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特許7518925半導体処理チャンバにおけるRF周波数制御及びRF接地経路リターン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-09
(45)【発行日】2024-07-18
(54)【発明の名称】半導体処理チャンバにおけるRF周波数制御及びRF接地経路リターン
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20240710BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20240710BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
H01L21/302 101B
H05H1/46 M
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022576099
(86)(22)【出願日】2021-06-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-11
(86)【国際出願番号】 US2021036887
(87)【国際公開番号】W WO2021252812
(87)【国際公開日】2021-12-16
【審査請求日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】16/899,326
(32)【優先日】2020-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】フランクリン, ティモシー ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ディンサ, ラジンダー
(72)【発明者】
【氏名】ビョン, ダニエル サング
(72)【発明者】
【氏名】ウォン, カーラトン
(72)【発明者】
【氏名】ペリー, ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ロジャーズ, ジェームズ ヒュー
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-037831(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0021030(US,A1)
【文献】特開2015-126197(JP,A)
【文献】特開2012-015534(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エッチング処理チャンバ内で基板を処理する方法であって、
前記エッチング処理チャンバの処理空間内にプラズマを発生させるために、第1の期間にわたって、約200kHzから約700kHzの第1の周波数でRF電力を、RFバイアス電源から、前記エッチング処理チャンバの基板支持体において配置された下部電極へパルス供給することであって、コンダクタンスライナが、前記エッチング処理チャンバの上部電極のための接地経路を設けるために前記処理空間を囲む、RF電力をパルス供給することと、
前記第1の期間にわたって、約2MHzから約13.56MHzの第2の周波数でRF電力を前記RFバイアス電源から前記下部電極へパルス供給することと
前記RFバイアス電源からRF電力をパルス供給する前に、前記コンダクタンスライナの可動部分を垂直方向に動かし、前記可動部分を前記コンダクタンスライナの固定部分で封止し、プラズマを前記コンダクタンスライナ内に閉じ込めることと、
を含み、
前記固定部分は、第1の固定部分、及び該第1の固定部分よりも外径が小さい第2の固定部分を有し、前記可動部分の内径は、前記第2の固定部分の外径よりも大きい、方法。
【請求項2】
前記第1の期間にわたって、約13.56MHzから約120MHzの第3の周波数でRF電力を前記RFバイアス電源から前記下部電極へパルス供給することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の周波数、前記第2の周波数、及び前記第3の周波数のうちの少なくとも2つが、同期的にパルス供給される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第3の周波数が約40MHzである、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の周波数が約400kHzである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の周波数が約2MHzである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の期間が、前記第1の周波数及び前記第2の周波数のうちの少なくとも1つのパルス持続時間と一致する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記コンダクタンスライナの前記可動部分を垂直方向に動かして、前記可動部分を前記固定部分から分離して、基板が前記処理空間に出入りすることを促進することをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
エッチング処理チャンバであって、
内部に処理空間を有する処理チャンバ、
前記処理空間を囲み、C字型プロファイルを有するコンダクタンスライナ、及び
前記処理空間内に配置された基板支持アセンブリであって、電源に連結された静電チャックアセンブリと、同時に2つ以上の周波数でRF電力を前記基板支持アセンブリに供給するためのRFバイアス電源に連結された下部電極とを含む、基板支持アセンブリ
を備え
前記コンダクタンスライナが、
少なくとも1つの固定部分、
前記処理チャンバの壁における基板移送スロットを露出するように構成された可動部分、及び
前記コンダクタンスライナの前記可動部分を垂直方向に動かすために前記コンダクタンスライナの前記可動部分に取り付けられたアクチュエータを有するリフトアセンブリ
を備え、
前記固定部分は、第1の固定部分、及び該第1の固定部分よりも外径が小さい第2の固定部分を有し、前記可動部分の内径は、前記第2の固定部分の外径よりも大きい、エッチング処理チャンバ。
【請求項10】
前記アクチュエータが、前記可動部分と前記基板支持アセンブリとの間の電気的絶縁を設ける、請求項に記載のエッチング処理チャンバ。
【請求項11】
前記コンダクタンスライナが、ポリシリコン、ケイ素、炭化ケイ素、単結晶シリコン、炭化ケイ素でコーティングされたアルミニウム、又はポリシリコンでコーティングされたアルミニウムで製作される、請求項に記載のエッチング処理チャンバ。
【請求項12】
前記処理空間に連結されたガス通路を有する上部電極をさらに備え、前記コンダクタンスライナが、前記上部電極の周りに配置される、請求項に記載のエッチング処理チャンバ。
【請求項13】
前記コンダクタンスライナの前記少なくとも1つの固定部分が、前記処理チャンバの上部に第1の水平部分を有し、前記コンダクタンスライナの前記可動部分が、垂直部分及び第2の水平部分を有し、前記垂直部分は、前記可動部分が上昇させられたときに、前記固定部分と相互作用するように構成され、前記第2の水平部分は、前記可動部分が上昇させられたときに、端部リングと相互作用して、前記処理チャンバ内のRF接地リターン経路を完成させるように構成されている、請求項から12のいずれか一項に記載のエッチング処理チャンバ。
【請求項14】
前記コンダクタンスライナ及び前記基板支持アセンブリとインターフェース接続する端部リングをさらに備えている、請求項から12のいずれか一項に記載のエッチング処理チャンバ。
【請求項15】
前記コンダクタンスライナの前記少なくとも1つの固定部分が、第1の水平部分及び第1の垂直部分を有し、前記コンダクタンスライナの前記可動部分が、第2の垂直部分及び第2の水平部分を有し、前記第2の垂直部分は、前記可動部分が上昇させられたときに、前記第1の垂直部分と相互作用するように構成され、前記第2の水平部分は、前記可動部分が上昇させられたときに、前記端部リングと相互作用して、前記処理チャンバ内のRF接地リターン経路を完成させるように構成されている、請求項14に記載のエッチング処理チャンバ。
【請求項16】
前記RFバイアス電源が、約200kHzから約700kHzの第1の周波数を供給し、約2MHzから約13.56MHzの第2の周波数を供給し、前記第1の周波数及び前記第2の周波数が、同時に供給されるように構成されている、請求項から12のいずれか一項に記載のエッチング処理チャンバ。
【請求項17】
前記RFバイアス電源が、約13.56MHzから約60MHzの第3の周波数を供給する、請求項16に記載のエッチング処理チャンバ。
【請求項18】
前記第3の周波数が、前記第1の周波数及び前記第2の周波数と同時に供給されるように構成されている、請求項17に記載のエッチング処理チャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本原理の実施形態は、概して、半導体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]半導体デバイスの製造に使用される堆積チャンバ及びエッチングチャンバは、処理されるあらゆる基板に対して一定のかつ均一な結果を生じさせる必要がある。処理をさらに向上させるために、材料の堆積及びエッチングの両方においてプラズマを使用することができる。プラズマは、誘導結合又は容量結合によって生成することができる。容量結合プラズマチャンバでは、チャンバの処理空間内で生成されたプラズマを収容し、RF接地リターン経路を設けるために、コンダクタンスライナ(conductance liner)が使用される。閉じ込められていないプラズマは、チャンバ壁上にエッチング副生成物堆積を生じさせ、チャンバ壁もエッチングしてしまう恐れがある。チャンバ壁上のエッチング副生成物堆積により、処理がドリフトしてしまう場合がある。コンダクタンスライナは、概して、基板移送スロットによって遮られたところを除いて、処理空間を囲む。基板移送スロットは、ロボットアームが基板をプラズマチャンバの処理空間の内外に配置することを可能にする。本発明者らは、基板移送スロットの存在が、処理中の基板上への堆積の均一性を妨げることも認識している。
【0003】
[0003]したがって、本発明者らは、基板上への堆積の均一性を向上させる、改善された方法及び装置を提供する。
【発明の概要】
【0004】
[0004]ここでは基板を処理する方法及び装置が提供される。幾つかの実施形態では、エッチング処理チャンバ内で基板を処理する方法は、エッチング処理チャンバの処理空間内にプラズマを発生させるために、第1の期間にわたって、約200kHzから約700kHzの第1の周波数でRF電力を、RFバイアス電源から、エッチング処理チャンバの基板支持体において配置された下部電極へパルス供給することを含み、コンダクタンスライナは、エッチング処理チャンバの上部電極のための接地経路を設けるために処理空間を囲む。
【0005】
[0005]第1の期間にわたって、約2MHzから約13.56MHzの第2の周波数でRF電力をRFバイアス電源から下部電極へパルス供給する。
【0006】
[0006]幾つかの実施形態では、エッチング処理チャンバは、内部に処理空間を有する処理チャンバと、処理空間を囲み、C字型プロファイルを有するコンダクタンスライナと、処理空間内に配置された基板支持アセンブリであって、電源に連結された静電チャックアセンブリ、及び同時に2つ以上の周波数でRF電力を基板支持アセンブリに供給するためにRFバイアス電源に連結された下部電極を含む、基板支持アセンブリとを含む。
【0007】
[0007]幾つかの実施形態では、内部に処理空間を画定する処理チャンバと、処理空間を囲むコンダクタンスライナと、処理空間内に配置された基板支持体であって、基板支持体が、パックの中に埋め込まれ、チャッキング電源に連結された第1の電極、及びパックの中に埋め込まれ、第2のRF電源に連結された第2の電極を含むパックを含み、第2のRF電源が、約200kHzから約700kHzの第1の周波数を供給し、約2MHzから約13.56MHzの第2の周波数を供給し、第1の周波数及び第2の周波数が、同時に供給されるように構成された、基板支持体と、処理空間に連結されたガス通路を有する上部電極であって、コンダクタンスライナが、上部電極の周りに配置される、上部電極とを有する。
【0008】
[0008]他の実施形態及びさらなる実施形態を以下に開示する。
【0009】
[0009]上記で簡潔に要約されており、かつ以下で詳述する本原理の実施形態は、付随する図面に示している本原理の例示的な実施形態を参照することにより理解することができる。しかし、本原理は他の等しく有効な実施形態を許容し得ることから、付随する図面は、本原理の典型的な実施形態のみを例示しており、ゆえに、範囲を限定するものと見なすべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本原理の幾つかの実施形態に係る、半導体処理のための処理チャンバの断面図を示す。
図2】本原理の幾つかの実施形態に係る、可動コンダクタンスライナを有する処理チャンバの断面図を示す。
図3】本原理の幾つかの実施形態に係る、下降位置の可動コンダクタンスライナを有する処理チャンバの断面図を示す。
図4】本原理の幾つかの実施形態に係る、可動部分の処理チャンバの断面図を示す。
図5】本原理の幾つかの実施形態に係る、割れた垂直側壁を備えた可動コンダクタンスライナを有する処理チャンバの断面図を示す。
図6】本原理の幾つかの実施形態に係る、割れた垂直側壁を備えた可動部分の断面図を示す。
図7】本原理の幾つかの実施形態に係る、可動垂直側壁を備えた可動コンダクタンスライナを有する処理チャンバの断面図を示す。
図8】本原理の幾つかの実施形態に係る、可動部分の断面図を示す。
図9】本原理の幾つかの実施形態に係る、ツーピース可動コンダクタンスライナの等角図を示す。
図10】本原理の幾つかの実施形態に係る、割れた垂直側壁可動コンダクタンスライナの等角図を示す。
図11】本原理の幾つかの実施形態に係る、スリーピース可動コンダクタンスライナの等角図を示す。
図12】本原理の幾つかの実施形態に係る、可動コンダクタンスライナを有する処理チャンバを洗浄する方法を示す。
図13】本原理の幾つかの実施形態に係る、エッチング処理チャンバ内で基板を処理する方法である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0023]理解を容易にするために、可能な場合には、図に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号を使用した。図は縮尺どおりには描かれておらず、分かりやすくするために簡略化されることがある。ある実施形態の要素及び特徴は、さらなる記述がなくても、他の実施形態に有益に組み込まれ得る。
【0012】
[0024]ここに記載された方法及び装置は、プラズマ処理チャンバ内の改善された堆積均一性をもたらす。RFバイアス電源は、RF電力をプラズマ処理チャンバの下部電極へ供給する。RFバイアス電源は、堆積又はエッチングを有利に改善するために、第1の期間にわたって、種々のRF電力を下部電極へ供給するように構成された混合周波数RF電源である。幾つかの実施形態では、RFバイアス電源は、第1の期間にわたって、2つ以上の周波数で基板を処理するように構成されている。
【0013】
[0025]プラズマ閉じ込めライナ又はコンダクタンスライナは、プラズマ処理チャンバの処理空間内にプラズマを保持することを容易にし、処理中にRF接地リターン経路を設ける。ここに提供される閉じ込めライナの実施形態は、閉じ込めライナを通した流動コンダクタンスの強化をさらにもたらす。幾つかの実施形態では、閉じ込めライナを導電性の材料から製作することができ、これにより、プラズマが閉じ込めライナと接触しているときに、RF電源のための接地経路リターンが設けられる。
【0014】
[0026]本発明者は、コンダクタンスライナにおけるRF接地リターン経路のいかなる中断も、堆積中に均一性の問題を引き起こすことを見出した。本発明者は、基板を処理チャンバの処理空間の内外に配置するために使用される基板移送スロットは、基板移送スロットがコンダクタンスライナを突き破るとき、均一性の問題の主な要因であることを見出した。基板移送スロットは、コンダクタンスライナの内表面の滑らかさを壊し、コンダクタンスライナを通る電流の流れに影響を及ぼす。プラズマを均一かつ一定に生成するためには、処理空間は、コンダクタンスライナに、滑らかで均一な内表面と均一な厚さとを提供すべきであり、これにより、RFリターンのための均一な電流経路が設けられる。本原理の方法及び装置は、滑らかで途切れのない内表面とすべての垂直壁の均一な厚さの両方を設ける360度コンダクタンスライナを提供し、堆積の均一性をさらに向上させる。
【0015】
[0027]本原理の方法及び装置は、例えば、図1に示されるように、容量結合プラズマチャンバに適用することができる。図1は、基板支持アセンブリ104及び上部電極106を含む処理チャンバ102の断面図100を示す。基板105が、基板支持アセンブリ104上に配置される。端部リング108が基板105の周りに配置され、コンダクタンスライナ110及び基板支持アセンブリ104とインターフェース接続する。上部電極106、コンダクタンスライナ110、及び端部リング108は、処理空間112を画定するのに役立つ。幾つかの実施形態では、コンダクタンスライナ110を導電性の材料から製作することができ、これにより、プラズマがコンダクタンスライナ110と接触しているときに、RF電源のための接地経路が設けられる。例えば、幾つかの実施形態では、コンダクタンスライナ110は、0.01オーム/cm以下の電気抵抗率を有する材料から製作される。幾つかの実施形態では、コンダクタンスライナ110は、処理中の基板の汚染を低減又は防止する材料から製作され得る。
【0016】
[0028]基板支持アセンブリ104は、第1の導体118を介して、電源116に電気的に接続された静電チャック(ESC)アセンブリ114を含む。電源116は、例えば、基板を基板支持アセンブリ104に静電的にクランプするために、DC電圧をESCアセンブリ114に供給する。基板支持アセンブリ104は、RFバイアス整合ネットワーク124を介して、RFバイアス電源122に、第2の導体126を介して電気的に接続される下部電極120をさらに含む。上部電極106は、RF整合ネットワーク130を介して、RF電源128に電気的に接続される。幾つかの実施形態では、RF電源128は、約2MHzから約120MHzの周波数でRF電力を供給するように構成されている。幾つかの実施形態では、上部電極106が接地される。上部電極106は、ガス供給源132に流体接続されたガス通路134をさらに含み得る。幾つかの実施形態では、上部電極106は、コンダクタンスライナ110と同じ材料から製作される。真空ポンプ136は、処理チャンバ102から副生成物及び/又はガスを除去するのに役立つ。
【0017】
[0029]幾つかの実施形態では、RFバイアス電源122は、堆積又はエッチングを有利に改善するために、複数の周波数(例えば、2つの周波数、3つの周波数など)で複数の電力レベルを供給する混合周波数RF電源である。コントローラ140を介して、第1の期間にわたって、複数の周波数を個々にパルス供給、位相調整、かつ/又はデューティサイクル、デューティサイクル制御することができる(以下でより詳細に説明する)。さらに、第1の期間にわたって、複数の周波数を同期的に又は非同期的にパルス供給することができる。複数の周波数の各々は、パルス持続時間、パルス「オン」時間、パルス「オフ」時間、パルス周波数、及びパルスデューティサイクルを有するパルスエンベロープ(pulse envelope)を有し得る。パルス持続時間は、パルス「オン」時間とパルス「オフ」時間の合計である。各周波数についてのパルスデューティサイクルは、パルス「オン」時間をパルス持続時間で割ったものである。幾つかの実施形態では、第1の期間は、複数の周波数のうちの1つのパルス持続時間と一致し得る。幾つかの実施形態では、第1の期間は、複数の周波数のいずれかのパルス持続時間より長いことがある。
【0018】
[0030]幾つかの実施形態では、複数の周波数は、同一の位相及びデューティサイクルを有し、ひいては周波数間の位相差がゼロになるように、共に同期される。幾つかの実施形態では、複数の周波数は、例えば、それぞれ0°、90°、180°、及び270°の位相差を有するように位相が変化する。位相差は、第2のパルス出力が第1のパルス出力にどれだけ遅れるかによって定義される。幾つかの実施形態では、RF電力エンベロープの位相のリード又は遅れを制御することによってプラズマをパルス供給する間に、エッチング速度を高めることができる。幾つかの実施形態では、RF電源128、及びRFバイアス電源122によって供給される複数の周波数が、個々に、位相ずれして、又は変化するデューティサイクルでパルス供給されるとき、変化する周波数の種々のプラズマダイナミクスが、パルス全体にわたって、より良好なプラズマ充填を可能にする。
【0019】
[0031]幾つかの実施形態では、RFバイアス電源122が、第1の期間にわたって、高周波数電力及び低周波数電力の両方の二重周波数電力を供給することができる。二重周波数RF電源、特にRFバイアス電源122の利用は、膜堆積を改善する。約200kHzから約2.0MHzの第1の周波数(例えば、低周波数)は、堆積された膜への種の注入を改善するが、約2.0MHzから約120MHzの第2の周波数(例えば、高周波数)は、イオン化、及び膜の堆積又はエッチング速度を向上させる。幾つかの実施形態では、第1の周波数は、約400kHzである。幾つかの実施形態では、第2の周波数は、約2.0MHzである。第1の周波数及び第2の周波数は、同期的にパルス供給されてもよく、又は非同期的に(例えば、位相ずれして)パルス供給されてもよい。
【0020】
[0032]幾つかの実装形態では、RFバイアス電源122は、堆積又はエッチングを有利に改善するために、第1の期間にわたって、3つの異なる周波数でRF電力を基板支持アセンブリ104へ供給するように構成された混合周波数RF電源である。一実施例では、RFバイアス電源122は、イオンエネルギー分布を改善するために、第1の期間にわたって約200kHzから約700kHzの第1の周波数を供給し、堆積された膜への種の注入を改善するために、第1の期間にわたって約2MHzから約13.56MHzの第2の周波数を供給し、イオン化及び膜の堆積又はエッチング速度を向上させるために、第1の期間にわたって約13.56MHzから約120MHzの第3の周波数を供給する。幾つかの実施形態では、第1の周波数は、約350kHzから約450kHzである。幾つかの実施形態では、第1の周波数は、約400kHzである。幾つかの実施形態では、第1の周波数がパルス供給される。幾つかの実施形態では、第2の周波数は、約2MHzから約6MHzである。幾つかの実施形態では、第2の周波数がパルス供給される。幾つかの実施形態では、第3の周波数は、約35MHzから約45MHzである。幾つかの実施形態では、第3の周波数は、約40MHzである。幾つかの実施形態では、第3の周波数がパルス供給される。
【0021】
[0033]幾つかの実施形態では、第1の周波数、第2の周波数、及び第3の周波数が、同期的にパルス供給され得る。幾つかの実施形態では、第1の周波数、第2の周波数、及び第3の周波数のうちの2つの周波数が、同期的にパルス供給され得るが、第1の周波数、第2の周波数、及び第3の周波数のうちの残りの周波数が他の2つの周波数と非同期的に(例えば、位相ずれして)パルス供給される。幾つかの実施形態では、第1の周波数、第2の周波数、及び第3の周波数がすべて互いに対して非同期的に(例えば、位相ずれして)パルス供給される。
【0022】
[0034]RF電源128及びRFバイアス電源122の一方又は両方が、処理空間112内にプラズマを生成又は維持するように利用される。例えば、RFバイアス電源122は堆積プロセス中に利用されてもよく、RF電源128はエッチングプロセス中に利用されてもよい。幾つかの堆積プロセスでは、RF電源128は、RFバイアス電源122と併せて使用される。堆積又はエッチングプロセスの間、RF電源128及びRFバイアス電源122の一方又は両方が、処理空間112内に約100ワット(W)から約20,000Wの電力を供給し、前駆体ガスのイオン化を促進する。ここに記載する他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、RF電源128及びRFバイアス電源122のうちの少なくとも1つがパルス化される。
【0023】
[0035]コントローラ140は、処理チャンバ102に関連付けられた他のコンピュータ(又はコントローラ)を介した直接制御又は間接制御を用いて、処理チャンバ102の動作を制御する。動作中、コントローラ140は、処理チャンバ102及び周辺システムからのデータ収集及びフィードバックを可能にし、処理チャンバ102の性能を最適化する。例えば、コントローラ140は、処理チャンバ102内での基板105の処理のための処理レシピを受信するように構成され、第1の期間にわたって下部電極120に供給される複数の周波数の各々のパルス持続時間、位相、及びデューティサイクルを個々に制御するように構成され得る。コントローラ140は、RFバイアス電源122及びRF電源128によって供給される複数の周波数の間の、所望の位相のリード若しくは遅れの関係性及び/又はデューティサイクル関係性を生成するために、複数の周波数の各々に対してパルス制御信号を印加するようにプログラム可能である。コントローラ140は、概して、中央処理装置(CPU)142、メモリ144、及び支持回路146を含む。CPU142は、産業用設定で使用できる任意の形態の汎用コンピュータプロセッサであり得る。支持回路146は、慣例的にCPU142に連結され、キャッシュ、クロック回路、入出力サブシステム、電源等を含み得る。後述の方法などのソフトウェアルーチンは、メモリ144内に記憶することができ、CPU142によって実行されると、CPU142を特殊用途コンピュータ(コントローラ140)に変換する。ソフトウェアルーチンは、処理チャンバ102から遠隔に位置する第2のコントローラ(図示せず)によってさらに格納かつ/又は実行することができる。
【0024】
[0036]メモリ144は、命令を含むコンピュータ可読記憶媒体の形態をとり、この命令は、CPU142によって実行されると、半導体プロセス及び装置の動作を促進する。メモリ144内の命令は、本原理の方法を実施するプログラムなどのプログラム製品の形態をとる。プログラムコードは、数々の異なるプログラミング言語のうちの任意の1つに適合し得る。一実施例では、本開示は、コンピュータシステムとの使用のためにコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたプログラム製品として実施されてもよい。プログラム製品の1つ又は複数のプログラムは、態様(ここに記載された方法を含む)の機能を規定する。例示的なコンピュータ可読記憶媒体には、情報が永久的に記憶される書込み不能な記憶媒体(例えば、CD-ROMドライブ、フラッシュメモリ、ROMチップ、又は任意の種類のソリッドステート不揮発性半導体メモリによって読み出し可能なCD-ROMディスクなどのコンピュータ内の読出し専用メモリデバイス)、及び変更可能な情報が記憶される書き込み可能な記憶媒体(例えば、ディスケットドライブ若しくはハードディスクドライブ内のフロッピーディスク、又は任意の種類のソリッドステートランダムアクセス半導体メモリ)が含まれるが、これらに限定されない。このようなコンピュータ可読記憶媒体は、ここに記載された方法の機能を方向付けるコンピュータ可読指令を運ぶ際には、本原理の態様である。
【0025】
[0037]コンダクタンスライナ110は、プラズマを内部に閉じ込めるために、基板支持アセンブリ104及び上部電極106のうちの少なくとも1つの周りのプロセス空間112内に配置される。幾つかの実施形態では、コンダクタンスライナ110は、ポリシリコン、ケイ素、炭化ケイ素、単結晶シリコン、炭化ケイ素でコーティングされたアルミニウム、ポリシリコンでコーティングされたアルミニウムなどの材料から形成され、処理される基板上の汚染を有利に低減する。コンダクタンスライナ110は、上方ライナ160及び下方ライナ162を含み得る。幾つかの実施形態では、上方ライナ160が下方ライナ162の上に載っかっている。幾つかの実施形態では、上方ライナ160及び下方ライナ162が一体的に形成されている。幾つかの実施形態では、下方ライナ162が上方ライナ160から径方向内側に延在し、コンダクタンスライナ110はC字型プロファイルを有する。幾つかの実施形態では、上方ライナ160の内径は、下方ライナ162の内径よりも大きい。下方ライナ162は、下方ライナ162の周りに配置された複数の径方向スロットを含み、真空ポンプ136への流路を設ける。
【0026】
[0038]図1の実施例では、基板移送スロット138がコンダクタンスライナ110を突き破り、コンダクタンスライナの内表面111及び導電性を途絶えさせ、堆積の均一性の問題を引き起こす。図2の断面図200では、この突き破った状態がなくなり、図1のコンダクタライナ110は、固定部分210A及び可動部分210Bを備えた可動コンダクタライナ210に置き換えられている。幾つかの実施形態では、固定部分210A及び可動部分210Bは、互いに接触しているときにC字型プロファイルを形成する。基板移送スロット248は、処理チャンバ102の外壁103に再配置されており、もはや可動コンダクタンスライナ210を突き破ることはない。幾つかの実施形態では、可動コンダクタライナ210の固定部分210Aは、上部電極106を囲む円形形状のフラットリング(図9のビュー900、210Aを参照)である。幾つかの実施形態では、可動コンダクタライナ210の可動部分210Bは、基板支持アセンブリ104を囲むL字形のプロファイル(図4の410B、及び図9のビュー900、210Bを参照)を有する円形形状である。可動部分210Bは、可動部分210Bの垂直部分262の上端260において固定部分210Aと電気接触する。可動部分210Bは、可動部分210Bの水平部分266の上面264で端部リング109と電気接触する。可動部分210Bは、リフトアセンブリ250によって駆動されるアクチュエータ252に取り付けられる。可動コンダクタンスライナ210の少なくとも一部は、単結晶シリコン、ポリシリコン、炭化ケイ素、ケイ素と炭化ケイ素との組み合わせ、炭化ケイ素でコーティングされたアルミニウム、ポリシリコンでコーティングされたアルミニウムなどの材料から形成され得る。リフトアセンブリ250及びアクチュエータ252は、可動部分210Bに垂直運動254を与える。リフトアセンブリ250は、モータによって、又は気圧駆動式ピストンアセンブリ(図示せず)によって動作し得る。幾つかの実施形態では、1つより多くのアクチュエータ252及びリフトアセンブリ250を使用して、可動部分210Bに垂直運動を与えることができる。リフトアセンブリ250は、基板支持アセンブリ104に組み込まれてもよく、かつ/又は基板支持アセンブリ104とは独立して組み込まれてもよい。幾つかの実施形態では、アクチュエータ252が、可動部分210Bと基板支持アセンブリ104との間に電気的絶縁を設け得る。
【0027】
[0039]図3は、可動コンダクタンスライナ210が下降位置258にある処理チャンバ102の断面図300である。幾つかの実施形態では、可動コンダクタンスライナ210の可動部分210Bは、固定部分210A及び/又は端部リング108との電気接触を改善するために、1つ又は複数のRFガスケット256A、256Bを有し得る。RFガスケット256A、256Bは、ステンレス鋼材料から作られたOリングであってもよく、可動部分210Bの周縁部全体の周りに密接な電気接触を形成するように圧縮可能である。可動部分210Bが下降位置258にあるとき、基板移送スロットは、基板を処理チャンバ102内へ配置260することを可能にするように利用可能である。基板支持アセンブリ104上に基板を配置した後、リフトアセンブリ250及びアクチュエータ252は、RFガスケット256A、256Bが固定部分210A及び端部リング108に対して圧縮されるまで、可動部分210Bを上方に動かす。コントローラ140は、プロセスを制御し、かつ/又は、可動部分210Bがいつ下降させられたか及び/若しくは可動部分210Bがいつ上昇位置にあるかを知るためにフィードバックを受信することができる。図4は、幾つかの実施形態に係る可動部分410Bの断面図370を示す。可動部分410Bは、第1のRFガスケット456Aのために、垂直部分472の上端460に第1の凹部462Aを有し、第2のRFガスケット456Bのために、水平部分470の上面464に第2の凹部462Bを有する。
【0028】
[0040]図5は、幾つかの実施形態に係る、分割された垂直側壁を備えた可動コンダクタンスライナ510を有する処理チャンバ102の断面図500を示す。可動コンダクタンスライナ510の固定部分510Aは、処理チャンバ102の上部における第1の水平部分510C、及び第1の垂直部分510Dを有し、L字型のプロファイルを形成する(図10のビュー1000、510C、510Dを参照)。可動部分510Bは、第2の水平部分510F及び第2の垂直部分510Eを有し、L字型のプロファイルを形成する(図10の510E、510F参照)。幾つかの実施形態では、固定部分510A及び可動部分510Bは、接触しているときにC字型プロファイルを形成する。固定部分510Aの第1の垂直部分510D、及び第2の垂直部分510Eは、同じ高さを有してもよく、又は有さなくてもよい。可動部分510Bが下降位置558にあるとき、基板は、基板支持アセンブリ104内に配置されるか、又は基板支持アセンブリ104から取り除かれ得る。可動コンダクタンスライナ510の少なくとも一部は、単結晶シリコン、ポリシリコン、炭化ケイ素、ケイ素と炭化ケイ素との組み合わせ、炭化ケイ素でコーティングされたアルミニウム、ポリシリコンでコーティングされたアルミニウムなどの材料から形成され得る。図6は、幾つかの実施形態に係る可動部分510Bの断面図570を示す。可動部分510Bは、第1のRFガスケット656Aのために、垂直部分672の上端660に第1の凹部662Aを有し、第2のRFガスケット656Bのために、水平部分670の上面664に第2の凹部662Bを有する。
【0029】
[0041]図7は、幾つかの実施形態に係る、可動部分710Bを備えた可動コンダクタンスライナ710を有する処理チャンバ102の断面図700を示す。幾つかの実施形態では、可動コンダクタンスライナ710は、1つより多くの固定部分、すなわち、第1の固定部分710A及び第2の固定部分710Cを有する(図11の710A、710Cを参照)。可動部分710Bには、リフトアセンブリ250からのアクチュエータ752が取り付けられる。可動部分710Bが下降位置758にあるとき、基板は、基板支持アセンブリ104内に配置されるか、又は基板支持アセンブリ104から取り除かれ得る。可動コンダクタンスライナ710の少なくとも一部は、単結晶シリコン、ポリシリコン、炭化ケイ素、ケイ素と炭化ケイ素との組み合わせ、炭化ケイ素でコーティングされたアルミニウムなどの材料から形成され得る。図11のビュー1100に示すように、可動部分710Bの内径1104は、第2の固定部分710Cの外径1102よりも大きい。直径の違いにより、可動部分710Bは、無接触のまま第2の固定部分710Cを通り過ぎることが可能であり、上昇位置にあるときに第2のRFガスケット256Bに接触する。図8は、幾つかの実施形態に係る可動部分710Bの断面図770を示す。可動部分710Bは、第1のRFガスケット856Aのために、垂直部分872の上端860に第1の凹部862Aを有し、第2のRFガスケット856Bのために、垂直部分872の側壁864に第2の凹部862Bを有する。
【0030】
[0042]上述の装置は、処理チャンバの洗浄中にも利用され得る。図12は、幾つかの実施形態による、コンダクタンスライナを有する処理チャンバを洗浄する方法1200を示す。可動コンダクタンスライナを備えることのさらなる利点は、RF接地リターン経路を破断するために、可動コンダクタンスライナが移動可能であることである。可動コンダクタンスライナの少なくとも一部は、単結晶シリコン、ポリシリコン、炭化ケイ素、ケイ素と炭化ケイ素との組み合わせ、炭化ケイ素でコーティングされたアルミニウム、ポリシリコンでコーティングされたアルミニウムなどの材料から形成され得る。ブロック1202では、コンダクタンスライナの可動部分を下降させて、コンダクタンスライナの少なくとも1つの非可動部分及び/又は基板支持アセンブリとの電気接触を切断する。ブロック1204では、RF接地リターン経路がない状態で、プラズマが処理チャンバの処理空間内で生成される。ブロック1206では、コンダクタンスライナをプラズマで加熱し、堆積物を除去する。RFガスケットを有する幾つかの実施形態では、RFガスケットは、洗浄プロセス中にコンダクタンスライナと共に洗浄される。洗浄プロセスは、部品の寿命延長と、さらに堆積の均一性の維持を容易にする。
【0031】
[0043]上述の装置は、例えば、エッチングプロセスの間に利用され得る。図13は、幾つかの実施形態に係る、エッチング処理チャンバ(例えば、処理チャンバ102)内で基板を処理する方法1300である。1302では、方法1300は、第1の期間にわたって、約200kHzから約700kHzの第1の周波数でRF電力を、RFバイアス電源から下部電極へパルス供給することを含む。コンダクタンスライナ(例えば、コンダクタンスライナ110)は、処理空間を囲み、RF電源のための接地経路を設ける。基板支持体(例えば、基板支持アセンブリ104)は、エッチング処理チャンバ内に配置され、電源(例えば、電源116)に連結された静電チャックアセンブリ(例えば、ESCアセンブリ114)、及び基板支持体に埋め込まれ、RFバイアス電源(例えば、RFバイアス電源122)に連結された下部電極(例えば、下部電極120)を含む。
【0032】
[0044]1304では、方法は、第1の期間にわたって、約2MHzから約13.56MHzの第2の周波数でRF電力を、RFバイアス電源から下部電極へパルス供給することを含む。任意選択的に、1306では、方法は、第1の期間にわたって、約13.56MHzから約120MHzの第3の周波数でRF電力を、RFバイアス電源から下部電極へパルス供給することを含む。幾つかの実施形態では、第1の周波数は、約300kHzから約500kHzである。幾つかの実施形態では、第1の周波数は、約400kHzである。幾つかの実施形態では、第2の周波数は、約1MHzから約3MHzである。幾つかの実施形態では、第2の周波数は、約2MHzである。幾つかの実施形態では、第3の周波数は、約30MHzから約60MHzである。幾つかの実施形態では、第3の周波数は、約40MHzである。RFバイアス電源が二重周波数を供給する場合、第1の周波数及び第2の周波数は、第1の期間にわたって、個々にパルス供給、位相調整、かつ/又はデューティサイクル制御され得る。RFバイアス電源が三重周波数を供給する場合、第1の周波数、第2の周波数、及び第3の周波数は、第1の期間にわたって、個々にパルス供給、位相調整、かつ/又はデューティサイクル制御され得る。
【0033】
[0045]幾つかの実施形態では、第1の周波数、第2の周波数、及び第3の周波数が、同期的にパルス供給される。幾つかの実施形態では、第1の周波数、第2の周波数、及び第3の周波数のうちの2つの周波数のみが同期的にパルス供給される。幾つかの実施形態では、第1の周波数、第2の周波数、及び第3の周波数が、非同期的にパルス供給される。幾つかの実施形態では、処理チャンバの上部電極(例えば、上部電極106)に連結されたRF電源(例えば、RF電源128)を使用して、プラズマが処理空間内に形成される。幾つかの実施形態では、RF電源からの電力がパルス供給される。幾つかの実施形態では、コンダクタンスライナの可動部分(例えば、可動部分210B、410B、510B、710B)が、垂直方向に動かされ、可動部分をコンダクタンスライナの固定部分(例えば、固定部分210A、410A、510A、710A)で封止し、プラズマをコンダクタンスライナ内に閉じ込め、RFバイアス電源からRF電力をパルス供給する前に、プラズマのための接地経路を設ける。幾つかの実施形態では、コンダクタンスライナの可動部分が垂直方向に動かされ、可動部分が固定部分から分離し、基板が処理空間に出入りすることが促進される。
【0034】
[0046]本原理に係る実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はこれらの任意の組み合わせで実施され得る。さらに諸実施形態は、1つ又は複数のコンピュータ可読媒体を使用して記憶された命令として実施され得、この命令は、1つ又は複数のプロセッサによって読み取られ、実行され得る。コンピュータ可読媒体は、マシン(例えば、コンピューティングプラットフォーム、又は1つ若しくは複数のコンピューティングプラットフォーム上で実行される「仮想マシン」)によって可読な形態で情報を記憶又は送信するための任意の機構を含み得る。例えば、コンピュータ可読媒体は、任意の適切な形態の揮発性又は不揮発性メモリを含み得る。幾つかの実施形態では、コンピュータ可読媒体は、非一時的コンピュータ可読媒体を含み得る。
【0035】
[0047]上記は、本原理の実施形態を対象としているが、本原理の基本的な範囲から逸脱せずに、本原理の他の実施形態及びさらなる実施形態を考案することができる。
図1
図2
図3
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図5
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図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13