(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-18
(45)【発行日】2024-07-26
(54)【発明の名称】中心波長を制御するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H01S 3/106 20060101AFI20240719BHJP
H01S 3/137 20060101ALI20240719BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
H01S3/106
H01S3/137
G03F7/20 502
G03F7/20 521
(21)【出願番号】P 2022570351
(86)(22)【出願日】2021-05-05
(86)【国際出願番号】 US2021030825
(87)【国際公開番号】W WO2021252103
(87)【国際公開日】2021-12-16
【審査請求日】2023-01-12
(32)【優先日】2020-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】513192029
【氏名又は名称】サイマー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】テン,クオ-タイ
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ,インボー
(72)【発明者】
【氏名】シモネリ,ジェームズ,マイケル
【審査官】右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-522439(JP,A)
【文献】特表2019-532334(JP,A)
【文献】特表2019-532335(JP,A)
【文献】特表2019-537833(JP,A)
【文献】特表2010-524256(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0104614(US,A1)
【文献】米国特許第05528612(US,A)
【文献】特開2019-179935(JP,A)
【文献】特開2006-073883(JP,A)
【文献】米国特許第04937619(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 3/00 - 3/30
G03F 7/20 - 7/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
結像動作のために中心波長を制御する方法であって、
中心波長誤差を推定すること、
共振器構造内に配置された第1のプリズムの動きを制御する第1のアクチュエータの第1の作動量を、前記推定した中心波長誤差に基づいて決定すること、
前記第1のアクチュエータを前記第1の作動量に基づいて作動させること、
前記第1のプリズムが中心からずれているかどうかを判定すること、
前記第1のプリズムが中心からずれていると判定したことに応答して、前記第1のアクチュエータの第2の作動量を決定し、
前記共振器構造内に配置された第2のプリズムの動きを制御するための第2のアクチュエータの第3の作動量を決定すること、及び
前記第1のアクチュエータ及び前記第2のアクチュエータをそれぞれ前記第2及び第3の作動量に基づいて作動させることを含む方法。
【請求項2】
前記中心波長誤差を推定することが、
奇数バーストにおける中心波長の第1の平均値及び偶数バーストにおける前記中心波長の第2の平均値を計算すること、及び
前記第1及び第2の平均値の平均値を決定することを含み、前記中心波長誤差が前記第1及び第2の平均値の前記平均値に基づいている、請求項1の方法。
【請求項3】
前記第1の作動量を決定することが、
ターゲット中心波長と前記推定した中心波長との差を決定すること、及び
前記第1の作動量を前記ターゲット中心波長と前記推定した中心波長との前記差に基づいて決定することを含む、請求項1の方法。
【請求項4】
前記ターゲット中心波長と前記推定した中心波長との前記差を決定することが、前記差をデジタルフィルタを使用して決定することを含む、請求項3の方法。
【請求項5】
前記第2のアクチュエータの前記第3の作動量を決定することが、前記第1のアクチュエータを前記第2の作動量に基づいて作動させた後の前記第1のプリズムの位置に基づいている、請求項1の方法。
【請求項6】
前記第3の作動量を決定することが、ターゲット中心波長と前記推定した波長との差を小さくするように前記第3の作動量を決定することを更に含む、請求項5の方法。
【請求項7】
前記結像動作が多焦点結像動作を含み、前記方法が、光源を2色モードで動作させることを更に含み、前記光源を前記2色モードで動作させることが、
第1の波長の第1のレーザ放射ビームを、第1のレーザチャンバモジュールを使用して発生させること、
第2の波長の第2のレーザ放射ビームを、第2のレーザチャンバモジュールを使用して発生させること、及び
前記第1及び第2のレーザ放射を共通の出力ビームパスに沿ってビームコンバイナを使用して結合することを含み、
前記中心波長誤差を推定することが、前記第1のレーザ放射ビームの中心波長誤差を推定することを含む、請求項1の方法。
【請求項8】
中心波長を制御する方法であって、
光源が発生させた光ビームの波長誤差を決定すること、
前記波長誤差が第1の閾値より大きいかどうかを判定すること、
前記波長誤差が前記第1の閾値より大きいと判定したことに応答して、
共振器構造内に配置された第1のプリズムの動きを制御する第1のアクチュエータを第1のステップサイズで移動させること、
前記波長誤差が前記第1の閾値より小さいと判定したことに応答して、
平均波長誤差を決定すること、
前記平均波長誤差が前記第1の閾値と異なる第2の閾値より大きいかどうかを判定すること、
前記平均波長誤差が前記第2の閾値より大きいと判定したことに応答して、前記第1のアクチュエータを第2のステップサイズで移動させ、ローパスフィルタを有効にすること、及び
前記平均波長誤差が前記第2の閾値より小さいと判定したことに応答して、前記ローパスフィルタを有効にし、
前記共振器構造内に配置された第2のプリズムの動きを制御する第2のアクチュエータに印加される電圧を更新し、前記第1のアクチュエータを第3のステップサイズで移動させることを含む方法。
【請求項9】
前記波長誤差が前記第1の閾値より大きいと判定したことに応答して、前記ローパスフィルタ及び第2のアクチュエータの移動を不能にすることを更に含む、請求項8の方法。
【請求項10】
前記第3のステップサイズが前記第2のアクチュエータに印加された前記電圧の関数である、請求項8の方法。
【請求項11】
前記第1のアクチュエータを前記第2のステップサイズで移動させることが、nパルス(nは1より大きい)ごとに前記第1のアクチュエータを移動させることを含む、請求項8の方法。
【請求項12】
共振器構造内に配置された第1のプリズムの動きを制御する第1のアクチュエータと、
前記共振器構造内に配置された第2のプリズムの動きを制御する第2のアクチュエータと、
中心波長誤差を推定し、
前記推定した中心波長誤差に基づいて前記第1のアクチュエータの第1の作動量を決定し、
前記第1のアクチュエータを前記第1の作動量に基づいて作動させ、
前記第1のプリズムが中心からずれているかどうかを判定し、
前記第1のプリズムが中心からずれていると判定したことに応答して、前記第1のアクチュエータの第2の作動量を決定し、前記第2のアクチュエータの第3の作動量を決定し、
前記第1及び第2のアクチュエータをそれぞれ前記第2及び第3の作動量に基づいて作動させるコントローラと、を備えたシステム。
【請求項13】
前記中心波長誤差を推定するために、前記コントローラが更に、
奇数バーストにおける中心波長の第1の平均値及び偶数バーストにおける前記中心波長の第2の平均値を計算し、
前記第1及び第2の平均値の平均値を決定し、前記中心波長誤差が前記第1及び第2の平均値の前記平均値に基づいている、請求項12のシステム。
【請求項14】
前記第1の作動量を決定するために、前記コントローラが更に、
ターゲット中心波長と前記推定した中心波長との差を決定し、
前記第1の作動量を前記ターゲット中心波長と前記推定した中心波長との前記差に基づいて決定する、請求項12のシステム。
【請求項15】
前記ターゲット中心波長と前記推定した中心波長との前記差を決定するために、前記コントローラが更に、前記差をデジタルフィルタを使用して決定する、請求項14のシステム。
【請求項16】
前記第2のアクチュエータの前記第3の作動量が、前記第1のアクチュエータを前記第2の作動量に基づいて作動させた後の前記第1のプリズムの位置に基づいている、請求項12のシステム。
【請求項17】
前記第3の作動量を決定するために、前記コントローラが更に、ターゲット中心波長と前記推定した波長との差を小さくするように前記第3の作動量を決定する、請求項16のシステム。
【請求項18】
前記システムが2色モードで動作する光源を更に備え、
前記コントローラが更に、
第1の波長の第1のレーザ放射ビームを、第1のレーザチャンバモジュールを使用して発生させ、
第2の波長の第2のレーザ放射ビームを、第2のレーザチャンバモジュールを使用して発生させ、
前記第1及び第2のレーザ放射を共通の出力ビームパスに沿ってビームコンバイナを使用して結合することによって、前記光源を前記2色モードで動作させ、
前記中心波長誤差を推定することが、前記第1のレーザ放射ビームの中心波長誤差を推定することを含む、請求項12のシステム。
【請求項19】
光ビームを発生させる光源と、
共振器構造内に配置された第1のプリズムの動きを制御する第1のアクチュエータと、
前記共振器構造内に配置された第2のプリズムの動きを制御する第2のアクチュエータと、
前記光源が発生させた前記光ビームの波長誤差を決定し、
前記波長誤差が第1の閾値より大きいかどうかを判定し、
前記波長誤差が前記第1の閾値より大きいと判定したことに応答して、前記第1のアクチュエータを第1のステップサイズで移動させ、
前記波長誤差が前記第1の閾値より小さいと判定したことに応答して、
平均波長誤差を決定し、
前記平均波長誤差が前記第1の閾値と異なる第2の閾値より大きいかどうかを判定し、
前記平均波長誤差が前記第2の閾値より大きいと判定したことに応答して、前記第1のアクチュエータを第2のステップサイズで移動させ、ローパスフィルタを有効にし、前記平均波長誤差が前記第2の閾値より小さいと判定したことに応答して、前記ローパスフィルタを有効にし、第2のアクチュエータに印加される電圧を更新し、前記第1のアクチュエータを第3のステップサイズで移動させるコントローラと、を備えたシステム。
【請求項20】
前記波長誤差を決定するために、前記コントローラが更に、
前記光源が発生させた前記光ビームの中心波長を測定し、
前記中心波長とターゲット中心波長との差を決定する、請求項19のシステム。
【請求項21】
前記システムが多焦点結像動作を実行し、
前記コントローラが更に、
第1の波長の第1のレーザ放射ビームを、第1のレーザチャンバモジュールを使用して発生させ、
第2の波長の第2のレーザ放射ビームを、第2のレーザチャンバモジュールを使用して発生させ、
前記第1及び第2のレーザ放射を共通の出力ビームパスに沿ってビームコンバイナを使用して結合することによって、前記光源を2色モードで動作させ、
前記光源が発生させた前記光ビームの前記波長誤差を決定することが、前記第1のレーザ放射ビームの中心波長誤差を決定することを含む、請求項19のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] この出願は、いずれもSYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING A CENTER WAVELENGTHと題する2020年6月9日出願の米国出願第63/036,700号及び2020年9月16日出願の米国出願第63/079,191号の優先権を主張するものであり、いずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本開示は、光を生成するエキシマレーザなどのレーザシステムとその中心波長を制御するためのシステム及び方法とに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に適用するように構築された機械である。リソグラフィ装置は、例えば集積回路(IC)の製造に使用可能である。リソグラフィ装置は、例えばパターニングデバイス(例えばマスク)のパターンを、基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)の層に投影することができる。
【0004】
[0004] 基板にパターンを投影するために、リソグラフィ装置は電磁放射を使用することがある。この放射の波長は、基板上に形成され得るフィーチャの最小サイズを決定する。リソグラフィ装置は、4~20nmの範囲内、例えば6.7nm又は13.5nmの波長を有する極端紫外線(EUV)放射、又は約120~約400nmの範囲内、例えば193又は248nmの波長を有する深紫外線(DUV)放射を使用することがある。
【0005】
[0005] 主発振器パワー増幅器(MOPA)とは、高コヒーレントな増幅光ビームを生成する2ステージ光共振器装置である。MOPAの性能は、主発振器(MO)の位置合わせに大きく依存する可能性がある。MOの位置合わせは、ガス放電チャンバの位置合わせ、入出力光学素子の位置合わせ、及びスペクトル特徴調整器の位置合わせを含む可能性がある。
【0006】
[0006] しかしながら、MOの位置合わせは時間がかかり、数時間の人手によるメンテナンスを必要とする可能性がある。更に、MO位置合わせのモニタリング及び調整は、例えばDUVリソグラフィ装置への出力光ビームを抑制又は遮断する可能性がある。
【0007】
[0007] また、装置が熱過渡及びその他の過渡を経験すると、波長安定性が影響を受ける。単色モードでは、2つのアクチュエータ、すなわちステッパモータ及び圧電変換器(PZT)が互いに連動して動作して中心波長を安定させる。動作時、ステッパモータは解像度が限られているため、PZTが一次アクチュエータとして使用される。一方、2色モードでは、波長安定性は中心波長、すなわち2つの交流スペクトルの平均に基づいており、このモードでは、PZTは交流波長を発生させる波形の生成を担当する。
【発明の概要】
【0008】
[0008] したがって、中心波長を制御する必要がある。
【0009】
[0009] 一部の実施形態では、本開示は、結像動作のために中心波長を制御するためのシステム及び方法を対象とする。システムは、第1のプリズムの動きを制御するように構成された第1のアクチュエータと、第2のプリズムの動きを制御するように構成された第2のアクチュエータと、中心波長誤差を推定し、推定した中心波長誤差に基づいて第1のアクチュエータの第1の作動量を決定し、第1のアクチュエータを第1の作動量に基づいて作動させ、第1のプリズムが中心からずれているかどうかを判定し、第1のプリズムが中心からずれていると判定したことに応答して、第1のアクチュエータの第2の作動量を決定し、第2のアクチュエータの第3の作動量を決定し、第1及び第2のアクチュエータをそれぞれ第2及び第3の作動量に基づいて作動させるように構成されたコントローラと、を備えることがある。
【0010】
[0010] 方法は中心波長誤差を推定することを含むことがある。方法はまた、推定した中心波長誤差に基づいて第1のプリズムの動きを制御する第1のアクチュエータの第1の作動量を決定することを含むことがある。方法はまた、第1の作動量に基づいて第1のアクチュエータを作動させることを含むことがある。方法はまた、第1のプリズムが中心からずれているかどうかを判定することを含むことがある。方法はまた、第1のプリズムが中心からずれていると判定したことに応答して、第1のアクチュエータの第2の作動量を決定し、第2のプリズムの動きを制御するための第2のアクチュエータの第3の作動量を決定することを含むことがある。方法はまた、第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータをそれぞれ第2及び第3の作動量に基づいて作動させることを含むことがある。一部の実施形態では、方法は上記システムを使用して実行されることがある。
【0011】
[0011] 一部の実施形態では、中心波長誤差を推定することは、奇数バーストにおける中心波長の第1の平均値及び偶数バーストにおける中心波長の第2の平均値を計算し、第1及び第2の平均値の平均値を決定することを含むことがあり、中心波長誤差は第1及び第2の平均値の平均値に基づいている。
【0012】
[0012] 一部の実施形態では、第1の作動量を決定することは、ターゲット中心波長と推定した中心波長との差を決定し、ターゲット中心波長と推定した中心波長との差に基づいて第1の作動量を決定することを含むことがある。
【0013】
[0013] 一部の実施形態では、ターゲット中心波長と推定した中心波長との差を決定することは、デジタルフィルタを使用して差を決定することを含むことがある。
【0014】
[0014] 一部の実施形態では、第2のアクチュエータの第3の作動量を決定することは、第2の作動量に基づいて第1のアクチュエータを作動させた後の第1のプリズムの位置に基づいている場合がある。
【0015】
[0015] 一部の実施形態では、第3の作動量を決定することは、ターゲット中心波長と推定した波長との差を小さくするように第3の作動量を決定することを更に含むことがある。
【0016】
[0016] 一部の実施形態では、結像動作は多焦点結像動作を含み、方法は、光源を2色モードで動作させることを更に含むことがある。一部の実施形態では、光源を2色モードで動作させることは、第1の波長の第1のレーザ放射ビームを、第1のレーザチャンバモジュールを使用して発生させること、第2の波長の第2のレーザ放射ビームを、第2のレーザチャンバモジュールを使用して発生させること、及び第1及び第2のレーザ放射を共通の出力ビームパスに沿ってビームコンバイナを使用して結合することを含むことがある。一部の実施形態では、中心波長誤差を推定することは、第1のレーザ放射ビームの中心波長誤差を推定することを含むことがある。一部の実施形態では、2色モードにおいて、波長ターゲットが(例えばパルスごとに)バースト内の2つの既知のセットポイント間を行き来することがあり、中心波長を制御する余地をほとんど残さない急速に変化するターゲットを追跡するためにPZTが使用されることがある。
【0017】
[0017] 一部の実施形態では、本開示は、中心波長を制御するためのシステム及び方法を対象とする。システムは、光ビームを発生させるように構成された光源と、第1のプリズムの動きを制御するように構成された第1のアクチュエータと、第2のプリズムの動きを制御するように構成された第2のアクチュエータと、コントローラとを備えることがある。コントローラは、光源が発生させた光ビームの波長誤差を決定し、波長誤差が第1の閾値より大きいかどうかを判定し、波長誤差が第1の閾値より大きいと判定したことに応答して、第1のアクチュエータを第1のステップサイズで移動させ、波長誤差が第1の閾値より小さいと判定したことに応答して、平均波長誤差を決定し、平均波長誤差が第1の閾値と異なる第2の閾値より大きいかどうかを判定し、平均波長誤差が第2の閾値より大きいと判定したことに応答して、第1のアクチュエータを第2のステップサイズで移動させ、ローパスフィルタを有効にし、平均波長誤差が第2の閾値より小さいと判定したことに応答して、ローパスフィルタを有効にし、第2のアクチュエータに印加される電圧を更新し、第1のアクチュエータを第3のステップサイズで移動させるように構成されることがある。
【0018】
[0018] 方法は、光源が発生させた光ビームの波長誤差を決定することを含むことがある。方法はまた、波長誤差が第1の閾値より大きいかどうかを判定することを含むことがある。方法はまた、波長誤差が第1の閾値より大きいと判定したことに応答して、第1のプリズムの動きを制御するように構成された第1のアクチュエータを第1のステップサイズで移動させることを含むことがある。波長誤差が第1の閾値より小さいと判定したことに応答して、方法はまた、平均波長誤差を決定すること、平均波長誤差が第1の閾値と異なる第2の閾値より大きいかどうかを判定すること、平均波長誤差が第2の閾値より大きいと判定したことに応答して、第1のアクチュエータを第2のステップサイズで移動させ、ローパスフィルタを有効にすること、及び平均波長誤差が第2の閾値より小さいと判定したことに応答して、ローパスフィルタを有効にし、第2のプリズムの動きを制御するように構成された第2のアクチュエータに印加される電圧を更新し、第1のアクチュエータを第3のステップサイズで移動させることを含むことがある。一部の実施形態では、方法は上記システムを使用して実行されることがある。
【0019】
[0019] 一部の実施形態では、波長誤差を決定することは、光源が発生させた光ビームの中心波長を測定し、中心波長とターゲット中心波長との差を決定することを含むことがある。
【0020】
[0020] 一部の実施形態では、方法は、光源のパルスのショット数が更新間隔の倍数であるかどうかを判定し、ショット数が更新間隔に等しいと判定したことに応答して、第2のアクチュエータに印加された電圧を更新することを更に含むことがある。
【0021】
[0021] 一部の実施形態では、方法は、波長誤差が第1の閾値より大きいと判定したことに応答して、ローパスフィルタ及び第2のアクチュエータの移動を不能にすることを更に含むことがある。
【0022】
[0022] 一部の実施形態では、第1のステップサイズはアクチュエータの固定ステップサイズである。
【0023】
[0023] 一部の実施形態では、第2のステップサイズは波長誤差の関数である。
【0024】
[0024] 一部の実施形態では、第3のステップサイズは第2のアクチュエータに印加された電圧の関数である。
【0025】
[0025] 一部の実施形態では、第1のアクチュエータを第2のステップサイズで移動させることは、nパルス(nは1より大きい)ごとに第1のアクチュエータを移動させることを含む。
【0026】
[0026] 一部の実施形態では、平均波長誤差は、波長誤差とパルス数にわたる複数の波長誤差の平均値とに基づいている。
【0027】
[0027] 一部の実施形態では、方法は、多焦点結像動作において中心波長を制御することを含み、方法は、光源を2色モードで動作させることを更に含むことがある。一部の実施形態では、光源を2色モードで動作させることは、第1の波長の第1のレーザ放射ビームを、第1のレーザチャンバモジュールを使用して発生させること、第2の波長の第2のレーザ放射ビームを、第2のレーザチャンバモジュールを使用して発生させること、及び第1及び第2のレーザ放射を共通の出力ビームパスに沿ってビームコンバイナを使用して結合することを含むことがある。一部の実施形態では、光源が発生させた光ビームの波長誤差を決定することは、第1のレーザ放射ビームの中心波長誤差を決定することを含む。一部の実施形態では、2色モードにおいて、波長ターゲットが(例えばパルスごとに)バースト内の2つの既知のセットポイント間を行き来することがあり、中心波長を制御する余地をほとんど残さない急速に変化するターゲットを追跡するためにPZTが使用されることがある。
【0028】
[0028] 一部の実施形態では、本開示は、多焦点結像動作のために中心波長を制御するためのシステム及び方法を対象とする。システムは、プリズムの動きを制御するように構成されたアクチュエータと、ディザ波形をアクチュエータを移動させるためのオフセット値と組み合わせ、ディザ波形及びオフセット値に基づいてパルス間(pulse-to-pulse)波長を発生させ、複数のパルスのパルス間波長に基づいて中心波長のローリング平均値を生成し、将来のパルスの中心波長を予測するためのドリフト速度を推定し、推定したドリフト速度に基づいてオフセット値を更新するように構成されたコントローラとを備えることがある。
【0029】
[0029] 方法は、ディザ波形をプリズムの動きを制御するアクチュエータを移動させるためのオフセット値と組み合わせることを含むことがある。方法はまた、ディザ波形及びオフセット値に基づいてパルス間波長を発生させることを含むことがある。方法はまた、複数のパルスのパルス間波長に基づいて中心波長のローリング平均値を生成することを含むことがある。方法はまた、将来のパルスの中心波長を予測するためのドリフト速度を推定することを含むことがある。方法はまた、推定したドリフト速度に基づいてオフセット値を更新することを含むことがある。一部の実施形態では、方法は上記システムを使用して実行されることがある。
【0030】
[0030] 一部の実施形態では、オフセット値は直流(DC)電圧に基づいている。
【0031】
[0031] 一部の実施形態では、DC電圧の初期値はゼロボルトである。
【0032】
[0032] 一部の実施形態では、オフセット値は第1のオフセット値を含み、ドリフト速度を推定することは、中心波長のローリング平均値、第1のオフセット値、及び第2のプリズムの動きを制御する第2のアクチュエータを移動させる第2のオフセット値に基づいてドリフト速度を推定することを含むことがある。
【0033】
[0033] 一部の実施形態では、ドリフト速度を推定することは、カルマンフィルタフレームワークを使用して蓄積中心波長ドリフト速度を推定することを含むことがある。
【0034】
[0034] 一部の実施形態では、ドリフト速度を推定することは、現在のパルスよりNパルス先の中心波長を予測することを含むことがある。
【0035】
[0035] 一部の実施形態では、ドリフト速度を推定することは、カルマンフィルタフレームワークを、現在のパルスよりNパルス先の中心波長を予測するためにカルマン予測器に変換することを含むことがある。
【0036】
[0036] 一部の実施形態では、複数のパルスのパルス間波長は現在のパルスの波長を含む。
【0037】
[0037] 一部の実施形態では、オフセット値を更新することは、バーストの終わりにおける中心波長のローリング平均値に基づいてオフセット値を更新することを含むことがある。
【0038】
[0038] 一部の実施形態では、多焦点結像動作は2色モードを含み、方法は、光源を2色モードで動作させることを更に含むことがある。一部の実施形態では、光源を2色モードで動作させることは、第1の波長の第1のレーザ放射ビームを、第1のレーザチャンバモジュールを使用して発生させること、第2の波長の第2のレーザ放射ビームを、第2のレーザチャンバモジュールを使用して発生させること、及び第1及び第2のレーザ放射を共通の出力ビームパスに沿ってビームコンバイナを使用して結合することを含むことがある。
【0039】
[0039] 実施形態の更なる特徴及び例示的な態様、並びに様々な実施形態の構造及び動作が、添付図面を参照して以下に詳細に説明される。実施形態が本明細書に記載の特定の実施形態に限定されないことに留意されたい。かかる実施形態は、例示のみを目的として本明細書に示されている。追加の実施形態が本明細書に含まれる教示に基づいて当業者に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
[0040] 本明細書に組み込まれ、その一部を形成する添付図面は実施形態を図示し、説明とともに、更に実施形態の原理を説明し、当業者が実施形態を実施及び使用できるようにする働きをする。
【0041】
【
図1】[0041] 例示的な実施形態に係るリソグラフィ装置の概略図である。
【
図2】[0042] 例示的な実施形態に係る光源装置の概略上面図である。
【
図3】[0043] 例示的な実施形態に係る、
図2に示す光源装置のガス放電ステージの概略部分断面図である。
【
図4】[0044] 例示的な実施形態に係る、
図2に示す光源装置のガス放電ステージの概略部分断面図である。
【
図5】[0045] ある実施形態に係る、多焦点結像のために中心波長を調整する方法を示す。
【
図6A】[0046] 一部の実施形態に係る、多焦点結像のために中心波長を調整する方法を示す。
【
図6B】[0046] 一部の実施形態に係る、多焦点結像のために中心波長を調整する方法を示す。
【
図7】[0046] 一部の実施形態に係る、多焦点結像のために中心波長を調整する方法を示す。
【
図8】[0046] 一部の実施形態に係る、多焦点結像のために中心波長を調整する方法を示す。
【
図9】[0047] 例示的な実施形態に係る、ガス放電ステージを位置合わせするためのフローチャートを示す。
【
図10】[0048] この開示の様々な実施形態を実現するのに有用な例示的なコンピュータシステムである。
【0042】
[0049] 実施形態の特徴及び例示的な態様は、同様の参照符号が全体を通して対応する要素を識別する図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むことで更に明白になるであろう。図面では、一般に、同様の参照番号が同一の、機能が類似した、及び/又は構造が類似する要素を示す。更に、一般に、参照番号の左端の桁は、参照番号が最初に表示される図面を識別する。他に示されない限り、本開示を通じて提供される図面は縮尺通りの図面として解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0043】
[0050] 本明細書は、本発明の特徴を組み込んだ1つ以上の実施形態を開示する。開示される1つ又は複数の実施形態は本発明を例示するにすぎない。本発明の範囲は開示される1つ又は複数の実施形態に限定されない。本発明は、本明細書に添付される特許請求の範囲によって定義される。
【0044】
[0051] 記載された実施形態、及び本明細書で「一実施形態」、「ある実施形態」、「例示的実施形態」などに言及した場合、それは記載された実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含むことができるが、それぞれの実施形態が必ずしも特定の特徴、構造、又は特性を含まないことがあることを示す。更に、このようなフレーズは、必ずしも同じ実施形態に言及するものではない。更に、ある実施形態に関連して特定の特徴、構造、又は特性について記載している場合、明示的に記載されているか、記載されていないかにかかわらず、このような特徴、構造、又は特性を他の実施形態との関連で実行することが当業者の知識の範囲内にあることが理解される。
【0045】
[0052] 「下(beneath)」、「下(below)」、「下(lower)」、「上(above)」、「上(on)」、「上(upper)」などのような空間的に相対的な用語は、図に示すように、ある要素又は機能と別の1つ又は複数の要素又は1つ又は複数の機能との関係を説明するのを容易にするために、本明細書で使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に示されている方向に加えて、使用中又は動作中のデバイスの様々な方向を包含することを意図している。装置は、他の方法で方向付けられてもよく(90度又は他の方向に回転されてもよい)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述語は、同様にそれに応じて解釈され得る。
【0046】
[0053] 本明細書で使用される「約」又は「実質的に(substantially)」又は「おおよそ(approximately)」という語は、特定の技術に基づいて変化し得る所与の量の値を示す。特定の技術に基づいて、「約」又は「実質的に」又は「おおよそ」という語は、例えばその値の1~15%(例えば、その値の±1%、±2%、±5%、±10%又は±15%)の範囲内で変化する所与の量の値を示す可能性がある。
【0047】
[0054] 本開示の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらのいずれかの組み合わせにおいて実施可能である。また、本開示の実施形態は、1つ以上のプロセッサによって読み取り及び実行され得るタンジブルな機械読み取り可能媒体上に記憶された命令としても実施することができる。機械読み取り可能媒体は、機械(例えばコンピューティングデバイス)によって読み取り可能な形態の情報を記憶又は送信するためのいずれかの機構を含み得る。例えば、機械読み取り可能媒体は、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、電気、光、音、又は他の形態の伝搬信号(例えば搬送波、赤外線信号、デジタル信号等)、及び他のものを含むことができる。更に、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、及び/又は命令は、本明細書では、特定の動作を実行するものとして説明され得る。しかしながら、そのような説明は単に便宜上のものであり、そのような動作ンは、実際には、コンピューティングデバイス、プロセッサ、コントローラ、又はファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、及び/又は命令を実行する他のデバイスから生じることを理解されたい。
【0048】
[0055] このような実施形態を詳述する前に、本発明の実施形態を実施することができる例示の環境を提示することが有用であろう。
【0049】
[0056] 例示的なリソグラフィシステム
[0057]
図1は、放射源SO及びリソグラフィ装置LAを備えたリソグラフィシステムを示している。放射源SOは、EUV及び/又はDUV放射ビームBを生成し、このEUV及び/又はDUV放射ビームBをリソグラフィ装置LAに供給するように構成されている。リソグラフィ装置LAは、照明システムILと、パターニングデバイスMA(例えばマスク)を支持するように構成された支持構造MTと、投影システムPSと、基板Wを支持するように構成された基板テーブルWTとを備える。
【0050】
[0058] 照明システムILは、EUV及び/又はDUV放射ビームBがパターニングデバイスMAに入射する前にEUV及び/又はDUV放射ビームBを調節するように構成されている。そのため、照明システムILは、ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11を備えることがある。ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11は共に、EUV及び/又はDUV放射ビームBに所望の断面形状と所望の強度分布とを与える。照明システムILは、ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11に加えて又はこれらの代わりに、他のミラー又はデバイスを備えることがある。
【0051】
[0059] このように調節された後、EUV及び/又はDUV放射ビームBはパターニングデバイスMAと相互作用する(例えば、DUV用の透過型マスク、又はEUV用の反射型マスク)。この相互作用の結果、パターン付きEUV及び/又はDUV放射ビームB’が生成される。投影システムPSは、パターン付きEUV及び/又はDUV放射ビームB’を基板Wに投影するように構成されている。この目的のため、投影システムPSは、基板テーブルWTにより保持された基板Wにパターン付きEUV及び/又はDUV放射ビームB’を投影するように構成されている複数のミラー13、14を備えることがある。投影システムPSは、パターン付きEUV及び/又はDUV放射ビームB’に縮小係数を適用し、これによってパターニングデバイスMAにおける対応するフィーチャよりも小さいフィーチャの像を形成することがある。例えば、4又は8の縮小係数が適用されることがある。投影システムPSは、
図1では2つのミラー13、14のみを有するものとして示されているが、投影システムPSは様々な数のミラー(例えば6個又は8個のミラー)を備えることがある。
【0052】
[0060] 基板Wは、前もって形成されたパターンを含むことがある。このような場合、リソグラフィ装置LAは、パターン付きEUV及び/又はDUV放射ビームB’により形成された像を、基板W上に前もって形成されたパターンと位置合わせする。
【0053】
[0061] 相対真空、すなわち大気圧を大きく下回る圧力の少量のガス(例えば水素)が、放射源SO、照明システムIL、及び/又は投影システムPS内に供給されることがある。
【0054】
[0062] 例示的な光源装置
[0063] 以上で考察したように、主発振器パワー増幅器(MOPA)は2ステージ光共振器装置である。主発振器(MO)(例えば第1の光共振器ステージ)は、(例えばシードレーザから)高コヒーレントな光ビームを生成する。パワー増幅器(PA)(例えば第2の光共振器ステージ)は、ビーム特性を維持しながら光ビームの光パワーを増大させる。MOは、ガス放電チャンバ、入出力光学素子(例えば光カプラ(OC))、及びスペクトル特徴調整器(例えば線幅狭化モジュール(LNM))を備える可能性がある。入出力光学素子及びスペクトル特徴調整器は、ガス放電チャンバを取り囲んで光共振器を形成することができる。
【0055】
[0064] MOPAの性能は、MOの位置合わせに大きく依存する。MOの位置合わせは、ガス放電チャンバの位置合わせ、OCの位置合わせ、及びLNMの位置合わせを含む可能性がある。位置合わせ(例えば、チャンバ、OC、LNMなど)のそれぞれは、MOにおける経時的なアライメント誤差及び変動に寄与する可能性がある。しかしながら、MOの位置合わせは時間がかかり、数時間の人手によるメンテナンス(例えば同期のとれた性能メンテナンス(SPM))を必要とする可能性がある。また、チャンバ、OC、及びLNMの位置が大幅にずれている(例えば、初期基準点がない)場合、最初の位置合わせが困難である(例えば試行錯誤による)可能性がある。更に、MO位置合わせのモニタリング及び調整は、例えばDUVリソグラフィ装置への出力光ビーム(例えばDUV光ビーム)を抑制する(例えば遮断する)可能性がある。
【0056】
[0065] 結像光(例えば可視レーザビーム)が、チャンバ、OC、及びLNMに(例えば、順次又は同時に)投影されて照明し、チャンバの光軸(例えば第1及び第2の光ポート)に沿ったOC及び/又はLNMの位置合わせを指示することがある。ガス放電チャンバからの自然放射増幅光(ASE)は、MOキャビティの光軸に沿った(例えば、チャンバ、OC、及びLNMの光軸に沿った)結像光の照準調整(例えばレーザ照準調整)を促進するためのビーコン(例えば基準点)の役割を果たすことができる。また、ASEは、チャンバをMOキャビティの光軸と最初に位置合わせ(例えば粗位置合わせ)するのに使用される可能性がある。更に、センシング装置(例えばカメラ)が、MO(例えば、チャンバポート、OC開口、LNM開口など)内の様々な対物面を視覚的に調べ、アライメント誤差(例えば画像比較)を定量化するのに使用される可能性がある。例えば、センシング装置は、様々な対物面上の結像光の近接場(NF)及び遠方場(FF)領域を調べ、例えばビームプロファイリング(例えば、水平対称性、垂直対称性など)によって調整(例えば微細位置合わせ)を適用することができる。
【0057】
[0066] 以下で考察される光源装置及びシステムは、主発振器のアライメント時間(例えばSPM)を短縮し、経時的な主発振器のアライメント変動を抑え、主発振器の定量化可能なアライメント誤差をモニタし動的に制御して、例えばDUVリソグラフィ装置に高コヒーレントな光ビームを提供することができる。
【0058】
[0067]
図2から
図4は、様々な例示的な実施形態に係る光源装置200を示している。
図2は、例示的な実施形態に係る光源装置200の概略上面図である。
図3及び4は、例示的な実施形態に係る、
図2に示す光源装置200のガス放電ステージ220の概略部分断面図である。
【0059】
[0068]
図2は様々な例示的な実施形態に係る光源装置200を示している。光源装置200は、ガス放電ステージ220(例えばMO)の定量化可能なアライメント誤差をモニタし動的に制御し、例えばDUVリソグラフィ装置(例えばLA)に高コヒーレントで位置合わせされた光ビーム(例えば、光ビーム202、増幅光ビーム204)を提供するように構成されている可能性がある。光源装置200は、ガス放電ステージ220(例えばMO)のアライメント時間を短縮し、経時的なガス放電ステージ220(例えばMO)のアライメント変動を抑えるように更に構成されている可能性がある。光源装置200はスタンドアロンの装置及び/又はシステムとして
図2に示されているが、この開示の実施形態は、例えば放射源SO、リソグラフィ装置LA、及び/又は他の光学システムであるがこれに限らない他の光学システムと共に使用される可能性がある。一部の実施形態では、光源装置200はリソグラフィ装置LAの放射源SOである可能性がある。例えばDUV放射ビームBは、光ビーム202及び/又は増幅光ビーム204である可能性がある。
【0060】
[0069] 光源装置200は、ガス放電ステージ220(例えばMO)及びパワーリング増幅器(PRA)ステージ280(例えばPA)によって形成されたMOPAである可能性がある。光源装置200は、ガス放電ステージ220、ライン解析モジュール(LAM)230、主発振器波面エンジニアリングボックス(MoWEB)240、パワーリング増幅器(PRA)ステージ280、コントローラ290を備える可能性がある。一部の実施形態では、上記コンポーネントの全ては3次元(3D)フレーム210内に収容される可能性がある。一部の実施形態では、3Dフレーム210は、金属(例えば、アルミニウム、鋼など)、セラミック、及び/又は任意の他の適切な剛体材料を含む可能性がある。
【0061】
[0070] ガス放電ステージ220は、高コヒーレントな光ビーム(例えば光ビーム202)を出力するように構成されている可能性がある。ガス放電ステージ220は、第1の光共振器素子254、第2の光共振器素子224、入出力光学素子250(例えばOC)、光増幅器260、及びスペクトル特徴調整器270(例えばLNM)を備える可能性がある。一部の実施形態では、入出力光学素子250は第1の光共振器素子254を備える可能性があり、スペクトル特徴調整器270は第2の光共振器素子224を備える可能性がある。入出力光学素子250(例えば第1の光共振器素子254を介して)及びスペクトル特徴調整器270(例えば第2の光共振器素子224を介して)によって第1の光共振器228が定義される可能性がある。第1の光共振器228を形成するために、第1の光共振器素子254は部分的に反射性である(例えば部分ミラー)可能性があり、第2の光共振器素子224は反射性である(例えば、ミラー又は格子)可能性がある。第1の光共振器228は、光増幅器260が発生させた光(例えば自然放射増幅光(ASE)201)を一定数のパスのために光増幅器260内に向けて光ビーム202を形成することができる。一部の実施形態では、
図2に示すように、ガス放電ステージ220は、光ビーム202をMOPA装置の一部であるPRAステージ280に出力することができる。
【0062】
[0071] PRAステージ280は、ガス放電ステージ220からの光ビーム202をマルチパス構成で増幅し、増幅光ビーム204を出力するように構成されている可能性がある。PRAステージ280は、第3の光共振器素子282、パワーリング増幅器(PRA)286、及び第4の光共振器素子284を備える可能性がある。第3の光共振器素子282及び第4の光共振器素子284によって第2の光共振器288が定義される可能性がある。第2の光共振器288を形成するために、第3の光共振器素子282は部分的に反射性である(例えば部分ビームスプリッタ)可能性があり、第4の光共振器素子284は反射性である(例えば、ミラー又はプリズム又はビーム反転器)可能性がある。第2の光共振器288は、ガス放電ステージ220からの光ビーム202を一定数のパスのためにPRA286内に向けて増幅光ビーム204を形成することができる。一部の実施形態では、PRAステージ280は、増幅光ビーム204をリソグラフィ装置、例えばリソグラフィ装置(LA)に出力することができる。例えば増幅光ビーム204は、リソグラフィ装置LAの放射源SOからのEUV及び/又はDUV放射ビームBである可能性がある。
【0063】
[0072]
図2から
図4に示すように、光増幅器260は、入出力光学素子250及びスペクトル特徴調整器270に光学的に結合されている可能性がある。光増幅器260は、ASE201及び/又は光ビーム202を出力するように構成されている可能性がある。一部の実施形態では、光増幅器260は、チャンバ261の光軸及び/又はガス放電ステージ220(例えばMOキャビティ)の光軸の照準調整を導くためのビーコンとしてASE201を利用することができる。光増幅器260は、チャンバ261、ガス放電媒体263、及びチャンバ調整器265を備える可能性がある。ガス放電媒体263はチャンバ261内に配置される可能性があり、チャンバ261はチャンバ調整器265上に配置される可能性がある。
【0064】
[0073] チャンバ261は、ガス放電媒体263を第1及び第2のチャンバ光ポート262a、262b内に保持するように構成されている可能性がある。チャンバ261は、第1のチャンバ光ポート262aと、第1のチャンバ光ポート262aと反対側の第2のチャンバ光ポート262bとを備える可能性がある。一部の実施形態では、第1及び第2のチャンバ光ポート262a、262bはチャンバ261の光軸を形成することができる。
【0065】
[0074]
図3に示すように、第1のチャンバ光ポート262aは、入出力光学素子250と光学的に連通している可能性がある。第1のチャンバ光ポート262aは、第1のチャンバ壁261a、第1のチャンバ窓266a、及び第1のチャンバ開口264aを備える可能性がある。一部の実施形態では、
図3に示すように、第1のチャンバ開口264aは矩形開口である可能性がある。
【0066】
[0075]
図4に示すように、第2のチャンバ光ポート262bは、スペクトル特徴調整器270と光学的に連通している可能性がある。第2のチャンバ光ポート262bは、第2のチャンバ壁261b、第2のチャンバ窓266b、及び第2のチャンバ開口264bを備える可能性がある。一部の実施形態では、
図4に示すように、第2のチャンバ開口264bは矩形開口である可能性がある。一部の実施形態では、チャンバ261の光軸は、第1及び第2のチャンバ開口264a、264bを通過する。
【0067】
[0076] ガス放電媒体263は、ASE201(例えば193nm)及び/又は光ビーム202(例えば193nm)を出力するように構成されている可能性がある。一部の実施形態では、ガス放電媒体263は、エキシマレーザ発振用のガス(例えば、Ar2、Kr2、F2、Xe2、ArF、KrCl、KrF、XeBr、XeCl、XeFなど)を含む可能性がある。例えば、ガス放電媒体263はArF又はKrFを含む可能性があり、チャンバ261内の周囲電極(図示せず)からの励起(例えば印加電圧)によって、ASE201(例えば193nm)及び/又は光ビーム202(例えば193nm)を第1及び第2のチャンバ光ポート262a、262bから出力することができる。一部の実施形態では、ガス放電ステージ220は、高電圧電気パルスをチャンバ261内の電極(図示せず)間に印加するように構成された電圧電源(図示せず)を備える可能性がある。
【0068】
[0077] チャンバ調整器265は、チャンバ261の光軸を(例えば第1及び第2のチャンバ光ポート262a、262bに沿って)空間的に(例えば、横方向に、角度的に)調整するように構成されている可能性がある。
図2に示すように、チャンバ調整器265は、チャンバ261並びに第1及び第2のチャンバ光ポート262a、262bに結合されている可能性がある。一部の実施形態では、チャンバ調整器265は6つの自由度(例えば6軸)を有する可能性がある。例えばチャンバ調整器265は、チャンバ261の光軸の6つの自由度(例えば、前/後、上/下、左/右、ヨー、ピッチ、ロール)の調整を行う1つ以上のリニアモータ及び/又はアクチュエータを備える可能性がある。一部の実施形態では、チャンバ調整器265は、チャンバ261を横方向に及び角度的に調整して、(例えば第1及び第2のチャンバ光ポート262a、262bに沿った)チャンバ261の光軸をガス放電ステージ220(例えばMOキャビティ)の光軸と位置合わせすることができる。例えば
図2に示すように、ガス放電ステージ220(例えばMOキャビティ)の光軸は、(例えば第1及び第2のチャンバ光ポート262a、262bに沿った)チャンバ261、入出力光学素子250(例えばOC開口252)、及びスペクトル特徴調整器270(例えばLNM開口272)の光軸によって規定される可能性がある。
【0069】
[0078] 入出力光学素子250は、第1のチャンバ光ポート262aと光学的に連通するように構成されている可能性がある。一部の実施形態では、入出力光学素子250は、光ビームを部分的に反射し、第1の光共振器228を形成するように構成された光カプラ(OC)である可能性がある。例えばOCは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2011年2月8日発行の米国特許第7,885,309号に以前に説明されている。
図2に示すように、入出力光学素子250は、光を光増幅器260内に向け(例えば反射し)、光増幅器260からの光(例えば、光ビーム202、ASE201)をガス放電ステージ220(例えばMOキャビティ)から外に透過させるための第1の光共振器素子254を備える可能性がある。
【0070】
[0079]
図3に示すように、入出力光学素子250は、OC開口252及び第1の光共振器素子254を備える可能性がある。第1の光共振器素子254は、OC開口252を通過する光をチャンバ261(例えば第1のチャンバ光ポート262a)に対して垂直及び/又は水平方向に角度的に調整する(例えば、倒す及び/又は傾ける)ように構成されている可能性がある。一部の実施形態では、OC開口252は矩形開口である可能性がある。一部の実施形態では、ガス放電ステージ220の位置合わせは、第1のチャンバ開口264a及びOC開口252の位置合わせに基づいている可能性がある。一部の実施形態では、第1の光共振器素子254は、入出力光学素子250からの反射がガス放電ステージ220(例えばMOキャビティ)の光軸に平行になるように、入出力光学素子250を角度的に調整する(例えば、倒す及び/又は傾ける)ことができる。一部の実施形態では、第1の光共振器素子254は、角度調整する(例えば、倒す及び/又は傾ける)ことができる調整可能ミラー(例えば、部分反射鏡、ビームスプリッタなど)である可能性がある。一部の実施形態では、OC開口252は固定されている可能性があり、第1の光共振器素子254は調整される可能性がある。一部の実施形態では、OC開口252は調整される可能性がある。例えばOC開口252は、チャンバ261に対して垂直方向及び/又は水平方向に空間的に調整される可能性がある。
【0071】
[0080] スペクトル特徴調整器270(例えばLNM)は、第2のチャンバ光ポート262bと光学的に連通するように構成されている可能性がある。一部の実施形態では、スペクトル特徴調整器270は、光ビームに対してスペクトルライン狭隘化を行うように構成されたライン狭隘化モジュール(LNM)である可能性がある。例えばLNMは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2012年2月28日発行の米国特許第8,126,027号に以前に説明されている。
【0072】
[0081]
図2に示すように、スペクトル特徴調整器270は、光増幅器260からの光(例えば、光ビーム202、ASE201)を入出力光学素子250方向に再び光増幅器260内に向ける(例えば反射する)ための第2の光共振器素子224を備える可能性がある。
【0073】
[0082]
図4に示すように、スペクトル特徴調整器270は、LNM開口272及び傾斜角度変調器(TAM)274を備える可能性がある。TAM274は、LNM開口272を通過する光をチャンバ261(例えば第2のチャンバ光ポート262b)に対して垂直及び/又は水平方向に角度的に調整するように構成されている可能性がある。一部の実施形態では、LNM開口272は矩形開口である可能性がある。一部の実施形態では、ガス放電ステージ220の位置合わせは、第2のチャンバ開口264b及びLNM開口272の位置合わせに基づく可能性がある。一部の実施形態では、TAM274は、スペクトル特徴調整器270からの反射がガス放電ステージ220(例えばMOキャビティ)の光軸に平行になるように、スペクトル特徴調整器270を角度的に調整する(例えば、倒す及び/又は傾ける)ことができる。一部の実施形態では、TAM274は、角度調整する(例えば、倒す及び/又は傾ける)ことができる調整可能ミラー(例えば、部分反射鏡、ビームスプリッタなど)及び/又は調整可能プリズムを備える可能性がある。一部の実施形態では、LNM開口272は固定されている可能性があり、TAM274は調整される可能性がある。一部の実施形態では、LNM開口272は調整される可能性がある。例えばLNM開口272は、チャンバ261に対して垂直方向及び/又は水平方向に空間的に調整される可能性がある。
【0074】
[0083] 一部の実施形態では、TAM274の調整可能ミラー(例えば、部分反射鏡、ビームスプリッタなど)及び/又は調整可能プリズムは、複数のプリズム276a~dを含む可能性がある。プリズム276a~dは、第2の光共振器素子224への入光の入射角を操作するように作動される可能性があり、光路に沿って反射して戻る狭帯域波長を選択するのに役立つ可能性がある。一部の実施形態では、プリズム276aは、ステップ解像度が限られたステッパモータが取り付けられる可能性があり、粗い波長制御に使用される可能性がある。プリズム276aと比較して改善された解像度及び帯域幅を提供するプリズム276bは、圧電変換器(PZT)アクチュエータを使用して作動されることがある。動作時、コントローラ290はデュアルステージ構成のプリズム276a、276bを使用する可能性がある。
【0075】
[0084] LAM230は、光ビーム(例えば、光ビーム202、結像光206)のライン中心(例えば中心波長)をモニタするように構成されている可能性がある。LAM230は、メトロロジ波長測定のために光ビーム(例えば、ASE201、光ビーム202、結像光206)のエネルギーをモニタするように更に構成されている可能性がある。例えばLAMは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2011年2月8日発行の米国特許第7,885,309号に以前に説明されている。
【0076】
[0085]
図2に示すように、LAM230は、ガス放電ステージ220及び/又はMoWEB240に光学的に結合されている可能性がある。一部の実施形態では、LAM230はガス放電ステージ220とMoWEB240との間に配置されている可能性がある。例えば
図2に示すように、LAM230は、MoWEB240に直接光学的に結合され、ガス放電ステージ220に光学的に結合されている可能性がある。一部の実施形態では、
図2に示すように、ビームスプリッタ212はASE201及び/又は光ビーム202をPRAステージ280に向け、ASE201及び/又は光ビーム202を結像装置に向けるように構成される可能性がある。一部の実施形態では、
図2に示すように、ビームスプリッタ212はMoWEB240内に配置される可能性がある。
【0077】
[0086] MoWEB240は、光ビーム(例えば、光ビーム202、結像光206)にビーム整形を行うように構成される可能性がある。MoWEB240は、光ビーム(例えば、ASE201、光ビーム202、結像光206)の前方及び/又は後方伝搬をモニタするように更に構成される可能性がある。例えばMoWEBは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2011年2月8日発行の米国特許第7,885,309号に既に説明されている。
図2に示すように、MoWEB240はLAM230に光学的に結合されている可能性がある。一部の実施形態では、LAM230、MoWEB240、及び/又は結像装置は、単一の光学構成を介してガス放電ステージ220に光学的に結合されている可能性がある。
【0078】
[0087] コントローラ290は、入出力光学素子250、チャンバ調整器265、及び/又はスペクトル特徴調整器270と通信するように構成される可能性がある。一部の実施形態では、コントローラ290は、第1の信号292を入出力光学素子250に、第2の信号294をスペクトル特徴調整器270に、そして第3の信号296をチャンバ調整器265に提供するように構成される可能性がある。一部の実施形態では、コントローラ290は、信号(例えば、第1の信号292及び/又は第2の信号294)を入出力光学素子250及び/又はスペクトル特徴調整器270に提供し、結像装置400からの出力(例えば2次元(2D)画像比較)に基づいて入出力光学素子250を調整する(例えば、第1の光共振器素子254を調整する)及び/又はスペクトル特徴調整器270を調整する(例えばTAM274を調整する)ように構成される可能性がある。
【0079】
[0088] 一部の実施形態では、第1の光共振器素子254、チャンバ調整器265、及び/又はTAM274は、コントローラ290(例えば、第1の信号292、第2の信号294、及び/又は第3の信号296)と物理的及び/又は電子的に連通している可能性がある。例えば、第1の光共振器素子254、チャンバ調整器265、及び/又はTAM274は、コントローラ290によって(例えば、横方向に及び/又は角度的に)調整されて、(例えば第1及び第2のチャンバ光ポート262a、262bに沿った)チャンバ261の光軸を入出力光学素子250(例えばOC開口252)及びスペクトル特徴調整器270(例えばLNM開口272)によって定められたガス放電ステージ220(例えばMOキャビティ)の光軸と位置合わせすることができる。
【0080】
[0089] 通常の動作中に、光学部品が熱過渡を経験するとき、及びレーザデューティサイクルが変化するとき、レーザ波長が外乱やドリフトにさらされることがある。一次波長アクチュエータはLNMである。以上で考察したように、LNMは複数のプリズム276a~d及び第2の光共振器素子224(例えば格子)を備えることがある。複数のプリズム276a~dは、第2の光共振器素子224への入光の入射角を操作するように作動されることがあり、光路に沿って反射して戻る狭帯域波長を選択するのに役立つ。一部の実施形態では、入射角の大きさが選択された波長を制御することがある。
【0081】
[0090] 一部の実施形態では、入射角の大きさ、ひいては選択された波長を制御するために、複数のプリズム276a~dは最終入射角を調整するのに使用されることがある。例えばプリズム276aは、276b以上に最終入射角を制御することがある。つまり、一部の実施形態では、コントローラ290はプリズム276a、276bをデュアルステージ構成で使用し、プリズム276aは大きいジャンプに、かつ最終入射角のより微細な変更に使用されるプリズム276bを非飽和にするのに使用される。プリズム276a、276bを制御することは、セットポイント周囲の調整だけではなく、ナイキスト周波数での正弦波の精密追跡及び正弦波の中心点(すなわち中心波長)の精密制御を必要とするMFI動作にとって特に重要である。
図5、
図6A、
図6B、及び
図7から
図9に関して説明されるプロセスは、MFI動作などの結像動作のために中心波長を制御する方法を提供する。
【0082】
[0091] 多焦点結像動作は2色モードを含むことがある。光源を2色モードで動作させることは、第1の波長の第1のレーザ放射ビームを、第1のレーザチャンバモジュールを使用して発生させること、第2の波長の第2のレーザ放射ビームを、第2のレーザチャンバモジュールを使用して発生させること、及び第1及び第2のレーザ放射を共通の出力ビームパスに沿ってビームコンバイナを使用して結合することを含むことがある。2色モードでは、波長ターゲットが(例えばパルスごとに)バースト内の2つの既知のセットポイント間を行き来することがあり、中心波長を制御する余地をほとんど残さない急速に変化するターゲットを追跡するためにPZTが使用されることがある。
【0083】
[0092]
図5は、ある実施形態に係る、多焦点結像又はその他の結像のために中心波長を調整する方法500を示している。本明細書に示されている開示を実行するために、
図5の全てのステップが必要とされるわけではないことが理解されるべきである。更に、ステップの一部は同時に、連続して、及び/又は
図5に示すのと異なる順序で実行される可能性がある。方法500は
図1から
図4を参照して説明されるものとする。ただし、方法500はこれらの例示的な実施形態に限定されない。
【0084】
[0093] 一部の実施形態では、方法500は、LAM230から評価された平均中心波長誤差に基づいてプリズム276a及び276bの動きをそれぞれ制御するためのアクチュエータを移動させることによって、レーザ放射ビームの中心波長を調整するためのフィードバックループを策定することを対象とする。これを達成するために、直近のパルスの中心波長がLAMデータを使用して推定される可能性がある。一部の実施形態では、ターゲット中心波長と推定された中心波長との差が、プリズム276bが中心波長への外乱を補償するのに望まれる作動を決定するためにコントローラ290に提供される可能性がある。プリズム276bの移動範囲が限られているため、コントローラ290はまた、必要に応じてプリズム276bを作動させることによってプリズム276bが中心に置かれることを保証する可能性がある。
【0085】
[0094] 510において、方法500は、中心波長誤差を推定することを含む可能性がある。例えば中心波長誤差は、奇数バーストにおける中心波長の第1の平均値及び偶数バーストにおける中心波長の第2の平均値に基づいて推定される可能性があり、第1及び第2の平均値に基づいて第3の平均値が決定される。一部の実施形態では、中心波長誤差は中心波長と第3の平均値との差に基づいている場合がある。
【0086】
[0095] 520において、方法500は、推定した中心波長に基づいてプリズム276bの動きを制御する第1のアクチュエータの作動量を決定することを含む可能性がある。例えば
図2のコントローラ290は、ターゲット中心波長と推定した波長との差を決定し、差を補償するためにプリズム276bの動きを制御するアクチュエータをどれくらい作動させるべきかを決定することができる。530において、方法500は、プリズム276bの動きを制御するアクチュエータを作動量に基づいて作動させることを含む可能性がある。
【0087】
[0096] 540において、方法500は、プリズム276bが中心からずれているかどうかを判定することを含む可能性がある。プリズム276bが中心に置かれていると判定したことに応答して、方法500は550において終了する。プリズム276bが中心からずれていると判定したことに応答して、560において方法500は、プリズム276bの動きを制御するアクチュエータの第2の作動量を決定し、第1のアクチュエータの第2の作動に基づいてプリズム276aの動きを制御する第2のアクチュエータの第3の作動量を決定することを含む可能性がある。つまり、コントローラ290は、プリズム276a、276bの両方が中心波長誤差を修正するのにどれくらいの作動が必要であるかを決定することができる。
【0088】
[0097]
図6Aから
図6B、
図7、及び
図8は、一部の実施形態に係る、多焦点結像などの結像動作のために中心波長を調整する方法を示している。本明細書に示されている開示を実行するために、
図6から
図8の全てのステップが必要とされるわけではないことが理解されるべきである。更に、ステップの一部は同時に、連続して、及び/又は
図6Aから
図6B、
図7、及び
図8に示すのと異なる順序で実行される可能性がある。これらの方法は
図1から
図4を参照して説明されるものとする。ただし、これらの方法は、これらの例示的な実施形態に限定されない。
【0089】
[0098]
図6Aから
図6B、
図7、及び
図8は、例えば2色MFIモードにおいてレーザ放射ビームの中心波長を調整する方法を対象とする。2色MFIモードは課題に直面することがあり、例えば、2色モードにおいて中心波長制御の余地をほとんど有しないプリズム276b、モード遷移からのステップ外乱、及び/又はピーク分離変化が純粋なフィードバックを使用して処理された場合に過渡事象を発生させる可能性があり、中心波長コントローラが他のコントローラ、例えばピーク分離コントローラと相互作用する可能性があり、性能の劣化あるいは不安定性につながる可能性がある。これらの課題に対処するために、一部の実施形態では、プリズム276aは、小さいローパスフィルタリングされた誤差を補償するためにプリズム276bの動きを制限しながら、大きい中心波長誤差を補償するためにバースト内で移動される可能性がある。更に一部の実施形態では、プリズム276aはプリズム276bを非飽和にするために移動される可能性がある。一部の実施形態では、プリズム276aは、2色モード遷移又はピーク分離ターゲット変化を検出するとバーストの外側に移動される可能性がある。一部の実施形態では、中心波長コントローラと、他のコントローラ、例えばピーク分離コントローラとの間の制御帯域幅は互いに分離される可能性がある。
【0090】
[0099]
図6Aから
図6Bに示すように、610において方法600は、MFIシステムにおけるレーザチャンバなどの光源を励起することを含む可能性がある。620において、方法600は、第1のレーザチャンバモジュールからの第1の波長の第1のレーザ放射ビームであるか又は第2のレーザチャンバモジュールを使用して発生させた第2の波長の第2のレーザ放射ビームであり得る光源の波長誤差を決定することを含む可能性がある。一部の実施形態では、波長誤差を決定することは、光源が発生させた光ビームの中心波長を測定し、中心波長とターゲット中心波長との差を決定することを含む可能性がある。
【0091】
[0100] 630において、方法600は、波長誤差が第1の閾値より大きいかどうかを判定することを含む可能性がある。例えば閾値は200フェムトメートルである可能性がある。これが例示的な閾値に過ぎず、本開示の態様に従って他の閾値が更に想定されることが当業者によって理解されるべきである。
【0092】
[0101] 一部の実施形態では、640において、波長誤差が閾値より大きいと判定したことに応答して、方法600は、プリズム276aの動きを制御するために第1のアクチュエータを移動させることを含む可能性がある。例えば、第1のアクチュエータは、ローパスフィルタなどのフィルタ、及びプリズム276bの動きを制御するための第2のアクチュエータの移動が不能にされている間に、パルスごとに第1のステップサイズで移動される可能性がある。例えば、第1のアクチュエータは波長誤差を小さくする方向に移動される可能性がある。第1のステップサイズは、第1のアクチュエータの1つのフルステップなどの固定ステップサイズである可能性がある。フィルタ及び第2のアクチュエータが不能にされている間に第1のアクチュエータを移動させることによって、方法600は、波長誤差に肉眼的変化を与え、プリズム276bを非飽和にする。一部の実施形態では、第1のアクチュエータが第1のステップで移動された後に、698において方法600は、光源の次のパルスを待つことで終わる。
【0093】
[0102] 一部の実施形態では、650において、波長誤差が第1の閾値より小さいと判定したことに応答して、方法600は平均波長誤差を決定することを含む可能性がある。一部の実施形態では、平均波長誤差は、当業者により理解されるべきであるようにローパスフィルタリング技術に基づいた移動平均値である場合がある。660において方法600は、平均波長誤差が第2の閾値より大きいかどうかを判定することを含む可能性がある。一部の実施形態では、第2の閾値は第1の閾値と異なる場合がある。例えば、第2の閾値は100フェムトメートルである可能性がある。これが例示的な閾値に過ぎず、本開示の態様に従って他の閾値が更に想定されることが当業者によって理解されるべきである。一部の実施形態では、平均波長誤差は、波長誤差とパルス数nにわたる複数の波長誤差の平均値とに基づいている可能性がある(nは1より大きいパルス数である)。つまり、平均波長誤差は波長誤差の移動平均値である可能性がある。
【0094】
[0103] 一部の実施形態では、670において、平均波長誤差が第2の閾値より大きいと判定したことに応答して、方法600は、第1のアクチュエータを第2のステップサイズで移動させ、ローパスフィルタを有効にし、第2のアクチュエータの移動を不能にすることを含む可能性がある。例えば、第1のアクチュエータは波長誤差を小さくする方向に移動される可能性がある。一部の実施形態では、第2のステップサイズは波長誤差に比例している可能性があり、例えば平均波長誤差が小さければ小さいほど第1のアクチュエータのステップサイズが小さくなり、逆もまた同様である。一部の実施形態では、第2のステップサイズはフルステップサイズより小さい場合がある。一部の実施形態では、第2のステップサイズはフルステップサイズより大きい場合がある。第1のアクチュエータを平均波長誤差に比例したステップサイズで移動させることによって、方法600はプリズム276aの所望の位置を行き過ぎることを防ぐ。一部の実施形態では、第1のアクチュエータが第2のステップで移動した後、698において、方法600は光源の次のパルスを待つことで終わる。
【0095】
[0104] 一部の実施形態では、680において、平均波長誤差が第2の閾値より小さいと判定したことに応答して、方法600は第1のアクチュエータを第3のステップサイズで移動させることを含む可能性がある。一部の実施形態では、第3のステップサイズは第2のアクチュエータに印加される電圧に比例しており、第2のアクチュエータに印加された電圧をリセットしている可能性がある。したがって、一部の実施形態では、第3のステップサイズは、平均波長誤差ではなく、第2のアクチュエータに印加された電圧に基づいている可能性がある。
【0096】
[0105] 一部の実施形態では、690において、方法600はパルスのショット数が更新間隔の倍数であるかどうかを判定することを含む可能性がある。ショット数は、例えば光ビームのパルスの数である可能性がある。一部の実施形態では、更新間隔は、例えば5又は10パルスごとである可能性がある。これらが例示的な更新間隔に過ぎず、本開示の態様に従って他の更新間隔が更に想定されることが当業者によって理解されるべきである。つまり、一部の実施形態では、方法600はパルスが例えば5番目又は10番目のパルスであるかどうかを判定することを含む可能性がある。一部の実施形態では、ショット数が更新間隔に等しくない場合、698において、方法600は光源の次のパルスを待つことで終わる。
【0097】
[0106] 一部の実施形態では、ショット数が更新間隔に等しい場合、695において、方法600は第2のアクチュエータに印加された電圧を更新することを含む可能性がある。例えば第2のアクチュエータに印加された電圧は平均波長誤差に基づいている可能性があり、その結果、プリズム276bの動きが後続のパルスにおける平均波長誤差を調整する。一部の実施形態では、第2のアクチュエータに印加された電圧を更新した後、698において、方法600は光源の次のパルスを待つことで終わる。
【0098】
[0107] 一部の実施形態では、
図7の方法700は、光源のパルス間で実行される可能性がある。この期間中、光源は動作モード間、例えば単色モードと2色モードの間を遷移する可能性があり、結果として、中心波長は動作状態の変化によって変化する可能性がある。これに対処するために、
図7に示すように方法700は、710において光源の動作状態の変化を検出することを含む可能性もある。720において、光源の動作状態の変化を検出したことに応答して、方法700は、中心波長変化を決定することを含む可能性がある。例えば、中心波長変化を決定することはターゲットピーク分離の中点を決定することを含む可能性がある。730において、方法700は、第1のアクチュエータを中心波長変化に基づいたステップサイズで移動させることを含む可能性がある。一部の実施形態では、
図7に関して説明されるプロセスは光源のバースト間で実行される可能性がある。そうすることによって、方法700は、次に光源が作動されるときに波長誤差を小さくすることを提供する。
【0099】
[0108] 一部の実施形態では、
図8の方法800は、光源のパルス間で実行される可能性がある。この期間中、ターゲットピーク分離が変化する可能性がある。これに対処するために、
図8に示すように方法800は、810においてピーク分離の変化を検出することを含む可能性がある。820において、ピーク分離の変化を検出したことに応答して、方法800は、中心波長変化を決定することを含む可能性もある。例えば、中心波長変化を決定することは、以前のピーク分離ターゲットと新しいピーク分離ターゲットとの間の平均値を決定することを含む可能性がある。830において、方法800は、第1のアクチュエータを中心波長変化に基づいたステップサイズで移動させることを含む可能性がある。一部の実施形態では、
図7及び8に関して説明されるプロセスは光源のバースト間で実行される可能性がある。そうすることによって、方法700及び800は、次に光源が作動されるときに波長誤差を小さくすることを提供する。また、
図7及び8に記載のプロセスを用いて、本開示は異なる動作モード間の遷移を完了するのに必要なバースト数を減らす。
【0100】
[0109]
図9は、ある実施形態に係る、例えば多焦点結像に使用され得る中心波長を調整する方法900を示している。本明細書に示されている開示を実行するために、
図9の全てのステップが必要とされるわけではないことが理解されるべきである。更に、ステップの一部は同時に、連続して、及び/又は
図9に示すのと異なる順序で実行される可能性がある。方法900は
図1から
図4を参照して説明されるものとする。ただし、方法900は、これらの例示的な実施形態に限定されない。
【0101】
[0110] 一部の実施形態では、
図9について考察されるプロセスは、バースト中にプリズム276bの動きを制御するアクチュエータを移動させることを提供する。つまり、
図9について考察されるプロセスは、例えばMFIモードにおける第1のレーザチャンバモジュールからの第1の波長の第1のレーザ放射ビーム、又は第2のレーザチャンバモジュールを使用して発生させた第2の波長の第2のレーザ放射ビームからのものであり得る中心波長の変化に対処するためのインスターバースト(instar-burst)解決策を提供する。これを達成するために、一部の実施形態では、
図9について説明されるプロセスは、中心波長の測定遅延を補償するために中心波長のドリフト速度を推定する。
【0102】
[0111] 一部の実施形態では、ディザ波形(又はシーケンス)が、プリズム276bのアクチュエータを移動させるためのオフセットと組み合わせられる可能性がある。例えば、ディザ波形は、量子化をランダムに行うのに使用されるノイズの応用形態である場合がある。オフセットは、バーストの終わり(EOB)に及び/又は設定されたパルス間隔で更新される可能性がある。一部の実施形態では、EOB更新はプリズム276bのアクチュエータを移動させて、バースト全体の波長測定値を平均化することにより得られた推定中心波長ドリフトをゼロにすることができる。一部の実施形態では、間隔更新は本明細書に記載の推定プロセスに基づいている可能性がある。一部の実施形態では、本明細書に記載の推定プロセスは、現在のパルスまでの中心波長のローリング平均推定値に基づいている可能性があり、プリズム276bのアクチュエータのためのオフセットとプリズム276aのアクチュエータのための第2のオフセットの両方へのアクセスが提供される可能性がある。換言すれば、一部の実施形態では、ドリフト速度を推定するためのプロセスは、プリズム276a、276bの現在の位置、更に各アクチュエータのそれぞれのオフセット、中心波長のローリング平均値、カルマンフィルタフレームワークを使用して総蓄積中心波長ドリフトを推定することに基づいている可能性がある。一部の実施形態では、LAM230の遅延を補償するために、2ショット先のドリフトがカルマンフィルタをカルマン予測器に変換することによって予測される可能性がある。つまり、既知の入力及び外乱を使用することによって、ドリフト速度は、現在のバーストより2ステップ先のドリフト速度を予測するための開ループ伝搬を用いて推定される可能性がある。
【0103】
[0112] 一部の実施形態では、カルマンフィルタは式1及び2を用いてモデル化される可能性がある。一部の実施形態では、任意の所与の点において、中心波長ターゲットに対する中心波長は、適切な利得によりスケーリングされたプリズム276a、276bの位置の和と、時間kにおける蓄積波長ドリフトD(k)とに基づいている可能性がある。一部の実施形態では、蓄積波長ドリフトは時間kにおける速度が未知のDSR(k)と定義される線形ドリフトとしてモデル化される可能性がある。結果として、ドリフト速度は、問題なく経時的に変化する可能性があり、状態ベクトルに組み込まれることによってドリフト速度の推定を可能にする可能性がある。
【0104】
【0105】
[0113] モデルがこのように構築され、定常状態カルマンフィルタは式3のように実装される可能性がある。ここでA、B、C、及びDは式1及び式2に定義されており、Q及びRはチューニングパラメータであり、Sは式4で与えられる代数リカッチ方程式の解である。
【0106】
【0107】
[0114] 一部の実施形態では、コントローラ、例えばコントローラ290に総蓄積ドリフト及び推定ドリフト速度が提供される可能性があり、その結果、中心波長の変化が補償される可能性がある。
【0108】
[0115] 一部の実施形態では、オフセットP3offsetは式5のように定義される可能性がある。モデルに組み込まれている既知の入力及び外乱を使用することによって、ドリフト速度は、2ステップ先のモデルの開ループ伝搬を用いて推定される可能性がある。
【0109】
【0110】
[0116] 上記に基づいて、ドリフト速度はリアルタイムの波長測定値に基づいて推定される可能性がある。ドリフト速度は、波長ドリフトの大きさを予測し、ショットごとに補償するのに使用される可能性がある。一部の実施形態では、ドリフト速度は可変蓄積速度を有するアキュムレータとしてモデル化される可能性があり、カルマンフィルタは、中心波長の推定値(例えば現在のバーストにおける全ての波長測定値の算術平均)に基づいて蓄積速度を推定するのに使用される可能性がある。一部の実施形態では、LAM230の測定遅延を補償するために、Nパルス、例えば2パルス先の中心波長が予測され、プリズム276bのアクチュエータに印加されたオフセットを決定するのに使用される可能性がある。例えば一部の実施形態では、Nパルスは2パルスである場合があるが、これが例示的なパルス数に過ぎず、本開示の態様に従ってより多い又は少ないパルスが想定されることが当業者によって理解されるべきである。一部の実施形態では、このオフセットは、フェムトメートル未満の解像度でショットごとに更新される可能性がある。
【0111】
[0117] 910において、方法900はディザ波形をプリズムを作動させるためのオフセット値と組み合わせることを含む可能性がある。一部の実施形態では、オフセット値は、プリズム276bの動きを制御するためのアクチュエータを移動させるのに使用される可能性がある。一部の実施形態では、オフセット値は、プリズム276bの動きを制御するためのアクチュエータに印加される直流(DC)電圧に基づいている。一部の実施形態では、DC電圧の初期値はゼロボルトである。
【0112】
[0118] 920において、方法900は、パルス間波長をディザ波形及びオフセット値に基づいて発生させることを含む可能性がある。例えば、パルス間波長はLAM230を使用して発生される可能性がある。一部の実施形態では、パルス間波長はまた、リソグラフィ装置LA内からの他の外乱に基づいている可能性がある。
【0113】
[0119] 930において、方法900は、中心波長のローリング平均値を複数のパルスのパルス間波長に基づいて生成することを含む可能性がある。一部の実施形態では、複数のパルスのパルス間波長は現在のパルスの波長を含む。
【0114】
[0120] 940において、方法900は、将来のパルスの中心波長を予測するためのドリフト速度を推定することを含む可能性がある。一部の実施形態では、プリズム276bに関連付けられたアクチュエータを移動させるためのオフセット値は第1のオフセット値である可能性があり、ドリフト速度を推定することは、ドリフト速度を中心波長のローリング平均値、第1のオフセット値、及び第2のプリズム276aの動きを制御する第2のアクチュエータを移動させる第2のオフセット値に基づいて推定することを含む可能性がある。一部の実施形態では、ドリフト速度を推定することは、カルマンフィルタフレームワークを使用して蓄積中心波長ドリフト速度を推定することを含む。例えばカルマンフィルタフレームワークは、蓄積中心波長ドリフト速度を中心波長のローリング平均値、第1のオフセット値、及び第2のオフセット値に基づいて推定することができる。また、ドリフト速度を推定することは、現在のパルスよりNパルス、例えば2パルス先の中心波長を予測することを含む可能性がある。これを達成するために、カルマンフィルタフレームワークは、現在のパルスよりNパルス、例えば2パルス先の中心波長を予測するためのカルマン予測器に変換される可能性がある。
【0115】
[0121] 950において、方法900は、オフセット値を推定したドリフト速度に基づいて更新することを含む可能性がある。一部の実施形態では、オフセット値を更新することはまた、推定したドリフト速度に加えて、バーストの終わりにおける中心波長のローリング平均値に基づいている可能性がある。
【0116】
[0122] 例示的なコンピュータシステム
[0123] 様々な実施形態及びその構成要素が、例えば図に示されるか、それ以外において考察される例示的な実施形態、システム、及び/又はデバイスなどの1つ以上の周知のコンピュータシステムを使用して実施される可能性がある。コンピュータシステム1000は、本明細書に記載された機能を果たすことが可能な任意の周知のコンピュータである可能性がある。
【0117】
[0124] コンピュータシステム1000は、プロセッサ1004などの1つ以上のプロセッサ(中央処理装置、すなわちCPUとも呼ばれる)を備える。プロセッサ1004は、通信インフラストラクチャ、すなわちバス1006に接続されている。
【0118】
[0125] 1つ以上のプロセッサ1004は、それぞれグラフィック処理装置(GPU)である場合がある。ある実施形態において、GPUは、数学的に集約されたアプリケーションを処理するように設計された専用の電子回路であるプロセッサである。GPUは、コンピュータグラフィックスアプリケーション、画像、映像などに共通した数学的に集約されたデータなどの、大きなデータブロックを並列処理するのに効率的な並列構造を有することがある。
【0119】
[0126] コンピュータシステム1000は、ユーザ入出力インターフェイス1002を介して通信インフラストラクチャ1006と通信するモニタ、キーボード、ポインティングデバイスなどのユーザ入出力デバイス1003も備える。
【0120】
[0127] コンピュータシステム1000は、ランダムアクセスメモリ(RAM)などのメイン又は一次メモリ1008も備える。メインメモリ1008は、1つ以上のキャッシュレベルを含むことがある。メインメモリ1008は、制御ロジック(すなわち、コンピュータソフトウェア)及び/又はデータを格納している。
【0121】
[0128] コンピュータシステム1000はまた、1つ以上の二次ストレージデバイスすなわちメモリ1010を備えることがある。二次メモリ1010は、例えば、ハードディスクドライブ1012及び/又はリムーバブルストレージデバイス又はドライブ1014を含むことがある。リムーバブルストレージドライブ1014は、フロッピーディスクドライブ、磁気テープドライブ、コンパクトディスクドライブ、光学ストレージデバイス、テープバックアップデバイス、及び/又は任意の他のストレージデバイス/ドライブである場合がある。
【0122】
[0129] リムーバブルストレージドライブ1014は、リムーバブルストレージユニット1018と情報をやり取りすることがある。リムーバブルストレージユニット1018は、コンピュータソフトウェア(制御ロジック)及び/又はデータを格納した、コンピュータが使用可能又は読み取り可能なストレージデバイスを含む。リムーバブルストレージユニット1018は、フロッピーディスク、磁気テープ、コンパクトディスク、DVD、光学ストレージディスク、及び任意の他のコンピュータデータストレージデバイスである場合がある。リムーバブルストレージドライブ1014は、周知の手法でリムーバブルストレージユニット1018に対する読出し及び/又は書込みを行う。
【0123】
[0130] 例示的な実施形態によれば、二次メモリ1010は、コンピュータプログラム及び/又は他の命令及び/又はデータをコンピュータシステム1000からアクセス可能にするための他の方法、手段又は他のアプローチを含むことがある。このような方法、手段又は他のアプローチには、例えば、リムーバブルストレージユニット1022及びインターフェイス1020が含まれることがある。リムーバブルストレージユニット1022及びインターフェイス1020の例として、(ビデオゲームデバイスで見られるような)プログラムカートリッジ及びカートリッジインターフェイス、(EPROM又はPROMのような)リムーバブルメモリチップ及び関連したソケット、メモリスティック及びUSBポート、メモリカード及び関連したメモリカードスロット、並びに/又は任意の他のリムーバブルストレージユニット及び関連したインターフェイスが含まれることがある。
【0124】
[0131] コンピュータシステム1000は、通信又はネットワークインターフェイス1024を更に備えることがある。通信インターフェイス1024は、コンピュータシステム1000が、(参照番号1028によって個別に及び包括的に参照される)遠隔デバイス、遠隔ネットワーク、遠隔エンティティなどの任意の組み合わせと通信し、かつ情報のやり取りを行うことを可能にする。例えば、通信インターフェイス1024は、コンピュータシステム1000が、有線及び/又は無線であり得る、かつLAN、WAN、インターネットなどの任意の組み合わせを含み得る通信経路1026を介して、遠隔デバイス1028と通信することを可能にすることがある。制御ロジック及び/又はデータは、通信経路1026を介してコンピュータシステム1000との間で伝送されることがある。
【0125】
[0132] ある実施形態において、制御ロジック(ソフトウェア)を格納した、非一時的かつ有形のコンピュータが使用可能又は読み取り可能な媒体を備えた非一時的かつ有形の装置又は製造品は、本明細書において、コンピュータプログラム製品又はプログラムストレージデバイスとも呼ばれる。これには、コンピュータシステム1000、メインメモリ1008、二次メモリ1010、リムーバブルストレージユニット1018及び1022、並びにこれらの任意の組み合わせを具現化した有形の製造品が含まれるが、これらに限定されない。かかる制御ロジックは、(コンピュータシステム1000などの)1つ以上のデータ処理デバイスによって実行されるとき、かかるデータ処理デバイスに本明細書に記載したような動作を実行させる。
【0126】
[0133] この開示に含まれる教示に基づいて、当業者には、
図10に示したもの以外のデータ処理デバイス、コンピュータシステム及び/又はコンピュータアーキテクチャを使用して、この開示の実施形態をなし、かつ使用する方法が明らかになるであろう。特に、実施形態は、本明細書に記載したもの以外のソフトウェア、ハードウェア、及び/又はオペレーティングシステムの実装で動作することがある。
【0127】
[0134] 光リソグラフィの分野での実施形態の使用に特に言及してきたが、実施形態は文脈によってはその他の分野、例えばインプリントリソグラフィでも使用することができ、光リソグラフィに限定されないことを理解されたい。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイス内のトポグラフィが基板上に作成されたパターンを画定する。パターニングデバイスのトポグラフィは基板に供給されたレジスト層内に刻印され、電磁放射、熱、圧力又はそれらの組み合わせを適用することでレジストは硬化する。パターニングデバイスはレジストから取り除かれ、レジストが硬化すると、内部にパターンが残される。
【0128】
[0135] 本明細書中の言い回し又は専門用語は説明を目的とするものであって限定を目的とするものではないことが理解されるべきであり、従って、本明細書の専門用語又は言い回しは、本明細書中の教示に照らして当業者によって解釈されるべきである。
【0129】
[0136] 本明細書で使用される「基板」という用語は、その上に材料層が追加される材料を記述する。一部の実施形態では、基板自体にパターンが付与されると共に、その上に追加された材料にもパターンが付与されるか、又はパターン付与されないままである場合がある。
【0130】
[0137] 以下の例はこの開示の実施形態を説明するものであるが限定的ではない。本技術分野で通常見られ、当業者に自明と思われる各種の条件及びパラメータのその他の適切な変更形態及び適応形態も本開示の趣旨及び範囲内にある。
【0131】
[0138] 本文では、ICの製造における装置及び/又はシステムの使用について特に言及しているが、そのような装置及び/又はシステムは他の多くの可能な用途を有することを明確に理解されるべきである。例えば、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用ガイダンス及び検出パターン、LCDパネル、薄膜磁気ヘッドなどに使用できる。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「レチクル」、「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ「マスク」、「基板」、及び「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義(置き換えられる)と見なしてよいことが当業者には認識される。
【0132】
[0139] 特定の実施形態が上述されているが、実施形態は、記載されている以外の方法で実施され得ることが理解されるであろう。この説明は、特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。
【0133】
[0140] 特許請求の範囲を解釈するには、「発明の概要」及び「要約書」の項ではなく、「発明を実施するための形態」の項を使用するよう意図されていることを理解されたい。「発明の概要」及び「要約書」の項は、本発明者が想定するような1つ以上の例示的実施形態について述べることができるが、全部の例示的実施形態を述べることはできず、従って実施形態及び添付の特許請求の範囲をいかなる意味でも限定しないものとする。
【0134】
[0141] 以上では、特定の機能の実施態様を例示する機能的構成要素及びその関係を用いて実施形態について説明してきた。これらの機能的構成要素の境界は、本明細書では説明の便宜を図って任意に画定されている。特定の機能及びその関係が適切に実行される限り、代替的境界を画定することができる。
【0135】
[0142] 特定の実施形態の前述の説明は、実施形態の全体的性質を十分に明らかにしているので、当技術分野の知識を適用することにより、過度の実験をせず、実施形態の全体的な概念から逸脱することなく、このような特定の実施形態を容易に変更及び/又はこれを様々な用途に適応させることができる。従って、このような適応及び変更は、本明細書に提示された教示及び案内に基づき、開示された実施形態の均等物の意味及び範囲に入るものとする。
【0136】
[0143] 本発明の他の態様は、以下の番号が付けられた条項に記載されている。
1.結像動作のために中心波長を制御する方法であって、
中心波長誤差を推定すること、
第1のプリズムの動きを制御する第1のアクチュエータの第1の作動量を、推定した中心波長誤差に基づいて決定すること、
第1のアクチュエータを第1の作動量に基づいて作動させること、
第1のプリズムが中心からずれているかどうかを判定すること、
第1のプリズムが中心からずれていると判定したことに応答して、第1のアクチュエータの第2の作動量を決定し、第2のプリズムの動きを制御するための第2のアクチュエータの第3の作動量を決定すること、及び
第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータをそれぞれ第2及び第3の作動量に基づいて作動させることを含む方法。
2.中心波長誤差を推定することが、
奇数バーストにおける中心波長の第1の平均値及び偶数バーストにおける中心波長の第2の平均値を計算すること、及び
第1及び第2の平均値の平均値を決定することを含み、中心波長誤差が第1及び第2の平均値の平均値に基づいている、条項1の方法。
3.第1の作動量を決定することが、
ターゲット中心波長と推定した中心波長との差を決定すること、及び
第1の作動量をターゲット中心波長と推定した中心波長との差に基づいて決定することを含む、条項1の方法。
4.ターゲット中心波長と推定した中心波長との差を決定することが、差をデジタルフィルタを使用して決定することを含む、条項3の方法。
5.第2のアクチュエータの第3の作動量を決定することが、第1のアクチュエータを第2の作動量に基づいて作動させた後の第1のプリズムの位置に基づいている、条項1の方法。
6.第3の作動量を決定することが、ターゲット中心波長と推定した波長との差を小さくするように第3の作動量を決定することを更に含む、条項5の方法。
7.結像動作が多焦点結像動作を含み、方法が、光源を2色モードで動作させることを更に含み、光源を2色モードで動作させることが、
第1の波長の第1のレーザ放射ビームを、第1のレーザチャンバモジュールを使用して発生させること、
第2の波長の第2のレーザ放射ビームを、第2のレーザチャンバモジュールを使用して発生させること、及び
第1及び第2のレーザ放射を共通の出力ビームパスに沿ってビームコンバイナを使用して結合することを含み、
中心波長誤差を推定することが、第1のレーザ放射ビームの中心波長誤差を推定することを含む、条項1の方法。
8.中心波長を制御する方法であって、
光源が発生させた光ビームの波長誤差を決定すること、
波長誤差が第1の閾値より大きいかどうかを判定すること、
波長誤差が第1の閾値より大きいと判定したことに応答して、第1のプリズムの動きを制御する第1のアクチュエータを第1のステップサイズで移動させること、
波長誤差が第1の閾値より小さいと判定したことに応答して、
平均波長誤差を決定すること、
平均波長誤差が第1の閾値と異なる第2の閾値より大きいかどうかを判定すること、
平均波長誤差が第2の閾値より大きいと判定したことに応答して、第1のアクチュエータを第2のステップサイズで移動させ、ローパスフィルタを有効にすること、及び
平均波長誤差が第2の閾値より小さいと判定したことに応答して、ローパスフィルタを有効にし、第2のプリズムの動きを制御する第2のアクチュエータに印加される電圧を更新し、第1のアクチュエータを第3のステップサイズで移動させることを含む方法。
9.波長誤差を決定することが、
光源が発生させた光ビームの中心波長を測定すること、及び
中心波長とターゲット中心波長との差を決定することを含む、条項8の方法。
10.光源のパルスのショット数が更新間隔の倍数であるかどうかを判定すること、及び
ショット数が更新間隔に等しいと判定したことに応答して、第2のアクチュエータに印加された電圧を更新することを更に含む、条項8の方法。
11.波長誤差が第1の閾値より大きいと判定したことに応答して、ローパスフィルタ及び第2のアクチュエータの移動を不能にすることを更に含む、条項8の方法。
12.第1のステップサイズがアクチュエータの固定ステップサイズである、条項8の方法。
13.第2のステップサイズが波長誤差の関数である、条項8の方法。
14.第3のステップサイズが第2のアクチュエータに印加された電圧の関数である、条項8の方法。
15.第1のアクチュエータを第2のステップサイズで移動させることが、nパルス(nは1より大きい)ごとに第1のアクチュエータを移動させることを含む、条項8の方法。
16.平均波長誤差が、波長誤差とパルス数にわたる複数の波長誤差の平均値とに基づいている、条項8の方法。
17.方法が、多焦点結像動作において中心波長を制御することを含み、方法が、光源を2色モードで動作させることを更に含み、光源を2色モードで動作させることが、
第1の波長の第1のレーザ放射ビームを、第1のレーザチャンバモジュールを使用して発生させること、
第2の波長の第2のレーザ放射ビームを、第2のレーザチャンバモジュールを使用して発生させること、及び
第1及び第2のレーザ放射を共通の出力ビームパスに沿ってビームコンバイナを使用して結合することを含み、
光源が発生させた光ビームの波長誤差を決定することが、第1のレーザ放射ビームの中心波長誤差を決定することを含む、条項8の方法。
18.多焦点結像動作のために中心波長を制御する方法であって、
ディザ波形をプリズムの動きを制御するアクチュエータを移動させるためのオフセット値と組み合わせること、
ディザ波形及びオフセット値に基づいてパルス間波長を発生させること、
複数のパルスのパルス間波長に基づいて中心波長のローリング平均値を生成すること、
将来のパルスの中心波長を予測するためのドリフト速度を推定すること、及び
推定したドリフト速度に基づいてオフセット値を更新することを含む方法。
19.オフセット値が直流(DC)電圧に基づいている、条項18の方法。
20.DC電圧の初期値がゼロボルトである、条項19の方法。
21.オフセット値が第1のオフセット値を含み、
ドリフト速度を推定することが、ドリフト速度を中心波長のローリング平均値、第1のオフセット値、及び第2のプリズムの動きを制御する第2のアクチュエータを移動させる第2のオフセット値に基づいて推定することを含む、条項18の方法。
22.ドリフト速度を推定することが、カルマンフィルタフレームワークを使用して蓄積中心波長ドリフト速度を推定することを含む、条項21の方法。
23.ドリフト速度を推定することが、現在のパルスよりNパルス先の中心波長を予測することを含む、条項22の方法。
24.ドリフト速度を推定することが、カルマンフィルタフレームワークを、現在のパルスよりNパルス先の中心波長を予測するためにカルマン予測器に変換することを含む、条項23の方法。
25.複数のパルスのパルス間波長が現在のパルスの波長を含む、条項18の方法。
26.オフセット値を更新することが、バーストの終わりにおける中心波長のローリング平均値に基づいてオフセット値を更新することを更に含む、条項18の方法。
27.第1のプリズムの動きを制御する第1のアクチュエータと、
第2のプリズムの動きを制御する第2のアクチュエータと、
中心波長誤差を推定し、
推定した中心波長誤差に基づいて第1のアクチュエータの第1の作動量を決定し、
第1のアクチュエータを第1の作動量に基づいて作動させ、
第1のプリズムが中心からずれているかどうかを判定し、
第1のプリズムが中心からずれていると判定したことに応答して、第1のアクチュエータの第2の作動量を決定し、第2のアクチュエータの第3の作動量を決定し、
第1及び第2のアクチュエータをそれぞれ第2及び第3の作動量に基づいて作動させるコントローラと、を備えたシステム。
28.中心波長誤差を推定するために、コントローラが更に、
奇数バーストにおける中心波長の第1の平均値及び偶数バーストにおける中心波長の第2の平均値を計算し、
第1及び第2の平均値の平均値を決定し、中心波長誤差が第1及び第2の平均値の平均値に基づいている、条項27のシステム。
29.第1の作動量を決定するために、コントローラが更に、
ターゲット中心波長と推定した中心波長との差を決定し、
第1の作動量をターゲット中心波長と推定した中心波長との差に基づいて決定する、条項27のシステム。
30.ターゲット中心波長と推定した中心波長との差を決定するために、コントローラが更に、差をデジタルフィルタを使用して決定する、条項29のシステム。
31.第2のアクチュエータの第3の作動量が、第1のアクチュエータを第2の作動量に基づいて作動させた後の第1のプリズムの位置に基づいている、条項27のシステム。
32.第3の作動量を決定するために、コントローラが更に、ターゲット中心波長と推定した波長との差を小さくするように第3の作動量を決定する、条項31のシステム。
33.結像動作が多焦点結像動作を含み、
システムが2色モードで動作する光源を更に備え、
コントローラが更に、
第1の波長の第1のレーザ放射ビームを、第1のレーザチャンバモジュールを使用して発生させ、
第2の波長の第2のレーザ放射ビームを、第2のレーザチャンバモジュールを使用して発生させ、
第1及び第2のレーザ放射を共通の出力ビームパスに沿ってビームコンバイナを使用して結合することによって、光源を2色モードで動作させ、
中心波長誤差を推定することが、第1のレーザ放射ビームの中心波長誤差を推定することを含む、条項27のシステム。
34.光ビームを発生させる光源と、
第1のプリズムの動きを制御する第1のアクチュエータと、
第2のプリズムの動きを制御する第2のアクチュエータと、
光源が発生させた光ビームの波長誤差を決定し、
波長誤差が第1の閾値より大きいかどうかを判定し、
波長誤差が第1の閾値より大きいと判定したことに応答して、第1のアクチュエータを第1のステップサイズで移動させ、
波長誤差が第1の閾値より小さいと判定したことに応答して、
平均波長誤差を決定し、
平均波長誤差が第1の閾値と異なる第2の閾値より大きいかどうかを判定し、
平均波長誤差が第2の閾値より大きいと判定したことに応答して、第1のアクチュエータを第2のステップサイズで移動させ、ローパスフィルタを有効にし、平均波長誤差が第2の閾値より小さいと判定したことに応答して、ローパスフィルタを有効にし、第2のアクチュエータに印加される電圧を更新し、第1のアクチュエータを第3のステップサイズで移動させるコントローラと、を備えたシステム。
35.波長誤差を決定するために、コントローラが更に、
光源が発生させた光ビームの中心波長を測定し、
中心波長とターゲット中心波長との差を決定する、条項34のシステム。
36.コントローラが更に、
光源のパルスのショット数が更新間隔の倍数であるかどうかを判定し、
ショット数が更新間隔に等しいと判定したことに応答して、第2のアクチュエータに印加された電圧を更新する、条項34のシステム。
37.コントローラが更に、波長誤差が第1の閾値より大きいと判定したことに応答して、ローパスフィルタ及び第2のアクチュエータの移動を不能にする、条項34のシステム。
38.第1のステップサイズがアクチュエータの固定ステップサイズである、条項34のシステム。
39.第2のステップサイズが波長誤差の関数である、条項34のシステム。
40.第3のステップサイズが第2のアクチュエータに印加された電圧の関数である、条項34のシステム。
41.第1のアクチュエータを第2のステップサイズで移動させるために、コントローラが更に、第1のアクチュエータをnパルス(nは1より大きい)ごとに移動させる、条項34のシステム。
42.平均波長誤差が、波長誤差とパルス数にわたる複数の波長誤差の平均値とに基づいている、条項34のシステム。
43.システムが多焦点結像動作を実行し、
コントローラが更に、
第1の波長の第1のレーザ放射ビームを、第1のレーザチャンバモジュールを使用して発生させ、
第2の波長の第2のレーザ放射ビームを、第2のレーザチャンバモジュールを使用して発生させ、
第1及び第2のレーザ放射を共通の出力ビームパスに沿ってビームコンバイナを使用して結合することによって、光源を2色モードで動作させ、
光源が発生させた光ビームの波長誤差を決定することが、第1のレーザ放射ビームの中心波長誤差を決定することを含む、条項34のシステム。
44.多焦点結像動作のために中心波長を制御するためのシステムであって、
プリズムの動きを制御するアクチュエータと、
ディザ波形をアクチュエータを移動させるためのオフセット値と組み合わせ、
ディザ波形及びオフセット値に基づいてパルス間波長を発生させ、
中心波長のローリング平均値を複数のパルスのパルス間波長に基づいて生成し、
将来のパルスの中心波長を予測するためのドリフト速度を推定し、
推定したドリフト速度に基づいてオフセット値を更新するコントローラと、を備えたシステム。
45.オフセット値が直流(DC)電圧に基づいている、条項44のシステム。
46.DC電圧の初期値がゼロボルトである、条項45のシステム。
47.オフセット値が第1のオフセット値を含み、
ドリフト速度を推定することが、ドリフト速度を中心波長のローリング平均値、第1のオフセット値、及び第2のプリズムの動きを制御する第2のアクチュエータを移動させる第2のオフセット値に基づいて推定することを含む、条項44のシステム。
48.ドリフト速度を推定するために、コントローラが更に、カルマンフィルタフレームワークを使用して蓄積中心波長ドリフト速度を推定する、条項47のシステム。
49.ドリフト速度を推定するために、コントローラが更に、現在のパルスよりNパルス先の中心波長を予測する、条項48のシステム。
50.ドリフト速度を推定するために、コントローラが更に、カルマンフィルタフレームワークを、現在のパルスよりNパルス先の中心波長を予測するためにカルマン予測器に変換する、条項49のシステム。
51.複数のパルスのパルス間波長が現在のパルスの波長を含む、条項44のシステム。
52.オフセット値を更新するために、コントローラが更に、オフセット値をバーストの終わりにおける中心波長のローリング平均値に基づいて更新する、条項44のシステム。
【0137】
[0144] 実施形態の幅及び範囲は、上述した例示的実施形態のいずれによっても限定されず、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ規定されるものである。