IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日亜化学工業株式会社の特許一覧

特許7518395回路基板、発光装置及びそれらの製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-09
(45)【発行日】2024-07-18
(54)【発明の名称】回路基板、発光装置及びそれらの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20240710BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20240710BHJP
【FI】
H05K1/02 F
H01L33/62
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021206159
(22)【出願日】2021-12-20
(65)【公開番号】P2023091421
(43)【公開日】2023-06-30
【審査請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】能田 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】勝又 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】酒本 正和
【審査官】ゆずりは 広行
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-091814(JP,A)
【文献】特開2015-079777(JP,A)
【文献】特開2013-058619(JP,A)
【文献】特開2017-050539(JP,A)
【文献】特開2009-088116(JP,A)
【文献】特開2011-009716(JP,A)
【文献】特表2013-532901(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/02
H01L 33/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面側に凸状のポスト部が形成された第1基板と、第1面側に一対の電極を含む回路パターンを配置して、前記第1面の反対側の第2面側に接着部材を配置する基材を厚さ方向に貫通する開口部が形成された第2基板と、を準備する工程と、
前記ポスト部の上面が前記開口部から露出し、前記ポスト部を除く前記第1基板の上面と前記第2基板における前記基材の第2面とが向かい合うように前記第1基板と前記第2基板とを加圧及び加熱して前記接着部材を用いて貼り合わせる工程と、を含み、
前記準備する工程において、前記第1基板は、平板部と、前記平板部から突出した前記ポスト部と、を有し、前記平板部と前記ポスト部とは一体に形成されており、前記ポスト部の側面は、断面視で、互いに向き合う側面において内側に向けて凸となる湾曲形状を成しており、前記ポスト部の上面の形状は、平面視で、正方形、又は、長方形であり、前記ポスト部の角部は直角、又は、丸みを帯びており、
前記準備する工程において、平面視で、前記第2基板は、前記回路パターンよりも前記基材が前記開口部側に突出して露出する基材露出部を有し、かつ、前記基材露出部の幅が50μm以上200μm以下であり、平面視で、前記開口部が略四角形であり、前記開口部が、前記略四角形の四隅に前記開口部の開口領域を部分的に外側に広げる開口延長領域を有し、前記開口延長領域が円弧状に形成されており、
前記貼り合わせる工程において、前記ポスト部の側面と、前記ポスト部の側面に対向する前記基材露出部の側面との距離が50μm以上300μm以下となるように、かつ、前記ポスト部の上面と、前記ポスト部と前記第2基板との間に配置された前記接着部材の上面と、前記回路パターンの上面と、が同一平面となるように、前記ポスト部と前記第2基板との間に前記加圧及び加熱により溶融させた前記接着部材を配置する回路基板の製造方法。
【請求項2】
上面側に凸状のポスト部が形成された第1基板と、第1面側に一対の電極を含む回路パターンを配置して、前記第1面の反対側の第2面側に接着部材を配置する基材を厚さ方向に貫通する開口部が形成された第2基板と、を準備する工程と、
前記ポスト部の上面が前記開口部から露出し、前記ポスト部を除く前記第1基板の上面と前記第2基板における前記基材の第2面とが向かい合うように前記第1基板と前記第2基板とを加圧及び加熱して前記接着部材を用いて貼り合わせる工程と、を含み、
前記準備する工程において、前記第1基板は、平板部と、前記平板部から突出した前記ポスト部と、を有し、前記平板部と前記ポスト部とは一体に形成されており、前記ポスト部の側面は、断面視で、互いに向き合う側面において内側に向けて凸となる湾曲形状を成しており、前記ポスト部の上面の形状は、平面視で、正方形、又は、長方形であり、前記ポスト部の角部は直角、又は、丸みを帯びており、
前記準備する工程において、平面視で、前記第2基板は、前記回路パターンよりも前記基材が前記開口部側に突出して露出する基材露出部を有し、かつ、前記基材露出部の幅が50μm以上200μm以下であり、平面視で、前記開口部が略四角形であり、前記略四角形の一対の辺に対向する位置に一対の前記電極が配置され、前記略四角形の一対の各辺に前記開口部の開口領域を部分的に一対の前記電極の各方向に広げる開口延長領域を有し、前記開口延長領域が略四角形状に形成されており、
前記貼り合わせる工程において、前記ポスト部の側面と、前記ポスト部の側面に対向する前記基材露出部の側面との距離が50μm以上300μm以下となるように、かつ、前記ポスト部の上面と、前記ポスト部と前記第2基板との間に配置された前記接着部材の上面と、前記回路パターンの上面と、が同一平面となるように、前記ポスト部と前記第2基板との間に前記加圧及び加熱により溶融させた前記接着部材を配置する回路基板の製造方法。
【請求項3】
前記準備する工程において、平面視で、前記ポスト部の上面の形状と前記開口部の形状が相似の形状となる前記第1基板及び前記第2基板を準備する請求項1又は請求項2に記載の回路基板の製造方法。
【請求項4】
前記準備する工程において、平面視で、前記開口部側に前記ポスト部の周囲を取り囲むように前記基材露出部を形成した前記第2基板を準備する請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の回路基板の製造方法。
【請求項5】
前記準備する工程において、前記基材の第2面側に金属層が配置されており、前記金属層の前記基材側の面と反対側の面に前記接着部材が配置されており、前記基材露出部が前記金属層から露出する前記第2基板を準備する請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の回路基板の製造方法。
【請求項6】
平面視で、前記ポスト部の上面の面積が、一対の前記電極の各々の上面の面積よりも広い請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の回路基板の製造方法。
【請求項7】
請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の回路基板の製造方法で回路基板を製造する工程と、
前記回路基板の前記ポスト部に発光部品を載置する工程と、を含む発光装置の製造方法。
【請求項8】
上面側に凸状のポスト部が形成された第1基板と、
第1面側に一対の電極を含む回路パターンを配置して、前記第1面の反対側の第2面側に接着部材を配置する基材を厚さ方向に貫通する開口部が形成された第2基板と、を備え、
前記第1基板は、平板部と、前記平板部から突出した前記ポスト部と、を有し、前記平板部と前記ポスト部とは一体に形成されており、前記ポスト部の側面は、断面視で、互いに向き合う側面において内側に向けて凸となる湾曲形状を成しており、
前記ポスト部の上面が前記開口部から露出し、前記ポスト部を除く前記第1基板の上面と前記第2基板における前記基材の第2面とが向かい合うように配置され、
平面視で、前記第2基板は、前記回路パターンよりも前記基材が前記開口部側に突出して露出する基材露出部を有し、
前記基材露出部の幅が50μm以上200μm以下であり、
前記ポスト部の側面と、前記ポスト部の側面に対向する前記基材露出部の側面との距離が50μm以上300μm以下であり、
前記ポスト部と前記第2基板との間に前記接着部材が配置され、
前記ポスト部の上面と、前記ポスト部と前記第2基板との間に配置された前記接着部材の上面と、前記回路パターンの上面と、が同一平面であり、
前記ポスト部の上面の形状は、平面視で、正方形、又は、長方形であり、前記ポスト部の角部は直角、又は、丸みを帯びており、平面視で、前記開口部が略四角形であり、前記開口部が、前記略四角形の四隅に前記開口部の開口領域を部分的に外側に広げる開口延長領域を有し、前記開口延長領域が円弧状に形成されている回路基板。
【請求項9】
上面側に凸状のポスト部が形成された第1基板と、
第1面側に一対の電極を含む回路パターンを配置して、前記第1面の反対側の第2面側に接着部材を配置する基材を厚さ方向に貫通する開口部が形成された第2基板と、を備え、
前記第1基板は、平板部と、前記平板部から突出した前記ポスト部と、を有し、前記平板部と前記ポスト部とは一体に形成されており、前記ポスト部の側面は、断面視で、互いに向き合う側面において内側に向けて凸となる湾曲形状を成しており、
前記ポスト部の上面が前記開口部から露出し、前記ポスト部を除く前記第1基板の上面と前記第2基板における前記基材の第2面とが向かい合うように配置され、
平面視で、前記第2基板は、前記回路パターンよりも前記基材が前記開口部側に突出して露出する基材露出部を有し、
前記基材露出部の幅が50μm以上200μm以下であり、
前記ポスト部の側面と、前記ポスト部の側面に対向する前記基材露出部の側面との距離が50μm以上300μm以下であり、
前記ポスト部と前記第2基板との間に前記接着部材が配置され、
前記ポスト部の上面と、前記ポスト部と前記第2基板との間に配置された前記接着部材の上面と、前記回路パターンの上面と、が同一平面であり、
前記ポスト部の上面の形状は、平面視で、正方形、又は、長方形であり、前記ポスト部の角部は直角、又は、丸みを帯びており、平面視で、前記開口部が略四角形であり、前記略四角形の一対の辺に対向する位置に一対の前記電極が配置され、前記略四角形の一対の各辺に前記開口部の開口領域を部分的に一対の前記電極の各方向に広げる開口延長領域を有し、前記開口延長領域が略四角形状に形成されている回路基板。
【請求項10】
前記基材の第2面側に金属層が配置されており、前記金属層の前記基材側の面と反対側の面に前記接着部材が配置されており、前記基材露出部が前記金属層から露出する請求項8又は請求項9に記載の回路基板。
【請求項11】
平面視で、前記ポスト部の上面の面積が、一対の前記電極の各々の上面の面積よりも広い請求項8乃至請求項10のいずれか一項に記載の回路基板。
【請求項12】
請求項乃至請求項11のいずれか一項に記載の回路基板と、前記回路基板の前記ポスト部に載置された発光部品と、を含む発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、回路基板、発光装置及びそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、実装した電子部品の放熱性を改良した回路基板が知られている。例えば、特許文献1には、金属製のベース板部と、ベース板部上に絶縁層を介して形成された回路パターンと、ベース板部に設けられ、回路パターンに電気的に接続される電子部品が直接的に接合される電子部品搭載部と、を備えた回路基板が開示されている。また、例えば、特許文献2には、表面側に複数の凸部を有する金属板と、凸部に対応する部分に複数の第二開口を有する配線基板と、金属板と配線基板との間に介在し、熱硬化性樹脂の硬化物を含む絶縁層と、を含む配線基板積層体が開示されている。これらのような積層基板の製造においては、ポスト部を形成した銅板と、銅箔の回路パターンが形成された配線基板と、を貼り合わせて回路基板とする方法が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-91814号公報
【文献】特開2017-50539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、ポスト部と配線基板の回路パターンとの接触を防止することができる回路基板、発光装置及びそれらの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態に係る回路基板の製造方法は、上面側に凸状のポスト部が形成された第1基板と、第1面側に一対の電極を含む回路パターンを配置して、前記第1面の反対側の第2面側に接着部材を配置する基材を厚さ方向に貫通する開口部が形成された第2基板と、を準備する工程と、前記ポスト部の上面が前記開口部から露出し、前記ポスト部を除く前記第1基板の上面と前記第2基板における前記基材の第2面とが向かい合うように前記第1基板と前記第2基板とを加圧及び加熱して前記接着部材を用いて貼り合わせる工程と、を含み、平面視で、前記第2基板は、前記回路パターンよりも前記基材が前記開口部側に突出して露出する基材露出部を有し、前記貼り合わせる工程において、前記ポスト部と前記第2基板との間に前記加圧及び加熱により溶融させた前記接着部材を配置する。
【0006】
本開示の実施形態に係る発光装置の製造方法は、実施形態に開示される回路基板の製造方法で回路基板を製造する工程と、前記回路基板の前記ポスト部に発光部品を載置する工程と、を含む。
【0007】
本開示の実施形態に係る回路基板は、上面側に凸状のポスト部が形成された第1基板と、第1面側に一対の電極を含む回路パターンを配置して、前記第1面の反対側の第2面側に接着部材を配置する基材を厚さ方向に貫通する開口部が形成された第2基板と、を備え、前記ポスト部の上面が前記開口部から露出し、前記ポスト部を除く前記第1基板の上面と前記第2基板における前記基材の第2面とが向かい合うように配置され、平面視で、前記第2基板は、前記回路パターンよりも前記基材が前記開口部側に突出して露出する基材露出部を有し、前記ポスト部と前記第2基板との間に前記接着部材が配置される。
【0008】
本開示の実施形態に係る発光装置は、実施形態に開示される回路基板と、前記回路基板の前記ポスト部に載置された発光部品と、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る実施形態によれば、ポスト部と配線基板の回路パターンとの接触を防止することができる回路基板、発光装置及びそれらの製造方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】実施形態に係る回路基板の一例を模式的に示す平面図である。
図1B図1Aにおいて、接着部材を取り除いて示す平面図である。
図1C】開口部と基材露出部との関係を模式的に示す斜視図である。
図1D図1AのID-ID線における模式断面図である。
図2A】実施形態に係る発光装置の一例を模式的に示す平面図である。
図2B図2AのIIB-IIB線における模式断面図である。
図3】実施形態に係る回路基板の製造方法を示すフローチャートである。
図4A】実施形態に係る回路基板の製造方法において、ポスト部を形成する前の平板の第1基板を模式的に示す平面図である。
図4B図4AのIVB-IVB線における模式断面図である。
図5A】実施形態に係る回路基板の製造方法において、ポスト部を形成した第1基板を模式的に示す平面図である。
図5B図5AのVB-VB線における模式断面図である。
図6A】実施形態に係る回路基板の製造方法において、両面銅貼積層板を模式的に示す平面図である。
図6B図6AのVIB-VIB線における模式断面図である。
図7A】実施形態に係る回路基板の製造方法において、回路パターンを形成すると共に接着部材を配置した第2基板を模式的に示す平面図である。
図7B図7AのVIIB-VIIB線における模式断面図である。
図8A】実施形態に係る回路基板の製造方法において、開口部を形成した第2基板を模式的に示す平面図である。
図8B図8AのVIIIB-VIIIB線における模式断面図である。
図9A】実施形態に係る回路基板の製造方法において、第1基板と第2基板とを貼り合わせた状態を模式的に示す平面図である。
図9B図9AのIXB-IXB線における模式断面図である。
図10】実施形態に係る発光装置の製造方法を示すフローチャートである。
図11A】実施形態に係る発光装置の製造方法において、レジストを形成した状態を模式的に示す平面図である。
図11B図11AのXIB-XIB線における模式断面図である。
図12A】実施形態に係る発光装置の製造方法において、めっき層を形成した状態を模式的に示す平面図である。
図12B図12AのXIIB-XIIB線における模式断面図である。
図13A】実施形態に係る発光装置の製造方法において、回路基板上に発光部品を載置した状態を模式的に示す平面図である。
図13B図13AのXIIIB-XIIIB線における模式断面図である。
図14A】変形例1に係る回路基板の一例を模式的に示す平面図である。
図14B図14Aにおいて、接着部材を取り除いて示す平面図である。
図14C図14AのXIVC-XIVC線における模式断面図である。
図14D】変形例1に係る発光装置の一例を模式的に示す断面図である。
図15A】変形例2に係る回路基板の一例を模式的に示す平面図である。
図15B図15Aにおいて、接着部材を取り除いて示す平面図である。
図15C図15AのXVC-XVC線における模式断面図である。
図15D】変形例2に係る発光装置の一例を模式的に示す断面図である。
図16A】変形例3に係る回路基板の一例を模式的に示す平面図である。
図16B図16Aにおいて、接着部材を取り除いて示す平面図である。
図16C図16AのXVIC-XVIC線における模式断面図である。
図16D】変形例3に係る発光装置の一例を模式的に示す断面図である。
図17A】変形例4に係る回路基板の一例を模式的に示す平面図である。
図17B図17Aにおいて、接着部材を取り除いて示す平面図である。
図17C図17AのXVIIC-XVIIC線における模式断面図である。
図17D】変形例4に係る発光装置の一例を模式的に示す断面図である。
図18】変形例5に係る発光装置の一例を模式的に示す断面図である。
図19A】応用例に係る発光装置の一例を模式的に示す斜視図である。
図19B】応用例に係る発光装置の配線基板の構成の一例を模式的に示す平面図である。
図19C図19BのXIXC-XIXC線における模式断面図である。
図20A】発光部品の構成の一例を模式的に示す分解斜視図である。
図20B】発光部品のパッケージ内の構成を模式的に示す平面図である。
図20C図20BのXXC-XXC線における模式断面図である。
図20D】発光部品の下面の構成を模式的に示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
《実施形態》
実施形態を、以下に図面を参照しながら説明する。但し、以下に示す形態は、本実施形態の技術思想を具現化するための回路基板及び発光装置、並びに、それらの製造方法を例示するものであって、以下に限定するものではない。また、実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる例示に過ぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするために誇張又は簡略化していることがある。また、実施形態について、「覆う」とは直接接する場合に限らず、間接的に、例えば他の部材を介して覆う場合も含む。また、「配置する」とは直接接する場合に限らず、間接的に、例えば他の部材を介して配置する場合も含む。
【0012】
[回路基板]
図1Aは、実施形態に係る回路基板の一例を模式的に示す平面図である。図1Bは、図1Aにおいて、接着部材を取り除いて示す平面図である。図1Cは、開口部と基材露出部との関係を模式的に示す斜視図である。図1Dは、図1AのID-ID線における模式断面図である。
【0013】
回路基板100は、上面側に凸状のポスト部11が形成された第1基板10と、第1面211側に一対の電極22a、22bを含む回路パターン22を配置して、第1面211の反対側の第2面212側に接着部材24aを配置する基材21を厚さ方向に貫通する開口部25が形成された第2基板20と、を備えている。そして、ポスト部11の上面が開口部25から露出し、ポスト部11を除く第1基板10の上面と第2基板20における基材21の第2面212とが向かい合うように配置されている。また、平面視で、第2基板20は、回路パターン22よりも基材21が開口部25側に突出して露出する基材露出部215を有しており、ポスト部11と第2基板20との間に接着部材24bが配置されている。
【0014】
本実施形態では、回路基板100は、基材21の第2面212側に金属層23が配置されており、金属層23の基材21側の面と反対側の面に接着部材24aが配置されており、基材露出部215が金属層23から露出している。
【0015】
第1基板10は、平板部12と、平板部12から突出した凸状のポスト部11とを有する。平板部12とポスト部11とは一体に形成されている。ポスト部11の側面は、断面視で、互いに向き合う側面において内側に向けて凸となる湾曲形状を成している。ただし、ポスト部11の側面は、互いに向き合う側面において外側に向けて凸となる湾曲形状であってもよく、又は、傾斜する直線形状であっても、垂直線状であってもよい。ポスト部11は基板をエッチング、又は、プレス等することにより形成される。平板部12の厚みTは、1mm以上3mm以下とすることが好ましい。平板部12の厚みTが1mm以上であれば、第1基板10の強度を向上させることができる。一方、厚みTが3mm以下であれば、第1基板10を薄くすることができる。なお、ポスト部11の形成の際に平板部12の部位により厚みにわずかな違いが生じた場合、ここでの厚みTとして、平板部12の平均厚みとすることができる。ポスト部11は、平面視で正方形に形成されているが、長方形や台形等の多角形、円形、楕円形であってもよく、その他の形状であってもよい。また、ポスト部11の角部は直角に形成されているが、丸みを帯びていてもよい。
【0016】
ポスト部11を除く第1基板10の上面、つまり、平板部12の上面から、ポスト部11の上面までの高さであるポスト部11の高さH1が50μm以上200μm以下であることが好ましい。ポスト部11の高さH1が50μm以上であれば、第1基板10上に配置される第2基板20の厚さを調整し易くなる。一方、高さH1が200μm以下であれば、第1基板10を薄くすることができる。またポスト部11は低い程、加工が容易になり、高さH1のバラつきも小さくすることができる。なお、ポスト部11の形成の際に平板部12の部位により厚みにわずかな違いが生じた場合、ここでの高さH1として、平板部12の上面からポスト部11の上面までの平均高さとすることができる。
【0017】
第1基板10は、金属材料を用いた金属板であることが好ましい。第1基板10を金属板とすることで、発光部品50等から発生する熱を放出する放熱機能に優れたものとなる。第1基板10の金属材料としては、例えば、Cu、Ag、Al、Ni、Rh、Au、Ti、Pt、Pd、Mo、Cr、W等の単体金属又はこれらの金属を含む合金を用いることができる。特に、第1基板10は、放熱性及び経済性の観点から、Cuを用いた銅板であることが好ましい。例えば、第1基板10は銅を90質量%以上含む材質であることが好ましい。より好ましくは、銅を95質量%以上含む材質であり、更に好ましくは、銅を99質量%以上含む材質である。
【0018】
第2基板20は、基材21と、基材21の第1面211に配置される回路パターン22と、基材21の第2面212に配置される金属層23と、基材21の第2面212側に配置される接着部材24aと、を有する。ここで第2基板20は片面配線構造で示しているが、より複雑な回路形成が設計的に必要な場合は多層基板を用いても差し支えない。
なお、図1Dで示すように、ポスト部11と隣接する部分となる接着部材24b及び基材露出部215における基材21の第1面211に配置される接着部材24bは、予め基材21の第2面212側に配置している接着部材24aが溶融して設置される部分となる。そのため、本実施形態の第2基板20を構成する接着部材は、基材21の第2面212側に配置される接着部材24aとし、ポスト部11と第2基板20との間に配置される接着部材24bは第2基板20に含めないものとする。すなわち、接着部材24aは、金属層23の第2面232に配置される接着部材24aと、基材露出部215における基材21の第2面212に配置される接着部材24aは、第2基板20を構成する接着部材である(図1D図8B参照)。つまり、図1Dにおける破線Aの基材21側の接着部材が第2基板20を構成する接着部材24aである。なお、ポスト部11と第2基板20との間とは、ポスト部11と回路パターン22との間、ポスト部11と基材21との間、及び、ポスト部11と接着部材24aとの間である。
【0019】
基材21は絶縁性であり、例えば、フィルム状のポリイミドを用いることができる。基材21の厚みは、12μm以上50μm以下とすることが好ましい。基材21の厚みが12μm以上であれば、基材21の強度を向上させることができる。一方、厚みが50μm以下であれば、第2基板20を薄くすることができる。基材21の厚みは、ポスト部11の高さH1に対応して適宜調整できることは勿論である。なお、基材21としては、1枚もしくは複数枚のガラスクロスにエポキシ樹脂等の熱硬化性絶縁樹脂を含浸させ、この熱硬化性絶縁樹脂を硬化させたガラスエポキシや、液晶ポリマー等を用いてもよい。基材21がガラスエポキシである場合、厚さは、ポスト部11の高さに対応して、例えば50μm以上180μm以下、好ましくは20μm以上150μm以下とすることができる。
【0020】
回路パターン22は、後記するように金属層の一部を除去して形成された層であり、第1電極22aと第2電極22bと、からなる一対の電極を含む。第1電極22a及び第2電極22bは、その幅を、一例として、開口部25の幅よりも狭くポスト部11とほぼ同じ幅寸法になるように設置されている。
回路パターン22は、金属材料を用いることができ、例えば、Cu、Ag、Al、Ni、Rh、Au、Ti、Pt、Pd、Mo、Cr、W等の単体金属又はこれらの金属を含む合金を好適に用いることができる。特に、回路パターン22は、導電性及び経済性の観点から、Cuを用いた銅箔であることが好ましい。例えば、回路パターン22は銅を90質量%以上含む材質であることが好ましい。より好ましくは、銅を95質量%以上含む材質であり、更に好ましくは、銅を99質量%以上含む材質である。
【0021】
回路パターン22の厚みは、12μm以上70μm以下とすることが好ましい。回路パターン22の厚みが12μm以上であれば、回路パターン22を形成し易くなる。一方、厚みが70μm以下であれば、第2基板20を薄くすることができる。また、回路パターン22の第1電極22aと、第2電極22bとは、同じ厚みを有することが好ましい。このような構成であれば、第1電極22a及び第2電極22bを形成し易くしたり、発光部品50を載置し易くしたりすることができる。
【0022】
接着部材24は、第1基板10と第2基板20とを接着する絶縁性の部材である。接着部材24は、基材21の第2面212側に配置される接着部材24aと、ポスト部11と第2基板20との間に配置される接着部材24bと、を含む。接着部材24aは、基材露出部215における基材21の第2面212及び金属層23の第2面232に配置されている。第1基板10の平板部12と金属層23との間の接着部材24aの厚みは、20μm以上100μm以下とすることが好ましい。接着部材24aの厚みが20μm以上であれば、接着強度を向上させることができる。一方、厚みが100μm以下であれば、第2基板20を薄くすることができる。また、同時に金属層23をボイドなく接着部材24に埋め込むことができる。
【0023】
接着部材24としては、例えば、耐熱性の樹脂シート、UV硬化シート等を用いることができる。ただし、後記するように、回路基板100の製造工程において、接着部材24aを溶融させてポスト部11と第2基板20との間に接着部材24bを配置するため、硬化前に、加圧及び加熱により十分な流動性を有する材料のものを用いる。接着部材24の材料としては、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。また、接着部材24の弾性率は1GPa以下が好ましく、500MPa以下がより好ましい。このような低弾性率の接着部材24を用いることで、第1基板10と第2基板20の線膨張係数差による応力を低減させ冷熱サイクル特性等の信頼性を向上させることができる。
【0024】
金属層23は、基材21と接着部材24aとの間に配置されており、基材露出部215が金属層23から露出している。金属層23は、第1面231と、第1面231と反対側の面である第2面232とを有し、第1面231が基材21の第2面212に対向し、第2面232に接着部材24aが配置されている。回路基板100は、第2基板20が金属層23を有することで、放熱性を向上させることができる。金属層23の材質としては、例えば、回路パターン22で例示したものを用いることができる。
【0025】
回路基板100は、ポスト部11の上面と、ポスト部11と第2基板20との間に配置された接着部材24bの上面と、回路パターン22の上面と、が同一平面であってもよい。ポスト部11の上面と、接着部材24bの上面と、回路パターン22の上面と、が同一平面でない場合、発光装置200を製造する際に、レジスト30の一部が薄くなったり、レジスト30の形成時にボイドが発生したりすることがある。これにより、レジスト30の厚みが不均一になる等の懸念が生じる。しかしながら、ポスト部11の上面と、接着部材24bの上面と、回路パターン22の上面と、が同一平面であることで、レジスト30の形成時に、ボイドの発生を防ぎ、均一な膜厚でレジスト30を形成することができる。そのため、発光装置200を製造する際に、回路基板100に発光部品50を載置し易くなる。
なお、「同一平面である」とは、各部材の上面がプラスマイナス10%の範囲内において略同一平面の部位に位置することを意味し、各部材の上面が離間していることも含むものである。
【0026】
図1B図1Cに示すように、第2基板20は、ポスト部11を露出させる開口部25を有する。なお、本実施形態の開口部25は、接着部材24aを貫通する部位も含むものである(図8B参照)。回路基板100は、ポスト部11の側面と開口部25の内側面との間(隙間15)に接着部材24bが配置されているが、ここでは、便宜上、接着部材24bを取り除いた状態を例にとって説明する。
開口部25は、ポスト部11全体が収納される大きさに形成されている。ポスト部11の側面と開口部25の内側面とは、隙間15を有することが好ましい。なお、隙間15とは、ポスト部11と基材21との間、及び、ポスト部11と接着部材24aとの間であり、隙間15には接着部材24bが配置されている。隙間15を有することで、ポスト部11を開口部25に挿入し易くなる。回路基板100は、このような隙間15を有するため、平面視において、開口部25の開口は、ポスト部11よりも大きく形成されている。開口部25の平面視形状は、ポスト部11の形状に合わせて、適宜決定すればよい。本実施形態では、ポスト部11の形状に合わせて、正方形に形成されている。平面視で、ポスト部11の上面の形状と開口部25の形状が相似の形状であることが好ましい。開口部25の面積は、ポスト部11の上面の面積の1.05倍以上2倍以下が好ましく、1.1倍以上1.8倍以下が更に好ましい。
【0027】
第2基板20は、回路パターン22から基材21が露出した基材露出部215を有する。基材露出部215は、金属層23からも露出している。本実施形態では、基材露出部215は、一対の電極22a、22bの開口部25側の位置に形成され、開口部25側に突出している。なお、基材露出部215とは、平面視で、一対の電極22a、22bが対向する位置において回路パターン22から基材21が露出した部位である。第2基板20が基材露出部215を有することで、ポスト部11の側面と開口部25の内側面との隙間15が狭い場合でも、ポスト部11と回路パターン22との接触を防止することができる。これにより、設計の自由度を向上させることができ、回路基板100を所望の設計とし易くなる。仮に、第2基板20の側面がポスト部11の側面に接触したとしても、回路パターン22から露出した絶縁体の基材露出部215側の端部がポスト部11の側面に接触するため、回路パターン22がポスト部11の側面に接触することがない。これにより、回路基板100の短絡を防止することができる。ここで、金属層23は回路パターン22に対し平面視で同一の位置に形成されているが、金属層23はポスト部11の側面からの距離を回路パターン22に比較し100μm以上離間させることができる。金属層23とポスト部11との距離を離すことで接触の可能性を下げ、絶縁耐圧特性等の品質を安定させることができる。
【0028】
基材露出部215の幅Wは、50μm以上200μm以下であることが好ましい。基材露出部215の幅Wが50μm以上であれば、ポスト部11と回路パターン22との接触を防止する効果をより確実に得ることができる。一方、幅Wが200μm以下であれば、回路パターン22を形成する領域を増やすことができ、所望の回路パターン22を形成し易くなる。なお、基材露出部215の幅Wとは、回路パターン22の端部から露出する最短の長さとする。
【0029】
ポスト部11の側面と、ポスト部11の側面に対向する基材21の側面との距離Dは、50μm以上300μm以下であることが好ましい。ポスト部11の側面と基材21の側面との距離Dが50μm以上であれば、ポスト部11を開口部25により挿入し易くなる。一方、距離Dが300μm以下であれば、隙間15をより小さくすることができるため、発光装置200を製造する際に、隙間15に異物が混入することをより抑制することができる。これにより、ポスト部11をより保護し易くなる。なお、ポスト部11の側面は湾曲しているため、ここでの距離Dは、基材21の開口部25側の側面と、基材21の側面に対向する部位のポスト部11の側面との最短距離としている。
【0030】
回路基板100は、ポスト部11を除く第1基板10の上面の全て、すなわち平板部12の上面の全てと、第2基板20における基材21の第2面212とが向かい合うように配置されている。ただし、平板部12の上面の一部と、第2基板20における基材21の第2面212とが向かい合うように配置されていてもよい。すなわち、平板部12の上面に第2基板20が配置されていない部位があってもよい。
【0031】
回路基板100は、ポスト部11を中央電極とし、第1電極22a、第2電極22bと共に3つの電極を備えるものとし、例えば、3端子構造の発光部品を実装する回路基板として用いることもできる。なお、回路基板100は、図示する制約上、ポスト部11を一か所とし、開口部25を一か所として記載しているが、その数は、複数存在していてもよいことは勿論である。
【0032】
[発光装置]
次に、発光装置について説明する。
図2Aは、実施形態に係る発光装置の一例を模式的に示す平面図である。図2Bは、図2AのIIB-IIB線における模式断面図である。
【0033】
発光装置200は、前記した回路基板100と、回路基板100のポスト部11に載置された発光部品50と、を含む。
発光装置200は、少なくとも、回路基板100と、レジスト30と、めっき層40と、発光部品50と、を備えていることが好ましい。
回路基板100は前記説明した通りである。
【0034】
レジスト30は絶縁性であり、例えばソルダーレジストである。レジスト30は、例えば、回路基板100上において、めっき層40を形成する部位以外の部位に設けられている。また、レジスト30は、例えば、ポスト部11の上面の外周の端部と、回路パターン22の上面の開口部25側の端部と、を覆うように設けられている。レジスト30としては、例えば、エポキシ等の共重合樹脂に溶剤や消泡剤等を混合した一般的なものや、酸化チタン等のフィラーを添加して白色化したものを用いることができる。一方で製品設計上、反射を抑えたい場合はカーボン等を添加した黒色の材料を用いることができる。
めっき層40は、例えば、レジスト30が設けられた部位以外の、ポスト部11上及び回路パターン22上に設けられている。めっき層40としては、例えば、Au、Ag、Cu、Pt、Ni、Pd又は、これらの一種を含む合金を用いることができる。めっき層40がこれらの材料であれば、発光部品50から回路基板100側に出射される光の反射率をより高めることができる。
【0035】
発光部品50は、レジスト30及びめっき層40を介して、回路基板100のポスト部11上、回路パターン22上、及び、それらの周囲に載置されて設けられている。発光部品50は、例えば、半田ペースト等の接着部材により回路基板100上に接着されている。
発光部品50としては、例えば、基板やパッケージ等に公知の発光素子を載置した発光部品を用いることができる。発光素子としては、例えば、半導体レーザ素子、LED(Light Emitting Diode)、有機エレクトロルミネッセンス素子等が挙げられる。また、発光部品50は、公知の発光素子自体であってもよい。すなわち、発光装置200は、少なくとも発光素子を含む発光部品を回路基板100に載置したものの他、発光素子を回路基板100に直接載置したものであってもよい。また、発光部品50は、回路基板100に複数のポスト部11を配置し、複数の発光部品50がポスト部11に接続される構成としても構わない。
【0036】
[回路基板の製造方法]
次に、実施形態に係る回路基板の製造方法の一例について説明する。
図3は、実施形態に係る回路基板の製造方法を示すフローチャートである。図4Aは、実施形態に係る回路基板の製造方法において、ポスト部を形成する前の平板の第1基板を模式的に示す平面図である。図4Bは、図4AのIVB-IVB線における模式断面図である。図5Aは、実施形態に係る回路基板の製造方法において、ポスト部を形成した第1基板を模式的に示す平面図である。図5Bは、図5AのVB-VB線における模式断面図である。図6Aは、実施形態に係る回路基板の製造方法において、両面銅貼積層板を模式的に示す平面図である。図6Bは、図6AのVIB-VIB線における模式断面図である。図7Aは、実施形態に係る回路基板の製造方法において、回路パターンを形成すると共に接着部材を配置した第2基板を模式的に示す平面図である。図7Bは、図7AのVIIB-VIIB線における模式断面図である。図8Aは、実施形態に係る回路基板の製造方法において、開口部を形成した第2基板を模式的に示す平面図である。図8Bは、図8AのVIIIB-VIIIB線における模式断面図である。図9Aは、実施形態に係る回路基板の製造方法において、第1基板と第2基板とを貼り合わせた状態を模式的に示す平面図である。図9Bは、図9AのIXB-IXB線における模式断面図である。
なお、実施形態に係る回路基板の製造方法では、複数の回路基板が同時に製造される。
【0037】
回路基板100の製造方法は、上面側に凸状のポスト部11が形成された第1基板10と、第1面211側に一対の電極22a、22bを含む回路パターン22を配置して、第1面211の反対側の第2面212側に接着部材24aを配置する基材21を厚さ方向に貫通する開口部25が形成された第2基板20と、を準備する工程と、ポスト部11の上面が開口部25から露出し、ポスト部11を除く第1基板10の上面と第2基板20における基材21の第2面212とが向かい合うように第1基板10と第2基板20とを加圧及び加熱して接着部材24を用いて貼り合わせる工程と、を含む。そして、平面視で、第2基板20は、回路パターン22よりも基材21が開口部25側に突出して露出する基材露出部215を有し、貼り合わせる工程において、ポスト部11と第2基板20との間に加圧及び加熱により溶融させた接着部材24bを配置する。
【0038】
具体的には、回路基板100の製造方法は、基板準備工程S101と、貼り合わせ工程S102と、を含む。
なお、各部材の材質や配置等については、前記した回路基板100の説明で述べた通りであるので、ここでは適宜、説明を省略する。
【0039】
(基板準備工程)
基板準備工程S101は、第1基板10と、第2基板20と、を準備する工程である。
基板準備工程S101では、第1基板10の準備として、例えば、まず、銅板をエッチング又はプレスしてポスト部11を形成した第1基板10を製造する。
【0040】
また、基板準備工程S101では、第2基板20の準備として、例えば、まず、基材21と、基材21の第1面211に金属層122(第1金属層)である銅箔が貼り付き、基材21の第2面212に金属層23(第2金属層)である銅箔が貼り付いた市販の両面銅貼積層板2を用意する。或いは、基材21の第1面211に金属層122が設けられた面銅貼積層板における基材21の第2面212に金属層23を接合してもよい。なお、市販の両面銅貼積層板或いは市販の片面銅貼積層板を用いずに、基材21の第1面211に銅箔等の金属層122を接合し、基材21の第2面212に銅箔等の金属層23を接合してもよい。次に、開口部25を形成した後に基材露出部215が形成されるように、金属層122の一部をエッチング等により除去して回路パターン22を形成する。また、基材露出部215が金属層23から露出するように金属層23の一部をエッチング等により除去する。次に、露出した基材21の第2面212及び金属層23の第2面232に接着部材24aを設けて接着部材付基板28とする。次に、接着部材付基板28の所望の位置に穴開け加工を施し、開口部25を形成して第2基板20とする。この際、回路パターン22から露出した基材露出部215を形成するように、開口部25の位置や大きさを調整する。
【0041】
なお、基板準備工程S101においては、前記した回路基板100で説明した好ましい形態の第1基板及び第2基板を準備することが好ましい。例えば、基材露出部215の幅W、ポスト部11の側面と基材21の側面との距離D、平面視におけるポスト部11の上面の形状と開口部25の形状等について、前記した回路基板100で説明した形態となるように第1基板及び第2基板を準備することが好ましい。
【0042】
(貼り合わせ工程)
貼り合わせ工程S102は、第1基板10と第2基板20とを貼り合わせる工程である。
貼り合わせ工程S102では、例えば、まず、第1基板10のポスト部11の上面が開口部25から露出するように、第1基板10の上面と第2基板20における基材21の第2面212とが接着部材24aを介して向かい合うように配置する。次に、第1基板10に対し第2基板20を熱プレスすることで接着部材24aを加熱及び加圧し、接着部材24aを流動させてポスト部11と第2基板20との間に接着部材24bを配置させる。接着部材24aの流動によるポスト部11と第2基板20との間への接着部材24bの配置は、接着部材24aの溶剤添加量、加圧及び加熱の条件等により制御することができる。溶剤の量は、接着部材100質量部に対し、1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。溶剤としては、例えば、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤等を用いることができる。加圧の際の圧力は、例えば1MPa以上6MPa以下が好ましい。加熱温度は、例えば150℃以上200℃以下が好ましい。その後、接着部材24を硬化させる。ここで、第1基板10と第2基板20とを貼り合わせる際、真空容器内で処理することが好ましい。これにより、第1基板10と第2基板20間の気泡の発生を抑制し、密着性を安定させることができる。また、第1基板10と第2基板20の密着性を上げるため、第1基板10の表面を更に過酸化水素等でエッチング、或いはウェットブラスト等で粗化処理を行ってもよい。
【0043】
貼り合わせ工程S102において、ポスト部11の上面と、ポスト部11と第2基板20との間に配置された接着部材24bの上面と、回路パターン22の上面と、が同一平面となるように、第1基板10と第2基板20とを貼り合わせてもよい。同一平面とするには、例えば、第1基板10の平板部12の厚みやポスト部11の高さ、第2基板20の基材21の厚み、回路パターン22の厚み、金属層23の厚み、接着部材24aの厚み等を調整すると共に、加熱及び加圧の条件を調整すればよい。また、SUS板等をポスト部11の上面に配置しポスト部11と第2基板20の高さを均一にすることもできる。
なお、実施形態に係る回路基板の製造方法では、複数の回路基板100が同時に製造されるが、回路基板100毎に個片化してもよいし、回路基板100の集合体のまま、後記する発光装置200の製造方法に移行してもよい。更に、ポスト部11と回路パターン22の表面に接着部材24bが染み出さないように、熱プレス時に離型性のあるフィルム材で覆うことが好ましい。フィルム材としてはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド、フッ素樹脂など耐熱性のある材料を用いることができる。離型材としてはシリコーン等の一般的な離型処理剤を用いることができる。また、貼り合わせ工程を終了した後に、ポスト部11を接着部材24bが覆うことが無く、ポスト部11の上面が必ず露出している状態となるように、除去工程を行ってもよい。
【0044】
このように製造された回路基板100では、従来の技術と比較すると以下のような優位な作用効果を有する。例えば、従来の技術のように、開口部側における配線基板の基材の端部に回路パターンが設けられていると、銅板と配線基板とを貼り合わせる際に、ポスト部と回路パターンとが接触する場合がある。そのため、回路基板が短絡する恐れが生じる。これに対し、本実施形態に係る回路基板の製造方法は、第2基板20が基材露出部215を有するため、ポスト部11の側面と開口部25の内側面との隙間15が狭い場合でも、ポスト部11と回路パターン22との接触を防止することができる。これにより、設計の自由度を向上させることができ、回路基板100を所望の設計とし易くなる。仮に、第2基板20の側面がポスト部11の側面に接触したとしても、回路パターン22から露出した基材露出部215側の端部がポスト部11の側面に接触するため、回路パターン22がポスト部11の側面に接触することがない。これにより、回路基板100の短絡を防止することができる。
【0045】
[発光装置の製造方法]
次に、実施形態に係る発光装置の製造方法の一例について説明する。
図10は、実施形態に係る発光装置の製造方法を示すフローチャートである。図11Aは、実施形態に係る発光装置の製造方法において、レジストを形成した状態を模式的に示す平面図である。図11Bは、図11AのXIB-XIB線における模式断面図である。図12Aは、実施形態に係る発光装置の製造方法において、めっき層を形成した状態を模式的に示す平面図である。図12Bは、図12AのXIIB-XIIB線における模式断面図である。図13Aは、実施形態に係る発光装置の製造方法において、回路基板上に発光部品を載置した状態を模式的に示す平面図である。図13Bは、図13AのXIIIB-XIIIB線における模式断面図である。
【0046】
発光装置の製造方法は、前記した回路基板の製造方法で回路基板100を製造する工程と、回路基板100のポスト部11に発光部品50を載置する工程と、を含む。
【0047】
具体的には、発光装置の製造方法は、回路基板製造工程S11と、レジスト形成工程S12と、めっき層形成工程S13と、発光部品載置工程S14と、を含む。
なお、各部材の材質や配置等については、前記した発光装置200の説明で述べた通りであるので、ここでは適宜、説明を省略する。
【0048】
(回路基板製造工程)
回路基板製造工程S11は、前記した回路基板の製造方法で回路基板100を製造する工程である。
回路基板製造工程S11では、前記した基板準備工程S101及び貼り合わせ工程S102を行うことで回路基板100を製造する。
【0049】
(レジスト形成工程)
レジスト形成工程S12は、回路基板100の上面にレジスト30を形成する工程である。レジスト30の形成は、例えば、スクリーンマスクを用いて、スクリーン印刷法で行うことができる。また、より精度が必要な場合は光感光性のレジスト材を用いて露光並びに現像する工程で形成することができる。
【0050】
(めっき層形成工程)
めっき層形成工程S13は、回路基板100の上面にめっき層40を形成する工程である。めっき層40の形成は、通常は無電解のNi、Auめっきを行うが無電解のNi、Pd、Auめっきや電解Ni、Auめっきを行うこともできる。
【0051】
(発光部品載置工程)
発光部品載置工程S14は、回路基板100上に発光部品50を載置する工程である。
発光部品載置工程S14では、例えば、半田ペースト等の接着部材を用いて、レジスト30及びめっき層40を介して、回路基板100のポスト部11上、回路パターン22上、及び、それらの周囲に発光部品50を載置する。
【0052】
このようにして、発光装置200の集合体が製造される。そして、この集合体を発光装置200毎に個片化することにより、複数の発光装置200が得られる。
【0053】
以上、発明を実施するための形態をより具体的に説明したが、本発明の趣旨はこれらの記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈されなければならない。また、これらの記載に基づいて種々変更、改変等したものも本発明の趣旨に含まれる。
以下、変形例及び応用例について説明する。なお、各部材の材質や配置等については、実施形態の説明で述べた通りであるので、ここでは適宜、説明を省略する。また、ここでは、実施形態と主に異なる部分について説明する。
【0054】
《変形例》
[変形例1]
図14Aは、変形例1に係る回路基板の一例を模式的に示す平面図である。図14Bは、図14Aにおいて、接着部材を取り除いて示す平面図である。図14Cは、図14AのXIVC-XIVC線における模式断面図である。図14Dは、変形例1に係る発光装置の一例を模式的に示す断面図である。
【0055】
回路基板100A及び発光装置200Aは、第2基板20Aの基材露出部215が、平面視で、開口部25側にポスト部11の周囲を取り囲むように形成されている。
具体的には、平面視で、開口部25が四角形であり、四角形の第1の辺251と、この第1の辺251に直交する第2の辺252と、に沿うように、第1電極22aが形成されている。また、第1の辺251に対向する第3の辺253と、この第3の辺253に直交し第2の辺252に対向する第4の辺254と、に沿うように、第2電極22bが形成されている。そして、第2基板20Aは、開口部25側の基材21が回路パターン22から露出し、開口部25の周囲に基材露出部215を有する。更に、基材露出部215は、平面視で、四角形の第1の辺251に沿うと共に、第4の辺254側の第2基板20Aの端部まで伸びるように配置されている。また、基材露出部215は、平面視で、四角形の第3の辺253に沿うと共に、第2の辺252側の第2基板20Aの端部まで伸びるように配置されている。これにより、第1電極22aと第2電極22bとを区画している。そして、接着部材24は、平面視で、ポスト部11の周囲を取り囲む基材露出部215を好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上覆うように配置されている。
【0056】
このような構成であれば、接着部材24の流動が大きくてもポスト部11の周囲の回路パターン22で塞き止められるため、回路パターン22の表面に接着部材24が流出することを防止することができる。そのため、回路基板100Aの表面が接着部材24で汚れることを防止することができる。
このような形態とするには、基板準備工程において第2基板20Aを準備すればよい。
【0057】
[変形例2]
図15Aは、変形例2に係る回路基板の一例を模式的に示す平面図である。図15Bは、図15Aにおいて、接着部材を取り除いて示す平面図である。図15Cは、図15AのXVC-XVC線における模式断面図である。図15Dは、変形例2に係る発光装置の一例を模式的に示す断面図である。
【0058】
回路基板100B及び発光装置200Bは、平面視で、第2基板20Bの開口部25が略四角形であり、開口部25が、略四角形の四隅に開口部25の開口領域25Rを部分的に外側に広げる開口延長領域25RE1を有し、開口延長領域25RE1が円弧状に形成されている。そして、接着部材24は、平面視で、ポスト部11の周囲を取り囲むように配置されていると共に開口延長領域25RE1に配置されている。
【0059】
ここで、略四角形とは、四角形に近似した形状を意味し、変形例2では、略四角形の四隅を直角とした場合に四角形となることを意味する。変形例2では、四隅が直角とならず、円弧状の開口延長領域25RE1を有するため、開口部25が、四隅において円弧状に形成される。
【0060】
このような構成であれば、接着部材24が開口延長領域25RE1を介して開口部25内に流動し易くなり、接着部材24が開口部25内に配置され易くなる。例えば、第1基板10と第2基板20Bとを貼り合わせる際に多少の位置ズレが生じた場合でも、接着部材24が開口延長領域25RE1を介して開口部25内に配置され易くなる。
このような形態とするには、基板準備工程において第2基板20Bを準備すればよい。
【0061】
[変形例3]
図16Aは、変形例3に係る回路基板の一例を模式的に示す平面図である。図16Bは、図16Aにおいて、接着部材を取り除いて示す平面図である。図16Cは、図16AのXVIC-XVIC線における模式断面図である。図16Dは、変形例3に係る発光装置の一例を模式的に示す断面図である。
【0062】
回路基板100C及び発光装置200Cは、平面視で、第2基板20Cの開口部25が略四角形であり、略四角形の一対の辺に対向する位置に一対の電極22a、22bが配置されている。そして、略四角形の一対の各辺に開口部25の開口領域25Rを部分的に一対の電極22a、22bの各方向に広げる開口延長領域25RE2を有している。そして、開口延長領域25RE2が略四角形状に形成されている。第2基板20Cは、開口延長領域25RE2を有するため、開口延長領域25RE2と回路パターン22との間の基材露出部215の幅Wは、開口延長領域25RE2を有さない部位に比べて小さくなっている。また、開口延長領域25RE2の部位において、ポスト部11の側面と、ポスト部11の側面に対向する基材21の側面との距離Dは、開口延長領域25RE2を有さない部位に比べて長くなっている。そして、接着部材24は、平面視で、ポスト部11の周囲を取り囲むように配置されている。
【0063】
開口部25が略四角形とは、四角形に近似した形状を意味し、変形例3では、開口延長領域25RE2を有さない場合に四角形となることを意味する。変形例3では、一対の電極22a、22bに対向する辺が直線とならず、開口領域25Rを部分的に広げる開口延長領域25RE2を有するため、開口部25が、対向する一方の開口辺で、平面視において凹凸状態に形成される。
【0064】
開口延長領域25RE2が略四角形とは、例えば、上辺及び下辺の一方又は両方が直線状ではなく曲線状である形態も含むものである。更に、左辺及び右辺の一方又は両方が直線状ではなく曲線状である形態も含むものである。また、四角形の四隅の一つ以上が鋭角又は鈍角とならず、円弧状である形態も含むものである。なお、開口延長領域25RE2が四角形とは、開口延長領域25RE2と、開口領域25Rと、の境界に直線を引いた場合に四角形となることを意味する。変形例3では、四角形は長方形である。ただし、開口延長領域25RE2は長方形に限られず、例えば、正方形、台形、三角形、円弧形、その他の形状であってもよい。
【0065】
このような構成であれば、接着部材24が開口延長領域25RE2を介して開口部25内に流動し易くなり、接着部材24が開口部25内に配置され易くなる。例えば、第1基板10と第2基板20Cとを貼り合わせる際に多少の位置ズレが生じた場合でも、接着部材24が開口延長領域25RE2を介して開口部25内に配置され易くなる。
このような形態とするには、基板準備工程において第2基板20Cを準備すればよい。
【0066】
[変形例4]
図17Aは、変形例4に係る回路基板の一例を模式的に示す平面図である。図17Bは、図17Aにおいて、接着部材を取り除いて示す平面図である。図17Cは、図17AのXVIIC-XVIIC線における模式断面図である。図17Dは、変形例4に係る発光装置の一例を模式的に示す断面図である。
【0067】
回路基板及び発光装置は、平面視で、ポスト部の上面の面積が、一対の電極の各々の上面の面積よりも広く、断面視で、ポスト部の上面の高さが、回路パターンの上面と同じ、又は、回路パターンの上面よりも高い形態であってもよい。ここでは、一例として、ポスト部の上面の高さが、回路パターンの上面よりも高い形態について説明する。
【0068】
回路基板100D及び発光装置200Dは、平面視で、第1基板10Aのポスト部11の上面の面積が、第1電極22aの上面の面積よりも広く、かつ、第2電極22bの上面の面積よりも広い。また、回路基板100D及び発光装置200Dは、断面視で、第1基板10Aのポスト部11の上面の高さが、回路パターン22の上面よりも高い。
【0069】
このような構成であれば、発光部品50がZθ方向へ回転することが抑制され、発光部品50におけるZθ方向の安定化を図ることができる。これにより、発光部品50におけるZθ方向への位置ずれをより抑制することができる。なお、Zθ方向とは、X軸方向及びY軸方向が形成する面において、任意の位置のZ軸を回転中心軸とする仮想円の円周方向を意味する。
【0070】
ポスト部11の上面の面積は、第1電極22aの上面の面積を1としたときに、5倍以上であることが好ましく、10倍以上であることがより好ましい。上限については、例えば、15倍以下であることが好ましい。同様に、ポスト部11の上面の面積は、第2電極22bの上面の面積を1としたときに、5倍以上であることが好ましく、10倍以上であることがより好ましい。上限については、例えば、15倍以下であることが好ましい。
一対の電極22a、22bの上面の各々の面積を1としたときに、ポスト部11の上面の面積が5倍以上であれば、発光部品50におけるZθ方向の安定化をより図り易くなる。また、10倍以上であれば、Zθ方向の安定化を更に図り易くなる。一方、15倍以下とすることで、回路基板100Dに発光部品50を載置し易くなる。
なお、ここでは、図17A図17Bは、図1A図1Bと同様の平面図としているが、ポスト部11の上面の面積と一対の電極22a、22bの上面の各々の面積との比及び平面視形状は、所望の形態に合わせて適宜調整すればよい。
【0071】
回路パターン22の上面からポスト部11の上面までの高さH2は、5μm以上50μm以下であることが好ましく、10μm以上30μm以下であることがより好ましい。回路パターン22の上面からポスト部11の上面までの高さH2が5μm以上であれば、発光部品50におけるZθ方向の安定化をより図り易くなる。一方、回路パターン22の上面からポスト部11の上面までの高さH2が50μm以下であれば、レジスト30及びめっき層40を形成し易く、回路基板100Dに発光部品50を載置し易くなる。また、30μm以下であれば、レジスト30及びめっき層40をより形成し易く、回路基板100Dに発光部品50をより載置し易くなる。
なお、レジスト30の形成時にボイドの発生を防ぐ観点からは、回路パターン22の上面からポスト部11の上面までの高さH2は0μm、すなわち、ポスト部11の上面の高さを、回路パターン22の上面と同じとしてもよい。
ポスト部11の高さH1は、例えば、100μm以上200μm以下とすることができる。
このような形態とするには、基板準備工程において第1基板10A及び第2基板20Dを準備すればよい。
【0072】
[変形例5]
図18は、変形例5に係る発光装置の一例を模式的に示す断面図である。
回路基板100E及び発光装置200Eは、第2基板20Eが、基材21の第2面212に金属層を有さずに、基材21の第1面211に回路パターン22が配置され、基材21の第2面212に接着部材24aが配置されている。
このような構成であれば、回路基板100E及び発光装置200Eの厚みを薄くすることができる。
回路基板100E及び発光装置200Eの製造は、基板準備工程において、例えば、基材21の第1面211に金属層122である銅箔が設けられた市販の片面銅貼積層板を用いることで行うことができる。なお、市販の片面銅貼積層板を用いずに、基材21の第1面211に銅箔等の金属層122を接合してもよい。
【0073】
その他、例えば、めっき層は、一部にのみ設けたものであってもよく、設けないものであってもよい。めっき層を設けない部位は、第1基板、回路パターンが露出したものであってもよい。また、後記するように、ポスト部の上面に長尺状のレジストを有するものであってもよい。また、第2基板は、基材の第2面側に接着部材を備えるものとしたが、接着部材を備えないものを第2基板とし、第1基板と貼り合わせる際に別途準備した接着部材を用いるものであってもよい。
【0074】
また、回路基板及び発光装置の製造方法は、前記各工程に悪影響を与えない範囲において、前記各工程の間、或いは前後に、他の工程を含めてもよい。例えば、製造途中に混入した異物を除去する異物除去工程等を含めてもよい。
【0075】
《応用例》
次に、回路基板及び発光装置について、半導体レーザ素子を用いた場合の応用例の一例について説明する。なお、ここでは、応用例の一例として、回路基板及び発光装置の形態を前記した実施形態とはわずかに異なるものとしている。このように、実施形態の回路基板及び発光装置は、種々の形態に応用することができる。
【0076】
図19Aは、応用例に係る発光装置の一例を模式的に示す斜視図である。図19Bは、応用例に係る発光装置の配線基板の構成の一例を模式的に示す平面図である。図19Cは、図19BのXIXC-XIXC線における模式断面図である。図20Aは、発光部品の構成の一例を模式的に示す分解斜視図である。図20Bは、発光部品のパッケージ内の構成を模式的に示す平面図である。図20Cは、図20BのXXC-XXC線における模式断面図である。図20Dは、発光部品の下面の構成を模式的に示す底面図である。
【0077】
発光装置200Fは、少なくとも、配線基板110と、発光部品50Aと、サーミスタ150と、を備えている。
配線基板110は、上面に、少なくとも、レジスト30と、めっき層40と、を備えている。めっき層40は、めっき層41と、めっき層42a,42bと、めっき層43a,43bと、めっき層44a,44bと、めっき層45a,45bと、を含む。また、配線基板110は、レジスト30及びめっき層40の下に、一対の電極22a、22bを含む回路パターン22を備えている。
【0078】
めっき層41は、発光部品50Aが載置される中央領域のめっき層である。めっき層42aは、発光部品50Aが載置される前側領域のめっき層である。めっき層42bは、発光部品50Aが載置される後側領域のめっき層である。めっき層43a,43bは、サーミスタ150が載置される領域のめっき層である。めっき層44a,44bは、サーミスタ検査端子用の所定領域のめっき層である。めっき層45a,45bは、レーザ素子検査端子用の所定領域のめっき層である。
【0079】
めっき層41及びめっき層42a,42bは、発光部品50Aが載置される部位である。めっき層43a,43bは、サーミスタ150が載置される部位である。めっき層41の部位には、平面視で、長方形に形成された領域において、複数の長尺状のレジスト30が長方形の周辺から中央に向かって延伸して配置されている。めっき層41は、長方形に形成された領域のうち、レジスト30が配置されていない部位である。発光装置は、ポスト部に発光部品を載置した際に、ポスト部と発光部品との間に気泡が残る場合がある。発光装置200Fは、配線基板110がポスト部11の上面に複数の長尺状のレジスト30を有することで、長尺状のレジスト30を介して気泡を分散させ易くなる。これにより、配線基板110の放熱性がより向上する。
【0080】
レジスト30は、めっき層40を除く配線基板110の上面に設けられる。めっき層42aは、平面視で、めっき層41の前側に3つ設けられている。めっき層42bは、平面視で、めっき層41の後側に3つ設けられている。めっき層41を挟んで前後に対となって設けられためっき層42a,42bは、発光部品50Aの下面に設けられた金属膜87と接合することで、一方から他方へと電気的に接続される。
【0081】
めっき層42aとめっき層45aとは、回路パターン22(第2電極22b)を介して電気的に接続されている。めっき層42bとめっき層45bとは、回路パターン22(第1電極22a)を介して電気的に接続されている。めっき層45a,45bは、レーザ素子検査端子として機能する。めっき層43aとめっき層44aとは、回路パターン22を介して電気的に接続されている。めっき層43bとめっき層44bとは、回路パターン22を介して電気的に接続されている。めっき層44a,44bは、サーミスタ検査端子として機能する。
サーミスタ150は、発光装置200Fが作動しているときの温度を測定するために用いられる温度検知素子の一例である。サーミスタ150は、めっき層43a及びめっき層43bに接続した状態で載置され、これにより、めっき層43aからサーミスタ150を通りめっき層43bへと導通させることができる。
【0082】
発光部品50Aは、パッケージ71と、半導体レーザ素子72と、サブマウント73と、光反射部材74と、保護素子75と、ワイヤ76と、蓋部材77と、接着部78と、レンズ部材79と、を有する。
【0083】
パッケージ71は平面視で長方形の凹部80を有する。なお、ここでの長方形とは、パッケージ71のように、角部や側面の一部を切り欠いた形状や、凹部80のように、角部が湾曲した形状等、概ね長方形である形状を含むものである。また、パッケージ71は、凹部80の4つの内側面82のうち、互いに向き合う短手方向の2つの内側面82に段差部83が形成されている。パッケージ71は、セラミックを主材料として形成することができる。なお、パッケージ71は、セラミックに限らず金属で形成してもよい。例えば、セラミックでは、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、炭化ケイ素をパッケージ71の主材料に用いることができる。金属では、銅、アルミニウム、鉄、複合物として銅モリブデン、銅-ダイヤモンド複合材料、銅タングステンをパッケージ71の主材料に用いることができる。
【0084】
パッケージ71の下面84及び段差部83の上面には、それぞれ金属膜が設けられている。また、パッケージ71の下面84における金属膜は、パッケージ71の両端に対となって設けられた金属膜87と、両端の金属膜87の間でパッケージ71の下面84の中央に設けられた金属膜88と、を有する。金属膜87のそれぞれは、互いに向き合う2辺のそれぞれに沿って、3ヶ所ずつに互いに離間して設けられている。この金属膜87は、配線基板110のめっき層42a,42bに接続できるように互いに向き合って形成されている。金属膜88は、配線基板110のめっき層41に接続できるように形成されている。パッケージ71では、内部を通る金属配線により、段差部83の上面における金属膜と下面84における金属膜87とは電気的に接続されている。
【0085】
段差部83の上面に設けられた金属膜である接続配線には、半導体レーザ素子72、保護素子75が電気的に接続されている。この導通のためにワイヤ76が接合されている。これにより半導体レーザ素子72及び保護素子75は、パッケージ71の下面84に設けられた金属膜87を介して電気的に接続される。
【0086】
このような発光部品50Aは、パッケージ71の下面84に設けられた対の金属膜87が、配線基板110のめっき層42a,42bと接合される。また、パッケージ71の下面84の中央に設けられた金属膜88が、配線基板110のめっき層41と接合される。発光部品50Aと配線基板110との接合は、半田付けによって行うことができる。
【0087】
半導体レーザ素子72は、サブマウント73を介してパッケージ71の凹部80の底面81(底部86の上面)に載置されている。発光部品50Aに載置される複数の半導体レーザ素子72は、一方向、具体的にはパッケージ71の長手方向に並べて配置されている。また、載置される各半導体レーザ素子72が同じ方向にレーザ光を出射するように出射端面の向きが揃えられている。一方向に並べて配置された複数の半導体レーザ素子72は、ワイヤ76を用いて、直列に電気接続されている。
【0088】
サブマウント73は、その下面でパッケージ71の凹部80の底面81とAuペースト等の接着部材により接合され、その上面で半導体レーザ素子72と接合されている。サブマウント73は、例えば、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム又は炭化ケイ素を用いて形成することができる。また、サブマウント73の上面にはCuめっき等の金属膜が設けられている。
【0089】
光反射部材74は、半導体レーザ素子72からの光を反射する部材である。光反射部材74は、その下面でパッケージ71の凹部80の底面81と接着部材により接合されている。接着部材は、Ag、Au、Cu等の粒子と有機溶剤との混合物を塗布した後、加熱により有機溶剤を除去し、Ag、Au、Cu等の粒子を融着させている。光反射部材74は、それぞれの半導体レーザ素子72に対応して独立して配置されている。光反射部材74は、下面と、上面と、側面と、傾斜面と、を有し、傾斜面が光反射面となる。光反射面は平面であり、上面から下面にかけて傾斜している。
【0090】
光反射部材74は、主材料を用いてその外形を形成し、形成した外形のうち光反射面を設けたい面に光反射膜を成膜して形成することができる。主材料は熱に強い材料がよく、例えば、石英若しくは硼珪酸ガラス(BK7)等のガラス、アルミニウム等の金属、又はSi等を採用することができる。光反射膜は光反射率の高い材料がよく、Ag、Al等の金属やTa/SiO、TiO/SiO、Nb/SiO等の誘電体多層膜等を採用することができる。なお、光反射部材74は、金属等の光反射率の高い材料を主材料に用いてその外形を形成した場合、光反射膜の形成は省略してもよい。
【0091】
半導体レーザ素子72から放射された光の主要部分は、対応する光反射部材74の光反射面に照射される。なお、光反射部材74を有さずに、半導体レーザ素子72の出射端面を上方に向けた発光部品であってもよい。
【0092】
保護素子75は、サブマウント73の上面に載置されている。保護素子75は、例えば、ツェナーダイオードである。ワイヤ76は、金属の配線である。ワイヤ76の材質としては、Au、Ag、Cu、Pt、Al等の金属、及び、それらの合金を用いたものが挙げられる。なお、保護素子75を有さない発光部品であってもよい。
【0093】
蓋部材77は、半導体レーザ素子72及び光反射部材74を覆う部材である。蓋部材77は全体として透光性であるが、一部に非透光性の領域を有していてもよい。蓋部材77は、サファイアを主材料に用いて形成することができる。また、蓋部材77は、一部の領域に金属膜が設けられている。なお、主材料には、サファイアの他に、例えばガラス等を用いることもできる。
蓋部材77は、その下面において、パッケージ71の上面(枠部85の上面)と接合されている。蓋部材77とパッケージ71は、接合される領域に金属膜が設けられ、Au-Sn等を介して固定されている。発光部品50Aは、パッケージ71と蓋部材77とが接合されることで閉空間が形成される。この閉空間は気密封止された空間となる。発光部品50Aは、このように気密封止することで、半導体レーザ素子72の光の出射端面に有機物等が集塵することを抑制することができる。
【0094】
接着部78は、蓋部材77の上面において、蓋部材77とレンズ部材79とを接着する領域に形成されている。接着部78としては、例えば、紫外線硬化型の樹脂を用いることができる。
【0095】
レンズ部材79は、蓋部材77の上面に対面して設けられている。レンズ部材79は、レンズ形状を有するレンズ部791と、レンズ部791を支持する長方形の支持板部792とが一体となって形成されている。レンズ部材79には、レンズ部791のそれぞれが半導体レーザ素子72の光軸に対向する位置に設けられている。各レンズ部791は、対応する半導体レーザ素子72から放射され光反射部材74により反射された反射光がレンズ部791を通過してコリメートされるように、その配置及び形状が設計される。レンズ部材79には、例えば、BK7、B270等のガラス等を用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本開示の実施形態に係る回路基板及び発光装置は、各種電子機器に利用することができる。
【符号の説明】
【0097】
2 両面銅貼積層板
10、10A 第1基板
11 ポスト部
12 平板部
15 隙間
20、20A、20B、20C、20D、20E 第2基板
21 基材
211 第1面
212 第2面
22 回路パターン
22a 第1電極
22b 第2電極
122 金属層(第1金属層)
215 基材露出部
23 金属層(第2金属層)
231 第1面
232 第2面
24 接着部材
24a 接着部材
24b 接着部材
25 開口部
28 接着部材付基板
251 第1の辺
252 第2の辺
253 第3の辺
254 第4の辺
25R 開口領域
25RE1、25RE2 開口延長領域
30 レジスト
40 めっき層
41 めっき層
42a,42b めっき層
43a,43b めっき層
44a,44b めっき層
45a,45b めっき層
50、50A 発光部品
71 パッケージ
72 半導体レーザ素子
73 サブマウント
74 光反射部材
75 保護素子
76 ワイヤ
77 蓋部材
78 接着部
79 レンズ部材
791 レンズ部
792 支持板部
80 凹部
81 凹部の底面
82 凹部の内側面
83 段差部
84 下面
85 枠部
86 底部
87 金属膜
88 金属膜
100、100A、100B、100C、100D、100E 回路基板
110 配線基板
150 サーミスタ
200、200A、200B、200C、200D、200E、200F 発光装置
D ポスト部の側面と基材の側面との距離
H1 ポスト部の高さ
H2 回路パターンの上面からポスト部の上面までの高さ
T 平板部の厚み
W 基材露出部の幅
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図14C
図14D
図15A
図15B
図15C
図15D
図16A
図16B
図16C
図16D
図17A
図17B
図17C
図17D
図18
図19A
図19B
図19C
図20A
図20B
図20C
図20D