(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-17
(45)【発行日】2024-07-25
(54)【発明の名称】配糖体化合物の製造方法
(51)【国際特許分類】
C07H 23/00 20060101AFI20240718BHJP
【FI】
C07H23/00
(21)【出願番号】P 2021550439
(86)(22)【出願日】2020-08-28
(86)【国際出願番号】 JP2020032609
(87)【国際公開番号】W WO2021070507
(87)【国際公開日】2021-04-15
【審査請求日】2023-06-06
(31)【優先権主張番号】P 2019185109
(32)【優先日】2019-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100150500
【氏名又は名称】森本 靖
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 竜也
(72)【発明者】
【氏名】井原 秀樹
【審査官】早川 裕之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/159374(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/027843(WO,A1)
【文献】国際公開第2008/016079(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/208571(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07H
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1):
【化1】
(式中、B
aは、アシル基により置換されていてもよいアデニン基を表し、i-Prは、イソプロピル基を表す。)の配糖体化合物と、式(2):
【化2】
(式中、R
1は、C1~C6アルキル基又はフェニル基を表し、そして、nは0又は1を表す。)のエーテル化合物とを、ハロゲン、N-ハロゲン化スクシンイミド、およびN-ハロゲン化ヒダントインからなる群から選ばれる1種以上のハロゲン化剤の存在下、テトラヒドロピランおよび4-メチルテトラヒドロピランからなる群から選ばれる少なくとも1種の溶媒中で反応させることを特徴とする式(3):
【化3】
(式中、B
a、i-Prおよびnの定義は、前記のとおりである。)の配糖体化合物の製造方法。
【請求項2】
nが1である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
nが0である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
ハロゲン化剤が、ハロゲンである、請求項1~3のいずれか1つに記載の製造方法。
【請求項5】
ハロゲン化剤がヨウ素である、請求項1~4のいずれか1つに記載の製造方法。
【請求項6】
R
1がメチル基である、請求項1~5のいずれか1つに記載の製造方法。
【請求項7】
B
aが、アセチル基またはベンゾイル基で置換されたアデニン基である、請求項1~6のいずれか1つに記載の製造方法。
【請求項8】
B
aが、アセチル基で置換されたアデニン基である、請求項1~6のいずれか1つに記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、日本国特許出願2019-185109号(2019年10月8日出願)に基づくパリ条約上の優先権および利益を主張するものであり、ここに引用することによって、上記出願に記載された内容の全体が本明細書中に組み込まれるものとする。
【0002】
リボースを含む核酸オリゴマーであるRNAは、RNAプローブ、アンチセンスRNA、リボザイム、siRNA、アプタマーなどとして利用可能であり、有用な素材である。
【背景技術】
【0003】
核酸オリゴマーの製造方法としては、ヌクレオシドの3’位の水酸基がホスホロアミダイト化されたヌクレオシドのホスホロアミダイト化合物が用いられる。そして、当該ヌクレオシドのホスホロアミダイト化合物の前駆体として、ヌクレオシドの3’位水酸基と5’位水酸基とが保護基で置換され、且つ2’位の水酸基が温和な条件下で脱離可能な保護基で置換された、配糖体化合物が知られる。
【0004】
当該配糖体化合物の製造方法としては、3’位水酸基と5’位水酸基とがケイ素保護基で保護されている配糖体化合物と、チオエーテル化合物とをテトラヒドロフランを溶媒として反応させて、2’位水酸基にエーテル誘導体基が導入された配糖体化合物を得る製造方法が知られる(特許文献1および2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5168145号公報
【文献】国際公開第2016/159374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1及び2の方法で製造される下記式(3)の配糖体化合物の純度は、必ずしも満足のいくものではない。本発明は、高純度の配糖体化合物を製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、次の配糖体化合物を製造する方法を提供するものである。本発明は以下の項に記載する実施態様を含むが、これらに限定されるものではない。
項1. 式(1):
【化1】
(式中、B
aは、アシル基により置換されていてもよいアデニン基を表し、i-Prは、イソプロピル基を表す。)の配糖体化合物と、式(2):
【化2】
(式中、R
1は、C1~C6アルキル基又はフェニル基を表し、そして、nは0又は1を表す。)のエーテル化合物とを、ハロゲン、N-ハロゲン化スクシンイミド、およびN-ハロゲン化ヒダントインからなる群から選ばれる1種以上のハロゲン化剤の存在下、テトラヒドロピランおよび4-メチルテトラヒドロピランからなる群から選ばれる少なくとも1種の溶媒中で反応させることを特徴とする、式(3):
【化3】
(式中、B
a、i-Prおよびnの定義は、前記のとおりである。)の配糖体化合物の製造方法(以下、「本発明の製造方法」と呼称する)。
項2. nが1である、前記項1に記載の製造方法。
項3. nが0である、前記項1に記載の製造方法。
項4. ハロゲン化剤がハロゲンである、前記項1~3のいずれか1つに記載の製造方法。
項5. ハロゲン化剤がヨウ素である、前記項1~4のいずれか1つに記載の製造方法。
項6. R
1がメチル基である、前記項1~5のいずれか1つに記載の製造方法。
項7. B
aが、アセチル基またはベンゾイル基で置換されたアデニン基である、前記項1~6のいずれか1つに記載の製造方法。
項8. B
aが、アセチル基で置換されたアデニン基である、前記項1~6のいずれか1つに記載の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の製造方法によれば、オリゴ核酸合成の原料である配糖体化合物の不純物の生成を抑制することができる。かかる配糖体は、オリゴ核酸の合成に好適である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本明細書において「含む(comprise)」とは、「本質的にからなる(essentially consist of)」という意味と、「のみからなる(consist of)」という意味をも包含する。
【0010】
式(1)の配糖体化合物と、式(2)のエーテル化合物とを、ハロゲン、N-ハロゲン化スクシンイミド、およびN-ハロゲン化ヒダントインからなる群から選ばれる1種以上のハロゲン化剤の存在下、テトラヒドロピランおよび4-メチルテトラヒドロピランからなる群から選ばれる少なくとも1種の溶媒中で反応させることを特徴とする式(3)の配糖体化合物の製造方法(以下、「本発明の方法」と呼称する)について説明する。
【0011】
式(1)および式(3)の配糖体において、B
aで示されるアシル基で置換されていてもよいアデニン基は、以下の構造を有する。
【化4】
(式中、R
2は、水素原子又はアシル基を表す。)
【0012】
アシル基は、直鎖状もしくは分岐鎖状の脂肪族アシル基、または、芳香族アシル基を表し、カルボニルの炭素も含めた合計の炭素数が2~12であり、好ましくは炭素数が2~7であり、アシル基の例としては、脂肪族アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基(ブチリル基)、イソブタノイル基(イソブチリル基)、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、およびウンデカノイル基など)、および芳香族アシル基(例えば、ベンゾイル基、1-ナフトイル基および2-ナフトイル基)が挙げられ、好ましくはアセチル基又はベンゾイル基が挙げられる。
【0013】
ハロゲン化剤としては、例えば、ヨウ素、臭素などのハロゲン;N-クロロスクシンイミド、N-ブロモスクシンイミド(NBS)、およびN-ヨードスクシンイミド(NIS)等のN-ハロゲン化スクシンイミド;1,3-ジヨード-5,5-ジメチルヒダントイン、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン、および1-ブロモ-3-クロロ-5,5-ジメチルヒダントイン等のN-ハロゲン化ヒダントインが挙げられる。本発明においては、ハロゲンが好ましく用いられ、ヨウ素が更に好ましく用いられる。
【0014】
本発明反応は、ハロゲン化剤のほかに、酸を添加して実施してもよい。酸としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸及びその塩、アルキルスルホン酸及びその塩、アリールスルホン酸及びその塩、パーフルオロアルキルスルホン酸及びその塩、並びにアルキルスルホン酸及びその塩、並びにこれらの2種類以上の組み合わせが挙げられる。塩としては、例えば、金属塩(例えば、銅塩及び銀塩)が挙げられる。酸としては、具体的には、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、およびトリフルオロメタンスルホン酸銀など、並びにこれらの2種類以上の組み合わせが挙げられる。アルキルスルホン酸のアルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれでもよく、好ましくは炭素数1~6のアルキル基である。アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、及びヘキシルが例示される。アリールスルホン酸のアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基が挙げられる。
【0015】
式(2)のエーテル化合物において、R1で表されるアルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれでもよく、好ましくは炭素数1~6のアルキル基である。アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、およびヘキシルが挙げられる。アルキル基としては、メチル基が好ましい。
【0016】
本発明の反応の溶媒としては、テトラヒドロピラン化合物が挙げられ、具体的には、テトラヒドロピラン(THP)もしくは4-メチルテトラヒドロピラン(MTHP)またはそれらの混合溶媒が用いられる。溶媒の量は、式(1)で表される配糖体化合物に対して、通常0.5v/w~20v/w%、好ましくは1v/w~10v/w%である。
式(2)で表されるエーテル化合物の量は、一般式(1)で表される配糖体化合物1モルに対して、通常0.8~5モル、好ましくは1~3モル、より好ましくは1~1.5モルである。ハロゲン化剤の量は、一般式(1)で表される配糖体化合物1モルに対して、通常0.8~10モル、好ましく3~10モル、より好ましくは3~6モルである。酸の量は、一般式(1)で表される配糖体化合物1モルに対して、通常0~5モル、好ましくは0~1.5モル、より好ましくは0~0.1モルである。
【0017】
本発明の反応温度は、通常-30~30℃、好ましくは-20~25℃、より好ましくは-15~5℃である。本発明反応の反応時間は、通常0.5~10時間、好ましくは0.5~6時間である。
【0018】
式(1)で表される配糖体化合物は、公知の方法により製造することができ、または市販品を入手することもできる。式(2)で表されるエーテル化合物は、公知の方法(前記特許文献1、2及び特開2016-50203号公報参照)により製造することができる。
本発明で得られた配糖体化合物は、粗生成物として次の反応に使用することができるが、必要に応じてシリカゲルカラムクロマトグラフィーなどによる精製を行ってもよい。
【実施例】
【0019】
以下、本発明を更に詳しく説明するため実施例を挙げる。しかし、本発明はこれら実施例等になんら限定されるものではない。
合成した配糖体化合物の純度の測定はHPLCにより行った。配糖体化合物をHPLCによって各成分に分離し、副生成物の量として、得られたクロマトグラムにおける副生成物の面積百分率の総和を算出した。使用したHPLC装置は、面積値1000以上のピークを検出するように設定しており、本条件において検出可能な最小面積値のピークは面積百分率として0.03%であった。
【表1】
以下、本明細書中、CEMは2-シアノエトキシメチルを、EMMは2-シアノエトキシメトキシメチルを、意味する。
【0020】
実施例1
N
6-アセチル-3’,5’-O-(テトライソプロピルジシロキサン-1,3-ジイル)-2’-O-(2-シアノエトキシメトキシメチル)アデノシン(EMM A)
【化5】
【0021】
N6-アセチル-3’,5’-O-(テトライソプロピルジシロキサン-1,3-ジイル)アデノシン(1.0g、1.8mmol)を4-メチルテトラヒドロピラン(10ml)に溶解し、混合物を0℃に冷却した。そこにメタンスルホン酸(17mg、0.18mmol)、ヨウ素(2.7g、10.8mmol)、および2-シアノエトキシメチルメチルチオメチルエーテル(0.44g、2.7mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下、0℃で3時間攪拌した。反応液を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の混合溶液に加え、酢酸エチルで抽出した。溶媒を留去し、目的化合物を含む粗生成物を得た。
HPLC分析の結果、副生成物のLC面積百分率の総和が5.9%であった。
【0022】
実施例2
N
6-アセチル-3’、5’-O-(テトライソプロピルジシロキサン-1、3-ジイル)-2’-O-(2-シアノエトキシメチル)アデノシン(CEM A)
【化6】
【0023】
N6-アセチル-3’,5’-O-(テトライソプロピルジシロキサン-1,3-ジイル)アデノシン(1.0g、1.8mmol)を4-メチルテトラヒドロピラン(5ml)に溶解し、混合物を0℃に冷却した。そこにメタンスルホン酸(17mg、0.18mmol)、ヨウ素(2.7g、10.8mmol)、およびメチルチオメチル2-シアノエチルエーテル(0.35g、2.7mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下、0℃で3時間攪拌した。反応液を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の混合溶液に加え、酢酸エチルで抽出した。溶媒を留去し、目的化合物を含む粗生成物を得た。
HPLC分析の結果、副生成物のLC面積百分率の総和が3.3%であった。
【0024】
実施例3
N
6-アセチル-3’,5’-O-(テトライソプロピルジシロキサン-1,3-ジイル)-2’-O-(2-シアノエトキシメトキシメチル)アデノシン(EMM A)
【化7】
【0025】
N6-アセチル-3’,5’-O-(テトライソプロピルジシロキサン-1,3-ジイル)アデノシン(5.0g、9.0mmol)をトルエン(25ml)に溶解し、溶液量が15mlになるまで濃縮した。この溶液に、4-メチルテトラヒドロピラン(10ml)を加え、混合物を-10℃に冷却した。そこにヨウ素(13.8g、55.2mmol)、および2-シアノエトキシメチルメチルチオメチルエーテル(2.18g、13.4mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下、0℃で1時間攪拌した。反応液を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の混合溶液に加え、トルエンで抽出した。溶媒を留去し、目的化合物を含む粗生成物を得た。
HPLC分析の結果、副生成物のLC面積百分率の総和が7.1%であった。
【0026】
比較例1
N
6-アセチル-3’、5’-O-(テトライソプロピルジシロキサン-1、3-ジイル)-2’-O-(2-シアノエトキシメトキシメチル)アデノシン(EMM A)
【化8】
【0027】
N6-アセチル-3’,5’-O-(テトライソプロピルジシロキサン-1,3-ジイル)アデノシン(1.0g、1.8mmol)をテトラヒドロフラン(10ml)に溶解し、混合物を0℃に冷却した。そこにメタンスルホン酸(17mg、0.18mmol)、ヨウ素(2.7g、10.8mmol)、および2-シアノエトキシメチルメチルチオメチルエーテル(0.44g、2.7mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下、0℃で3時間攪拌した。反応液を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の混合溶液に加え、酢酸エチルで抽出した。溶媒を留去し、目的化合物を含む粗生成物を得た。
HPLC分析の結果、副生成物のLC面積百分率の総和が10.2%であった。
【0028】
比較例2
N
6-アセチル-3’,5’-O-(テトライソプロピルジシロキサン-1,3-ジイル)-2’-O-(2-シアノエトキシメチル)アデノシン(CEM A)
【化9】
【0029】
N6-アセチル-3’,5’-O-(テトライソプロピルジシロキサン-1,3-ジイル)アデノシン(1.0g、1.8mmol)をテトラヒドロフラン(5ml)に溶解し、混合物を0℃に冷却した。そこにメタンスルホン酸(17mg、0.18mmol)、ヨウ素(2.7g、10.8mmol)、およびメチルチオメチル2-シアノエチルエーテル(0.35g、2.7mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下、0℃で3時間攪拌した。反応液を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の混合溶液に加え、酢酸エチルで抽出した。溶媒を留去し、目的化合物を含む粗生成物を得た。
HPLC分析の結果、副生成物のLC面積百分率の総和が8.6%であった。
【0030】
比較例3
N
6-アセチル-3’,5’-O-(テトライソプロピルジシロキサン-1,3-ジイル)-2’-O-(2-シアノエトキシメトキシメチル)アデノシン(EMM A)
【化10】
【0031】
N
6-アセチル-3’,5’-O-(テトライソプロピルジシロキサン-1,3-ジイル)アデノシン(5.0g、9.0mmol)をトルエン(25ml)に溶解し、溶液量が15mlになるまで濃縮した。この溶液に、テトラヒドロフラン(10ml)を加え、混合物を-10℃に冷却した。そこにヨウ素(13.8g、55.2mmol)、および2-シアノエトキシメチルメチルチオメチルエーテル(2.18g、13.4mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下、0℃で1時間攪拌した。反応液を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の混合溶液に加え、トルエンで抽出した。溶媒を留去し、目的化合物を含む粗生成物を得た。
HPLC分析の結果、副生成物のLC面積百分率の総和が10.7%であった。
以上の実施例及び比較例の試験結果を、表2に示す。
【表2】
【0032】
以上の表2に示すように、溶媒として4-メチルテトラヒドロピラン(MTHP)を用いることで副生成物の生成を抑制し、より高純度で目的物を得ることができた。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、配糖体化合物の製造方法を提供する。該製造方法に従って得られる配糖体化合物は高純度であるため、高純度のオリゴ核酸の合成に適している。