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特許7519380温度制御のための化学機械研磨温度スキャン装置
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  • 特許-温度制御のための化学機械研磨温度スキャン装置 図1A
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-10
(45)【発行日】2024-07-19
(54)【発明の名称】温度制御のための化学機械研磨温度スキャン装置
(51)【国際特許分類】
   B24B 37/015 20120101AFI20240711BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
B24B37/015
H01L21/304 621D
H01L21/304 622R
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021560929
(86)(22)【出願日】2020-04-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-15
(86)【国際出願番号】 US2020028323
(87)【国際公開番号】W WO2020214706
(87)【国際公開日】2020-10-22
【審査請求日】2023-04-10
(31)【優先権主張番号】62/835,990
(32)【優先日】2019-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】サウンダララジャン, ハリ
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ショウ-サン
(72)【発明者】
【氏名】ウー, ハオション
(72)【発明者】
【氏名】タン, チエンショー
【審査官】マキロイ 寛済
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-030181(JP,A)
【文献】米国特許第06951503(US,B1)
【文献】特開平06-265152(JP,A)
【文献】特開2017-194175(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 37/015
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨パッドを保持するための上面を有するプラテンと、
研磨プロセス中に前記研磨パッドの研磨面に対して基板を保持するためのキャリアヘッドと、
前記プラテン上の前記研磨パッドの一部分の視野を有するように、前記プラテンよりも上方に配置された非接触熱センサを含む温度監視システムと
を備え、
前記熱センサは、前記研磨パッドを横切って前記視野を移動させるように、当該熱センサを通る回転軸の周りでモータによって回転可能である
学機械研磨装置。
【請求項2】
研磨パッドを保持するための上面を有するプラテンと、
研磨プロセス中に前記研磨パッドの研磨面に対して基板を保持するためのキャリアヘッドと、
前記プラテン上の前記研磨パッドの一部分の視野を有するように、前記プラテンよりも上方に配置された非接触熱センサを含む温度監視システムと、
を備え、
前記熱センサは、前記研磨パッドを横切って前記視野を移動させるように、回転軸の周りでモータによって回転可能であり、かつ
前記熱センサが、前記研磨面に平行な軸の周りで回転可能である
化学機械研磨装置。
【請求項3】
回転可能なセンサ支持体であって、前記モータによる前記センサ支持体の回転が前記センサを回転させるように前記モータに連結されたセンサ支持体を備える、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記センサ支持体が、前記センサ支持体の長手方向軸の周りで回転可能である、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記熱センサが、前記センサ支持体の長手方向軸に垂直な軸の周りで回転可能である、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記熱センサが、前記センサ支持体に沿って移動可能である、請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記モータおよび前記温度監視システムに連結されたコントローラであって、前記熱センサに前記研磨パッド上の複数の位置で測定を行わせるように、前記モータを制御するように構成されたコントローラを、さらに備える、請求項1または2に記載の装置。
【請求項8】
前記コントローラが、前記研磨パッド上の前記複数の位置での測定に基づいて前記研磨パッドの温度プロファイルを生成するように、構成されている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
加熱器および/または冷却器をさらに備え、前記コントローラが、前記研磨パッドの温度均一性を改善するように、前記温度プロファイルに基づいて前記加熱器および/または前記冷却器の動作を調整するように、構成されている、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記温度プロファイルが、半径方向プロファイルである、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記温度プロファイルが、前記プラテンの回転軸の周りの角度プロファイルである、請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記温度プロファイルが、2Dプロファイルである、請求項8に記載の装置。
【請求項13】
化学機械研磨システムにおける研磨パッドの温度を監視する方法であって、
熱センサを通る回転軸の周りで当該熱センサを回転させることであって、前記熱センサが横方向に静止したままで、前記熱センサの視野が化学機械研磨パッドの研磨面を横切ってスイープするように、熱センサを回転させることと、
前記視野が前記研磨パッドを横切ってスイープしているときに、前記熱センサを用いて複数の測定を行い、温度プロファイルを生成することと、
を含む方法。
【請求項14】
化学機械研磨システムにおける研磨パッドの温度を監視する方法であって、
回転軸の周りで熱センサを回転させることであって、前記熱センサが横方向に静止したままで、前記熱センサの視野が化学機械研磨パッドの研磨面を横切ってスイープするように、熱センサを回転させることと、
前記視野が前記研磨パッドを横切ってスイープしているときに、前記熱センサを用いて複数の測定を行い、温度プロファイルを生成することと、
を含み、
前記回転軸が、前記研磨面に平行である、方法。
【請求項15】
前記回転軸が、前記研磨面に垂直である、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、化学機械研磨(CMP)に関し、より具体的には、化学機械研磨中の温度制御に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路は、通常、半導体ウェハ上に導電層、半導体層、または絶縁層を順次堆積することによって基板上に形成される。様々な製造プロセスが、基板上の層の平坦化を必要とする。例えば、1つの製造ステップは、非平面上にフィラー層を堆積することと、フィラー層を平坦化することとを含む。特定の用途では、パターニングされた層の上面が露出するまで、フィラー層が平坦化される。例えば、パターニングされた絶縁層上に金属層を堆積させて、絶縁層のトレンチおよび穴を埋めることができる。平坦化後、パターニングされた層のトレンチおよび穴内の金属の残りの部分は、ビア、プラグ、およびラインを形成して、基板上の薄膜回路間に導電性経路を提供する。別の例として、パターニングされた導電層の上に誘電体層を堆積させて、次に平坦化して、後続のフォトリソグラフィステップを可能にすることができる。
【0003】
化学機械研磨(CMP)は、平坦化の1つの受け入れられた方法である。この平坦化方法では、通常、基板をキャリアヘッドに取り付ける必要がある。基板の露出面が、通常、回転する研磨パッドに対して配置される。キャリアヘッドは、基板に制御可能な荷重を与えて、基板を研磨パッドに押し付ける。研磨粒子を含む研磨スラリが、通常、研磨パッドの表面に供給される。
【発明の概要】
【0004】
一態様では、化学機械研磨装置は、研磨パッドを保持するための上面を有するプラテン、研磨プロセス中に研磨パッドの研磨面に対して基板を保持するためのキャリアヘッド、および温度監視システムを含む。温度監視システムは、プラテン上の研磨パッドの一部分の視野を有する、プラテンよりも上方に配置された非接触熱センサを含む。センサは、研磨パッドを横切って視野を移動させるように、モータによって回転軸の周りで回転可能である。
【0005】
上記の態様のいずれかの実施態様は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。
【0006】
熱センサは、研磨面に平行な軸の周りで回転可能であり得る。
【0007】
回転可能なセンサ支持体が、モータによる支持体の回転がセンサを回転させるように、モータに連結することができる。センサ支持体は、研磨パッドの上方に延びるアームを含むことができる。センサ支持体は、センサ支持体の長手方向軸の周りで回転可能であり得る。熱センサは、支持体の長手方向軸に垂直な軸の周りで回転可能であり得る。熱センサは、支持体に沿って移動可能であり得る。
【0008】
温度監視システムは、研磨パッドの一部分の温度を測定するように構成することができる。
【0009】
コントローラが、モータと温度監視システムに連結できる。コントローラは、熱センサに研磨パッド上の複数の位置で測定を行わせるように、モータを制御するように、構成することができる。
【0010】
コントローラは、研磨パッド上の複数の位置での測定に基づいて研磨パッドの温度プロファイルを生成するように、構成することができる。化学機械研磨装置は、加熱器および/または冷却器を含むことができる。コントローラは、研磨パッドの温度均一性を改善するように、温度プロファイルに基づいて加熱器および/または冷却器の動作を調整するように、構成することができる。温度プロファイルは、半径方向プロファイルであり得る。温度プロファイルは、プラテンの回転軸の周りの角度プロファイルであり得る。温度プロファイルは、2Dプロファイルであり得る。
【0011】
熱センサは、プラテンの回転軸の上方に配置できる。熱センサの回転軸は、プラテンの回転軸に平行であり得る。熱センサの回転軸は、研磨面に平行であり得る。
【0012】
別の態様では、化学機械研磨システムの研磨パッドの温度を監視する方法は、熱センサが横方向に静止したままで、熱センサの視野が化学機械研磨パッドの研磨面を横切ってスイープするように、回転軸の周りで熱センサを回転させることと、視野が研磨パッドを横切ってスイープしているときに、熱センサを使用して複数の測定を行い、温度プロファイルを生成することと、を含む。
【0013】
上記の態様のいずれかの実施態様は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。
【0014】
回転軸は、研磨面に平行であり得る。
【0015】
回転軸は、研磨面に垂直であり得る。
【0016】
考えられる利点には、以下の1つ以上が含まれるが、これらに限定されない。熱センサの横方向の移動を必要とせずに、研磨パッドを横切る温度変化と変動を監視できる。これにより、混雑した研磨ステーションでの監視が可能になり、または研磨ステーション内の追加のコンポーネント用のスペースを提供できる。さらに、研磨パッドに接触することなく、研磨パッド上の複数の半径方向位置での温度を監視することができる。コントローラが、測定された温度を使用して研磨工程中の温度変動を減少させることができる。これにより、研磨プロセス中の研磨の予測可能性が向上し、ウェハ内の均一性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1A】例示的な研磨装置の概略断面図である。
図1B図1Aの例示的な研磨装置の概略上面図である。
図2A】例示的な研磨装置の概略断面図である。
図2B図2Aの例示的な研磨装置の概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
化学機械研磨は、基板、研磨液、および研磨パッドの間の界面での機械的摩耗と化学エッチングの組み合わせによって動作する。研磨プロセス中、基板の表面と研磨パッドの間の摩擦により、かなりの量の熱が発生する。さらに、いくつかのプロセスはまた、コンディショニングディスク(例えば、研磨ダイヤモンド粒子でコーティングされたディスク)が、回転する研磨パッドに押し付けられて、研磨パッド表面をコンディショニングおよびテクスチャリングする、インシトゥ(その場)パッドコンディショニングステップを含む。コンディショニングプロセスの摩耗もまた、熱を発生させる可能性がある。例えば、公称ダウンフォース圧力が2psi、除去速度が8000Å/分の典型的な1分間の銅CMPプロセスでは、ポリウレタン研磨パッドの表面温度が、約30℃上昇する可能性がある。
【0019】
CMPプロセスの化学関連変数(例えば、関与する反応の開始と速度)と、機械関連変数(例えば、研磨パッドの表面摩擦係数と粘弾性)とは両方とも、温度に強く依存する。その結果、研磨パッドの表面温度の変動は、除去速度、研磨の均一性、侵食、ディッシング、および残留物の変化をもたらす可能性がある。研磨中の研磨パッドの表面の温度をより厳密に制御することにより、温度の変動を減少させることができ、(例えばウェハ内の不均一性またはウェハ間の不均一性によって測定されるような)研磨性能を向上させることができる。
【0020】
研磨中の研磨パッドの表面の温度をより厳密に制御し、温度変動を減少させるためには、研磨パッドの表面の温度を監視することが望ましい。温度の監視は、熱センサを使用して行うことができ、研磨パッドの温度プロファイル(例えば、半径方向の温度プロファイル)が、熱センサによって実行される研磨パッドの様々な異なる部分での温度読み取りから生成され得る。
【0021】
さらに、研磨パッドに接触して配置され、研磨パッドに対して移動する必要のある物理的コンポーネント(例えば、キャリアヘッド、スラリディスペンサ、温度制御システムなど)の数のせいで、研磨パッドに隣接する熱センサの配置が、実用的でない場合がある。しかしながら、研磨パッドを横切ってスイープするように構成された熱センサではなく、熱センサは、固定された横方向位置から回転して、研磨パッドを横切って視野をスイープするように動作可能であり得る。そのような構成は、占めるスペースをより少なくすることができ、キャリアヘッドおよびスラリ分配アームなどの、研磨パッドの上にある他の機器の存在下で、動作するのがより簡単である。
【0022】
図1Aおよび図1Bは、化学機械研磨システムの研磨ステーション20の例を示している。研磨ステーション20は、上に研磨パッド30が配置されている回転可能なディスク形状のプラテン24を含む。プラテン24は、軸25の周りに回転するように動作可能である。例えば、モータ22が、駆動シャフト28を回転させて、プラテン24を回転させることができる。研磨パッド30は、外側研磨層34およびより柔らかい裏打ち層32を有する2層研磨パッドであり得る。
【0023】
研磨ステーション20は、研磨スラリなどの研磨液38を研磨パッド30上に分配するための供給ポートを、例えばスラリ供給アーム39の端部に、含むことができる。研磨ステーション20は、研磨パッド30の表面粗さを維持するために、コンディショニングディスク92(図2を参照)を備えたパッドコンディショナ装置90を含むことができる。コンディショニングディスク90は、研磨パッド30を横切ってディスク90を半径方向にスイープするようにスイングすることができるアーム94の端部に配置することができる。
【0024】
キャリアヘッド70は、研磨パッド30に対して基板10を保持するように動作可能である。キャリアヘッド70は、支持構造72(例えば、カルーセルまたはトラック)から吊り下げられており、軸71の周りを回転することができるように、駆動シャフト74によってキャリアヘッド回転モータ76に接続されている。任意選択で、キャリアヘッド70は、例えば、カルーセル上のスライダー上で、トラックに沿った移動によって、またはカルーセル自体の回転振動によって、横方向に振動することができる。
【0025】
キャリアヘッド70は、基板を保持するための保持リング84を含むことができる。いくつかの実施態様では、保持リング84は、研磨パッドに接触する下部プラスチック部分86、およびより硬い材料の上部88を含み得る。
【0026】
動作中、プラテンは、その中心軸25の周りに回転され、キャリアヘッドは、その中心軸71の周りに回転され、研磨パッド30の上面を横切って横方向に並進される。
【0027】
キャリアヘッド70は、基板10の裏側に接触するための基板取り付け面を有する可撓性膜80と、基板10上の異なるゾーン(例えば、異なる半径方向ゾーン)に異なる圧力を加えるための複数の加圧可能チャンバ82とを含むことができる。キャリアヘッドはまた、基板を保持するための保持リング84を含むことができる。
【0028】
研磨システム20はまた、研磨パッド30および/または研磨パッド上のスラリ38の温度を制御するための温度制御システム100を含む。温度制御システム100は、冷却システム102および/または加熱システム104を含むことができる。冷却システム102と加熱システム104のうちの少なくとも一方、およびいくつかの実施態様では両方が、温度制御された媒体(例えば、液体、蒸気または噴霧)を、研磨パッド30の研磨面36上(または研磨パッド上にすでに存在する研磨液上)に送達することによって動作する。あるいは、冷却システム102と加熱システム104のうちの少なくとも一方、およびいくつかの実施態様では両方が、伝導によって研磨パッドの温度を変更するために研磨パッドに接触する温度制御されたプレートを使用することによって動作する。例えば、加熱システム104は、ホットプレート、例えば、抵抗加熱を備えたプレートまたは加熱液を運ぶチャネルを備えたプレートを使用することができる。例えば、冷却システム102は、コールドプレート、例えば、熱電プレートまたは冷却液を運ぶチャネルを備えたプレートを使用することができる。
【0029】
図1Aおよび図1Bに示されるように、例示的な冷却システム102は、プラテン24および研磨パッド30の上方を、研磨パッドの縁部から研磨パッド30の中心まで、または少なくとも中心近くまで延びるアーム110を含む。アーム110は、ベース112によって支持されることができ、ベース112は、プラテン24と同じフレーム40上で支持されることができる。ベース112は、1つ以上のアクチュエータ、例えば、アーム110を上下させるための線形アクチュエータ、および/またはプラテン24の上方でアーム110を横方向にスイングさせるための回転アクチュエータを含むことができる。アーム110は、研磨ヘッド70、スラリ分配アーム39、および温度監視システム150(以下で説明する)などの他のハードウェアコンポーネントとの衝突を回避するように配置されている。
【0030】
例示的な冷却システム102は、アーム110から吊り下げられた複数のノズル120を含む。各ノズル120は、液状冷却媒体(例えば、水)を研磨パッド30上に噴霧するように構成されている。アーム110は、ノズル120が間隙126によって研磨パッド30から隔てられるように、ベース112によって支持され得る。
【0031】
各ノズル120は、噴霧122内のエアロゾル化された水を研磨パッド30に向けるように構成することができる。冷却システム102は、液状冷却媒体の供給源130および気体供給源132を含むことができる(図1Bを参照のこと)。供給源130からの液体および供給源132からの気体は、(例えば、アーム110内またはアーム110上の)混合チャンバ134(図1Aを参照)内で混合されてから、ノズル120を通って方向付けられて、噴霧122を形成することができる。
【0032】
いくつかの実施態様では、プロセスパラメータ、例えば、流量、圧力、温度、および/または液体対気体の混合比は、各ノズルに対して独立して制御することができる。例えば、各ノズル120の冷却剤は、噴霧の温度を独立して制御するために、独立して制御可能な冷却装置を通って流れることができる。別の例として、1つは気体用でもう1つは液体用の別個の一対のポンプを各ノズルに接続して、気体と液体の流量、圧力、および混合比を各ノズルに対して独立して制御できるようにすることができる。
【0033】
加熱システム104の場合、加熱媒体は、気体(例えば、スチームもしくは加熱された空気)、または液体(例えば、加熱された水)、または気体と液体の組み合わせであり得る。媒体は、室温より高く、例えば、40~120℃、例えば、90~110℃である。媒体は、実質的に純粋な脱イオン水、または添加剤もしくは化学物質を含む水などの、水であり得る。いくつかの実施態様では、加熱システム104は、スチームの噴霧を使用する。スチームは、添加剤または化学物質を含むことができる。
【0034】
加熱媒体は、加熱送達アーム上の(例えば、1つ以上のノズルによって提供される)開口(例えば、穴またはスロット)を通って流れることによって、送達されることができる。開口は、加熱媒体の供給源に接続されたマニホルドによって提供されることができる。
【0035】
例示的な加熱システム104は、プラテン24および研磨パッド30の上方を、研磨パッドの縁部から研磨パッド30の中心まで、または少なくとも中心近く(例えば、研磨パッドの全半径の5%以内)まで延びるアーム140を含む。アーム140は、ベース142によって支持されることができ、ベース142は、プラテン24と同じフレーム40上で支持されることができる。ベース142は、1つ以上のアクチュエータ、例えば、アーム140を上下させるための線形アクチュエータ、および/またはプラテン24の上方でアーム140を横方向にスイングさせるための回転アクチュエータを含むことができる。アーム140は、研磨ヘッド70、パッドコンディショニングディスク92、およびスラリ分配アーム39などの他のハードウェアコンポーネントとの衝突を回避するように配置されている。
【0036】
複数の開口部144が、アーム140の底面に形成されている。各開口部144は、気体または蒸気(例えば、スチーム)を研磨パッド30上に向けるように構成されている。アーム140は、開口部144が間隙によって研磨パッド30から隔てられるように、ベース142によって支持され得る。詳細には、間隙は、加熱流体が研磨パッドに到達する前に加熱流体の熱が著しく消散しないように、選択され得る。例えば、開口部から放出されたスチームが研磨パッドに到達する前に凝縮しないように、間隙を選択することができる。
【0037】
加熱システム104は、管によってアーム140に接続することができるスチーム源146を含むことができる。各開口部144は、スチームを研磨パッド30に向けるように構成することができる。
【0038】
いくつかの実施態様では、プロセスパラメータ、例えば、流量、圧力、温度、および/または液体対気体の混合比は、各ノズルに対して独立して制御することができる。例えば、各開口部144の流体は、加熱流体の温度(例えば、スチームの温度)を独立して制御するために、独立して制御可能な加熱器を通って流れることができる。
【0039】
図1Bは、各サブシステム(例えば、加熱システム102、冷却システム104、およびリンスシステム106)において別個のアームを示しているが、共通のアームによって支持された単一のアセンブリに、様々なサブシステムを含めることもできる。例えば、アセンブリは、冷却モジュール、リンスモジュール、加熱モジュール、スラリ送達モジュール、および任意選択でワイパーモジュールを含むことができる。各モジュールは、共通の取り付けプレートに固定することができる本体(例えば、弓形の本体)を含むことができ、共通の取り付けプレートは、アセンブリが研磨パッド30の上方に配置されるように、アームの端部に固定することができる。様々な流体送達コンポーネント(例えば、管、通路など)が、各本体内に延びることができる。いくつかの実施態様では、モジュールは、取り付けプレートから個別に取り外し可能である。各モジュールは、上記の関連するシステムのアームの機能を実行するために同様のコンポーネントを有することができる。
【0040】
図1Aおよび図1Bを参照すると、研磨ステーション20は、温度監視システム150を有する。温度監視システム100は、研磨パッド30よりも上方に配置された熱センサ180を含む。熱センサ180は、研磨パッド30の部分190の視野195を有する。さらに、熱センサ180は、監視されているパッドの部分を変更するために移動可能である。詳細には、熱センサ180は、研磨パッド30の様々な異なる部分を横切って視野195をスイープするように回転可能であり得る。
【0041】
いくつかの実施態様では、熱センサ180は、監視されている部分190の温度測定値を伴う信号を生成するように構成されており、例えば、センサは、その部分の集合的な温度を測定している。熱センサ180の視野195をシフトして複数の場所で測定を行うことにより、温度監視システム150は、研磨パッド30の温度プロファイルを生成することができる。詳細には、研磨パッド30を横切って熱センサ180の視野195をスイープすることにより、熱センサ180は、研磨パッド30の様々な異なる領域の温度を測定することができる。
【0042】
測定は、研磨パッドの複数の重なり合わない部分で行うことができる。あるいは、測定は、部分的に重なり合う複数の部分で行うことができる。後者の場合、コントローラは、隣接しかつ部分的に重なり合う複数の部分の測定値を比較して、異なる領域からの温度への相対的な寄与を決定することにより、視野よりも小さい領域の温度を決定できる。
【0043】
熱センサ180は、赤外線センサ、熱画像センサ、高温計、サーモパイル検出器、焦電検出器、ボロメータなどの非接触センサであり得る。
【0044】
部分190は、差し渡し(例えば、円形の部分の場合には直径)が1mmから10mmであり得る。部分190の寸法は、熱センサが研磨パッド30にどれだけ近いか(例えば、図1Aに示されるようなz軸における分離)、熱センサ180の視野195の角度広がり、およびプラテンの回転速度に依存し得る。
【0045】
熱センサ180は、センサ支持体160によって支持され得る。いくつかの実施態様では、センサ支持体160は、研磨パッド30よりも上方に配置することができるアームであり得る。いくつかの実施態様では、熱センサ180のセンサ支持体160は、支持体72などのシステム20の他の機構に取り付けられているか、または他の機構によって提供されている。
【0046】
図1Aおよび図1Bに示されるように、センサ支持体160またはセンサ180は、プラテン24の上面(および研磨面36)に平行な回転軸165の周りで回転可能である。これは、回転軸165に垂直な方向にセンサ180の視野195をスイープする。例えば、センサ支持体160として機能するアームが、モータ170によって回転可能であってもよいし、またはセンサ180は、アクチュエータによってセンサ支持体160に固定されていてもよい。これにより、熱センサ180が回転して、研磨パッド30上の異なる半径方向位置にある異なる部分190を見ることができる。詳細には、視野は、熱センサ180が横方向に静止したままである間に、研磨パッド30を横切ってスイープすることができる。
【0047】
センサ支持体160が、その長手方向軸の周りを回転するアームであると仮定すると、回転軸165は、アームの長手方向軸と平行であり得、例えば、同一直線上にあり得る。この構成では、アームが回転すると、視野195(および測定されている部分190)は、アームの長手方向軸に垂直にスイープする。いくつかの実施態様では、センサ180は、軸165の周りの回転が視野195(および測定される部分190)を研磨パッド30の半径に沿ってスイープ(矢印Cで示される)させるような位置でセンサ支持体160上に配置される。
【0048】
いくつかの実施態様では、軸165の周りを回転する代わりに、またはそれに加えて、センサ180は、プラテン24の表面に平行であるがアームに垂直である回転軸185の周りを回転することができる。これにより、視野195は、センサ支持体160の長手方向軸に沿ってスイープすることができる。この場合も、これにより、センサ180は、研磨パッド30を横切って視野195をスイープし、視野195に入る部分190で研磨パッド30の温度を測定することができる。
【0049】
いくつかの実施態様では、モータ170は、垂直回転軸175の周りでセンサ支持体160を回転させることができる。モータ170が、軸175の周りでセンサ支持体160を回転させると、センサ支持体160は、軸175の周りで回転し、熱センサ180は、研磨パッドを横切って横方向に並進することができる。これにより、モータ170が軸175の周りを回転しているときに、センサ180は、研磨パッド30の様々な異なる部分190を見ることができる。例えば、センサ支持体160が、モータ170に連結されたアームである場合、アームは、軸175の周りを回転し、熱センサ180にも軸175の周りを回転させることができる。
【0050】
いくつかの実施態様では、熱センサ180は、センサ支持体160に沿って横方向に移動することができる。例えば、センサ支持体160がアームである場合、熱センサ180は、アームに沿って(図1Aに示されるように、y軸に沿って)移動することができる。例えば、線形アクチュエータ(例えば、線形スクリュードライブまたはラックアンドピニオンギア機構)が、センサ支持体160に沿ってセンサ130を移動させることができる。
【0051】
研磨パッド30が、軸25の周りを回転すると、熱センサ180は、研磨パッド30上の様々な異なる角度位置にある様々な異なる部分190で、部分190の温度を測定することができる。研磨パッド30が、軸25の周りを回転すると、そうでなければ熱センサ180の視野から外れていたかもしれない研磨パッド30の領域が、熱センサ180の視野195に入ることができる。
【0052】
コントローラ90が、センサ180から測定値を受け取り、アクチュエータを操作して、監視されている部分190の位置を制御するように構成することができる。視野195温度監視システム150の1つ以上の特徴。いくつかの実施態様では、コントローラ90は、アクチュエータに、センサ支持体160をz軸に沿って上下に移動させ(図1Aに示されるように)、それによって、熱センサ180と研磨パッド30との間の空間を増加または減少させることができる。
【0053】
さらに、コントローラ90は、熱センサ180の視野195の角度および熱センサ180から研磨パッド30までの垂直距離に基づいて、熱センサ180から研磨パッド30上の部分190までの距離Dを計算することができる。次に、コントローラ90は、同様に、熱センサ180の視野195’の角度および熱センサ180から研磨パッド30までの垂直距離に基づいて、熱センサ180から研磨パッド30上の部分190’までの距離D’を計算することができる。センサ180の回転によって引き起こされる部分190からの熱センサ180の距離の変化による信号強度の変化を補償するために、距離DおよびD’が、コントローラによって使用され得る。例えば、センサ180に到達する熱放射は、逆二乗の法則に従って変化し得る。計算された距離を使用して、信号強度を標準距離に正規化できるので、距離が変化しても温度計算は正確に保たれる。
【0054】
コントローラ90はまた、視野195の角度に基づいて、研磨パッド30上の視野195の、回転軸25に対する少なくとも半径方向位置(ならびに場合によっては半径方向位置および角度位置の両方)を決定することができる。この計算は、例えば、プラテン24の回転位置、センサ支持体160の位置、およびセンサ支持体160に沿ったセンサ160の位置によって与えられるような、研磨パッド30に対する熱センサ180の位置を考慮に入れることができる。続いて、コントローラ90は、研磨パッド30のどの部分190’が測定されているか、部分190’が部分190に対してどこにあるかを決定することができる。この情報を用いて、コントローラ90は、研磨パッド30の部分190の温度測定値を使用して、研磨パッド30の温度プロファイルを生成することができる。
【0055】
熱センサ180が部分190、190’の温度を測定した後、コントローラ90は、部分190、190’(等々)の測定された温度を組み合わせて、研磨パッド30の温度プロファイルを生成することができる。すなわち、熱センサ180は、部分190の温度を測定し、次に、部分190’の温度を測定し、研磨パッド30上の部分190の位置に対する研磨パッド30上の部分190’の位置を考慮に入れて、2つの部分190および190’を使用して温度プロファイルを生成する(例えば、研磨パッド30上に測定された温度をマッピングする)。このプロセスを繰り返して、研磨パッド30の温度プロファイルを生成できるように、研磨パッド30のさらなる部分の温度を測定することができる。
【0056】
いくつかの実施態様では、コントローラ90は、温度監視システム150によって生成された温度プロファイルを、温度制御システム100を制御するためのフィードバックとして使用する。例えば、温度制御システム100は、温度監視システム150によって生成された温度プロファイルから、所望の温度にない研磨パッド30の部分190があることを決定することができる。次に、コントローラ90は、温度制御システム100に、温度制御された媒体を研磨パッド30の部分190上に送達させて、測定された温度を所望の温度に上昇または低下させることができる。
【0057】
熱センサ180が移動して視野195を半径方向にスイープし、研磨パッド30が軸25の周りを回転すると、研磨パッド30の様々な異なる部分190の「スパイラル」スキャンを生成することができる。このデータは、研磨パッド30の半径方向の温度プロファイルを提供することができる。あるいは、複数の円形スキャンの集合体が、研磨パッド30の半径方向の温度プロファイルを生成することができる。
【0058】
図2Aおよび図2Bを参照すると、研磨ステーション20は、温度監視システム250を有する。温度監視システム250は、上記の温度監視システム150と同様であるが、熱センサ280は、研磨パッド30の上方の中央に配置されている。詳細には、熱センサ280は、プラテン40の回転軸25と整列させることができる。熱センサ280は、研磨パッド30の部分290の視野295を有する。
【0059】
熱センサ280は、研磨パッド30の様々な異なる部分を横切って視野296をスイープするように回転可能であり得る。
【0060】
熱センサ280は、センサ支持体260を使用して支持構造72によって支持することができる。熱センサ280は、研磨パッド30の中心の上方または実質的に中心の上方に配置することができる。センサ支持体260またはセンサ280は、回転軸265の周りで回転可能である。例えば、センサ支持体260として機能するアームが、モータ270によって回転可能であってもよいし、またはセンサ280は、アクチュエータによってセンサ支持体260に固定されていてもよい。これにより、センサ280が回転して、研磨パッド30上の異なる角度位置にある異なる部分290を見ることができる。
【0061】
センサ支持体260が、その長手方向軸の周りを回転するアームであると仮定すると、回転軸265は、アームの長手方向軸と平行であり、例えば、同一直線上にある。いくつかの実施態様では、回転軸265は、研磨パッド30の研磨面36に垂直である。回転軸265は、プラテンの回転軸25と平行であり得る。
【0062】
いくつかの実施態様では、軸265の周りを回転する代わりに、またはそれに加えて、センサ280は、プラテン24の上面に平行であるがアーム(および軸265)に垂直である回転軸285の周りを回転することができる。これにより、視野295は、研磨パッド30を横切って半径方向にスイープすることができる。
【0063】
いくつかの実施態様では、熱センサ280は、センサ支持体260および熱センサ280をz軸に沿って横方向に移動させることによって、センサ支持体260に沿って横方向に移動することができる(図2Aに示されるように)。これにより、センサ280は、センサ280と研磨パッド30との間の距離を増加または減少させることができる。
【0064】
軸265の周りを回転すること、軸285の周りを回転すること、および/または軸265に沿って横方向に移動することによって、センサ280は、最初に部分290の温度を測定し、次に別の部分290’の温度を測定し、次に部分290、290’などの複数の温度測定値を含む研磨パッド30の温度プロファイルを生成することができる。
【0065】
温度プロファイルまたは温度マップは、上記のように使用できる。
【0066】
上記の研磨装置および方法は、様々な研磨システムに適用することができる。研磨パッドもしくはキャリアヘッドのいずれか、またはその両方が移動して、研磨面と基板との間の相対運動を提供することができる。例えば、プラテンは、回転するのではなく軌道を回る場合がある。研磨パッドは、プラテンに固定された円形(または他の形状)のパッドにすることができる。研磨層は、標準的な(例えば、フィラーを含むまたは含まないポリウレタン)研磨材料、軟質材料、または固定研磨材料であり得る。
【0067】
相対的配置の用語は、システムまたは基板内の相対的配置を指すために使用される。研磨工程の間、研磨面および基板は、垂直方向または他の何らかの方向に保持されてもよいことが理解されるべきである。
【0068】
コントローラ90の機能的動作は、1つ以上のコンピュータプログラム製品、すなわち、データ処理装置(例えば、プログラム可能なプロセッサ、コンピュータ、または複数のプロセッサもしくはコンピュータ)による実行のために、またはデータ処理装置の動作を制御するために、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に有形に具現化された1つ以上のコンピュータプログラムを使用して実施することができる。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態が説明されてきた。それにもかかわらず、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な修正を行うことができることが理解されよう。したがって、他の実施形態が、以下の特許請求の範囲内にある。
図1A
図1B
図2A
図2B