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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-09
(45)【発行日】2024-07-18
(54)【発明の名称】光源装置
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/023 20210101AFI20240710BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20240710BHJP
   H01S 5/40 20060101ALI20240710BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20240710BHJP
【FI】
H01S5/023
F21S2/00 311
H01S5/40
F21Y115:30
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022154799
(22)【出願日】2022-09-28
(62)【分割の表示】P 2018112836の分割
【原出願日】2018-06-13
(65)【公開番号】P2022191293
(43)【公開日】2022-12-27
【審査請求日】2022-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100138863
【弁理士】
【氏名又は名称】言上 惠一
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100145104
【弁理士】
【氏名又は名称】膝舘 祥治
(72)【発明者】
【氏名】永原 靖治
【審査官】大西 孝宣
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-199274(JP,A)
【文献】特開2015-088682(JP,A)
【文献】特開2013-239614(JP,A)
【文献】特開2016-219779(JP,A)
【文献】特開2013-191787(JP,A)
【文献】特開2008-198759(JP,A)
【文献】国際公開第2014/184844(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/063973(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0084905(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00 - 5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に載置されたサブマウント及び前記サブマウント上に載置された半導体レーザ素子を含むレーザ光源と、
を備え、
複数の前記レーザ光源が個々に離隔して前記基板上に配置され、
隣接して配置された同一波長帯の光を出射する前記レーザ光源において、個々の前記レーザ光源の前記半導体レーザ素子及び前記基板の間の熱抵抗が異なることを特徴とする光源装置。
【請求項2】
熱抵抗が異なる前記サブマウントにおいて、前記サブマウントの材質が異なることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
熱抵抗が異なる前記サブマウントにおいて、前記サブマウントの厚さが異なることを特徴とする請求項1または2に記載の光源装置。
【請求項4】
熱抵抗が異なる前記サブマウントにおいて、前記サブマウントの平面視における面積が異なることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の光源装置。
【請求項5】
各々の前記レーザ光源に対応したコリメートレンズを備えることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の光源装置。
【請求項6】
青色光を出射する複数の前記レーザ光源、緑色光を出射する複数の前記レーザ光源、及び赤色光を出射する複数の前記レーザ光源を備えることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の光源装置。
【請求項7】
各々の前記レーザ光源に対応したミラーを備えることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の光源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体レーザを備えた光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体レーザを備えた光源装置が、様々な産業分野で用いられている。その中には、同一波長帯の光を出射する半導体レーザ素子を複数備えた光源装置がある。その中でも、複数の半導体レーザ素子が横に並んで一体的に形成された半導体レーザアレイ及びこの半導体レーザアレイの下面に接したヒートシンクを備え、ヒートシンクの材質を、半導体レーザアレイの横方向における中央領域及び端部領域で異ならせた光源装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】WO2015/063973公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の光源装置では、半導体レーザアレイの横方向で放熱効率が不均一になるので、半導体レーザ素子の波長幅が広がり、スペックルノイズが軽減できる。しかし、半導体レーザアレイの中央領域と端部領域でヒートシンクの材質を異ならせるだけなので、材質が変わる箇所を除いて、隣接する半導体レーザ素子は同じ材質のヒートシンクに接している。よって、隣接する多くの半導体レーザ素子の放熱効率はさほど変わらず、出射する光の波長もさほど変化しないので、十分なスペックルノイズの軽減は実現することができない。
【0005】
本開示は、上記問題に鑑みてなされたものであり、十分なスペックルノイズの軽減を期待できる光源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る光源装置では、
基板と、
前記基板上に載置されたサブマウント及び前記サブマウント上に載置された半導体レーザ素子を含むレーザ光源と、
を備え、
複数の前記レーザ光源が個々に独立して前記基板上に配置され、
隣接して配置された同一波長帯の光を出射する前記レーザ光源において、個々の前記レーザ光源の前記半導体レーザ素子及び前記基板の間の熱抵抗が異なる。
【発明の効果】
【0007】
以上のように本開示では、十分なスペックルノイズの軽減を期待できる光源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1の実施形態に係る光源装置の一部を模式的に示す側面図である。
図2】本発明の第2の実施形態に係る光源装置の一部を模式的に示す側面図である。
図3】本発明の第3の実施形態に係る光源装置の一部を模式的に示す側面図である。
図4A】熱抵抗が異なる2種類のレーザ光源による配置パターンの一例を模式的に示す側面図である。
図4B】熱抵抗が異なる3種類のレーザ光源による配置パターンの一例を模式的に示す側面図である。
図4C】熱抵抗が異なる3種類のレーザ光源による配置パターンのその他の例を模式的に示す側面図である。
図5A】各々のレーザ光源に対応したコリメートレンズを備える光源装置の一例を模式的に示す平面図である。
図5B図5A中のA-A断面図である。
図5C図5A中のB-B断面図である。
図5D図5A中のC-C断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための実施形態や実施例を説明する。なお、以下に説明する光源装置は、本発明の技術思想を具体化するためのものであって、特定的な記載がない限り、本発明を以下のものに限定しない。
各図面中、同一の機能を有する部材には、同一符号を付している場合がある。要点の説明または理解の容易性を考慮して、便宜上実施形態や実施例に分けて示す場合があるが、異なる実施形態や実施例で示した構成の部分的な置換または組み合わせは可能である。後述の実施形態や実施例では、前述と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については、実施形態や実施例ごとには逐次言及しないものとする。各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張して示している場合もある。
【0010】
(第1の実施形態に係る光源装置)
はじめに、図1を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る光源装置について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る光源装置の一部を模式的に示す側面図である。
【0011】
本実施形態に係る光源装置1は、基板12と、基板12上に載置されたサブマウント40(具体的には、40A、40B)及びサブマウント40(40A、B)上に載置された半導体レーザ素子30を含むレーザ光源100(具体的には、100A、100B)と、を備え、複数のレーザ光源100(100A、B)が個々に独立して基板12上に配置されている。特に、隣接して配置された同一波長帯の光を出射する半導体レーザ素子30を備えたレーザ光源100A、100Bにおいて、個々のレーザ光源100A、100Bの半導体レーザ素子30及び基板12の間の熱抵抗が異なるようになっている。
図1は、光源装置1のうち、同一波長帯の光を出射し、半導体レーザ素子30及び基板12の間の熱抵抗が異なる2つのレーザ光源100A及び100Bが隣接して配置されている領域を示している。なお、図1では、個々の半導体レーザ素子30が、同一波長帯のレーザ光を紙面垂直方向に出射するようになっている。
【0012】
レーザ光源100A、100Bの構造を更に詳細に述べれば、半導体レーザ素子30及びサブマウント40A、40Bの間が金属接合層32で接合され、サブマウント40A、40B及び基板12の間が金属接合層42で接合されている。金属接合層32、42の材料として、金スズ(AuSn)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、ハンダ、金属ナノ材料等を例示することができる。
【0013】
半導体レーザ素子30及び基板12の間の熱抵抗は、サブマウント40A、40Bの熱抵抗だけでなく、金属接合層32や金属接合層42の熱抵抗も含まれる。ただし、金属接合層32、42の熱抵抗を各レーザ光源100A、100Bで大きく異ならせることは難しく、半導体レーザ素子30及び基板12の間の熱抵抗を変更するには、サブマウント40A、40Bの熱抵抗を変更させるのが有効である。
【0014】
サブマウント40A、40Bの熱抵抗を変更させるため、第1の実施形態では、レーザ光源100Aのサブマウント40A及びレーザ光源100Bのサブマウント40Bについて、異なる材質で形成している。具体的には、サブマウント40A及び40Bの材料としてセラミックを用いており、特に、サブマウント40Aの材料として窒化アルミニウム(AlN)を用い、サブマウント40Bの材料として炭化ケイ素(SiC)を用いている。
【0015】
炭化ケイ素(SiC)及び窒化アルミニウム(AlN)の熱伝導率はともに高く、半導体レーザ素子30から基板12側へ効率的に放熱することができる。その中でも、炭化ケイ素(SiC)の熱伝導率の方が、窒化アルミニウム(AlN)の熱伝導率より高くなっている。よって、サブマウント40Aを有するレーザ光源100Aにおける半導体レーザ素子30及び基板12の間の熱抵抗が、サブマウント40Bを有するレーザ光源100Bにおける熱抵抗より大きくなっている。
【0016】
このように、隣接して配置された同一波長帯の光を出射するレーザ光源100A、100Bにおいて、半導体レーザ素子30及び基板12の間の熱抵抗を異ならせることができるので、これにより放熱状態が変わり、隣接する半導体レーザ素子30のジャンクション温度を異ならせることができる。よって、隣接するレーザ光源100A、100Bの発光波長を異ならせて、スペックルノイズを効果的に抑制することができる。
【0017】
以上のように、本発明の第1実施形態では、同一波長帯の光を出射する隣接するレーザ光源100A及び100Bにおいて、サブマウントの材質を変更することにより、同形状のサブマウント40A、40Bを用いて、半導体レーザ素子30及び基板12の間の熱抵抗を変えることができる。よって、光源装置1の光学的な設計や製造が容易であり、低い製造コストで効果的に熱抵抗を変更できる。
【0018】
本実施形態では、紫外線域から赤外線域までの任意の波長の光を出射する半導体レーザ素子30を用いることができる。少なくとも同一波長帯の光を出射し熱抵抗が異なる2つのレーザ光源が隣接して配置されていれば、1つの波長帯の光を出射する光源装置も、複数の波長帯の光を出射する光源装置もあり得る。
【0019】
サブマウント40を形成する材料として、上記の材料に限られるものではなく、アルミナ(Al)や窒化ケイ素(Si)をはじめとするその他のセラミック材料や、シリコン、樹脂等の材料を採用することもできる。
本実施形態では、基板12の材料として窒化アルミニウム(AlN)が用いられている。ただし、これに限られるものではなく、炭化ケイ素(SiC)、アルミナ(Al)、窒化ケイ素(Si)等のその他のセラミック材料や、樹脂材料、シリコン等の単結晶、絶縁層を備えた金属材料等を用いることもできる。
【0020】
(第2の実施形態に係る光源装置)
次に、図2を参照しながら、本発明の第2の実施形態に係る光源装置について説明する。図2は、本発明の第2の実施形態に係る光源装置の一部を模式的に示す側面図である。
【0021】
図2は、光源装置1のうち、同一波長帯の光を出射し、半導体レーザ素子30及び基板12の間の熱抵抗が異なるレーザ光源100C及び100Dが隣接して配置されている領域を示している。図2でも、個々の半導体レーザ素子30が、同一波長帯のレーザ光を紙面垂直方向に出射するようになっている。
第2の実施形態では、隣接して配置された同一波長帯の光を出射するレーザ光源100C及び100Dにおいて、厚さ(高さ寸法)が異なるサブマウント40C及び40Dを用いることにより、半導体レーザ素子30及び基板12の間の熱抵抗を変更している点で、上記の第1の実施形態と異なる。なお、サブマウント40C及び40Dは、同じ材料で形成されている。
【0022】
更に詳細に述べれば、本実施形態では、厚みT1のサブマウント40C及び厚みT2のサブマウント40Dを用いている。厚みT1の方が厚みT2より厚くなっており、これにより、サブマウント40Cを有するレーザ光源100Cにおける半導体レーザ素子30及び基板12の間の熱抵抗が、サブマウント40Dを有するレーザ光源100Dにおける熱抵抗より大きくなっている。
【0023】
本実施形態では、サブマウント40C、40Dの厚さを調整することにより、同一波長帯の光を出射する隣接するレーザ光源100C及び100Dにおいて、半導体レーザ素子30及び基板12の間の熱抵抗の差を容易に確実に調整することができる。
その他の点については、基本的に上記の第1の実施形態と同一なので、更なる説明は省略する。
【0024】
(第3の実施形態に係る光源装置)
次に、図3を参照しながら、本発明の第3の実施形態に係る光源装置について説明する。図3は、本発明の第3の実施形態に係る光源装置の一部を模式的に示す側面図である。
【0025】
図3は、光源装置1のうち、同一波長帯の光を出射し、半導体レーザ素子30及び基板12の間の熱抵抗が異なるレーザ光源100E及び100Fが隣接して配置されている領域を示している。図3でも、個々の半導体レーザ素子30が、同一波長帯のレーザ光を紙面垂直方向に出射するようになっている。
第3の実施形態では、隣接して配置された同一波長帯の光を出射するレーザ光源100E及び100Fにおいて、平面視における面積が異なるサブマウント40E及び40Fを用いることにより、半導体レーザ素子30及び基板12の間の熱抵抗を変更している点で、上記の第1、第2の実施形態と異なる。なお、サブマウント40E及び40Fともに、同じ材料で形成されている。
【0026】
更に詳細に述べれば、本実施形態では、幅寸法がW1のサブマウント40E及び幅寸法がW2のサブマウント40Fを用いている。幅寸法W1が、幅寸法W2より小さくなっている。幅方向に垂直な方向の寸法は、サブマウント40E及び40Fで同一であり、サブマウント40Eの放熱面積は、サブマウント40Fの放熱面積より小さくなっている。よって、サブマウント40Eを有するレーザ光源100Eにおける半導体レーザ素子30及び基板12の間の熱抵抗が、サブマウント40Fを有するレーザ光源100Dにおける熱抵抗より大きくなっている。
【0027】
本実施形態では、サブマウント40E、40Fの平面視における面積を調整することにより、同一波長帯の光を出射する隣接するレーザ光源100E及び100Fにおいて、半導体レーザ素子30及び基板12の間の熱抵抗の差を容易に確実に調整することができる。
その他の点については、基本的に上記の第1、第2の実施形態と同一なので、更なる説明は省略する。
【0028】
以上のように、上記の実施形態に係る光源装置1によれば、隣接して配置された同一波長のレーザ光源100において、半導体レーザ素子30及び基板12の間の熱抵抗を異ならせることにより、特別な部材を付加することなく、放熱状態を変えて、半導体レーザ素子30のジャンクション温度を異ならせることができる。これにより、隣接するレーザ光源100の発光波長を異ならせて、スペックルノイズを効果的に抑制することができる。よって、十分なスペックルノイズの軽減を期待できる光源装置1を提供することができる。
【0029】
半導体レーザ素子30及び基板12の間の熱抵抗を異ならせる数値範囲として、0.5℃/W以上異ならせることが好ましいといえる。これにより、確実にスペックルノイズの発生を抑制することができる。
なお、隣接して配置されたレーザ光源100の出射光の波長が異なる場合には、スペックルノイズ発生を考慮する必要性が低いので、半導体レーザ素子30及び基板12の間の熱抵抗が同一なサブマウント40を用いることができる。
【0030】
図1から図3では、熱抵抗の異なる2種類のサブマウント40を用いた例を示すが、同一波長の光を出射するレーザ光源が更に多く隣接して配置されている場合には、熱抵抗が異なる任意の数のサブマウント40を用いることができる。その場合、上記の第1から第3の実施形態を組み合わせて、熱抵抗の異なる多くの種類のサブマウント40を用いることもできる。更に、サブマウント40に加えて、金属接合層32、42における熱抵抗を異ならせることもできる。
【0031】
(熱抵抗が異なるレーザ光源の配置パターン)
次に、図4Aから4Cを参照しながら、半導体レーザ素子及び基板の間の熱抵抗が異なる複数種類のレーザ光源の配置パターンの説明を行う。図4Aは、熱抵抗が異なる2種類のレーザ光源による配置パターンの一例を模式的に示す側面図である。図4Bは、熱抵抗が異なる3種類のレーザ光源による配置パターンの一例を模式的に示す側面図である。図4Cは、熱抵抗が異なる3種類のレーザ光源による配置パターンのその他の例を模式的に示す側面図である。何れの配置パターンも、基板12上に同一波長帯の光を出射する12個のレーザ光源が隣接して配置された場合を示す。なお、図4A~4Cでは、半導体レーザ素子やサブマウントを個別には示さず、レーザ光源を矩形で模式的に示してある。
【0032】
図4Aに示す例では、半導体レーザ素子及び基板12の間の熱抵抗が異なる、つまりサブマウントの熱抵抗が異なる2種類のレーザ光源100P及び100Qが交互に配置されている場合を示す。このような配置により、より少ないサブマウントの種類で効率的にスペックルノイズの抑制が実現できる。
【0033】
図4Bに示す例では、熱抵抗が異なる3種類のレーザ光源100P、100Q及び100Rを用いて、図面左側から右側にかけて、レーザ光源100P、100Q、100Rの順の配置パターンを繰り返すようになっている。
図4Cに示す例では、熱抵抗が異なる3種類のレーザ光源100P、100Q及び100Rを用いて、図面左側から右側にかけて、レーザ光源100P、100Q、100Rの順の配置パターン、及びレーザ光源100Q、100P、100Rの順の配置パターンを、交互に繰り返すようになっている。
【0034】
何れの例においても、半導体レーザ素子及び基板の間の熱抵抗が異なる、つまりサブマウントの熱抵抗が異なる2種類以上のレーザ光源が隣接して配置された配置パターンを有し、この配置パターンが繰り返すことにより、少ないサブマウントの種類で効率的にスペックルノイズの抑制が実現できる。
さらに、熱抵抗の異なる2種類以上のレーザ光源の配置パターンが繰り返すことにより、2種類以上の光源発光波長による色分布の偏りを効果的に抑制することができる。
熱抵抗が異なる2種類以上のレーザ光源が隣接して配置された配置パターンが繰り返される態様については、上記の例に限られるものではなく、その他の任意の配置パターンを採用することができる。
【0035】
(コリメートレンズを備える光源装置)
次に、図5Aから図5Dを参照しながら、上記の実施形態に係る各々のレーザ光源に対応したコリメートレンズを備える光源装置の一例を説明する。図5Aは、各々のレーザ光源に対応したコリメートレンズを備える光源装置の一例を模式的に示す平面図である。図5Bは、図5A中のA-A断面図であり、図5Cは、図5A中のB-B断面図であり、図5Dは、図5A中のC-C断面図である。
【0036】
図5Aから図5Dに示すように、この光源装置1は、基板12及び側壁14から構成されるパッケージ10と、行列状に複数のレンズ部22を有するレンズアレイ20とを有する。レンズアレイ20は、複数のレンズ部22が接続部24で接続された一体成形の透明なガラス部材である。レンズアレイ20の下部には、パッケージ10の内部を封止する本体部82及び透光性部材84が配置されている。
【0037】
基板12上には、半導体レーザ素子30及びサブマウント40を含むレーザ光源100と、各々のレーザ光源100に対応したミラー50が複数取り付けられている。パッケージ10の外部から、リード90、配線60及び中継部材70を介して、各レーザ光源100へ電力が供給される。
図5Aにおいては、理解を容易にするため、レンズアレイ20の最も左上のレンズ部22下方に配置される半導体レーザ素子30、サブマウント40を含むレーザ光源100等を透過的に示している。
【0038】
光源装置1では、青色光を出射する複数のレーザ光源100、緑色光を出射する複数のレーザ光源100、及び赤色光を出射する複数のレーザ光源100を備えている。隣接して配置された青色光、緑色光または赤色光の同一波長帯の光を出射するレーザ光源100において、個々のレーザ光源100の半導体レーザ素子30及び基板12の間の熱抵抗が異なるようになっている。熱抵抗が異ならせるには、上記の任意の実施形態を採用することもできる。
【0039】
各レーザ光源100の半導体レーザ素子30が水平方向にレーザ光を出射し、対応するミラー50により、略垂直方向に反射される。反射光は、透光性部材84を透過して、レンズアレイ20の光入射面LAに達し、各レンズ部22を透過して、レンズアレイ20の光出射面LBから平行光が出射される。レンズアレイ20の各レンズ部22から出射された平行光は、例えば、集光レンズにより集光され、各波長の光が合波される。これにより、スペックルノイズの少ない白色光を出射することができる。また本実施形態では、レーザ光源100が個々に独立して配置されているので、各々のレーザ光源100に対応したコリメートレンズ(レンズ部)22を容易に配置することができる。
【0040】
上記では、レーザ光源100からの光がミラー50で略垂直方向に反射される光源装置1が示されているが、これに限られるものではなく、各レーザ光源100から水平方向に出射された光が、ミラーを介さずに、光源装置から外側へそのまま水平方向に出射される場合もあり得る。上記では、白色光源となる場合を示したが、これに限られるものではなく、任意の波長域の単波長の光を出射する光源装置もあり得るし、任意の複数の波長域の光を出射する光源装置もあり得る
【0041】
本発明の実施の形態、実施の態様を説明したが、開示内容は構成の細部において変化してもよく、実施の形態、実施の態様における要素の組合せや順序の変化等は請求された本発明の範囲および思想を逸脱することなく実現し得るものである。
【符号の説明】
【0042】
1 光源装置
10 パッケージ
12 基板
14 側壁
20 レンズアレイ
22 レンズ部
24 接続部
30 半導体レーザ素子
40A~F サブマウント
50 ミラー
60 ワイヤ
70 中継部材
82 本体部
84 透光性部材
90 リード
100 レーザ光源
LA 光入射面
LB 光出射面
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D