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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-09
(45)【発行日】2024-07-18
(54)【発明の名称】光学測定用セル、及び、光学分析装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/05 20060101AFI20240710BHJP
   G01N 21/61 20060101ALI20240710BHJP
   G01N 21/35 20140101ALI20240710BHJP
【FI】
G01N21/05
G01N21/61
G01N21/35
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020161762
(22)【出願日】2020-09-28
(65)【公開番号】P2022054623
(43)【公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-08-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000127961
【氏名又は名称】株式会社堀場エステック
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100129702
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 喜永
(72)【発明者】
【氏名】志水 徹
(72)【発明者】
【氏名】赤松 武
【審査官】小野寺 麻美子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-040655(JP,A)
【文献】特開2013-024780(JP,A)
【文献】特開2012-112702(JP,A)
【文献】特開2019-184253(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00 - G01N 21/61
H01S 5/02 - H01S 5/0239
H01L 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光が透過する透光窓を有し、内部に試料が導入される光学測定用セルであって、
前記透光窓を形成する平板状の窓材と、
前記窓材の主面における外縁部に接合されて前記窓材を支持する接合支持部と、
前記接合支持部の外側周面に設けられ、前記接合支持部の熱膨張率よりも低い熱膨張率を有する低熱膨張部材とを有する、光学測定用セル。
【請求項2】
前記低熱膨張部材は、前記接合支持部の外側周面に密着して設けられている、請求項1に記載の光学測定用セル。
【請求項3】
前記低熱膨張部材は、前記接合支持部の外側周面に嵌め合わされている、請求項1又は2に記載の光学測定用セル。
【請求項4】
前記接合支持部の外側周面は、前記窓材から離れるに従って外形寸法が大きくなる第1傾斜面を有し、
前記低熱膨張部材の内側周面は、前記接合支持部の前記第1傾斜面に対応する第2傾斜面を有し、
前記接合支持部の前記第1傾斜面と前記低熱膨張部材の前記第2傾斜面とを密着させた状態で、前記低熱膨張部材を固定する固定機構をさらに備える、請求項1又は2に記載の光学測定用セル。
【請求項5】
前記窓材を取り囲むように前記接合支持部に連続して設けられたフランジ部を更に備え、
前記フランジ部において前記接合支持部側の面には、前記接合支持部を取り囲むように環状の溝が形成されている、請求項1乃至4の何れか一項に記載の光学測定用セル。
【請求項6】
前記フランジ部における前記溝の内側に位置する内側壁部の壁厚は、前記接合支持部の壁厚よりも小さい、請求項5に記載の光学測定用セル。
【請求項7】
前記フランジ部の前記溝の底部に熱変形吸収部が設けられている、請求項5又は6に記載の光学測定用セル。
【請求項8】
前記低熱膨張部材は、前記窓材の外側周面の側方には位置していない、請求項1乃至7の何れか一項に記載の光学測定用セル。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか一項に記載の光学測定用セルと、
前記光学測定用セルに光を照射する光照射部と、
前記光学測定用セルを透過した光を検出する光検出部と、
前記光検出部により得られた光強度信号を用いて前記試料中の成分濃度を算出する濃度算出部とを備える、光学分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学測定用セル、及び、当該光学測定用セルを用いた光学分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばNDIRなどの光学分析装置に用いられる光学測定用セルは、特許文献1に示すように、セル本体に窓材を有する窓形成部材を取り付ける構成のものが考えられる。
【0003】
ここで、窓形成部材において窓材を気密に固定する構造としてOリングを用いた場合には、わずかではあるがガスがOリングを透過してしまい、高気密のシールができない。また、ガスが反応性を有するものの場合には、当該ガスによってOリングが劣化することもある。このため、図8に示すように、窓材の平面部(主面)にフランジ部材に形成した接合部を接合させる構造が考えられている。
【0004】
しかしながら、フランジ部材の材質(例えばステンレス鋼)と窓材の材質(例えば、セレン化亜鉛)との熱膨張率の差により、窓材と接合部との間の接合部分に熱応力が加わってしまう。その結果、窓材と接合部との間の接合部分が破損したり、窓材が破損したりする恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-40655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の問題点を解決すべくなされたものであり、光学測定用セルにおいて窓材の接合部分に加わる熱応力を低減することをその主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明に係る光学測定用セルは、光が透過する透光窓を有し、内部に試料が導入される光学測定用セルであって、前記透光窓を形成する平板状の窓材と、前記窓材の主面における外縁部に接合されて前記窓材を支持する接合支持部と、前記接合支持部の外側周面に設けられ、前記接合支持部の熱膨張率よりも低い熱膨張率を有する低熱膨張部材とを備えることを特徴とする。
【0008】
このような光学測定用セルであれば、透光窓に接合された接合支持部の外側周面に、当該接合支持部の熱膨張率よりも低い熱膨張率を有する低熱膨張部材を設けているので、接合支持部の熱膨張による変形が抑えられ、窓材と接合支持部との間の接合部分に加わる熱応力を低減することができる。その結果、窓材と接合支持部との間の接合部分の破損や窓材の破損を防ぐことができる。
【0009】
接合支持部の熱膨張による変形をより一層低減するためには、前記低熱膨張部材は、前記接合支持部の外側周面に密着して設けられていることが望ましい。
【0010】
光学測定用セルの部品点数(例えば低熱膨張部材の固定用部品)を削減しつつ、接合支持部の外側周面に低熱膨張部材を密着させるためには、前記低熱膨張部材は、前記接合支持部の外側周面に嵌め合わされていることが望ましい。
【0011】
また、接合支持部の外側周面に低熱膨張部材を密着させるための構成としては、前記接合支持部の外側周面は、前記窓材から離れるに従って外形寸法が大きくなる第1傾斜面を有し、前記低熱膨張部材の内側周面は、前記接合支持部の前記第1傾斜面に対応する第2傾斜面を有し、光学測定用セルが、前記接合支持部の前記第1傾斜面と前記低熱膨張部材の前記第2傾斜面とを密着させた状態で、前記低熱膨張部材を固定する固定機構をさらに備えることが望ましい。
【0012】
本発明の光学測定用セルとしては、前記窓材を取り囲むように前記接合支持部に連続して設けられたフランジ部を更に備えたものが考えられる。このフランジ部は、光学測定用セルのセル本体に取り付けられる。
この構成において、窓材と接合支持部との間の接合部分に、フランジ部の熱膨張による熱応力が加わりにくくするためには、前記フランジ部において前記接合支持部側の面には、前記接合支持部を取り囲むように環状の溝が形成されていることが望ましい。
【0013】
前記フランジ部における前記溝の内側に位置する内側壁部の壁厚は、前記接合支持部の壁厚よりも小さい、ことが望ましい。
この構成であれば、接合支持部の壁厚を大きくし、内側壁部の壁厚を小さくすることにより、窓材と接合支持部との間の接合面積を大きくしつつ、窓材と接合支持部との間の接合部分に対してフランジ部の熱膨張による熱応力が加わりにくくすることができる。
【0014】
前記フランジ部の前記溝の底部に熱変形吸収部が設けられていることが望ましい。
この構成であれば、フランジ部における溝の外側部分の熱膨張が熱変形吸収部に吸収されることによって、窓材と接合支持部との間の接合部分に加わる熱応力をより一層低減することができる。
【0015】
低熱膨張部材が窓材の外側周面を覆う構造の場合には、低熱膨張部材によって窓材に余計な熱応力が加わる恐れがある。この問題を好適に解決するためには、前記低熱膨張部材は、前記窓材の外側周面の側方には位置していない、つまり、前記窓材の外側周面を覆っていないことが望ましい。
【0016】
また、本発明に係る光学分析装置は、上記の光学測定用セルと、前記光学測定用セルに光を照射する光照射部と、前記光学測定用セルを透過した光を検出する光検出部と、前記光検出部により得られた光強度信号を用いて前記試料中の成分濃度を算出する濃度算出部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
以上に述べた本発明によれば、光学測定用セルにおいて窓材の接合部分に加わる熱応力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係るガス分析装置の全体模式図である。
図2】同実施形態の窓形成部材の構造を示す(a)斜視図、及び(b)正面図である。
図3】同実施形態の窓形成部材の構造を示す断面図である。
図4】変形実施形態の窓形成部材の構造を示す(a)斜視図、及び(b)正面図である。
図5】変形実施形態の窓形成部材の構造を示す断面図である。
図6】変形実施形態の窓形成部材の構造を示す断面図である。
図7】変形実施形態の窓形成部材の構造を示す断面図である。
図8】従来の窓形成部材の構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の一実施形態に係るガス分析装置について、図面を参照して説明する。
【0020】
<1.全体構成>
本実施形態のガス分析装置100は、例えば非分散型赤外線吸収法(NDIR)を用いて試料ガス中の成分を分析するものである。なお、試料ガスとしては、半導体製造プロセスに用いられる材料ガスや内燃機関から排出される排ガス等が考えられる。
【0021】
具体的にガス分析装置100は、図1に示すように、試料ガスが導入される光学測定用セル2と、当該光学測定用セル2に赤外光を照射する光照射部3と、光学測定用セル2を通過した赤外光を検出する光検出部4と、光検出部4により得られた光強度信号を用いて試料ガス中の成分濃度を算出する濃度算出部5とを備えている。
【0022】
光学測定用セル2は、赤外光が透過する一対の透光窓W1、W2を有し、導入ポートP1から試料ガスが導入されて、導出ポートP2から試料ガスが導出されるフローセルタイプのものである。
【0023】
具体的に光学測定用セル2は、導入ポートP1及び導出ポートP2が設けられたセル本体21と、透光窓W1、W2を形成する窓材221を有し、セル本体21に固定される窓形成部材22とを有している。なお、光学測定用セル2の窓形成部材22の詳細構造は、後述する。
【0024】
光照射部3は、光学測定用セル2に赤外光を照射するものであり、例えば赤外線ランプである。その他、赤外光を射出するLEDであっても良い。この光照射部3から射出された赤外光は、光学測定用セル2の一方の透光窓W1を通って、光学測定用セル2の内部空間を通過し、他方の透光窓W2を通って、光検出部4により検出される。
【0025】
光検出部4は、光学測定用セル2を通過した赤外光を検出するものであり、光学測定用セル2の他方の透光窓W2から出た赤外光を検出する光検出器41と、他方の透光窓W2及び光検出器41の間の光路上に設けられ、赤外光のうち一部の波長のみを通過させる波長選択フィルタ42とを有している。光検出器41により得られた光強度信号は濃度算出部5に出力される。
【0026】
濃度算出部5は、光検出器41により得られた光強度信号を用いて試料ガス中の所定成分の濃度を算出するものである。具体的に濃度算出部5は、光強度信号から吸光度を演算し、当該吸光度と予め作成されメモリに記録された検量線とに基づいて試料ガス中の所定成分の分圧を求める。そして、濃度算出部5は、光学測定用セル2又はその前後の配管に設けられた圧力計(不図示)によって測定された光学測定用セル2内の試料ガスの全圧に基づいて、所定成分の濃度(=所定成分の分圧/試料ガスの全圧)を算出する。なお、濃度算出部5は、例えばCPU、メモリ、AD変換器、入出力インターフェース等からなるコンピュータにより、その機能が発揮される。
【0027】
<2.光学測定用セル2の窓形成部材22の詳細構造>
次に、光学測定用セル2の窓形成部材22の詳細構造について説明する。
なお、一方の透光窓W1を形成する窓形成部材22の詳細構造と、他方の透光窓W2を形成する窓形成部材22の詳細構造とは同一又は類似しているので、以下では、一方の透光窓W1を形成する窓形成部材22の詳細構造を代表して説明する。
【0028】
窓形成部材22は、図2及び図3に示すように、透光窓W1を形成する平板状の窓材221と、当該窓材221が接合されることにより窓材221を支持する支持体222とを有している。
【0029】
窓材221は、赤外光を透過させる材質から形成されており、平面視において円形状をなす平板である。本実施形態の窓材221は、セレン化亜鉛から形成されている。
【0030】
支持体222は、特に図3に示すように、窓材221を支持する筒状の接合支持部222aと、窓材221を取り囲むように接合支持部222aに連続して設けられたフランジ部222bとを有している。また、支持体222の中央部には、窓材221を通過した赤外光が通過する通過孔H1が形成されている。さらに、本実施形態では、接合支持部222a及びフランジ部222bは一体形成されており、支持体222は、例えばステンレス鋼から形成されている。
【0031】
接合支持部222aは、窓材221の主面(平面部)における外縁部に接合されるものであり、本実施形態では円筒形状をなすものである。つまり、接合支持部222aの軸方向一端面に窓材221が接合される。なお、接合方法としては、例えば拡散接合又はロウ付け接合等を用いることができる。
【0032】
フランジ部222bは、その一方の面に接合支持部222aが設けられており、本実施形態では円環形状をなすものである。このフランジ部222bは、例えば金属製のガスケット(不図示)を介してセル本体21に取り付けられるものであり、フランジ部222bにおけるセル本体21への取付面には、ICF規格のナイフエッジ部222xが形成されている。また、フランジ部222bには、セル本体21にネジ固定するための貫通孔222hが周方向に複数形成されている。
【0033】
また、フランジ部222bにおいて接合支持部222a側の面(取付面とは反対側の面)には、接合支持部222aを取り囲むように環状の溝222Mが形成されている。ここでは、溝222Mは、接合支持部222aと同軸上に形成された円環状をなすものである。この溝222Mは、窓材221と接合支持部222aとの間の接合部分に、フランジ部22bの熱膨張による熱応力が加わりにくくするものである。溝222Mの深さは、例えば、フランジ部222bの板厚の半分以上とすることが考えられる。
【0034】
ここで、支持体222における溝222Mの内側に位置する内側壁部222Kの壁厚(肉厚)は、接合支持部222aの壁厚(肉厚)よりも小さくなるように構成されている。これにより、接合支持部222aの壁厚を大きくし、内側壁部222Kの壁厚を小さくすることにより、窓材221と接合支持部222aとの間の接合面積を大きくしつつ、窓材221と接合支持部222aとの間の接合部分に対してフランジ部222bの熱膨張による熱応力が加わりにくくすることができる。
【0035】
しかして、本実施形態の窓形成部材22は、図2及び図3に示すように、接合支持部231の外側周面に設けられた低熱膨張部材223を有している。
【0036】
この低熱膨張部材223は、接合支持部222aの外側周面に密着して設けられており、例えば円環状をなすものである。なお、低熱膨張部材223は、接合支持部222aに密着し、窓材221の外側周面221aには接触しないように構成されている。つまり、低熱膨張部材223は、窓材221の外側周面221aの側方には位置しておらず、窓材221の外側周面221aを覆わないように構成されている(図3参照)。これにより、接合支持部222aの熱膨張を拘束しつつ、低熱膨張部材223によって窓材221に直接余計な熱応力が加わることを防いでいる。
【0037】
また、低熱膨張部材223は、接合支持部222a(支持体222)の熱膨張率よりも低い熱膨張率を有する材質から形成されており、例えば、チタン(Ti)、コバール(Kovar)、インバー(Invar)等の金属を用いることができる。なお、低熱膨張部材223は、前記金属の他に、石英又はサファイアなどを用いることもできる。
【0038】
この低熱膨張部材223は、接合支持部222aの外側周面に嵌め合わされており、例えば低熱膨張部材223を加熱して嵌合させる焼き嵌め、又は、接合支持部222a(支持体222)を冷却して嵌合させる冷し嵌めによって嵌め合わされている。
【0039】
<3.本実施形態の効果>
このように構成した本実施形態のガス分析装置100によれば、透光窓W1、W2に接合された接合支持部222aの外側周面に、当該接合支持部222aの熱膨張率よりも低い熱膨張率を有する低熱膨張部材223を設けているので、接合支持部222aの熱膨張による変形が抑えられ、窓材221と接合支持部222aとの間の接合部分に加わる熱応力を低減することができる。その結果、窓材221と接合支持部222aとの間の接合部分の破損や窓材221の破損を防ぐことができる。
【0040】
<4.その他の実施形態>
例えば、低熱膨張部材223の固定構造としては焼き嵌めや冷やし嵌めの他に、締結により固定するものであっても良い。具体的には、図4及び図5に示すように、接合支持部222aの外側周面に、窓材221から離れるに従って外側周面の外形寸法が大きくなる第1傾斜面(第1テーパ面)224aを形成し、低熱膨張部材223の内側周面に、接合支持部222aの第1傾斜面224aに対応する第2傾斜面(第2テーパ面)224bを形成して、接合支持部222aの第1傾斜面224aと低熱膨張部材223の第2傾斜面224bとを密着させた状態で、固定機構225により低熱膨張部材223を固定しても良い。ここで、固定機構225は、低熱膨張部材223をフランジ部222b側に押圧するための押圧部材225aと、当該押圧部材225aをフランジ部222bに締結固定するための固定ネジ225bとからなる。
【0041】
また、図6に示すように、低熱膨張部材223を溝222M内にも配置して、低熱膨張部材223が、接合支持部222aの外側周面だけでなく、内側壁部222Kの外側周面にも密着する構成としても良い。これにより、接合支持部222aの熱膨張による変形をより一層抑え、窓材221と接合支持部222aとの間の接合部分に加わる熱応力をより一層低減することができる。
【0042】
さらに、図7に示すように、フランジ部222bの溝222Mの底部に熱変形吸収部226を設けても良い。この熱変形吸収部226は、溝222Mの周方向に沿って形成された少なくとも1つの山部又は谷部を有する屈曲部により構成することが考えられる。この熱変形吸収部226により、窓材221と接合支持部222aとの間の接合部分に、フランジ部22bの熱膨張による熱応力が加わりにくくすることができる。
【0043】
前記実施形態の光学測定用セル2は、一対の透光窓W1、W2を有する構成であったが、1つの透光窓を有する構成としても良い。この場合、1つの透光窓において光の入射及び出射が行われる。また、光学測定用セル2は、3つ以上の透光窓を有する構成としても良い。
【0044】
前記実施形態では、接合支持部222aとフランジ部222bとは一体形成されるものであったが、それらを別部品としても良い。
【0045】
前記実施形態の窓材は平面視において円形状をなすものであったが、例えば平面視において矩形状をなすなどのその他の形状であっても良い。
【0046】
加えて、前記実施形態のガス分析装置は、非分散型赤外吸収法(NDIR)を用いたものであったが、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)を用いたものであっても良いし、赤外光以外の光を用いた光学分析法を用いたものであっても良い。また、本発明の光学分析装置は、試料としてガスを分析する他に、液体を分析するものであっても良い。
【0047】
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な実施形態の変形や組み合わせを行っても構わない。
【符号の説明】
【0048】
100・・・ガス分析装置(光学分析装置)
2・・・光学測定用セル
3・・・光照射部
4・・・光検出部
5・・・濃度算出部
W1、W2・・・透光窓
221・・・窓材
221a・・・外側周面
222a・・・接合支持部
222b・・・フランジ部
222M・・・環状の溝
222K・・・内側壁部
223・・・低熱膨張部材
224a・・・第1傾斜面
224b・・・第2傾斜面
225・・・固定機構
226・・・熱変形吸収部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8