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特許7522330レシピ提示方法、レシピ提示システム、レシピ提示装置、レシピ提示プログラム、及びそのプログラムを記録した記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】レシピ提示方法、レシピ提示システム、レシピ提示装置、レシピ提示プログラム、及びそのプログラムを記録した記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/60 20180101AFI20240717BHJP
【FI】
G16H20/60
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2024052358
(22)【出願日】2024-03-27
【審査請求日】2024-05-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004477
【氏名又は名称】キッコーマン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】大嶋(浅木) 麻里子
(72)【発明者】
【氏名】竹内 崇裕
【審査官】鹿野 博嗣
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-59844(JP,A)
【文献】特開2016-010387(JP,A)
【文献】特開2020-024510(JP,A)
【文献】特開2003-259808(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2023/0210443(US,A1)
【文献】特開2022-116361(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
子供の食事を管理しているユーザの要求に応じて、前記子供に摂食させる料理のレシピを提示するレシピ提示方法であって、
対応関係認識部が、アレルギー反応を生じさせ得るアレルゲンを1種類のみ含む複数の供試食品のうち摂食させた結果前記子供に前記アレルギー反応を生じさせなかった供試食品である摂食可能食品と、該摂食可能食品に含まれる前記アレルゲンであるテストアレルゲンの種類及び量との対応関係を認識するステップと、
摂食可能食品量認識部が、前記子供に摂食させた前記摂食可能食品の量である摂食可能食品量を認識するステップと、
摂取可能テストアレルゲン量認識部が、前記対応関係及び前記摂食可能食品量に基づいて、前記子供に摂取させても前記アレルギー反応を生じさせる可能性の低い前記テストアレルゲンの量である摂取可能テストアレルゲン量を認識するステップと、
レシピ認識部が、前記摂取可能テストアレルゲン量に基づいて、含まれる前記テストアレルゲンの量が前記摂取可能テストアレルゲン量以下の料理のレシピを認識するステップと、
レシピ提示部が、前記レシピを前記ユーザに提示するステップとを備えていることを特徴とするレシピ提示方法。
【請求項2】
請求項1に記載のレシピ提示方法において、
前記レシピは、調理済みの前記供試食品を用いたレシピであることを特徴とするレシピ提示方法。
【請求項3】
請求項1に記載のレシピ提示方法において、
摂取可能交差アレルゲン量認識部が、前記テストアレルゲンに基づいて、該テストアレルゲンに関する交差反応を生じさせる可能性の高いアレルゲンである交差アレルゲンについて、前記子供に摂取させても前記アレルギー反応を生じさせる可能性の低い量である摂取可能交差アレルゲン量を認識するステップを備え、
前記レシピ認識部は、前記摂取可能テストアレルゲン量及び前記摂取可能交差アレルゲン量に基づいて、含まれる前記テストアレルゲンの量が前記摂取可能テストアレルゲン量以下であり、且つ、含まれる前記交差アレルゲンの量が前記摂取可能交差アレルゲン量以下の料理のレシピを認識することを特徴とするレシピ提示方法。
【請求項4】
請求項1に記載のレシピ提示方法において、
前記複数の供試食品の各々に含まれる前記テストアレルゲンの量は、一定であり、
摂食可能食品量認識部は、前記供試食品を摂取した個数に基づいて、前記摂食可能食品量を推定して認識することを特徴とするレシピ提示方法。
【請求項5】
請求項1に記載のレシピ提示方法において、
前記複数の供試食品の各々に含まれる前記テストアレルゲンの量は、一定であり、
提供食品認識部が、前記ユーザの入力に応じて、前記複数の供試食品から提供する供試食品である提供食品を認識するステップと、
提供手配部が、前記提供食品の提供を手配するステップとを備え、
前記摂食可能食品量認識部は、前記提供食品の提供を手配した量に基づいて、前記摂食可能食品量を推定して認識することを特徴とするレシピ提示方法。
【請求項6】
子供の食事を管理しているユーザの要求に応じて、前記子供に摂食させる料理のレシピを提示するレシピ提示システムであって、
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のレシピ提示方法を実行するように構成されていることを特徴とするレシピ提示システム。
【請求項7】
子供の食事を管理しているユーザの要求に応じて、前記子供に摂食させる料理のレシピを提示するレシピ提示装置であって、
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のレシピ提示方法を実行するように構成されていることを特徴とするレシピ提示装置。
【請求項8】
子供の食事を管理しているユーザの要求に応じて、前記子供に摂食させる料理のレシピを提示するレシピ提示方法をコンピュータに実行させるレシピ提示プログラムであって、
前記コンピュータに、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のレシピ提示方法を実行させることを特徴とするレシピ提示プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のレシピ提示プログラムを記録し、前記レシピ提示プログラムを前記コンピュータが読み取り可能であることを特徴とする記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、子供の食事を管理しているユーザの要求に応じて、子供に摂食させる料理のレシピを提示するレシピ提示方法、レシピ提示システム、レシピ提示装置、レシピ提示プログラム、及びそのプログラムを記録した記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、何らかのアレルギーのある子供は増加傾向にあるといわれている。そのアレルギー反応を生じさせるアレルゲンとしては、特定の化学物質、ハウスダスト、花粉の他、特定の食品が挙げられる。そのため、子供の食事を管理している者(例えば、その子供の親等)は、その子供にどのような食品を摂取させた場合にアレルギー反応を生じさせてしまうのかについて、非常に強い関心を持っている場合が多い。
【0003】
そのような状況から、子供の摂食する食品を管理するためのシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このシステムでは、携帯端末等を介して、アレルゲンの適切な摂取量(ひいては、食品の摂食量)を報知して、アレルギー反応の抑制を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-024510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載のシステムは、子供が摂取した食品又は料理に含まれるアレルゲンの量を累積し、その累積量が子供にアレルギー反応を生じさせてしまう量を超えるおそれがある場合に、ユーザ等に報知を行うものである。
【0006】
そのため、ユーザが子供に摂食させる料理を作る場合には、その材料となる食品の種類及びその量について、一つ一つ入力し確認するという煩雑な作業を行わなければ、その料理を摂食した子供にアレルギー反応を生じさせてしまうことを抑制することができなかった。特に、複数のアレルゲンを含む食品を用いて料理を作る場合には、その煩雑さは飛躍的に大きくなる。ひいては、子供のために作る料理のバリエーションを増やすことが難しいという問題もあった。
【0007】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、ユーザが、煩雑な作業を行わずとも、子供に摂食させた場合にアレルギー反応を生じさせにくい多数の料理のレシピを知ることができるレシピ提示方法、レシピ提示システム、レシピ提示装置、レシピ提示プログラム、及びそのプログラムを記録した記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のレシピ提示方法は、
子供の食事を管理しているユーザの要求に応じて、前記子供に摂食させる料理のレシピを提示するレシピ提示方法であって、
対応関係認識部が、アレルギー反応を生じさせ得るアレルゲンを1種類のみ含む複数の供試食品のうち摂食させた結果前記子供に前記アレルギー反応を生じさせなかった供試食品である摂食可能食品と、該摂食可能食品に含まれる前記アレルゲンであるテストアレルゲンの種類及び量との対応関係を認識するステップと、
摂食可能食品量認識部が、前記子供に摂食させた前記摂食可能食品の量である摂食可能食品量を認識するステップと、
摂取可能テストアレルゲン量認識部が、前記対応関係及び前記摂食可能食品量に基づいて、前記子供に摂取させても前記アレルギー反応を生じさせる可能性の低い前記テストアレルゲンの量である摂取可能テストアレルゲン量を認識するステップと、
レシピ認識部が、前記摂取可能テストアレルゲン量に基づいて、含まれる前記テストアレルゲンの量が前記摂取可能テストアレルゲン量以下の料理のレシピを認識するステップと、
レシピ提示部が、前記レシピを前記ユーザに提示するステップとを備えていることを特徴とする。
【0009】
このように、本発明のレシピ提示方法は、子供に摂取させてもアレルギー反応を生じさせる可能性の低いアレルゲンの量を認識し、その量以下のアレルゲンを含む料理のレシピを認識して提示する。そのため、そのレシピを用いることにより、ユーザは、料理に用いる一つ一つの食品に含まれるアレルゲンの量を確認するという煩雑な作業を行わなくとも、摂食した子供にアレルギー反応を生じさせてしまう可能性の低い料理を作ることができる。
【0010】
ここで、この方法では、そのレシピの認識のもととなるアレルゲンの量を、アレルギー反応を生じさせ得る量のアレルゲンを1種類のみ含む供試食品を摂食した量に基づいて認識している。すなわち、この方法では、複数のアレルゲンを含み得る食品ではなく、一つ一つのアレルゲンごとに、摂取可能な量を認識している。そのため、食品に基づいてレシピを認識した場合に比べ、多種多様なレシピを認識し得る可能性が高くなっている。
【0011】
したがって、本発明のレシピ提示方法によれば、ユーザは、料理に用いる一つ一つの食品に含まれるアレルゲンの量を確認するという煩雑な作業を行わなくとも、子供に摂取させた場合にアレルギー反応を生じさせにくい多数の料理のレシピを知ることができる。
【0012】
また、本発明のレシピ提示方法においては、
前記レシピは、調理済みの前記供試食品を用いたレシピであることが好ましい。
【0013】
同じアレルゲンを含む食材であっても、その食材の調理の仕方(例えば、加熱の度合い等)によっては、アレルギーを生じさせる可能性が変化してしまう場合がある。そこで、このように提供するレシピに用いる食材として、アレルギー反応を生じさせ得る量のアレルゲンを1種類のみ含む調理済みの供試食品を用いるようにすると、調理によるアレルゲンの変化の影響を抑制することができる。
【0014】
また、本発明のレシピ提示方法においては、
摂取可能交差アレルゲン量認識部が、前記テストアレルゲンに基づいて、該テストアレルゲンに関する交差反応を生じさせる可能性の高いアレルゲンである交差アレルゲンについて、前記子供に摂取させても前記アレルギー反応を生じさせる可能性の低い量である摂取可能交差アレルゲン量を認識するステップを備え、
前記レシピ認識部は、前記摂取可能テストアレルゲン量及び前記摂取可能交差アレルゲン量に基づいて、含まれる前記テストアレルゲンの量が前記摂取可能テストアレルゲン量以下であり、且つ、含まれる前記交差アレルゲンの量が前記摂取可能交差アレルゲン量以下の料理のレシピを認識することが好ましい。
【0015】
特定のアレルゲンによってアレルギー反応が生じてしまう者は、その特定のアレルゲンに対応する他のアレルゲンによっても、交差反応によって、アレルギー反応が生じてしまうことがある。そして、もともと多数あるアレルゲンだけでなく、その交差反応を生じさせる可能性の高いアレルゲンまで把握して料理を作ることは、一般的な知識しか有していないユーザには、困難である。
【0016】
そこで、このように、レシピを提示する際に、アレルギー反応を生じさせる可能性の高いアレルゲンだけでなく、そのアレルゲンに関する交差反応を生じさせる可能性の高い他のアレルゲンにも基づいてレシピを認識するように構成するとよい。このように構成すると、ユーザは、料理に用いる一つ一つの食品に含まれるアレルゲンの量を確認するという作業だけでなく、交差反応を生じさせる可能性の高いアレルゲンを考慮するという作業も省略して、子供に摂取させた場合にアレルギー反応を生じさせにくい多数の料理のレシピを知ることができる。
【0017】
また、本発明のレシピ提示方法においては、
前記複数の供試食品の各々に含まれる前記テストアレルゲンの量は、一定であり、
摂食可能食品量認識部は、前記供試食品を摂取した個数に基づいて、前記摂食可能食品量を推定して認識することが好ましい。
【0018】
このように、複数の供試食品の各々に含まれるアレルゲンの量を一定にしておけば、その供試食品の個数に基づいて、摂食可能食品量、ひいては、摂取可能なアレルゲンの量を、容易に推定して認識することができる。これにより、データ上の処理を容易に行うことができるようになる。
【0019】
また、本発明のレシピ提示方法においては、
前記複数の供試食品の各々に含まれる前記テストアレルゲンの量は、一定であり、
提供食品認識部が、前記ユーザの入力に応じて、前記複数の供試食品から提供する供試食品である提供食品を認識するステップと、
提供手配部が、前記提供食品の提供を手配するステップとを備え、
前記摂食可能食品量認識部は、前記提供食品の提供を手配した量に基づいて、前記摂食可能食品量を推定して認識することが好ましい。
【0020】
このように、複数の供試食品の各々に含まれるアレルゲンの量を一定にしておくとともに、提供を手配した量(例えば、販売数等)をカウントしておけば、それらに基づいて、摂食可能食品量、ひいては、摂取可能なアレルゲンの量を、容易に推定して認識することができる。これにより、データ上の処理を容易に行うことができるようになる。
【0021】
また、本発明のレシピ提示システムは、
子供の食事を管理しているユーザの要求に応じて、前記子供に摂食させる料理のレシピを提示するレシピ提示システムであって、
上記いずれかのレシピ提示方法を実行するように構成されていることを特徴とする。
【0022】
また、本発明のレシピ提示装置は、
子供の食事を管理しているユーザの要求に応じて、前記子供に摂食させる料理のレシピを提示するレシピ提示装置であって、
上記いずれかのレシピ提示方法を実行するように構成されていることを特徴とする。
【0023】
また、本発明のレシピ提示プログラムは、
子供の食事を管理しているユーザの要求に応じて、前記子供に摂食させる料理のレシピを提示するレシピ提示方法をコンピュータに実行させるレシピ提示プログラムであって、
前記コンピュータに、上記いずれかのレシピ提示方法を実行させることを特徴とする。
【0024】
また、本発明の記録媒体は、
上記のレシピ提示プログラムを記録し、前記レシピ提示プログラムを前記コンピュータが読み取り可能であることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】実施形態に係る提示システムの概略構成を示す説明図。
図2図1の提示システムの処理部の構成を示すブロック図。
図3図1の提示システムが、ユーザに提供可能な供試食品を提示する際に、ユーザ端末に表示される画面の一例を示すイメージ図。
図4図1の提示システムが、ユーザにレシピを提示する際に、ユーザ端末に表示される画面の一例を示すイメージ図。
図5図1の提示システムが、初回にレシピを提示する際に実行する処理を示すフローチャート。
図6図1の提示システムが、2回目以降にレシピを提示する際に実行する処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して、実施形態に係るレシピ提示システム(以下、「提示システムS」という。)、及びそれを用いて実行されるレシピ提示方法について説明する。
【0027】
本実施形態の提示システムSは、子供の食事を管理しているユーザU(例えば、その子供の親等)からの要求に応じて、その子供に摂食させる料理のレシピを提示するものである。
【0028】
[システムの概略構成]
以下、図1及び図2を参照して、提示システムSの概略構成について説明する。
【0029】
図1に示すように、提示システムSは、子供の食事を管理しているユーザUの要求に応じて、ユーザUに対し、その子供に摂食させる料理のレシピを提示するためのコンピュータシステムである。その提示システムSは、提示システムSによるサービスの提供者が保有しているサーバ1によって構成されている。
【0030】
サーバ1は、インターネット網、公衆回線等を通じて、ユーザUの保有するスマートフォン、タブレット等のユーザ端末2と、相互に情報通信可能に構成されている。
【0031】
なお、本発明のレシピ提示システムは、1つのサーバによって構成されるものに限定されるものではなく、レシピ提示システムを構成しているいずれかの端末が後述する処理部を備えているように構成されていればよい。
【0032】
そのため、例えば、複数のサーバによってレシピ提示システム全体を構成してもよい。また、ユーザ端末に処理部の少なくとも1つ又はその処理部の機能の少なくとも一部を実装して、ユーザ端末とサーバとで協働して又はユーザ端末のみで、システムを構成してもよい。
【0033】
さらに、本実施形態の提示システムSではユーザ端末2に設けられている後述の入力部2a及び出力部2bに相当する機能をサーバ1に設けられている処理部を有している端末に設け、独立したレシピ提示装置として構成してもよい。
【0034】
また、図2に示すように、提示システムSであるサーバ1と通信可能なユーザ端末2は、実装されたハードウェア構成及びプログラムの少なくとも一方により実現される機能(処理部)として、入力部2aと、出力部2bとを備えている。
【0035】
本実施形態においては、ユーザ端末2の入力部2a及び出力部2bがタッチパネルであるとして説明を行う。ただし、ユーザ端末は、そのような構成に限定されるものではなく、ユーザからの情報の入力を受け付けることができ、且つ、ユーザへ情報を提示するための出力を行うことができるものであればよい。そのため、例えば、ユーザ端末は、タッチパネルの他、キーボード、マイク、カメラ、スピーカー等を用いて、入力及び出力を可能に構成されていてもよい。
【0036】
また、本実施形態においては、サーバ1及びユーザ端末2は、現実空間の物品で構成されたものとして説明を行っている。しかし、本発明のレシピ提示システムを構成する機器、又はレシピ提示システムと情報の入力又は出力を行う機器は、現実空間の物品に限定されるものではなく、仮想空間の物品であってもよいし、現実空間の物品と仮想空間の物品とを組み合わせて構成されたものであってもよい。
【0037】
そのため、例えば、本実施形態におけるユーザ端末2の入力部2a及び出力部2bを仮想のものとして、そのユーザ端末2を、仮想空間又は仮想空間と現実空間とを複合させた空間において、ユーザUが操作可能に構成してもよい。
【0038】
[各処理部の構成]
次に、図2図4を参照して、提示システムSを構成する処理部について説明する。
【0039】
図2に示すように、サーバ1は、実装されたハードウェア構成及びプログラムの少なくとも一方により実現される機能(処理部)として、供試食品提示部1aと、提供食品認識部1bと、提供手配部1cと、対応関係認識部1dと、供試食品情報格納部1eと、食品量認識部1f(摂食可能食品量認識部)と、テストアレルゲン量認識部1g(摂取可能テストアレルゲン量認識部)と、交差アレルゲン量認識部1h(摂取可能交差アレルゲン量認識部)と、交差反応情報格納部1iと、レシピ認識部1jと、レシピ情報格納部1kと、レシピ提示部1lと、ユーザ情報格納部1mとを備えている。
【0040】
供試食品提示部1aは、提示システムSを介してユーザUに提供可能な供試食品を、ユーザ端末2を介して、ユーザUに選択可能な形式で提示する。
【0041】
提示システムSでは、図3に示すように、供試食品提示部1aは、ユーザ端末2に、供試食品の名称及び画像、供試食品の材料(すなわち、供試食品に含まれるアレルゲンの種類)、並びに供試食品をユーザUが発注するための発注ボタン等とともに提示する。
【0042】
図3はある1つの供試食品を示す画面のイメージ画像の一例であり、提示システムSは、ユーザ端末2に、まず、複数の供試食品を選択可能に複数提示し、いずれかの供試食品がユーザUに選択されると、選択された供試食品に関する図3のような画面を表示させる。
【0043】
ここで、「供試食品」とは、アレルギー反応を生じさせ得るアレルゲンを1種類のみ含む食品である。本実施形態における供試食品は、一旦ペースト状に加工した食材をフリーズドライ等によってキューブ状に固めたものであり、そのまま食べることも水又は湯等に溶かしてペースト状にして食べることもでき、また、料理の材料として用いることも可能なものである。また、この「供試食品」1つあたりに含まれるアレルゲンの量は、一定の値となっている。
【0044】
なお、本発明の供試食品の製品形態は、上記のフリーズドライした製品形態に限定されるものではなく、アレルギー反応を生じさせ得るアレルゲンを1種類のみ含む食材として調製されたものであればよい。そのため、例えば、供試食品の製品形態は、個体に限らず、粉体、液体又はペースト等であってもよい。また、例えば、供試食品は、そのまま食べることができずに、料理の材料としてのみ用いることができるものであってもよい。また、その製法も、製品形態に応じて適した方法を適宜採用してよい。
【0045】
また、本発明におけるアレルゲンの量は、アレルゲンの含有量を直接測定した量に限らず、アレルゲンを含む食材の量であってもよい。そのため、例えば、アレルゲンの量は、供試食品に含まれるアレルゲンの含有量を直接測定した量であってもよく、公知情報から得られた食材に含まれるアレルゲンの濃度に基づいて、計算によって求めた量であってもよく、あるいはその供試食品に含まれるアレルゲンを含有する食材(例えば卵、牛乳、蕎麦粉、ナッツ類などの食材)そのものの量であってもよい。すなわち、アレルゲンの含有量に相関する量を、本発明のアレルゲンの量として扱うことができる。
【0046】
提供食品認識部1bは、ユーザUの入力に応じて、複数の供試食品からユーザUに提供する供試食品である提供食品を認識する。
【0047】
提示システムSでは、提供食品認識部1bは、ユーザ端末2に表示された発注ボタンをユーザUがタッチした際に、その発注ボタンが表示された画面に対応する供試食品を提供食品として認識する。なお、提供食品の認識は、他の方法によって行われてもよい。例えば、ユーザUがユーザ端末2に文章、音声等によって直接入力した供試食品を、提供食品として認識してもよい。
【0048】
提供手配部1cは、別途ユーザUの入力等から得た条件(宛先、配送日、個数等)に基づいて、提供食品をユーザUに提供するための手配に関する処理を実行する。
【0049】
対応関係認識部1dは、複数の供試食品のうち摂食させた結果子供にアレルギー反応を生じさせなかった供試食品である摂食可能食品の種類及び量と、その摂食可能食品に含まれるアレルゲンであるテストアレルゲンの種類及び量との対応関係を認識する。
【0050】
提示システムSでは、まず、対応関係認識部1dは、ユーザUが提供を手配して提供食品となった供試食品を、摂食させた結果子供にアレルギー反応を生じさせなかった供試食品である摂食可能食品であると推定する。
【0051】
その後、対応関係認識部1dは、推定された摂食可能食品に基づいて、その摂食可能食品に対応するテストアレルゲンの種類及び量に関する情報を、供試食品情報格納部1eに格納されている情報から検索及び取得して認識する。このとき、その情報は、提示システムSの外部のシステムから認識してもよい。
【0052】
なお、本発明の対応関係認識部は、このような構成に限定されるものではなく、前述の対応関係を認識できるものであればよい。そのため、例えば、対応関係認識部は、提供食品ではなく、ユーザがユーザ端末に文章、音声等によって直接入力した供試食品を、摂食可能食品として認識してもよい。また、今回の処理よりも前にユーザが選択した供試食品、又は他のシステムでユーザが選択した供試食品を、摂食可能食品として認識してもよい。
【0053】
供試食品情報格納部1eは、複数の供試食品の各々に対応するテストアレルゲン(すなわち、、供試食品1つあたりに含まれるアレルゲン)の種類及び量に関する情報を格納している。
【0054】
食品量認識部1f(摂食可能食品量認識部)は、子供に摂食させた摂食可能食品の量である摂食可能食品量を認識する。
【0055】
提示システムSでは、食品量認識部1fは、ユーザUの入力に基づいてシステム側で手配した提供食品の量(すなわち、個数)に基づいて、摂食可能食品量を推定して認識する。
【0056】
なお、本発明の摂食可能食品量認識部は、このような構成に限定されるものではなく、摂食可能食品量を認識できるものであればよい。そのため、例えば、摂食可能食品量認識部は、提供食品の個数ではなく、グラム数等の直接的な量から、摂食可能食品量を認識してもよいし、ユーザがユーザ端末に文章、音声等によって直接入力した摂食可能食品量をそのまま認識してもよい。
【0057】
テストアレルゲン量認識部1g(摂取可能テストアレルゲン量認識部)は、認識された対応関係及び摂食可能食品量に基づいて、子供に摂取させてもアレルギー反応を生じさせる可能性の低いテストアレルゲンの量である摂取可能テストアレルゲン量を認識する。
【0058】
提示システムSでは、テストアレルゲン量認識部1gは、提供食品の個数(より具体的には、食事1回あたりに摂食させることを推奨している個数)と、その提供食品に対応する供試食品1つあたりに含まれるテストアレルゲンの量を積算して、摂取可能テストアレルゲン量を認識する。
【0059】
なお、本発明の摂取可能テストアレルゲン量認識部は、このような構成に限定されるものではなく、対応関係及び摂食可能食品量に基づいて摂取可能テストアレルゲン量を認識するものであればよい。
【0060】
そのため、摂取可能テストアレルゲン量の認識方法は、前述の方法以外の方法であってもよい。例えば、対応関係及び摂食可能食品量に加えて、子供の身体情報(性別、年齢、身長、体重等)、体調、食事に対する嗜好、子供の親族のアレルギーに関する情報等を参照して、摂取可能テストアレルゲン量を認識するようにしてもよい。
【0061】
交差アレルゲン量認識部1h(摂取可能交差アレルゲン量認識部)は、摂取可能テストアレルゲンに基づいて、そのテストアレルゲンに関する交差反応を生じさせる可能性の高いアレルゲンである交差アレルゲンについて、子供に摂取させてもアレルギー反応を生じさせる可能性の低い量である摂取可能交差アレルゲン量を認識する。
【0062】
提示システムSでは、交差アレルゲン量認識部1hは、摂取可能テストアレルゲンに基づいて、交差反応情報格納部1iに格納されている情報から、その摂取可能テストアレルゲンに対応する交差アレルゲンに関する情報を検索及び取得して、摂取可能交差アレルゲン量を認識する。このとき、その情報は、提示システムSの外部のシステムから認識してもよい。
【0063】
交差反応情報格納部1iは、複数の供試食品の各々に含まれているテストアレルゲンに対応する交差アレルゲンに関する情報(例えば、種類、量、及びテストアレルゲンに対して交差反応を生じさせる可能性の度合い等)を格納している。
【0064】
このように、提示システムSでは、複数の供試食品の各々に含まれるアレルゲンの量を一定にするとともに、提供食品となった供試食品の個数に応じて、摂食可能食品量、ひいては、摂取可能なテストアレルゲン及び交差アレルゲンの量を把握している。
【0065】
これは、ユーザUが摂食可能食品を適切に把握していない場合もあり、また、システム側で供試食品を実際に摂食したかどうかを確認することは難しいので、供試食品を摂食した量から摂食可能食品量、ひいては、摂取可能なアレルゲンの量を把握することも難しい場合もあるためである。
【0066】
そこで、提示システムSでは、複数の供試食品の各々に含まれるアレルゲンの量を一定にしておくとともに、提供を手配した量(例えば、販売数等)をカウントしておくことによって、それらに基づいて、摂食可能食品量、ひいては、摂取可能なアレルゲンの量を、容易に推定して認識することができるようになっている。これにより、データ上の処理を容易に行うことができるようにもなっている。
【0067】
レシピ認識部1jは、摂取可能テストアレルゲン量及び摂取可能交差アレルゲン量に基づいて、含まれるテストアレルゲンの量が摂取可能テストアレルゲン量以下であり、且つ、含まれる交差アレルゲンの量が摂取可能交差アレルゲン量以下の料理のレシピを認識する。
【0068】
提示システムSでは、初回の処理においては、レシピ認識部1jは、摂取可能テストアレルゲン量及び摂取可能交差アレルゲン量に基づいて、レシピ情報格納部1kに格納されているレシピから、含まれるアレルゲンの量が摂取可能な量以下のレシピの情報を検索及び取得して認識する。このとき、その情報は、提示システムSの外部のシステムから認識してもよい。
【0069】
ここで、提示システムSでは、レシピ認識部1jによって認識されるレシピは、調理済みの供試食品を用いたレシピとなっている。
【0070】
これは、同じアレルゲンを含む食材であっても、その食材の調理の仕方(例えば、加熱の度合い等)によっては、アレルギーを生じさせる可能性が変化してしまう場合があるためである。そこで、このように提供するレシピに用いる食材として、アレルギー反応を生じさせ得る量のアレルゲンを1種類のみ含む調理済みの供試食品を用いるようにすると、調理によるアレルゲンの変化の影響を抑制することができる。
【0071】
また、提示システムSでは、2回目以降の処理においては、レシピ認識部1jは、ユーザUに対応するユーザ情報に基づいて、含まれるテストアレルゲンの量が摂取可能テストアレルゲン量以下であり、且つ、含まれる交差アレルゲンの量が摂取可能交差アレルゲン量以下の料理のレシピを認識することも可能になっている。
【0072】
具体的には、まず、レシピ認識部1jは、ユーザ情報格納部1mから、ユーザUに対応するユーザ情報を検索及び取得して認識する。そのユーザ情報には、ユーザUが食事の管理をしている子供についての摂取可能テストアレルゲン量及び摂取可能交差アレルゲン量に関する情報が含まれている。その後、レシピ認識部1jは、そのユーザ情報に基づいて、レシピ情報格納部1kに格納されているレシピから、含まれるアレルゲンの量が摂取可能な量以下のレシピの情報を検索及び取得して認識する。
【0073】
なお、本発明のレシピ認識部は、このような構成に限定されるものではなく、含まれるテストアレルゲンの量が摂取可能テストアレルゲン量以下のレシピを認識するものであればよい。
【0074】
そのため、例えば、レシピ認識部は、レシピ情報そのものを直接的に認識するものであってもよいし、レシピに関する情報(例えば、食材ごとに適した調理方法、調味料等)を取得し、その情報を大規模言語モデル等を用いて組み合わせて、間接的に認識するものであってもよい。また、例えば、摂取可能交差アレルゲン量を用いずに、摂取可能テストアレルゲン量のみを用いてレシピを認識してもよい。また、例えば、レシピ認識部は、2回目以降もユーザ情報を用いずにレシピを認識してもよい。
【0075】
レシピ情報格納部1kは、供試食品を用いた料理のレシピに関する情報を、その料理に含まれるテストアレルゲンの種類及び量、並びに交差アレルゲンの種類及び量ごとに分類して格納している。
【0076】
レシピ提示部1lは、認識したレシピを、ユーザ端末2を介して、ユーザUに提示する。
【0077】
提示システムSでは、レシピ提示部1lは、初回の処理においては、図3に示した供試食品を選択するための画面において、発注ボタンをユーザUが選択した際に、図4に示すような、その供試食品に対応するレシピを記載した画面を、ユーザ端末2に表示させる。また、レシピ提示部1lは、2回目以降の処理においては、ユーザUがレシピを参照したいという意図を示す信号をユーザ端末2から取得した場合に、図4に示すような画面を、ユーザ端末2に表示させる。
【0078】
なお、本発明のレシピ提示部は、このような構成に限定されるものではなく、認識したレシピをユーザに提示するものであればよい。そのため、例えば、レシピ提示部は、複数のレシピを同時又は所定の順序で複数提示してもよいし、画像だけではなく、音声、画像及び動画のいずれか又はこれらの組み合わせによって、レシピをユーザに提示してもよい。また、レシピを提示するタイミングも、ユーザの要望等に応じて、適宜変更してよい。
【0079】
ユーザ情報格納部1mは、ユーザUごとに、そのユーザが食事を管理している子供についての摂取可能テストアレルゲン量、摂取可能交差アレルゲン量に関する情報を格納する。
【0080】
なお、本発明のレシピ提示システムは、このような構成に限定されるものではない。そのため、例えば、レシピ提示システムは、他のシステムに設けられたユーザ情報格納部を利用してもよい。また、例えば、レシピ提示システムは、後述する2回目以降にレシピを提示する処理を実行しない場合には、ユーザ情報格納部を省略してもよい。
【0081】
[各処理部で実行される処理]
次に、図2図6を参照して、提示システムSが、実行する処理について説明する。
【0082】
[初回にレシピを提示する際に実行する処理]
まず、図2図5を参照して、提示システムSが、ユーザUに初回にレシピを提示する際に実行する処理(すなわち、レシピ提示方法)について説明する。
【0083】
この処理においては、まず、供試食品提示部1aが、提示システムSからユーザUに提供可能な供試食品を、ユーザ端末2を介して、ユーザUに選択可能な形式で提示する(図5/STEP10)。
【0084】
具体的には、図3に示すように、供試食品提示部1aは、ユーザ端末2に、供試食品の名称及び画像、供試食品の材料(すなわち、供試食品に含まれるアレルゲンの種類)、並びに供試食品をユーザUが発注するための発注ボタン等とともに提示する。
【0085】
次に、提供食品認識部1bが、ユーザUの入力に応じて、複数の供試食品からユーザUに提供する供試食品である提供食品を認識する(図5/STEP11)。
【0086】
具体的には、提供食品認識部1bは、ユーザ端末2に表示された発注ボタンをユーザUがタッチした際に、その発注ボタンが表示された画面に対応する供試食品を提供食品として認識する。
【0087】
次に、提供手配部1cが、別途ユーザUの入力等から得た条件(宛先、配送日、個数等)に基づいて、提供食品をユーザUに提供するための手配に関する処理を実行する(図5/STEP12)。
【0088】
次に、対応関係認識部1dが、複数の供試食品のうち摂食させた結果子供にアレルギー反応を生じさせなかった供試食品である摂食可能食品と、その摂食可能食品に含まれるアレルゲンであるテストアレルゲンの種類及び量との対応関係を認識する(図5/STEP13)。
【0089】
具体的には、まず、対応関係認識部1dは、ユーザUが提供を手配して提供食品となった供試食品を、摂食させた結果子供にアレルギー反応を生じさせなかった供試食品である摂食可能食品であると推定して認識する。その後、対応関係認識部1dは、推定された摂食可能食品に基づいて、その摂食可能食品に対応するテストアレルゲンの種類及び量に関する情報を、供試食品情報格納部1eに格納されている情報から検索及び取得して認識する。
【0090】
次に、食品量認識部1fが、提供食品の量に基づいて、子供に摂食させた摂食可能食品の量である摂食可能食品量を認識する(図5/STEP14)。
【0091】
具体的には、食品量認識部1fは、ユーザUの入力に基づいてシステム側で手配した提供食品の量(すなわち、個数)に基づいて、摂食可能食品量を推定して認識する。
【0092】
次に、テストアレルゲン量認識部1gが、認識された対応関係及び摂食可能食品量に基づいて、子供に摂取させてもアレルギー反応を生じさせる可能性の低いテストアレルゲンの量である摂取可能テストアレルゲン量を認識する(図5/STEP15)。
【0093】
具体的には、テストアレルゲン量認識部1gは、提供食品の個数(より具体的には、食事1回あたりに摂食させることを推奨している個数)と、その提供食品に対応する供試食品1つあたりに含まれるテストアレルゲンの量を積算して、テストアレルゲン量を認識する。
【0094】
次に、交差アレルゲン量認識部1hが、摂取可能テストアレルゲンに基づいて、そのテストアレルゲンに関する交差反応を生じさせる可能性の高いアレルゲンである交差アレルゲンについて、子供に摂取させてもアレルギー反応を生じさせる可能性の低い量である摂取可能交差アレルゲン量を認識する(図5/STEP16)。
【0095】
具体的には、交差アレルゲン量認識部1hは、摂取可能テストアレルゲンに基づいて、交差反応情報格納部1iに格納されている情報から、その摂取可能テストアレルゲンに対応する交差アレルゲンに関する情報を検索及び取得して、摂取可能交差アレルゲン量を認識する。
【0096】
次に、レシピ認識部1jが、摂取可能テストアレルゲン量及び摂取可能交差アレルゲン量に基づいて、含まれるテストアレルゲンの量が摂取可能テストアレルゲン量以下であり、且つ、含まれる交差アレルゲンの量が摂取可能交差アレルゲン量以下の料理のレシピを認識する(図5/STEP17)。
【0097】
具体的には、レシピ認識部1jは、摂取可能テストアレルゲン量及び摂取可能交差アレルゲン量に基づいて、レシピ情報格納部1kに格納されているレシピから、含まれるアレルゲンの量が摂取可能な量以下のレシピの情報を検索及び取得して認識する。
【0098】
次に、レシピ提示部1lが、認識したレシピを、ユーザ端末2を介して、ユーザUに提示する(図5/STEP18)。
【0099】
具体的には、レシピ提示部1lは、図4に示すような、ユーザUが発注した提供食品に対応するレシピを記載した画面を、ユーザ端末2に表示させる。
【0100】
次に、ユーザ情報格納部1mが、ユーザUごとに、そのユーザUが食事を管理している子供についての摂取可能テストアレルゲン量、摂取可能交差アレルゲン量に関する情報を格納して(図5/STEP19)、今回の処理を終了する。
【0101】
以上説明したように、提示システムSで実行されるレシピ提示方法は、子供に摂取させてもアレルギー反応を生じさせる可能性の低いアレルゲンの量を認識し、その量以下のアレルゲンを含む料理のレシピを認識して提示する。そのため、そのレシピを用いることにより、ユーザは、料理に用いる一つ一つの食品に含まれるアレルゲンの量を確認するという煩雑な作業を行わなくとも、摂食した子供にアレルギー反応を生じさせてしまう可能性の低い料理を作ることができる。
【0102】
ここで、この方法では、そのレシピの認識のもととなるアレルゲンの量を、アレルギー反応を生じさせ得る量のアレルゲンを1種類のみ含む供試食品を摂食した量に基づいて認識している。すなわち、この方法では、複数のアレルゲンを含み得る食品ではなく、一つ一つのアレルゲンごとに、摂取可能な量を認識している。そのため、食品に基づいてレシピを認識した場合に比べ、多種多様なレシピを認識し得る可能性が高くなっている。
【0103】
したがって、提示システムSで実行されるレシピ提示方法によれば、ユーザは、料理に用いる一つ一つの食品に含まれるアレルゲンの量を確認するという煩雑な作業を行わなくとも、子供に摂取させた場合にアレルギー反応を生じさせにくい多数の料理のレシピを知ることができるようになっている。
【0104】
ところで、特定のアレルゲンによってアレルギー反応が生じてしまう者は、その特定のアレルゲンに対応する他のアレルゲンによっても、交差反応によって、アレルギー反応が生じてしまうことがある。そして、もともと多数あるアレルゲンだけでなく、その交差反応を生じさせる可能性の高いアレルゲンまで把握して料理を作ることは、一般的な知識しか有していないユーザには、困難である。
【0105】
そこで、提示システムSで実行されるレシピ提示方法では、レシピを提示する際に、アレルギー反応を生じさせる可能性の高いアレルゲンだけでなく、そのアレルゲンに関する交差反応を生じさせる可能性の高い他のアレルゲンにも基づいてレシピを認識するように構成している。
【0106】
このように構成することによって、ユーザUは、料理に用いる一つ一つの食品に含まれるアレルゲンの量を確認するという作業だけでなく、交差反応を生じさせる可能性の高いアレルゲンを考慮するという作業も省略して、子供に摂取させた場合にアレルギー反応を生じさせにくい多数の料理のレシピを知ることができるようになっている。
【0107】
なお、本発明のレシピ提示方法は、このような構成に限定されるものではない。そのため、例えば、レシピ提示方法は、テストアレルゲンのみを参照して、交差アレルゲンを参照せずに、レシピを提示するものであってもよいし、交差アレルゲンのみを参照して、テストアレルゲンを参照せずに、レシピを提示するものであってもよい。
【0108】
[2回目以降にレシピを提示する際に実行する処理]
まず、図2及び図6を参照して、提示システムSが、ユーザUに2回目以降にレシピを提示する際に実行する処理について説明する。
【0109】
この処理においては、まず、提示時ステムSが、ユーザUが供試食品の提供を希望しているか否かの判断を行う(図6/STEP20)。
【0110】
具体的には、ユーザUに対し、ユーザ端末2を介して、供試食品の提供を希望するのか、レシピの提示のみを希望するのかを、問い合わせる。
【0111】
供試食品の提供を希望している場合(STEP20でYESの場合)、提示システムSが、前述のSTEP10~STEP19の処理を再度実行して(図6/STEP21)、今回の処理を終了する。
【0112】
一方、供試食品の提供を希望していない場合(STEP20でNOの場合)、レシピ認識部1jが、ユーザ情報格納部1mから、ユーザUに対応するユーザ情報を検索及び取得して認識する(図6/STEP22)。
【0113】
ここで、ユーザ情報には、ユーザUが食事を管理している子供についての摂取可能テストアレルゲン量及び摂取可能交差アレルゲン量に関する情報が含まれている。
【0114】
次に、レシピ認識部1jが、認識したユーザ情報に基づいて、レシピ情報格納部1kに格納されているレシピから、含まれるアレルゲンの量が摂取可能な量以下のレシピの情報を検索及び取得して認識する(図6/STEP23)。
【0115】
次に、レシピ提示部1lが、認識したレシピを、ユーザ端末2を介して、ユーザUに提示して(図6/STEP24)、今回の処理を終了する。
【0116】
このように構成すると、供試食品をすでに提供された後のユーザUが、レシピを改めて確認したい場合、すでに提供されている供試食品を用いた新たな料理のレシピを知りたい場合等に、改めて供試食品を提供されるための作業を行う必要がなくなる。
【0117】
[その他の実施形態]
以上、図示の実施形態について説明したが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。
【0118】
例えば、上記実施形態では、提示システムSは、ユーザUへの供試食品の提供(販売等)に関する処理及びレシピの提示に関する処理を実行可能に構成されている。しかし、本発明のレシピ提示システムは、このような構成に限定されるものではなく、レシピの提示に関する処理のみを行うように構成されていてもよい。そのように構成する場合、処理に用いない処理部は適宜省略してよい。
【0119】
また、例えば、上記実施形態では、提示システムSは、2回目以降にレシピを提示する際には、初回にレシピを提示する際に実行するいくつかの処理を省略している。しかし、本発明のレシピ提示システムは、このような構成に限定されるものではなく、毎回、上記実施形態における初回にレシピを提示する際に実行する処理の全てを実行するようにしてもよい。そのように構成する場合、処理に用いない処理部は適宜省略してよい。
【0120】
また、例えば、上記実施形態では、提供システムSが1つのコンピュータシステムである場合について説明した。しかし、本発明は、この他に、前述のレシピ提示方法を任意の1つ又は複数のコンピュータによって実行させるためのレシピ提示プログラム、及びそのプログラムを記録し、且つ、そのプログラムを、ユーザ等が利用するコンピュータが読み取り可能な記録媒体も含む。
【符号の説明】
【0121】
1…サーバ、1a…供試食品提示部、1b…提供食品認識部、1c…提供手配部、1d…対応関係認識部、1e…供試食品情報格納部、1f…食品量認識部(摂食可能食品量認識部)、1g…テストアレルゲン量認識部(摂取可能テストアレルゲン量認識部)、1h…交差アレルゲン量認識部(摂取可能交差アレルゲン量認識部)、1i…交差反応情報格納部、1j…レシピ認識部、1k…レシピ情報格納部、1l…レシピ提示部、1m…ユーザ情報格納部、2…ユーザ端末、2a…入力部、2b…出力部、S…提示システム(レシピ提示システム)、U…ユーザ。
【要約】
【課題】ユーザが、煩雑な作業を行わずとも、子供に摂食させた場合にアレルギー反応を生じさせにくい多数の料理のレシピを知ることができるレシピ提示方法を提供する。
【解決手段】提示システムSでは、アレルギー反応を生じさせなかったアレルゲンを1種類のみ含む供試食品である摂食可能食品と、該摂食可能食品のアレルゲンの種類及び量との対応関係を認識する対応関係認識部1dと、摂食可能食品量を認識する食品量認識部1fと、子供に摂取させてもアレルギー反応を生じさせる可能性の低い摂取可能テストアレルゲン量を認識するテストアレルゲン量認識部1gと、含まれるアレルゲンの量が摂取可能テストアレルゲン量以下の料理のレシピを認識するレシピ認識部1jと、レシピをユーザに提示するレシピ提示部1lとを備える。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6