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特許7519429内視鏡システム、作動方法、及び制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-10
(45)【発行日】2024-07-19
(54)【発明の名称】内視鏡システム、作動方法、及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/045 20060101AFI20240711BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20240711BHJP
   A61B 1/06 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
A61B1/045 622
A61B1/00 513
A61B1/06 610
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2022505027
(86)(22)【出願日】2021-01-26
(86)【国際出願番号】 JP2021002669
(87)【国際公開番号】W WO2021176890
(87)【国際公開日】2021-09-10
【審査請求日】2022-08-10
(31)【優先権主張番号】P 2020038996
(32)【優先日】2020-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】下村 浩司
【審査官】▲高▼ 芳徳
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-321244(JP,A)
【文献】国際公開第2018/216276(WO,A1)
【文献】特開2014-183909(JP,A)
【文献】特開2011-010998(JP,A)
【文献】国際公開第2019/163540(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/099942(WO,A1)
【文献】特開2011-250926(JP,A)
【文献】特開2015-223249(JP,A)
【文献】特開2015-139520(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 - 1/32
G02B 23/24 - 23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と撮像素子とディスプレイとプロセッサを備える内視鏡システムであって、
前記光源は、特性が異なる複数種類の照明光を切り替えて出射可能であり、
前記プロセッサは、
連続した複数の撮像動作フレームに渡る第1期間に第1特性の照明光を前記光源から連続して出射させた後、少なくとも1つの撮像動作フレームに渡る第2期間に前記第1特性と異なる第2特性の照明光を前記光源から出射させる動作を繰り返し、
前記撮像素子から撮像画像を取得し、前記ディスプレイへ前記第1期間については当該第1期間の前記撮像画像に基づいて動画を表示させ、前記第2期間については、当該第2期間の第1撮像画像及び当該第2期間と異なる前記第1期間の第2撮像画像の各輝度情報に基づく動きベクトルと、前記第2撮像画像の色差と、に基づいて前記動画を表示させる、
内視鏡システム。
【請求項2】
請求項1記載の内視鏡システムであって、
前記プロセッサは、前記第1特性の照明光と前記第2特性の照明光とが切り替わる第3期間については当該第3期間と異なる前記第1期間の前記撮像画像に基づいて前記動画を表示させる、
内視鏡システム。
【請求項3】
請求項2記載の内視鏡システムであって、
前記プロセッサは、前記第3期間については当該第3期間及び前記第2期間と異なる前記第1期間の前記撮像画像に基づいて前記動画を表示させる、
内視鏡システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項記載の内視鏡システムであって、
前記第2期間に前記撮像素子から得られた撮像画像は画像解析される、
内視鏡システム。
【請求項5】
請求項4記載の内視鏡システムであって、
前記画像解析は前記動画の表示と並行して行われる、
内視鏡システム。
【請求項6】
請求項4又は5記載の内視鏡システムであって、
前記プロセッサは、
前記動画と前記画像解析の結果とを含む画面を前記ディスプレイに表示させる、
内視鏡システム。
【請求項7】
請求項4から6のいずれか1項記載の内視鏡システムであって、
前記画像解析は、前記撮像素子を備える内視鏡の挿入形状の解析を含む、
内視鏡システム。
【請求項8】
請求項4から7のいずれか1項記載の内視鏡システムであって、
前記画像解析は、前記撮像画像の輪郭の抽出を含む、
内視鏡システム。
【請求項9】
請求項4から8のいずれか1項記載の内視鏡システムであって、
前記画像解析は、前記撮像素子を備える内視鏡が挿入された被検体内の注目領域の検出を含む、
内視鏡システム。
【請求項10】
請求項4から9のいずれか1項記載の内視鏡システムであって、
前記画像解析は、類似症例画像の選択を含む、
内視鏡システム。
【請求項11】
請求項4から10のいずれか1項記載の内視鏡システムであって、
前記画像解析は、腫瘍及び非腫瘍の判別を含む、
内視鏡システム。
【請求項12】
請求項4から11のいずれか1項記載の内視鏡システムであって、
前記画像解析は、器官の状態の特定を含む、
内視鏡システム。
【請求項13】
請求項4から12のいずれか1項記載の内視鏡システムであって、
前記画像解析は、切離予定線の生成を含む、
内視鏡システム。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか1項記載の内視鏡システムであって、
前記第1期間及び前記第2期間の各長さは、前記動作の繰り返しにおいて一定であり、又は前記動作の繰り返しにおいて不定である、
内視鏡システム。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか1項記載の内視鏡システムであって、
前記第1特性の照明光及び前記第2特性の照明光のスペクトルは、前記動作の繰り返しにおいて一定であり、又は前記動作の繰り返しにおいて不定である、
内視鏡システム。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか1項記載の内視鏡システムであって、
前記第1期間と前記第2期間との間に前記光源の無出射期間がある、
内視鏡システム。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか1項記載の内視鏡システムであって、
前記撮像素子は、ローリングシャッタ方式の撮像動作を行うものである、
内視鏡システム。
【請求項18】
請求項1から16のいずれか1項記載の内視鏡システムであって、
前記撮像素子は、グローバルシャッタ方式の撮像動作を行うものである、
内視鏡システム。
【請求項19】
請求項1から18のいずれか1項記載の内視鏡システムであって、
前記第1期間は前記第2期間より長い期間である、
内視鏡システム。
【請求項20】
請求項1から19のいずれか1項記載の内視鏡システムであって、
前記第1特性の照明光及び前記第2特性の照明光は、白色光又は画像強調観察用の光である、
内視鏡システム。
【請求項21】
光源と撮像素子とディスプレイとプロセッサを備える内視鏡装置の作動方法であって、
前記光源は、特性が異なる複数種類の照明光を切り替えて出射可能であり、
前記プロセッサが、
前記光源に、連続した複数の撮像動作フレームに渡る第1期間に第1特性の照明光を連続して出射させた後、少なくとも1つの撮像動作フレームに渡る第2期間に前記第1特性と異なる第2特性の照明光を出射させる動作を繰り返し、
前記撮像素子から得られた撮像画像を取得し、前記ディスプレイに前記第1期間については当該第1期間の前記撮像画像に基づいて動画を表示させ、前記第2期間については、当該第2期間の第1撮像画像及び当該第2期間と異なる前記第1期間の第2撮像画像の各輝度情報に基づく動きベクトルと、前記第2撮像画像の色差と、に基づいて前記動画を表示させる、
作動方法。
【請求項22】
光源と撮像素子とディスプレイとプロセッサを備える内視鏡システムを制御する制御プログラムであって、
前記光源は、特性が異なる複数種類の照明光を切り替えて出射可能であり、
前記光源に、連続した複数の撮像動作フレームに渡る第1期間に第1特性の照明光を連続して出射させた後、少なくとも1つの撮像動作フレームに渡る第2期間に前記第1特性と異なる第2特性の照明光を出射させる動作を繰り返し、
前記撮像素子から得られた撮像画像を取得し、前記ディスプレイに、前記第1期間については当該第1期間の前記撮像画像に基づいて動画を表示させ、前記第2期間については、当該第2期間の第1撮像画像及び当該第2期間と異なる前記第1期間の第2撮像画像の各輝度情報に基づく動きベクトルと、前記第2撮像画像の色差と、に基づいて前記動画を表示させる、
処理をコンピュータに実行させる制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡システム、制御方法、及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、白色光等の通常光を被検体内に照射しながら連続撮像を行い、ライブ画像を表示する内視鏡システムが知られている。また、狭帯域光等の特殊光を被検体内に照射しながら連続撮像を行い、IEE(Image-Enhanced Endoscopy:画像強調観察)などの解析を行う内視鏡システムが知られている。
【0003】
特許文献1には、被写体に特殊光が照射されている間に撮像を行うことにより生成された特殊光画像と、被写体に通常光が照射されている間に撮像を行うことにより生成された通常光画像とを取得する内視鏡システムが記載されている。特許文献2には、分光推定技術を用いて、取得した白色光画像に基づいて特殊光画像を生成し、白色光画像と特殊光画像を同時に取得する内視鏡装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-019569号公報
【文献】特開2011-234844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術では、動画表示の品質低下を抑制しつつ、特殊光による撮像を行うことができなかった。
【0006】
例えば、通常光と特殊光とを切り替えながら撮像を行うと、動画表示に用いられる通常光時の撮像画像のフレームレートが低下するため、動画表示のフレームレートが低下する。また、特殊光の照射時の撮像画像を動画表示に用いると、動画表示において色が変わり、ユーザに違和感を生じさせる。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、動画表示の品質低下を抑制しつつ、特殊光による撮像を行うことのできる内視鏡システム、制御方法、及び制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の内視鏡システムは、光源と撮像素子とディスプレイとプロセッサを備える内視鏡システムであって、上記光源は、特性が異なる複数種類の照明光を切り替えて照射可能であり、上記プロセッサは、連続した複数の撮像動作フレームに渡る第1期間に第1特性の照明光を上記光源から連続して照射させた後、少なくとも1つの撮像動作フレームに渡る第2期間に上記第1特性と異なる第2特性の照明光を上記光源から照射させる動作を繰り返し、上記撮像素子から得られた撮像画像を取得し、上記ディスプレイへ、上記第1期間についてはその第1期間の上記撮像画像に基づいて上記動画を表示させ、上記第2期間についてはその第2期間と異なる期間の上記撮像画像に基づいて上記動画を表示させるものである。
【0009】
また、本発明の内視鏡システムの制御方法は、光源と撮像素子とディスプレイとプロセッサを備える内視鏡システムの制御方法であって、上記光源は、特性が異なる複数種類の照明光を切り替えて照射可能であり、上記光源に、連続した複数の撮像動作フレームに渡る第1期間に第1特性の照明光を連続して照射させた後、少なくとも1つの撮像動作フレームに渡る第2期間に上記第1特性と異なる第2特性の照明光を照射させる動作を繰り返し、上記撮像素子から得られた撮像画像を取得し、上記ディスプレイに、上記第1期間についてはその第1期間の上記撮像画像に基づいて上記動画を表示させ、上記第2期間についてはその第2期間と異なる期間の上記撮像画像に基づいて上記動画を表示させるものである。
【0010】
また、本発明の制御プログラムは、光源と撮像素子とディスプレイとプロセッサを備える内視鏡システムを制御する制御プログラムであって、上記光源は、特性が異なる複数種類の照明光を切り替えて照射可能であり、上記光源に、連続した複数の撮像動作フレームに渡る第1期間に第1特性の照明光を連続して照射させた後、少なくとも1つの撮像動作フレームに渡る第2期間に上記第1特性と異なる第2特性の照明光を照射させる動作を繰り返し、上記撮像素子から得られた撮像画像を取得し、上記ディスプレイに、上記第1期間についてはその第1期間の上記撮像画像に基づいて上記動画を表示させ、上記第2期間についてはその第2期間と異なる期間の上記撮像画像に基づいて上記動画を表示させる、処理をコンピュータに実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、動画表示の品質低下を抑制しつつ、特殊光による撮像を行うことのできる内視鏡システム、制御方法、及び制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態である内視鏡装置100の一例を示す図である。
図2図1に示す内視鏡装置100の内部構成を示す模式図である。
図3図2に示した光源装置5が発生させる光のスペクトルの一例を示す図である。
図4図2に示した撮像素子23の概略構成を示す平面模式図である。
図5図2に示した信号処理部42のシステム制御部44の機能ブロックの一例を示す図である。
図6】ディスプレイ7に表示される画面の一例を示す図である。
図7】内視鏡装置100における照明光の切り替えの一例を示す図である。
図8】照明光の切り替えによる画像の変化の一例を示す図(その1)である。
図9】照明光の切り替えによる画像の変化の一例を示す図(その2)である。
図10】特殊光の照射時における表示フレームの補間の一例を示す図である。
図11】特殊光の照射時における表示フレームの補間の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0014】
<本発明の一実施形態である内視鏡装置100>
図1は、本発明の一実施形態である内視鏡装置100の一例を示す図である。
【0015】
内視鏡装置100は、本発明の内視鏡システムの一例である。図1に示すように、内視鏡装置100は、内視鏡1と、この内視鏡1が接続される制御装置4及び光源装置5と、を備える。光源装置5は、特性が異なる複数種類の照明光を切り替えて照射可能な光源の一例である。
【0016】
制御装置4には、内視鏡1によって被検体内を撮像して得られる撮像画像等を表示するディスプレイ7と、制御装置4に対して各種情報を入力するためのインタフェースである入力部6と、が接続されている。制御装置4は、内視鏡1、光源装置5、及びディスプレイ7を制御する。
【0017】
ディスプレイ7は、表示画素が二次元状に配列された表示面を有し、この表示面の各表示画素に、画像データを構成する画素データが描画されることで、この画像データに基づく画像の表示が行われる。ディスプレイ7は、制御装置4からの指令に応じて表示画像を切り替える表示部を構成する。
【0018】
内視鏡1は、一方向に延びる管状部材であって被検体内に挿入される挿入部10と、挿入部10の基端部に設けられ、観察モード切替操作、撮像記録操作、鉗子操作、送気送水操作、及び吸引操作等を行うための操作部材が設けられた操作部11と、操作部11に隣接して設けられたアングルノブ12と、内視鏡1を制御装置4と光源装置5にそれぞれ着脱自在に接続するコネクタ部13A,13Bを含むユニバーサルコード13と、を含む。
【0019】
なお、図1では省略されているが、操作部11及び挿入部10の内部には、細胞又はポリープ等の生体組織を採取するための鉗子を挿入する鉗子孔、送気及び送水用のチャンネル、吸引用のチャンネル等の各種のチャンネルが設けられる。
【0020】
挿入部10は、可撓性を有する軟性部10Aと、軟性部10Aの先端に設けられた湾曲部10Bと、湾曲部10Bの先端に設けられた硬質の先端部10Cとから構成される。
【0021】
湾曲部10Bは、アングルノブ12の回動操作により湾曲自在に構成されている。この湾曲部10Bは、内視鏡1が使用される被検体の部位等に応じて、任意の方向及び任意の角度に湾曲でき、先端部10Cを所望の方向に向けることができる。
【0022】
図1に示す内視鏡装置100の内部構成>
図2は、図1に示す内視鏡装置100の内部構成を示す模式図である。図3は、図2に示した光源装置5が発生させる光のスペクトルの一例を示す図である。
【0023】
光源装置5は、照明光として、通常光と特殊光とを切り替えて照射可能である。通常光は、白色光等の、医師等の人間による認識に適した発光スペクトルを有する光である。特殊光は、通常光とは発光スペクトルが異なる、IEE等のコンピュータによる画像解析に適した発光スペクトルを有する光である。
【0024】
具体的には、光源装置5は、光源用プロセッサ51と、光源部52と、光路結合部54と、を備える。光源用プロセッサ51は、制御装置4のシステム制御部44と接続されており、システム制御部44からの指令に基づいて光源部52を制御する。
【0025】
光源部52は、例えば、複数の半導体光源を有し、これらをそれぞれ点灯又は消灯し、点灯する場合には各半導体光源の発光量を制御することにより、観察対象を照明する照明光を発する。本実施形態では、光源部52は、V-LED(Violet Light Emitting Diode)52a、B-LED(Blue Light Emitting Diode)52b、G-LED(Green Light Emitting Diode)52c、及びR-LED(Red Light Emitting Diode)52dの4色のLEDを有する。
【0026】
光源用プロセッサ51は、V-LED52a、B-LED52b、G-LED52c、及びR-LED52dをそれぞれ独立に制御することで、紫色光V、青色光B、緑色光G、又は赤色光Rをそれぞれ独立に光量を変えて発光可能である。図3に示すように、V-LED52aは、中心波長405±10nm、波長範囲380~420nmの紫色光Vを発生する。B-LED52bは、中心波長450±10nm、波長範囲420~500nmの青色光Bを発生する。G-LED52cは、波長範囲が480~600nmに及ぶ緑色光Gを発生する。R-LED52dは、中心波長620~630nmで、波長範囲が600~650nmに及ぶ赤色光Rを発生する。
【0027】
また、光源用プロセッサ51は、通常光の照射時には、紫色光V、青色光B、緑色光G、及び赤色光R間の光量比がVc:Bc:Gc:Rcとなる白色光を発光するように、各LED52a~52dを制御する。なお、Vc、Bc、Gc、Rc>0である。
【0028】
また、光源用プロセッサ51は、特殊光の照射時には、短波長の狭帯域光としての紫色光V、青色光B、緑色光G、及び赤色光Rとの光量比がVs:Bs:Gs:Rsとなる特殊光を発光するように、各LED52a~52dを制御する。
【0029】
光量比Vs:Bs:Gs:Rsは、通常光の照射時に使用する光量比Vc:Bc:Gc:Rcと異なっており、観察目的に応じて適宜定められる。例えば、表層血管を強調する場合には、Vsを、他のBs、Gs、Rsよりも大きくすることが好ましく、中深層血管を強調する場合には、Gsを、他のVs、Gs、Rsよりも大きくすることが好ましい。
【0030】
光路結合部54は、V-LED52a、B-LED52b、G-LED52c、及びR-LED52dから出射される各光を結合し、結合した光を照明光として出射する。光源部52の光路結合部54から出射された照明光は、ユニバーサルコード13に内蔵された後述のライトガイド53に入射し、挿入部10の先端部10Cに設けられた照明用レンズ50を通って被写体に照射される。
【0031】
内視鏡1の先端部10Cには、対物レンズ21及びレンズ群22を含む撮像光学系と、この撮像光学系を通して被写体を撮像する撮像素子23と、RAM(Random Access Memory)等のメモリ25と、通信インタフェース(I/F)26と、撮像駆動部27と、光源部52から出射された照明光を照明用レンズ50に導くためのライトガイド53と、が設けられている。
【0032】
ライトガイド53は、先端部10Cからユニバーサルコード13のコネクタ部13Aまで延びている。ユニバーサルコード13のコネクタ部13Aが光源装置5に接続された状態で、光源装置5の光源部52から出射される照明光がライトガイド53に入射可能な状態となる。
【0033】
撮像素子23は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等が用いられる。本実施形態においては、撮像素子23は、ローリングシャッタを用いるCMOSである。
【0034】
撮像素子23は、複数の画素が二次元状に配置された受光面を有し、上記の撮像光学系によってこの受光面に結像された光学像を各画素において電気信号(撮像信号)に変換する。そして、撮像素子23は、変換した撮像信号をアナログ信号から所定のビット数のデジタル信号に変換し、デジタル信号に変換した撮像信号をメモリ25に出力する。撮像素子23は、例えば原色又は補色等のカラーフィルタを搭載するものが用いられる。撮像素子23の受光面の各画素から出力される撮像信号の集合を撮像画像信号という。
【0035】
撮像素子23は、対物レンズ21の光軸Axに対して受光面が垂直となる状態で先端部10Cに配置されていてもよいし、対物レンズ21の光軸Axに対して受光面が平行となる状態で先端部10Cに配置されていてもよい。
【0036】
内視鏡1に設けられる撮像光学系は、撮像素子23と対物レンズ21との間における被写体からの光の光路上にあるレンズ、プリズム等の光学部材(上記のレンズ群22を含む)と、対物レンズ21と、によって構成される。撮像光学系は、対物レンズ21のみで構成される場合もある。
【0037】
メモリ25は、撮像素子23から出力されたデジタルの撮像信号を一時的に記録する。
【0038】
通信I/F26は、制御装置4の通信インタフェース(I/F)41と接続される。通信I/F26は、メモリ25に記録された撮像信号を、ユニバーサルコード13内の信号線を通して制御装置4に伝送する。
【0039】
撮像駆動部27は、通信I/F26を介して制御装置4のシステム制御部44と接続されている。撮像駆動部27は、通信I/F26で受信されるシステム制御部44からの指令に基づいて、撮像素子23及びメモリ25を駆動する。
【0040】
制御装置4は、ユニバーサルコード13によって内視鏡1の通信I/F26と接続される通信I/F41と、信号処理部42と、表示コントローラ43と、システム制御部44と、記録媒体45と、を備える。
【0041】
通信I/F41は、内視鏡1の通信I/F26から伝送されてきた撮像信号を受信して信号処理部42に伝達する。
【0042】
信号処理部42は、通信I/F41から受けた撮像信号を一時記録するメモリを内蔵しており、メモリに記録された撮像信号の集合である撮像画像信号を処理(デモザイク処理又はガンマ補正処理等の画像処理)して、認識処理等が可能な形式の撮像画像情報を生成する。信号処理部42によって生成された撮像画像情報は、ハードディスク又はフラッシュメモリ等の記録媒体45に記録される。
【0043】
表示コントローラ43は、信号処理部42によって生成された撮像画像情報に基づく撮像画像をディスプレイ7に表示させる。信号処理部42によって生成された撮像画像情報を構成する各画素データの座標は、ディスプレイ7の表示面を構成するいずれかの表示画素の座標と対応付けて管理されている。
【0044】
システム制御部44は、制御装置4の各部を制御すると共に、内視鏡1の撮像駆動部27と光源装置5の光源用プロセッサ51とに指令を送り、内視鏡装置100の全体を統括制御する。例えば、システム制御部44は、撮像駆動部27を介して撮像素子23の制御を行う。また、システム制御部44は、光源用プロセッサ51を介して光源部52の制御を行う。
【0045】
システム制御部44や信号処理部42は、プログラムを実行して処理を行う各種のプロセッサと、RAMと、ROM(Read Only Memory)を含む。
【0046】
各種のプロセッサとしては、プログラムを実行して各種処理を行う汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0047】
これら各種のプロセッサの構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0048】
システム制御部44や信号処理部42は、各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせ又はCPUとFPGAの組み合わせ)で構成されてもよい。
【0049】
図2に示した撮像素子23の概略構成>
図4は、図2に示した撮像素子23の概略構成を示す平面模式図である。
【0050】
撮像素子23は、行方向Xに配列された複数の画素61からなる画素行62が、行方向Xと直交する列方向Yに複数配列された撮像面60と、撮像面60に配列された画素61を駆動する駆動回路63と、撮像面60に配列された画素行62の各画素61から信号線に読み出される画素信号を処理する信号処理回路64と、を備える。撮像面60は受光面を構成する。
【0051】
以下では、図4において撮像面60の列方向Yの一端側(図中の上側)の端部を上端といい、撮像面60の列方向Yの他端側(図中の下側)の端部を下端という。
【0052】
図4に示す駆動回路63は、撮像駆動部27からの信号に基づいて、各画素行62を独立に駆動し、画素行62に含まれる各画素61のリセット(光電変換素子に蓄積されている電荷の排出)、及び、この各画素61の光電変換素子に蓄積された電荷に応じた画素信号の信号線への読み出し等を行う。
【0053】
図4に示す信号処理回路64は、画素行62の各画素61から信号線に読み出された画素信号に対し、相関二重サンプリング処理を行い、相関二重サンプリング処理後の画素信号をデジタル信号に変換して出力する。信号処理回路64は、撮像駆動部27によって制御される。
【0054】
信号処理部42は、撮像素子23から出力された画素信号にデモザイク処理及びガンマ補正処理等の信号処理を施して撮像画像情報を生成する。
【0055】
内視鏡装置100は、1回の撮像指示に応じて複数の撮像画像情報を連続して生成する連写モードを搭載している。システム制御部44は、連写モードにおいては、撮像駆動部27により撮像素子23をローリングシャッタ方式により駆動して被写体を撮像させる。
【0056】
ローリングシャッタ方式の駆動は、ローリングリセット駆動と、ローリング読み出し駆動と、を含む。ローリングリセット駆動は、画素行62の各画素61をリセットしてその各画素61の露光を開始する処理を、画素行62を変えながら順次行う駆動である。ローリング読み出し駆動は、露光されている画素行62の各画素61から信号を読み出して、その画素行62の露光を終了する処理を、画素行62を変えながら順次行う駆動である。
【0057】
図2に示した信号処理部42のシステム制御部44の機能ブロック>
図5は、図2に示した信号処理部42のシステム制御部44の機能ブロックの一例を示す図である。
【0058】
信号処理部42のプロセッサは、例えば信号処理部42に内蔵されるROMに格納された制御プログラムを実行することにより、撮像画像情報生成部42aと、ライブ画像生成部42bと、解析部42cと、解析画像生成部42dと、を備える。
【0059】
撮像画像情報生成部42aは、撮像素子23の撮像により得られた撮像信号に対して、デモザイク処理又はガンマ補正処理等の画像処理を行うことにより撮像画像情報を生成する。撮像画像情報生成部42aは、生成した撮像画像情報のうち、通常光の照射時の撮像により得られた撮像信号に基づく撮像画像情報を撮像フレームとしてライブ画像生成部42bへ出力し、特殊光の照射時の撮像により得られた撮像信号に基づく撮像画像情報を撮像フレームとして解析部42cへ出力する。撮像フレームは、1回の撮像により得られた撮像信号である。
【0060】
ライブ画像生成部42bは、撮像画像情報生成部42aから出力された撮像フレームに基づいて、ライブ画像を表示するためのライブ画像情報を生成し、生成したライブ画像情報を撮像画像情報として表示コントローラ43(図2参照)へ出力する。ライブ画像は、撮像素子23による連続した撮像の結果をリアルタイムで表示する動画である。
【0061】
解析部42cは、撮像画像情報生成部42aから出力された撮像フレームに基づく解析(画像解析)を行い、その解析の結果を解析画像生成部42dへ出力する。一例として、解析部42cは解析として撮像画像の輪郭抽出を行うものとする。例えば、解析部42cは、特殊光の照射時の撮像により得られた撮像画像情報が示す画像に写り込んでいる生体構造の輪郭を特定する。特定対象の生体構造は、例えば、表層血管構造、中層血管構造、又は深層血管構造などである。解析部42cによる解析は、ライブ画像の表示と並行して行われる。
【0062】
解析画像生成部42dは、解析部42cから出力された解析の結果を示すIEE画像を表示するためのIEE画像情報を生成し、生成したIEE画像情報を撮像画像情報として表示コントローラ43(図2参照)へ出力する。IEE画像は、青色レーザ等の特殊光の照射時の撮像により得られた撮像信号に基づく、被写体の構造の輪郭が強調された画像である。この場合、青色レーザ等の特殊光は、画像強調観察用の光を構成する。例えば、IEE画像は、表層血管構造を強調した画像、中層血管構造を強調した画像、深層血管構造を強調した画像などである。
【0063】
なお、解析画像生成部42dによって生成される画像は、撮像画像や撮像画像を加工した画像に限らず、解析部42cによる解析に基づく、数値(数、確度等)や文字(腫瘍種別)などを示す画像であってもよい。
【0064】
図5において説明したように、内視鏡装置100は、撮像画像情報のうち、特殊光が照射された第2期間の撮像により得られた撮像画像情報に基づく解析を行う解析部42cを備える。一方で、内視鏡装置100は、撮像画像情報のうち、通常光が照射された第1期間の撮像により得られた撮像画像情報に基づくライブ画像を表示する。これにより、通常光に基づく動画表示を行いつつ、特殊光に基づく解析を行うことができる。
【0065】
<ディスプレイ7に表示される画面>
図6は、ディスプレイ7に表示される画面の一例を示す図である。
【0066】
表示コントローラ43は、信号処理部42から出力された撮像画像情報に基づいて、例えば図6に示す画面70をディスプレイ7に表示させる。画面70には、メイン画面71と、サブ画面72と、が含まれる。
【0067】
メイン画面71には、信号処理部42のライブ画像生成部42bから出力されたライブ画像情報に基づくライブ画像が表示される。サブ画面72には、信号処理部42の解析画像生成部42dから出力されたIEE画像情報に基づくIEE画像が表示される。
【0068】
図6において説明したように、内視鏡装置100は、通常光が照射された第1期間の撮像により得られた撮像画像情報に基づくライブ画像と、特殊光が照射された第2期間の撮像により得られた撮像画像情報に基づく解析の結果と、を含む画面70を表示する。
【0069】
なお、図5に示した解析部42cの解析結果をライブ画像とともにディスプレイ7に表示させる構成について説明したが、解析部42cの解析結果の利用形態はこれに限らない。例えば、解析部42cの解析結果は、ディスプレイ7とは異なる装置によって表示されてもよいし、内視鏡装置100又は他の装置の記憶部に送信されて記憶されてもよい。
【0070】
<内視鏡装置100における照明光の切り替え>
図7は、内視鏡装置100における照明光の切り替えの一例を示す図である。
【0071】
照明光タイミング75は、制御装置4からの指令により光源装置5が照明光を照射するタイミングである。照明光タイミング75におけるWLIは、光源装置5が照明光として白色光等の通常光を照射するタイミングである。照明光タイミング75におけるIEE1は、光源装置5が照明光として狭帯域光等の第1特殊光を照射するタイミングである。照明光タイミング75におけるIEE2は、光源装置5が照明光として第1特殊光とは異なる第2特殊光を照射するタイミングである。
【0072】
照明光タイミング75に示すように、光源装置5は、予め定められた照射動作を周期Tで繰り返し実行する。この照射動作は、通常光を照射し、その後に特殊光(第1特殊光又は第2特殊光)を照射する動作である。図7に示す例では、光源装置5は、照射する特殊光を、周期Tごとに、第1特殊光と第2特殊光とに交互に切り替えている。ただし、光源装置5は、周期Tごとの特殊光を第1特殊光のみとしてもよい。
【0073】
撮像タイミング76は、制御装置4からの指令により撮像素子23が撮像(露光)を行うタイミングである。撮像タイミング76における縦方向は画素行62の列方向Y(図4参照)の位置を示している。上記のように、本実施形態における撮像素子23はローリングシャッタ方式の撮像を行うため、撮像タイミング76は画素行62ごとにずれている。図7に示す例では、撮像素子23は、60fps(frames per second)のフレームレートにより撮像を行っている。
【0074】
照明光タイミング75及び撮像タイミング76に示すように、光源装置5が連続して通常光を照射する第1期間は、撮像素子23による撮像における連続する複数のフレームに渡る。また、光源装置5が連続して特殊光を照射する第2期間は、撮像素子23による撮像における少なくとも1フレームに渡る。図7に示す例では、第2期間は、撮像素子23による連続する複数のフレームに渡っている。
【0075】
このように、光源装置5は、通常光(第1特性の照明光)を連続した複数の撮像動作フレームに渡って連続して照射した後に特殊光(第1特性と異なる第2特性の照明光)を照射する動作を繰り返す。そして、上記のように、制御装置4は、通常光の照射時に得られた撮像画像(第1撮像画像)に基づいてライブ画像(動画)をディスプレイ7に表示させるとともに、特殊光の照射時に得られた撮像画像(第2撮像画像)に基づく解析を行う。
【0076】
ここで、特殊光の照射時には、通常光の撮像画像が得られないため、例えばライブ画像が途切れることになる。また、特殊光の照射時の撮像フレームについて特殊光の撮像画像を用いることでライブ画像を継続することも考えられるが、ライブ画像において、通常光の画像から特殊光の画像に一時的に変化するため、表示の違和感が生じる問題がある。
【0077】
これに対して、制御装置4は、特殊光が照射される時の撮像フレームについては、その撮像フレームとは異なる撮像フレームに基づいてライブ画像の表示を行うことにより、表示の違和感を低減させる。これにより、例えば、表示の違和感を抑制しつつ、特殊光を照射する頻度を高くし、特殊光を用いた解析の正確性やリアルタイム性を向上させることができる。
【0078】
なお、特殊光を照射する頻度は、一例としては、10フレーム毎とすることができる。ただし、特殊光を照射する頻度は、これに限らず任意に設定することができる。また、特殊光を1回照射する期間は、1フレームの期間でもよいし、1フレーム以上の期間でもよい。
【0079】
<照明光の切り替えによる表示画像の変化>
図8及び図9は、照明光の切り替えによる画像の変化の一例を示す図である。
【0080】
ここでは仮想的な例として、撮像素子23により白板を撮像し、光源装置5の照明光を、紫色光Vから緑色光Gに切り替える場合について説明する。
【0081】
図8において、横軸は時間を示し、縦軸(Line0,Line1,…)はローリングシャッタによる露光が行われる撮像素子23の画素行62の列方向Y(図4参照)の位置を示す。
【0082】
上記のように、撮像素子23はローリングシャッタを用いるCMOSである。図8における右方向の矢印は、撮像素子23において行われる画素行62ごとの露光を示している。両方向の矢印で示す露光期間81~84のそれぞれは、ディスプレイ7における表示の1フィールド分の露光期間である。
【0083】
図8に示す例では、光源装置5の照明光は、露光期間81から露光期間83の途中までの期間において紫色光Vである。そして、露光期間83の途中から、光源装置5の照明光が緑色光Gに切り替わっている。
【0084】
図9に示す画像91~94は、それぞれ露光期間81~84の露光により得られた撮像信号に基づいて生成された画像である。画像91~94においては、横線の密度によって色を表している。具体的には、画像91,92のような密な横線は紫を表しており、画像94のような密でない横線は緑色を表している。画像93は、横線の密度が上から下に向かって低くなっているが、これは、画像93の色が、上から下に向かって紫色から緑色に変化していることを表している。
【0085】
図8図9に示すように、露光期間83の途中で光源装置5の照明光が緑色光Gに切り替わることにより、露光期間83に対応する画像93は、紫色と緑色が混在する画像になる。また、露光期間81,82に対応する画像91,92は紫色の画像になり、露光期間84に対応する画像94は緑色の画像になる。
【0086】
<特殊光の照射時における表示フレームの補間>
図10は、特殊光の照射時における表示フレームの補間の一例を示す図である。
【0087】
図10において、撮像フレームS1~S9は、撮像素子23により得られる連続した撮像フレームである。撮像フレームS1~S9において、「W」は、白色光等の通常光の照射時に得られた撮像フレームであることを示し、「B」は、青色レーザ等の特殊光の照射時に得られた撮像フレームであることを示し、「W/B」は、図9に示した画像93と同様に、通常光と特殊光とが切り替わった時に得られた撮像フレームであることを示す。
【0088】
図10に示す例において、撮像フレームS1~S3及び撮像フレームS7~S9の各期間は、連続した複数の撮像動作フレームに渡る第1期間の一例である。撮像フレームS5の期間は、少なくとも1つの撮像動作フレームに渡る第2期間の一例である。撮像フレームS4,S6の各期間は、通常光と特殊光とが切り替わる第3期間の一例である。
【0089】
表示フレームM1~M9は、ディスプレイ7により表示される連続した表示フレームであり、それぞれ撮像フレームS1~S9に対応する。表示フレームM1~M9において、「W」は、白色光等の通常光の画像であることを示す。
【0090】
例えば、制御装置4は、通常光の照射時に得られた撮像フレームS1(W)に基づいて表示フレームM1(W)を生成する。同様に、制御装置4は、通常光の照射時に得られた撮像フレームS2,S3,S7~S9(W)に基づいて、それぞれ表示フレームM2,M3,M7~M9(W)を生成する。
【0091】
また、制御装置4は、特殊光の照射時に得られた撮像フレームS5(B)については、撮像フレームS5と、通常光の照射時かつ撮像フレームS5の直前に得られた撮像フレームS3と、に基づいて通常光の表示フレームM5(W)を生成する。
【0092】
撮像フレームS3,S5に基づく表示フレームM5(W)の生成について説明する。ここで、各撮像フレームの色空間は、YCbCrなどの、輝度信号Yと、2つの色差信号を使って表現されるとする。
【0093】
例えば、制御装置4は、撮像フレームS3,S5のそれぞれの輝度信号Y3,Y5に基づいて、撮像フレームS3の輝度信号Y3を基準とする、撮像フレームS5の輝度信号YY5の動きを示す動きベクトル(移動ベクトル)を算出する。
【0094】
そして、制御装置4は、算出した動きベクトルに基づいて撮像フレームS3(W)を補正することにより、通常光の表示フレームM5(W)を生成する。具体的には、制御装置4は、動きベクトルが示す移動量を撮像フレームS3の色差信号に対して適用することにより、通常光の表示フレームM5(W)を生成する。
【0095】
このように、制御装置4は、撮像フレームS5の期間について、撮像フレームS3及び撮像フレームS5の各輝度情報に基づく動きベクトルと、撮像フレームS3の色差と、に基づいて表示フレームM5を生成する。
【0096】
この場合の表示フレームM5は、輪郭等の輝度情報は撮像フレームS5(B)に対応し、色は撮像フレームS3(W)に対応する通常光の画像となる。これにより、特殊光の照射時に得られた撮像フレームS5(B)に対応する、違和感の少ない通常光の画像を得ることができる。ただし、撮像フレームS3,S5に基づく表示フレームM5の生成方法には、この方法に限らず、各種の方法を用いることができる。例えば、制御装置4は、表示フレームM5として、撮像フレームS5の輝度情報と、撮像フレームS3の色差情報と、を有する画像を生成してもよい。
【0097】
同様に、制御装置4は、通常光と特殊光の切り替わり時に得られた撮像フレームS4(W/B)については、撮像フレームS4と、通常光の照射時かつ撮像フレームS4の直前に得られた撮像フレームS3と、に基づいて通常光の表示フレームM4(W)を生成する。撮像フレームS3,S4に基づく表示フレームM4の生成は、上記の撮像フレームS3,S5に基づく表示フレームM5の生成と同様に行うことができる。
【0098】
また、制御装置4は、通常光と特殊光の切り替わり時に得られた撮像フレームS6(W/B)について、撮像フレームS6と、通常光の照射時かつ撮像フレームS6の直前に得られた撮像フレームS3と、に基づいて通常光の表示フレームM6(W)を生成する。撮像フレームS3,S6に基づく表示フレームM6の生成は、上記の撮像フレームS3,S5に基づく表示フレームM5の生成と同様に行うことができる。
【0099】
このように、内視鏡装置100によれば、特殊光の照射時や、通常光と特殊光の切り替わり時においても、違和感の少ない通常光の表示フレームを生成し、通常光のライブ画像の表示を継続することができる。
【0100】
なお、例えば撮像フレームS5に対応する表示フレームM5の生成について、通常光の照射時かつ撮像フレームS5の直前に得られた撮像フレームS3に基づいて通常光の表示フレームM5を生成する場合について説明したが、利用する通常光の照射時の撮像フレームは撮像フレームS5の直前のものに限らない。
【0101】
例えば、制御装置4は、通常光の照射時かつ撮像フレームS5より前の撮像フレームS1~S3の少なくともいずれかに基づいて通常光の表示フレームM5を生成してもよい。また、制御装置4は、通常光の照射時かつ撮像フレームS5より後の撮像フレームS7~S9の少なくともいずれかに基づいて通常光の表示フレームM5を生成してもよい。また、制御装置4は、撮像フレームS1~S3の少なくともいずれかと、撮像フレームS7~S9の少なくともいずれかと、に基づいて通常光の表示フレームM5を生成してもよい。
【0102】
また、制御装置4は、これらの撮像フレームS5の前後の撮像フレームのうち、撮像フレームS5との相関が高い撮像フレームに基づいて表示フレームM5を生成してもよい。
相関は、例えば輝度信号の相関である。
【0103】
撮像フレームS4に対応する表示フレームM4の生成や、撮像フレームS6に対応する表示フレームM6の生成についても同様に、利用する通常光の照射時の撮像フレームは、対象の撮像フレームの直前のものに限らない。
【0104】
また、表示フレームM5の生成に撮像フレームS5の輝度信号を用いる構成について説明したが、このような構成に限らない。例えば、制御装置4は、撮像フレームS3に基づく表示フレームM3を表示フレームM5としても用いてもよいし、撮像フレームS3,S7に基づいて表示フレームM5を生成してもよい。例えば、制御装置4は、撮像フレームS5の輝度信号に代えて、撮像フレームS3,S7が示す各輝度信号を平均した輝度信号を用いてもよい。
【0105】
図11は、特殊光の照射時における表示フレームの補間の他の一例を示す図である。
【0106】
撮像素子23にローリングシャッタを用いる構成について説明したが、撮像素子23にグローバルシャッタを用いる構成としてもよい。この場合に、通常光と特殊光との切り替えを撮像フレームと同期して行うことにより、通常光と特殊光とが混在する撮像フレームが生成されないようにすることができる。
【0107】
例えば、図10に示す例においては、撮像フレームS1~S9のうち、撮像フレームS5の期間においてのみ特殊光が照射され、他の撮像フレームの期間においては通常光が照射されている。この場合、補間の対象となる表示フレームは、表示フレームM1~M9のうち、撮像フレームS5に対応する表示フレームM5のみとすることができる。
【0108】
具体的には、制御装置4は、通常光の照射時に得られた撮像フレームS1~S4,S6~S9(W)に基づいて、それぞれ表示フレーム撮像フレームM1~M4,M6~M9(W)を生成する。また、制御装置4は、特殊光の照射時に得られた撮像フレームS5(B)については、撮像フレームS5と、通常光の照射時かつ撮像フレームS5の直前に得られた撮像フレームS3と、に基づいて通常光の表示フレームM5(W)を生成する。
【0109】
これにより、図10に示した例と同様に、特殊光の照射時や、通常光と特殊光の切り替わり時においても、違和感の少ない通常光の表示フレームを生成し、通常光のライブ画像の表示を継続することができる。
【0110】
なお、撮像素子23にグローバルシャッタを用いる構成においても、通常光と特殊光とが混在する撮像フレームが生成される場合もある。このような場合は、通常光と特殊光とが混在する撮像フレームを補間の対象としてもよい。
【0111】
(解析の他の例)
特殊光の照射時の撮像により得られた撮像画像情報に基づく解析部42c(信号処理部42)による解析として撮像画像の輪郭の抽出について説明したが、解析部42cによる解析はこれに限らない。
【0112】
例えば、解析部42cは、上記の解析として、内視鏡1の挿入形状の解析を行ってもよい。内視鏡1の挿入形状の解析は、具体的には、被検体内へ挿入された内視鏡1の挿入部10の挿入形状の特定である。例えば、解析部42cは、特殊光の照射時の撮像により得られた撮像画像情報の変化に基づいて、内視鏡1の挿入形状を特定する。解析画像生成部42dは、解析部42cにより特定された内視鏡1の挿入形状を示す画像を表示するための画像情報を生成する。これにより、内視鏡1の挿入形状を示す画像がサブ画面72に表示され、内視鏡1の操作者は、内視鏡1の挿入部10の被検体内への挿入を容易に行うことができる。
【0113】
又は、解析部42cは、上記の解析として、内視鏡1が挿入された被検体内の注目領域の検出を行ってもよい。例えば、解析部42cは、特殊光の照射時の撮像により得られた撮像画像情報が示す画像から、被検体内の注目領域を検出する。注目領域は、例えば、病変である可能性が高い領域など、被検体内の観察のうち注目が推奨される領域である。解析画像生成部42dは、特殊光の照射時の撮像により得られた撮像画像情報が示す画像において、解析部42cにより検出された注目領域を強調した注目領域強調画像を表示するための画像情報を生成する。これにより、注目領域強調画像がサブ画面72に表示され、内視鏡1の操作者は、被検体内における注目領域を容易に認識できる。又は、解析画像生成部42dは、特殊光の照射時の撮像により得られた撮像画像情報が示す画像において、注目領域である異常部(病変部など)と正常部との色の差を拡張する色差拡張処理を行った色差拡張画像を表示するための画像情報を生成してもよい。これにより、色差拡張画像がサブ画面72に表示され、内視鏡1の操作者は、被検体内における異常部と正常部を容易に見分けることができる。
【0114】
又は、解析部42cは、上記の解析として、類似症例画像の選択を行ってもよい。例えば、解析部42cは、特殊光の照射時の撮像により得られた撮像画像情報と類似する症例画像を、内視鏡装置100がアクセス可能なデータベースを検索することにより選択する。解析画像生成部42dは、解析部42cによる選択の結果を示す画像を表示するための画像情報を生成する。解析部42cによる選択の結果とは、解析部42cが選択した症例画像そのものであってもよいし、解析部42cが選択した症例画像に対して上記のデータベースにおいて対応付けられている、その症例画像に関する診断結果等の情報であってもよい。これにより、類似症例画像の選択結果がサブ画面72に表示され、内視鏡1の操作者は、観察中の被検体内の状態と、類似症例との比較を容易に行うことができる。
【0115】
又は、解析部42cは、上記の解析として、腫瘍及び非腫瘍の判別を行ってもよい。例えば、解析部42cは、特殊光の照射時の撮像により得られた撮像画像情報が示す画像に写り込んでいる生体領域が腫瘍であるか否かを判別する。解析画像生成部42dは、解析部42cによる判別の結果を示す画像を表示するための画像情報を生成する。解析部42cによる判別の結果とは、直近に撮像された画像に写り込んでいる生体領域が腫瘍であるか否かを示す情報であってもよいし、現在の検査が開始されてから腫瘍であると判別された生体領域の数を示す情報などであってもよい。これにより、腫瘍及び非腫瘍の判別結果がサブ画面72に表示され、内視鏡1の操作者による観察や内視鏡1の操作を支援することができる。
【0116】
又は、解析部42cは、上記の解析として、器官の状態の特定を行ってもよい。例えば、解析部42cは、特殊光の照射時の撮像により得られた撮像画像情報が示す画像に写り込んでいる器官の状態を特定する。器官の状態は、例えば、領域ごとの酸素飽和度、血管構造の太さ、密度、模様、均一性や、大腸の表面構造(例えばpit様構造)、十二指腸の表面構造(例えば絨毛構造)などである。解析画像生成部42dは、解析部42cによる特定の結果を示す画像を表示するための画像情報を生成する。例えば、解析画像生成部42dは、特定した領域ごとの酸素飽和度を画像化した酸素飽和度画像を生成する。これにより、器官の状態の特定結果がサブ画面72に表示され、内視鏡1の操作者による観察や内視鏡1の操作を支援することができる。
【0117】
又は、解析部42cは、上記の解析として、切離予定線の生成を行ってもよい。例えば、解析部42cは、特殊光の照射時の撮像により得られた撮像画像情報が示す画像に写り込んでいる生体領域のうち、腫瘍等を除去するために切離すべき線である切離予定線(デマルケーションライン)を決定する。解析画像生成部42dは、特殊光の照射時の撮像により得られた撮像画像情報が示す画像において、解析部42cにより決定された切離予定線を付した画像を表示するための画像情報を生成する。これにより、切離予定線が付された画像がサブ画面72に表示され、内視鏡1の操作者は、被検体内における切離予定線を容易に認識できる。
【0118】
(第1期間、第2期間、及び周期Tの変形例)
通常光を照射する第1期間及び特殊光を照射する第2期間の各長さが、周期Tごとの繰り返しにおいて一定である構成について説明したが、通常光を照射する第1期間及び特殊光を照射する第2期間の各長さが、周期Tごとの繰り返しにおいて一定でなくても(不定であっても)よい。例えば、ある周期Tにおける第1期間及び第2期間の各長さの比が3:1であり、他の周期Tにおける第1期間及び第2期間の各長さの比が3:2であってもよい。
【0119】
また、通常光及び特殊光を照射する動作の繰り返し周期である周期Tが一定である場合について説明したが、周期Tは不定であってもよい。また、周期Tにおいて、まず通常光を照射し、その後に特殊光を照射する構成について説明したが、周期Tにおいて、まず特殊光を照射し、その後に通常光を照射する構成としてもよい。
【0120】
また、通常光のスペクトルは、周期Tごとの繰り返しにおいて一定であってもよいし、周期Tごとの繰り返しにおいて不定であってもよい。同様に、特殊光のスペクトルは、周期Tごとの繰り返しにおいて一定であってもよいし、周期Tごとの繰り返しにおいて不定であってもよい。
【0121】
また、通常光を照射する第1期間の直後に、特殊光を照射する第2期間となる構成について説明したが、第1期間と第2期間との間に、光源装置5が照明光を照射しない無照射期間があってもよい。
【0122】
また、上記の通常光又は特殊光として、狭帯域短波調光と白色光とを同時に照射する構成としてもよい。これにより、色の微細な違いを色彩強調して表示し、炎症観察や拾上げ観察等の観察が容易になる。
【0123】
(内視鏡システムの別の形態)
本発明の内視鏡システムの一例として内視鏡装置100を説明したが、本発明の内視鏡システムは、ネットワークを介して互いに接続される複数の装置によって実現されてもよい。例えば、上記の制御装置4による処理の少なくとも一部を、内視鏡装置100とネットワークを介して接続される他の装置により実行する構成としてもよい。
【0124】
(制御プログラム)
制御装置4のROMに記憶される制御プログラムは、プログラムをコンピュータが読取可能な一時的でない(non-transitory)記憶媒体に記憶される。このような「コンピュータ読取可能な記憶媒体」は、例えば、CD-ROM(Compact Disc-ROM)等の光学媒体や、USB(Universal Serial Bus)メモリ又はメモリカード等の磁気記憶媒体等を含む。また、このようなプログラムを、ネットワークを介したダウンロードによって提供することもできる。
【0125】
以上説明してきたように、本明細書には以下の事項が開示されている。
【0126】
(1)
光源と撮像素子とディスプレイとプロセッサを備える内視鏡システムであって、
上記光源は、特性が異なる複数種類の照明光を切り替えて照射可能であり、
上記プロセッサは、
連続した複数の撮像動作フレームに渡る第1期間に第1特性の照明光を上記光源から連続して照射させた後、少なくとも1つの撮像動作フレームに渡る第2期間に上記第1特性と異なる第2特性の照明光を上記光源から照射させる動作を繰り返し、
上記撮像素子から撮像画像を取得し、上記ディスプレイへ、上記第1期間についてはその第1期間の上記撮像画像に基づいて上記動画を表示させ、上記第2期間についてはその第2期間と異なる期間の上記撮像画像に基づいて上記動画を表示させる、
内視鏡システム。
【0127】
(2)
(1)記載の内視鏡システムであって、
上記プロセッサは、上記第1特性の照明光と上記第2特性の照明光とが切り替わる第3期間についてはその第3期間と異なる期間の上記撮像画像に基づいて上記動画を表示させる、
内視鏡システム。
【0128】
(3)
(1)記載の内視鏡システムであって、
上記プロセッサは、上記第3期間についてはその第3期間及び上記第2期間と異なる期間の上記撮像画像に基づいて上記動画を表示させる、
内視鏡システム。
【0129】
(4)
(1)から(3)のいずれか1つに記載の内視鏡システムであって、
上記プロセッサは、上記第2期間について、その第2期間の第1撮像画像と、その第2期間と異なる上記第1期間の第2撮像画像と、に基づいて上記動画を表示させる、
内視鏡システム。
【0130】
(5)
(4)記載の内視鏡システムであって、
上記プロセッサは、上記第2期間について、上記第1撮像画像及び上記第2撮像画像の各輝度情報に基づく動きベクトルと、上記第2撮像画像の色差と、に基づいて上記動画を表示させる、
内視鏡システム。
【0131】
(5)
(4)記載の内視鏡システムであって、
上記プロセッサは、上記第2期間について、上記第2撮像画像の各輝度情報に基づく動きベクトルと、少なくとも1つの上記第2撮像画像の色差と、に基づいて上記動画を表示させる、
内視鏡システム。
【0132】
(6)
(1)から(5)のいずれか1つに記載の内視鏡システムであって、
上記第2期間に上記撮像素子から得られた撮像画像は画像解析される、
内視鏡システム。
【0133】
(7)
(6)記載の内視鏡システムであって、
上記画像解析は上記動画の表示と並行して行われる、
内視鏡システム。
【0134】
(8)
(6)又は(7)記載の内視鏡システムであって、
上記プロセッサは、
上記動画と上記画像解析の結果とを含む画面を上記ディスプレイに表示させる、
内視鏡システム。
【0135】
(9)
(6)から(8)のいずれか1つに記載の内視鏡システムであって、
上記画像解析は、上記撮像素子を備える内視鏡の挿入形状の解析を含む、
内視鏡システム。
【0136】
(10)
(6)から(9)のいずれか1つに記載の内視鏡システムであって、
上記画像解析は、上記撮像画像の輪郭の抽出を含む、
内視鏡システム。
【0137】
(11)
(6)から(10)のいずれか1つに記載の内視鏡システムであって、
上記画像解析は、上記撮像素子を備える内視鏡が挿入された被検体内の注目領域の検出を含む、
内視鏡システム。
【0138】
(12)
(6)から(11)のいずれか1つに記載の内視鏡システムであって、
上記画像解析は、類似症例画像の選択を含む、
内視鏡システム。
【0139】
(13)
(6)から(12)のいずれか1つに記載の内視鏡システムであって、
上記画像解析は、腫瘍及び非腫瘍の判別を含む、
内視鏡システム。
【0140】
(14)
(6)から(13)のいずれか1つに記載の内視鏡システムであって、
上記画像解析は、器官の状態の特定を含む、
内視鏡システム。
【0141】
(15)
(6)から(14)のいずれか1つに記載の内視鏡システムであって、
上記画像解析は、切離予定線の生成を含む、
内視鏡システム。
【0142】
(16)
(1)から(15)のいずれか1つに記載の内視鏡システムであって、
上記第1期間及び上記第2期間の各長さは、上記動作の繰り返しにおいて一定であり、又は上記動作の繰り返しにおいて不定である、
内視鏡システム。
【0143】
(17)
(1)から(16)のいずれか1つに記載の内視鏡システムであって、
上記第1特性の照明光及び上記第2特性の照明光のスペクトルは、上記動作の繰り返しにおいて一定であり、又は上記動作の繰り返しにおいて不定である、
内視鏡システム。
【0144】
(18)
(1)から(17)のいずれか1つに記載の内視鏡システムであって、
上記第1期間と上記第2期間との間に上記光源の無照射期間がある、
内視鏡システム。
【0145】
(19)
(1)から(18)のいずれか1つに記載の内視鏡システムであって、
上記撮像素子は、ローリングシャッタ方式の撮像動作を行うものである、
内視鏡システム。
【0146】
(20)
(1)から(18)のいずれか1つに記載の内視鏡システムであって、
上記撮像素子は、グローバルシャッタ方式の撮像動作を行うものである、
内視鏡システム。
【0147】
(21)
(1)から(20)のいずれか1つに記載の内視鏡システムであって、
上記第1期間は上記第2期間より長い期間である、
内視鏡システム。
【0148】
(22)
(1)から(21)のいずれか1つに記載の内視鏡システムであって、
上記第1特性の照明光及び上記第2特性の照明光は、白色光又は画像強調観察用の光である、
内視鏡システム。
【0149】
(23)
光源と撮像素子とディスプレイとプロセッサを備える内視鏡システムの制御方法であって、
上記光源は、特性が異なる複数種類の照明光を切り替えて照射可能であり、
上記光源に、連続した複数の撮像動作フレームに渡る第1期間に第1特性の照明光を連続して照射させた後、少なくとも1つの撮像動作フレームに渡る第2期間に上記第1特性と異なる第2特性の照明光を照射させる動作を繰り返し、
上記撮像素子から撮像画像を取得し、上記ディスプレイに、上記第1期間についてはその第1期間の上記撮像画像に基づいて上記動画を表示させ、上記第2期間についてはその第2期間と異なる期間の上記撮像画像に基づいて上記動画を表示させる、
制御方法。
【0150】
(24)
光源と撮像素子とディスプレイとプロセッサを備える内視鏡システムを制御する制御プログラムであって、
上記光源は、特性が異なる複数種類の照明光を切り替えて照射可能であり、
上記光源に、連続した複数の撮像動作フレームに渡る第1期間に第1特性の照明光を連続して照射させた後、少なくとも1つの撮像動作フレームに渡る第2期間に上記第1特性と異なる第2特性の照明光を照射させる動作を繰り返し、
上記撮像素子から撮像画像を取得し、上記ディスプレイに、上記第1期間についてはその第1期間の上記撮像画像に基づいて上記動画を表示させ、上記第2期間についてはその第2期間と異なる期間の上記撮像画像に基づいて上記動画を表示させる、
処理をコンピュータに実行させるための制御プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0151】
本発明によれば、動画表示の品質低下を抑制しつつ、特殊光による撮像を行うことのできる内視鏡システム、制御方法、及び制御プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0152】
1 内視鏡
4 制御装置
5 光源装置
6 入力部
7 ディスプレイ
10 挿入部
10A 軟性部
10B 湾曲部
10C 先端部
11 操作部
12 アングルノブ
13 ユニバーサルコード
13A コネクタ部
13B コネクタ部
21 対物レンズ
22 レンズ群
23 撮像素子
25 メモリ
26,41 通信I/F
27 撮像駆動部
42 信号処理部
42a 撮像画像情報生成部
42b ライブ画像生成部
42c 解析部
42d 解析画像生成部
43 表示コントローラ
44 システム制御部
45 記録媒体
50 照明用レンズ
51 光源用プロセッサ
52 光源部
52a V-LED
52b B-LED
52c G-LED
52d R-LED
53 ライトガイド
54 光路結合部
60 撮像面
61 画素
61 各画素
62 画素行
62 各画素行
63 駆動回路
64 信号処理回路
70 画面
71 メイン画面
72 サブ画面
75 照明光タイミング
76 撮像タイミング
81~84 露光期間
91~94 画像
100 内視鏡装置
S1~S9 撮像フレーム
M1~M9 表示フレーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11