(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-18
(45)【発行日】2024-07-26
(54)【発明の名称】サーバシステム及びゲームシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/65 20140101AFI20240719BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20240719BHJP
A63F 13/216 20140101ALI20240719BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20240719BHJP
【FI】
A63F13/65
A63F13/35
A63F13/216
A63F13/79
(21)【出願番号】P 2020061479
(22)【出願日】2020-03-30
【審査請求日】2023-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】無田 廣之
【審査官】前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-189972(JP,A)
【文献】特開2012-151735(JP,A)
【文献】特開2018-175367(JP,A)
【文献】特開2018-108170(JP,A)
【文献】特開2018-108172(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測位機能を有する各プレーヤのプレーヤ端末と通信可能であり、当該プレーヤ端末でプレイする位置ゲームを制御するサーバシステムであって、
各プレーヤ端末から取得したプレーヤ位置を日時情報と対応付けて記憶することで各プレーヤの移動履歴を記憶する移動履歴記憶手段と、
不特定多数のプレーヤの来訪に関する所与の好適条件を満たす来訪好適地点を、前記移動履歴に基づいて解析する解析手段と、
前記位置ゲームで発生させるゲームイベントの発生地点を前記解析手段の解析結果に基づいて決定するゲームイベント地点決定手段と、
を備え
、
前記解析手段は、プレーヤの移動経路が交錯する条件である所与の交錯条件を満たす交錯地点を前記移動履歴に基づいて解析する交錯解析手段、を有し、当該交錯地点を用いて前記来訪好適地点を解析する、
サーバシステム。
【請求項2】
測位機能を有する各プレーヤのプレーヤ端末と通信可能であり、当該プレーヤ端末でプレイする位置ゲームを制御するサーバシステムであって、
各プレーヤ端末から取得したプレーヤ位置を日時情報と対応付けて記憶することで各プレーヤの移動履歴を記憶する移動履歴記憶手段と、
不特定多数のプレーヤの来訪に関する所与の好適条件を満たす来訪好適地点を、前記移動履歴に基づいて解析する解析手段と、
前記位置ゲームで発生させるゲームイベントの発生地点を前記解析手段の解析結果に基づいて決定するゲームイベント地点決定手段と、
を備え
、
前記解析手段は、プレーヤ位置が滞留する条件である所与の滞留条件を満たす滞留地点を前記移動履歴に基づいて解析する滞留解析手段、を有し、当該滞留地点を用いて前記来訪好適地点を解析する、
サーバシステム。
【請求項3】
前記解析手段は、プレーヤ位置が滞留する条件である所与の滞留条件を満たす滞留地点であって異なるプレーヤの前記滞留地点が密集して存在する所与の密集滞留条件を満たす密集滞留地点を前記移動履歴に基づいて解析する滞留解析手段、を有する、
請求項
1に記載のサーバシステム。
【請求項4】
前記解析手段は、前記ゲームイベントの発生地点とすることを禁止する来訪不適地点を、前記密集滞留地点に基づいて決定する来訪不適地点決定手段、を有する、
請求項
3に記載のサーバシステム。
【請求項5】
前記来訪不適地点決定手段は、前記密集滞留地点と、当該密集滞留地点に該当する施設の有無および当該施設の施設情報とに基づいて前記来訪不適地点を決定する、
請求項
4に記載のサーバシステム。
【請求項6】
前記解析手段は、同一の前記密集滞留地点に係るプレーヤ群を、当該密集滞留地点毎にグルーピングするグルーピング手段、を有し、
前記解析手段は、異なる前記密集滞留地点に係るプレーヤ群に別々に含まれる異なるプレーヤの移動経路が前記交錯条件を満たす交錯地点、を用いて前記来訪好適地点を解析する、
請求項
5に記載のサーバシステム。
【請求項7】
前記発生地点に発生させるゲームイベントの内容を、当該発生地点に該当する施設情報、及び/又は、当該発生地点の地域情報、を含む地点関連情報に基づいて決定する第1のイベント内容決定手段、
を更に備える請求項1~
6の何れか一項に記載のサーバシステム。
【請求項8】
前記地点関連情報は、当該発生地点に該当する施設情報と、当該施設に予め対応付けられた前記プレーヤの推定行動と、を含む、
請求項
7に記載のサーバシステム。
【請求項9】
前記発生地点に発生させるゲームイベントの内容を、発生日時に基づいて決定する第2のイベント内容決定手段、
を更に備える請求項1~
8の何れか一項に記載のサーバシステム。
【請求項10】
現実空間と前記位置ゲームのゲーム空間とが対応付けられており、
前記発生地点に発生させるゲームイベントの内容を、当該発生地点に対応する前記ゲーム空間の位置に基づいて決定する第3のイベント内容決定手段、
を更に備える請求項1~
9の何れか一項に記載のサーバシステム。
【請求項11】
測位機能を有する各プレーヤのプレーヤ端末と通信可能であり、当該プレーヤ端末でプレイする位置ゲームを制御するサーバシステムであって、
各プレーヤ端末から取得したプレーヤ位置を日時情報と対応付けて記憶することで各プレーヤの移動履歴を記憶する移動履歴記憶手段と、
不特定多数のプレーヤの来訪に関する所与の好適条件を満たす来訪好適地点を、前記移動履歴に基づいて解析する解析手段と、
前記位置ゲームで発生させるゲームイベントの発生地点を前記解析手段の解析結果に基づいて決定するゲームイベント地点決定手段と、
前記発生地点に発生させるゲームイベントの内容を、前記移動履歴に当該発生地点を通過した履歴のあるプレーヤの当該移動履歴に基づいて決定するイベント内容決定手段と、
を備えるサーバシステム。
【請求項12】
測位機能を有する各プレーヤのプレーヤ端末と通信可能であり、当該プレーヤ端末でプレイする位置ゲームを制御するサーバシステムであって、
各プレーヤ端末から取得したプレーヤ位置を日時情報と対応付けて記憶することで各プレーヤの移動履歴を記憶する移動履歴記憶手段と、
不特定多数のプレーヤの来訪に関する所与の好適条件を満たす来訪好適地点を、前記移動履歴に基づいて解析する解析手段と、
前記位置ゲームで発生させるゲームイベントの発生地点を前記解析手段の解析結果に基づいて決定するゲームイベント地点決定手段と、
前記発生地点に発生させるゲームイベントの内容を、前記移動履歴に当該発生地点を通過した履歴のあるプレーヤのプレーヤ情報に基づいて決定するイベント内容決定手段と、
を備えるサーバシステム。
【請求項13】
測位機能を有する各プレーヤのプレーヤ端末と通信可能であり、当該プレーヤ端末でプレイする位置ゲームを制御するサーバシステムであって、
各プレーヤ端末から取得したプレーヤ位置を日時情報と対応付けて記憶することで各プレーヤの移動履歴を記憶する移動履歴記憶手段と、
不特定多数のプレーヤの来訪に関する所与の好適条件を満たす来訪好適地点を、前記移動履歴に基づいて解析する解析手段と、
前記位置ゲームで発生させるゲームイベントの発生地点を前記解析手段の解析結果に基づいて決定するゲームイベント地点決定手段と、
前記発生地点に発生させるゲームイベントの発生日時を、前記移動履歴に当該発生地点を通過した履歴のあるプレーヤのプレーヤ情報に基づいて決定する発生日時決定手段と、
を備えるサーバシステム。
【請求項14】
前記発生地点でのゲームイベントの発生を予告する予告情報を各プレーヤ端末に通知する予告制御手段、
を更に備える請求項1~
13の何れか一項に記載のサーバシステム。
【請求項15】
測位機能を有するプレーヤ端末と、
請求項1~
14の何れか一項に記載のサーバシステムと、
を具備するゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測位機能を有するプレーヤ端末と通信可能なサーバシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
プレーヤ端末が測位したプレーヤの位置情報を利用した位置ゲーム(位置情報ゲームともいう)として、各プレーヤのプレーヤ位置を時刻に対応付けた各プレーヤの移動履歴を利用したゲームが知られている。例えば、特許文献1には、各プレーヤの移動履歴を利用することで、プレーヤのマッチングの機会のバラツキを低減する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
位置ゲームでは、現実空間の所定地点に存在するプレーヤを対象としたゲームイベントを実施することがあるが、そのゲームイベントの発生地点を何処にするかは非常に重要である。ゲームイベントの発生地点には、そのゲームイベントを目的とした多数のプレーヤの来訪が予想されるから、プレーヤが来訪し易い場所であるのは勿論のこと、ある程度の人数の滞在が許容される場所であることが望ましい。現実空間は広大であり、ゲームイベントの発生地点を、例えばランダムに決定すると、その地点が、不特定多数の立ち入りが禁止されている場所といった、ゲームイベントの発生地点として不適切な場所が選択されてしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、各プレーヤの移動履歴を用いることで、位置ゲームで発生させるゲームイベントの現実空間における発生地点を適切に決定できるようにすること、である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための第1の発明は、
測位機能を有する各プレーヤのプレーヤ端末と通信可能であり、当該プレーヤ端末でプレイする位置ゲームを制御するサーバシステムであって、
各プレーヤ端末から取得したプレーヤ位置を日時情報と対応付けて記憶することで各プレーヤの移動履歴を記憶する移動履歴記憶手段(例えば、
図9のサーバ記憶部300)と、
不特定多数のプレーヤの来訪に関する所与の好適条件を満たす来訪好適地点を、前記移動履歴に基づいて解析する解析手段(例えば、
図9の解析部220)と、
前記位置ゲームで発生させるゲームイベントの発生地点を前記解析手段の解析結果に基づいて決定するゲームイベント地点決定手段(例えば、
図9のゲームイベント地点決定部230)と、
を備えるサーバシステムである。
【0007】
第1の発明によれば、各プレーヤの移動履歴を用いることで、位置ゲームで発生させるゲームイベントの現実空間における発生地点を適切に決定することができる。つまり、各プレーヤの移動履歴から、不特定多数のプレーヤの来訪に関する所与の好適条件を満たす来訪好適地点を解析し、その解析結果に基づいて、位置ゲームで発生させるゲームイベントの発生地点が決定される。これにより、例えば、複数のプレーヤが過去に来訪している地点をゲームイベントの発生地点として決定するといったように、プレーヤが来訪し易く、且つ、ある程度の人数の滞在が許容される地点を、ゲームイベントの発生地点として決定することが可能である。このように決定したゲームイベントの発生地点は、不特定多数のプレーヤが来訪し易いので、ゲームイベントの集客に効果的である。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、
前記解析手段は、プレーヤの移動経路が交錯する条件である所与の交錯条件を満たす交錯地点を前記移動履歴に基づいて解析する交錯解析手段(例えば、
図9の交錯解析部222)、を有し、当該交錯地点を用いて前記来訪好適地点を解析する、
サーバシステムである。
【0009】
第2の発明によれば、プレーヤの移動経路が交錯する交錯地点を解析し、その交錯地点を用いて来訪好適地点を解析することができる。これにより、複数のプレーヤが過去に通過した地点を、不特定多数のプレーヤが来訪し易い地点とみなしてゲームシステムの発生地点として決定するといったことが可能となる。
【0010】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、
前記解析手段は、プレーヤ位置が滞留する条件である所与の滞留条件を満たす滞留地点を前記移動履歴に基づいて解析する滞留解析手段(例えば、
図9の滞留解析部224)、を有し、当該滞留地点を用いて前記来訪好適地点を解析する、
サーバシステムである。
【0011】
第3の発明によれば、プレーヤ位置が滞留する滞留地点を解析し、その滞留地点を用いて来訪好適地点を解析することができる。これにより、プレーヤが過去に滞留していた地点を、不特定多数のプレーヤの滞留が許容される地点であるとみなしてゲームシステムの発生地点として決定するといったことが可能となる。
【0012】
第4の発明は、第2の発明において、
前記解析手段は、プレーヤ位置が滞留する条件である所与の滞留条件を満たす滞留地点であって異なるプレーヤの前記滞留地点が密集して存在する所与の密集滞留条件を満たす密集滞留地点を前記移動履歴に基づいて解析する滞留解析手段(例えば、
図9の滞留解析部224)、を有する、
サーバシステムである。
【0013】
第4の発明によれば、異なるプレーヤの滞留地点が密集して存在する密集滞留地点を解析することができる。これにより、複数のプレーヤが過去に滞留していた地点を、不特定のプレーヤの滞留が許容される地点とみなしてゲームシステムの発生地点として決定するといったことが可能となる。
【0014】
第5の発明は、第4の発明において、
前記解析手段は、前記ゲームイベントの発生地点とすることを禁止する来訪不適地点を、前記密集滞留地点に基づいて決定する来訪不適地点決定手段(例えば、
図9の来訪不適地点設定部228)、を有する、
サーバシステムである。
【0015】
第5の発明によれば、密集滞留地点に基づいて、ゲームイベントの発生地点とすることを禁止する来訪不適地点を決定することができる。密集滞留地点には、例えば、住宅や学校、企業といった特定の関係者のみが来訪・滞在し、関係者以外の来訪を望まない地点が含まれ得る。そのような地点について、来訪不適地点として決定し、ゲームイベントの発生地点として決定しないようにすることが可能となる。
【0016】
第6の発明は、第5の発明において、
前記来訪不適地点決定手段は、前記密集滞留地点と、当該密集滞留地点に該当する施設の有無および当該施設の施設情報とに基づいて前記来訪不適地点を決定する、
サーバシステムである。
【0017】
第6の発明によれば、密集滞留地点に該当する施設の有無、及び、当該施設の施設情報に基づいて、来訪不適地点を決定することができる。これにより、例えば、施設情報として、特定の種類の施設についてはゲームイベントの発生地点として決定しないと予め定めておくことで、特定の種類の施設に該当する密集滞留地点については一律に来訪不適地点として決定し、ゲームイベントの発生地点として決定しないようにすることが可能となる。
【0018】
第7の発明は、第6の発明において、
前記解析手段は、同一の前記密集滞留地点に係るプレーヤ群を、当該密集滞留地点毎にグルーピングするグルーピング手段(例えば、
図9のグルーピング部226)、を有し、
前記解析手段は、異なる前記密集滞留地点に係るプレーヤ群に別々に含まれる異なるプレーヤの移動経路が前記交錯条件を満たす交錯地点、を用いて前記来訪好適地点を解析する、
サーバシステムである。
【0019】
第7の発明によれば、同一の密集滞留地点に係るプレーヤ群を密集滞留地点毎にグルーピングし、異なる密集滞留地点に係るプレーヤ群に別々に含まれる異なるプレーヤの移動経路が交錯する交錯地点を用いて、来訪好適地点を解析することができる。グルーピングされたプレーヤ群は、例えば、学校や会社等の生活圏が重複するプレーヤの集合となる。従って、グルーピングされたプレーヤ群が異なるプレーヤの移動経路が交錯する地点は、不特定多数のプレーヤの来訪が可能な地点とみなせるので、その地点を来訪好適地点とすることができる。
【0020】
第8の発明は、第1~第7の何れかの発明において、
前記発生地点に発生させるゲームイベントの内容を、当該発生地点に該当する施設情報、及び/又は、当該発生地点の地域情報、を含む地点関連情報に基づいて決定する第1のイベント内容決定手段(例えば、
図9のイベント内容決定部232)、
を更に備えるサーバシステムである。
【0021】
第8の発明によれば、決定した発生地点に該当する施設情報及び地域情報を含む地点関連情報に基づいて、当該発生地点に発生させるゲームイベントの内容を決定することができる。これにより、発生地点に該当する施設や地域に応じた内容のゲームイベントを発生させるができ、プレーヤにとってより興趣性が高く、集客に効果的なゲームイベントとすることが可能となる。
【0022】
第9の発明は、第8の発明において、
前記地点関連情報は、当該発生地点に該当する施設情報と、当該施設に予め対応付けられた前記プレーヤの推定行動と、を含む、
サーバシステムである。
【0023】
第9の発明によれば、地点関連情報には、発生地点に該当する施設に対応付けたプレーヤの推定行動が含まれる。施設に対応付けたプレーヤの推定行動とは、例えば、商業施設ならば購買行動、観覧・観戦施設ならば観覧・観戦、スポーツ施設ならば運動、公園ならば散策、等である。これにより、発生地点に該当する施設に対応するプレーヤの推定行動に応じた内容のゲームイベントを発生させることができ、プレーヤにとってより興趣性が高く、集客に効果的なゲームイベントとすることが可能となる。
【0024】
第10の発明は、第1~第9の何れかの発明において、
前記発生地点に発生させるゲームイベントの内容を、発生日時に基づいて決定する第2のイベント内容決定手段(例えば、
図9のイベント内容決定部232)、
を更に備えるサーバシステムである。
【0025】
第10の発明によれば、発生地点に発生させるゲームイベントの内容を、発生日時に基づいて決定することができる。これにより、日付や時間帯、季節といった発生日時に応じた内容のゲームイベントを発生させることができ、プレーヤにとってより興趣性が高く、集客に効果的なゲームイベントとすることが可能となる。
【0026】
第11の発明は、第1~第10の何れかの発明において、
現実空間と前記位置ゲームのゲーム空間とが対応付けられており、
前記発生地点に発生させるゲームイベントの内容を、当該発生地点に対応する前記ゲーム空間の位置に基づいて決定する第3のイベント内容決定手段、
を更に備えるサーバシステムである。
【0027】
第11の発明によれば、発生地点に発生させるゲームイベントの内容を、当該発生地点に対応するゲーム空間の位置に基づいて決定することができる。つまり、発生地点に対応するゲーム空間の位置に応じてゲームイベントの内容が決まるから、位置ゲームのゲーム世界を反映させたより興趣性の高いゲームイベントとすることが可能となる。
【0028】
第12の発明は、第1~第11の何れかの発明において、
前記発生地点に発生させるゲームイベントの内容を、前記移動履歴に当該発生地点を通過した履歴のあるプレーヤの当該移動履歴に基づいて決定する第4のイベント内容決定手段(例えば、
図9のイベント内容決定部232)、
を更に備えるサーバシステムである。
【0029】
第12の発明によれば、発生地点に発生させるゲームイベントの内容を、当該発生地点を通過したことのあるプレーヤの移動履歴に基づいて決定することができる。例えば、当該発生地点に連続して位置した存在時間に応じた難易度のミニゲームをゲームイベントして発生させることができる。これにより、その発生地点が不特定多数のプレーヤがある程度の時間滞在する場所なのか単なる通過点であるのかといった違いに応じた内容のゲームイベントを発生させることができ、プレーヤにとって立ち寄り易く、集客に効果的なゲームイベントとすることが可能となる。
【0030】
第13の発明は、第1~第12の何れかの発明において、
前記発生地点に発生させるゲームイベントの内容を、前記移動履歴に当該発生地点を通過した履歴のあるプレーヤのプレーヤ情報に基づいて決定する第5のイベント内容決定手段(例えば、
図9のイベント内容決定部232)、
を更に備えるサーバシステムである。
【0031】
第13の発明によれば、発生地点に発生させるゲームイベントの内容を、発生地点を通過したことのあるプレーヤのプレーヤ情報に基づいて決定することができる。プレーヤ情報としては、性別や年齢(年代)等の属性に関する情報のほか、ゲームの進行状況やレベル(熟練度)、ゲームで使用しているプレーヤキャラクタ(アバターを含む)、お気に入りにキャラクタといったゲームに関する情報を採用することができる。これにより、例えば、決定した発生地点を通過したことのあるプレーヤの多くがお気に入りとしているキャラクタが登場するミニゲームをゲームイベントとするといったように、プレーヤにとってより興趣性が高く、集客に効果的なゲームイベントとすることが可能となる。
【0032】
第14の発明は、第1~第13の何れかの発明において、
前記発生地点に発生させるゲームイベントの発生日時を、前記移動履歴に当該発生地点を通過した履歴のあるプレーヤのプレーヤ情報に基づいて決定する発生日時決定手段、
を更に備えるサーバシステムである。
【0033】
第14の発明によれば、ゲームイベントの発生日時を、発生地点を通過したことのあるプレーヤのプレーヤ情報に基づいて決定することができる。これにより、例えば、発生地点を通過したことのあるプレーヤの多くの年齢が10代である場合には、夜間を避けて休日の昼間や夕方を発生日時とするといったように、プレーヤにとって立ち寄り易く、集客に効果的なゲームイベントとすることが可能となる。
【0034】
第15の発明は、第1~第14の何れかの発明において、
前記発生地点でのゲームイベントの発生を予告する予告情報を各プレーヤ端末に通知する予告制御手段(例えば、
図9の予告制御部234)、
を更に備えるサーバシステムである。
【0035】
第15の発明によれば、決定した発生地点でのゲームイベントの発生を予告する予告情報が、プレーヤ端末に通知される。
【0036】
第16の発明は、
測位機能を有するプレーヤ端末と、
第1~第15の何れかの発明のサーバシステムと、
を具備するゲームシステムである。
【0037】
第16の発明によれば、第1~第15の何れかの発明の効果を発揮するゲームシステムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図15】ゲームイベント決定処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一要素には同一符号を付す。
【0040】
[ゲームシステム]
図1は、本実施形態のゲームシステムの構成の一例を示す図である。
図1によれば、本実施形態のゲームシステム1は、通信ネットワークNに接続可能なサーバシステム1000と、通信ネットワークNを介してサーバシステム1000にアクセスし、サーバシステム1000との間で通信可能な複数のプレーヤ端末1500とを備える。
【0041】
通信ネットワークNは、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、通信ネットワークNとは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
【0042】
サーバシステム1000は、本体装置1010と、キーボード1002と、ディスプレイ1004と、ストレージ1030とを有し、本体装置1010に制御基板1020を搭載するコンピュータシステムである。
【0043】
制御基板1020には、CPU(Central Processing Unit)1021やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などの各種プロセッサ、VRAMやRAM、ROM等の各種ICメモリ1022、通信装置1023が搭載されている。なお、制御基板1020の一部又は全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。これらの演算回路もプロセッサということができる。そして、サーバシステム1000は、制御基板1020が所定のプログラム及びデータに基づいて演算処理することにより、本実施形態のゲームを運営するための各種サービスを実現する。例えば、プレーヤ登録に係るプレーヤ管理機能、プレーヤ端末1500でのゲームの実行制御を管理するゲーム管理機能、を実現する。つまり、本実施形態におけるゲームは、一種のクライアント・サーバ型のオンラインゲームとして実現される。
【0044】
なお、サーバシステム1000は、
図1に示す単体の構成に限らず、各機能を分担する複数のブレードサーバを搭載して相互に内部バスを介してデータ通信可能に接続した構成であってもよい。或いは、離れた場所に設置された独立した複数のサーバを、通信回線を介してデータ通信させることで、全体としてサーバシステム1000として機能させる構成であってもよい。
【0045】
プレーヤ端末1500は、プレーヤ3がゲームプレイのために個別に使用するコンピュータシステムであって、通信ネットワークNを介してサーバシステム1000にアクセスできる電子装置(電子機器)である。本実施形態のプレーヤ端末1500は、ハードウェアとしてはいわゆるスマートフォンと呼ばれる装置として説明するが、携帯型ゲーム装置や、ゲームコントローラ、パソコン、タブレット型コンピュータ、ウェアラブルコンピュータ、などでもよい。また、
図1に示す単体の装置に限らず、複数の装置が連携して一体的に機能する構成であってもよい。
【0046】
プレーヤ端末1500は、公知の測位システムを利用して現実空間におけるプレーヤ端末1500の位置情報を取得する測位機能を実現する測位モジュールを備える。測位モジュールは、測位システムから送信される信号を受信して所定の演算処理を行い、所定周期で(例えば、1秒毎に)測位情報を出力する。測位情報には、日時や位置座標(緯度・経度・高度)等が含まれる。測位システムとして、例えば、GPS(Global Positioning System)やGLONASS(Global Navigation Satellite System)、Galileoといった衛星航法システムを利用することができる。なお、測位モジュールではなく、他の方式によって測位機能を実現するようにしてもよい。例えば、無線通信モジュールが無線通信している無線基地局(携帯電話基地局であっても無線LAN基地局であってもよい)の位置情報を、プレーヤ端末1500の位置情報として取得することができる。
【0047】
[ゲームの説明]
1.概要
ゲームシステム1において実施されるゲームは、プレーヤ端末1500が有する測位機能を利用した位置ゲームであり、プレーヤ端末1500が測位する位置(以下、「プレーヤ位置」という)に基づいて、当該プレーヤ端末1500におけるゲームが進行制御される。プレーヤ3は、自身のプレーヤ端末1500を携帯して現実空間を移動することでゲームを楽しむ。
【0048】
位置ゲームでは、所定の時間帯においてプレーヤ位置が所定の発生地点に該当するプレーヤ3を対象としたゲームイベントを発生させるが、本実施形態の特徴の一つとして、ゲームイベントの発生地点を、各プレーヤ3の移動履歴に基づいて決定している。“プレーヤ3の移動履歴”とは、プレーヤ端末1500から取得したプレーヤ位置を時刻に対応付けて記憶したデータであり、プレーヤ3の移動経路を示す。また、“地点”とは、厳密な1点の意味ではなく、位置ゲームに関する技術分野において当業者が理解する一定程度の空間的な範囲を示す。例えば、現実空間を数十m~数百m程度の所定距離で区切った領域が1つの“地点”となる。従って、“プレーヤ位置に該当する地点”とは、“当該プレーヤ位置が当該地点に含まれる”ことを意味する。
【0049】
2.ゲームイベントの発生地点の決定
ゲームイベントの発生地点の決定の大まかな手順としては、先ず、(1)不特定多数のプレーヤの来訪に関して所与の好適条件を満たす来訪好適地点を、各プレーヤの移動履歴に基づいて解析し、次いで、(2)位置ゲームで発生させるゲームイベントの発生地点を、来訪好適地点の解析結果に基づいて決定する。
【0050】
2-1.来訪好適地点の解析
具体的には、来訪好適地点として、交錯地点、滞留地点及び密集滞留地点の3種類の地点を、好適条件を満たす地点として解析する。
【0051】
図2は、交錯地点の解析を説明する図である。
図2に示すように、各プレーヤ3の移動履歴に基づき、プレーヤ3の移動経路5が交錯する条件である所与の交錯条件を満たす地点を交錯地点とする。“プレーヤ3の移動経路5”とは、当該プレーヤ3の移動履歴から求めることができ、当該プレーヤ3の各時刻のプレーヤ位置(離散的な位置の並び)としてもよいし、当該プレーヤ3の各時刻のプレーヤ位置を結んだ曲線としてもよい。“交錯条件”とは、ある1つの地点を“所定人数以上のプレーヤ3の移動経路5が通過すること”である。“所定人数以上のプレーヤ位置を含むこと”ともいえる。交錯条件は、好適条件に含まれるサブ条件(OR条件)の1つともいえる。交錯地点は、複数のプレーヤが通過した地点に相当するから、不特定多数のプレーヤが来訪可能な来訪好適地点とみなすことができる。
【0052】
図2では、5人のプレーヤ3(3a~3e)の移動経路5(5a~5e)が通過する交錯地点の例を示しているが、プレーヤ3の人数は5人未満でもよいし、5人より多くともよい。なお、交錯地点において交差する移動経路の本数(つまり、通過したプレーヤの人数)を交錯度合として、後述するゲームイベントの発生地点の決定に用いることにしてもよい。
【0053】
図3は、滞留地点の解析を説明する図である。
図3に示すように、各プレーヤ3の移動履歴に基づき、プレーヤ位置が滞留する条件である所与の滞留条件を満たす地点を滞留地点とする。“滞留条件”とは、ある1つの地点において“1人のプレーヤ位置が所定時間以上継続して位置すること”である。滞留地点は、プレーヤが所定時間以上継続して滞在していた地点に相当するから、プレーヤが来訪可能な来訪好適地点とみなすことができる。滞留条件は、好適条件に含まれるサブ条件(OR条件)の1つともいえる。なお、滞留地点において1人のプレーヤ位置が継続して位置する時間(継続時間)を滞留度合として、後述するゲームイベントの発生地点の決定に用いることにしてもよい。
【0054】
図4は、密集滞留地点の解析を説明する図である。
図4に示すように、プレーヤ位置が滞留する条件である所与の滞留条件を満たす滞留地点であって、異なるプレーヤの滞留地点が密集して存在する所与の密集滞留条件を満たす位置を密集滞留地点とする。“密集滞留条件”とは、ある1つの地点が“所定人数以上のプレーヤの滞留地点となっていること”である。密集滞留地点は、複数のプレーヤそれぞれが所定時間以上継続して滞在していた地点に相当するから、不特定多数のプレーヤが来訪可能な来訪好適地点とみなすことができる。密集滞留条件は、好適条件に含まれるサブ条件(OR条件)の1つともいえる。
【0055】
図4では、4人のプレーヤ3(3g~3j)の滞留地点である密集滞留地点の例を示しているが、プレーヤの人数は4人未満でもよいし、4人より多くともよい。なお、密集滞留地点が滞留地点であるプレーヤの人数を密集滞留度合として、後述するゲームイベントの発生地点の決定に用いることにしてもよい。
【0056】
更に、
図5,
図6に示すように、同一の密集滞留地点に係るプレーヤ群を、当該密集滞留地点ごとにグルーピングし、異なる密集滞留地点に係るプレーヤ群に含まれる異なるプレーヤの移動経路が交錯条件を満たす地点を交錯地点としてもよい。つまり、
図5に示すように、密集滞留地点Aを滞留地点とするプレーヤ群をグループAとし、密集滞留地点Bを滞留地点とするプレーヤ群をグループBとしてグルーピングする。そして、
図6に示すように、グループAに含まれるプレーヤ3kの移動経路5kと、グループBに含まれるプレーヤ3lの移動経路5lとが交錯する地点を交錯地点とする。なお、
図6では、プレーヤ3k,3lそれぞれの移動経路5k,5lを、プレーヤ3k,3lが密集滞留地点A,Bそれぞれに到達した以降の経路として示しているが、密集滞留地点A,Bに到達する以前の経路であってもよい。グルーピングされたプレーヤ群は、密集滞留地点を共通の生活圏とするプレーヤの集合であり、交錯地点は、生活圏が異なる複数のプレーヤが通過した地点に相当するから、不特定多数のプレーヤが来訪可能な来訪好適地点とみなすことができる。
【0057】
また、ゲームイベントの発生地点とすることを禁止する来訪不適地点を、密集滞留地点と、当該密集滞留地点に該当する施設の有無及び当該施設の施設情報とに基づいて決定する。
図7は、来訪不適地点の決定を説明する図である。
図7に示すように、密集滞留地点のうち、施設情報332において該当する施設の来訪が“不可”と定められている地点を、来訪不適地点として決定して、来訪好適地点から除く。施設情報332は、現実空間における施設に関する情報であり、施設それぞれに割り当てられた固有の施設IDに、少なくとも、現実空間で使用されている名称と、種類と、地点と、来訪可否とを対応付けて格納している。施設は、橋や道路、駅、バス停等の構造物、商業施設や住宅、病院、公園等の建築物のほか、河川や湖、樹木等の自然物を含む。来訪可否は、当該施設が不特定多数の来訪を可能とするか不可とするかを示す。例えば、住宅等の不特定多数の来訪を望まない施設について、来訪が“不可”と定められる。
図7の例では、3つの地点A~Cのうち、該当する施設が“住宅”である地点Cが来訪不適地点と決定されている。なお、滞留地点についても同様に、施設情報332において該当する施設の来訪が“不可”と定められている地点を、来訪不適地点と決定してもよい。
【0058】
2-2.ゲームイベントの発生地点の決定
来訪好適地点の解析結果である、(a)交錯地点、(b)滞留地点、及び、(c)来訪不適地点を除く密集滞留地点、の中から1又は複数のゲームイベントの発生地点を決定する。例えば、ランダムに所定数の地点を選択してもよいし、交錯地点の交錯度合いや、滞留地点の滞留度合、密集滞留地点の密集滞留度合に応じた選択確率で選択するようにしてもよい。
【0059】
3.ゲームベントの内容の決定
ゲームイベントの発生地点を決定すると、続いて、発生地点に発生させるゲームイベントの内容を決定する。
図8は、ゲームイベントの内容の決定を説明する図である。
図8に示すように、ゲームイベントの内容は、(1)当該発生地点に関する情報と、(2)発生日時と、(3)プレーヤに関する情報とに基づいて決定する。
【0060】
発生地点に関する情報とは、当該発生地点に該当する施設情報、当該施設に予め対応付けられたプレーヤの推定行動、当該発生地点の地域情報を含む地点関連情報である。施設情報は、施設の種類を含む。プレーヤに関する情報の対象となるプレーヤは、移動履歴に当該発生地点を通過した履歴のあるプレーヤ、つまり、移動履歴に基づく移動経路に当該発生地点が含まれるプレーヤである。そして、プレーヤに関する情報とは、対象となる各プレーヤの性別や年齢(年代)といった属性に関する情報、ゲームの進行状況やゲームにおいて使用しているプレーヤキャラクタ(アバターキャラクタを含む)、お気に入りのキャラクタ等の当該位置ゲームに関する情報である。レベル(熟練度)や当該プレーヤがアカウントを有している他のゲームタイトルの情報を更に含むようにしてもよい。これらの各プレーヤに関する情報に対して各項目の多数値や平均値を求める等により分析して、例えば、性別は男性が多い、存在時間の平均値は約15分である、といったように、発生地点を通過したプレーヤの傾向値を求める。
【0061】
そして、予めゲームイベントの内容を定めた複数の内容設定データ340のうちから、(1)決定したゲームイベントの発生地点に関する情報、(2)当該ゲームイベントの発生日時、(3)当該発生地点を通過した履歴のあるプレーヤに関する情報、の組み合わせに対応する内容を選択する。内容設定データ340は、予め定めたゲームイベントの内容毎に生成され、当該内容に割り当てられた固有のイベントIDと、当該内容と、発生条件とを含む。ゲームイベントの内容は、大まかな内容であるジャンルと、各ジャンルの詳細な内容との2段階で定められている。ジャンルとしては、例えば、アイテムの付与、キャラクタの出現、ミニゲームの実施などがあり、各ジャンルの詳細な内容として、付与されるアイテムや、出現するキャラクタ(敵キャラクタや味方キャラクタ)、実施されるミニゲームの種類や難易度、等が定められる。発生条件は、当該内容のゲームイベントが発生する条件であり、(1)発生地点に関する情報である施設の種類、プレーヤの推定行動、発生地点に該当する地域と、(2)発生日時と、(3)プレーヤに関する情報である存在時間、性別、年齢、ゲームの進行状況、プレーヤキャラクタ、お気に入りのキャラクタと、の各項目を具体的に定めている。
【0062】
ゲームイベントの内容の決定の仕方としては、用意されている全ての内容設定データ340のうちから発生条件を満たす内容を選択して決定するようにしてもよいし、先にゲームイベントの大まかな内容(ジャンル)を決定し、決定したジャンルに該当する内容設定データ340のうちから、発生条件を満たす内容を選択して詳細な内容を決定するようにしてもよい。
【0063】
[機能構成]
1.サーバシステム1000
図9は、サーバシステム1000の機能構成を示すブロック図である。
図9によれば、サーバシステム1000は、操作入力部102と、画像表示部104と、音声出力部106と、通信部108と、サーバ処理部200と、サーバ記憶部300とを備える。
【0064】
操作入力部102は、サーバシステム1000の管理のための各種の操作入力に応じて操作入力信号をサーバ処理部200に出力する。
図1のキーボード1002がこれに該当する。
【0065】
サーバ処理部200は、例えば、CPUやGPU等のプロセッサや、ASIC、ICメモリ等の電子部品によって実現され、操作入力部102やサーバ記憶部300を含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部102からの操作入力信号、プレーヤ端末1500からの受信データ等に基づいて各種の演算処理を実行して、サーバシステム1000の動作を統合的に制御する。
図1の制御基板1020がこれに該当する。また、サーバ処理部200は、プレーヤ管理部202と、ゲーム管理部210と、計時部240と、画像生成部244と、音生成部246と、通信制御部248とを有する。勿論、これら以外の機能も適宜含めることができる。
【0066】
プレーヤ管理部202は、プレーヤの登録管理に係る各種処理を行う。本実施形態では、登録プレーヤへの固有のプレーヤアカウントの付与、プレーヤアカウント別に個人情報を登録管理する登録情報管理、ゲームデータの管理、の各機能を有する。勿論、これら以外のアカウントに紐付けられるデータの管理機能も適宜含めることができる。プレーヤ管理部202は、プレーヤ登録手続きを経たプレーヤ3に固有のアカウント(プレーヤID)を割り当ててプレーヤ管理データ310を生成することで、各プレーヤ3に関するデータの管理を行う。
【0067】
図10は、プレーヤ管理データ310の一例を示す図である。
図10によれば、プレーヤ管理データ310は、登録プレーヤ毎に生成され、当該プレーヤに割り当てられたプレーヤアカウントと、当該プレーヤのプレーヤ端末1500の端末IDと、属性情報と、プレイ移動履歴データと、当該プレーヤによる位置ゲームのプレイ履歴データとを含む。プレーヤアカウントは、当該プレーヤに割り当てた固有のプレーヤIDのほか、当該プレーヤによって任意に設定されるプレーヤ名やパスワードを含む。属性情報は、性別や年齢を含む当該プレーヤの属性に関する情報である。移動履歴データは、当該プレーヤのプレーヤ端末1500から取得したプレーヤ位置を日時(日時情報)と対応付けて蓄積した移動履歴のデータである。プレイ履歴データは、ゲームの進行状況や総プレイ時間、使用しているプレーヤキャラクタ、お気に入りキャラクタ等を含む。
【0068】
ゲーム管理部210は、ゲームの実行管理に係る各種処理を行う。本実施形態のゲームは、クライアント・サーバ型のオンラインゲームなので、ゲーム管理部210は、プレーヤ端末1500と通信を行いながらゲームプレイに必要なデータを提供する制御を行う。また、ゲーム管理部210は、解析部220と、ゲームイベント地点決定部230と、イベント内容決定部232と、予告制御部234とを有する。
【0069】
解析部220は、不特定多数のプレーヤの来訪に関する所与の好適条件を満たす来訪好適地点を、各プレーヤ端末1500から取得したプレーヤ位置を時刻と対応付けた移動履歴に基づいて解析する。また、解析部220は、交錯解析部222と、滞留解析部224と、グルーピング部226と、来訪不適地点設定部228とを有し、交錯解析部222により解析された交錯地点、滞留解析部224により解析された滞留地点及び密集滞留地点を用いて、来訪好適地点を解析する。つまり、(a)交錯地点、(b)滞留地点、及び、(c)来訪不適地点設定部228により決定された来訪不適地点を除く密集滞留地点、を来訪好適地点とする。
【0070】
交錯解析部222は、プレーヤ3の移動経路5が交錯する条件である所与の交錯条件を満たす交錯地点を、各プレーヤ3の移動履歴に基づいて解析する(
図2参照)。また、異なる密集滞留地点に係るプレーヤ群に別々に含まれる異なるプレーヤ3の移動経路5が交錯条件を満たす交錯地点を、各プレーヤ3の移動履歴に基づいて解析する(
図6参照)。
【0071】
滞留解析部224は、プレーヤ位置が滞留する条件である所与の滞留条件を満たす滞留地点を、各プレーヤ3の移動履歴に基づいて解析する(
図3参照)。また、プレーヤ位置が滞留する条件である所与の滞留条件を満たす滞留地点であって異なるプレーヤ3の滞留地点が密集して存在する所与の密集滞留条件を満たす密集滞留地点を、各プレーヤ3の移動履歴に基づいて解析する(
図4参照)。
【0072】
グルーピング部226は、同一の密集滞留地点に係るプレーヤ群を、当該密集滞留地点毎にグルーピングする(
図5参照)。
【0073】
来訪不適地点設定部228は、ゲームイベントの発生地点とすることを禁止する来訪不適地点を、密集滞留地点と、当該密集滞留地点に該当する施設の有無および当該施設の施設情報とに基づいて決定する(
図7参照)。つまり、滞留解析部224により解析された密集滞留地点のうち、施設情報332において該当する施設の来訪が“不可”と定められている地点を、来訪不適地点として決定する。
【0074】
解析部220による解析結果は、解析データ350として記憶される。
図11は、解析データ350の一例を示す図である。
図11によれば、解析データ350は、解析毎に生成され、解析日時と、交錯解析部222により解析された交錯地点の地点IDの一覧である交錯地点リストと、滞留解析部224により解析された滞留地点の地点IDの一覧である滞留地点リストと、滞留解析部224により解析された密集滞留地点の地点IDの一覧である密集滞留地点リストと、グルーピング情報と、来訪不適地点設定部228により設定された来訪不適地点リストと、来訪好適地点リストとを含む。来訪好適地点リストは、解析結果である来訪好適地点の地点IDのリストであり、来訪好適地点とは、(a)交錯地点、(b)滞留地点、(c)密集滞留地点のうちの来訪不適地点を除く地点、である。グルーピング情報は、グルーピング部によりグルーピングされたプレーヤ群に関するデータであり、密集滞留地点毎に、プレーヤ群としてグルーピングされた各プレーヤのプレーヤIDを対応付けたデータである。
【0075】
ゲームイベント地点決定部230は、位置ゲームで発生させるゲームイベントの発生地点を、解析部220の解析結果に基づいて決定する。つまり、解析部220により解析された来訪好適地点の中から、1又は複数の地点を選択してゲームイベントの発生地点として決定する。選択方法としては、例えば、ランダムに選択してもよいし、交錯地点の交錯度合いや、滞留地点の滞留度合、密集滞留地点の密集滞留度合に応じた選択確率で選択するようにしてもよい。また、交錯度合に基づく所定の交錯度合条件を満たす交錯地点や、滞留度合に基づく所定の滞留度合条件を満たす滞留地点、密集滞留度合に基づく所定の密集滞留度合条件を満たす密集滞留地点、をゲームイベントの発生地点として決定してもよい。
【0076】
イベント内容決定部232は、発生地点に発生させるゲームイベントの内容を、当該発生地点に該当する施設情報332と、当該施設に予め対応付けられた前記プレーヤの推定行動と、当該発生地点の地域情報とを含む地点関連情報に基づいて決定する。また、発生地点に発生させるゲームイベントの内容を、発生日時に基づいて決定する。また、発生地点に発生させるゲームイベントの内容を、移動履歴に当該発生地点を通過した履歴のあるプレーヤの当該移動履歴に基づいて決定する。また、発生地点に発生させるゲームイベントの内容を、移動履歴に当該発生地点を通過した履歴のあるプレーヤのプレーヤ情報に基づいて決定する(
図8参照)。
【0077】
つまり、地点関連情報330を参照して、決定したゲームイベントの発生地点に該当する施設の種類、当該施設に対応するプレーヤ3の推定行動、当該発生地点に該当する地域を判定する。また、プレーヤ管理データ310を参照して、移動履歴データに基づいて当該発生地点を通過した履歴のあるプレーヤを抽出し、抽出した各プレーヤの移動履歴データや属性情報、プレイ履歴データに基づいて、発生地点での存在時間、性別や年齢と、ゲームの進行状況、プレーヤキャラクタ(アバターキャラクタを含む)、お気に入りのキャラクタを分析して、発生地点を通過したプレーヤの傾向値を求める。そして、予めゲームイベントの内容を定めた複数の内容設定データ340のうちから、(1)発生地点に関する情報である、当該発生地点に該当する施設の種類、当該施設に対応するプレーヤの推定行動、発生地点に該当する地域と、(2)発生日時と、(3)プレーヤに関する情報である、存在時間、性別、年齢、ゲームの進行状況、プレーヤキャラクタ、お気に入りのキャラクタと、の組み合わせに対応するものを選択することで、ゲームイベントの内容を決定する。ゲームイベントの発生日時は、例えば、任意に定められる。
【0078】
これにより、例えば、当該発生地点に連続して位置した存在時間に応じた難易度のミニゲームをゲームイベントして発生させるといったことが可能となる。発生地点が不特定多数のプレーヤがある程度の時間滞在する場所なのか単なる通過点であるのかといった違いに応じた内容のゲームイベントを発生させることができ、プレーヤにとって立ち寄り易く、集客に効果的なゲームイベントとすることが可能となる。
【0079】
また、例えば、決定した発生地点を通過したことのあるプレーヤの多くがお気に入りとしているキャラクタが登場するミニゲームをゲームイベントとするといったように、プレーヤにとってより興趣性が高く、集客に効果的なゲームイベントとすることが可能となる。
【0080】
図12は、地点関連情報330の一例を示す図である。
図12によれば、地点関連情報330は、施設情報332と、地域情報334とを含む。施設情報332は、現実空間における構造物や建築物である施設に関する情報であり、施設それぞれに割り当てられた固有の施設IDに、現実空間で使用されている施設の名称と、施設の種類と、施設に該当する地点と、来訪可否と、プレーヤの推定行動とを対応付けて格納している。“施設に該当する地点”とは、“施設の敷地の一部又は全部が含まれる地点”を意味する。従って、1つの施設に1又は複数の地点が該当するとともに、1つの地点に1又は複数の施設が該当することになる。プレーヤの推定行動は、基本的には施設の種類に応じて定められるが、当該施設に固有の行動を含むようにしてもよい。
【0081】
地域情報334は、地域に関する情報であり、地域それぞれに割り当てられた固有の地域IDに、地域の名称と、地域に該当する地点とを対応付けて格納している。“地域”とは、都道府県や市町村といった行政区画のほか、地名や名所を含む地理的なエリアを意味し、互いに重複したり、階層的に定めることができる。“地域に該当する地点”とは、上述の施設と同様に、“地域の一部又は全部が含まれる地点”を意味する。従って、1つの地域に1又は複数の地点が該当するとともに、1つの地点に1又は複数の地域が該当することになる。
【0082】
決定されたゲームイベントに関するデータは、ゲームイベント決定データ360として記憶される。
図13は、ゲームイベント決定データ360の一例である。
図13によれば、ゲームイベント決定データ360は、ゲームイベント毎に生成され、当該ゲームイベントの発生日時と、ゲームイベント地点決定部230により決定された発生地点の地点IDと、イベント内容決定部232により決定された内容とを含む。
【0083】
予告制御部234は、発生地点でのゲームイベントの発生を予告する予告情報を各プレーヤ端末1500に通知する。つまり、ゲームイベント決定データ360に従い、ゲームイベントの発生地点や発生日時、内容を含む予告情報を、各プレーヤ端末1500に送信して表示させる。
【0084】
計時部240は、システムクロックを利用して現在日時等の計時を行う。
【0085】
画像生成部244は、サーバシステム1000のシステム管理に関する画像や、プレーヤ端末1500で表示させるための画像等を生成する。そして、システム管理に関する画像信号を画像表示部104へ出力する。画像表示部104は、画像生成部244から入力される画像信号に基づいてシステム管理のための各種画像を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、プロジェクタといった画像表示装置によって実現できる。
図1のディスプレイ1006がこれに該当する。
【0086】
音生成部246は、音声データの生成やデコードをするICやソフトウェアの実行により実現され、サーバシステム1000のシステム管理やゲームプレイに係る操作音やBGM等の音声データを生成或いはデコードする。そして、システム管理に関する音声信号を音声出力部106へ出力する。音声出力部106は、音声信号に基づく音声を放音する。
図1の本体装置1010やディスプレイ1006が備えるスピーカ(不図示)がこれに該当する。
【0087】
通信制御部248は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部108を介して外部装置とのデータのやり取りを実現する。通信部108は、通信ネットワークNと接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。
図1の通信装置1016がこれに該当する。
【0088】
サーバ記憶部300は、サーバ処理部200にサーバシステム1000を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのプログラムや各種データ等を記憶する。また、サーバ処理部200の作業領域として用いられ、サーバ処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果等を一時的に記憶する。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク、オンラインストレージ等によって実現される。サーバ記憶部300には、サーバシステム1000の各種の機能部を実現するためのサーバプログラム302と、配信用クライアントプログラム304と、プレーヤ管理データ310と、地点設定情報320と、地点関連情報330と、内容設定データ340と、解析データ350と、ゲームイベント決定データ360と、が記憶される。
【0089】
地点設定情報320は、現実空間を、例えば数十m~数百m程度の所定距離で区切った領域である地点を定めたデータであり、地点それぞれについて、当該地点に割り当てた固有の地点IDと、当該地点の領域を示す領域位置とを対応付けて格納している。領域位置は、例えば、緯度経度で表される当該領域の中心や頂点の位置である。
【0090】
2.プレーヤ端末
図14は、プレーヤ端末1500の機能構成の一例を示すブロック図である。
図14によれば、プレーヤ端末1500は、操作入力部502と、画像表示部504と、音出力部506と、通信部508と、測位部510と、端末処理部600と、端末記憶部700とを備える。
【0091】
操作入力部502は、プレーヤ3による各種の操作入力に応じて操作入力信号を端末処理部600に出力する。例えば、プッシュスイッチやジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、加速度センサ、ジャイロ、CCDモジュール等によって実現できる。
【0092】
測位部510は、公知の測位システムを利用して現実空間におけるプレーヤ端末1500の位置情報を取得する測位機能を実現する。例えば、GPS(Global Positioning System)やGLONASS(Global Navigation Satellite System)、Galileoといった衛星航法システムから送信される信号を受信して、日時や位置座標(緯度・経度・高度)等を含む測位情報を出力する測位モジュールによって実現できる。
【0093】
端末処理部600は、例えば、プロセッサや、ICメモリ等の電子部品によって実現され、操作入力部502や端末記憶部700を含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。プロセッサは、例えば、CPUやGPUなどの集中演算装置の他、ASICやFPGA等の演算回路も含む。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部502からの操作信号、サーバシステム1000からの受信データ等に基づいて各種の演算処理を実行して、プレーヤ端末1500の動作を制御する。また、端末処理部600は、ゲーム制御部610と、計時部620と、通信制御部628とを有する。
【0094】
ゲーム制御部610は、操作信号送信制御部612と、ゲーム画面表示制御部614と、音声再生制御部616とを有する。
【0095】
操作信号送信制御部612は、操作入力部502になされた操作に応じて、各種データやリクエストをサーバシステム1000へ送信するための処理を実行する。
【0096】
ゲーム画面表示制御部614は、サーバシステム1000から受信した各種画像データに基づいてゲーム画面を表示するための制御を行う。例えば、CPU、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)等のプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーディック等のプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現され、サーバシステム1000から受信した各種データに基づいて、1フレーム時間(例えば、1/60秒)で1枚のゲーム画面の画像を生成し、生成したゲーム画面の画像信号を画像表示部504に出力する。本実施形態では、ゲーム画面の画像をサーバシステム1000にて生成する構成とするが、当該画像をプレーヤ端末1500にて生成する構成も可能である。
【0097】
画像表示部504は、ゲーム画面表示制御部614から入力される画像信号に基づいて各種ゲーム画像を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、プロジェクタ、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。
【0098】
音声再生制御部616は、サーバシステム1000から受信した各種音声データに基づいてゲーム音声(例えば、効果音、BGM、声優による台詞読み上げ等)を放音させるための制御を行う。例えば、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成IC等のプロセッサ、音声ファイルを再生するためのオーディオコーディック等によって実現され、ゲームに係る効果音やBGM、各種操作音、台詞読み上げ音声等の各種音声の音信号を生成し、音出力部506に出力する。
【0099】
音出力部506は、音声再生制御部616から入力される音信号に基づいて効果音やBGM等を出力する。
【0100】
通信制御部628は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部508を介して外部装置とのデータのやり取りを実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。
【0101】
計時部620は、システムクロックを利用して現在日時等の計時を行う。
【0102】
端末記憶部700は、端末処理部600にプレーヤ端末1500を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、ゲームプレイに必要なプログラム、各種データ等を記憶する。また、端末処理部600の作業領域として用いられ、端末処理部600が各種プログラムに従って実行した演算結果や、操作入力部502からの入力データ等を一時的に記憶する。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現される。本実施形態では、端末記憶部700は、クライアントプログラム702を記憶する。
【0103】
クライアントプログラム702は、端末処理部600が読み出して実行することによってゲーム制御部610としての機能を実現させるためのアプリケーションソフトウェアである。本実施形態では、サーバシステム1000から提供される配信用クライアントプログラム304(
図9参照)のコピーとする。なお、クライアントプログラム702は、ゲームを実現する技術手法に応じて専用のクライアントプログラムであってもよいし、ウェブブラウザプログラム及びインタラクティブな画像表示を実現するプラグイン等により構成するとしてもよい。
【0104】
[処理の流れ]
図15は、ゲームイベント決定処理の流れを説明するフローチャートである。この処理は、1回のゲームイベントの決定に関する処理であり、ゲーム管理部210が実行する。
【0105】
先ず、イベント内容決定部232が、ゲームイベントの大まかな内容(ジャンル)を決定する(ステップS1)。次いで、解析部220が、各プレーヤ3の移動履歴に基づき、来訪好適地点を解析する(ステップS2)。つまり、交錯解析部222が、各プレーヤ3の移動経路の交錯地点を解析し、滞留解析部224が、各プレーヤ3の滞留地点、及び、異なるプレーヤ3の滞留地点が密集して存在する密集滞留地点を解析し、来訪不適地点設定部228が、ゲームイベントの発生地点とすることを禁止する来訪不適地点を設定し、(a)交錯地点、(b)滞留地点、及び、(c)来訪不適地点を除く密集滞留地点、を来訪好適地点とする。
【0106】
次いで、ゲームイベント地点決定部230が、来訪好適地点の解析結果に基づき、ゲームイベントの発生地点を決定する(ステップS3)。続いて、イベント内容決定部232が、ゲームイベントの詳細な内容を決定する。つまり、決定した発生地点に該当する施設情報及び地域情報を含む地点関連情報330や発生日時、当該発生地点を通過した履歴のあるプレーヤに関する情報に基づいて、ゲームイベントの詳細な内容を決定する(ステップS5)。その後、予告制御部234が、ゲームイベントの発生を予告する(ステップS7)。そして、ゲームイベントの発生日時となると、ゲーム管理部210は、決定した発生地点に位置するプレーヤ端末1500に対して、決定した内容のゲームイベントを実施する(ステップS9)。以上の処理を行うと、本処理は終了となる。
【0107】
[作用効果]
このように、本実施形態によれば、各プレーヤの移動履歴を用いることで、位置ゲームで発生させるゲームイベントの現実空間における発生地点を適切に決定することができる。つまり、各プレーヤの移動履歴から、複数のプレーヤの移動経路が交錯した交錯地点、プレーヤが過去に滞留していた滞留地点や密集滞留地点を、不特定多数のプレーヤの来訪に好適な来訪好適地点として解析する。そして、その解析結果に基づいて、位置ゲームで発生させるゲームイベントの発生地点を決定する。従って、プレーヤが来訪し易く、且つ、ある程度の人数の滞在が許容される地点を、ゲームイベントの発生地点として決定することが可能である。よって、各プレーヤの移動履歴を用いることで、位置ゲームで発生させるゲームイベントの現実空間における発生地点を適切に決定することができる。
【0108】
[変形例]
なお、本発明の適用可能な実施形態は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
【0109】
(A)プレーヤの移動経路
例えば、プレーヤの移動経路として、各プレーヤの移動経路を近似したプレーヤ群の移動を示す動線としてもよい、
【0110】
(B)解析する移動履歴
また、発生地点の決定のために解析対象とする各プレーヤ3移動履歴に期間の制限を設けてもよい。例えば、過去1か月や、土日祝日のみ、昼間の時間帯のみといったように、ゲームイベントの発生日時等に応じて解析対象とする期間を定め、その期間に該当する移動履歴のみを用いて、解析部220が解析を行う。
【0111】
(C)位置ゲームのゲーム空間
現実空間と位置ゲームのゲーム空間とを対応付けておき、発生地点に発生させるゲームイベントの内容を、当該発生地点に対応するゲーム空間の位置に基づいて決定してもよい。具体的には、プレーヤ3が存在する現実空間における各地点に、位置ゲームのゲーム空間における位置或いは当該位置に配置されているオブジェクトを対応付けて定めておく。また、ゲームイベントの内容設定データ340(
図8参照)の発生条件において、更に、“ゲーム空間の位置或いはオブジェクト”の項目を追加して定めておく。そして、イベント内容決定部232が、決定された発生地点に対応するゲームイベントの内容を決定するときに、更に、当該発生地点に対応するゲーム空間における位置或いは当該位置に配置されているオブジェクトに応じて、ゲームイベントの内容を決定する。
【0112】
(D)発生日時
上述の実施形態では、発生日時を決定した上でゲームイベントの内容を決定するとしたが、発生日時を、プレーヤの移動履歴に基づいて決定するようにしてもよい。具体的には、移動履歴に当該発生地点を通過した履歴のあるプレーヤのプレーヤ情報に基づいて発生日時を決定するとよい。プレーヤ情報とは、プレーヤ管理データ310として管理される各プレーヤに関する情報であり、移動履歴や、性別や年齢等の属性、ゲームの進行状況やプレイレベル、プレーヤキャラクタ、お気に入りのキャラクタ等のゲームプレイに関する情報を含む。例えば、発生地点を通過したことのあるプレーヤの多くが10代の未成年ならば、夜間を避けて休日の昼間や夕方を発生日時として決定したり、また、30代以上の大人が多いならば、夜間を含めて全ての時間帯からランダムに決定する、といったことができる。
【符号の説明】
【0113】
1…ゲームシステム
1000…サーバシステム
200…サーバ処理部
202…プレーヤ管理部
210…ゲーム管理部
220…解析部
222…交錯解析部、224…滞留解析部
226…グルーピング部、228…来訪不適地点設定部
230…ゲームイベント地点決定部
232…イベント内容決定部
234…予告制御部
300…サーバ記憶部
302…サーバプログラム
304…配信用クライアントプログラム
310…プレーヤ管理データ
320…地点設定情報
330…地点関連情報
332…施設情報、334…地域情報
340…内容設定データ
350…解析データ
360…ゲームイベント決定データ
1500…プレーヤ端末
3…プレーヤ