(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-10
(45)【発行日】2024-07-19
(54)【発明の名称】両面処理のためのパターニングされたチャック
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20240711BHJP
【FI】
H01L21/68 P
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022111497
(22)【出願日】2022-07-12
(62)【分割の表示】P 2020524808の分割
【原出願日】2018-11-07
【審査請求日】2022-08-09
(32)【優先日】2017-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ゴデット, ルドヴィーク
(72)【発明者】
【氏名】タイセン, ラトガー
【審査官】渡井 高広
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-135736(JP,A)
【文献】特開2006-287210(JP,A)
【文献】特開2001-127145(JP,A)
【文献】特開平08-250454(JP,A)
【文献】特開2003-289098(JP,A)
【文献】特開2012-043824(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面および前記上面の反対側の底面を有する本体であって、
前記本体内に形成され、
基板の表側を処理する際に当該基板の裏側に形成された複数のダイの微細構造を収容可能に構成された、前記上面から窪んだ複数の空洞と、
前記複数の空洞を隔て、前記本体から前記上面まで延びる複数の支持要素と、
前記本体の前記上面に隣接して、前記複数の支持要素のそれぞれの内部に配置された第1の電極アセンブリと、
前記複数の空洞のそれぞれに隣接して配置された第2の電極アセンブリと、
を有する本体、及び
前記本体の前記上面上、前記複数の支持要素上、および前記複数の空洞内に配置されたポリマーコーティング、
を備える基板チャッキング装置。
【請求項2】
前記第1の電極アセンブリは第1の平面に配置され、前記第2の電極アセンブリは前記第1の平面とは異なる第2の平面に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記本体は金属材料である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記金属材料は、アルミニウム材料、ステンレス鋼材料、またはそれらの合金、組合せ、および混合物である、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記本体はセラミック材料である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記セラミック材料が、窒化ケイ素材料、窒化アルミニウム材料、アルミナ材料、またはそれらの組合せおよび混合物である、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記本体上に配置されたポリマー材料をさらに含み、前記ポリマー材料が、ポリイミド材料、ポリアミド材料、およびポリテトラフルオロエチレン材料からなる群から選択される、請求項3に記載の装置。
【請求項8】
前記本体上に配置されたポリマー材料をさらに含み、前記ポリマー材料が、ポリイミド材料、ポリアミド材料、およびポリテトラフルオロエチレン材料からなる群から選択される、請求項5に記載の装置。
【請求項9】
前記本体は、形状が実質的に円形である、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記本体は、形状が長方形である、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記複数の空洞のそれぞれの深さは、約1umから約1000umの間である、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
本体であって、
上面および前記上面の反対側の底面と、
前記本体内に形成され、
基板の表側を処理する際に当該基板の裏側に形成された複数のダイの微細構造を収容可能に構成された、前記上面から窪んだ複数の空洞と、
前記複数の空洞を隔て、前記本体から前記上面まで延びる複数の支持要素と、
前記本体内に形成され、前記複数の支持要素のうちの1つ以上を通って前記上面から前記底面まで延びる複数のポートと、
前記複数のポートのそれぞれと流体連通する導管と、
を有する本体、
を備える基板チャッキング装置。
【請求項13】
前記複数の空洞のそれぞれの深さは、約1umから約1000umの間である、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記本体は、形状が実質的に円形である、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記本体は、形状が実質的に長方形である、請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記空洞は、実質的に長方形又は正方形の形状である、請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記上面に形成されたポートは、非円形である、請求項12に記載の装置。
【請求項18】
前記本体は金属材料である、請求項12に記載の装置。
【請求項19】
前記金属材料は、アルミニウム材料、ステンレス鋼材料、またはそれらの合金、組合せ、および混合物である、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記本体はセラミック材料である、請求項12に記載の装置。
【請求項21】
前記セラミック材料が、窒化ケイ素材料、窒化アルミニウム材料、アルミナ材料、またはそれらの組合せおよび混合物である、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記本体上に配置されたポリマー材料をさらに含み、前記ポリマー材料が、ポリイミド材料、ポリアミド材料、およびポリテトラフルオロエチレン材料からなる群から選択される、請求項19に記載の装置。
【請求項23】
前記本体上に配置されたポリマー材料をさらに含み、前記ポリマー材料が、ポリイミド材料、ポリアミド材料、およびポリテトラフルオロエチレン材料からなる群から選択される、請求項20に記載の装置。
【請求項24】
上面および前記上面の反対側の底面を有する本体であって、
前記本体内に形成され、
基板の表側を処理する際に当該基板の裏側に形成された複数のダイの微細構造を収容可能に構成された、前記上面から窪んだ複数の空洞と、
前記複数の空洞を隔て、前記本体から前記上面まで延びる1つ以上の支持要素と、
前記本体内に形成され、前記1つ以上の支持要素のうちの1つ以上を通って前記上面から前記底面まで延びる第1の複数のポートと、
前記本体内に形成され、前記複数の空洞のそれぞれの底面から前記本体の前記底面まで延びる第2の複数のポートと、
前記第1の複数のポートのそれぞれと第1の圧力で流体連通する第1の導管と、
前記第2の複数のポートのそれぞれと、前記第1の圧力と異なる第2の圧力で流体連通する第2の導管と、
を有する本体、
を備える基板チャッキング装置。
【請求項25】
前記複数の空洞のそれぞれの深さは、約100umから約1000umの間である、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
第1の電源及び第2の電源であって、前記第1の電源は前記第1の電極アセンブリに接続され、前記第2の電源は前記第2の電極アセンブリに接続され、前記第1の電源及び前記第2の電源は異なる電流を前記第1の電極アセンブリ及び前記第2の電極アセンブリにそれぞれ調整して供給し、基板の静電チャッキング中に基板の平坦性を調整するように構成された、第1の電源及び第2の電源、
をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、一般に、基板チャックに関する。より具体的には、本明細書に記載される実施形態は、パターニングされた基板チャックに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]基板チャッキング装置が、半導体およびディスプレイ産業において、基板の移送または処理中に基板を支持するために一般に使用されている。新たな技術が、基板上におけるデバイスおよび構造体の製造のための種々の先進的処理技術の開発につながってきた。例えば、バーチャルリアリティおよび拡張現実用途のための導波管装置の製造は、従来の基板処理技術の限界を押し広げてきた。
【0003】
[0003]導波管装置は、ガラスまたはガラス状基板上に形成された微細構造を組み込んでいる。多くの場合、微細構造は、基板の表側および基板の裏側に形成される。しかしながら、処理中に、基板の表側および裏側に形成された微細構造を有する基板をハンドリングおよび支持することは、困難である。例えば、従来のチャッキング装置は、表側が処理されている間に、基板の裏側に形成された微細構造に損傷を与える可能性がある。
【0004】
[0004]したがって、当技術分野で必要とされるものは、改良されたチャッキング装置である。
【発明の概要】
【0005】
[0005]一実施形態では、基板チャッキング装置が提供される。この装置は、上面および上面の反対側の底面を有する本体と、本体内に形成され、上面から窪んだ複数の空洞と、複数の空洞を隔て、本体から上面まで延びる複数の支持要素とを含む。複数のポートが、本体内に形成され、複数の支持要素のうちの1つ以上を通って上面から底面まで延び、導管が、複数のポートのそれぞれと流体連通している。
【0006】
[0006]別の実施形態では、基板チャッキング装置が提供される。この装置は、上面および上面の反対側の底面を有する本体と、本体内に形成され、上面から窪んだ複数の空洞と、複数の空洞を隔て、本体から上面まで延びる複数の支持要素とを含む。第1の複数のポートが、本体内に形成され、複数の支持要素のうちの1つ以上を通って上面から底面まで延び、第1の導管が、第1の複数のポートのそれぞれと流体連通している。第2の複数のポートが、本体内に形成され、複数の空洞のそれぞれの底面から本体の底面まで延びる。第2の導管が、第2の複数のポートのそれぞれと流体連通している。
【0007】
[0007]別の実施形態では、基板チャッキング装置が提供される。この装置は、上面および上面の反対側の底面を有する本体と、本体内に形成され、上面から窪んだ複数の空洞と、複数の空洞を隔て、本体から上面まで延びる複数の支持要素とを含む。ポリマーコーティングが、本体の上面、複数の支持要素、および複数の空洞内に配置される。第1の電極アセンブリが、本体の上面に隣接して、複数の支持要素のそれぞれの内部に配置され、第2の電極アセンブリが、複数の空洞のそれぞれに隣接して配置される。
【0008】
[0008]本開示の上記の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約した本開示のより具体的な説明を、実施形態を参照することによって得ることができ、そのいくつかを添付の図面に示す。ただし、添付の図面は、例示的な実施形態のみを示しており、したがって、その範囲を限定するものと見なされるべきではなく、他の同等に有効な実施形態を認め得ることに、留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】本明細書に記載の実施形態による、微細構造が形成されたダイを有する基板の平面図を示す。
【
図1B】本明細書に記載の実施形態による、線1B-1Bに沿った
図1Aの基板の断面図を示す。
【
図2】本明細書に記載の実施形態による真空チャッキング装置の断面図を示す。
【
図3A】本明細書に記載の実施形態による
図2の真空チャッキング装置の平面図を示す。
【
図3B】本明細書に記載の実施形態による
図2の真空チャッキング装置の平面図を示す。
【
図4】本明細書に記載の実施形態による真空チャッキング装置の断面図を示す。
【
図5】本明細書に記載の実施形態による
図4の真空チャッキング装置の平面図を示す。
【
図6】本明細書に記載の実施形態による静電チャッキング装置の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0017]理解を容易にするために、図面に共通する同一の要素は、可能であれば同一の参照番号を使用して示してある。1つの実施形態の要素および特徴は、さらなる列挙なしに他の実施形態に有益に組み込まれ得ることが、企図される。
【0011】
[0018]本明細書に記載の実施形態は、複数の空洞が形成された基板チャッキング装置に関する。空洞は、チャッキング装置の本体に形成され、複数の支持要素が、本体から延びて、複数の空洞のそれぞれを隔てている。一実施形態では、第1の複数のポートが、本体の上面に形成され、複数の支持要素のうちの1つ以上を通って本体の底面まで延びている。別の実施形態では、第2の複数のポートが、複数の空洞の底面に形成され、本体を通って本体の底面まで延びている。さらに別の実施形態では、第1の電極アセンブリが、本体の上面に隣接して、複数の支持要素のそれぞれの内部に配置され、第2の電極アセンブリが、複数の空洞のそれぞれに隣接して本体内に配置される。
【0012】
[0019]
図1Aは、本明細書に記載の実施形態による、微細構造106が形成されたダイを有する基板100の平面図を示す。一実施形態では、基板100は、石英またはサファイアなどのガラスまたはガラス状材料から形成される。別の実施形態では、基板は、シリコン材料などの半導体材料から形成される。基板100は、実質的に円形の形状を有するものとして示されているが、基板100は、四辺形の形状、例えば、長方形または正方形の形状などの、多角形の形状であってもよいことが企図される。
【0013】
[0020]基板100は、その上に形成された複数のダイ104を有するものとして示されている。ダイ104は、コンピューティングデバイス、光学デバイス等の種々のデバイスにおけるその後の利用のために望ましい構造でパターニングされている基板100の領域に対応する。ダイ104は、その上に形成された微細構造106を含む。微細構造106は、リソグラフィプロセス、例えば、ナノインプリントリソグラフィ(NIL)プロセスなどの種々の製造プロセスによって、ダイ104上に形成された特徴部である。あるいは、微細構造106は、基板100上にエッチングまたは堆積された特徴部である。一実施形態では、微細構造106は、格子構造であり、ダイ104は、導波管または導波管装置の一部であることが企図される。
【0014】
[0021]ダイ104は、隣接するダイ104の間にカーフ領域108が形成されるように、基板100上に配置される。カーフ領域108は、ダイ104によって占有されない基板表面の領域である。カーフ領域108は、各個々のダイ104を実質的に囲み、個々のダイ104を互いに離間させる。カーフ領域108はまた、個々のダイ104と基板100の周囲との間に延びていてもよい。一実施形態では、カーフ領域108は、その上に形成された微細構造または特徴部を実質的に有さない。様々な実施態様において、カーフ領域108は、個片化中に個々のダイ104を分離するために後でダイシング作業中に除去される領域である。
【0015】
[0022]
図1Bは、本明細書に記載の実施形態による、線1B-1Bに沿って切り取られた
図1Aの基板100の断面図を示す。上述したように、カーフ領域108は、隣接するダイ104の間に配置された領域である。基板100は、基板100の第1の面102上に形成された微細構造106を有するものとして示されていることに留意されたい。一実施形態では、微細構造106は、基板100の第1の面102から約100um~約500umの距離だけ延びている。一実施形態では、第1の面102は、基板100の表側である。基板100の第2の面110は、第1の面102の反対側に第1の面102と平行に存在する。図示の実施形態では、第2の面110は、未処理であり、特徴部または微細構造は、第2の面110上に形成されていない。
【0016】
[0023]
図2は、本明細書に記載の実施形態による真空チャッキング装置200の断面図を示す。基板100は、第1の面202が装置200に接触しており、第2の面110が第2の面110を処理するのに適した位置で装置200から離れる方向を向いているものとして、示されている。
【0017】
[0024]チャッキング装置200は、上面202と、上面202の反対側を向いた底面204とを有する本体201を含む。一実施形態では、本体201は、アルミニウム、ステンレス鋼、またはそれらの合金、組合せ、および混合物などの金属材料から形成される。別の実施形態では、本体201は、窒化ケイ素材料、窒化アルミニウム材料、アルミナ材料、またはそれらの組合せおよび混合物などのセラミック材料から形成される。特定の実施形態では、コーティングが、本体201の上面202に配置される。コーティングは、所望の実施態様に応じて、ポリイミド材料、ポリアミド材料、またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)材料のうちの1つ以上などのポリマー材料である。
【0018】
[0025]複数の空洞206が、本体201に形成されている。空洞206は、本体201内に配置され、上面202から本体201内に延びている。空洞206は、底面203および側壁205によって画定される。空洞206の深さは、約100um~約1000um、例えば約300um~約700umである。空洞206の深さは、基板100がチャッキング装置200上に位置決めされたときに微細構造106が本体201と接触しないままであるように、基板100上に形成された微細構造106を収容するのに十分であることが企図される。一実施形態では、複数の空洞206は、本体201上に配置された材料層内に形成される。
【0019】
[0026]一実施形態では、空洞206の形状は、ダイ104の形状に対応する。例えば、ダイ104が正方形又は長方形の形状である場合、空洞206の形状は、同様に正方形または長方形の形状である。しかしながら、空洞206のサイズは、ダイ104に対応する面積よりも大きくても小さくてもよいことが企図される。
【0020】
[0027]空洞206は、本体201の一部であり、本体201から本体201の上面202まで延びている複数の支持要素208によって隔てられている。隣接する空洞206を隔てることに加えて、支持要素208は、空洞206の各々の周りに延び、空洞206の各々を囲んでいる。支持要素208は、空洞206の側壁205を、さらに画定する。動作中、基板100は、カーフ領域108が支持要素208と位置合わせされて接触するように、装置200上に位置決めされる。このようにして、ダイ104は、微細構造106が装置200の本体201と接触しないままであるように、空洞206と位置合わせされる。
【0021】
[0028]第1の複数のポート210が、本体201の上面202に形成されている。一実施形態では、第1の複数のポート210は、支持要素208の上面202に配置されている。第1の複数のポート210は、空洞206間の支持要素208と位置合わせされている。第1の複数のポート210は、複数の空洞206の半径方向外側の本体の上面202にも形成されている。第1の複数の導管212が、上面202における第1の複数のポート210から本体201を通って底面204まで延びている。第1の複数の導管212は、第1の真空源214に結合されている。したがって、第1の真空源214は、第1の複数の導管212および第1の複数のポート210を介して、本体201の上面202と流体連通している。
【0022】
[0029]動作中、空洞206から離れた領域で基板100を本体201にチャックするために、真空圧力が生成される。基板100を本体201に真空チャックすることは、基板の未処理の第2の面110のその後の処理のために望ましい基板平坦性を達成するのに十分であることが企図される。
【0023】
[0030]
図3Aは、本明細書に記載の実施形態による
図2の真空チャッキング装置200の平面図を示す。第1の複数のポート210は、支持要素208に対応する領域上に配置されている。図示の実施形態では、上面202の第1の複数のポート210は、形状が実質的に円形である。円形のポートは、装置200の製造の容易さを改善し得るが、
図3Bに関して記載されるように、任意のポート形状を利用してもよいことが企図される。いくつかのポート210が、本体201の上面202にわたって分布して示されているが、基板100の実質的に平坦なチャッキングを可能にするのに適した任意の数、配置、または分布のポート210が、本開示の範囲内であることが企図される。
【0024】
[0031]
図3Bは、本明細書に記載の実施形態による
図2の真空チャッキング装置200の平面図を示す。図示されたポート210は、
図3Aに示された実施形態と比べて、真空に曝される基板の表面積を増加させるような不規則な形状である。ポート210が支持要素208と位置合わせされている限り、任意の望ましい形状を利用することができる。
【0025】
[0032]
図4は、本明細書に記載の実施形態による真空チャッキング装置200の断面図を示す。図示の実施形態では、装置200は、第2の複数のポート404と、第2の複数の導管402と、第2の真空源406とを含む。第2の複数のポート404は、空洞206の底面203に形成され、第2の複数の導管402は、第2の複数のポート404のそれぞれから本体201を通って底面204まで延びる。第2の複数の導管402は、それに応じて第2の真空源406に結合されている。
【0026】
[0033]動作中、
図4の装置200は、基板100の差圧チャッキングを可能にする。第1の真空源214は、第1の複数の導管212および第1の複数のポート210を介して基板100と流体連通しており、第1の真空圧力を生成して、本体201の上面202に基板をチャックする。第2の真空源406は、第2の複数の導管402および第2の複数のポート404を介して空洞206と流体連通しており、第2の真空圧力を生成して、空洞206内の圧力をさらに低下させ、第1の真空圧力への曝露中における基板100の反りを低減または除去する。第1の真空圧力は、所望のチャッキング特性に応じて、第2の真空圧力より大きくても、小さくても、または等しくてもよいことが企図される。
【0027】
[0034]
図5は、本明細書に記載の実施形態による
図4の真空チャッキング装置200の平面図を示す。図示のように、第2の複数のポート404が、空洞206内に位置している。第1および第2の複数のポート210、404の一方または両方が、本体201への基板100のチャッキングを達成するために、互いに協働して、または独立して使用され得ることが企図される。第2の複数のポート404は、円形であるように図示されているが、
図3Bに図示されている第1の複数のポートの形状と同様に、様々な多角形形状が代替的に利用され得ることが企図される。例えば、第2の複数のポート404は、環状の形状であってもよく、または多数の第2のポート404が、単一の空洞206内に配置されてもよい。
【0028】
[0035]
図6は、本明細書に記載の実施形態による静電チャッキング装置600の断面図を示す。装置200と同様に、装置600は、上面603と、上面603の反対側を向いた底面604とを有する本体601を含む。一実施形態では、本体601は、アルミニウム、ステンレス鋼、またはそれらの合金、組合せ、および混合物などの金属材料から形成される。別の実施形態では、本体601は、窒化ケイ素材料、窒化アルミニウム材料、アルミナ材料、またはそれらの組合せおよび混合物などのセラミック材料から形成される。特定の実施形態では、コーティング602が、本体601の上面603に配置される。コーティング602は、所望の実施態様に応じて、ポリイミド材料、ポリアミド材料、またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)材料のうちの1つ以上などのポリマー材料である。
【0029】
[0036]複数の空洞626が、本体601に形成されている。空洞626は、本体601内に配置され、上面603から本体601内に延びている。空洞626は、底面628および側壁630によって画定される。空洞626の深さは、約0.5um~約1000um、例えば約300um~約700umである。空洞626の深さは、基板100がチャッキング装置600上に位置決めされたときに微細構造106が本体601と接触しないままであるように、基板100上に形成された微細構造106を収容するのに十分であることが企図される。
【0030】
[0037]コーティング602は、本体601の上面603に沿って、かつ空洞626の側壁630および底面628の上に広がっている。同様に、コーティング602は、空洞626の側壁630を画定する支持部材608上に広がっている。コーティング602の厚さは、本体601への基板100の静電チャッキングを可能にするのに十分であることが企図される。そのようなものとして、コーティング602は、電極アセンブリ612、614を介して基板100に印加される静電力に影響を及ぼすと考えられている。
【0031】
[0038]第1の電極アセンブリ612が、本体601の上面603に隣接して、本体601内に配置される。第1の電極アセンブリ612は、第1の電源620に結合された1つ以上のリード線を含む。一実施形態では、第1の電極アセンブリ612は、単一のリード線である。あるいは、第1の電極アセンブリ612は、複数のリード線を含む。この実施形態において、第1の電極アセンブリ612のリード線は、交互配列で配置されてもよい。第1の電源620は、所望の極性の電力を第1の電極アセンブリ612に送達するように構成される。一実施形態では、第1の電源620は、正の極性を有する電流を第1の電極アセンブリ612に送達する。別の実施形態では、第1の電源620は、負の極性を有する電流を第1の電極アセンブリ612に送達する。
【0032】
[0039]第2の電極アセンブリ614は、空洞626の底面628に隣接して本体601内に配置される。第1の電極アセンブリ612と同様に、第2の電極アセンブリ614は、1つ以上のリード線を含む。一実施形態では、第2の電極アセンブリ614は、単一のリード線である。別の実施形態では、第2の電極アセンブリ614は、複数のリード線を含む。この実施形態において、第2の電極アセンブリ614のリード線は、交互配列で配置されてもよい。第2の電極アセンブリ614は、所望の極性の電力を第2の電極アセンブリ614に送達するように構成された第2の電源622に結合される。一実施形態では、第2の電源622は、正の極性を有する電流を第2の電極アセンブリ614に送達する。別の実施形態では、第2の電源622は、負の極性を有する電流を第2の電極アセンブリ614に送達する。
【0033】
[0040]一実施形態では、第1の電源620および第2の電源622は、同じ極性を有する電流を、それぞれ、第1および第2の電極アセンブリ612、614に送達する。あるいは、第1の電源620および第2の電源622は、異なる極性を有する電流を、それぞれ、第1および第2の電極アセンブリ612、614に送達する。
【0034】
[0041]第1の電極アセンブリ612は、第1の平面616において本体601内に配置される。第2の電極アセンブリ614は、第2の平面618において本体601内に配置される。一実施形態では、第1の平面616は、第2の平面618よりも上面603の近くに配置される。別の実施形態では、第1の電極アセンブリ612および第2の電極アセンブリ614の両方が、第2の平面618内に配置される。上述の実施形態により本体601内に電極アセンブリ612、614を位置決めすることによって、支持要素608および空洞626の領域において基板100の差動静電チャッキングを達成することができる。従って、基板の平坦性が、静電チャッキング中に基板100にわたって調整され得る。
【0035】
[0042]上述の装置200、600は、それぞれ、真空および静電チャッキングに関連するが、クランプリング、エッジリング、シャドウリングなどの他の基板位置決め装置もまた、本明細書に記載の実施形態に従って、有利な実施態様を見出すことができることが企図される。基板位置決め装置は、単独で使用されてもよいし、または装置200、600の真空および静電チャッキング能力と組み合わせて使用されてもよい。
【0036】
[0043]要約すると、空洞が形成された基板チャッキング装置は、両面基板処理のために、微細構造が形成された表面を有する基板のチャッキングを可能にする。チャッキング装置は、上述のような種々の真空または静電チャッキング要素と、処理中に基板のカーフ領域を支持するように選択されたチャッキング本体の構成とを含む。
【0037】
[0044]上記は、本開示の実施形態に向けられているが、本開示の他のおよびさらなる実施形態が、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく考案されてもよく、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。