IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー・ケム・リミテッドの特許一覧

<>
  • 特許-硬化性組成物 図1
  • 特許-硬化性組成物 図2
  • 特許-硬化性組成物 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】硬化性組成物
(51)【国際特許分類】
   C08G 18/08 20060101AFI20240716BHJP
   H01M 50/293 20210101ALI20240716BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20240716BHJP
   H01M 10/653 20140101ALN20240716BHJP
【FI】
C08G18/08 090
C08G18/08 038
H01M50/293
H01M50/204 401H
H01M10/653
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021568940
(86)(22)【出願日】2020-09-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-28
(86)【国際出願番号】 KR2020012142
(87)【国際公開番号】W WO2021049861
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2021-11-18
(31)【優先権主張番号】10-2019-0111237
(32)【優先日】2019-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ヒョン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン・グ・カン
(72)【発明者】
【氏名】ウン・スク・パク
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン・スク・パク
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・ジョ・ヤン
【審査官】岩田 行剛
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-521877(JP,A)
【文献】特開2010-001349(JP,A)
【文献】特開2018-206604(JP,A)
【文献】特表2019-518098(JP,A)
【文献】国際公開第2014/017328(WO,A1)
【文献】特開2011-079893(JP,A)
【文献】米国特許第06348121(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 18/
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオール、反応抑制剤、触媒及びフィラーを含み、
ブルックフィールドHBタイプ(Brookfiled HB type)粘度計で25℃の温度で90%のトルク及び100rpmのせん断速度条件で測定した初期粘度対比2倍の粘度になる所要時間(Vt2)が15分以上であり、
初期粘度とは、硬化開始時点での硬化性組成物の粘度であり、硬化開始時点とは、硬化性組成物が、硬化可能な環境に露出され始めた時点であり、
フィラーを70~95重量%で含むことを特徴とする、硬化性組成物であって、
前記ポリオールは、下記化学式2又は3:
【化1】
[化学式2及び3で、Xは、カルボン酸由来の単位であり、Yは、ポリオール由来の単位であり、nは、2~10の範囲内の数であり、mは、1~10の範囲内の数であり、R及びRは、それぞれ独立的に炭素数1~14の範囲内のアルキレンである]で表示されるポリオールであり、
前記反応抑制剤は、メルカプト基、アミノ基及びフェノール性水酸基からなる群より選択された一つ以上の反応抑制性官能基を含み、
前記反応抑制剤は、下記式2:
[式2]FV=F/M
[式2で、FVは、反応抑制性官能基価であり、Fは、前記反応抑制性官能基の数であり、Mは、前記反応抑制剤のモル質量である]
による反応抑制性官能基価が0.001~0.02の範囲内にあり、
前記反応抑制剤は、下記式3:
[式3]
R1=(W1×O/M)-(FV×W2)
[式3で、Oは、前記ポリオールの水酸基価であり、Mは、前記ポリオールの重量平均分子量であり、FVは、前記反応抑制剤の前記反応抑制性官能基価であり、W1は、前記ポリオールの前記反応抑制剤対比重量割合であり、W2は、前記反応抑制剤の前記ポリオール対比重量割合である]
のR1が2~30の範囲内になるように存在し、
前記反応抑制剤(IW)及び前記触媒(CW)の重量割合(IW/CW)が1.3~4の範囲内にあり、
前記触媒の含量は、硬化性組成物100重量部中0.01~0.1重量部であり、
イソシアネート化合物をさらに含み、前記イソシアネート化合物は、下記式4:
[式4]
NCOV=NCO/MN
[式4で、NCOVは、イソシアネート価であり、NCOは、前記イソシアネート化合物が有するイソシアネート基の数(モル数)であり、MNは、前記イソシアネート化合物のモル質量である]によるイソシアネート価が0.001~0.1の範囲内にあり、
前記イソシアネート化合物は、下記式5:
[式5]
R2=(W1×O/M)/(NCOV×W3)
[式5で、Oは、ポリオールの水酸基価であり、Mは、ポリオールの重量平均分子量であり、
NCOVは、イソシアネート化合物のイソシアネート価であり、W1は、前記イソシアネート化合物対比前記ポリオールの重量割合であり、W3は、前記ポリオール対比前記イソシアネート化合物の重量割合である]のR2が10~150の範囲内になるように存在し、且つ/または、
前記イソシアネート化合物は、下記式6:
[式6]
R3=(NCOV×W3)/(FV×W2)
[式6で、FVは、前記反応抑制剤の前記反応抑制性官能基価であり、NCOVは、イソシアネート化合物のイソシアネート価であり、W2は、前記イソシアネート化合物対比前記反応抑制剤の重量割合であり、W3は、前記反応抑制剤対比前記イソシアネート化合物の重量割合である]のR3が50~500の範囲内になるように存在する、硬化性組成物。
【請求項2】
前記所要時間(Vt2)及びショア(Shore)A硬度確認時間(Ht)の差(Hti-Vt2)は、25分~300分の範囲内であることを特徴とする、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項3】
初期負荷値(Li)が10~35kgfの範囲内であることを特徴とする、請求項1または2に記載の硬化性組成物。
【請求項4】
下記式1による負荷値変化率が1~2の範囲内であることを特徴とする、請求項3に記載の硬化性組成物:
[式1]
負荷値変化率=Lf/Li
式1で、Liは、前記初期負荷値であり、Lfは、前記硬化開始時点後に30分経過時点での負荷値である。
【請求項5】
内部空間を有するモジュールケース;
前記モジュールケースの内部空間に存在する複数のバッテリーセル;及び
請求項1から4のいずれか一項に記載の硬化性組成物の硬化物を含む樹脂層を含み、
前記樹脂層は、前記複数のバッテリーセル及び前記モジュールケースと接触した状態で前記内部空間に存在することを特徴とする、バッテリーモジュール。
【請求項6】
互いに電気的に連結されている請求項5に記載のバッテリーモジュールを2個以上含むことを特徴とする、バッテリーパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年09月09日に出願された大韓民国特許出願第10-2019-0111237号に基づく優先権の利益を主張し、該当大韓民国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本願は、硬化性組成物、バッテリーモジュール、バッテリーパック及び自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
硬化性組成物の硬化速度及び硬化進行様相は、適用用途によって調節される必要がある。例えば、用途によって硬化性組成物は、硬化開始時点後に一定の待機時間が必要な場合がある。
【0004】
本明細書で用語「硬化開始時点」は、硬化性組成物が、硬化が進行され得る状態及び環境に露出された時点を意味し、用語「待機時間」は、硬化が進行され得る状態及び環境に露出されたが、硬化の程度が意図したレベルに遅延される時間を意味する。
【0005】
例えば、特許文献1は、硬化性組成物を用いてバッテリーセル及びモジュールケースと接触する樹脂層を形成する内容を開示する。特許文献1の樹脂層の形成方式中には、2液型の硬化性組成物を混合した混合物を、ノズルなどの注入装置を用いてバッテリーモジュール内に注入して硬化させる方式が含まれている。2液型の硬化性組成物は、混合すると、主剤樹脂と主剤樹脂の硬化剤が物理的に接触するため、一般的に、前記混合時点が硬化開始時点であり、硬化反応が進行されると、通常、組成物の粘度が上昇する。特許文献1のような樹脂層の形成方式では、組成物がノズルなどの直径が相対的に小さい管形態の注入装置で注入されるので、組成物の粘度が上昇すると、注入装置に負荷が加えられる。したがって、このような場合に、少なくとも組成物がモジュール内部に注入される前までは粘度が低いレベルに維持され得るようにする待機時間が要求される。
【0006】
また、バッテリーモジュールの製造ラインによっては、組成物の注入前にパージング(purging)工程などの前工程が行われる場合に、2液型組成物が混合された後、混合状態が前工程が終了する前まで装置内で維持される必要がある。このような場合には、待機時間の必要性が一層増加する。
【0007】
しかし、硬化性組成物が硬化可能な条件に露出された状態で硬化を遅延させることは容易ではない。
【0008】
また、バッテリーモジュールの製造工程では、バッテリーセル又はモジュールの検査工程が進行されるが、この過程で、バッテリーモジュールの上下が反転される場合もある。したがって、検査段階では、バッテリーモジュールの上下が反転された場合にもモジュールの内部に注入された組成物が流れ落ちたり位置を離脱したりせず、一旦注入された組成物が注入口から再び吐出される逆吐出が発生しないように粘度が上昇しなければならない。
【0009】
バッテリーモジュールの製造工程では、前記逆吐出が発生した場合に逆吐出された組成物を除去する工程が進行される必要がある。この場合、組成物の硬化が過度に進行されないか、反対に過度に進行されると、逆吐出された組成物の除去が困難である。したがって、モジュールの製造工程で逆吐出された組成物の除去時点で除去が容易なレベルの硬化度が確保され得るように硬化速度が制御される必要性も発生する。
【0010】
上のような検査工程及び/又は逆吐出された組成物の除去工程で適合した硬化度が確保され、バッテリーモジュールの製造工程をより効率的に進行するためには、待機時間が経過した後には硬化が速く進行されることが有利である。
【0011】
しかし、硬化性組成物の硬化開始時点後に硬化を遅延させて一定レベルの待機時間を確保することは容易ではない問題である。また、硬化性組成物の硬化がゆっくりと起こるように組成すると、ある程度の待機時間を確保できるとは言え、このような場合、待機時間が経過した後に硬化が速く進行されるようにすることが不可能である。
【0012】
また、特許文献1に開示された樹脂層を形成するための硬化性組成物は、樹脂層に高い熱伝導度を確保するために過量のフィラーを配合した高充填システムである。高充填システムの硬化性組成物の場合、硬化反応を進行させる成分(主剤及び硬化剤など)の量が相対的に少なく、成分の接触確率が高充填されたフィラーにより影響を受ける。このような場合に、硬化速度の調節は、一層難しく、待機時間を確保するか、待機時間後に硬化が速く進行されるようにすることは難しい問題である。
【0013】
また、特許文献1に開示された樹脂層を形成するための硬化性組成物は、注入のために相対的に低粘度を有するように組成される必要がある。このような場合に、硬化反応を進行させる成分(主剤及び硬化剤など)の接触確率を制御することは一層容易ではない。このような場合にも硬化速度の調節は、一層難しく、待機時間を確保するか、待機時間後に硬化が速く進行されるようにすることは難しい問題である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】大韓民国公開特許公報第2016-0105354号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、硬化性組成物を提供することを目的とする。本発明は、待機時間を確保することができ、待機時間を用途によって自由に調節することができ、待機時間が経過した後の硬化速度を相対的に速く制御することができる硬化性組成物を提供することを目的とする。
【0016】
本発明は、硬化性組成物が相対的に低粘度である組成(formulation)及び/又は過量のフィラーを含む組成の場合であっても前記特性を確保することができる硬化性組成物を提供することを目的とする。
【0017】
また、本発明は、硬化性組成物又はその硬化物を含むバッテリーモジュール、バッテリーパック及び/又は自動車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本明細書で言及する物性のうち測定温度がその結果に影響を及ぼす場合には、特に別に規定しない限り、該当物性は、常温で測定した物性である。用語「常温」は、加温及び減温しない自然そのままの温度であって、通常、約10℃~30℃の範囲内の一つの温度、又は約23℃又は約25℃程度の温度である。また、本明細書で、特に別に言及しない限り、温度の単位は、℃である。
【0019】
本明細書で言及する物性のうち測定圧力がその結果に影響を及ぼす場合には、特に別に規定しない限り、該当物性は、常圧で測定した物性である。用語「常圧」は、加圧及び減圧しない自然そのままの圧力であって、通常、約1気圧程度を常圧と指称する。
【0020】
本明細書で言及する粘度は、特に別に規定しない限り、ブルックフィールドHBタイプ(Brookfiled HB type)粘度計を用い、約25℃の温度で約90%のトルク及び約100rpmのせん断速度条件で測定した結果を意味する。
【0021】
本明細書で言及する硬度は、特に別に規定しない限り、ASTM D 2240規格によってアスカー硬度計(ASKER、durometer hardness)を用いて測定したショア(shore)A硬度であり、厚さが約4mm程度であるフィルム形態の試験片に対して厚さ方向に測定した硬度である。
【0022】
本明細書で用語「硬化開始時点」は、硬化性組成物が硬化可能な環境に露出され始めた時点を意味する。例えば、常温硬化型組成物の場合、組成物が常温に露出され始めた時点、湿気硬化型組成物の場合、組成物が硬化可能な程度の湿気に露出され始めた時点、熱硬化型組成物の場合、組成物に硬化可能な程度の熱が印加され始めた時点、光硬化型組成物の場合、組成物に硬化可能な程度の光が印加され始めた時点が硬化開始時点である。2液型硬化性組成物は、通常、物理的に分離された主剤組成物と硬化剤組成物からなるが、主剤及び硬化剤組成物が混合される前には、前記条件に露出されても硬化が進行されない。したがって、2液型硬化型組成物の硬化開始時点は、主剤及び硬化剤組成物が混合された状態で前記条件に露出された時点になる。例えば、常温硬化型2液型組成物の場合、常温で主剤及び硬化剤組成物が混合されると、混合時点が硬化開始時点であり、混合は、常温ではない温度で行われ、混合後に混合物が常温に露出されると、常温露出時点が硬化開始時点になる。
【0023】
本明細書で用語「硬化遅延」は、硬化性組成物が硬化可能な環境に露出されたが、意図したレベルの粘度上昇が起こらない程度に硬化反応が起こらないか硬化反応の程度が低い状態を意味する。
【0024】
本明細書で用語「待機時間」は、硬化開始時点から硬化遅延状態が終了する時までの時間である。
【0025】
本発明は、硬化性組成物に関する。本発明の硬化性組成物を用いると、用途に適合した硬化性組成物の待機時間を確保することができ、発明待機時間が終了した後には意図したレベルの速い硬化を誘導することができる。
【0026】
本発明の硬化性組成物を用いると、例えば、ノズルのように相対的に直径が小さい管形態の装置を用いて前記硬化性組成物を注入する場合及び/又は注入が相対的に狭い空間に対して行われる場合にも装置に負荷を与えないことが可能である。例えば、特許文献1に開示されたバッテリーモジュールの製造過程で、硬化性組成物のモジュールケース内部への注入が前記モジュールケース内にバッテリーセルが装着された状態で行われると、硬化性組成物は、モジュールケース内部の狭い空間に注入されることになる。このような場合に、内部圧の発生により装置に負荷が加えられ得るが、本発明の硬化性組成物を用いると、このような場合にも装置への負荷が加えられないか、最小化される。
【0027】
本発明の硬化性組成物は、多様な用途に適合して用いられ得、例えば、バッテリーモジュール又はバッテリーパックの製造(特に、特許文献1に開示されたバッテリーモジュール又はパックの製造)に適合して用いられ得る。このような場合に、本発明の硬化性組成物は、バッテリーモジュールのケース内部に注入され、バッテリーモジュール内に存在する一つ以上のバッテリーセルと接触してバッテリーモジュール内でバッテリーセルを固定させることに用いられ得る。
【0028】
本発明の硬化性組成物は、1液型組成物又は2液型組成物であってもよい。2液型組成物は、通常、物理的に分離された主剤組成物及び硬化剤組成物を含む。したがって、本明細書での硬化性組成物に対する説明は、前記1液型硬化性組成物に対する内容、2液型硬化性組成物の主剤又は硬化剤組成物に対する内容又は2液型硬化性組成物の主剤及び硬化剤組成物の混合物又は反応物に対する内容であってもよい。
【0029】
本発明の硬化性組成物は、例えば、ウレタン組成物であってもよい。用語「ウレタン組成物」は、硬化されてポリウレタンを形成し得る組成物を意味することができる。
【0030】
本発明の硬化性組成物は、常温硬化型、常温湿気硬化型、湿気硬化型、熱硬化型又は光硬化型であってもよい。硬化性組成物が特許文献1に示したバッテリーモジュールの製造に適用される場合に、硬化性組成物は、常温硬化型で組成され得る。
【0031】
本発明の硬化性組成物は、ポリオール、反応抑制剤、触媒及びフィラーを少なくとも含むことができる。
【0032】
本発明の硬化性組成物は、硬化開始時点後に適切な待機時間を示す。したがって、例えば、硬化性組成物は、初期粘度対比2倍の粘度になる所要時間(Vt2)(すなわち、初期粘度をVとする時に硬化開始時点から2Vの粘度を示すことに要する時間)が15分以上であってもよい。
【0033】
用語「初期粘度」は、硬化開始時点での硬化性組成物の粘度を意味する。実際には、硬化開始時点ですぐ硬化性組成物の粘度を測定することが技術的に困難であるため、初期粘度は、硬化開始時点から約3分以内、約2.5分以内、約1.5分以内又は約1分以内に測定した粘度も初期粘度であると定義され得、硬化開始時点から約10秒経過後、約20秒経過後、約30秒経過又は約60秒経過後に測定した粘度も初期粘度であると定義され得る。
【0034】
通常、硬化性組成物は、硬化反応が進行されるほど粘度が増加するが、本出願の硬化性組成物は、所要時間(Vt2)が15分以上である待機時間を示すことができる。所要時間(Vt2)は、必要に応じて所望するレベルに制御され得る。例えば、所要時間(Vt2)は、約17分以上、19分以上、21分以上、23分以上、25分以上、27分以上、29分以上、31分以上、33分以上、35分以上、37分以上、39分以上、41分以上、43分以上、45分以上、47分以上、49分以上、51分以上、53分以上、55分以上、57分以上、59分以上、61分以上、63分以上、65分以上又は67分以上の範囲内及び/又は100分以下、98分以下、96分以下、94分以下、92分以下、90分以下、88分以下、86分以下、84分以下、82分以下、80分以下、78分以下、76分以下、74分以下、72分以下、70分以下、68分以下、66分以下、64分以下、62分以下、60分以下、58分以下、56分以下、54分以下、52分以下、50分以下、48分以下、46分以下、44分以下、42分以下、40分以下、38分以下、36分以下、34分以下、32分以下、30分以下、28分以下、26分以下、24分以下、22分以下又は20分以下の範囲内で追加に調節され得る。
【0035】
例えば、前記範囲内で調節された所要時間(Vt2)を有する硬化性組成物は、特許文献1に開示されたバッテリーモジュールの製造に適合して適用され得る。このような待機時間を示す硬化性組成物は、製造工程に適用されて装置に適用される負荷を減らし、適合した作業工程性(例えば、適合した工程タクトタイム(tact time)の確保)を確保することができる。
【0036】
他の例示で、硬化性組成物は、ショア(Shore)A硬度確認時間(Ht)が40分~300分の範囲内であってもよい。用語「ショア(Shore)A硬度確認時間(Ht)」は、硬化開始時点から硬化性組成物のショアA硬度が確認され始めるまでに所要される時間である。上述したように、一般的に硬化性組成物は、硬化開始後から粘度が増加し始め、それによって、硬度も増加するようになる。しかし、硬化の程度が低い状態では、硬度が非常に低いので、装置を用いて硬化性組成物の硬度を確認することが不可能である。したがって、硬化性組成物の硬度を測定するためには、硬化開始時点後に一定レベル以上硬化が進行される必要があるが、例えば、ショア(Shore)A硬度確認時間(Ht)が40分であるということは、硬化開始時点後に40分を経てから硬度が装置で測定され始めるということを意味する。したがって、所要時間(Ht)が長いということは、待機時間が長いということを意味することができ、反対に短いということは、待機時間後に硬化速度は速いということを意味することができる。
【0037】
確認時間(Ht)も所望するレベルに調節され得る。例えば、所要時間(Ht)は、約41分以上、42分以上、43分以上、44分以上、45分以上、46分以上、47分以上、48分以上、49分以上、50分以上、55分以上、60分以上、65分以上、70分以上、75分以上、80分以上、85分以上、90分以上、95分以上、100分以上、110分以上、120分以上、130分以上、140分以上、150分以上、160分以上、170分以上、180分以上、190分以上又は200分以上の範囲内及び/又は200分以下、190分以下、180分以下、170分以下、160分以下、150分以下、140分以下、130分以下、120分以下、110分以下、100分以下、90分以下、80分以下、70分以下、60分以下又は50分以下の範囲内で追加に調節されてもよい。
【0038】
例えば、前記範囲内で調節された確認時間(Ht)を有する硬化性組成物は、特許文献1に開示されたバッテリーモジュールの製造に適合して適用され得る。このような硬化性組成物は、製造工程に適用されて装置に適用される負荷を減らし、適合した作業工程性(例えば、適合した工程タクトタイム(tact time)の確保)を確保することができる。
【0039】
一つの例示で、硬化性組成物で所要時間(Vt2)及び確認時間(Hti)の差(Hti-Vt2)は、25分~300分の範囲内であってもよい。差(Hti-Vt2)も、必要に応じて所望するレベルに制御され得る。例えば、差(Hti-Vt2)は、約27分以上、29分以上、31分以上、33分以上、35分以上、37分以上、39分以上、41分以上、43分以上、45分以上、47分以上、49分以上、51分以上、53分以上、55分以上、57分以上、59分以上、61分以上、63分以上、65分以上、67分以上、70分以上、80分以上、90分以上、100分以上、110分以上、120分以上又は130分以上の範囲内及び/又は250分以下、200分以下、150分以下、100分以下、98分以下、96分以下、94分以下、92分以下、90分以下、88分以下、86分以下、84分以下、82分以下、80分以下、78分以下、76分以下、74分以下、72分以下、70分以下、68分以下、66分以下、64分以下、62分以下、60分以下、58分以下、56分以下、54分以下、52分以下、50分以下、48分以下、46分以下、44分以下、42分以下、40分以下、38分以下、36分以下、34分以下、32分以下又は30分以下の範囲内で追加に調節され得る。
【0040】
例えば、前記範囲内で調節された差(Hti-Vt2)を有する硬化性組成物は、特許文献1に開示されたバッテリーモジュールの製造に適合して適用され得る。このような硬化性組成物は、製造工程に適用されて装置に適用される負荷を減らし、適合した作業工程性(例えば、適合した工程タクトタイム(tact time)の確保)を確保することができる。
【0041】
一つの例示で、硬化性組成物は、ショア(Shore)A硬度40確認時間(Ht40)が40~300分の範囲内であってもよい。用語「ショア(Shore)A硬度40確認時間(Ht40)」は、硬化開始時点から硬化性組成物のショアA硬度が40であると確認され始めるまでに所要される時間である。所要時間(Ht40)も目的によって所望するレベルに調節され得る。例えば、所要時間(Ht40)は、290分以下、280分以下、270分以下、260分以下、250分以下、240分以下、230分以下、220分以下、210分以下、200分以下、190分以下、180分以下、170分以下、160分以下、150分以下、140分以下、130分以下、120分以下、118分以下、116分以下、114分以下、112分以下、100分以下、90分以下、80分以下、70分以下、60分以下又は50分以下の範囲内及び/又は約45分以上、約50分以上、52分以上、54分以上、56分以上、58分以上、約60分以上、70分以上、80分以上、90分以上、100分以上、110分以上、120分以上、130分以上、140分以上、150分以上、160分以上、170分以上、180分以上、190分以上、200分以上、210分以上、220分以上、230分以上、240分以上、250分以上、260分以上、270分以上、280分以上又は290分以上の範囲内で追加に調節され得る。
【0042】
例えば、範囲内で調節された確認時間(Ht40)を有する硬化性組成物は、特許文献1に開示されたバッテリーモジュールの製造に適合して適用され得る。このような待機時間を示す硬化性組成物は、製造工程に適用されて装置に適用される負荷を減らし、適合した作業工程性(例えば、適合した工程タクトタイム(tact time)の確保)を確保することができる。
【0043】
一つの例示で、確認時間Hti及びHt40の差(Ht40-Hti)は、1分~30分の範囲内であってもよい。差(Ht40-Hti)も、必要に応じて所望するレベルに制御され得る。例えば、差(Ht40-Hti)は、約2分以上、3分以上、4分以上又は4.5分以上の範囲内及び/又は25分以下、20分以下、15分以下、10分以下、9分以下、8分以下、7分以下、6分以下又は5.5分以下の範囲内で追加に調節され得る。
【0044】
確認時間の差(Ht40-Hti)を有する硬化性組成物は、待機時間後に速い硬化が行われることを意味し、このような硬化性組成物は、例えば、特許文献1に開示されたバッテリーモジュールの製造に適合して適用され得る。このような硬化性組成物は、前記製造工程に適用されて装置に適用される負荷を減らし、適合した作業工程性(例えば、適合した工程タクトタイム(tact time)の確保)を確保することができる。
【0045】
一つの例示で、硬化性組成物は、ショア(Shore)A硬度90確認時間(Ht90)が70分~400分の範囲内であってもよい。用語「ショア(Shore)A硬度90確認時間(Ht90)」は、前記硬化開始時点から前記硬化性組成物のショアA硬度が90であると確認され始めるまでに所要される時間である。所要時間(Ht90)も目的によって所望するレベルに調節され得る。例えば、所要時間(Ht90)は、75分以上、80分以上、82分以上、84分以上、86分以上、88分以上、約90分以上、100分以上、150分以上、200分以上又は250分以上の範囲内及び/又は350分以下、300分以下、250分以下、200分以下、約178分以下、176分以下、174分以下、約172分以下、165分以下、160分以下、155分以下、150分以下、145分以下、140分以下、135分以下、130分以下、125分以下、120分以下、115分以下、110分以下、105分以下、100分以下、90分以下又は80分以下の範囲内で追加に調節され得る。
【0046】
例えば、前記範囲内で調節された確認時間(Ht90)を有する硬化性組成物は、特許文献1に開示されたバッテリーモジュールの製造に適合して適用され得る。このような待機時間を示す硬化性組成物は、前記製造工程に適用されて装置に適用される負荷を減らし、 適合した作業工程性(例えば、適合した工程タクトタイム(tact time)の確保)を確保することができる。
【0047】
一つの例示で、硬化性組成物で確認時間Ht90及びHt40の差(Ht90-Ht40)は、200分以下であってもよい。差(Ht90-Ht40)は、190分以下、180分以下、170分以下、160分以下、150分以下、140分以下、130分以下、120分以下、110分以下、100分以下、90分以下、80分以下、70分以下、68分以下、66分以下、約64分以下、60分以下、55分以下、50分以下又は45分以下又は40分以下の範囲内及び/又は10分以上、15分以上、20分以上、25分以上、30分以上、35分以上、40分以上、45分以上、50分以上、55分以上、60分以上、65分以上、70分以上、75分以上、80分以上、85分以上、90分以上、95分以上、100分以上、110分以上、120分以上、130分以上、140分以上、150分以上、160分以上、170分以上、180分以上又は190分以上の範囲内で追加に調節され得る。
【0048】
確認時間の差(Ht90-Ht40)を有する硬化性組成物は、待機時間後に速い硬化が起こることを意味し、このような硬化性組成物は、例えば、特許文献1に開示されたバッテリーモジュールの製造に適合して適用され得る。このような硬化性組成物は、製造工程に適用されて装置に適用される負荷を減らし、適合した作業工程性(例えば、適合した工程タクトタイム(tact time)の確保)を確保することができる。
【0049】
一つの例示で、本発明の硬化性組成物は、低い初期負荷値(Li)を有することができる。用語「負荷値」は、硬化性組成物がノズルなどの相対的に狭い直径の管などの装置により注入される場合を仮定し、過程で前記装置に加えられる負荷を定量化したものであって、後述する方式で測定した値である。また、用語「初期負荷値」は、硬化開始時点の硬化性組成物の負荷値を定量化した値である。負荷値の単位は、kgfである。
【0050】
本発明の硬化性組成物は、初期負荷値(Li)が10~35kgfの範囲内であってもよい。初期負荷値(Li)は、他の例示で、約10kgf以上、11kgf以上、12kgf以上、13kgf以上、14kgf以上、15kgf以上、16kgf以上、17kgf以上、18kgf以上、19kgf以上、20kgf以上、21kgf以上、22kgf以上、23kgf以上、24kgf以上、25kgf以上、26kgf以上、27kgf以上又は28kgf以上の範囲内及び/又は約35kgf以下、34kgf以下、33kgf以下、32kgf以下、31kgf以下、30kgf以下、29kgf以下、28kgf以下、27kgf以下、26kgf以下、25kgf以下、24kgf以下、23kgf以下又は22kgf以下の範囲内で追加に調節され得る。
【0051】
また、本発明の硬化性組成物は、下記式1による負荷値変化率が1~2の範囲内であってもよい。
【0052】
[式1]
【0053】
負荷値変化率=Lf/Li
【0054】
式1で、Liは、初期負荷値であり、Lfは、硬化開始時点後に30分経過時点での負荷値である。
【0055】
負荷値変化率が大きいということは、待機時間が短いことを意味し、反対に負荷値変化率が低いということは、待機時間が長いことを意味する。
【0056】
負荷値変化率(Lf/Li)は、他の例示で、1.9以下、1.8以下、1.7以下、1.6以下、1.5以下、1.4以下、1.3以下、1.2以下又は1.1以下程度であってもよい。
【0057】
また、負荷値(Lf)は、約50kgf以下であってもよい。他の例示で、負荷値(Lf)は、約20kgf以上、22kgf以上、24kgf以上、26kgf以上、28kgf以上、30kgf以上、32kgf以上、34kgf以上、36kgf以上、38kgf以上、40kgf以上、42kgf以上又は44kgf以上の範囲内及び/又は約48kgf以下、46kgf以下、44kgf以下、42kgf以下、40kgf以下、38kgf以下、36kgf以下、34kgf以下、32kgf以下、30kgf以下、28kgf以下又は26kgf以下の範囲内で追加に制御されてもよい。
【0058】
図1は、負荷値を測定するための装置1の構成を模式的に示した図である。負荷値は、図1に示したように、カートリッジ2、2a、2bに硬化性組成物を入れ、加圧手段3、3a、3bで加圧してミキサーを経由して排出させる過程で前記加圧手段3、3a、3bにかかる最大の力で定義され得る。
【0059】
例えば、負荷値Li及びLfは、加圧手段3a、3bで約1mm/s程度の等速度でカートリッジ2、2a、2b内の硬化性組成物を加圧し、ミキサー5を経由して吐出される時から加圧手段にかかる力を測定し始め、力が最大になる時点での力を負荷値(Lf/Li)にすることができる。
【0060】
図1の装置1は、2液型硬化型組成物に対する負荷値を測定するための装置であって、主剤組成物と硬化剤組成物をそれぞれローディングするために2個のカートリッジ2a、2bを装着した構造であるが、1液型硬化型組成物の負荷値の測定時には、カートリッジは1個のみ装着してもよい。
【0061】
また、負荷値Lfは、硬化開始時点後に30分が経過した時点で同様に最大の力を確認して測定することができる。2液型組成物に対しては、例えば、主剤及び硬化剤組成物を2個のカートリッジ2a、2bにそれぞれ注入し、加圧手段3a、3bで1mm/sの等速度で加圧し、ミキサー5で主剤組成物及び硬化剤組成物を注入している途中で、注入された組成物の量がミキサーの容量(体積)の95%レベルになった時に加圧を止め、30分程度待機した後、更に同一な等速(1mm/s)で加圧を始めて加圧手段にかかる最大の力を前記負荷値(Lf)として測定することができる。
【0062】
方式で加圧手段にかかる力をモニタリングすると、通常、力は、加圧開始時点から時間の経過によって増加してから、一定時間が経過した後に再び減少し始めるか、あるいは増加が止まり、一定レベルの力が持続的に維持される傾向を示す。したがって、最大の力は、力の減少が始まる時点の直前の力であるか、前記一定レベルに維持される力であり得る。
【0063】
測定装置1で適用されるカートリッジ2、ミキサー5及び加圧手段3の種類は、実施例の項目で記述する。
【0064】
本発明の硬化性組成物は、用途によって上述した所要時間や確認時間(Vt2、Hti、Ht40及びHt90)及び/又はそれらの差(Hti-Vt2、Ht40-Hti及びHt90-Ht40)のうちいずれか一つ又は2個以上又は全部を満足するように組成され得る。
【0065】
時間Vt2、Hti、Ht40及びHt90とそれらの差Hti-Vt2、Ht40-Hti及びHt90-Ht40は、例えば、本明細書の実施例で記載した内容によって前記反応抑制剤及び/又は触媒の量や、反応抑制剤の官能基価などを制御して調節することができる。
【0066】
硬化性組成物に含まれるポリオールは、主剤樹脂であってもよい。硬化性組成物がウレタン組成物である場合に、ポリオール(主剤樹脂)は、硬化剤と反応してポリウレタンを形成することができる。このような場合に、硬化剤としては、イソシアネート化合物が用いられ得る。ポリウレタンは、ポリオール由来単位とイソシアネート化合物由来単位を全て含むことができる。ポリオール由来単位は、ポリオールがイソシアネート化合物とウレタン反応して形成される単位であり、イソシアネート化合物由来単位は、イソシアネート化合物がポリオールとウレタン反応して形成される単位であり得る。
【0067】
硬化性組成物内でのポリオールの割合は、フィラー100重量部に対して約0.5~40重量部の範囲内で調節され得る。硬化性組成物が2液型硬化性組成物の主剤組成物である場合に、前記割合は、主剤組成物に含まれた全てのフィラーの重量とポリオールの重量の割合であり、2液型硬化性組成物の主剤及び硬化剤組成物の混合物である場合には、前記割合は、前記混合物に含まれた全てのフィラーの重量とポリオールの重量の割合である。前記割合は、他の例示で、約1重量部以上、1.5重量部以上、2重量部以上、2.5重量部以上、3重量部以上、3.5重量部以上、4重量部以上、4.5重量部以上、5重量部以上、5.5重量部以上、6重量部以上、6.5重量部以上、7重量部以上、7.5重量部以上、8重量部以上、8.5重量部以上又は9重量部以上の範囲内及び/又は38重量部以下、36重量部以下、34重量部以下、32重量部以下、30重量部以下、28重量部以下、26重量部以下、24重量部以下、22重量部以下、20重量部以下、18重量部以下、16重量部以下、14重量部以下、12重量部以下、10重量部以下、8重量部以下又は6重量部以下の範囲内で追加に調節され得る。このような割合は、硬化性組成物内でフィラーの含量が過量である高充填システムの場合に現われ得る割合である。
【0068】
ポリオールとしては、特に制限なしに公知のポリオールを適用することができる。例えば、ポリオールとしては、ポリウレタンの形成に適用されるポリオールを適用することができる。このようなポリオールとしては、いわゆるポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール及び/又はその他ポリオール(ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、アクリルポリオールなど)などが知られている。
【0069】
一つの例示で、適切な硬化速度の調節可能性を考慮して、ポリオールとしては、いわゆる脂肪族ポリオールを用いることができる。
【0070】
ポリオールとしては、水酸基価(Hydroxyl value又はOH value)が約50~500の範囲内にあるポリオールを用いてもよい。水酸基価の単位は、mgKOH/gであり、標準試験方法(ASTM E 1899-08)によって測定した値である。水酸基価は、他の例示で、約60以上、70以上、80以上、90以上、100以上、110以上、120以上、130以上、140以上、150以上、160以上、170以上、180以上、190以上、200以上、210以上、220以上、230以上、240以上、250以上、260以上又は270以上の範囲内及び/又は490以下、480以下、470以下、460以下、450以下、440以下、430以下、420以下、410以下、400以下、390以下、380以下、370以下、360以下、350以下、340以下、330以下、320以下、310以下又は300以下の範囲内で追加に調節され得る。
【0071】
また、ポリオールとしては、適切な硬化速度、粘度、耐久性及び/又は接着性などを考慮して、分子量が約100~3000の範囲内であるポリオールを用いることができる。特に別に規定しない限り、本明細書で用語「分子量」は、GPC(Gel Permeation Chromatograph)を用いて測定した重量平均分子量(Mw)であり、単位は、g/molである。分子量は、他の例示で、150以上、200以上、250以上、300以上又は350以上の範囲内及び/又は2500以下、2000以下、1500以下、1000以下、900以下、800以下、700以下、600以下又は500以下の範囲内で追加に調節され得る。
【0072】
一つの例示で、ポリオールとしては、エステルポリオール樹脂が用いられ得る。エステルポリオールとしては、例えば、上述の水酸基価及び/又は分子量を満足する脂肪族エステルポリオールが用いられ得る。
【0073】
ポリオールは、非結晶性であるか、十分に結晶性が低いポリオールであってもよい。用語「非結晶性」は、DSC(Differential Scanning calorimetry)分析で結晶化温度(Tc)と溶融温度(Tm)が観察されない場合を意味する。DSC分析は、10℃/分の速度で-80~60℃の範囲内の温度で行うことができ、例えば、前記速度で25℃から60℃に昇温した後に再び-80℃に減温し、更に60℃に昇温する方式で行われ得る。また、上記で十分に結晶性が低いということは、DSC分析で観察される融点(Tm)が15℃未満であって、約10℃以下、5℃以下、0℃以下、-5℃以下、-10℃以下又は約-20℃以下程度である場合を意味する。このとき、融点の下限は特に制限されないが、例えば、融点は、約-80℃以上、-75℃以上又は約-70℃以上であってもよい。
【0074】
一つの例示で、エステルポリオールとしては、例えば、カルボン酸ポリオールやカプロラクトンポリオールが用いられ得る。
【0075】
カルボン酸ポリオールは、カルボン酸とポリオール(例えば、ジオール又はトリオールなど)を含む成分を反応させて形成することができ、カプロラクトンポリオールは、カプロラクトンとポリオール(例えば、ジオール又はトリオールなど)を含む成分を反応させて形成することができる。このとき、カルボン酸は、ジカルボン酸であってもよい。
【0076】
一つの例示で、ポリオールは、下記化学式2又は3で表示されるポリオールであってもよい。
【0077】
【化1】
【0078】
【化2】
【0079】
化学式2及び3で、Xは、カルボン酸由来の単位であり、Yは、ポリオール由来の単位である。ポリオール由来の単位は、例えば、トリオール単位又はジオール単位であってもよい。また、n及びmは、任意の数であってもよく、例えば、nは、2~10の範囲内の数であり、mは、1~10の範囲内の数であり、R及びRは、それぞれ独立的に炭素数1~14の範囲内のアルキレンであってもよい。
【0080】
本明細書で用いた用語「カルボン酸由来単位」は、カルボン酸化合物のうちカルボキシル基を除いた部分を意味することができる。同様に、本明細書で用いた用語「ポリオール由来単位」は、ポリオール化合物構造のうちヒドロキシ基を除いた部分を意味することができる。
【0081】
すなわち、ポリオールのヒドロキシ基とカルボン酸のカルボキシル基が反応すると、縮合反応により水(HO)分子が脱離しながらエステル結合が形成される。このようにカルボン酸が縮合反応によりエステル結合を形成する場合、カルボン酸由来単位は、カルボン酸構造のうち前記縮合反応に参加しない部分を意味することができる。また、ポリオール由来単位は、ポリオール構造のうち前記縮合反応に参加しない部分を意味することができる。
【0082】
化学式3のYもポリオールがカプロラクトンとエステル結合を形成した後にそのエステル結合を除いた部分を示す。すなわち、化学式3でポリオール由来単位、Yは、ポリオールとカプロラクトンがエステル結合を形成する場合、ポリオール構造のうち前記エステル結合に参加しない部分を意味することができる。エステル結合は、それぞれ化学式2及び3に表示されている。
【0083】
前記化学式で、Yのポリオール由来単位がトリオール単位のように3個以上のヒドロキシ基を含むポリオールに由来する単位である場合、前記化学式構造でY部分には、分枝が形成された構造が具現され得る。
【0084】
化学式2で、Xのカルボン酸由来単位の種類は特に制限されないが、目的とする物性の確保のために脂肪酸化合物、2個以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物、2個以上のカルボキシル基を有する脂環式化合物及び2個以上のカルボキシル基を有する脂肪族化合物からなる群より選択された一つ以上の化合物に由来した単位であってもよい。
【0085】
2個以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物は、一つの例示で、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸又はテトラクロロフタル酸であってもよい。
【0086】
2個以上のカルボキシル基を有する脂環式化合物は、一つの例示で、テトラヒドロフタル酸又はヘキサヒドロフタル酸であってもよい。
【0087】
2個以上のカルボキシル基を有する脂肪族化合物は、一つの例示で、シュウ酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、コハク酸、リンゴ酸、グルタル酸、マロン酸、ピメリン酸、スベリン酸、2,2-ジメチルコハク酸、3,3-ジメチルグルタル酸、2,2-ジメチルグルタル酸、マレイン酸、フマル酸又はイタコン酸であってもよい。
【0088】
ポリオールのガラス転移温度を考慮すると、芳香族カルボン酸由来単位よりは脂肪族カルボン酸由来単位が好ましい。
【0089】
化学式2及び3で、Yのポリオール由来単位の種類は特に制限されないが、目的とする物性の確保のため、2個以上のヒドロキシ基を有する脂環式化合物及び2個以上のヒドロキシ基を有する脂肪族化合物からなる群より選択される一つ以上の化合物に由来し得る。
【0090】
2個以上のヒドロキシ基を有する脂環式化合物は、一つの例示で、1,3-シクロヘキサンジメタノール又は1,4-シクロヘキサンジメタノールであってもよい。
【0091】
2個以上のヒドロキシ基を有する脂肪族化合物は、一つの例示で、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2-エチルへキシルジオール、1,5-ペンタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、グリセリン又はトリメチロールプロパンであってもよい。
【0092】
化学式2で、nは、任意の数であり、その範囲は、硬化性組成物又はその硬化物である樹脂層が目的とする物性を考慮して選択され得る。例えば、nは、約2~10又は2~5であってもよい。
【0093】
化学式3で、mは、任意の数であり、その範囲は、硬化性組成物又はその硬化物である樹脂層が目的とする物性を考慮して選択され得る、例えば、mは、約1~10又は1~5であってもよい。
【0094】
化学式2及び3で、nとmが前記範囲を脱すると、ポリオールの結晶性発現が強くなって組成物の注入工程性に悪影響を及ぼすことがある。
【0095】
化学式3で、R及びRは、それぞれ独立に炭素数1~14の範囲内のアルキレンである。炭素数は、硬化性組成物又はその硬化物である樹脂層が目的とする物性を考慮して選択され得る。
【0096】
硬化性組成物に含まれる反応抑制剤としては、反応抑制性官能基を有する化合物を用いることができる。用語「反応抑制性官能基」は、主剤樹脂及び硬化剤の反応を遅延乃至抑制させ得る官能基を意味し、例えば、主剤樹脂に比べて硬化剤に一層高い反応性を示すか、あるいは硬化剤に比べて主剤樹脂に一層高い反応性を示す官能基を意味することができる。このような反応抑制性官能基の種類は、主剤樹脂及び/又は硬化剤の種類によって決定される。例えば、主剤樹脂がポリオールであり、硬化剤がイソシアネート化合物である場合に、反応抑制性官能基は、メルカプト基(mercapto group)、アミノ基及び/又はフェノール性水酸基であってもよい。このような官能基は、ポリオールに比べてイソシアネート化合物に対してより高い反応性を示し、これによって、目的とする待機時間を確保することができる。
【0097】
一つの例示で、反応抑制剤としては、下記式2による反応抑制性官能基価が0.001~0.02の範囲内にある化合物を用いることができる。
【0098】
[式2]
【0099】
FV=F/M
【0100】
式2で、FVは、反応抑制性官能基価であり、Fは、反応抑制剤に存在する反応抑制性官能基の数(モル数)であり、Mは、反応抑制剤のモル質量である。
【0101】
反応抑制性官能基価を有する反応抑制剤の使用を通じて適合した待機時間及び待機時間経過後に目的とする硬化速度を効率的に達成することができる。
【0102】
官能基価は、他の例示で、0.002以上、0.003以上、0.004以上又は0.0045以上の範囲内及び/又は0.015以下、0.01以下、0.009以下、0.008以下、0.007以下、0.006以下又は0.0055以下の範囲内で追加に調節され得る。
【0103】
式2で、Mは、一つの例示で、約50~400g/molの範囲内であってもよい。Mは、他の例示で、約60g/mol以上、70g/mol以上、80g/mol以上、90g/mol以上、100g/mol以上、110g/mol以上、120g/mol以上、130g/mol以上、140g/mol以上、150g/mol以上、160g/mol以上、170g/mol以上、180g/mol以上、190g/mol以上又は195g/mol以上の範囲内及び/又は390g/mol以下、380g/mol以下、370g/mol以下、360g/mol以下、350g/mol以下、340g/mol以下、330g/mol以下、320g/mol以下、310g/mol以下、300g/mol以下、290g/mol以下、280g/mol以下、270g/mol以下、260g/mol以下、250g/mol以下、240g/mol以下、230g/mol以下、220g/mol以下、210g/mol以下、200g/mol以下、190g/mol以下、180g/mol以下、170g/mol以下、160g/mol以下、150g/mol以下、140g/mol以下、130g/mol以下、120g/mol以下又は110g/mol以下の範囲内で追加に調節され得る。
【0104】
適合した反応抑制剤としては、前記官能基のうちメルカプト基を有する化合物を用いることができ、例えば、下記化学式1で表示される化合物を用いることができる。特に、下記化学式1の化合物のうち前記官能基価及び/又はモル質量を有する化合物を用いることができる。
【0105】
【化3】
【0106】
化学式1で、Rは、アルキル基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基又は-Si(Rを示すことができる。上記でRは、それぞれ独立に、アルキル基又はアルコキシ基であってもよい。化学式1で、Rは、単結合又はアルキレン基であってもよい。
【0107】
化学式1で、アルキル基、アルコキシ基又はアルキレン基は、炭素数1~20、炭素数1~16、炭素数1~12、炭素数1~8又は炭素数1~4のアルキル基、アルコキシ基又はアルキレン基であってもよい。アルキル基、アルコキシ基又はアルキレン基は、直鎖状、分枝鎖状又は環状であってもよい。
【0108】
化学式1で、芳香族炭化水素基とは、アリール基又はヘテロアリール基を意味する。一具体例で、前記アリール基は、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、ピレニル基、ペリレニル基、クリセニル基又はフルオレニル基などになってもよいが、これらに限定されるものではない。また、ヘテロアリール基は、チオフェン基、フラン基、ピロール基、イミダゾール基、チアゾール基、オキサゾール基、オキサジアゾール基、トリアゾール基、ピリジル基、ビピリジル基、ピリミジル基、トリアジン基、アクリジル基、ピリダジン基、ピラジニル基、キノリニル基、キナゾリン基、キノキサリニル基、フタラジニル基、ピリドピリミジニル基、ピリドピラジニル基、ピラジノピラジニル基、イソキノリン基、インドール基、カルバゾール基、ベンズオキサゾール基、ベンズイミダゾール基、ベンゾチアゾール基、ベンゾカルバゾール基、ベンゾチオフェン基、ジベンゾチオフェン基、ベンゾフラニル基、フェナントロリン基(phenanthroline)、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基又はジベンゾフラニル基などがあるが、これに限定されるものではない。
【0109】
化学式1で、単結合は、両側の原子団が別途の原子を媒介にせず直接結合された場合を意味する。
【0110】
化学式1のアルキル基、アルコキシ基、アルキレン基又は芳香族炭化水素基は、任意に一つ以上の置換基で置換されていてもよい。このとき、置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基又はメルカプト基などが例示され得るが、これらに制限されるものではない。
【0111】
他の例で、化学式1で、Rは、炭素数1~4のアルキル基又は炭素数1~4のアルコキシ基で置換されるか非置換された炭素数1~4のアルキル基;炭素数1~4のアルキル基又は炭素数1~4のアルコキシ基で置換されるか非置換された芳香族炭化水素基;又は-Si(Rを示し、ここで、Rは、それぞれ独立的に、炭素数1~4のアルコキシ基であってもよい。一方、化学式1で、Rは、単結合であるか;炭素数1~10のアルキレン基、又は2~10のアルキレン基であってもよい。
【0112】
一つの例示で、化学式1で表示される化合物は、反応抑制性官能基として一つのメルカプト基のみを有していてもよい。したがって、化学式1で、R及びRは、メルカプト基(-SH)及びその他反応抑制性官能基を含まなくてもよい。
【0113】
硬化性組成物内で反応抑制剤の含量は、目的とする硬化速度などの確保に適合した範囲に制御され得る。一つの例示で、反応抑制剤は、硬化性組成物総100重量部内に約0.05~0.5重量部の範囲内で存在できる。硬化性組成物総100重量部は、硬化性組成物が溶媒などの最終的に除去される成分を含む場合には、その除去される成分の重量は除いて規定する範囲である。また、総100重量部は、硬化性組成物が1液型である場合には、その組成物の重量を基準として規定する範囲であり、2液型である場合には、主剤組成物の重量、硬化剤組成物の重量又はその主剤及び硬化剤組成物の合計重量を基準として求められる範囲である。
【0114】
反応抑制剤の割合は、他の例示で、約0.06重量部以上、0.07量部以上、0.08重量部以上、0.09重量部以上又は約0.1重量部以上の範囲内及び/又は約0.45重量部以下、0.40重量部以下、0.35重量部以下又は約0.30重量部以下の範囲内で追加に調節され得る。
【0115】
他の例示で、反応抑制剤は、硬化性組成物内で、触媒の含量(CW)と反応抑制剤の含量(IW)の重量割合(IW/CW)が1.3~4の範囲内になるように調節されてもよい。このような範囲で目的とする待機時間と待機時間経過後の硬化速度をより効果的に確保することができる。
【0116】
前記含量IW及びCWは、互いに同一単位であり、硬化性組成物内に含まれた触媒及び反応抑制剤の絶対重量であるか、ポリオール100重量部に対する重量部であってもよい。他の例として、前記割合(IW/CW)は、約1.35以上、1.4以上、1.45以上、1.50以上、約1.55以上、2以上、2.5以上又は3以上の範囲内及び/又は約3.8以下、約3.6以下、約3.4以下、約3.2以下、約3以下、約2.98以下、2.96以下、約2.94以下、約2.5以下又は約2以下の範囲内で追加に調節され得る。
【0117】
前記割合(IW/CW)を調節することで、待機時間及び/又は待機時間経過後の硬化速度を制御することができる。
【0118】
他の例示で、反応抑制剤の硬化性組成物内での含量は、下記式3のR1が2~30の範囲内になる範囲で調節され得る。
【0119】
[式3]
【0120】
R1=(W1×O/M)-(FV×W2)
【0121】
式3で、Oは、ポリオールの水酸基価であり、Mは、ポリオールの重量平均分子量であり、FVは、反応抑制剤の反応抑制性官能基価(式2によって求められるFV)であり、W1は、ポリオールの前記反応抑制剤対比重量割合であり、W2は、反応抑制剤のポリオール対比重量割合である。例えば、前記式3によるとき、硬化性組成物内のポリオールと反応抑制剤の重量割合(ポリオール:反応抑制剤)は、W1:W2である。
【0122】
硬化性組成物の2種以上のポリオール及び/又は2種以上の反応抑制剤が存在する場合に、それぞれに対して計算されたW1×O/MとFV×W2を合算して前記式3を確認する。例えば、硬化性組成物内に水酸基価がO1であり、重量平均分子量がM1である第1ポリオールと、水酸基価がO2であり、重量平均分子量がM2である第2ポリオールと、反応抑制性官能基価がFV1である第1反応抑制剤と、反応抑制性官能基価がFV2である第2反応抑制剤が、W11:W12:W21:W22(第1ポリオール:第2ポリオール:第1反応抑制剤:第2反応抑制剤)の重量割合で存在する場合、W11×O1/M1+W12×O2/M2が式3のW1×O/Mになり、FV1×W21+FV2×Wが前記式3のFV×W2になる。
【0123】
R1は、他の例示で、2.5以上、3以上、3.5以上、4以上、4.5以上、5以上、5.5以上、6以上又は6.5以上の範囲内及び/又は29以下、28以下、27以下、26以下、25以下、24以下、23以下、22以下、21以下、20以下、19以下、18以下、17以下、16以下、15以下、14以下、13以下、12以下、11以下、10以下、9以下、8以下又は7以下の範囲内で追加に調節され得る。
【0124】
R1の範囲内で目的とする待機時間を確保し、待機時間後に所望する硬化速度を効率的に確保することができる。
【0125】
硬化性組成物に含まれる触媒の種類も特に制限されず、ポリオールとその硬化剤の反応に対する公知の触媒を用いることができる。このような触媒としては、例えば、ウレタン触媒として多様な種類が公知されている。その例には、3次アミン化合物、非プロトン性塩(aprotic salt)又は有機金属化合物が含まれ、適切な例示で、ジブチルチンジラウレート(DBTDL:dibutyltin dilaurate)などの有機スズ系触媒が用いられ得るが、これに制限されるものではない。
【0126】
硬化性組成物内で触媒の含量は、目的とする硬化速度などの確保に適合した範囲に制御され得る。一つの例示で、触媒は、硬化性組成物総100重量部内に約0.01~0.1重量部の範囲内で存在することができる。硬化性組成物総100重量部は、硬化性組成物が溶媒などの最終的に除去される成分を含む場合には、その除去される成分の重量は除いて規定する範囲である。また、総100重量部は、硬化性組成物が1液型である場合には、その組成物の重量を基準として規定する範囲であり、2液型である場合には、主剤組成物の重量、硬化剤組成物の重量又はその主剤及び硬化剤組成物の合計重量を基準として求められる範囲である。触媒の割合は、他の例示で、約0.02重量部以上、0.03重量部以上又は約0.04重量部以上の範囲内及び/又は約0.09重量部以下、0.08重量部以下又は約0.07重量部以下の範囲内で追加に調節され得る。
【0127】
適切な効果を得るために触媒の含量は、前記割合(IW/CW)を満足し得る範囲内で追加に調節され得る。
【0128】
硬化性組成物は、目的とする機能(例えば、熱伝導度など)を確保するためにフィラーを含むことができる。特に、本発明によると、前記フィラーが非常に過量に含まれる高充填システム下でも、目的とする待機時間及び/又は待機時間経過後の硬化速度を効果的に達成することができる。硬化性組成物が2液型である場合に、フィラーは、2液型組成物の主剤及び硬化剤組成物にそれぞれ含まれてもよい。
【0129】
一つの例示で、フィラーは、熱伝導性フィラーであってもよい。用語「熱伝導性フィラー」は、熱伝導度が約1W/mK以上、5W/mK以上、10W/mK以上又は約15W/mK以上の材料からなるフィラーを意味することができる。熱伝導性フィラーの熱伝導度は、約400W/mK以下、350W/mK以下又は約300W/mK以下であってもよい。熱伝導性フィラーの種類は、特に制限されないが、絶縁性などを一緒に考慮するとき、無機フィラーであってもよい。例えば、アルミナ(Al)、窒化アルミニウム(aluminum nitride)、窒化ホウ素(boron nitride)、窒化ケイ素(silicon nitride)、SiC又はBeOなどのセラミックス粒子が用いられ得る。
【0130】
フィラーの形態や割合は、特に制限されず、硬化性組成物の粘度、硬度、硬化性組成物の硬化速度、硬化性組成物が硬化された樹脂層内での沈降可能性、目的とする熱抵抗乃至は熱伝導度、絶縁性、硬度、充填効果、分散性又は貯蔵安定性などを考慮して適切に調節され得る。一般的に、フィラーのサイズが大きくなるほどこれを含む組成物の粘度が高くなり、後述する樹脂層内でフィラーが沈降する可能性が高くなる。また、サイズが小さくなるほど熱抵抗の高くなる傾向がある。したがって、上記のような点を考慮して適正種類及びサイズのフィラーが選択され得、必要に応じて、2種以上のフィラーを共に用いてもよい。また、充填される量を考慮すると、球形のフィラーを用いることが有利であるが、ネットワークの形成や伝導性などを考慮して針状や板状などの形態のフィラーも用いられ得る。
【0131】
一つの例示で、フィラーの平均粒径が約0.001μm~80μmの範囲内にあり得る。フィラーの平均粒径は、他の例示で、約0.01μm以上、0.1μm以上、0.5μm以上、1μm以上、2μm以上、3μm以上、4μm以上、5μm以上又は約6μm以上であってもよい。前記フィラーの平均粒径は、他の例示で、約75μm以下、70μm以下、65μm以下、60μm以下、55μm以下、50μm以下、45μm以下、40μm以下、35μm以下、30μm以下、25μm以下、20μm以下、15μm以下、10μm以下又は約5μm以下であってもよい。用語「フィラーの平均粒径」は、いわゆるD50粒径又はメジアン径(median diameter)とも呼称される粒径である。D50粒径は、体積基準累積50%での粒子直径(メジアン径)であって、体積基準で粒度分布を求め、全体積を100%とした累積曲線で累積値が50%になる地点の粒子直径を意味し、これは公知のレーザー回折法(laser Diffraction)方式で測定することができる。本明細書におけるD50粒径は、ISO-13320に準拠してMarvern社のMASTERSIZER3000装置を用い、溶媒としては、エタノール(Ethanol)を用いて測定した粒径であってもよい。
【0132】
硬化性組成物は、フィラーを過量に含む高充填システムであってもよい。例えば、硬化性組成物内でフィラーは、硬化性組成物100重量部内に70~95重量部の範囲内の割合で存在することができる(すなわち、一つの例示で、硬化性組成物内でのフィラーの割合は、70~95重量%程度であってもよい)。硬化性組成物総100重量部は、硬化性組成物が溶媒などの最終的に除去される成分を含む場合には、その除去される成分の重量は除いて規定する範囲である。また、前記総100重量部は、硬化性組成物が1液型である場合には、その組成物の重量を基準として規定する範囲であり、2液型である場合には、主剤組成物の重量、硬化剤組成物の重量又はその主剤及び硬化剤組成物の合計重量を基準として求められる範囲である。フィラーの含量は、他の例示で、約74重量部以上、78重量部以上、82重量部以上又は約86重量部以上の範囲内及び/又は94重量部以下、93重量部以下又は約92重量部以下の範囲内で追加に調節され得る。
【0133】
一つの例示で、硬化性組成物内でフィラーの含量は、70~95重量%の範囲内であってもよく、これは約72重量%以上、74重量%以上、76重量%以上、78重量%以上、80重量%以上、82重量%以上、84重量%以上、86重量%以上又は88重量%以上の範囲内及び/又は93重量%以下又は91重量%以下の範囲内で追加に調節され得る。
【0134】
このようなフィラーの含量範囲内で目的とするフィラーの機能を発現させ得る。例えば、フィラーが熱伝導性フィラーである場合に、前記含量範囲で高い熱伝導度(例えば、3.0W/mK以上)を満足する硬化物を形成することができる。
【0135】
硬化性組成物は、前記言及した種類外にも多様な種類のフィラーが用いられ得る。例えば、硬化性組成物が硬化された樹脂層の絶縁特性が確保される場合にグラファイト(graphite)などの炭素フィラーの使用も考慮され得る。または、例えば、ヒュームドシリカ、クレイ、炭酸カルシウム、酸化亜鉛(ZnO)又はアルミニウムヒドロキシド(Al(OH))などのフィラーも用いられ得る。このようなフィラーの形態や含量割合は、特に制限されず、硬化性組成物の粘度、硬化速度、樹脂層内での沈降可能性、揺変性、絶縁性、充填効果及び/又は分散性などを考慮して選択され得る。
【0136】
硬化性組成物は、必要な場合に硬化剤をさらに含むことができる。2液型組成物で硬化剤は、主剤樹脂であるポリオールとは物理的に分離された状態で硬化性組成物に含まれていてもよい。例えば、硬化性組成物が2液型組成物である場合に、硬化性組成物は、ポリオール、反応抑制剤、触媒及びフィラーを主剤組成物に含み、硬化剤を硬化剤組成物に含むことができる。硬化剤組成物は、硬化剤とともに前記フィラーも含むことができる。
【0137】
硬化剤としては、特に制限なしに公知の硬化剤を用いることができ、例えば、ウレタン組成物でポリオールの硬化剤として通常用いられるイソシアネート化合物を用いることができる。硬化剤に適用され得るイソシアネート化合物の種類は特別に制限されないが、目的とする物性の確保のために芳香族基を含まない非芳香族イソシアネート化合物を用いることができる。芳香族ポリイソシアネートを用いる場合、反応速度が過度に速く、硬化物のガラス転移温度が高くなり得るので、上述した待機時間及び/又は待機時間後の硬化速度の確保に不利であり、後述する硬化性組成物の硬化物である樹脂層が目的とする電気絶縁性及び接着力など物性を満足しにくくなり得る。
【0138】
非芳香族イソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リシンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートメチル、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート又はテトラメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート;トランスシクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンジイソシアネート又はジシクロへキシルメタンジイソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネート;又は上記のうちいずれか一つ以上のカルボジイミド変性ポリイソシアネートやイソシアヌレート変性ポリイソシアネート;などが用いられ得る。また、前記羅列された化合物のうち2以上の混合物が用いられ得る。
【0139】
一つの例示で、イソシアネート化合物としては、下記式4によるイソシアネート価が0.001~0.1の範囲内にある化合物を用いることができる。
【0140】
このような化合物は、上述した待機時間及び/又は待機時間後の硬化速度の確保に効果的である。
【0141】
[式4]
【0142】
NCOV=NCO/MN
【0143】
式4で、NCOVは、イソシアネート価であり、NCOは、イソシアネート化合物が有するイソシアネート基の数(モル数)であり、MNは、イソシアネート化合物のモル質量である。
【0144】
イソシアネート価は、他の例示で、0.003以上、0.005以上、0.007以上、0.009以上又は0.01以上の範囲内及び/又は0.09以下、0.08以下、0.07以下、0.06以下、0.05以下、0.04以下、0.03以下、0.02以下又は0.015以下の範囲内で追加に調節され得る。
【0145】
式4で、イソシアネート化合物のモル質量(MN)は、例えば、60~300g/molの範囲内にあってもよい。モル質量(MN)は、他の例示で、70g/mol以上、80g/mol以上、90g/mol以上、100g/mol以上、110g/mol以上、120g/mol以上、130g/mol以上、140g/mol以上、150g/mol以上又は160g/mol以上の範囲内及び/又は290g/mol以下、280g/mol以下、270g/mol以下、260g/mol以下、250g/mol以下、240g/mol以下、230g/mol以下、220g/mol以下、210g/mol以下、200g/mol以下、190g/mol以下、180g/mol以下、170g/mol以下の範囲内で追加に調節され得る。
【0146】
硬化性組成物に含まれる樹脂成分(例えば、ポリオール、イソシアネート化合物及び/又はそれらの間の反応物)は、硬化後に0℃未満のガラス転移温度(Tg)を有することができる。前記ガラス転移温度の範囲を満足する場合、バッテリーモジュールやバッテリーパックが用いられ得る低い温度でも壊れやすい(brittle)特性を比較的短時間内に確保することができ、それによって、耐衝撃性や耐振動特性が保障され得る。一つの例示で、硬化後に硬化性組成物が有するガラス転移温度の下限は、約-70℃以上、-60℃以上、-50℃以上、-40℃以上又は約―30℃以上であってもよく、その上限は、約-5℃以下、-10℃以下、-15℃以下又は約-20℃以下であってもよい。
【0147】
硬化性組成物内でのポリオールとイソシアネート化合物の割合は、特に制限されず、これらの間のウレタン反応が可能となるように適切に調節され得る。一つの例示で、ポリオールとイソシアネート化合物の割合は、当量比で1.0:1.1~1.0:2.0の割合(ポリオール:イソシアネート化合物)であってもよい。
【0148】
他の例示で、イソシアネート化合物は、下記式5のR2が10~150の範囲内になるように硬化性組成物に存在してもよい。
【0149】
[式5]
R2=(W1×O/M)/(NCOV×W3)
【0150】
式5で、Oは、ポリオールの水酸基価であり、NCOVは、イソシアネート化合物のイソシアネート価である。式5で、W1は、イソシアネート化合物対比ポリオールの重量割合であり、W3は、ポリオール対比イソシアネート化合物の重量割合である。すなわち、硬化性組成物内でポリオールとイソシアネート化合物の重量割合(ポリオール:イソシアネート化合物)は、W1:W3である。
【0151】
硬化性組成物の2種以上のポリオール及び/又は2種以上のイソシアネート化合物が存在する場合に、それぞれに対して計算されたW1×O/MとNCOV×W3を合算して式5を確認する。例えば、硬化性組成物内に水酸基価がO1であり、重量平均分子量がM1である第1ポリオールと、水酸基価がO2であり、重量平均分子量がM2である第2ポリオールと、イソシアネート価(NCO価)がNCOV1である第1イソシアネート化合物と、イソシアネート価がNCOV2である第2イソシアネート化合物が、W11:W12:W31:W32(第1ポリオール:第2ポリオール:第1イソシアネート化合物:第2イソシアネート化合物)の重量割合で存在する場合、W11×O1/M1+W12×O2/M2が前記式5のW1×O/Mになり、NCOV×W31+NCOV2×W32が前記式5のNCOV×W3になる。
【0152】
R2は、他の例示で、15以上、20以上、25以上、30以上、35以上、40以上、45以上、50以上、55以上、60以上又は65以上の範囲内及び/又は140以下、130以下、120以下、110以下、100以下、95以下、90以下、85以下、80以下、75以下、70以下、65以下又は60以下の範囲内で追加に調節され得る。
【0153】
他の例示で、イソシアネート化合物は、下記式6のR3が50~500の範囲内になるように硬化性組成物に存在してもよい。
【0154】
[式6]
R3=(FV×W2)/(NCOV×W3)
【0155】
式6で、FVは、反応抑制剤の反応抑制性官能基価であり、NCOVは、イソシアネート化合物のイソシアネート価である。式6で、W2は、イソシアネート化合物対比反応抑制剤の重量割合であり、W3は、反応抑制剤対比イソシアネート化合物の重量割合である。すなわち、硬化性組成物内で反応抑制剤とイソシアネート化合物の重量割合(反応抑制剤:イソシアネート化合物)は、W2:W3である。
【0156】
硬化性組成物の2種以上の反応抑制剤及び/又は2種以上のイソシアネート化合物が存在する場合に、それぞれに対して計算されたFV×W2とNCOV×W3を合算して前記式6を確認する。例えば、硬化性組成物内に反応抑制性官能基価がFV1である第1反応抑制剤と、反応抑制性官能基価がFV2である第2反応抑制剤と、イソシアネート価(NCO価)がNCOV1である第1イソシアネート化合物と、イソシアネート価がNCOV2である第2イソシアネート化合物が、W21:W22:W31:W32(第1反応抑制剤:第2反応抑制剤:第1イソシアネート化合物:第2イソシアネート化合物)の重量割合で存在する場合、W21×FV1+W22×FV2が前記式6のFV×W2になり、NCOV1×W31+NCOV2×W32が式6のNCOV×W3になる。
【0157】
R3は、他の例示で、55以上、60以上、65以上、70以上、75以上、80以上、85以上、90以上、95以上、100以上、110以上、120以上、130以上、140以上、150以上、160以上、170以上、180以上、190以上又は200以上の範囲内及び/又は490以下、480以下、470以下、460以下、450以下、440以下、430以下、420以下、410以下、400以下、390以下、380以下、370以下、360以下、350以下、340以下、330以下、320以下、310以下、300以下、290以下、280以下、270以下、260以下、250以下、240以下、230以下、220以下、210以下、200以下、190以下、180以下、170以下、160以下、150以下、140以下、130以下、120以下、110以下又は100以下の範囲内で追加に調節され得る。
【0158】
R2及び/又はR3の範囲内で目的とする待機時間を確保し、待機時間後に所望する硬化速度を効率的に確保することができる。
【0159】
内容によってイソシアネート化合物の割合が調節されることで、目的とする硬化特性(待機時間及び/又は待機時間経過後の硬化速度)を満足することに有利である。
【0160】
硬化性組成物は、前記成分外にも必要な適切な成分をさらに含んでもよい。
【0161】
例えば、前記硬化性組成物は、必要な粘度の調節、例えば、粘度を高めるかあるいは低めるために又はせん断力による粘度の調節のために粘度調節剤、例えば、揺変性付与剤、希釈剤、分散剤、表面処理剤又はカップリング剤などをさらに含んでいてもよい。
【0162】
揺変性付与剤は、硬化性組成物のせん断力による粘度を調節してバッテリーモジュールの製造工程が効果的に行われるようにすることができる。使用できる揺変性付与剤としては、ヒュームドシリカなどが例示され得る。
【0163】
希釈剤又は分散剤は、通常、硬化性組成物の粘度を低めるために用いられるものであって、前記のような作用を示し得るものであれば、業界で公知となった多様な種類のものを制限なしに用いることができる。
【0164】
表面処理剤は、樹脂層に導入されているフィラーの表面処理のためのものであり、前記のような作用を示し得るものであれば、業界で公知となった多様な種類の物を制限なしに用いることができる。
【0165】
カップリング剤の場合は、例えば、アルミナなどの熱伝導性フィラーの分散性を改善するために用いられ得、前記のような作用を示し得るものであれば、業界で公知となった多様な種類の物質を制限なしに用いることができる。
【0166】
また、前記硬化性組成物は、難燃剤又は難燃補助剤などをさらに含むことができる。この場合、特に制限なしに公知の難燃剤が用いられ得、例えば、固相のフィラー形態の難燃剤や液状難燃剤などが適用され得る。難燃剤としては、例えば、メラミンシアヌレート(melamine cyanurate)などの有機系難燃剤や水酸化マグネシウムなどの無機系難燃剤などがある。樹脂層に充填されるフィラーの量が多い場合、液状タイプの難燃材料(TEP、トリエチルホスフェート(Triethyl phosphate)又はTCPP、トリス(1,3-クロロ-2-プロピル)ホスフェート(tris(1,3-chloro-2-propyl)phosphate)など)を用いてもよい。また、難燃上昇剤として作用できるシランカップリング剤が追加されてもよい。
【0167】
硬化性組成物は、上述したような構成を含むことができ、また、溶剤型組成物、水系組成物又は無溶剤型組成物であってもよいが、製造工程の便宜などを考慮するとき、無溶剤型が適切である。
【0168】
硬化性組成物は、前記成分を前記のように含むことで目的とする適合した物性を示すことができる。
【0169】
また、本発明は、バッテリーモジュールに関する。前記バッテリーモジュールは、内部空間を有するモジュールケース及び内部空間に存在する複数のバッテリーセルを含むことができる。バッテリーセルは、モジュールケース内に収納されていてもよい。バッテリーセルは、モジュールケース内に一つ以上存在することができ、複数のバッテリーセルがモジュールケース内に収納されていてもよい。モジュールケース内に収納されるバッテリーセルの数は、用途などによって調節されるものであって、特に制限されない。モジュールケースに収納されているバッテリーセルは、互いに電気的に連結されていてもよい。
【0170】
バッテリーモジュールは、硬化性組成物の硬化物である樹脂層を含むことができる。樹脂層は、複数のバッテリーセルと接触し、また、モジュールケースと接触した状態でモジュールケースの内部空間に存在することができる。
【0171】
例えば、バッテリーモジュールは、上述した硬化性組成物をバッテリーモジュール内に注入するステップ及び硬化性組成物が注入されたバッテリーモジュールを検査するステップを経て生産され得る。前記過程でバッテリーセルは、硬化性組成物をバッテリーモジュール内に注入する前にバッテリーモジュールケース内に装着されるか、硬化性組成物をバッテリーモジュール内に注入した後にバッテリーモジュールケース内に装着され得る。
【0172】
モジュールケースは、バッテリーセルが収納され得る内部空間を形成する側壁と下部板を少なくとも含むことができる。また、モジュールケースは、内部空間を密閉する上部板をさらに含むことができる。側壁、下部板及び上部板は、互いに一体型に形成されていてもよく、またはそれぞれ分離した側壁、下部板及び/又は上部板が組み立てられて前記モジュールケースが形成されていてもよい。このようなモジュールケースの形態及びサイズは、特に制限されず、用途や内部空間に収納されるバッテリーセルの形態及び個数などによって適切に選択され得る。
【0173】
上記で用語「上部板」と「下部板」は、モジュールケースを構成している板が少なくとも2個存在するので、これを区別するために用いられる相対的概念の用語である。すなわち、実際の使用状態で上部板が必ず上部に存在し、下部板が必ず下部に存在しなければならないということを意味するものではない。
【0174】
図2は、例示的なモジュールケース10を示す図であり、一つの下部版10aと4個の側壁10bを含む箱形態のケース10の例示である。モジュールケース10は、内部空間を密閉する上部板10cをさらに含むことができる。
【0175】
図3は、バッテリーセル20が収納されている図2のモジュールケース10を上部から観察した模式図である。
【0176】
モジュールケースの前記下部板、側壁及び/又は上部板にはホールが形成されていてもよい。ホールは、注入工程によって樹脂層を形成する場合に、樹脂層の形成材料、すなわち、上述した硬化性組成物を注入するために用いられる注入ホールであってもよい。ホールの形態、個数及び位置は、樹脂層形成材料の注入効率を考慮して調整され得る。一つの例示で、ホールは、少なくとも下部板及び/又は上部板に形成されていてもよい。
【0177】
注入ホールが形成されている上部板と下部板などの末端には、観察ホールが形成され得る。このような観察ホールは、例えば、注入ホールを通じて樹脂層材料を注入するときに、注入された材料が該当側壁、下部板又は上部板の末端までよく注入されるかを観察するために形成されたものであってもよい。観察ホールの位置、形態、サイズ及び個数は、注入される材料が適切に注入されたかを確認できるように形成される限り、特に制限されない。
【0178】
モジュールケースは、熱伝導性ケースであってもよい。用語「熱伝導性ケース」は、ケース全体の熱伝導度が10W/mK以上であるか、あるいは少なくとも上記のような熱伝導度を有する部位を含むケースを意味する。例えば、上述した側壁、下部板及び上部板のうち少なくとも一つは、上述した熱伝導度を有することができる。また他の例示で、側壁、下部板及び上部板のうち少なくとも一つが熱伝導度を有する部位を含むことができる。
【0179】
上記で熱伝導性である上部板、下部板、側壁:又は熱伝導性部位の熱伝導度は、他の例示で、約20W/mK以上、30W/mK以上、40W/mK以上、50W/mK以上、60W/mK以上、70W/mK以上、80W/mK以上、90W/mK以上、100W/mK以上、110W/mK以上、120W/mK以上、130W/mK以上、140W/mK以上、150W/mK以上、160W/mK以上、170W/mK以上、180W/mK以上、190W/mK以上又は約195W/mK以上であってもよい。熱伝導度は、その数値が高いほどモジュールの放熱特性などの側面で有利であるので、その上限は特に制限されない。一つの例示で、熱伝導度は、約1,000W/mK下、900W/mK以下、800W/mK以下、700W/mK以下、600W/mK以下、500 W/mK以下、400W/mK以下、300W/mK又は約250W/mK以下であってもよいが、これに制限されるものではない。上記のような熱伝導度を示す材料の種類は、特に制限されず、例えば、アルミニウム、金、銀、タングステン、銅、ニッケル又は白金などの金属素材などがある。モジュールケースは、全体が上記のような熱伝導性材料からなるか、少なくとも一部の部位が熱伝導性材料からなる部位であってもよい。これによって、モジュールケースは、上述の範囲の熱伝導度を有するか、あるいは上述の熱伝導度を有する部位を少なくとも一部位含むことができる。
【0180】
モジュールケースで前記範囲の熱伝導度を有する部位は、樹脂層及び/又は絶縁層と接触する部位であってもよい。また、熱伝導度を有する部位は、冷却水などの冷却媒体と接する部位であってもよい。このような構造を有する場合、バッテリーセルから発生した熱を効果的に外部に放出することができる。
【0181】
本発明で用語「バッテリーセル」は、単位二次電池を意味する。このようなバッテリーセルの種類は特に制限されず、公知の多様なバッテリーセルが全て適用され得る。一つの例示で、バッテリーセルは、パウチ型、円筒型又は角型であるか、その他形態であってもよい。
【0182】
バッテリーモジュールは、硬化性組成物の硬化物である樹脂層を含むことができ、このような樹脂層は、例えば、特許文献1に開示された形態でモジュールケース内に存在することができる。
【0183】
また、本発明は、バッテリーパック、例えば、上述したバッテリーモジュールを2個以上含むバッテリーパックに関する。バッテリーパックでバッテリーモジュールは、互いに電気的に連結されていてもよい。2個以上のバッテリーモジュールを電気的に連結してバッテリーパックを構成する方式は特に制限されず、公知の方式が全て適用され得る。
【0184】
また、本発明は、バッテリーモジュール又はバッテリーパックを含む装置に関する。前記装置の例としては、電気自動車などの自動車が挙げられるが、これに制限されず、2次電池を出力で要求する全ての用途が含まれ得る。例えば、バッテリーパックを用いて前記自動車を構成する方式は特に制限されず、一般的な方式が適用され得る。
【発明の効果】
【0185】
本発明は、硬化開始後に待機時間を確保することができ、該当待機時間を用途によって効率的に制御することができ、待機時間が経過した後の硬化速度も用途に適合して制御することができる硬化性組成物を提供することができる。本発明は、相対的に低粘度で組成(formulation)されるか、過量のフィラーを含むように組成される場合にも前記特性を確保し得る硬化性組成物を提供することができる。
【0186】
また、本発明は、硬化性組成物又はその硬化物を含むバッテリーモジュール、バッテリーパック及び/又は自動車を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0187】
図1は、本発明で適用され得る例示的な混合機を示す。
【0188】
図2は、本発明で適用され得る例示的なモジュールケースを示す。
【0189】
図3は、モジュールケース内にバッテリーセルが収納されている形態を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0190】
以下、実施例及び比較例を通じて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲は下記実施例によって制限されるものではない。
【0191】
1.粘度
【0192】
硬化性組成物(主剤組成物、硬化剤組成物又はそれらの混合物)の粘度は、ブルックフィールドHBタイプ(Brookfield HB type)粘度計を用いて測定した。粘度測定時に温度は、約25℃に維持した。粘度計を用いて、約90%のトルク及び約100rpmのせん断速度条件で硬化性組成物の粘度を時間によって測定した。
【0193】
2.硬度
【0194】
硬化性組成物の硬度は、ASTM D 2240規格によってアスカー硬度計(ASKER、durometer hardness)を用いて測定した。硬度は、硬化性組成物を厚さが約4mm程度であるフィルム形態で維持し、温度を約25℃に維持した状態で、厚さ方向に時間によって測定した。フィルム形態のサンプルの表面に1Kg以上の荷重(約1.5Kg)を加えて初期硬度を測定し、15秒後に安定化された測定値で確認して硬度(Shore A硬度)を評価した。
【0195】
3.負荷値(Li、Lf)
【0196】
硬化性組成物の負荷値(kgf)は、2個のカートリッジ2a、2b及び1個のスタティックミキサー(static mixer)5を図1のように連結した測定装置1を用いて測定した。
【0197】
測定装置1でカートリッジ2a、2bとしては、直径が18mmである円形注入部と直径が3mmである円形吐出部4、4a、4bを有し、カートリッジ2a、2bの高さが100mmであり、内部体積が25mlであるもの(Sulzer社、AB050-01-10-01)を用いた。測定装置1でスタティックミキサー5としては、直径2mmの円形吐出部7を有し、stepped型であり、エレメント数は、16であるミキサー5(Sulzer社、MBH-06-16T)を用いた。測定装置で加圧手段3、3a、3bとしては、TA(Texture analyzer)を用いた。
【0198】
2液型硬化性組成物の主剤組成物を2個のカートリッジ2a、2bのうちいずれか一つに充填し、硬化剤組成物を他のカートリッジに充填した後に、加圧手段3、3a、3bで一定の力を加え、主剤及び硬化剤組成物がそれぞれ第1吐出部4a、4bを経由してスタティックミキサー5内で混合された後、第2吐出部7に吐出されるようにしながら負荷値(Li、Lf)を測定した。
【0199】
負荷値Liは、主剤及び硬化剤組成物を前記2個のカートリッジ2a、2bにそれぞれローディングした後にTA(Texture analyzer)3a、3bで1mm/s程度の等速度で加圧し、組成物がスタティックミキサー5の内部で混合された後に最初に吐出されるときから、加圧手段に印加される力を測定して、前記力が最大値になる地点での前記最大値である。
【0200】
負荷値Lfは、負荷値Liと類似した方式で測定した。すなわち、負荷値Lfは、主剤及び硬化剤組成物を2個のカートリッジ2a、2bにそれぞれローディングした後、TA(Texture analyzer)3a、3bで1mm/s程度の等速度で加圧し、組成物がスタティックミキサー5の内部で混合された後に最初に吐出されるときから、加圧手段に印加される力を測定して、力が最大値になる地点での最大値である。ただし、Liの測定時には、最大値が測定されるまで中断なしに加圧手段で加圧したが、Lfの測定時には、主剤及び硬化剤組成物がミキサー5の内部で混合される時点で加圧手段による加圧を止めて30分程度ミキサー5の内部で硬化反応を進行させた後に、更に等速度(1mm/s)で加圧しながら最大値を測定して、その最大値をLfとした。
【0201】
Lfの測定時に加圧を止める時点は、ミキサー5に注入された主剤組成物及び硬化剤組成物の量がミキサーの容量(体積)の95%程度になる時点であった。前記30分が経過した時点で、加圧手段で更に1mm/sの等速度で加圧して最初に吐出される時から加圧手段に印加される力を測定し始め、力が最大値になる地点で最大値を負荷値(Lf)とした。
【0202】
最大値は、最初に確認される最大値である。すなわち、上記のように加圧手段で加圧しながら印加される力を測定すると、力は、増加している途中減少するか、あるいは増加してからそれ以上は増加せず一定レベルに維持されるようになるが、最大値は、減少する前の最大値であるか、一定レベルに維持される最大値である。
【0203】
4.重量平均分子量の測定
【0204】
ポリオールの重量平均分子量は、GPC(Gel Permeation Chromatograph)で測定した。具体的に、下記順序によって測定した。
【0205】
(1)5mLバイアル(vial)に分析対象物質(ポリオール)を入れ、約1mg/mL程度の濃度になるようにTHF(テトラヒドロフラン、tetrahydro furan)に希釈する。
【0206】
(2)較正(Calibration)用標準試料と分析しようとする試料とをシリンジフィルタ(syringefilter)(孔径(pore size):0.45μm)を通じて濾過する。
【0207】
(3)濾過された標準試料と分析試料をGPC機器に注入した後にGPC分析を行う。
【0208】
分析プログラムは、Agilent technologies社のChemStationを用い、試料の溶出時間(elution time)を較正曲線(calibration curve)と比較して重量平均分子量(Mw)を計算した。GPCの測定条件は下記の通りである。
【0209】
<GPC測定条件>
【0210】
機器:Agilent technologies社の1200 series
【0211】
カラム:Polymer laboratories社のPLgel mixed B 2個使用
【0212】
溶媒:THF
【0213】
カラム温度:35℃
【0214】
サンプル濃度:1mg/mL、200μL注入
【0215】
標準試料:ポリスチレン(Mp:3900000、723000、316500、52200、31400、7200、3940、485)
【0216】
<実施例1>
【0217】
硬化性組成物は、2液型で製造した。すなわち、ポリオール(主剤樹脂)、反応抑制剤、触媒及びフィラーを配合して主剤組成物を製造し、イソシアネート化合物とフィラーを配合して硬化剤組成物を製造した。
【0218】
主剤樹脂としては、下記化学式4で表示されるカプロラクトンポリオールを用いた。前記ポリオールは、重量平均分子量が約400g/mol程度であり、水酸基価(OH value)は、約280mgKOH/g程度であった。前記水酸基価は、標準試験方法(ASTM E 1899-08)によって評価した。
【0219】
【化4】
【0220】
化学式4で、mは、1~3の範囲内の数であり、R及びRは、それぞれ炭素数価4のアルキレンであり、Yは、1,4-ブタンジオール単位である。
【0221】
反応抑制剤としては、1-ドデカンチオール(1-Dodecanethiol、モル質量:約202.4g/mol)を用い、触媒としては、ジブチルすずジラウレート(DBTDL:dibutyltin dilaurate)を用い、硬化剤としては、HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート(Hexamethylene diisocyanate)、モル質量:約168.2g/mol)を用いた。
【0222】
フィラーとしては、アルミナを用い、D50粒径が約40μm程度である第1フィラー、D50粒径が約20μm程度である第2フィラー及びD50粒径が約2μm程度である第3フィラーを4:3:3の重量割合(第1フィラー:第2フィラー:第3フィラー)で混合したフィラー混合物を用いた。
【0223】
主剤組成物は、カプロラクトンポリオール、反応抑制剤、触媒及びフィラーを9.98:0.12:0.040:89.9の重量割合(ポリオール:反応抑制剤:触媒:フィラー)で混合して製造し、硬化剤組成物は、HDI及びフィラーを10:90の重量割合(HDI:フィラー)で混合して製造した。上記で主剤組成物内のポリオールと硬化剤組成物内のHDIの重量割合(ポリオール:HDI)は、1:1程度であった。
【0224】
主剤組成物及び硬化剤組成物の製造時の混合は、プラネタリミキサー(planetary mixer)で行った。
【0225】
<実施例2>
【0226】
主剤組成物の製造時に、カプロラクトンポリオール、反応抑制剤、触媒及びフィラーの重量割合(ポリオール:反応抑制剤:触媒:フィラー)を9.98:0.15:0.070:89.8とし、硬化剤組成物の製造時に、HDI及びフィラーの重量割合(HDI:フィラー)を10:90とし、主剤組成物内のポリオールと硬化剤組成物内のHDIの重量割合(ポリオール:HDI)を1:1として、実施例1と同様に各組成物を製造した。
【0227】
<実施例3>
【0228】
主剤組成物の製造時に、カプロラクトンポリオール、反応抑制剤、触媒及びフィラーの重量割合(ポリオール:反応抑制剤:触媒:フィラー)を9.98:0.12:0.070:89.8とし、硬化剤組成物の製造時に、HDI及びフィラーの重量割合(HDI:フィラー)を10:90とし、主剤組成物内のポリオールと硬化剤組成物内のHDIの重量割合(ポリオール:HDI)を1:1とし、実施例1と同様に各組成物を製造した。
【0229】
<実施例4>
【0230】
主剤組成物の製造時に、カプロラクトンポリオール、反応抑制剤、触媒及びフィラーの重量割合(ポリオール:反応抑制剤:触媒:フィラー)を9.97:0.25:0.090:89.7とし、硬化剤組成物の製造時に、HDI及びフィラーの重量割合(HDI:フィラー)を10:90とし、主剤組成物内のポリオールと硬化剤組成物内のHDIの重量割合(ポリオール:HDI)を1:1とし、実施例1と同様に各組成物を製造した。
【0231】
<実施例5>
【0232】
反応抑制剤として1-ドデカンチオール(1-Dodecanethiol、モル質量:約202.4g/mol)の代わりに3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(3-Mercaptopropyltrimethoxysilane、モル質量:約196.4g/mol)を用い、他の材料は、実施例1と同様に用いた。
【0233】
主剤組成物の製造時に、カプロラクトンポリオール、反応抑制剤、触媒及びフィラーの重量割合(ポリオール:反応抑制剤:触媒:フィラー)を9.97:0.15:0.070:89.8とし、硬化剤組成物の製造時に、HDI及びフィラーの重量割合(HDI:フィラー)を10:90とし、主剤組成物内のポリオールと硬化剤組成物内のHDIの重量割合(ポリオール:HDI)を1:1とし、実施例1と同様に各組成物を製造した。
【0234】
<比較例1>
【0235】
主剤組成物の製造時に、カプロラクトンポリオール、触媒及びフィラーの重量割合(ポリオール:触媒:フィラー)を9.99:0.090:89.9とし、硬化剤組成物の製造時に、HDI及びフィラーの重量割合(HDI:フィラー)を10:90とし、主剤組成物内のポリオールと硬化剤組成物内のHDIの重量割合(ポリオール:HDI)を1:1とし、実施例1と同様に各組成物を製造した。
【0236】
<比較例2>
【0237】
主剤組成物の製造時に、カプロラクトンポリオール、反応抑制剤、触媒及びフィラーの重量割合(ポリオール:反応抑制剤:触媒:フィラー)を9.98:0.12:0.090:89.8とし、硬化剤組成物の製造時に、HDI及びフィラーの重量割合(HDI:フィラー)を10:90とし、主剤組成物内のポリオールと硬化剤組成物内のHDIの重量割合(ポリオール:HDI)を1:1として、実施例1と同一に各組成物を製造した。
【0238】
前記実施例及び比較例に対して測定した物性を下記表1に整理して記載した。
【0239】
【表1】
【0240】
表1の結果を通じて、本発明の硬化性組成物により適切な待機時間を確保し得るという点を確認することができる。すなわち、反応抑制剤がない場合に比べて、存在する場合にVtがより長く測定され、他の条件が同一であるときに、触媒量を基準とした反応抑制剤の量の割合が高いほどより長い待機時間が確保され、他の条件が同一であるときに、反応抑制剤の官能基価が低いほどより長い待機時間が確保される傾向があることを確認した。
【0241】
また、Ht、Ht40又はHt90から、他の条件が同一であるときに、触媒の含量が増加する場合、触媒量を基準とした反応抑制剤の量の割合が高くなる場合及び/又は反応抑制剤の官能基価が高くなる場合に、待機時間経過後に硬化速度が速くなる傾向があることを確認した。
【0242】
また、実施例の硬化性組成物は、低い負荷値(L、L)を示した。
【0243】
一方、比較例の硬化性組成物の場合、待機時間が適切に確保されず、過度に大きい負荷値を示した。
図1
図2
図3