(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】プラズマチャンバ状態モニタリングのための容量性感知データ統合
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20240709BHJP
H05H 1/46 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
H01L21/302 103
H05H1/46 R
H05H1/46 M
(21)【出願番号】P 2022552755
(86)(22)【出願日】2021-01-15
(86)【国際出願番号】 US2021013717
(87)【国際公開番号】W WO2021178051
(87)【国際公開日】2021-09-10
【審査請求日】2022-11-01
(32)【優先日】2020-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】パン, ヤオリン
(72)【発明者】
【氏名】テ, パトリック ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ウィルワース, ミカエル ディー.
(72)【発明者】
【氏名】テデスキ, レナード
(72)【発明者】
【氏名】シャン, キイキ-シー エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】タラブキネ, ミハイル ヴィー.
(72)【発明者】
【氏名】ハーディー, チャールズ アール.
(72)【発明者】
【氏名】ナガラジャン, シヴァサンカール
【審査官】小▲高▼ 孔頌
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-522900(JP,A)
【文献】特表2009-510699(JP,A)
【文献】特開2014-130319(JP,A)
【文献】特表2013-512447(JP,A)
【文献】特表2007-502519(JP,A)
【文献】特表2012-513872(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0034811(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の容量性センサと、
容量デジタル変換器であって、
前記複数の容量性センサに連結された分離インターフェース、
前記分離インターフェースに連結された電源、
前記分離インターフェースに連結されたフィールドプログラマブルゲートアレイファームウェア、及び
前記フィールドプログラマブルゲートアレイファームウェアに連結された特定用途向け集積回路
を備える、容量デジタル変換器と、
前記容量デジタル変換器に連結された応用プロセスサーバであって、システムソフトウェアを備える応用プロセスサーバと
を備え、
前記複数の容量性センサの個々のセンサは各々、集積回路間バス及び電源ラインを含む相互接続によって、前記容量デジタル変換器の前記分離インターフェースに連結される、プラズマチャンバモニタリングシステム。
【請求項2】
複数の容量性センサと、
容量デジタル変換器であって、
前記複数の容量性センサに連結された分離インターフェース、
前記分離インターフェースに連結された電源、
前記分離インターフェースに連結されたフィールドプログラマブルゲートアレイファームウェア、及び
前記フィールドプログラマブルゲートアレイファームウェアに連結された特定用途向け集積回路
を備える、容量デジタル変換器と、
前記容量デジタル変換器に連結された応用プロセスサーバであって、システムソフトウェアを備える応用プロセスサーバと
を備え、
前記容量デジタル変換器の前記特定用途向け集積回路は、etherCAT特定用途向け集積回路であ
り、前記etherCAT特定用途向け集積回路は、前記システムソフトウェアのシームレスな統合と、前記複数の容量性センサのうちのいくつかのセンサの同時制御とを提供する
、プラズマチャンバモニタリングシステム。
【請求項3】
複数の容量性センサと、
容量デジタル変換器であって、
前記複数の容量性センサに連結された分離インターフェース、
前記分離インターフェースに連結された電源、
前記分離インターフェースに連結されたフィールドプログラマブルゲートアレイファームウェア、及び
前記フィールドプログラマブルゲートアレイファームウェアに連結された特定用途向け集積回路
を備える、容量デジタル変換器と、
前記容量デジタル変換器に連結された応用プロセスサーバであって、システムソフトウェアを備える応用プロセスサーバと
を備え、
前記容量デジタル変換器の前記フィールドプログラマブルゲートアレイファームウェアは、決定論的タイミング及び前記複数の容量性センサのうちのいくつかのセンサとの同時通信を提供する、プラズマチャンバモニタリングシステム。
【請求項4】
前記etherCAT特定用途向け集積回路は、前記複数の容量性センサの個々のセンサを初期化し較正する、請求項
2に記載のプラズマチャンバモニタリングシステム。
【請求項5】
前記応用プロセ
スサーバは、前記複数の容量性センサからの容量センサデータをプロセス方策と同期させる、請求項1
から請求項3のいずれか一項に記載のプラズマチャンバモニタリングシステム。
【請求項6】
前記複数の容量性センサの個々のセンサは、前記容量デジタル変換器の前記分離インターフェースに並列に連結される、請求項1
から請求項3のいずれか一項に記載のプラズマチャンバモニタリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年3月6日に出願された米国特許出願第16/812,081号の優先権を主張し、その全内容が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示の実施形態は、プラズマチャンバ状態モニタリングの分野に関し、特に、プラズマチャンバ状態モニタリングのための容量性感知データ統合に関する。
【背景技術】
【0003】
マイクロエレクトロニクスデバイス、ディスプレイデバイス、マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)などの製造には、1つ又は複数の処理チャンバの使用が必要である。例えば、様々なデバイスを製造するために、限定されないが、プラズマエッチングチャンバ、プラズマ化学気相堆積チャンバ、物理的気相堆積チャンバ、プラズマ処理チャンバ、又はイオン注入チャンバなどの処理チャンバが使用されうる。このようなデバイスでスケーリングにより限界寸法が縮小されるにつれて、均一な処理条件(例えば、単一基板にわたる均一性、異なるロットの基板間での均一性、及び施設内のチャンバ間での均一性)の必要性が、大量生産(HVM)環境においてますます重要になっている。
【0004】
多くの様々な原因から、処理の不均一性が生じる。そのような原因の1つは、チャンバ自体の状態である。即ち、基板がチャンバ内で処理される際に、チャンバ環境が変化しうる。例えば、エッチングプロセスにおいて、エッチング副生成物は、再堆積プロセスの結果として、チャンバの内部表面上に堆積されうる。チャンバの内部表面上に再堆積層が蓄積すると、プロセス方策のその後の反復でプラズマ化学物質が変化し、プロセスドリフトが発生する可能性がある。
【0005】
処理ドリフトに対抗するために、処理チャンバは、定期的に洗浄されうる。チャンバ状態をリセットするために、インシトゥ(その場)チャンバ洗浄(ICC)が実施されうる。現在、ICCは主に方策ベースである。即ち、処理チャンバを洗浄するために、設定された方策が実行される。いくつかのICCは、プロセス方策の終点決定のために発光分析(OES)システムを使用することがある。しかしながら、処理チャンバの内部表面の状態(例えば、再堆積層の厚さ、シーズニング層の厚さ等)を直接測定する方法はない。
【0006】
処理チャンバの部分を手動で洗浄するために、又は処理チャンバ内の摩耗した消耗品を交換するために、処理チャンバが開放されることもある。しかしながら、処理チャンバを開放することは、処理チャンバが所望の真空圧力までポンプで戻され、シーズニングされる必要があり、生産基板が処理されうる前にチャンバを再検証する必要があるので、かなりのダウンタイムが生じる。処理チャンバを開放することは、所定の間隔で(例えば、特定の数の基板が処理された後に)、又は偏位(excursion)が検出された後に、行われうる。所定の間隔に依存することにより、結果的に、チャンバをあまりにも頻繁に開放することになりうる。したがって、スループットが低下する。偏位が検出される場合、チャンバ状態の修正は、生産基板への損傷が既に発生した後に行われる。したがって、歩留りが低下する。
【発明の概要】
【0007】
本開示の実施形態は、プラズマチャンバ状態モニタリングのための容量性感知データ統合を含む。
【0008】
実施形態では、プラズマチャンバモニタリングシステムは、複数の容量性センサと、容量デジタル変換器と、容量デジタル変換器に連結された応用プロセスサーバとを含み、応用プロセスサーバは、システムソフトウェアを含む。容量デジタル変換器は、複数の容量センサに連結された分離インターフェース、分離インターフェースに連結された電源、分離インターフェースに連結されたフィールドプログラマブルゲートアレイファームウェア、及びフィールドプログラマブルゲートアレイファームウェアに連結された特定用途向け集積回路を含む。
【0009】
別の実施形態では、プラズマチャンバモニタリングシステムのための相互接続は、容量性センサモジュールの容量デジタル変換器に連結するための第1のコネクタと、電子機器及び外部電源に連結するための第2のコネクタと、第1のコネクタと第2のコネクタとに連結され且つこれらの間にあるシールドケーブル(shielded cable)とを含む。シールドケーブルは、相互接続をプラズマチャンバのフレームに物理的に接続するためのシールド金属(shielding metal )と、シールド金属内に収納された電源ラインと、シールド金属内に収納された接地ラインと、シールド金属内に収納された1つ又は複数の通信ラインとを含む。
【0010】
別の実施形態では、プラズマチャンバ状態モニタリングのためのデータを統合する方法は、容量性センサモジュールからデータサーバにデータをストリーミングすることを含む。データは、容量データ及び温度データを含む。この方法はまた、応用プロセスプロセスサーバ上でデータを収集することを含む。本方法はまた、データを1つ又は複数のプロセス方策動作に相関させることを含む。この方法はまた、容量性センサモジュールを1つ又は複数のプロセス方策動作と同期させることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】従来のプラズマチャンバモニタリングシステムを示す概略図である。
【
図2A】本開示の実施形態によるプラズマチャンバモニタリングシステムを示す概略図である。
【
図2B】本開示の別の実施形態によるプラズマチャンバモニタリングシステムを示す概略図である。
【
図3】本開示の実施形態によるプラズマチャンバモニタリングシステムのための相互接続を示す。
【
図4】本開示の別の実施形態によるプラズマチャンバモニタリングハードウェアを示す概略図である。
【
図5A】本開示の実施形態による、信号データ及びノイズを含む容量及び温度データのプロットである。
【
図5B】本開示の実施形態による、フィルタリング動作に続く、
図5Aのプロットの容量及び温度データのプロットである。
【
図5C】本開示の実施形態による、データ処理及びあてはめ(fitting)に続く、
図5Bのプロットの容量及び温度データのプロットである。
【
図6】本開示の実施形態による容量パラメータ定義のプロットである。
【
図7A】本開示の実施形態による、二次あてはめ(quadratic fit)及び指数関数あてはめ(exponential fit)などの高次回帰あてはめ(higher order regression fitting)のプロットである。
【
図7B】本開示の実施形態による、温度パラメトリック抽出/回帰モデルからの例示的データのプロットである。
【
図8】本開示の実施形態による、1つ又は複数の容量性センサを含むプラズマ処理チャンバの断面図を示す。
【
図9】本開示の実施形態による、容量性センサの断面図を示す概略図である。
【
図10】本開示の実施形態による、容量性センサを有するセンサモジュールを含むセンサシステムを示す概略図である。
【
図11】本開示の実施形態による、種々の場所における容量性センサモジュールの統合を含む処理装置を示す概略図を提供する。
【
図12A】本開示の実施形態による、1つ又は複数のセンサモジュールを含むプラズマ処理装置の断面図を示す概略図である。
【
図12B】本開示の実施形態による、
図12Aのプラズマ処理装置のチャンバ本体アセンブリのスポーク内のアクセスチューブのレイアウトの概略図である。
【
図13】本開示の実施形態による、1つ又は複数の容量性センサモジュールを含みうる処理装置の断面図である。
【
図14】本開示の実施形態による、処理ツールの例示的なコンピュータシステムのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
プラズマチャンバ状態モニタリングのための容量性センサ及び容量性感知データ統合について記載される。以下の説明では、本開示の実施形態を完全に理解できるように、チャンバ構成及び容量性センサアーキテクチャなどの多数の具体的な詳細が記載される。これらの具体的な詳細事項がなくとも本開示の実施形態が実施されうることが、当業者には明らかだろう。他の事例では、本開示の実施形態を不必要に不明瞭にしないために、詳細なチャンバ仕様といった、周知の態様については、詳細に説明していない。更に、図に示す様々な実施形態は例示的な表現であり、必ずしも縮尺どおりに描かれているわけではないと理解されたい。
【0013】
1つ又は複数の実施形態は、処理チャンバの状態をモニタするための容量性センサ及びシステムを対象とする。実施形態は、データ統合及び処理アルゴリズム、処理チャンバ内に位置する戦略的センサ、センサ構造及び材料、電子機器、データ処理アルゴリズム、並びに1つ又は複数のセンサと処理ツールとのシステム統合に適用可能でありうるか、又はこれらを含みうる。
【0014】
本開示の実施形態によれば、センサは、少なくとも4つの場所、即ち、チャンバ壁、チャンバリッド、床下真空(SVF)ポート内、及び/又はエッジリング、のうちの1つ又は複数においてチャンバ壁モニタリングのために使用される。本明細書に記載されるセンサモジュール/ハウジング構造及びアセンブリは、例えば、摂氏400度までの処理温度に適合しうる。特定の実施形態は、容量性の壁センサ、オンチップ熱センサ、及び/又はセラミック基板などの基板上のセンサを含みうる。
【0015】
コンテキストを提供するために、他のチャンバ壁モニタリングアプローチ(例えば、光学的、圧電的、RFインピーダンスなど)と比較して、本明細書に開示されるセンサ及びセンサの場所により、ICC最適化又はチャンバシーズニングのためのプロセス方策の各動作における壁堆積又は洗浄などの条件に直接関係する容量変化の測定(及びオプションで温度の測定)が可能になり、更に予防保守(PM)周波数を最小限(例えば、2倍数を上回る低減(>2x reduction))にできる。実施形態はまた、生産における生産性及び歩留りを大幅に改善するために、プロセス安定性又はドリフトの予測を可能にしうる。
【0016】
いくつかの実施形態は、2つの感知技術の実施態様、例えば、高感度及びリアルタイム測定を伴うチャンバ壁状態モニタリングのための容量性センサ及び熱センサの組み合わせを含む。基板上センサ(sensors-on-substrate)を含む実施形態は、センサモジュールの小型化及び信号の完全性の利益をもたらすためだけでなく、信頼性と同様に堅牢なデバイス性能をもたらすために実装されうる。データ同期スキーム並びにプロセスアルゴリズムは、プロセス制御への直接フィードバックを可能にしうる。
【0017】
いくつかの実施形態では、副生成物の蓄積を測定し、ICCルーチンを最適化し、偏位を識別し、及び/又はより速いPM回復を提供するために、本明細書に記載のチャンバ内センサが使用されうる。いくつかの実施形態は、最先端のアプローチで温度測定を実行できない場所での温度測定を可能にする。本明細書に記載される実施形態の実施態様は、チャンバのマッチング、シーズニング手順の最適化、偏位の識別、粒子生成予測、プロセス性能予測(例えば、エッチング速度及びエッチングの不均一性など)、PM予測、リング位置補償のためのリング侵食予測、プロセス偏位予測、壁吸収及び脱着の測定、fab偏位(fab excursion)検出、及び/又は混合ロットによるチャンバベースラインのモニタリングを可能にしうる。
【0018】
本明細書に記載の実施形態は、センサデータのためのデータ同期を含みうる。1つの実施形態では、本明細書に記載のデータ同期アプローチは、壁センサデータなどのセンサデータを、プロセス情報(プロセス方策動作など)と共に所定の積分時間と相関させるように実装することができる。特定のそのような実施形態では、所定の積分時間は、例えば、20ms、50ms、100msなどのスケール上にある。1つの実施形態では、本明細書に記載されるデータ同期アプローチは、壁センサデータなどのセンサデータを、他のインシトゥ(その場)センサデータ(例えば、発光分光分析(OES)データ、圧力データ、ガス流データ、温度データ、高周波(RF)データなど)と相関させるように実装することができる。1つの実施形態では、本明細書に記載のデータ同期アプローチは、プロセス特性評価及びプロセス開発のための壁(又は他の場所)センサからの自動データ抽出を可能にするように実装することができる。1つの実施形態では、本明細書に記載のデータ同期アプローチは、プロセス制御及びモニタリングのための壁センサによる新しい計測を確立できるように実装することができる。
【0019】
比較のために、
図1は、従来のプラズマチャンバモニタリングシステム100を示す概略図である。
図1を参照すると、システム100は、相互接続108によって特定用途向け電子機器106に連結された容量センサ104を有する容量性センサモジュール102を含む。特定用途向け電子機器106は、SDカードなどのメモリカード110を含む。センサデータは、手動手順114によってオフラインパーソナルコンピュータ112に配信される。ユーザインターフェース116は、経路118によってオフラインパーソナルコンピュータ112に連結される。
【0020】
再び
図1を概略的に参照すると、従来のプラズマチャンバモニタリングシステム100は、コントローラアセンブリあたり1つの容量センサのみをサポートする。データは、取り外し可能な媒体にローカルに取り込まれ保存される。プロセス制御サーバには接続していない。また、データはオフライン分析のためにプロセス制御サーバに手動で移動される。
【0021】
図1と比較すると、
図2Aは、本開示の実施形態によるプラズマチャンバモニタリングシステム200を示す概略図である。
図2Aを参照すると、システム200は、対応する相互接続208A、208B、208C又は208Dによって、特定用途向け電子機器206に連結されたいくつかの容量センサ(例えば、204A、204B、204C及び204Dとして示される例示的な4つのセンサ)を示す。特定用途向け電子機器206は、etherCATラインなどの相互接続212によってサーバ210に連結される。
【0022】
再び
図2Aを概略的に参照すると、実施形態では、プラズマチャンバモニタリングシステム200は、コントローラアセンブリごとにいくつかの容量センサをサポートする。データは捕捉され、例えばetherCATを介して、リアルタイムでプロセスサーバに転送される。システム200は、容量センサデータの、プロセス方策情報及び/又は他のシステムセンサとのプロセス方策同期を可能にする。1つの実施形態では、データストリームは、センサからデータサーバに向かう。1つの実施形態では、外部電子コントローラ及び対応するデータ処理ユニットへのインターフェース(例えば、etherCAT)がある。1つの実施形態では、センサデータは、プロセス情報に相関付けられる。1つの実施形態では、システム200は、データ抽出、データ処理、及び/又はデータ分析などの動作を可能にする又は実行することができる。
【0023】
システム200はまた、センサステータスを実行及び制御することができる。実施形態では、データサーバは、センサを調整及びプライミングし、センサを初期化し、センサをリセットし、及び/又はセンサドリフトを能動的に補償することができる。実施形態では、データサーバは、データノイズ除去及び回帰、パラメータ抽出、及びデータモデリングなどのデータ処理を実行することができる。データサーバはまた、プロセス及びチャンバ性能を予測及びモニタするためにセンサによる機械学習のためのアルゴリズムで実装されうる。
【0024】
図2Bは、本開示の別の実施形態による、プラズマチャンバモニタリングシステム250を示す概略図である。
【0025】
図2Bを参照すると、プラズマチャンバモニタリングシステム250は、容量デジタル変換器(CDC)を有する複数の容量性センサを含む(示された例では、4つは、254A、254B、254C及び254Dとして図示されるが、任意の適切な数のセンサが使用されうる)。CDCの出力は、I2C、SPI、UARTなど、デジタルデータストリームの任意の形式である。また、プラズマチャンバモニタリングシステム250は、電子プラグインモジュール(electronics plugin module:EPM)260を介して容量デジタル変換器出力に連結された応用プロセスサーバ276を含むことができる。応用プロセスサーバ276は、システムソフトウェアを含む。EPM260は、容量性センサ254A、254B、254C及び254DのCDCの複数の出力に連結された分離インターフェース262と、分離インターフェース262に連結された(266)電源265と、分離インターフェース262に連結されたフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)ファームウェア268と、フィールドプログラマブルゲートアレイファームウェア268に連結された(274)特定用途向け集積回路(ASIC)272とを含む。
【0026】
1つの実施形態では、EPM260の特定用途向け集積回路272は、etherCAT特定用途向け集積回路である。1つのこのような実施形態では、etherCAT特定用途向け集積回路は、システムソフトウェアのシームレスな統合と、複数の容量性センサ254A、254B、254C及び254Dのうちのいくつかのセンサの同時制御を提供する。他のこのような実施形態では、etherCAT特定用途向け集積回路は、複数の容量性センサ254A、254B、254C及び254Dの個々のセンサを初期化及び較正する。1つの実施形態では、EPM260の特定用途向け集積回路272は、etherCAT接続によって応用プロセスサーバ276に連結される(278)。
【0027】
1つの実施形態では、応用プロセスサーバ276は、複数の容量性センサ254A、254B、254C及び254Dからの容量センサデータを、プロセス方策と同期させる。1つの実施形態では、EPM260のフィールドプログラマブルゲートアレイファームウェア268は、複数の容量性センサ254A、254B、254C及び254Dのうちの複数のセンサとの決定論的タイミング及び同時通信を提供する。
【0028】
1つの実施形態では、複数の容量性センサ254A、254B、254C及び254Dの個々のセンサは、図示されているように、EPM260の分離インターフェース262に並列に連結される。1つの実施形態では、複数の容量性センサ254A、254B、254C及び254Dの個々のセンサは各々、集積回路間バス(I2C、SPI、UARTなど)及び電源ラインを含む相互接続によって、EPM260の分離インターフェース262に連結される。
【0029】
再び
図2Bを概略的に参照すると、実施形態において、プラズマチャンバモニタリングシステム250の応用プロセスプロセスサーバは、容量センサデータをプロセス方策及び他のシステムセンサと同期させて、オンウエハ結果を改善する。実施形態では、etherCATデバイスの定義は、シームレスなシステムソフトウェア統合及び複数の容量センサの同時制御を保証するようにカスタマイズされる。実施形態では、ECAT ASIC上のカスタムファームウェアは、容量センサを初期化及び較正して、高速積分時間、高精度、及び反復可能な測定を実現する。実施形態では、カスタムファームウェアは、フィードバックとしてのセンサドリフト(容量ドリフト、温度ドリフト)をモニタし、センサをリセットするために、センサドリフトを所定のアルゴリズムで補償することができる。実施形態では、カスタムFPGAファームウェアは、決定論的タイミング及び複数の容量センサとの同時通信を可能にする。実施形態において、電力分配及び分離設計は、容量性センサアナログ測定の高い信号対ノイズ(SNR)及びデータ通信堅牢性を保証する。
【0030】
別の態様では、センサモジュールとインターフェース連結するためのコネクタが記載される。このようなコネクタは、電力をEPMからセンサにルート決めすることができる。このようなコネクタは、センサとEPMとの間に共通の接地を提供することができる。そのようなコネクタは、センサからEPMへのデータストリームを提供することができる。そのようなコネクタは、センサデータクロッキングを同期させることができる。このようなコネクタは、ハードウェア高周波(RF)アース接地を提供するために使用することができる。
【0031】
例示的なコネクタとして、
図3は、本開示の実施形態による、プラズマチャンバモニタリングシステムのための相互接続300を示す。
【0032】
図3を参照すると、相互接続300は、容量性センサモジュール302の容量デジタル変換器に連結するための第1のコネクタ306と、EPM310及び外部電源312(5VのDC電源など)に連結するための第2のコネクタ308と、第1のコネクタ306と第2のコネクタ308とに連結され且つこれらの間にあるシールドケーブル304とを含む。シールドケーブル304は、例えば、位置330における相互接続300をプラズマチャンバのフレームに物理的に接続するための、シールド金属328を含む。シールドケーブル304はまた、シールド金属328内に収納された電源ライン(326Aから326Bまでのライン)と、シールド金属328内に収納された接地ライン(324Aから324Bまでのライン)と、シールド金属328内に収納された1つ又は複数の通信ライン322(2つが図示されている)とを含む。
【0033】
1つの実施形態では、シールド金属328内に収納される電源ライン(326Aから326Bまでのライン)は、3~4ボルトの電源ラインである。1つの実施形態では、シールド金属328内に収納される1つ又は複数の通信ライン322の各々は、データバス(I2C、SPI、又はUART)であるか、又はこれを含む。1つの実施形態では、シールド金属328内に収納された接地ライン(324Aから324Bまでのライン)は、容量性センサモジュール302及び電子機器310の共通の接地を提供する。1つの実施形態では、シールド金属328内に収納された1つ又は複数の通信線322は、センサデータクロッキングを同期させる。
【0034】
別の態様では、ハードウェアの実施態様が説明される。例示的な実施態様として、
図4は、本開示の別の実施形態による、プラズマチャンバモニタリングハードウェア400を示す概略図である。
【0035】
図4を参照すると、プラズマチャンバモニタリングハードウェア400は、センサASIC402(壁センサASICなど)、アプリケーションプリント基板(PCB)404、及びデバイス407を含むetherCATマスタ406を含む。センサASIC402は、PCB404上のコネクタ(又は複数のコネクタ)408に連結される(410/412)。コネクタ(又は複数のコネクタ)408は、PCB404上の電源414に連結される(416/418)。電源414は、電源420(24V源など)に連結され、電源420は、接地422に連結される。PCB404は、分離バリア424を含む。電源414は、分離バリア424の分離(isolation)426に連結される(428)。分離426は、分離バリア424上の1つ又は複数のアプリケーション集積回路430に連結される(432)。第2のPCB434は、アプリケーションPCB404の分離バリア424に含まれる。第2のPCB434は、etherCAT ASIC436と、FPGA438と、分離(isolation)440とを含む。分離バリア424の1つ又は複数のアプリケーション集積回路430は、第2のPCB434の分離440に連結される(437)。etherCAT ASIC436は、第2のPCB434の分離440に連結され(442)、FPGA438に連結される(444)。また、FPGA438は、第2のPCB434の分離440に連結される(446)。電源448は、第2のPCB434の分離440に連結される。第2のPCB434はまた、etherCAT ASIC436に連結された(454)etherCATコネクタ452も含む。第2のPCBのetherCATコネクタ452は、etherCATマスタ406に連結され、また、アプリケーションPCB404上の更なるetherCATコネクタ458にも連結されうる(460)。含まれる場合、追加のetherCATコネクタ458は、図示されたように、etherCATマスタ406に連結されうる(462)。
【0036】
再び
図4を概略的に参照すると、実施形態では、etherCATプラグインモジュールは、I2C又はシリアルペリフェラルインターフェース(SPI)を備えたコネクタを有するセンサへのインターフェースを含む。実施形態では、ハードウェアは、1つ又は複数のセンサに電力供給を提供する。実施形態では、データストリーミング及びデータ抽出制御のために、FPGA及びASICが含まれる。実施形態では、ハードウェアは、センサ動作構成及びチャネル割り当てのためのファームウェアの実装を含む。実施形態では、ハードウェアは、etherCAT(ECAT)プロセスユニットを含む。実施形態では、ハードウェアは、ECATマスタへのコネクタを含む。実施形態では、ハードウェアは、RFノイズを最小化するための接地スキームを提供する。
【0037】
本明細書に記載のシステム又はハードウェア実装のための実施形態では、基本構成は、(1)マルチチャネル能力を含むチャネル構成及び再構成、(2)各センサを個別に動作させることができ、又はすべてのセンサをまとめて結合することができ、これらはソフトウェアコマンドに依存しうるか若しくはソフトウェアコマンドによって制御されうるか、及び/又は(3)温度チャネル制御(例えば、外部熱センサのための)、クロック(CLK)制御(例えば、二重変換時間)、及び/又はコンデンサ変換時間制御を含む入力/出力チャネル再構成のうちの1つ又は複数を含むことができる。
【0038】
本明細書に記載のソフトウェア実装のための実施形態では、要件は、(1)センサからデータサーバへのデータストリーミング、サーバ上のセンサデータ収集、プロセスシーケンスへの相関、及び製造プロセスとのセンサ同期、(2)データフィルタリング(例えば、センサデータフィルタリング及びノイズ除去)、センサデータ回帰モデリング、センサパラメータ抽出、及びプロセスレポート生成を含みうるデータ処理及びパラメトリック抽出、(3)(a)電源サイクルをリセットし、センサのプラグを差し込み、センサの初期化を提供し、データを読み取りセンサステータスを検証し、及び/又は容量(pF)と温度(度)値を出力することができるスタートアップ動作モード、(b)方策と同期し、(例えば、データバッファ時間を提供するために)プロセス方策が開始する前に容量と温度データをストリーミングし、プロセス方策時間と一致するタイムスタンプを提供し、及び/又はツールのアイドル中にデータ収集を可能にできる生産モード、(c)データストリームとデータロギングを手動で決定することができるエンジニアリングモード、(d)較正及び/又はオフセット補正の実行、(e)寄生容量の補償(例えば、システムオフセット較正及び/又は利得係数較正による)、(f)ドリフティング補償(同期調整)の達成(effect drifting compensation(zero-in))、及び/又は(g)データストリーミングと保存を通したデータ収集の実行による、センサの動作制御のうちの1つ又は複数を含みうる。
【0039】
本明細書に記載の1つ又は複数の実施形態によれば、センサは、2つのタイプのトレース、すなわち、容量及び温度を生成する。1つの実施形態では、エンジニアリングユースケースの場合、容量及び温度の両方の生データは、サーバにおいて未修正として保存される。データ収集は、処理中にプロセスシーケンスと同期される。データ収集は、アイドル状態中に実行することができる。アイドル状態の間のデータストリームは、較正、補正、及びリセットのための容量性センサのベースラインとして使用することができる。加えて、アイドル状態の間のデータストリームは、チャンバのベースライン状態をモニタし、チャンバ内の偏位を検出するためにも使用される。データは、更に処理され、報告される。1つの実施形態では、生産ユースケースのために、温度トレースが保存される。温度トレースも処理され、容量トレースが処理される。
【0040】
本明細書に記載の1つ又は複数の実施形態によれば、フィルタリング及びノイズ除去などのデータ処理は、(1)以下の式に基づきうる移動平均(N~2)の計算:
;j=1,2,3,4,及び/又は(2)回帰モデリング、データ抽出及びフィルタリング(センサモジュールから)、データレポート生成(容量対時間/プロセス動作)、及び/又は温度データ(時間/プロセス動作に対する)の使用を含みうるパラメータ抽出を含む。
【0041】
本明細書に記載の1つ又は複数の実施形態によれば、データ処理フロー(データ処理アルゴリズムの使用を含みうる)は、(1)プラズマオフ、プラズマオン、及びアイドル状態などの状態のためのデータ(容量及び温度)ストリーム及び収集、(2)方策(例えば、プラズマオフ)による及び/又はノイズ除去プロセス(例えば、移動平均)によるデータフィルタリング、(3)回帰モデル、モデルあてはめ(model fitting)、パラメータ抽出、及び/又はデータ出力アルゴリズムの使用を含みうるデータあてはめ、及び/又は(4)プロセス制御のためのプロセスフィードバックを含みうる。
【0042】
別の態様では、容量センサデータ(いくつかの実施形態では、同様に温度データを含むことができる)のためのデータ統合の例示的な実施態様が、例示的なデータセットに基づいて記載される。
【0043】
図5Aは、本開示の実施形態による、温度502及び容量504のための信号データを含む、容量及び温度データのプロット500である。プロット500の容量及び温度データは、サーバに提供される未加工の容量及び温度データでありうる。
【0044】
図5Bは、本開示の実施形態による、フィルタリング動作後のプロット500の容量及び温度データのプロット520である。プロット520の容量及び温度データは、温度データ502及びノイズ除去された容量データ522を含む。結果として生じるフィルタリングトレースは、RF電力セットポイントに基づくことができる。
【0045】
図5Cは、本開示の実施形態による、データ処理及びあてはめ(fitting)後のプロット520の容量及び温度データのプロット540である。1つの実施形態では、個々の容量及び温度トレースは、以前に適用可能なモデルを用いてあてはめることができる。トレースから抽出されたパラメータを方策動作に関連付けること、関連するプロセス方策動作にあてはめパラメータを記録すること、及び/又はデータプロット(例えば、抽出されたパラメータ対プロセス時間又は動作)を生成することによって、データを出力することができる。プロセスフィードバック制御は、外れ値検出、ドリフト、エッチング速度(ER)/プロセス制御(PC)/他のセンサデータなどのために、上記のパラメータを監視することにより実装されうる。データは、プラズマプロセスチャンバのための壁のクリーン/ダーティステータス(clean/dirty status)の視覚的インジケータを提供するために使用することができる。
【0046】
図6は、本開示の実施形態による、容量パラメータ定義のプロット600である。
図6を参照すると、実施形態では、容量データは、プラズマがオフであるときであり、例えば、プラズマオフ事象602からプラズマオン事象604までの範囲のデータ606である。606などのトレースは、方策設定点によって定義されるように、プラズマ事象の間に抽出される。トレースデータプロセスとパラメータが抽出される。抽出されたパラメータは、先行するステップ/方策/動作に関連付けることができる。1つの実施形態では、トレース長=tw-toであり、xs<トレース長<ysである。トレース長がxs未満の場合は、無視される。トレース長がysより大きい場合、最初のysのみを含めるように切り捨てられうる。
【0047】
1つの実施形態では、容量パラメトリック抽出/回帰モデルは、以下を含みうる。一次パラメータ:容量ベースライン:Cbase;;容量変化:
;プラズマオフ中の容量ドリフト:
;プラズマオフ中の平均容量(例えば、深さ/洗浄量を決定するための):
,ここで
が記録される。
【0048】
図7Aは、本開示の実施形態による、二次あてはめ702及び指数関数あてはめ704などの高次回帰あてはめのプロット700である。回帰プロセスは、(1)回帰プロセスによるあてはめパラメータを抽出すること、(2)あてはめパラメータからCo、t、及びCinfを導くこと、(3)Co、t、Cinf、及びR2を記録することを含みうる。
【0049】
図7Bは、本開示の実施形態による、温度パラメトリック抽出/回帰モデルからの例示的なデータのプロット750である。温度パラメトリック抽出/回帰プロセスは、(1)上記で定義された容量トレースと同一時間に対応する温度トレースを抽出すること:トレース長(756、部分758及び760を除く)=tw;トレース長<zsである場合は無視するが、トレース長がzsより大きい場合は、最初のzsのみを含むように切り捨てる、(2)線形モデル
,によるあてはめ、並びに(3)M,をTo(752)及びTw(754)に記録することを含みうる。
【0050】
図8は、本開示の実施形態による、1つ又は複数の容量性センサを含むプラズマ処理チャンバの断面図を示す。
【0051】
図8を参照すると、プラズマ処理チャンバ800は、処理領域811を囲むチャンバ壁802を含む。ウエハ又は基板812は、処理領域811内で処理されうる。チャンバリッド804は、チャンバ壁802の上にあり、かつ処理領域811の上方にある。チャンバ床806は、チャンバ壁802の下にあり、かつ処理領域811の下方にある。支持ペデスタル808は、処理領域811内にある(より詳細には、処理領域811内に支持面810を含みうる)。支持ペデスタル808は、チャンバリッド804の下方に、かつチャンバ床806の上方にあり、チャンバ壁804に囲まれている。
【0052】
再び
図8を参照すると、実施形態では、チャンバ804の壁は、そこを通る開口部を有する。容量性センサモジュール816は、チャンバ壁804の開口部内にある。別の実施形態では、チャンバリッド804は、容量性センサモジュール814を含む。別の実施形態では、チャンバ床806は、排出口を含む。容量性センサモジュール820は、排出口内にあるか又は排出口に隣接している。別の実施形態では、支持ペデスタルは、基板支持領域を囲むリング構造(例えば、場所818)を含む。リング構造は、そこを通る開口部を含む。容量性センサモジュールは、リング構造の開口部内にある。実施形態では、プラズマ処理チャンバ800は、チャンバ壁804の開口部内にある容量性センサモジュール816、チャンバリッド804内の容量性センサモジュール814、チャンバ床806の排出口820内に又は排出口820に隣接している容量性センサモジュール、及び/又は、例えば、場所818において、リング構造の開口部内にある容量性センサモジュールのうちの1つ又は複数を含む。
【0053】
図9は、本開示の実施形態による、容量性センサの断面図を示す概略図である。
【0054】
図9を参照すると、容量性センサモジュール900は、駆動電極904及び感知電極902を含む。駆動電極904と感知電極902との間の材料906の測定された容量908は、材料906の組成、厚さなどが変化する又は変動すると、変動しうる。材料906は、1つの実施形態では、プロセスチャンバ内のウエハ又は基板上に堆積するための材料を表す。目的はウエハ又は基板上に堆積されないそのような余剰材料906を除去/排出することでありうるが、材料906の一部は、処理チャンバ内、最終的には処理チャンバ内の容量性センサモジュール900上に蓄積しうる。別の実施形態では、1つの実施形態では、材料906は、処理チャンバ内でウエハ又は基板をエッチングする間に形成されるエッチング副生成物を表す。目的はそのようなエッチング副生成物906を除去/排出することでありうるが、エッチング副生成物906の一部は、処理チャンバ内、最終的には処理チャンバ内の容量性センサモジュール900上に蓄積しうる。
【0055】
センサシステムは、センサモジュール、インターフェース電子機器、コントローラ、並びにプロセス制御及びデータ/プロセス同期のためのチャンバデータサーバとの統合を含みうる。例として、
図10は、本開示の実施形態による、容量性センサを有するセンサモジュールを含むセンサシステムを示す概略図である。
【0056】
図10を参照すると、センサシステムは、コントローラ1004に連結されるセンサモジュール1002を含み、次にコントローラ1004は、ユーザインターフェース1006に連結される。センサモジュール1002は、容量性センサ(1010として概略的に示され、又は1020として構造的に示される)を含む。容量性センサ1010は、容量デジタル変換器(CDC)インターフェース回路1012に連結される。モジュール1002内部への通信は、経路1014Aに沿って容量性センサ1010からCDCインターフェース回路1012まで、及び/又は経路1014Bに沿ってCDCインターフェース回路1012から容量性センサ1010まで、可能である。モジュール1002と外部との通信は、経路1016A及び1016Bに沿ってCDCインターフェース1012とコントローラ1004との間で可能である。コントローラ1004は、Vdd1018によってCDCインターフェース回路1012に連結されうる。
【0057】
ここで
図10を参照すると、実施形態による、センサ1020の断面図が示されている。実施形態では、センサ1020は、基板1022を含み、電極1024が基板1022の上に配置されている。実施形態では、電極1024は、超小型電子処理動作に適合する導電性材料であるか、又は導電性材料を含む。例えば、電極1024のための材料は、アルミニウム、モリブデン、タングステン、チタン、ニッケル、クロム、及びこれらの合金を含みうるが、これらに限定されない。
【0058】
実施形態では、電極1024は、基板1022を通る導電経路1028によって、基板1022の裏側のパッド1030に電気的に連結される。例えば、導電経路1028は、1つ又は複数のビア、トレースなどを含みうる。実施形態では、基板1022に埋め込まれた導電経路1028は、限定されないが、タングステン、モリブデン、チタン、タンタル、これらの合金などの導電性材料を含む。実施形態では、パッド1030は、限定されないが、チタン、ニッケル、パラジウム、銅などの材料を含む。いくつかの実施形態では、パッド1030は、CDCとの統合を改善するための多層スタックである。例えば、パッド1030は、チタン/ニッケル/パラジウム、チタン/銅/パラジウム、又は相互接続パッドに一般に使用される他の材料スタックなどのスタックを含みうる。
【0059】
実施形態では、電極1024及び基板1022の上面は、層1026(例えば、バリア層)によって覆われる。実施形態では、上層1026は、プラズマ化学種の攻撃又は侵食に耐性があり、拡散を制限する材料である。エッチングチャンバの特定の場合、使用される一般的なエッチャントは、フッ素である。したがって、そのような条件で使用される層1026は、フッ素エッチャントに対して耐性があるべきである。エッチングに使用されるプラズマチャンバの特定の実施形態では、層1022は、金属酸化物、金属フッ化物、及び金属酸化フッ化物のうちの1つ又は複数を含みうる。層1022は、限定されないが、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、オキシフッ化イットリウム、オキシフッ化イットリウムジルコニウム、酸化イットリウムアルミニウム、又は酸化ハフニウムなどの材料を含みうる。
【0060】
実施形態では、基板1022は、処理チャンバ内の処理条件(例えば、エッチング条件)に耐性のある適切な基板材料を含む。基板1022は、セラミック材料、ガラス、又は他の絶縁材料でありうる。いくつかの実施形態では、基板1022は、ポリマー材料などのフレキシブル基板である。例えば、基板1022は、限定されないが、シリコン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、プラスチック、又は他の絶縁材料などの材料を含みうる。センサの大量製造を可能にするために、基板1022は、大量製造(HVM)プロセスに適合する材料であってもよい。即ち、基板1022は、パネル形態、ウエハ形態などで利用可能な材料でありうる。
【0061】
本開示の1つの実施形態によれば、容量性センサ及び熱センサの両方が、1つのセンサモジュールに統合される(埋め込まれる)。そのような1つの実施形態では、壁センサモジュールは、容量性センサ、CDC、及び熱センサと、容量性センサ、CDC、及び熱センサをまとめて組み立てるためのハウジングユニットとを含む。
【0062】
再び
図10を参照すると、実施形態において、熱センサが、基板1022上に配置されている。例えば、熱センサは、基板1022の裏側(即ち、電極1024とは反対側の表面)に形成されうる。熱センサは、任意の適切な感知技術を含みうる。例えば、熱センサは、抵抗温度検出器(RTD)を形成するために複数のトレースを含むことができる。しかし、限定されないが、熱電対(TC)センサ又はサーミスタ(TR)センサ、又は光熱センサなどの他の熱センサが使用されてもよいと理解されたい。実施形態では、熱センサは、基板1022上に直接統合される。しかしながら、いくつかの実施形態では、熱センサを含む別個の構成要素が基板1022に装着されうると理解されたい。他の実施形態では、熱センサは、センサ1020に取り付けられたCDCに統合されてもよい。
【0063】
本開示の1つ又は複数の実施形態によれば、プラズマチャンバ状態モニタリングのためのデータを統合する方法は、容量性センサモジュールからデータサーバにデータをストリーミングすることを含む。データは、容量データ及び温度データを含む。この方法はまた、応用プロセスプロセスサーバ上でデータを収集することを含む。本方法はまた、データを1つ又は複数のプロセス方策動作に相関させることを含む。この方法はまた、容量性センサモジュールを1つ又は複数のプロセス方策動作と同期させることを含む。
【0064】
実施形態では、プラズマチャンバ状態モニタリングのためのデータを統合する方法は、応用プロセスプロセスサーバ上のデータを収集した後に、かつデータを1つ又は複数のプロセス方策動作に相関させる前に、データ処理及びパラメータ抽出を実行することを更に含む。そのような1つの実施形態では、データ処理を実行することは、データをフィルタリングすること及びデータをノイズ除去することを含む。特定のそのような実施形態では、データをフィルタリングすること及びデータをノイズ除去することは、移動平均アプローチを使用することを含む。別のそのような実施形態では、データ処理及びパラメトリック抽出を実行することは、データの回帰モデリングを含む。
【0065】
1つの実施形態では、プラズマチャンバ状態モニタリングのためのデータを統合する方法は、容量性センサモジュールを用いて、1つ又は複数のプロセス方策動作の1つ又は複数のパラメータをモニタリングすることを更に含む。そのような1つの実施形態では、本方法は、容量性センサモジュールによる1つ又は複数のプロセス方策動作の1つ又は複数のパラメータのモニタリングに基づいて、プラズマチャンバについてのクリーン/ダーティステータスを決定することを更に含む。
【0066】
壁/リッドセンサソリューション
以下は、例示的なパラメータ及び対応する(a)重要性、(b)ソリューション、及び(c)利益/使用である。
【0067】
壁及びリッドの温度:(a)1つ又は複数の第1のウエハ効果(限界寸法(CD)及びエッチング速度(ER))、粒子、熱膨張係数(CTE)、(b)センサの背面の温度計、(c)インシトゥ(その場)の温度の正確な測定。壁/リッドをターゲット温度にするために、ICCがトリガされうる。
【0068】
チャンバ状態:(A)1つ又は複数の第1のウエハ効果、長期ER/CDドリフト、予防保守(PM)回復、プロセスの段階的な安定性、(b)堆積及び除去の直接検出、ガス放出モニタリング、(c)各ウエハ/ICC及び各ステップの後のチャンバ状態、プロセスの安定性、減少したPM、ドリフト問題を識別し解決するためのより高速な時間をモニタする。
【0069】
偏位検出(例えば、逆流):(a)未知の歩留りキラー、プロセスシフト、(b)絶えず測定すること、によりチャンバ状態の変化を検出することができる、(c)残留種の吸収及び脱着を検出する。
【0070】
混合運転(Mix running)(製品により多い/少ない):(a)チャンバ状態に影響を及ぼす、(b)堆積とその除去を直接検出する、(c)プロセスクロストークを最小化するために最適な方策又はロットシーケンスのためにチャンバ壁状態をモニタする。
【0071】
ICCの最適化:(a)処理チャンバ(PC)/ER/CDの安定性、(b)堆積及びその除去を直接検出する、(c)非効率的なICCを検出し、インシトゥ(その場)で最適なICC方策を開発し、エッチング(例えば、BCl3/Cl2ベースのエッチング)プロセスを行うチャンバ壁/ライナの最適な表面保護のためにライナ/チャンバ壁の状態をモニタする。
【0072】
容量性センサソリューション
以下は、例示的なパラメータ及び対応する(a)重要性、(b)ソリューション、及び(c)利益/使用である。
【0073】
単一のリング上での堆積:(A)粒子、(b)単一リングにキャップセンサを取り付け、(c)クーポンなしでより効果的なICCを開発し、終点を定期的に洗浄する。
【0074】
単一のリング侵食モニタ:(a)リング侵食、(c)リングをいつ変更する必要があるかを決定し、リング高さを自動的に設定するのを補助する。
【0075】
製品モニタによるRFオン:(A)終点検出(EPD)、粒子を捕捉する追加の方法、(b)SFV近くの下チャンバにキャップセンサを設置する、(c)エッチングが1つのフィルムを通り次のフィルムに突き抜けるときを検出し、下チャンバ内の製品によって決定する。
【0076】
部品の摩耗率 (破損までの時間):(a)MTBCに対するプロセス変更の影響を迅速に判定し、(b)特定の場所の部品に設置されたチャンバ材料で作られたセンサを開発し、(c)MTBCを計算するために、部品に対するプロセス変更の影響を迅速に判定する。
【0077】
残留化学反応センサ(ウエハ上):(a)待機時間、(b)プロセス後の化学反応を測定するために、試験ウエハにセンサを組み込み、(c)残留化学反応を低減/排除するために、待機時間及びプロセス最適化を理解する。
【0078】
PVD/CVD/ALDチャンバ壁:(a)チャンバ壁の洗浄及びシーズニング、(b)壁の状態をモニタするために、特定の場所にセンサを設置し、(c)チャンバ壁のインシトゥ(その場)モニタリング。
【0079】
ケーススタディ
以下は、例示的な問題及び対応する(a)影響、及び(b)影響を緩和又は排除するための壁/リッドセンサ検出ソリューションである。
【0080】
何らかのアイドル時間(故障又は他の遅延による)後のリッド/壁の温度によるCDの影響:(A)スクラップされた1~3つのウエハ、(b)センサが自動的に仕様外の温度を検出し、ウォームアップ手順を呼び出す。
【0081】
最適化されていないウォームアップ手順:(a)損失生産時間、(b)終点検出(EPD)ウォームアップ/シーズン手順。
【0082】
逆流事象(例えば、バッキングポンプの障害):(a)チャンバ状態シフトによるウエハスクラップ、(b)壁/リッドの状態変化を自動検出する。
【0083】
Fab偏位(例えば、電力異常):(a)ウエハスクラップ、再適格性評価、必要なPM、(b)エッチング速度(ER)モニタを実行せずに、どのチャンバに問題があるかを判定する。
【0084】
リッド熱収支を超える方策:(a)破損したリッド、スクラップされたウエハ、必要なPM、(b)リッドの温度が仕様を超えた場合の故障チャンバ。
【0085】
最適化されていないICC、チャンバ状態に影響するウエハ実行をモニタする:(A)短縮されたMTBC、延長されたシーズン、ICC、歩留り損失、(b)壁/リッドの状態を検出及び監視する。
【0086】
プラズマ安定性:(a)歩留り損失;(b)高速(例えば50hz)で容量の変化を検出する。
【0087】
アプリケーションAからBへの変換:(a)シーズンの上/下(例えば、生産時間の損失/第1のウエハ効果)、(b)チャンバが生産準備完了になるときを決定する。
【0088】
実施形態では、容量性センサアセンブリ(又はセンサアセンブリ)は、センサモジュール及びセンサハウジングアセンブリを含む。センサモジュールは、基板の上に配置されるコンデンサ(例えば、第1の電極及び第2の電極)を含みうる。センサモジュールはまた、コンデンサから出力される容量を、その後の処理のためにデジタル信号に変換するための容量-デジタル変換器(CDC)を含みうる。センサモジュールを処理ツールと統合するために、センサハウジングアセンブリ使用して、センサモジュールを収納してもよい。センサハウジングアセンブリは、センサモジュールを処理チャンバ内に固定しつつ、センサモジュールのコンデンサを処理環境に曝すことができる特徴を含みうる。センサハウジングアセンブリはまた、データをリアルタイムで捕捉できるように、処理ツールのチャンバ壁又はチャンバリッドを通してポートとインターフェース連結するための構成要素を含んでもよい。
【0089】
特定の実施形態では、センサハウジングアセンブリは、中空シャフトとキャップとを含む。センサモジュールは、キャップによってシャフトの端部に対して固定されうる。キャップを通る孔により、センサモジュールのコンデンサが露出されうる。中空シャフトは、チャンバ真空を乱すことなくチャンバを出るために、センサモジュールからの相互接続(例えば、ワイヤ、ピンなど)を処理環境から保護し、真空電気フィードスルーに供給できるようにする。
【0090】
センサモジュールのための異なる場所は、センサハウジングアセンブリの様々な構成要素に修正を加えることによって、及び/又は構成要素がチャンバ自体とどのようにインターフェースで接続されるかを修正することによって、実施されうる。例えば、チャンバ壁センサの場合、シャフトは、チャンバ壁内のポートを通って延び、真空電気フィードスルーは、チャンバの外側にありうる。リッドセンサの場合、シャフトは、リッドからチャンバ内に延び、真空電気フィードスルーは、リッド内に埋め込まれうる。処理リングセンサの場合、シャフトは、底チャンバ表面から上方に延び、処理リングに隣接するプラズマスクリーンと交差しうる。そのような実施形態では、真空電気フィードスルーは、底チャンバ表面を通るポート内に配置されうる。排出領域センサの場合、シャフトは、チャンバ壁を通るポートを通して挿入されてもよく、真空電気フィードスルーは、チャンバ壁の外側にあってもよい。いくつかの実施形態では、任意の寸法を有するポートに沿って気密シールを提供するために、アダプタがセンサハウジングアセンブリの部分の周囲に嵌合されうる。
【0091】
いくつかの実施形態では、センサアセンブリの部分は、消耗部品とみなされうる。例えば、センサモジュールは、ある期間の後に、又は重要なセンサドリフトが検出された後に、置き換えられうる。センサハウジングアセンブリは、簡単な交換ができるように容易に分解されうる。特定の実施形態では、シャフトは、真空電気フィードスルーに取り付けられる主ハウジングにねじ留めするスレッドエンド(threaded end)を有しうる。このように、シャフトに取り付けられたシャフト及び他の構成要素(例えば、キャップ及びセンサモジュール)は、取り外され、新しいシャフトを主ハウジングにネジで留めることによって交換されうる。他の実施形態では、センサアセンブリ全体は、消耗部品とみなされ、センサアセンブリ全体は、一定期間の後に、又は重要なセンサドリフトが検出された後に、置き換えられうる。
【0092】
処理装置内に本明細書に記載されるような容量性センサモジュールを設けることにより、様々な処理方策の実行中に、基板間の移送中に、洗浄動作(例えば、ICC動作)中に、チャンバ検証中に、又は任意の他の所望の時間中に、チャンバ状態をモニタすることが可能になる。更に、本明細書に開示されるセンサモジュールのアーキテクチャは、多くの異なる場所での統合を可能にする。そのような柔軟性は、チャンバドリフトの原因を決定するための強化された能力を提供するために、処理装置の多くの異なる構成要素が同時にモニタできるようにする。例えば、
図11は、様々な場所における容量性センサモジュール1111の統合を含む処理装置1100を示す概略図を提供する。
【0093】
図11に示すように、処理装置1100は、チャンバ1142を含みうる。カソードライナ1145は、下部電極1161を囲みうる。基板1105は、下部電極1161に固定されうる。処理リング1197は、基板1105を囲み、プラズマスクリーン1195は、処理リング1197を囲みうる。実施形態では、リッドアセンブリ1110は、チャンバ1142を密閉しうる。チャンバ1142は、処理領域1102及び排出領域1104を含みうる。排出領域1104は、排気口1196に近接しうる。
【0094】
いくつかの実施形態では、側壁センサモジュール1111Aは、チャンバ1142の側壁に沿って位置しうる。いくつかの実施形態では、側壁センサモジュール1111Aは、チャンバ1142の壁を通過し、処理領域1102に露出される。いくつかの実施形態では、リッドセンサモジュール1111Bは、リッドアセンブリ1110と統合され、処理領域1102に面する。いくつかの実施形態では、処理リングセンサモジュール1111Cは、処理リング1197に隣接して配置される。例えば、処理リングセンサモジュール1111Cは、処理リング1197を囲むプラズマスクリーン1195と統合されうる。更に別の実施の形態では、排出領域センサモジュール1111Dが、排出領域1104に位置しうる。例えば、排出領域センサモジュール1111Dは、チャンバ1142の底表面を通過しうる。図示されたように、センサモジュール1111の各々は、チャンバ1142から出る電気リード1199を含む。よって、センサモジュール1111によるリアルタイムのモニタリングが実施されうる。
【0095】
実施形態では、側壁センサモジュール1111Aは、チャンバ1142の側面に沿った場所1120Aにある。1つの実施形態では、側壁センサモジュール1111Aは、下部電極1161の基板1105支持領域に横方向に隣接する場所1122Aにある。1つの実施形態では、側壁センサモジュール1111Aは、下部電極1161の基板1105支持領域とリッドアセンブリ1110との間の垂直な場所1124Aにある。1つの実施形態では、側壁センサモジュール1111Aは、下部電極1161の基板1105支持領域と処理装置1100の床との間の垂直な場所1126Aにある。
【0096】
実施形態では、リッドセンサモジュール1111Bは、リッドアセンブリ1110に沿った位置1120Bにある。1つの実施形態では、リッドセンサモジュール1111Bは、下部電極1161の基板1105支持領域と同軸の場所1122Bにある。1つの実施形態では、リッドセンサモジュール1111Bは、下部電極1161の基板1105支持領域上の垂直な場所1124Bにある。1つの実施形態では、リッドセンサモジュール1111Bは、下部電極1161の基板1105支持領域の外側の領域上の垂直な場所1126Bにある。
【0097】
実施形態では、処理リングセンサモジュール1111Cは、プラズマスクリーン1195の内周にある。別の実施形態では、処理リングセンサモジュール1111Cは、プラズマスクリーン1195の外周にある。
【0098】
実施形態では、排出領域センサモジュール1111Dは、チャンバ1142の底面に沿った場所1120Dにある。1つの実施形態では、排出領域センサモジュール1111Dは、下部電極1161の基板支持領域の外側の領域の下の垂直な場所1122Dにある。1つの実施形態では、排出領域センサモジュール1111Dは、下部電極1161の基板支持領域の下の垂直な場所1124Dにある。
【0099】
実施形態では、容量性センサモジュール1111のうちの1つ又は複数は、熱センサを更に含む。1つのこのような実施形態では、容量性センサモジュールは、基板処理領域に近接する容量性センサを含み、基板処理領域から遠位の熱センサを含む。別のこのような実施形態では、容量性センサモジュールは、基板支持領域に近接する容量性センサを含み、基板支持領域から遠位の熱センサを含む。
【0100】
図12Aは、実施形態による、本明細書に記載されたような1つ又は複数のセンサモジュールを含むプラズマ処理装置1200の断面図を示す概略図である。プラズマ処理装置1200は、プラズマエッチングチャンバ、プラズマ化学気相堆積チャンバ、物理的気相堆積チャンバ、プラズマ処理チャンバ、イオン注入チャンバ、又は他の適切な真空処理チャンバでありうる。
図12Aに示されるように、プラズマ処理装置1200は、概して、チャンバリッドアセンブリ1210と、チャンバ本体アセンブリ1240と、排気アセンブリ1290とを含み、これらは、処理領域1202及び排出領域1204を集合的に包囲する。実際には、処理ガスは、処理領域1202に導入され、RF電力を使用してプラズマに点火される。基板1205は、基板支持アセンブリ1260上に配置され、処理領域1202内で生成されたプラズマに曝露されて、エッチング、化学気相堆積、物理的気相堆積、注入、プラズマアニーリング、プラズマ処理、軽減、又は他のプラズマプロセスといったプラズマプロセスを基板1205上で実行する。真空は、排気アセンブリ1290によって処理領域1202内に維持され、この排気アセンブリ1290は、排出領域1204を通してプラズマプロセスから使用済みの処理ガス及び副生成物を除去する。
【0101】
リッドアセンブリ1210は、概して、チャンバ本体アセンブリ1240から分離され、かつチャンバ本体アセンブリ1240によって支持される上部電極1212(又はアノード)と、上部電極1212を囲むチャンバリッド1214とを含む。上部電極1212は、導電性ガス入口チューブ1226を介してRF電源1203に連結される。導電性ガス入口チューブ1226は、チャンバ本体アセンブリ1240の中心軸と同軸であり、その結果、RF電力及び処理ガスの両方が対称的に提供される。上部電極1212は、伝熱プレート1218に取り付けられたシャワーヘッドプレート1216を含む。シャワーヘッドプレート1216、伝熱プレート1218、及びガス入口チューブ1226はすべて、アルミニウム又はステンレス鋼などのRF導電性材料から製造される。
【0102】
シャワーヘッドプレート1216は、処理領域102内に処理ガスを分配するための中央マニホルド1220及び1つ又は複数の外側マニホルド1222を有する。1つ又は複数の外側マニホルド1222は、中央マニホルド1220を囲む。中央マニホルド1220は、ガス入口チューブ1226を通してガス源1206から処理ガスを受け取り、外側マニホルド1222は、中央マニホルド1220内で受け取られたガスの同じ又は異なる混合物でありうる処理ガスを、1つ又は複数のガス入口チューブ1227を通してガス源1206から受け取る。シャワーヘッドプレート1216のデュアルマニホルド構成(dual manifold configuration)により、処理領域1202へのガス供給の改善された制御が可能になる。マルチマニホルドシャワーヘッドプレート116により、従来の単一マニホルドバージョンとは対照的に、処理結果の中央からエッジへの制御を強化することができるようになる。
【0103】
伝熱流体は、流体入口チューブ1230を通って、流体源1209から伝熱プレート1218に供給される。流体は、伝熱プレート1218内に配置された1つ又は複数の流体チャネル1219を通して循環され、流体出口チューブ1231を介して流体源1209に戻される。適した伝熱流体は、水、水ベースのエチレングリコール混合物、パーフルオロポリエーテル(例えば、Galden(登録商標)流体)、油ベースの伝熱流体、又は類似の流体を含む。
【0104】
チャンバ本体アセンブリ1240は、アルミニウム又はステンレス鋼などの処理環境に耐性のある導電性材料から製造されたチャンバ本体1242を含む。基板支持アセンブリ1260は、チャンバ本体1242内で中央に配置され、中心軸(CA)について対称的に処理領域1202内の基板1205を支持するように位置付けられる。基板支持アセンブリ1260はまた、基板1205を囲む処理リング1297を支持しうる。チャンバ本体1242は、上部ライナアセンブリ1244の外側フランジを支持するレッジを含む。上部ライナアセンブリ1244は、アルミニウム、ステンレス鋼、及び/又はイットリアなどの、導電性の処理適合材料(例えばイットリアでコーティングされたアルミニウム)から構築されうる。実際には、上部ライナアセンブリ1244は、処理領域1202内のプラズマからチャンバ本体1242の上部を遮蔽し、定期的な洗浄及びメンテナンスを可能にするために取り外すことができる。上部ライナアセンブリ1244の内側フランジは、上部電極1212を支持する。チャンバ本体アセンブリ1240と上部電極1212との間に電気絶縁を提供するために、上部ライナアセンブリ1244と上部電極1212との間に絶縁体1213が配置される。
【0105】
上部ライナアセンブリ1244は、内側フランジ及び外側フランジに取り付けられた外壁1247と、底壁1248と、内壁1249とを含む。外壁1247及び内壁1249は、実質的に垂直な円筒壁である。外壁1247は、チャンバ本体1242を処理領域1202内のプラズマから遮蔽するように配置され、内壁1249は、処理領域1202内のプラズマから基板支持アセンブリ1260の側面を少なくとも部分的に遮蔽するように配置される。底壁1248は、排出通路1289が形成される特定の領域を除いて、内壁1249と外壁1247とを接合する。
【0106】
処理領域1202は、基板支持アセンブリ1260への基板1205の進入/基板支持アセンブリ1260からの基板1205の取り外しを可能にする、チャンバ本体1242内に配置されたスリットバルブトンネル1241を通してアクセスされる。上部ライナアセンブリ1244は、基板1205が通過できるようにするために、スリットバルブトンネル1241に適合するように配置されたスロット1250を有する。ドアアセンブリ(図示せず)は、プラズマ処理装置の動作中に、スリットバルブトンネル1241及びスロット1250を閉じる。
【0107】
基板支持アセンブリ1260は、概して、下部電極1261(又はカソード)及び中空ペデスタル1262を含み、基板支持アセンブリ1260の中心軸(CA)の中心がこれらを通過している。そして基板支持アセンブリ1260は、中央領域1256に配置され、チャンバ本体1242によって支持される中央支持部材1257によって支持される。中心軸(CA)はまた、中央支持部材1257の中心を通る。下部電極1261は、整合ネットワーク(図示せず)及び中空ペデスタル1262を通ってルート決めされたケーブル(図示せず)を介してRF電源1203に連結される。RF電力が上部電極1212及び下部電極1261に供給されると、そこで形成される電場が、処理領域1202内に存在する処理ガスをプラズマに点火する。
【0108】
中央支持部材1257は、締め具及びOリング(図示せず)などによってチャンバ本体1242に密閉され、下部電極1261は、ベローズ1258などによって中央支持部材1257にシールされる。したがって、中央領域1256は、処理領域1202から密閉され、処理領域1202が真空条件に維持されている間、大気圧に維持されうる。
【0109】
中央領域1256内に作動アセンブリ1263が位置決めされ、チャンバ本体1242及び/又は中央支持部材1257に取り付けられる。作動アセンブリ1263は、チャンバ本体142、中央支持部材1257、及び上部電極1212に対する下部電極161の垂直移動を提供する。処理領域1202内の下部電極1261のそのような垂直移動が、下部電極1261と上部電極1212との間に可変間隙をもたらすことで、そこに形成される電場の制御を増加させ、次いで、処理領域1202内に形成されるプラズマ内の密度のより優れた制御を提供できるようになる。更に、基板1205は下部電極1261によって支持されるので、基板1205とシャワーヘッドプレート1216との間の間隙も変化しうる。その結果、基板1205にわたるプロセスガス分布のより優れた制御がもたらされる。
【0110】
1つの実施形態では、下部電極1261は静電チャックであり、したがって、その中に配置される1つ又は複数の電極(図示せず)を含む。電圧源(図示せず)は、1つ又は複数の電極を基板1205に対してバイアスし、引力を発生させて、処理中に基板1205を適所に保持する。1つ又は複数の電極を電圧源に連結するケーブル配線は、中空ペデスタル1262を通ってルート決めされ、複数のアクセスチューブ1280のうちの1つを通ってチャンバ本体1242から外へ送られる。
【0111】
図12Bは、チャンバ本体アセンブリ1240のスポーク1291内のアクセスチューブ1280のレイアウトの概略図である。スポーク1291及びアクセスチューブ1280は、図示されたようにスポークパターンで処理装置1200の中心軸(CA)を中心として対称的に配置される。図示された実施形態では、3つの同一のアクセスチューブ1280が、チャンバ本体1242を通って中央領域1256内に配置され、チャンバ本体1242の外側から下部電極1261への複数の配管及びケーブル配線の供給を容易にする。スポーク1291の各々は、中央領域1256の上の処理領域1202を中央領域1256の下の排出領域1204に流体的に連結する排出通路1289に隣接する。アクセスチューブ1280の対称的な配置は、処理領域1202におけるより均一なプラズマ形成を可能にし、かつ処理中の基板1205の表面にわたるプラズマ密度制御の改善を可能にするために、チャンバ本体1242、特に処理領域1202における電気的及び熱的な対称性を更に提供する。
【0112】
同様に、排出通路1289は、中心軸(CA)について対称に上部ライナアセンブリ1244内に配置される。排出通路1289は、処理領域1202から排出領域1204を通り、排気口1296を通ってチャンバ本体1242から、ガスを排出できるようにする。排気口1296は、ガスが排出通路1289を通って均等に引き抜かれるように、チャンバ本体アセンブリ1240の中心軸(CA)を中心にセンタリングされる(centered)。
【0113】
再び
図12Aを参照すると、導電性のメッシュライナ1295が、上部ライナアセンブリ1244上に配置される。メッシュライナ1295は、アルミニウム、ステンレス鋼、及び/又はイットリア(例えば、イットリアでコーティングされたアルミニウム)などの、導電性プロセス適合材料から構築されうる。メッシュライナ1295は、そこを通って形成された複数の開孔(図示せず)を有しうる。開孔は、メッシュライナ1295の中心軸について対称に配置され、排気ガスがそこを通って均一に引き出されることができるようにし、次いで、処理領域1202内の均一なプラズマ形成を容易にし、処理領域1202内のプラズマ密度及びガス流のより優れた制御を可能にする。1つの実施形態では、メッシュライナ1295の中心軸は、チャンバ本体アセンブリ1240の中心軸(CA)と位置合わせされる。
【0114】
メッシュライナ1295は、上部ライナアセンブリ1244に電気的に連結されうる。RFプラズマが処理領域1202内に存在する場合、接地へのリターン経路を求めるRF電流は、メッシュライナ1295の表面に沿って、上部ライナアセンブリ1244の外壁1247まで移動しうる。したがって、メッシュライナ1295の環状対称構成は、対称なRFリターンを接地に提供し、上部ライナアセンブリ1244の任意の幾何学的な非対称性をバイパスする(bypass)。
【0115】
実施形態では、1つ又は複数のセンサモジュールは、処理装置1200全体の様々な位置に配置されうる。例えば、センサモジュール(又はセンサモジュールの一部)は、限定されないが、チャンバ1242の側壁に沿って、排出領域1204内で、処理リング1297に隣接し(例えば、メッシュライナ1295に統合され)、又はリッドアセンブリ1210と統合されるなどして、1つ又は複数の場所に配置されうる。したがって、処理装置1200を通じた複数の場所における様々なチャンバ状態の検出が決定されうる。1つ又は複数のセンサモジュールによって提供されるチャンバ条件は、例えば、処理方策パラメータ、処理装置1200の洗浄スケジュール、部品交換決定などの1つ又は複数のパラメータを修正するために使用されうる。
【0116】
実施形態では、処理装置1200は、例えば場所1299Aに、チャンバ壁容量性センサモジュールを含む。実施形態では、処理装置1200は、例えば場所1299Bに、チャンバリッド容量性センサモジュールを含む。実施形態において、処理装置1200は、チャンバ床、又は排出口内に又は排出口に隣接して(例えば場所1299Dに)排出口容量性センサモジュールを含む。実施形態では、処理装置1200は、例えば場所1299Cに、リング構造容量性センサモジュールを含む。
【0117】
実施形態では、処理装置1200は、チャンバ壁容量性センサモジュール、チャンバリッド容量性センサモジュール、チャンバ床又は排出口容量性センサモジュール、リング構造容量性センサモジュールからなる群から選択される2つ以上の異なる容量性センサを含む。実施形態では、処理装置1200は、チャンバ壁容量性センサモジュール、チャンバリッド容量性センサモジュール、チャンバ床又は排出口容量性センサモジュール、リング構造容量性センサモジュールからなる群から選択される2つ以上の同じ容量性センサを含む。
【0118】
実施形態では、チャンバ壁容量性センサモジュール、チャンバリッド容量性センサモジュール、チャンバ床又は排出口容量性センサモジュール、及び/又はリング構造容量性センサモジュールのうちの1つ又は複数は、熱センサを更に含む。1つの実施形態では、そのようなチャンバ壁容量性センサモジュール、チャンバリッド容量性センサモジュール、又はチャンバ床若しくは排出口容量性センサモジュールは、処理領域1202に近接する容量性センサを含み、処理領域1202から遠位の熱センサを含む。1つの実施形態では、リング構造容量性センサモジュールは、基板1205支持領域に近接する容量性センサを含み、基板1205支持領域から遠位の熱センサを含む。
【0119】
図12A及び12Bの処理装置1200は、本明細書に開示されるセンサモジュールなどのセンサモジュールを含むことから利益を得ることができるツールの特定の例を提供するが、実施形態は、
図12A及び12Bの特定の構成に限定されないと理解されたい。つまり、限定されないがマイクロエレクトロニクス製造産業で使用されるプラズマチャンバ構成のような、多くの異なるプラズマチャンバ構成もまた、本明細書に開示されるようなセンサモジュールの統合から利益を得ることができる。
【0120】
例えば、
図13は、実施形態による、上述のような1つ又は複数の容量性センサモジュールを含むことができる、処理装置1300の断面図である。プラズマ処理装置100は、プラズマエッチングチャンバ、プラズマ化学気相堆積チャンバ、物理的気相堆積チャンバ、プラズマ処理チャンバ、イオン注入チャンバ、又は他の適切な真空処理チャンバでありうる。
【0121】
処理装置1300は、接地チャンバ1342を含む。いくつかの例では、チャンバ1342はまた、チャンバ1342の内面を保護するためのライナ(図示せず)を含みうる。チャンバ1342は、処理領域1302及び排出領域1304を含みうる。チャンバ1342は、リッドアセンブリ1310で密閉されうる。プロセスガスは、1つ又は複数のガス源1306から質量流量コントローラ1349を通ってリッドアセンブリ1310に供給され、チャンバ1305に供給される。排出領域1304に近接する排気口1396は、チャンバ1342内の所望の圧力を維持し、チャンバ1342内の処理から副生成物を除去しうる。
【0122】
リッドアセンブリ1310は、概して、シャワーヘッドプレート1316と伝熱プレート1318とを含む上部電極を含む。リッドアセンブリ1310は、絶縁層1313によってチャンバ1342から絶縁される。上部電極は、整合器(match(図示せず))を通してソースRF発生器1303に連結される。ソースRF発生器1303は、例えば、100MHzと180MHzとの間の周波数を有してもよく、特定の実施形態では、162MHz帯内にある。ガス源1306からのガスは、シャワーヘッドプレート1316内のマニホルド1320内に進入し、シャワーヘッドプレート1316内への開口を通ってチャンバ1342の処理領域1302内に出る。実施形態では、伝熱プレート1318は、伝熱流体が流れるチャネル1319を含む。シャワーヘッドプレート1316及び伝熱プレート1318は、アルミニウム又はステンレス鋼などのRF導電性材料から製造される。特定の実施形態では、シャワーヘッドプレート1316の代わりに(又はこれに加えて)、チャンバ1342内へのプロセスガスの分配のために、ガスノズル又は他の適切なガス分配アセンブリが提供される。
【0123】
処理領域1302は、基板1305が固定される下部電極1361を含みうる。基板1305を囲む処理リング1397の部分は、下部電極1361によって支持されうる。基板1305は、チャンバ1342を通ってスリットバルブトンネル1341を通ってチャンバ1342内に挿入(又はチャンバ1342から抽出)されうる。簡略化を目的として、スリットバルブトンネル1341のためのドアは省略される。下部電極1361は、静電チャックでありうる。下部電極1361は、支持部材1357によって支持されうる。実施形態では、下部電極1361は、複数の加熱ゾーンを含みうる。各ゾーンは、温度設定点に独立して制御可能である。例えば、下部電極1361は、基板1305の中心に近接する第1の熱ゾーンと、基板1305の周辺に近接する第2の熱ゾーンとを含みうる。バイアス電力RF発生器1325は、マッチ1327を通して下部電極1361に連結される。バイアス電力RF発生器1325は、必要に応じて、プラズマにエネルギー供給するためのバイアス電力を供給する。バイアス電力RF発生器1325は、例えば、約2MHzから60MHzの間の低周波数を有しうるが、特定の実施形態では、13.56MHz帯内にある。
【0124】
実施形態では、1つ又は複数のセンサモジュールは、処理装置1300全体の様々な位置に配置されうる。例えば、センサモジュール(又はセンサモジュールの一部)は、1つ又は複数の場所、例えば、限定されないが、チャンバ1342の側壁に沿った場所1399A、排出領域1304付近若しくはその中の場所1399D、処理リング1397に隣接又はその内部の場所1399Cに配置され、及び/又は場所1399Bなどでリッドセンブリ1310と統合されうる。したがって、処理装置1300を通じた複数の場所における様々なチャンバ状態の検出が決定されうる。1つ又は複数のセンサモジュールによって提供されるチャンバ状態は、例えば、処理方策パラメータ、処理装置1300の洗浄スケジュール、部品交換決定などの1つ又は複数のパラメータを修正するために使用されうる。
【0125】
ここで
図14を参照すると、処理ツールの例示のコンピュータシステム1460を示すブロック図が実施形態に従って示されている。実施形態において、コンピュータシステム1460が処理ツールに連結され、処理ツールでの処理を制御する。コンピュータシステム1460は、本明細書に開示されるような1つ又は複数のセンサモジュールに通信可能に連結されうる。コンピュータシステム1460は、例えば、処理方策パラメータ、処理ツールの洗浄スケジュール、部品交換決定などの1つ又は複数のパラメータを修正するために、1つ又は複数のセンサモジュールからの出力を利用しうる。
【0126】
コンピュータシステム1460は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イントラネット、エクストラネット、又はインターネット内の他のマシンに接続(例えば、ネットワーク化)されうる。コンピュータシステム1460は、クライアント-サーバネットワーク環境においてはサーバ若しくはクライアントマシンの役割で、又は、ピアツーピア(又は分散)ネットワーク環境においてはピアマシンとして作動しうる。コンピュータシステム1460は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、携帯電話、ウェブアプライアンス、サーバ、ネットワークルータ、スイッチ若しくはブリッジ、又は、そのマシンによって行われる動作を特定する(連続した又は別様な)命令のセットを実行可能な任意のマシンでありうる。更に、コンピュータシステム1460として単一のマシンのみを示しているが、「マシン」という用語は、本明細書に記載の方法のうちの任意の1つ又は複数を実施するために、命令のセット(又は複数のセット)を個々に、又は連携的に実行するマシン(例えば、コンピュータ)の任意の集合体を含むとも解釈すべきである。
【0127】
コンピュータシステム1460は、命令が格納された非一過性のマシン読取り可能な媒体を有するコンピュータプログラム製品、又はソフトウェア1422を含みうる。これらの命令は、実施形態による処理を実施するコンピュータシステム1460(又は、他の電子機器)をプログラムするために使用されうる。マシン可読媒体は、マシン(例えばコンピュータ)によって読み出し可能な形態により情報を格納又は伝送するための任意の機構を含む。例えば、マシン可読(例えばコンピュータ可読)媒体は、マシン(例えばコンピュータ)可読記憶媒体(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス等)、マシン(例えばコンピュータ)可読伝送媒体(電気的形態、光学的形態、音響的形態、又はその他の形態による伝播信号(例えば赤外線信号、デジタル信号等))等を含む。
【0128】
実施形態では、コンピュータシステム1460は、バス1430を介して互いに通信する、システムプロセッサ1402と、メインメモリ1404(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)(フラッシュメモリ、シンクロナスDRAM(SDRAM)又はランバスDRAM(RDRAM)など)と、スタティックメモリ1406(例えばフラッシュメモリやスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)など)と、二次メモリ1418(データ記憶デバイスなど)とを含む。
【0129】
システムプロセッサ1402は、1つ又は複数の汎用処理デバイス(例えばマイクロシステムプロセッサや中央処理装置など)を表す。より詳細には、システムプロセッサは、複合命令セット演算(CISC)マイクロシステムプロセッサ、縮小命令セット演算(RISC)マイクロシステムプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロシステムプロセッサ、他の命令セットを実装するシステムプロセッサ、又は、命令セットの組み合わせを実装するシステムプロセッサでありうる。システムプロセッサ1402はまた、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号システムプロセッサ(DSP)、ネットワークシステムプロセッサといった、1つ又は複数の特殊用途処理装置であってもよい。システムプロセッサ1402は、本明細書に記載の工程を実行するための処理ロジック1426を実行するように構成される。
【0130】
コンピュータシステム1460は、他のデバイス又はマシンと通信するためのシステムネットワークインターフェースデバイス1408を更に含みうる。コンピュータシステム1460はまた、ビデオディスプレイユニット1410(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオードディスプレイ(LED)、又はブラウン管(CRT)、英数字入力装置1412(例えば、キーボード)、カーソル制御装置1414(マウスなど)、及び信号生成装置1416(例えば、スピーカ)を含みうる。
【0131】
二次メモリ1418は、本明細書に記載の方法又は機能のうちの任意の1つ又は複数を実施する、1つ又は複数の命令セット(例えば、ソフトウエア1422)が記憶される、マシンアクセス可能記憶媒体1431(又はより具体的にはコンピュータ可読記憶媒体)を含みうる。このソフトウェア1422は、コンピュータシステム1460によって実行されている間、完全に又は少なくとも部分的に、メインメモリ1404及び/又はシステムプロセッサ1402の中にも常駐していてよく、メインメモリ1404及びシステムプロセッサ1402は、マシン可読記憶媒体も構築しうる。ソフトウェア1422は更に、システムネットワークインターフェースデバイス1408を介してネットワーク1461上で送信又は受信されうる。実施形態では、ネットワークインターフェースデバイス1408は、RF結合、光結合、音響結合、又は誘導性結合を使用して動作しうる。
【0132】
例示的な実施形態では、マシンアクセス可能記憶媒体1431を単一の媒体として示しているが、「マシン可読記憶媒体(machine-readable storage medium)」という語は、1つ又は複数の命令セットを記憶する単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中データベース若しくは分散データベース、並びに/又は、関連するキャッシュ及びサーバ)を含むと解釈すべきである。「マシン可読記憶媒体」という用語はまた、マシンによって実行される命令のセットを格納又は符号化することが可能であり、かつ、方法のうちの任意の1つ又は複数をマシンに実行させる任意の媒体を含むとも解釈すべきである。従って、「マシン可読記憶媒体」という用語は、ソリッドステートメモリ、光媒体、及び磁気媒体を含むがこれらに限定されないと解釈すべきである。
【0133】
したがって、本開示の実施形態は、プラズマチャンバ状態モニタリングのための容量性センサ及び容量性感知場所を含む。
【0134】
要約書に記載されているものを含む、本開示の実施形態の例示された実施態様の上記説明は、網羅的であること、又は本開示を開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。本開示の特定の実施態様及び例は、例示目的で本明細書に記載されているが、当業者が認識するであろうように、本開示の範囲内で様々な均等な変更例が可能である。
【0135】
これらの変更例は、上記の詳細な説明に照らして、本開示に対して行われうる。以下の特許請求の範囲で使用される用語は、本開示を、本明細書及び特許請求の範囲で開示される特定の実施態様に限定すると解釈すべきではない。むしろ、本開示の範囲は、確立された特許請求の範囲の解釈の原則に従って解釈される以下のクレームによって完全に決定される。
【0136】
例示的実施形態1 プラズマチャンバモニタリングシステムは、複数の容量性センサと、容量デジタル変換器と、容量デジタル変換器に連結された応用プロセスサーバとを含み、応用プロセスサーバは、システムソフトウェアを含む。容量デジタル変換器は、複数の容量性センサに連結された分離インターフェースと、分離インターフェースに連結された電源と、分離インターフェースに連結されたフィールドプログラマブルゲートアレイファームウェアと、フィールドプログラマブルゲートアレイファームウェアに連結された特定用途向け集積回路を含む。
【0137】
例示的実施形態2 容量デジタル変換器の特定用途向け集積回路は、etherCAT特定用途向け集積回路である、例示的な実施形態1に記載のプラズマチャンバモニタリングシステム。
【0138】
例示的実施形態3 etherCAT特定用途向け集積回路は、システムソフトウェアのシームレスな統合と、複数の容量性センサのうちのいくつかのセンサの同時制御とを提供する、例示的な実施形態2に記載のプラズマチャンバモニタリングシステム。
【0139】
例示的実施形態4 etherCAT特定用途向け集積回路は、複数の容量性センサの個々のセンサを初期化し較正する、例示的な実施形態2又は3に記載のプラズマチャンバモニタリングシステム。
【0140】
例示的実施形態5 応用プロセスプロセスサーバは、複数の容量性センサからの容量センサデータをプロセス方策と同期させる、例示的な実施形態1から4のいずれかに記載のプラズマチャンバモニタリングシステム。
【0141】
例示的実施形態6 容量デジタル変換器のフィールドプログラマブルゲートアレイファームウェアは、決定論的タイミング及び複数の容量性センサのうちのいくつかのセンサとの同時通信を提供する、例示的な実施形態1から5のいずれかに記載のプラズマチャンバモニタリングシステム。
【0142】
例示的実施形態7 複数の容量性センサの個々のセンサは、容量デジタル変換器の分離インターフェースに並列に連結される、例示的な実施形態1から6のいずれかに記載のプラズマチャンバモニタリングシステム。
【0143】
例示的実施形態8 複数の容量性センサの個々のセンサは各々、集積回路間バス及び電源ラインを含む相互接続によって、容量デジタル変換器の分離インターフェースに連結される、例示的な実施形態1から7のいずれかに記載のプラズマチャンバモニタリングシステム。
【0144】
例示的実施形態9 複数のセンサのうちの1つ又は複数は、プラズマチャンバのチャンバ壁に位置するためのものである、例示的な実施形態1から8のいずれかに記載のプラズマチャンバモニタリングシステム。
【0145】
例示的実施形態10 複数のセンサのうちの1つ又は複数は、プラズマチャンバのチャンバリッドに位置するためのものである、例示的な実施形態1から9のいずれかに記載のプラズマチャンバモニタリングシステム。
【0146】
例示的実施形態11 複数のセンサのうちの1つ又は複数は、プラズマチャンバの排出領域に位置するためのものである、例示的な実施形態1から10のいずれかに記載のプラズマチャンバモニタリングシステム。
【0147】
例示的実施形態12 複数のセンサのうちの1つ又は複数は、プラズマチャンバ内のプロセスリングに位置するためのものである、例示的な実施形態1から11のいずれかに記載のプラズマチャンバモニタリングシステム。
【0148】
例示的実施形態13 プラズマチャンバモニタリングシステムのための相互接続は、容量性センサモジュールの容量デジタル変換器に連結するための第1のコネクタと、電子機器及び外部電源に連結するための第2のコネクタと、第1のコネクタと第2のコネクタとに連結され且つこれらの間にあるシールドケーブルとを含む。シールドケーブルは、相互接続をプラズマチャンバのフレームに物理的に接続するためのシールド金属(shielding metal)と、シールド金属内に収納された電源ラインと、シールド金属内に収納された接地ラインと、シールド金属内に収納された1つ又は複数の通信ラインとを含む。
【0149】
例示的実施形態14 シールド金属内に収納された電源ラインは、3~4ボルトの電源ラインである、例示的な実施形態13に記載の相互接続。
【0150】
例示的実施形態15 シールド金属内に収納された1つ又は複数の通信ラインの各々は、集積回路間バスであるか又は集積回路間バスを含む、例示的な実施形態13又は14に記載の相互接続。
【0151】
例示的実施形態16 シールド金属内に収納された接地ラインは、容量性センサモジュール及び電子機器のための共通の接地を提供する、例示的な実施形態13から15のいずれかに記載の相互接続。
【0152】
例示的実施形態17 シールド金属内に収納された1つ又は複数の通信ラインは、センサデータクロッキングを同期させる、例示的な実施形態13から16のいずれかに記載の相互接続。
【0153】
例示的実施形態18 容量性センサモジュールのセンサが、プラズマチャンバのチャンバ壁に位置するためのものである、例示的な実施形態13から17のいずれかに記載の相互接続。
【0154】
例示的実施形態19 容量性センサモジュールのセンサは、プラズマチャンバのチャンバリッドに位置するためのものである、例示的な実施形態13から18のいずれかに記載の相互接続。
【0155】
例示的実施形態20 容量性センサモジュールのセンサは、プラズマチャンバの排出領域に位置するためのものである、例示的な実施形態13から19のいずれかに記載の相互接続。
【0156】
例示的実施形態21 容量性センサモジュールのセンサは、プラズマチャンバ内のプロセスリングに位置するためのものである、例示的な実施形態13から20のいずれかに記載の相互接続。
【0157】
例示的実施形態22 プラズマチャンバ状態モニタリングのためのデータを統合する方法は、容量性センサモジュールからデータサーバにデータをストリーミングすることを含む。データは、容量データ及び温度データを含む。この方法はまた、応用プロセスプロセスサーバ上でデータを収集することを含む。本方法はまた、データを1つ又は複数のプロセス方策動作に相関させることを含む。この方法はまた、容量性センサモジュールを1つ又は複数のプロセス方策動作と同期させることを含む。
【0158】
例示的実施形態23 応用プロセスプロセスサーバ上でデータを収集した後に、かつデータを1つ又は複数のプロセス方策動作に相関させる前に、データ処理及びパラメトリック抽出を実行することを更に含む、例示的な実施形態22に記載の方法。
【0159】
例示的実施形態24 データ処理を実行することは、データをフィルタリングすること及びデータをノイズ除去することを含む、例示的な実施形態23に記載の方法。
【0160】
例示的実施形態25 データをフィルタリングすること及びデータをノイズ除去することは、移動平均アプローチを使用することを含む、例示的な実施形態24に記載の方法。
【0161】
例示的実施形態26 データ処理及びパラメトリック抽出を実行することは、データの回帰モデリングを含む、例示的な実施形態23から25のいずれかに記載の方法。
【0162】
例示的実施形態27 容量性センサモジュールを用いて1つ又は複数のプロセス方策動作の1つ又は複数のパラメータをモニタリングすることを更に含む、例示的な実施形態22から26のいずれかに記載の方法。
【0163】
例示的実施形態28 容量性センサモジュールを用いて1つ又は複数のプロセス方策動作の1つ又は複数のパラメータをモニタリングすることに基づいて、プラズマチャンバのクリーン/ダーティステータス(clean/dirty status)を決定することを更に含む、例示的な実施形態27に記載の方法。
【0164】
例示的実施形態29 プラズマチャンバ状態モニタリングは、プラズマチャンバのチャンバ壁で実行される、例示的な実施形態22から28のいずれかに記載の方法。
【0165】
例示的実施形態30 プラズマチャンバ状態モニタリングは、プラズマチャンバのチャンバリッドで実行される、例示的な実施形態22から29のいずれかに記載の方法。
【0166】
例示的実施形態31 プラズマチャンバ状態モニタリングは、プラズマチャンバの排出領域で実行される、例示的な実施形態22から30のいずれかに記載の方法。
【0167】
例示的実施形態32 プラズマチャンバ状態モニタリングは、プラズマチャンバ内のプロセスリングで実行される、例示的な実施形態22から31のいずれかに記載の方法。