(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】高吸水性樹脂の製造方法
(51)【国際特許分類】
C08J 3/24 20060101AFI20240716BHJP
C08J 3/12 20060101ALI20240716BHJP
C08J 3/075 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
C08J3/24 Z
C08J3/12 A
C08J3/075
(21)【出願番号】P 2022573534
(86)(22)【出願日】2021-11-23
(86)【国際出願番号】 KR2021017211
(87)【国際公開番号】W WO2022119207
(87)【国際公開日】2022-06-09
【審査請求日】2022-11-29
(31)【優先権主張番号】10-2020-0166858
(32)【優先日】2020-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0159519
(32)【優先日】2021-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ジ・ホン・ミン
【審査官】山本 晋也
(56)【参考文献】
【文献】特表2001-523733(JP,A)
【文献】特開平08-053550(JP,A)
【文献】特開平07-096181(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J3/00-3/28
C08J99/00
C08C19/00-19/44
C08F6/00-246/00
C08F301/00
C08K3/00-13/08
C08L1/00-101/14
B01J20/00-20/28
B01J20/30-20/34
A61F13/15-13/84
A61L15/16-15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)内部架橋剤の存在下で、少なくとも一部が中和した酸性基を有する水溶性エチレン系不飽和単量体を架橋重合して、第1架橋重合体を含む含水ゲル重合体を形成する段階(段階1);
2)前記含水ゲル重合体を粗粉砕する段階(段階2);
3)前記含水ゲル重合体を乾燥、粉砕および分級してベース樹脂粉末を形成する段階(段階3);および
4)前記ベース樹脂粉末および表面架橋液を反応させて、前記ベース樹脂粉末の表面に相互浸透高分子ネットワークを形成させる段階(段階4)を含み、
前記表面架橋液は、アミノ基を有する単量体および下記化学式1で表される化合物を含
み、
前記アミノ基を有する単量体は、キトサン、またはシクロデキストリンである、
高吸水性樹脂の製造方法。
【化1】
(前記化学式1で、
nは1~10の整数である。)
【請求項2】
前記表面架橋液の溶媒は、水である、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記表面架橋液のpHは、1~3である、
請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記表面架橋液内の前記アミノ基を有する単量体の濃度は、1N~10Nである、
請求項1から
3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項5】
前記表面架橋液内の前記化学式1で表される化合物の濃度は、1N~10Nである、
請求項1から
4のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項6】
前記表面架橋液内のキトサンおよび前記化学式1で表される化合物の重量比は、1:1~5:1である、
請求項1から
5のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項7】
前記化学式1のnは、2~4の整数である、
請求項1から
6のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項8】
前記化学式1で表される化合物は、グルタルアルデヒドである、
請求項1から
7のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項9】
前記段階4は、20~90℃の温度下で行われる、
請求項1から
8のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項10】
前記高吸水性樹脂のCRCは、30~40g/gである、
請求項1から
9のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項11】
前記高吸水性樹脂のゲル強度は、1.50N~3.00Nである、
請求項1から
10のいずれか一項に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願(ら)との相互引用
本出願は、2020年12月2日付韓国特許出願第10-2020-0166858号および2021年11月18日付韓国特許出願第10-2021-0159519号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として組み含まれる。
【0002】
本発明は、高吸水性樹脂の表面に相互浸透高分子ネットワーク(interpenetrating polymer network;IPN)が形成されている高吸水性樹脂の製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
高吸水性樹脂(Super Absorbent Polymer、SAP)とは、自重の5百~1千倍程度の水分を吸収できる機能を有する合成高分子物質であり、開発会社ごとにSAM(Super Absorbency Material)、AGM(Absorbent Gel Material)などそれぞれ異なるように命名している。このような高吸水性樹脂は、生理用品として実用化され始め、現在は乳幼児用紙おむつなど衛生用品以外に、園芸用土壌保水材、土木・建築用止水材、育苗用シート、食品流通分野における新鮮度保持剤、および湿布用などの材料として幅広く使用されている。
【0004】
最も多い場合に、このような高吸水性樹脂は、おむつや生理用ナプキンなど衛生材分野で広く使用されている。このような衛生材内で、前記高吸水性樹脂は、パルプ内に広がった状態で含まれることが一般的である。しかし、最近は、より薄い厚さのおむつなど衛生材を提供するための努力が続いており、その一環としてパルプの含有量が減少したり、ひいてはパルプが全く使用されない所謂パルプレス(pulpless)おむつなどの開発が積極的に進められている。
【0005】
このように、パルプの含有量が減少したり、パルプが使用されない衛生材の場合、相対的に高吸水性樹脂が高い比率で含まれ、このような高吸水性樹脂粒子が衛生材内に不可避に多層で含まれる。このように多層で含まれる全体的な高吸水性樹脂粒子がより効率的に小便などの液体を吸収するためには、前記高吸水性樹脂が基本的に高い吸水性能および吸水速度を示す必要がある。このために、高吸水性樹脂の表面を架橋する方法が使用されている。
【0006】
高吸水性樹脂の表面架橋は、高吸水性樹脂の表面に存在するカルボキシ基などの作用基を結合するようにして表面架橋層を形成することであり、これを通じて高吸水性樹脂の物性を改善することができる。しかし、このような方法の表面架橋層を形成する場合、物理的強度が増加することができるが、高吸水性樹脂の吸水率が落ちることがある。したがって、高吸水性樹脂の本来の物性を阻害せずに表面架橋層を形成する方法が要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、高吸水性樹脂の表面架橋層を形成するに当たり、高吸水性樹脂の表面に相互浸透高分子ネットワーク(interpenetrating polymer network;IPN)を形成する、高吸水性樹脂の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明は、下記の高吸水性樹脂の製造方法を提供する。
【0009】
1)内部架橋剤の存在下で、少なくとも一部が中和した酸性基を有する水溶性エチレン系不飽和単量体を架橋重合して、第1架橋重合体を含む含水ゲル重合体を形成する段階(段階1);
2)前記含水ゲル重合体を粗粉砕する段階(段階2);
3)前記含水ゲル重合体を乾燥、粉砕および分級してベース樹脂粉末を形成する段階(段階3);および
4)前記ベース樹脂粉末および表面架橋液を反応させて、前記ベース樹脂粉末の表面に相互浸透高分子ネットワークを形成させる段階(段階4)を含み、
前記表面架橋液は、アミノ基を有する単量体および下記化学式1で表される化合物を含む、
高吸水性樹脂の製造方法。
【0010】
【0011】
前記化学式1で、
nは1~10の整数である。
【0012】
高吸水性樹脂の製造方法は、大きく水溶性エチレン系不飽和単量体を重合して含水ゲル重合体を製造する段階と、これを粉砕する段階とを含む。また、高吸水性樹脂の各種物性を改善するために、製造された高吸水性樹脂の表面を架橋する方法が使用されている。
【0013】
高吸水性樹脂の表面架橋は、一般的に高吸水性樹脂の表面に存在するヒドロキシなどの作用基が互いに結合するようにして形成されるが、化学的に高吸水性樹脂内に存在する作用基を反応させるため、高吸水性樹脂の一部の物性が低下することがある。
【0014】
そこで、本発明では、高吸水性樹脂の表面に存在するヒドロキシなどの作用基の代わりに、新たな高分子鎖を高吸水性樹脂の表面に相互浸透高分子ネットワーク(interpenetrating polymer network;IPN)で導入して表面架橋層を形成することによって、高吸水性樹脂の本来の物性を阻害せずに表面架橋層を形成して、結果として高吸水性樹脂の各種物性を改善することができるという特徴がある。
【0015】
以下、各段階別に本発明を詳細に説明する。
【0016】
(段階1)
前記段階1は、含水ゲル重合体を製造する段階であり、具体的に、少なくとも一部が中和した酸性基を有する水溶性エチレン系不飽和単量体を含む単量体組成物を架橋重合して含水ゲル重合体を形成する段階である。
【0017】
前記水溶性エチレン系不飽和単量体は、高吸水性樹脂の製造に通常使用される任意の単量体であり得る。具体的に、前記水溶性エチレン系不飽和単量体は、下記化学式2で表される化合物であり得る。
【0018】
[化学式2]
R1-COOM1
【0019】
前記化学式2で、
R1は不飽和結合を含む炭素数2~5のアルキル基であり、
M1は水素原子、1価または2価金属、アンモニウム基または有機アミン塩である。
【0020】
好ましくは、前記水溶性エチレン系不飽和単量体は、アクリル酸、メタクリル酸、およびこれら酸の1価金属塩、2価金属塩、アンモニウム塩および有機アミン塩からなる群より選択された1種以上であり得る。このように水溶性エチレン系不飽和単量体としてアクリル酸またはその塩を使用する場合、吸水性が向上した高吸水性樹脂を得ることができるため有利である。この他にも前記単量体としては、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、2-アクリロイルエタンスルホン酸、2-メタクリロイルエタンスルホン酸、2-(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、または2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸の陰イオン性単量体とその塩;(メタ)アクリルアミド、N-置換(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートまたはポリエチレングリコール(メタ)アクリレートの非イオン系親水性含有単量体;および(N,N)-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートまたは(N,N)-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドのアミノ基含有不飽和単量体とその4級化物;からなる群より選択された1種以上を使用することができる。
【0021】
前記水溶性エチレン系不飽和単量体は、酸性基を有し、前記酸性基の少なくとも一部が中和したものであり得る。好ましくは、前記単量体を水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウムなどのアルカリ物質で部分的に中和させたものを使用することができる。
【0022】
この時、前記単量体の中和度は、40~95モル%、または40~80モル%、または45~75モル%であり得る。前記中和度の範囲は最終物性により変わり得るが、中和度が過度に高ければ中和した単量体が析出されて重合が円滑に行われ難いことがあり、反対に中和度が過度に低ければ高分子の吸収力が大きく落ちるだけでなく、取り扱いが困難な弾性ゴムのような性質を示すことがある。
【0023】
前記単量体組成物には、高吸水性樹脂の製造に一般的に使用される重合開始剤が含まれ得る。
【0024】
前記重合開始剤としては、重合方法により熱重合開始剤または光重合開始剤などを使用することができる。ただし、光重合方法によるとしても、紫外線照射などにより一定量の熱が発生し、また、発熱反応である重合反応の進行によりある程度の熱が発生するため、熱重合開始剤が追加的に含まれ得る。
【0025】
前記光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインエーテル(benzoin ether)、ジアルキルアセトフェノン(dialkyl acetophenone)、ヒドロキシルアルキルケトン(hydroxyl alkylketone)、フェニルグリオキシレート(phenyl glyoxylate)、ベンジルジメチルケタール(Benzyl Dimethyl Ketal)、アシルホスフィン(acyl phosphine)およびα-アミノケトン(a-aminoketone)からなる群より選択された一つ以上の化合物を使用することができる。そのうちのアシルホスフィンの具体例として、商用のlucirin TPO、つまり、2,4,6-トリメチル-ベンゾイル-トリメチルホスフィンオキシド(2,4,6-trimethyl-benzoyl-trimethyl phosphine oxide)を使用することができる。より多様な光重合開始剤については、Reinhold Schwalmの著書である「UV Coatings:Basics, Recent Developments and New Application(Elsevier, 2007)」の115頁に開示されており、これを参照することができる。
【0026】
前記熱重合開始剤としては、過硫酸塩系開始剤、アゾ系開始剤、過酸化水素、およびアスコルビン酸からなる群より選択された一つ以上の化合物を使用することができる。具体的に、過硫酸塩系開始剤としては、過硫酸ナトリウム(Sodium persulfate;Na2S2O8)、過硫酸カリウム(Potassium persulfate;K2S2O8)、過硫酸アンモニウム(Ammonium persulfate;(NH4)2S2O8)などを例に挙げられる。また、アゾ(Azo)系開始剤としては、2,2-アゾビス-(2-アミジノプロパン)二塩酸塩(2,2-azobis(2-amidinopropane) dihydrochloride)、2,2-アゾビス-(N,N-ジメチレン)イソブチラミジンジヒドロクロライド(2,2-azobis-(N,N-dimethylene)isobutyramidine dihydrochloride)、2-(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル(2-(carbamoylazo)isobutylonitrile)、2,2-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]ジヒドロクロライド(2,2-azobis[2-(2-imidazolin-2-yl)propane] dihydrochloride)、4,4-アゾビス-(4-シアノ吉草酸)(4,4-azobis-(4-cyanovaleric acid))などを例に挙げられる。より多様な熱重合開始剤については、Odianの著書である「Principle of Polymerization(Wiley, 1981)」の203頁に開示されており、これを参照することができる。
【0027】
このような重合開始剤は、前記単量体組成物に対して0.001~1重量%、あるいは0.005~0.1重量%の濃度で添加され得る。つまり、前記重合開始剤の濃度が過度に低い場合、重合速度が遅くなることがあり、最終製品に残存モノマーが多量で抽出されることがあるため好ましくない。反対に、前記重合開始剤の濃度が過度に高い場合、ネットワークをなす高分子鎖が短くなって水可溶成分の含有量が高まり、加圧吸収能が低くなるなど樹脂の物性が低下することがあるため好ましくない。
【0028】
一方、前記単量体組成物の重合は、前記水溶性エチレン系不飽和単量体の重合による樹脂の物性を向上させるために架橋剤(「内部架橋剤」)の存在下で行われる。前記架橋剤は、含水ゲル重合体を内部架橋させるためのものであり、後述する「表面架橋剤」とは別個に使用することができる。
【0029】
前記内部架橋剤としては、前記水溶性エチレン系不飽和単量体の重合時、架橋結合の導入を可能にするものであれば如何なる化合物でも使用可能である。非制限的な例として、前記内部架橋剤は、N,N’-メチレンビスアクリルアミド、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリアリルアミン、アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコール、グリセリン、またはエチレンカーボネートなどの多官能性架橋剤を単独使用または2以上併用することができる。
【0030】
このような内部架橋剤は、前記単量体組成物に対して0.001~1重量%、あるいは0.01~0.8重量%、あるいは0.1~0.7重量%の濃度で添加され得る。つまり、前記内部架橋剤の濃度が過度に低い場合、樹脂の吸収速度が低くなり、ゲル強度が弱くなることがあるため好ましくない。反対に、前記内部架橋剤の濃度が過度に高い場合、樹脂の吸収力が低くなって吸収体として好ましくないことがある。
【0031】
また、前記単量体組成物の架橋重合は、吸収速度の向上の必要性および程度により、発泡剤の存在下で行われ得る。このような発泡剤は、前記架橋重合反応過程で分解されて気体を発生させ、そのために含水ゲル重合体内に気孔を形成することができる。その結果、このような発泡剤の追加使用時、高吸水性樹脂内により発達した多孔性構造が形成されて、高吸水性樹脂の吸収速度がより向上することができる。
【0032】
非制限的な例として、前記発泡剤は、ナトリウムビカーボネート(sodium bicarbonate)、ナトリウムカーボネート(sodium carbonate)、カリウムビカーボネート(potassium bicarbonate)、カリウムカーボネート(potassium carbonate)、カルシウムビカーボネート(calcium bicarbonate)、カルシウムカーボネート(calcium carbonate)、マグネシウムビカーボネート(magnesium bicarbonate)、マグネシウムカーボネート(magnesium carbonate)、アゾジカーボンアミド(azodicarbonamide、ADCA)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(dinitroso pentamethylene tetramine、DPT)、p,p’-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(p,p’-oxybis(benzenesulfonyl hydrazide)、OBSH)、p-トルエンスルホニルヒドラジド(p-toluenesulfonyl hydrazide、TSH)、スクロースステアレート(sucrose stearate)、スクロースパルミテート(sucrose palmitate)、およびスクロースラウレート(sucrose laurate)からなる群より選択された1種以上の化合物を含むことができる。
【0033】
前記発泡剤は、前記単量体組成物に1000~4000ppmwの含有量で存在することができ、より具体的に、1000ppm以上、あるいは1100ppmw以上、あるいは1200ppmw以上;そして4000ppmw以下、あるいは3500ppmw以下、あるいは3000ppmw以下の含有量で存在することができる。
【0034】
この他にも、前記単量体組成物には、必要に応じて増粘剤、可塑剤、保存安定剤、酸化防止剤などの添加剤がさらに含まれ得る。
【0035】
そして、このような単量体組成物は、前述した水溶性エチレン系不飽和単量体、重合開始剤、内部架橋剤、発泡剤などの原料物質が溶媒に溶解された溶液の形態で準備され得る。
【0036】
この時、使用可能な溶媒としては、前述した原料物質を溶解可能なものであれば、その構成の限定なしに使用することができる。例えば、前記溶媒としては、水、エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、アセトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、トルエン、キシレン、ブチロラクトン、カルビトール、メチルセロソルブアセテート、N,N-ジメチルアセトアミド、またはこれらの混合物などを使用することができる。
【0037】
前記単量体組成物の重合を通じた含水ゲル重合体の形成は、通常の重合方法で行うことができ、その工程は特に限定されない。
【0038】
非制限的な例として、前記重合方法は、重合エネルギー源の種類により大きく熱重合と光重合に区分されるが、前記熱重合を進行する場合には、ニーダー(kneader)などの攪拌軸を有する反応器で行われ、光重合を進行する場合には、移動可能なコンベヤーベルトが備えられた反応器で行われ得る。
【0039】
一例として、攪拌軸が備えられたニーダーなどの反応器に前記単量体組成物を投入し、ここに熱風を供給したり反応器を加熱して熱重合することによって含水ゲル重合体を得ることができる。この時、反応器に備えられた攪拌軸の形態により反応器排出口に排出される含水ゲル重合体は、数ミリメートル~数センチメートルの粒子で得られる。具体的に、得られる含水ゲル重合体は、注入される単量体組成物の濃度および注入速度などにより多様な形態で得られるが、通常、(重量平均)粒径が2~50mmの含水ゲル重合体が得られる。
【0040】
そして、他の一例として、移動可能なコンベヤーベルトが備えられた反応器で前記単量体組成物に対する光重合を進行する場合には、シート形態の含水ゲル重合体が得られる。この時、前記シートの厚さは、注入される単量体組成物の濃度および注入速度により変わり得るが、シート全体が均一に重合され得るようにしながらも、生産速度などを確保するために、通常0.5~10cmの厚さに調節されることが好ましい。
【0041】
このような方法で形成される含水ゲル重合体は、40~80重量%の含水率を示すことができる。ここで、含水率は、含水ゲル重合体の全体重量で水分が占める重量であり、含水ゲル重合体の重量から乾燥状態の重合体の重量を引いた値であり得る。具体的に、赤外線加熱を通じて重合体の温度を上げて乾燥する過程で重合体中の水分蒸発による重量減少分を測定して計算された値と定義され得る。この時、乾燥条件は、常温から約180℃まで温度を上昇させた後、180℃で維持する方式で総乾燥時間は温度上昇段階5分を含んで20分と設定され得る。
【0042】
(段階2)
本発明の段階2は、前記段階1で製造した含水ゲル重合体をゲル粉砕する段階である。
【0043】
前記粉砕を通じて、含水ゲル重合体の乾燥効率を上げるだけでなく、高吸水性樹脂の形態(morphology)に影響を与えて、吸収速度を含む高吸水性樹脂の多様な物性に影響を与えることができ、特に高吸水性樹脂の吸収速度を向上させるために、本発明では含水ゲル重合体を乾燥する前に粉砕する段階を含む。以下で説明する段階4の粉砕と区別するために、本明細書で便宜上「粗粉砕」という用語を使用する。
【0044】
前記粉砕のために使用される粉砕機は、構成の限定はないが、具体的に、垂直型切断機(vertical pulverizer)、ターボカッター(turbo cutter)、ターボグラインダー(turbo grinder)、回転切断式粉砕機(rotary cutter mill)、切断式粉砕機(cutter mill)、円板粉砕機(disc mill)、切れ破砕機(shred crusher)、破砕機(crusher)、チョッパー(chopper)および円板式切断機(disc cutter)からなる粉砕機器群より選択されるいずれか一つを含むことができるが、前述した例に限定されない。
【0045】
この時、粗粉砕段階は、含水ゲル重合体の粒径が約2mm~約10mmになるように粉砕することができる。粒径が2mm未満に粉砕することは含水ゲル重合体の高い含水率により技術的に容易でなく、また粉砕された粒子間に互いに凝集する現象が現れることもある。一方、粒径が10mm超過に粉砕する場合、後で行われる乾燥段階の効率増大効果が微々になることがある。
【0046】
(段階3)
本発明の段階3は、前記段階2でゲル粉砕された含水ゲル重合体を乾燥、粉砕および分級してベース樹脂粉末を形成する段階である。
【0047】
前記乾燥は、120~250℃、140~200℃、または150~190℃の温度下で行われ得る。この時、前記乾燥温度は、乾燥のために供給される熱媒体の温度または乾燥工程で熱媒体および重合体を含む乾燥反応器内部の温度と定義され得る。乾燥温度が低くて乾燥時間が長くなる場合、工程効率性が低下するため、これを防止するために乾燥温度は120℃以上であることが好ましい。また、乾燥温度が必要以上に高い場合、含水ゲル重合体の表面が過度に乾燥されて後続工程である粉砕段階で微粉の発生が多くなることがあり、最終樹脂の物性が低下することがあるが、これを防止するために乾燥温度は250℃以下であることが好ましい。
【0048】
この時、前記乾燥段階での乾燥時間は、特に制限されないが、工程効率および樹脂の物性などを考慮して、前記乾燥温度下で20分~90分に調節され得る。
【0049】
前記乾燥は、通常の媒体を利用して行われ得るが、例えば、前記粉砕された含水ゲル重合体に対する熱風供給、赤外線照射、極超短波照射、または紫外線照射などの方法を通じて行われ得る。
【0050】
そして、このような乾燥は、乾燥された重合体が0.1~10重量%の含水率を有するように行われることが好ましい。つまり、乾燥された重合体の含水率が0.1重量%未満である場合、過度な乾燥による製造原価の上昇および架橋重合体の分解(degradation)が起こることがあるため好ましくない。そして、乾燥された重合体の含水率が10重量%を超える場合、後続工程で不良が発生することがあるため好ましくない。
【0051】
次に、前記乾燥された含水ゲル重合体を粉砕することができる。これはベース樹脂粉末および高吸水性樹脂の表面積を最適化するための段階である。前記粉砕は、粉砕された重合体の粒径が150~850μmになるように行われ得る。
【0052】
この時に使用することができる粉砕機としては、ピンミル(pin mill)、ハンマーミル(hammer mill)、スクリューミル(screw mill)、ロールミル(roll mill)、ディスクミル(disc mill)、ジョグミル(jog mill)など通常のものを使用することができる。
【0053】
また、最終製品化される高吸水性樹脂の物性を管理するために、前記粉砕段階を通じて得られる重合体粒子から150~850μmの粒径を有する粒子を選択的に分級する段階を行う。
【0054】
以上の分級段階まで経てベース樹脂粉末を得ることができる。このようなベース樹脂粉末は、150~850μmの粒径を有することができ、150μm未満の粒径を有する微粉を2重量%以下、あるいは1重量%以下含むことができる。
【0055】
(段階4)
本発明の段階4は、前記段階3で製造したベース樹脂粉末を表面架橋液と反応させて前記ベース樹脂粉末の表面に相互浸透高分子ネットワークを形成させる段階である。
【0056】
特に、本発明は、高吸水性樹脂の表面に相互浸透高分子ネットワーク(interpenetrating polymer network;IPN)を形成することを特徴でするものであり、このために前記表面架橋液は、アミノ基を有する単量体および前記化学式1で表される化合物を含むことを特徴とする。
【0057】
前記化学式1で表される化合物は、化学構造内にアルデヒド基が含まれており、前記アミノ基を有する単量体と共に前記ベース樹脂粉末の表面で互いに反応して相互浸透高分子ネットワークを形成することができ、結果として表面架橋層を形成することができる。
【0058】
好ましくは、前記アミノ基を有する単量体は、キトサン、またはシクロデキストリンである。前記シクロデキストリンは、アミノ基で置換されたものを意味する。
【0059】
好ましくは、前記表面架橋液の溶媒は、水、メタノール、シクロヘキサン、またはその組み合わせを使用することができ、最も好ましくは水を使用することができる。前記溶媒は、前記ベース樹脂粉末100重量部に対して5~50重量部で使用することができる。
【0060】
好ましくは、前記表面架橋液のpHは、1~3である。前記のpH範囲でキトサンおよび前記化学式1で表される化合物の反応が効果的に誘導され得る。前記pHは酸性物質を制限なしに使用することができ、例えば塩酸、硫酸などを使用することができる。
【0061】
好ましくは、前記表面架橋液内のキトサンの濃度は、1N~10Nである。また、好ましくは、前記化学式1で表される化合物の濃度は、1N~10Nである。
【0062】
好ましくは、前記表面架橋液内の前記キトサンおよび前記化学式1で表される化合物の重量比は、1:1~5:1であり、より好ましくは1:1~3:1である。
【0063】
好ましくは、前記化学式1のnは、2~4である。より好ましくは、前記化学式1のnは、3である。つまり、好ましくは、前記化学式1で表される化合物はグルタルアルデヒドである。
【0064】
また、前記表面架橋液は、無機充填剤を含むことができる。前記無機充填剤としては、シリカ、アルミニウムオキシド、またはシリケートを含むことができる。前記無機充填剤は、前記ベース樹脂粉末の100重量部を基準に、0.01~0.5重量部で含まれ得る。
【0065】
また、前記表面架橋液は、増粘剤を追加的に含むことができる。このように増粘剤の存在下でベース樹脂粉末の表面を追加的に架橋すれば粉砕後にも物性低下を最小化することができる。具体的に、前記増粘剤としては、多糖類およびヒドロキシ含有高分子の中から選択された1種以上を使用することができる。前記多糖類としては、ガム系増粘剤とセルロース系増粘剤などを使用することができる。前記ガム系増粘剤の具体的な例としては、キサンタンガム(xanthan gum)、アラビアガム(arabic gum)、カラヤガム(karaya gum)、トラガカンスガム(tragacanth gum)、ガティガム(ghatti gum)、グアーガム(guar gum)、ローカストビーンガム(locust bean gum)およびサイリウムシードガム(psyllium seed gum)などが挙げられ、前記セルロース系増粘剤の具体的な例としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシメチルプロピルセルロース、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロースおよびメチルヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。一方、前記ヒドロキシ含有高分子の具体的な例としては、ポリエチレングリコールおよびポリビニルアルコールなどが挙げられる。
【0066】
一方、前記段階4は、前記表面架橋液と前記ベース樹脂を反応槽に入れて混合する方法、前記ベース樹脂に表面架橋液を噴射する方法、連続的に運転されるミキサーに前記ベース樹脂と表面架橋液を連続的に供給して混合する方法などを利用することができる。
【0067】
そして、前記段階4は、20~90℃の温度下で行われ得る。また、前記段階4は、10分~24時間進行することができる。
【0068】
(高吸水性樹脂)
また、本発明は、前述した本発明の製造方法により製造された高吸水性樹脂が提供される。
【0069】
前記高吸水性樹脂は、少なくとも一部が中和した酸性基を有する水溶性エチレン系不飽和単量体の架橋重合体を含むベース樹脂粉末;および前記ベース樹脂粉末上に形成され、相互浸透高分子ネットワークを含む表面架橋層を含む。また、前記高吸水性樹脂は、150~850μmの粒径を有する粒子で得られる。
【0070】
また、前記高吸水性樹脂は、CRCおよびゲル強度に優れている。
【0071】
本発明で使用する用語「CRC(Centrifugal Retention Capacity)」は、保水能ともいい、無荷重下で吸収できる溶液の量を意味する。前記CRCは、EDANA WSP 241.3により測定することができ、具体的な測定方法は以下の実施例で詳述した。好ましくは、前記高吸水性樹脂のCRCは、30~40g/gである。より好ましくは、前記高吸水性樹脂のCRCは、30.5g/g以上、31.0g/g以上、31.5g/g以上、または32.0g/g以上であり、39g/g以下、38g/g以下、37g/g以下、36g/g以下、または35g/g以下である。
【0072】
本発明で使用する用語「ゲル強度(gel strength)」は、外部圧力にもかかわらず、高吸水性樹脂の吸水力および保水力を維持する程度を示すものであり、言い換えると高吸水性樹脂が水分吸収後にも形態を良好に維持する程度を示す。前記ゲル強度の具体的な測定方法は、以下の実施例で詳述した。好ましくは、前記高吸水性樹脂のゲル強度は、1.50N~3.00Nである。より好ましくは、前記高吸水性樹脂のゲル強度は、1.55N以上、1.60N以上、1.65N以上、または1.70N以上であり、2.90N以下、2.80N以下、2.70N以下、2.60N以下、2.50N以下、2.40N以下、2.30N以下、2.20N以下、2.10N以下、または2.00N以下である。
【発明の効果】
【0073】
前述のように、本発明による高吸水性樹脂の製造方法は、高吸水性樹脂の表面架橋層を形成するに当たり、高吸水性樹脂の表面に相互浸透高分子ネットワークを形成して、高吸水性樹脂の物性を改善することができるという特徴がある。
【発明を実施するための形態】
【0074】
以下、発明の理解のために好ましい実施例が提示される。しかし、下記の実施例は、本発明を例示するためのものに過ぎず、本発明をこれらだけに限定するのではない。
【0075】
製造例:ベース樹脂(Base resin)の製造
アクリル酸500gに希釈された0.21% IRGACURE 819開始剤20.5g(80ppm)を混合し、アクリル酸に希釈された10%ポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA、Mw=400)溶液21gを混合した溶液に注入し、ここに2%SDS(Sodium dodecyl sulfate)溶液12gを混合し、24%苛性ソーダ溶液800gを徐々に滴加して混合した。このように得られた水溶性エチレン系不飽和単量体としてアクリル酸ナトリウムでアクリル酸中和度は70モル%になった。
【0076】
二つの溶液の混合時、中和熱により混合液温度が72℃以上上昇することを確認した後、温度が43℃に冷却された時、4%ナトリウムビカーボネート溶液13.4gを混合し、同時に水に希釈された4%過硫酸ナトリウム溶液16gを注入した。
【0077】
前記溶液をUV照射装置が上部に装着され、内部が80℃に予熱された正方形重合器内に設置されたトレイ(tray、横15cm×15cm)に注ぎ、UVを照射して重合を開始して製造したシート形態の重合体を約5cm×5cmの大きさで切断した後、ミートチョッパー(meat chopper)に投入して重合体を粉砕して1mm~10mmの大きさを有する含水粒子を得た。
【0078】
前記粉(crump)を上下に風量転移が可能なオーブンで乾燥させた。180℃以上のホットエアー(hot air)を15分間下方から上方へ、再び15分間上方から下方へ流れるようにして均一に乾燥させ、乾燥後に乾燥体の含水量は2%以下になるようにした。乾燥後、粉砕機で粉砕した後、分級して150~850μmの大きさを選別してベース樹脂を製造した。
【0079】
実施例1
0.1N HCl水溶液(10ml)に、キトサン(0.05g)およびグルタルアルデヒド(0.025mL)を添加して攪拌して、表面架橋液を製造した。
【0080】
前記製造例で製造したベース樹脂100gに対して、前記表面架橋液を噴射して均一に混合した後、25℃で40分間反応を進行して高吸水性樹脂を製造した。
【0081】
実施例2~4、および比較例1および2
前記実施例1と同様な方法で進行するが、表面架橋液の組成を下記表1のように変更して、高吸水性樹脂を製造した。
【0082】
実験例
前記実施例および比較例で製造した高吸水性樹脂に対して、以下の方法で各物性を測定した。
【0083】
1)CRC
各樹脂の無荷重下の吸水倍率による保水能をEDANA WSP 241.3により測定した。
【0084】
具体的に、実施例および比較例を通じてそれぞれ得た樹脂で、#30-50の篩で分級した樹脂を得た。このような樹脂W0(g)(約0.2g)を不織布製の封筒に均一に入れて密封(seal)した後、常温で生理食塩水(0.9重量%)に浸水させた。30分経過後、遠心分離機を利用して250Gの条件下で前記封筒から3分間水気を除去し、封筒の質量W2(g)を測定した。また、樹脂を利用せずに同一の操作をした後、その時の質量W1(g)を測定した。得られた各質量を利用して次の式によりCRC(g/g)を算出した。
【0085】
[数式1]
CRC(g/g)={[W2(g)-W1(g)]/W0(g)}-1
【0086】
2)ゲル強度
実施例および比較例を通じてそれぞれ得た樹脂で、#30-50の篩で分級した樹脂を得て、1gを秤量した。秤量された試料を生理食塩水100gに1時間にかけて十分に含浸および膨潤させた。その後、吸収されない溶媒は吸引器(aspirator)を利用して4分間除去し、表面に付着した溶媒は濾過紙に均一に分布させて1回抜き取った。
【0087】
膨潤された高吸水性樹脂試料2.5gをレオメーター(Rheometer)と2つのプレート(直径25mm、下部に2mm程度の試料が抜け出ないようにする壁がある)の間に置き、二つのプレートの間の間隔を1mmに調節した(この時、試料が固くて1mm間隔で調節が難しい場合、膨潤された高吸水性樹脂試料がプレート面に全て接触するように約3Nの力で加圧して前記プレートの間の間隔を調節した。)。
【0088】
次に、約5分間プレートの間の高吸水性樹脂試料を安定化した。
【0089】
その後、前記レオメーター(Rheometer)を使用して角速度(frequency)10rad/sで変形率(strain)を増加させながら、貯蔵弾性率(storage modulus)(G’)と損失弾性率(loss modulus)(G”)が一定した線形粘弾性レジーム(linear viscoelastic regime)区間の変形率(strain)を見つけた。一般的に膨潤された高吸水性樹脂の場合、変形率0.1%は線形レジーム(linear regime)区間内にあった。一定した角速度(frequency )10rad/sで線形レジーム(linear regime)区間の変形率値で60秒間膨潤された高分子の粘弾性(G’、G”)を測定した。この時、得られたG’値を平均してゲル強度を求めた。
【0090】
前記測定した結果を下記表1および2に示した。
【0091】
【0092】
【0093】
前記表1および2に示されているように、本発明による実施例1~4の高吸水性樹脂は、比較例1および2の高吸水性樹脂に比べてCRCは類似する水準であるが、ゲル強度が増加することを確認することができた。比較例1および2の高吸水性樹脂も、表面架橋されて網状構造の表面架橋層を有するが、本発明による実施例1~4の高吸水性樹脂は、このような網状構造に加えて追加的に架橋されてまた他の網状構造が形成されて絡まっている構造となり、これによってゲル強度が向上することを確認することができた。