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特許7521547情報処理装置、情報処理システム、プログラム、及び情報処理方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、プログラム、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/131 20220101AFI20240717BHJP
   H04L 67/306 20220101ALI20240717BHJP
   G06F 3/0482 20130101ALI20240717BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20240717BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240717BHJP
【FI】
H04L67/131
H04L67/306
G06F3/0482
G06T19/00 300A
G06Q50/10
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022030029
(22)【出願日】2022-02-28
(65)【公開番号】P2023125755
(43)【公開日】2023-09-07
【審査請求日】2022-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】菊地 英敏
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-048302(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/131
H04L 67/306
G06F 3/0482
G06T 19/00
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が前記利用者を表現する本人アバタを参加させる仮想空間の処理を行う情報処理装置であって、
前記本人アバタを代理する代理アバタを呼び出して前記仮想空間に参加させる代理アバタ呼出手段と、
第三者である利用者から前記代理アバタに対する依頼を受け付けた場合に、前記第三者である利用者の属性情報に応じて設定された前記代理アバタに行わせる処理の情報に基づき、前記依頼に対する処理を実行する代理アバタ制御手段と、
を有し、
前記代理アバタ制御手段は、前記本人アバタが前記仮想空間に参加していない間に前記代理アバタが受け付けた前記依頼の内容と、前記代理アバタの利用者が行う必要のあるアクションの内容と、を対応付けた画面を表示させるためのデータを前記代理アバタの利用者の利用者端末に提供する情報処理装置。
【請求項2】
利用者が前記利用者を表現する本人アバタを参加させる仮想空間の処理を行う情報処理装置であって、
前記本人アバタを代理する代理アバタを呼び出して前記仮想空間に参加させる代理アバタ呼出手段と、
第三者である利用者から前記代理アバタに対する依頼を受け付けた場合に、前記第三者である利用者の属性情報に応じて設定された前記代理アバタに行わせる処理の情報に基づき、前記依頼に対する処理を実行する代理アバタ制御手段と、
を有し、
前記代理アバタに行わせる処理の情報は、前記第三者である利用者の属性情報に応じて前記代理アバタに行わせる処理の項目を、前記代理アバタが処理をする順序に沿って対話的に選択させる画面から設定を受け付ける
報処理装置。
【請求項3】
利用者が前記利用者を表現する本人アバタを参加させる仮想空間の処理を行う情報処理装置であって、
前記本人アバタを代理する代理アバタを呼び出して前記仮想空間に参加させる代理アバタ呼出手段と、
第三者である利用者から前記代理アバタに対する依頼を受け付けた場合に、前記第三者である利用者の属性情報に応じて設定された前記代理アバタに行わせる処理の情報に基づき、前記依頼に対する処理を実行する代理アバタ制御手段と、
を有し、
前記代理アバタに行わせる処理の情報は、前記第三者である利用者の属性情報に応じた表示内容を含み、任意の文章の入力または定型文から選択させる画面から前記第三者である利用者の属性情報に応じた表示内容の設定を受け付ける
報処理装置。
【請求項4】
前記代理アバタ制御手段は、前記第三者である利用者から前記代理アバタに対する依頼を受け付けたときの状況を記録しておき、前記記録を再生する操作を前記画面から受け付ける
請求項1乃至3の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
利用者が前記利用者を表現する本人アバタを参加させる仮想空間の処理を行う情報処理装置であって、
前記本人アバタを代理する代理アバタを呼び出して前記仮想空間に参加させる代理アバタ呼出手段と、
第三者である利用者から前記代理アバタに対する依頼を受け付けた場合に、前記第三者である利用者の属性情報に応じて設定された前記代理アバタに行わせる処理の情報に基づき、前記依頼に対する処理を実行する代理アバタ制御手段と、
を有し、
前記第三者である利用者の属性情報は、前記第三者である利用者が所属する組織の情報、前記組織における職位の情報、又は前記組織における部署の情報を含む
報処理装置。
【請求項6】
前記代理アバタ制御手段は、前記代理アバタの利用者及び前記第三者である利用者が同一のドメイン情報である場合に、前記組織における職位の情報又は前記組織における部署の情報に基づいて前記第三者である利用者の属性情報を特定する
請求項記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記代理アバタ制御手段は、前記代理アバタの利用者及び前記第三者である利用者が異なるドメイン情報である場合に、前記第三者である利用者の顧客情報に基づいて前記第三者である利用者の属性情報を特定する
請求項記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記代理アバタ呼出手段は、前記代理アバタを前記仮想空間に参加させるための前記代理アバタの利用者の操作、前記本人アバタを前記仮想空間から退去させるための前記代理アバタの利用者の操作、又は前記代理アバタを前記仮想空間に参加させる設定時間に応じて、前記代理アバタを仮想空間に参加させる
請求項1乃至の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
利用者が前記利用者を表現する本人アバタを参加させる仮想空間の処理を行う情報処理装置であって、
前記本人アバタを代理する代理アバタを呼び出して前記仮想空間に参加させる代理アバタ呼出手段と、
前記代理アバタに対する依頼を受け付けた場合に、前記依頼を行った利用者の属性情報が前記代理アバタの利用者を示していれば、前記代理アバタの利用者の属性情報に応じて設定された前記代理アバタに行わせる処理の情報に基づき、前記依頼に対する処理を実行する代理アバタ制御手段と、
を有する情報処理装置。
【請求項10】
前記本人アバタと前記代理アバタとが前記仮想空間に参加している場合に、前記代理アバタの利用者の利用者端末に表示する前記仮想空間において前記代理アバタの利用者の本人アバタを表示し、第三者である利用者の利用者端末に表示する前記仮想空間において前記代理アバタの利用者の本人アバタを非表示とする本人アバタ制御手段、
を更に有する請求項記載の情報処理装置。
【請求項11】
利用者が前記利用者を表現する本人アバタを参加させる仮想空間の処理を行う情報処理装置と、前記利用者が操作する利用者端末とが、通信可能に接続された情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記本人アバタを代理する代理アバタを呼び出して前記仮想空間に参加させる代理アバタ呼出手段と、
第三者である利用者から前記代理アバタに対する依頼を受け付けた場合に、前記第三者である利用者の属性情報に応じて設定された前記代理アバタに行わせる処理の情報に基づき、前記依頼に対する処理を実行する代理アバタ制御手段と、
を有し、
前記利用者端末は、
前記本人アバタ及び前記代理アバタが参加する前記仮想空間を表示装置に表示させる表示制御手段と、
前記本人アバタ及び前記代理アバタに対する前記利用者の操作を受け付ける操作受付手段と、
を有し、
前記代理アバタ制御手段は、前記本人アバタが前記仮想空間に参加していない間に前記代理アバタが受け付けた前記依頼の内容と、前記代理アバタの利用者が行う必要のあるアクションの内容と、を対応付けた画面を表示させるためのデータを前記代理アバタの利用者の利用者端末に提供する情報処理システム。
【請求項12】
利用者が前記利用者を表現する本人アバタを参加させる仮想空間の処理を行う情報処理装置に、
前記本人アバタを代理する代理アバタを呼び出して前記仮想空間に参加させる代理アバタ呼出手順、
第三者である利用者から前記代理アバタに対する依頼を受け付けた場合に、前記第三者である利用者の属性情報に応じて設定された前記代理アバタに行わせる処理の情報に基づき、前記依頼に対する処理を実行する代理アバタ制御手順、
を実行させ
前記代理アバタ制御手順は、前記本人アバタが前記仮想空間に参加していない間に前記代理アバタが受け付けた前記依頼の内容と、前記代理アバタの利用者が行う必要のあるアクションの内容と、を対応付けた画面を表示させるためのデータを前記代理アバタの利用者の利用者端末に提供するプログラム。
【請求項13】
利用者が前記利用者を表現する本人アバタを参加させる仮想空間の処理を行う情報処理装置の情報処理方法であって、
前記本人アバタを代理する代理アバタを呼び出して前記仮想空間に参加させる代理アバタ呼出ステップと、
第三者である利用者から前記代理アバタに対する依頼を受け付けた場合に、前記第三者である利用者の属性情報に応じて設定された前記代理アバタに行わせる処理の情報に基づき、前記依頼に対する処理を実行する代理アバタ制御ステップと、
を有し、
前記代理アバタ制御ステップは、前記本人アバタが前記仮想空間に参加していない間に前記代理アバタが受け付けた前記依頼の内容と、前記代理アバタの利用者が行う必要のあるアクションの内容と、を対応付けた画面を表示させるためのデータを前記代理アバタの利用者の利用者端末に提供する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置、情報処理システム、プログラム、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータグラフィック技術を基盤とする仮想空間では、利用者が各々の分身(アバタ)を参加させ、コミュニケーションを行っている。例えば特許文献1には、ユーザの直接操作から自動操縦操作に変更したアバタ(以下、自動アバタと記す)を仮想空間に参加させ、他のユーザからの問い合わせに対して、ユーザが直接操作しなくても自動アバタにより対応する内容が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、現実空間におけるコミュニケーションは、自分と相手との関係により多種多様な内容となる。したがって、仮想空間におけるコミュニケーションにおいても、多種多様な内容に対応することが求められている。しかし、従来技術の自動アバタが参加する仮想空間は、多種多様な内容に対応するコミュニケーション環境として十分でなかった。
【0004】
本開示は、より多種多様な内容のコミュニケーションに対応可能な仮想空間を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態は、利用者が前記利用者を表現する本人アバタを参加させる仮想空間の処理を行う情報処理装置であって、前記本人アバタを代理する代理アバタを呼び出して前記仮想空間に参加させる代理アバタ呼出手段と、第三者である利用者から前記代理アバタに対する依頼を受け付けた場合に、前記第三者である利用者の属性情報に応じて設定された前記代理アバタに行わせる処理の情報に基づき、前記依頼に対する処理を実行する代理アバタ制御手段と、を有し、前記代理アバタ制御手段は、前記本人アバタが前記仮想空間に参加していない間に前記代理アバタが受け付けた前記依頼の内容と、前記代理アバタの利用者が行う必要のあるアクションの内容と、を対応付けた画面を表示させるためのデータを前記代理アバタの利用者の利用者端末に提供する情報処理装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、より多種多様な内容のコミュニケーションに対応可能な仮想空間を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。
図2】本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
図3】本実施形態に係る情報処理システムの一例の機能構成図である。
図4】利用者情報の一例の構成図である。
図5】仮想空間情報の一例の構成図である。
図6】アバタ情報の一例の構成図である。
図7】仮想空間の一例のイメージ図である。
図8】代理アバタの概要について説明する一例の図である。
図9】シナリオ情報を設定する処理の一例のフローチャートである。
図10】依頼者の属性の設定の一例の説明図である。
図11】代理アバタに実行させる処理内容の設定の一例の説明図である。
図12】利用者に設定させる代理アバタの処理内容の一例の構成図である。
図13】代理アバタに実行させる共通項目の設定の一例の説明図である。
図14】表示メッセージの設定の一例の説明図である。
図15】依頼者が社内の利用者であるか社外の利用者であるかに応じたシナリオ情報の一例の構成図である。
図16】依頼者が社内の利用者であるか社外の利用者であるかに加えて、社内の利用者の職位を加味したシナリオ情報の一例の構成図である。
図17】依頼者が社内の利用者であるか社外の利用者であるかに加えて、社内の利用者の部署を加味したシナリオ情報の一例の構成図である。
図18】依頼者が社内の利用者であるか社外の利用者であるかに加えて、社外の利用者の面識有無を加味したシナリオ情報の一例の構成図である。
図19】代理アバタを呼び出した仮想空間の処理の一例のフローチャートである。
図20】属性の判定を行う処理の一例のフローチャートである。
図21】属性の判定を行う処理の一例のフローチャートである。
図22】属性の判定を行う処理の一例のフローチャートである。
図23】属性の判定を行う処理の一例のフローチャートである。
図24】特定したシナリオに基づく代理アバタの処理の一例の説明図である。
図25】特定したシナリオに基づく代理アバタの処理の一例の説明図である。
図26】特定したシナリオに基づく代理アバタの処理の一例の説明図である。
図27】特定したシナリオに基づく代理アバタの処理の一例の説明図である。
図28】特定したシナリオに基づく代理アバタの処理の一例の説明図である。
図29】本人アバタの仮想空間への復帰時の処理の一例のフローチャートである。
図30】シナリオ実行結果画面の一例のイメージ図である。
図31】代理アバタに実行させる処理内容の設定の一例の説明図である。
図32】属性の判定を行う処理の一例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の各実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
【0009】
[第1の実施形態]
<システム構成>
図1は本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。図1の情報処理システム1は、情報処理装置10、1台以上の利用者端末12、及び1台以上の利用者情報提供装置14を有する。情報処理装置10、利用者端末12、及び利用者情報提供装置14はネットワーク18を介して通信を行う。ネットワーク18は、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)である。
【0010】
情報処理装置10は、仮想空間を利用者端末12に表示させるための処理を行う。仮想空間とは、コンピュータやコンピュータネットワークの中に構築された現実空間と異なる仮想的な空間である。本実施形態における仮想空間は複数人の利用者が自分を表現する分身(アバタ)を参加させ、アバタを介して他の利用者とのコミュニケーションを図る空間である。
【0011】
情報処理装置10はPC又はワークステーション等である。情報処理装置10はサーバ装置、ASP(Application Service Provider)、又はクラウドコンピューティング等により実現してもよい。
【0012】
また、利用者端末12は、利用者が操作する情報処理端末である。利用者は利用者端末12を操作して仮想空間に自分のアバタを参加させ、他の利用者とのコミュニケーションを図ることができる。利用者端末12はPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、又はPDA(Personal Digital Assistant)等である。
【0013】
また、利用者情報提供装置14は仮想空間にアバタを参加させる利用者の利用者情報を提供する。利用者情報提供装置14は、利用者間の関係を判定するために利用する利用者情報を提供する装置である。利用者間の関係を判定するために利用する利用者情報は、利用者のアカウント情報、人事情報などである。
【0014】
なお、図1に示す情報処理システム1の構成は一例である。例えば情報処理装置10の機能の少なくとも一部は、利用者端末12又は利用者情報提供装置14に設けるようにしてもよい。また、情報処理装置10と利用者情報提供装置14とは一体化して設けるようにしてもよい。さらに、情報処理装置10は複数のコンピュータに分散して実現するようにしてもよい。
【0015】
<ハードウェア構成>
《コンピュータ》
図1の情報処理装置10及び利用者情報提供装置14は、例えば図2のハードウェア構成のコンピュータ500により実現される。また、図1の利用者端末12はPCで実現する場合、例えば図2のハードウェア構成のコンピュータ500により実現される。図2は本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
【0016】
コンピュータ500は、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、データバス510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0017】
CPU501は、プログラムに従ってコンピュータ500全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御に従ってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0018】
ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウインドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。ディスプレイ506は、例えばHMD(Head Mounted Display)又はHUD(Head Up Display)装置であってもよい。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ等である。
【0019】
ネットワークI/F509はネットワーク18を利用してデータ通信をするためのインタフェースである。データバス510は、CPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0020】
キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0021】
なお、図2に示したハードウェア構成は一例であり、図2に示した構成要素を全て含む必要はなく、または、図2に示した構成要素以外を含むものであってもよい。図1の利用者端末12がPC以外である場合のハードウェア構成図は、様々であるため、図示を省略する。
【0022】
<機能構成>
本実施形態に係る情報処理システム1は例えば図3に示すような機能構成により実現される。図3は本実施形態に係る情報処理システムの一例の機能構成図である。なお、図3の機能構成図は本実施形態の説明に不要な構成について適宜省略している。情報処理装置10、利用者端末12A、利用者端末12B、及び利用者情報提供装置14は、OS及びアプリケーションなどのプログラムを実行することにより、例えば図3の機能構成を実現する。なお、以下の説明では利用者端末12A及び利用者端末12Bを利用者端末12と総称する場合がある。
【0023】
利用者端末12は、通信部70、操作受付部72、及び表示制御部74を有する構成である。通信部70は情報処理装置10と通信を行う。操作受付部72は利用者からの操作を受け付け、操作に応じた各種処理を行う。表示制御部74は、情報処理装置10から受信した仮想空間データなどに基づき、後述の仮想空間を表示する。
【0024】
利用者情報提供装置14は、通信部80及び情報提供部82を有する構成である。通信部80は情報処理装置10と通信を行う。情報提供部82は後述するような利用者情報を情報処理装置10に提供する。
【0025】
また、情報処理装置10は、通信部20、処理部22、及び記憶部24を有する構成である。通信部20は送信部30及び受信部32を有している。処理部22は、仮想空間制御部40、本人アバタ呼出部42、本人アバタ制御部44、代理アバタ呼出部46、代理アバタ制御部48、本人アバタ設定管理部50、代理アバタ設定管理部52、及びシナリオ設定管理部54を有している。記憶部24は、利用者情報記憶部60、仮想空間情報記憶部62、アバタ情報記憶部64、シナリオ情報記憶部66、及びシナリオ実行結果情報記憶部68を有している。
【0026】
通信部20は、利用者端末12及び利用者情報提供装置14との通信を制御する。通信部20の送信部30は、情報又はデータなどを利用者端末12及び利用者情報提供装置14に送信する。例えば送信部30は仮想空間を表示させるための仮想空間データなどを利用者端末12に送信する。
【0027】
また、受信部32は、情報又はデータなどを利用者端末12及び利用者情報提供装置14から受信する。例えば受信部32は仮想空間のアバタに対する利用者の操作の内容などを利用者端末12から受信する。
【0028】
処理部22は、後述の本人アバタ及び代理アバタが参加する仮想空間に関する各種処理を行う。本人アバタは、利用者が直接操作するアバタである。代理アバタは、利用者の本人アバタを代理するアバタであって、仮想空間に呼び出されたあと、後述のシナリオ情報に従って機械的に操作されるアバタである。代理アバタは、AI(Artificial Intelligence)の技術、RPA(Robotic Process Automation)の技術、ボット(BOT)の技術などを用いて実現する。
【0029】
仮想空間制御部40は、利用者端末12に表示させる仮想空間の制御を行う。本人アバタ呼出部42は、仮想空間に利用者の本人アバタを呼び出し、仮想空間に本人アバタを参加させる制御を行う。本人アバタ制御部44は仮想空間に呼び出された本人アバタに関する制御を行う。代理アバタ呼出部46は、仮想空間に利用者の代理アバタを呼び出し、仮想空間に代理アバタを参加させる制御を行う。本人アバタ制御部44は仮想空間に呼び出された代理アバタに関する制御を行う。
【0030】
本人アバタ設定管理部50は本人アバタに関するアバタ情報の設定を管理する。代理アバタ設定管理部52は代理アバタに関するアバタ情報の設定を管理する。シナリオ設定管理部54は後述のシナリオ情報に関する設定を管理する。
【0031】
記憶部24の利用者情報記憶部60は、例えば図4に示す利用者情報を記憶する。図4は利用者情報の一例の構成図である。図4(A)の利用者情報は、項目としてユーザ及びアカウントを有している。また、図4(B)の利用者情報は項目として、ユーザ、アカウント、部署、及び職位を有している。
【0032】
項目「ユーザ」は利用者端末12を操作する利用者の識別情報の一例である。項目「アカウント」は利用者端末12を操作する利用者のアカウント情報であって、利用者の属性情報の一例である。また、項目「部署」は利用者端末12を操作する利用者の部署情報であって、利用者の属性情報の一例である。項目「職位」は利用者端末12を操作する利用者の職位情報であって、利用者の属性情報の一例である。情報処理装置10は図4の利用者情報に基づき、後述のように利用者間の関係を判定する。
【0033】
記憶部24の仮想空間情報記憶部62は、例えば図5の仮想空間情報を記憶する。図5は仮想空間情報の一例の構成図である。図5の仮想空間情報は項目として、ユーザ、接続先仮想空間、及び画像データを有している。項目「ユーザ」は利用者端末12を操作する利用者の識別情報の一例である。項目「接続先仮想空間」は、項目「ユーザ」により識別される利用者と対応付けられた仮想空間の識別情報の一例である。項目「画像データ」は項目「ユーザ」により識別される利用者の利用者端末12に仮想空間を表示させるために利用する仮想空間データの一例である。図5の利用者情報に基づき、情報処理装置10は利用者に応じた仮想空間を特定して、利用者端末12に表示させる。
【0034】
記憶部24のアバタ情報記憶部64は、例えば図6に示すアバタ情報を記憶する。図6はアバタ情報の一例の構成図である。図6のアバタ情報は項目として、ユーザ、本人アバタID、本人アバタ画像、代理アバタID、代理アバタ画像、及びシナリオIDを有している。
【0035】
項目「ユーザ」は利用者端末12を操作する利用者の識別情報の一例である。項目「本人アバタID」は本人アバタの識別情報の一例である。項目「本人アバタ画像」は本人アバタの画像データを示す情報の一例である。項目「代理アバタID」は代理アバタの識別情報の一例である。項目「代理アバタ画像」は代理アバタの画像データを示す情報の一例である。項目「シナリオID」は代理アバタのシナリオ情報を識別する識別情報の一例である。図6のアバタ情報に基づき、情報処理装置10は利用者に応じた本人アバタ及び代理アバタを特定すると共に、代理アバタのシナリオ情報を特定する。
【0036】
記憶部24のシナリオ情報記憶部66はシナリオIDと対応付いた後述のシナリオ情報を記憶する。また、記憶部24のシナリオ実行結果情報記憶部68は、後述のシナリオ情報に従って機械的に操作された代理アバタの後述のシナリオ実行結果情報を記憶する。
【0037】
<処理>
図7は仮想空間の一例のイメージ図である。図7は2次元で表現された仮想空間1000の例である。仮想空間1000は3次元で表現されてもよい。以下では、利用者端末12Aを操作する利用者Aと、利用者端末12Bを操作する利用者Bと、がアバタで参加可能な図7の仮想空間1000の例を説明する。利用者Bは第三者である利用者の一例である。
【0038】
例えば利用者Aと利用者Bとは、図7の仮想空間1000に本人アバタ又は代理アバタで参加することができる。本人アバタで図7の仮想空間1000に参加した利用者A及び利用者Bは、本人アバタを直接操作して、コミュニケーションを行う。また、利用者A及び利用者Bは、例えば離席や退社なので図7の仮想空間1000に本人アバタが参加していない場合などに、代理アバタを参加させておくことができる。
【0039】
ここでは、図7の仮想空間1000に利用者Aが代理アバタ1004を参加させ、利用者Bが本人アバタ1002を参加させている例を説明する。図7の本人アバタ1002及び代理アバタ1004のデザインは一例である。例えば代理アバタ1004のデザインは利用者Aの本人アバタと異なるデザインであっても同じデザインであってもよい。
【0040】
仮想空間1000への本人アバタ1002及び代理アバタ1004の仮想空間1000への参加は、本人アバタ1002及び代理アバタ1004のアイコンの仮想空間1000へのドロップイン操作などで行ってもよいし、メニュー操作などで行ってもよいし、仮想空間1000へ参加する時間を設定しておくことで行ってもよい。
【0041】
利用者Aの代理アバタ1004は、後述のシナリオ情報に従って利用者Bの本人アバタ1002からの依頼に対応することで、利用者Aと利用者Bとの関係により、多種多様な内容のコミュニケーションを可能としている。利用者Aを基準とした利用者Aと利用者Bとの関係は、社内の利用者、社外の利用者、職位が同じ又は下位の利用者、職位が上の利用者、同じ部署の利用者、別の部署の利用者、面識ありの利用者、面識なしの利用者などの属性情報に応じて識別できる。また、シナリオ情報は、利用者A以外の第三者である利用者Bの属性情報に応じて設定された利用者Aの代理アバタ1004に行わせる処理の一例である。
【0042】
利用者Aは、例えば離席時又は業務時間外に代理アバタ1004を仮想空間1000に参加させておくことで、自分が対応できない時間帯であっても、利用者Bからの依頼に対応可能な環境を実現できる。
【0043】
利用者Bは利用者端末12Bを操作することで、仮想空間1000に参加中の自分の本人アバタ1002を移動できる。利用者Aに依頼を行いたい利用者Bは、自分の本人アバタ1002を例えば図8に示すように利用者Aの代理アバタ1004に接近又は接触させるように移動する。なお、利用者Bが本人アバタ1002を利用者Aの代理アバタ1004に接近又は接触させる操作は一例であって、他の操作であってもよい。
【0044】
図8は代理アバタの概要について説明する一例の図である。利用者Aの代理アバタ1004は利用者Bの本人アバタ1002の接近又は接触を検知すると、利用者Aと利用者Bとの関係に従い、例えば図8(A)及び図8(B)に示した異なる処理を実行する。
【0045】
図8(A)は利用者Aと利用者Bとの関係に従い、代理アバタ1004が本人アバタ1002を操作する利用者Bから伝言を受け付ける例である。図8(A)は利用者Aを基準とした利用者Bとの関係が、社外の利用者などの場合に選択される例であり、代理アバタ1004の吹き出しの中の表示メッセージが社外の利用者向けとなっている。
【0046】
図8(B)は利用者Aと利用者Bとの関係に従い、代理アバタ1004が本人アバタ1002を操作する利用者Bから伝言、スケジュール、情報共有、又は資料作成を受け付ける例である。図8(B)は利用者Aを基準とした利用者Bとの関係が、社内の利用者などの場合に選択される例であり、代理アバタ1004の吹き出しの中の表示メッセージが社内の利用者向けとなっている。
【0047】
このように、利用者Bからの依頼に対応する利用者Aの代理アバタ1004は、利用者Aと利用者Bとの関係に従い、吹き出しの中の表示メッセージ、利用者Bから受け付ける処理の内容を異ならせることができる。例えば利用者Aの代理アバタ1004の振る舞いは利用者Bに対する利用者Aの普段の振る舞いを極力再現するように設定される。
【0048】
なお、利用者Aの代理アバタ1004が利用者Bから受け付けた依頼の内容は、利用者Aが本人アバタで仮想空間1000に復帰したあと、後述のように利用者Aの代理アバタ1004から利用者Aに引き継がせる。
【0049】
また、利用者Aの代理アバタ1004に行わせる処理は、シナリオ情報として予め設定しておく。シナリオ情報の設定は、例えば図9に示すフローチャートの手順で行う。図9はシナリオ情報を設定する処理の一例のフローチャートである。ここでは、利用者Aの代理アバタ1004のシナリオ情報を利用者Aが設定する例を説明するが、管理者などが設定してもよい。
【0050】
ステップS10において、利用者Aは代理アバタ1004に対して依頼を行う例えば利用者Bなどの依頼者の属性の設定を行う。依頼者の属性の設定は、シナリオ設定管理部54の制御により、例えば図10に示すような手順で行われる。
【0051】
図10は依頼者の属性の設定の一例の説明図である。図10の例では、代理アバタ設定トップ画面から「属性設定」ボタンを選択することで、依頼者の属性の選択肢が対話的に表示される。例えば図10の例では、社内の者であるかゲストの方(例えば社外のお客様)であるかを選択させることで、依頼者が社内の利用者であるか社外のお客様のような社外の利用者であるかを設定させている。さらに、図10の例では、依頼者が社内の利用者である場合に、更に依頼者が同僚であるか上司であるかを設定させるか、又は依頼者が自部署であるか他部署であるかを設定させている。依頼者が社外の利用者である場合、図10の例では、更に面識のある依頼者であるか面識のない利用者であるかを設定させている。
【0052】
なお、図10は一例であって、社内の者であるかゲストの方(社外のお客様)であるかを選択させたあとの処理を省略してもよい。例えば社内の者であるかゲストの方(社外のお客様)であるかを選択させたあとの処理を省略する場合は、依頼者が社内の利用者であるか社外の利用者であるかを設定できる。
【0053】
図9のステップS12に戻り、利用者Aは代理アバタ1004に実行させる処理内容の設定を行う。代理アバタ1004に実行させる処理内容の設定は、シナリオ設定管理部54の制御により、例えば図11に示すような手順で行われる。
【0054】
図11は代理アバタに実行させる処理内容の設定の一例の説明図である。図11の例では代理アバタ設定トップ画面から「処理内容設定」ボタンを選択することで、代理アバタ1004に実行させる処理内容の選択肢が対話的に表示される。
【0055】
例えば図11の例では、代理アバタ1004に実行させる処理の選択肢を表示し、利用者Aに、設定項目、設定可能な実行内容、次アクション内容、及びその他の設定項目を選択させることで、代理アバタ1004に実行させる処理内容を設定させている。図11の設定可能な実行内容「スケジュールの仮押さえ」は、代理アバタ1004にスケジュール登録の操作を行わせるアプリケーションやサービスが事前に決められていてもよいし、利用者Aが設定してもよい。また、図11のその他の設定項目「実行結果の通知方法」は、例えば電子メールにより通知する方法、利用者Aが本人アバタで仮想空間1000に復帰したときに代理アバタ1004から通知してもらう方法など、を設定してもよい。
【0056】
図12は利用者に設定させる代理アバタの処理内容の一例の構成図である。図12に示すように、処理の選択肢と対応付けられて、設定項目、設定可能な実行内容、及び次アクション内容の選択肢が設定されている。
【0057】
設定項目は、処理の選択肢ごとに、依頼者に提供する1つ以上の項目(受付内容)が選択肢として登録されている。例えば図12では処理の選択肢「伝言」に設定項目「テキスト入力欄」と「録音開始オブジェクト」とが選択肢として登録されている。
【0058】
設定可能な実行内容は、設定項目に対して、代理アバタ1004に実行させる1つ以上の処理内容が選択肢として登録されている。例えば図12では設定可能な実行内容「テキストの保存と不在者本人への通知」と「音声の保存と不在者本人への通知」とが選択肢として登録されている。
【0059】
次アクション内容は、利用者Aの本人アバタの仮想空間1000への復帰時に利用者Aへ提示するアクション内容が選択肢として登録されている。次アクション内容の登録は必須でない。例えば図12では処理の選択肢「伝言」に次アクション内容の選択肢が登録されていない。また、図12では処理の選択肢「スケジュール」に次アクション内容「スケジューラ確認依頼」と「スジェジュール確定処理依頼」とが選択肢として登録されている例を示している。次アクション内容は、メッセージ表示の他、処理内容へのリンク(例えばURL、ボタンやアイコンなどのオブジェクト)の表示などを登録できるようにしてもよい。
【0060】
なお、図11の例では、その他の設定項目として「緊急度」と「依頼に対する録音・録画」と「実行結果の通知方法」とが選択肢として登録されている例を示したが、その他の設定項目を共通項目として例えば図13に示すように設定させてもよい。
【0061】
図13は代理アバタに実行させる共通項目の設定の一例の説明図である。図13の例では代理アバタ設定トップ画面から「共通項目設定」ボタンを選択することで、代理アバタ1004に実行させる共通項目の選択肢が対話的に表示される。
【0062】
図13の例では、共通項目として、緊急度、依頼に関する録音・録画、及び実行結果の通知方法を選択肢として登録できる。例えば利用者Aは、共通項目として「依頼に関する録音・録画」を選択することで、代理アバタ1004が利用者Bから依頼を受け付けた状況を録音・録画しておくことができる。
【0063】
利用者Aは代理アバタ1004が利用者Bから依頼を受け付けた状況の録音・録画を確認することで、依頼者に同伴者(新人、後任、上司、紹介客など)がいたこと等が分かるようになり、次アクション内容に含まれていない他のアクションの必要性にも気付くことができる。なお、依頼に関する録音・録画は設定項目とせず、必ず実行される項目としてもよい。
【0064】
図9のステップS14に戻り、利用者Aは代理アバタ1004の表示メッセージの設定を行う。代理アバタ1004の表示メッセージの設定は、シナリオ設定管理部54の制御により、例えば図14に示すような手順で行われる。
【0065】
図14は表示メッセージの設定の一例の説明図である。図14の例では代理アバタ設定トップ画面から「表示メッセージ設定」ボタンを選択することで、代理アバタ1004の吹き出し等に表示するメッセージの選択肢が対話的に表示される。
【0066】
例えば図14は、依頼者による依頼開始時に表示する表示メッセージの設定、及び依頼者による依頼完了時に表示する表示メッセージの設定を受け付ける例である。利用者Aは依頼開始時に表示する表示メッセージ又は依頼完了時に表示する表示メッセージを選択して入力欄からの作成又は定型文からの選択により表示メッセージを設定する。図14は依頼開始時に表示する表示メッセージ又は依頼完了時に表示する表示メッセージを選択して表示メッセージを設定しているが、依頼開始時に表示する表示メッセージ及び依頼完了時に表示する表示メッセージを続けて設定するようにしてもよい。
【0067】
図10図11図13、及び図14に示した代理アバタ設定トップ画面は、代理アバタ設定トップ画面から属性設定、処理内容設定、表示メッセージ設定、又は共通項目設定を選択する例であるが、この例に限るものではない。
【0068】
例えば代理アバタ設定トップ画面から「属性設定」ボタンを省略し、利用者Aが「処理内容設定」ボタン又は「表示メッセージ設定」ボタンを選択したあと、図10に示した属性設定の処理を行い、図11の処理内容設定の処理又は図14の表示メッセージ設定の処理に進んでもよい。また、図9のフローチャートの手順で設定されるシナリオ情報は依頼者の属性により選択できる処理の選択肢、設定項目、設定可能な実行内容、次アクション内容などを制限するようにしてもよい。例えば図9のフローチャートの手順でシナリオ情報を設定できる依頼者の属性は、社内の利用者に限定するようにしてもよい。また、図9のフローチャートの手順で設定できるシナリオ情報は、社内の依頼者に対する代理アバタ1004の対応の選択肢よりも社外の依頼者に対する代理アバタ1004の対応の選択肢の方が制限されるようにしてもよい。
【0069】
図9のフローチャートの手順で設定されたシナリオ情報は、例えば代理アバタを操作する利用者の単位でシナリオ情報記憶部66に記憶される。シナリオ情報は、依頼者の属性に応じて例えば図15図18に示すように定義できる。
【0070】
図15は依頼者が社内の利用者であるか社外の利用者であるかに応じたシナリオ情報の一例の構成図である。図15のシナリオ情報は依頼者の属性が社内の利用者か社外の利用者かに応じて定義されている。例えば図15のシナリオ情報は、依頼者が社内の利用者であれば、伝言、スケジュール、情報共有、又は資料作成の依頼を代理アバタ1004が受け付けるように定義されている。また、図15のシナリオ情報は、依頼者が社外の利用者であれば、伝言の依頼を代理アバタ1004が受け付けるように定義されている。
【0071】
図16は依頼者が社内の利用者であるか社外の利用者であるかに加えて、社内の利用者の職位を加味したシナリオ情報の一例の構成図である。図16のシナリオ情報は、依頼者の属性を、依頼者の組織を表す「属性1」と依頼者の職位を表す「属性2」とで定義した例である。図16のシナリオ情報は、本人と同じまたは下位の職位の社内の利用者と、本人より職位が上の社内の利用者と、社外の利用者と、に依頼者の属性を分けて、定義されている。例えば図16のシナリオ情報は、依頼者が本人と同じまたは下位の職位の社内の利用者であれば、伝言又はスケジュールの依頼を代理アバタ1004が受け付けるように定義されている。また、図16のシナリオ情報は、依頼者が本人より職位が上の社内の利用者であれば、伝言、スケジュール、情報共有、又は資料作成の依頼を代理アバタ1004が受け付けるように定義されている。また、図16のシナリオ情報は、依頼者が社外の利用者であれば、伝言の依頼を代理アバタ1004が受け付けるように定義されている。
【0072】
図17は依頼者が社内の利用者であるか社外の利用者であるかに加えて、社内の利用者の部署を加味したシナリオ情報の一例の構成図である。図17のシナリオ情報は、依頼者の属性を、依頼者の組織を表す「属性1」と依頼者の部署を表す「属性2」とで定義した例である。図17のシナリオ情報は、本人と同じ部署の社内の利用者と、本人と異なる部署の社内の利用者と、社外の利用者と、に依頼者の属性を分けて、定義されている。例えば図17のシナリオ情報は、依頼者が本人と同じ部署の社内の利用者であれば、伝言、スケジュール、情報共有、又は資料作成の依頼を代理アバタ1004が受け付けるように定義されている。また、図17のシナリオ情報は、依頼者が本人と異なる部署の社内の利用者であれば、伝言又はスケジュールの依頼を代理アバタ1004が受け付けるように定義されている。また、図17のシナリオ情報は、依頼者が社外の利用者であれば、伝言の依頼を代理アバタ1004が受け付けるように定義されている。
【0073】
図18は依頼者が社内の利用者であるか社外の利用者であるかに加えて、社外の利用者の面識有無を加味したシナリオ情報の一例の構成図である。図18のシナリオ情報は、依頼者の属性を、依頼者の組織を表す「属性1」と依頼者の面識有無を表す「属性2」とで定義した例である。図18のシナリオ情報は、社内の利用者と、面識なしの社外の利用者と、面識ありの社外の利用者と、に依頼者の属性を分けて、定義されている。
【0074】
図18のシナリオ情報は、依頼者が社内の利用者であれば、伝言、スケジュール、情報共有、又は資料作成の依頼を代理アバタ1004が受け付けるように定義されている。また、図18のシナリオ情報は、依頼者が面識なしの社外の利用者であれば、伝言の依頼を代理アバタ1004が受け付けるように定義されている。また、図18のシナリオ情報は依頼者が面識ありの社外の利用者であれば、伝言又は情報共有の依頼を代理アバタ1004が受け付けるように定義されている。
【0075】
なお、面識有無の判定は、様々な方法が考えられるが、例えば名刺交換有無、オンライン対面有無、オフライン対面有無、プライベートでの付き合いの有無などを含んだ利用者情報を参照することで、行うことができる。
【0076】
図15図18に示したように定義したシナリオ情報を用いることで、本実施形態の代理アバタ1004は依頼者の属性に応じた多種多様な内容のコミュニケーションを可能としている。
【0077】
図19は代理アバタを呼び出した仮想空間の処理の一例のフローチャートである。ここでは図7の仮想空間1000の例を説明する。ステップS30において、情報処理装置10の代理アバタ呼出部46は仮想空間1000に利用者Aの代理アバタ1004を呼び出す処理を行う。利用者Aの代理アバタ1004は仮想空間1000に参加している状態となる。
【0078】
ステップS32において、情報処理装置10の代理アバタ制御部48は、利用者Aの代理アバタ1004に対する利用者Bの本人アバタ1002の接触(又は所定の範囲内への接近)があるか否かを判定する。利用者Aの代理アバタ1004に対する利用者Bの本人アバタ1002の接触(又は所定の範囲内への接近)があれば、代理アバタ制御部48はステップS34の処理を行う。
【0079】
ステップS34において、代理アバタ制御部48は利用者Aの代理アバタ1004に本人アバタ1002で接触(又は所定の範囲内への接近)した利用者Bの属性を以下のように判定する。ステップS34の属性の判定は、図15図18に示したシナリオ情報の定義に従って例えば図20図23に示すように行われる。図20図23は属性の判定を行う処理の一例のフローチャートである。
【0080】
例えば図15のシナリオ情報の場合、代理アバタ制御部48は図20に示す手順で利用者Bの属性を判定する。ステップS50において代理アバタ制御部48は代理アバタ1004の利用者A及び本人アバタ1002の利用者Bの利用者情報を利用者情報記憶部60から読み出す。なお、代理アバタ制御部48は利用者Bの本人アバタ1002にアカウントを要求してもよい。アカウントの要求を受け付けた利用者Bの本人アバタ1002は例えば利用者Bに入力させたアカウントを代理アバタ制御部48に提供してもよい。
【0081】
ステップS52において代理アバタ制御部48はステップS50で読み出した利用者Aの利用者情報のアカウントから、利用者Aのドメインを特定する。また、代理アバタ制御部48はステップS50で読み出した利用者Bの利用者情報のアカウントから、利用者Bのドメインを特定する。代理アバタ制御部48は代理アバタ1004の利用者Aのドメインと、依頼者である利用者Bのドメインとを比較する。
【0082】
ステップS54において代理アバタ制御部48は代理アバタ1004の利用者Aのドメインが、依頼者である利用者Bのドメインと同じであるか否かを判定する。同じドメインであれば、代理アバタ制御部48はステップS56の処理に進み、依頼者の属性を図15のシナリオ情報の「属性1」に示した「社内」と判定する。同じドメインでなければ、代理アバタ制御部48はステップS58の処理に進み、依頼者の属性を図15のシナリオ情報の「属性1」に示した「社外」と判定する。
【0083】
例えば図16のシナリオ情報の場合、代理アバタ制御部48は図21に示す手順で利用者Bの属性を判定する。ステップS70において代理アバタ制御部48は代理アバタ1004の利用者A及び本人アバタ1002の利用者Bの利用者情報を利用者情報記憶部60から読み出す。なお、代理アバタ制御部48は利用者Bの本人アバタ1002にアカウントを要求してもよい。アカウントの要求を受け付けた利用者Bの本人アバタ1002は例えば利用者Bに入力させたアカウントを代理アバタ制御部48に提供してもよい。
【0084】
ステップS72において代理アバタ制御部48はステップS70で読み出した利用者Aの利用者情報のアカウントから、利用者Aのドメインを特定する。また、代理アバタ制御部48はステップS70で読み出した利用者Bの利用者情報のアカウントから、利用者Bのドメインを特定する。代理アバタ制御部48は代理アバタ1004の利用者Aのドメインと、依頼者である利用者Bのドメインとを比較する。
【0085】
ステップS74において代理アバタ制御部48は代理アバタ1004の利用者Aのドメインが、依頼者である利用者Bのドメインと同じであるか否かを判定する。同じドメインであれば、代理アバタ制御部48はステップS78の処理に進み、依頼者の属性を図16のシナリオ情報の「属性1」に示した「社内」と判定する。同じドメインでなければ、代理アバタ制御部48はステップS76の処理に進み、依頼者の属性を図16のシナリオ情報の「属性1」に示した「社外」と判定する。
【0086】
また、ステップS78において依頼者の属性を図16のシナリオ情報の「属性1」に示した「社内」と判定したあと、代理アバタ制御部48はステップS80の処理に進む。ステップS80において代理アバタ制御部48はステップS70で読み出した利用者Aの利用者情報から利用者Aの職位を特定する。また、代理アバタ制御部48はステップS70で読み出した利用者Bの利用者情報から利用者Bの職位を特定する。代理アバタ制御部48は、代理アバタ1004の利用者Aの職位と、依頼者である利用者Bの職位と、を比較する。
【0087】
ステップS82において代理アバタ制御部48は、代理アバタ1004の利用者Aの職位よりも依頼者である利用者Bの職位の方が上であるか否かを判定する。代理アバタ1004の利用者Aの職位よりも依頼者である利用者Bの職位の方が上であれば、代理アバタ制御部48はステップS84の処理に進み、依頼者の属性を図16のシナリオ情報の「属性2」に示した「本人より職位が上」と判定する。
【0088】
代理アバタ1004の利用者Aの職位よりも依頼者である利用者Bの職位の方が上でなければ、代理アバタ制御部48はステップS86の処理に進み、依頼者の属性を図16のシナリオ情報の「属性2」に示した「本人と同じまたは下位の職位」と判定する。
【0089】
例えば図17のシナリオ情報の場合、代理アバタ制御部48は図22に示す手順で利用者Bの属性を判定する。ステップS90において代理アバタ制御部48は代理アバタ1004の利用者A及び本人アバタ1002の利用者Bの利用者情報を利用者情報記憶部60から読み出す。なお、代理アバタ制御部48は利用者Bの本人アバタ1002にアカウントを要求してもよい。アカウントの要求を受け付けた利用者Bの本人アバタ1002は例えば利用者Bに入力させたアカウントを代理アバタ制御部48に提供してもよい。
【0090】
ステップS92において代理アバタ制御部48はステップS90で読み出した利用者Aの利用者情報のアカウントから、利用者Aのドメインを特定する。また、代理アバタ制御部48はステップS90で読み出した利用者Bの利用者情報のアカウントから、利用者Bのドメインを特定する。代理アバタ制御部48は代理アバタ1004の利用者Aのドメインと、依頼者である利用者Bのドメインとを比較する。
【0091】
ステップS94において代理アバタ制御部48は代理アバタ1004の利用者Aのドメインが、依頼者である利用者Bのドメインと同じであるか否かを判定する。同じドメインであれば、代理アバタ制御部48はステップS98の処理に進み、依頼者の属性を図17のシナリオ情報の「属性1」に示した「社内」と判定する。同じドメインでなければ、代理アバタ制御部48はステップS96の処理に進み、依頼者の属性を図17のシナリオ情報の「属性1」に示した「社外」と判定する。
【0092】
また、ステップS98において依頼者の属性を図17のシナリオ情報の「属性1」に示した「社内」と判定したあと、代理アバタ制御部48はステップS100の処理に進む。ステップS100において代理アバタ制御部48はステップS90で読み出した利用者Aの利用者情報から利用者Aの部署を特定する。また、代理アバタ制御部48はステップS90で読み出した利用者Bの利用者情報から利用者Bの部署を特定する。代理アバタ制御部48は、代理アバタ1004の利用者Aの部署と、依頼者である利用者Bの部署と、を比較する。
【0093】
ステップS102において代理アバタ制御部48は、代理アバタ1004の利用者Aの部署と依頼者である利用者Bの部署とが同じであるか否かを判定する。代理アバタ1004の利用者Aの部署と依頼者である利用者Bの部署とが同じであれば、ステップS104の処理に進み、代理アバタ制御部48は、依頼者の属性を図17のシナリオ情報の「属性2」に示した「本人と同じ部署」と判定する。
【0094】
代理アバタ1004の利用者Aの部署と依頼者である利用者Bの部署とが同じでなければ、代理アバタ制御部48はステップS106の処理に進み、依頼者の属性を図17のシナリオ情報の「属性2」に示した「別の部署」と判定する。
【0095】
例えば図18のシナリオ情報の場合、代理アバタ制御部48は図23に示す手順で利用者Bの属性を判定する。ステップS110において代理アバタ制御部48は代理アバタ1004の利用者A及び本人アバタ1002の利用者Bの利用者情報を利用者情報記憶部60から読み出す。なお、代理アバタ制御部48は利用者Bの本人アバタ1002にアカウントを要求してもよい。アカウントの要求を受け付けた利用者Bの本人アバタ1002は例えば利用者Bに入力させたアカウントを代理アバタ制御部48に提供してもよい。
【0096】
ステップS112において代理アバタ制御部48はステップS110で読み出した利用者Aの利用者情報のアカウントから、利用者Aのドメインを特定する。また、代理アバタ制御部48はステップS110で読み出した利用者Bの利用者情報のアカウントから、利用者Bのドメインを特定する。代理アバタ制御部48は代理アバタ1004の利用者Aのドメインと、依頼者である利用者Bのドメインとを比較する。
【0097】
ステップS114において代理アバタ制御部48は代理アバタ1004の利用者Aのドメインが、依頼者である利用者Bのドメインと同じであるか否かを判定する。同じドメインでなければ、代理アバタ制御部48はステップS118の処理に進み、依頼者の属性を図18のシナリオ情報の「属性1」に示した「社外」と判定する。同じドメインであれば代理アバタ制御部48はステップS116の処理に進み、依頼者の属性を図18のシナリオ情報の「属性1」に示した「社内」と判定する。また、ステップS118において依頼者の属性を図18のシナリオ情報の「属性1」に示した「社外」と判定したあと、代理アバタ制御部48はステップS120の処理に進む。
【0098】
ステップS120において代理アバタ制御部48は代理アバタ1004の利用者Aの顧客情報を参照する。顧客情報は例えば代理アバタ1004の利用者Aからアクセスを許可されている顧客情報管理先を参照する。ステップS122において、代理アバタ制御部48はステップS120で参照した代理アバタ1004の利用者Aの顧客情報に依頼者の情報があるか否かを判定する。
【0099】
ステップS122において代理アバタ制御部48は、ステップS120で参照した代理アバタ1004の利用者Aの顧客情報に依頼者の情報があれば、ステップS124の処理に進み、依頼者の属性を図18のシナリオ情報の「属性2」に示した「面識あり」と判定する。
【0100】
ステップS120で参照した代理アバタ1004の利用者Aの顧客情報に依頼者の情報がなければ、代理アバタ制御部48はステップS126の処理に進み、依頼者の属性を図18のシナリオ情報の「属性2」に示した「面識なし」と判定する。
【0101】
図19に戻り、代理アバタ制御部48はステップS36において、依頼者の属性に応じたシナリオを特定する。図15のシナリオ情報の場合、代理アバタ制御部48はステップS34で判定した依頼者の属性が「社内」であるのか「社外」であるのかにより、異なるシナリオを特定する。
【0102】
また、図16のシナリオ情報の場合、代理アバタ制御部48はステップS34で判定した依頼者の属性が「社外」であるか「社内」及び「本人と同じまたは下位の職位」であるか「社内」及び「本人より職位が上」であるかにより、異なるシナリオを特定する。
【0103】
また、図17のシナリオ情報の場合、代理アバタ制御部48はステップS34で判定した依頼者の属性が「社外」であるか「社内」及び「本人と同じ部署」であるか「社内」及び「別の部署」であるかにより、異なるシナリオを特定する。
【0104】
また、図18のシナリオ情報の場合、代理アバタ制御部48はステップS34で判定した依頼者の属性が「社内」であるか「社外」及び「面識なし」であるか「社外」及び「面識あり」であるかにより、異なるシナリオを特定する。
【0105】
ステップS38において、代理アバタ制御部48はステップS36で特定したシナリオに基づき、代理アバタ1004に以下のような処理を実行させる。
【0106】
例えば図15のシナリオ情報の場合であって、ステップS36で属性が「社内」のシナリオを特定した場合、代理アバタ制御部48は図24に示す手順で処理を実行する。図24は特定したシナリオに基づく代理アバタの処理の一例の説明図である。代理アバタ制御部48はステップS36で特定したシナリオに基づき、例えば伝言、スケジュール、情報共有、資料作成、及び期限・緊急の依頼を受け付けることができる処理選択画面を表示して依頼者から処理の選択を受け付ける。また、代理アバタ制御部48は処理選択画面に表示した処理の選択を依頼者から受け付けると、受け付けた処理に従って例えば図24に示すような処理を実行する。
【0107】
例えば図15のシナリオ情報の場合であって、ステップS36で属性が「社外」のシナリオを特定した場合、代理アバタ制御部48は図25に示す手順で処理を実行する。図25は特定したシナリオに基づく代理アバタの処理の一例の説明図である。代理アバタ制御部48はステップS36で特定したシナリオに基づき、例えば伝言の依頼を受け付けることができる処理選択画面を表示して依頼者から処理の選択を受け付ける。また、代理アバタ制御部48は処理選択画面に表示した処理の選択を依頼者から受け付けると、受け付けた処理に従って例えば図25に示すような処理を実行する。
【0108】
また、例えば図16のシナリオ情報の場合、代理アバタ制御部48は図26に示す手順で処理を実行する。図26は特定したシナリオに基づく代理アバタの処理の一例の説明図である。
【0109】
ステップS36で属性が「社外」のシナリオを特定した場合、代理アバタ制御部48は特定したシナリオに基づき、例えば伝言の依頼を受け付けることができる処理選択画面を表示して依頼者から処理の選択を受け付ける。また、代理アバタ制御部48は処理選択画面に表示した処理の選択を依頼者から受け付けると、受け付けた処理に従って処理を実行する。
【0110】
ステップS36で属性が「社内」及び「本人より職位が上」の組み合わせのシナリオを特定した場合、代理アバタ制御部48は特定したシナリオに基づいて、例えば伝言、スケジュール、情報共有、及び資料作成の依頼を受け付けることができる処理選択画面を表示して依頼者から処理の選択を受け付ける。代理アバタ制御部48は処理選択画面に表示した処理の選択を依頼者から受け付けると、受け付けた処理に従って処理を実行する。
【0111】
ステップS36で属性が「社内」及び「本人と同じまたは下位の職位」の組み合わせのシナリオを特定した場合、代理アバタ制御部48は特定したシナリオに基づいて、例えば伝言、及びスケジュールの依頼を受け付けることができる処理選択画面を表示して依頼者から処理の選択を受け付ける。代理アバタ制御部48は処理選択画面に表示した処理の選択を依頼者から受け付けると、受け付けた処理に従って処理を実行する。
【0112】
また、例えば図17のシナリオ情報の場合、代理アバタ制御部48は図27に示す手順で処理を実行する。図27は特定したシナリオに基づく代理アバタの処理の一例の説明図である。
【0113】
ステップS36で属性が「社外」のシナリオを特定した場合、代理アバタ制御部48は特定したシナリオに基づき、例えば伝言の依頼を受け付けることができる処理選択画面を表示して依頼者から処理の選択を受け付ける。また、代理アバタ制御部48は処理選択画面に表示した処理の選択を依頼者から受け付けると、受け付けた処理に従って処理を実行する。
【0114】
ステップS36で属性が「社内」及び「本人と同じ部署」の組み合わせのシナリオを特定した場合、代理アバタ制御部48は特定したシナリオに基づいて、例えば伝言、スケジュール、情報共有、及び資料作成の依頼を受け付けることができる処理選択画面を表示して依頼者から処理の選択を受け付ける。代理アバタ制御部48は処理選択画面に表示した処理の選択を依頼者から受け付けると、受け付けた処理に従って処理を実行する。
【0115】
ステップS36で属性が「社内」及び「別の部署」の組み合わせのシナリオを特定した場合、代理アバタ制御部48は特定したシナリオに基づいて、例えば伝言、及びスケジュールの依頼を受け付けることができる処理選択画面を表示して依頼者から処理の選択を受け付ける。代理アバタ制御部48は処理選択画面に表示した処理の選択を依頼者から受け付けると、受け付けた処理に従って処理を実行する。
【0116】
また、例えば図18のシナリオ情報の場合、代理アバタ制御部48は図28に示す手順で処理を実行する。図28は特定したシナリオに基づく代理アバタの処理の一例の説明図である。
【0117】
ステップS36で属性が「社内」のシナリオを特定した場合、代理アバタ制御部48は特定したシナリオに基づき、例えば伝言、スケジュール、情報共有、及び資料作成の依頼を受け付けることができる処理選択画面を表示して依頼者から処理の選択を受け付ける。また、代理アバタ制御部48は処理選択画面に表示した処理の選択を依頼者から受け付けると、受け付けた処理に従って処理を実行する。
【0118】
ステップS36で属性が「社外」及び「面識あり」の組み合わせのシナリオを特定した場合、代理アバタ制御部48は特定したシナリオに基づいて、例えば伝言、及びスケジュールの依頼を受け付けることができる処理選択画面を表示して依頼者から処理の選択を受け付ける。代理アバタ制御部48は処理選択画面に表示した処理の選択を依頼者から受け付けると、受け付けた処理に従って処理を実行する。
【0119】
ステップS36で属性が「社内」及び「面識なし」の組み合わせのシナリオを特定した場合、代理アバタ制御部48は特定したシナリオに基づいて、例えば伝言の依頼を受け付けることができる処理選択画面を表示して依頼者から処理の選択を受け付ける。代理アバタ制御部48は処理選択画面に表示した処理の選択を依頼者から受け付けると、受け付けた処理に従って処理を実行する。
【0120】
図19に戻り、代理アバタ制御部48はステップS40において依頼者から代理アバタ1004への依頼が終了したか否かを判定する。代理アバタ制御部48は依頼者から代理アバタ1004への依頼が終了したと判定するまで、ステップS38の処理を繰り返す。
【0121】
依頼者から代理アバタ1004への依頼が終了したと判定すると、代理アバタ制御部48はステップS32の処理に戻る。ステップS32において、利用者Aの代理アバタ1004に対する利用者Bの本人アバタ1002の接触(又は所定の範囲内への接近)がなければ、代理アバタ制御部48はステップS42の処理を行う。
【0122】
ステップS42において、代理アバタ制御部48は代理アバタ1004が仮想空間1000から退去したか否かを判定する。代理アバタ1004が仮想空間1000から退去していなければ、代理アバタ制御部48はステップS32の処理に戻る。代理アバタ1004が仮想空間1000から退去すると、代理アバタ制御部48は図19に示した処理を終了する。
【0123】
代理アバタ制御部48は、仮想空間1000を離れていた利用者Aの本人アバタが仮想空間1000に復帰した場合に、例えば図29に示す処理を行う。図29は本人アバタの仮想空間への復帰時の処理の一例のフローチャートである。
【0124】
ステップS200において、代理アバタ制御部48はシナリオ実行結果情報記憶部68からシナリオ実行結果情報を取得する。ステップS200で取得するシナリオ実行結果情報は、利用者Aの本人アバタが仮想空間1000から離れていた間に利用者Aの代理アバタ1004がシナリオに従って処理した実行処理の情報である。
【0125】
ステップS202において、代理アバタ制御部48はステップS200で取得したシナリオ実行結果情報に従って例えば図30に示すシナリオ実行結果画面2000を利用者端末12Aに表示させる。
【0126】
図30はシナリオ実行結果画面の一例のイメージ図である。シナリオ実行結果画面2000は利用者Aの代理アバタ1004がシナリオに従って処理した実行処理の情報を例えばエージェントタスク表として表示する。エージェントタスク表は、利用者Aの代理アバタ1004が依頼者から受け付けた依頼をタスクとして表示する。エージェントタスク表は、依頼者から受け付けた依頼(タスク)ごとに、受付時間、依頼者、項目、状態、緊急度、及び次アクションの情報を含む。
【0127】
受付時間は、利用者Aの代理アバタ1004が依頼者から依頼を受け付けた時間を表している。依頼者は、利用者Aの代理アバタ1004に依頼を行った利用者を識別する情報の一例である。項目は、依頼者からの依頼の項目(伝言、スケジュール、情報共有、資料作成など)を表している。
【0128】
状態は、依頼者からの依頼に対する状態(対応完了、未対応、指示有など)を示す情報を表している。緊急度は、依頼者からの依頼の重要度を示す情報を表している。また、次アクションは、依頼者からの依頼に対して利用者Aが行う必要のあるアクション内容を示す情報である。
【0129】
また、シナリオ実行結果画面2000は受付時間でソートされているエージェントタスク表のタスクを、例えば優先度順にソートする優先度順ボタン、緊急度順にソートする緊急度順ボタン、及び依頼者別にソートする依頼者別ボタンを設けてもよい。また、シナリオ実行結果画面2000はタブ切り替え(例えば依頼者ごと)のタブでエージェントタスク表を表示してもよい。
【0130】
また、シナリオ実行結果画面2000はエージェントタスク表のタスクごとに、詳細ボタン2002、アクションボタン2004、及び再生ボタン2006を表示する。詳細ボタン2002は利用者Aからタスクの詳細情報の表示操作を受け付ける。アクションボタン2004は利用者Aから次アクションに示されたアクション内容の実行を受け付けるボタンであって、アクションの内容に対応するアプリケーションなどを起動する。再生ボタン2006は依頼者から依頼を受け付けた状況の録音・録画の再生操作を受け付ける。図30のシナリオ実行結果画面2000はタスクごとに再生ボタン2006を設ける例を示したが、エージェントタスク表の複数のタスクを連続して再生する再生ボタンを1つ設けてもよい。
【0131】
図30のシナリオ実行結果画面2000によれば、仮想空間1000に代理アバタ1004を参加させて仮想空間1000から離れていた利用者Aは、本人アバタを仮想空間1000に復帰させたあと、代理アバタ1004が依頼者から受け付けたタスクへの対応を効率化できる。
【0132】
なお、図30のシナリオ実行結果画面2000は一例であって、利用者Aのメールアドレスにエージェントタスク表を送信して利用者Aに提供してもよいし、仮想空間1000にポップアップなどで表示して利用者Aに提供してもよい。
【0133】
図29に戻り、代理アバタ制御部48はステップS204においてシナリオ実行結果画面2000の詳細ボタン2002が押下されたか否かを判定する。詳細ボタン2002が押下されたと判定すると、代理アバタ制御部48はステップS206の処理に進む。代理アバタ制御部48は押下された詳細ボタン2002に対応するタスクの詳細情報を表示したあと、ステップS206からステップS216に進む。
【0134】
詳細ボタン2002が押下されていなければ、代理アバタ制御部48はステップS208においてシナリオ実行結果画面2000のアクションボタン2004が押下されたか否かを判定する。アクションボタン2004が押下されたと判定すると、代理アバタ制御部48はステップS210の処理に進む。代理アバタ制御部48は押下されたアクションボタン2004に対応するタスクの次アクションに示されたアクション内容の実行を受け付けたあと、ステップS210からステップS216に進む。
【0135】
アクションボタン2004が押下されていなければ、代理アバタ制御部48はステップS212においてシナリオ実行結果画面2000の再生ボタン2006が押下されたか否かを判定する。再生ボタン2006が押下されたと判定すると、代理アバタ制御部48はステップS214の処理に進む。代理アバタ制御部48は押下された再生ボタン2006に対応するタスクを依頼者から受け付けた状況の録音・録画を再生し、ステップS214からステップS216に進む。
【0136】
ステップS216において、代理アバタ制御部48はシナリオ実行結果画面2000の表示が終了か否かを判定する。シナリオ実行結果画面2000の表示が終了でなければ代理アバタ制御部48はステップS204の処理に戻る。シナリオ実行結果画面2000の表示が終了であれば代理アバタ制御部48は図29の処理を終了する。
【0137】
第1の実施形態によれば、仮想空間1000に代理アバタ1004を設置した利用者Aと、利用者Aの代理アバタ1004に依頼を行った利用者Bとの関係に応じて、代理アバタ1004の対応を変えることができる。したがって、本実施形態によれば、多種多様な内容のコミュニケーションに対応可能な仮想空間1000を提供できる。
【0138】
[第2の実施形態]
第1の実施形態は、利用者Aの代理アバタ1004に利用者A以外の第三者である利用者Bが依頼する例である。第2の実施形態は、利用者Aの代理アバタ1004に利用者Aが依頼する例である。
【0139】
例えば利用者Aは仮想空間1000から離れるタイミングで、自分の代理アバタ1004に情報収集などの処理を依頼できるようにしてもよい。また、利用者Aは本人アバタが仮想空間1000に参加している場面であっても、平行して情報収集などの処理を依頼できるようにしてもよい。なお、利用者Aの本人アバタと仮想アバタ1004との両方が仮想空間1000に参加している場合、本人アバタ制御部44は、利用者A以外の利用者端末12が表示する仮想空間1000に利用者Aの本人アバタと仮想アバタ1004との両方を必ずしも表示しなくてもよい。例えば仮想空間1000に本人アバタで参加している利用者Aが作業に集中したい場合などに、本人アバタ制御部44は、利用者A以外の利用者端末12が表示する仮想空間1000に利用者Aの本人アバタを非表示とし、利用者Aの代理アバタ1004を表示としてもよい。
【0140】
第2の実施形態においても、利用者Aは例えば図31に示すように、代理アバタ1004に実行させる処理内容の設定を行う。代理アバタ1004に実行させる処理内容の設定はシナリオ設定管理部54の制御により行われる。
【0141】
図31は代理アバタに実行させる処理内容の設定の一例の説明図である。図31の例では代理アバタ設定トップ画面から「処理内容設定」ボタンを選択することで、代理アバタ1004に実行させる処理内容の選択肢が対話的に表示される。
【0142】
例えば図31の例では、代理アバタ1004に実行させる情報収集を含む処理の選択肢を表示し、利用者Aに、情報収集の設定項目、設定可能な実行内容、及び次アクション内容を選択させることで、代理アバタ1004に実行させる処理内容を設定させている。
【0143】
例えば第2の実施形態の場合、代理アバタ制御部48は図32に示す手順で本人又は本人以外の属性を判定する。ステップS220において代理アバタ制御部48は代理アバタ1004の利用者A及び代理アバタ1004に依頼を行った依頼者の利用者情報を利用者情報記憶部60から読み出す。
【0144】
ステップS222において代理アバタ制御部48はステップS220で読み出した利用者Aの利用者情報のアカウントと代理アバタ1004に依頼を行った依頼者の利用者情報のアカウントを比較する。
【0145】
ステップS224において代理アバタ制御部48は代理アバタ1004の利用者Aのアカウントが、代理アバタ1004に依頼を行った依頼者のアカウントと同じであるか否かを判定する。同じアカウントであれば、代理アバタ制御部48はステップS226の処理に進み、依頼者の属性を「本人」と判定する。同じアカウントでなければ、代理アバタ制御部48はステップS228の処理に進み、依頼者の属性を「本人以外」と判定する。
【0146】
以上、第2の実施形態によれば、仮想空間1000に代理アバタ1004を設置した利用者Aが、自分の代理アバタ1004に依頼を行うことができる。したがって、本実施形態によれば、多種多様な内容のコミュニケーションに対応可能な仮想空間1000を提供できる。
【0147】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0148】
実施例に記載された装置群は本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。本実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本実施形態における構成要素には、当業者が容易に想到できるもの、実質的に同一のもの、及び、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、本実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換、変更および組み合わせを行うことができる。
【符号の説明】
【0149】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
12、12A、12B 利用者端末
14 利用者情報提供装置
18 ネットワーク
20 通信部
22 処理部
24 記憶部
40 仮想空間制御部
46 代理アバタ呼出部
48 代理アバタ制御部
50 本人アバタ設定管理部
52 代理アバタ設定管理部
54 シナリオ設定管理部
1000 仮想空間
1002 本人アバタ
1004 代理アバタ
2000 シナリオ実行結果画面
【先行技術文献】
【特許文献】
【0150】
【文献】特許第3627521号公報
図1
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