(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】表示ドライバ
(51)【国際特許分類】
G09G 3/36 20060101AFI20240712BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20240712BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20240712BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/20 623D
G09G3/20 621A
G09G3/20 642A
G09G3/20 623H
G09G3/20 623R
G09G3/20 623P
G09G3/20 612J
G09G3/20 612K
G09G3/20 611J
G02F1/133 505
(21)【出願番号】P 2020145605
(22)【出願日】2020-08-31
【審査請求日】2023-05-30
(73)【特許権者】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】樋口 鋼児
【審査官】小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-148710(JP,A)
【文献】特開2016-045458(JP,A)
【文献】特開2015-143780(JP,A)
【文献】特開2007-171597(JP,A)
【文献】特開2017-021188(JP,A)
【文献】特開平08-212793(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0013328(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0333465(US,A1)
【文献】国際公開第2015/140861(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00-3/38
G02F 1/133
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像信号にて示される各画素の輝度レベルに夫々対応した第1~第k(kは2以上の整数)の画素駆動電圧を出力する第1~第kの出力チャネルを有する表示ドライバであって、
前記第1~第kの出力チャネル各々での出力タイミングを示す第1~第kの出力タイミング信号を生成する出力タイミング制御部と、
前記第1~第kの出力タイミング信号の各々で示される前記出力タイミングで前記第1~第kの画素駆動電圧を夫々出力する出力部と、を有し、
前記出力タイミング制御部は、
前記第1及び第kの出力チャネル各々での出力タイミングの指定を受け、指定された前記第1の出力チャネルの出力タイミングで第1の遅延パルス信号を生成すると共に、指定された前記第kの出力チャネルの出力タイミングで第2の遅延パルス信号を生成する制御信号生成部と、
前記第1の遅延パルス信号を受け、前記第1の出力チャネルから前記第kの出力チャネルに向けて出力チャネル毎に単位遅延時間ずつ増加した遅延を経て前記第1の遅延パルス信号が現れる第1~第kの第1方向遅延シフト信号を生成する第1の遅延生成部と、
前記第2の遅延パルス信号を受け、前記第kの出力チャネルから前記第1の出力チャネルに向けて出力チャネル毎に単位遅延時間ずつ増加した遅延を経て前記第2の遅延パルス信号が現れる第1~第kの第2方向遅延シフト信号を生成する第2の遅延生成部と、
前記第1~第kの出力チャネル毎に、同一の出力チャネルに対応したもの同士で、前記第1~第kの第1方向遅延シフト信号の各々と、前記第1~第kの第2方向遅延シフト信号の各々とのうちから、前記遅延パルス信号が現れるタイミングが早い方を選択し、前記第1~第kの出力チャネル毎に前記選択した信号を、前記第1~第kの出力タイミング信号として出力する遅延選択部と、を有することを特徴とする表示ドライバ。
【請求項2】
前記第1の遅延生成部は、前記第1~第kの出力チャネルに夫々対応した第1~第kの遅延回路が第1~第kの並びで縦続に接続されている第1遅延回路群を含み、前記第1遅延回路群の前記第1の遅延回路に前記第1の遅延パルス信号を入力すると共に、前記第1遅延回路群の前記第1~第kの遅延回路の各出力を前記第1~第kの第1方向遅延シフト信号とするように構成されており、
前記第2の遅延生成部は、前記第1~第kの出力チャネルに夫々対応した第1~第kの遅延回路が第k~第1の並びで縦続に接続されている第2遅延回路群を含み、前記第2の遅延パルス信号を前記第2遅延回路群の前記第kの遅延回路に入力すると共に、前記第2遅延回路群の前記第1~第kの遅延回路の各出力を前記第1~第kの第2方向遅延シフト信号とするように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の表示ドライバ。
【請求項3】
前記第1遅延回路群及び前記第2遅延回路群に夫々含まれる前記遅延回路はフリップフロップであり、
前記第1遅延回路群は、前記第1~第kの出力チャネルに対応した第1~第kのフリップフロップが第1~第kのフリップフロップの並びで縦続接続されており、前記第1の遅延パルス信号を前記第1のフリップフロップに入力するように構成された第1のシフトレジスタからなり、
前記第2遅延回路群は、前記第1~第kの出力チャネルに対応した第1~第kのフリップフロップが第k~第1のフリップフロップの並びで縦続接続されており、前記第2の遅延パルス信号を前記第kのフリップフロップに入力するように構成された第2のシフトレジスタからなることを特徴とする請求項2に記載の表示ドライバ。
【請求項4】
前記第1遅延回路群及び前記第2遅延回路群に夫々含まれる前記遅延回路は、互いに縦続に接続された一対のインバータ素子からなるインバータ回路であり、
前記第1遅延回路群は、前記第1~第kの出力チャネルに対応した第1~第kのインバータ回路が第1~第kの並びで縦続接続されており、且つ前記第1の遅延パルス信号を前記第1のインバータ回路に入力するように構成されており、
前記第2遅延回路群は、前記第1~第kの出力チャネルに対応した第1~第kのインバータ回路が第k~第1の並びで縦続接続されており、且つ前記第2の遅延パルス信号を前記第kのインバータ回路に入力するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の表示ドライバ。
【請求項5】
前記制御信号生成部は、前記映像信号における水平同期信号に応じたリセット信号を生成し、
前記遅延選択部は、前記第1~第kの出力チャネルに夫々対応した第1~第kの遅延選択回路からなり、
前記第1~第kの遅延選択回路の各々は、
前記第1遅延回路群に含まれる前記第1~第kの遅延回路、及び前記第2遅延回路群に含まれる前記第1~第kの遅延回路のうちで、同一の出力チャネルに対応した前記第1遅延回路群中の前記遅延回路の出力と前記第2遅延回路群中の前記遅延回路の出力と、を受けるオアゲートと、
前記リセット信号及び前記オアゲートの出力のうちの一方をセット端子で受け、他方をリセット端子で受けるRSフリップフロップと、を含み、
前記第1~第kの遅延選択回路各々の前記RSフリップフロップから夫々出力された信号を前記第1~第kの出力タイミング信号として出力することを特徴とする請求項2~4のいずれか1に記載の表示ドライバ。
【請求項6】
前記制御信号生成部は、前記映像信号における水平同期信号に応じたリセット信号を生成し、
前記遅延選択部は、前記第1~第kの出力チャネルに夫々対応した第1~第kの遅延選択回路からなり、
前記第1~第kの遅延選択回路の各々は、
第1のノードと、
前記リセット信号に応じて前記第1のノードをプリチャージする第1のトランジスタと、
前記第1遅延回路群に含まれる前記第1~第kの遅延回路、及び前記第2遅延回路群に含まれる前記第1~第kの遅延回路のうちで、同一の出力チャネルに対応した一対の前記遅延回路の一方の出力に応じて前記第1のノードをディスチャージする第2のトランジスタと、
前記一対の前記遅延回路の他方の出力に応じて前記第1のノードをディスチャージする第
3のトランジスタと、を含み、
第1~第kの遅延選択回路各々の前記第1のノードに夫々生じる信号を前記第1~第kの出力タイミング信号として出力することを特徴とする請求項2~4のいずれか1に記載の表示ドライバ。
【請求項7】
前記制御信号生成部は、前記映像信号における水平同期信号に応じたリセット信号を生成し、
前記出力タイミング制御部、前記第1及び第2の遅延生成部、及び前記遅延選択部は、前記第1~第kの出力チャネルに夫々対応した第1~第kの回路ブロックが縦続に接続された構成からなり、
前記第1~第kの回路ブロックの各々は、
第1のノードと、
前記リセット信号に応じて前記第1のノードをプリチャージするpチャネル型の第1のトランジスタと、
前記第1のノードをディスチャージするnチャネル型の第2及び第3のトランジスタと、
前記第1のノードの信号を反転するインバータと、を含み、
前記第1~第k-1の回路ブロックの各々に含まれる前記第2のトランジスタは、後段の前記回路ブロックに含まれる前記インバータの出力に応じて前記第1のノードをディスチャージし、
前記第2~第kの回路ブロックの各々に含まれる前記第3のトランジスタは、前段の前記回路ブロックに含まれる前記インバータの出力に応じて前記第1のノードをディスチャージし、
前記第1の回路ブロックに含まれる前記第3のトランジスタは、前記第1の遅延パルス信号に応じて前記第1のノードをディスチャージし、
前記第kの回路ブロックに含まれる前記第2のトランジスタは、前記第2の遅延パルス信号に応じて前記第1のノードをディスチャージし、
前記第
1~第kの回路ブロックの各々に含まれる前記第1のノードに夫々生じる信号を前記第1~第kの出力タイミング信号として出力することを特徴とする請求項1に記載の表示ドライバ。
【請求項8】
前記制御信号生成部は、第1及び第2の単位遅延時間の指定を受け、前記第1の単位遅延時間に対応した周期の第1のクロック信号を生成して前記第1遅延回路群の前記第1~第kのフリップフロップのクロック端子に供給すると共に、前記第2の単位遅延時間に対応した周期の第2のクロック信号を生成して前記第2遅延回路群の前記第1~第kのフリップフロップのクロック端子に供給することを特徴とする請求項3に記載の表示ドライバ。
【請求項9】
前記第1遅延回路群及び前記第2遅延回路群各々の前記第1~第kのインバータ回路は遅延制御信号に基づき出力遅延時間が変更可能であり、
前記制御信号生成部は、第1及び第2の単位遅延時間の指定を受け、指定された前記第1の単位遅延時間を示す第1の遅延制御信号を前記第1遅延回路群の前記第1~第kのインバータ回路の各々に供給すると共に、指定された前記第2の単位遅延時間を示す第2の遅延制御信号を前記第2遅延回路群の前記第1~第kのインバータ回路の各々に供給することを特徴とする請求項4に記載の表示ドライバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像信号に応じて表示パネルを駆動する表示ドライバに関する。
【背景技術】
【0002】
画像を表示する表示パネルとしての例えば液晶表示パネルには、2次元画面の水平方向に伸張する複数のゲートラインと、2次元画面の垂直方向に伸張する複数のソースラインと、が交叉するように配置されている。更に、液晶表示パネルには、入力映像信号によって表される各画素の輝度レベルに対応した階調表示電圧をソースラインの各々に印加するソースドライバと、駆動対象となる表示ラインを選択するゲート信号をゲートラインに印加するゲートドライバと、が搭載されている。
【0003】
このようなソースドライバとして、1水平同期期間分の複数の表示データをN(Nは2以上の整数)個のラッチ各々に個別に取り込み、各ラッチに取り込まれた表示データに対応した電圧値を有する駆動電圧を各ソースラインに印加するものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
かかるソースドライバでは、基準タイミング信号に同期させて単一パルスの遅延パルス信号を順次、次段にシフトしつつ取り込むN(Nは2以上の整数)段のフリップフロップ(FFと称する)を設け、当該FF各々の出力を取込信号として、個別にN個のラッチに夫々供給する。これにより、各駆動電圧がソースラインの各々に印加されるタイミングがずれるので、ソースライン群に流れ込む電流の急峻な変化が同時に起こる状態が回避され、このような状態で発生するノイズが抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、大型化及び高精細化した表示パネルでは、ソースドライバを複数のICチップに分割して構築した複数のソースドライバICを、ソースライン群の一端側に設けている。
【0007】
このような表示パネルを駆動する場合、ゲートライン及びソースラインの線長が長いことから、その線長に伴う配線抵抗により、ゲート信号及び駆動電圧の波形が鈍る。また、その波形の鈍り具合は、表示パネルの画面内の位置によって異なる。例えば、表示パネルの画面中央の位置では、画面両端の位置に比べて、各ドライバからのライン長が長いので、ゲート信号及び駆動電圧の波形鈍り、つまり遅延時間が大となる。よって、表示パネルの画面中央の位置と、画面端部の位置とではゲート信号に対する適切な駆動電圧の出力タイミングが異なる。
【0008】
そこで、特許文献1の技術を適用して、駆動電圧を各ソースラインに印加するタイミングを、表示パネルの画面中央に向けて所定の単位遅延量ずつ段階的に遅延させることで、ゲート信号の到達タイミングに合わせた駆動を行うことが考えられる。
【0009】
ところで、複数のソースドライバで表示パネルの駆動を行う場合、互いに隣接するソースドライバ同士の隣り合う出力チャネル間での駆動電圧の出力タイミングのずれ量、が大きくなると、その境界部で表示ムラが生じる。
【0010】
よって、このような表示ムラを抑制するためには、各ソースドライバにおいて出力チャネル間での駆動電圧の出力タイミングの遅延時間差を小さくする調整を行うことが考えられる。
【0011】
しかしながら、このような調整を行うには、駆動電圧の出力タイミングを決定する単位遅延量を小さくするという回路の高周波数化が必要となり、回路規模の増大を招くという問題が生じる。
【0012】
また、単位遅延量を変更することで、最後尾の出力チャネルでの駆動電圧の出力タイミングも変化してしまう。よって、ソースドライバの最後尾の出力チャネルでの駆動電圧の出力タイミングに対して、遅延時間差を小さくするように、当該ソースドライバに隣接するソースドライバの先頭の出力チャネルでの出力タイミングも変更する必要があるので、その調整が煩雑になるという問題があった。
【0013】
そこで、本発明は、表示パネルを複数の表示ドライバで駆動するにあたり、回路規模の増大を招くことなく且つ表示ムラを抑える出力タイミングの調整を容易に行えるようにした表示ドライバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る表示ドライバは、映像信号にて示される各画素の輝度レベルに夫々対応した第1~第k(kは2以上の整数)の画素駆動電圧を出力する第1~第kの出力チャネルを有する表示ドライバであって、前記第1~第kの出力チャネル各々での出力タイミングを示す第1~第kの出力タイミング信号を生成する出力タイミング制御部と、前記第1~第kの出力タイミング信号の各々で示される前記出力タイミングで前記第1~第kの画素駆動電圧を夫々出力する出力部と、を有し、前記出力タイミング制御部は、前記第1及び第kの出力チャネル各々での出力タイミングの指定を受け、指定された前記第1の出力チャネルの出力タイミングで第1の遅延パルス信号を生成すると共に、指定された前記第kの出力チャネルの出力タイミングで第2の遅延パルス信号を生成する制御信号生成部と、前記第1の遅延パルス信号を受け、前記第1の出力チャネルから前記第kの出力チャネルに向けて出力チャネル毎に単位遅延時間ずつ増加した遅延を経て前記第1の遅延パルス信号が現れる第1~第kの第1方向遅延シフト信号を生成する第1の遅延生成部と、前記第2の遅延パルス信号を受け、前記第kの出力チャネルから前記第1の出力チャネルに向けて出力チャネル毎に単位遅延時間ずつ増加した遅延を経て前記第2の遅延パルス信号が現れる第1~第kの第2方向遅延シフト信号を生成する第2の遅延生成部と、前記第1~第kの出力チャネル毎に、同一の出力チャネルに対応したもの同士で、前記第1~第kの第1方向遅延シフト信号の各々と、前記第1~第kの第2方向遅延シフト信号の各々とのうちから、前記遅延パルス信号が現れるタイミングが早い方を選択し、前記第1~第kの出力チャネル毎に前記選択した信号を、前記第1~第kの出力タイミング信号として出力する遅延選択部と、を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、表示ドライバの第1~第k(kは2以上の整数)の出力チャネル各々の出力タイミングを調整するにあたり、先ず、第1及び第kの出力チャネルでの出力タイミングの指定を受ける。次に、指定された第1の出力チャネルの出力タイミングで第1の遅延パルス信号を生成し、指定された第kの出力チャネルの出力タイミングで第2の遅延パルス信号を生成する。ここで、第1から第kの出力チャネルに向けて出力チャネル毎に増加した遅延を経て第1の遅延パルス信号が現れる第1~第kの第1方向遅延シフト信号を生成する。更に、第kから第1の出力チャネルに向けて出力チャネル毎に増加した遅延を経て第2の遅延パルス信号が現れる第1~第kの第2方向遅延シフト信号を生成する。次に、同一の出力チャネルに対応したもの同士で、第1~第kの第1方向遅延シフト信号の各々と、第1~第kの第2方向遅延シフト信号の各々とのうちから、遅延パルス信号が現れるタイミングが早い方を選択する。そして、第1~第kの出力チャネル毎に選択した信号を第1~第kの出力タイミング信号とし、当該第1~第kの出力タイミング信号に従った出力タイミングで、各画素に対応した第1~第kの画素駆動電圧を出力する。
【0016】
これにより、表示パネルを複数の表示ドライバで駆動するにあたり、表示ドライバ毎に、第1及び第2の出力チャネル各々での出力タイミングを指定することで、単位遅延時間を短くすることなく、互いに隣接する表示ドライバ同士の境界部での出力タイミングの遅延時間差を小さくする調整が可能となる。
【0017】
よって、本発明によれば、表示パネルを複数の表示ドライバで駆動するにあたり、回路規模の増大を招くことなく、且つ表示ムラを抑えた出力タイミング調整を容易に行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に係る表示ドライバを含む表示装置100の概略構成を示すブロック図である。
【
図2】ドライバIC4aの内部構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】右方向遅延シフト信号R1~Rkに基づく遅延特性DR、及び左方向遅延シフト信号L1~Lkに基づく3系統の遅延特性DL1~DL3の例を表す図である。
【
図4A】Rシフトモードでの出力タイミング遅延特性を表す図である。
【
図4B】Lシフトモードでの出力タイミング遅延特性を表す図である。
【
図4C】Vシフトモードでの出力タイミング遅延特性を表す図である。
【
図5】スタートタイミング設定データTA1及びTA2の指定によって調整された出力タイミングの遅延形態の一例を示す図である。
【
図6】スタートタイミング設定データTA1及びTA2によって調整されたドライバIC4a及びIC4b各々での出力タイミングの遅延形態の一例を示す図である。
【
図7】右方向遅延生成部411、左方向遅延生成部412、及び遅延選択部413の内部構成の一例を示す回路図である。
【
図8】右方向遅延生成部411、左方向遅延生成部412、及び遅延選択部413の動作の一例を表すタイムチャートである。
【
図9】右方向遅延生成部411、及び左方向遅延生成部412の内部構成の他の一例を示す回路図である。
【
図10】遅延選択部413の内部構成の一例を示す回路図である。
【
図11】遅延選択部413の内部構成の他の一例を示す回路図である。
【
図12】右方向遅延生成部411、左方向遅延生成部412、及び遅延選択部413の機能を簡略化した構成で実現する回路を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明に係る表示ドライバを含む表示装置100の概略構成を示す図である。
図1に示すように、かかる表示装置100は、駆動制御部20、ゲートドライバ30A及び30B、ソースドライバ40及び表示パネル10を含む。尚、ソースドライバ40は、夫々が同一構成を有する複数の半導体IC(Integrated Circuit)チップから構成される。例えば
図1に示す実施例では、ソースドライバ40は、夫々が、ソースドライバ40のn個(nは2以上の自然数)の出力チャネルを5分割したk個(kは2以上の整数)の出力チャネルを有する5つのドライバIC4a~4eから構成される。
【0021】
表示パネル10は、例えば液晶又は有機ELパネル等からなる。表示パネル10には、夫々が2次元画面の水平方向に伸張するm個(mは2以上の整数)の水平走査ラインS1~Smと、夫々が2次元画面の垂直方向に伸張するn個のデータラインD1~Dnとを含む。ゲートライン及びソースラインの各交叉部には、画素を担う表示セルが形成されている。
【0022】
駆動制御部20は、表示対象とする映像信号を受け、この映像信号中から水平同期信号及び垂直同期信号を抽出し、水平同期信号をゲートドライバ30A及び30Bに供給する。
【0023】
また、駆動制御部20は、かかる映像信号に基づき、画素毎にその画素の輝度レベルを例えば8ビットで表す画素データPDの系列を生成する。
【0024】
更に、駆動制御部20は、画素データPDの系列及び基準クロック信号CLKと共に、以下の遅延シフト量設定データSA1及びSA2、スタートタイミング設定データTA1及びTA2、及び同期信号CSを含む映像データ信号DVSを、ソースドライバ40に供給する。
【0025】
同期信号CSは、例えば水平同期信号からなる。
【0026】
遅延シフト量設定データSA1は、第1の出力チャネルから第kの出力チャネルに向けて(右方向とも称する)、出力タイミングに施す遅延を段階的に増加してゆく際の単位遅延時間を、ドライバIC4a~4e毎に指定するデータである。
【0027】
遅延シフト量設定データSA2は、第kの出力チャネルから第1の出力チャネルに向けて(左方向とも称する)、その出力タイミングに施す遅延を段階的に増加してゆく際の単位遅延時間を、ドライバIC4a~4e毎に指定するデータである。
【0028】
スタートタイミング設定データTA1は、第1の出力チャネルでの出力タイミングを、ドライバIC4a~4e毎に指定するデータである。
【0029】
スタートタイミング設定データTA2は、第kの出力チャネルでの出力タイミングを、ドライバIC4a~4e毎に指定するデータである。
【0030】
ゲートドライバ30Aは、ゲートラインS1~Sm各々の一端に接続されており、ゲートドライバ30Bは、ゲートラインS1~Sm各々の他端に接続されている。ゲートドライバ30A及び30Bは、水平同期信号に同期させてゲートパルスを生成し、これを表示パネル10のゲートラインS1~Smの各々に順次印加する。
【0031】
ソースドライバ40は、上記した映像データ信号DVSに基づき、表示パネル10のソースラインD1~Dnに夫々対応したn個の画素駆動電圧G1~Gnを生成して、ソースラインD1~Dnに出力する。
【0032】
ここで、ソースドライバ40を構成するドライバIC4aは、表示パネル10のソースラインD1~Dnのうちのk個のソースラインD1~Dkに夫々対応した画素駆動電圧G1~Gkを生成し、夫々をソースラインD1~Dkに出力する。ドライバIC4bは、ソースラインD1~Dnのうちのk個のソースラインDk+1~Dr(rは2・k)に夫々対応した画素駆動電圧Gk+1~Grを生成し、夫々をソースラインDk+1~Drに出力する。ドライバIC4cは、ソースラインD1~Dnのうちのk個のソースラインDr+1~Dy(yは3・k)に夫々対応した画素駆動電圧Gr+1~Gyを生成し、夫々をソースラインDr+1~Dyに出力する。ドライバIC4dは、ソースラインD1~Dnのうちのk個のソースラインDy+1~Dq(qは4・k)に夫々対応した画素駆動電圧Gy+1~Gqを生成し、夫々をソースラインDy+1~Dqに出力する。ドライバIC4eは、ソースラインD1~Dnのうちのk個のソースラインDq+1~Dnに夫々対応した画素駆動電圧Gq+1~Gnを生成し、夫々をソースラインDq+1~Dnに出力する。
【0033】
図2は、ドライバIC4a~4eのうちから、ドライバIC4aを抜粋してソースドライバの内部構成を示すブロック図である。
【0034】
図2に示すように、ドライバIC4aは、受信部40、出力タイミング制御部41、データラッチ部42、及びDA増幅出力部43を含む。
【0035】
受信部40は、映像データ信号DVSを受け、当該映像データ信号DVSから画素データPDの系列、遅延シフト量設定データSA1及びSA2、スタートタイミング設定データTA1及びTA2、及び同期信号CSを抽出する。受信部40は、抽出した遅延シフト量設定データSA1及びSA2、スタートタイミング設定データTA1及びTA2、及び同期信号CSを出力タイミング制御部41に供給すると共に、抽出した画素データPDの系列をデータラッチ部42に供給する。
【0036】
出力タイミング制御部41は、上記した同期信号CS及び基準クロック信号CLKと共に、遅延シフト量設定データSA1及びSA2、並びにスタートタイミング設定データTA1及びTA2からなる出力遅延制御データを受ける。
【0037】
出力タイミング制御部41は、これら同期信号CS、基準クロック信号CLK及び出力遅延制御データ(SA1、SA2、TA1、TA2)に基づき、第1~第kの出力チャネル各々の出力タイミングを示す出力タイミング信号NC1~NCkを生成する。すなわち、出力タイミング制御部41は、各出力チャネルでの出力タイミングを遅延させるにあたり出力チャネル毎にその遅延時間を変化させた出力タイミング信号NC1~NCkを生成する。出力タイミング制御部41は、生成した出力タイミング信号NC1~NCkをデータラッチ部42に供給する。
【0038】
データラッチ部42は、受信部40から供給された画素データPDの系列中の連続するk個の画素データPDをラッチし夫々を画素データV1~Vkとして、出力タイミング信号NC1~NCkにて示される各出力タイミングでDA増幅出力部43に出力する。
【0039】
DA増幅出力部43は、画素データV1~Vkを、夫々が表す輝度レベルに対応したアナログの電圧値を有するk個の階調電圧に変換し、これらk個の階調電圧を個別に増幅したものを画素駆動電圧G1~Gkとして出力する。
【0040】
これにより、ドライバIC4aは、出力遅延制御データ(SA1、SA2、TA1、TA2)に基づき、出力チャネル毎にその遅延時間を変化させた出力タイミングで画素駆動電圧G1~Gkを出力する。ドライバIC4aから出力された画素駆動電圧G1~Gkは、表示パネル10のソースラインD1~Dkに印加される。
【0041】
尚、出力タイミング制御部41は、
図2に示すように、制御信号生成部410、右方向遅延生成部411、左方向遅延生成部412、及び遅延選択部413を含む。
【0042】
制御信号生成部410は、出力遅延制御データ(SA1、SA2、TA1、TA2)に基づき、基準クロック信号CLK及び同期信号CSに同期したタイミングで、右方向遅延生成部411及び左方向遅延生成部412を制御する各種制御信号を生成する。更に、制御信号生成部410は、同期信号CSに同期したタイミングで遅延選択部413を制御する制御信号を生成する。
【0043】
右方向遅延生成部411は、第1の出力チャネルから第kの出力チャネルに向けて、出力チャネル毎に、単位遅延時間ずつ遅れて単一の遅延パルス信号が現れる右方向遅延シフト信号R1~Rkを生成する。
【0044】
具体的には、右方向遅延生成部411は、同期信号CS(水平同期信号)を基点とした、スタートタイミング設定データTA1にて指定された出力タイミングで遅延パルス信号が現れる右方向遅延シフト信号R1を生成する。そして、右方向遅延生成部411は、第1の出力チャネルから第kの出力チャネルに向けて出力チャネル毎に、遅延シフト量設定データSA1にて指定された単位遅延時間ずつ遅れて遅延パルス信号が現れる右方向遅延シフト信号R2~Rkを生成する。
【0045】
右方向遅延生成部411は、上記したように生成した右方向遅延シフト信号R1~Rkを遅延選択部413に供給する。
【0046】
左方向遅延生成部412は、制御信号生成部410から供給された各種制御信号に基づき、第kの出力チャネルから第1の出力チャネルに向けて、出力チャネル毎に、単位遅延時間ずつ遅れて単一の遅延パルス信号が現れる左方向遅延シフト信号L1~Lkを生成する。
【0047】
具体的には左方向遅延生成部412は、同期信号CS(水平同期信号)を基点とした、スタートタイミング設定データTA2にて指定された出力タイミングで遅延パルス信号が現れる左方向遅延シフト信号Lkを生成する。そして、左方向遅延生成部412は、第kの出力チャネルから第1の出力チャネルに向けて、出力チャネル毎に、遅延シフト量設定データSA2にて指定された単位遅延時間ずつ遅れて遅延パルス信号が現れる左方向遅延シフト信号Lk-1~L1を生成する。
【0048】
左方向遅延生成部412は、上記したように生成した左方向遅延シフト信号L1~Lkを遅延選択部413に供給する。
【0049】
遅延選択部413は、各出力チャネル毎に同一の出力チャネルに対応したもの同士で、右方向遅延シフト信号(R1~Rk)及び左方向遅延シフト信号(L1~Lk)のうちから、遅延パルス信号が現れるタイミングが早い方を選択する。そして、遅延選択部413は、第1~第kの出力チャネル毎に、上記したように選択した方の信号を、出力タイミング信号NC1~NCkとしてデータラッチ部42に供給する。
【0050】
例えば、遅延選択部413は、第1の出力チャネルに対応した右方向遅延シフト信号R1及び左方向遅延シフト信号L1のうちで、右方向遅延シフト信号R1の方が遅延パルス信号の現れるタイミングが早い場合には、右方向遅延シフト信号R1を選択する。この際、遅延選択部413は、選択した右方向遅延シフト信号R1を出力タイミング信号NC1としてデータラッチ部42に供給する。また、遅延選択部413は、第2の出力チャネルに対応した右方向遅延シフト信号R2及び左方向遅延シフト信号L2のうちで、左方向遅延シフト信号L2の方が遅延パルス信号の現れるタイミングが早い場合には、左方向遅延シフト信号L2を選択する。この際、遅延選択部413は、選択した左方向遅延シフト信号L2を出力タイミング信号NC2としてデータラッチ部42に供給する。
【0051】
図3は、右方向遅延シフト信号R1~Rkに基づく遅延パルスの遅延特性DRの一例と、左方向遅延シフト信号L1~Lkに基づく遅延パルスの遅延特性として3系統の遅延特性DL1~DL3の例を表す図である。
【0052】
遅延特性DL1は、遅延特性DRにおける第kの出力チャネルの出力タイミングより遅いタイミングをスタートタイミング設定データTA2で指定した場合に得られる特性である。この際、遅延特性DRに対応した右方向遅延シフト信号R(t)(tは1~kの整数)は、遅延特性DL1に対応した左方向遅延シフト信号L(t)よりも遅延パルスが現れるタイミングが早い。
【0053】
よって、遅延特性DRに対応した右方向遅延シフト信号R1~Rk、及び遅延特性DL1に対応した左方向遅延シフト信号L1~Lkを受けた場合、遅延選択部413は、右方向遅延シフト信号R1~Rkを選択し、夫々を出力タイミング信号NC1~NCkとして出力する。当該出力タイミング信号NC1~NCkによれば、
図4Aに示すように、第1の出力チャネルから第kの出力チャネルに向けて出力タイミングの遅延時間が増加する出力タイミング遅延特性(Rシフトモード)に沿って、第1~第kの出力チャネルに夫々対応した画素駆動電圧G1~Gnが出力される。
【0054】
遅延特性DL2は、第1の出力チャネルに対応した出力タイミングが、スタートタイミング設定データTA1にて指定した出力タイミングより早くなるように、スタートタイミング設定データTA2を設定した場合に得られる特性である。この際、遅延特性DL2に対応した左方向遅延シフト信号L(t)(tは1~kの整数)は、遅延特性DRに対応した右方向遅延シフト信号R(t)よりも遅延パルスが現れるタイミングが早い。
【0055】
よって、遅延特性DRに対応した右方向遅延シフト信号R1~Rk、及び遅延特性DL2に対応した左方向遅延シフト信号L1~Lkを受けた場合、遅延選択部413は、左方向遅延シフト信号L1~Lkを選択し、夫々を出力タイミング信号NC1~NCkとして出力する。当該出力タイミング信号NC1~NCkによれば、
図4Bに示すように、第kの出力チャネルから第1の出力チャネルに向けて出力タイミングの遅延時間が増加する出力タイミング遅延特性(Lシフトモード)に沿って、第1~第kの出力チャネルに夫々対応した画素駆動電圧G1~Gnが出力される。
【0056】
遅延特性DL3は、左方向遅延シフト信号L1が右方向遅延シフト信号R1よりも遅く、且つ左方向遅延シフト信号Lkが右方向遅延シフト信号Rkよりも早くなるような、スタートタイミング設定データTA2を指定した場合に得られる特性である。
【0057】
図3に示すように、遅延特性DRに沿った第1~第w(wは2~k-1の範囲内の整数)の出力チャネルに対応した右方向遅延シフト信号R(u)(uは1~wの整数)は、遅延特性DL3に沿った第1~第wの出力チャネルでの左方向遅延シフト信号L(u)よりも、遅延パルス信号が現れるタイミングが早い。また、遅延特性DL3に沿った第w+1~第kの出力チャネルでの左方向遅延シフト信号L(x)(xはw+1~kの整数)は、遅延特性DRに沿った第w+1~第kの出力チャネルでの右方向遅延シフト信号R(x)よりも、遅延パルス信号が現れるタイミングが早い。
【0058】
よって、遅延選択部413は、左方向遅延シフト信号L1~Lk及び右方向遅延シフト信号R1~Rkのうちから、右方向遅延シフト信号R1~Rw及び左方向遅延シフト信号Lw+1~Lkを選択し、これらを出力タイミング信号NC1~NCkとして出力する。当該出力タイミング信号NC1~NCkによれば、
図4Cに示すように、第wの出力チャネルを境に出力タイミングに施される遅延時間の変化傾向が増加から低下に切り替わる出力タイミング遅延特性(Vシフトモード)に沿って、第1~第kの出力チャネルに夫々対応した画素駆動電圧G1~Gnが出力される。
【0059】
尚、当該Vシフトモードでは、スタートタイミング設定データTA2の指定により、上記した単位遅延時間を変更することなく、第kの出力チャネルでの出力タイミングを調整することができる。
【0060】
図5は、スタートタイミング設定データTA1及びTA2の指定によって調整された出力タイミングの遅延形態の一例を示す図である。
【0061】
図5に示すように、スタートタイミング設定データTA2にて指定する第kの出力チャネルでの出力タイミングを「a」とした場合、第kの出力チャネルでの出力タイミングは、第1の出力チャネルでの出力タイミングよりも遅延時間taだけ遅くなる。また、
図5に示すように、スタートタイミング設定データTA2によって指定する第kの出力チャネルでの出力タイミングを「a」よりも遅い「b」とした場合、第kの出力チャネルでの出力タイミングは、第1の出力チャネルでの出力タイミングよりも遅延時間tb(ta<tb)だけ遅くなる。この際、
図5に示すように、第1の出力チャネルから第kの出力チャネルに向けて各出力タイミングに施される遅延時間が増加する傾向から低下する傾向に切り替わる境界となる出力チャネルは、第kの出力チャネルでの遅延時間が長くなるほど、第kの出力チャネル側に近づく。
【0062】
図6は、
図1に示すドライバIC4a~IC4eのうちから互いに隣接して配置されているドライバIC4a及IC4bを抜粋して、スタートタイミング設定データTA1及びTA2によって調整された出力タイミングの遅延形態の一例を表す図である。
【0063】
図6に示す一例では、ドライバIC4aには、第1の出力チャネルでの出力タイミングとして「a1」を指定するスタートタイミング設定データTA1、及び第kの出力チャネルでの出力タイミングとして「a2」を指定するスタートタイミング設定データTA2を供給する。一方、当該ドライバIC4aに隣接して配置されているドライバIC4bには、第1の出力チャネルでの出力タイミングとして「a2」、又は「a2」近傍の値を指定するスタートタイミング設定データTA1を供給する。
【0064】
よって、出力タイミング制御部41によれば、スタートタイミング設定データTA1及びTA2を指定することで、単位遅延時間を短くすることなく、互いに隣接するドライバIC(ソースドライバ)同士の隣り合う出力チャネル間での出力タイミングの遅延時間差を小さくする調整を行うことが可能となる。
【0065】
したがって、本発明によれば、回路規模の増大を招くことなく、且つ表示ムラを抑えた出力タイミングの調整を容易に行えるようになる。
【0066】
以下に、
図2に示す出力タイミング制御部41に含まれる右方向遅延生成部411、左方向遅延生成部412、及び遅延選択部413の具体的な構成について説明する。
【0067】
図7は、右方向遅延生成部411、左方向遅延生成部412、及び遅延選択部413の内部構成の一例を示す回路図である。
【0068】
尚、
図7に示す構成を採用する場合、制御信号生成部410は、出力遅延制御データ(SA1、SA2、TA1、TA2)、基準クロック信号CLK及び同期信号CSに基づき、以下の遅延パルス信号LDR、遅延パルス信号LDL、リセット信号RST、クロック信号CLK1及びCLK2を生成する。
【0069】
つまり、制御信号生成部410は、遅延シフト量設定データSA1にて指定された単位遅延時間を1周期とする
図8に示すようなクロック信号CLK1を基準クロック信号CLKを用いて生成する。また、制御信号生成部410は、遅延シフト量設定データSA2にて指定された単位遅延時間を1周期とする
図8に示すようなクロック信号CLK2を、基準クロック信号CLKを用いて生成する。
【0070】
尚、
図8に示す一例では、クロック信号CLK1及びCLK2の周期が同一となっているが、遅延シフト量設定データSA1およびSA2で指定された単位遅延時間が互いに異なる場合には、クロック信号CLK1及びCLK2の周期も互いに異なるものとなる。
【0071】
また、制御信号生成部410は、同期信号CS(水平同期信号)に応じて、
図8に示すような単一パルスのリセット信号RSTを生成する。
【0072】
また、制御信号生成部410は、
図8に示すリセット信号RSTの立ち上がりエッジ部のタイミングを基点とした、スタートタイミング設定データTA1にて指定された出力タイミングにて、
図8に示すような単一パルスの遅延パルス信号LDRを生成する。
【0073】
更に、制御信号生成部410は、
図8に示すリセット信号RSTの立ち上がりエッジ部のタイミングを基点とした、スタートタイミング設定データTA2にて指定された出力タイミングにて、
図8に示すような単一パルスの遅延パルス信号LDLを生成する。
【0074】
制御信号生成部410は、クロック信号CLK1及び遅延パルス信号LDRを右方向遅延生成部411に供給し、クロック信号CLK2及び遅延パルス信号LDLを左方向遅延生成部412に供給する。また、制御信号生成部410は、リセット信号RSTを遅延選択部413に供給する。
【0075】
右方向遅延生成部411は、第1~第kの出力チャネルに夫々対応した第1~第kの遅延回路としてのフリップフロップDF1~DFkが、
図7に示すように第1~第kの並びで縦続に接続されたシフトレジスタからなる。フリップフロップDF1~DFkは、夫々のクロック端子でクロック信号CLK1を受ける。フリップフロップDF1は、
図8に示す単一パルスの遅延パルス信号LDRを受け、これをクロック信号CLK1のタイミングで出力して次段のフリップフロップDF2に供給する。同様にして、フリップフロップDF2~DFkの各々は、前段のフリップフロップDFが出力した遅延パルス信号LDRを、クロック信号CLK1のタイミングで次段のフリップフロップDFに供給する。
【0076】
右方向遅延生成部411では、フリップフロップDF1~DFkの各々から出力された出力信号を右方向遅延シフト信号R1~Rkとして、遅延選択部413に供給する。
【0077】
左方向遅延生成部412は、第1~第kの出力チャネルに夫々対応した第1~第kの遅延回路としてのフリップフロップDF11~DF1kが
図7に示すように第k~第1の並びで縦続に接続されたシフトレジスタからなる。フリップフロップDF1k~DF11は、夫々のクロック端子でクロック信号CLK2を受ける。フリップフロップDF1kは、
図8に示す単一パルスの遅延パルス信号LDLを受け、これをクロック信号CLK2のタイミングで出力して次段のフリップフロップDF1k-1に供給する。同様にして、フリップフロップDF1k-1~DF11の各々は、前段のフリップフロップDFが出力した遅延パルス信号LDLを、クロック信号CLK2のタイミングで次段のフリップフロップDFに供給する。
【0078】
左方向遅延生成部412では、フリップフロップDF11~DF1kの各々から出力された出力信号を左方向遅延シフト信号L1~Lkとして、遅延選択部413に供給する。
【0079】
遅延選択部413は、第1~第kの出力チャネルに夫々対応して設けられた遅延選択回路SE1~SEkを有する。遅延選択回路SE1~SEkの各々は同一の回路構成からなり、夫々がリセット信号RSTを受ける。更に、遅延選択回路SE1~SEkの各々は、自身の出力チャネルに対応した一対の右方向遅延シフト信号R(f)(fは1~kの整数)及び左方向遅延シフト信号L(f)を受ける。例えば、
図8に示すように、遅延選択回路SE1は、右方向遅延シフト信号R1及び左方向遅延シフト信号L1を受ける。また、遅延選択回路SE2は、右方向遅延シフト信号R2及び左方向遅延シフト信号L2を受ける。
【0080】
遅延選択回路SE1~SEkは、
図8に示すように、リセット信号RSTの立ち上がりエッジ部のタイミングで一斉に、夫々が出力する出力タイミング信号NC1~NCkを、論理レベル0から論理レベル1の状態にリセットする。その後、遅延選択回路SE1~SEkの各々は、自身が受けた右方向遅延シフト信号R(f)及び左方向遅延シフト信号L(f)のうちで、遅延パルス信号が現れるタイミングが早い方のタイミングで、出力タイミング信号NC(f)を論理レベル0に遷移させる。
【0081】
例えば、
図8に示す一例では、右方向遅延シフト信号R1及び左方向遅延シフト信号L1では、右方向遅延シフト信号R1の方が、遅延パルス信号の現れるタイミングが早い。よって、これら一対の右方向遅延シフト信号R1及び左方向遅延シフト信号L1を受ける遅延選択回路SE1は、
図8に示すように、右方向遅延シフト信号R1を選択しその立ち上がりエッジ部のタイミングで、出力タイミング信号NC1を論理レベル1から論理レベル0の状態に遷移させる。
【0082】
尚、右方向遅延生成部411、左方向遅延生成部412、及び遅延選択部413として
図7に示す回路構成を採用した場合、
図8に示す出力タイミング信号NC1~NCk各々の立下りエッジ部の時点が出力タイミングとなる。これにより、データラッチ部42は、ラッチしたk個の画素データPDを、出力タイミング信号NC1~NCk各々のリアエッジ部のタイミングで出力する。
【0083】
図9は、右方向遅延生成部411、及び左方向遅延生成部412の内部構成の他の一例を示す回路図である。尚、
図9において遅延選択部413の内部構成については
図7に示すものと同一であるので、その説明は省略する。
【0084】
図9に示す構成では、右方向遅延生成部411の遅延回路として採用した
図7に示すフリップフロップDF1~DFkに代えて、互いに縦続に接続されている一対のインバータ素子からなるインバータ回路IV1~IVkを採用している。また、左方向遅延生成部412の遅延回路として、
図7に示すフリップフロップDF1k~DF11に代えて、縦続した2段のインバータからなるインバータ回路IV1k~IV11を採用している。尚、インバータ回路IV1~IVk及びIV1k~IV11の各々は、入力信号を受けてから出力が為されるまでに掛かる素子遅延時間が遅延制御信号によって変更可能な遅延可変素子である。
【0085】
また、制御信号生成部410は、クロック信号CLK1に代えて、遅延シフト量設定データSA1にて指定された単位遅延時間を示す遅延制御信号DC1をインバータ回路IV1~IVkに供給する。これにより、インバータ回路IV1~IVkの各々は、前段から供給された遅延パルス信号LDRを、遅延制御信号DC1にて示される遅延時間だけ遅延させて次段のインバータ回路に出力する。
【0086】
また、制御信号生成部410は、クロック信号CLK2に代えて、遅延シフト量設定データSA2にて指定された単位遅延時間を示す遅延制御信号DC2をインバータ回路IV1k~IV11に供給する。これにより、インバータ回路IV1k~IV11の各々は、前段から供給された遅延パルス信号LDLを、遅延制御信号DC2にて示される遅延時間だけ遅延させて次段のインバータ回路に出力する。
【0087】
図10は、
図8に示す動作を実現する、
図7又は
図9に示される遅延選択回路SE1~SEkの内部構成の一例を示す回路図である。
【0088】
図10に示すように、遅延選択回路SE1~SEkの各々は、同一の構成、つまりオアゲート51及びRSフリップフロップ52を含む。
【0089】
オアゲート51は、同一の出力チャネルに対応した一対の右方向遅延シフト信号R(f)(fは1~kの整数)及び左方向遅延シフト信号L(f)を受け、両者の論理和の結果をRSフリップフロップ52のリセット端子に供給する。尚、オアゲート51は、右方向遅延シフト信号R(f)及び左方向遅延シフト信号L(f)のうちの少なくとも一方が論理レベル1を表す場合に、リセットを促す論理レベル1の信号をRSフリップフロップ52のリセット端子に供給する。
【0090】
また、RSフリップフロップ52は、自身のセット端子でリセット信号RSTを受ける。RSフリップフロップ52は、自身のセット端子に論理レベル1のリセット信号RSTを受けた場合にセット状態となり、論理レベル1の信号を出力する。一方、自身のリセット端子に論理レベル1の信号を受けた場合にはリセット状態となり、論理レべル0の信号を出力する。
【0091】
遅延選択回路SE1~SEkは、夫々のRSフリップフロップ52から出力された信号を出力タイミング信号NC1~NCkとしてデータラッチ部42に出力する。
【0092】
なお、
図10に示す一例では、オアゲート51の論理和結果、つまりオアゲートの出力をRSフリップフロップ52のリセット端子に供給し、リセット信号RSTをRSフリップフロップ52のセット端子に供給しているが、オアゲートの出力をセット端子に供給し、リセット信号RSTをリセット端子に供給するようにしても良い。この際、出力タイミング信号NC1~NCk各々の立ち上がりエッジ部の時点が出力タイミングとなる。要するに、オアゲートの出力をRSフリップフロップ52のリセット端子及びセット端子のうちの一方に供給し、リセット信号RSTをRSフリップフロップ52のリセット端子及びセット端子のうちの他方に供給する構成であれば良いのである。
【0093】
図11は、
図8に示す動作を実現する、
図7又は
図9に示される遅延選択回路SE1~SEkの内部構成の他の一例を示す回路図である。
【0094】
尚、遅延選択回路SE1~SEkの各々として
図11に示す回路構成を採用するにあたり、制御信号生成部410は、
図8に示すリセット信号RSTに代えて、当該リセット信号RSTの論理レベルを反転させた反転リセット信号XRSTを生成する。
【0095】
図11に示すように、遅延選択回路SE1~SEkの各々は、同一の構成、つまりpチャネルMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のトランジスタQ1、nチャネルMOS型のトランジスタQ2及びQ3を含む。
【0096】
トランジスタQ1は、自身のゲートで
図8に示す反転リセット信号XRSTを受ける。トランジスタQ1は、この反転リセット信号XRSTが論理レベル0の状態にある間に亘りオン状態となり、電源電圧VDDに基づく電流をノードn1に送出することで当該ノードn1に電荷を蓄積させる(プリチャージ)。トランジスタQ1は、かかるプリチャージにより当該ノードn1の電圧を上昇させて論理レベル1の状態に到らせる。
【0097】
トランジスタQ2は、自身のゲートで、同一の出力チャネルに対応した一対の右方向遅延シフト信号R(f)(fは1~kの整数)及び左方向遅延シフト信号L(f)のうちの右方向遅延シフト信号R(f)を受ける。トランジスタQ2は、右方向遅延シフト信号R(f)が論理レベル1の状態にある間に亘り、オン状態となり、ノードn1に蓄積された電荷を放電させる(ディスチャージ)。これにより、トランジスタQ2は、当該ノードn1を論理レベル0の状態に到らせる。
【0098】
トランジスタQ3は、自身のゲートで、同一の出力チャネルに対応した一対の右方向遅延シフト信号R(f)及び左方向遅延シフト信号L(f)のうちの左方向遅延シフト信号L(f)を受ける。トランジスタQ3は、左方向遅延シフト信号L(f)が論理レベル1の状態にある間に亘り、オン状態となり、ノードn1に蓄積された電荷を放電させる(ディスチャージ)。これにより、トランジスタQ3は、当該ノードn1を論理レベル0の状態に到らせる。
【0099】
遅延選択回路SE1~SEkは、夫々のノードn1の電圧を出力タイミング信号NC1~NCkとしてデータラッチ部42に出力する。
【0100】
図11に示す構成では、
図8に示す反転リセット信号XRSTが論理レベル0となっている間、遅延選択回路SE1~SEk各々のノードn1がトランジスタQ1によってプリチャージされてノードn1が論理レベル1の状態に設定される。これにより、夫々がノードn1の状態に対応した出力タイミング信号NC1~NCkについても、
図8に示すように、一斉に論理レベル1の状態に設定される。その後、右方向遅延シフト信号R(f)及び左方向遅延シフト信号L(f)のうちで、先に論理レベル1の状態になった方で、トランジスタQ2又はQ3がノードn1に蓄積された電荷をディスチャージする。これにより、出力タイミング信号NCが論理レベル1から論理レベル0の状態に遷移する。
【0101】
例えば、
図8に示すように、第1の出力チャネルに対応した右方向遅延シフト信号R1及び左方向遅延シフト信号L1のうちでは、右方向遅延シフト信号R1が先に論理レベル1の状態に遷移する。よって、
図8に示すように、右方向遅延シフト信号R1の立ち上がりエッジ部のタイミングで、遅延選択回路SE1のトランジスタQ2がノードn1をディスチャージすることで、
図8に示すように、遅延選択回路SE1の出力である出力タイミング信号NC1が論理レベル0の状態に遷移する。
【0102】
図12は、
図2に示す右方向遅延生成部411、左方向遅延生成部412及び遅延選択部413による機能を簡略化した構成で実現する回路を示す回路図である。
【0103】
図12に示す回路は、第1~第kの出力チャネルに夫々対応した、夫々同一の回路構成からなる回路ブロックBC1~BCkを有する。
【0104】
回路ブロックBC1~BCkの各々は、インバータIT、pチャネルMOS型のトランジスタU1、nチャネルMOS型のトランジスタU2及びU3を含む。
【0105】
回路ブロックBC1~BCk各々のトランジスタU1は、自身のゲートで
図8に示す反転リセット信号XRSTを受ける。トランジスタU1は、この反転リセット信号XRSTが論理レベル0の状態にある間に亘りオン状態となり、電源電圧VDDに基づく電流をノードndに送出し、当該ノードndに電荷を蓄積させる(プリチャージ)。トランジスタU1は、かかるプリチャージにより当該ノードndの電圧を上昇させて論理レベル1の状態に到らせる。
【0106】
回路ブロックBC1~BCkのうちで、第kの出力チャネルに対応した回路ブロックBCkを除く各回路ブロックBCのトランジスタU2は、自身のゲートで、次段の出力チャネルに対応した回路ブロックBCから出力された反転出力タイミング信号を受ける。トランジスタU2は、当該反転出力タイミング信号が論理レベル1の状態にある間に亘り、オン状態となり、ノードndに蓄積された電荷を放電させる(ディスチャージ)。これにより、トランジスタU2は、当該ノードndを論理レベル0の状態に到らせる。
【0107】
第kの出力チャネルに対応した回路ブロックBCkのトランジスタU2は、自身のゲートで、スタートタイミング設定データTA2に基づく遅延パルス信号LDLを受ける。回路ブロックBCkのトランジスタU2は、遅延パルス信号LDLが論理レベル1の状態にある間に亘り、オン状態となり、ノードndに蓄積された電荷を放電させる(ディスチャージ)。これにより、当該トランジスタU2は、当該ノードndを論理レベル0の状態に到らせる。
【0108】
回路ブロックBC1~BCkのうちで、第1の出力チャネルに対応した回路ブロックBC1のトランジスタU3は、自身のゲートで、スタートタイミング設定データTA1に基づく遅延パルス信号LDRを受ける。回路ブロックBC1のトランジスタU3は、遅延パルス信号LDRが論理レベル1の状態にある間に亘り、オン状態となり、ノードndに蓄積された電荷を放電させる(ディスチャージ)。これにより、回路ブロックBC1のトランジスタU3は、当該ノードndを論理レベル0の状態に到らせる。
【0109】
回路ブロックBC1のインバータITは、ノードndの論理レベルを反転させた信号を上記した反転出力タイミング信号として次段の回路ブロックBC1のトランジスタU3のゲートに供給する。
【0110】
回路ブロックBC1~BCkのうちのBC2~BCk-1各々のインバータITは、ノードndの論理レベルを反転させた信号を上記した反転出力タイミング信号として、次段の回路ブロックBC各々のトランジスタU3及び前段の回路ブロックBC各々のトランジスタU2のゲートに供給する。
【0111】
回路ブロックBCkのインバータITは、ノードndの論理レベルを反転させた信号を上記した反転出力タイミング信号として、前段の回路ブロックBCk-1のトランジスタU2のゲートに供給する。
【0112】
回路ブロックBC2~BCk各々のトランジスタU3は、前段の回路ブロックBCから出力された反転出力タイミング信号を受け、当該反転出力タイミング信号が論理レベル1の状態にある間に亘り、オン状態となり、ノードndに蓄積された電荷を放電させる(ディスチャージ)。これにより、回路ブロックBC2~BCk各々のトランジスタU3は、当該ノードndを論理レベル0の状態に到らせる。
【0113】
回路ブロックBC1~BCkは、夫々のノードndの電圧を出力タイミング信号NC1~NCkとしてデータラッチ部42に出力する。
【0114】
図12に示す構成では、
図8に示すように、先ず、論理レベル0の反転リセット信号XRSTに応じて、回路ブロックBC1~BCk各々のトランジスタU1がノードndをプリチャージする。これにより、
図8に示すように、出力タイミング信号NC1~NCkが一斉に論理レベル1の状態となる。
【0115】
引き続き、
図8に示す遅延パルス信号LDRが回路ブロックBC1のトランジスタU3のゲートに供給されると、回路ブロックBC1のノードndがディスチャージされ、
図8に示すように出力タイミング信号NC1が論理レベル0に遷移する。これにより、回路ブロックBC1のインバータITが論理レベル1の反転出力タイミング信号を次段の回路ブロックBC2のトランジスタU3のゲートに供給する。すると、回路ブロックBC2のトランジスタU3により、当該回路ブロックBC2のノードndがディスチャージされ、
図8に示すように出力タイミング信号NC2が論理レベル0に遷移する。
【0116】
また、この間に
図8に示す遅延パルス信号LDLが回路ブロックBCkのトランジスタU2のゲートに供給されると、回路ブロックBCkのノードndがディスチャージされ、
図8に示すように、出力タイミング信号NCkが論理レベル0に遷移する。これにより、回路ブロックBCkのインバータITが論理レベル1の反転出力タイミング信号を前段の回路ブロックBCk-1のトランジスタU2のゲートに供給する。すると、回路ブロックBCk-1のトランジスタU2により、当該回路ブロックBCk-1のノードndがディスチャージされ、
図8に示すように出力タイミング信号NCk-1が論理レベル0に遷移する。
【0117】
このように、右方向遅延生成部411、左方向遅延生成部412及び遅延選択部413として、
図12に示す構成を採用した場合にも、
図3~
図6及び
図8に示す動作を実現することができる。
【0118】
尚、
図2に示す一例では、データラッチ部42でラッチされたk個の画素データPDを出力タイミングNC1~NCkの出力タイミングで出力することで、画素駆動電圧G1~Gkの各出力チャネル毎の出力タイミングを調整しているが、出力タイミングNC1~NCkの出力タイミングで画素駆動電圧G1~Gkを出力するようにしても良い。
【0119】
要するに、本発明に係る表示ドライバ(例えば4a~4e)としては、以下の出力タイミング制御部及び出力部を有するものであれば良い。
【0120】
出力タイミング制御部(41)は、第1~第kの出力チャネル各々での出力タイミングを示す第1~第kの出力タイミング信号(NC1~NCk)を生成する。出力部(42、43)は、第1~第kの出力タイミング信号の各々で示される出力タイミングで第1~第kの画素駆動電圧(G1~Gk)を夫々出力する。
【0121】
尚、出力タイミング制御部(41)は、以下の制御信号生成部、第1及び第2の遅延生成部、及び遅延選択部を含む。
【0122】
制御信号生成部は、第1及び第kの出力チャネル各々での出力タイミングの指定(TA1、TA2)を受け、指定された第1の出力チャネルの出力タイミングで第1の遅延パルス信号(LDR)を生成する。更に、指定された第kの出力チャネルの出力タイミングで第2の遅延パルス信号(LDL)を生成する。
【0123】
第1の遅延生成部(411)は、上記した第1の遅延パルス信号を受け、第1の出力チャネルから第kの出力チャネルに向けて出力チャネル毎に単位遅延時間ずつ増加した遅延を経て第1の遅延パルス信号が現れる第1~第kの第1方向遅延シフト信号(R1~Rk)を生成する。
【0124】
第2の遅延生成部(412)は、上記した第2の遅延パルス信号を受け、第kの出力チャネルから第1の出力チャネルに向けて出力チャネル毎に単位遅延時間ずつ増加した遅延を経て第2の遅延パルス信号が現れる第1~第kの第2方向遅延シフト信号(L1~Lk)を生成する。
【0125】
遅延選択部(413)は、第1~第kの出力チャネル毎に、同一の出力チャネルに対応したもの同士で、第1~第kの第1方向遅延シフト信号の各々と、第1~第kの第2方向遅延シフト信号の各々とのうちから、遅延パルス信号が現れるタイミングが早い方を選択し、第1~第kの出力チャネル毎に選択した信号を、第1~第kの出力タイミング信号(NC1~NCk)として出力する。
【符号の説明】
【0126】
10 表示パネル
20 駆動制御部
40 ソースドライバ
41 出力タイミング制御部
42 データラッチ部
410 制御信号生成部
411 右方向遅延生成部
412 左方向遅延生成部
413 遅延選択部