(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-09
(45)【発行日】2024-07-18
(54)【発明の名称】ベーカリー食品用ミックスおよびベーカリー食品の製造方法
(51)【国際特許分類】
A21D 10/02 20060101AFI20240710BHJP
A21D 2/18 20060101ALI20240710BHJP
A21D 2/26 20060101ALI20240710BHJP
A21D 13/064 20170101ALI20240710BHJP
A23J 3/18 20060101ALI20240710BHJP
【FI】
A21D10/02
A21D2/18
A21D2/26
A21D13/064
A23J3/18
(21)【出願番号】P 2024525871
(86)(22)【出願日】2024-01-24
(86)【国際出願番号】 JP2024001931
【審査請求日】2024-05-10
(31)【優先権主張番号】P 2023008744
(32)【優先日】2023-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398012306
【氏名又は名称】株式会社日清製粉ウェルナ
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福田 真人
【審査官】吉岡 沙織
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-521794(JP,A)
【文献】特開2004-242577(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A21D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
澱粉5~20質量%、小麦蛋白質20~35質量%、小麦蛋白質加水分解物0.1~0.5質量%、及び穀粉を含有するベーカリー食品用ミックス。
【請求項2】
前記澱粉が小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、及びワキシーコーンスターチからなる群より選択される1種以上を含む、請求項1記載のミックス。
【請求項3】
前記穀粉が小麦粉を含む、請求項1記載のミックス。
【請求項4】
前記澱粉、小麦蛋白質、小麦蛋白質加水分解物、及び穀粉の合計含有量が50質量%以上である、請求項1記載のミックス。
【請求項5】
前記ベーカリー食品がホットケーキ、パンケーキ、又はスポンジケーキである、請求項1記載のミックス。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項記載のベーカリー食品用ミックスから調製した生地を加熱することを含む、ベーカリー食品の製造方法。
【請求項7】
前記ベーカリー食品がホットケーキ、パンケーキ、又はスポンジケーキである、請求項6記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベーカリー食品用ミックス及びそれを用いたベーカリー食品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パンやケーキなどのベーカリー食品は、小麦粉などの穀粉を主原料として含むため、糖質を比較的多く含有する食品である。一方で近年、健康増進、ダイエットなどの目的で高蛋白質の食事に対する需要があり、ベーカリー食品についても、蛋白質を高含有する製品が提案されている。
【0003】
特許文献1には、蛋白、及び蛋白不溶化剤として酸性化剤やアルカリ土類金属塩が添加された、蛋白質高含有菓子生地が記載されている。特許文献2には、食物繊維素材25質量%以上、グルテンを3~30質量%、地下系澱粉を1~20質量%、小麦粉を60質量%以下含有する低糖質のミックスをベーカリー食品の製造に用いることが記載されている。特許文献3には、ホエイ蛋白質、小麦蛋白質、イヌリン及びコーンスターチを配合する高蛋白質のパンケーキミックスが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開公報第2006/106706号
【文献】国際公開公報第2020/130062号
【文献】特開2015-142542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
蛋白質を多く含むベーカリー食品は、硬さ又はパサつきのある食感になることが多い。蛋白質を高含有するベーカリー食品の食感を向上させることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、特定量の澱粉、小麦蛋白質及び小麦蛋白質加水分解物を、穀粉と組み合わせて含有するベーカリー食品用ミックスにより、蛋白質を高含有しながらも良好な食感を有するベーカリー食品を製造することができることを見出した。
【0007】
本発明は、代表的実施形態として、以下を提供する。
〔1〕澱粉5~20質量%、小麦蛋白質20~35質量%、小麦蛋白質加水分解物0.1~0.5質量%、及び穀粉を含有するベーカリー食品用ミックス。
〔2〕前記澱粉が小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、及びワキシーコーンスターチからなる群より選択される1種以上を含む、〔1〕記載のミックス。
〔3〕前記穀粉が小麦粉を含む、〔1〕又は〔2〕記載のミックス。
〔4〕前記澱粉、小麦蛋白質、小麦蛋白質加水分解物、及び穀粉の合計含有量が50質量%以上である、〔1〕~〔3〕のいずれか1項記載のミックス。
〔5〕前記ベーカリー食品がホットケーキ、パンケーキ、又はスポンジケーキである、〔1〕~〔4〕のいずれか1項記載のミックス。
〔6〕〔1〕~〔5〕のいずれか1項記載のベーカリー食品用ミックスから調製した生地を加熱することを含む、ベーカリー食品の製造方法。
〔7〕前記ベーカリー食品がホットケーキ、パンケーキ、又はスポンジケーキである、〔6〕記載の方法。
〔8〕〔1〕~〔5〕のいずれか1項記載のベーカリー食品用ミックスの、ベーカリー食品の原料粉としての使用。
〔9〕〔1〕~〔5〕のいずれか1項記載のベーカリー食品用ミックスの、ベーカリー食品の製造における使用。
【発明の効果】
【0008】
本発明のベーカリー食品用ミックスを用いて製造したベーカリー食品は、蛋白質を高含有しながらもしっとり及び/又はふんわりとした良好な食感を有する。本発明によれば、従来の蛋白質を高含有するベーカリー食品にありがちな食感の硬さ又はパサつきを抑え、その食感を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、ベーカリー食品用ミックス(以下、「本発明のミックス」ということがある)を提供する。本明細書において、ベーカリー食品とは、穀粉類又は澱粉類を主原料とする原料粉から得られた生地を加熱、好ましくは焼成に供して得られる食品をいう。本発明のミックスを使用して製造されるベーカリー食品の種類は、特に限定されないが、しっとり及び/又はふんわりとした食感が望まれるベーカリー食品が好ましい。好ましくは、本発明のミックスから製造されるベーカリー食品は、水分含量が比較的多い(例えば20質量%以上の)ものである。好ましくは、本発明のミックスを使用して製造されるベーカリー食品は、非発酵の生地から製造される非発酵ベーカリー食品である。本発明のミックスを使用して製造されるベーカリー食品の例としては、ホットケーキ、パンケーキ、スポンジケーキ、クレープ、パウンドケーキ、マフィン、今川焼き、どら焼き、お好み焼き、チヂミ、タコ焼きなどが挙げられる。このうち、ホットケーキ、パンケーキ、及びスポンジケーキが好ましい。
【0010】
本発明のミックスは、澱粉、小麦蛋白質、小麦蛋白質加水分解物、及び穀粉を含有する。
【0011】
本発明のミックスで用いる澱粉は、従来からベーカリー食品の製造に用いられているものを利用することができ、例えば、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、米澱粉等の未加工澱粉、及びそれらの加工澱粉が挙げられる。該加工澱粉としては、前記未加工澱粉に、加工(例えば、エステル化、エーテル化、酸化、架橋、リン酸化、α化等、又はそれらの組み合わせ)を施したものを挙げることができる。これらの澱粉は、いずれか1種又はいずれか2種以上を組み合わせて用いることができる。また、製造するベーカリー食品の種類又は求める食感にあわせて、使用する澱粉の種類を適宜変更することができる。好ましくは、本発明のミックスで用いる澱粉は、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉及びコーンスターチ(いずれも未加工澱粉でも加工澱粉でもよい)からなる群より選択される1種以上である。より好ましくは、該澱粉は加工又は未加工の小麦澱粉である。好ましくは、該澱粉は難消化性澱粉ではない。なお本明細書において、前述した澱粉は、後述する本発明のミックスに含まれる穀粉の成分である澱粉とは区別される。
【0012】
本発明のミックスにおける前記澱粉の含有量は、該ミックスの全質量中、好ましくは5~20質量%、より好ましくは8~18質量%、さらに好ましくは10~16質量%である。該ミックス中の澱粉の含有量が少な過ぎる又は多過ぎると、製造したベーカリー食品の食感が充分に向上しないことがある。なお本明細書において、前述した本発明のミックス中の澱粉の含有量は、後述する該ミックスに含まれる穀粉の成分である澱粉の量を含まない。
【0013】
本発明のミックスで用いる小麦蛋白質は、小麦の胚乳に含まれる蛋白質であり、好ましくはグルテンである。該小麦蛋白質は、小麦粉に水を加えて混捏して生地を作製し、該生地を水洗して澱粉を洗い流すことにより調製することができる。あるいは、該小麦蛋白質としては、市販品(例えば市販の小麦グルテン)を使用することができる。なお本明細書において、該小麦蛋白質は、後述する本発明のミックスに含まれる穀粉の成分である小麦蛋白質又はグルテンとは区別される。
【0014】
本発明のミックスにおける前記小麦蛋白質の含有量は、該ミックスの全質量中、好ましくは20~35質量%、より好ましくは22~33質量%、さらに好ましくは24~30質量%である。該ミックス中の小麦蛋白質の含有量が少な過ぎる又は多過ぎると、製造したベーカリー食品の食感が充分に向上しないことがある。なお本明細書において、前述した本発明のミックス中の小麦蛋白質の含有量は、後述する該ミックスに含まれる穀粉の成分である小麦蛋白質又はグルテンの量を含まない。
【0015】
本発明のミックスで用いる小麦蛋白質加水分解物は、小麦蛋白質を加水分解して調製することができる。該加水分解物の原料とする小麦蛋白質は、前述した手順で小麦粉から調製してもよく、又は市販品を使用することができる。好ましくは、該小麦蛋白質加水分解物は、小麦グルテン(例えば市販の小麦グルテン)の加水分解物である。
【0016】
小麦蛋白質の加水分解の方法は、食品原料の処理として許容できる方法であれば特に限定されず、例えば、塩酸等を用いた酸加水分解法、及びプロテアーゼを用いた酵素加水分解法などが挙げられ、これらの方法のいずれか1種又はいずれか2種以上を組み合わせて使用することができる。必要に応じて、得られた加水分解物をさらに精製してもよい。あるいは、予め加水分解された小麦蛋白質をさらに加水分解して、本発明のミックスに用いる小麦蛋白質加水分解物として使用してもよい。食品中への分散性の観点からは、該加水分解物は、平均分子量が1000~100000ダルトンであることが好ましい。なお本明細書における蛋白質加水分解物の平均分子量とは、サイズ排除クロマトグラフィー法により測定される値をいう。該小麦蛋白質加水分解物は、市販品を使用することもできる。
【0017】
本発明のミックスにおける前記小麦蛋白質加水分解物の含有量は、該ミックスの全質量中、好ましくは0.1~0.5質量%、より好ましくは0.2~0.4質量%である。該ミックス中の該加水分解物の含有量が少な過ぎる又は多過ぎると、製造したベーカリー食品の食感が充分に向上しないことがある。
【0018】
本発明のミックスで用いる穀粉は、従来からベーカリー食品の製造に用いられるものを利用することができ、例えば、薄力粉、中力粉、準強力粉、強力粉、デュラム粉、全粒粉等の小麦粉;玄米粉、上新粉、白玉粉等の米粉;ライ麦粉;大麦粉、などが挙げられる。これらの穀粉は、いずれか1種又はいずれか2種以上を組み合わせて用いることができる。また、製造するベーカリー食品の種類や求める食感に合わせて、使用する穀粉の種類を適宜変更することができる。例えば、ベーカリー食品にもちもちとした食感を付与したい場合は、穀粉に米粉を配合することが好ましい。好ましくは、該穀粉は、小麦粉、ライ麦粉、及び米粉からなる群より選択される1種以上である。好ましくは、該穀粉は小麦粉を含み、該穀粉中における小麦粉の含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上である。さらに好ましくは、該穀粉は小麦粉である。
【0019】
本発明のミックスにおける前記澱粉、小麦蛋白質、小麦蛋白質加水分解物、及び穀粉の合計含有量は、該ミックスの全質量中、好ましくは50質量%以上、より好ましくは55質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である。本発明のミックスにおける前記穀粉の含有量は、該ミックスの全質量中、好ましくは20質量%以上、より好ましくは25~50質量%、さらに好ましくは30~45質量%である。
【0020】
本発明のミックスは、前記の澱粉、小麦蛋白質、小麦蛋白質加水分解物及び穀粉に加えて、必要に応じて、ベーカリー食品の製造に通常用いられ得るその他の原料を含有することができる。該その他の原料としては、例えば、糖類、卵粉、前記小麦蛋白質以外の蛋白質、油脂、乳化剤、増粘剤、ゲル化剤、膨張剤、調味料などが挙げられ、これらのいずれか1種又はいずれか2種以上を、製造するベーカリー食品の種類や求める食感に合わせて適宜使用することができる。該ベーカリー食品にふんわりとした食感を付与する観点からは、該ミックスは膨張剤を含むことが好ましい。本発明のミックスが当該その他の原料を含む場合、その合計含有量は、該ミックスの全量中、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。
【0021】
本発明のミックスは、前述した澱粉、小麦蛋白質、小麦蛋白質加水分解物、穀粉、及び必要に応じてその他の原料を混合することによって製造することができる。本発明のミックスは、好ましくは粉末又は顆粒状である。本発明のミックスは、ベーカリー食品の原料粉として使用することができる。本発明のミックスは前述のように小麦蛋白質を豊富に含むため、該ミックスを用いて高蛋白のベーカリー食品を製造することができる。
【0022】
本発明のミックスを用いたベーカリー食品の製造は、本発明のミックスを原料粉として用いて、常法に従って行うことができる。典型的には、本発明のミックスを用いたベーカリー食品の製造においては、該ミックスからベーカリー食品生地を調製し、次いで該生地を加熱してベーカリー食品を製造する。本発明のミックスから調製されるベーカリー食品生地は、液状生地(バッター液)であっても、粘土状生地(ドウ)であってもよいが、好ましくは液状生地である。いずれの生地も、本発明のミックスに液体成分を添加し、混合することで調製することができる。該液体成分としては、例えば、水、乳、卵液、生クリーム、果汁などが挙げられ、これらのいずれか1種又はいずれか2種以上を組み合わせて使用することができる。使用する該液体成分の種類や量は、製造するベーカリー食品の種類等に応じて適宜選択すればよく、特に制限されない。例えば、ドウを調製する場合、本発明のミックス100質量部に対して、液体成分を水分量に換算して30~75質量部程度添加することが好ましい。また例えば、バッター液を調製する場合、本発明のミックス100質量部に対して、液体成分を水分量に換算して75~150質量部程度添加することが好ましい。必要に応じて、該ベーカリー食品生地は、果実類、ナッツ類、チョコチップ、肉、魚介類、野菜類などの具材を含有していてもよい。
【0023】
本発明のミックスから調製したベーカリー食品生地を加熱する方法としては、焼成、蒸し、フライなどが挙げられ、好ましくは焼成である。該焼成の手段は常法に従えばよく、例えば、オーブン加熱、プレート(フライパン、鉄板、ホットプレート等を含む)での加熱、焼型での加熱など、製造するベーカリー食品に応じて適切な方法を選択することができる。
【0024】
本発明のミックスを用いたベーカリー食品の製造方法の好ましい実施態様においては、本発明のミックス100質量部に対して、水、牛乳、卵液等の液体成分を75~150質量部程度添加し、混合して液状のベーカリー食品生地を調製する。次いで、調製した生地を熱したプレートに流し入れて焼成し、ベーカリー食品を製造する。
【実施例】
【0025】
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0026】
〔小麦蛋白質加水分解物の調製〕
小麦グルテン(AグルG、グリコ栄養食品(株))を水に分散させ、撹拌しながら加熱した。液温が50℃に達したところでエンドプロテアーゼ(プロチンNY100、天野エンザイム(株))を投入し、50℃にて1時間加水分解反応させた。反応液から遠心分離にて上澄み液を回収し、該上澄み液をpH5.0に調整した後、液温を70℃まで昇温させ、70℃にて30分間プロペラミキサーで攪拌しながら加熱して酵素を失活させた。失活液を液温50℃まで冷却し、活性炭を投入して精製した。精製後の液を珪藻土濾過し、水溶性部分を回収した。回収物を80℃で30分間加熱殺菌してから、スプレードライにより粉末化し、小麦蛋白質加水分解物として用いた。
【0027】
〔試験例1〕
下記表1に示す原料を適宜混合してベーカリー食品用ミックスを調製した。調製したミックスを用いてホットケーキを製造した。具体的には、ベーカリー食品用ミックス100質量部に牛乳100質量部を加えてよく攪拌し、液状生地(バッター液)を調製した。調製した生地を170℃に熱したホットプレート上に垂らして広げ、3分間焼成した後、該生地を反転させてさらに2分間焼成し、ホットケーキを製造した。参考例1-1及び1-2として、蛋白質を高含有しない通常のホットケーキを製造した。
【0028】
製造したホットケーキの食感を、10名の専門パネラーにより下記評価基準で評価し、10名の評価点の平均値を求めた。これらの結果を表1に示す。
<評価基準>
(しっとり感)
5点:非常にしっとり感があり、極めて良好な食感。
4点:しっとり感が充分にあり、良好な食感。
3点:しっとり感がやや感じられる食感。
2点:しっとり感に物足りなさがあり、不良な食感。
1点:しっとり感に劣り、パサつきが感じられ、極めて不良な食感。
(ふんわり感)
5点:非常にふんわり感があり、極めて良好な食感。
4点:ふんわり感が充分にあり、良好な食感。
3点:ふんわり感がやや感じられる食感。
2点:ふんわり感に物足りなさがあり、不良な食感。
1点:ふんわり感に劣り、硬さが感じられ、極めて不良な食感。
【0029】
【0030】
製造例のホットケーキは、蛋白質を高含有しながらも、参考例の通常のホットケーキと同等以上にしっとりかつふんわりとした良好な食感を示した。蛋白質を高含有するが、澱粉、小麦蛋白質加水分解物のいずれかを含有しないか、又は澱粉の含有量が多い比較例のホットケーキは、しっとり感及びふんわり感に劣っていた。
【0031】
〔試験例2〕
ベーカリー食品用ミックスの組成を表2~4のように変更した以外は、試験例1と同様にしてミックスを調製し、調製したミックスを用いてホットケーキを製造及び評価した。結果を表2~4に示す。
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
〔試験例3〕
ベーカリー食品用ミックスの組成を表5のように変更した以外は、試験例1と同様にしてミックスを調製し、調製したミックスを用いてホットケーキを製造及び評価した。結果を表5に示す。なお表5には製造例1-1の結果を再掲する。
【0036】
【要約】
澱粉5~20質量%、小麦蛋白質20~35質量%、小麦蛋白質加水分解物0.1~0.5質量%、及び穀粉を含有するベーカリー食品用ミックス。