(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】ピエゾ位置制御による流量比制御
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20240709BHJP
G05D 7/06 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
G05D7/06 B
(21)【出願番号】P 2023504273
(86)(22)【出願日】2021-10-21
(86)【国際出願番号】 US2021056101
(87)【国際公開番号】W WO2022087306
(87)【国際公開日】2022-04-28
【審査請求日】2023-03-10
(32)【優先日】2020-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】オカダ, アシュリー
(72)【発明者】
【氏名】シュイ, ミン
【審査官】正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-263230(JP,A)
【文献】特表2005-503603(JP,A)
【文献】特表2013-530516(JP,A)
【文献】特開2016-035755(JP,A)
【文献】国際公開第2018/047644(WO,A1)
【文献】特開2019-159687(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0053912(US,A1)
【文献】特表2015-531137(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0265951(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
G05D 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
第1のパイプについて、前記第1のパイプに結合された第1のバルブの第1の複数のバルブ位置に対応する第1の複数の圧力値を受信することと、
前記第1のパイプと並行して経路指定された第2のパイプについて、前記第2のパイプに結合された第2のバルブの第2の複数のバルブ位置に対応する第2の複数の圧力値を受信することと、
前記第1の複数のバルブ位置、前記第1の複数の圧力値、前記第2の複数のバルブ位置、及び前記第2の複数の圧力値に基づいて、流体コンダクタンスマップを生成することと、
レシピと前記流体コンダクタンスマップとに基づいて、処理装置によって、前記レシピのプロセスのために、前記第1のバルブが第1のバルブ位置にあり、前記第2のバルブが第2のバルブ位置にあるようにさせることと
を含む方法。
【請求項2】
前記第1のパイプ及び前記第2のパイプと並行して経路指定された第3のパイプについて、前記第3のパイプに結合された第3のバルブの第3の複数のバルブ位置に対応する第3の複数の圧力値を受信することであって、前記流体コンダクタンスマップの生成は更に、前記第3の複数のバルブ位置及び前記第3の複数の圧力値に基づく、前記第1のパイプ及び前記第2のパイプと並行して経路指定された第3のパイプについて、前記第3のパイプに結合された第3のバルブの第3の複数のバルブ位置に対応する第3の複数の圧力値を受信することと、
前記レシピ及び前記流体コンダクタンスマップに基づいて、前記レシピのプロセスのために、前記第3のバルブが第3のバルブ位置にあるようにさせることと
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の複数の圧力値は、不活性ガスの異なる入口流量に対応する圧力値の第1のセットを含み、
前記第2の複数の圧力値は、前記異なる入口流量に対応する圧力値の第2のセットを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第1のパイプを通る異なる入口流量の間、第1のバルブが第1の複数のバルブ位置にあるようにさせるために、第1の複数の電圧値を前記第1のバルブに送信することと、
第2のパイプを通る異なる入口流量の間、第2のバルブが第2の複数のバルブ位置にあるようにさせるために、前記第2のバルブに第2の複数の電圧値を送信することと
を更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
流体コンダクタンスマップの生成は、前記異なる入口流量、複数の比設定点、前記対応する圧力値の第1のセット、及び前記対応する圧力値の第2のセットに基づいて流体コンダクタンス比のモデルを生成することを含み、前記流体コンダクタンスマップは、前記流体コンダクタンス比のモデルに基づく、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のバルブが第1のバルブ位置に、前記第2のバルブが第2のバルブ位置にあるようにさせることは、
前記レシピから第1の圧力値及び第2の圧力値を決定することと、
前記流体コンダクタンスマップに基づいて、前記第1の圧力値に対応する第1の電圧値及び前記第2の圧力値に対応する第2の電圧値を決定することと、
前記第1のバルブが前記第1のバルブ位置にあるようにさせるために、前記第1の電圧値を前記第1のバルブに送信することと、
前記第2のバルブが前記第2のバルブ位置にあるようにさせるために、前記第2の電圧値を前記第2のバルブに送信することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のバルブが前記第1のバルブ位置にあり、前記第2のバルブが前記第2のバルブ位置にあるようにさせることは、前記レシピのプロセスを予測して、前記第1のパイプ及び前記第2のパイプの流体を空にすることである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のバルブが前記第1のバルブ位置にあり、前記第2のバルブが前記第2のバルブ位置にあるようにさせることは、前記レシピのプロセスのために、前記第1のバルブ及び前記第2のバルブを予め位置決めすることである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のバルブの第1の変位センサは、前記第1のパイプの第1の接液流路の外側にあり、
前記第2のバルブの第2の変位センサは、前記第2のパイプの第2の接液流路の外側にある、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
システムであって、
入口パイプ、第1のパイプ、及び第2のパイプを含む配管であって、前記入口パイプの第1
の端部は流体源に結合され、前記入口パイプの第2
の端部は並行である前記第1のパイプ及び前記第2のパイプに結合される、配管と、
前記第1のパイプに結合され、前記第1のパイプを通る第1の流量を制御するように構成された第1のバルブと、
前記第2のパイプに結合され、前記第2のパイプを通る第2の流量を制御するように構成された第2のバルブと、
処理装置と、を備え、
前記処理装置は、
前記第1のバルブの第1の複数のバルブ位置と、前記第1の複数のバルブ位置に対応する第1の複数の圧力値と、前記第2のバルブの第2の複数のバルブ位置と、前記第2の複数のバルブ位置に対応する第2の複数の圧力値とに基づいて流体コンダクタンスマップを生成し、
レシピ
および前記流体コンダクタンスマップに基づいて、前記レシピのプロセスのために、前記第1のバルブが第1のバルブ位置にあり、前記第2のバルブが第2のバルブ位置にあるようにさせる
、
システム。
【請求項11】
前記配管は更に、第3のパイプを含み、前記入口パイプの前記第2
の端部は、前記第1のパイプ及び前記第2のパイプと並行である前記第3のパイプに結合され、
前記システムは更に、前記第3のパイプに結合され、前記第3のパイプを通る第
3の流量を制御するように構成された第3のバルブを備え、
前記処理装置は、前記レシピに基づいて、前記レシピのプロセスのために、前記第3のバルブが第3のバルブ位置にあるようにさせる、
請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
流体源からの流体流量を制御するように構成された流体マニホールドを更に備え、前記処理装置は、前記流体マニホールドに、対応する流体流量を提供させる、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1のパイプは基板処理システムの第1のチャンバに流体的に結合され、前記第2のパイプは前記基板処理システムの第2のチャンバに流体的に結合され、前記第3のパイプは前記基板処理システムの第3のチャンバに流体的に結合される、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1のパイプは、第1のチャンバの第1のゾーンに流体的に結合され、前記第2のパイプは、前記第1のチャンバの第2のゾーンに流体的に結合される、請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
前記処理装置は、
前記レシピのプロセスのために、前記第1のパイプ及び前記第2のパイプの流体を空にすること、又は
前記レシピのプロセスのために、前記第1のバルブ及び前記第2のバルブを予め位置決めすること
の1又は複数を行うために、
前記第1のバルブが前記第1のバルブ位置に、前記第2のバルブが前記第2のバルブ位置にあるようにさせる、請求項10に記載のシステム。
【請求項16】
流量比コントローラ(FRC)バルブであって、
前記FRCバルブを通る流体の流れを制御するように構成された変位装置と、
前記変位装置に結合された変位センサと、
処理装置であって、
レシピのプロセスのために、前記変位装置を予め位置決めするための第1の設定点を示す入力信号を受信することと、
前記入力信号に基づいて、前記変位装置の物理的変位の調整を開始することと、
前記調整中に前記変位センサから受信したフィードバック信号に基づいて、前記変位装置の物理的変位が前記第1の設定点に一致するか否かを決定することと、
前記変位装置の物理的変位が前記第1の設定点に一致するとの決定に応じて、前記変位装置の物理的変位の調整を停止することと
を行う処理装置と
を備えるFRCバルブ。
【請求項17】
前記変位装置、前記変位センサ、及び前記処理装置は、前記FRCバルブの接液流路の外側にある、請求項1
6に記載のFRCバルブ。
【請求項18】
ダイヤフラムによって、前記変位装置、前記変位センサ、及び前記処理装置が前記FRCバルブの接液流路から分離される、請求項1
6に記載のFRCバルブ。
【請求項19】
前記変位装置は、圧電材料又はソレノイドである、請求項1
6に記載のFRCバルブ。
【請求項20】
前記変位センサは、歪みゲージ、キャパシタンスセンサ、又は渦電流センサである、請求項1
6に記載のFRCバルブ。
【請求項21】
前記入力信号は、前記変位装置の物理的変位を引き起こすための第1の電圧であり、第2の入力信号は、前記変位装置の第2の物理的変位を引き起こすための第2の電圧である、請求項1
6に記載のFRCバルブ。
【請求項22】
前記FRCバルブを通る
前記流体の流れを制御するように構成された第2の変位装置
を更に含み、第3の入力信号は、前記第2の変位装置の第3の物理的変位を引き起こすための第3の電圧である、請求項1
6に記載のFRCバルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[001]本開示は、流量比制御に関し、より具体的には、ピエゾ位置制御を用いた流量比制御に関する。
【背景技術】
【0002】
[002]製品は、製造機器を用いて1又は複数の製造プロセスを実行することによって製造される。例えば、基板処理機器を用いて、基板処理システムにおいて基板製造プロセスを介して基板が製造される。基板製造プロセスは、基板処理システムの1又は複数のチャンバに流体の流れを提供することを含む。
【発明の概要】
【0003】
[003]以下は、本開示の幾つかの態様の基本的な理解を提供するための、本開示の簡略化された要約である。この要約は、本開示の広範な大要ではない。それは、本開示の基本的な又は重要な要素を特定することも、本開示の特定の実装態様のいかなる範囲も又は特許請求の範囲のいかなる範囲も描写することを意図していない。その唯一の目的は、後に提示されるより詳細な説明の前置きとして、本開示の幾つかの概念を簡略化した形で提示することである。
【0004】
[004]本開示の一態様では、方法は、第1のパイプについて、第1のパイプに結合された第1のバルブの第1の複数のバルブ位置に対応する第1の複数の圧力値を受信することを含む。本方法は更に、第1のパイプと並行して経路指定された第2のパイプについて、第2のパイプに結合された第2のバルブの第2の複数のバルブ位置に対応する第2の複数の圧力値を受信することを含む。本方法は更に、第1の複数のバルブ位置、第1の複数の圧力値、第2の複数のバルブ位置、及び第2の複数の圧力値に基づいて、流体コンダクタンスマップを生成することを含む。本方法は更に、レシピと流体コンダクタンスマップとに基づいて、処理装置によって、レシピのプロセスのために、第1のバルブが第1のバルブ位置にあり、第2のバルブが第2のバルブ位置にあるようにさせることとを含む。
【0005】
[005]本開示の別の態様では、システムは、入口パイプ、第1のパイプ、及び第2のパイプを含む配管を含み、入口パイプの第1の遠位端部は流体源に結合され、入口パイプの第2の遠位端部は並行である第1のパイプ及び第2のパイプに結合される。本システムは更に、第1のパイプに結合され、第1のパイプを通る第1の流量を制御するように構成された第1のバルブを含む。本システムは更に、第2のパイプに結合され、第2のパイプを通る第2の流量を制御するように構成された第2のバルブを含む。本システムは更に、レシピに基づいて、レシピのプロセスのために、第1のバルブが第1のバルブ位置に、第2のバルブが第2のバルブ位置にあるようにさせる処理装置を含む。
【0006】
[006]本開示の別の態様では、流量比コントローラ(FRC)バルブは、FRCバルブを通る流体の流れを制御するように構成された変位装置と、変位装置に結合された変位センサと、処理装置とを含む。処理装置は、レシピのプロセスのために、変位装置を予め位置決めするための第1の設定点を示す入力信号を受信する。処理装置は更に、入力信号に基づいて、変位装置の物理的変位の調整を開始する。処理装置は更に、調整中に変位センサから受信したフィードバック信号に基づいて、変位装置の物理的変位が第1の設定点に一致するか否かを決定する。変位装置の物理的変位が第1の設定点に一致するとの決定に応じて、処理装置は更に、変位装置の物理的変位の調整を停止させる。
【0007】
[007]本開示は、限定するものではなく、例として、添付図面の図に示される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】特定の実施形態に係る基板処理システムを例示するブロック図である。
【
図2A-D】A~Dは、特定の実施形態に係る基板処理システム用の流量制御バルブの断面図である。
【
図3A】特定の実施形態に係る基板処理システムにおける流量制御バルブの使用に関連する方法のフロー図である。
【
図3B】特定の実施形態に係る基板処理システムにおける流量制御バルブの使用に関連する方法のフロー図である。
【
図4】特定の実施形態に係るコンピュータシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0012]本明細書に記載されるのは、流量比制御(例えば、ピエゾ位置制御を用いる)を対象とした技術である。
【0010】
[0013]製品は、1又は複数の製造プロセスを実行することによって製造される。例えば、基板(例えば、ウエハ、半導体等)は、1又は複数の基板製造プロセスを実行することによって製造される。基板製造プロセスは、基板処理チャンバの1又は複数のチャンバに流体の流れを提供することを含む。幾つかの実施例では、共通の流体源は、2つ以上のチャンバ(例えば、処理チャンバ)、チャンバの2つ以上のゾーン(例えば、処理チャンバにおけるシャワーヘッドのゾーン)等の、2つ以上の場所に流体を提供する。幾つかのレシピは、流体の第1の流量を第1の場所に、流体の第2の流量を第2の場所に同時に提供することを含む。
【0011】
[0014]システムは、受動的制御又は能動的制御のいずれかを用いて、流体の流れを2つ以上のチャネルに分流させる。受動的な流れでは、配管の寸法は、各チャネルに特定の量の流れを提供するように構成される。例えば、2つの配管の寸法は、流体の流れの半分を第1の配管を通して提供し、流体の流れの半分を第2の配管を通して提供するために、等しくなるように制御される。幾つかの実施例では、2つのパイプの寸法は、等しい流体コンダクタンス(例えば、体積流量を圧力低下で割ったもの)を有するように制御される。受動的制御は、異なるチャネルを通る流体流量比を調整することができないため、用途が限定される。
【0012】
[0015]能動的制御を用いた幾つかの従来のシステムでは、バルブと結合された固定オリフィスが用いられる。レシピによって指定された異なるチャネルに対する比率分割に応じて、異なるバルブが開いて、異なるオリフィスを通る流体の流れを誘導し、異なる流量を提供する。多数の固定オリフィスとそれに対応するバルブを有する従来のシステムは、高価であり、設置及びメンテナンスに時間を更に費やし、場所もとる(かさばる等)。固定オリフィスを用いた能動的制御は、固定オリフィスのサイズに基づく流体流量比の調整に限定されるため、用途が限定される。
【0013】
[0016]能動的制御を用いた幾つかの従来システムでは、チャネルを流れる流体の量を決定するために、各並行チャネルの接液流路にセンサが埋め込まれ、センサからのセンサデータに基づいて流体の流れが異なる並行チャネルに能動的に分流される。幾つかの従来システムは、接液流路に温度センサを用いる、又は接液流路に圧力センサ(例えば、オリフィス上、層流要素の圧力を測定する)を用いる。幾つかの実施例では、流路内の流体は腐食性(例えば、腐食性ガス、腐食性レシピ)であり、時間の経過とともにセンサを劣化させる。幾つかの実施例では、高温(例えば、90℃)のセンサ(例えば、温度センサ)は、より早く劣化する(例えば、高温は、反応を更に促進する)。幾つかの実施例では、接液流路のセンサからのセンサ値は、経時ドリフト、流れの変化、腐食、センサへの材料堆積、流路流体コンダクタンスの不一致等の1又は複数に起因して偏る(例えば、不正確である)。接液流路のセンサは、経時的に修正、再校正、交換されることになる。
【0014】
[0017]接液流路のセンサを用いた従来の能動的制御は、センサが位置する配管に流体の流れが生じた後にのみ流量比を制御するため、反応性である。反応性である従来の能動的制御は、流量のヒステリシス(例えば、流量が制御信号に遅れる)を引き起こすバルブ応答時間を有する(例えば、流体の流れが既にバルブを通って流れた後にバルブを制御する)。反応性である従来の能動的制御は、低い再現性を有する(例えば、バルブがバルブ位置に到達するまでかかる時間が長かったり短かったりする)。ヒステリシスと低い再現性は、比率誤差(例えば、不正確な流量比)及び基板の臨界寸法(CD)の変化(例えば、基板の誤差)の一因となる。
【0015】
[0018]本明細書に開示される装置、システム、及び方法は、(例えば、ピエゾ位置制御を用いた)流量比制御を提供する。
【0016】
[0019]本開示は、流量比制御のための流体コンダクタンスマップの生成を含む。第1のパイプと第2のパイプとが並行して経路指定される(例えば、入力パイプが第1のパイプと第2のパイプとに分岐する)。処理装置は、第1のパイプについて、第1のパイプに結合された第1のバルブの第1のバルブ位置に対応する第1の圧力値を受信する。処理装置は更に、第2のパイプについて、第2のパイプに結合された第2のバルブの第2のバルブ位置に対応する第2の圧力値を受信する。処理装置は、第1のバルブ位置、第1の圧力値、第2のバルブ位置、及び第2の圧力値に基づいて、流体コンダクタンスマップを生成する。処理装置は、レシピ及び流体コンダクタンスマップに基づいて、レシピのプロセスのために、第1のバルブが第1のバルブ位置に、第2のバルブが第2のバルブ位置にあるようにさせる。幾つかの実施例では、レシピの次のプロセスにおいて、第1のバルブが60%の流量であり、第2のバルブが40%の流量であるべきである場合、処理装置は、プロセスを予測して、第1のバルブを60%の位置に、第2のバルブを40%の位置にあるようにさせることができる(例えば、反応性である代わりに事前対応型であり、スループットを増加させる)。幾つかの実施例では、処理装置は、レシピの次のプロセスを予測して、第1のバルブ及び第2のバルブを100%開いて第1のパイプ及び第2のパイプを空にする(例えば、次のプロセスのために、パイプを早く空にして、スループットを増加させる)。
【0017】
[0020]本開示は、流量比制御のためのシステムを含む。本システムは、入口パイプ、第1のパイプ、及び第2のパイプを含み、入口パイプの第1の遠位端部は、流体源に結合され、入口パイプの第2の遠位端部は、並行である第1のパイプ及び第2のパイプに結合される。本システムは更に、第1のパイプに結合され、第1のパイプを通る第1の流量を制御するように構成された第1のバルブを含む。本システムは更に、第2のパイプに結合され、第2のパイプを通る第2の流量を制御するように構成された第2のバルブを含む。本システムは更に、レシピに基づいて、レシピのプロセスのために、第1のバルブが第1のバルブ位置にあり、第2のバルブが第2のバルブ位置にあるようにさせる(例えば、基板処理システムのコントローラの)処理装置を含む。
【0018】
[0021]本開示は、流量比制御のための流量比コントローラ(FRC)バルブを含む。FRCバルブは、FRCバルブを通る流体の流れを制御するための変位装置(例えば、圧電材料、ソレノイド等)と、変位装置に結合された変位センサ(例えば、歪みゲージ、キャパシタンスセンサ、渦電流センサ等)と、変位装置及び変位センサに結合された処理装置とを含む。変位装置、変位センサ、及び処理装置は、ダイアフラム(例えば、バルブシーティング材料)によって、FRCバルブの接液流路から分離される。処理装置は、レシピのプロセスを予測して変位装置を予め位置決めするために、第1の設定点(例えば、第1の流体流量)を示す入力信号(例えば、電圧値)を受信する。処理装置は更に、入力信号に基づいて、変位装置の物理的変位の調整(例えば、変位装置を介してダイヤフラムを動かすことによって開口部のサイズを増加又は減少させる)を開始する。処理装置は更に、調整中に変位センサから受信したフィードバック信号に基づいて、変位装置の物理的変位が第1の設定点に一致するか否かを決定する。変位装置の物理的変位が第1の設定点に一致するとの決定に応じて、処理装置は更に、変位装置の物理的変位の調節を停止する。
【0019】
[0022]本開示の態様は、技術的な利点をもたらす。本開示のFRCバルブのセンサは、接液流路の外側にあり、接液流路にセンサを有する従来システムの偏った(例えば、不正確な)センサ値を有さない。これにより、接液流路にセンサを有する従来システムによって引き起こされる(例えば、校正、再設置等の)時間、エネルギー、構成要素(例えば、新たなセンサ)、及び欠陥基板が削減される。本開示のシステムは、異なるパイプを通る流量比を制御し、受動的制御システム及び固定オリフィスシステムよりも多くの用途に使用することができる。本開示のシステムは、バルブを、レシピのプロセスのために、(例えば、流体流量に対する)変位位置に配置し(例えば、次のプロセスを予測する事前対応型である)、従来システムと比較してスループットを増加させる。
【0020】
[0023]本開示の幾つかの実施形態を圧力値に関連して説明しているが、幾つかの実施形態では、他の種類の値、例えば、流量値(例えば、体積流量値、質量流量値等)、温度値等が、圧力値の代わりに又は圧力値に加えて使用される。
【0021】
[0024]
図1は、特定の実施形態に係る基板処理システム100を例示するブロック図である。
【0022】
[0025]基板処理システム100は、1又は複数の流体源110と、配管120のセットと、チャンバ130とを含む。
【0023】
[0026]幾つかの実施形態では、チャンバ130は、エンクロージャシステム(例えば、基板キャリア、前方開口型統一ポッド(FOUP)、オートティーチFOUP、プロセスキットエンクロージャシステム、基板エンクロージャシステム等)、サイドストレージポッド(SSP)、ファクトリインターフェース(例えば、機器フロントエンドモジュール(EFEM))、ロードロック、移送チャンバ、1又は複数の処理チャンバ等の1又は複数を含む。エンクロージャシステム、SSP、及びロードロックは、ファクトリインターフェースに取り付けられ、ファクトリインターフェースに配置されたロボットアームは、エンクロージャシステム、SSP、ロードロック、及びファクトリインターフェースの間で内容物(例えば、基板、プロセスキットリング、キャリア、バリデーションウエハ等)を移送する。ロードロック及び処理チャンバは、移送チャンバに取り付けられ、移送チャンバに配置されたロボットアームは、ロードロック、処理チャンバ、及び移送チャンバの間で内容物(例えば、基板、プロセスキットリング、キャリア、バリデーションウエハ等)を移送する。
【0024】
[0027]配管120は、流体源110から1又は複数のチャンバ130に流体を供給する(例えば、経路指定する)。幾つかの実施形態では、配管120は、2つ以上のチャンバ130に流体を供給する(例えば、経路指定する)。幾つかの実施例では、配管120は、第1の処理チャンバ及び第2の処理チャンバに流体を供給する(例えば、経路指定する)。幾つかの実施例では、配管120は、第1のEFEM及び第2のEFEMに流体を供給する(例えば、経路指定する)。幾つかの実施形態では、配管120は、同じチャンバ130内の2つ以上の場所に流体を供給する(例えば、経路指定する)。幾つかの実施例では、配管120は、処理チャンバのシャワーヘッドの2つ以上のゾーンに流体を供給する(例えば、経路指定する)。
【0025】
[0028]配管120は、入口パイプ122及びパイプ124A~Bを含む。パイプ124A~Bは、並行である。パイプ124A~Bは、入口パイプ122からの流れが2つ以上の別々のパイプ124A~Bに分岐する又は分割されるように流体的に接続されている場合に、並行であると見なされる。
図1では2つのパイプ124A~Bを表示したが、入口パイプは2つ以上のパイプ124(例えば、各々が対応するバルブ126を含む)に分岐し得る。
【0026】
[0029]幾つかの実施形態では、基板処理システム100は、複数の流体源110を含む。幾つかの実施形態では、2つ以上の流体源110は、同じ配管120のセットを使用する。幾つかの実施形態では、各流体源110は、それ自体の配管120のセットを使用する。幾つかの実施形態では、流体源110は、窒素、アルゴン、ネオン、ヘリウム、クリプトン、又はキセノンの1又は複数等の不活性ガスを(例えば、流体コンダクタンスマップを生成等するために、EFEMに、FOUP、ロードロック、SSPに)供給する。幾つかの実施形態では、流体源110は、腐食性ガスを供給する。幾つかの実施形態では、流体源110は、原子塩素、二原子塩素、三フッ化臭素、三フッ化塩素、三フッ化窒素、塩化水素、二塩化硫黄等の硫黄塩化物、二塩化キセノン、原子フッ素、二原子フッ素、三フッ化臭素、三フッ化塩素、三フッ化窒素、フッ化水素、六フッ化硫黄等のフッ化硫黄、二フッ化キセノン等の1又は複数を(例えば、処理チャンバに)供給する。幾つかの実施形態では、1又は複数の流体源110は、混合ガス(例えば、EFEM、FOUP、ロードロック、SSP等に供給される、不活性ガスと、水素及び/又はアンモニアを含む窒素等の酸化抑制ガスとの混合物)を供給する。幾つかの実施形態では、1又は複数のチャンバ130に供給される流体の種類、比率、及び/又は流量は、時間の経過とともに(例えば、レシピのプロセスに基づいて、チャンバ130内のセンサに基づいて等)変更される。
【0027】
[0030]基板処理システム100は、コントローラ140を含む。幾つかの実施形態では、コントローラ140は、ラックマウントサーバ、ルータコンピュータ、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ、メインフレームコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、グラフィック処理ユニット(GPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)(例えば、テンソル処理ユニット(TPU))、パーソナルコンピュータ(PC)、モバイルフォン、スマートフォン、ネットブックコンピュータ、オペレータボックス等の1又は複数の計算装置を含む。幾つかの実施形態では、コントローラ140は、入力を受信し、出力を表示するためにグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を表示する。幾つかの実施形態では、コントローラ140は、例えば、データストア、クライアントデバイス、計測機器、センサ等から)入力(例えば、レシピ、センサデータ、入力データ等)を受信し、入力を処理して出力を生成し、出力(例えば、電圧値、流体コンダクタンスマップ等)を(例えば、データストア、クライアントデバイス、基板処理システム100の構成要素、バルブ126等に)供給する。幾つかの実施形態では、コントローラ140は、
図3Aの方法300Aを実行するために使用される。
【0028】
[0031]コントローラ140は、流体マニホールド112(例えば、配管120の入口パイプ122に入る流体の流量及び/又は種類を制御するため)、バルブ126A~B(例えば、パイプ124A~Bの流体流量を制御するため)、センサ114(例えば、入口パイプ122に入る及び/又は流体マニホールド112から出る全体流量を決定するためのセンサデータを受信するため)、センサ128A~B(例えば、流体コンダクタンスマップを生成するためのセンサデータを受信するため)、チャンバ130、及び/又は基板処理システム100の他の部分(例えば、ロボットアーム、アライナ装置、位置中心探知(LCF)装置、他のセンサ等)の1又は複数に結合される。幾つかの実施形態では、センサ114及び/又はセンサ128A~Bの1又は複数は、圧力値を提供する圧力センサである。幾つかの実施形態では、センサ114及び/又はセンサ128A~Bの1又は複数は、流体コンダクタンスマップを生成するために使用され、流体コンダクタンスマップを生成した後に取り除かれる(例えば、腐食性流体の流れには含まれない)。幾つかの実施形態では、センサ114及び/又はセンサ128A~Bの1又は複数は、異なる場所(例えば、バルブ126A~Bの前、流体マニホールド112の前、入口パイプ122内、チャンバ130内等)に位置する、及び/又はより少ないセンサと組み合わされる。幾つかの実施例では、センサ128A~Bは、入口圧力値を提供する(例えば、バルブ126A~Bの前に位置する)。幾つかの実施形態では、センサ128は、入口パイプ122のセンサの1つである。
【0029】
[0032]幾つかの実施形態では、コントローラ140は、流体マニホールド112、バルブ126A~B、センサ114、センサ128A~B、チャンバ130、及び/又は基板処理システム100の他の部分の1又は複数にネットワークを介して(例えば、有線接続及び/又は無線接続を介して)結合される。幾つかの実施形態では、ネットワークは、コントローラ140に、一般に利用可能な計算装置へのアクセスを提供する公衆ネットワークである。幾つかの実施形態では、ネットワークは、コントローラ140に、私的に利用可能な計算装置へのアクセスを提供するプライベートネットワークである。幾つかの実施形態では、ネットワークは、1又は複数のワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、有線ネットワーク(例えば、イーサネットネットワーク)、無線ネットワーク(例えば、802.11ネットワーク又はWi-Fiネットワーク)、セルラーネットワーク(例えば、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワーク)、ルータ、ハブ、スイッチ、サーバコンピュータ、クラウドコンピューティングネットワーク、及び/又はそれらの組合せを含む。
【0030】
[0033]幾つかの実施形態では、コントローラ140は、基板処理システム100を制御して、基板を製造する。幾つかの実施形態では、コントローラ140は、基板処理システム100から(例えば、センサ114及び/又はセンサ128A~Bから)受信したセンサデータに基づいて、是正処置を実行させる。幾つかの実施形態では、是正処置は、(例えば、センサデータドリフトの、予防保守の、交換されるべき構成要素の)アラートの提供、製造パラメータ(例えば、流量、バルブの物理的変位、バルブの開口サイズ、提供される流体の種類、提供される流体の混合等)の更新、基板処理システム100の機能の中断等の1又は複数を含む。
【0031】
[0034]幾つかの実施形態では、コントローラ140は、流体源110から、配管120を通って、チャンバ130に不活性ガスを供給させる。コントローラ140は、パイプ124Aを通る不活性ガスの流れの間、バルブ126Aが対応するバルブ位置(例えば、異なる物理的変位)にあるようにさせるために、バルブ126Aに電圧値を送信する。コントローラ140は、バルブ126Bに電圧値を送信して、パイプ124Bを通る不活性ガスの流れの間、バルブ126Bが対応するバルブ位置にあるようにさせる。コントローラ140は、センサ128Aを介して、バルブ126Aのバルブ位置に対応するセンサ値(例えば、パイプ124Aを通る流体の流れに対応する圧力値)を受信し、センサ128Bを介して、バルブ126Bのバルブ位置に対応するセンサ値(例えば、パイプ124Bを通る流体の流れに対応する圧力値)を受信する。コントローラ140は、バルブ126A~Bに対応するバルブ位置及びセンサ値に基づいて、流体コンダクタンスマップを生成する。コントローラ140は、レシピと流体コンダクタンスマップとに基づいて、レシピのプロセスのために、バルブ126Aが第1のバルブ位置にあり、バルブ126Bが第2のバルブ位置にあるようにさせる。
【0032】
[0035]幾つかの実施形態では、流体コンダクタンスマップの生成に続いて、センサ128A~B(例えば、圧力センサ)が、パイプ124A~Bから取り除かれる。幾つかの実施形態では、コントローラ140は、流体コンダクタンスマップを経時的に検証及び/又は更新する。
【0033】
[0036]幾つかの実施形態では、コントローラ140は、(例えば、基板処理システム100を介して基板を製造するための)レシピを受信する。コントローラ140は、レシピのプロセスのために、バルブ126A~Bが対応するバルブ位置にあるようにさせるために、バルブ126Aに第1の電圧値を送信し、バルブ126Bに第2の電圧値を送信する。幾つかの実施形態では、コントローラ140は、(例えば、異なる流体を使用する)レシピのプロセスに備えて、バルブ126A~Bを開いて配管120から流体を空にするために、バルブ126A~Bに電圧値を送信する。幾つかの実施形態では、コントローラ140は、バルブ126A~Bをレシピの次のプロセスで使用される対応するバルブ位置に配置するために、バルブ126A~Bに電圧値を送信する。
【0034】
[0037]
図2A~
図2Dは、特定の実施形態に係る基板処理システム(例えば、
図1の基板処理システム100)のためのFRCバルブ200A~D(例えば、
図1のバルブ126A~B)の断面図である。
【0035】
[0038]幾つかの実施形態では、FRCバルブ200は、FRCバルブ200を通る流体の流れを制御するように構成された変位装置210と、変位装置210に結合された変位センサ220と、変位装置210及び変位センサ220に結合された処理装置230(例えば、回路、処理回路、プロセッサ等)とを含む。幾つかの実施形態では、ダイアフラム240(例えば、バルブシーティング材料)により、変位装置210、変位センサ220、及び/又は処理装置230の1又は複数が接液流路から分離される(例えば、流体は、変位装置210、変位センサ220、及び/又は処理装置230には接触しない)。幾つかの実施形態では、FRCバルブ200は、パイプ250(例えば、
図1のパイプ124A又はパイプ124B)に結合する。
【0036】
[0039]幾つかの実施形態では、FRCバルブ200A~Bは、異なるバルブ位置にある同じFRCバルブである。幾つかの実施形態では、FRCバルブ200C~Dは、異なるバルブ位置にある同じFRCバルブである。幾つかの実施形態では、
図2AのFRCバルブ200A及び
図2CのFRCバルブ200Cは、開位置にあり、
図2BのFRCバルブ200B及び
図2DのFRCバルブ200Dは、閉位置にある。
【0037】
[0040]変位装置210は、FRCバルブ200を通る開口部(例えば、湿潤流体の流れのための開口部、パイプ250にアライメントされた開口部等)のサイズを1又は複数の方向から減少及び増加させる。幾つかの実施形態では、変位装置210は、FRCバルブ200を通る開口サイズの大きさを2つ以上の方向から減少及び増加させる(例えば、全周を減少及び増加させる、
図2A~
図2Bを参照)。幾つかの実施形態では、変位装置210は、FRCバルブ200を通る開口サイズの大きさを一方向に減少及び増加させる(例えば、
図2C~
図2Dを参照)。幾つかの実施形態では、FRCバルブ200は、単一の変位装置210(例えば、上方位置から下方位置へ変位する
図2C~
図2Dの単一の変位装置210、内径が減少する
図2A~
図2Bの単一の変位装置210)を有する。幾つかの実施形態では、FRCバルブ200は、複数の変位装置210(例えば、互いに近づくように移動する
図2A~
図2Bの上部変位装置210と下部変位装置210)を有する。
【0038】
[0041]幾つかの実施形態では、処理装置230は、レシピのプロセスのために(例えば、レシピのプロセスを予測して)、変位装置210を予め位置決めするための第1の設定点(例えば、変位装置210の物理的変位、第1の流量値、第1の流量比)を示す入力信号(例えば、
図1のコントローラ140からの電圧値)を受信する。処理装置230は、入力信号に基づいて、変位装置210の物理的変位の調整を開始する。処理装置230は、調整中に変位センサ220から受信したフィードバック信号に基づいて、変位装置210の物理的変位が第1の設定点に一致するか否かを決定する。変位装置210の物理的変位が第1の設定点に一致するとの決定に応じて、処理装置230は、変位装置210の物理的変位を停止させる。
【0039】
[0042]幾つかの実施形態では、変位装置210は、圧電材料又はソレノイドである。電圧値の受信に応じて、変位装置210(例えば、圧電材料又はソレノイド)は、物理的変位を有する。幾つかの実施例では、第1の電圧値は、開である物理的変位(例えば、FRCバルブ200をフルに通る流体の流れ)を引き起こし、第2の電圧値は、閉である(例えば、FRCバルブ200を通る流体の流れがない)物理的変位を引き起こす。
【0040】
[0043]幾つかの実施形態では、変位センサ220は、歪みゲージ、キャパシタンスセンサ(例えば、2つのプレート間のキャパシタンスを測定する)、又は渦電流センサである。幾つかの実施形態では、変位センサ220は、変位装置210の物理的変位を決定する。変位センサ220は、変位装置210の実際の変位のフィードバックを提供する。幾つかの実施形態では、処理装置230は、電圧値を受信し、電圧値の印加を開始し、変位センサ220からのフィードバック信号(例えば、物理的変位)に基づいて、受信した電圧値とは異なる電圧値(例えば、より低い電圧値、より高い電圧値)を印加する。幾つかの実施形態では、変位装置210は、微細な分解能(例えば、バルブのフルストローク(例えば、開と閉との間の設定点)あたり数十、数百、数千、又は数万の設定点)で制御可能である。
【0041】
[0044]幾つかの実施形態では、処理装置230が、経時的な変化を決定する。幾つかの実施例では、処理装置230は、第1のバルブ位置から第2のバルブ位置(例えば、開から閉等)までの時間量の変化を決定する。幾つかの実施例では、処理装置230は、電圧値と変位センサ220によって決定された物理的変位との間の変化相関(例えば、経時的に開位置又は閉位置になるための異なる電圧量)を決定する。幾つかの実施形態では、処理装置230によって実行される本明細書に記載の1又は複数の工程は、基板処理システム(例えば、基板処理システム100)のコントローラ(例えば、
図1のコントローラ140)によって実行される。幾つかの実施形態では、基板処理システムのコントローラ(例えば、
図1のコントローラ140)によって実行される本明細書に記載の1又は複数の工程は、処理装置230によって実行される。幾つかの実施形態では、2つ以上のバルブ200の処理装置230は、互いに、及び/又は、基板処理システム(例えば、
図1の基板処理システム100)の1又は複数の他の構成要素と通信する。
【0042】
[0045]幾つかの実施形態では、流体コンダクタンス曲線は、圧力(Torr)の第1の軸及びバルブ位置(ボルト(V))の第2の軸を含むフローコンダクタンスマップ(例えば、グラフ)に表示される。幾つかの実施形態では、第1の流体コンダクタンス曲線は第1のパイプに対応し、第2の流体コンダクタンス曲線は、第1のパイプと並行して経路指定される第2のパイプに対応する(例えば、入口パイプが少なくとも第1のパイプ及び第2のパイプに分岐する)。第1のパイプ及び第2のパイプは各々、異なる流体コンダクタンス(例えば、体積流量を圧力低下で割ったもの)を有する。幾つかの実施形態では、異なる流体コンダクタンス曲線は、第1及び第2のパイプの異なる長さ、異なる経路指定、異なる直径、異なる摩擦、異なるフィッティング、異なる配管形状寸法、異なるヘッドロス、異なる遷移等の1又は複数に起因する。
【0043】
[0046]幾つかの実施形態では、流体コンダクタンスマップの生成は、校正の(例えば、特定の流量を提供するバルブに供給される電圧を校正する)ためである。流体コンダクタンスマップは、バルブ設定点(例えば、電圧値)と圧力値(例えば、並列パイプの各パイプ)との間の非線形関係を提供する。幾つかの実施形態では、流体コンダクタンスマップは、流体コンダクタンス曲線(例えば、グラフ)を含む。
【0044】
[0047]幾つかの実施形態では、流体コンダクタンス表の値は、応答(例えば、フィードバック信号、測定された圧力値等)に基づき更新される。幾つかの実施形態では、入口圧力がある値(例えば、500Torr)を超えたことに応答して、バルブの校正が終了する。
【0045】
[0048]
図3A~
図3Bは、特定の実施形態に係る基板処理システム(例えば、
図1の基板処理システム100)における流量制御バルブ(例えば、
図1のバルブ126、
図2A~
図2Dのバルブ200A~D等)の使用に関連する方法300A~Bのフロー図である。方法300A~Bは、ハードウェア(例えば、回路、専用ロジック、プログラマブルロジック、マイクロコード、処理装置等)、ソフトウェア(処理装置、汎用コンピュータシステム、又は専用機で実行される命令等)、ファームウェア、マイクロコード、又はそれらの組み合わせを含む処理ロジックによって実行される。幾つかの実施形態では、方法300Aは、部分的に、
図1のコントローラ140によって実行される。幾つかの実施形態では、方法300Cは、
図1のバルブ126及び/又は
図2A~
図2Dの処理装置230によって、部分的に実行される。幾つかの実施形態では、非一過性記憶媒体は、(例えば、
図1のコントローラ140の、
図1のバルブ126の、
図2A~
図2Dの処理装置230等の)処理装置によって実行されると、処理装置に方法300A~Bの1又は複数を実行させる命令を記憶する。
【0046】
[0049]説明を簡単にするために、方法300A~Bを一連の工程として描き、説明する。しかしながら、本開示に係る工程は、様々な順序で、及び/又は同時に、本明細書に提示及び説明していない他の工程と一緒に行うことができる。更に、幾つかの実施形態では、開示された主題に係る方法300A~Bを実施するために、例示した工程全てが行われるわけではない。加えて、当業者は、方法300A~Bが、代替的に、状態図又は事象を介して一連の相関する状態として提示され得ることを理解し、認識するであろう。
【0047】
[0050]
図3Aを参照すると、方法300Aのブロック310において、処理ロジックは、入口パイプ及び実質的に並列の複数のパイプを含む配管を通る(例えば、窒素、アルゴン、ネオン、ヘリウム、クリプトン、又はキセノンの1又は複数等の不活性ガスの)流体の流れ(例えば、少なくとも第1及び第2のパイプへの入口パイプ分岐を通る流れ)を生じさせ、複数のパイプは第1のパイプ及び第1のパイプと並行する第2のパイプを含む。幾つかの実施形態では、処理ロジックは、流体マニホールドに信号を送信して、流体マニホールドに、配管を通る1又は複数の不活性ガスの流体の流れを提供させる。幾つかの実施形態では、処理ロジックは、不活性ガスの異なる入口流量(例えば、500sccm、1000sccm等)を生じさせる。
【0048】
[0051]幾つかの実施形態では、配管は、入口パイプを通るように経路指定された流体の流れを、少なくとも第1のパイプ及び第2のパイプを通る流れに分割する。第1のバルブは、第1のパイプを通る流れを制御するために使用され、第2のバルブは、第2のパイプを通る流れを制御するために使用される。幾つかの実施形態では、第1及び第2のパイプは、同様の特性(例えば、同様の流体コンダクタンス、同様のヘッド、同様のサイズ、同様の経路指定等)を有する。幾つかの実施形態では、第1及び第2のパイプは、異なる特性を有する。入口パイプは、流体源から(例えば、処理ロジックによって制御される流体マニホールドを介して)流体の流れを受け入れる。第1及び第2のパイプは、流体の流れ(例えば、流体源から入口パイプを介して第1及び第2のパイプへ)を1又は複数の場所(例えば、1又は複数のチャンバ、1又は複数のゾーン、処理チャンバに配置されたシャワーヘッドの1又は複数の部分)へ供給する。幾つかの実施形態では、流れ分割装置は、入口パイプ、第1のパイプ、第2のパイプ、第1のバルブ、及び/又は第2のバルブのうちの1又は複数を含む。
【0049】
[0052]ブロック312において、処理ロジックは、流体の流れの間に第1のバルブが第1のバルブ位置にあるようにさせるために、第1のパイプに結合された第1のバルブに第1の電圧値を送信する。幾つかの実施形態では、処理ロジックは、不活性ガスの異なる入口流量(例えば、500sccmで100%開放、50%開放等;1000sccmで100%開放、50%開放等)の間に、第1の電圧値を第1のバルブに送信する。
【0050】
[0053]ブロック314において、処理ロジックは、第1のパイプについて、第1のバルブの第1のバルブ位置に対応する第1の圧力値を受信する。幾つかの実施形態では、第1の圧力値は、各入口流量に対応する圧力値のセットを含む。幾つかの実施例では、第1の圧力値は、第1の入口流量における第1のバルブ位置に対する第1の圧力値、第1の入口流量における第2のバルブ位置に対する第2の圧力値等を含む圧力値の第1のセットを含む。
【0051】
[0054]幾つかの実施形態では、第1の圧力値は、第1のバルブが異なるバルブ位置にあり、並行する他のバルブ(例えば、第2のバルブ)が閉位置にある間に決定される。
【0052】
[0055]幾つかの実施形態では、ブロック312~314は、第1のパイプと並行して走る対応するパイプに結合された各バルブに対して(例えば、複数のパイプ及び対応する複数のバルブに対して)繰り返される。例えば、ブロック316~318は、第2のパイプに対するものである。
【0053】
[0056]ブロック316において、処理ロジックは、第2のパイプに結合された第2のバルブに第2の電圧値を送信して、流体の流れの間に第2のバルブが第2のバルブ位置にあるようにさせる。ブロック316は、ブロック312と同様であるが、第2のバルブに対するものである。
【0054】
[0057]ブロック318において、処理ロジックは、第2のパイプについて、第2のバルブの第2のバルブ位置に対応する第2の圧力値を受信する。ブロック318は、ブロック314と同様であるが、第2のバルブに対するものである。幾つかの実施形態では、第2の圧力値は、第2のバルブが異なるバルブ位置にあり、並行する他のバルブ(例えば、第1のバルブ)が閉位置にある間に決定される。
【0055】
[0058]幾つかの実施形態では、処理ロジックは、流体の流れの間に第3のバルブが第3のバルブ位置にあるようにさせるために、第3のパイプに結合された第3のバルブに第3の電圧値を送信し、第3のパイプについて、(例えば、異なるバルブ位置にあり、他のバルブが閉位置にある)第3のバルブの第3のバルブ位置に対応する第3の圧力値を受信する。
【0056】
[0059]ブロック320において、処理ロジックは、バルブ位置及び圧力値(例えば、少なくとも第1のバルブ位置、第1の圧力値、第2のバルブ位置、及び第2の圧力値)に基づいて、流体コンダクタンスマップ(例えば、流体コンダクタンス曲線、流体コンダクタンス表等)を生成する。幾つかの実施形態では、処理ロジックは、第3のバルブ位置及び第3の圧力値に基づいて、流体コンダクタンスマップを更に生成する。幾つかの実施形態では、処理ロジックは、1又は複数の工程を介して流体コンダクタンスマップを生成する。流体コンダクタンスマップは、どの電圧が、各パイプを通るどの流量に対応するかを示す。幾つかの実施形態では、実質的に並行する複数のパイプのうちの2つ以上(例えば、第1のパイプ及び第2のパイプ)は、第1のバルブが第1の電圧(例えば、4.9V)、第2のバルブが第2の電圧(例えば、5.2V)に設定されて両方のパイプが同じ流量を有するように、異なる特性(例えば、異なる流体コンダクタンス)を有する。幾つかの実施形態では、電圧値は、レシピのプロセスに対応する流量又は圧力に基づいて、流体コンダクタンスマップを使用して決定され得る。
【0057】
[0060]ブロック322において、処理ロジックは、レシピ及び流体コンダクタンスマップに基づいて、2つ以上のバルブが、レシピのプロセスのためのバルブ位置にある(例えば、第1のバルブが第1のバルブ位置にあり、第2のバルブが第2のバルブ位置にある)ようにさせる。幾つかの実施形態では、処理ロジックは更に、レシピ及び流体コンダクタンスマップに基づいて、レシピのプロセスのために、第3のバルブが第3のバルブ位置にあるようにさせる。幾つかの実施形態では、処理ロジックは、レシピの次のプロセスからパラメータ(例えば、圧力値、流量値等)を決定し、パラメータに基づいて流体コンダクタンスマップから対応する電圧値を決定し、対応する電圧値をバルブに送信することによって、バルブがバルブ位置にあるようにさせる。
【0058】
[0061]幾つかの実施形態では、処理ロジックは、レシピの次のプロセス中に使用されるバルブ位置にバルブが予め位置決めされるようにさせる。幾つかの実施形態では、処理ロジックは、レシピの(例えば、以前に使用されたものとは異なる流体を使用することになる)次のプロセスに備えて、パイプから流体を空にするためにバルブを開かせる。
【0059】
[0062]幾つかの実施形態では、処理ロジックは、流体コンダクタンス比のモデルを生成する。
【0060】
[0063]流体コンダクタンス比のモデルは、入口流量(例えば、sccm)を含む。入口流量は、並列パイプに分岐する入口パイプへの不活性ガス(例えば、窒素(N2))の(例えば、流体マニホールド、入口パイプ等で測定された)流量である。流体コンダクタンス比のモデルを生成するために、異なる入口流量が使用される。幾つかの実施形態では、異なる入口流量は、1又は複数のレシピで使用される共通の流量である。幾つかの実施形態では、異なる入口流量の範囲は、1又は複数のレシピで使用される流量の範囲を含む。幾つかの実施形態では、異なる流量は、増分間隔(例えば、500、1000、1500、2000sccm等)である。
【0061】
[0064]流体コンダクタンス比のモデルは、比設定点を含む。幾つかの実施形態では、比設定点は、異なる電圧値(例えば、0が閉であり、最高電圧が完全に開である0~10V又は0~5V)を含む。幾つかの実施形態では、比設定点は、開いている様々な割合を含む(例えば、0%~100%開)。幾つかの実施形態では、比設定点は、あるバルブのパラメータ(例えば、開いている割合、電圧、流量、圧力)の別のバルブに対する比を含む。例えば、1の比設定点は1:1であり、2の比設定点は2:1等である。
【0062】
[0065]流体コンダクタンス比のモデルは、入口流量及び比設定点に対応する値(例えば、V1x、V2x)を含む。幾つかの実施形態では、対応する値(例えば、V1x、V2x)は、異なる入口流量及び異なる比設定点に対するパイプの圧力値である。例えば、第1の入口流量(例えば、500sccm)及び第1の比設定点(例えば、第1のバルブ及び第2のバルブが完全に開いている)に対して、第1のバルブに結合された第1のパイプの第1の圧力値(例えば、V1x1)及び第2のバルブに結合された第2のパイプの第2の圧力値(例えば、V2x1)が決定される。幾つかの実施形態では、対応する値(例えば、V1x、V2x)は、異なる入口流量及び異なる比設定点に対するバルブの電圧値である。例えば、第1の入口流量(例えば、500sccm)及び第1の比設定点(例えば、第1のバルブ及び第2のバルブが完全に開いている)に対して、第1のバルブに結合された第1のパイプの第1の電圧値(例えば、V1x1)及び第2のバルブに結合された第2のパイプの第2の電圧値(例えば、V2x1)が決定される。
【0063】
[0066]幾つかの実施形態では、流体コンダクタンス比のモデルの圧力値は、
図3Aの方法300Aのブロック310~318によって決定される。
【0064】
[0067]幾つかの実施形態では、処理ロジックは、流体コンダクタンス比のモデルに基づいて流体コンダクタンスマップ(例えば、流体コンダクタンス表、流体コンダクタンス曲線、グラフ、習得した流体コンダクタンスマップ等)を生成する。
【0065】
[0068]流体コンダクタンスマップは、異なるバルブについてのバルブ設定点(例えば、ボルト(V)、入力/出力第1及び第2のバルブの電圧設定点)、及び異なるバルブについてのバルブ設定点における対応する圧力値(例えば、Torr)を含む。幾つかの実施形態では、圧力値及び/又は電圧値は、流体コンダクタンス比のモデルからのものである。
【0066】
[0069]幾つかの実施形態では、制御ループは、入口流量設定点及び比設定点を使用して、流体コンダクタンス比のモデルに入力するための異なる圧力値(例えば、
図3Aのブロック310~318)を決定することを含む。流体コンダクタンス比のモデルからの異なる圧力値は、流体コンダクタンス比のモデルの比設定点に使用される対応する電圧設定点に関連して、流体コンダクタンスマップに入力される。
【0067】
[0070]幾つかの実施形態では、バルブ設定点(例えば、電圧値)は、流体コンダクタンスマップ上にない圧力値に基づいて、流体コンダクタンスマップから補間(例えば、推定)される。幾つかの実施形態では、第1の入口流量(例えば、流体マニホールド又は入口パイプからの流量)に対するバルブ設定点(例えば、電圧値)は、異なる入口流量(例えば、第1の入口流量より小さい第2の入口流量及び第1の入口流量より大きい第3の入口流量)に対応する流体コンダクタンスマップ(例えば、流体コンダクタンス曲線)から補間される(例えば、推定される)。
【0068】
[0071]幾つかの実施形態では、
図3Aのブロック310~320は、コンダクタンス比のモデルの更新、流体コンダクタンスマップの更新、ドリフト(例えば、センサ値のドリフト、比のドリフト、コンダクタンスのドリフト、バルブ変位装置のドリフト等)があるか否かの決定、変動の根本原因の決定、是正処置が実行されるか否かの決定、バルブの応答時間が遅延しているか否かの決定等の1又は複数のために繰り返される。是正処置は、警告の発信、製造パラメータの更新、予防保守の実行、部品の交換、製造機器(例えば、処理チャンバ)の中断等の1又は複数を含む。
【0069】
[0072]
図3Bを参照すると、方法300Bのブロック340において、処理ロジックは、レシピのプロセスのために、変位装置を予め位置決めするための設定点を示す入力信号を受信する。幾つかの実施形態では、処理ロジックは、レシピのプロセスのために、1又は複数の(例えば、FRCバルブの、複数のFRCバルブの)変位装置を予め位置決めするための1又は複数の設定点を示す1又は複数の入力信号を受信する。幾つかの実施形態では、入力信号は、レシピのプロセスで使用される圧力値(又は流量値)に対応する電圧値である。幾つかの実施形態では、入力信号は、基板処理システムのコントローラから受信される。幾つかの実施形態では、入力信号(例えば、電圧値)は、流体コンダクタンスマップ上の圧力値に対応する。
【0070】
[0073]ブロック342において、処理ロジックは、入力信号に基づいて、変位装置(例えば、1又は複数の変位装置)の物理的変位の調整を開始する。幾つかの実施形態では、変位装置の物理的変位の調整は、変位装置に電圧を印加することによって行われる。幾つかの実施形態では、変位装置は、圧電材料とバルブの接液流路との間に配置されたダイヤフラムを動かすことによって、バルブの開きを増加又は減少させる圧電材料である。幾つかの実施形態では、変位装置は、ソレノイドとバルブの接液流路との間に配置されたダイヤフラムを動かすことによって、バルブの開きを増加又は減少させるソレノイドである。
【0071】
[0074]ブロック344において、処理ロジックは、調整中に変位センサからフィードバック信号を受信する。変位センサは、変位装置に電気的に結合される。幾つかの実施形態では、変位センサは、歪みゲージ、キャパシタンスセンサ、又は渦電流センサのうちの1又は複数である。変位装置に電圧を印加することによって変位装置の物理的変位が調整されると、変位センサは、変位装置の物理的変位を決定する。
【0072】
[0075]ブロック346において、処理ロジックは、フィードバック信号に基づいて、物理的変位が設定点と一致するか否かを決定する。例えば設定点が、物理的変位が1ミクロンであることを示す場合、処理ロジックは、フィードバック信号が1ミクロンの物理的変位を示すか否かを決定する。物理的変位が設定点と一致しないことに応じて、フローはブロック344に戻る。物理的変位が設定点と一致したことに応じて、フローはブロック348に継続する。
【0073】
[0076]ブロック348において、処理ロジックは、変位装置の調整を停止する。幾つかの実施形態では、設定点は、物理的変位(例えば、バルブを完全に開く)に対応する電圧値(例えば、5V)である。幾つかの実施形態では、フィードバック信号を使用することによって、物理的変位を達成するために更新された電圧値(例えば、4.9V、5.2V)が使用される。方法300Bを変位装置において説明したが、幾つかの実施形態では、方法300Bは、2つ以上の(例えば、単一のFRCバルブの、2つ以上のFRCバルブ等の)変位装置に適用される。
【0074】
[0077]
図4は、特定の実施形態に係るコンピュータシステム400を示すブロック図である。幾つかの実施形態では、コンピュータシステム400は、
図1のコントローラ140である。幾つかの実施形態では、コンピュータシステムは、
図1のバルブ126、
図2A~
図2Dのバルブ200、及び/又は
図2の処理装置230である。幾つかの実施形態では、コンピュータシステム400は、
図4に示す構成要素のうちの1又は複数を含む(例えば、コンピュータシステム400は、
図4に示す各構成要素を含まない)。
【0075】
[0078]幾つかの実施形態では、コンピュータシステム400は、他のコンピュータシステムに(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イントラネット、エクストラネット、又はインターネット等のネットワークを介して)接続される。コンピュータシステム400は、クライアントサーバ環境におけるサーバ又はクライアントコンピュータの能力で、又はピアツーピア又は分散ネットワーク環境におけるピアコンピュータとして動作する。幾つかの実施形態では、コンピュータシステム400は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、携帯電話、ウェブアプライアンス、サーバ、ネットワークルータ、スイッチ又はブリッジ、又はその装置によって実行されるべきアクションを指定する命令のセット(シーケンシャル又はその他)を実行することができる任意の装置によって提供される。更に、「コンピュータ」という用語は、本明細書に記載の方法のいずれか1又は複数を実行するための命令のセット(又は複数のセット)を個別に又は共同で実行するコンピュータの任意の集合を含むものとする。
【0076】
[0079]幾つかの実施形態では、コンピュータシステム400は、処理装置402、揮発性メモリ404(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))、不揮発性メモリ406(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)又は電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)及び/又はデータストレージ装置416を含み、これらはバス408を介して相互に通信する。
【0077】
[0080]幾つかの実施形態では、処理装置402は、汎用プロセッサ(例えば、複雑な命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、他のタイプの命令セットを実行するマイクロプロセッサ、又はタイプを組み合わせた命令セットを実行するマイクロプロセッサ)、又は特殊プロセッサ(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又はネットワークプロセッサ)等の1又は複数のプロセッサによって提供される。
【0078】
[0081]幾つかの実施形態では、コンピュータシステム400は更に、(例えば、ネットワーク474に結合された)ネットワークインタフェース装置422を含む。幾つかの実施形態では、コンピュータシステム400は、ビデオ表示装置410(例えば、LCD)、英数字入力装置412(例えば、キーボード)、カーソル制御装置414(例えば、マウス)、及び/又は信号生成装置420も含む。
【0079】
[0082]幾つかの実装態様では、データストレージ装置416は、本明細書に記載の方法を実行するための命令を含む、本明細書に記載の方法又は機能のいずれか1又は複数を符号化する命令426を記憶する非一過性コンピュータ可読記憶媒体424を含む。
【0080】
[0083]幾つかの実施形態では、命令426はまた、コンピュータシステム400によるその実行中に、完全に又は部分的に、揮発性メモリ404内及び/又は処理装置402内に存在し、それゆえ、揮発性メモリ404及び処理装置402も、幾つかの実施形態では機械可読記憶媒体を構成する。
【0081】
[0084]図示した実施例ではコンピュータ可読記憶媒体424を単一の媒体として示したが、用語「コンピュータ可読記憶媒体」は、1又は複数の実行可能な命令のセットを記憶する単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中又は分散データベース、及び/又は関連キャッシュとサーバ)を含むものとする。用語「コンピュータ可読記憶媒体」は、コンピュータに本明細書に記載の方法のいずれか1又は複数を実行させる、コンピュータによる実行のための命令セットを記憶又は符号化することができる任意の有形の媒体も含むものとする。用語「コンピュータ可読記憶媒体」は、固体メモリ、光学媒体、及び磁気媒体を含むが、これらに限定されないものとする。
【0082】
[0085]幾つかの実施形態では、本明細書に記載の方法、構成要素、及び特徴は、個別のハードウェア構成要素によって実装される、又はASICS、FPGA、DSP、又は同様の装置等の他のハードウェア構成要素の機能において統合される。幾つかの実施形態では、方法、構成要素、及び特徴は、ハードウェア装置内のファームウェアモジュール又は機能回路によって実装される。更に、方法、構成要素、及び特徴は、ハードウェア装置及びコンピュータプログラム構成要素の任意の組み合わせにおいて、又はコンピュータプログラムにおいて実装される。
【0083】
[0086]特に明記していない限り、「受信」、「生成」、「引き起こす、させる」、「決定」、「送信」、「開始」、「停止」等の用語は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内で物理的(電子)量として表されるデータを、コンピュータシステムのメモリもしくはレジスタ又は他のかかる情報ストレージ、送信もしくは表示装置内で物理的量として同様に表される他のデータに操作及び変換する、コンピュータシステムが実施又は実行する動作及びプロセスを意味する。また、本明細書で使用する「第1」、「第2」、「第3」、「第4」等の用語は、異なる要素を区別するためのラベルとしての意味を持ち、その数値指定による序列的な意味を持つものではない。
【0084】
[0087]本明細書に記載の実施例はまた、本明細書に記載の方法を実施するための装置に関する。幾つかの実施形態では、この装置は、本明細書に記載の方法を実施するために特別に構築される、又はコンピュータシステムに記憶されたコンピュータプログラムによって選択的にプログラムされた汎用コンピュータシステムを含む。このようなコンピュータプログラムは、有形のコンピュータ可読記憶媒体に記憶される。
【0085】
[0088]本明細書に記載の方法及び図示した実施例は、任意の特定のコンピュータ又は他の装置に本質的に関連しているわけではない。様々な汎用システムが、本明細書に記載の教示に従って使用される、又は、幾つかの実施形態では、本明細書に記載の方法及び/又はそれらの個々の機能、ルーチン、サブルーチン、又は工程の各々を実行するためにより特化した装置を構築することが便利であることが判明する。これらの様々なシステムのための構造の実施例は、上記の説明に記載されている。
【0086】
[0089]本明細書全体における「一実施形態」、「ある実施形態」又は「幾つかの実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明した特定の特徴、構造、又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な場所での「一実施形態」、「ある実施形態」又は「幾つかの実施形態」等の句の出現が全て、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない。更に、用語「又は」は、排他的な「又は」ではなく、包括的な「又は」を意味することが意図される。本明細書において、「約」又は「ほぼ」という用語が使用される場合、提示された公称値が±10%以内の精度であることを意味することが意図される。
【0087】
[0090]本明細書で使用する用語「上方」、「下方」、「間」、「上に配置」、及び「上」は、他の層又は構成要素に対する1つの材料層又は構成要素の相対位置を意味する。幾つかの実施例では、他の層の上、上方、又は下方に配置された1つの層は、他の層と直接接触する、又は1又は複数の介在層を有する。幾つかの実施例では、2つの層の間に配置された1つの層は、2つの層と直接接触する、又は1又は複数の介在層を有する。同様に、幾つかの実施例では、2つの特徴の間に配置された1つの特徴は、隣接する特徴と直接接触する、又は1又は複数の介在層を有する。
【0088】
[0091]様々な実施形態は、上述した構造的特徴の異なる組合せを有し得る。例えば、上述したエンクロージャの全てのオプションの特徴を、1つのエンクロージャに実装することも可能であり、実施例における詳細を、1又は複数の実施形態のどこでも使用可能である。
【0089】
[0092]上記の説明は、例示的なものであり、限定するものではない。本開示を特定の例示的な実施例及び実装態様を参照しながら説明してきたが、本開示が、記載の実施例及び実装態様に限定されないことが認識されるであろう。本開示の範囲は、下記の特許請求の範囲を参照し、特許請求の範囲が権利を有する完全な均等物の範囲と共に決定されるべきである。