(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-18
(45)【発行日】2024-07-26
(54)【発明の名称】改善された絶縁破壊特性を有するゲート誘電体層を有する半導体パワー・デバイス及びそのようなデバイスを形成する方法
(51)【国際特許分類】
H01L 29/78 20060101AFI20240719BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240719BHJP
H01L 29/12 20060101ALI20240719BHJP
H01L 29/739 20060101ALI20240719BHJP
H01L 21/338 20060101ALI20240719BHJP
H01L 29/778 20060101ALI20240719BHJP
H01L 29/812 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
H01L29/78 652K
H01L29/78 301B
H01L29/78 301G
H01L29/78 301V
H01L29/78 652T
H01L29/78 653A
H01L29/78 655A
H01L29/78 658F
H01L29/80 H
(21)【出願番号】P 2022564386
(86)(22)【出願日】2021-04-19
(86)【国際出願番号】 US2021027897
(87)【国際公開番号】W WO2021216408
(87)【国際公開日】2021-10-28
【審査請求日】2022-12-20
(32)【優先日】2020-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592054856
【氏名又は名称】ウルフスピード インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】WOLFSPEED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リヒテンヴァルナー、ダニエル ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ハル、ブレット
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ブラント、エドワード
(72)【発明者】
【氏名】サブリ、シャディ
(72)【発明者】
【氏名】マッケイン、マット エヌ.
【審査官】上田 智志
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-507489(JP,A)
【文献】特開2017-055004(JP,A)
【文献】国際公開第2010/119789(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336、21/338、
21/78、29/12、
29/739、29/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化シリコンを含む半導体層構造と、
前記半導体層構造上のゲート誘電体層と、
前記半導体層構造に対向する前記ゲート誘電体層上のゲート電極と
を備える半導体デバイスであって、
前記ゲート電極の下にある前記ゲート誘電体層の部分の周辺部は、前記ゲート誘電体層の中心部分より厚く、
前記ゲート電極の下側表面は、窪んだ外側縁部を有
し、
前記ゲート電極の上側表面の周辺部は窪んでいる、半導体デバイス。
【請求項2】
前記ゲート誘電体層は、酸化シリコン層及び窒化シリコン層を含む、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記窒化シリコン層は、前記ゲート電極と前記酸化シリコン層との間に位置する、請求項2に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記窒化シリコン層は、前記ゲート電極の下にある前記ゲート誘電体層の前記部分の前記周辺部の最も上の領域を含む、請求項2又は3に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記半導体層構造は、第1の導電型を有するドリフト層、前記ドリフト層の上側部分内の第2の導電型を有するウェル、及び前記ウェルの上側部分内の前記第1の導電型を有するソース領域を含み、
チャネル領域が、前記ソース領域と前記ゲート誘電体層に接触する前記ドリフト層の部分との間の前記ウェル内に設けられる、請求項1から4までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記チャネル領域の上に載る前記ゲート誘電体層の部分は、一定厚を有する、請求項5に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記半導体デバイスは、オン状態動作中に、前記ゲート誘電体層内のピーク電界値が、前記ソース領域に接触する前記チャネル領域の側壁の上
に位置するように構成されている、請求項5又は6に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記ゲート電極のそれぞれの窪んだ外側縁部は、複数の斜角の又は丸い領域を含む、請求項1から7までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記ウェルの上側表面は、前記ソース領域の上側表面が延在するより、前記ドリフト層の上にさらに延在する、請求項5に記載の半導体デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイスに関し、より詳細には、パワー半導体スイッチング・デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
金属絶縁体半導体電界効果トランジスタ(「MISFET」:Metal Insulating Semiconductor Field Effect Transistor)は、スイッチング・デバイスとして使用することができるよく知られているタイプの半導体トランジスタである。MISFETは、ゲート端子、ドレイン端子、及びソース端子並びに半導体本体を有する3端子デバイスである。ソース領域及びドレイン領域は、半導体本体内に形成され、チャネル領域によって分離され、(ゲート端子として働くか又はゲート端子に電気的に接続されることができる)ゲート電極は、チャネル領域に隣接して配設される。MISFETは、ゲート電極にバイアス電圧を印加することによってオン又はオフすることができる。MISFETがオンされる(すなわち、MISFETがその「オン状態(on-state)」になる)と、電流が、MISFETのチャネル領域を通ってソース領域とドレイン領域との間で伝導する。バイアス電圧がゲート電極から取り除かれる(又は、閾値レベル以下に減少する)と、電流は、チャネル領域を通して伝導するのを停止する。例として、n型MISFETは、n型ソース及びドレイン領域並びにp型チャネルを有する。n型MISFETは、したがって、「n-p-n」設計を有する。n型MISFETは、ゲート・バイアス電圧であって、n型ソース及びドレイン領域を電気的に接続するp型チャネル領域内に導電性n型反転層を作成するのに十分である、ゲート・バイアス電圧がゲート電極に印加されると、オンし、それにより、ソース領域とドレイン領域との間の大量のキャリア伝導を可能にする。
【0003】
パワーMISFETのゲート電極は、典型的には、薄いゲート誘電体層によってチャネル領域から分離される。ほとんどの場合、ゲート誘電体層は酸化物層(例えば、酸化シリコン層)である。酸化物ゲート誘電体層を有するMISFETは、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(「MOSFET:Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor」)と呼ばれる。酸化物ゲート誘電体層は、それらの優れた特性によってほぼ常に使用されるため、本明細書の議論は、MISFETと対照的に、MOSFETに焦点を当てることになるが、本明細書で説明される本発明の実施例による技法が、酸化物以外の材料で形成されたゲート誘電体層を有するデバイスに同様に適用可能であることが認識されるであろう。
【0004】
MOSFETのゲート電極は、ゲート誘電体層によってチャネル領域から絶縁されるため、MOSFETをそのオン状態に維持するために又はMOSFETをそのオン状態とそのオフ状態との間で切り換えるために、最小ゲート電流が必要とされる。ゲートがチャネル領域とキャパシタを形成するため、ゲート電流は、スイッチング中に小さく保たれる。そのため、最小の充電及び放電電流のみが、スイッチング中に必要とされ、複雑でないゲート・ドライブ回路部及びより速いスイッチング速度を可能にする。MOSFETは、独立型デバイスであることができる、又は、他の回路デバイスと組み合わされることができる。例えば、絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタ(「IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor」)は、MOSFETとバイポーラ・ジャンクション・トランジスタ(「BJT:Bipolar Junction Transistor」)の両方を含む半導体デバイスであり、MOSFETの高インピーダンス・ゲート電極を、BJTが提供することができる小さいオン状態伝導損失と組み合わせる。IGBTは、例えば、入力に高電圧nチャネルMOSFET及び出力にBJTを含むダーリントン・ペアとして実装することができる。BJTのベース電流は、MOSFETのチャネルを通して供給され、それにより、簡略化された外部ドライブ回路を可能にする(ドライブ回路が、MOSFETのゲート電極を充電し放電するだけであるため)。
【0005】
ハイ・パワー半導体スイッチング・デバイスについての需要増加が存在し、そのデバイスは、その「オン(on)」状態で大電流を流し、その逆遮断状態で大電圧(例えば、数千ボルト)を遮断することができる。高い電流密度を維持し、そのような高い電圧を遮断するために、パワーMOSFET及びIGBTは、典型的に、肉厚の半導体層構造の対向する側面にソース及びドレインを有する縦構造を有して、より高い電圧レベルを遮断する。パワーが非常に高い用途において、半導体スイッチング・デバイスは、典型的には、例えば、炭化シリコン(「SiC」)等のワイド・バンドギャップ半導体材料システム(本明細書で、用語「ワイド・バンドギャップ半導体(wide band-gap semiconductor)」は、少なくとも1.4eVのバンドギャップを有する任意の半導体を包含する)において形成され、炭化シリコンは、例えば、高電界絶縁破壊強度、高熱伝導率、高電子移動度、高溶融点、及び高飽和電子ドリフト速度を含む多数の有利な特性を有する。例えば、シリコン等の他の半導体材料を使用して形成されるデバイスと比べて、炭化シリコンを使用して形成される電子デバイスは、高い温度で、高いパワー密度で、高い速度で、高いパワー・レベルで、及び/又は高い放射密度下で動作する能力を有することができる。
【0006】
パワーMOSFETについての1つの故障メカニズムは、いわゆる、ゲート酸化物層の「絶縁破壊(breakdown)」である。パワーMOSFETが、その伝導又は「オン」状態にあるとき、ゲート酸化物層は、高電界を受ける。これらの電界によって引き起こされるゲート酸化物層に対する応力は、経時的に増大する酸化物材料内の欠陥を発生する。欠陥の濃度が臨界値に達すると、ゲート電極を、半導体層構造の下にあるソース領域に電気的に接続する、いわゆる「パーコレーション経路(percolation path)」がゲート酸化物層を通して作成されることができ、それにより、ゲート電極とソース領域を短絡し、それが、デバイスを破壊する可能性がある。ゲート酸化物層の「寿命(lifetime)」(すなわち、絶縁破壊が起こる前に、デバイスがどれだけ長く動作することができるか)は、とりわけ、ゲート酸化物層が受ける電界の大きさ及び電界が印加される時間の長さの関数である。
図1は、絶縁破壊が起こるまでの動作時間(「ゲート酸化物寿命(gate oxide lifetime)」)と、ゲート酸化物層に印加される電界のレベルとの間の関係を示す概略グラフである。このグラフは、同じ電界が常に印加される(必ずしもそうであるわけではない)ことを仮定し、特定の厚さを有するゲート酸化物層を仮定する。
図1に示すように、その関係は、幾つかの場合、ゲート酸化物寿命が対数スケールでプロットされると、ほぼ線形とすることができる。
図1から得られる重要なポイントは、電界レベルが増加するにつれて、ゲート酸化物層の寿命が指数関数的に減少することである。ゲート酸化物層の寿命は、ゲート酸化物層の厚さを増加させることによって増加させることができるが、MOSFETの性能も、ゲート酸化物層の厚さの関数であり、したがって、ゲート酸化物層の厚さを増加させることは、典型的には、ゲート酸化物層の寿命を増加させる受け入れられる方法ではない。
【0007】
図2Aは、従来のシリコン・パワーMOSFET100の概略断面図である。
図2Aに示すように、MOSFET100はn型シリコン基板110を含む。低濃度にドープされた(n-)n型シリコン・ドリフト層120は基板110上に設けられる。p型導電率を有する「ウェル(well)」又は「pウェル(p-well)」130と呼ばれる領域は、n型シリコン・ドリフト層120の上側部分に形成される。pウェル130は、例えば、p型ドーパントによって、n型シリコン・ドリフト層120の部分をカウンタードーピングすることによって、形成することができる。高濃度にドープされた(n+)n型シリコン・ソース領域140は、pウェル130の上側部分内に設けられる。n型ソース領域140は、n型ドーパントによって、pウェル130の部分をカウンタードーピングすることによって、形成することができる。ドリフト層120及び基板110は共に、デバイス100用の共通ドレイン領域として働く。基板110、ドリフト層120、pウェル130、及びソース領域140は共に、MOSFET100の半導体層構造150を構成する。二酸化シリコン(SiO
2)ゲート酸化物層160は、半導体層構造150の上側表面に設けられる。ゲート電極170は、半導体層構造150に対向するゲート酸化物層160上に設けられる。誘電体分離パターン180はゲート電極170上に形成され、ソース金属被覆190は誘電体分離パターン180上で且つ露出したソース領域140上に形成される。ドレイン接点(図示せず)は、典型的には、ドリフト層120に対向する、基板110の下側表面に設けられる。
【0008】
図2Bは、別の従来のシリコンMOSFET100’の概略断面図であり、酸化アニールは、ゲート電極を形成するためにゲート電極層がパターニングされた後に実施される(ゲート誘電体層160は、パターニングされるか又はされないとすることもできる)。酸化アニールに先立って、MOSFET100’は、MOSFET100のソース領域140、ゲート酸化物層160、及びゲート電極170と同一である、ソース領域140、ゲート酸化物層160、及びゲート電極170を有する。ゲート酸化アニールは、以下で説明するように、ソース領域140、ゲート酸化物層160、及びゲート電極170を、ソース領域140’、ゲート酸化物層160’、及びゲート電極170’に変換する。
【0009】
酸化アニールは、ゲート酸化物層160及びゲート電極170(
図2A参照)が形成された後であるが、誘電体分離パターン180の形成前に実施される。酸化アニールは、露出したシリコン表面を酸化し、したがって、シリコン・ゲート電極170の露出領域をシリコン酸化物に変換し、ゲート電極170をゲート電極170’に変換する。ゲート電極170’は、ゲート電極170よりサイズが小さく(ゲート電極170の一部分がシリコン酸化物に変換されるため)、変換は、ゲート電極170’の上部表面及び側壁上にシリコン酸化物パターン172を形成する。角において2つの側面が露出し、酸化の増大を可能にするため、最も強い酸化が上部角領域で起こることに留意されたい。
図2Bにも見ることができるように、ゲート酸化物層160とゲート電極170との間の界面は、同様に好都合な酸化経路を提供するため、ゲート電極170’の下側表面は、同様にその周辺部の周りで酸化され、酸化される下側表面の量は、ゲート電極170’の下側角からの距離の増加と共に減少する。シリコン酸化物に変換されるゲート電極170の下側表面の部分は、効果的にゲート酸化物層160の一部になって、ゲート酸化物層160’を提供する。そのため、酸化は、ゲート電極170のサイズを低減し(それにより、ゲート電極170’を形成する)、ゲート酸化物層160の外側部分の厚さを増加させる(それにより、ゲート酸化物層160’を形成する)ように働く。
【0010】
同様の現象は、ゲート酸化物層160の下側表面とソース領域140との間の界面で起こり、シリコン・ソース領域140は、ソース領域140’を形成するためにゲート酸化物層160が半導体層構造150内に効果的に「成長する(grow)」ように酸化される。再度、ソース領域140が酸化する量は、ゲート酸化物層160の外側縁部からの距離の増加と共に減少する。その結果は、ゲート酸化物層160’の外側部分がゲート酸化物層160’の中心部分より肉厚であり、その厚さが、各端部から中心部分に向かってテーパが付くということである。中心部分は一定厚を有する。ゲート酸化物層160’の肉厚化された外側領域は、MOSFET100’の絶縁破壊性能を改善することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の実施例によれば、半導体デバイスが提供され、半導体デバイスは、炭化シリコンを含む半導体層構造と、半導体層構造上のゲート誘電体層と、半導体層構造に対向するゲート誘電体層上のゲート電極とを含む。ゲート電極の下にあるゲート誘電体層の部分の周辺部は、ゲート誘電体層の中心部分より肉厚であり、ゲート電極の下側表面は、窪んだ外側縁部を有する。
【0013】
幾つかの実施例において、ゲート誘電体層は、酸化シリコン層及び窒化シリコン層を含むことができる。
【0014】
幾つかの実施例において、窒化シリコン層は、ゲート電極と酸化シリコン層との間に位置することができる。
【0015】
幾つかの実施例において、窒化シリコン層は、ゲート電極の下にあるゲート誘電体層の部分の周辺部の最も上の領域を含むことができる。
【0016】
幾つかの実施例において、ゲート電極の窪んだ外側縁部は、丸い外側縁部及び/又は斜角の外側縁部を備えることができる。
【0017】
幾つかの実施例において、半導体層構造は、第1の導電型を有するドリフト層、ドリフト層の上側部分内の第2の導電型を有するウェル、及びウェルの上側部分内の第1の導電型を有するソース領域を含むことができ、チャネル領域は、ソース領域と、ゲート誘電体層に接触するドリフト層の部分との間のウェル内に設けられることができる。幾つかの実施例において、ソース領域の上に載るゲート電極の下のゲート誘電体層の部分は、チャネル領域の上に載るゲート誘電体層の部分より肉厚とすることができる。幾つかの実施例において、チャネル領域の上に載るゲート誘電体層の部分は一定厚を有するとすることができる。幾つかの実施例において、半導体デバイスは、オン状態動作中に、ゲート誘電体層内のピーク電界値が、ソース領域に接触するチャネル領域の側壁の上に実質的に位置することになるように構成されることができる。
【0018】
幾つかの実施例において、ゲート誘電体層の中心部分の下側表面は、半導体層構造の底部表面に平行である第1の平面を規定することができ、ゲート誘電体層の中心部分の上側表面は、半導体層構造の底部表面に平行である第2の平面を規定することができ、第1の平面と、ゲート電極の下にあるゲート誘電体層の部分の周辺部の下側表面との間の第1の距離は、第2の平面と、ゲート電極の下にあるゲート誘電体層の部分の周辺部の上側表面との間の第2の距離の半分未満とすることができる。
【0019】
幾つかの実施例において、ゲート電極のそれぞれの窪んだ外側縁部は、複数の斜角の又は丸い領域を含むことができる。
【0020】
幾つかの実施例において、半導体デバイスは、オン状態動作中に、ゲート誘電体層内のピーク電界値が、ゲート電極の中心の直下のゲート誘電体層の上側表面における電界の値の10%以内になるように構成されることができる。
【0021】
幾つかの実施例において、ゲート誘電体層の下側表面は実質的に平坦とすることができる。
【0022】
幾つかの実施例において、半導体デバイスはMISFET又はIGBTである。
【0023】
幾つかの実施例において、ゲート電極はシリコンを含むことができる。
【0024】
幾つかの実施例において、ゲート誘電体層の中心部分より肉厚とすることができる、ゲート電極の下にあるゲート誘電体層の部分の周辺部は、ゲート誘電体層の寿命を延ばすように働く(act)。
【0025】
幾つかの実施例において、ゲート電極の中心部分は、ゲート電極の上側表面の周辺部が延在するよりも、半導体層構造のさらに上に延在することができる。
【0026】
幾つかの実施例において、ゲート電極の上側表面の周辺部は窪んでいるとすることができる。
【0027】
幾つかの実施例において、半導体デバイスは、MOSFETとすることができ、ゲート電極の下側表面の窪んだ外側縁部は、MOSFETがそのオン状態にあるときに、ゲート誘電体層内の電界のピーク値を低減するように構成されることができる。
【0028】
幾つかの実施例において、ゲート電極の下側表面の窪んだ外側縁部は、ゲート電極の酸化済み又は窒化済み材料を含む。
【0029】
本発明のさらなる実施例によれば、半導体デバイスが提供され、半導体デバイスは、炭化シリコンを含む半導体層構造であって、第1の導電型を有するドリフト層、ドリフト層の上側部分内の、第1の導電型と逆の第2の導電型を有するウェル、及びウェル内の第1の導電型を有するソース領域を含む、半導体層構造と、半導体層構造上のゲート誘電体層と、半導体層構造に対向するゲート誘電体層上のゲート電極とを含む。これらの半導体デバイスは、オン状態動作中に、ピーク電界値が起こる場所が、ゲート電極の下で且つゲート電極の側壁から内方に離間するように構成される。
【0030】
幾つかの実施例において、ピーク電界値が起こるゲート誘電体層内の場所は、ゲート電極の側壁から内方に少なくとも0.05ミクロンだけ離間するとすることができる。
【0031】
幾つかの実施例において、ゲート誘電体層は、酸化シリコン層及び窒化シリコン層を含むことができる。
【0032】
幾つかの実施例において、窒化シリコン層は、ゲート電極と酸化シリコン層との間に位置するとすることができる。
【0033】
幾つかの実施例において、ゲート電極の下側表面は窪んだ外側縁部を有するとすることができる。
【0034】
幾つかの実施例において、チャネル領域は、ソース領域と、ゲート誘電体層に接触するドリフト層の部分との間のウェル内に設けられることができ、ソース領域の上に載るゲート電極の下のゲート誘電体層の部分は、チャネル領域の上に載るゲート誘電体層の部分より肉厚とすることができる。
【0035】
幾つかの実施例において、チャネル領域は、ソース領域と、ゲート誘電体層に接触するドリフト層の部分との間のウェル内に設けられることができ、半導体デバイスは、オン状態動作中に、ゲート誘電体層内のピーク電界値が、ソース領域に接触するチャネル領域の側壁の上に実質的に位置することになるように構成されることができる。
【0036】
幾つかの実施例において、ゲート誘電体層の中心部分の下側表面は、半導体層構造の底部表面に平行である第1の平面を規定することができ、ゲート誘電体層の中心部分の上側表面は、半導体層構造の底部表面に平行である第2の平面を規定することができ、第1の平面と、ゲート電極の下にあるゲート誘電体層の部分の周辺部の下側表面との間の第1の距離は、第2の平面と、ゲート電極の下にあるゲート誘電体層の部分の周辺部の上側表面との間の第2の距離の半分未満とすることができる。
【0037】
幾つかの実施例において、半導体デバイスは、オン状態動作中に、ゲート誘電体層内のピーク電界値が、ゲート電極の中心の直下のゲート誘電体層の上側表面における電界の値の10%以内であることができるように構成される。
【0038】
本発明のなおさらなる実施例によれば、半導体デバイスが提供され、半導体デバイスは、炭化シリコンを含む半導体層構造であって、第1の導電型を有するドリフト層、ドリフト層の上側部分内の、第1の導電型と逆の第2の導電型を有するウェルであって、内部にチャネル領域を有する、ウェル、及びウェル内の第1の導電型を有するソース領域を含む、半導体層構造と、半導体層構造上のゲート誘電体層と、半導体層構造に対向するゲート誘電体層上のゲート電極とを含む。これらの半導体デバイスは、オン状態動作中に、ゲート誘電体層内のピーク電界値が、ゲート電極の中心部分の下のゲート誘電体層の上側表面における電界の値の10%以内になるように構成される。
【0039】
幾つかの実施例において、ゲート電極の中心部分の下のゲート誘電体層は、オン状態動作中に、実質的に一定の電界値を有することができる。
【0040】
幾つかの実施例において、ゲート誘電体層は、酸化シリコン層及び窒化シリコン層を含むことができる。窒化シリコン層は、ゲート電極の下にあるゲート誘電体層の部分の周辺部の最も上の領域を含むことができる。
【0041】
幾つかの実施例において、ゲート電極の下側表面は、丸い又は斜角の外側縁部を備えることができる。
【0042】
幾つかの実施例において、ソース領域の上に載るゲート電極の下のゲート誘電体層の部分は、チャネル領域の上に載るゲート誘電体層の部分より肉厚とすることができる。幾つかの実施例おいて、チャネル領域の上に載るゲート誘電体層の部分は一定厚を有するとすることができる。
【0043】
幾つかの実施例において、半導体デバイスは、オン状態動作中に、ゲート誘電体層内のピーク電界値が、ソース領域に接触するチャネル領域の側壁の上に実質的に位置することになるように構成されることができる。
【0044】
本発明のなおさらなる実施例によれば、半導体デバイスを形成する方法が提供され、その方法において、炭化シリコンを含む半導体層構造が形成され、半導体層構造は、第1の導電型を有するドリフト層、ドリフト層の上側部分内の、第1の導電型と逆の第2の導電型を有するウェルであって、内部にチャネル領域を有する、ウェル、及びウェル内の第1の導電型を有するソース領域を含む。ゲート誘電体層は半導体層構造上に形成される。シリコンを含むゲート電極は、半導体層構造に対向するゲート誘電体層上に形成される。半導体層構造、ゲート誘電体層、及びゲート電極は、その後、酸素及び窒素のうちの少なくとも一方の中でアニール処理されて、ゲート電極の下側表面の中心部分を窒化シリコンに変換せずに、ゲート電極の下側表面の外側周辺部を窒化シリコンに変換する。
【0045】
幾つかの実施例において、半導体層構造、ゲート誘電体層、及びゲート電極を酸素及び窒素のうちの少なくとも一方の中でアニール処理することは、半導体層構造、ゲート誘電体層、及びゲート電極を、窒素を含む雰囲気内でアニール処理することを含むことができる。
【0046】
幾つかの実施例において、方法は、半導体層構造、ゲート誘電体層、及びゲート電極を窒素雰囲気内でアニール処理した後に、ゲート電極上に誘電体分離パターンを形成することをさらに含むことができる。
【0047】
幾つかの実施例において、方法は、半導体層構造、ゲート誘電体層、及びゲート電極を窒素雰囲気内でアニール処理する前に、ゲート電極上に誘電体分離パターンを形成することをさらに含むことができる。
【0048】
幾つかの実施例において、方法は、半導体層構造、ゲート誘電体層、及びゲート電極を窒素雰囲気内でアニール処理した後に、ゲート電極から電気的に分離され、ソース領域に電気的に接続される金属パターンを形成することをさらに含むことができる。
【0049】
幾つかの実施例において、ゲート電極の下側表面は窪んだ外側縁部を有することができる。
【0050】
幾つかの実施例において、窪んだ外側縁部は、斜角の及び/又は丸い外側縁部を備えることができる。
【0051】
幾つかの実施例において、ソース領域の上に載るゲート電極の下のゲート誘電体層の部分は、チャネル領域の上に載るゲート誘電体層の部分より肉厚とすることができる。
【0052】
幾つかの実施例において、半導体デバイスは、オン状態動作中に、ゲート誘電体層内のピーク電界値が、ソース領域に接触するチャネル領域の側壁の上に実質的に位置することになるように構成されることができる。
【0053】
幾つかの実施例において、半導体デバイスは、オン状態動作中に、ゲート誘電体層内のピーク電界値が、ゲート電極の中心の直下のゲート誘電体層の上側表面における電界の値の10%以内になるように構成されることができる。
【0054】
本発明のさらなる実施例によれば、半導体デバイスを形成する方法が提供され、その方法において、炭化シリコンを含む半導体層構造が形成される。ゲート誘電体層は半導体層構造上に形成され、ゲート電極は、ゲート誘電体層上に形成されるため、ゲート誘電体層はゲート電極を半導体層構造から電気的に分離する。ゲート電極はシリコンを含む。ゲート電極の少なくとも底部縁部を、ゲート誘電体層の一部になる誘電体材料に変換するために、半導体層構造、ゲート誘電体層、及びゲート電極が酸素及び窒素のうちの少なくとも一方の中でアニール処理されるため、ゲート電極の下にあるゲート誘電体層の部分の周辺部の上側縁部は、ゲート誘電体層の中心部分より肉厚である。
【0055】
幾つかの実施例において、方法は、半導体層構造、ゲート誘電体層、及びゲート電極を酸素及び窒素のうちの少なくとも一方の中でアニール処理した後に、ゲート電極上に誘電体分離パターンを形成することをさらに含む。
【0056】
幾つかの実施例において、方法は、半導体層構造、ゲート誘電体層、及びゲート電極を酸素及び窒素のうちの少なくとも一方の中でアニール処理する前に、ゲート電極上に誘電体分離パターンを形成することをさらに含む。
【0057】
幾つかの実施例において、ゲート電極の下側表面は窪んだ外側縁部を有する。
【0058】
幾つかの実施例において、窪んだ外側縁部は、斜角の及び/又は丸い外側縁部を備える。
【0059】
幾つかの実施例において、半導体デバイスは、オン状態動作中に、ゲート誘電体層内のピーク電界値が、半導体デバイスのチャネル領域の外側側壁の上に実質的に位置することになるように構成される。
【0060】
幾つかの実施例において、半導体デバイスは、オン状態動作中に、ゲート誘電体層内のピーク電界値が、ゲート電極の中心の直下のゲート誘電体層の上側表面における電界の値の10%以内になるように構成される。
【0061】
幾つかの実施例において、ウェルの上側表面は、ソース領域の上側表面が延在するよりも、ドリフト層のさらに上に延在する。
【0062】
幾つかの実施例において、ソース領域はウェルの中心部分にあり、ソース領域の第1の側面上のウェルの部分の上側表面は、ソース領域の上側表面が延在するよりも、ドリフト層のさらに上に延在し、第1の側面に対向するソース領域の第2の側面上のウェルの部分の上側表面は同様に、ソース領域の上側表面が延在するよりも、ドリフト層のさらに上に延在する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【
図1】ゲート誘電体層の寿命と印加された電界強度の関数との関係を示すグラフである。
【
図2A】従来のシリコンMOSFETの概略断面図である。
【
図2B】別の従来のシリコンMOSFETの概略断面図である。
【
図3】従来の炭化シリコンMOSFETの概略断面図である。
【
図4】本発明の実施例によるMOSFETの概略断面図である。
【
図5A】
図4のMOSFETを作製するための方法を示す概略断面図である。
【
図5B】
図4のMOSFETを作製するための方法を示す概略断面図である。
【
図5C】
図4のMOSFETを作製するための方法を示す概略断面図である。
【
図5D】
図4のMOSFETを作製するための方法を示す概略断面図である。
【
図6A】より積極的な酸化アニールが実施される、本発明の実施例によるMOSFETの概略断面図である。
【
図6B】
図6AのMOSFETの2つの修正バージョンのうちの1つの拡大部分概略断面図である。
【
図6C】
図6AのMOSFETの2つの修正バージョンのうちの1つの拡大部分概略断面図である。
【
図7A】MOSFETのゲート誘電体層内の電界強度を示す、
図3のMOSFETの拡大断面図である。
【
図7B】MOSFETのゲート誘電体層内の電界強度を示す、
図6AのMOSFETの拡大断面図である。
【
図8】電界強度が、
図7A及び
図7Bにおけるライン8-8に沿って測定される、
図7A及び
図7BのMOSFETのゲート誘電体層内の電界強度をそれぞれ示すグラフである。
【
図9A】本発明のさらなる実施例による、MOSFETを作製するための方法を示す概略断面図である。
【
図9B】本発明のさらなる実施例による、MOSFETを作製するための方法を示す概略断面図である。
【
図9C】本発明のさらなる実施例による、MOSFETを作製するための方法を示す概略断面図である。
【
図9D】本発明のさらなる実施例による、MOSFETを作製するための方法を示す概略断面図である。
【
図10A】本発明のなおさらなる実施例による、MOSFETを作製するための方法を示す概略断面図である。
【
図10B】本発明のなおさらなる実施例による、MOSFETを作製するための方法を示す概略断面図である。
【
図10C】本発明のなおさらなる実施例による、MOSFETを作製するための方法を示す概略断面図である。
【
図11A】トレンチ内に形成されるゲート電極を有する、本発明のさらなる実施例による、MOSFETの作製を説明する概略断面図である。
【
図11B】トレンチ内に形成されるゲート電極を有する、本発明のさらなる実施例による、MOSFETの作製を説明する概略断面図である。
【
図12A】本発明のさらなる実施例による、窒化ガリウム・ベース高電子移動度トランジスタのゲート接点、ソース接点、及びドレイン接点の概略平面図である。
【
図12C】ゲート接点、ソース接点、及びドレイン接点の露出した外側表面を誘電体材料に変換するためにアニールが実施された後の、
図12Bの上側部分の拡大図である。
【
図13A】本発明のさらなる実施例による、MOSFETを作製するための方法を示す概略断面図である。
【
図13B】本発明のさらなる実施例による、MOSFETを作製するための方法を示す概略断面図である。
【
図13C】本発明のさらなる実施例による、MOSFETを作製するための方法を示す概略断面図である。
【
図13D】本発明のさらなる実施例による、MOSFETを作製するための方法を示す概略断面図である。
【
図13E】本発明のさらなる実施例による、MOSFETを作製するための方法を示す概略断面図である。
【
図14A】本発明のさらなる実施例による、MOSFETを作製するための方法を示す概略断面図である。
【
図14B】本発明のさらなる実施例による、MOSFETを作製するための方法を示す概略断面図である。
【
図15A】本発明のなおさらなる実施例による、MOSFETを作製するための方法を示す概略断面図である。
【
図15B】本発明のなおさらなる実施例による、MOSFETを作製するための方法を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
パワー炭化シリコンベースMOSFETは、高電圧遮断を必要とする用途のために今日、使用されている。例によれば、少なくとも10kVの電圧を遮断することになる10A/cm2以上の電流密度の定格を持つ炭化シリコンMOSFETが市販されている。そのようなデバイスを形成するために、複数の「ユニット・セル(unit cell)」が、典型的には形成され、各ユニット・セルはMOSFETトランジスタを含む。ハイ・パワー用途において、多数(例えば、数百又は数千)のこれらのユニット・セルは、典型的には半導体基板上に設けられ、ユニット・セルの全てについてのゲート電極として働くゲート電極パターンが半導体基板の上部側面上に形成される。半導体基板の対向する(底部)側面は、デバイスのユニット・セルの全てについての共通ドレインとして働く。複数のソース接点は、半導体層構造内のソース領域上に形成され、ゲート電極パターン内の開口内で露出する。これらのソース接点は同様に、共通ソースとして役立つために互いに電気的に接続される。結果得られるデバイスは、3つの端子、すなわち、数百又は数千の個々のユニット・セル・トランジスタについての端子として働く、共通ソース端子、共通ドレイン端子、及び共通ゲート電極を有する。上記説明がn型MOSFETについてのものであり;ドレイン及びソースの場所がp型MOSFETについて逆であることになり、n型及びp型領域の導電型が逆であることになることが認識されるであろう。
【0065】
本発明の実施例によれば、寿命の増加を示すことになる改善されたゲート誘電体層を有する半導体デバイスが提供される。MOSFETが、その「オン」又は伝導状態にあるとき、電界は、デバイスのゲート誘電体層内で発生する。一般的に言うと、この電界の強度は、ゲート電極の側壁の直下にあるゲート誘電体層の部分において特に高い。上記で論じたように、ゲート誘電体層の寿命は、ゲート誘電体層内の電界の強度の関数である。そのため、ゲート電極の側壁の下にあるゲート誘電体層の部分が最も高い電界を受けるため、これらの部分は、典型的には最初に絶縁破壊を経験することになる領域である。本明細書で、「ゲート誘電体層」に対する参照が、連続ゲート誘電体層並びにパターン化ゲート誘電体層を共に包含することが認識されるであろう。
【0066】
残念ながら、オン状態動作中に、最も高い電界を経験するゲート誘電体層の部分は、ゲート電極及びゲート誘電体層を形成するために使用されるエッチ・プロセス中のオーバエッチングの結果として損傷を受けやすい部分でもある。したがって、デバイスの或る程度のパーセントにおいて、ゲート誘電体層の外側縁部は、オーバエッチングによって既に薄化され、したがって、絶縁破壊をより受けやすいとすることができる。さらに、ゲート電極及びゲート誘電体層の側壁にわたって形成される誘電体分離パターンは、常に十分に高密度化されることができない。ピーク電界値は、典型的には、この誘電体分離パターンに直接隣接して起こるため、誘電体分離パターン内に延在する電界は、依然として比較的高いとすることができ、したがって、誘電体分離パターンの絶縁破壊は、考えられる別の故障メカニズムである。さらに、最も高い電界が経験される領域は、ソース領域の上に載るゲート誘電体層の外側部分内である。絶縁破壊を経験するMOSFETについての故障メカニズムが、ゲート電極とソース電極との間の短絡の生成であるため、ソース領域の上に直接載るゲート誘電体層の部分が絶縁破壊を最も受けやすい部分であるということは、絶縁破壊によるデバイス故障までの時間を短縮する傾向がある。
【0067】
本発明の実施例によるパワー半導体デバイスは、典型的には(常にそうであるわけではないが)シリコン(例えば、ポリシリコン)ゲート電極であるゲート電極の下側表面を酸化するために、酸化及び/又は窒化アニールを受ける。アニールは、ゲート電極の下側表面の周辺部が誘電体材料に変換され、ゲート電極の下側表面の周辺部の周りに窪みを効果的に形成するように、実施することができる。幾つかの実施例において、窪みは、ゲート電極の下側表面及び側壁の交差部の丸みの形態をとることができる。他の実施例において、ゲート電極の下側表面と側壁との交差部は斜角付きとすることができる。他の(例えば、湾曲型、スカラップ型等の)窪み又は異なるタイプの窪み(例えば、2つの斜角、斜角と丸み等)の組み合わせが、幾つかの実施例において設けられることができる。酸化及び/又は窒化アニールは、ゲート電極の部分を誘電体材料(例えば、窒化シリコン及び/又は酸化シリコン)に変換するため、アニールは、ゲート電極の周辺部の下のゲート誘電体層の厚さを増加させ、それは、ゲート誘電体層の寿命を増加させることができる。さらに、ゲート電極の下側縁部の丸み付け又は斜角付けは、ゲート電極に印加される所与の電圧に関連する電界のピーク値も低減する。
図1を参照して上記で論じたように、ゲート酸化物層の予想寿命は、印加電界の指数関数である。そのため、所与のゲート電圧レベルについて印加電界を低減することによって、デバイスの寿命は延長することができる。最後に、ゲート誘電体層内のピーク電界値を低減することに加えて、ゲート電極の下側縁部の丸み付け又は斜角付けは、ピーク電界値がゲート誘電体層内で起こる場所を内方に移動させるように働く。この現象は、有利には、その場所をソース領域から遠く離れて(away)移動させるため、誘電体絶縁破壊によるゲート誘電体層に対するいずれの損傷も、ゲート電極とソース領域との間の短絡をもたらす可能性が小さい。そのため、これらの理由の全ての理由で、本発明の実施例による半導体デバイスは、同じ動作条件下で動作した匹敵する従来のデバイスより長い寿命を示すと予想される。
【0068】
デバイスのチャネル領域の上に載るMOSFET(又はMISFET)のゲート誘電体層の部分の厚さは、最適デバイス動作を保証するために一定(すなわち、5%未満の変動)であるべきである。そのため、ソース領域の上に載るゲート誘電体層の厚さを増加することが望ましいが、チャネル領域の上にあるゲート電極の部分が誘電体材料に変換されないことも重要であり得る。幸運にも、ゲート電極の下側表面の外側周辺部は急速に酸化(及び/又は窒化)することができるが、このプロセスは、ゲート誘電体層の側壁からの距離が増加することに伴ってかなり緩徐化する。その結果、チャネル領域の上にあるゲート電極の下側表面の外側周辺部の部分を誘電体材料に変換せずに、ソース領域の上にあるゲート電極の下側表面の外側周辺部の部分を誘電体材料に変換することが可能である。
【0069】
幾つかの実施例において、ゲート誘電体層の上側周辺部の厚さを増加させるように働くだけでなく、半導体層構造とゲート誘電体層との間の窒化物界面層を形成することもできる窒化アニールが使用されることができる。この界面層は、デバイスが導通しているときにMOSFETのオン状態抵抗を低減することができる。
【0070】
本発明の幾つかの実施例によれば、半導体デバイスが提供され、半導体デバイスは、炭化シリコンを含む半導体層構造と、半導体層構造上のゲート誘電体層と、半導体層構造に対向するゲート誘電体層上のゲート電極とを含む。幾つかの実施例において、ゲート電極の下にあるゲート誘電体層の部分の周辺部は、ゲート誘電体層の中心部分より肉厚であり、ゲート電極の下側表面は、丸い及び/又は斜角の外側縁部等の窪んだ外側縁部を有する。他の実施例において、デバイスは、オン状態動作中に、ゲート誘電体層内のピーク電界の場所が、ゲート電極の下で且つゲート電極の側壁から内方に離間するように構成されることができる。さらに他の実施例において、デバイスは、オン状態動作中に、ゲート誘電体層内のピーク電界値が、ゲート電極の中心の直下のゲート誘電体層の上側表面における電界の値の5%、8%、10%、12%、又は15%以内になるように構成されることができる。
【0071】
本発明のさらなる実施例によれば、半導体デバイスを形成する方法が提供され、その方法において、炭化シリコンを含む半導体層構造が形成され、半導体層構造は、第1の導電型を有するドリフト層、ドリフト層の上側部分内の、第1の導電型と逆の第2の導電型を有するウェルであって、内部にチャネル領域を有する、ウェル、及びウェル内の第1の導電型を有するソース領域を含む。ゲート誘電体層は半導体層構造上に形成される。シリコン・ゲート電極は、半導体層構造に対向するゲート誘電体層上に形成される。半導体層構造、ゲート誘電体層、及びゲート電極は、その後、窒素雰囲気内でアニール処理されて、ゲート電極の下側表面の中心部分を窒化シリコンに変換せずに、ゲート電極の下側表面の外側周辺部を窒化シリコンに変換する。アニール処理ステップは、付加的に又は代替的に、ゲート電極の少なくとも底部縁部を、ゲート誘電体層の一部になる誘電体材料に変換することができるために、ゲート電極の下にあるゲート誘電体層の部分の周辺部の上側縁部は、ゲート誘電体層の中心部分より肉厚であり、一方、ゲート誘電体層の底部表面は実質的に平坦のままである。
【0072】
上記で説明したプロセスは、一部の従来のシリコンデバイスにおいて実施された酸化アニールと比較して、幾つかの重要な差を含む。特に、シリコンデバイスにおいて、シリコン半導体層構造は、非常に容易に酸化して、酸化シリコンを形成し、したがって、アニール中に、ゲート酸化物層は、ソース領域内に成長するように、上方にだけでなく下方にも成長する。これは、アニール処理ステップで使用されることができるプロセス条件を制限する場合があり、基本的に異なる形状を有するゲート誘電体層をもたらす。さらに、ウェル及びソース領域を形成するために使用されるドーパント等のドーパントは容易にシリコン内で拡散し、したがって、半導体層構造内のドーパントの望ましくない拡散を防止するために、より低いアニール処理温度が使用されなければならない。対照的に、ドーパントは、炭化シリコン内で容易に移動しないため、より積極的なアニール処理条件が使用される場合がある。さらに、シリコンデバイスにおいて、窒化シリコン誘電体層が不十分なチャネル特性を有するために酸化アニールが使用されなければならず、そのような理由で、最新のシリコンMISFETデバイスは酸化シリコン・ゲート誘電体層を使用する。本発明の実施例による技法において、窒化アニールが、所望される場合、使用されることができる。
【0073】
本発明の実施例による半導体デバイスは、ここで、
図3~
図12Cを参照してより詳細に説明される。
【0074】
図3は、従来の炭化シリコン縦型パワーMOSFET200のユニット・セルの概略断面図である。
図3に示すように、従来のMOSFET200は、高濃度にドープされた(n+)n型炭化シリコン半導体基板210を使用して形成される。低濃度にドープされた(n-)n型炭化シリコン・ドリフト層220は基板210上に設けられる。n型炭化シリコン・ドリフト層220の上側部分は、pウェル230を形成するためにドープp型とすることができる。高濃度にドープされた(n+)n型炭化シリコン・ソース領域240は、pウェル230の上側部分内に形成される。ドリフト層220及び基板210は共に、デバイス200用の共通ドレイン領域として働く。n型炭化シリコン基板210、n型炭化シリコン・ドリフト層220、pウェル230、及びpウェル230内に形成されたn型ソース領域240は共に、デバイス200の半導体層構造250を構成する。
【0075】
ゲート誘電体層260は、半導体層構造250の上側表面上に形成される。ゲート誘電体層260は、典型的には酸化シリコン(SiO2)層を備える。ゲート電極270は、半導体層構造250に対向するゲート誘電体層260上に形成される。誘電体分離パターン280はゲート電極270上に形成され、ソース金属被覆290は、誘電体分離パターン280及び露出したソース領域240上に形成される。ドレイン接点(図示せず)は、基板210の下側表面上に設けられる。
【0076】
図4は、本発明の実施例によるMOSFET300のユニット・セルの概略断面図である。
【0077】
図4に示すように、MOSFET300は、n型炭化シリコン半導体基板310を含む。基板310は、例えば、n型不純物を高濃度にドープされている単結晶4H炭化シリコン半導体基板(すなわち、n+炭化シリコン基板)を備えることができる。低濃度にドープされた(n-)n型炭化シリコン・ドリフト層320は基板310上に設けられる。n型炭化シリコン・ドリフト層320の上側部分は、例えば、炭化シリコンpウェル330を形成するためにイオン注入によるドープp型とすることができる。高濃度にドープされた(n+)n型炭化シリコン領域340は、炭化シリコンpウェル330の上側部分内に形成することができる。n型領域340はイオン注入によって形成することができる。高濃度にドープされた(n+)n型炭化シリコン領域340は、デバイス300用のソース領域として働く。ドリフト層320及び基板310は共に、デバイス300用の共通ドレイン領域として働く。n型基板310、n型ドリフト層320、pウェル330、及びpウェル330内に形成されたn型ソース領域340は共に、デバイス300の半導体層構造350を構成する。
【0078】
ゲート誘電体層360は、半導体層構造350の上側表面上に形成することができる。ゲート誘電体層360は、下の半導体より約2eV大きいバンドギャップを有する任意の安定な誘電体とすることができる。ゲート誘電体層360は、多層材料スタック或いは単一誘電体化合物又は合金とすることができる。ゲート誘電体層360は、例えば、二酸化シリコン(SiO
2)層を含むことができるが、SiO
xN
y、Si
xN
y、Al
2O
3、及び/又は酸化ハフニウム等のhigh-K誘電体、及び同様なもの等の他の絶縁材料が使用されることができる。ゲート電極370は、半導体層構造350に対向するゲート誘電体層360上に形成される。ゲート電極370は、例えば、シリサイド、ドープ多結晶シリコン(ポリシリコン)、及び/又は安定導体を含むことができる。チャネル領域332は、ソース領域340と、ゲート誘電体層360の直下にあるドリフト層320の部分との間のpウェル330の上側部分内に設けられる。
図4に示すように、ゲート誘電体層360はゲート電極370を囲む。さらに、ゲート電極370の側壁の下側縁部は、丸いため、ゲート誘電体層360は、ゲート電極370の下側表面の周辺部の下でより肉厚である。
【0079】
誘電体分離パターン380は、ゲート電極380上に形成され、ソース金属被覆390は、誘電体分離パターン380上で且つ露出したソース領域340上に形成される。ドレイン接点(図示せず)は、ドリフト層320に対向する基板310の下側表面上に設けることができる。
【0080】
図4に示すように、ゲート電極370の下にあるゲート誘電体層360の部分の周辺部(すなわち、ゲート電極の丸い下側角の下の部分)は、ゲート誘電体層360の中心部分より肉厚である。ゲート誘電体層のより肉厚の部分は、ソース領域340の上に載ることができるため、ソース領域340の上に載るゲート誘電体層360の部分は、チャネル領域332の上に載るゲート誘電体層360の部分より肉厚である。チャネル領域332の上に載るゲート誘電体層360の部分は一定厚を有することができる。さらに、ゲート誘電体層360の下側表面は、炭化シリコンの低い酸化特性のために、幾つかの実施例において、実質的に平坦とすることができる。さらに、ゲート電極の下側表面は窪んだ(ここでは、丸い)外側縁部を有する。
【0081】
図4の半導体層構造350は、単に例であり、半導体層構造350の他の構成が、本明細書で説明する実施例から逸脱することなく、使用されることができる。例えば、本明細書で説明する実施例は、2、3例を挙げると、MOSFET、MISFET、又はIGBTデバイス等の金属酸化物及び/又は金属絶縁体界面を利用するゲート電極によって制御される半導体層構造350を含む、ゲート制御式である半導体デバイスにおいて利用することができる。そのため、半導体層構造350が、本明細書で説明する実施例から逸脱することなく、複数の他の形態をとることができることが理解されるであろう。
【0082】
上記説明が、n型MOSFETについてのものであることが認識されるであろう。p型デバイスにおいて、ソース接点及びドレイン接点の場所が逆にされることができ、他のn型及びp型領域の導電型が交換されることができる。したがって、ソース領域340は、「ソース/ドレイン領域(source/drain region)」340と呼ばれることができる。
【0083】
上記で論じたように、本発明の実施例によれば、酸化及び/又は窒化アニールは、デバイス作製中に実施することができ、シリコン・ゲート電極の部分を誘電体材料に変換するために使用される。
図4の実施例において、この酸化/窒化アニールは、ゲート電極370及びゲート誘電体層360が形成された後であるが、誘電体分離パターン380の形成前に実施される。
【0084】
図5A~
図5Dは、
図4のMOSFET300を作製するための方法を示す概略断面図である。
【0085】
図5Aを参照すると、半導体層構造350が形成されることができる。例えば、高濃度にドープされた(n+)n型炭化シリコン基板310が設けられ、低濃度にドープされた(n-)n型炭化シリコン・ドリフト層320は、エピタキシャル成長によって基板310上に形成される。図示しないが、幾つかの実施例において、ドリフト層320の上側部分を構成するn型炭化シリコン電流拡散層が形成されることができる。炭化シリコンpウェル330は、例えば、イオン注入によって、ドリフト層320の上側部分内に形成される。高濃度にドープされた(n+)n型炭化シリコン・ソース/ドレイン領域340は、その後、例えば、イオン注入によって、pウェル330の上側部分内に形成される。ゲート誘電体層(図示せず)及びゲート電極層(図示せず)は、その後、半導体層構造350の上側表面上に順次形成される。ゲート誘電体層及びゲート電極層は、その後、パターニングされ、エッチングされて、初期ゲート誘電体層361及び初期ゲート電極371を形成する。構造全体は、その後、酸素及び/又は窒素を含む雰囲気内でアニールされる。
【0086】
シリコンベース・ゲート電極の場合、アニールは、緩徐酸化の場合、例えば、750℃~850℃のアニール・チャンバ温度で実施することができ、アニールの継続時間は、例えば、5分~5時間とすることができる。他の例の実施例において、アニール・チャンバ温度は、より高い(例えば、850~950℃)とすることができ、アニール継続時間は、(例えば、1~60分の間に)短縮することができ、それは、より速い酸化及び/又はより肉厚の酸化物領域を提供することができる。酸化又は反応物圧力が1気圧未満である場合、上記で挙げたアニール時間は増加されることができる。より低い圧力(例えば、1気圧未満)におけるより長いアニールは、起こる酸化の量についてのより精密な制御を提供することができる。
【0087】
図5Bを参照すると、アニールは、初期ゲート電極371の部分を、酸化シリコン、窒化シリコン、又は酸窒化シリコン等の誘電体材料に変換する。そのため、アニールは、初期ゲート誘電体層361をゲート誘電体層360に、初期ゲート電極371をゲート電極370に変換する。特に、初期ゲート電極371の部分の酸化は、初期ゲート誘電体層361(ここでは、酸化シリコン層である)が、ゲート誘電体層360内に効果的に成長又は増大するように効果的にさせる。特に、炭化シリコンは、シリコンと比較して、非常に低い酸化レートを有する。そのため、
図5Bに示すように、シリコン初期ゲート電極371は、炭化シリコン半導体層構造350の露出表面が酸化するよりずっと速く酸化することになる。初期ゲート電極371の制限された酸化のみが所望されるため、正味の結果は、アニール中に、炭化シリコン半導体層構造350の露出した上側表面が、
図5Bに示すように、効果的に全く酸化されないということである。
図5Bに見ることができるように、初期ゲート電極371の露出領域は、初期ゲート電極371の上部表面及びその側壁の交差部が酸化するように酸化し、それにより、結果得られるゲート電極370の上部表面及び側壁にわたって誘電体を形成する。同様に、初期ゲート電極371の底部表面及びその側壁の交差部は丸くなる。初期ゲート誘電体層361と共に酸化する初期ゲート電極371の下側部分は、結果得られるゲート誘電体層360を形成する。
図5Bに見ることができるように、ソース領域340の上に載るゲート誘電体層360の部分は、特に、外側周辺部において厚肉化され、それは、
図3を参照して上記で論じた従来のMOSFET200と比較して、MOSFET300の絶縁破壊性能を劇的に改善することができる(上記議論参照)。さらに、MOSFET300のチャネル332が形成される場所である、p型ウェル330の上に載るゲート誘電体層360の部分は、一定厚のままである。その理由は、酸化が、ゲート電極370の下でそれほど遠くまで延在しないからである。ゲート誘電体層360が、各チャネル332にわたって比較的一定の厚さを有することを保証することは、MOSFET300の性能が低下しないことを保証することができる。
【0088】
上記議論は、酸化アニールがゲート電極370の側壁及び底部表面の交差部を丸くするために使用されたと仮定したが、本発明の実施例がそれに限定されないことが認識されるであろう。他の実施例において、窒化アニールは、酸化アニールの代わりに又はそれに加えて実施することができる、又は、アニールは、混合された酸素及び窒素を含む環境において実施することができる。本発明の例の実施例において、アニールは、以下の環境:空気、O2、希釈O2、オゾン(O3)、水分(H2O)、N2、NH3、N2O、又はNOのうちの任意の環境で実施することができる。アニールが、酸素を含むが、窒素を含まない環境で実施される場合、シリコン・ゲート電極370の露出表面は、酸化シリコン(SiO2)に変換されることになる。アニールが、窒素を含むが、酸素を含まない環境で実施される場合、シリコン・ゲート電極370の露出表面は、窒化シリコンに変換されることになる。アニールが、酸素と窒素の両方を含む環境で実施される場合、シリコン・ゲート電極370の露出表面は、酸化シリコン/窒化シリコン混合物に変換されることになる。
【0089】
図5Cを参照すると、例えば、多層又は単層誘電体層を備えることができる誘電体分離層(図示せず)が形成される。例の実施例において、誘電体分離層は、酸化シリコン及びリン・ケイ酸ガラスを含む多層構造を備えることができる。誘電体分離層は、その後、ソース領域を露出させるためにパターニングされて、
図5Cに示す誘電体分離パターン380を形成する。最後に、ソース金属被覆390は、その後、
図5Dに示すように、誘電体分離パターンを覆い、ソース領域340に接触するために形成されて、MOSFET300を提供する。
【0090】
図6Aは、
図4のMOSFET300の修正バージョンである、本発明の実施例によるMOSFET300’の概略断面図である。MOSFET300と300’との差は、より積極的な酸化及び/又は窒化アニールが、MOSFET300’の作製中に実施されることであり、アニールが、より高い温度で、より長い継続時間の間、及び/又はより多くの酸素/窒素を含む環境で実施されるため、初期ゲート電極371の大部分が誘電体材料に変換されることを意味する。より積極的なアニール(ここでは、アニールが酸化アニールであると仮定することになる)が実施されると、初期ゲート電極371の上側表面は、より多くの酸化が起こる縁部を除いて、均一に酸化する傾向がある。初期ゲート電極371の下側表面は露出しないため、酸化の程度は、初期ゲート電極371の側壁からの距離の増加と共に減少し、ゲート電極370’であって、その下側周辺部の周りに斜角の形態で窪みを有する(すなわち、下側表面は斜角の外側縁部を有する)、ゲート電極370’及びゲート誘電体層360’をもたらす。
【0091】
幾つかの実施例において、ゲート誘電体層360’の中心部分の下側表面は、半導体層構造350の底部表面に平行である第1の平面P1を規定し、ゲート誘電体層360’の中心部分の上側表面は、半導体層構造350の底部表面に平行である第2の平面P2を規定する。第1の平面P1と、ゲート電極370’の下にあるゲート誘電体層360’の部分の周辺部の下側表面との間の第1の距離(炭化シリコン半導体層構造350の酸化が実質的に存在しないため、
図6Aにおいて見えない)は、第2の平面P2と、ゲート電極370’の下にあるゲート誘電体層360’の部分の周辺部の上側表面との間の第2の距離D2の半分未満である。
【0092】
図6AのMOSFET300’は単一斜角を含むが、
図6Bであって、MOSFETの
図6Aに含まれるコールアウトと同様のコールアウトであり、そのような複数の斜角を含む、
図6Bに示すように、その下側表面の周辺部に複数の斜角を有するゲート電極370’’が、他の実施例において設けられることができることが認識されるであろう。
【0093】
上記で論じたように、幾つかの実施例において、アニールは窒素雰囲気内で実施することができる。初期ゲート電極371がシリコン・ゲート電極であり、初期ゲート誘電体層361が酸化シリコン層である場合、窒素雰囲気内でのアニールは、2つの異なる材料を含む最終的なゲート誘電体層360Aを形成することになる。特に、
図6Aに含まれるコールアウトと同様のコールアウトである
図6Cに示すように、窒素アニールは、初期ゲート電極371の上側表面、側壁、及び周辺部を窒化シリコン層363に変換する。そのため、そのような実施例における最終的なゲート誘電体層360Aは酸化シリコン層362及び窒化シリコン層363を含む。窒化シリコン層363は、ゲート電極370’と酸化シリコン層362との間に位置する。窒化シリコン層363は、ゲート電極370’の下にあるゲート誘電体層360Aの部分の周辺部の最も上の部分を含む。
【0094】
図7A及び
図7Bは、それぞれ、
図3及び
図6AのMOSFET200及び300’の拡大断面図であり、両者のゲート誘電体層260、360’内の電界強度を示す。
図7A及び
図7Bにおいて、異なる塗りつぶしパターンは、ゲート誘電体層内の異なる電界強度を示し、凡例は、図に含まれる異なるシェーディングの相対値を示す。
【0095】
図7Aに示すように、従来のMOSFET200のゲート誘電体層260内の電界強度は、第1のレベルにおいて比較的一定であるが、上側外側角においてずっと高い(ピーク電界が起こる場所は
図7Aにおいて丸で囲まれる)。このピーク電界値は、例えば、ゲート誘電体層260の残りの部分全体を通した電界値より少なくとも20%高いとすることができる。
図7Aにおいて同様に見ることができるように、ピーク電界値が起こる場所は、ソース領域240の上であり、したがって、絶縁破壊が起こり始めると、ゲート電極270とソース領域240との間の短絡を急速にもたらす場合がある。
【0096】
図7Bに示すように、MOSFET300’のゲート電極370’の斜角下側縁部は、MOSFET200のゲート誘電体層260と比較して、ゲート誘電体層360’内の電界分布を劇的に変化させる。特に、ピーク電界強度の場所は、ゲート電極の側壁から内方に(すなわち、ゲート誘電体層360’の中心に向かって)離間し、ピーク電界値は減少する。幾つかの実施例において、ピーク電界値が起こるゲート誘電体層360内の場所は、ゲート電極の側壁から内方に、少なくとも0.05ミクロン、少なくとも0.1ミクロン、少なくとも0.2ミクロン、又は少なくとも0.4ミクロンだけ離間することができる。幾つかの実施例において、オン状態動作中に、ゲート誘電体層内のピーク電界値は、
図7Bに示すように、チャネル領域332の外側側壁(すなわち、ソース領域340に最も近い側壁)の上に実質的に位置することができる(ピーク電界が起こる場所は
図7Bにおいても丸で囲まれる)。
【0097】
さらに、ゲート電極370’とソース領域340との間の領域内のゲート誘電体層360’の厚さは、初期ゲート電極371の下側表面の一部のアニールによる誘電体材料への変換によって増加する。ゲート誘電体層360’の厚さの増加は、絶縁破壊までの時間を増加させることができる。その理由は、ゲート電極370’とソース領域340との間で短絡が形成される前に、大量の誘電体材料が劣化しなければならないからである。さらに、ピーク電界値がソース領域340とチャネル領域332との間の界面のほぼ上になるように、ピーク電界値が起こる場所を移動させることは、特に、ソース領域340の上にあるゲート誘電体層360’において電界が低いとすることができるため、絶縁破壊までの時間を延長することができる。所与のゲート電圧についてのゲート誘電体層360’で発生するピーク電界値の低減は、絶縁破壊までの時間を増加させるようにも働く。最後に、ゲート電極370’に隣接する誘電体分離パターンの部分内の電界値も低減され、考えられる別の絶縁破壊メカニズムを軽減する。そのため、
図6AのMOSFET300’は、
図3の従来のMOSFET200に比べて、ゲート誘電体絶縁破壊の点で著しく長い寿命を有することができる。
【0098】
図8は、
図7A及び
図7BのMOSFETのゲート誘電体層内の電界強度を示すグラフであり、電界強度は
図7A及び
図7Bのライン8-8に沿って測定される。
図8は、
図7A及び
図7Bを参照して上記で論じた効果をより明確に示す。特に、
図8の実線曲線で示すように、
図3の従来のMOSFET200のゲート誘電体層内の電界強度は約4MV/cmであるが、ゲート電極270の縁部の下で(すなわち、ゲート誘電体層260の上側縁部で)、電界強度は、5MV/cmを超えるまで急上昇する。ゲート誘電体層に当接する誘電体分離パターン380内の電界強度は、実線曲線の右側に示すように、このピークから非常に低いレベルに急速に落ちる。
【0099】
対照的に、
図8の破線曲線は、本発明の実施例によるMOSFET300’のゲート誘電体層内の電界強度がやはり約4MV/cmであることを示す。実線曲線と同様に、破線曲線は、電界強度の急上昇を含み、その急上昇は、その後、急速に減少するが、破線曲線において、急上昇はずっと小さく(約4.2MV/cmまで)、ゲート電極370’の縁部からもっと下に位置する。これらの差は、MOSFET200と比較して、MOSFET300’についての改善された絶縁破壊性能をもたらす。
【0100】
そのため、
図8に示すように、本発明の実施例による半導体デバイスは、オン状態動作中に、ゲート誘電体層360内のピーク電界値が、ゲート電極370の下側表面の中心部分の下のゲート誘電体層360の上側表面における電界の値の5%、8%、10%、12%、又は15%以内になるように構成されることができる。ゲート電極370の下側表面の中心部分は、オン状態動作中に、実質的に一定の電界値を有する。
【0101】
上記で論じたように、幾つかの実施例において、本発明の実施例によるアニールは、窒素を含む環境で実施することができる。このアニール中に形成される窒化シリコン層は、ゲート誘電体層360、360’とチャネル領域332との間の界面において電子的にアクティブな界面状態を排除するために使用することができるパッシベーション層として働くことができる。窒素は、酸化を強化することもでき、したがって、ゲート電極の中心部分の下(チャネル332の上に載るゲート電極370、370’の部分を含む)に酸化を引き起こすことなく、ゲート電極370、370’の周辺部の下でより高い酸化レートを提供することができる。そのため、アニールにおいて窒素を含むことによって、ゲート誘電体層360、360’の特性は、改善することができ、窒素がゲート電極の下に幅広く延在しないため、デバイスのJFET領域の上に窒素があるときに起こる可能性がある種々の悪影響が回避されることができる。
【0102】
図9A~
図9Dは、本発明のさらなる実施例による、MOSFET400を作製するための方法を示す概略断面図である。
【0103】
図9Aを参照すると、例えば、
図5Aに示す、半導体層構造350、初期ゲート誘電体層361、及び初期ゲート電極パターン371を形成する上記で説明した同じステップを使用して、半導体層構造450、初期ゲート誘電体層461、及び初期ゲート電極パターン471が形成される。次に、
図9Bを参照すると、誘電体分離層(図示せず)は、半導体層構造450の上側表面、初期ゲート誘電体層461、及び初期ゲート電極471を覆うために形成される。誘電体分離層は、その後、パターニングされて、例えば、
図5Cを参照して上記で論じた誘電体分離パターン380と同一とすることができる誘電体分離パターン480を提供する。
【0104】
図9Cを参照すると、
図9Bの構造は、その後、酸素及び/又は窒素を含む雰囲気内でアニールされる。アニールは、例えば、
図5Aを参照して上記で論じた条件下にあるとすることができる。アニールは、初期ゲート電極471の部分を、酸化シリコン、窒化シリコン、又は酸窒化シリコン等の誘電体材料に変換する。
【0105】
図9A~
図9Dに示す例の場合、アニールが酸素環境内で実施されるため、誘電体材料に変換される初期ゲート電極471の部分が、酸化シリコンに変換され、したがって、初期ゲート電極471の部分の酸化によって、初期ゲート電極471が、ゲート電極470になるためにサイズが収縮する間、初期ゲート誘電体層461(ここでは、酸化シリコン層である)がゲート誘電体層460になるように効果的に成長又は増大することが仮定される。
図9Cに示すように、初期ゲート電極471の上側表面及び側壁は、初期ゲート電極471の下側角/側壁が酸化されるように、アニール中に酸化され、それが、丸いプロファイルを有する側壁を有するゲート電極470をもたらす。
【0106】
最後に、
図9Dに示すように、ソース金属被覆490は、その後、誘電体分離パターン480を覆い、ソース領域440に接触するために形成することができる。
【0107】
誘電体分離パターン480を形成した後に酸化/窒化アニールを実施することによって、アニールは、誘電体分離パターン480の誘電体材料を高密度化するために働くことができる。これは、誘電体分離パターン480を通して誘電体絶縁破壊経路が形成する可能性を低減するのに役立つことができる。さらに、誘電体分離パターン480の存在は、シリコン初期ゲート電極471の酸化及び/又は窒化レートを緩徐化し、それは、より精密なプロセス制御を可能にする。これは、チャネル領域の上に載る初期ゲート電極471の下側表面の部分を誘電体材料に変換することを回避しながら、ソース領域440の上に載る初期ゲート電極471の下側表面の部分を誘電体材料により繰り返して変換することを可能にすることができる。
【0108】
図10A~
図10Cは、本発明のなおさらなる実施例による、MOSFET500を作製するための方法を示す概略断面図である。
【0109】
図10Aを参照すると、半導体層構造550は、例えば、
図8Aに示す半導体層構造350を形成する、上記で説明した同じステップを使用して形成される。ゲート誘電体層(図示せず)及びゲート電極層(図示せず)は、その後、半導体層構造550の上側表面上に順次形成される。ここでは、ゲート電極層は、
図5A~
図5D及び
図9A~
図9Dを参照して上記で論じた実施例において形成されるゲート電極層と比較して、ずっと肉厚(例えば、少なくとも2~3倍以上肉厚)になるように形成される。ゲート誘電体層及びゲート電極層は、その後、パターニングされ、エッチングされて、初期ゲート誘電体層561及び初期ゲート電極571を形成する。構造全体は、その後、酸素及び/又は窒素を含む雰囲気内でアニールされる。アニールは、
図5Aを参照して上記で説明したアニールと比較して、より長い期間の間及び/又はより高い温度で実施することができる。
【0110】
図10Bに示すように、アニールは、多量の初期ゲート電極571を、酸化シリコン、窒化シリコン、及び/又は酸窒化シリコン等の誘電体材料に変換する。
図10A~
図10Cに示す例の場合、アニールが酸素環境内で実施されるため、誘電体材料に変換される初期ゲート電極571の部分が、酸化シリコンに変換され、したがって、初期ゲート電極571の部分の酸化によって、初期ゲート誘電体層561(ここでは、酸化シリコン層である)が
図10Bに示すゲート誘電体層を提供するために効果的に成長又は増大し、初期ゲート電極571が、ゲート電極570を形成するためにサイズが相応して低減されることが仮定される。初期ゲート電極571の大部分が酸化シリコンに変換されるため、別個の誘電体分離パターンは省略することができる。
図10Cを参照すると、ソース金属被覆590は、その後、MOSFET500を提供するために、ゲート誘電体層560を覆うために形成することができる。
【0111】
図10A~
図10Cのアプローチの1つの利点は、初期ゲート電極571に対して実施される延長されたアニールが、ゲート電極570の上部及び側部表面上に肉厚で高密度の誘電体パターンの形成をもたらすことができることである。その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる2019年5月16日に出願された特許文献1において論じられるように、湿式エッチャント又は他の腐食性材料は、特に、ソース金属被覆の上側表面に鍵穴又は他の欠陥が存在する場合、ソース金属被覆を通して粒界に沿って移動することができる。ソース金属被覆が拡散バリア層を含む場合でも、湿式エッチャントが、拡散バリア層内のボイド又は通路を通して染み出し、誘電体分離パターンを攻撃することが、時として可能である。誘電体分離パターンの厚さが不十分である場合、誘電体分離パターンの部分は、湿式エッチャントによって完全に溶解することができ、ソース金属被覆はゲート電極に対して短絡することができ、それがデバイス故障をもたらす。
【0112】
本明細書の図に示すように、誘電体分離パターンは、典型的には、後続の高温プロセス中に誘電体分離パターンのリフローによって生じる丸い角又はさらに完全に丸い上部表面を有する。結果として、従来のデバイスにおいて誘電体分離パターンが最小厚を有する場所(すなわち、最小量の誘電体分離パターンがゲート電極をソース金属被覆から分離する場所)は、典型的には、ゲート電極の上側角及び側壁に隣接する。しかしながら、
図10A~
図10Cに関して上記で論じた技法が使用されるとき、アニールによってゲート電極の側壁及び上側表面上に形成された誘電体分離パターンは、丸くない角及び側壁を有することができ、それにより、誘電体分離パターンの最小厚を増加させる。さらに、初期ゲート電極の上側表面及び側壁の交差部は、例えば、上側表面及び側壁の残りの部分と比較して(これらの交差部において、初期ゲート電極が2つの側面から酸化されるため)より急速に誘電体材料に変換することになるため、ゲート電極570において、上側表面及び側壁の交差部は丸くなり、それが、誘電体分離パターンの最小厚を増加させる。結果として、誘電体分離パターンの全体厚さは低減することができる。これは、集積度の増大を可能にすることができる。その理由は、隣接する誘電体分離パターン間の領域の幅が、最小ボイドを有するこれらの領域をソース金属被覆が埋めることを保証するために、ユニット・セルをどれだけ高密度に形成することができるかをしばしば決定するからである。
【0113】
図11A及び
図11Bは、本発明のさらなる実施例による、MOSFET600の作製を説明する概略断面図であり、MOSFET600は、その半導体層構造内のトレンチ内に形成されるゲート電極を有する。ゲート・トレンチを有するそのようなMOSFETは、U形状MOSFET(UMOSFET)デバイスと一般に呼ばれる。
【0114】
図11Aに示すように、MOSFET600は、半導体層構造650を含み、半導体層構造650は、高濃度にドープされたn型炭化シリコン半導体基板610、低濃度にドープされた(n-)n型炭化シリコン・ドリフト層620、炭化シリコンp型ウェル630、及び高濃度にドープされた(n+)n型炭化シリコン・ソース領域640を含む。トレンチ622はドリフト層620内に形成され、初期ゲート誘電体層661は、トレンチ622の底部表面及び側壁上に形成される。幾つかの実施例において、トレンチ622の底部表面は、ウェル630及び/又はソース領域640の底部表面の下でドリフト層620内に延在することができる。初期ゲート電極671は、トレンチ622内の初期ゲート誘電体層661上に形成される。
【0115】
基板610、ドリフト層620、ウェル630、及びソース領域640は、2つの例外を除いて、
図4のMOSFET300の対応する領域/層と同一とすることができる。第1に、上記で説明したように、トレンチ622はドリフト層620の上側表面に形成される。第2に、p型シールド領域636はドリフト層620内に形成される。シールド領域636は、逆遮断動作中に高電界から最終ゲート誘電体層660(
図11B)の角を保護するのに役立つことができる。そのため、基板610、ドリフト層620、ウェル630、及びソース領域640のさらなる議論は省略される。
【0116】
酸化及び/又は窒化アニールは、その後、
図11Aのデバイスに対して実施される。
図11A~
図11Bを参照して説明する特定の実施例において、このアニールは、誘電体分離パターンの形成前に実施されるが、他の実施例において、誘電体分離パターンがアニールの前に実施することができることが認識されるであろう。
図11Bに示すように、アニールは、初期ゲート電極671の上側部分を誘電体材料に変換するように働く。正味の効果は、初期ゲート誘電体層661の上側角が、
図11Bに示すゲート誘電体層660を提供するためにアニールによって肉厚化され、初期ゲート電極671が、ゲート電極670を提供するためにサイズが相応して低減されることである。ゲート電極670の形状を変更するとともに、ゲート誘電体層660の部分の厚さを増加させるための、初期ゲート電極671の一部の誘電体材料への変換は、ゲート誘電体層660の上側角における電界に関して、上記で論じた他の実施例と同じ有益な効果を有する。特に、ピーク電界値の場所はゲート電極の角から遠くに移動する、ゲート電極の上部に隣接するピーク電界値は減少する、ゲート電極の上部に隣接するゲート誘電体層は肉厚化される。
【0117】
図12A~
図12Cは、本発明のさらなる実施例による、窒化ガリウム・ベース高電子移動度トランジスタ(「HEMT」)700を概略的に示す。特に、
図12Aは、HEMT700のゲート接点、ソース接点、及びドレイン接点(すなわち、半導体層構造の上側表面に接触するゲート、ソース、及びドレイン金属被覆の部分)の概略平面図である。
図12Bは、
図12Aのライン12B-12Bに沿って切り取った断面図である。
図12Cは、ゲート、ソース、及びドレイン接点の露出した外側表面を誘電体材料に変換するために本発明の実施例によるアニールが実施された後の、
図12Bの上側右部分の拡大図である。
【0118】
最初に
図12Bを参照すると、HEMT700は基板710を含み、基板710は、例えば、4H又は6H炭化シリコン基板とすることができる。チャネル層720は基板710上にあり、バリア層730はチャネル層720上にあるため、チャネル層720は、基板710とバリア層730との間にある。チャネル層720及びバリア層730は、第III族窒化物ベース材料を含むことができ、バリア層730の材料はチャネル層720の材料より大きいバンドギャップを有する。例えば、チャネル層720は窒化ガリウム(「GaN」)を含むことができ、一方、バリア層730は窒化アルミニウム・ガリウム(「AlGaN」)を含むことができる。チャネル層720及び/又はバリア層730は、幾つかの実施例において、多層構造を備えることができ、さらなる層(図示せず)は、半導体層構造750内に含むことができる。
【0119】
ソース接点705及びドレイン接点725は、バリア層730上に設けられる。ゲート接点715は、隣接するソース及びドレイン接点705、725の間のバリア層730上に設けられる。ゲート接点715は、例えば、Ni、Pt、Cu、Pd、Cr、及び/又はWを含むことができる。ソース接点705及びドレイン接点725は、GaNに対する抵抗接点を形成することができるTiAlN等の金属を含むことができる。
【0120】
バリア層730とチャネル層720との間のバンドギャップの差及びバリア層730とチャネル層720との間の界面における圧電効果によって、適切なバイアス電圧がゲート、ソース、及びドレイン接点715、705、725に印加されると、2次元電子ガス(2DEG:two dimensional electron gas)が、チャネル層720とバリア層730との間の接合部においてチャネル層720内に誘起される。2DEGは、ソース領域がソース接点705下のバリア層730の部分であり、ドレイン領域がドレイン接点725下のバリア層730の部分であるデバイスのソース領域とドレイン領域との間の伝導を可能にする高伝導層として働く。
【0121】
図12Aを参照すると、HEMT700は、ゲート接点に接続されるゲート・バス712及びドレイン接点725に接続されるドレイン・バス722をさらに含む。ソース・バス(図示せず)は、ソース接点705に接続される。1つの個々のユニット・セル・トランジスタ740は、
図12Aにおいて破線ボックスで示され、隣接するソース及びドレイン接点705、725との間に延在するゲート接点715を含む。
【0122】
アニールは、酸素及び/又は窒素を含む環境で
図12A~
図12Bの構造に対して実施されて、
図12Cに示すように、ゲート、ソース、及びドレイン接点715、705、725の露出した外側表面を誘電体材料に変換することができる。
図12Cに示すように、各ゲート、ソース、及びドレイン接点715、705、725の上部表面と側壁との間の界面は、このアニールによって著しく丸くすることができ、各ゲート、ソース、及びドレイン接点715、705、725の底部表面と側壁との間の界面は、アニールによって、程度は小さいが丸くすることもできる。例えば、ゲート接点の下側角のこの丸み付けは、バリア層730の上側表面の電界を低減することができる。窒化ガリウム・ベース材料等の多くの半導体材料は、酸化物が経験するのと同様に絶縁破棄を経験することができる。そのため、本発明の技法は、広範囲の半導体デバイスに利益をもたらすことができる。
【0123】
図13A~
図13Eは、本発明のさらなる実施例による、MOSFET500を作製するための方法を示す概略断面図である。
【0124】
図13Aを参照すると、半導体層構造550が形成され、半導体層構造550は、例えば、高濃度にドープされたn型炭化シリコン基板510、基板510の上部に形成される低濃度にドープされた炭化シリコン・ドリフト層520、ドリフト層520の上側部分に形成される炭化シリコンpウェル530、及びpウェル530の上側中心部分に形成される高濃度にドープされたn型炭化シリコン・ソース領域540を含む。ソース領域540の上側領域は、高用量で浅いインプラントを注入されて、各ソース領域540の上側部分内に非常に高濃度にドープされた炭化シリコン領域542を形成する。非常に高濃度にドープされた炭化シリコン領域542は、例えば、イオン注入によって形成することができる。例の実施例において、非常に高濃度にドープされた炭化シリコン領域542は、少なくとも1×10
19原子/cm
3又は少なくとも1×10
20原子/cm
3又は少なくとも5×10
20原子/cm
3のピーク・ドーピング濃度を有することができる。非常に高濃度にドープされた炭化シリコン領域542の深さ、そのピーク・ドーピング濃度、及び/又はこれらの領域542のドーピング・プロファイル(すなわち、表面からの深さに伴って濃度がどのように変化するか)は、事前選択されて、幾つかの実施例において後続の高温処理ステップ(ゲート誘電体層の形成等)中にソース領域540の上側表面において所望量の酸化を達成することができる。
【0125】
図13Bを参照すると、ゲート誘電体層562(この例では、酸化シリコン層である)は、その後、デバイスの上側表面上に形成される。ゲート誘電体層562は、例えば、高温堆積プロセスによって形成することができる(例えば、ゲート誘電体層562は、1000℃を超える処理温度で形成することができる)。非常に高濃度にドープされた炭化シリコン領域542内の高いドーパント濃度は、炭化シリコン・ソース領域540及び炭化シリコンpウェル530の残りの部分と比較して、これらの領域の酸化レートを増加させるように働く。結果として、非常に高濃度にドープされた炭化シリコン領域542は、ゲート誘電体層562の堆積中に酸化シリコンに変換されることができ、酸化シリコン・ゲート誘電体層562が、各炭化シリコン・ソース領域540の上側表面になるように下方に「成長する(grow)」ことを効果的に可能にする。非常に高濃度にドープされた炭化シリコン領域542内の炭素原子は、この高温プロセス中に蒸発する。その理由は、非常に高濃度にドープされた炭化シリコン領域542が酸化シリコン領域544に変換されるからである。さらに、環境からの酸素が酸化シリコン領域544に組み込まれるため、ソース領域540の上にある酸化シリコン層562の部分も、
図13Bに示すように、上方に「成長する」ため、ソース領域540の上にある酸化シリコン層562の部分は、酸化シリコン層562の残りの部分と比較して下と上の両方の方向にさらに延在する。したがって、ソース領域540の上にある酸化シリコン層562の部分は、酸化シリコン層562の残りの部分より肉厚である。
【0126】
図13Cを参照すると、ゲート電極層(図示せず)は、その後、デバイスの上側表面に形成され、ゲート電極571を提供するためにパターニングされる。
図13Cに示さないが、ゲート誘電体層562の肉厚化した領域の上にあるゲート電極571の上側表面の外側部分は、ゲート電極571の上側表面の中心部分より高く延在することができるため、ゲート電極571は、比較的一定の厚さを有する。
【0127】
次に、
図13Dを参照すると、ゲート誘電体層562は、ゲート誘電体層561を形成するためにパターニングすることができる。この実施例において、ゲート誘電体層562は、ゲート電極571のパターニングと別個にパターニングされた。
図13Dに示すように、ゲート誘電体層561は、ゲート電極571の側壁を超えて横に延在するように形成することができる。これは、ゲート電極571を覆うために使用される誘電体分離パターンと比較して、ゲート誘電体層561が高品質誘電体材料を含むことができるために有利であり得る。ゲート誘電体層561をゲート電極571の側壁を超えて横に延在させることは、したがって、ソース領域540の上にある誘電体層の部分が、絶縁破壊を受けにくい高品質酸化シリコン(又は他の誘電体材料)を含むことを保証することができる。幾つかの実施例において、ゲート誘電体層561は、その後形成される誘電体分離パターン580(
図13E参照)が、ゲート電極570の側壁を超えて横に延在する同じ距離だけ、ゲート電極571の側壁を超えて横に延在することができる。
【0128】
図13Eに示すように、各ソース領域540の上側部分の誘電体材料544への変換によって、ソース領域540の第1の側面上にあるpウェル530の部分の上側表面は、ソース領域540の上側表面が延在するよりもドリフト層520のさらに上に延在することができ、第1の側面と対向するソース領域540の第2の側面上にあるpウェル530の部分の上側表面は、ソース領域540の上側表面が延在するよりもドリフト層520のさらに上に延在することもできる。ゲート誘電体層561は、デバイスのチャネル領域の上に一定の厚さを有することができる。
【0129】
上記図に示さないが、本明細書で説明する実施例のうちの任意の実施例におけるゲート誘電体層が、
図13Dに関して上記で論じたのと同じ方法で、上に載るゲート電極の側壁を超えて横に延在するために形成することができることが認識されるであろう。
【0130】
最後に、
図13Eを参照すると、誘電体分離層(図示せず)は、半導体層構造550の上側表面、ゲート誘電体層561、及びゲート電極571を覆うために形成される。誘電体分離層は、その後、例えば、
図13Eに示す誘電体分離パターン580を提供するためにパターニングされて、半導体デバイス500を形成する。
【0131】
上記で論じたように、デバイスのソース領域の上のゲート誘電体層の厚さを増加させることは、有利には、デバイスの絶縁破壊性能を改善することができ、ゲート誘電体層の上側表面の形状の(従来の平坦形状から)ゲート電極の側壁に隣接するより微妙な形状への変更は、ピーク電界値を下げることができる。そのため、
図13A~
図13Eは、半導体デバイスの絶縁破壊性能を改善するための別の技法を示す。
【0132】
図13A~
図13Eを参照して説明される技法が、上記で説明した実施例のうちの任意の実施例の技法と組み合わされて、なおさらに改善された絶縁破壊性能を有する半導体デバイスを提供することができることも認識されるであろう。組み合わされたそのような技法の2つの例の実施例が、ここで、
図14A~
図14B及び
図15A~
図15Bを参照して説明される。
【0133】
これらの実施例のうちの第1の実施例において、
図13Dに示す半導体デバイスは、ゲート誘電体層561がここでは、「初期(initial)」ゲート誘電体層561であると考えられ、ゲート電極571がここでは、「初期」ゲート電極571であると考えられることを除いて、上記で説明したように形成される。
図13Dの半導体デバイスは、その後、酸素及び/又は窒素を含む雰囲気内でアニールされる。アニールは、例えば、
図5Aを参照して上記で説明した条件下にあるとすることができる。この実施例において、
図5A~
図5Dの実施例で使用されたアニール等の積極的でないアニールが使用されることが仮定される。
図10A~
図10Cを参照して上記で論じたより積極的なアニールは、他の実施例で使用される可能性がある。アニールは、初期ゲート電極571の部分を、酸化シリコン、窒化シリコン、又は酸窒化シリコン等の誘電体材料に変換する。
図14A~
図14Bの例の場合、アニールが酸素環境内で実施されるため、誘電体材料に変換される初期ゲート電極571の部分が、酸化シリコンに変換され、したがって、初期ゲート電極571の部分の酸化によって、初期ゲート電極571が、ゲート電極570になるためにサイズが収縮する間、初期ゲート誘電体層561(ここでは、酸化シリコン層である)がゲート誘電体層560になるように効果的に成長又は増大することが仮定される。
図14Aに示すように、初期ゲート電極571の上側表面及び側壁は、初期ゲート電極571の下側角/側壁が酸化されるように、アニール中に酸化され、それが、丸いプロファイルを有する側壁を有するゲート電極570をもたらす。
【0134】
最後に、誘電体分離層(図示せず)は、半導体層構造550の上側表面、ゲート誘電体層560、及びゲート電極570を覆うために形成される。誘電体分離層は、その後、例えば、
図14Bに示す誘電体分離パターン580を提供するためにパターニングされ、それにより、半導体デバイス500Aを提供する。ソース金属被覆は、その後、他の実施例に関して上記で説明したように堆積することができる。
【0135】
これらの実施例のうちの第2の実施例において、
図13Dに示す半導体デバイスは、上記で説明したようにやはり形成され、
図14A~
図14Bの実施例の場合と同様に、ゲート誘電体層561はここでは、「初期」ゲート誘電体層561であると考えられ、ゲート電極571はここでは、「初期」ゲート電極571であると考えられる。次に、誘電体分離層(図示せず)は、半導体層構造550の上側表面、初期ゲート誘電体層561、及び初期ゲート電極571を覆うために形成される。誘電体分離層は、その後、例えば、
図15Aに示す誘電体分離パターン580を提供するためにパターニングされる。
【0136】
図15Bを参照すると、
図15Aの半導体デバイスは、その後、酸素及び/又は窒素を含む雰囲気内でアニールされる。アニールは、例えば、
図5Aを参照して上記で説明した条件下にあるとすることができる。この実施例において、
図5A~
図5Dの実施例で使用されたアニール等の積極的でないアニールが使用されることが例としてやはり仮定される。
図10A~
図10Cを参照して上記で論じた、より積極的なアニールは、他の実施例で使用される可能性がある。アニールは、初期ゲート電極571の部分を、酸化シリコン、窒化シリコン、又は酸窒化シリコン等の誘電体材料に変換する。
図15A~
図15Bの例の場合、アニールが酸素環境内で実施されるため、誘電体材料に変換される初期ゲート電極571の部分が、酸化シリコンに変換され、したがって、初期ゲート電極571の部分の酸化によって、初期ゲート電極571が、ゲート電極570になるためにサイズが収縮する間、初期ゲート誘電体層561(ここでは、酸化シリコン層である)がゲート誘電体層560になるように効果的に成長又は増大することが仮定される。
図15Bに示すように、初期ゲート電極571の上側表面及び側壁は、初期ゲート電極571の下側角/側壁が酸化されるように、アニール中に酸化され、それが、丸いプロファイルを有する側壁を有するゲート電極570をもたらす。このプロセスによって形成される
図15Bの半導体デバイス500Bは、
図14Bの半導体デバイス500Aと同様であるか又はさらに同一とすることができるが、
図15A~
図15Bで使用されるプロセスに関してよりよいプロセス制御を得ることができる。その理由は、酸化プロセスがよりゆっくり起こるからである。
【0137】
本発明の実施例は、シリコン・ゲート電極を含む半導体デバイスに関して主に上記で論じられたが、本発明の実施例がそれに限定されないことが認識されるであろう。そのため、他の実施例において、例えば、他の半導体材料、シリサイド、及び/又は金属で形成されたゲート電極を含む他のゲート電極材料が使用されることができる。本明細書で開示する酸化及び/又は窒化アニール技法は、これらの他のゲート電極の選択された部分を誘電体材料に変換するために使用することができる。
【0138】
本開示は、金属酸化物(又は絶縁体)半導体(MOS又はMIS)デバイスにおける界面保護を改善するアプローチを説明する。これは、特に、パワー・トランジスタ(例えば、MOSFET、MISFET、又はIGBT)内のゲート領域を改善するのに特に有用であり得る。これらの技法は、
図12A~
図12Cを参照して上記で論じたように、HEMTデバイス等の他の電界効果トランジスタにおいて使用されることもできる。
【0139】
上記で論じた実施例のうちの種々のものはnチャネルMOSFETのユニット・セルの構造を示すが、本発明のさらなる実施例によれば、各デバイス内の半導体層のそれぞれの半導体層の極性が、対応するpチャネルMOSFETを提供するために反転されることができることが認識されるであろう。
【0140】
本発明は、本発明の実施例がそこに示される添付の図面を参照して上記で説明された。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書で述べる実施例に限定されるものと解釈されるべきでない。むしろ、これらの実施例は、本開示が、徹底的且つ完全であるように、また、当業者に本発明の範囲を完全に伝えるように提供される。図面において、層及び領域のサイズ及び相対的サイズは、明確にするために誇張することができる。要素又は層が、別の要素又は層「の上に(on)」存在する、それ「に接続される(connected to)」、又はそれ「に結合される(coupled to)」として言及されるとき、その要素又は層は、他の要素又は層に直接接続又は結合されることができる、或いは、介在する要素又は層が存在することができることが理解されるであろう。対照的に、要素が、別の要素又は層「の直接上に(directly on)」存在する、それ「に直接接続される(directly connected to)」、又はそれ「に直接結合される(directly coupled to)」として言及されるとき、介在する要素又は層は存在しない。本明細書で使用されるように、用語「及び/又は(and/or)」は、関連する列挙項目の1つ又は複数の任意の及び全ての組み合わせを含む。同様の数字は、全体を通して同様の要素を指す。
【0141】
種々の領域、層、及び/又は要素を説明するために、用語、第1及び第2が本明細書で使用されるが、これらの領域、層、及び/又は要素がこれらの用語によって制限されるべきでないことが理解されるであろう。これらの用語は、1つの領域、層、又は要素を別の領域、層、又は要素から区別するために使用されるだけである。そのため、以下で論じる第1の領域、層、又は要素は、第2の領域、層、又は要素と呼ぶことができ、同様に、本発明の範囲から逸脱することなく、第2の領域、層、又は要素は、第1の領域、層、又は要素と呼ぶことができる。
【0142】
「下側(lower)」又は「底部(bottom)」及び「上側(upper)」又は「上部(top)」等の相対的な用語は、図面に示すように、1つの要素の別の要素に対する関係を説明するために本明細書で使用することができる。相対的な用語が、図面に描かれる配向に加えて、デバイスの異なる配向を包含することを意図されることが理解されるであろう。例えば、図面内のデバイスがひっくり返っている場合、他の要素の「下側」側面の上に存在するものとして説明される要素は、他の要素の「上側」側面の上に配向することになる。したがって、例示的な用語「下側」は、図の特定の配向に応じて、「下側」及び「上側」の配向を共に包含することができる。同様に、図のうちの1つの図内のデバイスがひっくり返っている場合、他の要素「の下に(below)」又は「の下に(beneath)」あるとして説明される要素は、他の要素「の上で(above)」配向することになる。したがって、例示的な用語「の下に(below)」又は「の下に(beneath)」は、上に、及び、下に、の両方の配向を包含することができる。
【0143】
本明細書で使用する用語は、特定の実施例のみを説明するためのものであり、本発明を制限するためのものであることを意図されない。本明細書で使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈が別段に明確に指示しない限り、複数形も含むことを意図される。用語「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「含む(includes)」、及び/又は「含んでいる(including)」は、本明細書で使用するとき、述べた特徴、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するが、1つ又は複数の他の特徴、要素、構成要素、及び/又はこれらの群の存在又は追加を除外しないことがさらに理解されるであろう。
【0144】
本発明の実施例は、概略図である断面図を参照して本明細書で説明される。したがって、例えば、製造技法及び/又は公差の結果としての図の形状からの変動が予測される。そのため、本発明の実施例は、本明細書で示される領域の特定の形状に限定されるものとして解釈されるべきでなく、例えば製造に起因する形状の逸脱を含む。例えば、長方形として示す被注入領域は、典型的には、被注入領域から未注入領域への2値変化ではなく、その縁部において、丸い又は湾曲した特徴部及び/又はイオン注入濃度の勾配を有することになる。そのため、図に示す領域は、本来概略的であり、それらの形状は、デバイスの領域の実際の形状を示すことを意図されず、本発明の範囲を制限することを意図されない。
【0145】
本明細書で開示される実施例が組み合わされることができることが理解されるであろう。そのため、第1の実施例に関して描かれる及び/又は説明される特徴は、第2の実施例にも含まれることができる、またその逆も同様である。
【0146】
上記実施例は特定の図を参照して説明されるが、本発明の幾つかの実施例が、さらなる及び/又は介在する層、構造、又は要素を含むことができる、及び/又は、特定の層、構造、又は要素が削除されることができることが理解される。本発明の少数の例示的な実施例が説明されたが、多くの修正が、本発明の新奇な教示及び利点から実質上逸脱することなく例示的実施例において可能であることを当業者は容易に認識するであろう。したがって、全てのそのような修正は、特許請求項に規定される本発明の範囲内に含まれることを意図される。したがって、上記が、本発明の例証であり、開示される特定の実施例に限定されるものとして解釈されないこと、及び、開示される実施例並びに他の実施例に対する修正が、添付の特許請求項の範囲内に含まれることを意図されることが理解される。本発明は、特許請求の範囲に含まれる特許請求の範囲の均等物と共に、以下特許請求の範囲によって規定される。