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特許7520001アクリレート系共重合体、該共重合体の製造方法、該共重合体からなる摩擦抑制剤及び該摩擦抑制剤を含有する潤滑油組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】アクリレート系共重合体、該共重合体の製造方法、該共重合体からなる摩擦抑制剤及び該摩擦抑制剤を含有する潤滑油組成物
(51)【国際特許分類】
   C10M 145/14 20060101AFI20240712BHJP
   C08F 220/18 20060101ALI20240712BHJP
   C08F 290/06 20060101ALI20240712BHJP
   C08L 33/06 20060101ALI20240712BHJP
   C08L 55/00 20060101ALI20240712BHJP
   C08L 91/00 20060101ALI20240712BHJP
   C10N 30/06 20060101ALN20240712BHJP
【FI】
C10M145/14
C08F220/18
C08F290/06
C08L33/06
C08L55/00
C08L91/00
C10N30:06
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021524844
(86)(22)【出願日】2020-06-02
(86)【国際出願番号】 JP2020021686
(87)【国際公開番号】W WO2020246445
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】P 2019104091
(32)【優先日】2019-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000387
【氏名又は名称】株式会社ADEKA
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】山本 賢二
(72)【発明者】
【氏名】平松 剛志
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 修平
(72)【発明者】
【氏名】丸茂 和樹
【審査官】宮内 弘剛
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-199631(JP,A)
【文献】特開2012-131963(JP,A)
【文献】特開平02-265999(JP,A)
【文献】特表2014-515046(JP,A)
【文献】特表2014-514387(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0128887(KR,A)
【文献】特開2020-090653(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10M 145/14
C08F
C08K
C08L
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の一般式(1)で表されるアルキルアクリレート系単量体からなる重合性単量体(a)を構成単量体の全モル数に対して10~95モル%、下記の一般式(2)で表されるアルキレングリコールアクリレート系単量体からなる重合性単量体(b)を構成単量体の全モル数に対して5~50モル%、並びに芳香族ビニル系単量体(c-1)及び下記の一般式(3)で表される短鎖アルキルアクリレート系単量体(c-2)からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合性単量体(c)を構成単量体の全モル数に対して0~60モル%で含む構成単量体を重合して得られるアクリレート系共重合体からなる摩擦抑制剤
【化1】
(式中、Rは炭素数4~18のアルキル基を表し、Aは水素原子を表す。)
【化2】
(式中、Rは炭素数2~4のアルキレン基を表し、Rは水素原子又は炭素数1~30のアルキル基を表し、Aは水素原子を表し、nは2~20の数を表す。)
【化3】
(式中、Rは炭素数1~3のアルキル基を表し、Aは水素原子を表す。)
【請求項2】
重合性単量体(c)が、芳香族ビニル系単量体(c-1)として下記の一般式(4)で表される芳香族アクリレート系単量体を含む、請求項1に記載の摩擦抑制剤
【化4】
(式中、Rは炭素数1~4のアルキレン基を表し、Aは水素原子を表す。)
【請求項3】
重合性単量体(b)として、一般式(2)において、Rが水素原子又は炭素数1~6のアルキル基であり、nが6~20であるアルキレングリコールアクリレート系単量体を含む、請求項1又は2に記載の摩擦抑制剤
【請求項4】
芳香族ビニル系単量体(c-1)の構成比率が前記構成単量体の全モル数に対して5~60モル%である、請求項1~3のいずれか1項に記載の摩擦抑制剤
【請求項5】
前記構成単量体中の、アルキレングリコールアクリレート系単量体(b)と芳香族ビニル系単量体(c-1)との構成比率の比が、モル比で10:90~100:0である、請求項1~4のいずれか1項に記載の摩擦抑制剤
【請求項6】
前記構成単量体が、さらに下記の一般式(5)で表されるヒドロキシアルキルアクリレート系単量体を構成単量体の全モル数に対して5~40モル%含有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の摩擦抑制剤
【化5】
(式中、Rは炭素数2~4のアルキレン基を表し、Aは水素原子を表す。)
【請求項7】
下記の一般式(1)で表されるアルキルアクリレート系単量体からなる重合性単量体(a)を構成単量体の全モル数に対して30~95モル%、及び下記の一般式(2)で表されるアルキレングリコールアクリレート系単量体からなる重合性単量体(b)を構成単量体の全モル数に対して5~70モル%で含む構成単量体を、重合して得られるアクリレート系共重合体からなる摩擦抑制剤
【化6】
(式中、Rは炭素数4~18のアルキル基を表し、Aは水素原子を表す。)
【化7】
(式中、Rは炭素数2~4のアルキレン基を表し、Rは水素原子又は炭素数1~30のアルキル基を表し、Aは水素原子を表し、nは2~20の数を表す。)
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の摩擦抑制剤と、基油とを含有する潤滑油組成物。
【請求項9】
下記の一般式(1)で表されるアルキルアクリレート系単量体からなる重合性単量体(a)を構成単量体の全モル数に対して10~95モル%、下記の一般式(2)で表されるアルキレングリコールアクリレート系単量体からなる重合性単量体(b)を構成単量体の全モル数に対して5~50モル%、並びに芳香族ビニル系単量体(c-1)及び下記の一般式(3)で表される短鎖アルキルアクリレート系単量体(c-2)からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合性単量体(c)を構成単量体の全モル数に対して0~60モル%で含む構成単量体を重合することを含む、アクリレート系共重合体からなる摩擦抑制剤の製造方法。
【化8】
(式中、Rは炭素数4~18のアルキル基を表し、Aは水素原子を表す。)
【化9】
(式中、Rは炭素数2~4のアルキレン基を表し、Rは水素原子又は炭素数1~30のアルキル基を表し、Aは水素原子を表し、nは2~20の数を表す。)
【化10】
(式中、Rは炭素数1~3のアルキル基を表し、Aは水素原子を表す。)
【請求項10】
基油に請求項1~7のいずれか1項に記載の摩擦抑制剤を添加することを含む、基油の摩擦を抑制する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、良好な摩擦低減効果を示す摩擦抑制剤等として用いることができるアクリレート系共重合体に関する。さらに、本発明は、該共重合体の製造方法、該共重合体からなる摩擦抑制剤及び該摩擦抑制剤を含有する潤滑油組成物にも関する。
【背景技術】
【0002】
機器及び機械類で使用されている潤滑油は、焼き付き等をできるだけ抑え、機器及び機械類の寿命を延ばすことを目的として、極圧剤、摩擦調整剤、摩耗防止剤といった摩擦抑制剤を添加することでその摩擦摩耗特性を向上させている。そのような摩擦抑制剤の中でも、摩擦低減効果が高い摩擦抑制剤として有機モリブデン化合物がよく知られている(特許文献1、2)。しかしながら、有機モリブデン化合物は、いかなる条件下で使用しても摩擦低減効果を発揮するというわけではなく、使用態様によっては有機モリブデン化合物のみでは十分な摩擦低減効果を発揮できない場合や、点接触のような大きな接触面圧がかかる厳しい条件下では、その効果が弱まり、摩擦を低減させることが困難となる場合があった。
【0003】
このような状況を改善するため、特許文献3には、溶解安定性及び極圧性能に優れる潤滑油用極圧剤として、アルキルアクリレート及びヒドロキシアルキルアクリレートを必須の構成単量体として含む共重合体からなる潤滑油用極圧剤が記載されている。また、特許文献4には、脂肪酸と、(メタ)アクリレート等の単量体及び水酸基含有ビニル単量体を必須構成単量体とする共重合体を含有する燃料油用潤滑性向上剤が、冬季や寒冷地といった低温状態でも、曇ったり固化や結晶が析出したりすることがなく潤滑特性を向上させることが記載されている。しかしながら、このような極圧剤や潤滑性向上剤においても、依然として十分な摩擦低減効果は発揮されず、潤滑油の摩擦性能の向上に課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平7-53983号公報
【文献】特開平10-17586号公報
【文献】特開2012-041407号公報
【文献】特開2017-141439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明は、良好な摩擦低減効果を示す摩擦抑制剤等として用いることができるアクリレート系共重合体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明者等は鋭意検討した結果、良好な摩擦低減効果を示す摩擦抑制剤等として用いることができるアクリレート系共重合体を見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、下記の一般式(1)で表されるアルキルアクリレート系単量体からなる重合性単量体(a)を構成単量体の全モル数に対して10~95モル%、下記の一般式(2)で表されるアルキレングリコールアクリレート系単量体からなる重合性単量体(b)を構成単量体の全モル数に対して5~50モル%、並びに芳香族ビニル系単量体(c-1)及び下記の一般式(3)で表される短鎖アルキルアクリレート系単量体(c-2)からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合性単量体(c)を構成単量体の全モル数に対して0~60モル%で含む構成単量体を重合して得られるアクリレート系共重合体に係るものである:
【0007】
【化1】
【0008】
(式中、R1は炭素数4~18のアルキル基を表し、A1は水素原子を表す。)
【0009】
【化2】
【0010】
(式中、R2は炭素数2~4のアルキレン基を表し、R3は水素原子又は炭素数1~30のアルキル基を表し、A2は水素原子を表し、nは2~20の数を表す。)
【0011】
【化3】
【0012】
(式中、R4は炭素数1~3のアルキル基を表し、A3は水素原子を表す。)
【発明の効果】
【0013】
本発明によるアクリレート系共重合体は、良好な摩擦低減効果を示す摩擦抑制剤等として用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のアクリレート系共重合体を構成する重合性単量体(a)は、下記の一般式(1)で表されるアルキルアクリレート系重合性単量体である:
【0015】
【化4】
【0016】
一般式(1)のRは、炭素数4~18のアルキル基を表す。このような基としては、例えば、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等の直鎖アルキル基;分岐ブチル基、分岐ペンチル基、分岐ヘキシル基、分岐ヘプチル基、分岐オクチル基、分岐ノニル基、分岐デシル基、分岐ウンデシル基、分岐ドデシル基、分岐トリデシル基、分岐テトラデシル基、分岐ペンタデシル基、分岐ヘキサデシル基、分岐ヘプタデシル基、分岐オクタデシル基等の分岐アルキル基等が挙げられる。これらの中でも、得られるアクリレート系共重合体の摩擦特性の観点から、Rは炭素数6~18のアルキル基であることが好ましく、炭素数8~16のアルキル基であることがより好ましく、炭素数10~14のアルキル基であることが更により好ましく、炭素数10~14の直鎖アルキル基であることが特に好ましく、炭素数12の直鎖アルキル基であることが最も好ましい。
【0017】
一般式(1)のA1は、水素原子を表す。本発明においては、A1が水素原子である(メチル基等の炭化水素基ではない)重合性単量体を用いることにより、良好な摩擦低減効果を示す摩擦抑制剤等として用いることができるアクリレート系共重合体を得ることができる。
【0018】
本発明のアクリレート系共重合体を構成する重合性単量体(b)は、下記の一般式(2)で表されるアルキレングリコールアクリレート系重合性単量体である:
【0019】
【化5】
【0020】
一般式(2)のR2は炭素数2~4のアルキレン基を表す。このような基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、メチルエチレン基、メチルプロピレン基、ジメチルエチレン基等が挙げられる。これらの中でも、得られるアクリレート系共重合体の摩擦特性の観点から、炭素数2~3のアルキレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
【0021】
一般式(2)のR3は水素原子又は炭素数1~30のアルキル基を表す。炭素数1~30のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、トリアコンチル基等が挙げられる。これらの中でも、得られるアクリレート系共重合体の摩擦特性の観点から、R3は水素原子又は炭素数1~18のアルキル基であることが好ましく、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1~3のアルキル基であることが更により好ましく、メチル基であることが最も好ましい。
【0022】
一般式(2)のA2は水素原子を表す。本発明においては、A2が水素原子である(メチル基等の炭化水素基ではない)重合性単量体を用いることにより、良好な摩擦低減効果を示す摩擦抑制剤等として用いることができるアクリレート系共重合体を得ることができる。
【0023】
一般式(2)のnは2~20の数を表す。得られるアクリレート系共重合体の摩擦特性の観点から、nは6~20であることが好ましく、8~18であることがより好ましく、11~16であることが更により好ましく、11~15であることが最も好ましい。このとき、得られるアクリレート系共重合体の摩擦特性の観点から、nの平均値は8~16であることが好ましく、10~14であることがより好ましく、12~14であることが更により好ましく、13であることが最も好ましい。
【0024】
本発明のアクリレート系共重合体を構成する重合性単量体(c)は、芳香族ビニル系単量体(c-1)及び下記の一般式(3)で表される短鎖アルキルアクリレート系単量体(c-2)からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合性単量体である:
【0025】
【化6】
【0026】
一般式(3)のR4は炭素数1~3のアルキル基を表す。このような基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられる。これらの中でも、得られるアクリレート系共重合体の摩擦特性の観点から、R4はメチル基又はエチル基が好ましく、エチル基がより好ましい。
【0027】
一般式(3)のA3は水素原子を表す。本発明においては、A3が水素原子である(メチル基等の炭化水素基ではない)重合性単量体を用いることにより、良好な摩擦低減効果を示す摩擦抑制剤等として用いることができるアクリレート系共重合体を得ることができる。
【0028】
本発明に用いることができる芳香族ビニル系単量体(c-1)は、重合性ビニル基及び芳香族炭化水素基を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、エトキシ化o-フェニルフェノールアクリレート、下記の一般式(4)で表される芳香族アクリレート系単量体;スチレン、ビニルトルエン、2,4-ジメチルスチレン、4-エチルスチレン等の単環式ビニル単量体;2-ビニルナフタレン、1,5-ジビニルナフタレン、4-ビニルビフェニル等の多環式ビニル単量体等が挙げられる。
【0029】
【化7】
【0030】
一般式(4)のR5は炭素数1~4のアルキレン基を表す。このような基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、メチルエチレン基、メチルプロピレン基、ジメチルエチレン基等が挙げられる。これらの中でも、得られるアクリレート系共重合体の摩擦特性の観点から、R5は炭素数1~2のアルキレン基が好ましく、メチレン基がより好ましい。
【0031】
一般式(4)のA4は水素原子を表す。本発明においては、A4が水素原子である(メチル基等の炭化水素基ではない)重合性単量体を用いることにより、良好な摩擦低減効果を示す摩擦抑制剤等として用いることができるアクリレート系共重合体を得ることができる。
【0032】
芳香族ビニル系単量体(c-1)としては、これらの中でも、得られるアクリレート系共重合体の摩擦特性の観点から、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、エトキシ化o-フェニルフェノールアクリレート、一般式(4)で表される芳香族アクリレート系単量体及び炭素数8~14の芳香族ビニルモノマーから選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、一般式(4)で表される芳香族アクリレート系単量体の少なくとも1種を含むことがより好ましい。
【0033】
本発明のアクリレート系共重合体を構成する構成単量体が重合性単量体(c)を含む場合の重合性単量体(c)は、芳香族ビニル系単量体(c-1)又は短鎖アルキルアクリレート系単量体(c-2)からなっていてもよく、芳香族ビニル系単量体(c-1)及び短鎖アルキルアクリレート系単量体(c-2)からなっていてもよい。そして、得られるアクリレート系共重合体の摩擦特性の観点から、重合性単量体(c)は、芳香族ビニル系単量体(c-1)又は短鎖アルキルアクリレート系単量体(c-2)からなることが好ましく、芳香族ビニル系単量体(c-1)からなることがより好ましい。得られるアクリレート系共重合体の摩擦特性の観点から、重合性単量体(c)は、芳香族ビニル系単量体(c-1)として、一般式(4)で表される芳香族アクリレート系単量体を含むことが特に好ましい。また、重合単量体(c)が一般式(4)で表される芳香族アクリレート系単量体からなっていてもよい。
【0034】
また、構成単量体が重合性単量体(c)として芳香族ビニル系単量体(c-1)及び短鎖アルキルアクリレート系単量体(c-2)を含む場合の芳香族ビニル系単量体(c-1)と短鎖アルキルアクリレート系単量体(c-2)のアクリレート系共重合体を形成する構成単量体中の構成比率の比は特に限定されないが、例えば、モル比で(c-1):(c-2)=10:90~90:10であることが好ましく、40:60~80:20であることがより好ましい。
【0035】
本発明のアクリレート系共重合体を形成する構成単量体は、重合性単量体(a)を構成単量体の全モル数に対して10~95モル%、重合性単量体(b)を構成単量体の全モル数に対して5~50モル%、及び重合性単量体(c)を構成単量体の全モル数に対して0~60モル%で含むことができる。例えば、ある実施態様として、前記構成単量体が重合性単量体(c)を含まずに、重合性単量体(a)及び重合性単量体(b)を含むことができ、又は重合性単量体(a)及び重合性単量体(b)からなり得る。別の実施態様として、前記構成単量体が重合性単量体(c)を含まずに、重合性単量体(a)、重合性単量体(b)及びその他の重合性単量体(d)を含むことができ、又は重合性単量体(a)、重合性単量体(b)及びその他の重合性単量体(d)からなり得る。また別の実施態様として、前記構成単量体が重合性単量体(a)、重合性単量体(b)及び重合性単量体(c)を含むことができ、又は重合性単量体(a)、重合性単量体(b)及び重合性単量体(c)からなり得る。また別の実施態様として、前記構成単量体が重合性単量体(a)、重合性単量体(b)、重合性単量体(c)及びその他の重合性単量体(d)を含むことができ、又は重合性単量体(a)、重合性単量体(b)、重合性単量体(c)及びその他の重合性単量体(d)からなり得る。
【0036】
本発明のアクリレート系共重合体の構成単量体が含みうるその他の重合性単量体(d)は、ラジカル重合性であれば特に限定されない。例えば本発明の重合性単量体(a)、重合性単量体(b)、一般式(4)で表される芳香族アクリレート系単量体及び重合性単量体(c-2)以外のアクリレート系化合物(例えば、アルキル基の炭素数が19以上のアクリレート化合物、窒素原子含有アルキルアクリレート化合物、硫黄原子含有アルキルアクリレート化合物等)、重合性単量体(c-1)以外のビニル系化合物(例えば、アルキルビニルエーテル化合物、メタクリレート化合物、アルキルアリルエーテル化合物、窒素原子含有ビニル化合物、硫黄原子含有ビニル化合物等)等が挙げられる。これらの中でも、その他の重合性単量体(d)としては、下記の一般式(5)で表されるヒドロキシアルキルアクリレート系単量体を用いることが好ましい。
【0037】
【化8】
【0038】
一般式(5)のR6は炭素数2~4のアルキレン基を表す。このような基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、メチルエチレン基、メチルプロピレン基、ジメチルエチレン基等が挙げられる。これらの中でも、得られるアクリレート系共重合体の摩擦特性の観点から、炭素数2~3のアルキレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
【0039】
一般式(5)のA5は水素原子を表す。本発明においては、A5が水素原子である(メチル基等の炭化水素基ではない)重合性単量体を用いることにより、良好な摩擦低減効果を示す摩擦抑制剤等として用いることができるアクリレート系共重合体を得ることができる。
【0040】
本発明のアクリレート系共重合体を形成する構成単量体は、摩擦特性及び諸特性の観点から、アクリレート基を有する重合性単量体を、構成単量体の全モル数に対して通常90モル%~100モル%、好ましくは95モル%~100モル%、より好ましくは98モル%~100モル%、さらに好ましくは99モル%~100モル%、最も好ましくは、前記構成単量体はアクリレート基を有する重合性単量体のみからなる。つまり、本発明のアクリレート系共重合体はメタクリレート基を有する重合性単量体等を含まず、アクリレート基を有する重合性単量体からなる構成単量体から得られることが最も好ましい。
【0041】
本発明のアクリレート系共重合体を構成する重合性単量体は、いずれも公知の製造方法によって製造したものを用いてもよく、市販品を用いてもよい。このような製造方法としては、例えば、各単量体の構造に対応する炭化水素基を有するアルコール、アルキレングリコール、又は芳香族アルコール等を、アクリル酸でエステル化する方法等が挙げられる。
【0042】
本発明のアクリレート系共重合体を形成する構成単量体において、アクリレート共重合体中の前述した重合性単量体(a)の構成比率が構成単量体の全モル数に対して10~95モル%であり、重合性単量体(b)の構成比率が構成単量体の全モル数に対して5~50モル%であり、重合性単量体(c)の構成比率が構成単量体の全モル数に対して0~60モル%である。本発明のアクリレート系共重合体は、このような構成を採用することで、さまざまな基油中で高い摩擦特性を発揮することができる。
【0043】
本発明のアクリレート系共重合体を形成する構成単量体が、重合性単量体(a)、重合性単量体(b)、及び重合性単量体(c)を含む条件下で、又は前記構成単量体が、重合性単量体(a)、重合性単量体(b)、及び重合性単量体(c)からなる条件下で、アクリレート系共重合体の摩擦特性の観点から、前記構成単量体中の重合性単量体(a)の構成比率は構成単量体の全モル数に対して15~90モル%であることが好ましく、15~85モル%であることがより好ましい。また、アクリレート系共重合体の摩擦特性の観点から、前記構成単量体中の重合性単量体(b)の構成比率は、前記条件下で構成単量体の全モル数に対して10~45モル%であることが好ましく、10~40モル%であることがより好ましい。また、アクリレート系共重合体の摩擦特性の観点から、前記構成単量体中の重合性単量体(c)の構成比率は、前記条件下で構成単量体の全モル数に対して1~50モル%であることが好ましく、5~50モル%であることがより好ましい。なお本発明において、重合性単量体(a)が2種以上の重合性単量体を含む場合は、その合計モル量を重合性単量体(a)のモル量として構成比率を計算するものとし、重合性単量体(b)及び重合性単量体(c)についても同様とする。
【0044】
本発明のアクリレート系共重合体を形成する構成単量体が、重合性単量体(a)、重合性単量体(b)、及び重合性単量体(c)を含む条件下で、又は前記構成単量体が、重合性単量体(a)、重合性単量体(b)、及び重合性単量体(c)からなる条件下で、アクリレート系共重合体を形成する構成単量体中の、重合性単量体(a)と重合性単量体(b)の構成比率の比は、アクリレート系共重合体の摩擦特性の観点から、例えば、モル比で(a):(b)=20:80~90:10であることが好ましく、30:70~90:10であることがより好ましく、40:60~90:10であることが更により好ましく、40:60~70:30であることが更により好ましい。
【0045】
本発明のアクリレート系共重合体を形成する構成単量体が、重合性単量体(a)、重合性単量体(b)、及び重合性単量体(c)を含む条件下で、又は前記構成単量体が、重合性単量体(a)、重合性単量体(b)、及び重合性単量体(c)からなる条件下で、アクリレート系共重合体を形成する構成単量体中の、重合性単量体(b)と重合性単量体(c)の構成比率の比は、アクリレート系共重合体の摩擦特性の観点から、例えば、モル比で(b):(c)=10:90~85:15であることが好ましく、20:80~75:25であることがより好ましく、25:75~75:25であることが更により好ましい。
【0046】
本発明のアクリレート系共重合体を形成する構成単量体が、重合性単量体(a)、重合性単量体(b)、及び重合性単量体(c)を含む条件下で、又は前記構成単量体が、重合性単量体(a)、重合性単量体(b)、及び重合性単量体(c)からなる条件下で、アクリレート系共重合体を形成する構成単量体中の、重合性単量体(a)及び重合性単量体(c)の構成比率の比は、アクリレート系共重合体の摩擦特性の観点から、例えば、モル比で(a):(c)=10:90~95:5であることが好ましく、10:90~90:10であることがより好ましく、15:85~75:25であることが更により好ましく、20:80~60:40であることが更により好ましい。
【0047】
本発明のアクリレート系共重合体を形成する構成単量体が、重合性単量体(a)、重合性単量体(b)、及び重合性単量体(c)を含む条件下で、又は前記構成単量体が、重合性単量体(a)、重合性単量体(b)、及び重合性単量体(c)からなる条件下で、アクリレート系共重合体を形成する構成単量体は、アクリレート系共重合体の摩擦特性の観点から、重合性単量体(c)として芳香族ビニル系単量体(c-1)を構成単量体の全モル数に対して5~60モル%含むことが好ましく、10~60モル%含むことがより好ましく、15~50モル%含むことが更に好ましい。本発明のアクリレート系共重合体を形成する構成単量体が重合性単量体(c)として芳香族ビニル系単量体(c-1)を含む場合の、構成単量体中の重合性単量体(b)と芳香族ビニル系単量体(c-1)の構成比率の比は特に限定されないが、アクリレート系共重合体の摩擦特性の観点から、例えば、モル比で(b):(c-1)=10:90~90:10であることが好ましく、20:80~80:20であることがより好ましく、25:75~75:25であることが更により好ましい。
【0048】
本発明のアクリレート系共重合体を形成する構成単量体が、重合性単量体(a)、重合性単量体(b)、及び重合性単量体(c)を含む条件下で、又は前記構成単量体が、重合性単量体(a)、重合性単量体(b)、及び重合性単量体(c)からなる条件下で、アクリレート系共重合体を形成する構成単量体は、アクリレート系共重合体の摩擦特性の観点から、構成単量体中の重合性単量体(b)の構成比率が構成単量体の全モル数に対して10~40モル%であり、重合性単量体(c-1)の構成比率が構成単量体の全モル数に対して5~50モル%、好ましくは20~50モル%であり、重合性単量体(b)の構成比率と重合性単量体(c-1)の構成比率の合計がモル比で構成単量体の全モル数に対して15~70モル%が好ましく、40~70モル%であることが特に好ましい。
【0049】
本発明のアクリレート系共重合体を形成する構成単量体が、重合性単量体(a)、重合性単量体(b)、及び重合性単量体(c)を含む条件下で、又は前記構成単量体が、重合性単量体(a)、重合性単量体(b)、及び重合性単量体(c)からなる条件下で、アクリレート系共重合体を形成する構成単量体は、本発明のアクリレート系共重合体の摩擦特性の観点から、重合性単量体(c)として一般式(4)で表される芳香族アクリレート系単量体を、アクリレート系共重合体を形成する重合性単量体の全モル数に対して5~60モル%含むことが好ましく、10~60モル%含むことがより好ましく、25~45モル%含むことが更に好ましい。このとき、構成単量体中の重合性単量体(b)と一般式(4)で表される芳香族アクリレート系単量体の構成比率の比は特に限定されないが、アクリレート系共重合体の摩擦特性の観点から、モル比で10:90~90:10であることが好ましく、20:80~80:20であることがより好ましく、25:75~75:25であることが更により好ましい。
【0050】
また、上記条件下で、本発明のアクリレート系共重合体の摩擦特性の観点から、重合性単量体(c)として一般式(4)で表される芳香族アクリレート系単量体を、アクリレート系共重合体を形成する重合性単量体の全モル数に対して1~9モル%含むことができ、このとき、構成単量体中の重合性単量体(b)と一般式(4)で表される芳香族アクリレート系単量体の構成比率の比は特に限定されないが、アクリレート系共重合体の摩擦特性の観点から、モル比で20:80~90:10であることが好ましく、50:50~80:20であることがより好ましく、60:40~75:25であることが更により好ましい。
【0051】
本発明のアクリレート系共重合体を形成する構成単量体が、重合性単量体(a)、重合性単量体(b)、及び重合性単量体(c)を含む条件下で、又は前記構成単量体が、重合性単量体(a)、重合性単量体(b)、及び重合性単量体(c)からなる条件下で、アクリレート系共重合体を形成する構成単量体は、本発明のアクリレート系共重合体の摩擦特性の観点から、構成単量体中の重合性単量体(b)の構成比率が構成単量体の全モル数に対して10~40モル%であり、一般式(4)で表される芳香族アクリレート系単量体の構成比率が構成単量体の全モル数に対して5~45モル%、好ましくは25~45モル%であり、重合性単量体(b)の構成比率と一般式(4)で表される芳香族アクリレート系単量体の構成比率の合計がモル比で構成単量体の全モル数に対して15~70モル%が好ましく、40~70モル%であることが特に好ましい。
【0052】
本発明のアクリレート系共重合体を形成する構成単量体が、重合性単量体(a)、重合性単量体(b)、及び重合性単量体(c)を含む条件下で、又は前記構成単量体が、重合性単量体(a)、重合性単量体(b)、及び重合性単量体(c)からなる条件下で、アクリレート系共重合体を形成する構成単量体が、一般式(4)で表される芳香族アクリレート系単量体の構成比率が構成単量体の全モル数に対して1~9モル%であってもよく、この場合に、本発明のアクリレート系共重合体の摩擦特性の観点から、前記構成単量体中の重合性単量体(a)の構成比率は構成単量体の全モル数に対して65~90モル%が好ましく、71~90モル%であることがより好ましく、構成単量体中の重合性単量体(b)の構成比率が構成単量体の全モル数に対して5~20モル%であることが好ましい。そして、重合性単量体(b)の構成比率と一般式(4)で表される芳香族アクリレート系単量体の構成比率との合計がモル比で構成単量体の全モル数に対して10~29モル%であることも特に好ましい。
【0053】
本発明のアクリレート系共重合体を形成する構成単量体が、重合性単量体(a)、重合性単量体(b)、及び重合性単量体(c)を含む場合、アクリレート系共重合体を形成する構成単量体は、本発明のアクリレート系共重合体の摩擦特性の観点から、構成単量体中の重合性単量体(a)、重合性単量体(b)及び重合性単量体(c)の構成比率の合計が構成単量体の全モル数に対して60~100モル%であることが好ましく、70~100モル%であることがより好ましく、80~100モル%であることが更により好ましく、90~100モル%であることが特に好ましい。
【0054】
また、本発明のアクリレート系共重合体を形成する構成単量体が、重合性単量体(a)、重合性単量体(b)、及び重合性単量体(c)を含み、さらに、その他の重合性単量体(d)としてヒドロキシアルキルアクリレート系単量体を用いる場合のヒドロキシアルキルアクリレート系単量体の構成比率としては、例えば、アクリレート系共重合体を形成する構成単量体の全モル数に対して5~40モル%であることが好ましく、10~30モル%であることがより好ましい。このとき、摩擦特性の観点から、アクリレート系共重合体を形成する構成単量体中の重合性単量体(a)、重合性単量体(b)、重合性単量体(c)及びヒドロキシアルキルアクリレート系単量体の構成比率の合計がアクリレート系共重合体を形成する構成単量体の全モル数に対して90~100モル%であることが好ましく、95~100モル%であることがより好ましく、100モル%であること(つまり、本発明のアクリレート系共重合体を形成する構成単量体が、重合性単量体(a)、重合性単量体(b)、重合性単量体(c)及び重合性単量体(d)からなること)が特に好ましい。なお本発明において、ヒドロキシアルキルアクリレート系単量体が2種以上のヒドロキシアルキルアクリレート系単量体を含む場合は、その合計モル量をヒドロキシアルキルアクリレート系単量体のモル量として構成比率を計算する。
【0055】
本発明のアクリレート系共重合体を形成する構成単量体が、重合性単量体(a)及び重合性単量体(b)を含み、重合性単量体(c)を含まない条件下で、又は前記構成単量体が、重合性単量体(a)及び重合性単量体(b)からなる条件下で、アクリレート系共重合体の摩擦特性の観点から、前記構成単量体中の重合性単量体(a)の構成比率は構成単量体の全モル数に対して、30~95モル%であることが好ましく、60~92モル%であることがより好ましく、70~90モル%であることが更に好ましく、80~90モル%であることが更により好ましい。また、アクリレート系共重合体の摩擦特性の観点から、前記構成単量体中の重合性単量体(b)の構成比率は、前記条件下で、構成単量体の全モル数に対して5~70モル%が好ましく、8~40モル%であることがより好ましく、10~30モル%であることが更に好ましく、10~20モル%であることがまた更により好ましい。なお本発明において、重合性単量体(a)が2種以上の重合性単量体を含む場合は、その合計モル量を重合性単量体(a)として構成比率を計算するものとし、重合性単量体(b)についても同様とする。
【0056】
本発明のアクリレート系共重合体を形成する構成単量体が、重合性単量体(a)及び重合性単量体(b)を含み、重合性単量体(c)を含まない条件下で、又は前記構成単量体が、重合性単量体(a)及び重合性単量体(b)からなる条件下で、アクリレート系共重合体を形成する構成単量体中の、重合性単量体(a)と重合性単量体(b)の構成比率の比は、アクリレート系共重合体の摩擦特性の観点から、例えば、モル比で(a):(b)=30:70~95:5であることが好ましく、30:70~93:7であることがより好ましく、60:40~92:8であることが更に好ましく、80:20~90:10であることが更により好ましい。
【0057】
本発明のアクリレート系共重合体を形成する構成単量体が、重合性単量体(a)及び重合性単量体(b)を含み、重合性単量体(c)を含まない条件下で、又は前記構成単量体が、重合性単量体(a)及び重合性単量体(b)からなる条件下で、本発明のアクリレート系共重合体の摩擦特性の観点から、アクリレート系共重合体を形成する構成単量体中の重合性単量体(a)及び重合性単量体(b)の構成比率の合計が構成単量体の全モル数に対して60~100モル%であることが好ましく、80~100モル%であることがより好ましく、90~100モル%であることが更により好ましく、100モル%であること(つまり、本発明のアクリレート系共重合体を形成する構成単量体が、重合性単量体(a)及び重合性単量体(b)からなること)が特に好ましい。
【0058】
本発明のアクリレート系共重合体の重合形態は特に限定されず、各重合性単量体のブロック共重合体、ランダム共重合体、あるいはブロック/ランダム共重合体のいずれであってもよい。また、アクリレート系共重合体の重量平均分子量は特に限定されないが、例えば1,000~500,000であることが好ましく、2,000~300,000であることがより好ましい。重量平均分子量がこのような範囲にあることで、アクリレート系共重合体は高い摩擦特性を示すことができる。なお、本明細書に記載する「重量平均分子量」は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により測定し、スチレン換算により求めることができる。
【0059】
本発明のアクリレート系共重合体は、安全性及び環境への影響性の観点から、実質的に金属元素及びハロゲン原子を含有しないことが好ましく、また、具体的には、炭素、水素及び酸素の3つの元素のみから実質的になることが好ましい。
【0060】
本発明のアクリレート系共重合体の製造方法は特に指定されず、公知の方法であればいずれの方法で製造してもよく、例えば、塊状重合、乳化重合、懸濁重合、溶液重合等の方法により重合性単量体を重合反応させることで製造することができる。また、アクリレート系共重合体を鉱物油や合成油等の基油に添加して使用する場合は、乳化重合や懸濁重合のように水を溶媒として使用する重合方法より、塊状重合や溶液重合が好ましく、溶液重合がより好ましい。
【0061】
溶液重合による具体的な方法としては、例えば、溶媒及び重合性単量体を含む原料を一括若しくは分割して反応器に仕込んだ後、50~120℃程度に昇温し、重合性単量体全モル数に対して0.1~10モル%の量の開始剤を一括或いは分割して添加し、1~20時間ほど攪拌して反応させればよい。また、重合性単量体と触媒を一括して仕込んでから50~120℃に昇温し、1~20時間ほど攪拌して反応させてもよい。
【0062】
使用できる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;メトキシブタノール、エトキシブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油或いはこれらを水素化精製、溶剤脱れき、溶剤抽出、溶剤脱ろう、水添脱ろう、接触脱ろう、水素化分解、アルカリ蒸留、硫酸洗浄、白土処理等で精製した精製鉱油等の鉱物油;ポリ-α-オレフィン、エチレン-α-オレフィン共重合体、ポリブテン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ポリフェニルエーテル、アルキル置換ジフェニルエーテル、ポリオールエステル、二塩基酸エステル、ヒンダードエステル、モノエステル、GTL(Gas to Liquids)等の合成油及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0063】
使用できる開始剤としては、例えば、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオニトリル)、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’-アゾビス-(N,N-ジメチレンイソブチルアミジン)二塩酸塩、1,1’-アゾビス(シクロヘキシル-1-カルボニトリル)等のアゾ系開始剤、過酸化水素及び過酸化ベンゾイル、t-ブチルヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシド、過安息香酸等の有機過酸化物、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化水素-Fe3+等のレドックス開始剤、その他既存のラジカル開始剤等が挙げられる。
【0064】
本発明のアクリレート系共重合体の使用態様は特に限定されないが、例えば摩擦抑制剤として、摩擦低減効果が求められる状況で好適に用いることができる。本発明のアクリレート系共重合体は、例えば、潤滑油添加剤、燃料油添加剤、作動油添加剤、金属加工油添加剤、グリース添加剤等として好適に使用される。これらの中でも、潤滑油用摩擦抑制剤として用いることが好ましい。
【0065】
本発明の潤滑油組成物は、上述したアクリレート系共重合体からなる摩擦抑制剤と、基油とを含有する潤滑油組成物である。このときの摩擦抑制剤の添加量は特に限定されないが、例えば、潤滑油組成物全量に対し、前記摩擦抑制剤を0.01~50質量%含有することが好ましい。本発明の潤滑油組成物は、前述した摩擦抑制剤を含有することで、極めて高い摩擦低減性能を発現するものである。摩擦特性の観点から、本発明の潤滑油組成物は、潤滑油組成物全量に対し、前記摩擦抑制剤を0.02~20質量%含有することがより好ましく、0.05~10質量%含有することが更により好ましい。
【0066】
本発明に使用できる基油としては特に制限はなく、使用目的や条件に応じて適宜、鉱物基油、化学合成基油、動植物基油及びこれらの混合基油等から選ばれる。ここで、鉱物基油としては、例えば、パラフィン基系原油、ナフテン基系原油又は中間基系原油を常圧蒸留するか、或いは常圧蒸留の残渣油を減圧蒸留して得られる留出油又はこれらを常法に従って精製することによって得られる精製油、具体的には溶剤精製油、水添精製油、脱ロウ処理油及び白土処理油等が挙げられる。
【0067】
化学合成基油としては、例えば、ポリ-α-オレフィン、ポリイソブチレン(ポリブテン)、モノエステル、ジエステル、ポリオールエステル、ケイ酸エステル、ポリアルキレングリコール、ポリフェニルエーテル、シリコーン、フッ素化化合物、アルキルベンゼン及びGTL基油等が挙げられ、これらの中でも、ポリ-α-オレフィン、ポリイソブチレン(ポリブテン)、ジエステル及びポリオールエステル等は汎用的に使用することができる。ポリ-α-オレフィンとしては例えば、1-ヘキセン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ドデセン及び1-テトラデセン等をポリマー化又はオリゴマー化したもの、或いはこれらを水素化したもの等が挙げられる。ジエステルとしては例えば、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸及びドデカン二酸等の2塩基酸と、2-エチルヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノール及びトリデカノール等のアルコールのジエステル等が挙げられる。ポリオールエステルとしては例えば、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール及びトリペンタエリスリトール等のポリオールと、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、カプリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びオレイン酸等の脂肪酸とのエステル等が挙げられる。
【0068】
動植物基油としては、例えば、ヒマシ油、オリーブ油、カカオ脂、ゴマ油、コメヌカ油、サフラワー油、大豆油、ツバキ油、コーン油、ナタネ油、パーム油、パーム核油、ひまわり油、綿実油及びヤシ油等の植物性油脂、牛脂、豚脂、乳脂、魚油及び鯨油等の動物性油脂が挙げられ、これらの1種を用いても2種以上を用いてもよい。また必要に応じ、これらの基油を高度に精製し硫黄等の不純物量を低減させた高度精製基油を用いてもよい。
これらの中でも、ポリ-α-オレフィン、ポリイソブチレン(ポリブテン)、ジエステル及びポリオールエステル等の化学合成基油を含む基油が好ましく、ポリ-α-オレフィン等の炭化水素油を含む基油がより好ましく、これらの基油の高度精製基油を用いることがさらに好ましい。
【0069】
本発明の潤滑油組成物は、摩擦特性、摩耗特性、酸化安定性、温度安定性、保存安定性、清浄性、防錆性、腐食防止性、取扱い性等の観点等から、さらに使用目的に応じて公知の添加剤の添加を拒むものではなく、例えば、公知の酸化防止剤、摩擦低減剤、耐摩耗剤、油性向上剤、清浄剤、無灰分散剤、粘度指数向上剤、防錆剤、腐食防止剤、金属不活性化剤、消泡剤等の1種又は2種以上を添加してもよく、これらの添加剤は合計で、潤滑油組成物全量に対し、例えば0.01~50質量%の量で含有することができる。
【0070】
酸化防止剤としては、例えば、2,6-ジ-ターシャリブチルフェノール(以下、ターシャリブチルをt-ブチルと略記する。)、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-エチルフェノール、2,4-ジメチル-6-t-ブチルフェノール、4,4’-メチレンビス(2,6-ジ-t-ブチルフェノール)、4,4’-ビス(2,6-ジ-t-ブチルフェノール)、4,4’-ビス(2-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4’-イソプロピリデンビス(2,6-ジ-t-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-シクロヘキシルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-ノニルフェノール)、2,2’-イソブチリデンビス(4,6-ジメチルフェノール)、2,6-ビス(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5’-メチルベンジル)-4-メチルフェノール、3-t-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、2-t-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオン酸オクチル、3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオン酸ステアリル、3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオン酸オレイル、3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオン酸ドデシル、3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオン酸デシル、テトラキス{3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオニルオキシメチル}メタン、3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオン酸グリセリンモノエステル、3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオン酸とグリセリンモノオレイルエーテルとのエステル、3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオン酸ブチレングリコールジエステル、3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオン酸チオジグリコールジエステル、4,4’-チオビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4’-チオビス(2-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2’-チオビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,6-ジ-t-ブチル-α-ジメチルアミノ-p-クレゾール、2,6-ジ-t-ブチル-4-(N,N’-ジメチルアミノメチルフェノール)、ビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)サルファイド、トリス{(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル-オキシエチル}イソシアヌレート、トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4―ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、ビス{2-メチル-4-(3-n-アルキルチオプロピオニルオキシ)-5-t-ブチルフェニル}サルファイド、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌレート、テトラフタロイル-ジ(2,6-ジメチル-4-t-ブチル-3-ヒドロキシベンジルサルファイド)、6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-2,4-ビス(オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン、2,2-チオ-{ジエチル-ビス-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)}プロピオネート、N,N’-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシナミド)、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ベンジル-リン酸ジエステル、ビス(3-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルベンジル)サルファイド、3,9-ビス〔1,1-ジメチル-2-{β-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタン、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビス{3,3’-ビス-(4’-ヒドロキシ-3’-t-ブチルフェニル)ブチリックアシッド}グリコールエステル等のフェノール系酸化防止剤;1-ナフチルアミン、フェニル-1-ナフチルアミン、p-オクチルフェニル-1―ナフチルアミン、p-ノニルフェニル-1-ナフチルアミン、p-ドデシルフェニル-1-ナフチルアミン、フェニル-2-ナフチルアミン等のナフチルアミン系酸化防止剤;N,N’-ジイソプロピル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジイソブチル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジ-β-ナフチル-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-N’-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-1,3-ジメチルブチル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、ジオクチル-p-フェニレンジアミン、フェニルヘキシル-p-フェニレンジアミン、フェニルオクチル-p-フェニレンジアミン等のフェニレンジアミン系酸化防止剤;ジピリジルアミン、ジフェニルアミン、p,p’-ジ-n-ブチルジフェニルアミン、p,p’-ジ-t-ブチルジフェニルアミン、p,p’-ジ-t-ペンチルジフェニルアミン、p,p’-ジオクチルジフェニルアミン、p,p’-ジノニルジフェニルアミン、p,p’-ジデシルジフェニルアミン、p,p’-ジドデシルジフェニルアミン、p,p’-ジスチリルジフェニルアミン、p,p’-ジメトキシジフェニルアミン、4,4’-ビス(4-α,α-ジメチルベンゾイル)ジフェニルアミン、p-イソプロポキシジフェニルアミン、ジピリジルアミン等のジフェニルアミン系酸化防止剤;フェノチアジン、N-メチルフェノチアジン、N-エチルフェノチアジン、3,7-ジオクチルフェノチアジン、フェノチアジンカルボン酸エステル、フェノセレナジン等のフェノチアジン系酸化防止剤;亜鉛ジチオホスフェートが挙げられる。これら酸化防止剤の好ましい配合量は、潤滑油組成物全量に対して0.01~5質量%、より好ましくは0.05~4質量%である。
【0071】
摩擦低減剤としては、例えば、モリブデンジチオカルバメート、モリブデンジチオフォスフェート等の有機モリブデン化合物が挙げられる。モリブデンジチオカルバメートとして、例えば下記の一般式(6)で表される化合物が挙げられる:
【0072】
【化9】
【0073】
上記一般式(6)において、R7~R10は、それぞれ独立して、炭素数1~20の炭化水素基を表し、こうした基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基及びこれら全ての異性体等の飽和脂肪族炭化水素基;エテニル基(ビニル基)、プロペニル基(アリル基)、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基及びこれら全ての異性体等の不飽和脂肪族炭化水素基;フェニル基、トルイル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ベンジル基、フェネチル基、スチリル基、シンナミル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基、スチレン化フェニル基、p-クミルフェニル基、フェニルフェニル基、ベンジルフェニル基、α-ナフチル基、β-ナフチル基及びこれら全ての異性体等の芳香族炭化水素基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、メチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、メチルシクロペンテニル基、メチルシクロヘキセニル基、メチルシクロヘプテニル基及びこれら全ての異性体等のシクロアルキル基等が挙げられる。中でも、飽和脂肪族炭化水素基及び不飽和脂肪族炭化水素基が好ましく、飽和脂肪族炭化水素基がより好ましく、炭素数3~15の飽和脂肪族炭化水素基が最も好ましい。
【0074】
また、一般式(6)において、X1~X4は、それぞれ独立して硫黄原子又は酸素原子を表す。中でも、X1及びX2が硫黄原子であることが好ましく、X1及びX2が硫黄原子でありX3及びX4が酸素原子であることがより好ましい。
【0075】
摩擦低減剤の好ましい配合量は、潤滑油組成物中のモリブデン含量が50~3000質量ppmとなる量であり、より好ましくは100~2000質量ppmとなる量であり、さらに好ましくは200~1500質量ppmとなる量である。
【0076】
耐摩耗剤としては、例えば、硫化油脂、オレフィンポリスルフィド、硫化オレフィン、ジベンジルスルフィド、エチル-3-[[ビス(1-メチルエトキシ)フォスフィノチオイル]チオ]プロピオネート、トリス-[(2、又は4)-イソアルキルフェノール]チオフォスフェート、3-(ジ-イソブトキシ-チオホスホリルスルファニル)-2-メチル-プロピオン酸、トリフェニルフォスフォロチオネート、β-ジチオホスフォリル化プロピオン酸、メチレンビス(ジブチルジチオカーバメイト)、O,O-ジイソプロピル-ジチオフォスフォリルエチルプロピオネート、2,5-ビス(n-ノニルジチオ)-1,3,4-チアジアゾール、2,5-ビス(1,1,3,3-テトラメチルブタンチオ)1,3,4-チアジアゾール、及び2,5-ビス(1,1,3,3-テトラメチルジチオ)-1,3,4-チアジアゾール等の硫黄系添加剤;モノオクチルフォスフェート、ジオクチルフォスフェート、トリオクチルフォスフェート、モノブチルフォスフェート、ジブチルフォスフェート、トリブチルフォスフェート、モノフェニルフォスフェート、ジフェニルフォスフェート、トリフェニルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート、モノイソプロピルフェニルフォスフェート、ジイソプロピルフェニルフォスフェート、トリイソプロピルフェニルフォスフェート、モノターシャリーブチルフェニルフォスフェート、ジ-tert-ブチルフェニルフォスフェート、トリ-tert-ブチルフェニルフォスフェート、トリフェニルチオフォスフェート、モノオクチルフォスファイト、ジオクチルフォスファイト、トリオクチルフォスファイト、モノブチルフォスファイト、ジブチルフォスファイト、トリブチルフォスファイト、モノフェニルフォスファイト、ジフェニルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、モノイソプロピルフェニルフォスファイト、ジイソプロピルフェニルフォスファイト、トリイソプロピルフェニルフォスファイト、モノ-tert-ブチルフェニルフォスファイト、ジ-tert-ブチルフェニルフォスファイト、及びトリ-tert-ブチルフェニルフォスファイト等のリン系化合物;一般式(7)で表されるジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)、ジチオリン酸金属塩(Sb,Mo等)、ジチオカルバミン酸金属塩(Zn,Sb,Mo等)、ナフテン酸金属塩、脂肪酸金属塩、リン酸金属塩、リン酸エステル金属塩、及び亜リン酸エステル金属塩等の有機金属化合物;その他、ホウ素化合物、モノ及びジヘキシルフォスフェートのアルキルアミン塩、リン酸エステルアミン塩、及びトリフェニルチオリン酸エステルとtert-ブチルフェニル誘導体の混合物等が挙げられる。
【0077】
【化10】
【0078】
上記一般式(7)において、R11~R14は、それぞれ独立して炭素数1~20の炭化水素基を表し、こうした基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、及びイコシル基等の1級アルキル基;2級プロピル基、2級ブチル基、2級ペンチル基、2級ヘキシル基、2級ヘプチル基、2級オクチル基、2級ノニル基、2級デシル基、2級ウンデシル基、2級ドデシル基、2級トリデシル基、2級テトラデシル基、2級ペンタデシル基、2級ヘキサデシル基、2級ヘプタデシル基、2級オクタデシル基、2級ノナデシル基、及び2級イコシル基等の2級アルキル基;3級ブチル基、3級ペンチル基、3級ヘキシル基、3級ヘプチル基、3級オクチル基、3級ノニル基、3級デシル基、3級ウンデシル基、3級ドデシル基、3級トリデシル基、3級テトラデシル基、3級ペンタデシル基、3級ヘキサデシル基、3級ヘプタデシル基、3級オクタデシル基、3級ノナデシル基、及び3級イコシル基等の3級アルキル基;分岐ブチル基(イソブチル基等)、分岐ペンチル基(イソペンチル基等)、分岐ヘキシル基(イソヘキシル基)、分岐ヘプチル基(イソヘプチル基)、分岐オクチル基(イソオクチル基、2-エチルヘキシル基等)、分岐ノニル基(イソノニル基等)、分岐デシル基(イソデシル基等)、分岐ウンデシル基(イソウンデシル基等)、分岐ドデシル基(イソドデシル基等)、分岐トリデシル基(イソトリデシル基等)、分岐テトラデシル基(イソテトラデシル基)、分岐ペンタデシル基(イソペンタデシル基等)、分岐ヘキサデシル基(イソヘキサデシル基)、分岐ヘプタデシル基(イソヘプタデシル基等)、分岐オクタデシル基(イソオクタデシル基等)、分岐ノナデシル基(イソノナデシル基等)、及び分岐イコシル基(イソイコシル基等)等の分岐アルキル基;フェニル基、トルイル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ベンジル基、フェネチル基、スチリル基、シンナミル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基、スチレン化フェニル基、p-クミルフェニル基、フェニルフェニル基、及びベンジルフェニル基等のアリール基等が挙げられる。これら摩耗防止剤の好ましい配合量は、潤滑油組成物全量に対して0.01~3質量%、より好ましくは0.05~2質量%である。
【0079】
油性向上剤としては、例えば、オレイルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール類;オレイン酸、ステアリン酸等の脂肪酸類;オレイルグリセリンエステル、ステアリルグリセリンエステル、ラウリルグリセリンエステル等のエステル類;ラウリルアミド、オレイルアミド、ステアリルアミド等のアミド類;ラウリルアミン、オレイルアミン、ステアリルアミン等のアミン類;ラウリルグリセリンエーテル、オレイルグリセリンエーテル等のエーテル類が挙げられる。これら油性向上剤の好ましい配合量は、潤滑油組成物全量に対して0.1~5質量%、より好ましくは0.2~3質量%である。
【0080】
清浄剤としては、例えば、カルシウム、マグネシウム、バリウムなどのスルフォネート、フェネート、サリシレート、フォスフェート及びこれらの過塩基性塩が挙げられる。これらの中でも、TBN(全塩基価)が30~500mgKOH/gの清浄剤が好ましい。清浄剤の好ましい配合量は、潤滑油組成物全量に対して0.5~10質量%、より好ましくは1~8質量%である。また、潤滑油組成物中の清浄剤に由来するカルシウム元素含有量は特に限定されないが、清浄性等の観点から、潤滑油組成物中の清浄剤に由来するカルシウム元素含有量は100~3000ppmであることが好ましく、200~2500ppmであることが好ましい。また、潤滑油組成物中の清浄剤に由来するマグネシウム元素含有量は特に限定されないが、清浄性等の観点から、潤滑油組成物中の清浄剤に由来するマグネシウム元素含有量は50~2000ppmであることが好ましく、100~1000ppmであることが好ましい。
【0081】
無灰分散剤としては、潤滑剤に用いられる任意の無灰分散剤であれば特に制限なく用いることができるが、例えば、炭素数40~400の直鎖、若しくは分枝状のアルキル基、又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有する含窒素化合物、又はその誘導体等が挙げられる。具体的には、コハク酸イミド、コハク酸アミド、コハク酸エステル、コハク酸エステル-アミド、ベンジルアミン、ポリアミン、ポリコハク酸イミド及びマンニッヒ塩基等が挙げられ、その誘導体としては、これら含窒素化合物にホウ酸、ホウ酸塩等のホウ素化合物、チオリン酸、チオリン酸塩等のリン化合物、有機酸及びヒドロキシポリオキシアルキレンカーボネート等を作用させたもの等が挙げられる。アルキル基又はアルケニル基の炭素数が40未満の場合は化合物の基油に対する溶解性が低下する場合があり、一方、アルキル基又はアルケニル基の炭素数が400を越える場合は、潤滑油組成物の低温流動性が悪化する場合がある。これらの無灰分散剤の好ましい配合量は、潤滑油組成物全量に対して0.5~10質量%、より好ましくは1~8質量%である。
【0082】
粘度指数向上剤としては、例えば、ポリ(C1~18)アルキル(メタ)アクリレート、(C1~18)アルキルアクリレート/(C1~18)アルキル(メタ)アクリレート共重合体、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート/(C1~18)アルキル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン/(C1~18)アルキル(メタ)アクリレート共重合体、ポリイソブチレン、ポリアルキルスチレン、エチレン/プロピレン共重合体、スチレン/マレイン酸エステル共重合体、スチレン/イソプレン水素化共重合体等が挙げられる。あるいは、分散性能を付与した分散型もしくは多機能型粘度指数向上剤を用いてもよい。重量平均分子量は10,000~1,500,000程度である。これらの粘度指数向上剤の好ましい配合量は、潤滑油組成物全量に対して0.1~20質量%。より好ましくは0.3~15質量%である。
【0083】
防錆剤としては、例えば、亜硝酸ナトリウム、酸化パラフィンワックスカルシウム塩、酸化パラフィンワックスマグネシウム塩、牛脂脂肪酸アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアミン塩、アルケニルコハク酸又はアルケニルコハク酸ハーフエステル(アルケニル基の分子量は100~300程度)、ソルビタンモノエステル、ノニルフェノールエトキシレート、ラノリン脂肪酸カルシウム塩等が挙げられる。これらの防錆剤の好ましい配合量は、潤滑油組成物全量に対して0.01~3質量%、より好ましくは0.02~2質量%である。
【0084】
腐食防止剤、金属不活性化剤としては、例えば、トリアゾール、トリルトリアゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾチアジアゾール又はこれら化合物の誘導体である、2-ヒドロキシ-N-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ベンズアミド、N,N-ビス(2-エチルヘキシル)-[(1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル]アミン、N,N-ビス(2-エチルヘキシル)-[(1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル]アミン及び2,2’-[[(4又は5又は1)-(2-エチルヘキシル)-メチル-1H-ベンゾトリアゾール-1-メチル]イミノ]ビスエタノール等が挙げられ、他にもビス(ポリ-2-カルボキシエチル)ホスフィン酸、ヒドロキシホスホノ酢酸、テトラアルキルチウラムジサルファイド、N’1,N’12-ビス(2-ヒドロキシベンゾイル)ドデカンジハイドラジド、3-(3,5-ジ-t-ブチル-ヒドロキシフェニル)-N’-(3-(3,5-ジ-tert-ブチル-ヒドロキシフェニル)プロパノイル)プロパンハイドラジド、テトラプロぺニルコハク酸と1,2-プロパンジオールのエステル化物、ジソディウムセバケート、(4-ノニルフェノキシ)酢酸、モノ及びジヘキシルフォスフェートのアルキルアミン塩、トリルトリアゾールのナトリウム塩及び(Z)-N-メチルN-(1-オキソ9-オクタデセニル)グリシン等が挙げられる。これら腐食防止剤、金属不活性化剤の好ましい配合量は、潤滑油組成物全量に対して0.01~3質量%、より好ましくは0.02~2質量%である。
【0085】
消泡剤としては、例えば、ポリジメチルシリコーン、ジメチルシリコーンオイル、トリフルオロプロピルメチルシリコーン、コロイダルシリカ、ポリアルキルアクリレート、ポリアルキルメタクリレート、アルコールエトキシ/プロポキシレート、脂肪酸エトキシ/プロポキシレート及びソルビタン部分脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの消泡剤の好ましい配合量は、潤滑油組成物全量に対して0.001~0.1質量%、より好ましくは0.001~0.01質量%である。
【0086】
本発明の潤滑油組成物は、車両用潤滑油(例えば、自動車やオートバイ等のガソリンエンジン油、ディーゼルエンジン油、駆動系油等)、工業用潤滑油(例えば、ギヤ油、タービン油、油膜軸受油、冷凍機用潤滑油、真空ポンプ油、圧縮用潤滑油、多目的潤滑油、グリース等)等に使用することができる。中でも、本発明の潤滑油組成物は、車両用潤滑油に好適に使用することができる。
【実施例
【0087】
以下、本発明を実施例により、具体的に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
【0088】
実施例に使用した重合性単量体
・重合性単量体(a)
(a-i):一般式(1)において、R1が炭素数12のアルキル基であり、A1が水素原子である重合性単量体
・重合性単量体(b)
(b-i):一般式(2)において、R2がエチレン基であり、R3がメチル基であり、A2が水素原子であり、nが11~15(平均値は13)である重合性単量体
・重合性単量体(c-1)
(c-1-i):一般式(4)において、R5がメチレン基であり、A4が水素原子である重合性単量体
・重合性単量体(c-2)
(c-2-i):一般式(3)において、R4がエチル基であり、A3が水素原子である重合性単量体
・その他の重合性単量体(d)
(d-i):一般式(5)において、R6がエチレン基であり、A5が水素原子である重合性単量体
(d-ii): ラウリルメタクリレート
(d-iii): エチルメタクリレート
【0089】
<実施例1>
反応容器中に、溶媒として1,4-ジオキサン108g、高度精製鉱物油(100℃動粘度3.12mm2/s、粘度指数112)108gを投入し、85℃に昇温した。そこに、重合性単量体として重合性単量体(a-i)25.0g、重合性単量体(b-i)62.8g、重合性単量体(c-1-i)20.5g、2,2-アゾビスイソブチロニトリル0.19g及び1,1-アゾビスシクロヘキサン-1-カルボニトリル0.51gを滴下し、4時間攪拌することで重合反応を行い、アクリレート系共重合体を製造した。その後、115~125℃に昇温しながら減圧(0.2~1.0kPa)することで1,4-ジオキサンを除去し、アクリレート系共重合体溶液を調製した。得られたアクリレート系共重合体中の各重合性単量体の構成比率を表1に示す。
【0090】
<摩擦特性評価>
実施例1で製造したアクリレート系共重合体(アクリレート系共重合体1)を摩擦抑制剤として用い、摩擦特性評価を行った。具体的には、基油1としてのエンジンオイル(100℃動粘度7.2mm2/s、粘度指数167)と、アクリレート系共重合体1とを、アクリレート系共重合体の含有量が潤滑油組成物全量に対して0.25質量%となるよう添加し、潤滑油組成物1を調製した。得られた潤滑油組成物1についてPCS Instruments社製MTM試験機を用い、下記試験条件により摩擦係数を測定した。摩擦係数は、試験終了前の5分間の摩擦係数の平均値を用いた。測定結果を表1に示す。
【0091】
試験条件
荷重:36N
転がり速度:50mm/s
すべり率:50%
試験温度:100℃
試験時間:120分
【0092】
<実施例2~7、比較例1~4>
実施例2~7及び比較例1~3としてそれぞれ、実施例1において、用いる重合性単量体の種類及び使用量を変更した以外は同様の方法により、表1の重合性単量体構成比であるアクリレート系共重合体を製造した。実施例2~7及び比較例1~3で製造したアクリレート系共重合体(アクリレート系共重合体2~10)について、それぞれ実施例1と同様の方法により摩擦係数を測定した。結果をそれぞれ表1に示す。また、比較例4として、アクリレート系共重合体を含まず、基油1のみからなる潤滑油組成物についても実施例1と同様の方法により摩擦係数を測定した。結果を表1に示す。
【0093】
【表1】
【0094】
上記の結果から、本発明のアクリレート系共重合体は、摩擦抑制剤として用いた際に高い摩擦低減効果を示し、潤滑油用摩擦抑制剤等として好適に用いることができることが判る。
【0095】
<配合例8~91>
本発明のアクリレート系共重合体と、下記の基油、摩擦低減剤、摩耗防止剤、清浄剤、無灰分散剤を用いて調製される燃料油組成物の配合例を表2~8に示す。なお、モリブデンジチオカルバメートの配合量はMo元素換算量、ジチオリン酸亜鉛の配合量はP元素換算量、カルシウム系清浄剤の配合量はCa元素換算量、マグネシウム系清浄剤の配合量はMg元素換算量で表す。
【0096】
基油2:高度精製鉱物油(100℃動粘度3.1mm/s、粘度指数104)
基油3:高度精製鉱物油(100℃動粘度10.4mm/s、粘度指数112)
基油4:αオレフィン系合成油(100℃動粘度1.7mm/s、粘度指数91)
基油5:高度精製鉱物油(100℃動粘度4.2mm/s、粘度指数134)
基油6:高度精製鉱物油(100℃動粘度3.1mm/s、粘度指数105)
基油7:αオレフィン系合成油(100℃動粘度4.1mm/s、粘度指数126)
摩擦低減剤1:一般式(6)において、R、Rが炭素数8のアルキル基であり、R、R10が炭素数13のアルキル基であり、X及びXが硫黄原子でありX及びXが酸素原子であるモリブデンジチオカルバメート
摩擦低減剤2:一般式(6)において、R~R10が炭素数13のアルキル基でありX及びXが硫黄原子でありX及びXが酸素原子であるモリブデンジチオカルバメート
摩耗防止剤1:一般式(7)において、R11~R14が炭素数4のアルキル基であるジチオリン酸亜鉛
摩耗防止剤2:一般式(7)において、R11~R14が炭素数8のアルキル基であるジチオリン酸亜鉛
摩耗防止剤3:一般式(7)において、R11~R14が炭素数4又は6のアルキル基であるジチオリン酸亜鉛
清浄剤1:108mgKOH/gのカルシウムサリシレート
清浄剤2:220mgKOH/gのカルシウムサリシレート
清浄剤3:341mgKOH/gのカルシウムサリシレート
清浄剤4:201mgKOH/gのカルシウムスルホネート
清浄剤5:142mgKOH/gのマグネシウムサリシレート
清浄剤6:185mgKOH/gのマグネシウムスルホート
清浄剤7:321mgKOH/gのマグネシウムスルホート
無灰分散剤1:窒素含有量2.0重量%の非ホウ素化アルケニルコハク酸イミド
無灰分散剤2:窒素含有量1.1重量%、ホウ素原子含有量0.9重量%のホウ素化アルケニルコハク酸イミド
無灰分散剤3:窒素含有量2.7重量%、ホウ素原子含有量2.0重量%のホウ素化アルケニルコハク酸イミド
【0097】
【表2】
【0098】
【表3】
【0099】
【表4】
【0100】
【表5】
【0101】
【表6】
【0102】
【表7】
【0103】
【表8】