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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-18
(45)【発行日】2024-07-26
(54)【発明の名称】液体リチウムの供給及び制御
(51)【国際特許分類】
   C22B 26/12 20060101AFI20240719BHJP
   C22B 9/02 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
C22B26/12
C22B9/02
【請求項の数】 18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022142131
(22)【出願日】2022-09-07
(62)【分割の表示】P 2020573309の分割
【原出願日】2019-06-19
(65)【公開番号】P2022184885
(43)【公開日】2022-12-13
【審査請求日】2022-10-07
(31)【優先権主張番号】62/692,225
(32)【優先日】2018-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ドゥルマ, ジャン
(72)【発明者】
【氏名】フリー, バーナード
【審査官】池ノ谷 秀行
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-507644(JP,A)
【文献】国際公開第2003/085157(WO,A1)
【文献】米国特許第04761266(US,A)
【文献】特開昭50-141541(JP,A)
【文献】特開2003-013204(JP,A)
【文献】国際公開第2018/005038(WO,A1)
【文献】特開2013-037792(JP,A)
【文献】中国実用新案第203462111(CN,U)
【文献】特表2007-533843(JP,A)
【文献】特開2013-207938(JP,A)
【文献】特開2000-249299(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C22B 1/00-61/00
C22B 9/02
C23C
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体リチウム送給システムであって、
リチウム補充容器、及び
リチウム補充容器と流体的に結合されている液体リチウム送給モジュール
を備えており、該液体リチウム送給モジュールが、
出口ポートを有する液体リチウム貯蔵タンクを備える、液体リチウムを貯蔵するように動作可能なリチウム貯蔵領域と、
液体リチウムの流れの流量を制御するように動作可能な1つ以上のバルブを備える流量制御領域と液体リチウム貯蔵タンクの出口ポートとを流体的に結合する流体供給ラインと、
流体供給ラインを通る液体リチウムの流れをモニタするように動作可能な、流体供給ラインに沿ってリチウム貯蔵領域の下流に位置する流量計であって、流量制御領域が流量計の下流に位置する、流量計と、
1つ以上のバルブの下流に流体的に結合され、かつ処理チャンバと流体連通するように構成された流体送給ラインであって、1つ以上のバルブがレギュレータバルブ及び/又はニードルバルブを含む、流体送給ラインと
流体供給ラインを通って流れる液体リチウムの流れから不純物を除去するように動作可能な、流体供給ラインに沿って位置するフィルタアッセンブリと
を含
流体供給ラインは、フィードバックループを含み、液体リチウムの流れを制御するか、又は、流体供給ラインは、フィードバックループを含み、フィルタアッセンブリの前に流体供給ラインに液体リチウムを送給することにより流体供給ラインを通る液体リチウムの流れから追加の不純物を除去する、
液体リチウム送給システム。
【請求項2】
流量計が電磁流量計である、請求項1に記載の液体リチウム送給システム。
【請求項3】
流量計が超音波流量計である、請求項1に記載の液体リチウム送給システム。
【請求項4】
液体リチウム送給システムであって、
リチウム補充容器、
流体供給ラインを通って流れる液体リチウムの流れから不純物を除去するように動作可能な、流体供給ラインに沿って位置するフィルタアッセンブリ、及び
リチウム補充容器と流体的に結合されている液体リチウム送給モジュール
を備えており、該液体リチウム送給モジュールが、
出口ポートを有する液体リチウム貯蔵タンクを備える、液体リチウムを貯蔵するように動作可能なリチウム貯蔵領域と、
液体リチウムの流れの流量を制御するように動作可能な1つ以上のバルブを備える流量制御領域と液体リチウム貯蔵タンクの出口ポートとを流体的に結合する流体供給ラインと、
流体供給ラインを通る液体リチウムの流れをモニタするように動作可能な、流体供給ラインに沿ってリチウム貯蔵領域の下流に位置する流量計であって、流量制御領域が流量計の下流に位置する、流量計と、
1つ以上のバルブの下流に流体的に結合され、かつ処理チャンバと流体連通するように構成された流体送給ラインと
を含み、
流体供給ラインは、フィードバックループを含み、液体リチウムの流れを制御するか、又は、流体供給ラインは、フィードバックループを含み、フィルタアッセンブリの前に流体供給ラインに液体リチウムを送給することにより流体供給ラインを通る液体リチウムの流れから追加の不純物を除去する、液体リチウム送給システム。
【請求項5】
フィルタアッセンブリが、液体リチウムから汚染物質を除去するように動作可能な金属メッシュフィルタを含む、請求項4に記載の液体リチウム送給システム。
【請求項6】
液体リチウム送給システムであって、
リチウム補充容器、
流体送給ラインを通って流れる液体リチウムの流れから不純物を除去するように動作可能な、流体送給ラインに沿って位置するフィルタアッセンブリ、及び
リチウム補充容器と流体的に結合されている液体リチウム送給モジュール
を備えており、該液体リチウム送給モジュールが、
出口ポートを有する液体リチウム貯蔵タンクを備える、液体リチウムを貯蔵するように動作可能なリチウム貯蔵領域と、
液体リチウムの流れの流量を制御するように動作可能な1つ以上のバルブを備える流量制御領域と液体リチウム貯蔵タンクの出口ポートとを流体的に結合する流体供給ラインと、
流体供給ラインを通る液体リチウムの流れをモニタするように動作可能な、流体供給ラインに沿ってリチウム貯蔵領域の下流に位置する流量計であって、流量制御領域が流量計の下流に位置する、流量計と、
1つ以上のバルブの下流に流体的に結合され、かつ処理チャンバと流体連通するように構成された流体送給ラインと
を含み、
流体供給ラインは、フィードバックループを含み、液体リチウムの流れを制御するか、又は、流体供給ラインは、フィードバックループを含み、フィルタアッセンブリの前に流体供給ラインに液体リチウムを送給することにより流体供給ラインを通る液体リチウムの流れから追加の不純物を除去する、液体リチウム送給システム。
【請求項7】
フィルタアッセンブリが、液体リチウムから汚染物質を除去するように動作可能な金属メッシュフィルタを含む、請求項6に記載の液体リチウム送給システム。
【請求項8】
液体リチウム送給システムであって、
リチウム補充容器、
リチウム補充容器と液体リチウム送給モジュールの間で、リチウム補充容器及び液体リチウム送給モジュールに流体的に結合されている液体リチウム供給ライン、
液体リチウム供給ラインを通って流れる液体リチウムの流れから不純物を除去するように動作可能な、液体リチウム供給ラインに沿って位置するフィルタアッセンブリ、及び
リチウム補充容器と流体的に結合されている液体リチウム送給モジュール、
を備えており、該液体リチウム送給モジュールが、
出口ポートを有する液体リチウム貯蔵タンクを備える、液体リチウムを貯蔵するように動作可能なリチウム貯蔵領域と、
液体リチウムの流れの流量を制御するように動作可能な1つ以上のバルブを備える流量制御領域と液体リチウム貯蔵タンクの出口ポートとを流体的に結合する流体供給ラインと、
流体供給ラインを通る液体リチウムの流れをモニタするように動作可能な、流体供給ラインに沿ってリチウム貯蔵領域の下流に位置する流量計であって、流量制御領域が流量計の下流に位置する、流量計と、
1つ以上のバルブの下流に流体的に結合され、かつ処理チャンバと流体連通するように構成された流体送給ラインと
を含み、
流体供給ラインは、フィードバックループを含み、液体リチウムの流れを制御するか、又は、流体供給ラインは、フィードバックループを含み、フィルタアッセンブリの前に流体供給ラインに液体リチウムを送給することにより流体供給ラインを通る液体リチウムの流れから追加の不純物を除去する、液体リチウム送給システム。
【請求項9】
フィルタアッセンブリが、液体リチウムから汚染物質を除去するように動作可能な金属メッシュフィルタを含む、請求項8に記載の液体リチウム送給システム。
【請求項10】
リチウム貯蔵領域が、液体リチウム貯蔵タンクの温度を制御するように適合された温度制御モジュールを更に含む、請求項1に記載の液体リチウム送給システム。
【請求項11】
温度制御モジュールが、熱交換器、抵抗ヒータ、温度制御ジャケット、又はそれらの組合せを含む、請求項10に記載の液体リチウム送給システム。
【請求項12】
液体リチウム貯蔵タンクが、キャニスタを備えており、該キャニスタが、
側壁;
上面;及び
底面
を含み、ここで、側壁、上面、及び底面が内部容積を画定しており、キャニスタが更に、
キャニスタの上面を通じて配置され、かつキャニスタの内部容積に不活性ガスを提供するように動作可能な入口ポート;及び
キャニスタの上面を通じて配置され、かつ液体リチウムをキャニスタから流出させることができるように動作可能な出口ポート
を含む、
請求項1に記載の液体リチウム送給システム。
【請求項13】
液体リチウム送給システムであって、
リチウム補充容器;
液体リチウム送給モジュール;
リチウム補充容器と液体リチウム送給モジュールの間で、リチウム補充容器及び液体リチウム送給モジュールに流体的に結合されている液体リチウム供給ライン;並びに
液体リチウム供給ラインを通って流れる液体リチウムの流れから不純物を除去するように動作可能な、液体リチウム供給ラインに沿って位置する第1のフィルタアッセンブリ
を備え、液体リチウム送給モジュールが、
出口ポートを有する液体リチウム貯蔵タンクを備える、液体リチウムを貯蔵するように動作可能なリチウム貯蔵領域と、
液体リチウムの流れの流量を制御するように動作可能な1つ以上のバルブを備える流量制御領域と液体リチウム貯蔵タンクの出口ポートとを流体的に結合する流体供給ラインと、
流体供給ラインを通って流れる液体リチウムの流れから不純物を除去するように動作可能な、流体供給ラインに沿って位置する第2のフィルタアッセンブリと、
流体供給ラインを通る液体リチウムの流れをモニタするように動作可能な、流体供給ラインに沿ってリチウム貯蔵領域の下流に位置する流量計であって、流量制御領域が流量計の下流に位置する、流量計と、
1つ以上のバルブの下流に流体的に結合され、かつ処理チャンバと流体連通するように構成された流体送給ラインと、
流体送給ラインを通って流れる液体リチウムの流れから不純物を除去するように動作可能な、流体送給ラインに沿って位置する第3のフィルタアッセンブリであって、流体供給ラインは、フィードバックループを含み、液体リチウムの流れを制御するか、又は流体供給ラインは、フィードバックループを含み、フィルタアッセンブリの前に流体供給ラインに液体リチウムを送給することにより流体供給ラインを通る液体リチウムの流れから追加の不純物を除去する、第3のフィルタアッセンブリ
を含む、液体リチウム送給システム。
【請求項14】
第2のフィルタアッセンブリが、液体リチウムから汚染物質を除去するように動作可能な金属メッシュフィルタを含む、請求項13に記載の液体リチウム送給システム。
【請求項15】
第3のフィルタアッセンブリが、液体リチウムから汚染物質を除去するように動作可能な金属メッシュフィルタを含む、請求項13に記載の液体リチウム送給システム。
【請求項16】
第1のフィルタアッセンブリが、液体リチウムから汚染物質を除去するように動作可能な金属メッシュフィルタを含む、請求項13に記載の液体リチウム送給システム。
【請求項17】
流量計が電磁流量計であり、1つ以上のバルブがレギュレータバルブを含む、請求項13に記載の液体リチウム送給システム。
【請求項18】
液体リチウム送給システムであって、
リチウム補充容器、及び
リチウム補充容器と流体的に結合されている液体リチウム送給モジュール
を備えており、該液体リチウム送給モジュールが、
出口ポートを有する液体リチウム貯蔵タンクを備える、液体リチウムを貯蔵するように動作可能なリチウム貯蔵領域と、
液体リチウムの流れの流量を制御するように動作可能な1つ以上のバルブを備える流量制御領域と液体リチウム貯蔵タンクの出口ポートとを流体的に結合する流体供給ラインであって、1つ以上のバルブがレギュレータバルブ又はニードルバルブを含む、流体供給ラインと、
流体供給ラインを通って流れる液体リチウムの流れから不純物を除去するように動作可能な、流体供給ラインに沿って位置するフィルタアッセンブリと、
流体供給ラインに沿ってリチウム貯蔵領域の下流に位置し、流体供給ラインを通る液体リチウムの流れをモニタするように動作可能であり、電磁流量計又は超音波流量計である流量計であって、流量制御領域が流量計の下流に位置する、流量計と、
1つ以上のバルブの下流に流体的に結合され、かつ処理チャンバと流体連通するように構成された流体送給ラインと
を含み、
流体供給ラインは、フィードバックループを含み、液体リチウムの流れを制御するか、又は、流体供給ラインは、フィードバックループを含み、フィルタアッセンブリの前に流体供給ラインに液体リチウムを送給することにより流体供給ラインを通る液体リチウムの流れから追加の不純物を除去する、液体リチウム送給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載される実装形態は、概して、高純度のリチウム金属の生産及び送給のための方法及びシステムに関する。より詳細には、本明細書に記載される実装形態は、リチウム金属の精製、送給、及び堆積のための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブルデバイス及びさまざまなIoT(モノのインターネット)用途に対する社会的需要が高まるにつれて、プリンテッドエレクトロニクスの重要性が増加している。例えば、フレキシブル基板への回路の印刷は、センサのパッケージ化に役立ちうる。充電式電気化学デバイスもまた、日常生活の多くの分野でますます必要不可欠になってきている。スーパーキャパシタ及びリチウム金属含有電池などの大容量エネルギー貯蔵デバイスもまた、携帯用電子機器、医療、輸送、グリッド接続された大規模エネルギー貯蔵、再生可能エネルギー貯蔵、及び無停電電源(UPS)を含めた、ますます多くの用途で使用されている。しかしながら、リチウム金属に対する需要が増加しているにもかかわらず、リチウム金属は幾つかのデバイス統合の課題に直面している。
【0003】
リチウムはアルカリ金属である。第一主族の重元素同族体と同様に、リチウムはさまざまな物質との強い反応性を特徴とする。リチウムは、水、アルコール、及びプロトン性水素を含めた他の物質と激しく反応し、結果として発火することがよくある。加えて、リチウムは空気中で不安定であり、酸素、窒素、及び二酸化炭素と反応する。通常、リチウムは不活性ガス雰囲気(アルゴンなどの希ガス)下で取り扱われ、リチウムの反応性が高いことから、他の処理操作も不活性ガス雰囲気内で行う必要がある。リチウムの反応性が高いため、純粋な液体リチウムは入手が困難である。液体リチウムが雰囲気の汚染物質と反応すると、液体リチウム上に「スキン」が形成される傾向がある。このスキンは、液体リチウムの適切な流れを妨げ、リチウム供給システムを詰まらせる傾向がある。その結果、リチウムは、送給、処理、貯蔵、及び輸送に関して、幾つかの課題をもたらす。
【0004】
したがって、高純度のリチウム金属を送給及び堆積するための方法及びシステムが必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本明細書に記載される実装形態は、概して、高純度のリチウム金属の生産及び送給のための方法及びシステムに関する。より詳細には、本明細書に記載される実装形態は、リチウム金属の精製、送給、及び堆積のための方法及びシステムに関する。少なくとも1つの態様では、液体リチウム送給システムが提供される。液体リチウム送給システムは、液体リチウム送給モジュールを含む。液体リチウム送給システムは、液体リチウムを貯蔵するように動作可能なリチウム貯蔵領域、リチウム送給を介して液体リチウムを移動させるように動作可能なポンピング領域、及び流量制御領域を含む。ポンピング領域は、電磁気を使用して液体リチウムを移動させるように動作可能な電磁ポンプを含む。液体リチウムの流れを制御するように動作可能な流量制御領域は、液体リチウムの流れを制御するように動作可能な1つ以上のバルブを含み、ポンピング領域は、リチウム貯蔵領域の下流かつ流量制御領域の上流に位置づけられる。
【0006】
少なくとも1つの態様では、液体リチウム送給システムが提供される。液体リチウム送給システムは、液体リチウム送給モジュール、及び該液体リチウム送給モジュールと取り外し可能かつ流体的に結合された液体リチウム補給モジュールを備える。液体リチウム送給モジュールは、液体リチウムを貯蔵するように動作可能なリチウム貯蔵領域、リチウム送給モジュールを介して液体リチウムを移動させるように動作可能なポンピング領域、及び液体リチウムの流れを制御するように動作可能な流量制御領域を含む。ポンピング領域は、電磁気を使用して液体リチウムを移動させるように動作可能な電磁ポンプを含む。流量制御領域は、液体リチウムの流れを制御するように動作可能な1つ以上のバルブを含む。ポンピング領域は、リチウム貯蔵領域の下流かつ流量制御領域の上流に位置づけられる。液体リチウム補給モジュールは、液体リチウム送給モジュールに液体リチウムを供給するように動作可能な液体リチウム補給タンクと、液体リチウム補給タンクの温度を制御するように適合された第1の温度制御モジュールとを備えている。
【0007】
少なくとも1つの態様では、液体リチウム送給システムが提供される。液体リチウム送給システムは、液体リチウム送給モジュールを含む。液体リチウム送給モジュールは、液体リチウムを貯蔵するように動作可能なリチウム貯蔵領域と、液体リチウム送給モジュールを介して液体リチウムを移動させるように動作可能なポンピング領域とを含む。ポンピング領域は、電磁気を使用して液体リチウムを移動させるように動作可能な電磁ポンプを含む。液体リチウム送給モジュールは、液体リチウムの流れを制御するように動作可能な1つ以上のバルブを備えた、液体リチウムの流れを制御するように動作可能な流量制御領域をさらに含み、ポンピング領域は、リチウム貯蔵領域の下流かつ流量制御領域の上流に位置づけられる。液体リチウム送給システムは、液体リチウム送給モジュールと取り外し可能かつ流体的に結合された液体リチウム補給モジュールをさらに含む。液体リチウム補給モジュールは、液体リチウム送給モジュールと、液体リチウム補給タンクの温度を制御するように適合された第1の温度制御モジュールに液体リチウムを供給するように動作可能な液体リチウム補給タンクとを備えている。液体リチウム送給システムは、液体リチウム補給タンクを液体リチウム送給モジュールと流体的に結合する液体リチウム供給ラインをさらに備えている。液体リチウム送給システムは、液体リチウム供給ラインを通って流れるリチウム液から不純物を除去するように動作可能な、液体リチウム供給ラインに沿って位置づけられたフィルタアセンブリをさらに備えている。
【0008】
本開示の上記の特徴を詳細に理解することができるように、その幾つかが添付の図面に示されている実装形態を参照することによって、上に簡単に要約した実装形態のより詳細な説明を得ることができる。しかしながら、本開示は他の等しく有効な実装形態も許容しうるため、添付の図面は、単に本開示の典型的な実装形態を示しているだけであり、したがって、本発明の範囲を限定すると見なされるべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】本明細書に記載される実装形態によって形成されたアノード電極構造が組み込まれたエネルギー貯蔵デバイスの一実装形態の断面図
図1B】本明細書に記載される実装形態によって形成されたアノード電極構造の断面図
図2】本明細書に記載される実装形態によるリチウム送給システムの概略図
図3】本明細書に記載される実装形態によるリチウム送給システムが組み込まれた統合処理ツールの概略図
【発明を実施するための形態】
【0010】
理解を容易にするため、可能な場合には、図面に共通する同一の要素を示すために同一の参照番号が用いられる。一実装形態の要素及び特徴は、さらなる記述がなくとも、他の実装形態に有益に組み込まれることがあることが想定されている。
【0011】
以下の開示には、高純度のリチウム金属の製造、送給、及び堆積のための方法及びシステムが説明されている。本開示のさまざまな実装形態の完全な理解を提供するために、ある特定の詳細が以下の説明及び図1A~3に記載されている。リチウム金属の精製、堆積、及び送給に関連することがよくある、よく知られている構造及びシステムを説明する他の詳細は、さまざまな実装形態の説明を不必要に曖昧にすることを避けるために、以下の開示には記載されていない。
【0012】
図に示されている詳細、寸法、角度、及び他の特徴の多くは、特定の実装形態の単なる例示にすぎない。したがって、他の実装形態は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他の詳細、構成要素、寸法、角度、及び特徴を有することができる。加えて、本開示のさらなる実装形態は、以下に記載される幾つかの詳細なしでも実施することができる。
【0013】
本明細書に記載される実装形態は、TopMet(商標)、SmartWeb(商標)、TopBeam(商標)などのリールツーリールコーティングシステムと共に使用することができ、これらはすべて、米国カリフォルニア州サンタクララ所在のApplied Materials,Inc.から入手可能である。高純度のリチウム金属を使用する他のツール及びプロセスもまた、本明細書に記載される実装形態から利益を得るように適合させることができる。本明細書に記載される装置の説明は例示的なものであり、本明細書に記載される実装形態の範囲を制限するものとして理解又は解釈されるべきではない。本明細書に記載される幾つかの実装形態はリールツーリールプロセスで示されているが、本明細書に記載される実装形態は、個々の基板上でも行うことができることもまた理解されるべきである。
【0014】
リチウムの反応性が高いことから、純粋な液体リチウムは入手が困難である。液体リチウムが雰囲気中の汚染物質と反応すると、液体リチウム上に「スキン」が形成される傾向がある。次に、この「スキン」は、液体リチウムの適切な流れを妨げる。この「スキン」は、濾過が困難であり、流量制限を含めた流量調整システムを詰まらせる傾向がある。以前の解決策は、固体リチウムの溶融を制御し、生成された不純物を濾過することであった。しかしながら、これらの以前の解決策には幾つかの欠点が存在した。第一に、以前の解決策は、流量制御を欠いているか、又は非常に不正確な流量制御を提供するものであった。第二に、これらの以前の解決策は、溶融リチウムの温度変化を被ることとなった。第三に、これらの以前の解決策は、溶融リチウム中にかなりの量の不純物を生じ、これがライン及びバルブの詰まりを増加させ、より小流量のオリフィス及びノズルの使用を妨げることとなった。本開示の幾つかの実装形態は、汚染物質が低減され、流量制御及び精度が改善され、温度安定性が改善された、高純度液体リチウムへのアクセスを提供する。本開示の実装形態によって提供される汚染物質のこの低減は、改善されたコーティング用途のための小流量のオリフィス及びノズルの使用を可能にする。
【0015】
少なくとも1つの態様では、液体リチウムは電磁ポンプによって駆動される。流量は、EM流量計のPIDフィードバックを介して動作するフローオリフィスのマトリクス及び流量制御バルブによって調整される。
【0016】
少なくとも1つの態様では、液体リチウムは、定格圧力シリンダ内に保管される。ポンプに供給する浸漬チューブは、シリンダの中間区域にあるリチウムを取り込む。液体の上層及び下層は汚染されており、中間層のみが用いられる。液体リチウムは、リチウムのXパーセントが使用されると、補充される。Xは、汚染された最上層が浸漬チューブに到達するより前である。
【0017】
リチウムをベースとしたプリンテッドエレクトロニクス及びエネルギー貯蔵デバイスは、本明細書に記載される実装形態から利益を得ることができる。エネルギー貯蔵デバイス、例えば電池は、典型的には、正極、多孔質セパレータによって分離された負極、及びイオン伝導性マトリクスとして用いられる電解質を含む。グラファイトアノードは現在の最先端技術であるが、業界はセルのエネルギー密度を高めるために、グラファイト系アノードからシリコン混合グラファイトアノードへと移行している。しかしながら、シリコン混合グラファイトアノードは、最初のサイクル中に発生する不可逆的な容量損失に悩まされることがよくある。したがって、この最初のサイクルの容量損失を補充する方法が必要とされている。本明細書に記載されるような高い純度を有するリチウム金属の堆積は、シリコン混合グラファイトアノードのこの最初のサイクル容量損失を補充するための方法の1つである。加えて、本明細書に記載される実装形態は、高純度のリチウム金属電極の形成に使用することができる。
【0018】
図1Aは、本明細書に記載される実装形態によって形成された高純度リチウムを含む負極構造を備えたエネルギー貯蔵デバイス100の一実装形態の断面図を示している。エネルギー貯蔵デバイス100は、固体電解質(例えば、全固体電池)を使用するリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス、並びに液体又はポリマー電解質を使用するリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスでありうる。エネルギー貯蔵デバイス100は、正の(「カソード」)集電装置110、正極構造120(すなわち、カソード)、セパレータ130、負極構造140、及び負の(「アノード」)集電装置150を有する。少なくとも1つの態様では、負極構造140は、本明細書に記載される実装形態によって形成された高純度リチウムを含むリチウム金属電極である。別の実装形態では、グラファイト又はシリコングラファイトを含みうる、正極構造120及び負極構造140のうちの少なくとも一方が、本明細書に記載される実装形態に従い、高純度リチウムで事前にリチウム化される。図1Aでは、集電装置がスタックを超えて延びるように示されているが、集電装置がスタックを超えて延びることは必ずしも必要ではなく、スタックを超えて延びる部分はタブとして使用することができることに留意されたい。
【0019】
正極構造120及び負極構造140上の集電装置110、150は、それぞれ、同一又は異なる電子導体でありうる。集電装置110、150を構成することができる金属の例には、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、スズ(Sn)、ケイ素(Si)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、それらの合金、及びそれらの組合せが含まれる。少なくとも1つの態様では、集電装置110、150の少なくとも一方は、穿孔される。さらには、集電装置は、任意の形状因子(例えば、金属箔、シート、又はプレート)、形状、及びミクロ/マクロ構造のものでありうる。概して、角柱状セルでは、タブは集電装置と同じ材料で形成され、スタックの製造中に形成されるか、又は後で付加されてもよい。
【0020】
負極構造140又はアノードは、正極構造120に適合した任意の材料でありうる。少なくとも1つの態様では、負極構造140は、本明細書に記載される実装形態によって形成された高純度リチウムを含むリチウム金属電極である。別の実装形態では、負極構造は、本明細書に記載される実装形態に従い、リチウム化されるか、又は事前にリチウム化される。負極構造140は、372mAh/g以上、好ましくは≧700mAh/g、最も好ましくは≧1000mAh/gのエネルギー容量を有することができる。負極構造140は、炭素質材料(例えば、天然グラファイト又は人造グラファイト)、リチウム金属、リチウム金属合金、ケイ素含有グラファイト、ケイ素、ニッケル、銅、スズ、インジウム、アルミニウム、ケイ素、それらの酸化物、それらの組合せ、若しくは、リチウム金属及び/又はリチウム合金と、炭素(例えば、コークス、グラファイト)、ニッケル、銅、スズ、インジウム、アルミニウム、ケイ素、それらの酸化物、又はそれらの組合せなどの材料との混合物から構築されうる。少なくとも1つの態様では、負極構造140は、リチウムを含むインターカレーション化合物、又はリチウムを含む挿入化合物を含む。少なくとも1つの態様では、負極構造140は、ケイ素グラファイトアノードである。炭素質材料の適切な例には、天然及び人造グラファイト、部分的に黒鉛化又は非晶質化された炭素、石油、コークス、ニードルコークス、及びさまざまな中間相が含まれる。
【0021】
正極構造120又はカソードは、アノードと適合性のある任意の材料であってよく、インターカレーション化合物、挿入化合物、又は電気化学的に活性なポリマーを含みうる。適切なインターカレーション材料には、例えば、リチウム含有金属酸化物、MoS、FeS、MnO、TiS、NbSe、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiMn、V13、及びVが含まれる。適切なポリマーには、例えば、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリアニリン、及びポリチオフェンが含まれる。少なくとも1つの態様では、正極構造120又はカソードは、コバルト酸リチウムなどの層状酸化物、リン酸鉄リチウムなどの鉄橄欖石、又はマンガン酸リチウムなどのスピネルから構成される。例示的なリチウム含有酸化物は、コバルト酸リチウム(LiCoO)などの層状のもの、又はLiNiCo1-2xMnO、LiNiMnCoO(「NMC」)、LiNi0.5Mn1.5、Li(Ni0.8Co0.15Al0.05)O、LiMn、及びドープされたリチウムが豊富な層状材料などの混合金属酸化物であってよく、ここで、xはゼロであるか、又はゼロ以外の数である。例示的なリン酸塩は、鉄橄欖石(LiFePO)及びその変種(LiFe(1-x)MgPOなど)、LiMoPO、LiCoPO、LiNiPO、Li(PO、LiVOPO、LiMP、又はLiFe1.5であってよく、ここで、xはゼロであるか、又はゼロ以外の数である。例示的なフルオロリン酸塩は、LiVPOF、LiAlPOF、LiV(PO、LiCr(PO、LiCoPOF、又はLiNiPOFでありうる。例示的なケイ酸塩は、LiFeSiO、LiMnSiO、又はLiVOSiOでありうる。例示的な非リチウム化合物はNa(POである。
【0022】
少なくとも1つの態様では、セパレータ130は、多孔性のポリマーイオン伝導性ポリマー基板である。少なくとも1つの態様では、多孔性のポリマー基板は、多層ポリマー基板である。少なくとも1つの態様では、セパレータ130は、任意の市販のポリマー微多孔膜(例えば、単層又は多層)、例えば、Polypore(米国ノースカロライナ州シャーロット所在のCelgard LLC.製)、Toray Tonen社(バッテリーセパレータフィルム(BSF))、(リチウムイオンバッテリーセパレータ (LiBS)、Evonik industries社(セラミックセパレータ膜であるSEPARION(登録商標))、旭化成社(ポリオレフィンフラットフィルム膜であるHipore(商標))、及びDuPont社(Energain(登録商標))によって製造された製品を含む。
【0023】
少なくとも1つの態様では、セパレータ130は、リチウムイオン伝導性材料である。リチウムイオン伝導性材料は、リチウムイオン伝導性セラミック又はリチウムイオン伝導性ガラスでありうる。Liイオン伝導性材料は、例えば、LiPON、LiLaZr12の結晶相又は非晶質相のドープ変種、ドープされたアンチペロブスカイト組成物、LiS-P、Li10GeP12、及びLiPS、リン酸リチウムガラス、(1-x)LiI-(x)LiSnS、xLiI-(1-x)LiSnS、硫化物と酸化物の混合電解質(結晶性LLZO、非晶質(1-x)LiI-(x)LiSnS混合物、及び非晶質xLiI-(1-x)LiSnS)などのうちの1つ以上から構成されうる。少なくとも1つの態様では、xは、0から1の間(例えば、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、及び0.9)である。
【0024】
少なくとも1つの態様では、セル構成要素120、130、及び140に注入される電解質は、液体/ゲル又は固体ポリマーで構成されてよく、それぞれが異なっていてもよい。少なくとも1つの態様では、電解質は主に塩及び媒体を含む(例えば、液体電解質では、媒体は溶媒と呼ぶことができ、ゲル電解質では、媒体はポリマーマトリクスでありうる)。塩はリチウム塩でありうる。リチウム塩には、例えば、LiPF、LiAsF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiBF、及びLiClO、BETTE電解質(米国ミネソタ州ミネアポリス所在の3M Corp.から市販される)、並びにそれらの組合せが含まれうる。溶媒には、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、EC/PC、2-MeTHF(2-メチルテトラヒドロフラン)/EC/PC、EC/DMC(ジメチルカーボネート)、EC/DME(ジメチルエタン)、EC/DEC(ジエチルカーボネート)、EC/EMC(エチルメチルカーボネート)、EC/EMC/DMC/DEC、EC/EMC/DMC/DEC/PE、PC/DME、及びDME/PCが含まれうる。ポリマーマトリクスには、例えば、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVDF:THF(PVDF:テトラヒドロフラン)、PVDF:CTFE(PVDF:クロロトリフルオロエチレン)PAN(ポリアクリロニトリル)、及びPEO(ポリエチレンオキシド)が含まれうる。
【0025】
図1Bは、本明細書に記載される実装形態に従う、事前にリチウム化された両面電極構造170の断面図を示している。両面電極構造170は、負の集電装置150の両側に負極構造140a、140bが形成された、負の集電装置150を備えている。
【0026】
図2は、本明細書に記載される実装形態による液体リチウム送給システム200の概略図を示している。液体リチウム送給システム200は、処理チャンバ202と流体的に結合されている。処理チャンバ202は、液体リチウム金属の処理及び堆積に適した任意のチャンバでありうる。適切な処理チャンバの例には、電子ビーム蒸発器、熱蒸発システム、又はスパッタリングシステムなどのPVDシステム、熱蒸発システム、薄膜転写システム、スロットダイ堆積システム、コンマバーコーティングシステム、三次元印刷システム、又は他の適切なコーティングプロセスが含まれるが、これらに限定されない。液体リチウム送給システム200は、液体リチウム補給モジュール204とリチウム送給モジュール206とを備えている。
【0027】
液体リチウム補給モジュール204は、液体リチウムをリチウム送給モジュール206に供給するように動作可能な液体リチウム補給タンク207を備えている。液体リチウム補給タンク207は、リチウム送給モジュール206と取り外し可能に結合されている。少なくとも1つの態様では、液体リチウム補給タンク207は詰め替え可能である。液体リチウム補給タンク207は、リチウム208の供給を含む。少なくとも1つの態様では、リチウム208の供給は液体の形態である。少なくとも1つの態様では、リチウム208の供給は、固体の形態であり、リチウム送給モジュール206に入る前に、リチウムの融点を超えて加熱されて液体リチウムを形成する。少なくとも1つの態様では、液体リチウム補給タンク207は、液体リチウム補給タンク207の温度を制御するように適合された温度制御モジュール210に位置づけられている。例えば、リチウムが固体の形態で供給される少なくとも1つの態様では、温度制御モジュール210は、固体リチウムを溶融するのに十分に固体リチウムに熱を印加する温度制御デバイスを備える。液体リチウム補給タンク207の温度を制御するように十分に動作可能な任意の適切な温度制御デバイスを、温度制御モジュール210において使用することができる。温度制御デバイスの例には、熱交換器、抵抗ヒータ、温度制御ジャケット、又はそれらの組合せが含まれる。少なくとも1つの態様では、液体リチウム補給タンク207は、液体リチウム補給タンク207の温度を制御するように動作可能な温度制御ジャケット212によって覆われている。
【0028】
液体リチウム補給タンク207は、典型的には、側壁216、上面218、及び底面220を有するキャニスタ(例えば、シリンダ又は容器)214を備えており、その中に内部容積222を包含する。液体リチウム補給タンク207は、内部容積222と流体連通した、入口ポート224及び出口ポート226をさらに備えている。入口ポート224は、キャニスタ214のリッド又は上面218を通して配置され、キャニスタ214の内部容積222にガスを供給するように動作可能である。出口ポート226は、キャニスタ214のリッド又は上面218を通して配置され、液体リチウムがキャニスタ214から流出してリチウム送給モジュール206に入ることができるように動作可能である。少なくとも1つの態様では、出口ポート226は浸漬チューブ227と流体的に結合される。少なくとも1つの態様では、浸漬チューブ227は、リチウム208の供給の上面及びリチウム208の底部に形成される汚染物質を回避するように、リチウム208の供給の中央部分に向かって位置づけられる。少なくとも1つの態様では、入口ポート224は、キャニスタ214の内部容積222に不活性ガスを供給するように動作可能な不活性ガス源228と流体的に結合される。不活性ガス源228からキャニスタ214の内部容積222内への不活性ガスの流れは、1つ以上のチェックバルブ230、232によって制御することができる。チェックバルブ230、232は、不活性ガスが一方向に流れることを可能にし、逆方向に流れる流体を遮断(「チェック」)する。不活性ガスを使用して、キャニスタ214を加圧し、液体リチウムをリチウム送給モジュール206に向かって押し出すことができる。
【0029】
少なくとも1つの態様では、キャニスタ214は、運輸省(DOT)によって認定されている。化学的適合性及び機械的強度の理由から、キャニスタ214は、通常、316ステンレス鋼(316 SST)などのステンレス鋼でできている。キャニスタ214の材料は、リチウムが非常に反応性が高く、汚染されやすいことから、かなり化学的に不活性でなければならない。少なくとも1つの態様では、キャニスタ214の材料は、洗浄及び/又は電解研磨される。
【0030】
図2の実装形態では、液体リチウム補給タンク207は、液体リチウム供給ライン236を介してリチウム送給モジュールと流体的に結合されている。少なくとも1つの態様では、液体リチウム供給ライン236は、リチウム送給モジュール206への液体リチウムの流れを制御するように動作可能な1つ以上の遮断バルブ238、242を備えている。少なくとも1つの態様では、液体リチウム供給ライン236は、液体リチウム供給ライン236を通って流れるリチウム液の流れから不純物を除去するように動作可能な第1のフィルタアセンブリ244をさらに備える。第1のフィルタアセンブリ244は液体リチウム補給モジュール204に位置づけられているが、フィルタはリチウム送給モジュール206に位置づけられていても良いものと理解されたい。
【0031】
第1のフィルタアセンブリ244は、液体リチウムから不必要な量の固体及びガス状の汚染物質(例えば、窒化リチウム及び酸化リチウム)を除去するのに適した任意の設計及び/又は材料を含む。少なくとも1つの態様では、第1のフィルタアセンブリ244は、液体リチウムの表面から固体汚染物質を除去するように動作可能なスキマーデバイスを備える。
【0032】
少なくとも1つの態様では、第1のフィルタアセンブリ244は、液体リチウムから固体汚染物質を除去するように動作可能な金属メッシュフィルタを備える。金属メッシュフィルタは、液体リチウムと適合性のある任意の材料を含みうる。少なくとも1つの態様では、金属メッシュは、銅、アルミニウム、ニッケル、又はそれらの組合せから選択される材料で構成される。少なくとも1つの態様では、金属メッシュフィルタは、ステンレス鋼(SST)で構成される。少なくとも1つの態様では、金属メッシュフィルタは、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼、又はそれらの組合せで構成される。金属メッシュフィルタの寸法は、通常、リチウム金属から濾過される汚染物質のサイズに基づいて選択される。金属メッシュフィルタは、約0.050マイクロメートルから約200マイクロメートルの間の線径を有しうる。金属メッシュフィルタは、約50マイクロメートルから約100マイクロメートルの間の線径を有しうる。少なくとも1つの態様では、金属メッシュフィルタは、約5マイクロメートルから約200マイクロメートルの間の開口部を有しうる。少なくとも1つの態様では、金属メッシュフィルタは、約10マイクロメートルから約100マイクロメートルの間の開口部を有しうる。金属メッシュフィルタに関して本明細書で用いられる場合、「開口部」という用語は、2つの隣接する平行なワイヤ間の距離を指す。
【0033】
少なくとも1つの態様では、第1のフィルタアセンブリ244は、液体リチウムから固体汚染物質を除去するように動作可能な発泡フィルタを備える。発泡フィルタは、液体リチウムと適合性のある任意の材料を含みうる。少なくとも1つの態様では、発泡メッシュは、銅、銅-亜鉛、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼、又はそれらの組合せから選択された材料で構成される。少なくとも1つの態様では、発泡フィルタは、網状の発泡材料で構成される。セルの寸法及び発泡材料の多孔性は、精製された液体リチウムが発泡材料を通って流れることを可能にしつつ、液体リチウムから固体汚染物質を除去するように選択される。
【0034】
少なくとも1つの態様では、リチウム送給モジュール206は、リチウム送給モジュール206の構成要素を取り囲むための筐体209を備える。少なくとも1つの態様では、筐体209は、DOTによって認定された出荷可能な容器である。リチウム送給モジュール206は、液体リチウムを貯蔵するように動作可能なリチウム貯蔵領域246と、処理チャンバ202への液体リチウムの流れを制御するように動作可能な流量制御領域250とを備える。少なくとも1つの態様では、リチウム送給モジュール206は、リチウム送給モジュール206を介して液体リチウムを移動させるように動作可能な任意選択的なポンピング領域248をさらに備える。存在する場合には、任意選択的なポンピング領域は、リチウム貯蔵領域246の下流かつ流量制御領域250の上流に位置づけられる。
【0035】
リチウム貯蔵領域246は、液体リチウムを貯蔵するように動作可能な液体リチウム貯蔵タンク252を備える。液体リチウム貯蔵タンク252は、典型的には、液体リチウム253の供給を含む。少なくとも1つの態様では、液体リチウム貯蔵タンク252は、液体リチウム貯蔵タンク252の温度を制御するように適合された温度制御モジュール254に位置づけられる。任意の適切な温度制御デバイスを温度制御モジュール254において使用することができる。温度制御モジュール254は、典型的には、液体リチウムを液相に維持するのに十分な、リチウムの融点を超える温度に設定される。温度制御デバイスの例には、熱交換器、抵抗ヒータ、温度制御ジャケット、又はそれらの組合せが含まれる。少なくとも1つの態様では、液体リチウム貯蔵タンク252は、液体リチウム貯蔵タンクの温度252を制御するように動作可能な温度制御ジャケット256で覆われている。
【0036】
液体リチウム貯蔵タンク252は、典型的には、側壁260、上面262、及び底面264を有するキャニスタ(例えば、シリンダ又は容器)258を備えており、その中に内部容積266を包含する。液体リチウム補給タンクは、内部容積266と流体連通した、第1の入口ポート268、第2の入口ポート270、及び出口ポート272をさらに備える。第1の入口ポート268は、キャニスタ258のリッド又は上面262を通して配置され、キャニスタ258の内部容積266に液体リチウムを供給するように動作可能である。第1の入口ポート268は、液体リチウム補給タンク207から液体リチウムを受けるための液体リチウム供給ライン236と流体的に結合されている。第2の入口ポート270は、キャニスタ258のリッド又は上面262を通して配置され、キャニスタ258の内部容積266にガスを供給するように動作可能である。第2の入口ポート270は、不活性ガスをキャニスタ258の内部容積266に供給するように動作可能な不活性ガス源274と流体的に結合されている。不活性ガス源274からキャニスタ258の内部容積266内への不活性ガスの流れは、1つ以上のチェックバルブ276、278によって制御することができる。出口ポート272は、キャニスタ258のリッド又は上面262を通して配置され、液体リチウムがキャニスタ258から流出してポンピング領域248に入ることができるように動作可能である。少なくとも1つの態様では、出口ポート272は浸漬チューブ273と流体的に結合されている。少なくとも1つの態様では、浸漬チューブ273は、液体リチウム253の供給の上面及び液体リチウム253の底部に形成される汚染物質を回避するように、液体リチウム253の供給の中央部分に向かって位置づけられる。
【0037】
少なくとも1つの態様では、キャニスタ258は、運輸省(DOT)によって認定されている。化学的適合性及び機械的強度の理由から、キャニスタ258は、通常、316ステンレス鋼(316 SST)などのステンレス鋼でできている。キャニスタ258の材料は、リチウムが非常に反応性が高く、汚染されやすいことから、かなり化学的に不活性でなければならない。
【0038】
流体供給ライン280は、出口ポート272を導管282と結合する。少なくとも1つの態様では、第2のフィルタアセンブリ284は、流体供給ライン280に沿って位置づけられる。少なくとも1つの態様では、第2のフィルタアセンブリ284は、第1のフィルタアセンブリ244と同様である。1つ以上の遮断バルブ286は、液体リチウム貯蔵タンク252から流体供給ライン280を通ってポンピング領域248に入る液体リチウムの流れを制御するように動作可能な流体供給ライン280に沿って位置づけることができる。ポンピング領域248は、リチウム送給モジュール206を介して液体リチウムを移動させるように動作可能なポンプ288を備える。ポンピング領域248は、任意選択的に、ポンピング領域を通る液体リチウムの流れ248をモニタするように動作可能な流量計290を含む。少なくとも1つの態様では、流量計290は、ポンプ288の下流に位置づけられる。ポンプ288は、液体金属を移動させるように動作可能な任意の適切なポンプでありうる。少なくとも1つの態様では、ポンプ288は、電磁気を使用して液体リチウムを移動させる電磁ポンプである。電磁ポンプは、任意のタイプの電磁ポンプでありうる。少なくとも1つの態様では、電磁ポンプは、直流又は交流によって生成される移動磁場に起因して液体リチウムを流れる誘導電流と移動磁場とによって液体リチウムに電磁力を作用させ、磁場の移動方向と同じ方向に液体リチウムを放出する。流量計290は、液体リチウムの流れを測定するための任意の適切な流量計でありうる。流量計290は、フィードバックループ(図示せず)を介してポンプ288及び/又は遮断バルブ286と通信することができる。
【0039】
流量計290と組み合わせたポンプ288は、流量調整に関してフィードバックループを用いた、安定したシステムを提供する。
【0040】
少なくとも1つの態様では、流量計290は電磁流量計である。電磁流量計は、通常、管路を流れるリチウム金属流体に磁場を印加する磁石と、磁場に結合したリチウム金属流体の流れに起因してリチウム金属流体に発生する電流を検出する電極とを備えており、リチウム金属流体の流れ方向に直交する方向に印加される磁場と、磁場方向及び流れ方向のいずれかに直交する方向に発生する電界とによって起電力を測定し、したがって流量を測定する。
【0041】
少なくとも1つの態様では、流量計290は超音波流量計である。超音波流量計は、配管内に超音波の送信機及び受信機を備えており、流体の流量に関連する超音波の伝播速度の特性を使用して、信号が到着するまでの時間からリチウム金属流体の流量を計算し、既知の区域から流量を計算する。
【0042】
流量制御領域250は、流体送給ライン291を介してポンピング領域248と流体的に結合されている。流量制御領域250は、典型的には、リチウム液体金属の流れを処理チャンバ202に送給し、制御するための1つ以上のバルブ292を備える。4つのバルブ292a~292dが図2に示されているが、任意の数のバルブを使用することができる。バルブ292a~292dはニードルバルブなどであってよく、処理チャンバ202への液体リチウム金属の流れを設定するように調整可能である。少なくとも1つの態様では、バルブ292aはレギュレータバルブであり、バルブ292b~292dはニードルバルブである。
【0043】
流量制御領域250は、流体送給ライン294を介して処理チャンバ202と流体的に結合されている。少なくとも1つの態様では、第3のフィルタアセンブリ296が、液体リチウム金属から任意のさらなる汚染物質を除去するように動作可能に、流体送給ライン294に沿って位置づけられる。少なくとも1つの態様では、第3のフィルタアセンブリ296は、第1のフィルタアセンブリ244と同様である。液体リチウム送給システム200は、追加のバルブ、圧力調整器、圧力変換器、及び圧力インジケータを含むことができ、これらは簡潔にするために詳細には説明されていない。加えて、示される流体送給ライン及び流体供給ラインは、液体リチウムを液相に保つように加熱されてもよい。
【0044】
少なくとも1つの態様では、流体送給ライン291は、液体リチウムを流体供給ライン280に戻るように送給するためのフィードバックループ295を備える。少なくとも1つの態様では、フィードバックループ295は、フィードバックループ295を通る液体リチウムの流れを制御するように動作可能なチェックバルブ297を備える。少なくとも1つの態様では、フィードバックループ295は、追加の汚染物質を液体リチウムから除去する第2のフィルタアセンブリ284の前に、液体リチウムを流体供給ライン280に送給する。少なくとも1つの態様では、フィードバックループ295は、液体リチウムを液体リチウム貯蔵タンク252に送給する。
【0045】
図3は、本明細書に記載される実装形態による液体リチウム送給システム200が組み込まれた統合処理ツール300の概略図を示している。統合処理ツール300を使用して、本明細書に記載される実装形態によって形成された高純度リチウムを含むアノード構造を形成することができる。ある特定の実装態様では、統合処理ツール300は、それぞれが材料310の連続シートに対して1つの処理動作を実行するように動作可能な、一列に配置された1つ以上の処理モジュール又はチャンバ320を備えている。少なくとも1つの態様では、統合処理ツール300はウェブツールである。少なくとも1つの態様では、材料310の連続シートは導電性基板である。少なくとも1つの態様では、材料310の連続シートはフレキシブル導電性基板である。少なくとも1つの態様では、材料310の連続シートは、例えば負の集電装置150などのアノード集電装置である。別の実装形態では、材料310の連続シートは、例えば両面電極構造170などの電極構造がその上に形成された、集電装置(currently collector)である。統合処理ツール300は、材料310の連続シートを複数の処理チャンバ又はモジュールを介して移動させるように動作可能なフィードリール312及び巻取りリール314を備えることができる。少なくとも1つの態様では、統合処理ツール300は、材料310の連続シート上に高純度リチウムの層を堆積させるための処理チャンバ320を含む。
【0046】
ある特定の実装態様では、統合処理ツール300は、移送機構305を含む。移送機構305は、材料310の連続シートを処理チャンバ320の処理領域を通して移動させることが可能な任意の移送機構を備えることができる。移送機構305は、共通の輸送アーキテクチャを含みうる。共通の輸送アーキテクチャは、システムのための共通の巻取りリール314及びフィードリール312を備えたリールツーリールシステムを含みうる。巻取りリール314及びフィードリール312は、個別に加熱されうる。巻取りリール314及びフィードリール312は、各リール内に位置づけられた内部熱源、又は外部熱源を使用して個別に加熱されうる。共通の輸送アーキテクチャは、巻取りリール314とフィードリール312との間に位置づけられた1つ以上の中間移送リール(図示せず)をさらに備えていてもよい。
【0047】
統合処理ツール300は、個々の処理領域を有するものとして示されているが、少なくとも1つの態様では、統合処理ツール300は、共通の処理領域を有する。幾つかの実装形態では、各処理ステップについて、別個の又は個々の処理領域、モジュール、又はチャンバを有することが有利でありうる。個々の処理領域、モジュール、又はチャンバを有する実装形態では、共通の輸送アーキテクチャは、各チャンバ又は処理領域が、個別の巻取りリール及びフィードリールと、巻取りリールとフィードリールとの間に位置づけられた1つ以上の任意選択的な中間移送リールとを有する、リールツーリールシステムでありうる。共通の輸送アーキテクチャは、トラックシステムを含みうる。トラックシステムは、処理領域又は個々の処理領域を通って延びる。トラックシステムは、ウェブ基板又は個々の基板のいずれかを輸送するように動作可能である。少なくとも1つの態様では、完成したアノード電極は、図に示されているように巻取りリール314上では収集されないが、セパレータフィルム及び正極などと直接統合して電池セルを形成することができる。
【0048】
低融点の金属を堆積させるための任意の適切な金属膜堆積プロセスを使用して、高純度リチウム膜を堆積させることができる。リチウム金属膜を堆積させるための処理チャンバ320は、三次元印刷システム(例えば、三次元スクリーン印刷システム)、例えば電子ビーム蒸着器、熱蒸着システム、又はスパッタリングシステムなどのPVDシステム、薄膜転写システム、若しくはスロットダイ蒸着システムを備えることができる。
【0049】
統合処理ツール300は、とりわけ、液体リチウム送給システム200から処理チャンバ320への高純度リチウムの送給を制御するように動作可能なシステムコントローラ330をさらに含む。システムコントローラ330は、転送プロセスを完了するために用いられるさまざまな構成要素の位置及び動きを制御するように適合される。システムコントローラ330は、概して、システム全体の制御及び自動化を促進するように設計されており、通常、中央処理装置(CPU)(図示せず)、メモリ(図示せず)、及び支援回路(又はI/O)(図示せず)を備えている。CPUは、さまざまなシステム機能、チャンバプロセスを制御し、ハードウェア(例えば、検出器、ロボット、モータ、流体送給ハードウェア、ガス源ハードウェアなど)を支持し、かつシステム及びチャンバプロセス(例えば、チャンバ温度、プロセスシーケンススループット、チャンバ処理時間、I/O信号など)をモニタするように動作可能な産業環境で用いられる任意の形態のコンピュータプロセッサの1つでありうる。メモリは、CPUに接続されており、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、若しくは任意の他の形態のローカル又は遠隔のデジタルストレージなど、1つ以上の容易に利用可能なメモリでありうる。ソフトウェア命令及びデータは、CPUに命令するためにコード化され、メモリ内に保存されうる。支援回路もまた、従来の方法でプロセッサを支援するようにCPUに接続される。支援回路は、キャッシュ、電源、クロック回路、入出力回路、サブシステムなどを含むことができる。システムコントローラ330によって読み取り可能なプログラム(又はコンピュータ命令)は、どのタスクが基板上で実行可能であるかを決定する。好ましくは、プログラムは、システムコントローラ330によって読み取り可能なソフトウェアであり、これは、リチウムの送給、モニタ、並びに処理シーケンスタスク及びさまざまなチャンバプロセスの実行に関連するタスクを実行するためのコードを含む。
【0050】
実装形態:
【0051】
第1項。液体リチウム送給システムであって、液体リチウム送給モジュールを備えており、該液体リチウム送給モジュールが、液体リチウムを貯蔵するように動作可能なリチウム貯蔵領域と、電磁気を使用して液体リチウムを移動させるように動作可能な電磁ポンプを含む、リチウム送給モジュールを介して液体リチウムを移動させるように動作可能なポンピング領域と、液体リチウムの流れを制御するように動作可能な1つ以上のバルブを備えている、液体リチウムの流れを制御するように動作可能な流量制御領域とを含み、ポンピング領域がリチウム貯蔵領域の下流かつ流量制御領域の上流に位置づけられている、液体リチウム送給システム。
【0052】
第2項。リチウム貯蔵領域が、液体リチウムを貯蔵するように動作可能な液体リチウム貯蔵タンクと、液体リチウム貯蔵タンクの温度を制御するように適合されている温度制御モジュールとを含む、第1項に記載の送給システム。
【0053】
第3項。温度制御モジュールが、熱交換器、抵抗ヒータ、温度制御ジャケット、又はそれらの組合せを含む、第2項に記載の送給システム。
【0054】
第4項。液体リチウム貯蔵タンクが、キャニスタを備えており、該キャニスタが、側壁、上面、底面を有し、側壁、上面、及び底面が内部容積を画定しており、さらに、キャニスタの上面を通じて配置され、かつキャニスタの内部容積に不活性ガスを提供するように動作可能な入口ポートと、キャニスタの上面を通じて配置され、かつ液体リチウムをキャニスタから流出させることができるように動作可能な出口ポートとを備えている、第1項から第3項のいずれかに記載の送給システム。
【0055】
第5項。ポンピング領域が、該ポンピング領域を通る液体リチウムの流れをモニタするように動作可能な流量計を含む、第1項から第4項のいずれかに記載の送給システム。
【0056】
第6項。流量計がポンプの下流に位置づけられる、第5項に記載の送給システム。
【0057】
第7項。液体リチウム貯蔵タンクをポンプと流体的に結合する液体リチウム供給ラインと、該液体リチウム供給ラインを通って流れるリチウム液の流れから不純物を除去するように動作可能な、液体リチウム供給ラインに沿って位置づけられたフィルタアセンブリとをさらに備えている、第1項から第6項のいずれかに記載の送給システム。
【0058】
第8項。フィルタアセンブリが、液体リチウムから汚染物質を除去するように動作可能な金属メッシュフィルタを含む、第7項に記載の送給システム。
【0059】
第9項。1つ以上のバルブがニードルバルブを含む、第1項から第8項のいずれかに記載の送給システム。
【0060】
第10項。1つ以上のバルブがレギュレータバルブをさらに含む、第9項に記載の送給システム。
【0061】
第11項。流量制御領域を処理チャンバと流体的に結合する流体送給ラインと、該流体送給ラインを通って流れるリチウム液の流れから不純物を除去するように動作可能な、流体送給ラインに沿って位置づけられたフィルタアセンブリとをさらに備えている、第1項から第10項のいずれかに記載の送給システム。
【0062】
第12項。液体リチウム送給システムにおいて、液体リチウム送給モジュールであって、液体リチウムを貯蔵するように動作可能なリチウム貯蔵領域と、電磁気を使用して液体リチウムを移動させるように動作可能な電磁ポンプを備えている、リチウム送給モジュールを介して液体リチウムを移動させるように動作可能なポンピング領域と、液体リチウムの流れを制御するように動作可能な1つ以上のバルブを備えている、液体リチウムの流れを制御するように動作可能な流量制御領域であって、ポンピング領域がリチウム貯蔵領域の下流かつ流量制御領域の上流に位置づけられている、流量制御領域と、を備えた、液体リチウム送給モジュール、並びに、液体リチウム送給モジュールと取り外し可能かつ流体的に結合する液体リチウム補給モジュールであって、液体リチウム送給モジュールに液体リチウムを供給するように動作可能な液体リチウム補給タンクと、液体リチウム補給タンクの温度を制御するように適合された第1の温度制御モジュールとを備えた、液体リチウム補給モジュールを備えている、液体リチウム送給システム。
【0063】
第13項。第1の温度制御モジュールが、熱交換器、抵抗ヒータ、温度制御ジャケット、又はそれらの組合せを含む、第12項に記載の送給システム。
【0064】
第14項。液体リチウム補給タンクが、キャニスタを備えており、該キャニスタが、側壁、上面、及び底面を有し、側壁、上面、及び底面が内部容積を画定しており、さらに、キャニスタの上面を通じて配置され、かつキャニスタの内部容積に不活性ガスを提供するように動作可能な入口ポートと、キャニスタの上面を通じて配置され、かつ液体リチウムをキャニスタから流出させ、液体リチウム送給モジュールへと流入させることができるように動作可能な出口ポートとを備えている、第12項又は第13項に記載の送給システム。
【0065】
第15項。入口ポートが、不活性ガス源と流体的に結合されている、第14項に記載の送給システム。
【0066】
第16項。液体リチウム補給タンクをリチウム送給モジュールと流体的に結合する液体リチウム供給ラインと、液体リチウム補給ラインを通って流れるリチウム液の流れから不純物を除去するように動作可能な、液体リチウム供給ラインに沿って位置づけられたフィルタアセンブリとをさらに備えている、第12項から第15項のいずれかに記載の送給システム。
【0067】
第17項。フィルタアセンブリが、液体リチウムから汚染物質を除去するように動作可能な金属メッシュフィルタを含む、第16項に記載の送給システム。
【0068】
第18項。リチウム貯蔵領域が、液体リチウムを貯蔵するように動作可能な液体リチウム貯蔵タンクと、液体リチウム貯蔵タンクの温度を制御するように適合されている第2の温度制御モジュールとを含む、第12項から第17項のいずれかに記載の送給システム。
【0069】
第19項。第2の温度制御モジュールが、熱交換器、抵抗ヒータ、温度制御ジャケット、又はそれらの組合せを含む、第18項に記載の送給システム。
【0070】
第20項。液体リチウム貯蔵タンクが、キャニスタを備えており、該キャニスタが、側壁、上面、及び底面を有し、側壁、上面、及び底面が内部容積を画定しており、さらに、キャニスタの上面を通じて配置され、かつキャニスタの内部容積に不活性ガスを提供するように動作可能な入口ポートと、キャニスタの上面を通じて配置され、かつ液体リチウムをキャニスタから流出させ、液体リチウム送給モジュールへと流入させることができるように動作可能な出口ポートとを備えている、第18項に記載の送給システム。
【0071】
第21項。ポンピング領域が、該ポンピング領域を通る液体リチウムの流れをモニタするように動作可能な流量計を含む、第12項から第20項のいずれかに記載の送給システム。
【0072】
第22項。流量計が、電磁ポンプの下流に位置づけられる、第21項に記載の送給システム。
【0073】
第23項。液体リチウム貯蔵タンクをポンプと流体的に結合する液体リチウム供給ラインと、液体リチウム供給ラインを通って流れるリチウム液の流れから不純物を除去するように動作可能な、液体リチウム供給ラインに沿って位置づけられたフィルタアセンブリとをさらに備えている、第12項から第22項のいずれかに記載の送給システム。
【0074】
第24項。フィルタアセンブリが、液体リチウムから汚染物質を除去するように動作可能な金属メッシュフィルタを含む、第23項に記載の送給システム。
【0075】
第25項。1つ以上のバルブがニードルバルブを含む、第12項から第24項のいずれかに記載の送給システム。
【0076】
第26項。1つ以上のバルブがレギュレータバルブをさらに含む、第25項に記載の送給システム。
【0077】
第27項。流量制御領域を処理チャンバと流体的に結合する流体送給ラインと、該流体送給ラインを通って流れるリチウム液の流れから不純物を除去するように動作可能な、流体送給ラインに沿って位置づけられたフィルタアセンブリとをさらに備えている、第12項から第25項のいずれかに記載の送給システム。
【0078】
第28項。液体リチウム送給システムにおいて、液体リチウム送給モジュールであって、液体リチウムを貯蔵するように動作可能なリチウム貯蔵領域と、液体リチウム送給モジュールを介して液体リチウムを移動させるように動作可能なポンピング領域であって、電磁気を使用して液体リチウムを移動させるように動作可能な電磁ポンプを含む、ポンピング領域と、液体リチウムの流れを制御するように動作可能な1つ以上のバルブを備えている、液体リチウムの流れを制御するように動作可能な流量制御領域であって、ポンピング領域がリチウム貯蔵領域の下流かつ流量制御領域の上流に位置づけられている、流量制御領域とを備えた、液体リチウム送給モジュール、並びに、液体リチウム送給モジュールと取り外し可能かつ流体的に結合された液体リチウム補給モジュールであって、液体リチウム送給モジュールに液体リチウムを供給するように動作可能な液体リチウム補給タンクと、液体リチウム補給タンクの温度を制御するように適合されている第1の温度制御モジュールとを備えた、液体リチウム補給モジュールを備えている、液体リチウム送給システム。
【0079】
第29項。フィルタアセンブリが、液体リチウムから汚染物質を除去するように動作可能な金属メッシュフィルタを備えている、第28項に記載の送給システム。
【0080】
第30項。リチウム貯蔵領域が、液体リチウムを貯蔵するように動作可能な液体リチウム貯蔵タンクと、液体リチウム貯蔵タンクの温度を制御するように動作可能な第2の温度制御モジュールとを含む、第28項又は第29項に記載の送給システム。
【0081】
第31項。第2の温度制御モジュールが、熱交換器、抵抗ヒータ、温度制御ジャケット、又はそれらの組合せを含む、第28項から第30項のいずれかに記載の送給システム。
【0082】
第32項。液体リチウム貯蔵タンクが、キャニスタを備えており、該キャニスタが、側壁、上面、及び底面を有し、側壁、上面、及び底面が内部容積を画定しており、さらに、キャニスタの上面を通じて配置され、かつキャニスタの内部容積に不活性ガスを提供するように動作可能な入口ポートと、キャニスタの上面を通じて配置され、かつ液体リチウムをキャニスタから流出させることができるように動作可能な出口ポートとを備えている、第28項から第31項のいずれかに記載の送給システム。
【0083】
第33項。ポンピング領域が、該ポンピング領域を通る液体リチウムの流れをモニタするように動作可能な流量計を含む、第28項から第32項のいずれかに記載の送給システム。
【0084】
第34項。流量計が、電磁ポンプの下流に位置づけられる、第28項から第33項のいずれかに記載の送給システム。
【0085】
第35項。液体リチウム貯蔵タンクを電磁ポンプと流体的に結合する液体リチウム供給ラインと、液体リチウム供給ラインを通って流れるリチウム液から不純物を除去するように動作可能な、液体リチウム供給ラインに沿って位置づけられたフィルタアセンブリとをさらに備えている、第28項から第34項のいずれかに記載の送給システム。
【0086】
第36項。フィルタアセンブリが、液体リチウムから汚染物質を除去するように動作可能な金属メッシュフィルタを含む、第28項から第35項のいずれかに記載の送給システム。
【0087】
第37項。1つ以上のバルブがニードルバルブを含む、第28項から第36項のいずれかに記載の送給システム。
【0088】
第38項。1つ以上のバルブがレギュレータバルブをさらに含む、第28項から第37項のいずれかに記載の送給システム。
【0089】
第39項。流量制御領域を処理チャンバと流体的に結合する流体送給ラインと、該流体送給ラインを通って流れるリチウム液から不純物を除去するように動作可能な流体送給ラインに沿って位置づけられたフィルタアセンブリとをさらに備えている、第28項から第38項のいずれかに記載の送給システム。
【0090】
要約すると、本開示の実装形態の幾つかの利点には、汚染物質が低減され、流量制御及び精度が改善され、温度安定性が改善された、高純度液体リチウムへのアクセスを提供する液体リチウム送給システムが含まれる。本開示の実装形態によって提供される汚染物質のこの低減は、コーティング用途における改善された品質のための小流量のオリフィス及びノズルの使用を可能にする。
【0091】
本開示の要素又は本開示の実装形態の例示的態様を紹介する際の冠詞「a」、「an」、「the」及び「said」は、要素が1つ以上存在することを意味することを意図している。
【0092】
「備える」、「含む」、及び「有する」という用語は、包含的であることを意図しており、列挙された要素以外にも追加的な要素が存在しうることを意味する。
【0093】
上記は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他の実施形態及びさらなる実施形態を考案することができ、その範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
図1A
図1B
図2
図3