報は、遺伝子組み換え作物を使って飼育された動物であるか否かを示す情報、又は生産者若しくは生産地を示す情報等の付帯情報である。アセットが魚や貝等の水産物の場合、アセット情報は、天然物又は養殖物を示す情報、又は生産者(漁獲者)若しくは生産地域(漁獲地域)を示す情報等の付帯情報である。アセットが加工品の場合、アセット情報は、アレルギー物質を示す情報、遺伝子組み換え作物を使って加工されたか否かを示す情報、又は、加工者若しくは加工所の場所を示す情報等の付帯情報である。
【0166】
更に、物理的に(又は現実に)存在するアセットとして、土地や建物等の不動産、品物又は品物の量等の動産が挙げられる。アセットが不動産の場合、アセット情報は所有権等の付帯情報である。アセットが動産の場合、アセット情報は所有権等の付帯情報である。
【0167】
一方、物理的に(又は現実に)存在しないアセットとして、トークン(仮想通貨)又はトークンの量、二酸化炭素排出権、知的財産権等の権利、契約等が挙げられる。アセットがトークンの場合には、アセット情報は所有権等の付帯情報である。アセットが二酸化炭素排出権の場合には、アセット情報は所有権等の付帯情報である。アセットが知的財産権等の権利の場合には、アセット情報は、権利の帰属者、権利譲渡先、及び実施権者等の付帯情報である。アセットが契約の場合には、アセット情報は、契約条件や履行状況等の付帯情報である。なお、契約だけでなく、条約、協定、約束、覚書、メモ等も契約と同様である。
【0168】
また、後払いの処理のような場合のアセットとしては、電力だけでなく、ガス、水道水、通話等が含まれる。ガス、水道水、及び通話の場合には、アセット情報は所有権等の付帯情報である。
【0169】
各CPU201,301,501,901等の各構成要素は、単一であってもよく複数であってもよい。
【0170】
また、上述の実施形態における各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本実施形態における「処理回路」は、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上述した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)、SOC(System on a chip)、GPU、及び従来の回路モジュール等のデバイスを含む。
【0171】
更に、発電装置4a(4b)にスマートメータ3a(3b)である装置又は機能が設けられていてもよい。また、電気装置8にスマートメータ3cである装置又は機能が設けられていてもよい。
【0172】
また、上記各プログラムは、DVD等の記録媒体に記録されることで、流通されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0173】
1 取引システム
2 スマートフォン(通信端末の一例)
3 スマートメータ(計測端末の一例)
4 発電装置
5 仲介サーバ
8 電気装置
9 ノード
10 送配電ネットワーク
51 送受信部(受付部)
53 決定部
90 ブロックチェーンネットワーク
91 送受信部
95 判断部
96 トランザクション処理部
97 アセット処理部
100 通信ネットワーク
5001 使用者管理DB
5002 提供者管理DB
5003 取引内容管理DB
5004 取引履歴管理DB