(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】サブファブエリア設置装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20240717BHJP
H01L 21/205 20060101ALI20240717BHJP
H01L 21/02 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H01L21/205
H01L21/02 D
(21)【出願番号】P 2021086744
(22)【出願日】2021-05-24
【審査請求日】2023-10-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100118500
【氏名又は名称】廣澤 哲也
(74)【代理人】
【氏名又は名称】渡邉 勇
(72)【発明者】
【氏名】小博 基司
(72)【発明者】
【氏名】福住 幸大
(72)【発明者】
【氏名】坂内 伸隆
(72)【発明者】
【氏名】宮田 啓雅
(72)【発明者】
【氏名】花房 直也
(72)【発明者】
【氏名】田岡 健
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 一知
【審査官】河合 俊英
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/047320(WO,A1)
【文献】特表2018-522427(JP,A)
【文献】特開2017-63088(JP,A)
【文献】特開平10-176663(JP,A)
【文献】特開2004-63866(JP,A)
【文献】特開平10-209125(JP,A)
【文献】特開2009-44106(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H01L 21/205
H01L 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体製造装置に使用されるサブファブエリア設置装置であって、
前記半導体製造装置の処理チャンバから処理ガスを排気するための真空ポンプと、
前記処理チャンバで使用された第1循環液を冷却するための冷却ユニットと、
前記処理チャンバで使用された第2循環液を加熱するための加熱ユニットと、
前記真空ポンプから排出された前記処理ガスを除害するための除害装置と、
冷却源から供給される冷却液が流れる冷却液ラインとを備え、
前記冷却ユニットは、冷媒が循環する第1ヒートポンプを含み、
前記加熱ユニットは、冷媒が循環する第2ヒートポンプを含み、
前記冷却液ラインは、
前記冷却液を前記除害装置、前記真空ポンプ、および前記冷却ユニットにそれぞれ供給する第1上流側ライン、第2上流側ライン、および第3上流側ラインと、
前記除害装置、前記真空ポンプ、および前記冷却ユニットを通過した前記冷却液を前記加熱ユニットに供給する第1下流側ライン、第2下流側ライン、および第3下流側ラインと、
前記加熱ユニットを通過した前記冷却液を前記冷却源に戻す冷却液戻りラインを有している、サブファブエリア設置装置。
【請求項2】
前記第1下流側ライン、前記第2下流側ライン、および前記第3下流側ラインは、合流して前記加熱ユニットに延びる合流ラインを構成し、
前記冷却液ラインは、前記合流ラインから分岐して前記冷却液戻りラインに接続されたバイパスラインをさらに含む、請求項1に記載のサブファブエリア設置装置。
【請求項3】
前記第1上流側ラインまたは前記第1下流側ライン、前記第2上流側ラインまたは前記第2下流側ライン、および前記第3上流側ラインまたは前記第3下流側ラインにそれぞれ設けられた第1流量制御弁、第2流量制御弁、および第3流量制御弁と、
前記第1下流側ライン、前記第2下流側ライン、および前記第3下流側ラインを流れる前記冷却液の温度を測定するための第1温度測定器、第2温度測定器、および第3温度測定器と、
前記合流ライン、前記冷却液戻りライン、または前記バイパスラインに設けられた加熱ユニット流量制御弁と、
前記加熱ユニット内を流れる前記冷却液の流量を測定するための前記合流ラインまたは前記冷却液戻りラインに設置された加熱ユニット流量測定器と、
前記第1下流側ライン、前記第2下流側ライン、および前記第3下流側ラインを流れる前記冷却液の温度が一定となるように、前記第1流量制御弁、前記第2流量制御弁、および前記第3流量制御弁の動作を制御し、さらに前記加熱ユニットを流れる前記冷却液の流量が一定となるように、前記加熱ユニット流量制御弁の動作を制御する弁制御部をさらに備えている、請求項2に記載のサブファブエリア設置装置。
【請求項4】
前記冷却液戻りラインを流れる前記冷却液の温度を測定するための戻り温度測定器と、
前記冷却液戻りラインを流れる前記冷却液の温度が設定値以上に維持されるように前記加熱ユニットの前記第2ヒートポンプの動作を制御するヒートポンプ制御部をさらに備えている、請求項1に記載のサブファブエリア設置装置。
【請求項5】
前記第1下流側ライン、前記第2下流側ライン、および前記第3下流側ラインに接続されたバッファタンクをさらに備えている、請求項1に記載のサブファブエリア設置装置。
【請求項6】
前記第1下流側ライン、前記第2下流側ライン、および前記第3下流側ラインは、合流して前記加熱ユニットに延びる合流ラインを構成し、
前記冷却液ラインは、前記合流ラインから分岐した再加熱ラインをさらに備えており、前記再加熱ラインは、前記合流ラインから前記第1上流側ラインまで延びている、請求項5に記載のサブファブエリア設置装置。
【請求項7】
前記冷却液ラインは、前記合流ラインから分岐して前記冷却液戻りラインに接続されたバイパスラインをさらに含み、
前記サブファブエリア設置装置は、
前記バッファタンク内の前記冷却液の温度を測定するタンク内温度測定器と、
前記再加熱ラインに取り付けられた再加熱用流量制御弁と、
前記バイパスライン、前記合流ライン、または前記冷却液戻りラインに設けられた加熱ユニット流量制御弁と、
前記バッファタンク内の前記冷却液の温度が設定値以下となった場合に、前記再加熱ラインを流れる前記冷却液の流量が所定の値になるように前記再加熱用流量制御弁および前記加熱ユニット流量制御弁の動作を制御する弁制御部をさらに備えている、請求項6に記載のサブファブエリア設置装置。
【請求項8】
前記冷却液ラインは、前記第2下流側ラインから分岐した第2再加熱ライン、および前記第3下流側ラインから分岐した第3再加熱ラインをさらに備えており、前記第2再加熱ラインおよび前記第3再加熱ラインは、前記第1上流側ラインに加圧ポンプを介して接続されている、請求項1に記載のサブファブエリア設置装置。
【請求項9】
前記第2下流側ラインと前記第2再加熱ラインとの分岐点の下流側の位置で前記第2下流側ラインに設けられた第2下流側流量制御弁と、
前記第3下流側ラインと前記第3再加熱ラインとの分岐点の下流側の位置で前記第3下流側ラインに設けられた第3下流側流量制御弁と、
前記第2下流側ラインおよび前記第3下流側ラインを流れる前記冷却液の温度を測定するための第2温度測定器および第3温度測定器と、
前記第2再加熱ラインおよび前記第3再加熱ラインにそれぞれ設けられた第2再加熱用流量制御弁および第3再加熱用流量制御弁と、
弁制御部をさらに備え、
前記弁制御部は、
前記第2下流側ラインを流れる前記冷却液の温度がしきい値よりも低いときに、前記第2下流側流量制御弁の開度を下げ、かつ前記第2再加熱用流量制御弁の開度を上げ、
前記第3下流側ラインを流れる前記冷却液の温度がしきい値よりも低いときに、前記第3下流側流量制御弁の開度を下げ、かつ前記第3再加熱用流量制御弁の開度を上げるように構成されている、請求項8に記載のサブファブエリア設置装置。
【請求項10】
前記第1下流側ラインに設けられた第1下流側流量制御弁と、
前記加熱ユニットを流れる前記冷却液の流量を測定するための加熱ユニット流量測定器をさらに備えており、
前記弁制御部は、前記加熱ユニットを流れる前記冷却液の流量が一定となるように、前記第1下流側流量制御弁の動作を制御するようにさらに構成されている、請求項9に記載のサブファブエリア設置装置。
【請求項11】
前記冷却液ラインは、前記第2下流側ラインから分岐した第2戻りライン、および前記第3下流側ラインから分岐した第3戻りラインをさらに備えており、前記第2戻りラインおよび前記第3戻りラインは前記冷却液戻りラインに接続されている、請求項1に記載のサブファブエリア設置装置。
【請求項12】
前記第1下流側ラインに設けられた第1下流側流量制御弁と、
前記第2下流側ラインと前記第2戻りラインとの分岐点の下流側の位置において前記第2下流側ラインに設けられた第2下流側流量制御弁と、
前記第3下流側ラインと前記第3戻りラインとの分岐点の下流側の位置において前記第3下流側ラインに設けられた第3下流側流量制御弁と、
前記第2下流側ラインおよび前記第3下流側ラインを流れる前記冷却液の温度を測定するための第2温度測定器および第3温度測定器と、
前記第2戻りラインおよび前記第3戻りラインにそれぞれ設けられた第2戻り流量制御弁および第3戻り流量制御弁と、
前記加熱ユニットを流れる前記冷却液の流量を測定するための加熱ユニット流量測定器と、
弁制御部をさらに備え、
前記弁制御部は、
前記第2下流側ラインを流れる前記冷却液の温度がしきい値よりも低いときに、前記第2下流側流量制御弁の開度を下げ、かつ前記第2戻り流量制御弁の開度を上げ、
前記第3下流側ラインを流れる前記冷却液の温度がしきい値よりも低いときに、前記第3下流側流量制御弁の開度を下げ、かつ前記第3戻り流量制御弁の開度を上げ、
前記加熱ユニットを流れる前記冷却液の流量が一定となるように、前記第1下流側流量制御弁の動作を制御するように構成されている、請求項11に記載のサブファブエリア設置装置。
【請求項13】
前記第1下流側ライン、前記第2下流側ライン、および前記第3下流側ラインは、合流して前記加熱ユニットに延びる合流ラインを構成し、
前記冷却液ラインは、前記合流ラインから分岐して前記冷却液戻りラインに接続されたバイパスラインをさらに含み、
前記サブファブエリア設置装置は、
前記第2下流側ラインと前記第2戻りラインとの分岐点の下流側の位置において前記第2下流側ラインに設けられた第2下流側流量制御弁と、
前記第3下流側ラインと前記第3戻りラインとの分岐点の下流側の位置において前記第3下流側ラインに設けられた第3下流側流量制御弁と、
前記第2下流側ラインおよび前記第3下流側ラインを流れる前記冷却液の温度を測定するための第2温度測定器および第3温度測定器と、
前記第2戻りラインおよび前記第3戻りラインにそれぞれ設けられた第2戻り流量制御弁および第3戻り流量制御弁と、
前記加熱ユニットを流れる前記冷却液の流量を測定するための加熱ユニット流量測定器と、
前記合流ライン、前記冷却液戻りライン、または前記バイパスラインに設けられた加熱ユニット流量制御弁と、
弁制御部をさらに備え、
前記弁制御部は、
前記第2下流側ラインを流れる前記冷却液の温度がしきい値よりも低いときに、前記第2下流側流量制御弁の開度を下げ、かつ前記第2戻り流量制御弁の開度を上げ、
前記第3下流側ラインを流れる前記冷却液の温度がしきい値よりも低いときに、前記第3下流側流量制御弁の開度を下げ、かつ前記第3戻り流量制御弁の開度を上げ、
前記加熱ユニットを流れる前記冷却液の流量が一定となるように、前記加熱ユニット流量制御弁の動作を制御するように構成されている、請求項11に記載のサブファブエリア設置装置。
【請求項14】
前記冷却液ラインは、前記第2戻りラインから分岐した第2戻り再加熱ライン、および前記第3戻りラインから分岐した第3戻り再加熱ラインをさらに備えており、前記第2戻り再加熱ラインおよび前記第3戻り再加熱ラインは、加圧ポンプを介して前記第1上流側ラインに接続されている、請求項11に記載のサブファブエリア設置装置。
【請求項15】
前記第2戻りラインの前記第2戻り再加熱ラインよりも上流側を流れる前記冷却液の温度を測定する第2戻りライン温度測定器と、
前記第2戻りラインおよび前記第3戻りラインにそれぞれ設けられた第2戻り流量制御弁および第3戻り流量制御弁と、
前記第3戻りラインの前記第3戻り再加熱ラインよりも上流側を流れる前記冷却液の温度を測定する第3戻りライン温度測定器と、
前記第2戻り再加熱ラインおよび前記第3戻り再加熱ラインにそれぞれ設けられた第2戻り再加熱流量制御弁および第3戻り再加熱流量制御弁と、
前記第2戻り流量制御弁、前記第3戻り流量制御弁、前記第2戻り再加熱流量制御弁、および前記第3戻り再加熱流量制御弁の動作を制御する弁制御部をさらに備えている、請求項14に記載のサブファブエリア設置装置。
【請求項16】
前記弁制御部は、前記第2戻りラインを流れる前記冷却液の温度が設定値よりも低いときは、前記第2戻り流量制御弁の開度を上げ、かつ前記第2戻り再加熱流量制御弁の開度を下げ、前記第3戻りラインを流れる前記冷却液の温度が設定値よりも低いときは、前記第3戻り流量制御弁の開度を上げ、かつ前記第3戻り再加熱流量制御弁の開度を下げるように構成されている、請求項15に記載のサブファブエリア設置装置。
【請求項17】
前記弁制御部は、前記半導体製造装置からの指令信号に従って、前記第2戻り流量制御弁、前記第3戻り流量制御弁、前記第2戻り再加熱流量制御弁、および前記第3戻り再加熱流量制御弁の動作を制御するように構成されている、請求項15に記載のサブファブエリア設置装置。
【請求項18】
前記第2戻りラインおよび前記第3戻りラインは、合流して合流戻りラインを構成し、
前記合流戻りラインは、前記冷却液戻りラインに接続されており、
前記冷却液ラインは、前記合流戻りラインから分岐した合流再加熱ラインをさらに備えており、
前記合流再加熱ラインは、加圧ポンプを介して前記第1上流側ラインに接続されている、請求項11に記載のサブファブエリア設置装置。
【請求項19】
前記合流戻りラインを流れる前記冷却液の温度を測定する合流戻り温度測定器と、
前記合流戻りラインからの前記合流再加熱ラインの分岐点の下流側の位置において前記合流戻りラインに設けられた合流戻り流量制御弁と、
前記合流再加熱ラインに設けられた合流再加熱流量制御弁と、
前記合流戻り流量制御弁および前記合流再加熱流量制御弁の動作を制御する弁制御部をさらに備えている、請求項18に記載のサブファブエリア設置装置。
【請求項20】
前記弁制御部は、前記合流戻りラインを流れる前記冷却液の温度が設定値よりも低いときは、前記合流戻り流量制御弁の開度を上げ、かつ前記合流再加熱流量制御弁の開度を下げるように構成されている、請求項19に記載のサブファブエリア設置装置。
【請求項21】
前記弁制御部は、前記半導体製造装置からの指令信号に従って、前記合流戻り流量制御弁および前記合流再加熱流量制御弁の動作を制御するように構成されている、請求項19に記載のサブファブエリア設置装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エッチング装置などの半導体製造装置に使用されるサブファブエリア設置装置に関し、特に半導体製造装置に使用される循環液を冷却および加熱するためのサブファブエリア設置装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程の1つであるドライエッチング工程では、クリーンルームに配置されたエッチング装置が使用される。エッチング装置の床下のサブファブエリアには、エッチングに使用される処理ガスを除害するための除害装置、処理ガスをエッチング室から排気するための真空ポンプ、エッチング室を流れる循環液を冷却するための冷却ユニット、エッチング室を流れる循環液を加熱するための加熱ユニットなどが配置される。加熱ユニットの加熱方式は、圧縮式冷凍機のホットガスで循環液を加熱する方式、電気ヒータで加熱する方式、またはホットガスとヒータの両方で加熱する方式などである。また、除害装置、真空ポンプ、冷却ユニット、加熱ユニットは、それぞれ冷却水で冷却する必要がある(ただし、電気ヒータ式の加熱ユニットは冷却水不要)。
【0003】
特許文献1には、エッチング装置の加熱源として半導体製造装置の縦型熱処理装置(半導体ウェハ熱処理装置)からの80℃の温冷却水を利用する排熱利用システムが開示されている。
特許文献2には、半導体製造設備における水処理設備の原水を浄化する樹脂塔、逆浸透膜装置の加熱源として、除害装置からの排熱をヒートポンプで吸熱し利用する排熱回収再利用システムが開示されている。
特許文献3には、真空ポンプに除害部を一体化させ、冷却水を共有化する方式が開示されている。
特許文献4には、複数台の排熱発生機器と排熱利用機器とを排熱搬送経路で接続した排熱利用システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2002/067301号
【文献】特開2019-174050号公報
【文献】特開2014-231822号公報
【文献】特開2006-313048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
エッチング装置の台数の増加にともなってこれらのサブファブエリア内の機器も増加する。これらの機器は機器間で熱の授受を行うことなく個別に運転されており、サブファブエリアの機器全体を見通しての最適化はなされていないため、機器の数が増える分だけ消費電力量は増加する。
【0006】
そこで、本発明は、半導体製造装置で発生する排熱を有効利用し、半導体を製造する際に使用される消費電力を下げることができるサブファブエリア設置装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様では、半導体製造装置に使用されるサブファブエリア設置装置であって、前記半導体製造装置の処理チャンバから処理ガスを排気するための真空ポンプと、前記処理チャンバで使用された第1循環液を冷却するための冷却ユニットと、前記処理チャンバで使用された第2循環液を加熱するための加熱ユニットと、前記真空ポンプから排出された前記処理ガスを除害するための除害装置と、冷却源から供給される冷却液が流れる冷却液ラインとを備え、前記冷却ユニットは、冷媒が循環する第1ヒートポンプを含み、前記加熱ユニットは、冷媒が循環する第2ヒートポンプを含み、前記冷却液ラインは、前記冷却液を前記除害装置、前記真空ポンプ、および前記冷却ユニットにそれぞれ供給する第1上流側ライン、第2上流側ライン、および第3上流側ラインと、前記除害装置、前記真空ポンプ、および前記冷却ユニットを通過した前記冷却液を前記加熱ユニットに供給する第1下流側ライン、第2下流側ライン、および第3下流側ラインと、前記加熱ユニットを通過した前記冷却液を前記冷却源に戻す冷却液戻りラインを有している、サブファブエリア設置装置が提供される。
本発明によれば、除害装置、真空ポンプ、および冷却ユニットを通過するときに加熱された冷却液を、加熱ユニットにて熱源として使用することができる。したがって、電気式ヒータなどの電気的設備を不要、または電気的設備の容量を削減することができる。さらに、加熱ユニットを通過するときに冷却された冷却液は、冷却源に戻されるので、冷却源(例えば、半導体製造装置の工場に設置されたチラー)が冷却液を再度冷却するのに必要な電力を低減することができる。結果として、半導体を製造する際に使用される消費電力を低減させることができる。
【0008】
一態様では、前記第1下流側ライン、前記第2下流側ライン、および前記第3下流側ラインは、合流して前記加熱ユニットに延びる合流ラインを構成し、前記冷却液ラインは、前記合流ラインから分岐して前記冷却液戻りラインに接続されたバイパスラインをさらに含む。
一態様では、前記サブファブエリア設置装置は、前記第1上流側ラインまたは前記第1下流側ライン、前記第2上流側ラインまたは前記第2下流側ライン、および前記第3上流側ラインまたは前記第3下流側ラインにそれぞれ設けられた第1流量制御弁、第2流量制御弁、および第3流量制御弁と、前記第1下流側ライン、前記第2下流側ライン、および前記第3下流側ラインを流れる前記冷却液の温度を測定するための第1温度測定器、第2温度測定器、および第3温度測定器と、前記合流ライン、前記冷却液戻りライン、または前記バイパスラインに設けられた加熱ユニット流量制御弁と、前記加熱ユニット内を流れる前記冷却液の流量を測定するための前記合流ラインまたは前記冷却液戻りラインに設置された加熱ユニット流量測定器と、前記第1下流側ライン、前記第2下流側ライン、および前記第3下流側ラインを流れる前記冷却液の温度が一定となるように、前記第1流量制御弁、前記第2流量制御弁、および前記第3流量制御弁の動作を制御し、さらに前記加熱ユニットを流れる前記冷却液の流量が一定となるように、前記加熱ユニット流量制御弁の動作を制御する弁制御部をさらに備えている。
本発明によれば、加熱ユニットを流れる冷却液の温度および流量が一定に保たれるので、加熱ユニットは第2循環液を安定して加熱することができる。
【0009】
一態様では、前記サブファブエリア設置装置は、前記冷却液戻りラインを流れる前記冷却液の温度を測定するための戻り温度測定器と、前記冷却液戻りラインを流れる前記冷却液の温度が設定値以上に維持されるように前記加熱ユニットの前記第2ヒートポンプの動作を制御するヒートポンプ制御部をさらに備えている。
本発明によれば、冷却源に戻される冷却液の温度が低下しすぎることを防止することができる。
【0010】
一態様では、前記サブファブエリア設置装置は、前記第1下流側ライン、前記第2下流側ライン、および前記第3下流側ラインに接続されたバッファタンクをさらに備えている。
本発明によれば、除害装置、真空ポンプ、および冷却ユニットを通過するときに加熱された冷却液は、加熱ユニットに供給される前に、一旦バッファタンク内に貯留される。バッファタンクは、加熱された冷却液の温度の変動を低減させ、かつ加熱ユニットに供給される冷却液の流量を安定させることができる。
【0011】
一態様では、前記第1下流側ライン、前記第2下流側ライン、および前記第3下流側ラインは、合流して前記加熱ユニットに延びる合流ラインを構成し、前記冷却液ラインは、前記合流ラインから分岐した再加熱ラインをさらに備えており、前記再加熱ラインは、前記合流ラインから前記第1上流側ラインまで延びている。
本発明によれば、バッファタンク内の冷却液が、加熱ユニットを流れる第2循環液を加熱するための駆動熱源として十分高温でない場合には、冷却液を除害装置に戻して再度加熱することができる。
【0012】
一態様では、前記冷却液ラインは、前記合流ラインから分岐して前記冷却液戻りラインに接続されたバイパスラインをさらに含み、前記サブファブエリア設置装置は、前記バッファタンク内の前記冷却液の温度を測定するタンク内温度測定器と、前記再加熱ラインに取り付けられた再加熱用流量制御弁と、前記バイパスライン、前記合流ライン、または前記冷却液戻りラインに設けられた加熱ユニット流量制御弁と、前記バッファタンク内の前記冷却液の温度が設定値以下となった場合に、前記再加熱ラインを流れる前記冷却液の流量が所定の値になるように前記再加熱用流量制御弁および前記加熱ユニット流量制御弁の動作を制御する弁制御部をさらに備えている。
本発明によれば、バッファタンク内の冷却液が、加熱ユニットを流れる第2循環液を加熱するための駆動熱源として十分高温でない場合には、冷却液を除害装置に戻して再度加熱することができる。
【0013】
一態様では、前記冷却液ラインは、前記第2下流側ラインから分岐した第2再加熱ライン、および前記第3下流側ラインから分岐した第3再加熱ラインをさらに備えており、前記第2再加熱ラインおよび前記第3再加熱ラインは、前記第1上流側ラインに加圧ポンプを介して接続されている。
本発明によれば、真空ポンプおよび冷却ユニットを通過した冷却液が、加熱ユニットを流れる第2循環液を加熱するための駆動熱源として十分高温でない場合には、冷却液を除害装置に戻して再度加熱することができる。
【0014】
一態様では、前記サブファブエリア設置装置は、前記第2下流側ラインと前記第2再加熱ラインとの分岐点の下流側の位置で前記第2下流側ラインに設けられた第2下流側流量制御弁と、前記第3下流側ラインと前記第3再加熱ラインとの分岐点の下流側の位置で前記第3下流側ラインに設けられた第3下流側流量制御弁と、前記第2下流側ラインおよび前記第3下流側ラインを流れる前記冷却液の温度を測定するための第2温度測定器および第3温度測定器と、前記第2再加熱ラインおよび前記第3再加熱ラインにそれぞれ設けられた第2再加熱用流量制御弁および第3再加熱用流量制御弁と、弁制御部をさらに備え、前記弁制御部は、前記第2下流側ラインを流れる前記冷却液の温度がしきい値よりも低いときに、前記第2下流側流量制御弁の開度を下げ、かつ前記第2再加熱用流量制御弁の開度を上げ、前記第3下流側ラインを流れる前記冷却液の温度がしきい値よりも低いときに、前記第3下流側流量制御弁の開度を下げ、かつ前記第3再加熱用流量制御弁の開度を上げるように構成されている。
本発明によれば、真空ポンプおよび冷却ユニットを通過した冷却液が、加熱ユニットを流れる第2循環液を加熱するための駆動熱源として十分高温でない場合には、冷却液を除害装置に戻して再度加熱することができる。
【0015】
一態様では、前記サブファブエリア設置装置は、前記第1下流側ラインに設けられた第1下流側流量制御弁と、前記加熱ユニットを流れる前記冷却液の流量を測定するための加熱ユニット流量測定器をさらに備えており、前記弁制御部は、前記加熱ユニットを流れる前記冷却液の流量が一定となるように、前記第1下流側流量制御弁の動作を制御するようにさらに構成されている。
本発明によれば、加熱ユニットを流れる冷却液の流量が一定に保たれるので、加熱ユニットは第2循環液を安定して加熱することができる。
【0016】
一態様では、前記冷却液ラインは、前記第2下流側ラインから分岐した第2戻りライン、および前記第3下流側ラインから分岐した第3戻りラインをさらに備えており、前記第2戻りラインおよび前記第3戻りラインは前記冷却液戻りラインに接続されている。
本発明によれば、真空ポンプおよび冷却ユニットを通過した冷却液が、加熱ユニットを流れる第2循環液を加熱するための駆動熱源として十分高温でない場合には、冷却液を加熱ユニットには供給せずに冷却源に戻し、これによって加熱ユニットの加熱機能を維持することができる。
【0017】
一態様では、前記サブファブエリア設置装置は、前記第1下流側ラインに設けられた第1下流側流量制御弁と、前記第2下流側ラインと前記第2戻りラインとの分岐点の下流側の位置において前記第2下流側ラインに設けられた第2下流側流量制御弁と、前記第3下流側ラインと前記第3戻りラインとの分岐点の下流側の位置において前記第3下流側ラインに設けられた第3下流側流量制御弁と、前記第2下流側ラインおよび前記第3下流側ラインを流れる前記冷却液の温度を測定するための第2温度測定器および第3温度測定器と、前記第2戻りラインおよび前記第3戻りラインにそれぞれ設けられた第2戻り流量制御弁および第3戻り流量制御弁と、前記加熱ユニットを流れる前記冷却液の流量を測定するための加熱ユニット流量測定器と、弁制御部をさらに備え、前記弁制御部は、前記第2下流側ラインを流れる前記冷却液の温度がしきい値よりも低いときに、前記第2下流側流量制御弁の開度を下げ、かつ前記第2戻り流量制御弁の開度を上げ、前記第3下流側ラインを流れる前記冷却液の温度がしきい値よりも低いときに、前記第3下流側流量制御弁の開度を下げ、かつ前記第3戻り流量制御弁の開度を上げ、前記加熱ユニットを流れる前記冷却液の流量が一定となるように、前記第1下流側流量制御弁の動作を制御するように構成されている。
本発明によれば、真空ポンプおよび冷却ユニットの少なくとも一方を通過した冷却液が、加熱ユニットを流れる第2循環液を加熱するための駆動熱源として十分高温でない場合には、冷却液を加熱ユニットには供給せずに冷却源に戻し、これによって加熱ユニットの加熱機能を維持することができる。
【0018】
一態様では、前記第1下流側ライン、前記第2下流側ライン、および前記第3下流側ラインは、合流して前記加熱ユニットに延びる合流ラインを構成し、前記冷却液ラインは、前記合流ラインから分岐して前記冷却液戻りラインに接続されたバイパスラインをさらに含み、前記サブファブエリア設置装置は、前記第2下流側ラインと前記第2戻りラインとの分岐点の下流側の位置において前記第2下流側ラインに設けられた第2下流側流量制御弁と、前記第3下流側ラインと前記第3戻りラインとの分岐点の下流側の位置において前記第3下流側ラインに設けられた第3下流側流量制御弁と、前記第2下流側ラインおよび前記第3下流側ラインを流れる前記冷却液の温度を測定するための第2温度測定器および第3温度測定器と、前記第2戻りラインおよび前記第3戻りラインにそれぞれ設けられた第2戻り流量制御弁および第3戻り流量制御弁と、前記加熱ユニットを流れる前記冷却液の流量を測定するための加熱ユニット流量測定器と、前記合流ライン、前記冷却液戻りライン、または前記バイパスラインに設けられた加熱ユニット流量制御弁と、弁制御部をさらに備え、前記弁制御部は、前記第2下流側ラインを流れる前記冷却液の温度がしきい値よりも低いときに、前記第2下流側流量制御弁の開度を下げ、かつ前記第2戻り流量制御弁の開度を上げ、前記第3下流側ラインを流れる前記冷却液の温度がしきい値よりも低いときに、前記第3下流側流量制御弁の開度を下げ、かつ前記第3戻り流量制御弁の開度を上げ、前記加熱ユニットを流れる前記冷却液の流量が一定となるように、前記加熱ユニット流量制御弁の動作を制御するように構成されている。
本発明によれば、真空ポンプおよび冷却ユニットの少なくとも一方を通過した冷却液が、加熱ユニットを流れる第2循環液を加熱するための駆動熱源として十分高温でない場合には、冷却液を加熱ユニットには供給せずに冷却源に戻し、これによって加熱ユニットの加熱機能を維持することができる。
【0019】
一態様では、前記冷却液ラインは、前記第2戻りラインから分岐した第2戻り再加熱ライン、および前記第3戻りラインから分岐した第3戻り再加熱ラインをさらに備えており、前記第2戻り再加熱ラインおよび前記第3戻り再加熱ラインは、加圧ポンプを介して前記第1上流側ラインに接続されている。
本発明によれば、真空ポンプおよび冷却ユニットを通過した冷却液が、加熱ユニットを流れる第2循環液を加熱するための駆動熱源として十分高温でない場合には、冷却液を冷却源に戻すか、または除害装置に戻して再度加熱することができる。
【0020】
一態様では、前記サブファブエリア設置装置は、前記第2戻りラインの前記第2戻り再加熱ラインよりも上流側を流れる前記冷却液の温度を測定する第2戻りライン温度測定器と、前記第2戻りラインおよび前記第3戻りラインにそれぞれ設けられた第2戻り流量制御弁および第3戻り流量制御弁と、前記第3戻りラインの前記第3戻り再加熱ラインよりも上流側を流れる前記冷却液の温度を測定する第3戻りライン温度測定器と、前記第2戻り再加熱ラインおよび前記第3戻り再加熱ラインにそれぞれ設けられた第2戻り再加熱流量制御弁および第3戻り再加熱流量制御弁と、前記第2戻り流量制御弁、前記第3戻り流量制御弁、前記第2戻り再加熱流量制御弁、および前記第3戻り再加熱流量制御弁の動作を制御する弁制御部をさらに備えている。
本発明によれば、冷却液の温度に応じて制御弁の流量を調節することにより、チラーなどの冷却源と加熱ユニットの利用効率を高く使用することができる。
一態様では、前記弁制御部は、前記第2戻りラインを流れる前記冷却液の温度が設定値よりも低いときは、前記第2戻り流量制御弁の開度を上げ、かつ前記第2戻り再加熱流量制御弁の開度を下げ、前記第3戻りラインを流れる前記冷却液の温度が設定値よりも低いときは、前記第3戻り流量制御弁の開度を上げ、かつ前記第3戻り再加熱流量制御弁の開度を下げるように構成されている。
一態様では、前記弁制御部は、前記半導体製造装置からの指令信号に従って、前記第2戻り流量制御弁、前記第3戻り流量制御弁、前記第2戻り再加熱流量制御弁、および前記第3戻り再加熱流量制御弁の動作を制御するように構成されている。
【0021】
一態様では、前記第2戻りラインおよび前記第3戻りラインは、合流して合流戻りラインを構成し、前記合流戻りラインは、前記冷却液戻りラインに接続されており、前記冷却液ラインは、前記合流戻りラインから分岐した合流再加熱ラインをさらに備えており、前記合流再加熱ラインは、加圧ポンプを介して前記第1上流側ラインに接続されている。
本発明によれば、真空ポンプおよび冷却ユニットを通過した冷却液が、加熱ユニットを流れる第2循環液を加熱するための駆動熱源として十分高温でない場合には、冷却液を冷却源に戻すか、または除害装置に戻して再度加熱することができる。
【0022】
一態様では、前記サブファブエリア設置装置は、前記合流戻りラインを流れる前記冷却液の温度を測定する合流戻り温度測定器と、前記合流戻りラインからの前記合流再加熱ラインの分岐点の下流側の位置において前記合流戻りラインに設けられた合流戻り流量制御弁と、前記合流再加熱ラインに設けられた合流再加熱流量制御弁と、前記合流戻り流量制御弁および前記合流再加熱流量制御弁の動作を制御する弁制御部をさらに備えている。
一態様では、前記弁制御部は、前記合流戻りラインを流れる前記冷却液の温度が設定値よりも低いときは、前記合流戻り流量制御弁の開度を上げ、かつ前記合流再加熱流量制御弁の開度を下げるように構成されている。
一態様では、前記弁制御部は、前記半導体製造装置からの指令信号に従って、前記合流戻り流量制御弁および前記合流再加熱流量制御弁の動作を制御するように構成されている。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、半導体を製造する際に使用される消費電力を下げることができる。特に加熱ユニットに使用していた電力を低減できる。さらに、冷却液を供給するチラーなどの冷却源の電力を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】半導体製造装置とサブファブエリア設置装置の一実施形態を示す模式図である。
【
図2】サブファブエリア設置装置の一実施形態を示す模式図である。
【
図3】サブファブエリア設置装置の他の実施形態を示す模式図である。
【
図4】サブファブエリア設置装置のさらに他の実施形態を示す模式図である。
【
図5】サブファブエリア設置装置のさらに他の実施形態を示す模式図である。
【
図6】サブファブエリア設置装置のさらに他の実施形態を示す模式図である。
【
図7】サブファブエリア設置装置のさらに他の実施形態を示す模式図である。
【
図8】サブファブエリア設置装置のさらに他の実施形態を示す模式図である。
【
図9】サブファブエリア設置装置のさらに他の実施形態を示す模式図である。
【
図10】サブファブエリア設置装置のさらに他の実施形態を示す模式図である。
【
図11】サブファブエリア設置装置のさらに他の実施形態を示す模式図である。
【
図12】サブファブエリア設置装置のさらに他の実施形態を示す模式図である。
【
図13】サブファブエリア設置装置のさらに他の実施形態を示す模式図である。
【
図14】サブファブエリア設置装置のさらに他の実施形態を示す模式図である。
【
図15】サブファブエリア設置装置のさらに他の実施形態を示す模式図である。
【
図16】サブファブエリア設置装置のさらに他の実施形態を示す模式図である。
【
図17】サブファブエリア設置装置のさらに他の実施形態を示す模式図である。
【
図18】サブファブエリア設置装置のさらに他の実施形態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、半導体製造装置とサブファブエリア設置装置の一実施形態を示す模式図である。
図1に示す実施形態の半導体製造装置1は、複数の処理チャンバ2を備えたエッチング装置である。サブファブエリア設置装置5は、複数の処理チャンバ2に連結されており、第1循環液と第2循環液は、複数の処理チャンバ2とサブファブエリア設置装置5との間で循環する。
【0026】
サブファブエリア設置装置5は、処理チャンバ2から処理ガス(例えばエッチングガス)を排気するための真空ポンプ6と、処理チャンバ2で使用された第1循環液を冷却するための冷却ユニット7と、処理チャンバ2で使用された第2循環液を加熱するための加熱ユニット8と、真空ポンプ6から排出された処理ガスを除害するための除害装置10と、冷却源15から供給される冷却液が流れる冷却液ライン12とを備えている。冷却液ライン12は、
図1では模式的に描かれている。
図1に示す実施形態では、複数の処理チャンバ2に連結された複数の真空ポンプ6、複数の冷却ユニット7、および複数の加熱ユニット8が設けられているのに対して、除害装置10は1台のみである。除害装置10は複数設けられてもよい。
【0027】
処理チャンバ2の数、真空ポンプ6の数、冷却ユニット7の数、および加熱ユニット8の数は、
図1に示す実施形態に限定されない。以下に説明する実施形態では、説明の簡略化のために、サブファブエリア設置装置5は、1つの処理チャンバ2に連結された1つの真空ポンプ6、1つの冷却ユニット7、および1つの加熱ユニット8を備えているが、サブファブエリア設置装置5の構成、特に真空ポンプ6の数、冷却ユニット7の数、および加熱ユニット8の数は、以下に説明する実施形態に限定されない。
【0028】
図2は、サブファブエリア設置装置5の一実施形態を示す模式図である。
図2に示すように、サブファブエリア設置装置5は、処理チャンバ2から処理ガスを排気するための真空ポンプ6と、処理チャンバ2で使用された第1循環液を冷却するための冷却ユニット7と、処理チャンバ2で使用された第2循環液を加熱するための加熱ユニット8と、真空ポンプ6から排出された処理ガスを除害するための除害装置10と、冷却源15から供給される冷却液が流れる冷却液ライン12とを備えている。真空ポンプ6、冷却ユニット7、および加熱ユニット8は、処理チャンバ2に連結されている。
【0029】
真空ポンプ6の吸気口は処理チャンバ2に連結され、真空ポンプ6の排気口は除害装置10に連結されている。真空ポンプ6のタイプは、特に限定されないが、使用される真空ポンプ6の例としては、容積式ドライ真空ポンプが挙げられる。除害装置10の例としては、湿式除害装置、触媒式除害装置、燃焼式除害装置、ヒータ式除害装置、プラズマ式除害装置などが挙げられる。
【0030】
冷却液は、半導体製造装置1が設置されている工場に設けられたチラーなどの冷却源15から冷却液ライン12を通じて除害装置10、真空ポンプ6、および冷却ユニット7に供給される。冷却液ライン12は、冷却液を除害装置10、真空ポンプ6、および冷却ユニット7にそれぞれ供給する第1上流側ライン21、第2上流側ライン22、および第3上流側ライン23と、除害装置10、真空ポンプ6、および冷却ユニット7を通過した冷却液を加熱ユニット8に供給する第1下流側ライン26、第2下流側ライン27、および第3下流側ライン28と、加熱ユニット8を通過した冷却液を冷却源15に戻す冷却液戻りライン30を有している。
【0031】
第1上流側ライン21は、冷却源15から除害装置10まで延びており、第1下流側ライン26は、除害装置10から加熱ユニット8まで延びている。冷却液は、冷却源15から第1上流側ライン21を通って除害装置10に供給され、除害装置10を冷却する。除害装置10を通過した冷却液は、第1下流側ライン26を通って加熱ユニット8に流れる。
【0032】
第2上流側ライン22は、冷却源15から真空ポンプ6まで延びており、第2下流側ライン27は真空ポンプ6から加熱ユニット8まで延びている。冷却液は、冷却源15から第2上流側ライン22を通って真空ポンプ6に供給され、真空ポンプ6を冷却する。真空ポンプ6を通過した冷却液は、第2下流側ライン27を通って加熱ユニット8に流れる。
【0033】
第3上流側ライン23は、冷却源15から冷却ユニット7まで延びており、第3下流側ライン28は冷却ユニット7から加熱ユニット8まで延びている。冷却液は、冷却源15から第3上流側ライン23を通って冷却ユニット7に供給され、冷却ユニット7を冷却する。冷却ユニット7を通過した冷却液は、第3下流側ライン28を通って加熱ユニット8に流れる。
【0034】
第1上流側ライン21、第2上流側ライン22、および第3上流側ライン23は、上述した機能を発揮できる限りにおいて、その構成は特に限定されない。例えば、第1上流側ライン21、第2上流側ライン22、および第3上流側ライン23は、1本のラインから3本のラインに分岐した構造であってもよいし、あるいは独立した3本のラインであってもよい。同様に、第1下流側ライン26、第2下流側ライン27、および第3下流側ライン28は、上述した機能を発揮できる限りにおいて、その構成は特に限定されない。例えば、第1下流側ライン26、第2下流側ライン27、および第3下流側ライン28は、3本のラインが合流して1本のラインを形成する構成であってもよいし、あるいは独立した3本のラインであってもよい。
【0035】
冷却ユニット7は、冷媒が循環する第1ヒートポンプ31を含む。第1ヒートポンプ31は、冷凍機(例えば、蒸気圧縮冷凍機)である。具体的には、第1ヒートポンプ31は、冷媒液を蒸発させて冷媒ガスを生成する第1蒸発器31Aと、冷媒ガスを圧縮する第1圧縮機31Bと、圧縮された冷媒ガスを凝縮させて冷媒液を生成する第1凝縮器31Cと、第1蒸発器31Aと第1凝縮器31Cとの間に配置された第1膨張弁31Dを備えている。冷媒は、第1冷媒配管31Eを通って第1蒸発器31A、第1圧縮機31B、第1凝縮器31C、第1膨張弁31Dを循環する。処理チャンバ2は、第1蒸発器31Aに連結されており、第1循環液は処理チャンバ2と第1蒸発器31Aとの間で循環する。
【0036】
第3上流側ライン23および第3下流側ライン28は、第1凝縮器31Cに連結されている。冷却源15から供給された冷却液は、第3上流側ライン23を通って第1凝縮器31C内に導かれ、第1凝縮器31C内で冷媒ガスと熱交換を行う。冷却液と冷媒ガスとの熱交換の結果、冷却液は加熱され、その一方で冷媒ガスは冷却され、冷媒液となる。冷媒液は第1膨張弁31Dを通って第1蒸発器31Aに導かれる。第1循環液は、第1蒸発器31Aに導かれ、第1蒸発器31A内で冷媒液と熱交換を行う。第1循環液と冷媒液との熱交換の結果、第1循環液は冷却され、その一方で冷媒液は加熱され、冷媒ガスとなる。冷媒ガスは、第1圧縮機31Bに吸い込まれ、第1圧縮機31Bによって圧縮される。圧縮された冷媒ガスは第1凝縮器31Cに導かれる。このように、第1循環液は、冷媒を介して冷却液によって冷却される。
【0037】
加熱ユニット8は、冷媒が循環する第2ヒートポンプ32を含む。第2ヒートポンプ32は、冷凍機(例えば、蒸気圧縮冷凍機)である。具体的には、第2ヒートポンプ32は、冷媒液を蒸発させて冷媒ガスを生成する第2蒸発器32Aと、冷媒ガスを圧縮する第2圧縮機32Bと、圧縮された冷媒ガスを凝縮させて冷媒液を生成する第2凝縮器32Cと、第2蒸発器32Aと第2凝縮器32Cとの間に配置された第2膨張弁32Dを備えている。冷媒は、第2冷媒配管32Eを通って第2蒸発器32A、第2圧縮機32B、第2凝縮器32C、第2膨張弁32Dを循環する。処理チャンバ2は、第2凝縮器32Cに連結されており、第2循環液は処理チャンバ2と第2凝縮器32Cとの間で循環する。
【0038】
第1下流側ライン26、第2下流側ライン27、第3下流側ライン28、および冷却液戻りライン30は、第2蒸発器32Aに連結されている。除害装置10、真空ポンプ6、および冷却ユニット7を通過することで温度が上昇した冷却液は、第1下流側ライン26、第2下流側ライン27、および第3下流側ライン28を通って第2蒸発器32A内に導かれ、第2蒸発器32A内で冷媒液と熱交換を行う。冷却液と冷媒液との熱交換の結果、冷却液は冷却され、その一方で冷媒液は加熱され、冷媒ガスとなる。冷媒ガスは、第2圧縮機32Bに吸い込まれ、第2圧縮機32Bによって圧縮される。圧縮された冷媒ガスは第2凝縮器32Cに導かれる。第2蒸発器32Aを通過した冷却液は、冷却液戻りライン30を通って冷却源15に戻される。第2循環液は、第2凝縮器32Cに導かれ、第2凝縮器32C内で冷媒ガスと熱交換を行う。第2循環液と冷媒ガスとの熱交換の結果、第2循環液は加熱され、その一方で冷媒ガスは冷却され、冷媒液となる。冷媒液は第2膨張弁32Dを通って第2蒸発器32Aに導かれる。このように、第2循環液は、冷媒を介して冷却液によって加熱される。
【0039】
本実施形態によれば、除害装置10、真空ポンプ6、および冷却ユニット7を通過するときに加熱された冷却液を、加熱ユニット8にて熱源として使用することができる。したがって、電気式ヒータなどの電気的設備を不要、または電気的設備の容量を削減することができる。さらに、加熱ユニット8を通過するときに冷却された冷却液は、冷却源15に戻されるので、冷却源15(例えば、半導体製造装置1の工場に設置されたチラー)が冷却液を再度冷却するのに必要な電力を低減することができる。結果として、半導体を製造する際に使用される消費電力を低減させることができる。
【0040】
図3は、サブファブエリア設置装置5の他の実施形態を示す模式図である。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、
図1および
図2を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
図3に示すように、第1下流側ライン26、第2下流側ライン27、および第3下流側ライン28は、合流して加熱ユニット8に延びる合流ライン35を構成している。より具体的には、第1下流側ライン26の下流側部分、第2下流側ライン27の下流側部分、および第3下流側ライン28の下流側部分は、1つの合流ライン35を構成する。合流ライン35は加熱ユニット8の第2蒸発器32Aに接続されている。冷却液ライン12は、合流ライン35から分岐して冷却液戻りライン30に接続されたバイパスライン36をさらに含む。
【0041】
本実施形態のサブファブエリア設置装置5は、第1上流側ライン21、第2上流側ライン22、および第3上流側ライン23にそれぞれ設けられた第1流量制御弁37、第2流量制御弁38、および第3流量制御弁39と、第1下流側ライン26、第2下流側ライン27、および第3下流側ライン28を流れる冷却液の温度を測定するための第1温度測定器41、第2温度測定器42、および第3温度測定器43と、合流ライン35に設けられた加熱ユニット流量制御弁46と、加熱ユニット8内を流れる冷却液の流量を測定するために合流ライン35に設置された加熱ユニット流量測定器47と、第1下流側ライン26、第2下流側ライン27、および第3下流側ライン28を流れる冷却液の温度が一定となるように、第1流量制御弁37、第2流量制御弁38、および第3流量制御弁39の動作を制御し、さらに加熱ユニット8を流れる冷却液の流量が一定となるように、加熱ユニット流量制御弁46の動作を制御する弁制御部50をさらに備えている。
【0042】
第1流量制御弁37、第2流量制御弁38、第3流量制御弁39、第1温度測定器41、第2温度測定器42、第3温度測定器43、加熱ユニット流量制御弁46、および加熱ユニット流量測定器47は、弁制御部50に電気的に接続されている。弁制御部50は、第1温度測定器41、第2温度測定器42、および第3温度測定器43によって測定された冷却液の温度に基づいて、第1下流側ライン26、第2下流側ライン27、および第3下流側ライン28を流れる冷却液の温度が一定となるように、第1流量制御弁37、第2流量制御弁38、および第3流量制御弁39の動作を制御する。さらに、弁制御部50は、加熱ユニット流量測定器47によって測定された冷却液の流量に基づいて、加熱ユニット8を流れる冷却液の流量が一定となるように、加熱ユニット流量制御弁46の動作を制御する。加熱ユニット流量制御弁46は、合流ライン35に代えて、冷却液戻りライン30またバイパスライン36に設けられてもよい。また、加熱ユニット流量測定器47は、合流ライン35に代えて、冷却液戻りライン30に設けられてもよい。
【0043】
図3を参照して説明した実施形態によれば、加熱ユニット8を流れる冷却液の温度および流量が一定に保たれるので、加熱ユニット8は第2循環液を安定して加熱することができる。
【0044】
図4は、サブファブエリア設置装置5の他の実施形態を示す模式図である。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、
図3を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。本実施形態では、第1流量制御弁37、第2流量制御弁38、および第3流量制御弁39は、第1下流側ライン26、第2下流側ライン27、および第3下流側ライン28にそれぞれ設けられている。加熱ユニット流量制御弁46は、合流ライン35に代えて、冷却液戻りライン30またバイパスライン36に設けられてもよい。さらに、加熱ユニット流量測定器47は、合流ライン35に代えて、冷却液戻りライン30に設けられてもよい。
図3に示す実施形態と同様に、
図4を参照して説明した実施形態によれば、加熱ユニット8を流れる冷却液の温度および流量が一定に保たれるので、加熱ユニット8は第2循環液を安定して加熱することができる。
【0045】
図5は、サブファブエリア設置装置5の他の実施形態を示す模式図である。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、
図1および
図2を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
図5に示すように、サブファブエリア設置装置5は、冷却液戻りライン30を流れる冷却液の温度を測定するための戻り温度測定器51と、冷却液戻りライン30を流れる冷却液の温度が設定値以上に維持されるように加熱ユニット8の第2ヒートポンプ32の動作を制御するヒートポンプ制御部52をさらに備えている。
【0046】
ヒートポンプ制御部52は、戻り温度測定器51に電気的に接続されている。ヒートポンプ制御部52は、戻り温度測定器51によって測定された冷却液の温度が設定値以上に維持されるように、加熱ユニット8の第2ヒートポンプ32の動作、特に第2圧縮機32Bの動作を制御する。本実施形態によれば、冷却源15に戻される冷却液の温度が低下しすぎることを防止することができる。
【0047】
図6は、サブファブエリア設置装置5の他の実施形態を示す模式図である。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、
図1および
図2を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
図6に示すように、サブファブエリア設置装置5は、第1下流側ライン26、第2下流側ライン27、および第3下流側ライン28に接続されたバッファタンク55をさらに備えている。
【0048】
本実施形態では、第1下流側ライン26、第2下流側ライン27、および第3下流側ライン28は、合流して加熱ユニット8に延びる合流ライン35を構成している。バッファタンク55は合流ライン35に取り付けられている。一実施形態では、第1下流側ライン26、第2下流側ライン27、および第3下流側ライン28は、別々にバッファタンク55に接続され、合流ライン35はバッファタンク55から加熱ユニット8まで延びてもよい。バッファタンク55から流出する冷却液の圧力が低い場合は、
図6に示すように、バッファタンク55と加熱ユニット8との間に加圧ポンプ56を設けてもよい。
図6に示す実施形態では、加圧ポンプ56は、バッファタンク55から加熱ユニット8に延びる合流ライン35に設けられている。
【0049】
本実施形態によれば、除害装置10、真空ポンプ6、および冷却ユニット7を通過するときに加熱された冷却液は、加熱ユニット8に供給される前に、一旦バッファタンク55内に貯留される。バッファタンク55は、加熱された冷却液の温度の変動を低減させ、かつ加熱ユニット8に供給される冷却液の流量を安定させることができる。
【0050】
図7は、サブファブエリア設置装置5の他の実施形態を示す模式図である。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、
図6を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
図7に示すように、冷却液ライン12は、合流ライン35から分岐した再加熱ライン59をさらに備えており、再加熱ライン59は、合流ライン35から第1上流側ライン21まで延びている。再加熱ライン59の合流ライン35からの分岐点P1は、バッファタンク55と加熱ユニット8との間に位置している。
【0051】
本実施形態によれば、バッファタンク55内の冷却液が、加熱ユニット8を流れる第2循環液を加熱するための駆動熱源として十分高温でない場合には、冷却液を除害装置10に戻して再度加熱することができる。
【0052】
図8は、サブファブエリア設置装置5の他の実施形態を示す模式図である。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、
図7を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
図8に示すように、冷却液ライン12は、合流ライン35から分岐して冷却液戻りライン30に接続されたバイパスライン36をさらに含む。
【0053】
本実施形態のサブファブエリア設置装置5は、バッファタンク55内の冷却液の温度を測定するタンク内温度測定器61と、再加熱ライン59に取り付けられた再加熱用流量制御弁62と、合流ライン35に設けられた加熱ユニット流量制御弁46と、バッファタンク55内の冷却液の温度が設定値以下となった場合に、再加熱ライン59を流れる冷却液の流量が所定の値になるように再加熱用流量制御弁62および加熱ユニット流量制御弁46の動作を制御する弁制御部50をさらに備えている。
【0054】
タンク内温度測定器61、再加熱用流量制御弁62、および加熱ユニット流量制御弁46は、弁制御部50に電気的に接続されている。弁制御部50は、タンク内温度測定器61によって測定されたバッファタンク55内の冷却液の温度が設定値以下となった場合に、再加熱ライン59を流れる冷却液の流量が所定の値になるように再加熱用流量制御弁62および加熱ユニット流量制御弁46の動作を制御する。加熱ユニット流量制御弁46は、合流ライン35に代えて、バイパスライン36または冷却液戻りライン30に設けられてもよい。
【0055】
本実施形態によれば、バッファタンク55内の冷却液が、加熱ユニット8を流れる第2循環液を加熱するための駆動熱源として十分高温でない場合には、冷却液を除害装置10に戻して再度加熱することができる。
【0056】
図9は、サブファブエリア設置装置5の他の実施形態を示す模式図である。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、
図1および
図2を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
図9に示すように、冷却液ライン12は、第2下流側ライン27から分岐した第2再加熱ライン65、および第3下流側ライン28から分岐した第3再加熱ライン66をさらに備えている。第2再加熱ライン65および第3再加熱ライン66は、第1上流側ライン21に2つの加圧ポンプ67,67を介して接続されている。
【0057】
第2再加熱ライン65および第3再加熱ライン66は、第2下流側ライン27および第3下流側ライン28から第1上流側ライン21まで延びている限りにおいて、その構成は特に限定されない。例えば、第2再加熱ライン65および第3再加熱ライン66は、独立した2本のラインでもよいし、または2本のラインが合流して1本のラインを構成してもよい。
図9に示す例では、第2再加熱ライン65および第3再加熱ライン66は、独立した2本のラインであり、2つの加圧ポンプ67,67は、第2再加熱ライン65および第3再加熱ライン66にそれぞれ接続されている。一実施形態では、第2再加熱ライン65および第3再加熱ライン66は、合流して1本の合流再加熱ラインを構成し、1台の加圧ポンプ67が合流再加熱ラインに接続されてもよい。
【0058】
図9を参照して説明した実施形態によれば、真空ポンプ6および冷却ユニット7を通過した冷却液が、加熱ユニット8を流れる第2循環液を加熱するための駆動熱源として十分高温でない場合には、冷却液を除害装置10に戻して再度加熱することができる。
【0059】
図10は、サブファブエリア設置装置5の他の実施形態を示す模式図である。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、
図9を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
図10に示すように、本実施形態のサブファブエリア設置装置5は、第2下流側ライン27と第2再加熱ライン65との分岐点P2の下流側の位置において第2下流側ライン27に設けられた第2下流側流量制御弁70と、第3下流側ライン28と第3再加熱ライン66との分岐点P3の下流側の位置において第3下流側ライン28に設けられた第3下流側流量制御弁71と、第2下流側ライン27および第3下流側ライン28を流れる冷却液の温度を測定するための第2温度測定器42および第3温度測定器43と、第2再加熱ライン65および第3再加熱ライン66にそれぞれ設けられた第2再加熱用流量制御弁72および第3再加熱用流量制御弁73と、第2再加熱用流量制御弁72および第3再加熱用流量制御弁73の動作を制御する弁制御部50をさらに備えている。
【0060】
弁制御部50は、第2温度測定器42、第3温度測定器43、第2下流側流量制御弁70、第3下流側流量制御弁71、第2再加熱用流量制御弁72、および第3再加熱用流量制御弁73に電気的に接続されている。弁制御部50は、第2温度測定器42によって測定された、第2下流側ライン27を流れる冷却液の温度がしきい値よりも低いときに、第2下流側流量制御弁70の開度を下げ、かつ第2再加熱用流量制御弁72の開度を上げるように構成される。さらに、弁制御部50は、第3温度測定器43によって測定された、第3下流側ライン28を流れる冷却液の温度がしきい値よりも低いときに、第3下流側流量制御弁71の開度を下げ、かつ第3再加熱用流量制御弁73の開度を上げるように構成されている。
【0061】
第2下流側流量制御弁70の開度を下げることは、第2下流側流量制御弁70を完全に閉じる(開度0%にする)ことを含み、第3下流側流量制御弁71の開度を下げることは、第3下流側流量制御弁71を完全に閉じる(開度0%にする)ことを含む。同様に、第2再加熱用流量制御弁72の開度を上げることは、第2再加熱用流量制御弁72を全開する(開度100%にする)ことを含み、第3再加熱用流量制御弁73の開度を上げることは、第3再加熱用流量制御弁73を全開する(開度100%にする)ことを含む。除害装置10に流入する冷却液の流量が限度を超えない範囲で、弁制御部50は第2再加熱用流量制御弁72および第3再加熱用流量制御弁73の動作を制御する。
【0062】
本実施形態によれば、真空ポンプ6および冷却ユニット7を通過した冷却液が、加熱ユニット8を流れる第2循環液を加熱するための駆動熱源として十分高温でない場合には、冷却液を除害装置10に戻して再度加熱することができる。
【0063】
図11は、サブファブエリア設置装置5の他の実施形態を示す模式図である。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、
図10を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。本実施形態のサブファブエリア設置装置5は、第1下流側ライン26に設けられた第1下流側流量制御弁75と、加熱ユニット8を流れる冷却液の流量を測定するための加熱ユニット流量測定器47をさらに備えている。
【0064】
加熱ユニット流量測定器47は加熱ユニット8の上流側または下流側にあってもよい。
図11の実施形態では、第1下流側ライン26、第2下流側ライン27、および第3下流側ライン28は、合流して加熱ユニット8に延びる合流ライン35を構成しており、加熱ユニット流量測定器47は合流ライン35に設けられている。一実施形態では、加熱ユニット流量測定器47は、合流ライン35に代えて、冷却液戻りライン30に設けられてもよい。
【0065】
弁制御部50は、第1下流側流量制御弁75および加熱ユニット流量測定器47に電気的にさらに接続されている。弁制御部50は、加熱ユニット流量測定器47によって測定された、加熱ユニット8を流れる冷却液の流量が一定となるように、第1下流側流量制御弁75の動作を制御するようにさらに構成されている。本実施形態によれば、加熱ユニット8を流れる冷却液の流量が一定に保たれるので、加熱ユニット8は第2循環液を安定して加熱することができる。
【0066】
図12は、サブファブエリア設置装置5の他の実施形態を示す模式図である。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、
図1および
図2を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
図12に示すように、冷却液ライン12は、第2下流側ライン27から分岐した第2戻りライン77、および第3下流側ライン28から分岐した第3戻りライン78をさらに備えている。第2戻りライン77および第3戻りライン78は冷却液戻りライン30に接続されている。第2戻りライン77および第3戻りライン78の構成は、第2下流側ライン27および第3下流側ライン28から冷却液戻りライン30まで延びている限りにおいて、特に限定されない。例えば、第2戻りライン77および第3戻りライン78は、独立した2本のラインでもよいし、または2本のラインが合流して、冷却液戻りライン30に接続された1本の合流戻りラインを構成してもよい。
【0067】
本実施形態によれば、真空ポンプ6および冷却ユニット7を通過した冷却液が、加熱ユニット8を流れる第2循環液を加熱するための駆動熱源として十分高温でない場合には、冷却液を加熱ユニット8には供給せずに冷却源15に戻し、これによって加熱ユニット8の加熱機能を維持することができる。
【0068】
図13は、サブファブエリア設置装置5の他の実施形態を示す模式図である。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、
図12を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。本実施形態のサブファブエリア設置装置5は、第1下流側ライン26に設けられた第1下流側流量制御弁75と、第2下流側ライン27と第2戻りライン77との分岐点P4の下流側の位置において第2下流側ライン27に設けられた第2下流側流量制御弁70と、第3下流側ライン28と第3戻りライン78との分岐点P5の下流側の下流側の位置において第3下流側ライン28に設けられた第3下流側流量制御弁71と、第2下流側ライン27および第3下流側ライン28を流れる冷却液の温度を測定するための第2温度測定器42および第3温度測定器43と、第2戻りライン77および第3戻りライン78にそれぞれ設けられた第2戻り流量制御弁81および第3戻り流量制御弁82と、加熱ユニット8を流れる冷却液の流量を測定するための加熱ユニット流量測定器47と、第1下流側流量制御弁75、第2下流側流量制御弁70、第3下流側流量制御弁71、第2戻り流量制御弁81、および第3戻り流量制御弁82の動作を制御する弁制御部50をさらに備えている。
【0069】
加熱ユニット流量測定器47は加熱ユニット8の上流側または下流側にあってもよい。
図13の実施形態では、第1下流側ライン26、第2下流側ライン27、および第3下流側ライン28は、合流して加熱ユニット8に延びる合流ライン35を構成しており、加熱ユニット流量測定器47は合流ライン35に設けられている。一実施形態では、加熱ユニット流量測定器47は、合流ライン35に代えて、冷却液戻りライン30に設けられてもよい。
【0070】
第2温度測定器42、第3温度測定器43、加熱ユニット流量測定器47、第1下流側流量制御弁75、第2下流側流量制御弁70、第3下流側流量制御弁71、第2戻り流量制御弁81、および第3戻り流量制御弁82は、弁制御部50に電気的に接続されている。弁制御部50は、第2温度測定器42によって測定された、第2下流側ライン27を流れる冷却液の温度がしきい値よりも低いときに、第2下流側流量制御弁70の開度を下げ、かつ第2戻り流量制御弁81の開度を上げるように構成されている。また、弁制御部50は、第3温度測定器43によって測定された、第3下流側ライン28を流れる冷却液の温度がしきい値よりも低いときに、第3下流側流量制御弁71の開度を下げ、かつ第3戻り流量制御弁82の開度を上げるように構成されている。さらに、弁制御部50は、加熱ユニット流量測定器47によって測定された、加熱ユニット8を流れる冷却液の流量が一定となるように、第1下流側流量制御弁75の動作を制御するように構成されている。
【0071】
第2下流側流量制御弁70の開度を下げることは、第2下流側流量制御弁70を完全に閉じる(開度0%にする)ことを含み、第3下流側流量制御弁71の開度を下げることは、第3下流側流量制御弁71を完全に閉じる(開度0%にする)ことを含む。同様に、第2戻り流量制御弁81の開度を上げることは、第2戻り流量制御弁81を全開する(開度100%にする)ことを含み、第3戻り流量制御弁82の開度を上げることは、第3戻り流量制御弁82を全開する(開度100%にする)ことを含む。
【0072】
本実施形態によれば、真空ポンプ6および冷却ユニット7の少なくとも一方を通過した冷却液が、加熱ユニット8を流れる第2循環液を加熱するための駆動熱源として十分高温でない場合には、冷却液を加熱ユニット8には供給せずに冷却源15に戻し、これによって加熱ユニット8の加熱機能を維持することができる。
【0073】
図14は、サブファブエリア設置装置5の他の実施形態を示す模式図である。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、
図12を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。第1下流側ライン26、第2下流側ライン27、および第3下流側ライン28は、合流して加熱ユニット8に延びる合流ライン35を構成している。冷却液ライン12は、合流ライン35から分岐して冷却液戻りライン30に接続されたバイパスライン36をさらに含む。
【0074】
サブファブエリア設置装置5は、第2下流側ライン27と第2戻りライン77との分岐点P4の下流側の位置において第2下流側ライン27に設けられた第2下流側流量制御弁70と、第3下流側ライン28と第3戻りライン78との分岐点P5の下流側の位置において第3下流側ライン28に設けられた第3下流側流量制御弁71と、第2下流側ライン27および第3下流側ライン28を流れる冷却液の温度を測定するための第2温度測定器42および第3温度測定器43と、第2戻りライン77および第3戻りライン78にそれぞれ設けられた第2戻り流量制御弁81および第3戻り流量制御弁82と、加熱ユニット8を流れる冷却液の流量を測定するための加熱ユニット流量測定器47と、合流ライン35に設けられた加熱ユニット流量制御弁46と、第2下流側流量制御弁70、第3下流側流量制御弁71、第2戻り流量制御弁81、第3戻り流量制御弁82、および加熱ユニット流量制御弁46の動作を制御する弁制御部50をさらに備えている。
【0075】
加熱ユニット流量測定器47は加熱ユニット8の上流側または下流側にあってもよい。
図14の実施形態では、加熱ユニット流量測定器47は、合流ライン35に設けられているが、一実施形態では、加熱ユニット流量測定器47は、合流ライン35に代えて、冷却液戻りライン30に設けられてもよい。加熱ユニット流量制御弁46は、合流ライン35に代えて、冷却液戻りライン30またはバイパスライン36に設けられてもよい。
【0076】
第2温度測定器42、第3温度測定器43、加熱ユニット流量測定器47、第2下流側流量制御弁70、第3下流側流量制御弁71、第2戻り流量制御弁81、第3戻り流量制御弁82、および加熱ユニット流量制御弁46は、弁制御部50に電気的に接続されている。弁制御部50は、第2温度測定器42によって測定された、第2下流側ライン27を流れる冷却液の温度がしきい値よりも低いときに、第2下流側流量制御弁70の開度を下げ、かつ第2戻り流量制御弁81の開度を上げるように構成されている。また、弁制御部50は、第3温度測定器43によって測定された、第3下流側ライン28を流れる冷却液の温度がしきい値よりも低いときに、第3下流側流量制御弁71の開度を下げ、かつ第3戻り流量制御弁82の開度を上げように構成されている。さらに、弁制御部50は、加熱ユニット流量測定器47によって測定された、加熱ユニット8を流れる冷却液の流量が一定となるように、加熱ユニット流量制御弁46の動作を制御するように構成されている。
【0077】
第2下流側流量制御弁70の開度を下げることは、第2下流側流量制御弁70を完全に閉じる(開度0%にする)ことを含み、第3下流側流量制御弁71の開度を下げることは、第3下流側流量制御弁71を完全に閉じる(開度0%にする)ことを含む。同様に、第2戻り流量制御弁81の開度を上げることは、第2戻り流量制御弁81を全開する(開度100%にする)ことを含み、第3戻り流量制御弁82の開度を上げることは、第3戻り流量制御弁82を全開する(開度100%にする)ことを含む。
【0078】
本実施形態によれば、真空ポンプ6および冷却ユニット7の少なくとも一方を通過した冷却液が、加熱ユニット8を流れる第2循環液を加熱するための駆動熱源として十分高温でない場合には、冷却液を加熱ユニット8には供給せずに冷却源15に戻し、これによって加熱ユニット8の加熱機能を維持することができる。
【0079】
図15は、サブファブエリア設置装置5の他の実施形態を示す模式図である。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、
図12を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。冷却液ライン12は、第2戻りライン77から分岐した第2戻り再加熱ライン84、および第3戻りライン78から分岐した第3戻り再加熱ライン85をさらに備えている。第2戻り再加熱ライン84および第3戻り再加熱ライン85は、2つの加圧ポンプ86,86を介して第1上流側ライン21に接続されている。
【0080】
第2戻り再加熱ライン84および第3戻り再加熱ライン85は、第2戻りライン77および第3戻りライン78から第1上流側ライン21まで延びている限りにおいて、その構成は特に限定されない。例えば、第2戻り再加熱ライン84および第3戻り再加熱ライン85は、独立した2本のラインでもよいし、または2本のラインが合流して1本のラインを構成してもよい。
図15に示す例では、第2戻り再加熱ライン84および第3戻り再加熱ライン85は、独立した2本のラインであり、2つの加圧ポンプ86,86は、第2戻り再加熱ライン84および第3戻り再加熱ライン85にそれぞれ接続されている。一実施形態では、第2戻り再加熱ライン84および第3戻り再加熱ライン85は、合流して1本の合流戻り再加熱ラインを構成し、1台の加圧ポンプ86が合流戻り再加熱ラインに接続されてもよい。
【0081】
本実施形態によれば、真空ポンプ6および冷却ユニット7を通過した冷却液が、加熱ユニット8を流れる第2循環液を加熱するための駆動熱源として十分高温でない場合には、冷却液を冷却源15に戻すか、または除害装置10に戻して再度加熱することができる。
【0082】
図16は、サブファブエリア設置装置5の他の実施形態を示す模式図である。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、
図15を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。本実施形態のサブファブエリア設置装置5は、第2戻りライン77の第2戻り再加熱ライン84よりも上流側を流れる冷却液の温度を測定する第2戻りライン温度測定器88と、第2戻りライン77および第3戻りライン78にそれぞれ設けられた第2戻り流量制御弁81および第3戻り流量制御弁82と、第3戻りライン78の第3戻り再加熱ライン85よりも上流側を流れる冷却液の温度を測定する第3戻りライン温度測定器89と、第2戻り再加熱ライン84および第3戻り再加熱ライン85にそれぞれ設けられた第2戻り再加熱流量制御弁91および第3戻り再加熱流量制御弁92と、第2戻り流量制御弁81、第3戻り流量制御弁82、第2戻り再加熱流量制御弁91、および第3戻り再加熱流量制御弁92の動作を制御する弁制御部50をさらに備えている。
【0083】
第2戻りライン温度測定器88、第3戻りライン温度測定器89、第2戻り流量制御弁81、第3戻り流量制御弁82、第2戻り再加熱流量制御弁91、および第3戻り再加熱流量制御弁92は、弁制御部50に電気的に接続されている。弁制御部50は、第2戻りライン温度測定器88によって測定された、第2戻りライン77を流れる冷却液の温度が設定値よりも低いときは、第2戻り流量制御弁81の開度を上げ、かつ第2戻り再加熱流量制御弁91の開度を下げ、第3戻りライン温度測定器89によって測定された、第3戻りライン78を流れる冷却液の温度が設定値よりも低いときは、第3戻り流量制御弁82の開度を上げ、かつ第3戻り再加熱流量制御弁92の開度を下げるように構成されている。
【0084】
第2戻り再加熱流量制御弁91の開度を下げることは、第2戻り再加熱流量制御弁91を完全に閉じる(開度0%にする)ことを含み、第3戻り再加熱流量制御弁92の開度を下げることは、第3戻り再加熱流量制御弁92を完全に閉じる(開度0%にする)ことを含む。同様に、第2戻り流量制御弁81の開度を上げることは、第2戻り流量制御弁81を全開する(開度100%にする)ことを含み、第3戻り流量制御弁82の開度を上げることは、第3戻り流量制御弁82を全開する(開度100%にする)ことを含む。
【0085】
本実施形態によれば、冷却液の温度に応じて制御弁の流量を調節することにより、チラーなどの冷却源15と加熱ユニット8の利用効率を高く使用することができる。
【0086】
一実施形態では、弁制御部50は、半導体製造装置1からの指令信号に従って、第2戻り流量制御弁81、第3戻り流量制御弁82、第2戻り再加熱流量制御弁91、および第3戻り再加熱流量制御弁92の動作を制御するように構成されてもよい。この場合でも、冷却液の温度に応じて制御弁の流量を調節することにより、チラーなどの冷却源15と加熱ユニット8の利用効率を高く使用することができる。
【0087】
図17は、サブファブエリア設置装置5の他の実施形態を示す模式図である。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、
図12を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。第2戻りライン77および第3戻りライン78は、合流して合流戻りライン95を構成している。合流戻りライン95は、冷却液戻りライン30に接続されている。冷却液ライン12は、合流戻りライン95から分岐した合流再加熱ライン96をさらに備えており、合流再加熱ライン96は、加圧ポンプ97を介して第1上流側ライン21に接続されている。
【0088】
本実施形態によれば、真空ポンプ6および冷却ユニット7を通過した冷却液が、加熱ユニット8を流れる第2循環液を加熱するための駆動熱源として十分高温でない場合には、冷却液を冷却源15に戻すか、または除害装置10に戻して再度加熱することができる。
【0089】
図18は、サブファブエリア設置装置5の他の実施形態を示す模式図である。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、
図17を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。サブファブエリア設置装置5は、合流戻りライン95を流れる冷却液の温度を測定する合流戻り温度測定器100と、合流戻りライン95と合流再加熱ライン96との分岐点P6の下流側の位置において合流戻りライン95に設けられた合流戻り流量制御弁101と、合流再加熱ライン96に設けられた合流再加熱流量制御弁102と、合流戻り流量制御弁101および合流再加熱流量制御弁102の動作を制御する弁制御部50をさらに備えている。
【0090】
合流戻り温度測定器100、合流戻り流量制御弁101、および合流再加熱流量制御弁102は、弁制御部50に電気的に接続されている。弁制御部50は、合流戻り温度測定器100によって測定された、合流戻りライン95を流れる冷却液の温度が設定値よりも低いときは、合流戻り流量制御弁101の開度を上げ、かつ合流再加熱流量制御弁102の開度を下げるように構成されている。合流戻り流量制御弁101の開度を上げることは、合流戻り流量制御弁101を全開する(開度100%にする)ことを含む。同様に、合流再加熱流量制御弁102の開度を下げることは、合流再加熱流量制御弁102を完全に閉じる(開度0%にする)ことを含む。
【0091】
本実施形態によれば、冷却液の温度に応じて制御弁の流量を調節することにより、チラーなどの冷却源15と加熱ユニット8の利用効率を高く使用することができる。さらに戻りラインを合流させることで温度測定器、流量制御弁を1つにすることができる。
【0092】
一実施形態では、弁制御部50は、半導体製造装置1からの指令信号に従って、合流戻り流量制御弁101および合流再加熱流量制御弁102の動作を制御するように構成されてもよい。この場合でも、冷却液の温度に応じて制御弁の流量を調節することにより、チラーなどの冷却源15と加熱ユニット8の利用効率を高く使用することができる。
【0093】
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
【符号の説明】
【0094】
1 半導体製造装置
2 処理チャンバ
5 サブファブエリア設置装置
6 真空ポンプ
7 冷却ユニット
8 加熱ユニット
10 除害装置
12 冷却液ライン
15 冷却源
21 第1上流側ライン
22 第2上流側ライン
23 第3上流側ライン
26 第1下流側ライン
27 第2下流側ライン
28 第3下流側ライン
30 冷却液戻りライン
31 第1ヒートポンプ
31A 第1蒸発器
31B 第1圧縮機
31C 第1凝縮器
31D 第1膨張弁
31E 第1冷媒配管
32 第2ヒートポンプ
32A 第2蒸発器
32B 第2圧縮機
32C 第2凝縮器
32D 第2膨張弁
32E 第2冷媒配管
35 合流ライン
36 バイパスライン
37 第1流量制御弁
38 第2流量制御弁
39 第3流量制御弁
41 第1温度測定器
42 第2温度測定器
43 第3温度測定器
46 加熱ユニット流量制御弁
47 加熱ユニット流量測定器
50 弁制御部
51 戻り温度測定器
52 ヒートポンプ制御部
55 バッファタンク
56 加圧ポンプ
59 再加熱ライン
61 タンク内温度測定器
62 再加熱用流量制御弁
65 第2再加熱ライン
66 第3再加熱ライン
67 加圧ポンプ
70 第2下流側流量制御弁
71 第3下流側流量制御弁
72 第2再加熱用流量制御弁
73 第3再加熱用流量制御弁
75 第1下流側流量制御弁
77 第2戻りライン
78 第3戻りライン
81 第2戻り流量制御弁
82 第3戻り流量制御弁
84 第2戻り再加熱ライン
85 第3戻り再加熱ライン
86 加圧ポンプ
88 第2戻りライン温度測定器
89 第3戻りライン温度測定器
91 第2戻り再加熱流量制御弁
92 第3戻り再加熱流量制御弁
95 合流戻りライン
96 合流再加熱ライン
97 加圧ポンプ
100 合流戻り温度測定器
101 合流戻り流量制御弁
102 合流再加熱流量制御弁