(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-17
(45)【発行日】2024-07-25
(54)【発明の名称】連続処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20240718BHJP
C23C 16/44 20060101ALI20240718BHJP
C23C 16/50 20060101ALI20240718BHJP
C23C 16/455 20060101ALI20240718BHJP
C23C 16/52 20060101ALI20240718BHJP
C23C 16/458 20060101ALI20240718BHJP
【FI】
H01L21/31 B
H01L21/31 C
C23C16/44 F
C23C16/50
C23C16/455
C23C16/52
C23C16/458
(21)【出願番号】P 2021002804
(22)【出願日】2021-01-12
【審査請求日】2023-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000231464
【氏名又は名称】株式会社アルバック
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(72)【発明者】
【氏名】谷 典明
(72)【発明者】
【氏名】浅利 伸
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼良 昭彦
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 伸人
【審査官】加藤 芳健
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-288571(JP,A)
【文献】国際公開第2008/075493(WO,A1)
【文献】特表2014-523479(JP,A)
【文献】特開2001-110729(JP,A)
【文献】特開昭62-535(JP,A)
【文献】特開2008-231525(JP,A)
【文献】特開昭59-179786(JP,A)
【文献】特許第3144664(JP,B2)
【文献】特開2018-76566(JP,A)
【文献】特開2020-181644(JP,A)
【文献】国際公開第2007/069433(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/31
C23C 16/44
C23C 16/50
C23C 16/455
C23C 16/52
C23C 16/458
C23C 14/24
C23C 14/56
B01J 3/02
B01J 12/02
B01J 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる処理領域で基体に連続処理をおこなう連続処理装置であって、
真空排気可能な内部に複数の前記処理領域が設定されたチャンバと、
前記チャンバ内に配置されて前記基体を複数の前記処理領域に亘って移動させる移動手段と、
前記処理領域において前記基体に処理をおこなう処理手段と、
前記チャンバ内を排気する全体排気手段と、
前記処理領域に隣接する排気領域を排気する個別排気手段と、
前記全体排気手段、前記個別排気手段および前記処理手段を制御する制御手段と、
を有し、
前記制御手段が、
前記処理領域における前記基体への処理開始前には、前記チャンバ内を所定の圧力まで排気するように前記全体排気手段を駆動制御し、
前記処理領域における前記基体への処理中には、前記全体排気手段を処理開始前よりも排気速度を弱めるように駆動制御し、かつ、前記排気領域を所定の圧力まで排気するように前記個別排気手段を駆動制御する
ことを特徴とする連続処理装置。
【請求項2】
2つの前記処理手段が前記処理領域に処理ガスを給気する処理手段を有し、
それぞれの前記処理領域に前記処理手段から異なる処理ガスを給気して、これらの前記処理領域に亘って移動する前記基体上に成膜をおこなう
ことを特徴とする請求項1記載の連続処理装置。
【請求項3】
前記処理手段がプラズマを発生させるプラズマ処理手段である
ことを特徴とする請求項1または2記載の連続処理装置。
【請求項4】
前記処理領域から前記排気領域へのガス流における圧力状態を検出する圧力検出手段が設けられ、
前記圧力検出手段は検出結果を前記制御手段に出力する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか記載の連続処理装置。
【請求項5】
隣接する前記処理領域の間にパージガスを供給するパージ領域が設けられ、
前記パージ領域には、パージガス供給手段が設けられて前記制御手段によって制御される
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか記載の連続処理装置。
【請求項6】
前記パージ領域には、前記パージ領域に隣接する排気領域を排気するパージガス排気手段が設けられて前記制御手段によって制御される
ことを特徴とする請求項5記載の連続処理装置。
【請求項7】
前記パージ領域には、圧力状態を検出する圧力検出手段が設けられ、
前記圧力検出手段は検出結果を前記制御手段に出力する
ことを特徴とする請求項5または6記載の連続処理装置。
【請求項8】
前記排気領域が、前記基体の移動する面において前記処理領域を囲む配置とされる
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか記載の連続処理装置。
【請求項9】
前記排気領域が、前記基体の移動する向きにおいて前記処理領域の上流排気領域と下流排気領域とを有し、
前記上流排気領域の圧力と前記下流排気領域の圧力とが異なるように設定される
ことを特徴とする請求項8記載の連続処理装置。
【請求項10】
前記基体が可撓性フィルムである
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか記載の連続処理装置。
【請求項11】
前記基体が平板の基板である
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか記載の連続処理装置。
【請求項12】
前記移動手段が、複数の基板を載置して回転軸を中心として回転可能な載置部と、
前記回転軸を駆動する回転手段と、
を有する
ことを特徴とする請求項1から11のいずれか記載の連続処理装置。
【請求項13】
前記載置部が、前記回転軸を中心軸線とする円形テーブルとされ、前記円形テーブルの上面に前記基板が載置される
ことを特徴とする請求項12記載の連続処理装置。
【請求項14】
前記載置部が、前記回転軸を中心軸線とする柱状ドラムとされ、前記柱状ドラムの側面に前記基板が配置される
ことを特徴とする請求項12記載の連続処理装置。
【請求項15】
前記載置部が、磁気浮上手段により非接触で回転駆動可能に支持される
ことを特徴とする請求項12から14のいずれか記載の連続処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は連続処理装置に関し、特に成膜等に用いて好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスや、FPD(flat panel display,フラットパネルディスプレイ)の製造等においては、基板である半導体ウェーハや樹脂フィルムに、例えばSi3N4(以下窒化シリコンあるいはSiNと表示する)膜やAlを含む膜などの各種の膜が成膜される。
【0003】
この成膜処理は例えば原料ガスと反応ガスとを交互に複数回ウェーハに供給するALD(Atomic Layer Deposition)などと呼ばれている手法によって行われる。ALDを行う成膜装置としては、原料ガスが供給される雰囲気と、反応ガスが供給される雰囲気とに、移動手段によりウェーハやフィルムを通過させる構成の装置が知られている。
【0004】
このような成膜装置としては、真空容器内に設けられる回転テーブルやベルト等にウェーハが載置されて回転テーブルの回転やベルトの移動手段によって、ウェーハが原料ガスの雰囲気と反応ガスの雰囲気とを移動する構成が知られている。また、このような成膜装置としては、表面にフィルムを巻回したローラを回転させる移動手段によって、フィルムが原料ガスの雰囲気と反応ガスの雰囲気とを移動する構成が知られている。
【0005】
しかも、これらの原料ガスの雰囲気と反応ガスの雰囲気とを交互に繰り返して移動させることで、必要な膜厚まで成膜する必要がある。
また、これら原料ガスの雰囲気及び反応ガスの雰囲気の他に膜を改質する改質ガスが回転テーブル上に供給され、反応ガス、改質ガスが夫々供給される所定の領域で、これら反応ガス及び改質ガスをプラズマ化するプラズマ化機構が設けられる場合が有る。
【0006】
このような成膜装置においては、原料ガス及び反応ガスはウェーハやフィルムなどの成膜箇所以外にも供給されるので、回転テーブルやベルトなど他のチャンバ内の表面にも成膜される。そこで、成膜が行われていないときには、クリーニングガスが真空容器内に供給され、この回転テーブルの膜を除去するクリーニングが行われる。ハロゲン元素を含むガスによる処理容器の腐食を防ぐ技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2019-3998号公報
【文献】米国特許出願公開第2017/0321325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献記載の技術では、連続しておこなうガスの遮断が良好でなく、結果的に成膜特性が向上しないという問題があった。特に、成膜領域とパージ領域、あるいは、パージ領域を飛び越えた成膜領域と成膜領域とにおけるガス状態が所望の状態でない場合があり、これを改善したいという要求があった。また、チャンバ全体の圧力と処理領域の圧力を個別に制御していたため、互いに影響し合い圧力が安定しない場合があった。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、以下の目的を達成しようとするものである。
1.給気した成膜ガスの確実な排気を可能とすること。
2.パージガスによるパージを確実におこなうこと。
3.成膜特性の向上を図ること。
4.ガス流制御の確実性および精密性を向上すること。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の連続処理装置は、
異なる処理領域で基体に連続処理をおこなう連続処理装置であって、
真空排気可能な内部に複数の前記処理領域が設定されたチャンバと、
前記チャンバ内に配置されて前記基体を複数の前記処理領域に亘って移動させる移動手段と、
前記処理領域において前記基体に処理をおこなう処理手段と、
前記チャンバ内を排気する全体排気手段と、
前記処理領域に隣接する排気領域を排気する個別排気手段と、
前記全体排気手段、前記個別排気手段および前記処理手段を制御する制御手段と、
を有し、
前記制御手段が、
前記処理領域における前記基体への処理開始前には、前記チャンバ内を所定の圧力まで排気するように前記全体排気手段を駆動制御し、
前記処理領域における前記基体への処理中には、前記全体排気手段を処理開始前よりも排気速度を弱めるように駆動制御し、かつ、前記排気領域を所定の圧力まで排気するように前記個別排気手段を駆動制御する
ことにより上記課題を解決した。
本発明の連続処理装置は、
2つの前記処理手段が前記処理領域に処理ガスを給気する処理手段を有し、
それぞれの前記処理領域に前記処理手段から異なる処理ガスを給気して、これらの前記処理領域に亘って移動する前記基体上に成膜をおこなう
ことができる。
本発明の連続処理装置は、
前記処理手段がプラズマを発生させるプラズマ処理手段である
ことができる。
本発明の連続処理装置は、
前記処理領域から前記排気領域へのガス流における圧力状態を検出する圧力検出手段が設けられ、
前記圧力検出手段は検出結果を前記制御手段に出力する
ことができる。
本発明の連続処理装置は、
隣接する前記処理領域の間にパージガスを供給するパージ領域が設けられ、
前記パージ領域には、パージガス供給手段が設けられて前記制御手段によって制御される
ことができる。
本発明の連続処理装置は、
前記パージ領域には、前記パージ領域に隣接する排気領域を排気するパージガス排気手段が設けられて前記制御手段によって制御される
ことができる。
本発明の連続処理装置は、
前記パージ領域には、圧力状態を検出する圧力検出手段が設けられ、
前記圧力検出手段は検出結果を前記制御手段に出力する
ことができる。
本発明の連続処理装置は、
前記排気領域が、前記基体の移動する面において前記処理領域を囲む配置とされる
ことができる。
本発明の連続処理装置は、
前記排気領域が、前記基体の移動する向きにおいて前記処理領域の上流排気領域と下流排気領域とを有し、
前記上流排気領域の圧力と前記下流排気領域の圧力とが異なるように設定される
ことができる。
本発明の連続処理装置は、
前記基体が可撓性フィルムである
ことができる。
本発明の連続処理装置は、
前記基体が平板の基板である
ことができる。
本発明の連続処理装置は、
前記移動手段が、複数の基板を載置して回転軸を中心として回転可能な載置部と、
前記回転軸を駆動する回転手段と、
を有する
ことができる。
本発明の連続処理装置は、
前記載置部が、前記回転軸を中心軸線とする円形テーブルとされ、前記円形テーブルの上面に前記基板が載置される
ことができる。
本発明の連続処理装置は、
前記載置部が、前記回転軸を中心軸線とする柱状ドラムとされ、前記柱状ドラムの側面に前記基板が配置される
ことができる。
本発明の連続処理装置は、
前記載置部が、磁気浮上手段により非接触で回転駆動可能に支持される
ことができる。
【0011】
本発明の連続処理装置は、
異なる処理領域で基体に連続処理をおこなう連続処理装置であって、
真空排気可能な内部に複数の前記処理領域が設定されたチャンバと、
前記チャンバ内に配置されて前記基体を複数の前記処理領域に亘って移動させる移動手段と、
前記処理領域において前記基体に処理をおこなう処理手段と、
前記チャンバ内を排気する全体排気手段と、
前記処理領域に隣接する排気領域を排気する個別排気手段と、
前記全体排気手段、前記個別排気手段および前記処理手段を制御する制御手段と、
を有し、
前記制御手段が、
前記処理領域における前記基体への処理開始前には、前記チャンバ内を所定の圧力まで排気するように前記全体排気手段を駆動制御し、
前記処理領域における前記基体への処理中には、前記全体排気手段を処理開始前よりも排気速度を弱める(停止含む)ように駆動制御し、かつ、前記排気領域を所定の圧力まで排気するように前記個別排気手段を駆動制御する。
これにより、処理領域のガスが個別排気手段によって排気領域から排気されることで、処理領域のガスが隣の処理領域へと到達することを防止する。したがって、処理領域におけるコンタミネーションの発生を防止することができる。ここで、全体排気手段によってチャンバ全体を処理雰囲気とするための排気を、基体処理中に弱めることで、処理領域における排気速度を個別排気手段によって主に設定可能とすることができる。これにより、処理領域においては個別排気手段による排気を支配的として、全体排気手段が個別排気手段に干渉することを防止して、処理領域の圧力を好適に設定することが可能となる。
【0012】
言い換えると、
本発明の連続処理装置は、真空排気されるチャンバと、
前記チャンバ内に配置されて基体を移動する移動手段と、
前記基体に処理をおこなう複数の処理手段と、
を有し、
前記基体が、前記複数の処理手段にそれぞれ対抗する複数の処理領域を順次通過するように移動して、前記基体を連続処理する連続処理装置であって、
前記チャンバに接続される全体排気手段と、
前記複数の処理領域の間の少なくとも一つに排気領域が設けられ、前記排気領域を排気する個別排気手段と、
を有し、
前記処理手段による処理開始前に、少なくとも前記全体排気手段を駆動させて前記チャンバを所定の圧力まで排気し、
前記処理手段による処理中に、前記個別排気手段により前記排気領域を排気するとともに、前記処理中には、前記全体排気手段の排気速度を、処理開始前より低下するかまたは停止する、
連続処理装置である。
これにより、複数の処理手段の間である境界付近に個別排気手段で排気する排気領域を設けることで、処理領域どうしのコンタミネーションを防止することができる。ここで、基体の処理中には、チャンバ内全体を排気する全体排気手段と個別排気手段とが干渉して、処理領域の圧力を制御することが難しくなる場合がある。これを防止するために、基体の処理中には、個別排気手段による排気が支配的になるように全体排気手段の排気を制御する。なお、個別排気手段の排気速度は、基体への処理条件によって設定されることができる。
【0013】
本発明の連続処理装置は、
2つの前記処理手段が前記処理領域に処理ガスを給気する処理手段を有し、
それぞれの前記処理領域に前記処理手段から異なる処理ガスを給気して、これらの前記処理領域に亘って移動する前記基体上に成膜をおこなう。
これにより、それぞれの処理手段から処理領域毎に異なる処理ガスを給気しても、排気手段によって隣の処理領域に給気されたガスが当該処理領域に侵入してしまうことを防止できる。したがって、異なる処理領域で異なるガスを用いて連続的に処理をおこなう連続処理において、コンタミネーションを防止することが可能となる。特に、ALD(Atomic Layer Deposition;原子層堆積法)などの処理に適用した場合にコンタミネーションを防止して、膜特性の向上を図ることが可能となる。
【0014】
言い換えると、
本発明の連続処理装置は、前記複数の処理手段のうち少なくとも2つは、各々ガス供給手段を有し、
一方の前記ガス供給手段から第1処理領域に供給される第1ガスと、他方の前記ガス供給手段から第2処理領域に供給される第2ガスと、によって前記基体上に成膜がおこなわれる。
これにより、第1ガスの供給された第1処理領域と、第2ガスの供給された第2処理領域と、を順に基体が移動することで、異なるガスを順に供給することが必要な成膜処理、例えばALDによる成膜処理をおこなうことが可能となる。
【0015】
本発明の連続処理装置は、
前記処理手段がプラズマを発生させるプラズマ処理手段である。
これにより、少なくとも一工程はプラズマによる基体への処理をおこなうことができる。例えば、プラズマ成膜、プラズマ改質、プラズマエッチング等の処理をおこなうことが可能となる。
また、プラズマ処理手段の設けられた処理領域以外では、他の処理をおこなうことができる。
【0016】
本発明の連続処理装置は、
前記処理領域から前記排気領域へのガス流における圧力状態を検出する圧力検出手段が設けられ、
前記圧力検出手段は検出結果を前記制御手段に出力する。
これにより、処理領域から排気領域へと向かうガス流の状態を検出して、全体排気手段と個別排気手段との駆動状態を適宜制御することが可能となる。特に、処理領域におけるガス状態制御、つまり、全体排気手段と個別排気手段との排気量あるいは排気速度のバランスを取り、処理領域における圧力およびガス流の制御を確実におこなうことが可能となる。また、処理領域におけるガス流およびガス圧力の変動に対応して、全体排気手段および個別排気手段の駆動を変動させることもできる。
ここで、全体排気手段および個別排気手段の排気速度の調節は、排気ポンプの駆動による排気量の増減か、排気バルブの開度調節によっておこなうことができる。
【0017】
言い換えると、
本発明の連続処理装置は、
前記処理領域、前記排気領域の少なくとも一つに、圧力検出手段が設けられ、
前記圧力検出手段の出力により、前記処理領域に導入されるガスの流量、前記排気領域の排気速度の少なくとも一つが制御される。
これにより、処理領域の圧力を制御することが可能となる。また、処理領域の圧力を制御するために、排気領域の圧力を制御する。排気領域の圧力を制御するために、個別排気手段の排気速度を制御する。異なる処理領域で異なるガスを用いて連続的に処理をおこなう連続処理において、コンタミネーションを防止することが可能となる。
【0018】
本発明の連続処理装置は、
隣接する前記処理領域の間にパージガスを供給するパージ領域が設けられ、
前記パージ領域には、パージガス供給手段が設けられて前記制御手段によって制御される。
これにより、異なる処理領域で異なるガスを用いて連続的に処理をおこなう連続処理において、パージガスを供給するパージ領域を設けて処理領域のガスがパージ領域を越えて他の処理領域に到達してしまうことを防止して、コンタミネーションの発生を防止することが可能となる。
【0019】
言い換えると、
本発明の連続処理装置は、
前記複数の処理領域の間の少なくとも一つに、パージガスが供給されるパージ領域を有する。
隣接する処理領域と処理領域との間にパージ領域を設けることで、パージガスを供給して処理ガスがパージ領域を越えて隣接する処理領域へ御到達することがなく、コンタミネーションを防止することができる。
【0020】
本発明の連続処理装置は、
前記パージ領域には、前記パージ領域に隣接する排気領域を排気するパージガス排気手段が設けられて前記制御手段によって制御される。
これにより、排気領域を排気することで、処理ガスがパージ領域を越えて隣接する処理領域へ到達することがなく、コンタミネーションを防止することができる。
【0021】
言い換えると、
本発明の連続処理装置は、
前記複数の処理領域と前記パージ領域の間に、前記排気領域が配置される。
処理領域をパージ領域との間に排気領域を設けることで、より一層コンタミネーションを防止することができる。
【0022】
本発明の連続処理装置は、
前記パージ領域には、圧力状態を検出する圧力検出手段が設けられ、
前記圧力検出手段は検出結果を前記制御手段に出力する。
これにより、パージ領域の圧力を処理領域の圧力よりも低く制御することが正確に可能となる。また、パージ領域の圧力を処理領域の圧力よりも低く制御するために、パージ領域および排気領域の圧力を制御する。パージ領域および排気領域の圧力を制御するために、パージガス排気手段および個別排気手段の排気速度を制御する。異なる処理領域で異なるガスを用いて連続的に処理をおこなう連続処理において、コンタミネーションを防止することが可能となる。
【0023】
言い換えると、
本発明の連続処理装置は、
前記処理領域、前記排気領域、前記パージ領域の少なくとも一つに、圧力検出手段が設けられ、
前記圧力検出手段の出力により、前記処理領域に導入されるガスの流量、前記排気領域の排気速度、前記パージ領域に導入されるパージガスの少なくとも一つが制御される。
これにより、パージ領域の圧力、排気領域の圧力、処理領域の圧力を、基体処理条件に適合するように正確に制御することが可能となる。また、パージ領域の圧力、排気領域の圧力、処理領域の圧力を、基体処理条件に適合するように制御するために、パージ領域の圧力、排気領域の圧力、処理領域の圧力を制御する。パージ領域の圧力、排気領域の圧力、処理領域を制御するために、パージガス排気手段および個別排気手段、全体排気手段の排気速度を制御する。異なる処理領域で異なるガスを用いて連続的に処理をおこなう連続処理において、コンタミネーションを防止することが可能となる。
【0024】
本発明の連続処理装置は、
前記排気領域が、前記基体の移動する面において前記処理領域を囲む配置とされる。
これにより、処理領域から他の領域にガスを漏出させることなく、処理領域の全周で排気することが可能となる。したがって、新設する排気領域あるいはパージ領域を回避して他の処理領域へと不必要なガスが到達することを防止できる。
【0025】
言い換えると、
本発明の連続処理装置は、
前記排気領域は、前記処理領域を囲むように配置される。
これにより、処理領域から外縁における排気領域へと排気をおこなうことができる。
したがって、処理領域における排気状態を基体面に沿った方向において個別に制御することが可能となる。
【0026】
本発明の連続処理装置は、
前記排気領域が、前記基体の移動する向きにおいて前記処理領域の上流排気領域と下流排気領域とを有し、
前記上流排気領域の圧力と前記下流排気領域の圧力とが異なるように設定される。
これにより、処理領域において上流と下流との圧力状態を異ならせて、処理領域内でガス流を形成することができる。例えば、上流排気領域の圧力が前記下流排気領域の圧力よりも高くなるように設定することで、処理領域内で上流から下流に向かうガス流を形成することができる。あるいは、上流排気領域の圧力が前記下流排気領域の圧力よりも低くなるように設定することで、処理領域内で下流から上流に向かうガス流を形成することができる。
【0027】
言い換えると、
本発明の連続処理装置は、
前記排気領域は少なくとも一つの前記処理領域の前記基体が侵入する側に配置される第1排気領域と、前記処理領域から前記基体が退出する側に配置される第2排気領域を有し、前記第2排気領域と前記第1排気領域との圧力が異なる。
これにより、上流と下流との圧力を変えることで、処理領域の中のガス流を制御することができる。さらに、上流および/または下流の排気領域に圧力検出手段を設けることもできる。
【0028】
本発明の連続処理装置は、
前記基体が可撓性フィルムである。
前記基体が長尺のフィルムである。長尺のフィルムが連続して処理される。
【0029】
本発明の連続処理装置は、
前記基体が平板の基板である。平板の基板が連続して処理される。
前記基体が半導体基板、透明基板、ガラス基板、樹脂基板である。
【0030】
本発明の連続処理装置は、
前記移動手段が、複数の基板を載置して回転軸を中心として回転可能な載置部と、
前記回転軸を駆動する回転手段と、
を有する。
これにより、載置部の回転軸の回りに回転方向に沿って複数の処理領域が設けられて、載置部の回転によって、単一の基板を連続して異なる処理領域を通過させて処理することか、複数の基板を連続して異なる処理領域を通過させて処理することか、複数の基板を連続して異なる処理領域に順次載置して処理することができる。
このとき、複数の基板に対して、均一な特性を有する処理をおこなうことが可能となる。
【0031】
本発明の連続処理装置は、
前記載置部が、前記回転軸を中心軸線とする円形テーブルとされ、前記円形テーブルの上面に前記基板が載置される。
これにより、円形テーブル(載置部)の回転軸の回りに回転方向に沿って複数の処理領域が設けられて、円形テーブル(載置部)の回転にともなって回転軸の回りを基板が回転して、単一の基板を連続して異なる処理領域を通過させて処理することか、複数の基板を連続して異なる処理領域を通過させて処理することか、複数の基板を連続して異なる処理領域に順次載置して処理することができる。
ここで、複数の処理領域、排気領域、パージ領域は、円形テーブルの上面に沿って、互いに隣接するように配置される。また、円形テーブルの上面は、回転軸と直交することができる。基板の処理面は、円形テーブルの上面に沿って載置される。
【0032】
言い換えると、
本発明の連続処理装置は、
前記移動手段が円盤状の載置手段を有して軸を中心に回転し、
前記基板とされる前記基体が前記移動手段の上面(底面)に載置される。
これにより、回転方向に沿って処理領域と排気領域とバージ領域とを設けることで基板とされる複数枚の基体に連続処理をおこなうことができる。
【0033】
本発明の連続処理装置は、
前記載置部が、前記回転軸を中心軸線とする柱状ドラムとされ、前記柱状ドラムの側面に前記基板が配置される。
これにより、柱状ドラム(載置部)の回転軸の回りに回転方向に沿って複数の処理領域が設けられて、柱状ドラム(載置部)の回転にともなって回転軸の回りを基板が回転して、単一の基板を連続して異なる処理領域を通過させて処理することか、複数の基板を連続して異なる処理領域を通過させて処理することか、複数の基板を連続して異なる処理領域に順次載置して処理することができる。
ここで、複数の処理領域、排気領域、パージ領域は、柱状ドラムの側面に対向するように柱状ドラムの周囲に沿って、互いに隣接するように配置される。また、柱状ドラムの側面は、回転軸と平行、あるいは、所定の角度を有して傾いていることができる。基板の処理面は、柱状ドラムの側面に沿って載置される。柱状ドラムの側面には、基板を載置する凹部等が設けられることができる。
【0034】
言い換えると、
本発明の連続処理装置は、
前記移動手段が円柱ドラムもしくは角柱ドラムの載置手段を有し、軸を中心に回転し、前記基板は、前記移動手段の側面に配置される。
ここで、基板は、円柱ドラムまたは角柱ドラムの側面と略平行に載置される。
【0035】
本発明の連続処理装置は、
前記載置部が、磁気浮上手段により非接触で回転駆動可能に支持される。
これにより、載置部がチャンバ内で非接触に駆動可能となるため、駆動部分あるいは回転中心において、接触する部分からのパーティクル発生をなくすことができる。したがって、チャンバ内、特に処理領域にパーティクルが侵入することを防止できる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、複数の処理領域間において互いにガス等のコンタミネーションを抑制して基板処理の正確性と膜特性の向上とを測ることができるという効果を奏することが可能となる。特に、全体排気手段における排気と個別排気手段における排気とを所定の関係に制御する。このため基体処理時に、処理領域におけるコンタミネーションやパーティクルの飛散を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明に係る連続処理装置の第1実施形態を示す模式側面図である。
【
図2】本発明に係る連続処理装置の第1実施形態における処理領域等の配置を示す模式上面図である。
【
図3】本発明に係る連続処理装置の第2実施形態を示す模式側面図である。
【
図4】本発明に係る連続処理装置の第3実施形態における排気領域等の配置を示す模式上面図である。
【
図5】本発明に係る連続処理装置の第4実施形態を示す模式側面図である。
【
図6】本発明に係る連続処理装置の第5実施形態を示す模式側面図である。
【
図7】本発明に係る連続処理装置の第5実施形態における排気領域等の配置を示す模式上面図である。
【
図8】本発明に係る連続処理装置の第6実施形態を示す模式側面図である。
【
図9】本発明に係る連続処理装置の第6実施形態における処理領域等の配置を示す模式上面図である。
【
図10】本発明に係る連続処理装置の第6実施形態における排気領域等の配置を示す模式上面図である。
【
図11】本発明に係る連続処理装置の第7実施形態における磁気浮上手段を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明に係る連続処理装置の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態における連続処理装置を示す模式側面図である。
図2は、本実施形態における連続処理装置の処理領域等の配置を示す模式上面図である。図において、符号100は、連続処理装置である。
【0039】
本実施形態に係る連続処理装置100は、プラズマ処理、CVD(例えば、PECVD、ALD)、エッチング(例えば、プラズマエッチング、ALE)、などの、複数のガス雰囲気を順次通過させて基板(基体)Wを連続処理する装置とされる。また、本実施形態に係る連続処理装置100は、複数の基板(基体)Wを連続して処理可能なものとされる。
本実施形態に係る連続処理装置100は、
図1,
図2に示すように、チャンバ101と、搬送ベルト部(移動手段)110と、処理領域120と、パージ領域130と、処理領域140と、制御手段109と、を有する。
【0040】
チャンバ101は、
図1に示すように、真空状態に密閉可能であり、搬入室101aと、処理室101bと、加熱搬出室101cと、を有する。これら搬入室101aと処理室101bと加熱搬出室101cとは、互いに基板Wが移動可能に連通している。搬入室101aと処理室101bとの間には、基板Wが移動可能な開口102aを有する隔壁102が設けられる。処理室101bと加熱搬出室101cとの間には、基板Wが移動可能な開口103aを有する隔壁105が設けられる。
【0041】
搬入室101aには搬入部103が設けられ、ロボットハンド100aなどの搬入手段によって外部から基板Wを搬入可能かつ密閉可能とされる。
加熱搬出室101cには搬出部104が設けられ、ロボットハンド100aなどの搬入手段によって外部へ基板Wを搬出可能かつ密閉可能とされる。
【0042】
また、加熱搬出室101cには、例えばランプユニットとされる加熱部106が設けられて加熱可能とされる。加熱部106は制御手段109に接続される。加熱部106は、制御手段109によって制御される。
【0043】
搬送ベルト部(移動手段)110は、
図1,
図2に示すように、搬入室101aと処理室101bと加熱搬出室101cとに亘って基板Wを搬送する。搬送ベルト部110は、搬入室101a内で基板Wを搬送する搬送ベルト部110aと、処理室101b内で搬送する搬送ベルト部110bと、加熱搬出室101c内で搬送する搬送ベルト部110cと、を有する。
【0044】
搬送ベルト部110aは、搬入室101aに設けられる。搬送ベルト部110aは、搬送ベルト111aと、搬送ベルト111aが巻回される駆動ローラ112aと、を有する。駆動ローラ112aは駆動部113aによって駆動される。駆動部113aは制御手段109に接続される。駆動部113aは、制御手段109によって制御される。
駆動ローラ112aは基板Wの移動方向と直交する回転軸線を有する。駆動ローラ112aは、搬送ベルト111aにおける基板Wの移動方向の両端位置に設けられる。なお、基板Wの移動方向の両端位置以外にも駆動ローラ112aを設けることができる。
【0045】
搬送ベルト部110bは、搬入室101aと処理室101bと加熱搬出室101cとに亘って設けられる。搬送ベルト部110bは、基板Wの移動方向で搬送ベルト部110aの下流位置に隣接して配置される。搬送ベルト部110bは、は、搬送ベルト111bと、搬送ベルト111bが巻回される駆動ローラ112bと、を有する。駆動ローラ112bは駆動部113bによって駆動される。駆動部113bは制御手段109に接続される。駆動部113bは、制御手段109によって制御される。
【0046】
駆動ローラ112bは基板Wの移動方向と直交する回転軸線を有する。駆動ローラ112bは、搬送ベルト111bにおける基板Wの移動方向の両端位置に設けられる。なお、基板Wの移動方向の両端位置以外にも駆動ローラ112bを設けることができる。
【0047】
搬送ベルト111bは、隔壁102の開口102aを貫通する。搬送ベルト111bは、隔壁105の開口105aを貫通する。
また、駆動ローラ112bは、搬入室101aと加熱搬出室101cとに配置されているが、処理室101bに配置することもできる。
【0048】
搬送ベルト部110bには、基板Wを載置して搬送する搬送ベルト111bの下方で近接する位置にヒータ107が配置される。ヒータ107は、処理領域120,140において基板Wを加熱可能とされている。ヒータ107は、平面視して処理領域120,140を含む範囲を加熱可能に配置される。ヒータ107は制御手段109に接続される。ヒータ107は、制御手段109によって制御される。
【0049】
搬送ベルト部110cは、加熱搬出室101cに設けられる。搬送ベルト部110cは、基板Wの移動方向で搬送ベルト部110bの下流位置に隣接して配置される。搬送ベルト部110cは、搬送ベルト111cと、搬送ベルト111cが巻回される駆動ローラ112cと、を有する。駆動ローラ112cは駆動部113cによって駆動される。駆動部113cは制御手段109に接続される。駆動部113cは、制御手段109によって制御される。
【0050】
駆動ローラ112cは基板Wの移動方向と直交する回転軸線を有する。駆動ローラ112cは搬送ベルト111cにおける基板Wの移動方向の両端位置に設けられる。なお、基板Wの移動方向の両端位置以外にも駆動ローラ112cを設けることができる。
【0051】
搬送ベルト111aと搬送ベルト111bと搬送ベルト111cとは、その上面が面一となるように配置される。搬送ベルト111aと搬送ベルト111bと搬送ベルト111cとは、その上面に基板Wを載置する。搬送ベルト111aと搬送ベルト111bと搬送ベルト111cとは、連動して、搬入室101aと処理室101bと加熱搬出室101cとに亘って基板Wを移動可能である。
【0052】
搬入室101aには、
図1に示すように、排気ポンプP01が設けられる。搬入室101aは排気ポンプP01によって排気される。排気ポンプP01は、ゲートバルブを介して搬入室101aに接続される。排気ポンプP01は制御手段109に接続される。排気ポンプP01は、制御手段109によって制御される。
【0053】
処理室101bには、排気ポンプP02が設けられる。処理室101bは排気ポンプP02によって排気される。排気ポンプP02は、ゲートバルブを介して処理室101bに接続される。排気ポンプP02は制御手段109に接続される。排気ポンプP02は、制御手段109によって制御される。
【0054】
加熱搬出室101cには、
図1に示すように、排気ポンプP03が設けられる。加熱搬出室101cは排気ポンプP03によって排気される。排気ポンプP03は、ゲートバルブを介して加熱搬出室101cに接続される。排気ポンプP03は制御手段109に接続される。排気ポンプP03は、制御手段109によって制御される。
【0055】
排気ポンプP01、排気ポンプP02、排気ポンプP03によって、チャンバ101内が排気される。排気ポンプP01、排気ポンプP02、排気ポンプP03は、全体排気手段を構成する。
【0056】
処理室101bにおいて、搬送ベルト111bの上方には、処理領域120と、パージ領域130と、処理領域140と、が設定される。処理領域120と、パージ領域130と、処理領域140と、は、搬送ベルト111bに沿って基板Wの移動方向に沿って隣接する。
【0057】
搬送ベルト111bの移動方向で、処理領域120の下流にはパージ領域130が配置される。搬送ベルト111bの移動方向で、パージ領域130の下流には処理領域140が配置される。
【0058】
処理領域(第1処理領域)120では、
図1,
図2に示すように、搬送ベルト111bの上方にガス供給手段(処理手段)P1が配置される。ガス供給手段(処理手段)P1は、給気ノズルP1aと、ガス供給部P1bとを有する。
【0059】
給気ノズルP1aは、
図1,
図2に示すように、搬送ベルト111bの上面に対向して開口する。給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送ベルト111bの上面と平行に配置される。給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送ベルト111bに載置された基板W上面と離間した高さに配置される。
【0060】
給気ノズルP1aの開口は、単一または複数の開口部を有する枠状とされてもよい。また、給気ノズルP1aの開口は、多数の細かい噴出孔が設けられた板体とされてもよい。さらに、処理領域120へのガス供給を均等にするための機構を有していてもよい。
【0061】
給気ノズルP1aの開口輪郭は、平面視した処理領域120の輪郭を規定する。具体的には、給気ノズルP1aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの移動方向と直交する幅方向において、基板Wの寸法よりも大きく設定される。
また、給気ノズルP1aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの移動方向において、基板Wの処理に必要な時間と、搬送ベルト111bの移動速度との兼ね合い等の処理条件から、必要な寸法が設定される。
【0062】
ガス供給部P1bは、給気ノズルP1aに接続され、所定の流量・圧力で貯留されたガス(第1ガス)を給気ノズルP1aに供給する。ガス供給部P1bは、制御手段109に接続される。ガス供給部P1bは、制御手段109によって制御される。
【0063】
搬送ベルト111bの移動方向における処理領域120の上流には、
図1,
図2に示すように、排気領域122が配置される。
排気領域122では、搬送ベルト111bの上方に排気手段(個別排気手段)V1が配置される。排気手段V1は、排気ノズルV1aと、排気部V1bとを有する。
【0064】
排気ノズルV1aは、
図1,
図2に示すように、搬送ベルト111bの上面に対向して開口する。排気ノズルV1aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの上面と平行に配置される。排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送ベルト111bに載置された基板W上面と離間した高さに配置される。排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)は、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)と同じ高さに配置されてもよい。また、排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)は、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)と異なる高さでもよい。
具体的には、排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)が、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)よりも低い、つまり、搬送ベルト111bに載置された基板W上面よりも離間距離を短く設定することができる。すなわち、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)が、排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)よりも基板W上面から離間することができる。
【0065】
排気ノズルV1aの開口輪郭は、平面視した排気領域122の輪郭を規定する。具体的には、排気ノズルV1aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの移動方向と直交する幅方向において、基板Wの寸法よりも大きく設定される。排気ノズルV1aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの移動方向と直交する幅方向において、給気ノズルP1aの寸法よりも大きく設定される。
【0066】
また、排気ノズルV1aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの移動方向において、処理領域120の排気に必要な大きさ・形状であればよく、搬送ベルト111bの移動速度、ガス供給量、圧力雰囲気等の処理条件から、必要な寸法が設定される。
【0067】
排気部V1bは、排気ノズルV1aに接続され、所定の排気速度・排気量・排気圧で処理領域120のガスを排気ノズルV1aから排気する。排気部V1bは、真空ポンプとされる。排気部V1bは、制御手段109に接続される。排気部V1bは、制御手段109によって排気速度・排気量・排気圧を制御される。ここで、排気速度・排気量・排気圧の制御は、ポンプの駆動状態や、排気弁の弁開度等を調整して制御される。
【0068】
搬送ベルト111bの移動方向における処理領域120の下流には、
図1,
図2に示すように、パージ領域130の上流に排気領域123が配置される。
排気領域123では、搬送ベルト111bの上方に排気手段(個別排気手段)V2が配置される。排気手段V2は、排気ノズルV2aと、排気部V2bとを有する。
【0069】
排気ノズルV2aは、
図1,
図2に示すように、搬送ベルト111bの上面に対向して開口する。排気ノズルV2aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの上面と平行に配置される。排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送ベルト111bに載置された基板W上面と離間した高さに配置される。排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)は、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)および排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)と同じ高さに配置されてもよい。また、排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)は、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)および排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)と異なる高さに配置されてもよい。
ここで、給気ノズルP1aを挟んで互いに両側となる位置に配置される排気ノズルV1aと排気ノズルV2aとは、それぞれの開口輪郭(開口縁部)が同じ高さに配置されることが好ましい。
【0070】
排気ノズルV2aの開口輪郭は、平面視した排気領域123の輪郭を規定する。具体的には、排気ノズルV2aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの移動方向と直交する幅方向において、基板Wの寸法よりも大きく設定される。排気ノズルV2aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの移動方向と直交する幅方向において、給気ノズルP1aの寸法よりも大きく設定される。
【0071】
排気ノズルV2aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの移動方向と直交する幅方向において、排気ノズルV1aの寸法とほぼ等しく設定される。
また、排気ノズルV2aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの移動方向において、処理領域120の排気に必要な大きさ・形状であればよく、搬送ベルト111bの移動速度、ガス供給量、圧力雰囲気等の処理条件から、必要な寸法が設定される。
【0072】
排気部V2bは、排気ノズルV2aに接続され、所定の排気速度・排気量・排気圧で処理領域120のガスを排気ノズルV2aから排気する。排気部V2bは、真空ポンプとされる。排気部V2bは、制御手段109に接続される。排気部V2bは、制御手段109によって排気速度・排気量・排気圧を制御される。ここで、排気速度・排気量・排気圧の制御は、ポンプの駆動状態や、排気弁の弁開度等を調整して制御される。
【0073】
排気領域122および排気領域123は、排気手段V1および排気手段V2によって処理領域120を排気して、処理領域120に対して雰囲気圧力の設定可能とする。
【0074】
パージ領域130においては、
図1,
図2に示すように、搬送ベルト111bの上方にパージガス供給手段P2が配置される。パージガス供給手段P2は、パージガスノズルP2aと、パージガス供給部P2bとを有する。
【0075】
パージガスノズルP2aは、
図1,
図2に示すように、搬送ベルト111bの上面に対向して開口する。パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送ベルト111bの上面と平行に配置される。パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送ベルト111bに載置された基板W上面と離間した高さに配置される。
パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)は、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)、排気ノズルV1a(開口縁部)、排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)の開口輪郭と同じ高さに配置されてもよい。また、パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)は、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)、排気ノズルV1a(開口縁部)、排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)の開口輪郭と異なる高さでもよい。
【0076】
パージガスノズルP2aの開口は、単一または複数の開口部を有する枠状とされてもよい。また、パージガスノズルP2aの開口は、多数の細かい噴出孔が設けられた板体とされてもよい。さらに、パージ領域130へのガス供給を均等にするための機構を有していてもよい。
【0077】
パージガスノズルP2aの開口輪郭は、平面視したパージ領域130の輪郭を規定する。具体的には、パージガスノズルP2aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの移動方向と直交する幅方向において、基板Wの寸法よりも大きく設定される。パージガスノズルP2aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの移動方向と直交する幅方向において、給気ノズルP1aの寸法とほぼ同じかこれよりも大きく設定される。
【0078】
パージガスノズルP2aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの移動方向と直交する幅方向において、排気ノズルV1aおよび排気ノズルV2aの寸法とほぼ等しいかこれよりも大きく設定される。
また、パージガスノズルP2aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの移動方向において、搬送ベルト111bの移動速度に関連する処理条件と、処理領域120と処理領域140とに対するガスの遮断、ずなわち、ガスが相互拡散を起こさない状態を実現するために必要なパージガスの量とから、必要な寸法が設定される。
【0079】
パージガス供給部P2bは、パージガスノズルP2aに接続され、所定の流量・圧力で貯留されたパージガスをパージガスノズルP2aに供給する。パージガス供給部P2bは、制御手段109に接続される。パージガス供給部P2bは、制御手段109によって制御される。
【0080】
搬送ベルト111bの移動方向におけるパージ領域130の上流には、
図1,
図2に示すように、排気領域123の下流にパージ排気領域(排気領域)132が配置される。
パージ排気領域(排気領域)132では、搬送ベルト111bの上方にパージガス排気手段V5が配置される。パージガス排気手段V5は、パージ排気ノズルV5aと、パージ排気部V5bとを有する。
【0081】
パージ排気ノズルV5aは、
図1,
図2に示すように、搬送ベルト111bの上面に対向して開口する。パージ排気ノズルV5aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの上面と平行に配置される。パージ排気ノズルV5aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送ベルト111bに載置された基板W上面と離間した高さに配置される。パージ排気ノズルV5aの開口輪郭(開口縁部)は、給気ノズルP1aの開口輪郭と排気ノズルV1aの開口輪郭と排気ノズルV2aの開口輪郭とパージガスノズルP2aの開口輪郭と同じ高さに配置されてもよい。また、パージ排気ノズルV5aの開口輪郭(開口縁部)は、給気ノズルP1aの開口輪郭と排気ノズルV1aの開口輪郭と排気ノズルV2aの開口輪郭とパージガスノズルP2aの開口輪郭と異なる高さでもよい。
【0082】
パージ排気ノズルV5aの開口輪郭は、平面視したパージ排気領域132の輪郭を規定する。具体的には、パージ排気ノズルV5aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの移動方向と直交する幅方向において、基板Wの寸法よりも大きく設定される。パージ排気ノズルV5aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの移動方向と直交する幅方向において、パージガスノズルP2aの寸法よりも大きく設定される。
【0083】
パージ排気ノズルV5aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの移動方向と直交する幅方向において、給気ノズルP2aの寸法よりも大きく設定される。パージガスノズルP2aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの移動方向と直交する幅方向において、排気ノズルV1aおよび排気ノズルV2aの寸法とほぼ等しいかこれよりも大きく設定される。
【0084】
また、パージ排気ノズルV5aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの移動方向において、パージ排気領域132の排気に必要な大きさ・形状であればよく、搬送ベルト111bの移動速度、パージガス供給量、処理領域120とパージ領域130との圧力差等の条件から、必要な寸法が設定される。
【0085】
パージ排気部V5bは、パージ排気ノズルV5aに接続され、所定の排気速度・排気量・排気圧でパージ領域130のパージガスをパージ排気ノズルV5aから排気する。パージ排気部V5bは、真空ポンプとされる。パージ排気部V5bは、制御手段109に接続される。パージ排気部V5bは、制御手段109によって排気速度・排気量・排気圧を制御される。ここで、排気速度・排気量・排気圧の制御は、ポンプの駆動状態や、排気弁の弁開度等を調整して制御される。
【0086】
搬送ベルト111bの移動方向におけるパージ領域130の下流には、
図1,
図2に示すように、処理領域140の上流にパージ排気領域133が配置される。
パージ排気領域133では、搬送ベルト111bの上方にパージガス排気手段V6が配置される。パージガス排気手段V6は、パージ排気ノズルV6aと、パージ排気部V6bとを有する。
【0087】
パージ排気ノズルV6aは、
図1,
図2に示すように、搬送ベルト111bの上面に対向して開口する。パージ排気ノズルV6aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの上面と平行に配置される。パージ排気ノズルV6aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送ベルト111bに載置された基板W上面と離間した高さに配置される。
【0088】
パージ排気ノズルV6aの開口輪郭(開口縁部)は、パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)、パージ排気ノズルV5aの開口輪郭(開口縁部)と同じ高さに配置されてもよい。また、パージ排気ノズルV6aの開口輪郭(開口縁部)は、パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)、パージ排気ノズルV5aの開口輪郭(開口縁部)と異なる高さでもよい。
パージ排気ノズルV6aの開口輪郭(開口縁部)は、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)、排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)と、排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)と同じ高さに配置されてもよい。また、パージ排気ノズルV6aの開口輪郭(開口縁部)は、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)、排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)と、排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)と異なる高さでもよい。
ここで、パージガスノズルP2aを挟んで互いに両側となる位置に配置されるパージ排気ノズルV5aとパージ排気ノズルV6aとは、それぞれの開口輪郭(開口縁部)が同じ高さに配置されることが好ましい。
【0089】
パージ排気ノズルV6aの開口輪郭は、平面視したパージ排気領域133の輪郭を規定する。具体的には、パージ排気ノズルV6aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの移動方向と直交する幅方向において、基板Wの寸法よりも大きく設定される。パージ排気ノズルV6aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの移動方向と直交する幅方向において、パージガスノズルP2aの寸法よりも大きく設定される。
【0090】
パージ排気ノズルV6aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの移動方向と直交する幅方向において、パージ排気ノズルV5aの寸法とほぼ等しく設定される。
また、パージ排気ノズルV6aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの移動方向において、パージ排気領域133の排気に必要な大きさ・形状であればよく、搬送ベルト111bの移動速度、パージガス供給量、処理領域120とパージ領域130との圧力差等の条件から、必要な寸法が設定される。
【0091】
パージ排気部V6bは、パージ排気ノズルV6aに接続され、所定の排気速度・排気量・排気圧でパージ排気領域133のガスをパージ排気ノズルV6aから排気する。パージ排気部V6bは、真空ポンプとされる。パージ排気部V6bは、制御手段109に接続される。パージ排気部V6bは、制御手段109によって排気速度・排気量・排気圧を制御される。ここで、排気速度・排気量・排気圧の制御は、ポンプの駆動状態や、排気弁の弁開度等を調整して制御される。
【0092】
パージ排気領域132およびパージ排気領域133は、パージガス排気手段V5およびパージガス排気手段V6によってパージ領域130を排気して、パージ領域130に対して雰囲気圧力の設定可能とする。
【0093】
処理領域(第2処理領域)140においては、
図1,
図2に示すように、搬送ベルト111bの上方にガス供給手段(処理手段)P3が配置される。ガス供給手段(処理手段)P3は、給気ノズルP3aと、ガス供給部P3bとを有する。
ガス供給手段(処理手段)P3は、ガス供給手段(処理手段)P1と異なるガスを供給可能である。
【0094】
給気ノズルP3aは、
図1,
図2に示すように、搬送ベルト111bの上面に対向して開口する。給気ノズルP3aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送ベルト111bの上面と平行に配置される。給気ノズルP3aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送ベルト111bに載置された基板W上面と離間した高さに配置される。排気ノズルV3aの開口輪郭(開口縁部)は、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)とほぼ同じ高さに配置されてもよい。また、排気ノズルV3aの開口輪郭(開口縁部)は、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)と異なる高さでもよい。
【0095】
給気ノズルP3aの開口は、単一または複数の開口部を有する枠状とされてもよい。また、給気ノズルP3aの開口は、多数の細かい噴出孔が設けられた板体とされてもよい。さらに、処理領域140へのガス供給を均等にするための機構を有していてもよい。
【0096】
給気ノズルP3aの開口輪郭は、平面視した処理領域140の輪郭を規定する。具体的には、給気ノズルP3aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの移動方向と直交する幅方向において、基板Wの寸法よりも大きく設定される。給気ノズルP3aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの移動方向と直交する幅方向において、給気ノズルP1aの開口輪郭とほぼ等しく設定される。
また、給気ノズルP3aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの移動方向において、基板Wの処理に必要な時間と、搬送ベルト111bの移動速度との兼ね合い等の処理条件から、必要な寸法が設定される。
【0097】
ガス供給部P3bは、給気ノズルP3aに接続され、所定の流量・圧力で貯留されたガス(第2ガス)を給気ノズルP3aに供給する。ガス供給部P3bは、制御手段109に接続される。ガス供給部P3bは、制御手段109によって制御される。
【0098】
搬送ベルト111bの移動方向における処理領域140の上流には、
図1,
図2に示すように、パージ排気領域133の下流に排気領域142が配置される。
排気領域142では、搬送ベルト111bの上方に排気手段(個別排気手段)V9が配置される。排気手段V9は、排気ノズルV9aと、排気部V9bとを有する。
【0099】
排気ノズルV9aは、
図1,
図2に示すように、搬送ベルト111bの上面に対向して開口する。排気ノズルV9aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの上面と平行に配置される。排気ノズルV9aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送ベルト111bに載置された基板W上面と離間した高さに配置される。排気ノズルV9aの開口輪郭(開口縁部)は、給気ノズルP3aの開口輪郭(開口縁部)と同じ高さに配置されてもよい。また、排気ノズルV9aの開口輪郭(開口縁部)は、給気ノズルP3aの開口輪郭(開口縁部)と異なる高さでもよい。
【0100】
排気ノズルV9aの開口輪郭は、平面視した排気領域142の輪郭を規定する。具体的には、排気ノズルV9aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの移動方向と直交する幅方向において、基板Wの寸法よりも大きく設定される。排気ノズルV9aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの移動方向と直交する幅方向において、給気ノズルP3aの寸法よりも大きく設定される。
また、排気ノズルV9aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの移動方向において、処理領域140の排気に必要な大きさ・形状であればよく、搬送ベルト111bの移動速度、ガス供給量、圧力雰囲気等の処理条件から、必要な寸法が設定される。
【0101】
排気部V9bは、排気ノズルV9aに接続され、所定の排気速度・排気量・排気圧で処理領域140のガスを排気ノズルV9aから排気する。排気部V9bは、真空ポンプとされる。排気部V9bは、制御手段109に接続される。排気部V9bは、制御手段109によって排気速度・排気量・排気圧を制御される。ここで、排気速度・排気量・排気圧の制御は、ポンプの駆動状態や、排気弁の弁開度等を調整して制御される。
【0102】
搬送ベルト111bの移動方向における処理領域140の下流には、
図1,
図2に示すように、加熱搬出室101cの上流に排気領域143が配置される。
排気領域143では、搬送ベルト111bの上方に排気手段V10が配置される。排気手段V10は、排気ノズルV10aと、排気部V10bとを有する。
【0103】
排気ノズルV10aは、
図1,
図2に示すように、搬送ベルト111bの上面に対向して開口する。排気ノズルV10aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの上面と平行に配置される。排気ノズルV10aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送ベルト111bに載置された基板W上面と離間した高さに配置される。排気ノズルV10aの開口輪郭(開口縁部)は、給気ノズルP3aの開口輪郭(開口縁部)および排気ノズルV9aの開口輪郭(開口縁部)と同じ高さに配置されてもよい。また、排気ノズルV10aの開口輪郭(開口縁部)は、給気ノズルP3aの開口輪郭(開口縁部)および排気ノズルV9aの開口輪郭(開口縁部)と異なる高さでもよい。
ここで、給気ノズルP3aを挟んで互いに両側となる位置に配置される排気ノズルV9aと排気ノズルV10aとは、それぞれの開口輪郭(開口縁部)が同じ高さに配置されることが好ましい。
【0104】
排気ノズルV10aの開口輪郭は、平面視した排気領域143の輪郭を規定する。具体的には、排気ノズルV10aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの移動方向と直交する幅方向において、基板Wの寸法よりも大きく設定される。排気ノズルV10aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの移動方向と直交する幅方向において、給気ノズルP3aの寸法よりも大きく設定される。排気ノズルV10aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの移動方向と直交する幅方向において、排気ノズルV9aの寸法とほぼ等しく設定される。
また、排気ノズルV10aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの移動方向において、処理領域140の排気に必要な大きさ・形状であればよく、搬送ベルト111bの移動速度、ガス供給量、圧力雰囲気等の処理条件から、必要な寸法が設定される。
【0105】
排気部V10bは、排気ノズルV10aに接続され、所定の排気速度・排気量・排気圧で処理領域140のガスを排気ノズルV10aから排気する。排気部V10bは、真空ポンプとされる。排気部V10bは、制御手段109に接続される。排気部V10bは、制御手段109によって排気速度・排気量・排気圧を制御される。ここで、排気速度・排気量・排気圧の制御は、ポンプの駆動状態や、排気弁の弁開度等を調整して制御される。
【0106】
排気領域142および排気領域143は、排気手段V9および排気手段V10によって処理領域140を排気して、処理領域140に対して雰囲気圧力の設定可能とする。
【0107】
本実施形態の連続処理装置100には、
図1に示すように、処理室101bに圧力検出手段P0cが設けられる。圧力検出手段P0cは処理室101bの圧力を検出する。圧力検出手段P0cは制御手段109に接続される。圧力検出手段P0cは検出した圧力値を制御手段109に出力する。
【0108】
連続処理装置100には、処理領域120に圧力検出手段P1cが設けられる。圧力検出手段P1cは処理領域120の圧力を検出する。圧力検出手段P1cは制御手段109に接続される。圧力検出手段P1cは検出した圧力値を制御手段109に出力する。なお、圧力検出手段P1cは処理領域120の圧力を検出可能であれば、排気領域122,123に設けることもできる。
【0109】
連続処理装置100には、パージ領域130に圧力検出手段P2cが設けられる。圧力検出手段P2cはパージ領域130の圧力を検出する。圧力検出手段P2cは制御手段109に接続される。圧力検出手段P2cは検出した圧力値を制御手段109に出力する。なお、圧力検出手段P2cはパージ領域130の圧力を検出可能であれば、パージ排気領域132,133に設けることもできる。
【0110】
連続処理装置100には、処理領域140に圧力検出手段P3cが設けられる。圧力検出手段P3cは処理領域140の圧力を検出する。圧力検出手段P3cは制御手段109に接続される。圧力検出手段P3cは検出した圧力値を制御手段109に出力する。なお、圧力検出手段P3cは処理領域140の圧力を検出可能であれば、排気領域142,143に設けることもできる。
【0111】
以下、本実施形態の連続処理装置100における連続処理方法について説明する。
【0112】
まず、基板Wの移動について説明する。
本実施形態の連続処理装置100は、
図1,
図2に示すように、ロボットハンド100aなどの搬入手段によって外部から基板Wを搬入室101aに搬入し、搬入部103を密閉する。
【0113】
ロボットハンド100aは、搬入室101aの搬送ベルト部110aに載置される。搬送ベルト部110aは、制御手段109に制御された駆動部113aによって、駆動ローラ112aを介して駆動される。
【0114】
さらに、基板Wは、搬送ベルト部110aから搬送ベルト部110bへと受け渡される。搬送ベルト部110bは、搬送ベルト部110aと同様に、制御手段109に制御された駆動部113bによって、駆動ローラ112bを介して駆動される。
搬送ベルト部110bによって移動する基板Wは、処理室101bへと搬送される。
【0115】
処理室101bにおいては、基板Wは、排気領域122、処理領域120、排気領域123、パージ排気領域132、パージ領域130、パージ排気領域133、排気領域142、処理領域140、排気領域143、を順に移動してゆく。
【0116】
これら処理領域120、処理領域140を通過する間に連続処理がおこなわれる。処理領域120、処理領域140においては、基板Wはヒータ107によって温度が制御される。ヒータ107は、制御手段109によって連続処理に対応する温度状態に制御される。
【0117】
さらに、連続処理の終了した基板Wは、搬送ベルト部110bによって、加熱搬出室101cへと搬送される。加熱搬出室101cにおいては、搬送ベルト部110bから搬送ベルト部110cへと受け渡される。
【0118】
必要であれば、加熱搬出室101cにおいて、例えばランプユニットとされる加熱部106によって加熱される。
【0119】
一連の処理が終了した基板Wは、開放された搬出部104からロボットハンド100aなどの搬入手段によって外部へ搬出される。
【0120】
ここで、基板Wがチャンバ101に搬入された後で、一連の処理を開始する前に、全体排気手段を構成する排気ポンプP01、排気ポンプP02、排気ポンプP03によって、チャンバ101内が排気されて、所定の真空状態にまで排気される。搬入室101a、処理室101b、加熱搬出室101cは排気されて、高真空状態とされている。
【0121】
ここで、例えば排気ポンプP01,P02,P03は、圧力検出手段P0cの出力に基づいた制御手段109によって制御される。このとき、排気ポンプP01,P02,P03は、排気バルブ等の開度によってその排気速度が制御される。
この全体排気工程として、排気ポンプP01,P02,P03によるチャンバ101内の排気においては、所定の開度、例えば100%といった開度として排気ポンプP01,P02,P03によるチャンバ101内の排気がおこなわれる。
【0122】
次に、排気ポンプP01,P02,P03における排気バルブの開度として20%以下に設定する。つまり、処理領域120における基板Wへの処理前には、制御手段109が、全体排気手段の排気速度を全体排気工程よりも弱めるように駆動制御する。
【0123】
次に、排気手段V1および排気手段V2によって、排気領域122,123を排気する。このとき、制御手段109は、圧力検出手段P1cの出力に基づいて排気部V1b,V2bを駆動し、排気ノズルV1a,V2aから排気することで、排気領域122,123を排気する。排気領域122,123の排気により、これらに隣接する処理領域120が排気される。
【0124】
ここで、ガス供給手段P1から所定の処理ガスを処理領域120へと供給する。このとき、制御手段109はガス供給部P1bを駆動して、給気ノズルP1aから給気することで、処理領域120を、所定の処理ガス雰囲気とする。同時に、所定の圧力状態になるようにガス供給部P1bを制御する。
【0125】
具体的には、ガス供給手段P1から供給される処理ガスの流量は、排気手段V1および排気手段V2によって排気される排気量に対して、所定の範囲、具体的には、±10%以内となるように制御される。つまり、ガス供給手段P1の給気量と排気手段V1および排気手段V2の排気量とは、互いにほぼ等しく設定される。
【0126】
このとき、処理領域120における圧力変動は所定の範囲以内、具体的には、±10%以下となるように設定される。
なお、ガス供給手段P1から供給される処理ガスとしては、処理の内容によって適宜選択することができるが、例えば、ALD処理によって酸化アルミニウム膜を形成する場合には、TMA(トリメチルアルミニウム)とすることができる。
【0127】
次に、パージガス排気手段V5およびパージガス排気手段V6によって、パージ排気領域132,133を排気する。このとき、制御手段109は、圧力検出手段P2cの出力に基づいてパージ排気部V5b,V6bを駆動し、パージ排気ノズルV5a,V6aから排気することで、パージ排気領域132,133を排気する。パージ排気領域132,133の排気により、これらに隣接するパージ領域130が排気される。
【0128】
ここで、パージガス供給手段P2から所定のパージガスをパージ領域130へと供給する。このとき、制御手段109はパージガス供給部P2bを駆動して、パージガスノズルP2aから給気することで、パージ領域130を、所定のパージガスで充満された雰囲気とする。同時に、所定のパージガスの圧力状態になるようにパージガス供給部P2bを制御する。
【0129】
具体的には、パージガス供給手段P2から供給されるパージガスの流量は、パージガス排気手段V5およびパージガス排気手段V6によって排気される排気量に対して、所定の範囲、具体的には、±10%以内となるように制御される。つまり、パージガス供給手段P2の給気量とパージガス排気手段V5およびパージガス排気手段V6の排気量とは、互いにほぼ等しく設定される。
【0130】
このとき、パージ領域130における圧力変動は所定の範囲以内、具体的には、±10%以下となるように設定される。
なお、パージガス供給手段P2から供給されるパージガスとしては、処理の内容によって適宜選択することができるが、例えば、窒素ガス(N2ガス)とすることができる。あるいは、パージガス供給手段P2から供給されるパージガスとして、アルゴン等の不活性ガス等を選択することもできる。
【0131】
次に、排気手段V9および排気手段V10によって、排気領域142,143を排気する。このとき、制御手段109は、圧力検出手段P3cの出力に基づいて排気部V9b,V10bを駆動し、排気ノズルV9a,V10aから排気することで、排気領域142,143を排気する。排気領域142,143の排気により、これらに隣接する処理領域140が排気される。
【0132】
ここで、ガス供給手段P3から所定の処理ガスを処理領域140へと供給する。このとき、制御手段109はガス供給部P3bを駆動して、給気ノズルP3aから給気することで、処理領域140を、所定の処理ガス雰囲気とする。同時に、所定の圧力状態になるようにガス供給部P3bを制御する。
【0133】
具体的には、ガス供給手段P3から供給される処理ガスの流量は、排気手段V9および排気手段V10によって排気される排気量に対して、所定の範囲、具体的には、±10%以内となるように制御される。つまり、ガス供給手段P3の給気量と排気手段V9および排気手段V10の排気量とは、互いにほぼ等しく設定される。
【0134】
このとき、処理領域140における圧力変動は所定の範囲以内、具体的には、±10%以下となるように設定される。
なお、ガス供給手段P3から供給される処理ガスとしては、処理の内容によって適宜選択することができるが、例えば、ALD処理によって酸化アルミニウム膜を形成する場合には、ガス供給手段P1から供給されるTMA(トリメチルアルミニウム)に対応して、H2Oガスとすることができる。
【0135】
この状態で、所定の時間、処理ガス雰囲気を維持するように、基板Wを処理領域120および処理領域140内で移動させ、酸化アルミニウムとなる原子積層膜を単層で形成した後、加熱搬出室101cにおいて、例えばランプユニットとされる加熱部106によって基板Wを加熱して、酸化アルミニウム膜の改質をおこなう。
【0136】
さらに、必要な膜厚を得るために上記の連続処理を複数回繰り返す。具体的には、上記の連続処理装置100を複数連結して、上記の原子単層となる成膜を繰り返すことができる。この場合、一段の成膜が終了する加熱搬出室101cに、次の段の搬入室101aを連結することができる。あるいは、一段の成膜が終了する加熱搬出室101cに、次の段の処理室101bを連結することができる。
ここで、単層成膜に対する連続処理工程の前には、全体排気工程と、全体排気工程よりも全体排気手段を弱める工程とをおこなう。
【0137】
または、上記の連続処理装置100を連結することなく、単層成膜に対する連続処理工程が終了した後、ガス供給手段P1,P3からの処理ガス供給、および、パージガス供給手段P2からのパージガス供給を停止して、移動手段110を逆方向に駆動して、搬送ベルト111bに載置された基板Wを処理領域120へと戻して、次の段の成膜としての連続処理を開始することもできる。さらに、この場合には、必要回数連続処理を繰り返すことができる。
【0138】
本実施形態の連続処理装置100においては、処理領域120のガスが個別排気手段V1,V2によって排気領域122,123から排気されることで、処理領域120のガスが隣の処理領域140へと到達することを防止する。同時に、処理領域140のガスが個別排気手段V9,V10によって排気領域142,143から排気されることで、処理領域140のガスが隣の処理領域120へと到達することを防止する。
したがって、処理領域120および処理領域140において、それぞれコンタミネーションが発生することを防止できる。
【0139】
ここで、全体排気手段である排気ポンプP01,P02,P03によってチャンバ101全体を処理雰囲気とする全体排気工程における排気を、全体排気工程後に弱めて基板Wの処理をおこなうことで、処理領域120,140における排気速度を個別排気手段V1,V2,V9,V10によって主として設定することが可能となる。これにより、処理領域120,140においては個別排気手段V1,V2,V9,V10による排気を支配的として、全体排気手段P01,P02,P03が個別排気手段V1,V2,V9,V10による排気に干渉することを防止して、処理領域120,140の圧力を好適に設定することが可能となる。
【0140】
また、複数のガス供給手段P1およびガス供給手段P3の間である境界付近に、それぞれ個別排気手段V2,V9で排気する排気領域123,142を設けることで、処理領域120、処理領域140間でのコンタミネーション発生を防止することができる。ここで、基板Wの処理工程の実施中には、個別排気手段V2,V9による排気が支配的になるように全体排気手段P01,P02,P03の排気を制御手段109は制御することで、基板Wの処理中であってもチャンバ101内全体を排気する全体排気手段P01,P02,P03と個別排気手段V2,V9とが干渉して、処理領域120,140の圧力を制御することが難しくなることを回避することができる。
【0141】
また、それぞれのガス供給手段P1,P3から処理領域120,140毎に異なる処理ガスを給気しても、排気手段V1,V2,V9,V10によって隣の処理領域120,140に給気されたガスが侵入してしまうことを防止できる。したがって、異なる処理領域120,140で異なるガスを用いて連続的に処理をおこなう連続処理において、コンタミネーションを防止することが可能となる。特に、ALD(Atomic Layer Deposition;原子層堆積法)などの処理に適用した場合にコンタミネーションを防止して、膜特性の向上を図ることが可能となる。
【0142】
また、第1ガスの供給された第1処理領域120と、排気領域122,123と、第2ガスの供給された第2処理領域140と、排気領域142,143と、を順に基体が移動することで、異なるガスを順に供給することが必要な成膜処理、例えばALDによる成膜処理をおこなうことが可能となる。
【0143】
圧力検出手段P0c、P1cによって、処理領域120から排気領域122,123へと向かうガス流の状態を検出して、全体排気手段P01,P02,P03と個別排気手段V1,V2との駆動状態を適宜制御することが可能となる。同様に、圧力検出手段P0c、P3cによって、処理領域140から排気領域142,143へと向かうガス流の状態を検出して、全体排気手段P01,P02,P03と個別排気手段V9,V10との駆動状態を適宜制御することが可能となる。
【0144】
処理領域120,140におけるガス状態制御、つまり、全体排気手段P01,P02,P03と個別排気手段V1,V2,V9,V10との排気量あるいは排気速度のバランスを取り、処理領域120,140における圧力およびガス流の制御を確実におこなうことが可能となる。また、処理領域120,140におけるガス流およびガス圧力の変動に対応することもできる。
【0145】
パージ領域130によって、隣接する処理領域120と処理領域140とで異なるガスを用いて連続的に処理をおこなう連続処理であっても、パージガスが供給されてパージ排気領域132,133から排気されるパージ領域130を越えて、処理領域120,140のガスが互いに到達してしまうことを防止して、コンタミネーションの発生を防止することが可能となる。
【0146】
さらに、本実施形態においては、反応ガスの節減が可能となり、反応生成粉の発生を防止することができるという効果を奏することができる。
【0147】
なお、本実施形態においては、連続処理工程の前における全体排気工程に対して、全体排気工程よりも全体排気手段を弱める工程において、排気バルブの開度として20%以下に設定したが、80%~10%程度の範囲に設定することもできる。
さらに、全体排気手段における排気設定を、完全な遮断状態とすることもできる。
【0148】
また、全体排気手段を弱める工程において、個別排気手段V1~V10等の排気速度を強くすることもできる。
【0149】
以下、本発明に係る連続処理装置の第2実施形態を、図面に基づいて説明する。
図3は、本実施形態における連続処理装置を示す模式側面図である。本実施形態において、上述した第1実施形態と異なるのは、基体およびその移動手段に関する点である。
【0150】
本実施形態に係る連続処理装置200は、可撓性を有する長尺のフィルム(基体)Fを連続して処理可能なものとされる。
本実施形態に係る連続処理装置200は、
図3に示すように、チャンバ201と、搬送部(移動手段)210と、処理領域220と、パージ領域230と、処理領域240と、制御手段209と、を有する。
【0151】
チャンバ201は、
図3に示すように、真空状態に密閉可能であり、搬入室(巻き出し室)201aと、処理室201bと、加熱搬出室(巻き取り室)201cと、を有する。これら搬入室201aと処理室201bと加熱搬出室201cとは、互いにフィルム(基体)Fが移動可能に連通している。搬入室201aと処理室201bとの間には、フィルムFが移動可能な開口202aを有する隔壁202が設けられる。処理室201bと加熱搬出室201cとの間には、フィルムFが移動可能な開口205aを有する隔壁205が設けられる。
【0152】
また、加熱搬出室201cには、例えばランプユニットとされる加熱部206が設けられて加熱可能とされる。加熱部206は制御手段209に接続される。加熱部206は、制御手段209によって制御される。
【0153】
搬送部(移動手段)210は、
図3に示すように、搬入室201aと処理室201bと加熱搬出室201cとに亘ってフィルムFを搬送する。搬送部210は、搬入室(巻き出し室)201aの送り出す送り出し部211と、加熱搬出室201cの巻き取り部212と、を有する。
【0154】
送り出す送り出し部211は、搬入室(巻き出し室)201a内に設けられる。送り出し部211は、フィルムFを巻き取られた状態から処理室201bへと送り出す。
巻き取り部212は、加熱搬出室201c内に設けられる。巻き取り部212は、処理が終了して処理室201bから移動してきたフィルムFを巻き取って収納する。
【0155】
搬送部(移動手段)210は、フィルムFの巻回された送り出し部211と巻き取り部212とによって、フィルムFを処理室201b内で搬送する。
送り出し部211と巻き取り部212とは駆動部213によって駆動される。駆動部213は制御手段209に接続される。駆動部213は、制御手段209によって制御される。
送り出し部211と巻き取り部212とは、フィルムFの移動方向と直交する回転軸線を有するローラとされる。
【0156】
搬送部(移動手段)210によって移動されるフィルムFは、その上面が面一となるように配置される。搬送部(移動手段)210によって移動されるフィルムFは、その上面に処理をおこなう。
送り出し部211と巻き取り部212とは、連動して、搬入室201aと処理室201bと加熱搬出室201cとに亘ってフィルムFを移動可能である。
【0157】
搬送部210によってフィルムFは、隔壁202の開口202aを貫通する。搬送部210によってフィルムFは、隔壁205の開口205aを貫通する。
【0158】
搬送部(移動手段)210には、処理室201bで搬送されるフィルムFの下方で近接する位置にヒータ207が配置される。ヒータ207は、処理領域220,240においてフィルムFを加熱可能とされている。ヒータ207は、平面視して処理領域220,240を含む範囲を加熱可能に配置される。ヒータ207は制御手段209に接続される。ヒータ207は、制御手段209によって制御される。
【0159】
搬入室201aには、
図3に示すように、排気ポンプP01が設けられる。搬入室201aは排気ポンプP01によって排気される。排気ポンプP01は、ゲートバルブを介して搬入室201aに接続される。排気ポンプP01は制御手段209に接続される。排気ポンプP01は、制御手段209によって制御される。
【0160】
処理室201bには、排気ポンプP02が設けられる。処理室201bは排気ポンプP02によって排気される。排気ポンプP02は、ゲートバルブを介して処理室201bに接続される。排気ポンプP02は制御手段209に接続される。排気ポンプP02は、制御手段209によって制御される。
【0161】
加熱搬出室201cには、
図3に示すように、排気ポンプP03が設けられる。加熱搬出室201cは排気ポンプP03によって排気される。排気ポンプP03は、ゲートバルブを介して加熱搬出室201cに接続される。排気ポンプP03は制御手段209に接続される。排気ポンプP03は、制御手段209によって制御される。
【0162】
排気ポンプP01、排気ポンプP02、排気ポンプP03によって、チャンバ201内が排気される。排気ポンプP01、排気ポンプP02、排気ポンプP03は、全体排気手段を構成する。
【0163】
処理室201bにおいて、フィルムFの上方には、処理領域220と、パージ領域230と、処理領域240と、が設定される。処理領域220と、パージ領域230と、処理領域240と、は、送り出し部211から巻き取り部212へと向かう平面状のフィルムFに沿って、このフィルムFの移動方向にしたがって隣接する。
【0164】
送り出し部211から巻き取り部212へと向かうフィルムFの移動方向で、処理領域220の下流には、
図3に示すように、パージ領域230が配置される。フィルムFの移動方向で、パージ領域230の下流には処理領域240が配置される。
【0165】
処理領域(第1処理領域)220では、
図3に示すように、搬送されるフィルムFの上方にガス供給手段(処理手段)P1が配置される。ガス供給手段(処理手段)P1は、給気ノズルP1aと、ガス供給部P1bとを有する。
【0166】
給気ノズルP1aは、
図3に示すように、搬送されるフィルムFの上面に対向して開口する。給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムFの上面と平行に配置される。給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムF上面と離間した高さに配置される。
【0167】
給気ノズルP1aの開口は、単一または複数の開口部を有する枠状とされてもよい。また、給気ノズルP1aの開口は、多数の細かい噴出孔が設けられた板体とされてもよい。さらに、処理領域220へのガス供給を均等にするための機構を有していてもよい。
【0168】
給気ノズルP1aの開口輪郭は、平面視した処理領域220の輪郭を規定する。具体的には、給気ノズルP1aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する幅方向において、フィルムFの幅寸法よりも大きく設定される。
また、給気ノズルP1aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向において、フィルムFの処理に必要な時間と、搬送されるフィルムFの移動速度との兼ね合い等の処理条件から、必要な寸法が設定される。
【0169】
ガス供給部P1bは、給気ノズルP1aに接続され、所定の流量・圧力で貯留されたガス(第1ガス)を給気ノズルP1aに供給する。ガス供給部P1bは、制御手段209に接続される。ガス供給部P1bは、制御手段209によって制御される。
【0170】
搬送されるフィルムFの移動方向における処理領域220の上流には、
図3に示すように、排気領域222が配置される。
排気領域222では、搬送されるフィルムFの上方に排気手段(個別排気手段)V1が配置される。排気手段V1は、排気ノズルV1aと、排気部V1bとを有する。
【0171】
排気ノズルV1aは、
図3に示すように、搬送されるフィルムFの上面に対向して開口する。排気ノズルV1aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの上面と平行に配置される。排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムF上面と離間した高さに配置される。排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)は、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)と同じ高さに配置されてもよい。また、排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)は、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)と異なる高さでもよい。
【0172】
排気ノズルV1aの開口輪郭は、平面視した排気領域222の輪郭を規定する。具体的には、排気ノズルV1aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する幅方向において、フィルムFの幅寸法よりも大きく設定される。排気ノズルV1aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する幅方向において、給気ノズルP1aの寸法よりも大きく設定される。
【0173】
また、排気ノズルV1aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向において、処理領域220の排気に必要な大きさ・形状であればよく、搬送されるフィルムFの移動速度、ガス供給量、圧力雰囲気等の処理条件から、必要な寸法が設定される。
【0174】
排気部V1bは、排気ノズルV1aに接続され、所定の排気速度・排気量・排気圧で処理領域220のガスを排気ノズルV1aから排気する。排気部V1bは、真空ポンプとされる。排気部V1bは、制御手段209に接続される。排気部V1bは、制御手段209によって排気速度・排気量・排気圧を制御される。ここで、排気速度・排気量・排気圧の制御は、ポンプの駆動状態や、排気弁の弁開度等を調整して制御される。
【0175】
搬送されるフィルムFの移動方向における処理領域220の下流には、
図3に示すように、パージ領域230の上流に排気領域223が配置される。
排気領域223では、搬送されるフィルムFの上方に排気手段(個別排気手段)V2が配置される。排気手段V2は、排気ノズルV2aと、排気部V2bとを有する。
【0176】
排気ノズルV2aは、
図3に示すように、搬送されるフィルムFの上面に対向して開口する。排気ノズルV2aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの上面と平行に配置される。排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムF上面と離間した高さに配置される。排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)は、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)および排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)と同じ高さに配置されてもよい。また、排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)は、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)および排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)と異なる高さでもよい。
【0177】
排気ノズルV2aの開口輪郭は、平面視した排気領域223の輪郭を規定する。具体的には、排気ノズルV2aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する幅方向において、フィルムFの幅寸法よりも大きく設定される。排気ノズルV2aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する幅方向において、給気ノズルP1aの寸法よりも大きく設定される。
【0178】
排気ノズルV2aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する幅方向において、排気ノズルV1aの寸法とほぼ等しく設定される。
また、排気ノズルV2aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向において、処理領域220の排気に必要な大きさ・形状であればよく、搬送されるフィルムFの移動速度、ガス供給量、圧力雰囲気等の処理条件から、必要な寸法が設定される。
【0179】
排気部V2bは、排気ノズルV2aに接続され、所定の排気速度・排気量・排気圧で処理領域220のガスを排気ノズルV2aから排気する。排気部V2bは、真空ポンプとされる。排気部V2bは、制御手段209に接続される。排気部V2bは、制御手段209によって排気速度・排気量・排気圧を制御される。ここで、排気速度・排気量・排気圧の制御は、ポンプの駆動状態や、排気弁の弁開度等を調整して制御される。
【0180】
排気領域222および排気領域223は、排気手段V1および排気手段V2によって処理領域220を排気して、処理領域220に対する雰囲気圧力の設定を可能とする。
【0181】
パージ領域230においては、
図3に示すように、搬送されるフィルムFの上方にパージガス供給手段P2が配置される。パージガス供給手段P2は、パージガスノズルP2aと、パージガス供給部P2bとを有する。
【0182】
パージガスノズルP2aは、
図3に示すように、搬送されるフィルムFの上面に対向して開口する。パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムFの上面と平行に配置される。パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムF上面と離間した高さに配置される。
パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)は、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)、排気ノズルV1a(開口縁部)、排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)の開口輪郭と同じ高さに配置されてもよい。また、パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)は、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)、排気ノズルV1a(開口縁部)、排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)の開口輪郭と異なる高さでもよい。
【0183】
パージガスノズルP2aの開口は、単一または複数の開口部を有する枠状とされてもよい。また、パージガスノズルP2aの開口は、多数の細かい噴出孔が設けられた板体とされてもよい。さらに、パージ領域230へのガス供給を均等にするための機構を有していてもよい。
【0184】
パージガスノズルP2aの開口輪郭は、平面視したパージ領域230の輪郭を規定する。具体的には、パージガスノズルP2aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する幅方向において、フィルムFの寸法よりも大きく設定される。パージガスノズルP2aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する幅方向において、給気ノズルP1aの寸法とほぼ同じかこれよりも大きく設定される。
【0185】
パージガスノズルP2aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する幅方向において、排気ノズルV1aおよび排気ノズルV2aの寸法とほぼ等しいかこれよりも大きく設定される。
また、パージガスノズルP2aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向において、搬送されるフィルムFの移動速度に関連する処理条件と、処理領域220と処理領域240とに対するガスの遮断に必要なパージガスの量とから、必要な寸法が設定される。
【0186】
パージガス供給部P2bは、パージガスノズルP2aに接続され、所定の流量・圧力で貯留されたパージガスをパージガスノズルP2aに供給する。パージガス供給部P2bは、制御手段209に接続される。パージガス供給部P2bは、制御手段209によって制御される。
【0187】
搬送されるフィルムFの移動方向におけるパージ領域230の上流には、
図3に示すように、排気領域223の下流にパージ排気領域(排気領域)232が配置される。
パージ排気領域(排気領域)232では、搬送されるフィルムFの上方にパージガス排気手段V5が配置される。パージガス排気手段V5は、パージ排気ノズルV5aと、パージ排気部V5bとを有する。
【0188】
パージ排気ノズルV5aは、
図3に示すように、搬送されるフィルムFの上面に対向して開口する。パージ排気ノズルV5aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの上面と平行に配置される。パージ排気ノズルV5aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムF上面と離間した高さに配置される。パージ排気ノズルV5aの開口輪郭(開口縁部)は、給気ノズルP1aの開口輪郭と排気ノズルV1aの開口輪郭と排気ノズルV2aの開口輪郭とパージガスノズルP2aの開口輪郭と同じ高さに配置されてもよい。また、パージ排気ノズルV5aの開口輪郭(開口縁部)は、給気ノズルP1aの開口輪郭と排気ノズルV1aの開口輪郭と排気ノズルV2aの開口輪郭とパージガスノズルP2aの開口輪郭と異なる高さでもよい。
【0189】
パージ排気ノズルV5aの開口輪郭は、平面視したパージ排気領域232の輪郭を規定する。具体的には、パージ排気ノズルV5aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する幅方向において、フィルムFの寸法よりも大きく設定される。パージ排気ノズルV5aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する幅方向において、パージガスノズルP2aの寸法よりも大きく設定される。
【0190】
パージ排気ノズルV5aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する幅方向において、給気ノズルP1aの寸法よりも大きく設定される。パージガスノズルP2aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する幅方向において、排気ノズルV1aおよび排気ノズルV2aの寸法とほぼ等しいかこれよりも大きく設定される。
【0191】
また、パージ排気ノズルV5aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向において、パージ排気領域232の排気に必要な大きさ・形状であればよく、搬送されるフィルムFの移動速度、パージガス供給量、処理領域220とパージ領域230との圧力差等の条件から、必要な寸法が設定される。
【0192】
パージ排気部V5bは、パージ排気ノズルV5aに接続され、所定の排気速度・排気量・排気圧でパージ領域230のパージガスをパージ排気ノズルV5aから排気する。パージ排気部V5bは、真空ポンプとされる。パージ排気部V5bは、制御手段209に接続される。パージ排気部V5bは、制御手段209によって排気速度・排気量・排気圧を制御される。ここで、排気速度・排気量・排気圧の制御は、ポンプの駆動状態や、排気弁の弁開度等を調整して制御される。
【0193】
搬送されるフィルムFの移動方向におけるパージ領域230の下流には、
図3に示すように、処理領域240の上流にパージ排気領域233が配置される。
パージ排気領域233では、搬送されるフィルムFの上方にパージガス排気手段V6が配置される。パージガス排気手段V6は、パージ排気ノズルV6aと、パージ排気部V6bとを有する。
【0194】
パージ排気ノズルV6aは、
図3に示すように、搬送されるフィルムFの上面に対向して開口する。パージ排気ノズルV6aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの上面と平行に配置される。パージ排気ノズルV6aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムF上面と離間した高さに配置される。
【0195】
パージ排気ノズルV6aの開口輪郭(開口縁部)は、パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)、パージ排気ノズルV5aの開口輪郭(開口縁部)と同じ高さに配置されてもよい。また、パージ排気ノズルV6aの開口輪郭(開口縁部)は、パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)、パージ排気ノズルV5aの開口輪郭(開口縁部)と異なる高さでもよい。
パージ排気ノズルV6aの開口輪郭(開口縁部)は、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)、排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)と、排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)と同じ高さに配置されてもよい。また、パージ排気ノズルV6aの開口輪郭(開口縁部)は、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)、排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)と、排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)と異なる高さでもよい。
【0196】
パージ排気ノズルV6aの開口輪郭は、平面視したパージ排気領域233の輪郭を規定する。具体的には、パージ排気ノズルV6aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する幅方向において、フィルムFの寸法よりも大きく設定される。パージ排気ノズルV6aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する幅方向において、パージガスノズルP2aの寸法よりも大きく設定される。
【0197】
パージ排気ノズルV6aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する幅方向において、パージ排気ノズルV5aの寸法とほぼ等しく設定される。
また、パージ排気ノズルV6aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向において、パージ排気領域233の排気に必要な大きさ・形状であればよく、搬送されるフィルムFの移動速度、パージガス供給量、処理領域240とパージ領域230との圧力差等の条件から、必要な寸法が設定される。
【0198】
パージ排気部V6bは、パージ排気ノズルV6aに接続され、所定の排気速度・排気量・排気圧でパージ排気領域233のガスをパージ排気ノズルV6aから排気する。パージ排気部V6bは、真空ポンプとされる。パージ排気部V6bは、制御手段209に接続される。パージ排気部V6bは、制御手段209によって排気速度・排気量・排気圧を制御される。ここで、排気速度・排気量・排気圧の制御は、ポンプの駆動状態や、排気弁の弁開度等を調整して制御される。
【0199】
パージ排気領域232およびパージ排気領域233は、パージガス排気手段V5およびパージガス排気手段V6によってパージ領域230を排気して、パージ領域230に対して雰囲気圧力の設定可能とする。
【0200】
処理領域(第2処理領域)240においては、
図3に示すように、搬送されるフィルムFの上方にガス供給手段(処理手段)P3が配置される。ガス供給手段(処理手段)P3は、給気ノズルP3aと、ガス供給部P3bとを有する。
ガス供給手段(処理手段)P3は、ガス供給手段(処理手段)P1と異なるガスを供給可能である。
【0201】
給気ノズルP3aは、
図3に示すように、搬送されるフィルムFの上面に対向して開口する。給気ノズルP3aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムFの上面と平行に配置される。給気ノズルP3aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムF上面と離間した高さに配置される。給気ノズルP3aの開口輪郭(開口縁部)は、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)とほぼ同じ高さに配置されてもよい。また、給気ノズルP3aの開口輪郭(開口縁部)は、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)と異なる高さでもよい。
【0202】
給気ノズルP3aの開口は、単一または複数の開口部を有する枠状とされてもよい。また、給気ノズルP3aの開口は、多数の細かい噴出孔が設けられた板体とされてもよい。さらに、処理領域240へのガス供給を均等にするための機構を有していてもよい。
【0203】
給気ノズルP3aの開口輪郭は、平面視した処理領域240の輪郭を規定する。具体的には、給気ノズルP3aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する幅方向において、フィルムFの幅寸法よりも大きく設定される。給気ノズルP3aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する幅方向において、給気ノズルP1aの開口輪郭とほぼ等しく設定される。
また、給気ノズルP3aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向において、フィルムFの処理に必要な時間と、搬送されるフィルムFの移動速度との兼ね合い等の処理条件から、必要な寸法が設定される。
【0204】
ガス供給部P3bは、給気ノズルP3aに接続され、所定の流量・圧力で貯留されたガス(第2ガス)を給気ノズルP3aに供給する。ガス供給部P3bは、制御手段209に接続される。ガス供給部P3bは、制御手段209によって制御される。
【0205】
搬送されるフィルムFの移動方向における処理領域240の上流には、
図3に示すように、パージ排気領域233の下流に排気領域242が配置される。
排気領域242では、搬送されるフィルムFの上方に排気手段(個別排気手段)V9が配置される。排気手段V9は、排気ノズルV9aと、排気部V9bとを有する。
【0206】
排気ノズルV9aは、
図3に示すように、搬送されるフィルムFの上面に対向して開口する。排気ノズルV9aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの上面と平行に配置される。排気ノズルV9aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムF上面と離間した高さに配置される。排気ノズルV9aの開口輪郭(開口縁部)は、給気ノズルP3aの開口輪郭(開口縁部)と同じ高さに配置されてもよい。また、排気ノズルV9aの開口輪郭(開口縁部)は、給気ノズルP3aの開口輪郭(開口縁部)と異なる高さでもよい。
【0207】
排気ノズルV9aの開口輪郭は、平面視した排気領域242の輪郭を規定する。具体的には、排気ノズルV9aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する幅方向において、フィルムFの幅寸法よりも大きく設定される。排気ノズルV9aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する幅方向において、給気ノズルP3aの寸法よりも大きく設定される。
また、排気ノズルV9aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向において、処理領域240の排気に必要な大きさ・形状であればよく、搬送されるフィルムFの移動速度、ガス供給量、圧力雰囲気等の処理条件から、必要な寸法が設定される。
【0208】
排気部V9bは、排気ノズルV9aに接続され、所定の排気速度・排気量・排気圧で処理領域240のガスを排気ノズルV9aから排気する。排気部V9bは、真空ポンプとされる。排気部V9bは、制御手段209に接続される。排気部V9bは、制御手段209によって排気速度・排気量・排気圧を制御される。ここで、排気速度・排気量・排気圧の制御は、ポンプの駆動状態や、排気弁の弁開度等を調整して制御される。
【0209】
搬送されるフィルムFの移動方向における処理領域240の下流には、
図3に示すように、加熱搬出室201cの上流に排気領域243が配置される。
排気領域243では、搬送されるフィルムFの上方に排気手段V10が配置される。排気手段V10は、排気ノズルV10aと、排気部V10bとを有する。
【0210】
排気ノズルV10aは、
図3に示すように、搬送されるフィルムFの上面に対向して開口する。排気ノズルV10aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの上面と平行に配置される。排気ノズルV10aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムF上面と離間した高さに配置される。排気ノズルV10aの開口輪郭(開口縁部)は、給気ノズルP3aの開口輪郭(開口縁部)および排気ノズルV9aの開口輪郭(開口縁部)と同じ高さに配置されてもよい。また、排気ノズルV10aの開口輪郭(開口縁部)は、給気ノズルP3aの開口輪郭(開口縁部)および排気ノズルV9aの開口輪郭(開口縁部)と異なる高さでもよい。
【0211】
排気ノズルV10aの開口輪郭は、平面視した排気領域243の輪郭を規定する。具体的には、排気ノズルV10aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する幅方向において、フィルムFの幅寸法よりも大きく設定される。排気ノズルV10aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する幅方向において、給気ノズルP3aの寸法よりも大きく設定される。排気ノズルV10aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する幅方向において、排気ノズルV9aの寸法とほぼ等しく設定される。
また、排気ノズルV10aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向において、処理領域240の排気に必要な大きさ・形状であればよく、フィルムFの移動速度、ガス供給量、圧力雰囲気等の処理条件から、必要な寸法が設定される。
【0212】
排気部V10bは、排気ノズルV10aに接続され、所定の排気速度・排気量・排気圧で処理領域240のガスを排気ノズルV10aから排気する。排気部V10bは、真空ポンプとされる。排気部V10bは、制御手段209に接続される。排気部V10bは、制御手段209によって排気速度・排気量・排気圧を制御される。ここで、排気速度・排気量・排気圧の制御は、ポンプの駆動状態や、排気弁の弁開度等を調整して制御される。
【0213】
排気領域242および排気領域243は、排気手段V9および排気手段V10によって処理領域240を排気して、処理領域240に対して雰囲気圧力の設定可能とする。
【0214】
本実施形態の連続処理装置200には、
図3に示すように、処理室201bに圧力検出手段P0cが設けられる。圧力検出手段P0cは処理室201bの圧力を検出する。圧力検出手段P0cは制御手段209に接続される。圧力検出手段P0cは検出した圧力値を制御手段209に出力する。
【0215】
連続処理装置200には、処理領域220に圧力検出手段P1cが設けられる。圧力検出手段P1cは処理領域220の圧力を検出する。圧力検出手段P1cは制御手段209に接続される。圧力検出手段P1cは検出した圧力値を制御手段209に出力する。なお、圧力検出手段P1cは処理領域220の圧力を検出可能であれば、排気領域222,223に設けることもできる。
【0216】
連続処理装置200には、パージ領域230に圧力検出手段P2cが設けられる。圧力検出手段P2cはパージ領域230の圧力を検出する。圧力検出手段P2cは制御手段209に接続される。圧力検出手段P2cは検出した圧力値を制御手段209に出力する。なお、圧力検出手段P2cはパージ領域230の圧力を検出可能であれば、パージ排気領域232,233に設けることもできる。
【0217】
連続処理装置200には、処理領域240に圧力検出手段P3cが設けられる。圧力検出手段P3cは処理領域240の圧力を検出する。圧力検出手段P3cは制御手段209に接続される。圧力検出手段P3cは検出した圧力値を制御手段209に出力する。なお、圧力検出手段P3cは処理領域240の圧力を検出可能であれば、排気領域242,243に設けることもできる。
【0218】
以下、本実施形態の連続処理装置200における連続処理方法について説明する。
【0219】
まず、フィルムFの移動について説明する。
本実施形態の連続処理装置200は、
図3に示すように、外部から巻回されたフィルムFを搬入室201aに搬入し、送り出し部211としてセットする。
また、フィルムFの先端部を、処理室201bを通して、加熱搬出室201cの巻き取り部212へと巻回可能にセットする。
【0220】
セットの完了したフィルムFは、送り出し部211と巻き取り部212とによって移動される。送り出し部211と巻き取り部212との駆動は、制御手段209によって同期して制御される。
【0221】
フィルムFは、処理室201bにおいて、排気領域222、処理領域220、排気領域223、パージ排気領域232、パージ領域230、パージ排気領域233、排気領域242、処理領域240、排気領域243、を順に移動してゆく。
【0222】
これら処理領域220、処理領域240を通過する間にフィルムFに連続処理がおこなわれる。処理領域220、処理領域240においては、フィルムFはヒータ207によって温度が制御される。ヒータ207は、制御手段209によって連続処理に対応する温度状態に制御される。
【0223】
さらに、連続処理の終了したフィルムFは、加熱搬出室201cにおいては、巻き取り部212に巻き取られる。
必要であれば、加熱搬出室201cにおいて、巻き取り部212に巻き取られる前に、例えばランプユニットとされる加熱部206によって加熱される。あるいは、加熱搬出室201cにおいて、巻き取り部212に巻き取られる際に、フィルムFは、例えばランプユニットとされる加熱部206によって加熱される。
【0224】
一連の処理が終了したフィルムFは、巻き取られた状態で外部へ搬出される。
【0225】
ここで、フィルムFがセットされてチャンバ201が密閉された後で、一連の処理を開始する前に、全体排気手段を構成する排気ポンプP01、排気ポンプP02、排気ポンプP03によって、チャンバ201内が排気されて、所定の真空状態にまで排気される。搬入室201a、処理室201b、加熱搬出室201cは排気されて、高真空状態とされている。
【0226】
ここで、例えば排気ポンプP01,P02,P03は、圧力検出手段P0cの出力に基づいた制御手段209によって制御される。このとき、排気ポンプP01,P02,P03は、排気バルブ等の開度によってその排気速度が制御される。
この全体排気工程として、排気ポンプP01,P02,P03によるチャンバ201内の排気においては、所定の開度、例えば100%といった開度として排気ポンプP01,P02,P03によるチャンバ201内の排気がおこなわれる。
【0227】
次に、排気ポンプP01,P02,P03における排気バルブの開度として20%以下に設定する。つまり、処理領域220におけるフィルムFへの処理前には、制御手段209が、全体排気手段の排気速度を全体排気工程よりも弱めるように駆動制御する。
【0228】
次に、排気手段V1および排気手段V2によって、排気領域222,223を排気する。このとき、制御手段209は、圧力検出手段P1cの出力に基づいて排気部V1b,V2bを駆動し、排気ノズルV1a,V2aから排気することで、排気領域222,223を排気する。排気領域222,223の排気により、これらに隣接する処理領域220が排気される。
【0229】
ここで、ガス供給手段P1から所定の処理ガスを処理領域220へと供給する。このとき、制御手段209はガス供給部P1bを駆動して、給気ノズルP1aから給気することで、処理領域220を、所定の処理ガス雰囲気とする。同時に、所定の圧力状態になるようにガス供給部P1bを制御する。
【0230】
具体的には、ガス供給手段P1から供給される処理ガスの流量は、排気手段V1および排気手段V2によって排気される排気量に対して、所定の範囲、具体的には、±10%以内となるように制御される。つまり、ガス供給手段P1の給気量と排気手段V1および排気手段V2の排気量とは、互いにほぼ等しく設定される。
【0231】
このとき、処理領域220における圧力変動は所定の範囲以内、具体的には、±10%以下となるように設定される。
なお、ガス供給手段P1から供給される処理ガスとしては、処理の内容によって適宜選択することができるが、例えば、ALD処理によって酸化アルミニウム膜を形成する場合には、TMA(トリメチルアルミニウム)とすることができる。
【0232】
次に、パージガス排気手段V5およびパージガス排気手段V6によって、パージ排気領域232,233を排気する。このとき、制御手段209は、圧力検出手段P2cの出力に基づいてパージ排気部V5b,V6bを駆動し、パージ排気ノズルV5a,V6aから排気することで、パージ排気領域232,233を排気する。パージ排気領域232,233の排気により、これらに隣接するパージ領域230が排気される。
【0233】
ここで、パージガス供給手段P2から所定のパージガスをパージ領域230へと供給する。このとき、制御手段209はパージガス供給部P2bを駆動して、パージガスノズルP2aから給気することで、パージ領域230を、所定のパージガスで充満された雰囲気とする。同時に、所定のパージガスの圧力状態になるようにパージガス供給部P2bを制御する。
【0234】
具体的には、パージガス供給手段P2から供給されるパージガスの流量は、パージガス排気手段V5およびパージガス排気手段V6によって排気される排気量に対して、所定の範囲、具体的には、±10%以内となるように制御される。つまり、パージガス供給手段P2の給気量とパージガス排気手段V5およびパージガス排気手段V6の排気量とは、互いにほぼ等しく設定される。
【0235】
このとき、パージ領域230における圧力変動は所定の範囲以内、具体的には、±10%以下となるように設定される。
なお、パージガス供給手段P2から供給されるパージガスとしては、処理の内容によって適宜選択することができるが、例えば、窒素ガス(N2ガス)とすることができる。あるいは、パージガス供給手段P2から供給されるパージガスとして、アルゴン等の不活性ガス等を選択することもできる。
【0236】
次に、排気手段V9および排気手段V10によって、排気領域242,243を排気する。このとき、制御手段209は、圧力検出手段P3cの出力に基づいて排気部V9b,V10bを駆動し、排気ノズルV9a,V10aから排気することで、排気領域242,243を排気する。排気領域242,243の排気により、これらに隣接する処理領域240が排気される。
【0237】
ここで、ガス供給手段P3から所定の処理ガスを処理領域240へと供給する。このとき、制御手段209はガス供給部P3bを駆動して、給気ノズルP3aから給気することで、処理領域240を、所定の処理ガス雰囲気とする。同時に、所定の圧力状態になるようにガス供給部P3bを制御する。
【0238】
具体的には、ガス供給手段P3から供給される処理ガスの流量は、排気手段V9および排気手段V10によって排気される排気量に対して、所定の範囲、具体的には、±10%以内となるように制御される。つまり、ガス供給手段P3の給気量と排気手段V9および排気手段V10の排気量とは、互いにほぼ等しく設定される。
【0239】
このとき、処理領域240における圧力変動は所定の範囲以内、具体的には、±10%以下となるように設定される。
なお、ガス供給手段P3から供給される処理ガスとしては、処理の内容によって適宜選択することができるが、例えば、ALD処理によって酸化アルミニウム膜を形成する場合には、ガス供給手段P1から供給されるTMA(トリメチルアルミニウム)に対応して、H2Oガスとすることができる。
【0240】
この状態で、所定の時間、処理ガス雰囲気を維持するように、フィルムFを処理領域220および処理領域240内で移動させ、酸化アルミニウムとなる原子積層膜を単層で形成した後、加熱搬出室201cにおいて、例えばランプユニットとされる加熱部206によってフィルムFを加熱して、酸化アルミニウム膜の改質をおこなう。
【0241】
さらに、必要な膜厚を得るために上記の連続処理を複数回繰り返す。この場合、上記の連続処理装置200において、送り出し部211と巻き取り部212とを入れ替えて、上記の原子単層となる成膜を繰り返すことができる。
ここで、単層成膜に対する連続処理工程の前には、全体排気工程と、全体排気工程よりも全体排気手段を弱める工程とをおこなう。
【0242】
または、上記の連続処理装置200を連結することなく、単層成膜に対する連続処理工程が終了した後、ガス供給手段P1,P3からの処理ガス供給、および、パージガス供給手段P2からのパージガス供給を停止して、移動手段210である送り出し部211と巻き取り部212とを逆方向に駆動して、処理領域220と処理領域240とで供給するガスを入れ替えることもできる。さらに、この場合には、必要回数連続処理を繰り返すことができる。
【0243】
本実施形態の連続処理装置200においては、処理領域220のガスが個別排気手段V1,V2によって排気領域222,223から排気されることで、処理領域220のガスが隣の処理領域240へと到達することを防止する。同時に、処理領域240のガスが個別排気手段V9,V10によって排気領域242,243から排気されることで、処理領域240のガスが隣の処理領域220へと到達することを防止する。
したがって、処理領域220および処理領域240において、それぞれコンタミネーションが発生することを防止できる。
【0244】
ここで、全体排気手段である排気ポンプP01,P02,P03によってチャンバ201全体を処理雰囲気圧力とする全体排気工程における排気を、全体排気工程後に弱めてフィルムFの処理をおこなうことで、処理領域220,240における排気速度を個別排気手段V1,V2,V9,V10によって主として設定することが可能となる。これにより、処理領域220,240においては個別排気手段V1,V2,V9,V10による排気を支配的として、全体排気手段P01,P02,P03が個別排気手段V1,V2,V9,V10による排気に干渉することを防止して、処理領域220,240の圧力を好適に設定することが可能となる。
【0245】
また、複数のガス供給手段P1およびガス供給手段P3の間である境界付近に、それぞれ個別排気手段V2,V9で排気する排気領域223,242を設けることで、処理領域220、処理領域240間でのコンタミネーション発生を防止することができる。ここで、フィルムFの処理工程の実施中には、個別排気手段V2,V9による排気が支配的になるように全体排気手段P01,P02,P03の排気を制御手段209は制御することで、フィルムFの処理中であってもチャンバ201内全体を排気する全体排気手段P01,P02,P03と個別排気手段V2,V9とが干渉して、処理領域220,240の圧力を制御することが難しくなることを回避することができる。
【0246】
また、それぞれのガス供給手段P1,P3から処理領域220,240毎に異なる処理ガスを給気しても、排気手段V1,V2,V9,V10によって隣の処理領域220,240に給気されたガスが侵入してしまうことを防止できる。したがって、異なる処理領域220,240で異なるガスを用いて連続的に処理をおこなう連続処理において、コンタミネーションを防止することが可能となる。特に、ALD(Atomic Layer Deposition;原子層堆積法)などの処理に適用した場合にコンタミネーションを防止して、膜特性の向上を図ることが可能となる。
【0247】
また、第1ガスの供給された第1処理領域220と、排気領域222,223と、第2ガスの供給された第2処理領域240と、排気領域242,243と、を順に基体が移動することで、異なるガスを順に供給することが必要な成膜処理、例えばALDによる成膜処理をおこなうことが可能となる。
【0248】
圧力検出手段P0c、P1cによって、処理領域220から排気領域222,223へと向かうガス流の状態を検出して、全体排気手段P01,P02,P03と個別排気手段V1,V2との駆動状態を適宜制御することが可能となる。同様に、圧力検出手段P0c、P3cによって、処理領域240から排気領域242,243へと向かうガス流の状態を検出して、全体排気手段P01,P02,P03と個別排気手段V9,V10との駆動状態を適宜制御することが可能となる。
【0249】
処理領域220,240におけるガス状態制御、つまり、全体排気手段P01,P02,P03と個別排気手段V1,V2,V9,V10との排気量あるいは排気速度のバランスを取り、処理領域220,240における圧力およびガス流の制御を確実におこなうことが可能となる。また、処理領域220,240におけるガス流およびガス圧力の変動に対応することもできる。
【0250】
パージ領域230によって、隣接する処理領域220と処理領域240とで異なるガスを用いて連続的に処理をおこなう連続処理であっても、パージガスが供給されてパージ排気領域232,233から排気されるパージ領域230を越えて、処理領域220,240のガスが互いに到達してしまうことを防止して、コンタミネーションの発生を防止することが可能となる。
【0251】
本実施形態においては、上述した実施形態と同等の効果を奏することができる。
【0252】
以下、本発明に係る連続処理装置の第3実施形態を、図面に基づいて説明する。
図4は、本実施形態の連続処理装置における排気領域等の配置を示す模式上面図である。
本実施形態において上述した第1および第2実施形態と異なるのは排気領域等に関する点であり、これ以外の対応する構成要素に関しては、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0253】
本実施形態においては、処理領域120,140あるいは処理領域220,240に対して、移動手段110の移動方向に対する側方に、排気手段V3,V4,V7,V8が設けられる。つまり、排気領域122,123,142,143,222,223,242,243に加えて、基板WまたはフィルムFの移動する面において処理領域120,140,220,240を囲む配置とされる排気領域124,125,144,145,224,225,244,245を有する。
【0254】
ここでは、処理領域120を例にして説明する。
具体的には、本実施形態における処理領域120には、
図4に示すように、基板Wの移動方向の上流となる排気領域122および下流となる排気領域123に加えて、基板Wの移動方向の横位置となる排気領域124および排気領域125が設定される。
【0255】
上面視して搬送ベルト111bの移動方向における処理領域120の左手位置には、
図4に示すように、排気領域124が配置される。
排気領域124では、搬送ベルト111bの上方に排気手段(個別排気手段)V3が配置される。排気手段V3は、排気ノズルV3aと、排気部V3bとを有する。
【0256】
排気ノズルV3aは、
図4に示すように、搬送ベルト111bの上面に対向して開口する。排気ノズルV3aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの上面と平行に配置される。排気ノズルV3aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送ベルト111bに載置された基板W上面と離間した高さに配置される。排気ノズルV3aの開口輪郭(開口縁部)は、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)と同じ高さに配置されてもよい。また、排気ノズルV3aの開口輪郭(開口縁部)は、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)と異なる高さでもよい。
【0257】
排気ノズルV3aの開口輪郭は、平面視した排気領域124の輪郭を規定する。具体的には、排気ノズルV3aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの移動方向において、給気ノズルP1aの寸法とほぼ同じか大きく設定される。排気ノズルV3aの開口輪郭(開口縁部)は、排気ノズルV1aおよび排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)と同じ高さに配置されてもよい。また、排気ノズルV3aの開口輪郭(開口縁部)は、排気ノズルV1aおよび排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)と異なる高さでもよい。
【0258】
排気ノズルV3aは、搬送ベルト111bの移動方向における両端が、排気ノズルV1aおよび排気ノズルV2aに接することができる。
排気ノズルV3aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送ベルト111bの移動方向と直交する幅方向において、搬送ベルト111bの移動方向における、排気ノズルV1aおよび排気ノズルV2aの寸法と同じかやや小さく設定することができる。
また、排気ノズルV3aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの移動方向において、処理領域120の排気に必要な大きさ・形状であればよく、搬送ベルト111bの移動速度、ガス供給量、圧力雰囲気等の処理条件、および、処理領域140との距離などから、必要な寸法が設定される。
【0259】
排気部V3bは、排気ノズルV3aに接続され、所定の排気速度・排気量・排気圧で処理領域120のガスを排気ノズルV3aから排気する。排気部V3bは、真空ポンプとされる。排気部V3bは、制御手段109に接続される。排気部V3bは、制御手段109によって排気速度・排気量・排気圧を制御される。ここで、排気速度・排気量・排気圧の制御は、ポンプの駆動状態や、排気弁の弁開度等を調整して制御される。
【0260】
上面視して搬送ベルト111bの移動方向における処理領域120の右手位置には、
図4に示すように、排気領域125が配置される。
排気領域125では、搬送ベルト111bの上方に排気手段(個別排気手段)V4が配置される。排気手段V4は、排気ノズルV4aと、排気部V4bとを有する。
【0261】
排気ノズルV4aは、
図4に示すように、搬送ベルト111bの上面に対向して開口する。排気ノズルV4aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの上面と平行に配置される。排気ノズルV4aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送ベルト111bに載置された基板W上面と離間した高さに配置される。排気ノズルV4aの開口輪郭(開口縁部)は、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)と同じ高さに配置されてもよい。また、排気ノズルV4aの開口輪郭(開口縁部)は、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)と異なる高さでもよい。
【0262】
排気ノズルV4aの開口輪郭は、平面視した排気領域125の輪郭を規定する。具体的には、排気ノズルV4aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの移動方向において、給気ノズルP1aの寸法とほぼ同じか大きく設定される。排気ノズルV4aの開口輪郭(開口縁部)は、排気ノズルV1aおよび排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)と同じ高さに配置されてもよい。また、排気ノズルV4aの開口輪郭(開口縁部)は、排気ノズルV1aおよび排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)と異なる高さでもよい。
【0263】
排気ノズルV4aは、搬送ベルト111bの移動方向における両端が、排気ノズルV1aおよび排気ノズルV2aに接することができる。
排気ノズルV4aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送ベルト111bの移動方向と直交する幅方向において、搬送ベルト111bの移動方向における、排気ノズルV1aおよび排気ノズルV2aの寸法と同じかやや小さく設定することができる。
また、排気ノズルV4aの開口輪郭は、搬送ベルト111bの移動方向において、処理領域120の排気に必要な大きさ・形状であればよく、搬送ベルト111bの移動速度、ガス供給量、圧力雰囲気等の処理条件、および、処理領域140との距離などから、必要な寸法が設定される。
【0264】
排気部V4bは、排気ノズルV4aに接続され、所定の排気速度・排気量・排気圧で処理領域120のガスを排気ノズルV4aから排気する。排気部V4bは、真空ポンプとされる。排気部V4bは、制御手段109に接続される。排気部V4bは、制御手段109によって排気速度・排気量・排気圧を制御される。ここで、排気速度・排気量・排気圧の制御は、ポンプの駆動状態や、排気弁の弁開度等を調整して制御される。
【0265】
本実施形態において、処理領域120は、移動方向(処理方向)で上流の排気領域122と下流の排気領域123と、移動方向(処理方向)で両側位置の排気領域124と排気領域125とで囲まれている。
つまり、ガス供給部P1bから供給されたガスは、給気ノズルP1aを介して処理領域120に噴出された後、これら排気領域122~125から排気される。
【0266】
これにより、処理領域120から他の処理領域140にガスを漏出させることなく、処理領域120の全周で確実に排気することが可能となる。したがって、移動方向の横位置にある排気領域124,125あるいはパージ領域130を回避して他の処理領域140へと不必要なガスが到達することを防止できる。
【0267】
なお、処理領域140においても、処理領域120における移動方向の横位置にある排気領域124,125に対応して、移動方向の横位置にある排気領域144,145を設けることができる。
また、パージ領域130においても、処理領域120における移動方向の横位置にある排気領域124,125に対応して、移動方向の横位置にあるパージ排気領域134,135を設けることができる。
さらに、第2実施形態における処理領域220,240、パージ領域230においても、同様に、移動方向の横位置にある排気領域224,225,244,245、および、パージ排気領域234,235を設けることができる。
【0268】
さらに、本実施形態の連続処理装置100においては、排気領域122に圧力検出手段V1cを有する。排気領域123に圧力検出手段V2cを有する。排気領域124に圧力検出手段V3cを有する。排気領域125に圧力検出手段V4cを有する。
本実施形態の連続処理装置100においては、処理領域120における移動方向に対して、上流排気領域(排気領域)122の圧力と下流排気領域(排気領域)123の圧力とが異なるように設定されることができる。
このとき、上流排気領域(排気領域)122の圧力と下流排気領域(排気領域)123の圧力とを、圧力検出手段V1cおよび圧力検出手段V2cによって検出して、その出力に基づいて制御手段109が排気部V1b、V2bの排気速度制御をおこなう。
これにより、処理領域120において上流と下流との圧力状態を異ならせて、処理領域120内で上流から下流に向かう、あるいは、下流から上流に向かうガス流を形成することができる。
【0269】
例えば、上流排気領域(排気領域)122の圧力が下流排気領域(排気領域)123の圧力よりも高くなるように設定することができる。これにより、処理領域120内で基板Wの上面に沿って上流から下流に向かうガス流を形成することができる。
あるいは、上流排気領域(排気領域)122の圧力が下流排気領域(排気領域)123の圧力よりも低くなるように設定することで、処理領域120内で基板Wの上面に沿って下流から上流に向かうガス流を形成することができる。
【0270】
また、本実施形態の連続処理装置100においては、処理領域120における移動方向に対して、右排気領域(排気領域)125の圧力と左排気領域(排気領域)124の圧力とが異なるように設定されることができる。このとき、右排気領域(排気領域)125の圧力と左排気領域(排気領域)124の圧力とを、圧力検出手段V3cおよび圧力検出手段V4cによって検出して、その出力に基づいて制御手段109が排気部V3b、V4bの排気量制御をおこなう。
これにより、処理領域120において右位置と左位置との圧力状態を異ならせて、処理領域120内で右から左に向かう、あるいは、左から右に向かうガス流を形成することができる。
【0271】
例えば、右排気領域(排気領域)125の圧力が左排気領域(排気領域)124の圧力よりも高くなるように設定することができる。これにより、処理領域120内で基板Wの上面に沿って右から左に向かうガス流を形成することができる。
あるいは、右排気領域(排気領域)125の圧力が左排気領域(排気領域)124の圧力よりも低くなるように設定することで、処理領域120内で基板Wの上面に沿って左から右に向かうガス流を形成することができる。
【0272】
さらに、本実施形態の連続処理装置100においては、処理領域120における移動方向に対して、上流排気領域(排気領域)122の圧力と下流排気領域(排気領域)123の圧力と右排気領域(排気領域)125の圧力と左排気領域(排気領域)124の圧力とが適宜異なるように設定されることができる。
これにより、処理領域120において処置の位置の圧力状態を異ならせて、処理領域120内で基板W上面に沿って所定の方向に向かうガス流を形成することができる。
【0273】
例えば、上流排気領域(排気領域)122の圧力と右排気領域(排気領域)125の圧力とが、下流排気領域(排気領域)123の圧力と左排気領域(排気領域)124圧力よりも高くなるように設定することができる。このとき、各排気領域122~125の圧力を、圧力検出手段V2c~V4cによって検出して、その出力に基づいて制御手段109が排気部V1b~V4bの排気量制御をおこなう。
これにより、処理領域120内で基板Wの上面に沿って右上流から左下流に向かうガス流を形成することができる。
【0274】
これら上流排気領域(排気領域)122の圧力と下流排気領域(排気領域)123の圧力と右排気領域(排気領域)125の圧力と左排気領域(排気領域)124の圧力とは、いずれも、排気部V1b,V2b,V3b,V4bを圧力検出手段V2c~V4cの出力に基づいて制御手段109によって所定の排気速度に設定することにより制御可能である。
【0275】
このように、上流、下流および左右の圧力を変えることで、処理領域120の中のガス流方向およびガス流強さを制御することができる。
なお、ガス流の制御は、処理領域140およびパージ領域130においても、それぞれ排気部V5b~V12bを設けて、これを制御手段109によって制御することで可能となる。
同様に、第2実施形態における処理領域220,240、パージ領域230においても、フィルムFの表面に沿った外流方向の制御をおこなうことが可能となる。
【0276】
本実施形態においては、基体の移動方向に対して交差する方向においても、排気をおこなうことができるため、それぞれの処理領域120~240等において、他の領域からの不必要なガス流入をより一層防止することが可能となる。特に、それぞれ、チャンバ101,201にガスを供給する給気ノズルP1a,P3a、パージガスノズルP2a,P4a等に対して、個別に領域を囲む排気領域を設けて、この領域以外にガスが漏出してしまうことを効果的に防止できる。
【0277】
本実施形態においては、上述した実施形態と同等の効果を奏することができる。
【0278】
以下、本発明に係る連続処理装置の第4実施形態を、図面に基づいて説明する。
図5は、本実施形態における連続処理装置を示す模式側面図である。
本実施形態において上述した第2実施形態と異なるのはフィルムの移動手段および処理領域等の配置に関する点である。
【0279】
本実施形態の連続処理装置300においては、フィルム(基体)Fを搬送ドラムに巻回して連続処理をおこなう。
本実施形態の連続処理装置300は、
図5に示すように、チャンバ301と、搬送部(移動手段)310と、処理領域320と、パージ領域330と、処理領域340と、制御手段309と、を有する。
【0280】
チャンバ301は、
図5に示すように、真空状態に密閉可能であり、巻回室301aと、処理室301bと、を有する。これら巻回室301aと処理室301bとは、互いにフィルム(基体)Fが移動可能に連通している。巻回室301aと処理室201bとの間には、フィルムFが移動可能な開口302a,302bを有する隔壁302が設けられる。
【0281】
また、巻回室301aには、例えばランプユニットとされる加熱部306が設けられて処理終了後のフィルムFを加熱可能とされる。この場合、加熱部306は制御手段309に接続される。加熱部306は、制御手段309によって制御される。
【0282】
搬送部(移動手段)310は、
図5に示すように、巻回室301aから処理室301bを経てまた巻回室301aに亘ってフィルムFを搬送する。搬送部310は、送り出す送り出し部311と巻き取り部312とを巻回室301aに有する。また、搬送部310は、搬送ドラム313を処理室301bに有する。
【0283】
送り出す送り出し部311は、巻回室301a内に設けられる。送り出し部311は、フィルムFを巻き取られた状態から処理室301bへと送り出す。
巻き取り部312は、巻回室301a内に設けられる。巻き取り部312は、処理が終了して処理室301bから移動してきたフィルムFを巻き取って収納する。
【0284】
搬送ドラム313は、処理室301b内に設けられる。搬送ドラム313は、送り出し部311と巻き取り部312とに比べて径寸法の大きなドラムとされ、その表面にフィルムを巻き付けた状態で回転する。フィルムFは、搬送ドラム313の回転にともなって曲面状を維持して搬送ドラム313の周方向に移動する。これによりフィルムFに複数の処理を連続しておこなう。
【0285】
送り出し部311と巻き取り部312と搬送ドラム313とは、フィルムFの移動方向と直交する回転軸線を有する。
【0286】
本実施形態において、搬送ドラム313のロールの回転軸線は、水平方向に沿って配置される。送り出し部311のロールの回転軸線は、水平方向に沿って配置される。巻き取り部312のロールの回転軸線は、水平方向に沿って配置される。
送り出し部311と巻き取り部312と搬送ドラム313とは、互いに平行な回転軸線を有する。
【0287】
搬送部(移動手段)310は、送り出し部311による巻回されたフィルムFの送り出しと、巻き取り部312によるフィルムFの巻き取りと、表面にフィルムFの巻回された搬送ドラム313の回転とによって、フィルムFを処理室301b内で搬送する。
送り出し部311と巻き取り部312と搬送ドラム313とは図示しない駆動部によって駆動される。駆動部は制御手段309に接続される。駆動部は、制御手段309によって制御される。
【0288】
搬送部(移動手段)310によって移動されるフィルムFは、搬送ドラム313の側面に沿って巻回される。搬送部(移動手段)310によって移動されるフィルムFは、その表面に処理をおこなう。
搬送部310によってフィルムFは、隔壁302の開口302aを貫通する。搬送部310によってフィルムFは、隔壁302の開口302bを貫通する。
【0289】
搬送部(移動手段)310には、処理室301bで搬送されるフィルムFに近接する位置にヒータ307が配置される。ヒータ307は、搬送ドラム313に埋め込まれる。ヒータ307は、処理領域320,340においてフィルムFを加熱可能とされている。ヒータ307は、搬送ドラム313の径方向視して処理領域320,340を含む範囲を加熱可能に配置される。ヒータ307は制御手段309に接続される。ヒータ307は、制御手段309によって制御される。
【0290】
処理室301bには、
図5に示すように、排気ポンプP01が設けられる。処理室301bは排気ポンプP01によって排気される。排気ポンプP01は、ゲートバルブを介して処理室301bに接続される。排気ポンプP01は制御手段309に接続される。排気ポンプP01は、制御手段309によって制御される。
【0291】
なお、巻回室301aにも、排気ポンプP01と同等の排気ポンプを設けることも可能である。
排気ポンプP01によって、チャンバ301内が排気される。排気ポンプP01は、全体排気手段を構成する。
【0292】
処理室301bにおいて、搬送ドラム313に巻回されたフィルムFの径方向外側位置には、処理領域320と、パージ領域330と、処理領域340と、が設定される。処理領域320と、パージ領域330と、処理領域340と、は、送り出し部311から巻き取り部312へと向かう搬送ドラム313に巻回されたフィルムFに沿って、フィルムFの移動方向にしたがって隣接する。
【0293】
送り出し部311から巻き取り部312へと向かう搬送ドラム313の周方向におけるフィルムFの移動方向で、処理領域320の下流には、
図5に示すように、パージ領域330が配置される。搬送ドラム313の周方向におけるフィルムFの移動方向で、パージ領域330の下流には処理領域340が配置される。
【0294】
処理領域(第1処理領域)320では、
図5に示すように、搬送ドラム313の周面に沿って搬送されるフィルムFの径方向外側位置に、搬送ドラム313の周方向に沿ってガス供給手段(処理手段)P1が配置される。ガス供給手段(処理手段)P1は、給気ノズルP1aと、ガス供給部P1bとを有する。
【0295】
給気ノズルP1aは、
図5に示すように、搬送されるフィルムFの外側表面に対向して開口する。給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムFの表面と平行に搬送ドラム313の周方向に沿って配置される。給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムF表面と搬送ドラム313の径方向に離間する距離が周方向に等しく配置される。給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送ドラム313の表面に巻回されたフィルムFと同心状に配置される。
【0296】
給気ノズルP1aの開口は、単一または複数の開口部を有する枠状とされてもよい。また、給気ノズルP1aの開口は、多数の細かい噴出孔が設けられた板体とされてもよい。さらに、処理領域320へのガス供給を均等にするための機構を有していてもよい。
【0297】
給気ノズルP1aの開口輪郭は、搬送ドラム313の周面に沿った処理領域320の輪郭を規定する。具体的には、給気ノズルP1aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する搬送ドラム313の軸方向(フィルムFの幅方向)において、フィルムFの幅寸法よりも大きく設定される。
また、給気ノズルP1aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向において、フィルムFの処理に必要な時間と、搬送されるフィルムFの移動速度との兼ね合い等の処理条件から、必要な寸法が設定される。
【0298】
ガス供給部P1bは、給気ノズルP1aに接続され、所定の流量・圧力で貯留されたガス(第1ガス)を給気ノズルP1aに供給する。ガス供給部P1bは、制御手段309に接続される。ガス供給部P1bは、制御手段309によって制御される。
【0299】
搬送されるフィルムFの移動方向における処理領域320の上流には、
図5に示すように、排気領域322が配置される。
排気領域322では、搬送されるフィルムFの搬送ドラム313の径方向外側に排気手段(個別排気手段)V1が配置される。排気手段V1は、排気ノズルV1aと、排気部V1bとを有する。
【0300】
排気ノズルV1aは、
図5に示すように、搬送されるフィルムFに対して搬送ドラム313の径方向外側の表面に対向して開口する。排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムFの表面と平行に搬送ドラム313の周方向に沿って配置される。排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムF表面と搬送ドラム313の径方向に離間する距離が周方向に等しく配置される。
【0301】
排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送ドラム313の表面に巻回されたフィルムFと同心状に配置される。排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムF表面と搬送ドラム313の径方向に離間する距離が、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)と同じ距離に配置されてもよい。また、排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムF表面と搬送ドラム313の径方向に離間する距離が、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)と異なる距離でもよい。
【0302】
排気ノズルV1aの開口輪郭は、搬送ドラム313の周面に沿った排気領域322の輪郭を規定する。具体的には、排気ノズルV1aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する搬送ドラム313の軸方向(フィルムFの幅方向)において、フィルムFの幅寸法よりも大きく設定される。
【0303】
排気ノズルV1aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する搬送ドラム313の軸方向(フィルムFの幅方向)において、給気ノズルP1aの寸法よりも大きく設定される。
また、排気ノズルV1aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向である搬送ドラム313の周方向において、処理領域320の排気に必要な大きさ・形状であればよく、搬送されるフィルムFの移動速度、ガス供給量、圧力雰囲気等の処理条件から、必要な寸法が設定される。
【0304】
排気部V1bは、排気ノズルV1aに接続され、所定の排気速度・排気量・排気圧で処理領域320のガスを排気ノズルV1aから排気する。排気部V1bは、真空ポンプとされる。排気部V1bは、制御手段309に接続される。排気部V1bは、制御手段309によって排気速度・排気量・排気圧を制御される。ここで、排気速度・排気量・排気圧の制御は、ポンプの駆動状態や、排気弁の弁開度等を調整して制御される。
【0305】
搬送されるフィルムFの移動方向における処理領域320の下流には、
図5に示すように、パージ領域330の上流に排気領域323が配置される。
排気領域323では、搬送されるフィルムFの搬送ドラム313の径方向外側に排気手段(個別排気手段)V2が配置される。排気手段V2は、排気ノズルV2aと、排気部V2bとを有する。
【0306】
排気ノズルV2aは、
図5に示すように、搬送されるフィルムFに対して搬送ドラム313の径方向外側の表面に対向して開口する。排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムFの表面と平行に搬送ドラム313の周方向に沿って配置される。排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムF表面と搬送ドラム313の径方向に離間する距離が周方向に等しく配置される。
【0307】
排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送ドラム313の表面に巻回されたフィルムFと同心状に配置される。排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムF表面と搬送ドラム313の径方向に離間する距離が、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)および排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)と同じ距離に配置されてもよい。また、排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムF表面と搬送ドラム313の径方向に離間する距離が、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)および排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)と異なる距離でもよい。
【0308】
排気ノズルV2aの開口輪郭は、搬送ドラム313の周面に沿った排気領域323の輪郭を規定する。具体的には、排気ノズルV2aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する搬送ドラム313の軸方向(フィルムFの幅方向)において、フィルムFの幅寸法よりも大きく設定される。
【0309】
排気ノズルV2aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する搬送ドラム313の軸方向(フィルムFの幅方向)において、給気ノズルP1aの寸法よりも大きく設定される。
また、排気ノズルV2aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向である搬送ドラム313の周方向において、処理領域320の排気に必要な大きさ・形状であればよく、搬送されるフィルムFの移動速度、ガス供給量、圧力雰囲気等の処理条件から、必要な寸法が設定される。
【0310】
排気部V2bは、排気ノズルV2aに接続され、所定の排気速度・排気量・排気圧で処理領域320のガスを排気ノズルV2aから排気する。排気部V2bは、真空ポンプとされる。排気部V2bは、制御手段209に接続される。排気部V2bは、制御手段309によって排気速度・排気量・排気圧を制御される。ここで、排気速度・排気量・排気圧の制御は、ポンプの駆動状態や、排気弁の弁開度等を調整して制御される。
【0311】
排気領域322および排気領域323は、排気手段V1および排気手段V2によって処理領域320を排気して、処理領域320に対する雰囲気圧力の設定を可能とする。
【0312】
パージ領域330においては、
図5に示すように、搬送されるフィルムFの搬送ドラム313の径方向外側にパージガス供給手段P2が配置される。パージガス供給手段P2は、パージガスノズルP2aと、パージガス供給部P2bとを有する。
【0313】
パージガスノズルP2aは、
図5に示すように、搬送されるフィルムFに対して搬送ドラム313の径方向外側の表面に対向して開口する。パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムFの表面と平行に搬送ドラム313の周方向に沿って配置される。パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムF表面と搬送ドラム313の径方向に離間する距離が周方向に等しく配置される。
【0314】
パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送ドラム313の表面に巻回されたフィルムFと同心状に配置される。パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムF表面と搬送ドラム313の径方向に離間する距離が、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)、排気ノズルV1a(開口縁部)、排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)の開口輪郭と同じ距離に配置されてもよい。また、パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムF表面と搬送ドラム313の径方向に離間する距離が、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)、排気ノズルV1a(開口縁部)、排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)の開口輪郭と異なる距離でもよい。
【0315】
パージガスノズルP2aの開口は、単一または複数の開口部を有する枠状とされてもよい。また、パージガスノズルP2aの開口は、多数の細かい噴出孔が設けられた板体とされてもよい。さらに、パージ領域330へのガス供給を均等にするための機構を有していてもよい。
【0316】
パージガスノズルP2aの開口輪郭は、搬送ドラム313の周面に沿ったパージ領域330の輪郭を規定する。具体的には、パージガスノズルP2aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する搬送ドラム313の軸方向(フィルムFの幅方向)において、フィルムFの寸法よりも大きく設定される。
パージガスノズルP2aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する搬送ドラム313の軸方向(フィルムFの幅方向)において、給気ノズルP1aの寸法とほぼ同じかこれよりも大きく設定される。
【0317】
パージガスノズルP2aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する搬送ドラム313の軸方向において、排気ノズルV1aおよび排気ノズルV2aの寸法とほぼ等しいかこれよりも大きく設定される。
また、パージガスノズルP2aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向(搬送ドラム313の周方向)において、搬送されるフィルムFの移動速度に関連する処理条件と、処理領域320と処理領域340とに対するガスの遮断に必要なパージガスの量とから、必要な寸法が設定される。
【0318】
パージガス供給部P2bは、パージガスノズルP2aに接続され、所定の流量・圧力で貯留されたパージガスをパージガスノズルP2aに供給する。パージガス供給部P2bは、制御手段309に接続される。パージガス供給部P2bは、制御手段309によって制御される。
【0319】
搬送されるフィルムFの移動方向である搬送ドラム313の周方向におけるパージ領域330の上流には、
図5に示すように、排気領域323の下流にパージ排気領域(排気領域)332が配置される。
パージ排気領域(排気領域)332では、搬送されるフィルムFの搬送ドラム313の径方向外側にパージガス排気手段V5が配置される。パージガス排気手段V5は、パージ排気ノズルV5aと、パージ排気部V5bとを有する。
【0320】
パージ排気ノズルV5aは、
図5に示すように、搬送されるフィルムFの表面に対向して開口する。パージ排気ノズルV5aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムFの表面と平行に搬送ドラム313の周方向に沿って配置される。パージ排気ノズルV5aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムF表面と搬送ドラム313の径方向に離間する距離が周方向に等しく配置される。
パージ排気ノズルV5aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムF表面と搬送ドラム313の径方向に離間する距離が、給気ノズルP1aの開口輪郭と排気ノズルV1aの開口輪郭と排気ノズルV2aの開口輪郭とパージガスノズルP2aの開口輪郭と同じ距離に配置されてもよい。また、パージ排気ノズルV5aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムF表面と搬送ドラム313の径方向に離間する距離が、給気ノズルP1aの開口輪郭と排気ノズルV1aの開口輪郭と排気ノズルV2aの開口輪郭とパージガスノズルP2aの開口輪郭と異なる距離でもよい。
【0321】
パージ排気ノズルV5aの開口輪郭は、搬送ドラム313の周面に沿ったパージ排気領域332の輪郭を規定する。具体的には、パージ排気ノズルV5aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する搬送ドラム313の軸方向(フィルムFの幅方向)において、フィルムFの寸法よりも大きく設定される。パージ排気ノズルV5aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する搬送ドラム313の軸方向(フィルムFの幅方向)において、パージガスノズルP2aの寸法よりも大きく設定される。
【0322】
パージ排気ノズルV5aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する搬送ドラム313の軸方向(フィルムFの幅方向)において、給気ノズルP1aの寸法よりも大きく設定される。パージガスノズルP2aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する搬送ドラム313の軸方向(フィルムFの幅方向)において、排気ノズルV1aおよび排気ノズルV2aの寸法とほぼ等しいかこれよりも大きく設定される。
【0323】
また、パージ排気ノズルV5aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向において、パージ排気領域332の排気に必要な大きさ・形状であればよく、搬送されるフィルムFの移動速度、パージガス供給量、処理領域320とパージ領域330との圧力差等の条件から、必要な寸法が設定される。
【0324】
パージ排気部V5bは、パージ排気ノズルV5aに接続され、所定の排気速度・排気量・排気圧でパージ領域330のパージガスをパージ排気ノズルV5aから排気する。パージ排気部V5bは、真空ポンプとされる。パージ排気部V5bは、制御手段309に接続される。パージ排気部V5bは、制御手段309によって排気速度・排気量・排気圧を制御される。ここで、排気速度・排気量・排気圧の制御は、ポンプの駆動状態や、排気弁の弁開度等を調整して制御される。
【0325】
搬送されるフィルムFの移動方向である搬送ドラム313の周方向におけるパージ領域330の下流には、
図5に示すように、処理領域340の上流にパージ排気領域333が配置される。
パージ排気領域333では、搬送されるフィルムFの上方にパージガス排気手段V6が配置される。パージガス排気手段V6は、パージ排気ノズルV6aと、パージ排気部V6bとを有する。
【0326】
パージ排気ノズルV6aは、
図5に示すように、搬送されるフィルムFの表面に対向して開口する。パージ排気ノズルV6aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムFの表面と平行に搬送ドラム313の周方向に沿って配置される。パージ排気ノズルV6aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムF表面と搬送ドラム313の径方向に離間する距離が周方向に等しく配置される。
【0327】
パージ排気ノズルV6aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムF表面と搬送ドラム313の径方向に離間する距離が、給気ノズルP1aの開口輪郭と排気ノズルV1aの開口輪郭と排気ノズルV2aの開口輪郭とパージガスノズルP2aの開口輪郭とパージ排気ノズルV5aの開口輪郭と同じ距離に配置されてもよい。また、パージ排気ノズルV6aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムF表面と搬送ドラム313の径方向に離間する距離が、給気ノズルP1aの開口輪郭と排気ノズルV1aの開口輪郭と排気ノズルV2aの開口輪郭とパージガスノズルP2aの開口輪郭とパージ排気ノズルV5aの開口輪郭と異なる距離でもよい。
【0328】
パージ排気ノズルV6aの開口輪郭は、搬送ドラム313の周面に沿ったパージ排気領域333の輪郭を規定する。具体的には、パージ排気ノズルV6aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する搬送ドラム313の軸方向(フィルムFの幅方向)において、フィルムFの寸法よりも大きく設定される。パージ排気ノズルV6aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する搬送ドラム313の軸方向(フィルムFの幅方向)において、パージガスノズルP2aの寸法よりも大きく設定される。
【0329】
パージ排気ノズルV6aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する搬送ドラム313の軸方向(フィルムFの幅方向)において、パージ排気ノズルV5aの寸法とほぼ等しく設定される。
また、パージ排気ノズルV6aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向において、パージ排気領域333の排気に必要な大きさ・形状であればよく、搬送されるフィルムFの移動速度、パージガス供給量、処理領域320とパージ領域330との圧力差等の条件から、必要な寸法が設定される。
【0330】
パージ排気部V6bは、パージ排気ノズルV6aに接続され、所定の排気速度・排気量・排気圧でパージ排気領域333のガスをパージ排気ノズルV6aから排気する。パージ排気部V6bは、真空ポンプとされる。パージ排気部V6bは、制御手段309に接続される。パージ排気部V6bは、制御手段309によって排気速度・排気量・排気圧を制御される。ここで、排気速度・排気量・排気圧の制御は、ポンプの駆動状態や、排気弁の弁開度等を調整して制御される。
【0331】
パージ排気領域332およびパージ排気領域333は、パージガス排気手段V5およびパージガス排気手段V6によってパージ領域330を排気して、パージ領域330に対して雰囲気圧力の設定可能とする。
【0332】
処理領域(第2処理領域)340では、
図5に示すように、搬送ドラム313の周面に沿って搬送されるフィルムFの径方向外側位置に、搬送ドラム313の周方向に沿ってガス供給手段(処理手段)P3が配置される。ガス供給手段(処理手段)P3は、給気ノズルP3aと、ガス供給部P3bとを有する。
ガス供給手段(処理手段)P3は、ガス供給手段(処理手段)P1と異なるガスを供給可能である。
【0333】
給気ノズルP3aは、
図5に示すように、搬送されるフィルムFの外側表面に対向して開口する。給気ノズルP3aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムFの表面と平行に搬送ドラム313の周方向に沿って配置される。給気ノズルP3aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムF表面と搬送ドラム313の径方向に離間する距離が周方向に等しく配置される。給気ノズルP3aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送ドラム313の表面に巻回されたフィルムFと同心状に配置される。給気ノズルP3aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムF表面と搬送ドラム313の径方向に離間する距離が、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)とほぼ同じ距離に配置されてもよい。また、給気ノズルP3aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムF表面と搬送ドラム313の径方向に離間する距離が、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)と異なる距離でもよい。
【0334】
給気ノズルP3aの開口は、単一または複数の開口部を有する枠状とされてもよい。また、給気ノズルP3aの開口は、多数の細かい噴出孔が設けられた板体とされてもよい。さらに、処理領域340へのガス供給を均等にするための機構を有していてもよい。
【0335】
給気ノズルP3aの開口輪郭は、搬送ドラム313の周面に沿った処理領域340の輪郭を規定する。具体的には、給気ノズルP3aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する搬送ドラム313の軸方向(フィルムFの幅方向)において、フィルムFの幅寸法よりも大きく設定される。給気ノズルP3aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する搬送ドラム313の軸方向(フィルムFの幅方向)において、給気ノズルP1aの開口輪郭とほぼ等しく設定される。
また、給気ノズルP3aの開口輪郭は、給気ノズルP1aと同様に、搬送されるフィルムFの移動方向において、フィルムFの処理に必要な時間と、搬送されるフィルムFの移動速度との兼ね合い等の処理条件から、必要な寸法が設定される。
【0336】
ガス供給部P3bは、給気ノズルP3aに接続され、所定の流量・圧力で貯留されたガス(第2ガス)を給気ノズルP3aに供給する。ガス供給部P3bは、制御手段309に接続される。ガス供給部P3bは、制御手段309によって制御される。
【0337】
搬送されるフィルムFの移動方向における処理領域340の上流には、
図5に示すように、排気領域342が配置される。
排気領域342では、搬送ドラム313の周方向に沿って搬送されるフィルムFの搬送ドラム313の径方向外側に排気手段(個別排気手段)V9が配置される。排気手段V9は、排気ノズルV9aと、排気部V9bとを有する。
【0338】
排気ノズルV9aは、
図5に示すように、搬送されるフィルムFに対して搬送ドラム313の径方向外側の表面に対向して開口する。排気ノズルV9aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムFの表面と平行に搬送ドラム313の周方向に沿って配置される。排気ノズルV9aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムF表面と搬送ドラム313の径方向に離間する距離が周方向に等しく配置される。
【0339】
排気ノズルV9aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送ドラム313の表面に巻回されたフィルムFと同心状に配置される。排気ノズルV9aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムF表面と搬送ドラム313の径方向に離間する距離が、給気ノズルP3aの開口輪郭(開口縁部)と同じ距離に配置されてもよい。また、排気ノズルV9aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムF表面と搬送ドラム313の径方向に離間する距離が、給気ノズルP3aの開口輪郭(開口縁部)と異なる距離でもよい。
【0340】
排気ノズルV9aの開口輪郭は、搬送ドラム313の周面に沿った排気領域342の輪郭を規定する。具体的には、排気ノズルV9aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する搬送ドラム313の軸方向(フィルムFの幅方向)において、フィルムFの幅寸法よりも大きく設定される。
排気ノズルV9aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する搬送ドラム313の軸方向において、給気ノズルP3aの寸法よりも大きく設定される。
また、排気ノズルV9aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向である搬送ドラム313の周方向において、処理領域340の排気に必要な大きさ・形状であればよく、搬送されるフィルムFの移動速度、ガス供給量、圧力雰囲気等の処理条件から、必要な寸法が設定される。
【0341】
排気部V9bは、排気ノズルV9aに接続され、所定の排気速度・排気量・排気圧で処理領域240のガスを排気ノズルV9aから排気する。排気部V9bは、真空ポンプとされる。排気部V9bは、制御手段309に接続される。排気部V9bは、制御手段309によって排気速度・排気量・排気圧を制御される。ここで、排気速度・排気量・排気圧の制御は、ポンプの駆動状態や、排気弁の弁開度等を調整して制御される。
【0342】
搬送されるフィルムFの移動方向における処理領域340の下流には、
図5に示すように、隔壁302の開口302bの上流に排気領域343が配置される。
排気領域343では、搬送されるフィルムFの搬送ドラム313の径方向外側に排気手段(個別排気手段)V10が配置される。排気手段V10は、排気ノズルV10aと、排気部V10bとを有する。
【0343】
排気ノズルV10aは、
図5に示すように、搬送されるフィルムFに対して搬送ドラム313の径方向外側の表面に対向して開口する。排気ノズルV10aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムFの表面と平行に搬送ドラム313の周方向に沿って配置される。排気ノズルV10aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムF表面と搬送ドラム313の径方向に離間する距離が周方向に等しく配置される。
【0344】
排気ノズルV10aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送ドラム313の表面に巻回されたフィルムFと同心状に配置される。排気ノズルV10aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムF表面と搬送ドラム313の径方向に離間する距離が、給気ノズルP3aの開口輪郭(開口縁部)および排気ノズルV3aの開口輪郭(開口縁部)と同じ距離に配置されてもよい。また、排気ノズルV10aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送されるフィルムF表面と搬送ドラム313の径方向に離間する距離が、給気ノズルP3aの開口輪郭(開口縁部)および排気ノズルV3aの開口輪郭(開口縁部)と異なる距離でもよい。
【0345】
排気ノズルV10aの開口輪郭は、搬送ドラム313の周面に沿った排気領域343の輪郭を規定する。具体的には、排気ノズルV10aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する搬送ドラム313の軸方向(フィルムFの幅方向)において、フィルムFの幅寸法よりも大きく設定される。排気ノズルV10aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する搬送ドラム313の軸方向において、給気ノズルP3aの寸法よりも大きく設定される。排気ノズルV10aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する搬送ドラム313の軸方向において、排気ノズルV9aの寸法とほぼ等しく設定される。
【0346】
排気ノズルV10aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向と直交する搬送ドラム313の軸方向(フィルムFの幅方向)において、給気ノズルP3aの寸法よりも大きく設定される。
また、排気ノズルV10aの開口輪郭は、搬送されるフィルムFの移動方向である搬送ドラム313の周方向において、処理領域340の排気に必要な大きさ・形状であればよく、搬送されるフィルムFの移動速度、ガス供給量、圧力雰囲気等の処理条件から、必要な寸法が設定される。
【0347】
排気部V10bは、排気ノズルV10aに接続され、所定の排気速度・排気量・排気圧で処理領域340のガスを排気ノズルV10aから排気する。排気部V10bは、真空ポンプとされる。排気部V10bは、制御手段309に接続される。排気部V10bは、制御手段309によって排気速度・排気量・排気圧を制御される。ここで、排気速度・排気量・排気圧の制御は、ポンプの駆動状態や、排気弁の弁開度等を調整して制御される。
【0348】
排気領域342および排気領域343は、排気手段V9および排気手段V10によって処理領域340を排気して、処理領域340に対して雰囲気圧力の設定可能とする。
【0349】
本実施形態の連続処理装置300には、
図5に示すように、処理室301bに圧力検出手段P0cが設けられる。圧力検出手段P0cは処理室301bの圧力を検出する。圧力検出手段P0cは制御手段309に接続される。圧力検出手段P0cは検出した圧力値を制御手段309に出力する。
【0350】
連続処理装置300には、処理領域320に圧力検出手段P1cが設けられる。圧力検出手段P1cは処理領域320の圧力を検出する。圧力検出手段P1cは制御手段309に接続される。圧力検出手段P1cは検出した圧力値を制御手段309に出力する。なお、圧力検出手段P1cは処理領域320の圧力を検出可能であれば、排気領域322,323に設けることもできる。
【0351】
連続処理装置300には、パージ領域330に圧力検出手段P2cが設けられる。圧力検出手段P2cはパージ領域330の圧力を検出する。圧力検出手段P2cは制御手段309に接続される。圧力検出手段P2cは検出した圧力値を制御手段309に出力する。なお、圧力検出手段P2cはパージ領域330の圧力を検出可能であれば、パージ排気領域332,333に設けることもできる。
【0352】
連続処理装置300には、処理領域340に圧力検出手段P3cが設けられる。圧力検出手段P3cは処理領域340の圧力を検出する。圧力検出手段P3cは制御手段309に接続される。圧力検出手段P3cは検出した圧力値を制御手段309に出力する。なお、圧力検出手段P3cは処理領域340の圧力を検出可能であれば、排気領域342,343に設けることもできる。
【0353】
以下、本実施形態の連続処理装置300における連続処理方法について説明する。
【0354】
まず、フィルムFの移動について説明する。
本実施形態の連続処理装置300は、
図5に示すように、外部から巻回されたフィルムFを巻回室301aに搬入し、送り出し部311としてセットする。
また、フィルムFを、処理室301bの搬送ドラム313に巻回した後、巻回室301aの巻き取り部312へと巻き取り可能にセットする。
【0355】
セットの完了したフィルムFは、送り出し部311による送り出しと、巻き取り部312の巻き取りと、搬送ドラム313の回転によって移動される。送り出し部311と巻き取り部312と搬送ドラム313との駆動は、制御手段309によって同期して制御される。
【0356】
フィルムFは、処理室301bにおいて、排気領域322、処理領域320、排気領域323、パージ排気領域332、パージ領域330、パージ排気領域333、排気領域342、処理領域340、排気領域343、を搬送ドラム313の周方向に沿って順に移動してゆく。
【0357】
これら処理領域320、処理領域340を通過する間にフィルムFに連続処理がおこなわれる。処理領域320、処理領域340においては、フィルムFはヒータ307によって温度が制御される。ヒータ307は、制御手段309によって連続処理に対応する温度状態に制御される。
【0358】
さらに、連続処理の終了したフィルムFは、巻回室301aにおいては、巻き取り部312に巻き取られる。
必要であれば、巻回室301aにおいて、巻き取り部312に巻き取られる前に、例えばランプユニットとされる加熱部306によって加熱される。あるいは、巻回室301aにおいて、巻き取り部312に巻き取られる際に、フィルムFは、例えばランプユニットとされる加熱部306によって加熱される。
【0359】
一連の処理が終了したフィルムFは、巻き取られた状態で外部へ搬出される。
【0360】
ここで、フィルムFがセットされてチャンバ301が密閉された後で、一連の処理を開始する前に、全体排気手段を構成する排気ポンプP01によって、チャンバ301内が排気されて、所定の真空状態にまで排気される。巻回室301a、処理室301bは排気されて、高真空状態とされている。
【0361】
ここで、例えば排気ポンプP01は、圧力検出手段P0cの出力に基づいた制御手段309によって制御される。このとき、排気ポンプP01は、排気バルブ等の開度によってその排気速度が制御される。
この全体排気工程として、排気ポンプP01によるチャンバ301内の排気においては、所定の開度、例えば100%といった開度として排気ポンプP01によるチャンバ301内の排気がおこなわれる。
【0362】
次に、排気ポンプP01における排気バルブの開度として20%以下に設定する。つまり、処理領域320におけるフィルムFへの処理前には、制御手段309が、全体排気手段の排気速度を全体排気工程よりも弱めるように駆動制御する。
【0363】
次に、排気手段V1および排気手段V2によって、排気領域322,323を排気する。このとき、制御手段309は、圧力検出手段P1cの出力に基づいて排気部V1b,V2bを駆動し、排気ノズルV1a,V2aから排気することで、排気領域322,323を排気する。排気領域322,323の排気により、これらに隣接する処理領域320が排気される。
【0364】
ここで、ガス供給手段P1から所定の処理ガスを処理領域320へと供給する。このとき、制御手段309はガス供給部P1bを駆動して、給気ノズルP1aから給気することで、処理領域320を、所定の処理ガス雰囲気とする。同時に、所定の圧力状態になるようにガス供給部P1bを制御する。
【0365】
具体的には、ガス供給手段P1から供給される処理ガスの流量は、排気手段V1および排気手段V2によって排気される排気量に対して、所定の範囲、具体的には、±10%以内となるように制御される。つまり、ガス供給手段P1の給気量と排気手段V1および排気手段V2の排気量とは、互いにほぼ等しく設定される。
【0366】
このとき、処理領域320における圧力変動は所定の範囲以内、具体的には、±10%以下となるように設定される。
なお、ガス供給手段P1から供給される処理ガスとしては、処理の内容によって適宜選択することができるが、例えば、ALD処理によって酸化アルミニウム膜を形成する場合には、TMA(トリメチルアルミニウム)とすることができる。
【0367】
次に、パージガス排気手段V5およびパージガス排気手段V6によって、パージ排気領域332,333を排気する。このとき、制御手段309は、圧力検出手段P2cの出力に基づいてパージ排気部V5b,V6bを駆動し、パージ排気ノズルV5a,V6aから排気することで、パージ排気領域332,333を排気する。パージ排気領域332,333の排気により、これらに隣接するパージ領域330が排気される。
【0368】
ここで、パージガス供給手段P2から所定のパージガスをパージ領域330へと供給する。このとき、制御手段309はパージガス供給部P2bを駆動して、パージガスノズルP2aから給気することで、パージ領域330を、所定のパージガスで充満された雰囲気とする。同時に、所定のパージガスの圧力状態になるようにパージガス供給部P2bを制御する。
【0369】
具体的には、パージガス供給手段P2から供給されるパージガスの流量は、パージガス排気手段V5およびパージガス排気手段V6によって排気される排気量に対して、所定の範囲、具体的には、±10%以内となるように制御される。つまり、パージガス供給手段P2の給気量とパージガス排気手段V5およびパージガス排気手段V6の排気量とは、互いにほぼ等しく設定される。
【0370】
このとき、パージ領域330における圧力変動は所定の範囲以内、具体的には、±10%以下となるように設定される。
なお、パージガス供給手段P2から供給されるパージガスとしては、処理の内容によって適宜選択することができるが、例えば、窒素ガス(N2ガス)とすることができる。あるいは、パージガス供給手段P2から供給されるパージガスとして、アルゴン等の不活性ガス等を選択することもできる。
【0371】
次に、排気手段V9および排気手段V10によって、排気領域342,343を排気する。このとき、制御手段309は、圧力検出手段P3cの出力に基づいて排気部V9b,V10bを駆動し、排気ノズルV9a,V10aから排気することで、排気領域342,343を排気する。排気領域342,343の排気により、これらに隣接する処理領域340が排気される。
【0372】
ここで、ガス供給手段P3から所定の処理ガスを処理領域340へと供給する。このとき、制御手段309はガス供給部P3bを駆動して、給気ノズルP3aから給気することで、処理領域340を、所定の処理ガス雰囲気とする。同時に、所定の圧力状態になるようにガス供給部P3bを制御する。
【0373】
具体的には、ガス供給手段P3から供給される処理ガスの流量は、排気手段V9および排気手段V10によって排気される排気量に対して、所定の範囲、具体的には、±10%以内となるように制御される。つまり、ガス供給手段P3の給気量と排気手段V9および排気手段V10の排気量とは、互いにほぼ等しく設定される。
【0374】
このとき、処理領域340における圧力変動は所定の範囲以内、具体的には、±10%以下となるように設定される。
なお、ガス供給手段P3から供給される処理ガスとしては、処理の内容によって適宜選択することができるが、例えば、ALD処理によって酸化アルミニウム膜を形成する場合には、ガス供給手段P1から供給されるTMA(トリメチルアルミニウム)に対応して、H2Oガスとすることができる。
【0375】
この状態で、所定の時間、処理ガス雰囲気を維持するように、フィルムFを処理領域320および処理領域340内で移動させ、酸化アルミニウムとなる原子積層膜を単層で形成した後、巻回室301aにおいて、例えばランプユニットとされる加熱部306によってフィルムFを加熱して、酸化アルミニウム膜の改質をおこなう。
【0376】
さらに、必要な膜厚を得るために上記の連続処理を複数回繰り返す。この場合、上記の連続処理装置300において、送り出し部311と巻き取り部312とを入れ替えて、上記の原子単層となる成膜を繰り返すことができる。
ここで、単層成膜に対する連続処理工程の前には、全体排気工程と、全体排気工程よりも全体排気手段を弱める工程とをおこなう。
【0377】
または、上記の連続処理装置300を連結することなく、単層成膜に対する連続処理工程が終了した後、ガス供給手段P1,P3からの処理ガス供給、および、パージガス供給手段P2からのパージガス供給を停止して、移動手段310である送り出し部311と巻き取り部312とを逆方向に駆動するとともに、搬送ドラム313の回転方向を逆向きにして、処理領域320と処理領域340とで供給するガスを入れ替えることもできる。さらに、この場合には、必要回数連続処理を繰り返すことができる。
【0378】
本実施形態の連続処理装置300においては、処理領域320のガスが個別排気手段V1,V2によって排気領域322,323から排気されることで、処理領域320のガスが隣の処理領域340へと到達することを防止する。同時に、処理領域340のガスが個別排気手段V9,V10によって排気領域342,343から排気されることで、処理領域240のガスが隣の処理領域320へと到達することを防止する。
したがって、処理領域320および処理領域340において、それぞれコンタミネーションが発生することを防止できる。
【0379】
ここで、全体排気手段である排気ポンプP01によってチャンバ301全体を処理雰囲気圧力とする全体排気工程における排気を、全体排気工程後に弱めてフィルムFの処理をおこなうことで、処理領域320,340における排気速度を個別排気手段V1,V2,V9,V10によって主として設定することが可能となる。これにより、処理領域320,340においては個別排気手段V1,V2,V9,V10による排気を支配的として、全体排気手段P01が個別排気手段V1,V2,V9,V10による排気に干渉することを防止して、処理領域320,340の圧力を好適に設定することが可能となる。
【0380】
また、複数のガス供給手段P1およびガス供給手段P3の間である境界付近に、それぞれ個別排気手段V2,V9で排気する排気領域323,342を設けることで、処理領域320、処理領域340間でのコンタミネーション発生を防止することができる。ここで、フィルムFの処理工程の実施中には、個別排気手段V2,V9による排気が支配的になるように全体排気手段P01の排気を制御手段309は制御することで、フィルムFの処理中であってもチャンバ301内全体を排気する全体排気手段P01と個別排気手段V2,V9とが干渉して、処理領域320,340の圧力を制御することが難しくなることを回避することができる。
【0381】
また、それぞれのガス供給手段P1,P3から処理領域320,340毎に異なる処理ガスを給気しても、排気手段V1,V2,V9,V10によって隣の処理領域320,340に給気されたガスが侵入してしまうことを防止できる。したがって、異なる処理領域320,340で異なるガスを用いて連続的に処理をおこなう連続処理において、コンタミネーションを防止することが可能となる。特に、ALD(Atomic Layer Deposition;原子層堆積法)などの処理に適用した場合にコンタミネーションを防止して、膜特性の向上を図ることが可能となる。
【0382】
また、第1ガスの供給された第1処理領域320と、排気領域322,323と、第2ガスの供給された第2処理領域340と、排気領域342,343と、を順に基体が移動することで、異なるガスを順に供給することが必要な成膜処理、例えばALDによる成膜処理をおこなうことが可能となる。
【0383】
圧力検出手段P0c、P1cによって、処理領域320から排気領域322,323へと向かうガス流の状態を検出して、全体排気手段P01と個別排気手段V1,V2との駆動状態を適宜制御することが可能となる。同様に、圧力検出手段P0c、P3cによって、処理領域340から排気領域342,343へと向かうガス流の状態を検出して、全体排気手段P01と個別排気手段V9,V10との駆動状態を適宜制御することが可能となる。
【0384】
処理領域320,340におけるガス状態制御、つまり、全体排気手段P01と個別排気手段V1,V2,V9,V10との排気量あるいは排気速度のバランスを取り、処理領域320,340における圧力およびガス流の制御を確実におこなうことが可能となる。また、処理領域320,340におけるガス流およびガス圧力の変動に対応することもできる。
【0385】
パージ領域330によって、隣接する処理領域320と処理領域340とで異なるガスを用いて連続的に処理をおこなう連続処理であっても、パージガスが供給されてパージ排気領域332,333から排気されるパージ領域330を越えて、処理領域320,340のガスが互いに到達してしまうことを防止して、コンタミネーションの発生を防止することが可能となる。
【0386】
なお、本実施形態においても、上述した第3実施形態のように、処理領域320,340およびパージ領域330に対して、フィルムFの移動方向に対して横位置となる排気領域、つまり、搬送ドラム313の軸方向両端位置に対応する排気領域およびパージ排気領域を追加して設けることもできる、
この場合、追加する排気領域およびパージ排気領域は、処理領域320,340およびパージ領域330を、それぞれ上下から覆うように回転軸線の直交方向に延在するように配置することができる。
【0387】
本実施形態においては、上述した実施形態と同等の効果を奏することができる。
【0388】
以下、本発明に係る連続処理装置の第5実施形態を、図面に基づいて説明する。
図6は、本実施形態における連続処理装置を示す模式側面図である。
図7は、本実施形態の連続処理装置における排気領域等の配置を示す模式上面図である。なお、
図6においては、処理領域420、回転軸412および搬送ドラム(載置部)413、パージ領域430、排気領域424,425、パージ排気領域434,435他の位置関係を示すように厳密な側面とは変形して示している。
本実施形態において上述した第4実施形態と異なるのは基板(基体)および移動手段および処理領域の数に関する点である。
【0389】
本実施形態の連続処理装置400においては、複数の基板(基体)Wを搬送ドラム(載置部)の外周面に配置して連続処理をおこなう。
本実施形態の連続処理装置400は、
図6,
図7に示すように、チャンバ401と、搬送ドラム部(移動手段)410と、処理領域420と、パージ領域430と、処理領域440と、パージ領域450と、制御手段409と、を有する。
【0390】
本実施形態の連続処理装置400においては、処理領域420と、パージ領域430と、処理領域440と、パージ領域450と、が二組設けられる。本実施形態の連続処理装置400においては、基板Wに対する連続処理を繰り返しておこなうことができる。
【0391】
チャンバ401は、
図6に示すように、真空状態に密閉可能であり、内部で連続処理をおこなう処理室とされている。
【0392】
搬送ドラム部(移動手段)410は、
図6,
図7に示すように、搬送ドラム(載置部)413と、搬送ドラム(載置部)413を回転する回転軸412と、回転軸412を駆動する駆動部414とを有する。
【0393】
搬送ドラム(載置部)413は、
図6,
図7に示すように、処理室であるチャンバ401内に配置される。回転軸412は、チャンバ401の天井部401aと底部401bとを回転可能に貫通する。駆動部414は、チャンバ401の外部に配置される。駆動部414は制御手段409に接続される。駆動部414は、制御手段409によって制御される。
【0394】
搬送ドラム413は、処理室であるチャンバ401内に回転軸線が鉛直方向に沿って設けられる。搬送ドラム413は、その外周表面に複数の基板Wを配置した状態で回転する。平板となる基板Wの処理面は、搬送ドラム413の回転にともなって回転軸線の周りを回転する。
【0395】
搬送ドラム413は、平板である基板Wを回転するために、その側面が基板Wに沿って、角柱とされることができる。あるいは、搬送ドラム413は、円柱状とされて、基板Wを回転軸線周りに、搬送ドラム413の径方向と直交する角度で固定することができる。これらの場合、搬送ドラム413は、側周面に基板ホルダ等を設けた柱状とすることもできる。
【0396】
さらに、搬送ドラム413は、基板Wの固定を容易にするために、上方に向けて径寸法がわずかに小さくなるように、円錐台、角柱台等の概形を有することもできる。この場合、搬送ドラム413は、角柱台となる側面に基板載置部としての凹部を設けておくこともできる。
【0397】
本実施形態においては、搬送ドラム413は、回転軸線周りに8側面を有する八角柱とされる。
搬送ドラム413が角柱とされた場合には、角度の異なる側面ごとに、複数枚の基板Wを固定して、複数枚の基板Wを同時に同一の処理可能とすることもできる。本実施形態においては、搬送ドラム413の一側面において縦方向に3枚の基板Wを配置して、これらを同一の処理工程として処理することができる。
さらに、搬送ドラム413が角柱とされた場合には、周方向に隣接する、あるいは、周方向に離間した角柱の側面においては、それぞれ異なる処理工程を同時におこなうことができる。
【0398】
本実施形態においては、回転する搬送ドラム413の周方向が、基板Wの移動方向となる。したがって、搬送ドラム413は、基板Wの移動方向と直交する回転軸線を有する。
【0399】
搬送ドラム部(移動手段)410には、
図6,
図7に示すように、処理室であるチャンバ401内で処理される基板Wに近接する位置にヒータ407が配置される。ヒータ407は、搬送ドラム413の側面に埋め込まれる。ヒータ407は、処理領域420,440において基板Wを加熱可能とされている。ヒータ407は、搬送ドラム413の径方向視して基板Wと重なる側面範囲を加熱可能に配置される。つまり、搬送ドラム413の側面において、基板載置部あるいは、基板ホルダ等に対応する位置に設けられる。
ヒータ407は制御手段409に接続される。ヒータ407は、制御手段409によって制御される。
【0400】
処理室であるチャンバ401には、
図6,
図7に示すように、排気ポンプP01が設けられる。チャンバ401は排気ポンプP01によって排気される。排気ポンプP01は、ゲートバルブを介して処理室であるチャンバ401に接続される。排気ポンプP01は制御手段409に接続される。排気ポンプP01は、制御手段409によって制御される。
排気ポンプP01によって、チャンバ401内が排気される。排気ポンプP01は、全体排気手段を構成する。
【0401】
処理室であるチャンバ401において、搬送ドラム413の側面の径方向外側位置には、処理領域420と、パージ領域430と、処理領域440と、パージ領域450と、が二組配置される。処理領域420と、パージ領域430と、処理領域440と、パージ領域430とは、搬送ドラム413の側周面に沿って配置される。処理領域420と、パージ領域430と、処理領域440と、パージ領域430とは、搬送ドラム413の側周面に対向する。処理領域420と、パージ領域430と、処理領域440と、パージ領域430とは、搬送ドラム413の移動方向に互いに隣接して配置される。
【0402】
搬送ドラム413の周方向における基板Wの移動方向で、処理領域420の下流には、
図7に示すように、パージ領域430が配置される。搬送ドラム413の周方向における基板Wの移動方向で、パージ領域430の下流には処理領域440が配置される。搬送ドラム413の周方向における基板Wの移動方向で、処理領域440の下流にはパージ領域450が配置される。
【0403】
さらに、搬送ドラム413の周方向における基板Wの移動方向で、パージ領域450の下流には、他の組となる処理領域420が配置される。また、搬送ドラム413の周方向における基板Wの移動方向で、処理領域420の上流には他の組のパージ領域450が配置される。
したがって、本実施形態における角柱状の搬送ドラム413の周方向には、4つの処理領域420,440と、4つのパージ領域430,450とが交互に配置される。
【0404】
処理領域(第1処理領域)420では、
図6,
図7に示すように、搬送ドラム413の側面の径方向外側位置に、ガス供給手段(処理手段)P1が配置される。ガス供給手段(処理手段)P1は、給気ノズルP1aと、ガス供給部P1bとを有する。
【0405】
給気ノズルP1aは、
図6,
図7に示すように、搬送される基板Wの外側表面に対向して開口する。給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板Wの移動軌跡と平行に搬送ドラム413の周方向に沿って配置される。給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板Wの軌跡と搬送ドラム413の径方向に離間する距離が周方向に等しく配置される。給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送ドラム413の表面に固定された複数の基板Wの移動軌跡と同心状に配置される。
【0406】
給気ノズルP1aの開口は、単一または複数の開口部を有する枠状とされてもよい。また、給気ノズルP1aの開口は、多数の細かい噴出孔が設けられた板体とされてもよい。さらに、処理領域420へのガス供給を均等にするための機構を有していてもよい。
【0407】
給気ノズルP1aの開口輪郭は、搬送ドラム413の側周面に沿った処理領域420の輪郭を規定する。具体的には、給気ノズルP1aの開口輪郭は、搬送される基板Wの移動方向と直交する搬送ドラム413の軸方向(鉛直方向)において、基板Wの最大幅寸法よりも大きく設定される。
また、給気ノズルP1aの開口輪郭は、搬送される基板Wの移動方向において、基板Wの処理に必要な時間と、搬送される基板Wの移動速度との兼ね合い等の処理条件から、必要な寸法が設定される。
【0408】
ガス供給部P1bは、給気ノズルP1aに接続され、所定の流量・圧力で貯留されたガス(第1ガス)を給気ノズルP1aに供給する。ガス供給部P1bは、制御手段409に接続される。ガス供給部P1bは、制御手段409によって制御される。
【0409】
搬送される基板Wの移動方向における処理領域420の上流には、
図6,
図7に示すように、排気領域422が配置される。
排気領域422では、搬送される基板Wの搬送ドラム413の径方向外側に排気手段(個別排気手段)V1が配置される。排気手段V1は、排気ノズルV1aと、排気部V1bとを有する。
【0410】
排気ノズルV1aは、
図6,
図7に示すように、搬送される基板Wに対して搬送ドラム413の径方向外側の表面に対向して開口する。排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板Wの表面の移動軌跡と平行に搬送ドラム413の周方向に沿って配置される。排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板W表面の移動軌跡と搬送ドラム413の径方向に離間する距離が周方向に等しく配置される。
【0411】
排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送ドラム413の側面と同心状に配置される。排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板W表面の移動軌跡と搬送ドラム413の径方向に離間する距離が、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)と同じ距離に配置されてもよい。また、排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板W表面の移動軌跡と搬送ドラム413の径方向に離間する距離が、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)と異なる距離でもよい。
【0412】
排気ノズルV1aの開口輪郭は、搬送ドラム413の周面に沿った排気領域422の輪郭を規定する。具体的には、排気ノズルV1aの開口輪郭は、搬送される基板Wの移動方向と直交する搬送ドラム413の軸方向(鉛直方向)において、基板Wの最大寸法よりも大きく設定される。
【0413】
排気ノズルV1aの開口輪郭は、搬送される基板Wの移動方向と直交する搬送ドラム413の軸方向(鉛直方向)において、給気ノズルP1aの寸法よりも大きく設定される。
また、排気ノズルV1aの開口輪郭は、搬送される基板Wの移動方向である搬送ドラム413の周方向において、処理領域420の排気に必要な大きさ・形状であればよく、搬送される基板Wの移動速度、ガス供給量、圧力雰囲気等の処理条件から、必要な寸法が設定される。
【0414】
排気部V1bは、排気ノズルV1aに接続され、所定の排気速度・排気量・排気圧で処理領域420のガスを排気ノズルV1aから排気する。排気部V1bは、真空ポンプとされる。排気部V1bは、制御手段409に接続される。排気部V1bは、制御手段409によって排気速度・排気量・排気圧を制御される。ここで、排気速度・排気量・排気圧の制御は、ポンプの駆動状態や、排気弁の弁開度等を調整して制御される。
【0415】
搬送される基板Wの移動方向における処理領域420の下流には、
図6,
図7に示すように、パージ領域430の上流に排気領域423が配置される。
排気領域423では、搬送される基板Wの搬送ドラム413の径方向外側に排気手段(個別排気手段)V2が配置される。排気手段V2は、排気ノズルV2aと、排気部V2bとを有する。
【0416】
排気ノズルV2aは、
図6,
図7に示すように、搬送される基板Wに対して搬送ドラム413の径方向外側の表面に対向して開口する。排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板Wの表面と平行に搬送ドラム413の周方向に沿って配置される。排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板W表面と搬送ドラム413の径方向に離間する距離が周方向に等しく配置される。
【0417】
排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送ドラム413の側面と同心状に配置される。排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板W表面と搬送ドラム413の径方向に離間する距離が、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)および排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)と同じ距離に配置されてもよい。また、排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板W表面と搬送ドラム413の径方向に離間する距離が、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)および排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)と異なる距離でもよい。
【0418】
排気ノズルV2aの開口輪郭は、搬送ドラム413の周面に沿った排気領域423の輪郭を規定する。具体的には、排気ノズルV2aの開口輪郭は、搬送される基板Wの移動方向と直交する搬送ドラム413の軸方向(鉛直方向)において、基板Wの最大幅寸法よりも大きく設定される。
【0419】
排気ノズルV2aの開口輪郭は、搬送される基板Wの移動方向と直交する搬送ドラム413の軸方向(鉛直方向)において、給気ノズルP1aの寸法よりも大きく設定される。
また、排気ノズルV2aの開口輪郭は、搬送される基板Wの移動方向である搬送ドラム413の周方向において、処理領域420の排気に必要な大きさ・形状であればよく、搬送される基板Wの移動速度、ガス供給量、圧力雰囲気等の処理条件から、必要な寸法が設定される。
【0420】
排気部V2bは、排気ノズルV2aに接続され、所定の排気速度・排気量・排気圧で処理領域420のガスを排気ノズルV2aから排気する。排気部V2bは、真空ポンプとされる。排気部V2bは、制御手段209に接続される。排気部V2bは、制御手段409によって排気速度・排気量・排気圧を制御される。ここで、排気速度・排気量・排気圧の制御は、ポンプの駆動状態や、排気弁の弁開度等を調整して制御される。
【0421】
搬送される基板Wの移動方向における処理領域420の左手位置には、
図6,
図7に示すように、排気領域424が配置される。
排気領域424では、搬送される基板Wの搬送ドラム413の径方向外側に排気手段(個別排気手段)V3が配置される。排気手段V3は、排気ノズルV3aと、排気部V3bとを有する。
【0422】
排気ノズルV3aは、
図6,
図7に示すように、搬送ドラム413の径方向外側の表面に対向して開口する。排気ノズルV3aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送ドラム413の上縁部に沿って周方向に配置される。排気ノズルV3aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板W表面の移動軌跡と搬送ドラム413の径方向に離間する距離が周方向に等しく配置される。
【0423】
排気ノズルV3aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送ドラム413の側面と同心状に配置される。排気ノズルV3aの開口輪郭(開口縁部)の寸法は、搬送ドラム413の周方向において、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)と同じ寸法に設定される。
排気ノズルV3aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板W表面の移動軌跡と搬送ドラム413の径方向に離間する距離が、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)と排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)と排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)と同じ距離に配置されてもよい。また、排気ノズルV3aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板W表面の移動軌跡と搬送ドラム413の径方向に離間する距離が、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)と排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)と排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)と異なる距離でもよい。
【0424】
排気ノズルV3aは、搬送ドラム413の周方向における両端が、排気ノズルV1aおよび排気ノズルV2aに接することができる。
排気ノズルV3aの開口輪郭(開口縁部)は、基板Wの移動方向と直交する幅方向において、搬送ドラム413の周方向における、排気ノズルV1aおよび排気ノズルV2aの寸法と同じかやや小さく設定することができる。
また、排気ノズルV3aの開口輪郭は、搬送ドラム413の周方向において、処理領域420の排気に必要な大きさ・形状であればよく、基板Wの移動速度、ガス供給量、圧力雰囲気等の処理条件、および、処理領域440との距離などから、必要な寸法が設定される。
【0425】
排気部V3bは、排気ノズルV3aに接続され、所定の排気速度・排気量・排気圧で処理領域420のガスを排気ノズルV3aから排気する。排気部V3bは、真空ポンプとされる。排気部V3bは、制御手段409に接続される。排気部V3bは、制御手段409によって排気速度・排気量・排気圧を制御される。ここで、排気速度・排気量・排気圧の制御は、ポンプの駆動状態や、排気弁の弁開度等を調整して制御される。
【0426】
搬送される基板Wの移動方向における処理領域420の右手位置には、
図6,
図7に示すように、排気領域425が配置される。
排気領域425では、搬送される基板Wの搬送ドラム413の径方向外側に排気手段(個別排気手段)V4が配置される。排気手段V4は、排気ノズルV4aと、排気部V4bとを有する。
【0427】
排気ノズルV4aは、
図6,
図7に示すように、搬送ドラム413の径方向外側の表面に対向して開口する。排気ノズルV4aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送ドラム413の下縁部に沿って周方向に配置される。排気ノズルV4aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板W表面の移動軌跡と搬送ドラム413の径方向に離間する距離が周方向に等しく配置される。
【0428】
排気ノズルV4aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送ドラム413の側面と同心状に配置される。排気ノズルV4aの開口輪郭(開口縁部)の寸法は、搬送ドラム413の周方向において、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)と同じ寸法に設定される。
排気ノズルV4aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板W表面の移動軌跡と搬送ドラム413の径方向に離間する距離が、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)と排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)と排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)と同じ距離に配置されてもよい。また、排気ノズルV4aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板W表面の移動軌跡と搬送ドラム413の径方向に離間する距離が、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)と排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)と排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)と異なる距離でもよい。
【0429】
排気ノズルV4aは、搬送ドラム413の周方向における両端が、排気ノズルV1aおよび排気ノズルV2aに接することができる。
排気ノズルV4aの開口輪郭(開口縁部)は、基板Wの移動方向と直交する幅方向において、搬送ドラム413の周方向における、排気ノズルV1aおよび排気ノズルV2aの寸法と同じかやや小さく設定することができる。
また、排気ノズルV4aの開口輪郭は、搬送ドラム413の周方向において、処理領域420の排気に必要な大きさ・形状であればよく、基板Wの移動速度、ガス供給量、圧力雰囲気等の処理条件、および、処理領域440との距離などから、必要な寸法が設定される。
【0430】
排気部V4bは、排気ノズルV4aに接続され、所定の排気速度・排気量・排気圧で処理領域420のガスを排気ノズルV4aから排気する。排気部V4bは、真空ポンプとされる。排気部V4bは、制御手段409に接続される。排気部V4bは、制御手段409によって排気速度・排気量・排気圧を制御される。ここで、排気速度・排気量・排気圧の制御は、ポンプの駆動状態や、排気弁の弁開度等を調整して制御される。
【0431】
処理領域420を囲む排気領域422~425は、排気手段V1~V4によって処理領域420を排気して、処理領域420に対する雰囲気圧力の設定を可能とする。
【0432】
パージ領域430は、
図6,
図7に示すように、搬送ドラム413の移動方向で処理領域420の下流に排気領域423を挟んで配置される。パージ領域430においては、搬送ドラム413の側面の径方向外側にパージガス供給手段P2が配置される。パージガス供給手段P2は、パージガスノズルP2aと、パージガス供給部P2bとを有する。
【0433】
パージガスノズルP2aは、搬送される基板Wの外側表面に対向して開口する。パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板Wの移動軌跡と平行に搬送ドラム413の周方向に沿って配置される。パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板Wの軌跡と搬送ドラム413の径方向に離間する距離が周方向に等しく配置される。パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送ドラム413の表面に固定された複数の基板Wの移動軌跡と同心状に配置される。
【0434】
パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送ドラム413の側周面と同心状に配置される。パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板Wの移動軌跡と搬送ドラム413の径方向に離間する距離が、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)、排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)、排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)と同じ距離に配置されてもよい。また、パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板Wの移動軌跡と搬送ドラム413の径方向に離間する距離が、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)、排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)、排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)と異なる距離でもよい。
【0435】
パージガスノズルP2aの開口は、単一または複数の開口部を有する枠状とされてもよい。また、パージガスノズルP2aの開口は、多数の細かい噴出孔が設けられた板体とされてもよい。さらに、パージ領域430へのパージガス供給を均等にするための機構を有していてもよい。
【0436】
パージガスノズルP2aの開口輪郭は、搬送ドラム413の側周面に沿ったパージ領域430の輪郭を規定する。具体的には、パージガスノズルP2aの開口輪郭は、搬送される基板Wの移動方向と直交する搬送ドラム413の軸方向(鉛直方向)において、基板Wの最大幅寸法よりも大きく設定される。パージガスノズルP2aの開口輪郭は、搬送ドラム413の軸方向(鉛直方向)において、給気ノズルP1aの寸法とほぼ同じかこれよりも大きく設定される。
【0437】
また、パージガスノズルP2aの開口輪郭は、搬送される基板Wの移動方向において、基板Wの処理に必要な時間と、搬送される基板Wの移動速度との兼ね合い等の処理条件と、処理領域420と処理領域440とに対するガスの遮断に必要なパージガスの量とから、必要な寸法が設定される。
【0438】
パージガス供給部P2bは、パージガスノズルP2aに接続され、所定の流量・圧力で貯留されたパージガスをパージガスノズルP2aに供給する。パージガス供給部P2bは、制御手段409に接続される。パージガス供給部P2bは、制御手段409によって制御される。
【0439】
搬送される基板Wの移動方向である搬送ドラム413の周方向において、パージ領域430の上流には、
図6,
図7に示すように、パージ排気領域(排気領域)432が配置される。
パージ排気領域432では、搬送される基板Wの搬送ドラム413の径方向外側にパージガス排気手段(個別排気手段)V5が配置される。パージガス排気手段V5は、パージ排気ノズルV5aと、パージ排気部V5bとを有する。
【0440】
パージ排気ノズルV5aは、
図6,
図7に示すように、搬送される基板Wに対して搬送ドラム413の径方向外側の表面に対向して開口する。パージ排気ノズルV5aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板Wの表面の移動軌跡と平行に搬送ドラム413の周方向に沿って配置される。パージ排気ノズルV5aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板W表面の移動軌跡と搬送ドラム413の径方向に離間する距離が周方向に等しく配置される。
【0441】
パージ排気ノズルV5aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送ドラム413の側面と同心状に配置される。パージ排気ノズルV5aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板W表面の移動軌跡と搬送ドラム413の径方向に離間する距離が、給気ノズルP1aの開口輪郭と排気ノズルV1aの開口輪郭と排気ノズルV2aの開口輪郭とパージガスノズルP2aの開口輪郭と同じ距離に配置されてもよい。また、パージ排気ノズルV5aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板W表面の移動軌跡と搬送ドラム413の径方向に離間する距離が、給気ノズルP1aの開口輪郭と排気ノズルV1aの開口輪郭と排気ノズルV2aの開口輪郭とパージガスノズルP2aの開口輪郭と異なる距離でもよい。
【0442】
パージ排気ノズルV5aの開口輪郭は、搬送ドラム413の周面に沿ったパージ排気領域432の輪郭を規定する。具体的には、パージ排気ノズルV5aの開口輪郭は、搬送される基板Wの移動方向と直交する搬送ドラム413の軸方向(鉛直方向)において、基板Wの最大寸法よりも大きく設定される。
【0443】
パージ排気ノズルV5aの開口輪郭は、搬送される基板Wの移動方向と直交する搬送ドラム413の軸方向(鉛直方向)において、パージガスノズルP2aの寸法よりも大きく設定される。
また、パージ排気ノズルV5aの開口輪郭は、搬送される基板Wの移動方向である搬送ドラム413の周方向において、パージ領域430の排気に必要な大きさ・形状であればよく、搬送される基板Wの移動速度、ガス供給量、圧力雰囲気等の処理条件から、必要な寸法が設定される。
【0444】
パージ排気部V5bは、パージ排気ノズルV5aに接続され、所定の排気速度・排気量・排気圧でパージ領域430のパージガスをパージ排気ノズルV5aから排気する。パージ排気部V5bは、真空ポンプとされる。パージ排気部V5bは、制御手段409に接続される。パージ排気部V5bは、制御手段409によって排気速度・排気量・排気圧を制御される。ここで、排気速度・排気量・排気圧の制御は、ポンプの駆動状態や、排気弁の弁開度等を調整して制御される。
【0445】
搬送される基板Wの移動方向である搬送ドラム413の周方向において、パージ領域430の下流には、
図6,
図7に示すように、処理領域440の上流にパージ排気領域(排気領域)433が配置される。
パージ排気領域433では、搬送される基板Wの搬送ドラム413の径方向外側にパージガス排気手段(個別排気手段)V6が配置される。パージガス排気手段V6は、パージ排気ノズルV6aと、パージ排気部V6bとを有する。
【0446】
パージ排気ノズルV6aは、
図6,
図7に示すように、搬送される基板Wに対して搬送ドラム413の径方向外側の表面に対向して開口する。パージ排気ノズルV6aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板Wの表面の移動軌跡と平行に搬送ドラム413の周方向に沿って配置される。パージ排気ノズルV6aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板W表面の移動軌跡と搬送ドラム413の径方向に離間する距離が周方向に等しく配置される。
【0447】
パージ排気ノズルV6aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送ドラム413の側面と同心状に配置される。パージ排気ノズルV6aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板W表面の移動軌跡と搬送ドラム413の径方向に離間する距離が、給気ノズルP1aの開口輪郭と排気ノズルV1aの開口輪郭と排気ノズルV2aの開口輪郭とパージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)とパージ排気ノズルV5aの開口輪郭と同じ距離に配置されてもよい。また、パージ排気ノズルV6aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板W表面の移動軌跡と搬送ドラム413の径方向に離間する距離が、給気ノズルP1aの開口輪郭と排気ノズルV1aの開口輪郭と排気ノズルV2aの開口輪郭とパージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)とパージ排気ノズルV5aの開口輪郭と異なる距離でもよい。
【0448】
パージ排気ノズルV6aの開口輪郭は、搬送ドラム413の周面に沿ったパージ排気領域433の輪郭を規定する。具体的には、パージ排気ノズルV6aの開口輪郭は、搬送される基板Wの移動方向と直交する搬送ドラム413の軸方向(鉛直方向)において、基板Wの最大寸法よりも大きく設定される。
【0449】
パージ排気ノズルV6aの開口輪郭は、搬送される基板Wの移動方向と直交する搬送ドラム413の軸方向(鉛直方向)において、パージガスノズルP2aの寸法よりも大きく設定される。
パージ排気ノズルV6aの開口輪郭は、搬送される基板Wの移動方向と直交する搬送ドラム413の軸方向(鉛直方向)において、パージ排気ノズルV5aの寸法とほぼ等しく設定される。
また、パージ排気ノズルV6aの開口輪郭は、搬送される基板Wの移動方向である搬送ドラム413の周方向において、パージ領域430の排気に必要な大きさ・形状であればよく、搬送される基板Wの移動速度、ガス供給量、圧力雰囲気等の処理条件から、必要な寸法が設定される。
【0450】
パージ排気部V6bは、パージ排気ノズルV6aに接続され、所定の排気速度・排気量・排気圧でパージ排気領域433のガスをパージ排気ノズルV6aから排気する。パージ排気部V6bは、真空ポンプとされる。パージ排気部V6bは、制御手段409に接続される。パージ排気部V6bは、制御手段409によって排気速度・排気量・排気圧を制御される。ここで、排気速度・排気量・排気圧の制御は、ポンプの駆動状態や、排気弁の弁開度等を調整して制御される。
【0451】
搬送される基板Wの移動方向におけるパージ領域430の左手位置には、
図6,
図7に示すように、パージ排気領域434が配置される。
パージ排気領域434では、搬送される基板Wの搬送ドラム413の径方向外側にパージガス排気手段(個別排気手段)V7が配置される。パージガス排気手段V7は、パージ排気ノズルV7aと、パージ排気部V7bとを有する。
【0452】
パージ排気ノズルV7aは、
図6,
図7に示すように、排気ノズルV3aと同様、搬送ドラム413の径方向外側の表面に対向して開口する。パージ排気ノズルV7aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送ドラム413の上縁部に沿って周方向に配置される。パージ排気ノズルV7aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板W表面の移動軌跡と搬送ドラム413の径方向に離間する距離が周方向に等しく配置される。
【0453】
パージ排気ノズルV7aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送ドラム413の側面と同心状に配置される。パージ排気ノズルV7aの開口輪郭(開口縁部)の寸法は、搬送ドラム413の周方向において、パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)と同じ寸法に設定される。
パージ排気ノズルV7aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板W表面の移動軌跡と搬送ドラム413の径方向に離間する距離が、パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)とパージ排気ノズルV5aの開口輪郭(開口縁部)とパージ排気ノズルV6aの開口輪郭(開口縁部)と同じ距離に配置されてもよい。また、パージ排気ノズルV7aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板W表面の移動軌跡と搬送ドラム413の径方向に離間する距離が、パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)とパージ排気ノズルV5aの開口輪郭(開口縁部)とパージ排気ノズルV6aの開口輪郭(開口縁部)と異なる距離でもよい。
【0454】
パージ排気ノズルV7aは、搬送ドラム413の周方向における両端が、パージ排気ノズルV5aおよびパージ排気ノズルV6aに接することができる。
パージ排気ノズルV7aの開口輪郭(開口縁部)は、基板Wの移動方向と直交する幅方向において、搬送ドラム413の周方向における、パージ排気ノズルV5aおよびパージ排気ノズルV6aの寸法と同じかやや小さく設定することができる。
また、パージ排気ノズルV7aの開口輪郭は、搬送ドラム413の周方向において、パージ領域430の排気に必要な大きさ・形状であればよく、基板Wの移動速度、パージガス供給量、圧力雰囲気等の処理条件、および、処理領域420,440との距離などから、必要な寸法が設定される。
【0455】
パージ排気部V7bは、パージ排気ノズルV7aに接続され、所定の排気速度・排気量・排気圧でパージ領域430のパージガスをパージ排気ノズルV7aから排気する。パージ排気部V7bは、真空ポンプとされる。パージ排気部V7bは、制御手段409に接続される。パージ排気部V7bは、制御手段409によって排気速度・排気量・排気圧を制御される。ここで、排気速度・排気量・排気圧の制御は、ポンプの駆動状態や、排気弁の弁開度等を調整して制御される。
【0456】
搬送される基板Wの移動方向におけるパージ領域430の右手位置には、
図6,
図7に示すように、パージ排気領域435が配置される。
パージ排気領域435では、搬送される基板Wの搬送ドラム413の径方向外側にパージガス排気手段(個別排気手段)V8が配置される。パージガス排気手段V8は、パージ排気ノズルV8aと、パージ排気部V8bとを有する。
【0457】
パージ排気ノズルV8aは、
図6,
図7に示すように、排気ノズルV4aと同様に、搬送ドラム413の径方向外側の表面に対向して開口する。パージ排気ノズルV8aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送ドラム413の下縁部に沿って周方向に配置される。パージ排気ノズルV8aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板W表面の移動軌跡と搬送ドラム413の径方向に離間する距離が周方向に等しく配置される。
【0458】
パージ排気ノズルV8aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送ドラム413の側面と同心状に配置される。パージ排気ノズルV8aの開口輪郭(開口縁部)の寸法は、搬送ドラム413の周方向において、パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)と同じ寸法に設定される。
パージ排気ノズルV8aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板W表面の移動軌跡と搬送ドラム413の径方向に離間する距離が、パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)とパージ排気ノズルV5aの開口輪郭(開口縁部)とパージ排気ノズルV6aの開口輪郭(開口縁部)とパージ排気ノズルV7aの開口輪郭(開口縁部)と同じ距離に配置されてもよい。また、パージ排気ノズルV8aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板W表面の移動軌跡と搬送ドラム413の径方向に離間する距離が、パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)とパージ排気ノズルV5aの開口輪郭(開口縁部)とパージ排気ノズルV6aの開口輪郭(開口縁部)とパージ排気ノズルV7aの開口輪郭(開口縁部)と異なる距離でもよい。
【0459】
パージ排気ノズルV8aは、搬送ドラム413の周方向における両端が、パージ排気ノズルV5aおよびパージ排気ノズルV6aに接することができる。
パージ排気ノズルV8aの開口輪郭(開口縁部)は、基板Wの移動方向と直交する幅方向において、搬送ドラム413の周方向における、パージ排気ノズルV5aおよびパージ排気ノズルV6aの寸法と同じかやや小さく設定することができる。
また、パージ排気ノズルV8aの開口輪郭は、搬送ドラム413の周方向において、パージ領域430の排気に必要な大きさ・形状であればよく、基板Wの移動速度、パージガス供給量、圧力雰囲気等の処理条件、および、処理領域420,440との距離などから、必要な寸法が設定される。
【0460】
パージ排気部V8bは、パージ排気ノズルV8aに接続され、所定の排気速度・排気量・排気圧でパージ領域430のガスをパージ排気ノズルV8aから排気する。パージ排気部V8bは、真空ポンプとされる。パージ排気部V8bは、制御手段409に接続される。パージ排気部V8bは、制御手段409によって排気速度・排気量・排気圧を制御される。ここで、排気速度・排気量・排気圧の制御は、ポンプの駆動状態や、排気弁の弁開度等を調整して制御される。
【0461】
パージ領域430を囲むパージ排気領域432~435は、パージガス排気手段V5~V8によってパージ領域430を排気して、パージ領域430に対して雰囲気圧力の設定可能とする。
【0462】
搬送される基板Wの移動方向である搬送ドラム413の周方向において、パージ領域430の下流には、
図6,
図7に示すように、パージ排気領域(排気領域)433の下流に処理領域440が配置される。
【0463】
処理領域(第2処理領域)440では、
図6,
図7に示すように、搬送ドラム413の側周面の径方向外側位置に、搬送ドラム413の周方向に沿ってガス供給手段(処理手段)P3が配置される。ガス供給手段(処理手段)P3は、給気ノズルP3aと、ガス供給部P3bとを有する。
ガス供給手段(処理手段)P3は、ガス供給手段(処理手段)P1と異なるガスを供給可能である。
【0464】
処理領域440は、搬送ドラム413の側周面に対する周方向位置が異なるが、処理領域420と同等の構成とされる。また、ガス供給手段(処理手段)P3は、給気ノズルP3aと、ガス供給部P3bとも、搬送ドラム413の側周面に対する周方向位置が異なるが、ガス供給手段(処理手段)P1と、給気ノズルP1aと、ガス供給部P1bと同等の構成とされる。
【0465】
処理領域440には、処理領域420に対する排気領域422,423,424,425と同様に、搬送ドラム413の径方向視して、その周囲に、排気領域442,443,444,445が配置される。
排気領域442,443,444,445は、搬送ドラム413の側周面に対する周方向位置が異なるが、排気領域422,423,424,425と同等の構成とされる。
【0466】
これに伴って、排気領域442,443,444,445には、排気手段V9~V12が設けられる。
排気手段V9~V12は、排気ノズルV9a~V12aと、排気部V9b~V12bとを有する。排気手段V9~V12、排気ノズルV9a~V12a、排気部V9b~V12bは、搬送ドラム413の側周面に対する周方向位置が異なるが、排気手段V1~V4、排気ノズルV1a~V4a、排気部V1b~V4bと同等の構成とされる。
【0467】
搬送される基板Wの移動方向である搬送ドラム413の周方向において、処理領域440の下流には、
図6,
図7に示すように、排気領域443の下流にパージ領域450が配置される。
【0468】
パージ領域450は、搬送ドラム413の側周面に対する周方向位置が異なるが、パージ領域430と同等の構成とされる。パージ領域450には、パージガス供給手段P4、パージガスノズルP4a、パージガス供給部P4bを有する。パージガス供給手段P4、パージガスノズルP4a、パージガス供給部P4bも、搬送ドラム413の側周面に対する周方向位置が異なるが、パージガス供給手段P2、パージガスノズルP2a、パージガス供給部P2bと同等の構成とされる。
【0469】
パージ領域450には、パージ領域430に対するパージ排気領域432,433,434,435と同様に、搬送ドラム413の径方向視して、その周囲に、パージ排気領域452,453,454,455が配置される。
パージ排気領域452,453,454,455は、搬送ドラム413の側周面に対する周方向位置が異なるが、パージ排気領域432,433,434,435と同等の構成とされる。
【0470】
これに伴って、パージ排気領域452,453,454,455には、パージガス排気手段V13~V16が設けられる。
パージガス排気手段V13~V16は、パージ排気ノズルV13a~V16aと、パージ排気部V13b~V16bとを有する。パージガス排気手段V13~V16、パージ排気ノズルV13a~V16a、パージ排気部V13b~V16bは、搬送ドラム413の側周面に対する周方向位置が異なるが、パージガス排気手段V5~V8、パージ排気ノズルV5a~V8a、パージ排気部V5b~V8bと同等の構成とされる。
【0471】
本実施形態の連続処理装置400において、
図6,
図7に示すように、処理室となるチャンバ401には、圧力検出手段P0cが設けられる。同様に、処理領域420には、圧力検出手段P1cが設けられる。パージ領域430には、圧力検出手段P2cが設けられる。処理領域440には、圧力検出手段P3cが設けられる。パージ領域450には、圧力検出手段P4cが設けられる。
これら圧力検出手段P0c~P4cは配置された位置における雰囲気圧力を検出する。圧力検出手段P0c~P4cはいずれも制御手段409に接続される。圧力検出手段P0c~P4cは検出したそれぞれの圧力値を制御手段409に出力する。
【0472】
以下、本実施形態の連続処理装置400における連続処理方法について説明する。
【0473】
まず、基板Wの移動について説明する。
本実施形態の連続処理装置400は、
図6に示すように、外部から複数の基板Wをチャンバ401に搬入し、搬送ドラム413の側周面の所定位置にセットする。または、複数の基板Wがセットされた搬送ドラム413をチャンバ401に搬入して取り付ける。
【0474】
この状態で、制御手段409の制御によって駆動部414を駆動することにより、回転軸412を介して搬送ドラム413を回転駆動する。
すると、複数の基板Wは、搬送ドラム413の回転にしたがって、排気領域422、処理領域420、排気領域423、パージ排気領域432、パージ領域430、パージ排気領域433、排気領域442、処理領域440、排気領域443、パージ排気領域452、パージ領域450、パージ排気領域453、を搬送ドラム413の周方向に沿って順に移動してゆく。
【0475】
これら処理領域420、処理領域440を通過する間に基板Wに連続処理がおこなわれる。処理領域420、処理領域440においては、基板Wはヒータ407によって温度が制御される。ヒータ407は、制御手段409によって連続処理に対応する温度状態に制御される。
【0476】
ここで、搬送ドラム413の周囲には、二組の処理領域420,440が配置されているので、搬送ドラム413が一回転するごとに、二組の処理領域420,440を通過することができる。
さらに、搬送ドラム413を回転し続けることにより、複数の基板Wは、これらの排気領域422からパージ排気領域453までを繰り返して通過する。
【0477】
一連の処理が終了した基板Wは、チャンバ401から外部へ搬出される。
【0478】
ここで、複数の基板Wがセットされてチャンバ401が密閉された後で、一連の処理を開始する前に、全体排気手段を構成する排気ポンプP01によって、チャンバ401内が排気されて、所定の真空状態にまで排気される。
【0479】
ここで、例えば排気ポンプP01は、圧力検出手段P0cの出力に基づいた制御手段409によって制御される。このとき、排気ポンプP01は、排気バルブ等の開度によってその排気速度が制御される。
この全体排気工程として、排気ポンプP01によるチャンバ401内の排気においては、所定の開度、例えば100%といった開度として排気ポンプP01によるチャンバ401内の排気がおこなわれる。
【0480】
次に、排気ポンプP01における排気バルブの開度として20%以下に設定する。つまり、処理領域420,440における複数の基板Wへの処理前には、制御手段409が、全体排気手段の排気速度を全体排気工程よりも弱めるように駆動制御する。
【0481】
次に、排気手段V1~V4,V9~V12およびパージガス排気手段V5~V8,V13~V16によって、排気領域422~445およびパージ排気領域432~455を排気する。このとき、制御手段409は、圧力検出手段P1c~P4cの出力に基づいて排気部V1b~V12bおよびパージ排気部V5b~V16bを駆動し、排気ノズルV1a~V12aおよびパージ排気ノズルV5a~V16aから排気することで、これらに隣接する処理領域420,440およびパージ領域430,450が排気される。
【0482】
ここで、ガス供給手段P1,P3から所定の処理ガスを処理領域420,440へと供給する。同時に、パージガス供給手段P2,P4から所定のパージガスをパージ領域430,450へと供給する。
このとき、制御手段409はガス供給部P1b,P3bおよびパージガス供給部P2b,P4bを駆動して、処理領域420,440およびパージ領域430,450を、所定のガス雰囲気とする。同時に、これらが所定の圧力状態になるように制御する。
【0483】
例えば、処理領域420では、ガス供給手段P1から供給される処理ガスの流量が、排気手段V1~V4によって排気される排気量に対して、所定の範囲、具体的には、±10%以内となるように制御される。つまり、ガス供給手段P1の給気量と排気手段V1~V4の排気量とは、互いにほぼ等しく設定される。
このとき、処理領域420における圧力変動は所定の範囲以内、具体的には、±10%以下となるように設定される。
処理領域440においても同様の制御がおこなわれる。
【0484】
また、パージガス供給手段P2,P4から供給されるパージガスの流量は、パージガス排気手段V5~V8,V13~V16によって排気される排気量に対して、所定の範囲、具体的には、±10%以内となるように制御される。つまり、パージガス供給手段P2,P4の給気量とパージガス排気手段V5~V8,V13~V16の排気量とは、それぞれが互いにほぼ等しく設定される。
【0485】
例えば、パージ領域430における圧力変動は所定の範囲以内、具体的には、±10%以下となるように設定される。
パージ領域450においても同様の制御がおこなわれる。
【0486】
なお、ガス供給手段P1から供給される処理ガスとしては、処理の内容によって適宜選択することができるが、例えば、ALD処理によって酸化アルミニウム膜を形成する場合には、TMA(トリメチルアルミニウム)とすることができる。
【0487】
ガス供給手段P3から供給される処理ガスとしては、処理の内容によって適宜選択することができるが、例えば、ALD処理によって酸化アルミニウム膜を形成する場合には、ガス供給手段P1から供給されるTMA(トリメチルアルミニウム)に対応して、H2Oガスとすることができる。
【0488】
また、パージガス供給手段P2,P4から供給されるパージガスとしては、処理の内容によって適宜選択することができるが、例えば、窒素ガス(N2ガス)とすることができる。あるいは、パージガス供給手段P2,P4から供給されるパージガスとして、アルゴン等の不活性ガス等を選択することもできる。
【0489】
この状態で、所定の時間、処理ガス雰囲気を維持するように、基板Wを処理領域420および処理領域440内で移動させ、酸化アルミニウムとなる原子積層膜を単層で形成する。さらに、酸化アルミニウム膜の改質をおこなうこともできる。この場合、チャンバ401に加熱手段を配置することもできる。
【0490】
さらに、搬送ドラム413を所定回数回転して、上記の連続処理を複数回繰り返す。これにより、必要な膜厚を得ることができる。
ここで、単層成膜に対する連続処理工程を開始する前には、全体排気工程と、全体排気工程よりも全体排気手段を弱める工程とをおこなう。
【0491】
本実施形態においては、上述した実施形態と同等の効果を奏することができる。
【0492】
以下、本発明に係る連続処理装置の第6実施形態を、図面に基づいて説明する。
図8は、本実施形態における連続処理装置を示す模式側面図である。
図9は、本実施形態における連続処理装置の処理領域等の配置を示す模式上面図である。
本実施形態の連続処理装置500においては、複数の基板(基体)Wを搬送テーブル(載置部)の上面に配置して連続処理をおこなう。
【0493】
本実施形態の連続処理装置500は、
図8,
図9に示すように、チャンバ501と、搬送テーブル部(移動手段)510と、処理領域520と、パージ領域530と、処理領域540と、パージ領域550と、制御手段509と、を有する。
【0494】
本実施形態の連続処理装置500においては、
図8,
図9に示すように、処理領域520と、パージ領域530と、処理領域540と、パージ領域550と、が二組設けられる。本実施形態の連続処理装置500においては、基板Wに対する連続処理を繰り返しておこなうことができる。
【0495】
チャンバ501は、
図8に示すように、真空状態に密閉可能であり、内部で連続処理をおこなう処理室とされている。
【0496】
搬送テーブル部(移動手段)510は、
図8,
図9に示すように、搬送テーブル(載置部)513と、搬送テーブル(載置部)513を回転する回転軸512と、回転軸512を駆動する駆動部514とを有する。
【0497】
搬送テーブル(載置部)513は、
図8,
図9に示すように、処理室であるチャンバ501内に配置される。回転軸512は、チャンバ501の底部501bを回転可能に貫通する。駆動部514は、チャンバ501の外部に配置される。駆動部514は制御手段509に接続される。駆動部514は、制御手段509によって制御される。
【0498】
搬送テーブル513は、処理室であるチャンバ501内に回転軸線が鉛直方向に沿って設けられる。搬送テーブル513は、回転軸線と直交する上表面に複数の基板Wを載置配置した状態で回転する。搬送テーブル513の上表面は、上面視して回転軸線を中心とする円形輪郭を有する。平板である基板Wの処理面は、搬送テーブル513の回転にともなって回転軸線の周りを回転する。
【0499】
搬送テーブル513は、平板である基板Wを回転するために、その上面が基板Wに沿った平面とされる。あるいは、搬送テーブル513は、上面に傾斜を設けて、基板Wを回転軸線に対して傾いた状態で固定するために、基板ホルダ等を設けた円板状とすることもできる。
【0500】
さらに、搬送テーブル513は、基板Wの固定を容易にするために、上面に露出して基板保持部508をも設けることができる。この場合、基板保持部508としては、静電チャック、あるいは、真空チャック等、搬送テーブル513に基板Wを固定可能な構成を採用することができる。基板保持部508は、基板ホルダを兼ねることもできる。
【0501】
本実施形態においては、搬送テーブル513は、回転軸線周りに4枚の基板を保持する静電チャック、あるいは、真空チャック等の基板保持部508を有する。
搬送テーブル513では、基板保持部508が周方向に互いに等しい間隔を有して配置される。搬送テーブル513では、基板保持部508に保持した基板Wに対して、それぞれ異なる処理工程を同時におこなうことができる。
【0502】
本実施形態においては、回転する搬送テーブル513の周方向が、基板Wの移動方向となる。したがって、搬送テーブル513は、基板Wの移動方向と直交する回転軸線を有する。
【0503】
搬送テーブル部(移動手段)510には、
図8に示すように、処理室であるチャンバ501内で処理される基板Wに近接する位置にヒータ507が配置される。ヒータ507は、搬送テーブル513の側面に埋め込まれる。ヒータ507は、処理領域520,540において基板Wを加熱可能とされている。ヒータ507は、搬送テーブル513の上面視して基板Wと重なる位置に配置される。つまり、搬送テーブル513の上面付近において、基板保持部508に対応する位置に埋め込まれている。
ヒータ507は制御手段509に接続される。ヒータ507は、制御手段509によって制御される。
【0504】
処理室であるチャンバ501には、
図8に示すように、排気ポンプP01が設けられる。チャンバ501は排気ポンプP01によって排気される。排気ポンプP01は、ゲートバルブを介して処理室であるチャンバ501に接続される。排気ポンプP01は制御手段509に接続される。排気ポンプP01は、制御手段509によって制御される。
排気ポンプP01によって、チャンバ501内が排気される。排気ポンプP01は、全体排気手段を構成する。
【0505】
処理室であるチャンバ501には、搬送テーブル513の上面において、回転軸512の径方向外側位置に、処理領域520と、パージ領域530と、処理領域540と、パージ領域550とが、二組配置される。処理領域520と、パージ領域530と、処理領域540と、パージ領域550とは、搬送テーブル513の上面に沿って配置される。処理領域520と、パージ領域530と、処理領域540と、パージ領域550とは、基板Wの移動方向である搬送テーブル513の周方向に並んで配置される。処理領域520と、パージ領域530と、処理領域540と、パージ領域550とは、搬送テーブル513の回転方向である基板Wの移動方向で互いに隣接する。
【0506】
搬送テーブル513の回転方向である基板Wの移動方向で、処理領域520の下流には、
図9に示すように、パージ領域530が配置される。搬送テーブル513の回転方向である基板Wの移動方向で、パージ領域530の下流には処理領域540が配置される。搬送テーブル513の回転方向である基板Wの移動方向で、処理領域540の下流にはパージ領域550が配置される。
【0507】
さらに、搬送テーブル513の回転方向である基板Wの移動方向で、パージ領域550の下流には、他の組となる処理領域520が配置される。また、搬送テーブル513の回転方向である基板Wの移動方向で、処理領域520の上流には他の組のパージ領域550が配置される。
したがって、本実施形態における円形輪郭の搬送テーブル513上面の回転方向には、4つの処理領域520,540と、4つのパージ領域530,550とが交互に配置される。
【0508】
処理領域(第1処理領域)520では、
図8,
図9に示すように、搬送テーブル513上面の上側位置に、ガス供給手段(処理手段)P1が配置される。ガス供給手段(処理手段)P1は、給気ノズルP1aと、ガス供給部P1bとを有する。
【0509】
給気ノズルP1aは、
図8,
図9に示すように、搬送される基板Wの上面に対向して開口する。給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板Wの上面と平行なほぼ水平に配置される。
給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)は、円形輪郭を有する搬送テーブル513の表面に対して、基板Wの移動軌跡を含むように扇形に形成される。給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)は、その全周で搬送テーブル513表面と鉛直方向に離間する高さが等しく配置される。
【0510】
給気ノズルP1aの開口は、単一または複数の開口部を有する枠状とされてもよい。また、給気ノズルP1aの開口は、多数の細かい噴出孔が設けられた板体とされてもよい。さらに、処理領域520へのガス供給を均等にするための機構を有していてもよい。
【0511】
給気ノズルP1aの開口輪郭は、搬送テーブル513の上面に沿った処理領域520の輪郭を規定する。具体的には、給気ノズルP1aの開口輪郭は、搬送テーブル513の径方向において、基板Wの最大幅寸法よりも大きく設定される。給気ノズルP1aの開口輪郭は、搬送される基板Wの移動方向と直交する方向において、基板Wの最大幅寸法よりも大きく設定される。
また、給気ノズルP1aの開口輪郭は、搬送される基板Wの移動方向において、基板Wの処理に必要な時間と、搬送される基板Wの移動速度との兼ね合い等の処理条件から、必要な寸法が設定される。給気ノズルP1aの開口輪郭は、搬送テーブル513の周方向の大きさ、つまり、扇形の中心角の大きさが処理条件から設定される。
【0512】
ガス供給部P1bは、給気ノズルP1aに接続され、所定の流量・圧力で貯留されたガス(第1ガス)を給気ノズルP1aに供給する。ガス供給部P1bは、制御手段509に接続される。ガス供給部P1bは、制御手段509によって制御される。
【0513】
基板Wの移動方向である搬送テーブル513の回転方向における処理領域520の上流には、
図8,
図9に示すように、排気領域522が配置される。
排気領域522では、搬送テーブル513上面の上側に排気手段(個別排気手段)V1が配置される。排気手段V1は、排気ノズルV1aと、排気部V1bとを有する。
【0514】
排気ノズルV1aは、
図8,
図9に示すように、搬送される基板W表面に対向して開口する。排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板Wの表面の移動軌跡を覆うように、搬送テーブル513の径方向の全長に延在して配置される。排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)は、その全周で搬送テーブル513表面に対する高さが搬送テーブル513の周方向および径方向でいずれも等しく配置される。
【0515】
排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送テーブル513の上面と平行に配置される。排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送テーブル513の上面に対する高さが、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)と同じ高さに配置されてもよい。また、排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送テーブル513の上面に対する高さが、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)と異なる高さでもよい。
【0516】
排気ノズルV1aの開口輪郭は、搬送テーブル513の上面に沿った排気領域522の輪郭を規定する。具体的には、排気ノズルV1aの開口輪郭は、搬送される基板Wの移動方向と直交する搬送テーブル513の径方向において、基板Wの最大寸法よりも大きく設定される。
【0517】
排気ノズルV1aの開口輪郭は、搬送される基板Wの移動方向と直交する搬送テーブル513の径方向において、給気ノズルP1aの寸法よりも大きく設定される。
また、排気ノズルV1aの開口輪郭は、搬送される基板Wの移動方向である搬送テーブル513の回転方向において、処理領域520の排気に必要な大きさ・形状であればよく、搬送される基板Wの移動速度、ガス供給量、圧力雰囲気等の処理条件から、必要な寸法が設定される。
【0518】
排気部V1bは、排気ノズルV1aに接続され、所定の排気速度・排気量・排気圧で処理領域520のガスを排気ノズルV1aから排気する。排気部V1bは、真空ポンプとされる。排気部V1bは、制御手段509に接続される。排気部V1bは、制御手段509によって排気速度・排気量・排気圧を制御される。ここで、排気速度・排気量・排気圧の制御は、ポンプの駆動状態や、排気弁の弁開度等を調整して制御される。
【0519】
搬送テーブル513の回転方向である基板Wの移動方向で、処理領域520の下流には、
図8,
図9に示すように、パージ領域530の上流に排気領域523が配置される。
排気領域523では、搬送テーブル513上面の上側に排気手段(個別排気手段)V2が配置される。排気手段V2は、排気ノズルV2aと、排気部V2bとを有する。
【0520】
排気ノズルV2aは、
図8,
図9に示すように、搬送される基板W表面に対向して開口する。排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板Wの表面の移動軌跡を覆うように、搬送テーブル513の径方向の全長に延在して配置される。排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)は、その全周で搬送テーブル513表面に対する高さが搬送テーブル513の周方向および径方向でいずれも等しく配置される。
【0521】
排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送テーブル513の上面と平行に配置される。排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送テーブル513の上面に対する高さが、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)と排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)と同じ高さに配置されてもよい。また、排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送テーブル513の上面に対する高さが、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)と排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)と異なる高さでもよい。
【0522】
排気ノズルV2aの開口輪郭は、搬送テーブル513の上面に沿った排気領域523の輪郭を規定する。具体的には、排気ノズルV2aの開口輪郭は、搬送される基板Wの移動方向と直交する搬送テーブル513の径方向において、基板Wの最大寸法よりも大きく設定される。
【0523】
排気ノズルV2aの開口輪郭は、搬送される基板Wの移動方向と直交する搬送テーブル513の径方向において、給気ノズルP1aの寸法よりも大きく設定される。
排気ノズルV2aの開口輪郭は、搬送される基板Wの移動方向と直交する搬送テーブル513の径方向において、排気ノズルV1aの寸法と等しく設定される。
また、排気ノズルV2aの開口輪郭は、搬送される基板Wの移動方向である搬送テーブル513の回転方向において、処理領域520の排気に必要な大きさ・形状であればよく、搬送される基板Wの移動速度、ガス供給量、圧力雰囲気等の処理条件から、必要な寸法が設定される。
【0524】
排気部V2bは、排気ノズルV2aに接続され、所定の排気速度・排気量・排気圧で処理領域520のガスを排気ノズルV2aから排気する。排気部V2bは、真空ポンプとされる。排気部V2bは、制御手段509に接続される。排気部V2bは、制御手段509によって排気速度・排気量・排気圧を制御される。ここで、排気速度・排気量・排気圧の制御は、ポンプの駆動状態や、排気弁の弁開度等を調整して制御される。
【0525】
排気ノズルV2aは、搬送テーブル513の径方向における中心端が、排気ノズルV1aに接することができる。排気ノズルV1aは、搬送テーブル513の径方向における中心端が、排気ノズルV2aに接することができる。
【0526】
搬送される基板Wの移動方向における処理領域520の右手位置には、
図8,
図9に示すように、排気領域525が配置される。
処理領域520の弧状輪郭に対し、搬送テーブル513の径方向外側位置には、周方向の全長に沿って排気領域525が延在する。
排気領域525では、搬送される基板Wの搬送テーブル513上面の上側に排気手段(個別排気手段)V4が配置される。排気手段V4は、排気ノズルV4aと、排気部V4bとを有する。
【0527】
排気ノズルV4aは、
図8,
図9に示すように、搬送テーブル513上面に対向して開口する。排気ノズルV4aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送テーブル513上面の周縁輪郭に沿って周方向に配置される。排気ノズルV4aの開口輪郭(開口縁部)は、その全周で搬送テーブル513上面との高さが等しく配置される。
【0528】
排気ノズルV4aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送テーブル513の円形輪郭と同心状に配置される。排気ノズルV4aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送テーブル513の周方向における弧状の長さ寸法が、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)と同じ弧状の長さ寸法に設定される。
排気ノズルV4aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送テーブル513上面と離間する高さが、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)と排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)と排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)と同じ高さとなるように配置されてもよい。また、排気ノズルV4aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送テーブル513上面と離間する高さが、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)と排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)と排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)と異なる高さでもよい。
【0529】
排気ノズルV4aは、搬送テーブル513の周方向における両端が、排気ノズルV1aおよび排気ノズルV2aに接することができる。
排気ノズルV4aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送テーブル513の径方向の寸法が、排気ノズルV1aおよび排気ノズルV2aにおける搬送テーブル513の周方向の寸法と同じかやや小さく設定することができる。
【0530】
また、排気ノズルV4aの開口輪郭は、搬送テーブル513の回転方向において、処理領域520の排気に必要な大きさ・形状であればよく、基板Wの移動速度、ガス供給量、圧力雰囲気等の処理条件、および、処理領域540との距離などから、必要な寸法が設定される。
【0531】
排気部V4bは、排気ノズルV4aに接続され、所定の排気速度・排気量・排気圧で処理領域520のガスを排気ノズルV4aから排気する。排気部V4bは、真空ポンプとされる。排気部V4bは、制御手段509に接続される。排気部V4bは、制御手段509によって排気速度・排気量・排気圧を制御される。ここで、排気速度・排気量・排気圧の制御は、ポンプの駆動状態や、排気弁の弁開度等を調整して制御される。
【0532】
処理領域520を囲む排気領域522,523,525は、排気手段V1,V2,V4によって処理領域520を排気して、処理領域520に対する雰囲気圧力の設定を可能とする。
【0533】
パージ領域530は、
図8,
図9に示すように、搬送テーブル513の回転方向で処理領域520の下流に排気領域523を挟んで配置される。パージ領域530においては、搬送テーブル513上面の上側にパージガス供給手段P2が配置される。パージガス供給手段P2は、パージガスノズルP2aと、パージガス供給部P2bとを有する。
【0534】
パージガスノズルP2aは、搬送される基板Wの表面に対向して開口する。パージガスノズルP2aは、搬送テーブル513の上面に対向して開口する。パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送テーブル513の上面と平行に搬送テーブル513の径方向に沿って延在する配置とされる。パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送テーブル513の径方向で中心から外縁に至る配置とされる。
【0535】
パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)は、その全周で搬送テーブル513の上面に対する高さが等しく配置される。パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送テーブル513の上面に対する高さが、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)、排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)、排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)、排気ノズルV4aの開口輪郭(開口縁部)と同じ距離に配置されてもよい。また、パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送テーブル513の上面に対する高さが、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)、排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)、排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)、排気ノズルV4aの開口輪郭(開口縁部)と異なる高さでもよい。
【0536】
パージガスノズルP2aの開口は、単一または複数の開口部を有する枠状とされてもよい。また、パージガスノズルP2aの開口は、多数の細かい噴出孔が設けられた板体とされてもよい。さらに、パージ領域530へのパージガス供給を均等にするための機構を有していてもよい。
【0537】
パージガスノズルP2aの開口輪郭は、搬送テーブル513の上面に沿ったパージ領域530の輪郭を規定する。具体的には、パージガスノズルP2aの開口輪郭は、搬送される基板Wの移動方向と直交する搬送テーブル513の径方向において、基板Wの最大幅寸法よりも大きく設定される。パージガスノズルP2aの開口輪郭は、搬送テーブル513の径方向において、給気ノズルP1aの寸法とほぼ同じかこれよりも大きく設定される。
【0538】
パージガスノズルP2aの開口輪郭は、搬送される基板Wの移動方向と直交する搬送テーブル513の径方向において、排気ノズルV1aの寸法とほぼ等しく設定される。
パージガスノズルP2aの開口輪郭は、搬送される基板Wの移動方向と直交する搬送テーブル513の径方向において、排気ノズルV2aの寸法とほぼ等しく設定される。
【0539】
また、パージガスノズルP2aの開口輪郭は、搬送される基板Wの移動方向である搬送テーブル513の回転方向において、基板Wの処理に必要な時間と、搬送される基板Wの移動速度との兼ね合い等の処理条件と、処理領域520と処理領域540とに対するガスの遮断に必要なパージガスの量とから、必要な寸法が設定される。
【0540】
パージガス供給部P2bは、パージガスノズルP2aに接続され、所定の流量・圧力で貯留されたパージガスをパージガスノズルP2aに供給する。パージガス供給部P2bは、制御手段509に接続される。パージガス供給部P2bは、制御手段509によって制御される。
【0541】
搬送される基板Wの移動方向である搬送テーブル513の回転方向において、パージ領域530の上流には、
図8,
図9に示すように、パージ排気領域(排気領域)532が配置される。
パージ排気領域532では、搬送テーブル513上面の上側にパージガス排気手段(個別排気手段)V5が配置される。パージガス排気手段V5は、パージ排気ノズルV5aと、パージ排気部V5bとを有する。
【0542】
パージ排気ノズルV5aは、
図8,
図9に示すように、搬送される基板W表面に対向して開口する。パージ排気ノズルV5aは、搬送テーブル513の上面に対向して開口する。パージ排気ノズルV5aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板Wの表面の移動軌跡と平行に搬送テーブル513の上面に沿って配置される。パージ排気ノズルV5aの開口輪郭(開口縁部)は、その全周で搬送テーブル513上面から離間する高さが等しく配置される。
【0543】
パージ排気ノズルV5aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板W表面からの高さが、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)と排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)と排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)とパージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)と同じ高さ寸法として配置されてもよい。また、パージ排気ノズルV5aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板W表面からの高さが、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)と排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)と排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)とパージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)と異なる高さでもよい。
【0544】
パージ排気ノズルV5aの開口輪郭は、搬送テーブル513の上面に沿ったパージ排気領域532の輪郭を規定する。具体的には、パージ排気ノズルV5aの開口輪郭は、搬送される基板Wの移動方向と直交する搬送テーブル513の径方向において、基板Wの最大寸法よりも大きく設定される。
【0545】
パージ排気ノズルV5aの開口輪郭は、搬送される基板Wの移動方向と直交する搬送テーブル513の径方向において、パージガスノズルP2aの寸法よりも大きく設定される。
また、パージ排気ノズルV5aの開口輪郭は、搬送される基板Wの移動方向である搬送テーブル513の回転方向において、パージ領域530の排気に必要な大きさ・形状であればよく、搬送される基板Wの移動速度、ガス供給量、圧力雰囲気等の処理条件から、必要な寸法が設定される。
【0546】
パージ排気部V5bは、パージ排気ノズルV5aに接続され、所定の排気速度・排気量・排気圧でパージ領域530のパージガスをパージ排気ノズルV5aから排気する。パージ排気部V5bは、真空ポンプとされる。パージ排気部V5bは、制御手段509に接続される。パージ排気部V5bは、制御手段509によって排気速度・排気量・排気圧を制御される。ここで、排気速度・排気量・排気圧の制御は、ポンプの駆動状態や、排気弁の弁開度等を調整して制御される。
【0547】
搬送される基板Wの移動方向である搬送テーブル513の回転方向において、パージ領域430の下流には、
図8,
図9に示すように、処理領域540の上流にパージ排気領域(排気領域)533が配置される。
パージ排気領域533では、搬送される基板Wの搬送テーブル513の上面の上側にパージガス排気手段(個別排気手段)V6が配置される。パージガス排気手段V6は、パージ排気ノズルV6aと、パージ排気部V6bとを有する。
【0548】
パージ排気ノズルV6aは、
図8,
図9に示すように、搬送される基板W表面に対向して開口する。パージ排気ノズルV6aは、搬送テーブル513の上面に対向して開口する。パージ排気ノズルV6aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板Wの表面の移動軌跡と平行に搬送テーブル513の表面に沿って配置される。パージ排気ノズルV6aの開口輪郭(開口縁部)は、その全周で搬送テーブル513の上面と離間する高さが等しく配置される。
【0549】
パージ排気ノズルV6aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送テーブル513の上面と離間する高さが、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)と排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)と排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)とパージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)とパージ排気ノズルV5aの開口輪郭(開口縁部)と同じ高さに配置されてもよい。また、パージ排気ノズルV6aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送テーブル513の上面と離間する高さが、給気ノズルP1aの開口輪郭(開口縁部)と排気ノズルV1aの開口輪郭(開口縁部)と排気ノズルV2aの開口輪郭(開口縁部)とパージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)とパージ排気ノズルV5aの開口輪郭(開口縁部)と異なる高さでもよい。
【0550】
パージ排気ノズルV6aの開口輪郭は、搬送テーブル513の上面に沿ったパージ排気領域533の輪郭を規定する。具体的には、パージ排気ノズルV6aの開口輪郭は、搬送される基板Wの移動方向と直交する搬送テーブル513の径方向において、基板Wの最大寸法よりも大きく設定される。パージ排気ノズルV6aの開口輪郭は、搬送テーブル513の径方向において、搬送テーブル513の中心位置から周縁部まで延在する。
【0551】
パージ排気ノズルV6aの開口輪郭は、搬送される基板Wの移動方向と直交する搬送テーブル513の径方向において、パージガスノズルP2aの寸法よりも大きく設定される。パージ排気ノズルV6aの開口輪郭は、搬送テーブル513の径方向において、パージ排気ノズルV5aの寸法とほぼ等しく設定される。
また、パージ排気ノズルV6aの開口輪郭は、搬送される基板Wの移動方向である搬送テーブル513の周方向において、パージ領域530の排気に必要な大きさ・形状であればよく、搬送される基板Wの移動速度、ガス供給量、圧力雰囲気等の処理条件から、必要な寸法が設定される。
【0552】
パージ排気部V6bは、パージ排気ノズルV6aに接続され、所定の排気速度・排気量・排気圧でパージ排気領域533のガスをパージ排気ノズルV6aから排気する。パージ排気部V6bは、真空ポンプとされる。パージ排気部V6bは、制御手段509に接続される。パージ排気部V6bは、制御手段509によって排気速度・排気量・排気圧を制御される。ここで、排気速度・排気量・排気圧の制御は、ポンプの駆動状態や、排気弁の弁開度等を調整して制御される。
【0553】
搬送される基板Wの移動方向におけるパージ領域530の左手位置には、
図8,
図9に示すように、パージ排気領域534が配置される。搬送テーブル513の径方向におけるパージ領域530の回転中心に近接する位置には、パージ排気領域534が配置される。搬送テーブル513の径方向において搬送される基板Wよりも内側には、パージ排気領域534が配置される。
パージ排気領域534では、搬送テーブル513の上面よりも上側には、パージガス排気手段(個別排気手段)V7が配置される。パージガス排気手段V7は、パージ排気ノズルV7aと、パージ排気部V7bとを有する。
【0554】
パージ排気ノズルV7aは、
図8,
図9に示すように、排気ノズルV3aと同様、搬送テーブル513の上面に対向して開口する。パージ排気ノズルV7aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送テーブル513の回転軸512に近接して配置される。パージ排気ノズルV7aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送される基板W表面の移動軌跡における搬送テーブル513の径方向内側端部に離間する位置に配置される。パージ排気ノズルV7aの開口輪郭(開口縁部)は、その全周で搬送テーブル513の上面と離間する高さが等しく配置される。
【0555】
パージ排気ノズルV7aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送テーブル513の中心と同心状に周方向に配置される。パージ排気ノズルV7aの開口輪郭(開口縁部)の寸法は、搬送テーブル513の周方向において、パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)と同じ寸法に設定される。
パージ排気ノズルV7aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送テーブル513の上面と離間する高さが、パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)とパージ排気ノズルV5aの開口輪郭(開口縁部)とパージ排気ノズルV6aの開口輪郭(開口縁部)と同じ高さに配置されてもよい。また、パージ排気ノズルV7aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送テーブル513の上面と離間する高さが、パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)とパージ排気ノズルV5aの開口輪郭(開口縁部)とパージ排気ノズルV6aの開口輪郭(開口縁部)と異なる高さでもよい。
【0556】
パージ排気ノズルV7aは、搬送テーブル513の回転方向における両端が、パージ排気ノズルV5aおよびパージ排気ノズルV6aに接することができる。
パージ排気ノズルV7aの開口輪郭(開口縁部)は、基板Wの移動方向と直交する方向における寸法が、搬送テーブル513の周方向におけるパージ排気ノズルV5aおよびパージ排気ノズルV6aの寸法と同じかやや小さく設定することができる。
また、パージ排気ノズルV7aの開口輪郭は、搬送テーブル513の周方向において、パージ領域530の排気に必要な大きさ・形状であればよく、基板Wの移動速度、パージガス供給量、圧力雰囲気等の処理条件、および、処理領域520,540との距離などから、必要な寸法が設定される。
【0557】
パージ排気部V7bは、パージ排気ノズルV7aに接続され、所定の排気速度・排気量・排気圧でパージ領域530のパージガスをパージ排気ノズルV7aから排気する。パージ排気部V7bは、真空ポンプとされる。パージ排気部V7bは、制御手段509に接続される。パージ排気部V7bは、制御手段509によって排気速度・排気量・排気圧を制御される。ここで、排気速度・排気量・排気圧の制御は、ポンプの駆動状態や、排気弁の弁開度等を調整して制御される。
【0558】
搬送される基板Wの移動方向におけるパージ領域530の右手位置には、
図8,
図9に示すように、パージ排気領域535が配置される。搬送テーブル513の径方向におけるパージ領域530の外縁に近接する位置には、パージ排気領域535が配置される。搬送テーブル513の径方向において搬送される基板Wよりも外側位置には、パージ排気領域535が配置される。
パージ排気領域535では、搬送される基板Wの搬送テーブル513上面の上側にパージガス排気手段(個別排気手段)V8が配置される。パージガス排気手段V8は、パージ排気ノズルV8aと、パージ排気部V8bとを有する。
【0559】
パージ排気ノズルV8aは、
図8,
図9に示すように、排気ノズルV4aと同様に、搬送テーブル513の表面に対向して開口する。パージ排気ノズルV8aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送テーブル513の外縁部に沿って周方向に配置される。パージ排気ノズルV8aの開口輪郭(開口縁部)は、その全周で、搬送される基板W表面および搬送テーブル513の表面から離間する高さが等しく配置される。
【0560】
パージ排気ノズルV8aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送テーブル513の中心と同心状に配置される。パージ排気ノズルV8aの開口輪郭(開口縁部)の寸法は、搬送テーブル513の周方向において、パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)と同じ寸法に設定される。
パージ排気ノズルV8aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送テーブル513表面から離間する高さが、パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)とパージ排気ノズルV5aの開口輪郭(開口縁部)とパージ排気ノズルV6aの開口輪郭(開口縁部)とパージ排気ノズルV7aの開口輪郭(開口縁部)と同じ高さに配置されてもよい。また、パージ排気ノズルV8aの開口輪郭(開口縁部)は、搬送テーブル513表面から離間する高さが、パージガスノズルP2aの開口輪郭(開口縁部)とパージ排気ノズルV5aの開口輪郭(開口縁部)とパージ排気ノズルV6aの開口輪郭(開口縁部)とパージ排気ノズルV7aの開口輪郭(開口縁部)と異なる高さでもよい。
【0561】
パージ排気ノズルV8aは、搬送テーブル513の周方向における両端が、パージ排気ノズルV5aおよびパージ排気ノズルV6aに接することができる。
パージ排気ノズルV8aの開口輪郭(開口縁部)は、基板Wの移動方向と直交する方向における寸法が、搬送テーブル513の周方向におけるパージ排気ノズルV5aおよびパージ排気ノズルV6aの寸法と同じかやや小さく設定することができる。
また、パージ排気ノズルV8aの開口輪郭は、搬送テーブル513の回転方向において、パージ領域530の排気に必要な大きさ・形状であればよく、基板Wの移動速度、パージガス供給量、圧力雰囲気等の処理条件、および、処理領域520,540との距離などから、必要な寸法が設定される。
【0562】
パージ排気部V8bは、パージ排気ノズルV8aに接続され、所定の排気速度・排気量・排気圧でパージ領域530のガスをパージ排気ノズルV8aから排気する。パージ排気部V8bは、真空ポンプとされる。パージ排気部V8bは、制御手段509に接続される。パージ排気部V8bは、制御手段509によって排気速度・排気量・排気圧を制御される。ここで、排気速度・排気量・排気圧の制御は、ポンプの駆動状態や、排気弁の弁開度等を調整して制御される。
【0563】
パージ領域530を囲むパージ排気領域532~535は、パージガス排気手段V5~V8によってパージ領域530を排気して、パージ領域530に対して雰囲気圧力の設定可能とする。
【0564】
搬送される基板Wの移動方向である搬送テーブル513の回転方向において、パージ領域530の下流には、
図8,
図9に示すように、パージ排気領域(排気領域)533の下流に処理領域540が配置される。
【0565】
処理領域(第2処理領域)540では、
図8,
図9に示すように、搬送テーブル513上面の上側にガス供給手段(処理手段)P3が配置される。ガス供給手段(処理手段)P3は、給気ノズルP3aと、ガス供給部P3bとを有する。
ガス供給手段(処理手段)P3は、ガス供給手段(処理手段)P1と異なるガスを供給可能である。
【0566】
処理領域540は、搬送テーブル513に対する回転方向位置が異なるが、処理領域520と同等の構成とされる。また、ガス供給手段(処理手段)P3は、給気ノズルP3aと、ガス供給部P3bとも、搬送テーブル513に対する回転方向位置が異なるが、ガス供給手段(処理手段)P1と、給気ノズルP1aと、ガス供給部P1bと同等の構成とされる。
【0567】
処理領域540には、処理領域520に対する排気領域522,523,525と同様に、搬送テーブル513の上面の上側に、排気領域542,543,545が配置される。
排気領域542,543,545は、搬送テーブル513に対する回転方向位置が異なるが、排気領域522,523,525と同等の構成とされる。
【0568】
これに伴って、排気領域542,543,545には、排気手段V9~V12が設けられる。
排気手段V9,V10,V12は、排気ノズルV9a,V10a,V12aと、排気部V9b,V10b,V12bとを有する。排気手段V9,V10,V12、排気ノズルV9a,V10a,V12a、排気部V9b,V10b,V12bは、搬送テーブル513の側周面に対する周方向位置が異なるが、排気手段V1,V2,V4、排気ノズルV1a,V2a,V4a、排気部V1b,V2b,V4bと同等の構成とされる。
【0569】
搬送される基板Wの移動方向である搬送テーブル513の回転方向において、処理領域540の下流には、
図8,
図9に示すように、排気領域543の下流にパージ領域550が配置される。
【0570】
パージ領域550は、搬送テーブル513に対する回転方向位置が異なるが、パージ領域530と同等の構成とされる。パージ領域550には、パージガス供給手段P4、パージガスノズルP4a、パージガス供給部P4bを有する。パージガス供給手段P4、パージガスノズルP4a、パージガス供給部P4bも、搬送テーブル513に対する回転方向位置が異なるが、パージガス供給手段P2、パージガスノズルP2a、パージガス供給部P2bと同等の構成とされる。
【0571】
パージ領域550には、パージ領域530に対するパージ排気領域532,533,534,535と同様に、搬送テーブル513上面の上側に、パージ排気領域552,553,554,555が配置される。
パージ排気領域552,553,554,555は、搬送テーブル513に対する回転方向位置が異なるが、パージ排気領域532,533,534,535と同等の構成とされる。
【0572】
これに伴って、パージ排気領域552,553,554,555には、パージガス排気手段V13~V16が設けられる。
パージガス排気手段V13~V16は、パージ排気ノズルV13a~V16aと、パージ排気部V13b~V16bとを有する。パージガス排気手段V13~V16、パージ排気ノズルV13a~V16a、パージ排気部V13b~V16bは、搬送テーブル513に対する回転方向位置が異なるが、パージガス排気手段V5~V8、パージ排気ノズルV5a~V8a、パージ排気部V5b~V8bと同等の構成とされる。
【0573】
本実施形態の連続処理装置500において、
図8,
図9に示すように、処理室となるチャンバ501には、圧力検出手段P0cが設けられる。同様に、処理領域520には、圧力検出手段P1cが設けられる。パージ領域530には、圧力検出手段P2cが設けられる。処理領域540には、圧力検出手段P3cが設けられる。パージ領域550には、圧力検出手段P4cが設けられる。
これら圧力検出手段P0c~P4cは配置された位置における雰囲気圧力を検出する。圧力検出手段P0c~P4cはいずれも制御手段509に接続される。圧力検出手段P0c~P4cは検出したそれぞれの圧力値を制御手段509に出力する。
【0574】
本実施形態の連続処理装置500においては、例えば、ALDによって、ウェーハ(基板)Wの表面にSiN膜等を成膜する処理をおこない、この処理に並行して、SiN膜の改質をおこなう処理をおこなうことができる。また、成膜処理しないときに、成膜処理時において基板Wが載置される搬送テーブル513に成膜されたSiN膜を除去するクリーニングをおこなうことができる。
【0575】
チャンバ501は扁平な概ね円形の真空容器(処理容器)である。チャンバ(真空容器)501は側壁および底部を構成する容器本体と、上部材とにより構成されている。回転テーブル(搬送テーブル)513は、真空容器であるチャンバ501内に水平に設けられる。回転テーブル(搬送テーブル)513は、円形輪郭である。支持部(回転軸)512は、回転テーブル513の裏面中央部を支持する。回転機構(駆動部)514は、成膜処理中において支持部512を介して回転テーブル513を、その周方向に平面視反時計回りに回転させる。なお、図中のXは回転テーブル513の回転軸(回転中心)を表している。
【0576】
回転テーブル513の上面には、回転テーブル513の周方向(回転方向)に沿って複数の円形の凹部が設けられており、各凹部に基板Wが収納される。つまり、回転テーブル513の回転によって公転するように、各基板Wは回転テーブル513に載置される。また、ヒータ507は、真空容器501の底部において同心円状に複数設けられ、回転テーブル513に載置されたウェーハWを加熱する。
【0577】
真空容器501には、側壁に開口したウェーハWの搬送口が設けられ、ゲートバルブによって開閉自在に構成される。真空容器501内における搬送口に臨む領域であって、回転テーブル513の下方側にはウェーハWの下面を保持する3本の昇降ピンが設けられ、また各凹部の底部には、前記3本の昇降ピンが通る孔部が形成されている。回転テーブル513は、ウェーハWを搬入、搬出するときには、凹部の孔部と昇降ピンとが上下で重なる位置に順次停止し、基板搬送機構と昇降ピンとの協働作用により、ウェーハWは搬送口を介して、真空容器501の外部と凹部内との間で受け渡される。
【0578】
回転テーブル513上には、ガス給排気ユニットP1~P4,V1~V16と、プラズマ形成ユニットと、が、回転テーブル513の回転方向下流側に向かい、当該回転方向に沿ってこの順に設けられている。ガス給排気ユニットは、SiN膜を形成するための原料ガスであるDCS(ジクロロシラン)ガスをウェーハWに供給するユニットである。
【0579】
プラズマ形成ユニットは、回転テーブル513上に供給されたプラズマ形成用ガスをプラズマ化するユニットである。プラズマ形成ユニットは、処理領域520,540において、プラズマ処理をおこなう際に用いられる。プラズマ処理をおこなう場合には、上述した処理領域520,540の構成に加えて、後述する構成を備えることができる。
【0580】
例えば、プラズマ形成ユニットにおいては、ウェーハWに吸着されたDCSガスを窒化してSiN膜を形成するためのプラズマ処理をおこなう。プラズマ形成ユニットは、SiN膜を改質するためのプラズマ処理を行う。プラズマ形成ユニットは、クリーニングを行うためのプラズマ処理をおこなう。
【0581】
ガス給排気ユニットP1~P4,V1~V16について説明する。
ガス給排気ユニットP1~P4,V1~V16は、平面視、回転テーブル513の中央側から周縁側に向かうにつれて回転テーブル513の周方向に広がる扇状に形成されており、ガス給排気ユニットP1~P4,V1~V16の下面は、回転テーブル513の上面に近接すると共に対向している。
【0582】
ガス給排気ユニットP1~P4,V1~V16は例えばアルミニウムにより構成され、その下面には、複数のガス吐出口からなる吐出部P1a,P3a、排気口V1a~V16a及びパージガス吐出口P2a,P4aが開口している。ガス吐出口は、ガス給排気ユニットP1~P4,V1~V16の下面の周縁部よりも内側の扇状領域に多数配列されている。このガス吐出口は、成膜処理時における回転テーブル513の回転中にDCSガスを下方にシャワー状に吐出して、ウェーハWの表面全体に供給する。
【0583】
この扇状領域においては、回転テーブル513の中央側から回転テーブル513の周縁側に向けて、3つの区域が設定されていてもよい。それぞれの区域に設けられるガス吐出口は夫々に独立してDCSガスを供給できるように、ガス給排気ユニットには互いに区画されたガス流路が設けられている。各ガス流路の下流端は、各々ガス吐出口として構成されている。
【0584】
それぞれのガス流路の上流側は、各々配管を介してDCSガスの供給源P1b,P3bに接続されており、各配管にはバルブ及びマスフローコントローラにより構成されるガス供給機器が介設されている。ガス供給機器によって、DCSガス供給源P1b,P3bから供給されるDCSガスの各ガス流路における下流側への給断及び流量が制御される。なお、後述するガス供給機器以外の各ガス供給機器も、このガス供給機器と同様に構成され、下流側へのガスの給断及び流量を制御する。
【0585】
上記の排気口V1a~V4a及びパージガス吐出口について説明する。排気口V1a~V4a及びパージガス吐出口は、扇状領域P1aを囲むと共に回転テーブル513の上面に対向するように、ガス給排気ユニットの下面の周縁部に環状に開口しており、パージガス吐出口が排気口V1a~V4aの外側に位置している。回転テーブル513上における排気口の内側の領域は、ウェーハWの表面へのDCSの吸着が行われる原料ガス供給領域である吸着領域(処理領域)520を構成する。パージガス吐出口は、回転テーブル513上にパージガスとして例えばAr(アルゴン)ガスを吐出する。
【0586】
成膜処理中において、ガス吐出口P1aからの原料ガスの吐出と排気口V1a~V4aからの排気、および、パージガス吐出口P2aからのパージガスの吐出と排気口V5a~V8aからの排気が行われる。それによって、回転テーブル513へ向けて吐出された原料ガス及びパージガスは、回転テーブル513の上面を排気口V1a~V8aへと向かい、当該排気口から排気される。
【0587】
パージガスの吐出及び排気が行われることにより、吸着領域520の雰囲気は外部の雰囲気から分離され、吸着領域520に限定的に原料ガスを供給することができる。吸着領域520に供給されるDCSガスと、後述するように吸着領域520の外部に供給されるガス及びガスの活性種と、が混合されることを抑えることができる。このようにガス給排気ユニットは、原料ガスを回転テーブル513に供給する原料ガス供給部と、吸着領域520の雰囲気と吸着領域の外側の雰囲気とを分離する分離機構とを構成する。
【0588】
ガス給排気ユニットには、それぞれ互いに区画されたガス流路が設けられる。原料ガスの流路に対しても同様のガス流路が各々区画されて設けられている。ガス流路の上流端は排気口V1a、ガス流路の下流端は排気装置V1bに夫々接続されている。排気装置V1b~V16bによって、各排気口V1a~V16aから排気を行うことができる。
また、ガス流路の下流端はパージガス吐出口、ガス流路の上流端はArガスの供給源に夫々接続されている。ガス流路とArガス供給源とを接続する配管には、ガス供給機器が介設されている。
【0589】
プラズマ形成ユニットは、プラズマ形成用のガスを回転テーブル513上に供給すると共に、このガスにマイクロ波を供給して、回転テーブル513上にプラズマを発生させる。プラズマ形成ユニットは、上記のマイクロ波を供給するためのアンテナを備えており、当該アンテナは、誘電体板と金属製の導波管とを含む。プラズマ形成ユニットは、いずれかの処理領域520,540に重なるように配置できる。この場合、上面視して給気ノズルP1a,P3aに対応する範囲にアンテナを配置することができる。
【0590】
誘電体板は、平面視して回転テーブル513の中央側から周縁側に向かうにつれて広がる概ね扇状に形成されている。真空容器501の上部材にはこの誘電体板の形状に対応するように、概ね扇状の貫通口が設けられており、貫通口の下端部の内周面は貫通口の中心部側へと若干突出して、支持部を形成している。誘電体板は貫通口を上側から塞ぎ、回転テーブル513に対向するように設けられており、誘電体板の周縁部は支持部に支持されている。つまり、誘電体板は真空容器の天板を構成することができる。
【0591】
導波管は誘電体板上に設けられており、上部材上に延在する内部空間を備える。導波管には、その下部側を構成するスロット板が設けられる。スロット板は、誘電体板に接するように設けられ、複数のスロット孔を有している。導波管の回転テーブル513の中央側の端部は塞がれている。導波管の回転テーブル513の周縁部側の端部には、マイクロ波発生器が接続されている。
【0592】
マイクロ波発生器は、例えば、約2.45GHzのマイクロ波を導波管に供給する。このマイクロ波は、スロット板のスロット孔を通過して誘電体板に至り、後述するガスインジェクター及びノズルから誘電体板の下方に吐出されたガスに供給され、当該誘電体板の下方にプラズマを形成することができる。このように誘電体板の下方の概ね扇状の領域はプラズマ発生領域をなす。
【0593】
プラズマ形成ユニットの支持部においては、回転テーブル513の中心部側にノズルが設けられている。ノズルは、回転テーブル513の周方向に沿って例えば2本設けられている。各ノズルは回転テーブル513の周縁部側に水平に後述のNF3ガスを吐出するように構成されている。
【0594】
プラズマ形成ユニットの支持部における回転テーブル513の周縁部側には、ノズルが回転テーブル513の周方向に沿って例えば3本設けられている。
各ノズルは回転テーブル513の中心部側に水平にNF3ガスを吐出する。ノズルには、クリーニングガスであるNF3ガスの供給源が接続される。NF3ガス供給源とノズルとを接続する配管にはガス供給機器が介設されている。
この例ではプラズマ発生領域は、クリーニング領域に相当する。
【0595】
回転テーブル513の回転方向に離間して配置されるプラズマ形成ユニットはいずれも上記のプラズマ形成ユニットと同様に構成されている。従って、回転テーブル513の回転方向に異なる位置に、プラズマ発生領域が各々設けられている。
そして、プラズマ形成ユニットから供給されるマイクロ波によって、それぞれのプラズマ発生領域に個別にプラズマが形成される。つまり、プラズマ形成ユニットのうちの1つは、当該プラズマ形成ユニットに対応する1つのプラズマ発生領域のみにプラズマを形成し、他の2つのプラズマ発生領域にはプラズマを形成しない。従って、プラズマ形成ユニットは、回転テーブル513上の一部の領域に各々限定的にプラズマを形成する。
【0596】
回転テーブル513の回転方向に見て、プラズマ発生領域の下流側の端部には夫々ガスインジェクターが設けられている。
ガスインジェクターは、例えば先端側が閉じられた細長い管状体として構成される。ガスインジェクターは、真空容器501の側壁から中央部領域に向かって水平に伸びる。
ガスインジェクターは、回転テーブル513上のウェーハWの通過領域と交差するように中心点対称に設けられている。ガスインジェクターには、その長さ方向に沿ってガスの吐出口が多数、横方向に開口している。回転テーブル513の回転方向に見て、ガスインジェクターはプラズマ発生領域の上流側に向けてプラズマ発生領域にガスを吐出する。
【0597】
一方のガスインジェクターに接続される配管は、その上流側はガス供給機器を介してH2(水素)ガス供給源に接続されている。また、他方のガスインジェクターに接続される配管は、上流側がガス供給機器を介してNH3ガス供給源に接続されている。また、ガス供給機器の下流側においてNH3ガス供給側の配管にはH2ガス供給側から分岐した配管の下流端が接続されている。
【0598】
他方のガスインジェクターからはH2ガスが吐出され、このH2ガスはSiN膜の改質用のガスである。一方のガスインジェクターからはNH3ガス及びH2ガスが吐出される。このH2は上記のように改質用のガスであり、NH3ガスはウェーハWに吸着されたDCSを窒化するための反応ガスである。
一方のガスインジェクターと他方のガスインジェクターとは、互いに回転テーブル513の中心に対して対称に配置されている。
【0599】
隣接するプラズマ発生領域とプラズマ発生領域との間には分離領域が設けられていてもよい。この分離領域の天井面は、各々のプラズマ発生領域の天井面よりも低く設定されている。分離領域は、平面視して回転テーブル513の中央側から周縁側に向かうにつれて回転テーブル513の周方向に広がる扇状に形成されている。分離領域は、その下面が回転テーブル513の上面に対向すると共に近接し、分離領域と回転テーブル513との間のコンダクタンスが抑えられている。この分離領域は、当該分離領域に対して回転テーブル513の回転方向下流側に供給されるNH3ガスが、分離領域に対して回転方向上流側に供給されるH2ガスと混合されて希釈されることを抑制するために設けられる。
【0600】
回転テーブル513の外側であって、当該回転テーブル513の回転方向に見て、プラズマ発生領域の上流側端部、隣接するプラズマ発生領域の下流側端部及びその横のプラズマ発生領域の上流側端部の各々に臨む位置には、第1の排気口、第2の排気口及び第3の排気口が夫々開口している。排気装置は真空ポンプなどにより構成され、排気管を介して第1の排気口、第2の排気口及び第3の排気口に接続されている。排気管に設けられる圧力調整部により各排気口による排気量が調整されることによって、真空容器501内の真空度が調整される。
【0601】
連続処理装置500には、制御手段509が設けられる。制御手段509は連続処理装置500の各部に制御信号を送信して各部の動作を制御し、後述の処理が実行されるようにステップ群が組まれている。具体的には、回転機構514による回転テーブル513の回転数、各ガス供給機器による各ガスの流量及び給断、排気手段P01、排気部V1b~V16bによる排気量、マイクロ波発生器からのアンテナへのマイクロ波の給断、ヒータ507への給電などが制御される。ヒータ507への給電の制御は、ウェーハWの温度制御である。排気手段P01による排気量の制御は、真空容器501内の圧力制御である。
【0602】
以下、本実施形態の連続処理装置500における連続処理方法について説明する。
【0603】
まず、基板Wの移動について説明する。
本実施形態の連続処理装置500は、
図8,
図9に示すように、外部から複数の基板Wをチャンバ501に搬入し、搬送テーブル513の上面の所定位置にセットする。このとき、基板Wは、基板保持部508によって固定および平面化される。
または、複数の基板Wがセットされた搬送テーブル513をチャンバ501に搬入して取り付けてもよい。
【0604】
この状態で、制御手段509の制御によって駆動部514を駆動することにより、回転軸512を介して搬送テーブル513を回転駆動する。
すると、複数の基板Wは、搬送テーブル513の回転にしたがって、排気領域522、処理領域520、排気領域523、パージ排気領域532、パージ領域530、パージ排気領域533、排気領域542、処理領域540、排気領域543、パージ排気領域552、パージ領域550、パージ排気領域553、を搬送テーブル513の周方向に沿って順に移動してゆく。
【0605】
これら処理領域520、処理領域540を通過する間に基板Wに連続処理がおこなわれる。処理領域520、処理領域540においては、基板Wはヒータ507によって温度が制御される。ヒータ507は、制御手段409によって連続処理に対応する温度状態に制御される。
【0606】
ここで、搬送テーブル513の上側には、二組の処理領域520,540が配置されているので、搬送テーブル513が一回転するごとに、二組の処理領域520,540を通過することができる。つまり、搬送テーブル513の一回転でALDによる成膜を二層分おこなうことができる。
さらに、搬送テーブル513を回転し続けることにより、複数の基板Wは、これらの排気領域522からパージ排気領域553までを繰り返して通過する。
【0607】
一連の処理が終了した基板Wは、チャンバ501から外部へ搬出される。
【0608】
ここで、複数の基板Wがセットされてチャンバ501が密閉された後で、一連の処理を開始する前に、全体排気手段を構成する排気ポンプP01によって、チャンバ501内が排気されて、所定の真空状態にまで排気される。
【0609】
ここで、例えば排気ポンプP01は、圧力検出手段P0cの出力に基づいた制御手段509によって制御される。このとき、排気ポンプP01は、排気バルブ等の開度によってその排気速度が制御される。
この全体排気工程として、排気ポンプP01によるチャンバ501内の排気においては、所定の開度、例えば100%といった開度として排気ポンプP01によるチャンバ501内の排気がおこなわれる。
【0610】
次に、排気ポンプP01における排気バルブの開度として20%以下に設定する。つまり、処理領域520,540における複数の基板Wへの処理前には、制御手段509が、全体排気手段の排気速度を全体排気工程よりも弱めるように駆動制御する。
【0611】
次に、排気手段V1~V4,V9~V12およびパージガス排気手段V5~V8,V13~V16によって、排気領域522~545およびパージ排気領域532~555を排気する。このとき、制御手段509は、圧力検出手段P1c~P4cの出力に基づいて排気部V1b~V12bおよびパージ排気部V5b~V16bを駆動し、排気ノズルV1a~V12aおよびパージ排気ノズルV5a~V16aから排気することで、これら互いに隣接する処理領域520,540およびパージ領域530,550が排気される。
【0612】
ここで、ガス供給手段P1,P3から所定の処理ガスを処理領域520,540へと供給する。同時に、パージガス供給手段P2,P4から所定のパージガスをパージ領域530,550へと供給する。
このとき、制御手段509はガス供給部P1b,P3bおよびパージガス供給部P2b,P4bを駆動して、処理領域520,540およびパージ領域530,550を、所定のガス雰囲気とする。同時に、これらが所定の圧力状態になるように制御する。
【0613】
例えば、処理領域520では、ガス供給手段P1から供給される処理ガスの流量が、排気手段V1~V4によって排気される排気量に対して、所定の範囲、具体的には、±10%以内となるように制御される。つまり、ガス供給手段P1の給気量と排気手段V1~V4の排気量とは、互いにほぼ等しく設定される。
このとき、処理領域520における圧力変動は所定の範囲以内、具体的には、±10%以下となるように設定される。
処理領域540においても同様の制御がおこなわれる。
【0614】
また、パージガス供給手段P2,P4から供給されるパージガスの流量は、パージガス排気手段V5~V8,V13~V16によって排気される排気量に対して、所定の範囲、具体的には、±10%以内となるように制御される。つまり、パージガス供給手段P2,P4の給気量とパージガス排気手段V5~V8,V13~V16の排気量とは、それぞれが互いにほぼ等しく設定される。
【0615】
例えば、パージ領域530における圧力変動は所定の範囲以内、具体的には、±10%以下となるように設定される。
パージ領域550においても同様の制御がおこなわれる。
【0616】
なお、ガス供給手段P1から供給される処理ガスとしては、処理の内容によって適宜選択することができるが、例えば、ALD処理によって酸化アルミニウム膜を形成する場合には、TMA(トリメチルアルミニウム)とすることができる。
【0617】
ガス供給手段P3から供給される処理ガスとしては、処理の内容によって適宜選択することができるが、例えば、ALD処理によって酸化アルミニウム膜を形成する場合には、ガス供給手段P1から供給されるTMA(トリメチルアルミニウム)に対応して、H2Oガスとすることができる。
【0618】
また、パージガス供給手段P2,P4から供給されるパージガスとしては、処理の内容によって適宜選択することができるが、例えば、窒素ガス(N2ガス)とすることができる。あるいは、パージガス供給手段P2,P4から供給されるパージガスとして、アルゴン等の不活性ガス等を選択することもできる。
【0619】
この状態で、所定の時間、処理ガス雰囲気を維持するように、基板Wを処理領域520および処理領域540内で移動させ、酸化アルミニウムとなる原子積層膜を単層で形成する。さらに、酸化アルミニウム膜の改質をおこなうこともできる。この場合、チャンバ501に加熱手段を配置することもできる。
【0620】
さらに、搬送テーブル513を所定回数回転して、上記の連続処理を複数回繰り返す。これにより、必要な膜厚を得ることができる。
ここで、単層成膜に対する連続処理工程を開始する前には、全体排気工程と、全体排気工程よりも全体排気手段を弱める工程とをおこなう。
【0621】
さらに連続処理装置500による他の処理について説明する。
【0622】
基板搬送機構によって複数枚のウェーハWが、回転テーブル513の基板保持部508である各凹部に昇降ピンの昇降により受け渡される。次いで真空容器501の搬送口に設けられるゲートバルブを閉じて、当該真空容器501内を気密にする。凹部に載置されたウェーハWは、ヒータ507によって例えば500℃以上、より具体的には550℃に加熱される。そして、第1~第3の排気口からの排気によって、真空容器501内が所定の圧力の真空雰囲気にされると共に、回転テーブル513が例えば反時計回りに所定の回転数で回転する。
【0623】
他方のガスインジェクターからH2ガスがプラズマ発生領域に供給され、一方のガスインジェクターからNH3ガス及びH2ガスがプラズマ発生領域に供給される。このように各ガスが供給される一方で、プラズマ形成ユニットのマイクロ波発生器からプラズマ発生領域に夫々マイクロ波が供給される。このマイクロ波によって他方のプラズマ発生領域にH2ガスのプラズマが形成されるとともに、一方のプラズマ発生領域にH2ガス及びNH3ガスのプラズマが形成される。また、ガス給排気ユニットにおいてはガス吐出口からDCSガス、パージガス吐出口からArガスが夫々吐出されると共に、排気口から排気が行われる。
【0624】
回転テーブル513の回転によって、ウェーハWが吸着領域に位置するとDCSガスが当該ウェーハWの表面に供給されて吸着される。ウェーハWの回転初期においては、DCSが吸着された部位はNH3と反応していないので、そのままプラズマ発生領域を通過する。さらに回転テーブル513が回転して、ウェーハWがプラズマ発生領域に至ると、ウェーハW上に吸着されているDCSとNH3とが反応して反応生成物であるSiNが生成されると共に、当該プラズマ発生領域に供給されているH2ガスがプラズマ化して生成された水素の活性種によりウェーハW上に残っているCl(塩素)が取り除かれる。
プラズマ発生領域を通過したウェーハW上の部位には、再度吸着領域にてDCSが吸着され、更にプラズマ発生領域にてウェーハW上の分子団からClが取り除かれる。
【0625】
回転テーブル513の回転が続けられ、ウェーハWが吸着領域、プラズマ発生領域を順に、繰り返し複数回通過することで、ウェーハWの表面にSiNが堆積して当該SiN膜の膜厚が増大すると共に、当該SiN膜の改質が進行する。このSiN膜の改質では、膜の表面に含まれるDCSガスに由来するCl(塩素)がH2ガスの活性種の作用によって膜から脱離すると共に、この脱離した部位にNH3が吸着され、膜を構成するSiが窒化されて、より純粋な(緻密な)窒化膜が形成される。なお、回転テーブル513の表面(上面)においても、吸着領域でDCSガスが吸着され、プラズマに曝されることで、ウェーハWの表面と同様にSiN膜が成膜される。
【0626】
SiN膜の膜厚が所望の大きさとなると、ガス給排気ユニットにおける各ガスの吐出及び排気が停止する。その一方で、ガスインジェクターからの各ガスの吐出が停止すると共に、プラズマ発生領域へのマイクロ波の供給が停止し、プラズマの形成が停止する。然る後、ゲートバルブが開放され、ウェーハWは真空容器501の外部へ搬出される。
【0627】
プラズマ発生領域で行う処理としては窒化に限られない。例えばガスノズルからはNH3ガスの代わりに、O2(酸素)ガスなどの酸化ガスを吐出し、当該酸化ガスをプラズマ化することでSiO2(酸化シリコン)膜を成膜してもよい。
【0628】
本実施形態においては、搬送テーブル513の回転軸512の回りに回転方向に沿って複数の処理領域520,540が設けられて、搬送テーブル513の回転によって、単一の基板Wを連続して異なる処理領域520,540を通過させて処理することか、複数の基板Wを連続して異なる処理領域520,540を通過させて処理することができる。
このとき、複数の基板に対して、均一な特性を有する処理をおこなうことが可能となる。
【0629】
本実施形態においては、搬送テーブル(載置部)513の回転軸512の回りに、互いにコンタミネーションを起こさないようにパージ領域530,550によって遮断された処理領域520,540を基板Wが通過して処理をおこなうことができる。また、処理領域520の周囲を排気領域523~525で囲むこと、また、パージ領域530の周りをパージ排気領域532~535で囲むことで、各領域における雰囲気ガス及びパージガスが混ざらないようにすることができる。
さらに、第3実施形態と同様に、排気手段V1~V4,V9~V12およびパージガス排気手段V5~V8,V13~V16によってそれぞれ排気速度を異なるように設定することで、搬送テーブル513の上面に沿った雰囲気ガスのガス流を設定することが可能となる。しかも、各処理領域520,540で異なるガス流状態を設定することも可能となる。
【0630】
本実施形態においては、上述した実施形態と同等の効果を奏することができる。
【0631】
図10は、本実施形態における連続処理装置の処理領域等の配置の他の例を示す模式上面図である。
なお、本実施形態においては、
図10に示すように、処理領域520に対する給気ノズルP1aと排気ノズルV1a~V4aを構成することが可能である。
ここで、排気部V1b~V4bと接続される配管V1d~V4dは、いずれも排気領域523~525の中央位置に設けることができる。さらに、ガス供給手段P1,P4を有する一段の成膜を、搬送テーブル513の一回転で3回以上おこなう場合、あるいは、プラズマ処理等をおこなう処理手段をさらに設ける場合には、
図10に示すように、扇形の中心角を鋭角に設定することもできる。
【0632】
以下、本発明に係る連続処理装置の第7実施形態を、図面に基づいて説明する。
図11は、本実施形態における連続処理装置の磁気浮上手段を示す模式図である。
本実施形態において上述した第6実施形態と異なるのは磁気浮上手段に関する点であり、これ以外の対応する構成要素に関しては、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0633】
本実施形態においては、回転軸512が磁気浮上手段を構成する。また、駆動部514が磁気浮上手段を構成する。
具体的には、
図11に示すように、回転軸512は、搬送テーブル513の中心で上下方向に突出する凸部512a,512bを有する。
凸部512a,512bは、それぞれ、軸受け512c,512dに嵌め込まれている。軸受け512c,512dは、それぞれ、チャンバ501の天井部501aおよび底部501bに固定されている(
図8参照)。
凸部512a,512bは、いずれも円柱状とされ、対応する軸受け512c,512dには、円筒状の凹部が形成されて非接触に嵌め込まれている。
【0634】
凸部512aには、外側周位置に、側磁石512eが周設される。凸部512aに対応する軸受け512cの内周位置に側磁石512fが周設される。
側磁石512eと側磁石512fとは、互いに同じ極性を有しており、互いに反発する。
【0635】
凸部512aには、上面位置に、面磁石512gが設けられる。凸部512aに対応する軸受け512cの上面位置に面磁石512hが設けられる。
面磁石512gと面磁石512hとは、互いに同じ極性を有しており、互いに反発する。
【0636】
凸部512bには、外側周位置に、側磁石512jが周設される。凸部512bに対応する軸受け512dの内周位置に側磁石512kが周設される。
側磁石512jと側磁石512jとは、互いに同じ極性を有しており、互いに反発する。
【0637】
凸部512bには、下面位置に、面磁石512mが設けられる。凸部512bに対応する軸受け512dの底面位置に面磁石512nが設けられる。
面磁石512mと面磁石512nとは、互いに同じ極性を有しており、互いに反発する。
【0638】
回転軸512は、これらの磁石の反発により、凸部512aと軸受け512c、および、凸部512bと軸受け512dとが、磁気浮上している。凸部512aと軸受け512c、および、凸部512bと軸受け512dとが、互いに接触しない。
したがって、回転軸512においては、搬送テーブル513を非接触で回転可能に支持することができる。これにより、チャンバ501内でのパーティクル発生を防止することができる。
【0639】
本実施形態においては、駆動部514として、搬送テーブル513の周縁部に磁気駆動手段を有する。
具体的には、搬送テーブル513の側周面に、駆動磁石514mが周設される。また、チャンバ501の側壁部501cには、搬送テーブル513の側周面と対向する位置に、駆動磁石514nが周設される。
駆動磁石514m,514nは、両方または一方が電磁石とされて、磁気駆動可能に構成されている。これにより、搬送テーブル513は、非接触状態を維持して、所定の回転状態で回転駆動することができる。これにより、チャンバ501内でのパーティクル発生を防止することができる。
【0640】
本実施形態においては、上述した実施形態と同等の効果を奏することができる。
【0641】
本実施形態においては、第6実施形態における搬送テーブル513に対して磁気浮上による非接触な支持部の構成を提示したが、第5実施形態や、それ以外の実施形態においても適用することが可能である。
【0642】
さらに、本発明においては、上述した各実施形態において、それぞれの構成を任意に組み合わせて実施することもできる。
【符号の説明】
【0643】
100,200,300,400,500…連続処理装置
101,201,301,401,501…チャンバ
107,207,307,407,507…ヒータ
109,209,309,409,509…制御手段
110,210,310,410,510…移動手段
111b…搬送ベルト
120,140,220,240,320,340,420,440,520,540…処理領域
122~125,222~225,322~325,422~425,522~525…排気領域
130,230,330,430,530…パージ領域
132~135,232~235,332~335,432~435,532~535…パージ排気領域
140,240,340,440,540…処理領域
142~145,242~245,342~345,442~445,542~545…排気領域
150,250,350,450,550…パージ領域
152~155,252~255,352~355,452~455,552~555…パージ排気領域
313…搬送ドラム
413…搬送ドラム(載置部)
513…搬送テーブル
512…回転軸
512a,512b…凸部
512e,512f…側磁石
512g,512h…面磁石
512j,512k…側磁石
512m,512n…面磁石
514…回転機構(駆動部)
514m,514n…駆動磁石
F…フィルム(基体)
P01,P02,P03…排気ポンプ(全体排気手段)
P1,P3…ガス供給手段(処理手段)
P1a,P3a…給気ノズル
P1b,P3b…ガス供給部
P1c,P2c,P3c…圧力検出手段
P2,P4…パージガス供給手段
P2a,P4a…パージガスノズル
P2b,P4b…パージガス供給部
V1~V4,V9~V12…排気手段(個別排気手段)
V1a~V4a,V9a~V12a…排気ノズル
V1b~V4,V9b~V12b…排気部
V1c~Vc,…圧力検出手段
V5~V8,V13~V16…パージガス排気手段
V5a~V8a,V13a~V16a…パージ排気ノズル
V5b~V8b,V13b~V16b…パージ排気部
W…基板(基体)